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特開2022-20569組織ギャップ制御および制御されたステープル形成を伴う外科用ステープル留めデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020569
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】組織ギャップ制御および制御されたステープル形成を伴う外科用ステープル留めデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20220125BHJP
   A61B 17/285 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
A61B17/072
A61B17/285
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111272
(22)【出願日】2021-07-05
(31)【優先権主張番号】16/933,461
(32)【優先日】2020-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ダブリュー. ビアーズリー
(72)【発明者】
【氏名】スタニスロー ゼット. マークジク
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC23
4C160GG24
4C160MM32
(57)【要約】
【課題】組織ギャップ制御および制御されたステープル形成を伴う外科用ステープル留めデバイスの提供。
【解決手段】外科用ステープル留めデバイスは、アンビルおよびカートリッジアセンブリを有するツールアセンブリを含む。カートリッジアセンブリは、キャビティを画定するチャネル部材、チャネル部材のキャビティ内に支持されたステープルカートリッジ、およびバイアス部材を含む。ステープルカートリッジは、各々バックスパンおよびバックスパンに従属する一対の脚部を有するステープルを支持する。付勢部材は、チャネル部材内に配置され、カートリッジ本体がチャネル部材のキャビティ内で垂直に移動できるように変形可能である。アンビルは、ステープルの脚部をバックスパンと同じ平面内の位置からバックスパンから横方向にオフセットされた位置に変形するように構成されたステープル変形ポケットを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープル留めデバイスのためのアンビルであって、
長手方向軸を画定し、組織係合面を有する本体であって、前記組織係合面は、中央ナイフスロットおよび前記中央ナイフスロットの各側に配置された一連のステープル形成ポケットを画定し、前記ステープル形成ポケットの各々は、第1および第2の凹部を含み、前記第1および第2の凹部は、バックスパンを含むステープルの第1および第2の脚部をそれぞれ受容するように配置され、かつ、前記脚部を、前記脚部が前記バックスパンから横方向にオフセットした状態でB字形に形成するように構成されている、本体、を備える、アンビル。
【請求項2】
前記第1および第2の凹部の各々は、テーパが付けられた側壁および線形チャネルを含み、前記テーパが付けられた側壁は、前記ステープルの前記脚部を前記線形チャネルに向けるように構成されている、請求項1に記載のアンビル。
【請求項3】
前記第1の凹部の各々の前記線形チャネルは、前記アンビルの前記本体の前記長手方向軸と角度Ω1を画定し、前記第2の凹部の各々の前記線形チャネルは、前記アンビルの前記本体の前記長手方向軸と角度Ω2を画定する、請求項2に記載のアンビル。
【請求項4】
前記角度Ω1およびΩ2が約5度~約30度である、請求項3に記載のアンビル。
【請求項5】
前記第1および第2の凹部の各々が涙滴形状である、請求項3に記載のアンビル。
【請求項6】
前記第1および第2の凹部の各々は、前記アンビルの前記本体の前記長手方向軸に直交する方向に下向きに角度が付けられた壁を有する、請求項1に記載のアンビル。
【請求項7】
前記第1および第2の凹部の各々が線形である、請求項6に記載のアンビル。
【請求項8】
前記第1および第2の凹部の各々が涙滴形状である、請求項6に記載のアンビル。
【請求項9】
ツールアセンブリであって、
ステープルカートリッジおよびチャネル部材を含むカートリッジアセンブリであって、前記チャネル部材は、キャビティを画定する底壁および側壁を有し、前記ステープルカートリッジは、長手方向軸を画定するカートリッジ本体、プッシャー、ステープル、および作動スレッドを含み、前記カートリッジ本体は、中央ナイフスロットおよび前記中央ナイフスロットの各側に一連のステープル受容ポケットを画定し、前記ステープルの各々は、バックスパンならびに前記バックスパンに固定された第1および第2の脚部を含み、前記ステープルの各々は前記一連のステープル受容スロットうちの1つの中に受容され、前記ステープルの各々の前記第1および第2の脚部ならびに前記それぞれのステープルの前記バックスパンは、共通の平面に整列している、カートリッジアセンブリと、
長手方向軸を画定し、組織係合面を有する本体を含むアンビルであって、前記組織係合面は、中央ナイフスロットおよび前記中央ナイフスロットの各側に配置された一連のステープル形成ポケットを画定し、前記ステープル形成ポケットの各々は、第1および第2の凹部を含み、前記第1および第2の凹部は、前記ステープルのそれぞれの1つの前記第1および第2の脚部をそれぞれ受容するように配置され、前記第1および第2の凹部は、前記脚部を、前記ステープルの前記第1および第2の脚部が前記バックスパンから横方向にオフセットした状態でB字形に形成するように構成されている、アンビルと、を備える、ツールアセンブリ。
【請求項10】
前記第1および第2の凹部の各々は、テーパが付けられた側壁および線形チャネルを含み、前記テーパが付けられた側壁は、前記ステープルの前記脚部を前記線形チャネルに向けるように構成されている、請求項9に記載のツールアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の凹部の各々の前記線形チャネルは、前記アンビルの前記本体の前記長手方向軸と角度Ω1を画定し、前記第2の凹部の各々の前記線形チャネルは、前記アンビルの前記本体の前記長手方向軸と角度Ω2を画定する、請求項10に記載のツールアセンブリ。
【請求項12】
前記角度Ω1およびΩ2が約5度~約30度である、請求項11に記載のツールアセンブリ。
【請求項13】
前記第1および第2の凹部の各々が涙滴形状である、請求項11に記載のツールアセンブリ。
【請求項14】
前記第1および第2の凹部の各々が前記アンビルの前記本体の前記長手方向軸に直交する方向に下向きに角度が付けられた壁を有する、請求項9に記載のツールアセンブリ。
【請求項15】
前記第1および第2の凹部の各々が線形である、請求項14に記載のツールアセンブリ。
【請求項16】
前記第1および第2の凹部の各々が涙滴形状である、請求項14に記載のツールアセンブリ。
【請求項17】
前記カートリッジアセンブリが、前記カートリッジ本体と前記チャネル部材との間の前記チャネル部材の前記底壁に配置された付勢部材を含み、前記付勢部材は、前記キャビティ内で前記カートリッジ本体の垂直移動を可能にするように変形可能である、請求項9に記載のツールアセンブリ。
【請求項18】
前記カートリッジ本体がタブを含み、前記チャネル部材が前記タブを受容するウィンドウを画定し、前記カートリッジ本体が前記チャネル部材に対して垂直に移動できるように、前記タブが前記ウィンドウ内で垂直に移動可能である、請求項17に記載のツールアセンブリ。
【請求項19】
前記付勢部材は、圧縮ばねおよび板ばねからなる群から選択される、請求項17に記載のツールアセンブリ。
【請求項20】
外科用ステープル留めデバイスであって、
ハンドルアセンブリと、
近位部分および遠位部分を有するアダプタアセンブリであって、前記近位部分が、前記ハンドルアセンブリに結合されている、アダプタアセンブリと、
ツールアセンブリであって、
ステープルカートリッジおよびチャネル部材を含むカートリッジアセンブリであって、前記チャネル部材は、キャビティを画定する底壁および側壁を有し、前記ステープルカートリッジは、長手方向軸を画定するカートリッジ本体、プッシャー、ステープル、および作動スレッドを含み、前記カートリッジ本体は、中央ナイフスロットおよび前記中央ナイフスロットの各側に一連のステープル受容ポケットを画定し、前記ステープルの各々は、バックスパンならびに前記バックスパンに固定された第1および第2の脚部を含み、前記ステープルの各々は前記一連のステープル受容スロットうちの1つの中に受容され、前記ステープルの各々の前記第1および第2の脚部ならびに前記それぞれのステープルの前記バックスパンは、共通の平面に整列している、カートリッジアセンブリと、
長手方向軸を画定し、組織係合面を有する本体を含むアンビルであって、前記組織係合面は、中央ナイフスロットおよび前記中央ナイフスロットの各側に配置された一連のステープル形成ポケットを画定し、前記ステープル形成ポケットの各々は、第1および第2の凹部を含み、前記第1および第2の凹部は、前記ステープルのそれぞれの1つの前記第1および第2の脚部をそれぞれ受容するように配置され、前記第1および第2の凹部は、前記脚部を、前記ステープルの前記第1および第2の脚部が前記バックスパンから横方向にオフセットした状態でB字形に形成するように構成される、アンビルと、を含む、ツールアセンブリと、を備える、外科用ステープル留めデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外科用ステープル留めデバイスに関し、より具体的には、組織ギャップ制御および制御されたステープル形成を伴うツールアセンブリを有する外科用ステープル留めデバイスを対象とする。
【背景技術】
【0002】
様々な外科的処置、例えば、吻合処置において、組織または組織セグメントを迅速かつ効率的に結合するようにステープルを排出するための外科用ステープル留めデバイスがよく知られている。典型的には、外科用ステープル留めデバイスは、カートリッジアセンブリおよびアンビルをそれぞれ支持する第1および第2の顎を有するツールアセンブリを含む。カートリッジアセンブリは、複数のステープルを支持するステープルカートリッジを含む。第1および第2の顎は、開位置とクランプ位置との間のツールアセンブリの移動を可能とするように一緒に取り付けられている。クランプ位置において、カートリッジアセンブリのステープルカートリッジとアンビルは、並んで整合して支持され、所定の組織ギャップを画定する組織接触面を含む。ステープルカートリッジ内の組織ギャップおよびステープルのサイズは、止血を適切に行うために、所定の範囲内の厚さを有する組織を受容して縫合するような寸法とされている。顎の間に配置された組織が所定の範囲外にある場合、すなわち、厚すぎるか薄すぎる場合、ステープル留めデバイスは効果的な止血を提供しない可能性がある。加えて、臨床医が組織の厚さを誤って識別した場合、または組織の厚さが所与のステープルサイズの範囲の外縁付近にある場合、止血が無効になる可能性が高まる。
【0003】
したがって、より広い範囲の組織の厚さに対して効果的な止血を提供することができる外科用ステープル留めデバイスが、縫合技術において継続的に必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様は、長手方向軸を画定し、組織係合面を有する本体を含む外科用ステープル留めデバイスためのアンビルを対象とする。組織係合面は、中央ナイフスロット、および中央ナイフスロットの各側に配置された一連のステープル形成ポケットを画定する。ステープル形成ポケットの各々は、第1および第2の凹部を含む。第1および第2の凹部は、バックスパンを含むステープルの第1および第2の脚部をそれぞれ受容するように配置されている。第1および第2の凹部は、それぞれのステープルの脚部を、脚部がバックスパンから横方向にオフセットした状態でB字形に形成するように構成される。
【0005】
本開示の別の態様は、カートリッジアセンブリおよびアンビルを含むツールアセンブリを対象とする。カートリッジアセンブリは、ステープルカートリッジおよびチャネル部材を含む。チャネル部材は、キャビティを画定する底壁および側壁を有する。ステープルカートリッジは、長手方向軸、プッシャー、ステープル、および作動スレッドを画定するカートリッジ本体を含む。カートリッジ本体は、中央ナイフスロット、および中央ナイフスロットの各側にある一連のステープル受容ポケットを画定する。ステープルの各々には、バックスパン、ならびにバックスパンに固定された第1および第2の脚部が含まれる。ステープルの各々は、一連のステープル受容スロットのうちの1つの中に受容される。ステープルの各々の第1および第2の脚部ならびにそれぞれのステープルのバックスパンは、共通の平面に整列している。アンビルは、長手方向軸を画定し、かつ組織係合面を有する本体を含む。組織係合面は、中央ナイフスロット、および中央ナイフスロットの各側に配置された一連のステープル形成ポケットを画定する。ステープル形成ポケットの各々は、第1および第2の凹部を含む。第1および第2の凹部は、ステープルのそれぞれの1つの第1および第2の脚部をそれぞれ受容するように配置され、脚部を、ステープルの第1および第2の脚部がバックスパンから横方向にオフセットした状態でB字形に形成するように構成される。
【0006】
本開示の態様において、第1および第2の凹部の各々は、テーパが付けられた側壁および線形チャネルを含み、テーパが付けられた側壁は、ステープルの脚部を線形チャネルに向けるように構成される。
【0007】
本開示のいくつかの態様において、第1の凹部の各々の線形チャネルは、アンビルの本体の長手方向軸と角度Ω1を画定し、第2の凹部の各々の線形チャネルは、アンビルの本体の長手方向軸と角度Ω2を画定する。
【0008】
本開示の特定の態様において、角度Ω1およびΩ2は、約5度~約30度である。
【0009】
本開示の態様において、第1および第2の凹部の各々は、涙滴形状である。
【0010】
本開示のいくつかの態様において、第1および第2の凹部の各々は、アンビルの本体の長手方向軸に直交する方向に下向きに角度が付けられた壁を有する。
【0011】
本開示の特定の態様において、第1および第2の凹部の各々は線形である。
【0012】
本開示の態様において、カートリッジアセンブリは、カートリッジ本体とチャネル部材との間のチャネル部材の底壁に配置される付勢部材と、キャビティ内でカートリッジ本体の垂直移動を可能にするように変形可能な付勢部材とを含む。
【0013】
本開示のいくつかの態様において、カートリッジ本体はタブを含み、チャネル部材はタブを受容するウィンドウを画定し、タブはカートリッジ本体がチャネル部材に対して垂直に移動するのを可能とするようにウィンドウ内で垂直に移動可能である。
【0014】
本開示の特定の態様において、付勢部材は、圧縮ばねおよび板ばねからなる群から選択される。
【0015】
本開示の別の態様は、ハンドルアセンブリと、アダプタアセンブリと、ツールアセンブリとを含む外科用ステープル留めデバイスを対象とする。アダプタアセンブリは、近位部分および遠位部分を有する。近位部分はハンドルアセンブリに結合され、ツールアセンブリはアダプタアセンブリの遠位部分で支持されている。ツールアセンブリは、カートリッジアセンブリおよびアンビルを含む。カートリッジアセンブリは、ステープルカートリッジおよびチャネル部材を含む。チャネル部材は、キャビティを画定する底壁および側壁を有する。ステープルカートリッジは、長手方向軸、プッシャー、ステープル、および作動スレッドを画定するカートリッジ本体を含む。カートリッジ本体は、中央ナイフスロット、および中央ナイフスロットの各側にある一連のステープル受容ポケットを画定する。ステープルの各々には、バックスパン、およびバックスパンに固定されている第1および第2の脚部が含まれる。ステープルの各々は、一連のステープル受容スロットのうちの1つの中に受容される。ステープルの各々の第1および第2の脚部ならびにそれぞれのステープルのバックスパンは、カートリッジ本体内の共通の平面に整列している。アンビルは、長手方向軸を画定し、かつ組織係合面を有する本体を含む。組織係合面は、中央ナイフスロット、および中央ナイフスロットの各側に配置された一連のステープル形成ポケットを画定する。ステープル形成ポケットの各々は、ステープルのそれぞれ1つの第1および第2の脚部をそれぞれ受容するように配置された第1および第2の凹部を含み、かつ脚部を、ステープルの第1および第2の脚部がバックスパンから横方向にオフセットした状態でB字形に形成するように構成される。
【0016】
本開示の他の態様は、以下の説明から理解されるであろう。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
外科用ステープル留めデバイスのためのアンビルであって、
長手方向軸を画定し、組織係合面を有する本体であって、上記組織係合面は、中央ナイフスロットおよび上記中央ナイフスロットの各側に配置された一連のステープル形成ポケットを画定し、上記ステープル形成ポケットの各々は、第1および第2の凹部を含み、上記第1および第2の凹部は、バックスパンを含むステープルの第1および第2の脚部をそれぞれ受容するように配置され、かつ、上記脚部を、上記脚部が上記バックスパンから横方向にオフセットした状態でB字形に形成するように構成されている、本体、を備える、アンビル。
(項目2)
上記第1および第2の凹部の各々は、テーパが付けられた側壁および線形チャネルを含み、上記テーパが付けられた側壁は、上記ステープルの上記脚部を上記線形チャネルに向けるように構成されている、上記項目に記載のアンビル。
(項目3)
上記第1の凹部の各々の上記線形チャネルは、上記アンビルの上記本体の上記長手方向軸と角度Ω1を画定し、上記第2の凹部の各々の上記線形チャネルは、上記アンビルの上記本体の上記長手方向軸と角度Ω2を画定する、上記項目のいずれか一項に記載のアンビル。
(項目4)
上記角度Ω1およびΩ2が約5度~約30度である、上記項目のいずれか一項に記載のアンビル。
(項目5)
上記第1および第2の凹部の各々が涙滴形状である、上記項目のいずれか一項に記載のアンビル。
(項目6)
上記第1および第2の凹部の各々は、上記アンビルの上記本体の上記長手方向軸に直交する方向に下向きに角度が付けられた壁を有する、上記項目のいずれか一項に記載のアンビル。
(項目7)
上記第1および第2の凹部の各々が線形である、上記項目のいずれか一項に記載のアンビル。
(項目8)
上記第1および第2の凹部の各々が涙滴形状である、上記項目のいずれか一項に記載のアンビル。
(項目9)
ツールアセンブリであって、
ステープルカートリッジおよびチャネル部材を含むカートリッジアセンブリであって、上記チャネル部材は、キャビティを画定する底壁および側壁を有し、上記ステープルカートリッジは、長手方向軸を画定するカートリッジ本体、プッシャー、ステープル、および作動スレッドを含み、上記カートリッジ本体は、中央ナイフスロットおよび上記中央ナイフスロットの各側に一連のステープル受容ポケットを画定し、上記ステープルの各々は、バックスパンならびに上記バックスパンに固定された第1および第2の脚部を含み、上記ステープルの各々は上記一連のステープル受容スロットうちの1つの中に受容され、上記ステープルの各々の上記第1および第2の脚部ならびに上記それぞれのステープルの上記バックスパンは、共通の平面に整列している、カートリッジアセンブリと、
長手方向軸を画定し、組織係合面を有する本体を含むアンビルであって、上記組織係合面は、中央ナイフスロットおよび上記中央ナイフスロットの各側に配置された一連のステープル形成ポケットを画定し、上記ステープル形成ポケットの各々は、第1および第2の凹部を含み、上記第1および第2の凹部は、上記ステープルのそれぞれの1つの上記第1および第2の脚部をそれぞれ受容するように配置され、上記第1および第2の凹部は、上記脚部を、上記ステープルの上記第1および第2の脚部が上記バックスパンから横方向にオフセットした状態でB字形に形成するように構成されている、アンビルと、を備える、ツールアセンブリ。
(項目10)
上記第1および第2の凹部の各々は、テーパが付けられた側壁および線形チャネルを含み、上記テーパが付けられた側壁は、上記ステープルの上記脚部を上記線形チャネルに向けるように構成されている、上記項目に記載のツールアセンブリ。
(項目11)
上記第1の凹部の各々の上記線形チャネルは、上記アンビルの上記本体の上記長手方向軸と角度Ω1を画定し、上記第2の凹部の各々の上記線形チャネルは、上記アンビルの上記本体の上記長手方向軸と角度Ω2を画定する、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目12)
上記角度Ω1およびΩ2が約5度~約30度である、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目13)
上記第1および第2の凹部の各々が涙滴形状である、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目14)
上記第1および第2の凹部の各々が上記アンビルの上記本体の上記長手方向軸に直交する方向に下向きに角度が付けられた壁を有する、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目15)
上記第1および第2の凹部の各々が線形である、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目16)
上記第1および第2の凹部の各々が涙滴形状である、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目17)
上記カートリッジアセンブリが、上記カートリッジ本体と上記チャネル部材との間の上記チャネル部材の上記底壁に配置された付勢部材を含み、上記付勢部材は、上記キャビティ内で上記カートリッジ本体の垂直移動を可能にするように変形可能である、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目18)
上記カートリッジ本体がタブを含み、上記チャネル部材が上記タブを受容するウィンドウを画定し、上記カートリッジ本体が上記チャネル部材に対して垂直に移動できるように、上記タブが上記ウィンドウ内で垂直に移動可能である、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目19)
上記付勢部材は、圧縮ばねおよび板ばねからなる群から選択される、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目20)
外科用ステープル留めデバイスであって、
ハンドルアセンブリと、
近位部分および遠位部分を有するアダプタアセンブリであって、上記近位部分が、上記ハンドルアセンブリに結合されている、アダプタアセンブリと、
ツールアセンブリであって、
ステープルカートリッジおよびチャネル部材を含むカートリッジアセンブリであって、上記チャネル部材は、キャビティを画定する底壁および側壁を有し、上記ステープルカートリッジは、長手方向軸を画定するカートリッジ本体、プッシャー、ステープル、および作動スレッドを含み、上記カートリッジ本体は、中央ナイフスロットおよび上記中央ナイフスロットの各側に一連のステープル受容ポケットを画定し、上記ステープルの各々は、バックスパンならびに上記バックスパンに固定された第1および第2の脚部を含み、上記ステープルの各々は上記一連のステープル受容スロットうちの1つの中に受容され、上記ステープルの各々の上記第1および第2の脚部ならびに上記それぞれのステープルの上記バックスパンは、共通の平面に整列している、カートリッジアセンブリと、
長手方向軸を画定し、組織係合面を有する本体を含むアンビルであって、上記組織係合面は、中央ナイフスロットおよび上記中央ナイフスロットの各側に配置された一連のステープル形成ポケットを画定し、上記ステープル形成ポケットの各々は、第1および第2の凹部を含み、上記第1および第2の凹部は、上記ステープルのそれぞれの1つの上記第1および第2の脚部をそれぞれ受容するように配置され、上記第1および第2の凹部は、上記脚部を、上記ステープルの上記第1および第2の脚部が上記バックスパンから横方向にオフセットした状態でB字形に形成するように構成される、アンビルと、を含む、ツールアセンブリと、を備える、外科用ステープル留めデバイス。

(摘要)
外科用ステープル留めデバイスは、アンビルおよびカートリッジアセンブリを有するツールアセンブリを含む。カートリッジアセンブリは、キャビティを画定するチャネル部材、チャネル部材のキャビティ内に支持されたステープルカートリッジ、およびバイアス部材を含む。ステープルカートリッジは、各々バックスパンおよびバックスパンに従属する一対の脚部を有するステープルを支持する。付勢部材は、チャネル部材内に配置され、カートリッジ本体がチャネル部材のキャビティ内で垂直に移動できるように変形可能である。アンビルは、ステープルの脚部をバックスパンと同じ平面内の位置からバックスパンから横方向にオフセットされた位置に変形するように構成されたステープル変形ポケットを含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
開示された外科用ステープル留めデバイスの様々な態様は、本明細書において図面を参照して以下に説明される。
図1】開位置にある外科用ステープル留めデバイスのツールアセンブリを有する本開示の態様を含む外科用ステープル留めデバイスの側面斜視図である。
図2図1に示す詳細指示領域の拡大図である。
図3図2に示されるツールアセンブリのカートリッジアセンブリの側面斜視図である。
図4】ステープルカートリッジがカートリッジアセンブリのチャネル部材から分離されている、図3に示すカートリッジアセンブリの側面斜視図である。
図5図4に示すカートリッジアセンブリの分解図である。
図5A図5に示すカートリッジアセンブリの付勢部材の代替バージョンの側面斜視図である。
図6図1に示されるツールアセンブリのアンビルの側面斜視図である。
図7】アンビルのステープル形成面を示す図6に示した細部指示領域の拡大図である。
図8図6に示すアンビルのステープル形成面の断面図である。
図9A】ステープルの側面斜視図である。
図9B図6に示すアンビルによって形成された、図9Aに示すステープルの側面斜視図である。
図10図9Bに示す形成されたステープルの底面図である。
図11図6に示すアンビルのステープル形成面の代替バージョンの断面図である。
図12図11に示すアンビルによって形成されたステープルの側面斜視図である。
図13図6に示すアンビルのステープル形成面の別の代替バージョンの断面斜視図である。
図14図6に示すアンビルのステープル形成面のさらに別の代替バージョンの断面図である。
図15図14の切断線15-15に沿った断面図である。
図16図6に示すアンビルのステープル形成面の別の代替バージョンの第1の側面からの断面斜視図である。
図17図6に示すアンビルのステープル形成面の別の代替バージョンの断面斜視図である。
図18図17の切断線18-18に沿って切り取られた断面図である。
図19図18の切断線19-19に沿って切り取られた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、本開示の外科用ステープル留めデバイスについて、図面を参照して詳細に説明し、図面では、同様の参照番号は、いくつかの図の各々において同一または対応する要素を示す。しかしながら、開示される態様は本開示の単なる例示であり、様々な形態で具体化され得ることが理解されるべきである。周知の機能または構成は、不必要な詳細で本開示を曖昧にすることを避けるために、詳細には記載されない。それゆえに、本明細書で開示される特定の構造的および機能的な詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、かつ本開示を実質的に任意の適切に詳細な構造として様々に用いるために当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0019】
この説明において、「近位」という用語は、概して、臨床医により近い、デバイスの部分を指すために使用され、「遠位」という用語は、概して、臨床医からより遠い、デバイスの部分を指すために使用される。加えて、「内視鏡」という用語は、概して、内視鏡、腹腔鏡、関節鏡、および/または、小径の切開またはカニューレを介して行なわれる任意の他の処置を指すために使用される。さらに、「臨床医」という用語は、概して、医師、看護師、および支援要員を含む医療従事者を指すために使用される。前方、後方、上方、下方、上部、底部および同様の用語などの方向を示す用語は、説明の理解を助けるために使用され、本開示を限定することを意図していない。
【0020】
開示された外科用ステープル留めデバイスは、アンビルと、カートリッジチャネル、カートリッジチャネル内に支持されたステープルカートリッジ、および付勢部材を含むカートリッジアセンブリとを有するツールアセンブリを含む。カートリッジチャネルは、一対の間隔を置いた側壁および底壁を有する。付勢部材は、カートリッジチャネルとステープルカートリッジとの間のカートリッジチャネル内で支持され、ステープルカートリッジがカートリッジチャネル内で移動または浮遊して、異なる厚さの組織に適応するのを可能にする。開示された外科用ステープル留めデバイスはまた、ステープルカートリッジから排出されるステープル形成を制御するためのステープル形成表面を有するアンビルを含む。本開示の態様において、アンビルのステープル形成面は、ステープルの脚部を、ステープルのバックスパンの一方側に配置された脚部を実質的にB字形の構成に変形するように構成された形成ポケットを含む。
【0021】
図1は、ハンドルアセンブリ12、細長い本体またはアダプタアセンブリ14、およびツールアセンブリ16を含む、概して、ステープル留めデバイス10として示される外科用ステープル留めデバイスを示す。図示するように、ハンドルアセンブリ12は、電動式であり、固定ハンドグリップ18および作動ボタン20を含む。作動ボタン20は、接近、ステープル留め、および切開を含む、ツールアセンブリ16の様々な機能を、アダプタアセンブリ14を介して作動させるように操作可能である。本開示の特定の態様において、ハンドルアセンブリ12は、ステープル留めデバイス10を動作するためにハンドルアセンブリ12に電力を提供する電池(図示せず)を支持する。ステープル留めデバイス10は、電動式ステープル留めデバイスとして示されているが、本開示のツールアセンブリ16が、手動式外科用ステープル留めデバイスならびにロボット制御式ステープル留めデバイスでの使用に適切であることが想定される。
【0022】
アダプタアセンブリ14は、近位部分14aおよび遠位部分14bを含む。近位部分14aはハンドルアセンブリ12に結合され、遠位部分14bはツールアセンブリ16を支持する。本開示の態様において、ツールアセンブリ16は、アダプタアセンブリ14の遠位部分14bに取り外し可能に支持され、ステープル留めデバイス10の再利用を容易にするために、ステープル留めデバイス10が発射された後に交換することができる再装填アセンブリ21の一部を形成する。ツールアセンブリ16は、アダプタアセンブリ14の遠位部分14bに固定的に結合することができることも想定されている。ステープル留めデバイス10のツールアセンブリ16は、カートリッジアセンブリ30およびアンビル32を含む。カートリッジアセンブリ30およびアンビル32は、ツールアセンブリ16が開位置(図1)とクランプ位置との間で旋回することができるように一緒に結合される。クランプ位置において、アンビル32およびカートリッジアセンブリ30は、互いに並んで整合している。
【0023】
図2~5は、チャネル部材34およびステープルカートリッジ40を含む、カートリッジアセンブリ30を例示する。チャネル部材34は、ステープルカートリッジ40を受容するキャビティ34a(図5)を画定する側壁36および底壁38を含む。本開示の態様において、ステープルカートリッジ40は、ステープル留めデバイス10の各発射後にステープルカートリッジ40の交換を可能にして、ステープル留めデバイス10(図1)の再利用を容易にするために、チャネル部材34のキャビティ34a内で取り外し可能に受容されることができる。
【0024】
図5は、カートリッジ本体42、ステープル44、プッシャー46、作動スレッド48、およびステープルガード50を含むステープルカートリッジ40の分解図を示す。ステープルカートリッジ40のカートリッジ本体42は、チャネル部材34によって画定されるキャビティ34a内に受容され、かつ組織係合面52を含む。カートリッジ本体42は、中央ナイフスロット54および中央ナイフスロット54の各側の列に配列された複数のステープル受容ポケット56を画定している。本開示の特定の態様において、ステープルカートリッジ40の組織係合面52は、中央ナイフスロット54に隣接する隆起面と、チャネル部材34の側壁36に向かって外向きに配置された下面との階段状構成を有する。ステープル受容ポケット56の各々は、ステープル44(図3)およびプッシャー46のうちの1つの少なくとも一部を受容する。本開示のいくつかの態様において、ステープル受容ポケット56の内側列におけるステープル44は、ステープル受容ポケット56の外側列におけるステープル46よりも長さが短い。作動スレッド48は、カートリッジ本体42の近位端から遠位方向に移動可能であり、プッシャー46と順次係合して、図5に見られるようにプッシャー46を上方に押し上げて、ステープル44をカートリッジ本体42のステープル受容ポケット56から排出する。
【0025】
ステープルガード50は、カートリッジ本体42の底側に固定されて、ステープル44、プッシャー46、および作動スレッド48をカートリッジ本体42内に保持する。本開示の態様において、ステープルガード50は、ステープルガード50をカートリッジ本体42に固定するためにカートリッジ本体42の外面に形成された突起62を受容する開口部60を画定する可撓性タブ58を含む。本開示の態様において、ステープルガード50はまた、カートリッジ本体42の近位部分に係合してステープルガード50をカートリッジ本体42に固定するフック付きフィンガ64を含む。米国特許第6,241,139号は、外科用ステープル留めデバイスのステープルカートリッジの構造および操作の例示的な態様を開示している。
【0026】
ステープルカートリッジ40のカートリッジ本体42はタブ66を含み、チャネル部材はタブ66を受容するスロット68を画定する。スロット68は、ステープルカートリッジ40のカートリッジ本体42をスロット68内で垂直に移動させるが、チャネル部材34のキャビティ34a内でのステープルカートリッジ40の長手方向の移動を防止するように寸法決めされている。本開示の態様において、スロット68は、タブ66がスロット68内から垂直に移動するのを防ぐウィンドウを画定するために、バー68aによって封じ込まれている。本開示の態様において、タブ66は、カートリッジ本体40がチャネル部材34のキャビティ34a内で前後に揺れることを可能にする凸状の側壁66aを有することができる。
【0027】
カートリッジアセンブリ30は、ステープルガード50とチャネル部材34の底壁38との間に配置される1つ以上の付勢部材70を含む。付勢部材は、ステープルカートリッジ40をチャネル部材34のキャビティ34a内でアンビル32に向かって上方に押し上げる。本開示の態様において、付勢部材70は、ステープルカートリッジ40のステープルガード50とチャネル部材34の底壁38との間のチャネル部材34の底壁38上に互いに間隔を置いて配置された圧縮ばね70aおよび70b、例えば、ポリマー圧縮ばね(図5)の形態であり得る。付勢部材70の代替バージョンにおいて、付勢部材70は、ステープルカートリッジ40のステープルガード50とチャネル部材34の底壁38との間のチャネル部材34の底壁38に配置される細長い板ばね70’(図5A)の形態であり得る。
【0028】
組織がアンビル32とカートリッジアセンブリ30との間に配置され、かつツールアセンブリ16が開位置からクランプ位置に移動されると、ステープルカートリッジ40のカートリッジ本体42上の組織の圧力が付勢部材70、70’を圧縮して、チャネル部材34のキャビティ34a内でステープルカートリッジ40を垂直に(またはチャネル部材34の底壁38に向かって)移動させる。チャネル部材34のキャビティ34a内のステープルカートリッジ40の移動量は、組織の厚さに依存するであろう。より具体的には、ステープルカートリッジ40は、組織の厚さが増加するにつれて、チャネル部材34のキャビティ34a内でより大きな距離だけ下向きに移動し得る。ステープルカートリッジ40がチャネル部材34内を移動すると、タブ66は、チャネル部材34の側壁36において画定されたスロット68内を移動する。上述のように、タブ66およびウィンドウ68は、ステープルカートリッジ40全体が、チャネル部材34によって画定されるキャビティ34a内で垂直に移動することを可能にするが、キャビティ34a内のステープルカートリッジ0の軸方向の移動を防止する。ステープルカートリッジ40全体がチャネル部材34内を移動すると、プッシャー46の相対位置がアンビル32に対して変化し、これがステープル形成に影響を与える。より具体的には、厚い組織がクランプされると、ステープルカートリッジ40は、ステープルを適切に形成するために最大の組織ギャップまで圧縮される。より薄い組織がクランプされると、ステープルカートリッジ40(プッシャー46を含む)はアンビル32に近くなり、これにより、以下でさらに詳細に説明するように、ステープルの脚部をカールさせる。
【0029】
図9A~10は、複数のステープル44のうちの未形成および形成されたステープル44を示す。ステープル44の各々は、バックスパン72およびバックスパン72の各端部に支持される脚部74を含む。脚部74の各々は、テーパが付けられた先端部74aを含む。ステープル44のバックスパン72は、ツールアセンブリ16がクランプ位置にある場合、アンビル32の長手方向軸「Y」(図8)に平行な長手方向軸「Z」(図10)を画定する。ステープル44が未形成状態にある場合(図9A)、脚部74およびステープル44のバックスパンは、共通の平面「P」(図9A)内に整列される。
【0030】
図6~8は、中央ナイフスロット82と、中央ナイフスロット82の対向する各側に配置された一連のステープル形成ポケット84とを画定する組織係合面80を有する本体32aを含むツールアセンブリ16のアンビル32を示す。アンビル32の本体32aは、長手方向軸「Y」(図6)を画定し、中央ナイフスロット82は、長手方向軸「Y」に沿って延びる。ツールアセンブリ16がそのクランプ位置にある場合、カートリッジ本体42のステープル受容ポケット56がアンビル32のステープル形成ポケット84と整列するように、アンビル32の組織係合面80は、カートリッジ本体42の組織係合面52と並んで整合している。
【0031】
ステープル形成ポケット84の各々は、一対の涙滴形状の凹部86aおよび86bを含む(図8)。凹部86aおよび86bの各々は、線形チャネル88およびそれぞれの凹部86a、86bの線形チャネル88に向かって下向きに傾斜しているテーパが付けられた側壁90を含む。テーパが付けられた壁90は、ステープル44の脚部74を受容し、ステープル44の脚部74を凹部86a、86bの各々の線形チャネル88に向けるように配置されている。ステープル形成ポケット84の各々の凹部86a、86bの線形チャネル88は、それぞれ、長手方向軸S1およびS2を画定する。凹部86aの線形チャネル88の長手方向軸S1は、アンビル32の長手方向軸「Y」との鋭角Ω1を画定し、凹部86bの線形チャネル88の長手方向軸S2は、アンビル32の長手方向軸「Y」との鋭角Ω2を画定する。角度Ω1およびΩ2とは、形成された場合に、脚部74がそれぞれのバックスパン72と中央ナイフスロット82との間でバックスパン72からオフセットして配置されるように、ステープル44のそれぞれの脚部74をバックスパン72の内側に向けるように選択される。角度Ω1およびΩ2は、ステープル形成中のステープル44の脚部74とバックスパン72との間の、ステープル形成障害をもたらし得る接触を抑制する。本開示の態様において、角度Ω1およびΩ2は、約5度~約30度である。本開示のいくつかの態様において、角度Ω1およびΩ2は、度において実質的に等しい。
【0032】
図11は、概してアンビル132として示される、図1のステープル留めデバイスのアンビルの代替バージョンを示す。アンビル132は、ステープル形成ポケット184が、中央ナイフスロット182から離隔したバックスパン172の側面にステープル脚部174(図12)を形成するように構成されることを除いて、アンビル32(図7)と実質的に同様である。より具体的には、ステープルポケット184の各々のそれぞれの涙適形状の凹部186aおよび186bの線形部分188の角度は、凹部186aの線形チャネル188の長手方向軸S3がアンビル132の長手方向軸「Y」との鋭角Ω3を、および凹部186bの線形チャネル188の長手方向軸S4がアンビル132の長手方向軸「Y」との鋭角Ω4を画定するようなものである。本開示の態様において、角度Ω3およびΩ4は、約5度~約30度である。本開示の態様において、角度Ω3およびΩ4は、度が実質的に等しい。角度Ω3およびΩ4は、ステープル144のそれぞれの脚部174をバックスパン172の外側に向けるように選択され、形成された場合に、脚部174が中央ナイフスロット182から離隔したバックスパン172の側部に配置される。角度Ω3およびΩ4によって制御されるポケットは、ステープル先端部174aがバックスパン172の一方側またはバックスパン172の他方側に形成され得るように設計することができる(図12)。
【0033】
図13~15は、概してアンビル232として示される、図1のステープル留めデバイスのアンビルの別のバージョンを示す。アンビル232は、第1および第2の凹部286aおよび286bを有するアンビルポケット284を含む。凹部286aおよび286bの各々は、実質的に線形であり、アンビル232の長手方向軸に実質的に平行である長手方向軸を画定する。第1および第2の凹部286aおよび286bは、側壁288および底壁290(図15)によって画定される。底壁290は、アンビル232の中心線CL(図14)に向かって、または離れるように下向きに角度が付けられまたは傾斜される。例えば、ステープル44(図9)である、ステープルの脚部74が、第1および第2の凹部286aおよび286bのうちのそれぞれの1つを画定する底壁290と係合する場合、ステープル44の脚部74は、底壁290に沿って下向きにスライドし、バックスパン72の外側に形成される。第1および第2の凹部286aおよび286bの各々を画定する底壁290は、凹部286aおよび286bの各々の長手方向軸に沿って上向きに湾曲して、脚部をB字形に形成する。本開示の他の態様に関して上述したように、凹部286aおよび286bの底壁は、ステープル先端部174a(図12)がバックスパン172の一方側にまたはバックスパン172の他方側に(図12)に形成されるように、設計されることができる。
【0034】
図16~19は、概してアンビル332として示されるステープル留めデバイス10(図1)のアンビルのさらに別のバージョンを示す。アンビル332は、ステープル形成ポケット384の第1および第2の凹部386aおよび386bの各々が涙滴形状を有することを除いて、アンビル232(図14)と実質的に同様である。第1および第2の凹部386aおよび386bの各々は、アンビル332の中心線に向かってまたはそれから離れて下向きに角度が付けられまたは傾斜されている壁390を含む。例えばステープル44(図9)である、ステープルの脚部74が、第1および第2の凹部386aおよび386bのそれぞれの1つを画定する底壁290と係合する場合、ステープル44の脚部74は壁390に沿って下向きにスライドし、バックスパン72の外側に形成する。第1および第2の凹部286aおよび286bの各々を画定する壁290は、凹部386aおよび386bの各々の長手方向軸に沿って上向きに湾曲して、脚をB字形に形成する。
【0035】
ステープルは、ステープルの列の各々において同じ未成形サイズを有することができることに留意されたい。代替的に、ステープルは、ステープルの列の各々において異なる未形成のサイズを有することができる。例えば、ステープルの内側の列のステープルは、ステープルの外側の列のステープルよりも小さくすることができる。加えて、ステープルカートリッジのカートリッジ本体42の組織係合面52(図5A)の面は、平面であり得るか、あるいは、それは階段状であり得る。
【0036】
当業者であれば、本明細書において具体的に説明され、添付の図面に図示されるデバイスおよび方法が、本開示の非限定的な例示的な態様であることを理解するであろう。本開示の1つの例示的な態様に関連して例示または記載される要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、別の要素および特徴と組み合わせることができることが想到される。同様に、当業者であれば、本開示の上述の開示の態様に基づく本開示の更なる特徴および利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって指示される場合を除いて、具体的に図示および記載されたものによって限定されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図5A
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19