(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020578
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】美容用外用剤及び化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20220125BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20220125BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20220125BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20220125BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220125BHJP
A61K 8/96 20060101ALI20220125BHJP
A61K 8/66 20060101ALI20220125BHJP
A61K 8/55 20060101ALI20220125BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20220125BHJP
A61K 8/63 20060101ALI20220125BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20220125BHJP
A61K 8/67 20060101ALI20220125BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20220125BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20220125BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20220125BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20220125BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20220125BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20220125BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20220125BHJP
A61K 8/89 20060101ALI20220125BHJP
A61K 38/46 20060101ALI20220125BHJP
A61K 31/685 20060101ALI20220125BHJP
A61K 31/7076 20060101ALI20220125BHJP
A61K 31/575 20060101ALI20220125BHJP
A61K 31/198 20060101ALI20220125BHJP
A61K 31/205 20060101ALI20220125BHJP
A61K 31/047 20060101ALI20220125BHJP
A61K 31/165 20060101ALI20220125BHJP
A61K 31/522 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P3/06
A61P3/04
A61P17/00
A61Q19/00
A61K8/96
A61K8/66
A61K8/55
A61K8/60
A61K8/63
A61K8/44
A61K8/67
A61K8/34
A61K8/42
A61K8/49
A61K9/70 401
A61K47/32
A61K47/34
A61K8/81
A61K8/89
A61K38/46
A61K31/685
A61K31/7076
A61K31/575
A61K31/198
A61K31/205
A61K31/047
A61K31/165
A61K31/522
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116514
(22)【出願日】2021-07-14
(31)【優先権主張番号】P 2020123930
(32)【優先日】2020-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501296380
【氏名又は名称】コスメディ製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】権 英淑
(72)【発明者】
【氏名】原 千明
(72)【発明者】
【氏名】神山 文男
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA72
4C076AA74
4C076AA81
4C076BB31
4C076CC18
4C076CC21
4C076EE09
4C076EE22A
4C076EE27
4C076FF68
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4C083AC542
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4C083AD092
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4C083AD491
4C083AD492
4C083AD571
4C083AD572
4C083AD601
4C083AD621
4C083AD622
4C083AD631
4C083AD632
4C083AD641
4C083AD661
4C083AD662
4C083BB51
4C083CC02
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4C083EE12
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(57)【要約】
【課題】脂肪溶解作用を有する有価物の新たな投与手段を提供する。
【解決手段】脂肪分解剤、脂肪溶解剤又は脂肪代謝促進剤のいずれか1種以上を含有し、脂肪低減又は/及び部分痩せ又は/及び肌引き締めを目的とするテープ剤、パッチ剤又はパップ剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪分解剤、脂肪溶解剤又は脂肪代謝促進剤のいずれか1種以上を含有し、脂肪低減又は/及び部分痩せ又は/及び肌引き締めを目的とする外用剤又は化粧料。
【請求項2】
脂肪分解剤、脂肪溶解剤及び脂肪代謝促進剤からなる群から選ばれる1種以上の脂肪減少に働く成分を0.1質量%以上含有する脂肪低減又は/及び部分痩せ又は/及び肌引き締めを目的とする外用剤又は化粧料。
【請求項3】
脂肪分解剤がリパーゼである、請求項1又は2に記載の外用剤又は化粧料。
【請求項4】
リパーゼとMg塩及びCa塩とが含まれている、請求項3に記載の外用剤又は化粧料。
【請求項5】
脂肪溶解剤がホスファチジルコリン、アデノシン三リン酸及びそのナトリウム塩ならびにデオキシコール酸及びその塩からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の外用剤又は化粧料。
【請求項6】
脂肪代謝促進剤がアミノ酸、L-カルニチン、イノシトール、カプサイシン及びカフェインからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の外用剤又は化粧料。
【請求項7】
アミノ酸がチロシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、イソロイシン、リジン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン、グリシン及びシステインからなる群より選ばれる1種以上である、請求項6に記載の外用剤又は化粧料。
【請求項8】
外用剤又は化粧料が貼付シートである、請求項1~7のいずれか1項に記載の外用剤又は化粧料。
【請求項9】
アクリル系、ゴム系又はシリコーン系粘着剤を基剤とする、請求項8に記載の外用剤又は化粧料。
【請求項10】
水溶性樹脂を基剤とする、請求項8に記載の外用剤又は化粧料。
【請求項11】
ホスファチジルコリンと、アスタキサンチン、酢酸トコフェロール、トコフェロール、パルミチン酸アスコルビル及びジエタノールアミンからなる群より選ばれる1種以上とが共存する外用剤又は化粧料。
【請求項12】
デオキシコール酸ナトリウムと酸性物質とが共存する外用剤又は化粧料。
【請求項13】
膏体と支持体シートとから構成され、該膏体がアクリル系、ゴム系又はシリコーン系粘着剤中に脂肪分解剤、脂肪溶解剤又は脂肪代謝促進剤のいずれか1種以上を含有し、該支持体シートが不織布、織布、編み布又はポリウレタンフィルムであり、該膏体厚みが5~200μmである、請求項1~9のいずれか1項に記載の外用剤又は化粧料。
【請求項14】
前記支持体シートが厚み3~50μmのポリウレタンフィルムであり、前記膏体がロール状シートであり、該膏体厚みが5~100μmである、請求項13に記載の外用剤又は化粧料。
【請求項15】
請求項8~10のいずれか1項に記載の外用剤又は化粧料の製造方法であって、下記(a)、(b)、又は(c)の工程を含む製造方法:
(a)基剤が溶液型粘着剤の場合、
粘着剤溶液、並びに、脂肪分解剤、脂肪溶解剤及び脂肪代謝促進剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の有価物を均一に混合する工程、
得られた粘着剤溶液を離型シート上に塗布し、溶媒を乾燥させる工程、並びに
乾燥させた粘着剤層を必要に応じ支持体シートに積層する工程;
(b)基剤がホットメルト型粘着剤の場合、
粘着性組成物、並びに、脂肪分解剤、脂肪溶解剤及び脂肪代謝促進剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の有価物を高温で均一混錬する工程、並びに
得られた粘着剤混合物を離型シートあるいは支持体シートに塗布する工程;
(c)基剤がパップ基剤の場合、
水溶性樹脂、脂肪分解剤、脂肪溶解剤及び脂肪代謝促進剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の有価物、並びに、水を均一混錬する工程、並びに
得られた水溶性樹脂組成物を離型シートあるいは支持体シートに塗布する工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮下の脂肪分解・溶解を目的とする外用剤及び化粧料に関する。詳しくは、有価成分として脂肪溶解剤等を主成分として含有する外用剤及び化粧料の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
脂肪の皮下蓄積は、脂肪細胞の機能障害と関連があり、蓄積されたトリグリセリドが酵素的に分解されて、脂肪酸、グリセロールおよび/またはグリセロールエステルに再分解されている。様々な理由で、脂肪細胞中でトリグリセリドの蓄積が起こり、脂肪の皮下蓄積が生じることになる。その結果、過体重、治療上・美容上の問題点となる。
【0003】
この皮下の脂肪蓄積や肥満のうち過度の脂肪層を呈する肥満に対しては、脂肪の皮下蓄積を除去する組成物を直接皮下に注入する方法がとられている。これには、サノフィ社(Sanofi-Aventis)のリポスタビル(Lipostabil)に代表されるホスファチジルコリン製剤が使用されている(特許文献1、2)。一方において、デオキシコール酸の皮下注射も知られている。しかし、施術時の痛みや肌腫れなど安全性の点から問題視される状況にあり、リスクの高い方法といえる。また、注射の場合、一定面積に対して注射針を皮下で振って注入しなければならない。さらに、注入した液のむらによって脂肪溶解の都合が変わり、肌の凹凸が生じる。
特許文献3はホスファチジルコリンを用いたワックスのような剤型、特許文献4はカルニチン誘導体からなる液剤を提案している。しかしながら、パッチ剤、パップ剤、テープ剤等の皮膚外用剤についての開発は全くなされていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007-509085号公報
【特許文献2】特表2007-515439号公報
【特許文献3】再表2009-123086号公報
【特許文献4】特開2006-16383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、脂肪溶解作用を有する有価物の新たな投与手段を提供することにある。具体的には脂肪分解、脂肪溶解作用を有する有価物を含有するパッチ状、テープ状、あるいはパップ状の外用剤及び化粧料である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
現在まで脂肪溶解を目的とする経皮吸収製剤は全く存在しなかったので、上記の有価物を経皮吸収製剤化する際、有価物の濃度、皮膚適用の頻度等に関する知見は全くなく、有価物の組み合わせ、製剤の安定性及び皮膚移行性をどのようにして確保するのかが重要課題となった。本発明者らは、このような課題を解決し、脂肪溶解作用を有する有価物を含有する外用剤及び化粧料の製造に成功し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明者らは、パッチ剤、パップ剤、テープ剤等のシート型貼付剤型に有効成分として脂肪溶解剤等を含有させると、有価成分が経皮吸収され脂肪低減又は/及び部分痩せ又は/及び肌引き締めに効果を有する外用剤もしくは化粧料として使用できることを発見し、本発明を完成した。
本発明は、以下に示す通りである。
〔1〕脂肪分解剤、脂肪溶解剤又は脂肪代謝促進剤のいずれか1種以上を含有し、脂肪低減又は/及び部分痩せ又は/及び肌引き締めを目的とする外用剤又は化粧料。
〔2〕脂肪分解剤、脂肪溶解剤及び脂肪代謝促進剤からなる群から選ばれる1種以上の脂肪減少に働く成分を0.1質量%以上含有する脂肪低減又は/及び部分痩せ又は/及び肌引き締めを目的とする外用剤又は化粧料。
〔3〕脂肪分解剤がリパーゼである、〔1〕又は〔2〕に記載の外用剤又は化粧料。
〔4〕リパーゼとMg塩及びCa塩とが含まれている、〔3〕に記載の外用剤又は化粧料。
〔5〕脂肪溶解剤がホスファチジルコリン、アデノシン三リン酸及びそのナトリウム塩ならびにデオキシコール酸及びその塩からなる群より選ばれる1種以上である、〔1〕又は〔2〕に記載の外用剤又は化粧料。
〔6〕脂肪代謝促進剤がアミノ酸、L-カルニチン、イノシトール、カプサイシン及びカフェインからなる群より選ばれる1種以上である、〔1〕又は〔2〕に記載の外用剤又は化粧料。
〔7〕アミノ酸がチロシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、イソロイシン、リジン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン、グリシン及びシステインからなる群より選ばれる1種以上である、〔6〕に記載の外用剤又は化粧料。
〔8〕外用剤又は化粧料が貼付シートである、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の外用剤又は化粧料。
〔9〕アクリル系、ゴム系又はシリコーン系粘着剤を基剤とする、〔8〕に記載の外用剤又は化粧料。
〔10〕水溶性樹脂を基剤とする、〔8〕に記載の外用剤又は化粧料。
〔11〕ホスファチジルコリンと、アスタキサンチン、酢酸トコフェロール、トコフェロール、パルミチン酸アスコルビル及びジエタノールアミンからなる群より選ばれる1種以上とが共存する外用剤又は化粧料。
〔12〕デオキシコール酸ナトリウムと酸性物質とが共存する外用剤又は化粧料。
〔13〕膏体と支持体シートとから構成され、該膏体がアクリル系、ゴム系又はシリコーン系粘着剤中に脂肪分解剤、脂肪溶解剤又は脂肪代謝促進剤のいずれか1種以上を含有し、該支持体シートが不織布、織布、編み布又はポリウレタンフィルムであり、該膏体厚みが5~200μmである、〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の外用剤又は化粧料。
〔14〕支持体シートが厚み3~50μmのポリウレタンフィルムであり、膏体がロール状粘性シートであり、該膏体厚みが5~100μmである、〔13〕に記載の外用剤又は化粧料。
〔15〕〔8〕~〔10〕のいずれかに記載の外用剤又は化粧料の製造方法であって、下記(a)、(b)、又は(c)の工程を含む製造方法:
(a)基剤が溶液型粘着剤の場合、
粘着剤溶液、並びに、脂肪分解剤、脂肪溶解剤及び脂肪代謝促進剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の有価物を均一に混合する工程、
得られた粘着剤溶液を離型シート上に塗布し、溶媒を乾燥させる工程、並びに
乾燥させた粘着剤層を必要に応じ支持体シートに積層する工程;
(b)基剤がホットメルト型粘着剤の場合、
粘着性組成物、並びに、脂肪分解剤、脂肪溶解剤及び脂肪代謝促進剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の有価物を高温で均一混錬する工程、並びに
得られた粘着剤混合物を離型シートあるいは支持体シートに塗布する工程;
(c)基剤がパップ基剤の場合、
水溶性樹脂、脂肪分解剤、脂肪溶解剤及び脂肪代謝促進剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の有価物、並びに、水を均一混錬する工程、並びに
得られた水溶性樹脂組成物を離型シートあるいは支持体シートに塗布する工程。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、適用部位の皮下脂肪を容易かつ均一に溶解することができる。
本発明の外用剤の一態様であるテープ型経皮吸収製剤、パッチ型経皮吸収製剤、パップ型経皮吸収製剤等は、脂肪溶解剤を皮下組織に拡散しやすい効果が期待できるものであり、肥満部位の皮下脂肪を分解、燃焼又は溶解し、部分痩せ、眼袋の低減や小顔ラインを作る。また、たるみ部分の皮下脂肪を溶解することによる引き締め効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例8のシート状製剤を支持体側から見た底面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の外用剤及び化粧料は、脂肪溶解作用を有する有価物が基剤に溶解分散されてなる組成物であり、本組成物が支持体シートの一面に積層されていることがより好ましい。本発明の外用剤又は化粧料は、脂肪低減又は/及び部分痩せ又は/及び肌引き締めを目的として好適に用いられる。
【0011】
上記支持体シートとしては、特に限定されず、従来からテープ型経皮吸収製剤、パッチ型経皮吸収製剤、パップ型経皮吸収製剤等の支持体シートとして一般に使用されているシートが好ましく、例えば、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル-塩化ビニル共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、SIS樹脂、SEBS樹脂、PIB系樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アルミニウム等のシートが挙げられる。又、これらのシートは、上記材料の繊維の織布又は不織布であってもよいし、これらのシート、織布及び不織布の積層シートであってもよい。
【0012】
上記基剤は、特に限定されず、従来から経皮吸収製剤の基剤として使用されている基剤が使用可能であり、テープ型経皮吸収製剤やパッチ型経皮吸収製剤の場合は粘着剤であり、テープ型経皮吸収製剤の場合は皮膚に対して粘着性が優れ、糊残りなく剥離できることが必要なので、アクリル系粘着剤及びゴム系粘着剤が好適に使用される。又、パップ型製剤の場合は、一般に水溶性樹脂と水よりなる基剤が使用される。
【0013】
上記アクリル系粘着剤としては、炭素数4~18の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸のエステルである(メタ)アクリル酸アルキルエステルの(共)重合体及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルと官能性モノマーとの(共)重合体が好適に使用される。
【0014】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
【0015】
上記官能性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸ブチル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、エトキシメチルアクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノアクリレート、N-ビニル-2-ピロリドン等が挙げられる。
【0016】
更に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な重合性モノマーが共重合されてもよく、重合性モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、スチレン、α-メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブタジエン等が挙げられる。尚、(共)重合体の(メタ)アクリル酸アルキルエステル成分は50質量%以上であるのが好ましい。
具体的にはアクリル酸アルキルエステルの共重合体、及びアクリル酸アルキルエステルを主とするアクリル酸、アクリルアミド、酢酸ビニル、等との共重合体である。これらの粘着剤中に皮膚粘着性を改善するためミリスチン酸イソプロピルあるいはパルミチン酸イソプロピルのような可塑剤を添加してもよい。
【0017】
粘着層(膏体)の厚さは5μm~200μmが望ましく、10μm~200μmがより望ましい。粘着層(膏体)の厚さは5μ~100μmであることも望ましい。具体的には、HiPAS(登録商標)粘着剤(アクリルエステル、コスメディ製薬(株)製)、MASCOS10(商品名)粘着剤(アクリルエステル、コスメディ製薬(株)製)、が好適に使用できる。
【0018】
更に、アクリル系共重合体は金属キレート化合物で後架橋されているのが好ましい。適度の凝集力と粘着性を得るためには、金属キレート化合物をアクリル系共重合体100質量部に対し0.05~2.0質量部添加するのが好ましい。
【0019】
上記金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムグリシネート、水酸化アルミニウムゲル等が挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよい。
【0020】
上記ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、ポリイシプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体、ウレタンゴム等のゴムを主体とする従来公知のゴム系粘着剤が使用できる。
【0021】
上記ゴム系粘着剤は、必要に応じて、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、クマロン-インデン系樹脂、石油系樹脂、テルペン-フェノール系樹脂、脂環式炭化水素などの粘着付与剤を含有していてもよい。粘着付与剤の含有量は、特に限定されるものではないが、一般にゴム系粘着剤と粘着付与剤の合計量の20~80質量%である。
上記ゴム系粘着剤には、更に、流動パラフィン、液状ポリブテン、液状ポリイソプレン、鉱油ラノリン、液状ポリアクリレート、スクワラン、オリーブ油などの可塑剤、充填剤、老化防止剤等が添加されていてもよい。
【0022】
上記水溶性樹脂としては、例えば、アラビアガム、トラガンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、エコーガム、カラヤガム、寒天、でんぷん、カラゲナン、アルギン酸、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール、デキストラン、デキストリン、アミロース、ゼラチン、コラーゲン、プルラン、ペクチン、アミロペクチン、アミロペクチンセミグリコール酸ナトリウム、キチン、アルブミン、カゼイン、ポリグルタミン酸などの天然ポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、エチルメチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキメチルシスターチ、アルカリ金属カルボキシメチルセルロース、アルカリ金属セルロース硫酸塩、セルロースアセテートフタレート、デンプン-アクリル酸グラフト共重合体、架橋ゼラチン、無水フタル酸変性ゼラチン、コハク酸変性ゼラチンなどの半合成ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエステル、ポリアクリル酸塩(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム)、カルボキシビニルポリマー、ビニルピロリドン-アクリル酸エチル共重合体、ビニルピロリドンースチレン共重合体、ビニルピロリドン-酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル-(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニルークロトン酸共重合体、ポリビニルスルホン酸、ポリイタコン酸、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、スチレン-マレイン酸無水物共重合体、エチレン-マレイン酸無水物共重合体、アクリルアミド-アクリル酸共重合体などの合成ポリマーが挙げられる。
【0023】
パップ型製剤に含まれる水の量は、水の含有量が少ないと薬物の吸収が遅くなり、パップ型製剤を皮膚に貼付した際に水の蒸発による冷感効果が低下する傾向があり、逆に多くなると、水溶性ポリマーの流動性が大きくなり、製剤の形状を保持するのが困難になる傾向があるので、一般に1~90質量%であり、好ましくは5~85質量%である。
【0024】
上記パップ型製剤には、必要に応じて、アクリル系樹脂、ゴム、シリコーン系樹脂などの樹脂、多価アルコール(例えば、グリセリン、ポリプロピレングリコール)などの保湿剤、カオリン、ベントナイト、亜鉛華、二酸化チタンなどの無機充填剤、粘度調節剤、老化防止剤等が添加されてもよい。
【0025】
上記基剤には経皮吸収促進剤が添加されてもよい。経皮吸収促進剤としては、例えば、メンソール、カンフル、セチルアルコール等のアルコール類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル;モノラウリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、モノカプリン酸グリセリン等のグリセリンエステル;ラウリン酸ジエタノールアミド等の酸アミド;ポリエチレングリコールジラウリルエーテル、ドデシル硫酸ナトリウム等の中性界面活性剤などが挙げられる。
経皮吸収促進剤の添加量は、少なすぎると経皮吸収効果が向上せず、多すぎると粘着性が低下するので、基剤100質量部に対して3~40質量部が好ましい。
【0026】
本発明の外用剤又は化粧料は、有価物として、脂肪分解剤、脂肪溶解剤又は脂肪代謝促進剤のいずれか1種以上を含有する。有価物は、脂肪減少に働く成分であり、製剤中に0.1質量%以上含まれる。有価物の含有量は、皮下脂肪の分解、溶解又は代謝促進のためには、0.1~50質量%が好ましく、0.2~30質量%がより好ましい。さらに平方cm当たりの有価成分の量は1μg~100mgが好ましい。
本発明の外用剤又は化粧料には脂肪分解・溶解、脂肪代謝促進作用を有する有価物に加えて、脂肪燃焼の促進成分、脂肪細胞からの脂肪分解排出を促す成分、肌引き締め成分などを併用することにより脂肪分解・溶解効果を高めることができる。
【0027】
脂肪分解剤としては、リパーゼのような脂肪分解酵素、グルカゴン、アドレナリン、ノルアドレナリン、グレリン、成長ホルモン、テストステロン、コルチゾール、のようなホルモンがある。またケア部位および目的に合わせて、タンパク質分解酵素としてプロテアーゼ、コラーゲン分解酵素としてコラゲナーゼ、ヒアルロン酸分解酵素としてヒアルロニダーゼ、さらに野菜・果物・海藻より発酵抽出した酵素発酵植物エキス等を併用することも有効である。
脂肪分解剤はリパーゼが好ましい。リパーゼを用いる場合、リパーゼの安定化剤を共存させてもよい。例えば、グリセロール、グリシン、メルカプトエタノール、トリトンX-100、トリトンN-101、デオキシコール酸又はその塩、Mg2+イオン、Ca2+イオン、BSA、塩類などが挙げられる。Mg2+イオン及びCa2+イオンは塩として共存していてもよい。
【0028】
脂肪溶解剤としては、ホスファチジルコリン、ヒバマタ抽出物、チロシン、アデノシン三リン酸及びそのナトリウム塩、セイヨウトチノキ、ペルシャグルミ、メチルプロパンジオール、マンヌロン酸メチルシラノール、オキナグサ、カラクサケマン、デオキシコール酸又はその塩、ケノデオキシコール酸、等があげられる。さらにキサンチン誘導体(カフェイン、テオフィリン、テオブロミン、キサンチン、アミノフィリン、コリンテオフィリン、ジプロフィリン、プロキシフィリン及びオクストリフィリン等)、アオツヅラフジ(木防巳)エキス、アザミエキス、オオツヅラフジ(防己)エキス、ガジュツ(莪朮)エキス、カラクサケマンエキス、キキョウ(桔梗、桔梗根)エキス、キヅタエキス、コショウ(胡椒)エキス、サラシナヨウマ根エキス、ツポクサエキス、グチナシ果実エキス、フマリア・オィキナスエキス、イチゴ葉エキス、等が挙げられる。
脂肪溶解剤は、ホスファチジルコリン、アデノシン三リン酸及びそのナトリウム塩ならびにデオキシコール酸又はその塩からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
また、ホスファチジルコリンの安定化剤としてはアスタキサンチン、酢酸トコフェロール、トコフェロール、パルミチン酸アスコルビル、ジエタノールアミンなどが好ましい。デオキシコール酸の塩を添加する場合、皮膚内への浸透を促進するために酸性物質、例えば、クエン酸、乳酸、オレイン酸、酒石酸、等を共存させることが望ましい。
【0029】
脂肪代謝促進剤として、チロシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、イソロイシン、リジン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン、グリシン、システイン、などのアミノ酸、脂肪燃焼の促進成分として、L-カルニチン、イノシトール、カプサイシン、カフェイン、コエンザイムQ10、カテキン、等が挙げられる。
脂肪代謝促進剤は、アミノ酸、L-カルニチン、イノシトール、カプサイシン及びカフェインからなる群より選ばれる1種以上が好ましく、アミノ酸も上記の中から1種以上用いることが好ましい。
【0030】
上記の有価物と基剤は本発明における必須成分であるが、その他の皮膚有価物の添加が限定されるものではない。例えば、色素沈着抑制剤、保湿剤、代謝活性化剤、抗酸化剤、活性酸素消去剤・ラジカル消去剤、等が挙げられる。
【0031】
色素沈着抑制剤
本発明には色素沈着抑制剤を添加することができる。色素沈着抑制剤の具体例として、p-アミノ安息香酸誘導体、サルチル酸誘導体、ベンゼンスルホンアミド誘導体、イミダゾール誘導体、ナフタレン誘導体、ヒドロキシアントラニル酸又はその塩並びにそれらの誘導体、アントラニル酸誘導体、クマリン誘導体、アラントイン誘導体、ニコチン酸誘導体、アスコルビン酸又はその塩並びにそれらの誘導体、トコフェロール又はその塩並びにそれらの誘導体、トコトリエノール又はその塩並びにそれらの誘導体、コウジ酸又はその誘導体、オキシベンゾン、ベンゾフェノン、グアイアズレン、シコニン、バイカリン又はその塩並びにそれらの誘導体、バイカレイン又はその塩並びにそれらの誘導体、ベルベリン又はその塩並びにそれらの誘導体、アピゲニン又はその塩並びにそれらの誘導体、ルテオリン又はその塩並びにそれらの誘導体、ケンフェロール又はその塩並びにそれらの誘導体、クエルセチン又はその塩並びにそれらの誘導体、クエルシトリン又はその塩並びにそれらの誘導体、イソクエルシトリン又はその塩並びにそれらの誘導体、ルチン又はその塩並びにそれらの誘導体、ミリセチン又はその塩並びにそれらの誘導体、ナリンゲニン又はその塩並びにそれらの誘導体、ヘスペリジン又はその塩並びにそれらの誘導体、グルタチオン又はその塩並びにそれらの誘導体、エラグ酸又はその塩並びにそれらの誘導体、等が挙げられる。
【0032】
保湿剤
本発明には保湿剤を添加することができる。保湿剤の具体例として、クインスシード、寒天またはその誘導体、カゼイン、グルコース、ガラクトース、マンノース、キシロース、フルクトース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、トレハロース、ピラロース、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、マンニトール及びソルビトール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトール、マルチトール、イノシトール、パンテノール又はその誘導体、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、カラギーナン、カルボキシメチルキチン又はキトサン、キトサン塩、硫酸化キチン又はキトサン、リン酸化キチン又はキトサン、アルギン酸又はその塩、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸又はその塩、β-1,3-グルカン、β-1,4-グルカン、β-1,6-グルカン、グルコサミン、ヘパリン、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、カルボキシビニルポリマー、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸等の水溶性高分子類、ピロリドンカルボン酸又はその塩、ポリグルタミン酸又はその塩、天然保湿因子に含有されるピロリドンカルボン酸、尿素、ウロカニン酸、ベタイン、乳酸ナトリウム、アスパラギン酸、グルタミン酸、イソロイシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、トレオニン、セリン、バリン、プロリン、グリシン、アラニン、リシン、アルギニン、セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド4、セラミド5、セラミド6II、セラミド9などのセラミド類、等が挙げられる。
【0033】
代謝活性化剤
本発明には代謝活性化剤を添加することができる。代謝活性化剤の具体例として、ビタミンA群:レチノール又はその塩並びにそれらの誘導体、レチナール又はその塩並びにそれらの誘導体、デヒドロレチナール又はその塩並びにそれらの誘導体、レチノイン酸又はその塩並びにそれらの誘導体、カロチン又はその塩並びにそれらの誘導体、リコピン又はその塩並びにそれらの誘導体、
ビタミンB群:チアミン又はその塩並びにそれらの誘導体、リボフラビン又はその塩並びにそれらの誘導体、ピリドキシン又はその塩並びにそれらの誘導体、ピリドキサール又はその塩並びにそれらの誘導体、シアノコバラミン又はその塩並びにそれらの誘導体、葉酸又はその塩並びにそれらの誘導体、ニコチン酸又はその塩並びにそれらの誘導体、パントテン酸又はその塩並びにそれらの誘導体、ビオチン又はその塩並びにそれらの誘導体、コリン又はその塩並びにそれらの誘導体、イノシトール又はその塩並びにそれらの誘導体、
ビタミンC群:アスコルビン酸又はその塩並びにそれらの誘導体、
ビタミンD群:エルゴカルシフェロール又はその塩並びにそれらの誘導体、コレカルシフェロール及びその塩並びにそれらの誘導体、
ビタミンE群等:トコフェロール又はその塩並びにそれらの誘導体、トコトリエノール又はその塩並びにそれらの誘導体、ユビキノン又はその塩並びにそれらの誘導体、リノール酸又はその塩並びにそれらの誘導体、リノレン酸又はその塩並びにそれらの誘導体、アラキドン酸又はその塩並びにそれらの誘導体等、カルニチン又はその塩並びにそれらの誘導体、フェルラ酸又はその塩並びにそれらの誘導体、γ-オリザノール又はその塩並びにそれらの誘導体、
ビタミンP群:ルチン又はその塩並びにそれらの誘導体、ヘスペリジン又はその塩並びにそれらの誘導体、アミノ酸類その他:バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジン又はその誘導体等や、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、あるいはピロリドンカルボン酸等のアミノ酸誘導体等のアミノ酸類、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、コハク酸等のα-ヒドロキシ酸類、2-ヒドロキシカルボン酸類、ポリヒドロキシカルボン酸又はヒドロキシポリカルボン酸類、ラクトビオン酸、感光素301号、ヒノキチオール、パントテン酸又はその誘導体、アラントイン、トリメチルグリシン、プロテオグリカン、等が挙げられる。
【0034】
抗酸化剤
本発明には抗酸化剤を添加することができる。抗酸化剤の具体例として、アスコルビン酸又はその塩並びにそれらの誘導体、トコフェロール又はその塩並びにそれらの誘導体、トコトリエノール又はその塩並びにそれらの誘導体、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、コエンザイムQn(n=7~10)、ピロロキノリンキノン、没食子酸プロピル、セサモール、カロテノイド類等が挙げられる。ホスファチジルコリンは酸化されやすいため、アスタキサンチン、酢酸トコフェロール、トコフェロール、パルミチン酸アスコルビルなどの抗酸化剤を共存させることが望ましい。その添加量は、ホスファチジルコリン1質量部に対し0.001質量部以上が好ましい。さらにジエタノールアミン、塩化アンモニウム、アンモニア等を共存させると、より安定性を向上させる。その添加量は、0.001質量部以上が好ましい。
【0035】
活性酸素消去剤・ラジカル消去剤
本発明には活性酸素消去剤・ラジカル消去剤を添加することができる。活性酸素消去剤・ラジカル消去剤の具体例として、スーパーオキシドディスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、ビリルビン、クエルセチン、クエルシトリン、カテキン、カテキン誘導体、ルチン又はその誘導体、没食子酸又はその塩並びにそれらの誘導体、クルクミン又はその塩並びにそれらの誘導体、トランスフェリン、セルロプラスミン、コエンザイムQn(n=7~10)、尿酸、ビリルビン、メタロチオネイン、等が挙げられる。
【0036】
本発明には上記した構成成分の他に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分を添加しても良い。水性成分、油性成分、植物抽出物、動物抽出物、粉末、界面活性剤、油剤、アルコール、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、色素、香料等からなる1以上の成分からなり、これらは基剤の一部でありかつその皮膚への効果(例えば、肌引き締め作用)により有価物としても働くことも有りうる。
【0037】
本発明の外用剤又は化粧料は、貼付シートであってもよい。
貼付シートである外用剤及び化粧料がパッチ剤の場合、パッチの大きさは0.5~300平方cmである。0.5平方cm未満であっては効果が限定され有効性が発揮しにくい。300平方cmを超えると、体表面を覆うには密着性に問題が生じやすい。広い体表面を覆うには300平方cm以下のパッチを複数個用いればよい。テープ剤及びパップ剤もパッチ剤と同様の大きさである。
別途、貼付シートをロール状シートとし、使用部位に合わせてカットして適当なサイズとし使用しても良い。その場合、シート幅は1cm以上30cm以内で携帯可能なサイズでよい。
【0038】
貼付シートである外用剤及び化粧料を皮膚に安定して適用し皮膚に保持するためには、粘着性基剤の背面に支持体シートがあることが、必須ではないが、より好ましい。
支持体シートは、柔軟性を考慮し、不織布、編み布、織布、ポリウレタンフィルム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフィルム、PP(ポリプロピレン)、EVA(エチレンビニルアセテート)などが適当である。フィルムにおいては、3~70μmの厚みが適当である。特に厚みが3~50μmのポリウレタンフィルムが好ましい。皮膚蒸れなく長時間貼付可能な厚みが5~15μmのポリウレタンフィルムが支持体シートとしてはより好ましい。
【0039】
本発明の外用剤・化粧料を製造するには、粘着性基剤によって異なる製造法となる。溶液型粘着剤を基剤とする場合(実施例における粘着性組成物A)、粘着性組成物、各種有価物、及びその他添加剤を均一に混合し、得られた粘着剤溶液を離型シート上に塗布し溶媒を乾燥させて、必要に応じて、乾燥させた粘着剤層を支持体シートに積層し、適当なサイズに裁断して製品とする。ホットメルト型粘着剤を基剤とする場合(実施例における粘着性組成物B)、粘着性組成物、各種有価物、及びその他添加剤を高温で均一混錬した後、得られた粘着剤混合物を離型シートあるいは支持体シートに塗布する。基剤がパップ基剤の場合(実施例における粘着性組成物C)、粘着性組成物、各種有価物、及びその他添加剤を均一混錬した後、得られた水溶性樹脂組成物を離型シートあるいは支持体シートに塗布する。
【0040】
本発明の外用剤及び化粧料を脂肪を除去したい部位の皮膚に適用する。適用箇所は皮膚全般であり、特に限定されない。脂肪を除去したい面積に応じて、外用剤及び化粧料の適用枚数を設定する。1回の適用時間は、0.5時間~48時間程度であり、複数回の適用の場合は、0~7日の間隔で適用することが効果的である。
【0041】
本発明により、体の所望する部位の部分痩せが可能である。特に、顔への適用は効果が発揮されやすい。例えば、瞼下に適用した場合、瞼下のふくらみ(目袋)の縮小効果が得られる。
【実施例0042】
以下、本発明を下記実施例によりさらに詳しく説明する。これら実施例は、単に本発明を具体的に説明するための例であり、本発明の範囲がこれら実施例に限定されるものではない。
【0043】
実施例1~7
表1に示すように、HiPAS(登録商標)粘着剤(アクリルエステル、コスメディ製薬(株)製)等の3種の粘着剤組成物100質量部に、エタノールに溶解させたホスファチジルコリン(和光純薬)とデオキシコール酸(和光純薬)、ならびにその他の成分を添加し均一な溶液とし、厚さ26μmのPETシートに塗布し、乾燥させて厚さ50μmの粘着剤層が積層されたテープ型製剤を得た。
【0044】
【0045】
粘着剤組成物A:HiPAS(登録商標)粘着剤100質量部にミリスチン酸イソプロピル(IPM)10質量部を含む組成物
粘着剤組成物B:SIS、流動パラフィン、アルコンP100(粘着付与剤)を30:40:30質量部の割合にて150℃加温しながら混合した組成物
粘着剤組成物C:ポリアクリル酸ナトリウム、濃グリセリン、水、クエン酸、アルミニウムグリシネートを8:30:50:1:0.1質量部の割合にて混合した組成物
安定化剤:1.アスタキサンチン、2.酢酸トコフェロール、3.ジエタノールアミン
【0046】
実施例8 パッチ剤の製造
粘着剤溶液に乾燥後の質量部割合が表2記載となるように各種成分をエタノールに溶解させ添加し、均一な溶液とし、厚さ40μmの離型PETシートに塗布し乾燥させて後、ウレタンフィルム(厚さ10μm)に転写し、厚さ50μmの粘着剤層が積層されたシート状製剤を得た。得られたシートを
図1のようなテープに打ち抜いて、70×95mmの脂肪燃焼パッチ剤を得た。
【0047】
【0048】
皮下脂肪厚さの評価
〈被験者数〉 9名
〈測定期間〉 前半2週間 + 後半2週間
※使用前、使用2週間目、使用4週間目に皮下脂肪厚を測定した。
〈適用方法〉 二の腕:上腕外側の肘から8cmのところから貼り付けた。
腹部:おへそをはさんで左右に縦に貼り付けた。
〈貼付時間〉 最長入浴後から翌日入浴前まで。毎日貼り換えた。
〈測定方法〉
腹部: 皮下脂肪の厚み測定:タニタ皮下脂肪厚計SR803を用いて測定した。
おへそから5cm程度横に、本人から見て右側縦向きに測定した。
二の腕: 皮下脂肪の厚み測定:タニタ皮下脂肪厚計SR803を用いて測定した。
上腕外側の肘から10cmのところを測定した。
〈結果〉
使用前測定データを100%とし、使用後の数値を算出した。結果を表3、4及び
図2、3に示す。
【0049】
【0050】
【0051】
腹部、及び二の腕に貼付した本発明のパッチ剤により4週間で明瞭な皮下脂肪の減少が観察された。