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特開2022-20603取引方式に基づく電子契約証拠保存システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020603
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】取引方式に基づく電子契約証拠保存システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/64 20130101AFI20220125BHJP
   G06F 21/60 20130101ALI20220125BHJP
   G06Q 50/18 20120101ALI20220125BHJP
【FI】
G06F21/64
G06F21/60 340
G06F21/60 320
G06Q50/18
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021119344
(22)【出願日】2021-07-20
(31)【優先権主張番号】202010700271.3
(32)【優先日】2020-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010938201.1
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521012474
【氏名又は名称】江蘇傲為控股有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】バイ ジエ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電子契約証拠保存の信頼性を確保し、電子契約証拠保存プロセスの信頼性をさらに向上させ、改ざん及び偽造を防止する、取引方式に基づく電子契約証拠保存システムを提供する。
【解決手段】電子契約プラットフォームと、証拠保存サービスを提供する複数の証拠保存ノードを含むブロックチェーン証拠保存プラットフォームと、を含む電子契約証拠保存システムであって、ブロックチェーン証拠保存プラットフォームに送信された電子契約関連データに対して暗号化及び離散化処理を行い、且つ、データツリーを生成し、電子契約の証明書を保存する。電子契約関連データは、ユーザ秘密鍵と電子契約プラットフォーム秘密鍵で共同で署名されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引方式に基づく電子契約証拠保存システムであって、電子契約プラットフォームと、前記電子契約プラットフォームに証拠保存サービスを提供する複数の証拠保存ノードを含むブロックチェーン証拠保存プラットフォームと、を含み、
前記電子契約プラットフォームには、
電子契約に対して前処理を行い、証拠保存情報を得る証拠保存情報生成ステップと、
前記証拠保存情報に対して暗号化及び離散化処理を行い、対応するデータツリーを生成するデータ処理ステップと、
1つの証拠保存取引を構築する取引構築ステップであって、前記証拠保存取引の開始側はユーザであり、受信側は前記電子契約プラットフォームであり、前記証拠保存取引はユーザ秘密鍵と電子契約プラットフォーム秘密鍵が共同で署名するものである取引構築ステップと、
前記証拠保存情報、前記データツリー及び前記証拠保存取引を前記ブロックチェーン証拠保存プラットフォームに送信するデータ送信ステップとが配置され、
前記証拠保存ノードには、
ユーザ公開鍵及び電子契約プラットフォーム公開鍵により、受信した前記証拠保存情報、前記データツリー及び前記証拠保存取引の合法性、完全性及び有効性を検証する検証ステップと、
前記証拠保存情報、前記データツリー及び前記証拠保存取引からデータブロックを生成し、タイムスタンプを押印するデータブロック生成ステップと、
前記証拠保存情報、前記データツリー、前記証拠保存取引及び前記データブロックをオンチェーンで保存するオンチェーン保存ステップと、
前記証拠保存取引に対してハッシュ演算を行い、取引ハッシュ値を得る取引ハッシュ演算ステップと、
前記証拠保存情報、前記データツリー、前記証拠保存取引、前記データブロック及び前記取引ハッシュ値を前記電子契約プラットフォームに返信するデータ返信ステップと、
前記証拠保存情報、前記データツリー、前記証拠保存取引、前記データブロック及び前記取引ハッシュ値を次の前記証拠保存ノードに伝送するデータ伝送ステップと、が配置される、
ことを特徴とする取引方式に基づく電子契約証拠保存システム。
【請求項2】
前記電子契約プラットフォームにアカウント作成サービスを提供する少なくとも1つのアカウント作成ノードをさらに含み、
前記アカウント作成ノードには、
前記ブロックチェーン証拠保存プラットフォーム上に前記電子契約プラットフォームに対応する証拠保存プラットフォームのアカウントが存在するか否かを判断するアカウント判断ステップと、
前記ブロックチェーン証拠保存プラットフォーム上に前記電子契約プラットフォームに対応する証拠保存プラットフォームのアカウントが存在しない場合、前記電子契約プラットフォームのために証拠保存プラットフォームのアカウントを作成するアカウント作成ステップと、が配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の取引方式に基づく電子契約証拠保存システム。
【請求項3】
前記証拠保存ノードにはさらに、
前記オンチェーン保存ステップを完了した前記証拠保存ノード数がプリセット証拠保存ノード数を超えるか否かを判断する証拠保存ノード数判断ステップと、
前記オンチェーン保存ステップを完了した前記証拠保存ノード数が前記プリセット証拠保存ノード数を超えた場合、前記電子契約証拠保存フローが終了し、前記データ伝送ステップの引き続きの実行を終止する証拠保存フロー終了ステップと、が配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の取引方式に基づく電子契約証拠保存システム。
【請求項4】
前記証拠保存ノードにはらに、
前記データブロックの生成時間が証拠保存のプリセット時間を超えるか否かを判断する証拠保存時間判断ステップと、
前記データブロックの生成時間が前記証拠保存のプリセット時間を超えた場合、前記電子契約証拠保存フローが終了し、前記データ伝送ステップの引き続きの実行を終止する証拠保存フロー終了ステップと、が配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の取引方式に基づく電子契約証拠保存システム。
【請求項5】
前記ブロックチェーン証拠保存プラットフォームは少なくとも1つのデータ分割ノードをさらに含み、
前記データ分割ノードには、
受信した前記データツリーを分割し、複数のパケットデータを得るデータ分割ステップと、
前記パケットデータごとに番号を付ける番号付けステップと、が配置され、
前記証拠保存ノードには、対応する前記パケットデータを保存するパケット保存ステップが配置され、保存が完了した後に前記データ伝送ステップを引き続き実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の取引方式に基づく電子契約証拠保存システム。
【請求項6】
前記電子契約プラットフォームにはさらに、
前記データツリーを分割し、複数のパケットデータを得るデータ分割ステップと、
前記パケットデータごとに番号を付け、ユーザ秘密鍵又は電子契約プラットフォーム秘密鍵を用いて前記パケットデータごとに対して暗号化する番号暗号化ステップが配置され、暗号化が完了した後に前記データ送信ステップを引き続き実行し、
前記証拠保存ノードには、対応する前記パケットデータを保存するパケット保存ステップが配置され、保存が完了した後に前記データ伝送ステップを引き続き実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の取引方式に基づく電子契約証拠保存システム。
【請求項7】
前記証拠保存情報生成ステップは具体的には、
電子契約に対して関連操作を行い、契約操作結果を得る契約操作ステップであって、前記関連操作は署名、契約更新、変更及び停止を含む契約操作ステップと、
前記契約操作結果に対応する電子契約証明書を取得する証明書取得ステップと、
前記電子契約証明書の署名方式を選択し、前記電子契約証明書に署名して署名された証明書を得る証明書署名方式選択ステップであって、前記署名方式はローカル署名、電子契約プラットフォーム署名及び証拠保存プラットフォーム署名を含む証明書署名方式選択ステップと、を含み、
前記証拠保存情報は、前記契約操作結果、前記電子契約証明書及び前記署名された証明書を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の取引方式に基づく電子契約証拠保存システム。
【請求項8】
前記証明書署名ステップの署名方式はローカル署名、電子契約プラットフォーム署名及び証拠保存プラットフォーム署名を含み、前記署名方式が前記ローカル署名である場合、前記ユーザ秘密鍵を用いて前記電子契約証明書に署名し、署名された証明書を得、
前記電子契約プラットフォームにはさらに、
前記ブロックチェーン証拠保存プラットフォームに前記電子契約の証拠を保存するか否かを判断するアップロード判断ステップが配置され、前記ブロックチェーン証拠保存プラットフォームに前記電子契約の証拠を保存すると確定する場合、前記取引構築ステップを引き続き実行する、
ことを特徴とする請求項7に記載の取引方式に基づく電子契約証拠保存システム。
【請求項9】
前記証明書署名ステップの署名方式はローカル署名、電子契約プラットフォーム署名及び証拠保存プラットフォーム署名を含み、前記署名方式が前記電子契約プラットフォーム署名である場合、前記電子契約プラットフォーム秘密鍵を用いて前記電子契約証明書に署名し、署名された証明書を得、
前記電子契約プラットフォームにはさらに、
前記ブロックチェーン証拠保存プラットフォームに前記電子契約の証拠を保存するか否かを判断するアップロード判断ステップが配置され、前記ブロックチェーン証拠保存プラットフォームに前記電子契約の証拠を保存すると確定する場合、前記取引構築ステップを引き続き実行する、
ことを特徴とする請求項7に記載の取引方式に基づく電子契約証拠保存システム。
【請求項10】
前記証明書署名ステップの署名方式はローカル署名、電子契約プラットフォーム署名及び証拠保存プラットフォーム署名を含み、前記署名方式が前記証拠保存プラットフォーム署名である場合、ブロックチェーン証拠保存プラットフォーム公開鍵を用いて前記電子契約証明書に署名し、署名された証明書を得、
前記電子契約プラットフォームにはさらに、
前記ブロックチェーン証拠保存プラットフォームに前記電子契約の証拠を保存するか否かを判断するアップロード判断ステップが配置され、前記ブロックチェーン証拠保存プラットフォームに前記電子契約の証拠を保存すると確定する場合、前記取引構築ステップを引き続き実行する、
ことを特徴とする請求項7に記載の取引方式に基づく電子契約証拠保存システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2020年07月20日に中国国家知識産権局に提出された、中国特許出願第202010700271.3号、発明の名称「取引方式に基づく電子契約証拠保存システム」の中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容が参照により本願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本願は電子契約証拠保存技術の分野に関し、具体的には取引方式に基づく電子契約証拠保存システムに関する。
【背景技術】
【0003】
インターネット時代の発展に伴い、現在の電子契約プラットフォームは、ユーザの認証局(Certificate Authorrity、CA)機関によって発行された証明書により電子契約に署名及び押印を行い、同様な法的効力を持たせ、さらに、電子契約は1つの契約形態として徐々に広く使用されている。
【0004】
しかしながら、現在、電子契約の保存には、通常、データベースによる保存プラットフォームを使用しているが、このような保存方式は、本質的には、中央集権型保存であり、契約データの改ざんと偽造が行われやすいというリスクが存在する。このため、後続の電子契約データの呼び出しに際して、保存された電子契約データが信頼できなくなり、電子契約データの保存が無意味になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、電子契約を中央集権的に保存するという従来方式において、契約データの改ざんと偽造が行われやすいというリスクが存在することで、後続の電子契約データの呼び出しに際して、保存された電子契約データが信頼できなくなるという問題を解決することができる、取引方式に基づく電子契約証拠保存システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
取引方式に基づく電子契約証拠保存システムは、電子契約プラットフォームと、前記電子契約プラットフォームに証拠保存サービスを提供する複数の証拠保存ノードを含むブロックチェーン証拠保存プラットフォームと、を含み、
前記電子契約プラットフォームには、
電子契約に対して前処理を行い、証拠保存情報を得る証拠保存情報生成ステップと、
前記証拠保存情報に対して暗号化及び離散化処理を行い、対応するデータツリーを生成するデータ処理ステップであって、前記証拠保存情報は、前記契約操作結果、前記電子契約証明書及び前記署名された証明書を含むデータ処理ステップと、
1つの証拠保存取引を構築する取引構築ステップであって、前記証拠保存取引の開始側はユーザであり、受信側は前記電子契約プラットフォームであり、前記証拠保存取引はユーザ秘密鍵と電子契約プラットフォーム秘密鍵が共同で署名するものである取引構築ステップと、
前記証拠保存情報、前記データツリー及び前記証拠保存取引を前記ブロックチェーン証拠保存プラットフォームに送信するデータ送信ステップと、が配置され、
前記証拠保存ノードには、
ユーザ公開鍵及び電子契約プラットフォーム公開鍵により、受信した前記証拠保存情報、前記データツリー及び前記証拠保存取引の合法性、完全性及び有効性を検証する検証ステップと、
前記証拠保存情報、前記データツリー及び前記証拠保存取引からデータブロックを生成し、タイムスタンプを押印するデータブロック生成ステップと、
前記証拠保存情報、前記データツリー、前記証拠保存取引及び前記データブロックをオンチェーンで保存するオンチェーン(uplink)保存ステップと、
前記証拠保存取引に対してハッシュ演算を行い、取引ハッシュ値を得る取引ハッシュ演算ステップと、
前記証拠保存情報、前記データツリー、前記証拠保存取引、前記データブロック及び前記取引ハッシュ値を前記電子契約プラットフォームに返信するデータ返信ステップと、
前記証拠保存情報、前記データツリー、前記証拠保存取引、前記データブロック及び前記取引ハッシュ値を次の前記証拠保存ノードに伝送するデータ伝送ステップと、が配置される。
【発明の効果】
【0007】
以上の技術案から分かるように、本願により提供される取引方式に基づく電子契約証拠保存システムは、電子契約プラットフォームと、前記電子契約プラットフォームに証拠保存サービスを提供する複数の証拠保存ノードを含むブロックチェーン証拠保存プラットフォームと、を含む。本願の取引方式に基づく電子契約証拠保存システムにより、電子契約プラットフォームとブロックチェーン技術を結合して電子契約の証明書を保存し、ブロックチェーンの非中央集権化、改ざん防止、完全なトレース保持、トレーサビリティ、集団的保守、及びオープンと透明性などの特徴を利用して、電子契約証拠保存の信頼性を確保する。証拠保存取引を構築することにより、電子契約がブロックチェーン証拠保存プラットフォームにアップロードされる証拠保存行為を記録する。ここで、まずブロックチェーン証拠保存プラットフォームに送信された電子契約関連データに対して暗号化及び離散化処理を行い、且つデータツリーを生成し、さらにデータの改ざん防止に役立ち、データ伝送プロセスの安全性及びプライバシー性を向上させる。秘密鍵署名、公開鍵検証の方式を採用し、電子契約証拠保存プロセスの信頼性をさらに向上させ、改ざん及び偽造を防止する。契約紛争が発生した場合、電子契約に関与するいずれの側も契約を改ざんできないことを技術的に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本願の技術案をより明確に説明するために、以下は実施例に使用する必要がある図面を簡単に説明し、明らかに、当業者であれば、創造的な仕事なしで、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本願の実施例により提供される第1種の、取引方式に基づく電子契約証拠保存システムのトポロジー図である。
図2図1に示す取引方式に基づく電子契約証拠保存システムのデータ処理のフローチャートである。
図3図2に示すデータ処理のフローチャートに対応する方法のステップのフローチャートである。
図4】本願の実施例により提供される第2種の、取引方式に基づく電子契約証拠保存システムに対応するデータ分割のフローチャートである。
図5】本願の実施例により提供される第3種の、取引方式に基づく電子契約証拠保存システムに対応するデータ分割のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術案を明確且つ完全に説明し、明らかに、説明された実施例は、すべての実施例ではなく、本願の実施例の一部にすぎない。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な労働をせず得た全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0010】
図1は本願の実施例により提供される第1種の、取引方式に基づく電子契約証拠保存システムのトポロジー図である。図1に示すように、本実施例により提供される取引方式に基づく電子契約証拠保存システムは、相互通信可能に接続される電子契約プラットフォーム1とブロックチェーン証拠保存プラットフォーム2を含み、ブロックチェーン証拠保存プラットフォーム2はピアツーピア通信が可能な複数のノード21を含み、少なくとも1つのノード21はアカウント作成ノード22として電子契約プラットフォーム1にアカウント作成サービスを提供し、複数のノード21は証拠保存ノード23として電子契約プラットフォーム1に証拠保存サービスを提供する。電子契約証拠保存データの基本情報は表1に示すとおりであり、表1は電子契約証拠保存データの基本情報の対照表である。
【0011】
【表1】
【0012】
なお、本願に記載の電子契約プラットフォーム1とブロックチェーン証拠保存プラットフォーム2はある1つのブロックチェーン又は複数のブロックチェーンに通信可能に接続されているパブリックチェーン、サブチェーン、又はコンソーシアムチェーンのうちの1つであってもよく、ここで、電子契約プラットフォーム1は機能的なサブチェーン又はコンソーシアムチェーンであってもよく、ブロックチェーン証拠保存プラットフォーム2はパブリックチェーン、機能的なサブチェーン又はコンソーシアムチェーンであってもよく、電子契約プラットフォーム1は既存のモノのインターネットプラットフォームであってもよく、本願は特に限定しない。
【0013】
図2図1に示す取引方式に基づく電子契約証拠保存システムのデータ処理フローチャートであり、図3図2に示すデータ処理フローチャートに対応する方法ステップのフローチャートである。図1図3を参照すると、電子契約プラットフォーム1には、
電子契約に対して前処理を行い、証拠保存情報を得る証拠保存情報生成ステップが配置されてもよい。
【0014】
証拠保存情報生成ステップはさらに、
電子契約に対して関連操作を行い、契約操作結果を得る契約操作ステップであって、関連操作は署名、契約更新、変更及び停止を含んでもよい契約操作ステップと、
契約操作結果に対応する電子契約証明書を取得する証明書取得ステップであって、電子証明書は電子契約プラットフォーム1又はサードパーティのCAプラットフォームによって発行された合法的電子証明書であってもよい証明書取得ステップと、
電子契約証明書に署名し、署名された証明書を得る証明書署名ステップと、を含んでもよい。証明書署名ステップの署名方式はローカル署名、電子契約プラットフォーム署名及び証拠保存プラットフォーム署名を含んでもよい。証拠保存情報は、前記契約操作結果、電子契約証明書及び署名された証明書を含んでもよい。
【0015】
署名方式がローカル署名である場合、ユーザ秘密鍵を用いて電子契約証明書に署名し、署名された証明書を得ることができる。
【0016】
署名方式が電子契約プラットフォーム署名である場合、電子契約プラットフォーム秘密鍵(プライベートキー)を用いて電子契約証明書に署名し、署名された証明書を得ることができる。
【0017】
署名方式が証拠保存プラットフォーム署名である場合、ブロックチェーン証拠保存プラットフォーム公開鍵(パブリックキー)を用いて電子契約証明書に署名し、署名された証明書を得ることができる。
【0018】
秘密鍵と公開鍵は対応して現れ、秘密鍵を用いて電子契約を署名すると、電子契約を呼び出すように、後で公開鍵を用いて署名された証明書を還元することを容易にする。
【0019】
証拠保存情報を生成した後、データ処理ステップを引き続き実行し、証拠保存情報に対して暗号化及び離散化処理を行い、対応するデータツリーを生成する。
【0020】
さらに、電子契約プラットフォーム1には、ブロックチェーン証拠保存プラットフォームに電子契約の証拠を保存するか否かを判断するアップロード判断ステップが配置されてもよい。ブロックチェーン証拠保存プラットフォームに電子契約の証拠を保存しないと確定する場合、今回電子契約証拠保存フローを終了する。
【0021】
ブロックチェーン証拠保存プラットフォームに電子契約の証拠を保存すると確定する場合、1つの証拠保存取引を構築する取引構築ステップを引き続き実行し、証拠保存取引の開始側はユーザであり、受信側は電子契約プラットフォームであり、証拠保存取引はユーザ秘密鍵と電子契約プラットフォーム秘密鍵が共同で署名するものであり、証拠保存取引は今回の電子契約証拠保存プロセスを記録することに用いることができる。
【0022】
最後に、証拠保存情報、データツリー及び証拠保存取引をブロックチェーン証拠保存プラットフォームに送信するデータ送信ステップを実行する。
【0023】
アカウント作成ノード22には、
ブロックチェーン証拠保存プラットフォーム上に電子契約プラットフォームに対応する証拠保存プラットフォームのアカウントが存在するか否かを判断するアカウント判断ステップと、
ブロックチェーン証拠保存プラットフォーム上に電子契約プラットフォームに対応する証拠保存プラットフォームのアカウントが存在しない場合、電子契約プラットフォームのために証拠保存プラットフォームのアカウントを作成するアカウント作成ステップと、が配置される。
【0024】
ブロックチェーン証拠保存プラットフォーム上に電子契約プラットフォームに対応する証拠保存プラットフォームのアカウントが存在しない場合、証拠保存ノード23は関連する証拠保存ステップを引き続き実行する。
【0025】
証拠保存ノード23には、
ユーザ公開鍵及び電子契約プラットフォーム公開鍵を用いて受信した証拠保存情報、データツリー及び証拠保存取引の合法性、完全性及び有効性を検証する検証ステップであって、
検証ステップに合格する場合、証拠保存情報、データツリー及び証拠保存取引からデータブロックを生成し、タイムスタンプを押印するデータブロック生成ステップを引き続き実行し、
検証ステップに合格しない場合、今回の電子契約証拠保存フローを終了する検証ステップと、
証拠保存情報、データツリー、証拠保存取引及びデータブロックをオンチェーンで保存するオンチェーン保存ステップと、
証拠保存取引に対してハッシュ演算を行い、取引ハッシュ値を得る取引ハッシュ演算ステップと、
証拠保存情報、データツリー、証拠保存取引、データブロック及び取引ハッシュ値を電子契約プラットフォームに返信するデータ返信ステップと、
証拠保存情報、データツリー、証拠保存取引、データブロック及び取引ハッシュ値を次の証拠保存ノードに引き続いて伝送するデータ伝送ステップと、
オンチェーン保存ステップを完了した証拠保存ノード数がプリセット証拠保存ノード数を超えるか否かを判断する証拠保存ノード数判断ステップと、
オンチェーン保存ステップを完了した証拠保存ノード数がプリセット証拠保存ノード数を超えた場合、電子契約証拠保存フローが終了し、データ伝送ステップの実行を終止する証拠保存フロー終了ステップと、が配置され、
オンチェーン保存ステップを完了した証拠保存ノード数がプリセット証拠保存ノード数を超えていない場合、データ伝送ステップを引き続き実行する。
【0026】
他の実施例において、証拠保存ノード23にはさらに、
データブロックの生成時間が証拠保存のプリセット時間を超えるか否かを判断する証拠保存時間判断ステップと、
データブロックの生成時間が証拠保存のプリセット時間を超えた場合、電子契約証拠保存フローが終了し、データ伝送ステップの実行を終止する証拠保存フロー終了ステップであって、データブロックの生成時間が証拠保存のプリセット時間を超えた場合は、ブロックチェーン証拠保存プラットフォーム上の当該データブロックの順番番号の後に十分な数のブロックが既にあり、すなわち、ブロックチェーン証拠保存プラットフォームには、電子契約の関連データの証拠を保存するデータブロックが既に十分にあることを示す証拠保存フロー終了ステップとが配置され、
データブロックの生成時間がプリセット時間を超えていない場合、データ伝送ステップを引き続き実行する。
【0027】
なお、証拠保存時間判断ステップと証拠保存ノード数判断ステップは相互代替関係であり、そのうち1つの証拠保存判断ステップを選択すればよく、プリセット証拠保存ノード数と証拠保存のプリセット時間は実際の必要に応じて予め設定することができる。証拠保存の有効性と信頼性を確保するために、ブロックチェーン証拠保存プラットフォームには電子契約の証拠を保存するための証拠保存ノードが十分な数ある必要がある。各証拠保存ノードはデータブロックを再生成する必要があり、タイムスタンプはデータブロックの時間属性をマークすることができる。伝送するデータの信頼性を確保するために、後の証拠保存ノードは一つ前の証拠保存ノードから引き続いて伝送されたデータを再検証する必要がある。証拠保存ノード数判断ステップと証拠保存時間判断ステップは相互代替関係であるため、本願は特に限定せず、そのうち1つを選択して実行すればよい。プリセット証拠保存ノード数及び証拠保存のプリセット時間を設定することにより、ブロックチェーン証拠保存プラットフォームにおける電子契約の保存の有効性及び信頼性を確保することができ、且つより効率的である。
【0028】
図4は本願の実施例により提供される第2種の、取引方式に基づく電子契約証拠保存システムに対応するデータ分割のフローチャートである。図4に示すように、本実施例により提供される取引方式に基づく電子契約証拠保存システムでは、ブロックチェーン証拠保存プラットフォームの少なくとも1つのノードはデータ分割ノードとすることができ、データ分割ノードには、受信したデータツリーを分割して複数のパケットデータを得るデータ分割ステップが配置され、n個のパケットデータに分割してもよい。続いて、前記パケットデータごとに番号を付ける番号付けステップを引き続き実行し、パケットデータ1、パケットデータ2、パケットデータ3、パケットデータ4、…、パケットデータnとして番号付けてもよく、nはいずれかの正の整数である。この場合、証拠保存ノードには、対応するパケットデータを保存するパケット保存ステップが配置され、1つの証拠保存ノードには1つのパケットデータが対応して保存される。保存が完了した後にデータ伝送ステップを引き続き実行する。例えば、パケットデータ1、パケットデータ2、パケットデータ3、パケットデータ4、…、パケットデータnは、証拠保存ノード1、証拠保存ノード2、証拠保存ノード3、証拠保存ノード4、…、証拠保存ノードnにそれぞれ保存することができる。
【0029】
本実施例において、データツリーは、証拠保存情報に対して暗号化及び離散化を行って得られたものであり、ブロックチェーン証拠保存プラットフォームはデータツリーを複数のパケットデータに分割し、データツリーをブロックチェーン証拠保存プラットフォームの複数のノードに分散して保存することができ、ブロックチェーン証拠保存プラットフォームにおけるデータツリーの保存の安全性をさらに強化することができる。データツリーのデータに対して証拠を取る必要がある場合、パケットデータに対して再編成及び復号操作を行うことができる。
【0030】
図5は本願の実施例により提供される第3種の、取引方式に基づく電子契約証拠保存システムに対応するデータ分割のフローチャートである。図5に示すように、本実施例により提供される取引方式に基づく電子契約証拠保存システムでは、電子契約プラットフォームには、データツリーを分割して複数のパケットデータを得るデータ分割ステップが配置され、n個のパケットデータに分割してもよく、続いて、パケットデータごとに番号を付ける番号暗号化ステップを引き続き実行し、パケットデータ1、パケットデータ2、パケットデータ3、パケットデータ4、…、パケットデータnとして番号付けてもよい。ユーザ秘密鍵又は電子契約プラットフォーム秘密鍵を用いて前記パケットデータごとに対して暗号化し、暗号化データ1、暗号化データ2、暗号化データ3、暗号化データ4、…、暗号化データnとして番号付けられたものを得ることができる。暗号化が完了した後にデータ送信ステップを引き続き実行し、この場合、証拠保存ノードには、対応するパケットデータを保存するパケット保存ステップが配置され、1つの証拠保存ノードには1つのパケットデータが対応して保存される。保存が完了した後にデータ伝送ステップを引き続き実行する。例えば、暗号化データ1、暗号化データ2、暗号化データ3、暗号化データ4、…、暗号化データnは、証拠保存ノード1、証拠保存ノード2、証拠保存ノード3、証拠保存ノード4、…、証拠保存ノードnにそれぞれ保存することができる。
【0031】
本実施例において、データツリーは、証拠保存情報に対して暗号化及び離散化を行って得られたものであり、電子契約プラットフォームはデータツリーを複数のパケットデータに分割することができ、データの伝送があるため、パケットデータに対して暗号化処理を行う必要があり、データツリーをブロックチェーン証拠保存プラットフォームの複数のノードに分散して保存することで、ブロックチェーン証拠保存プラットフォームにおけるデータツリーの保存の安全性をさらに強化することができる。
【0032】
また、ブロックチェーン証拠保存プラットフォーム2のオンチェーン保存に関しては、その保存モードが元のデータを同期的に保存するか、又は元のデータのデータ要約若しくは圧縮データのみを保存するかについて、本願は特に限定しない。
【0033】
本願により提供される取引方式に基づく電子契約証拠保存システムは、電子契約プラットフォームとブロックチェーン技術を結合して電子契約の証拠を保存し、ブロックチェーンの非中央集権化、改ざん防止、完全なトレース保持、トレーサビリティ、集団的保守、及びオープンと透明性などの特徴を利用して、電子契約証拠保存の信頼性を確保する。証拠保存取引を構築することにより、電子契約をブロックチェーン証拠保存プラットフォームにアップロードする証拠保存行為を記録する。ここで、まずブロックチェーン証拠保存プラットフォームに送信された電子契約データに対して暗号化及び離散化処理を行い、且つデータツリーを生成し、さらにデータの改ざん防止に役立ち、データ伝送プロセスの安全性及びプライバシー性を向上させる。秘密鍵署名、公開鍵検証の方式を採用し、電子契約証拠保存プロセスの実現可能性をさらに向上させ、改ざん及び偽造を防止する。契約紛争が発生した場合、電子契約に関与するいずれの側も契約を改ざんできないことを技術的に確保することができる。
【0034】
本明細書における各実施例の間の同じ又は類似の部分は、互いに参照すればよい。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】