(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020605
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】冷暖房マルチ空気調和機
(51)【国際特許分類】
F25B 13/00 20060101AFI20220125BHJP
F25B 6/02 20060101ALI20220125BHJP
F25B 6/04 20060101ALI20220125BHJP
F25B 5/02 20060101ALI20220125BHJP
F25B 47/02 20060101ALI20220125BHJP
F24F 1/14 20110101ALI20220125BHJP
F24F 11/42 20180101ALI20220125BHJP
F24F 11/65 20180101ALI20220125BHJP
【FI】
F25B13/00 104
F25B6/02 J
F25B6/04 Z
F25B5/02 510Q
F25B13/00 S
F25B47/02 510A
F25B47/02 540G
F24F1/14
F24F11/42
F24F11/65
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119377
(22)【出願日】2021-07-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0089887
(32)【優先日】2020-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】チウ ソン
(72)【発明者】
【氏名】ヨンチョル サ
(72)【発明者】
【氏名】ジヨン ジャン
【テーマコード(参考)】
3L054
3L092
3L260
【Fターム(参考)】
3L054BA05
3L054BB03
3L092AA02
3L092BA15
3L092DA01
3L092DA02
3L092DA03
3L092EA02
3L092EA03
3L092FA22
3L092FA23
3L260AB03
3L260BA02
3L260BA36
3L260CB13
3L260CB18
3L260DA09
3L260FB16
(57)【要約】
【課題】本発明は、室内冷暖房負荷に応じて選択的に連結及び分離を実行できる多層熱交換器構造を提供する。
【解決手段】室内熱交換器を含む少なくとも1つの冷暖房兼用室内機;圧縮機、複数の室外熱交換器及び前記圧縮機の吐出側に配置されて冷媒の流れを切り換える切換ユニットを含む冷暖房兼用室外機;及び前記冷暖房兼用室外機と少なくとも1つの前記冷暖房兼用室内機との間に配置されて、前記冷媒を分配する分配器;を含み、前記冷暖房兼用室外機の前記複数の室外熱交換器は、前記切換ユニットと一端が連結され、前記分配器と他端が連結される第1熱交換器と、前記第1熱交換器の下側に配置され、一端が前記第1熱交換器の他端と連結/遮断できるように形成され、他端が前記分配器と連結されている第2熱交換器と、前記第2熱交換器の下側に配置され、一端が前記圧縮機の吐出側に連結され、他端が前記室内機に連結される第3熱交換器とを含む冷暖房マルチ空気調和機で達成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷暖房マルチ空気調和機であって、
室内熱交換器を備える少なくとも1つの冷暖房兼用室内機;
圧縮機、複数の室外熱交換器及び前記圧縮機の吐出側に配置されて冷媒の流れを切り換える切換ユニットを備える冷暖房兼用室外機;及び
前記冷暖房兼用室外機と少なくとも1つの前記冷暖房兼用室内機との間に配置されて、前記冷媒を分配する分配器;を備えてなり、
前記冷暖房兼用室外機の前記複数の室外熱交換器は、
前記切換ユニットと一端が連結され、前記分配器と他端が連結される第1熱交換器と、
前記第1熱交換器の下側に配置され、一端が前記第1熱交換器の他端と連結/遮断できるように形成され、他端が前記分配器と連結されている第2熱交換器と、
前記第2熱交換器の下側に配置され、一端が前記圧縮機の吐出側に連結され、他端が前記室内機に連結される第3熱交換器と、を備える、冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項2】
前記冷暖房兼用室外機は、
前記第1熱交換器の他端と前記第2熱交換器の一端を直列連結する第1連結配管と、
前記第1連結配管上に配置され、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器の機械的連結をオン/オフさせる第1連結弁と、を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項3】
前記冷暖房兼用室外機は、
前記第1熱交換器、第2熱交換器及び第3熱交換器の他端にそれぞれ第1膨張弁、第2膨張弁及び第3膨張弁が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項4】
前記第1熱交換器の流路は、前記第2熱交換器の流路より長いことを特徴とする、請求項2に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項5】
前記第3熱交換器の流路は、前記第2熱交換器の流路より短いことを特徴とする、請求項2に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項6】
前記第1熱交換器の流路は、前記複数の室外熱交換器全体の流路に対して65%ないし75%を充足することを特徴とする、請求項2に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項7】
前記冷暖房マルチ空気調和機は、
使用者の運転選択情報に現在の状態情報を組み合わせて細部的な運転モードを選択して運転することを特徴とする、請求項3に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項8】
前記冷暖房マルチ空気調和機は、
前記現在状態情報は、室内温度及び湿度情報、室外温度及び湿度情報並びに前記室内機の負荷情報を含むことを特徴とする、請求項7に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項9】
前記使用者の運転選択情報が冷房運転である場合、前記現在状態情報のうち室外温度及び前記室内機の負荷に応じて前記複数の室外熱交換器の容量を可変するように運転することを特徴とする、請求項8に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項10】
前記室外温度が低く前記室内機負荷が小さいほど前記複数の室外熱交換器の容量が減少するように前記第1ないし第3熱交換器の連結/遮断を制御することを特徴とする、請求項9に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項11】
前記室内機負荷が最下である場合、前記第3熱交換器のみを駆動して冷房サイクルを実現することを特徴とする、請求項10に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項12】
前記使用者の運転選択情報が暖房運転である場合、前記現在状態情報のうち、室外温度、室外湿度及び前記室内機の負荷に応じて前記複数の室外熱交換器の第3熱交換器への冷媒をバイパスするか又は遮断することを特徴とする、請求項8に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項13】
前記冷暖房兼用室外機は、
前記圧縮機の吐出側の圧力を周期的に読み取る圧力センサと、
前記第3熱交換器の他端側に配置されて配管の温度を周期的に読み取る温度センサと、を更に備えることを特徴とする請求項12に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項14】
前記使用者の運転選択情報が暖房運転であるとき、前記室外温度が第1温度以上で、前記室内機負荷がm個以下である場合、前記圧縮機の吐出側に吐出される前記冷媒の現在圧力値に応じて前記第2膨張弁及び前記第3膨張弁を制御して前記現在圧力を下げる暖房過負荷モードで運転することを特徴とする、請求項13に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項15】
周期的に感知される前記圧力センサの前記現在の圧力が臨界範囲内を充足すると、前記第3膨張弁を閉じて暖房一般モードに切り換えることを特徴とする、請求項14に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項16】
前記使用者の運転選択情報が暖房運転であるとき、前記室外温度が第2温度以下で、前記室外湿度が第1範囲以上で、前記室内機負荷がn個以上である場合、前記第3膨張弁を制御して前記圧縮機の吐出側に吐出される前記冷媒を前記第3熱交換器に流して着霜を除去する着霜防止モードで運転することを特徴とする、請求項14に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項17】
前記着霜防止モードにおいて、前記第3熱交換器の前記温度センサから前記配管温度を周期的に読み取って前記配管温度が臨界範囲を充足すると、前記第3膨張弁を閉じて暖房一般モードに切り換えることを特徴とする、請求項16に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項18】
前記冷暖房兼用室外機は、
前記第3熱交換器の一端と前記第1熱交換器の他端を連結する第1サブ配管と、
前記第3熱交換器の一端と前記第2熱交換器の他端を連結する第2サブ配管と、
前記第1サブ配管上に配置されて前記第1サブ配管への冷媒の流れを遮断/連結する第1サブバルブと、
前記第2サブ配管上に配置されて前記第2サブ配管への冷媒の流れを遮断/連結する第2サブバルブと、を更に備えることを特徴とする、請求項3に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項19】
前記冷暖房マルチ空気調和機は、
除霜運転時に、
前記第1熱交換器において前記冷媒の蒸発を行いながら、前記第2熱交換器及び第3熱交換器に前記圧縮機から吐出される前記冷媒を流して前記第2熱交換器の除霜を行う下部除霜モードと、前記第2熱交換器において前記冷媒の蒸発を行いながら、前記第1熱交換器及び第3熱交換器に前記圧縮機から吐出される前記冷媒を流して前記第1熱交換器の除霜を行う上部除霜モードとを交互に行って連続暖房除霜モードで運転することを特徴とする、請求項18に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【請求項20】
前記冷暖房マルチ空気調和機は、前記連続暖房除霜モードで前記第3膨張弁を完全にオープンすることを特徴とする、請求項19に記載の冷暖房マルチ空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷暖房マルチ空気調和機に関し、より詳細には、室外機の流路を多層構造として適用することにより運転負荷に応じて可変的に使用できる冷暖房マルチ空気調和機に関する。
〔関連技術〕
本願は、韓国特許出願第10-2020-0089887号(出願日:2020年7月20日)に基づくパリ条約4条の優先権主張を伴ったものであり、本願発明は、当該韓国特許出願に開示された内容に基づくものである。参考のために、当該韓国特許出願の明細書、特許請求の範囲及び図面の内容は本願明細書の一部に包摂されるものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、マルチ型空気調和機は、1つの室外機に複数の室内機を連結したもので、室外機を共用として使いながら複数の室内機を冷房機又は暖房機として使用する。
【0003】
最近は、室内機の運転台数に応じる冷房又は暖房負荷に効果的に対応できるように複数の室外機を互いに並列に連結して使用している。
【0004】
従来技術によるマルチ空気調和機は、複数の室外機と、複数の室外機と、前記複数の室外機と室内機を連結する冷媒配管とを含んで構成され、ここで、前記複数の室外機はメイン室外機と複数のサブ室外機から構成される。
【0005】
前記複数の室外機のそれぞれには、低温低圧の気体状態の冷媒を高温高圧に圧縮させる圧縮機と、循環する冷媒を室外空気と熱交換させる室外熱交換器と、冷房又は暖房作動に応じて冷媒の流れを切り換える四方バルブとが設置される。前記複数の室内機のそれぞれには、膨張機構と、循環する冷媒を室内空気と熱交換させる室内熱交換器がそれぞれ設置される。
【0006】
前記のように構成された従来技術によるマルチ空気調和機は、冷房運転の時、前記メイン室外機とサブ室外機の圧縮機により圧縮された冷媒が前記四方バルブにより前記室外熱交換器に送られ、前記室外熱交換器を通過する冷媒は、周辺空気との熱交換により凝縮された後、前記膨張機構に送られる。前記膨張機構により膨張した冷媒は前記室内熱交換器に流入して、室内空気の熱を吸収しながら蒸発することにより、室内を冷房させる。
【0007】
一方、暖房運転の時は、前記四方バルブにおいて流路が切り換えられて、前記圧縮機から吐出された冷媒が前記四方バルブ、室内熱交換器、室外電子膨張弁(linear expansion valve:LEV)、室外熱交換器を順次通過しながら、室内を暖房させる。
【0008】
一例として、日本公開特許第2018-087688号では、圧縮機から吐出された冷媒を、室外熱交換器を経て液体冷媒に変化させ、これを多数の室内熱交換器に流す空気調和装置を開示している。このような従来技術では、液管と圧縮機吸入配管との間に電子膨張弁を設置して、運転条件に応じて圧力及び吐出温度を制御している。しかしながら、このような冷暖房マルチ空気調和機は、冷房全室運転時に高圧気体配管に冷媒が残留する問題点がある。
【0009】
また、室内外の温度が高く室内負荷が小さい場合は、暖房の連続運転が行わない可能性があり、室内外の温度が低く室内負荷が小さい場合は、冷房の連続運転が行わない可能性がある。また、室内外の温度が低いとき、一部の空間は冷房が必要な場合が発生する。この時、冷房のために室内機に供給される冷媒の温度を下げすぎると、室内機が結氷する問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】日本公開特許第2018-087688号(公開日:2018年6月7日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の第1課題は、1つの室外機内に熱交換器を分離/連結できる多層構造として形成することにより、室内冷暖房負荷に応じて選択的に連結及び分離を実行できる多層熱交換器構造を提供することである。
【0012】
本発明の第2課題は、高圧液管に残存する冷媒を集めて流すことにより、室内に漏洩する冷媒量を最小化できる多層熱交換器構造を提供することである。
【0013】
本発明の第3課題は、使用者のモード選択に対して、現在の室内及び室外の温度及び湿度に応じて最適化したモードを選択することにより、全体モードに対して冷媒漏洩を最小化できるスマート熱交換器を提供することである。
【0014】
本発明の第4課題は、室外機熱交換器の最下段にバイパスのための熱交換器及び電子膨張弁を含んで多様なモードに対して圧縮機の出口及び室外機の一端をバイパスすることにより、漏洩冷媒を最小化できる多層熱交換器構造を提供することである。
【0015】
本発明の第5課題は、暖房過負荷条件、すなわち、暖房負荷が非常に小さい場合、圧縮機の吐出圧力が高すぎてサイクルが形成されないことを防止するために圧縮機の吐出圧力が上昇しないようにバイパスできる多層熱交換器構造を提供することである。
【0016】
本発明の第6課題は、暖房モード時の除霜及び着霜を防止するためのリアルタイムモニタリング及びそれに応じたバルブ制御可能な室外機の多層熱交換器構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の課題である室内冷暖房負荷に応じて選択的に室外機熱交換器の容量を可変するために、本発明は、室内熱交換器を含む少なくとも1つの冷暖房兼用室内機;圧縮機、複数の室外熱交換器及び前記圧縮機の吐出側に配置されて冷媒の流れを切り換える切換ユニットを含む冷暖房兼用室外機;及び前記冷暖房兼用室外機と、少なくとも1つの前記冷暖房兼用室外機間に配置されて前記冷媒を分配する分配器;を含み、前記冷暖房兼用室外機の前記複数の室外熱交換器は、前記切換ユニットと一端が連結され、前記分配器と他端が連結される第1熱交換器と、前記第1熱交換器の下側に配置され、一端が前記第1熱交換器の他端と連結/遮断可能に形成され、他端が前記分配器と連結されている第2熱交換器と、前記第2熱交換器の下側に配置され、一端が前記圧縮機の吐出側に連結され、他端が前記室内機に連結される第3熱交換器とを含む(備える;構成する)冷暖房マルチ空気調和機を提供する。
【0018】
前記冷暖房兼用室外機は、前記第1熱交換器の他端と前記第2熱交換器の一端を直列連結する第1連結配管と、前記第1連結配管上に配置され、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器の連結/遮断を行う第1連結弁とをさらに含む。
【0019】
使用者の運転選択に基づいて、室内外の温度及び湿度に応じて細部的なモード運転を行うために、前記冷暖房兼用室外機は、前記第1熱交換器、第2熱交換器及び第3熱交換器の他端にそれぞれ第1膨張弁、第2膨張弁及び第3膨張弁が形成される。
【0020】
前記多層構造を有する室外機内の熱交換器は、様々な細部的なモード運転に対して室内機の負荷に適合する室外機の容量を実現するために、流路の長さ及び容量を可変することができる。
【0021】
具体的に、前記第1熱交換器の流路は前記第2熱交換器の流路より長くてもよい。
【0022】
前記第3熱交換器の流路は前記第2熱交換器の流路より短くてもよい。
【0023】
前記第1熱交換器の流路は、全体熱交換器の流路に対して65%ないし75%を充足してもよい。
【0024】
前記冷暖房マルチ空気調和機は、使用者の運転選択情報に対して現在状態情報を組み合わせて細部的な運転モードを選択して運転する。
【0025】
前記冷暖房マルチ空気調和機において、前記現在状態情報は、室内温度及び湿度情報、室外温度及び湿度情報並びに前記室内機の負荷情報を含む。
【0026】
前記使用者の運転選択情報が冷房運転である場合、前記現在状態情報のうち室外温度及び前記室内機の負荷に応じて前記室外機の容量を可変するように運転する。
【0027】
前記室外温度が低く前記室内機の負荷が小さいほど、前記室外機の容量が減少するように前記第1ないし第3熱交換器の連結/遮断を制御する。
【0028】
前記室内機の負荷が最下である場合、前記第3熱交換器のみを駆動して冷房サイクルを実現する。
【0029】
前記使用者の運転選択情報が暖房運転である場合、前記現在状態情報のうち室外温度、室外湿度及び前記室内機の負荷に応じて前記室外機の第3熱交換器への冷媒をバイパスするか遮断する。
【0030】
このような第3熱交換器を活用して圧縮機の吐出冷媒の圧力を減らすことにより、暖房負荷が非常に小さい場合に過冷媒の流入を遮断できるため、冷媒の流出なしにサイクルを実現することができる。具体的に、前記使用者の運転選択情報が暖房運転であるとき、前記室外温度が第1温度以上であり、前記室内機負荷がm個以下である場合、前記圧縮機の吐出側に吐出される高温高圧の冷媒の現在高圧値に応じて前記第1膨張弁及び前記第2膨張弁を制御して前記現在高圧を下げる暖房過負荷モードで運転することができる。
【0031】
前記の冷暖房兼用室外機は、前記圧縮機の吐出側の圧力を周期的に読み取る圧力センサと、前記第3熱交換器の他端側に配置されて流路の温度を周期的に読み取る温度センサとをさらに含む。
【0032】
周期的に感知される前記圧力センサの前記現在高圧が臨界範囲内を充足すると、前記第3膨張弁を閉じ、暖房一般モードに切り換えることができる。
【0033】
本発明の様々な細部的なモードの運転中、室外温度及び湿度に基づいて室外機内の着霜を防止するための着霜防止モードの実現が可能である。
【0034】
このような着霜防止モードは、バイパス熱交換器である最下段の第3熱交換器により実現可能である。
【0035】
前記使用者の運転選択情報が暖房運転であるとき、前記室外温度が第2温度以下であり、前記室外湿度が第1範囲以上であり、前記室内機負荷がn個以上である場合、前記第3膨張弁を制御して前記圧縮機の吐出側に吐出される高温高圧の冷媒を前記第3熱交換器に流して着霜を除去する着霜防止モードで運転できる。
【0036】
前記着霜防止モードにおいて、前記第3熱交換器の前記温度センサから前記配管温度を周期的に読み取って、前記配管温度が臨界範囲を充足すると、前記第3膨張弁を閉じ、暖房一般モードに切り換える。
【0037】
前記冷暖房兼用室外機は、前記第3熱交換器の一端と前記第1熱交換器の他端を連結する第1サブ配管と、前記第3熱交換器の一端と前記第2熱交換器の他端を連結する第2サブ配管と、前記第1サブ配管上に配置されて前記第1サブ配管への冷媒の流れを遮断/連結する第1サブバルブと、前記第2サブ配管上に配置されて前記第2サブ配管への冷媒の流れを遮断/連結する第2サブバルブとをさらに含む。
【0038】
前記冷暖房マルチ空気調和機は、除霜運転の時、前記第1熱交換器において冷媒の蒸発を行いながら、前記第2及び第3熱交換器に高温高圧の冷媒を流して前記第2熱交換器の除霜を行う下部除霜モードと、前記第2熱交換器において冷媒の蒸発を行いながら、前記第1及び第3熱交換器に高温高圧の冷媒を流して前記第1熱交換器の除霜を行う上部除霜モードとを交互に行うことにより、連続暖房除霜モードで運転することができる。
【0039】
前記冷暖房マルチ空気調和機は、前記の連続暖房除霜モードにおいて、前記第3膨張弁を完全にオープンする。
【発明の効果】
【0040】
前記解決手段により、本発明は、室外機の熱交換器を多層構造として形成することにより室内冷暖房負荷に応じて選択的に連結及び遮断を行うことができ、高圧液管に残存する冷媒を集めて流すことにより室内に漏洩する冷媒量を最小化することができる。
【0041】
また、使用者のモード選択に対して、現在の室内及び室外の温度及び湿度に応じて最適化されたモードを選択して、全体モードに対して冷媒漏洩を最小化するとともに運転可能なスマート熱交換器を提供することができる。
【0042】
本発明は、室外機の熱交換器の最下段にバイパスのための熱交換器及び電子膨張弁を含んで多様なモードに対して圧縮機の出口と室外機の一端をバイパスして漏洩冷媒を最小化することができる。
【0043】
また、暖房負荷が非常に小さい場合に、圧縮機の吐出圧力が高すぎてサイクルが形成されないことを防止するために、圧縮機の吐出圧力が上昇しないようにバイパスすることができ、暖房モードである時の除霜及び着霜を防止するためのリアルタイムモニタリング及びそれに応じたバルブ制御が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本発明の一実施形態による冷暖房マルチ空気調和機の概略的な構成図である。
【
図2】
図1の冷暖房マルチ空気調和機のモード運転のための全体動作フローチャートである。
【
図3】冷房一般運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作状態を示す動作図である。
【
図4】冷房低温運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作状態を示す動作図である。
【
図5】冷房極低温運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作状態を示す動作図である。
【
図6】暖房過負荷運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作フローチャートである。
【
図7】暖房過負荷運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の状態を示す動作図である。
【
図8】暖房一般運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作状態を示す動作図である。
【
図9】連続暖房着霜防止運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作フローチャートである。
【
図10】連続暖房着霜防止運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作状態を示す動作図である。
【
図11】暖房全除霜運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作状態を示す動作図である。
【
図12a】暖房分割除霜運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作状態を示す動作図である。
【
図12b】暖房分割除霜運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作状態を示す動作図である。
【
図13】室外機温度、相対湿度及び室内機負荷に応じたバイパス弁の開度量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明の利点及び特徴、そしてそれを達成する方法は、添付の図面を参照して詳細に後述される実施形態を参照すれば明確になる。しかしながら、実施形態が本明細書に開示された実施形態に限定されるものではなく、他の方式で実現されることもできる。本明細書の実施形態は発明の開示を完全なものにし、該当技術分野において通常の知識を有する者にほん発明の範囲を知らせるために提供されるものである。本明細書にわたって同一参照符号は同一構成要素を示す。
【0046】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは、図面に示されているように1つの構成要素と他の構成要素との相関関係を容易に記述するために使用される。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて使用時又は動作時の構成要素の相異なる方向を含む用語として理解されるべきである。例えば、図面に示されている構成要素を反転させる場合、他の構成要素の「下(below)」又は「下(beneath)」として記述された構成要素は他の構成要素の「上(above)」に配置されるようになる。従って、例示的な用語である「下」は、下と上の方向を両方とも含む。構成要素は他の方向にも配向されることができ、これにより、空間的に相対的な用語は配向に応じて解釈されることができる。「ないし(乃至)」は主として〇以上□以下;〇~□等を意味する。
【0047】
本明細書において用いる用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。本発明において、単数形は特に言及されない限り複数形も含む。明細書において用いられる「(comprises)含む;備える;構成する等を含む」及び/又は「(comprising)上記以外に、包む;包含する;包接する等を含む」と言及された構成要素、段階及び/又は動作は1つ以上の他の構成要素、段階及び/又は動作の存在又は追加を排除しない。
【0048】
他の定義がないと、本明細書において使用される全ての用語(技術的用語及び科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野において通常の技術を有する者に共通に理解できる意味として使用される。また、一般的に用いられる辞書に定義されている用語は明白に特に定義されていない限り、理想的に又は過度に解釈されない。
【0049】
図面において各構成要素の厚さやサイズは、説明の便宜及び明確性のために誇張又は省略されるか概略的に図示されている。また、各構成要素のサイズと面積は、実際のサイズや面積を全的に反映するものではない。
【0050】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0051】
図1は、本発明の一実施形態による冷暖房マルチ空気調和機の概略的な構成図である。
【0052】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による冷暖房マルチ空気調和機100が示されている。冷暖房マルチ空気調和機100は、複数の冷暖房兼用室内機B1、B2、・・・と、少なくとも1つの冷暖房兼用室外機Aと、分配器Cとを含む。
【0053】
冷暖房兼用室外機Aは、第1、第2圧縮機53、54と、複数の室外熱交換器A1、A2、A3と、室外熱交換器ファン61と、切換ユニットとを含む。ここで、切換ユニットは四方バルブを含む。第1、第2圧縮機53、54の吸入部は、共用アキュムレータ52により連結されている。第1圧縮機53は冷媒の圧縮容量を可変できるインバータ圧縮機であってもよく、第2圧縮機54は冷媒の圧縮容量が一定である定速圧縮機であってもよい。
【0054】
第1、第2圧縮機53、54の吐出部には第1、第2吐出配管が連結され、第1、第2吐出配管は合枝部57により合枝され、第1、第2吐出配管には第1、第2圧縮機53、54から吐出された冷媒中のオイルを回収するように第1、第2オイル分離器58、59がそれぞれ設置されている。第1、第2オイル分離機58、59には、第1、第2オイル分離機58、59から分離したオイルを第1、第2圧縮機53、54の吸入部に案内する第1、第2オイル回収管が連結されている。
【0055】
合枝部57には、第1、第2圧縮機53、54から吐出された冷媒を、四方バルブ62を経ずにバイパスさせる高圧気体配管68が連結される。また、合枝部57は四方バルブ62と第3吐出配管64により連結されている。
【0056】
室外熱交換器A1、A2、A3は、第1連結配管71により四方バルブ62と連結されている。室外熱交換器A1、A2、A3においては、外気との熱交換により冷媒が凝縮又は蒸発される。このとき、熱交換をより円滑にするために、室外機ファン61は室外熱交換器A1、A2、A3に空気を流入する。冷暖房マルチ空気調和機100においては、冷房運転又は除霜運転中には室外熱交換器A1、A2、A3が凝縮器として利用され、暖房運転中には室外熱交換器A1、A2、A3が蒸発器として利用される。
【0057】
このような室外熱交換器A1、A2、A3は
図1のように多層構造を有する。
【0058】
より詳細に、本発明の一実施形態による室外熱交換器A1、A2、A3は、1つの室外機A内に多層構造の分離/連結可能な複数の熱交換器A1、A2、A3を含む。
【0059】
このような複数の熱交換器A1、A2、A3は、
図1のように、第1熱交換器A1、第2熱交換器A2及び第3熱交換器A3の3層構造を有するが、これに限定されない。
【0060】
第1熱交換器A1はメイン(main)熱交換器であって、室外熱交換器A1、A2、A3の内部において最上位に配置されており、第1連結配管71と連結されている。
【0061】
第2熱交換器A2はサブ(sub)熱交換器であって、第1熱交換器A1と同層又は下側に配置され、一端が第1熱交換器A1と直列に連結されており、他端が分配器Cと連結される。
【0062】
また、第1熱交換器A1と第2熱交換器A2との並列連結を防止するために、第1熱交換器A1の一端と第2熱交換器A2の一端の間にチェック弁が配置されている。
【0063】
第2熱交換器A2は、第1熱交換器A1より短い流路を有し、物理的に第1熱交換器A1の下部に配置されて冷房又は暖房負荷に応じて選択的に稼動する。
【0064】
第1熱交換器A1と第2熱交換器A2の直列連結のために第1熱交換器A1の他端と第2熱交換器A2の一端を連結する第2連結配管75が形成されており、第2連結配管75上に第1連結弁82が形成されて2つの熱交換器A1、A2を連結又は遮断する。
【0065】
一方、第2熱交換器A2の下部に第3熱交換器A3が配置されている。第3熱交換器A3はバイパス熱交換器であって、高圧気体配管68に連結されて圧縮機53、54からの高圧気体冷媒の一部を凝縮してバイパスして、液体配管76と会って室内機B1、B2に液冷媒を移動させる。
【0066】
このために、第3熱交換器A3の一端が高圧気体配管68に連結されて圧縮機53、54の吐出側に連結され、他端が分配器Cと室内機B1、B2に連結されている。
【0067】
このような第3熱交換器A3は第2熱交換器A2より短い流路を有する。
【0068】
第1、第2、第3熱交換器A1、A2、A3の流路は順次短くなってもよく、好ましくは、全体流路に対して、第1熱交換器A1が65ないし75%、第2熱交換器A2が20ないし30%、第3熱交換器A3が3ないし10%を占めるように形成されてもよい。
【0069】
より好ましくは、全体流路に対して、第1熱交換器A1が70%、第2熱交換器A2が25%、第3熱交換器A3が5%を占めるように形成されてもよい。
【0070】
室外熱交換器A1、A2、A3から吐出される液体冷媒が流れる液体配管76上には室外電子膨張弁65、66、67が設置されている。室外電子膨張弁65、66、67は、暖房運転又は除霜運転時に冷媒を膨張させる。
【0071】
室外電子膨張弁65、66、67は、第1熱交換器A1の他端に連結されている第1電子膨張弁65、第2熱交換器A2の他端に連結されている第2電子膨張弁66、及び第3熱交換器A3の他端に連結されている第3電子膨張弁67を含む。
【0072】
一方、複数の室外熱交換器A1、A2、A3が配置されているとき、暖房運転で分割除霜を行うために高圧気体配管68と第1熱交換器A1の他端を連結する第1サブ配管73及び高圧気体配管68と第2熱交換器A2の他端を連結する第2サブ配管74をさらに含み、それぞれのサブ配管73、74上に各サブ配管73、74に高圧気体配を流すか遮断するための第1サブバルブ63及び第2サブバルブ64をさらに含む。
【0073】
一方、本発明の実施形態による室外熱交換器は過冷却装置(図示せず)をさらに含み、 過冷却装置は冷房運転時に分配器Cに移動する冷媒を冷却する。
【0074】
このように、1つの室外機A内に複数の熱交換器A1、A2、A3が層状構造となって形成されて冷暖房兼用室内機B1の負荷及び各運転モードに応じて選択的に駆動して流路の長さを可変することにより最適化された熱効率を充足することができる。
【0075】
それぞれの熱交換器A1、A2、A3の他端に分配器Cが連結されている。分配器Cは冷暖房兼用室外機Aと複数の冷暖房兼用室内機B1、B2の間に配置されて、冷媒を冷房、暖房、除霜などの運転条件に応じて冷暖房兼用室内機B1、B2に分配する。分配器Cは、高圧気体ヘッダー、低圧気体ヘッダー、液体ヘッダー及び制御弁(図示せず)を含むが、これに限定されない。
【0076】
図1においては、分配器Cが電子膨張弁65、66と熱交換器A1、A2、A3の間に配置されると示しているが、これとは異なり電子膨張弁65、66の後端に配置されてもよい。
【0077】
第1、第2冷暖房兼用室内機B1、B2、・・・は相異なる空間に配置され、それぞれの室内機B1、B2、・・・内にそれぞれ室内熱交換器11、室内電子膨張弁12及び室内機ファン15を含む。室内電子膨張弁12は、室内熱交換器11と高圧気体ヘッダーを連結する室内連結配管(76と連結されて図示せず)上に設置されている。
【0078】
また、第1、第2冷暖房兼用室内機(B1、B2、・・・)から吐出される冷媒の温度を感知するために、それぞれの温度センサが設置され、室内機B1、B2の温度を感知するための温度センサがさらに含まれて室内温度を測定することができる。
【0079】
このように、1つの室外機内に熱交換器A1、A2、A3を互いに連結/遮断可能な多層構造として形成するとともに、室内機負荷に応じて選択的に室外熱交換器A1、A2、A3の連結を行うことにより、不要な室外機の運転を防止しつつ、状況に応じて最適化されたモードで駆動することが可能である。
【0080】
このような室外熱交換器A1、A2、A3の連結は、室内及び室外状態、すなわち、室内及び室外の温度及び湿度に応じて、使用者が特定モードを選択しても特定モード内で現在状態に応じて細分化したモードで運転することができる。
【0081】
このような細分化したモードに応じて前記分割されている室外熱交換器A1、A2、A3の連結及び遮断が行われ、冷媒の流れが変化する。
【0082】
このために、本発明の実施形態による室外熱交換器A1、A2、A3は、最下層に配置される第3熱交換器A3の他端、すなわち、吐出端の配管上に温度センサ81をさらに含み、合枝部57上に圧力センサ83をさらに含む。
【0083】
また、第2熱交換器A2が単一層で形成されると示したが、これとは異なり複数の直列連結可能な多層構造として形成することも可能である。
【0084】
従って、室内機(B1、B2、・・・)の負荷に応じて最適の数で室外熱交換器A1、A2、A3の容量設定が可能である。
【0085】
また、本発明の室外熱交換器A1、A2、A3は、最下層にバイパスのための第3熱交換器A3を形成することにより、圧縮機53、54からの高圧気体冷媒が室内機B1、B2側に流れる量を調節することにより、多量の冷媒が必要でない場合(暖房過負荷など)は室外器Aの熱交換器A1、A2、A3に高圧気体冷媒をバイパスすることにより室内機B1、B2に印加される冷媒の量を調節する。
【0086】
従って、室内において冷媒が過量存在して漏れる危険を防止することができ、全体的に漏洩冷媒の量を最小化することができる。
【0087】
このような細部的な運転を行うために、本発明の実施形態による冷暖房マルチ空気調和機100は制御部(図示せず)を含む。
【0088】
制御部は、室外機A内に設置されてもよいが、それと異なり、管理者の管理システム内にプロセッサとして実現されてもよい。または、室外機A内に選択される細部的なモードに応じた運転を行うためのコントローラが配置されており、これと送受信するメイン制御部が管理者の管理システムに設置されていてもよい。
【0089】
制御部の様々な変形に関する具体的な説明は省略する。
【0090】
制御部は、単純使用者の運転選択命令を受信し、室内機B及び室外機Aに配置されている温度センサ81及び湿度センサから現在の室内温度及び湿度、室外温度及び湿度に関する情報を受信する。
【0091】
前記制御部は、受信された室内温度及び湿度、室外温度及び湿度と使用者の運転選択情報に基づいて最適の細分化した運転モードを選択し、当該細分化した運転モードに応じて冷暖房マルチ空気調和機100の各バルブ63、64、65、66、67、68の動作、圧縮機53、54、アキュムレータ52の動作、センサ動作などを制御する。
【0092】
以下、各運転モードによる室外機A及び室内機B1、B2の動作と冷媒の流れを詳細に説明する。
【0093】
以下、
図2ないし
図5を参照して、
図1に示した冷暖房マルチ空気調和機100の運転及びこれによる冷媒の流動を説明する。
【0094】
図2は、
図1の冷暖房マルチ空気調和機100のモード運転のための全体動作フローチャートであり、
図3は、冷房一般運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作状態を示す動作図であり、
図4は、冷房低温運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作状態を示す動作図であり、
図5は、冷房極低温運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作状態を示す動作図である。
【0095】
図2を参照すると、本発明の実施形態による冷暖房マルチ空気調和機100は、使用者の運転選択命令を受信しながら動作を開始する(S10)。
【0096】
すなわち、使用者が特定の空間に設置されている室内機Bの運転モードを選択することにより、室外機Aに設置されている制御部(図示せず)は、細分化した運転モードを選択して当該細分化した運転モードでの運転を開始する。
【0097】
使用者は、使用者の意思に従って特定空間の室内機Bの運転を冷房又は暖房として選択することができる。
【0098】
このような使用者の運転選択命令を受信すると、制御部は、室内機B及び室外機Aに配置されている温度センサ81及び湿度センサから現在の室内温度及び湿度、室外温度及び湿度に関する情報を受信する(S20)。
【0099】
このとき、制御部は、受信された室内温度及び湿度、室外温度及び湿度と使用者の運転選択情報に基づいて最適の細分化した運転モードを選択し、当該細分化した運転モードでの運転を準備する(S30)。
【0100】
まず、使用者の運転選択命令が冷房運転である場合、制御部は、室内温度及び湿度、室外温度及び湿度に応じて冷房一般モード(S40)、冷房低温モード(S50)、冷房極低温モード(S60)のいずれか1つを選択して運転する。
【0101】
以下の図面において、破線は高温冷媒の流れを示し、一点鎖線は低温冷媒の流れを示す。
【0102】
具体的に、室外温度が零下5度以上であり、室内温度が20度以上である場合、冷房一般モードの運転を行うことができる。
【0103】
図3を参照すると、冷房一般モードで、第1、第2圧縮機53、54から吐出された高圧高温気体の冷媒は、第1、第2吐出配管を流れて四方バルブ62を経て、第1連結配管71を通って室外機Aの第1熱交換器A1に流入する。この時、第1連結弁82がオープンされて第1熱交換器A1と第2熱交換器A2が互いに直列連結されて第1熱交換器A1を流れる冷媒が第2熱交換器A2において再び熱交換を行い、さらに凝縮される。凝縮された高圧液体冷媒は過冷却装置(図示せず)を経て分配器Cを経るし、第1、第2室内連結配管を介して吐出される冷媒は室内電子膨張弁12で膨張した後、室内熱交換器11において蒸発し、低温低圧気体状態で吸入出配管77に流入した後、アキュムレータ52を経て第1、第2圧縮機53、54に吸入される。
【0104】
ここで、冷房一般運転時は、最下段の第3電子膨張弁67を開放して第3熱交換器A3において凝縮される流量の冷媒が第3熱交換器A3に流れるように誘導するとともに、圧縮機53、54からの冷媒が第3熱交換器A3を経て室内機Aに流入するようにする。
【0105】
従って、室外機Aの熱交換器A1、A2、A3の容量を最大に活用して複数の室内機B1、B2の大きな負荷に該当する熱交換を行うことができる。
【0106】
次に、制御部は、室外温度が零下10度ないし0度の間を充足し、室内温度が20度ないし22度以上でありながら、冷房運転命令を受信した室内機の数がn個以下である場合に冷房低温モードの運転を行う(S50)。
【0107】
図4を参照すると、冷房低温モードは、室内機冷房運転の数がn個以下で、実際の冷房負荷が大きくない状態である。この冷房低温モードでは、できるだけ室外熱交換器A1、A2、A3の容量を小さく運転して凝縮圧力を高めた状態でサイクルを形成しなければならない。従って、これを実現するために、室外機Aの第1熱交換器A1のみが凝縮に活用され、第2及び第3熱交換器A2、A3には冷媒を流さない。
【0108】
具体的に、第1、第2圧縮機53、54から吐出された高圧気体の冷媒は、第1、第2吐出配管を流れて四方バルブ62を経て、室外機Aの第1熱交換器A1に流入する。この時、第1連結弁は閉鎖されて第1熱交換器と第2熱交換器の連結を遮断する。
【0109】
第1熱交換器A1を流れる冷媒は、熱交換により凝縮され、凝縮された高圧液体冷媒は、過冷却装置を経て分配器Cを経て第1、第2室内連結配管を介して吐出される。吐出された冷媒は室内電子膨張弁12において膨張した後、室内熱交換器11において蒸発し、低温低圧気体状態で吸入出配管77に流入した後、アキュムレータ52を経て第1、第2圧縮機53、54に吸入される。
【0110】
ここで、冷房低温運転時には最下段の第3電子膨張弁67は遮断されて第3熱交換器A3に冷媒が流れない。
【0111】
従って、室外機Aの熱交換器A1、A2、A3の容量を減らした状態で現在の室内機Bの負荷に該当する熱交換を行うことができる。
【0112】
一方、制御部は、室外温度が零下20度ないし零下10度の間を充足し、室内温度が20度ないし22度以上でありながら、冷房運転命令を受信した室内機の数がm個以下である場合に冷房極低温モードの運転を行う(S60)。
【0113】
図5を参照すると、冷房極低温モードは、室内機冷房運転の数がm個以下(mはnより小さい整数)で、実際の冷房負荷が非常に小さい状態である。このような冷房極低温モードでは、室外熱交換器A1、A2、A3の容量を最小にして運転して凝縮圧力を高めた状態でサイクルを形成しなければならない。従って、これを実現するために室外機の第3熱交換器A3のみが凝縮に活用され、第1及び第2熱交換器A1、A2は冷媒を流さない。
【0114】
具体的に、第1、第2圧縮機53、54から吐出された高圧気体の冷媒は、第1、第2吐出配管を流れて高圧気体配管68を経て室外機Aの第3熱交換器A3に流入する。この時、第3電子膨張弁67が開放されて第3熱交換器A3において冷媒が凝縮されるように冷媒を流す。
【0115】
第3熱交換器A3を流れる冷媒は熱交換により凝縮され、凝縮された高圧液体冷媒は第1、第2室内連結配管を介して吐出される。吐出された冷媒は室内電子膨張弁12において膨張した後、室内熱交換器11から蒸発し、低圧気体状態で吸入出配管77に流入した後、アキュムレータ52を経て第1、第2圧縮機53、54に吸入される。
【0116】
ここで、冷房極低温運転の時は、第1及び第2電子膨張弁65、66が遮断された状態で、上部の第1、第2熱交換器A1、A2に冷媒が流れない。
【0117】
従って、室外機Aの熱交換器A1、A2、A3の容量を最小に減少させた状態で、現在の室内機Bの負荷に該当する熱交換を行うことができる。
【0118】
一方、使用者が暖房運転を選択した場合、制御部は、使用者の運転選択情報と室内温度及び湿度、室外温度及び湿度情報に基づいて細部的な暖房運転モードを選択する。
【0119】
本発明の
図6は、暖房過負荷運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作フローチャートであり、
図7は、暖房過負荷運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の状態を示す動作図であり、
図8は、暖房一般運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作状態を示す動作図であり、
図9は、連続暖房着霜防止運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作フローチャートであり、
図10は、連続暖房着霜防止運転時の
図1の冷暖房マルチ空気調和機の動作状態を示す動作図である。
【0120】
まず、
図6及び
図7を参照すると、室外温度が24度ないし27度を充足し、室内温度が25度ないし27度を充足しつつ、暖房運転命令を受信した室内機の数がm個以下である場合、制御部は、暖房過負荷モードの運転を行う(S71)。
【0121】
暖房過負荷モードは、室内暖房運転の数がm個以下で、実際に暖房負荷が非常に小さい状態である。このような暖房過負荷モードでは、室外熱交換器A1、A2、A3を全て使用しても室内温度が高いため、凝縮圧力が上昇してサイクルが形成しにくい。従って、このようなサイクルを実現するために、室外機の第3熱交換器A3をバイパスして圧縮機最小運転条件で吐出冷媒の高圧上昇を防止してサイクルを実現する(S72)。
【0122】
第1、第2圧縮機53、54から吐出された高圧気体の冷媒は、第1、第2吐出配管を流れて四方バルブ62に流入して室内熱交換器Bに流入する。室内熱交換器Bにおいて凝縮された高温高圧の液体冷媒が室内電子膨張弁12を経て第1及び第2電子膨張弁65、66を経て膨張し、室外機Aの第1熱交換器A1と第2熱交換器A2に並列に注入されて熱交換される。
【0123】
第1及び第2熱交換器A1、A2の一端に吐出される低温気体冷媒がアキュムレータ52を経て圧縮機53、54に回収される。
【0124】
一方、冷媒過負荷モードでサイクルの誤作動を防止するために、圧縮機53、54の吐出端の圧力を圧力センサ83から読み取って第3電子膨張弁67及び第2電子膨張弁66の開度を制御する(S73)。
【0125】
具体的に、暖房過負荷モードに進入すると、圧縮機53、54の駆動周波数を最小に維持しながら冷媒を圧縮して冷媒の圧力を上昇させて高圧状態を形成する。
【0126】
次に、圧縮機53、54の吐出端の圧力を圧力センサ83から周期的に読み取り、現在の圧力値に応じて第2電子膨張弁66及び第3電子膨張弁67の開度を制御する。
【0127】
現在の周期で読み取った現在高圧が目標高圧とバッファ値の和より大きい場合(S74)、制御部は、第2電子膨張弁66をオープンした状態で第3電子膨張弁67を最小限に開度して圧縮機53、54からの冷媒を、第3熱交換器A3を介して第2熱交換器A2にバイパスする(S75)。すなわち、圧縮機53、54から吐出された冷媒の高圧が臨界範囲を外れて高すぎる場合、室内機Bに注入される冷媒の一部を室外熱交換器Aにバイパスすることにより室内機Bに注入される冷媒の圧力を下げる。
【0128】
このとき、目標高圧は、空気調和機100の暖房過負荷運転のための設計値として定義され、バッファ値はサイクルハンティング(cycle hunting)を防止するためのバッファ値として定義される。
【0129】
この時、圧縮機53、54は、暖房過負荷モードにおいて最小周波数、好ましくは、12Hzないし15Hzで駆動されて最も低い水準の圧縮能力で冷媒を圧縮している状態を維持する(S80)。
【0130】
次に、制御部は、圧縮機53、54の吐出端の圧力値を再び読み取って現在の高圧が臨界範囲内を充足すると、第3電子膨張弁67を閉じながら第3電子膨張弁67の制御を解除する(S82)。
【0131】
このとき、臨界範囲は目標高圧とバッファ値の差より小さい範囲を充足し、安定的に暖房過負荷モードが連続運転可能な設計値として定義される。
【0132】
一方、現在高圧が目標高圧に対して+/-バッファ値の間を充足する場合(目標高圧-バッファ値<現在高圧<目標高圧+バッファ値)、現在第3電子膨張弁67の開度状態を維持しつつ、先に行う現在高圧を周期的に読み出して臨界範囲内であるか否かを判断する(S76、S77)。
【0133】
次に、現在高圧が目標高圧とバッファ値の差より小さい場合、第2電子膨張弁を閉じて第2熱交換器A2と室内機Bの間の冷媒の流れを遮断した状態で現在高圧を測定するとき、現在高圧が臨界範囲内を充足する場合、第3電子膨張弁67を閉じることにより第3電子膨張弁67の制御を解除する(S81、S82)。
【0134】
従って、圧縮機53、54から吐出された冷媒の高圧が臨界範囲内を充足する状態で循環することにより、非常に低い暖房負荷に合わせて冷媒が循環することができる。
【0135】
次に、
図8のように、室外温度が低温で、室温が20度ないし27度を充足する一般的な暖房モードを説明する(
図2のS83)。
【0136】
第1、第2圧縮機53、54から吐出された高圧気体の冷媒は、第1、第2吐出配管を流れて四方バルブ62に流入して室内熱交換器Bに流入する。室内熱交換器Bにおいて凝縮された高温高圧の液体冷媒が室内電子膨張弁12を経て第1及び第2電子膨張弁65、66を経て室外機Aの第1熱交換器A1と第2熱交換器A2に並列に注入されて熱交換されて蒸発する。
【0137】
第1及び第2熱交換器A1、A2の一端に吐出される低温気体冷媒がアキュムレータ52を経て圧縮機53、54に回収される。
【0138】
この時、室外熱交換器Aの圧力損失を最小化するために、室外第1及び第2熱交換器A2を並列に運転する。
【0139】
以下では、
図9及び
図10を参照して、暖房リアルタイム着霜防止モードの運転を説明する(
図2のS85)。
【0140】
暖房リアルタイム着霜防止モードは、使用者が暖房モードを選択した状態で、室外温度が低温で室外湿度が非常に高い条件であり、室内温度が20度ないし27度を充足し、室内機の運転負荷が高い場合、n個以上の場合である(S91)。
【0141】
一例として、冬季の湿度が非常に高い場合に、暖房運転を選択した場合、室外機の湿度が非常に高くて室外機Aが蒸発器として駆動するとき、凝縮水が熱交換器A1、A2、A3の下方向に流れるようになる。
【0142】
このとき、室外機Aの最下段、すなわち、バイパスする第3熱交換器A3の周辺部の配管温度が0度以下であり、露点温度より現在の温度が低い場合、当該凝縮水が結氷する可能性がある。このような状態が長時間続く場合、排水が不安定となり、結氷が成長する。
【0143】
これを防止するために、前記温度、湿度、及び室内機負荷条件を充足する場合、暖房リアルタイム着霜防止モードで駆動する。
【0144】
具体的に、
図9及び
図10を参照すると、制御部が暖房リアルタイム着霜防止モードに進入すると、室外機Aが下部配管に設置されている温度センサ81及び湿度センサから温度及び湿度情報を読み取る。
【0145】
制御部は、前記室外機Aの下部配管の温度が零下を充足し、現在下部配管の温度及び湿度に基づいて露点温度を計算し、現在配管の温度が計算された露点温度より低い場合、露が結ぶ状態、すなわち、着霜状態に進入したと判断する(S92)。
【0146】
制御部は、暖房一般運転で第3電子膨張弁67をリアルタイムで制御することにより、第3熱交換器A3に高温高圧の冷媒を流す。
【0147】
具体的に、第1、第2圧縮機53、54から吐出された高圧気体の冷媒は、第1、第2吐出配管を流れて四方バルブ62に流入して室内熱交換器に流入する。室内熱交換器において凝縮された高温高圧の液体冷媒が室内電子膨張弁12を経て第1及び第2電子膨張弁65、66を経て室外機の第1熱交換器A1と第2熱交換器A2に並列に注入されて熱交換されて蒸発する。
【0148】
第1及び第2熱交換器A2の一端に吐出される低温気体冷媒アキュムレータ52を経て圧縮機53、54に回収される。
【0149】
この時、制御部が、室外機Aが着霜状態に進入したと判断すると、第3電子膨張弁67を最小に開度しながら、圧縮機53、54からの高温高圧冷媒を第3熱交換器A3に流しながら第3熱交換器A3の周辺の配管に着霜を除去する(S93)。
【0150】
制御部は、周期的に室外機Aの配管温度を読み取って、室外機Aの配管温度が臨界範囲を充足する程度に上昇すると(S94)、第3電子膨張弁67を閉じて制御を解除し、暖房一般モードに切り換える(S95)。
【0151】
このように、バイパスを行う第3熱交換器A3に高温高圧の冷媒を流すことにより着霜を除去し、外部の温度及び湿度条件に応じて予め着霜される条件を除去することにより、機器の誤作動を防止することができる。
【0152】
一方、制御部は、暖房モードで周期的に除霜運転を行う(
図2のS90)。
【0153】
まず、暖房除霜モードは、外部温度が低温であって、零下5度ないし1度を充足し、外部湿度が非常に高い状態を充足しながら、室内温度は20~27度を充足し、室内機Bの運転負荷が多い場合に適用される。
【0154】
この場合、暖房サイクルを冷房サイクルで運転させて室外熱交換器A1、A2、A3に着霜した霜を溶かす運転を行う。すなわち、上部の第1及び第2熱交換器A1、A2で発生した凝縮水が下部室外機ファン61及び第3熱交換器A3に落下し、外部温度が低い場合は凝縮水が結氷して氷になって累積結氷が発生する可能性があるため、これを除去する運転を行う。
【0155】
図11を参照すると、暖房全除霜モードで、第1、第2圧縮機53、54から吐出された高圧気体の冷媒は、第1、第2吐出配管を流れて四方バルブ62を経て、室外機の第1熱交換器A1に流入する。この時、連結弁82がオープンされて第1熱交換器A1と第2熱交換器A2が互いに直列連結されて第1熱交換器A1を流れる冷媒が第2熱交換器A2において再び熱交換を行い凝縮される。凝縮された高圧液体冷媒は、過冷却装置を経て分配器Cを経るし、連結配管を介して吐出される冷媒は、室内電子膨張弁12で膨張した後、室内熱交換器11で蒸発し、低圧気体状態で吸入出配管77に流入した後、アキュムレータ52を経て第1、第2圧縮機53、54に吸入される。
【0156】
ここで、暖房全除霜運転時には、最下段の第3電子膨張弁67を開放して第3熱交換器A3に冷媒が流れるように誘導しつつ、圧縮機53、54からの冷媒が第3熱交換器A3を経て室内機Bに流入するようにする。
【0157】
この時、第3電子膨張弁67は、除霜運転中に第3熱交換器A3に累積結氷が発生しない程度の熱を提供できるように完全に開放することができる。
【0158】
一方、
図12のように、分割除霜を行う場合を説明する(
図2のS99)。
【0159】
すなわち、分割除霜の場合、連続的に暖房運転を維持しつつ室外機熱交換器A1、A2、A3の上部及び下部を交互に除霜を行う。
【0160】
まず、
図12aを参照して下部除霜を先に説明すると、第1、第2圧縮機53、54から吐出された高圧気体の冷媒は、第1、第2吐出配管を流れて四方バルブ62に流入して室内熱交換器Bに流入する。室内熱交換器Bで凝縮された高温高圧の液体冷媒が室内電子膨張弁12を経て第1電子膨張弁65を経て室外機Aの第1熱交換器A1に注入されて熱交換されて蒸発しながら暖房サイクルを運転する。
【0161】
第1熱交換器A1の一端に吐出される低温気体冷媒がアキュムレータ52を経て圧縮機53、54に回収される。
【0162】
この時、下部の除霜のために第2電子膨張弁は閉鎖されて室内機Bから室外第2熱交換器A2への冷媒の流れを遮断する。
【0163】
第2熱交換器A2の除霜は下部第2連結弁64を開放して行う。具体的に、圧縮機53、54から吐出された高温高圧冷媒が第3熱交換器A3を経て第3電子膨張弁67を通って流れながら、その一部が第2サブ配管74を通って第2熱交換器A2の着霜を除去しながら再びアキュムレータ52を経て圧縮機53、54に回収される。
【0164】
第3電子膨張弁67は、除霜運転中に第2熱交換器A2に累積結氷が発生しない程度の熱を提供できるように完全に開放する。
【0165】
図12bを参照して上部除霜を説明すると、第1、第2圧縮機53、54から吐出された高圧気体の冷媒は、第1、第2吐出配管を流れて四方バルブ62に流入して室内熱交換器に流入する。室内熱交換器Bで凝縮された高温高圧の液体冷媒が室内電子膨張弁12を経て第2電子膨張弁66を経て室外機の第2熱交換器A2に注入されて熱交換されて蒸発しながら暖房サイクルを運転する。
【0166】
第2熱交換器A2の一端に吐出される低温気体冷媒がアキュムレータ52を経て圧縮機53、54に回収される。
【0167】
この時、第1電子膨張弁65は閉鎖されて室内機Bから室外第1熱交換器A1への冷媒の流れを遮断する。
【0168】
一方、第1熱交換器A1の除霜は、下部第1連結弁63を開放して行う。具体的に、圧縮機53、54から吐出された冷媒が第3熱交換器A3を経て第3電子膨張弁67を通って流れながら、その一部が第1サブ配管73を通って第1熱交換器A1の着霜を除去しながら再びアキュムレータ52を経て圧縮機53、54に回収される。
【0169】
第3電子膨張弁67は、除霜運転中に第1熱交換器A1に累積結氷が発生しない程度の熱を提供できるように完全に開放できる。
【0170】
このように、1つの室外機A内において熱交換器A1、A2、A3を多層として形成する場合、一部の層の熱交換器A1、A2、A3は暖房駆動のための蒸発器として駆動するとともに、他の一部では除霜モードを行うことにより連続暖房が可能である。このような上部除霜及び下部除霜を交互に行って暖房一般を実現することができる。
【0171】
このように、本発明の室外熱交換器A1、A2、A3は、互いに分離/連結可能な複数の熱交換器を多層構造で形成しつつ、最下部にバイパスのための熱交換器を形成することにより、外部及び内部条件と室内機Bの負荷に応じて様々なモードの運転が可能である。
【0172】
図13は、室外機温度、相対湿度及び室内機の負荷に応じた第3電子膨張弁の開度量を示すグラフである。
【0173】
図13のように、外気温度が低く湿度が高くなると、暖房駆動を行いながら除霜を行わなければならない場合、第3熱交換器A3の第3電子膨張弁67の開度を制御することにより、リアルタイムに累積結氷が防止されるように除霜運転が可能となる。
【0174】
すなわち、温度が低くなり湿度が高くなるほど開度量が増加することにより室外機Aの結氷を効果的に防止することができる。
【0175】
これは、
図13の適用前と適用後の写真の場合、適用前とは、室外熱交換器の分離/結合可能な層状構造の熱交換器Aではない単一連結されている熱交換器の下部配管の結氷状態を示したものである。
【0176】
適用後とは、本発明の実施形態による室外熱交換器の分離/結合可能な層状構造の熱交換器Aを適用して第3熱交換器A3と第3電子膨張弁67の駆動により結氷を除去した後の状態を示したものである。
【0177】
図13の写真のように、下部配管に結氷が除去されていることが観察される。
【0178】
また、外部温度が非常に高い場合、暖房のための室内機負荷に応じて室内機負荷が非常に小さい場合、暖房過負荷モードに進入して第3電子膨張弁67の開度を大きくして冷媒の圧力を下げることにより冷媒循環を所望の負荷に合わせて調節できる。従って、暖房サイクルを円滑に稼動でき、室内での冷媒漏洩を最小化することができる。
【0179】
以上では、本発明の好ましい実施形態について図示して説明したが、本発明は前述の特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱せず、当該発明の属する技術分野において通常の知識を有する者により様々な変形実施が可能であることは言うまでもなく、このような変形実施は、本発明の技術的思想や展望から個別に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0180】
100:冷暖房マルチ空気調和機
A:室外機熱交換器
A1:室外第1熱交換器
A2:室外第2熱交換器
A3:室外第3熱交換器
C:分配器
B:室内機(B1、B2)
53、54:圧縮機
52:アキュムレータ
65、66、67:第1、第2、第3電子膨張弁
62:四方バルブ