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特開2022-20690吸着剤、並びに吸着剤の製造方法及び使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020690
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】吸着剤、並びに吸着剤の製造方法及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 15/00 20060101AFI20220125BHJP
   B01J 20/28 20060101ALI20220125BHJP
   B01J 20/02 20060101ALI20220125BHJP
   B01J 20/06 20060101ALI20220125BHJP
   B01D 53/02 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
B01D15/00 J
B01J20/28 A
B01J20/28 Z
B01J20/02 A
B01J20/06 A
B01J20/06 C
B01D53/02
【審査請求】有
【請求項の数】27
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021172636
(22)【出願日】2021-10-21
(62)【分割の表示】P 2018507488の分割
【原出願日】2016-08-11
(31)【優先権主張番号】62/205,155
(32)【優先日】2015-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505470786
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アーテム ヴィチュク
(72)【発明者】
【氏名】アルフォンス マーリョ
(72)【発明者】
【氏名】キーナン デューチュ
(72)【発明者】
【氏名】リンダ フラトコ
【テーマコード(参考)】
4D012
4D017
4G066
【Fターム(参考)】
4D012BA00
4D012CA07
4D012CA20
4D012CB02
4D012CE03
4D012CF10
4D012CG01
4D012CG03
4D012CG05
4D017AA04
4D017BA13
4D017CA06
4D017CB01
4D017DA01
4G066AA02B
4G066AA05C
4G066AA12B
4G066AA12C
4G066AA13C
4G066AA15C
4G066AA16C
4G066AA21B
4G066AA21C
4G066AA22C
4G066AA23C
4G066AA24C
4G066AA27C
4G066AA53A
4G066AA61C
4G066AB07A
4G066AB23A
4G066BA07
4G066BA09
4G066BA20
4G066BA23
4G066BA25
4G066BA26
4G066CA46
4G066DA04
4G066DA09
4G066FA37
(57)【要約】      (修正有)
【課題】液体流からヒ素材料を吸着する方法を提供する。
【解決手段】金属酸化物、半金属酸化物又は活性炭の少なくとも1種を含む担体上にビスマス材料を有する吸着剤組成物、並びにそれらの製造及び使用の方法である。該吸着剤組成物は、液体流からアルシンを吸着するために有用である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下:
金属酸化物、半金属酸化物又は活性炭の少なくとも1種を含む担体上にビスマス材料と、
ヒ素材料と
を含む吸着剤組成物。
【請求項2】
ビスマス材料が、単体ビスマス及びビスマス化合物からなる群から選択される、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項3】
ビスマス材料が、酸化ビスマスを含む、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項4】
酸化ビスマスが、有機ビスマス化合物、無機ビスマス化合物、有機ビスマス塩、無機ビスマス塩及びそれらの組み合わせからなる群から選択される前駆体に由来する、請求項3に記載の吸着剤組成物。
【請求項5】
酸化ビスマスが、少なくとも部分的に、クエン酸ビスマス前駆体、硝酸ビスマス前駆体又はそれらの組合せに由来する、請求項3に記載の吸着剤組成物。
【請求項6】
酸化ビスマスが、酸化ビスマス(III)(Bi23)である、請求項3に記載の吸着剤組成物。
【請求項7】
担体が、金属酸化物を含む、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項8】
金属酸化物が、高表面積金属酸化物である、請求項7に記載の吸着剤組成物。
【請求項9】
金属酸化物が、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、ゼオライト、活性炭及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載の吸着剤組成物。
【請求項10】
金属酸化物が、二酸化チタンを含む、請求項7に記載の吸着剤組成物。
【請求項11】
二酸化チタンが、アナターゼ型である、請求項10に記載の吸着剤組成物。
【請求項12】
さらに二酸化ケイ素(SiO2)を含む、請求項7から11までのいずれか1項に記載の吸着剤組成物。
【請求項13】
ヒ素材料が、単体ヒ素及びヒ素含有化合物からなる群から選択される、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項14】
約5質量%以下の鉛含有量を含む、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項15】
鉛を有さない、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項16】
約0.01質量%~約20質量%のヒ素材料を含む、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項17】
約0.1質量%~約15質量%のヒ素材料を含む、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項18】
約0.5質量%~約7質量%のヒ素材料を含む、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項19】
約0.1質量%~約2質量%のビスマス材料を含む、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項20】
約2質量%~約50質量%のビスマス材料を含む、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項21】
約5質量%~約15質量%のビスマス材料を含む、請求項20に記載の吸着剤組成物。
【請求項22】
約8質量%~約11質量%のビスマス材料を含む、請求項21に記載の吸着剤組成物。
【請求項23】
担体が、少なくとも5質量%の金属酸化物を含む、請求項7に記載の吸着剤組成物。
【請求項24】
担体が、少なくとも50質量%の金属酸化物を含む、請求項23に記載の吸着剤組成物。
【請求項25】
担体が、少なくとも75質量%の金属酸化物を含む、請求項24に記載の吸着剤組成物。
【請求項26】
金属酸化物が、約1μm~約10mmのサイズを有する粒子を含む、請求項7から11までのいずれか1項に記載の吸着剤組成物。
【請求項27】
金属酸化物が、約50m2/g~約600m2/gの表面積を有する、請求項7から11までのいずれか1項に記載の吸着剤組成物。
【請求項28】
担体が、約15質量%以下の含水量である、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項29】
担体が水分を有さない、請求項28に記載の吸着剤組成物。
【請求項30】
担体の表面積が、約20m2/g~約600m2/gである、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項31】
前記表面積が、約250m2/g~約350m2/gである、請求項30に記載の吸着剤組成物。
【請求項32】
吸着剤組成物が、タブレット、押出物、ペレット、棒、成形体及びモノリスからなる群から選択される形である、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項33】
吸着剤組成物が、アルシン分析器を使用して乾式比色分析法により測定して約90%以上のアルシン除去効率を有する、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項34】
吸着剤組成物が、アルシン分析器を使用して乾式比色分析法により測定して約100%のアルシン除去効率を有する、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項35】
吸着剤組成物が、酸化銀、酸化鉄、酸化マンガン、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化スズ及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を担体上でさらに含む、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項36】
担体が、約0.01cc/g~約5cc/gの孔容積を有する、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項37】
担体が、約0.2cc/g~約1cc/gの孔容積を有する、請求項36に記載の吸着剤組成物。
【請求項38】
担体が、約1Å~約750Åの孔サイズを有する、請求項1に記載の吸着剤組成物。
【請求項39】
担体が、約10Å~約500Åの孔サイズを有する、請求項38に記載の吸着剤組成物。
【請求項40】
担体上で酸化ビスマスと少なくとも1種の活性金属酸化物との混合物を含む吸着剤組成物であって、少なくとも1種の活性金属酸化物が、酸化銀、酸化鉄、酸化マンガン、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化スズ及びそれらの混合物からなる群から選択され、酸化ビスマスが、少なくとも部分的にビスマス塩前駆体に由来する、吸着剤組成物。
【請求項41】
担体が、少なくとも1種の高表面積金属酸化物を含む、請求項40に記載の吸着剤組成物。
【請求項42】
担体が、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、ゼオライト及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物を含む、請求項40に記載の吸着剤組成物。
【請求項43】
ビスマス塩前駆体が、クエン酸ビスマスを含む、請求項40に記載の吸着剤組成物。
【請求項44】
約5質量%以下の鉛含有量である、請求項40に記載の吸着剤組成物。
【請求項45】
鉛を有さない、請求項40に記載の吸着剤組成物。
【請求項46】
金属酸化物を含む担体上で酸化ビスマスを分散させることを含む吸着剤組成物を製造する方法であって、ビスマス塩を含む前駆体と担体を接触させる、前記方法。
【請求項47】
金属酸化物が、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、ゼオライト及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
ビスマス塩前駆体が、クエン酸ビスマスを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前駆体が、さらにカルボン酸ビスマスを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
担体上での酸化ビスマスの分散が、担体中での酸化ビスマスの含浸を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
担体が、アナターゼ型で二酸化チタンを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項52】
吸着剤組成物が、約5質量%以下の鉛含有量である、請求項46に記載の方法。
【請求項53】
吸着剤組成物が鉛を有さない、請求項46に記載の方法。
【請求項54】
担体が、約15質量%以下の含水量である、請求項46に記載の方法。
【請求項55】
担体が水分を有さない、請求項46に記載の方法。
【請求項56】
ヒ素含有流体と吸着剤組成物とを接触することを含み、吸着剤組成物がビスマス材料を含む、ヒ素材料を吸着する方法。
【請求項57】
ビスマス材料が、金属酸化物、半金属酸化物又は活性炭の少なくとも1種を含む担体上にある、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
ビスマス材料が、単体ビスマス及びビスマス化合物からなる群から選択される、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項59】
ビスマス材料が、酸化ビスマスを含む、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項60】
酸化ビスマスが、有機ビスマス化合物、無機ビスマス化合物、有機ビスマス塩、及び無機ビスマス塩からなる群から選択される前駆体に由来する、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
酸化ビスマスが、少なくとも部分的に、クエン酸ビスマス前駆体、硝酸ビスマス前駆体又はそれらの組合せに由来する、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
酸化ビスマスが、酸化ビスマス(III)(Bi23)である、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
担体が、金属酸化物を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項64】
金属酸化物が、高表面積金属酸化物である、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
金属酸化物が、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、ゼオライト、活性炭及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
金属酸化物が、二酸化チタンを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項67】
二酸化チタンが、アナターゼ型である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
さらに二酸化ケイ素(SiO2)を含む、請求項63から67までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
ヒ素材料が、単体ヒ素及びヒ素含有化合物からなる群から選択される、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項70】
ヒ素含有流体がアルシンを含む、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項71】
吸着剤組成物が、約5質量%以下の鉛含有量である、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項72】
吸着剤組成物が鉛を有さない、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項73】
約0.01質量%~約20質量%のヒ素材料を含む、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項74】
約0.1質量%~約15質量%のヒ素材料を含む、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項75】
約0.5質量%~約7質量%のヒ素材料を含む、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項76】
約0.1質量%~約2質量%のビスマス材料を含む、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項77】
約2質量%~約50質量%のビスマス材料を含む、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項78】
約5質量%~約15質量%のビスマス材料を含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
約8質量%~約11質量%のビスマス材料を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
担体が、少なくとも5質量%の金属酸化物を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項81】
担体が、少なくとも50質量%の金属酸化物を含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
担体が、少なくとも75質量%の金属酸化物を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
金属酸化物が、約1μm~約10mmのサイズを有する粒子を含む、請求項63から67までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
金属酸化物が、約50m2/g~約600m2/gの表面積を有する、請求項63から67までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
担体が、約15質量%以下の含水量である、請求項57に記載の方法。
【請求項86】
担体が水分を有さない、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
担体の表面積が、約20m2/g~約600m2/gである、請求項57に記載の方法。
【請求項88】
前記表面積が、約250m2/g~約350m2/gである、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
吸着剤組成物が、タブレット、押出物、ペレット、棒、成形体及びモノリスからなる群から選択される形である、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項90】
吸着剤組成物が、アルシン分析器を使用して乾式比色分析法により測定して約90%以上のアルシン除去効率を有する、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項91】
吸着剤組成物が、アルシン分析器を使用して乾式比色分析法により測定して約100%のアルシン除去効率を有する、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項92】
吸着剤組成物が、酸化銀、酸化鉄、酸化マンガン、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化スズ及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を担体上でさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項93】
担体が、約0.01cc/g~約5cc/gの孔容積を有する、請求項57に記載の方法。
【請求項94】
担体が、約0.2cc/g~約1cc/gの孔容積を有する、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
担体が、約1Å~約750Åの孔サイズを有する、請求項57に記載の方法。
【請求項96】
担体が、約10Å~約500Åの孔サイズを有する、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
プロセス流が、石油プロセス、石油化学プロセス、重合プロセス、合成ガスプロセス及び半導体プロセスからなる群から選択されるプロセスの一部である、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項98】
プロセス流が石油化学プロセスの一部であり、プロセス流が天然ガスを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
プロセス流が、製油所オフガス、流動接触分解オフガス、水蒸気分解装置オフガス、シェールガス及びそれらの組合せからなる群から選択されるガスを含み、該ガスが、アセチレン、メチルアセチレン及びプロパジエンの少なくとも1種を含有する反応性化合物を含む、請求項97に記載の方法。
【請求項100】
吸着剤であって、
酸化チタンを含む担体上でビスマス材料と
吸着剤の表面上に吸着されたヒ素材料と
を含む、吸着剤。
【請求項101】
ビスマス材料が、酸化ビスマスを含む、請求項100に記載の吸着剤。
【請求項102】
ビスマス材料が、少なくとも部分的にクエン酸ビスマス前駆体に由来する、請求項100に記載の吸着剤。
【請求項103】
酸化ビスマスが、酸化ビスマス(III)(Bi23)である、請求項102に記載の吸着剤。
【請求項104】
二酸化チタンが、アナターゼ型である、請求項100に記載の吸着剤。
【請求項105】
約5質量%以下の鉛含有量である、請求項100に記載の吸着剤。
【請求項106】
鉛を有さない、請求項105に記載の吸着剤。
【請求項107】
約2質量%~約50質量%のビスマス材料を含む、請求項100に記載の吸着剤。
【請求項108】
約5質量%~約15質量%のビスマス材料を含む、請求項107に記載の吸着剤。
【請求項109】
約8質量%~約11質量%のビスマス材料を含む、請求項108に記載の吸着剤。
【請求項110】
担体が、少なくとも5質量%の酸化チタンを含む、請求項100に記載の吸着剤。
【請求項111】
担体が、少なくとも50質量%の酸化チタンを含む、請求項110に記載の吸着剤。
【請求項112】
担体が、少なくとも75質量%の酸化チタンを含む、請求項111に記載の吸着剤。
【請求項113】
担体が、約15質量%以下の含水量である、請求項100に記載の吸着剤。
【請求項114】
担体が水分を有さない、請求項113に記載の吸着剤。
【請求項115】
担体の表面積が、約20m2/g~約600m2/gである、請求項100に記載の吸着剤。
【請求項116】
前記表面積が、約250m2/g~約350m2/gである、請求項115に記載の吸着剤。
【請求項117】
吸着剤が、タブレット、押出物、ペレット、棒、成形体及びモノリスからなる群から選択される形である、請求項100に記載の吸着剤。
【請求項118】
吸着剤が、アルシン分析器を使用して乾式比色分析法により測定して約90%以上のアルシン除去効率を有する、請求項100に記載の吸着剤。
【請求項119】
吸着剤が、アルシン分析器を使用して乾式比色分析法により測定して約100%以上のアルシン除去効率を有する、請求項100に記載の吸着剤。
【請求項120】
吸着剤が、酸化銀、酸化鉄、酸化マンガン、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化スズ及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を担体上でさらに含む、請求項100の吸着剤。
【請求項121】
担体が、約0.01cc/g~約5cc/gの孔容積を有する、請求項100に記載の吸着剤。
【請求項122】
担体が、約0.2cc/g~約1cc/gの孔容積を有する、請求項121に記載の吸着剤。
【請求項123】
担体が、約1Å~約750Åの孔サイズを有する、請求項100に記載の吸着剤。
【請求項124】
担体が、約10Å~約500Åの孔サイズを有する、請求項123に記載の吸着剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着剤、並びに吸着剤の製造方法及び使用方法に関する。種々の実施態様にしたがって、吸着剤は、金属酸化物(例えば、高表面積金属酸化物、例えば酸化チタン)、半金属酸化物又は活性炭からなる担体上で、活性物質、例えば活性金属酸化物(例えば、単体ビスマス、もしくはビスマス化合物、例えば酸化ビスマス)を含み、かつそれらの製造方法及び使用方法を含む。
【0002】
背景技術
工業的プロセスのプロセス流及び排気ガス流からの不純物の除去は、環境中に放出される汚染物質及び毒素を減少するため、価値のある副産物を回収するため、下流操作の効率を維持するため、並びに作業の安全性を確実にするために極めて重要である。かかる工業的プロセスは、石油、石油化学、重合、合成ガス(「Syngas」)及び半導体のプロセスを含む。
【0003】
炭化水素プロセス流、特に製油所オフガス(「ROG」)流は、発熱を誘発し、かつ/又は他の所望でない化合物(例えば、アセチリド、グリーンオイル/クプレン等)を生成する反応性化合物を含みうる。かかる反応性化合物は、アセチレン、メチルアセチレン及びプロパジエン(「MAPD」)、並びに水素及び一酸化炭素を含む。
【0004】
酸化鉛を含む吸着剤は、しばしば反応性化合物(例えばアセチレン及びMAPD)を含む炭化水素流又は著しい還元能力を有する流れ、例えば水素含有流から、アルシン及び硫化カルボニル(「COS」)を除去するために使用される。しかしながら、酸化鉛は、実質的な環境問題及び健康問題を引き起こし、個々の生物に影響を及ぼし、かつ生態系を脅かしうる。したがって、吸着剤の安全な取り扱い、操作、及び処分を可能にする代替材料を使用することが重要である。酸化銅を含む吸着剤も、炭化水素流からアルシンを除去するために使用される。しかしながら、銅は、アセチリドを形成し、グリーンオイルの形成を促進する傾向があるため、酸化銅吸着剤は、アセチレン、MAPD、ジエン等を低濃度で含むか又は全く含まない「非反応性」流中で主に使用される。さらに、前記した環境衛生及び安全性の問題に加えて、酸化鉛ベースの媒体は、一般的に、銅ベースの材料と比較して、アルシンに対するある程度低い能力によって特徴付けられる。
【0005】
したがって、標的となる反応性化合物(例えばヒ素材料、例えばアルシン又はヒ素含有化合物)のより高い吸着力を有し、発熱のリスクを最少化するために水素化能力を有さず、及びさらなる所望でない化合物、例えばアセチリド又はグリーンオイル/クプレンを形成しない、代替の及び/又は改良された吸着剤が要求される。
【0006】
概要
種々の実施態様にしたがって、本開示は、担体上にビスマス材料と(ここで担体は、金属酸化物、半金属酸化物又は活性炭の少なくとも1種を含む)、ヒ素材料とを含む吸着剤組成物に関する。ビスマス材料は、単体ビスマス及びビスマス化合物を含む任意のビスマス含有材料であってよい。例えば、ビスマス材料は、酸化ビスマス、例えば酸化ビスマス(III)(Bi23)であってよい。ある実施態様において、酸化ビスマスは、前駆体、例えば有機ビスマス化合物、無機ビスマス化合物、有機ビスマス塩、無機ビスマス塩及びそれらの組み合わせに由来しうる。例えば、酸化ビスマスは、少なくとも部分的に、クエン酸ビスマス前駆体、硝酸ビスマス前駆体又はそれらの組合せに由来しうる。吸着剤組成物は、約0.1質量%~約2質量%、又は約2質量%~約50質量%、又は約5質量%~約15質量%、又は約8質量%~約11質量%のビスマス材料を含みうる。
【0007】
ある実施態様において、担体は、金属酸化物、例えば高表面積金属酸化物であってよい。例えば、金属酸化物は、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、ゼオライト、活性炭及びそれらの混合物であってよい。担体は、さらに二酸化ケイ素(SiO2)を含んでよい。ある態様において、吸着剤組成物は、少なくとも5質量%、又は少なくとも50質量%、又は少なくとも75質量%の金属酸化物を含んでよい。種々の実施態様にしたがって、担体の金属酸化物は、約1μm~約10mmのサイズを有する粒子を含んでよい。担体上の金属酸化物は、約20m2/g~約600m2/g、又は約50m2/g~約600m2/g、又は約250m2/g~約350m2/gの表面積を有してよい。請求項1の吸着剤組成物であって、該吸着剤組成物は、さらに、担体上で、酸化銀、酸化鉄、酸化マンガン、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化スズ及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。さらに他の実施態様において、担体は、約0.01cc/g~約5cc/g、又は約0.2cc/g~約1cc/gの孔容積を有してよい。さらに、担体は、約1Å~約750Å、又は約10Å~約500Åの孔サイズを有してよい。ある態様において、担体は、約15質量%以下の含水量を含み、又は担体は水分を有さない。
【0008】
ヒ素材料は、任意のヒ素含有材料、例えば単体ヒ素及びヒ素化合物であってよい。吸着剤組成物は、約0.01質量%~約20質量%、又は約0.1質量%~約15質量%、又は約0.5%質量%~約7質量%のヒ素材料を含んでよい。
【0009】
本開示のある実施態様において、吸着剤組成物は約5質量%以下の鉛含有量を有してよく、又は吸着剤組成物は鉛を有さなくてよい。吸着剤は、タブレット、押出物、ペレット、棒、成形体及び/又はモノリスであってよい。
【0010】
本開示の種々の実施態様にしたがって、吸着剤組成物は、アルシン分析器を使用して乾式比色分析法(dry colorimetry method)により測定して、約90%以上のアルシン除去効率を有しうる。他の実施態様にしたがって、吸着剤組成物は、アルシン分析器を使用して乾式比色分析法により測定して、約100%のアルシン除去効率を有しうる。
【0011】
他の実施態様にしたがって、本開示は、担体上で酸化ビスマスと少なくとも1種の活性金属酸化物との混合物を含む吸着剤組成物に関し、ここで、少なくとも1種の活性金属酸化物は、酸化銀、酸化鉄、酸化マンガン、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化スズ及びそれらの混合物からなる群から選択され、酸化ビスマスは、少なくとも部分的にビスマス塩前駆体に由来する。
【0012】
他の実施態様において、本開示は、金属酸化物を含む担体上で酸化ビスマスを分散させることを含む、吸着剤組成物の製造方法に関し、ここで担体は、ビスマス塩を含む前駆体と接触される。ある実施態様において、金属酸化物は、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、ゼオライト又はそれらの混合物であってよい。ビスマス塩前駆体は、クエン酸ビスマス、カルボン酸ビスマス又はそれらの混合物であってよい。担体上での酸化ビスマスの分散は、担体中で酸化ビスマスを含浸することを含んでよい。ある態様において、担体は、二酸化チタンをアナターゼ型で含んでよい。
【0013】
さらに他の実施態様において、本開示は、ヒ素含有流体と吸着剤組成物とを接触することを含む、ヒ素材料を吸着するための方法に関し、ここで、吸着剤組成物は、金属酸化物、半金属酸化物又は活性炭の少なくとも1種を含む担体上でビスマス材料を含む。ビスマス材料は、単体ビスマス及びビスマス化合物を含む任意のビスマス含有材料であってよい。例えば、ビスマス材料は、酸化ビスマス、例えば酸化ビスマス(III)(Bi23)であってよい。所定の実施態様において、酸化ビスマスは、前駆体、例えば有機ビスマス化合物、無機ビスマス化合物、有機ビスマス塩、無機ビスマス塩及びそれらの組み合わせに由来しうる。例えば、酸化ビスマスは、少なくとも部分的に、クエン酸ビスマス前駆体、硝酸ビスマス前駆体又はそれらの組合せに由来しうる。吸着剤組成物は、約0.1質量%~約2質量%、又は約2質量%~約50質量%、又は約5質量%~約15質量%、又は約8質量%~約11質量%のビスマス材料を含みうる。
【0014】
ある実施態様において、担体は、金属酸化物、例えば高表面積金属酸化物であってよい。例えば、金属酸化物は、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、ゼオライト、活性炭及びそれらの混合物であってよい。担体は、さらに二酸化ケイ素(SiO2)を含んでよい。ある態様において、吸着剤組成物は、少なくとも5質量%、又は少なくとも50質量%、又は少なくとも75質量%の金属酸化物を含みうる。種々の実施態様にしたがって、担体の金属酸化物は、約1μm~約10mmのサイズを有する粒子を含んでよい。担体上の金属酸化物は、約20m2/g~約600m2/g、又は約50m2/g~約600m2/g、又は約250m2/g~約350m2/gの表面積を有してよい。請求項1の吸着剤組成物であって、該吸着剤組成物は、さらに、担体上で、酸化銀、酸化鉄、酸化マンガン、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化スズ及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。さらに他の実施態様において、担体は、約0.01cc/g~約5cc/g、又は約0.2cc/g~約1cc/gの孔容積を有してよい。さらに、担体は、約1Å~約750Å、又は約10Å~約500Åの孔サイズを有してよい。ある態様において、担体は、約15質量%以下の含水量を含み、又は担体は水分を有さない。
【0015】
ヒ素材料は、任意のヒ素含有材料、例えば単体ヒ素及びヒ素化合物であってよい。吸着剤組成物は、約0.01質量%~約20質量%、又は約0.1質量%~約15質量%、又は約0.5%質量%~約7質量%のヒ素材料を含んでよい。
【0016】
本開示のある実施態様において、前記方法により製造された吸着剤組成物は、約5質量%以下の鉛含有量を有してよく、又は吸着剤組成物は、鉛を有さなくてよい。吸着剤組成物は、タブレット、押出物、ペレット、棒、成形体及び/又はモノリスであってよい。
【0017】
本開示の種々の実施態様にしたがって、前記方法により製造された吸着剤組成物は、アルシン分析器を使用して乾式比色分析法により測定して、約90%以上のアルシン除去効率を有しうる。他の実施態様にしたがって、吸着剤組成物は、アルシン分析器を使用して乾式比色分析法により測定して、約100%のアルシン除去効率を有しうる。
【0018】
ある実施態様において、プロセス流は、石油プロセス、石油化学プロセス、重合プロセス、合成ガスプロセス又は半導体プロセスの一部であってよい。さらに他の実施態様において、プロセス流は、石油化学プロセスの一部であってよく、ここで、プロセス流は天然ガスを含む。例えば、プロセス流は、ガス、例えば製油所オフガス、流動接触分解オフガス、水蒸気分解装置オフガス、シェールガス及びそれらの組合せを含んでよく、ここで、ガス含有反応性成分は、アセチレン、メチルアセチレン及びプロパジエンの少なくとも1種を含む。
【0019】
種々の実施態様において、本開示は、金属酸化物を含む担体上で酸化ビスマスを含む吸着剤組成物に関し、ここで、酸化ビスマスは、クエン酸ビスマス前駆体に由来してよい。
【0020】
他の実施態様において、本開示は、酸化チタンを含む担体上で酸化ビスマスと、吸着剤の表面上に吸着されたヒ素材料とを含む吸着剤に関する。
【0021】
他の実施態様において、本開示は、担体上で酸化ビスマスと少なくとも1種の活性物質、例えば活性金属酸化物との混合物を含む吸着剤組成物に関し、ここで、少なくとも1種の活性金属酸化物は、酸化銀、酸化鉄、酸化マンガン、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化スズ及びそれらの混合物からなる群から選択され、酸化ビスマスは、ビスマス無機塩、ビスマス有機塩、酸化ビスマス粉末及びクエン酸ビスマス前駆体を含む任意の適したビスマス源に由来してよい。
【0022】
さらに他の実施態様において、本開示は、金属酸化物を含む担体上で酸化ビスマスを分散させることを含み、ここで、該分散は、該担体と、ビスマス無機塩、ビスマス有機塩、酸化ビスマス粉末及びクエン酸ビスマスを含む任意の適したビスマス源を含む前駆体とを接触させることを含む、吸着剤組成物の製造方法に関する。
【0023】
他の実施態様にしたがって、本開示は、アルシン含有液体と、酸化チタンを含む担体上で酸化ビスマスを含む吸着剤とを接触することを含む、アルシンを吸着するための方法に関し、ここで酸化ビスマスは、ビスマス無機塩、ビスマス有機塩、酸化ビスマス粉末及びクエン酸ビスマス前駆体を含む任意の適したビスマス源に由来してよい。
【0024】
さらに他の実施態様において、本開示は、酸化チタンを含む担体上で酸化ビスマスを含む吸着剤であって、吸着剤の表面上にアルシンが吸着される吸着剤に関する。
【0025】
本発明は、任意の適したアルシン又はその化合物を含有する液体流を精製するために使用されてよいが、本発明は、炭化水素流、特にオレフィン(すなわちエチレン、プロピレン)、流動接触分解(FCC)オフガス、製油所オフガス、石油留分及び天然ガスの精製において特に有効である。ある実施形態において、アルシン除去プロセスは、吸着剤固定層にアルシン化合物含有液体を通過させることによって実施される。前記プロセスは、液相中で又は気相中で実施されうる。制限のないプロセス条件は、周囲温度~約130℃の温度及び約1atm~約25atmの圧力を含む。ある実施形態において、液相プロセスは、約1~約10h-1のLHSVで実施され、一方でガス相プロセスは、約1000~約10000h-1のGHSVで実施される。供給物流中のアルシン濃度は、供給物の性質に依存するが、しかし最も一般的な範囲、例えば約0.1~5ppmであってよい。精製ステージ後の排出流中のアルシン濃度は、例えば0~20ppbの範囲であってよい。
【0026】
前記概要は、本開示の基本的な理解を提供する。この概要は、全ての熟考された態様の広範囲な概略ではなく、全ての手掛かり又は重要な要素を特定すること又はあらゆるもしくは全ての本開示の態様の範囲を詳細に説明することを意図していない。その唯一の目的は、以下に続くより詳細な説明に対する前置きとして、及び特許請求の範囲において記載され、特に指摘された特徴に対する前置きとして、概要の形で1つ以上の態様を提示することである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本開示の種々の実施態様にしたがってアルシンを除去するための、1種の酸化チタン上酸化ビスマス吸着剤と1種の酸化アルミニウム上酸化鉛吸着剤との比較を示す。
図2図2は、本開示の種々の実施態様にしたがってアルシンを除去するための、複数の酸化チタン上酸化ビスマス吸着剤と1種の酸化アルミニウム上酸化鉛吸着剤との比較を示す。
図3図3は、本開示の種々の実施態様にしたがってアルシンを除去するための、1種の酸化チタン吸着剤と1種の酸化チタン上酸化ビスマス吸着剤との比較を示す。
図4図4は、本開示の種々の実施態様にしたがってアルシンを除去するための、複数の酸化チタン上ビスマス吸着剤と1種の酸化アルミニウム上酸化鉛吸着剤との比較を示す。
【0028】
詳細な説明
実施態様は、吸着剤並びに吸着剤の製造方法及び使用方法に関連して本明細書において記載される。当業者は、以下の説明は例示的なものに過ぎず、決して限定することを意図するものではないと認識するであろう。他の態様は、本開示の利益を有する当業者に容易に示唆されるであろう。参照は、添付の図面において説明されるような実施態様の実施に詳細にされている。同一の参照の指標は、図面及び同一又は同様の項目を参照するための次の記載の全体にわたって可能な範囲まで使用されるであろう。
【0029】
種々の実施態様にしたがって、本開示は、活性炭、半金属酸化物又は金属酸化物、例えば高表面積金属酸化物を含有する担体上で活性物質、例えば活性金属酸化物を有する(液体及び気体のための)吸着剤に関する。適した活性金属酸化物は、酸化ビスマス(Bixy)、酸化銀(Agxy)、酸化鉄(Fexy)、酸化マンガン(Mnxy)、酸化セリウム(Cexy)、酸化バナジウム(Vxy)、酸化スズ(Snxy)及びそれらの混合物を含む(ここでx及びyは整数である)が、これらに制限されない。担体のための適した金属酸化物(例えば高表面積金属酸化物)は、酸化チタン(Tixy)、酸化セリウム(Cexy)、酸化アルミニウム(Alxy)、酸化ケイ素(Sixy)、酸化マグネシウム、アルミノ-シリケート/ゼオライト、及びそれらの組合せを含む(ここでx及びyは整数である)が、これらに制限されない。例えば、吸着剤は、酸化チタン(Tixy)を含む担体上でビスマス材料、例えば単体ビスマス又は酸化ビスマス(Bixy)を含んでよい。ある態様において、吸着剤は、例えば二酸化チタン(TiO2)を含む担体上で酸化ビスマス(III、V)を含んでよい。さらに他の実施態様において、吸着剤は、TiO2を含む担体上で単独の活性剤として酸化ビスマス(III)(Bi23)を含んでよい。
【0030】
吸着剤の合計質量あたりの活性物質、例えば活性金属酸化物の量は、吸着されるべき反応性化合物のタイプ及び期待される濃度(プロセス流における)に依存して変動しうる。吸着剤の合計質量あたりの活性物質、例えば活性金属酸化物の濃度は、約2質量%~約50質量%であってよい。ある実施態様において、活性物質、例えば活性金属酸化物の濃度は、約5質量%~約40質量%、約5質量%~約15質量%、又は約8質量%~約11質量%であってよい。ある態様において、活性剤の濃度は約9.4質量%であってよい。
【0031】
本開示の種々の実施態様にしたがって、吸着剤は、活性物質、例えば活性金属酸化物として約5質量%以下の酸化鉛を含んでよい。ある実施態様において、鉛含有量は、約4質量%、約3質量%、約2質量%、又は約1質量%であってよい。吸着剤は鉛を有さなくてよい。「鉛を有さない」の用語については、吸着剤が、例えばX線蛍光(「XRF」)分光計により測定して鉛含有量が0であるか又は検知されないような極微量のみ、例えば10000ppm以下、又は約5000ppm以下、又は約1000ppm以下、又は約500ppm以下の鉛を含むことを意味すると解されるべきである。極微量の鉛を測定するために当業者に公知の他の技術及び機器を使用してもよい。
【0032】
担体は、1種以上の金属酸化物、半金属酸化物又は活性炭から形成されてよい。例えば、活性物質が活性金属酸化物であり、かつ酸化チタンを含有する担体上にある場合に、担体は、酸化チタンのみから形成されてよい。ある実施態様において、担体は、酸化チタンに加えて1種以上の他の金属酸化物を含んでよい。例えば、担体は、少なくとも50質量%の酸化チタン(Tixy)を含んでよく、又は担体は、少なくとも75質量%の酸化チタン(Tixy)を含んでよく、ここで、バランスとしては、1種以上の他の金属酸化物、例えば酸化銀(Agxy)、酸化鉄(Fexy)、酸化マンガン(Mnxy)、酸化セリウム(Cexy)、酸化バナジウム(Vxy)、酸化スズ(Snxy)及びそれらの組合せである。担体のための金属酸化物は、任意の結晶型であってよい。例えば、酸化チタンは、アナターゼ型、板チタン石型又はルチル型での二酸化チタンであってよい。ある態様において、酸化チタンは、アナターゼ型であってよい。ある実施形態において、半金属酸化物は、二酸化ケイ素(SiO2)であってよい。他の実施形態において、担体は活性炭を含んでよい。
【0033】
担体の特徴は、プロセス流から反応性化合物を取り除く吸着剤の性能に対して著しい効果を有しうる。この担体の特徴は、担体の表面上での活性物質の高い分散を容易にしてよく、吸着プロセスによってかかる分散を維持してよい。本開示の種々の実施態様において、担体は、約10m2/g~約600m2/g、約20m2/g~約300m2/g又は約250m2/g~約350m2/gの表面積を有してよい。例えば、表面積は、約290m2/g(例えばTiO2 G5について)であってよい。担体は、約0.01cc/g~約5cc/g、又は約0.2cc/g~約1cc/gの孔容積を有してよい。例えば、孔容積は、約0.4cc/g(例えばTiO2 G5について)であってよい。さらに、担体は、約1Å~約750Å、又は約10Å~約500Åの孔サイズを有してよい。例えば、担体は、約55Å(例えばTiO2 G5について)の孔サイズを有してよい。これらの特徴及び他の特徴は、吸着されるべき反応性化合物のタイプ及び濃度、並びに吸着剤の組成に基づいて、当業者によって最適化されてよい。
【0034】
担体の含水量は、プロセス流から反応性化合物を吸着する吸着剤の性能にも決定的に影響しうる。種々の実施態様にしたがって、担体は、約15質量%以下の含水量を有してよい。ある態様において、担体は水分を有さなくてよい。「水分を有さない」の用語については、担体が、例えば熱量分析器(「TGA」)により測定して含水量が0であるか又は検知されないような極微量のみ、例えば5質量%以下、又は約1質量%以下、又は約0.5質量%以下、又は約0.1質量%以下の水を含むことを意味すると解されるべきである。極微量の水を測定するために当業者に公知の他の技術及び機器を使用してもよい。
【0035】
本開示の種々の実施態様にしたがって、酸化チタン担体上で酸化ビスマス(例えば約9.4質量%のクエン酸塩前駆体由来の酸化ビスマス(III))を含有する吸着剤組成物は、約45時間以上にわたって約100%のアルシンの除去効率を有してよい。約80時間後でさえ、吸着剤の除去効率は約85%以上であってよい。酸化チタン担体上で窒化物前駆体に由来する酸化ビスマス(例えば約9.4質量%の酸化ビスマス(III))を含有する吸着剤組成物について、アルシン除去効率は、約36時間以上にわたって約100%であってよく、約56時間後でさえ約78%であってよい。
【0036】
本明細書において記載される吸着剤は、当業者に公知の任意の適した方法により製造されうる。例えば、活性物質の粒子、例えば活性金属酸化物の粒子は、活性物質の、例えば金属酸化物の前駆体含浸、沈澱、堆積又は強静電吸着によって及び/又は当業者に公知の任意の他の方法によって、続いてか焼して、活性物質の、例えば金属酸化物の前駆体を分解することによって、担体の孔中に形成されうる。代わりに、活性物質、例えば活性金属酸化物は、活性物質、例えば活性金属酸化物と高表面積物質及び/又はバインダーとの物理的混合物の一部を含んでよい。吸着剤は、活性物質、例えば活性金属酸化物としてビスマス材料、例えば単体ビスマス又は酸化ビスマスを含むことを意図している一方で、任意の適したビスマス前駆体を使用することができる。例えば、有機酸塩/錯体(例えばクエン酸塩、硝酸塩等)及び無機酸塩に由来するビスマス前駆体を使用できる。特に、クエン酸ビスマス前駆体は、か焼温度をより低くすることができ、高温での(例えば高温か焼中に)酸化ビスマスの焼結を抑制することができる。吸着剤は、任意の適した形で、例えばタブレット、押出物、ペレット、棒、成形体、モノリス等として、種々の形状及びサイズで製造されてよい。
【0037】
種々の実施態様にしたがって、吸着剤を使用するプロセス流(液体又は気体)からの不純物、例えばヒ素材料、例えばアルシン、単体ヒ素及びヒ素誘導体を取り除くための方法が開示されている。前記プロセス流は、例えば、石油、石油化学、重合、合成ガス(「Syngas」)及び半導体のプロセスからのものであってよい。例えば、前記プロセスは、製油所オフガス(「ROG」)プロセス、流動接触分解(「FCC」)オフガスプロセス、水蒸気分解装置オフガスプロセス、天然ガスプロセス及び/又はシェールガスプロセスであってよい。プロセス流は、アセチレン及びプロパジエン(「MAPD」)、又は著しい還元能力を有する成分、例えば水素を含む1種以上の反応性化合物を含有してよいが、それらに制限されない。プロセス流は、アルケン、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物(NOx)、酸素、チオール、硫化水素及び硫黄酸化物(SOx)、硫化カルボニル(COS)、メルカプタン及び他の硫黄化合物を含んでよい。ある実施態様において、プロセス流は、例えば約0.1ppmw~約100ppmw、又は約0.1ppmw~約0.5ppmwの濃度でアルシンを含んでよい。
【0038】
種々の実施態様にしたがって、吸着剤は、充填層カラム、流動床、モノリス、カートリッジフィルター、半導体プロセスツール、及び他の当業者に公知の装置を含むがこれらに限定されない、任意の適した装置中で材料として使用されうる。吸着剤を使用して反応性化合物をプロセス流から除去するための方法(例えば吸着プロセス)は、任意の適した温度で操作されうる。例えば、吸着プロセスは、約10℃~約150℃、約20℃~約100℃、又は約20℃~約80℃で操作してよい。ある態様において、プロセス流が液体である場合に、吸着プロセスは約50℃の温度で操作してよく、ガス流については、吸着プロセスは約130℃の温度で操作してよい。吸着プロセスの操作圧力は、例えば、約1bar~約100bar、約1bar~約50bar、又は約1bar~約20barであってよい。液相プロセス流に関するガス空間速度(「GHSV」)は、約20h-1以下であってよく、ガス相プロセス流に関するGHSVは約10000h-1であってよい。
【0039】
実施例
実施例1A - クエン酸ビスマス由来の酸化チタン上酸化ビスマス(Bi/TiO2)吸着剤の合成
Bi/TiO2吸着剤を、初期湿式含浸法(incipient wetness impregnation method)を使用して生成した。より詳述すれば、4.95グラムのクエン酸ビスマスを、30グラムの水酸化アンモニウム(29%NH4OH)中で溶解し、そして得られた溶液を、クエン酸ビスマスの完全な溶解が観測されるまで約30分間混合した。この溶液の一部を、乾燥酸化チタン(アナターゼ)粉末上で含浸させて、キャリヤーの97%の孔容積充填を得た。得られた粉末を、110℃で一晩乾燥させ、そして400℃で2時間か焼して、誘導結合プラズマ分光法(「ICP」)により測定して約9.4質量%のBi量を得た。熱重量分析(「TGA」)測定は、か焼した粉末におけるクエン酸ビスマスの完全な分解を確認した一方で、X線光電子分光法(「XPS」)は、材料におけるBiの主な化合物としてBi23を示唆する+3酸化状態でのBiの存在を示した。
【0040】
実施例1B - 硝酸ビスマス由来の酸化チタン上酸化ビスマス(Bi/TiO2)吸着剤の合成
Bi/TiO2吸着剤を、初期湿式含浸法を使用して生成した。硝酸ビスマスのストック溶液(22.3質量%のBi)をBi源として使用した。この溶液の一部を、乾燥酸化チタン(アナターゼ)粉末上で含浸させて、キャリヤーの97%の孔充填を得た。得られた粉末を、110℃で一晩乾燥させ、そして400℃で2時間か焼して、ICPにより測定して約9.7質量%のBi量を得た。か焼した材料における硝酸ビスマス前駆体の完全な分解をTGAで確認した。XPS測定は、得られた材料におけるBiの主な形としてBi+3も確認した。
【0041】
実施例1C - アルシンを除去するための、酸化チタン上酸化ビスマス吸着剤(Bi/TiO2)と酸化アルミニウム上酸化鉛吸着剤(Pb/Al23)(従来技術)との比較
実験条件:
約1立方センチメートルの二酸化チタン上酸化ビスマスを含む吸着剤(前記で製造したもの)を反応器中に装入した。プロパン中で約100ppmwのアルシンを含む液体を、10h-1の液空間速度(「LHSV」)で1時間、反応器を介して吸着剤上を通過させた。液体は室温であり、液相は約220psigであった。アルシンを液体から吸着剤上に吸着させた。実験を、同様の条件で、反応器中に装入した約1立方センチメートルの酸化アルミニウム上酸化鉛(約20質量%のPbO)を含む吸着剤を用いて繰り返した。結果を図1において示す。
【0042】
図1において示されるように、時間の関数としてのアルシンの除去効率(%)は、双方の吸着剤について100%で約22時間比較可能であった。しかしながら、その後、Pb/Al23の除去効率は低下し始めた一方で、Bi/TiO2の除去効率は、約45時間まで100%のままであった。約52時間で、Pb/Al23の除去効率は、約83%まで減少した一方で、Bi/TiO2の除去効率は約99%と高いままであった。さらに約30時間後でさえも、Bi/TiO2の除去効率は、Pb/Al23の除去効率まで低下しなかった。アルシン含有量を使用済みのBi/TiO2及びPb/Al23の材料において測定し、それぞれ4.2質量%と2.4質量%であることを見出した。
【0043】
実施例2 - アルシンを除去するための、酸化チタン上酸化ビスマス(クエン酸塩前駆体由来)吸着剤(Bi/TiO2(クエン酸塩))と、酸化チタン上酸化ビスマス(硝酸塩前駆体由来)吸着剤(Bi/TiO2(硝酸塩))と、酸化アルミニウム上酸化鉛吸着剤(Pb/Al23)(従来技術)との比較
実験条件:
約1立方センチメートルの酸化チタン上クエン酸塩前駆体由来酸化ビスマスを含む吸着剤を反応器中に装入した。プロパン中で約100ppmwのアルシンを含む液体を、10h-1の液空間速度(「LHSV」)で1時間、反応器を介して吸着剤上を通過させた。液体は室温(25℃)であり、液相は約220psigであった。アルシンを液体から吸着剤上に吸着させた。実験を、同様の条件で、約1立方センチメートルの酸化チタン上硝酸塩前駆体由来ビスマスを含む吸着剤で、及びさらに約1立方センチメートルの酸化アルミニウム上鉛を含む吸着剤で繰り返した。結果を図2において示す。
【0044】
図2において示されるように、時間の関数としてのアルシンの除去効率(%)は、全ての3種の吸着剤について約22時間比較可能であった。しかしながら、その後、Pb/Al23の除去効率は低下し始めた一方で、Bi/TiO2(クエン酸塩)及びBi/TiO2(硝酸塩)の除去効率は、約38時間まで100%のままであった。この時間で、Bi/TiO2(硝酸塩)の除去効率は低下し始めた一方で、Bi/TiO2(クエン酸塩)の除去効率は、約45時間まで100%のままであった。約52時間でPb/Al23の除去効率は約83%まで減少した一方で、約56時間でBi/TiO2(硝酸塩)の除去効率は約79%まで減少した。しかしながら、Bi/TiO2(クエン酸塩)の除去効率は、約52時間で約99%と高いままであり、約56時間で約97%であった。さらに約25時間後でさえ、Bi/TiO2(クエン酸塩)の除去効率は、Pb/Al23又はBi/TiO2(硝酸塩)の除去効率まで低下しなかった。使用済みのBi/TiO2(硝酸塩)試料においてアルシン含有量を測定し、3.1質量%であった。
【0045】
実施例3- アルシンを除去するための、酸化チタン吸着剤(TiO2)と酸化チタン上酸化ビスマス吸着剤(Bi/TiO2)との比較
実験条件:
約1立方センチメートルの酸化チタン吸収体を反応器中に装入した。プロパン中で約100ppmwのアルシンを含む液体を、10h-1の液空間速度(「LHSV」)で1時間、反応器を介して吸着剤上を通過させた。液体は室温(25℃)であり、液相は約220psigであった。アルシンを液体から吸着剤上に吸着させた。実験を、同様の条件で、反応器中に装入した約1立方センチメートルの二酸化チタン上酸化ビスマスを含む吸着剤を用いて繰り返した。結果を図3において示す。
【0046】
図3において示されるように、Bi/TiO2の時間の関数としてのアルシンの除去効率(%)は、TiO2よりも著しく高かった。酸化ビスマスを二酸化チタンに付加することは、約77時間以上だけ吸着剤の寿命を延ばした。この実施例は、二酸化チタン(TiO2)のみは、液体からアルシンの除去において不活性である一方で、Bi/TiO2吸着剤は、アルシン捕捉において高い活性度を呈することを示す。
【0047】
実施例4 - アルシンを除去するための、複数の酸化チタン上酸化ビスマス吸着剤(Bi/TiO2)と、酸化アルミニウム上酸化鉛吸着剤(Pb/Al23)(従来技術)との比較
実験条件:
約1立方センチメートルの二酸化チタン上酸化ビスマス約2質量%を含む吸着剤(Bi/TiO2(2質量%))を反応器中に装入した。プロパン中で約100ppmwのアルシンを含む液体を、10h-1の液空間速度(「LHSV」)で1時間、反応器を介して吸着剤上を通過させた。液体は室温(25℃)であり、液相は約220psigであった。アルシンを液体から吸着剤上に吸着させた。実験を、同様の条件で、反応器中に装入した約1立方センチメートルの、二酸化チタン上酸化ビスマス約9.4質量%を含む吸着剤(Bi/TiO2(9.4質量%))、二酸化チタン上酸化ビスマス約20質量%を含む吸着剤(Bi/TiO2(20質量%))、及び酸化アルミニウム上酸化鉛(Pb/Al23)(約20質量%のPbO)を含む吸着剤を用いて繰り返した。結果を図4において示す。
【0048】
図4において示されるように、時間の関数としてのアルシンの除去効率(%)は、全ての吸着剤について約13時間比較可能であった。しかしながら、その後、Bi/TiO2(2質量%)の除去効率は、他の吸着剤と比較して急激に低下し始めた。約22時間の時点で、Pb/Al23の除去効率は低下し始めた一方で、Bi/TiO2(9.4質量%)及びBi/TiO2(20質量%)の除去効率は、約34時間まで100%のままであった。その後、Bi/TiO2(9.4質量%)の除去効率は約45時間まで100%のままであり、一方でBi/TiO2(20質量%)の除去効率は約35時間で低下し始めた。約52時間で、Pb/Al23の除去効率は、約83%まで減少した一方で、Bi/TiO2(9.4質量%)の除去効率は約99%と高いままであった。さらに約30時間後には、Bi/TiO2(9.4質量%)の除去効率は、Bi/TiO2(20質量%)又はPb/Al23の除去効率まで低下しなかった。Bi/TiO2(20質量%)及びBi/TiO2(2質量%)試料における得られたアルシンの消費量は、それぞれ約3.7質量%及び約1.2質量%であると見出された。この結果は、二酸化チタン上担持酸化ビスマス吸着剤系が、ビスマスの非常に少量の負荷量で、例えば少なくとも約2質量%と低いBi含有量で、アルシン除去において活性があることを示唆する。
【0049】
本明細書において使用される表現又は専門用語は、関連技術における当業者の知識と組み合わせて、本明細書において示されている教示及び指針に照らして当業者によって本明細書の専門用語又は表現が解釈されうるように、限定ではなく説明のためのものであることが理解されるべきである。
【0050】
本明細書において開示された種々の態様は、説明のために本明細書において言及された公知の構成要素に対して、現在及び将来的に公知である等価物を包含する。さらに、態様及び適用が示され、記載されているが、本開示の恩恵を受ける当業者には、本明細書において開示された発明概念から逸脱することなく、上述したものよりも多くの変更が可能であることが明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2021-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒ素含有流体と吸着剤組成物とを接触することを含み、吸着剤組成物がビスマス材料を含む、ヒ素材料を吸着する方法。
【請求項2】
ビスマス材料が、金属酸化物、半金属酸化物又は活性炭の少なくとも1種を含む担体上にある、請求項に記載の方法。
【請求項3】
ビスマス材料が、単体ビスマス及びビスマス化合物からなる群から選択される、請求項に記載の方法。
【請求項4】
ビスマス材料が、酸化ビスマスを含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
酸化ビスマスが、有機ビスマス化合物、無機ビスマス化合物、有機ビスマス塩、及び無機ビスマス塩からなる群から選択される前駆体に由来する、請求項に記載の方法。
【請求項6】
酸化ビスマスが、少なくとも部分的に、クエン酸ビスマス前駆体、硝酸ビスマス前駆体又はそれらの組合せに由来する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
酸化ビスマスが、酸化ビスマス(III)(Bi23)である、請求項に記載の方法。
【請求項8】
担体が、金属酸化物を含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
金属酸化物が、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、ゼオライト、活性炭及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項に記載の方法。
【請求項10】
ヒ素材料が、単体ヒ素及びヒ素含有化合物からなる群から選択される、請求項に記載の方法。
【請求項11】
ヒ素含有流体がアルシンを含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
吸着剤組成物が、約5質量%以下の鉛含有量である、請求項に記載の方法。
【請求項13】
約0.01質量%~約20質量%のヒ素材料を含む、請求項に記載の方法。
【請求項14】
約0.1質量%~約2質量%のビスマス材料を含む、請求項に記載の方法。
【請求項15】
担体が、少なくとも5質量%の金属酸化物を含む、請求項に記載の方法。
【請求項16】
金属酸化物が、約1μm~約10mmのサイズを有する粒子を含む、請求項に記載の方法。
【請求項17】
金属酸化物が、約50m2/g~約600m2/gの表面積を有する、請求項に記載の方法。
【請求項18】
担体が、約15質量%以下の含水量である、請求項に記載の方法。
【請求項19】
担体の表面積が、約20m2/g~約600m2/gである、請求項に記載の方法。
【請求項20】
吸着剤組成物が、タブレット、押出物、ペレット、棒、成形体及びモノリスからなる群から選択される形である、請求項に記載の方法。
【請求項21】
吸着剤組成物が、アルシン分析器を使用して乾式比色分析法により測定して約90%以上のアルシン除去効率を有する、請求項に記載の方法。
【請求項22】
吸着剤組成物が、酸化銀、酸化鉄、酸化マンガン、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化スズ及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を担体上でさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項23】
担体が、約0.01cc/g~約5cc/gの孔容積を有する、請求項に記載の方法。
【請求項24】
担体が、約1Å~約750Åの孔サイズを有する、請求項に記載の方法。
【請求項25】
プロセス流が、石油プロセス、石油化学プロセス、重合プロセス、合成ガスプロセス及び半導体プロセスからなる群から選択されるプロセスの一部である、請求項に記載の方法。
【請求項26】
プロセス流が石油化学プロセスの一部であり、プロセス流が天然ガスを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
プロセス流が、製油所オフガス、流動接触分解オフガス、水蒸気分解装置オフガス、シェールガス及びそれらの組合せからなる群から選択されるガスを含み、該ガスが、アセチレン、メチルアセチレン及びプロパジエンの少なくとも1種を含有する反応性化合物を含む、請求項25に記載の方法。
【外国語明細書】