(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020764
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】サンプル偏差データの取得方法、装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20220125BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20220125BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20220125BHJP
B60W 50/00 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
G08G1/00 A
G08G1/13
B60W60/00
B60W50/00
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2021182131
(22)【出願日】2021-11-08
(31)【優先権主張番号】202011547791.1
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521289478
【氏名又は名称】阿波羅智聯(北京)科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Apollo Intelligent Connectivity(Beijing) Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】101, 1st floor, building 1,yard 7, Ruihe West 2nd Road, Beijing Economic and Technological Development Zone, Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】朱 厚強
(72)【発明者】
【氏名】魏 鵬飛
(72)【発明者】
【氏名】宋 佳
(72)【発明者】
【氏名】江 鍵▲キン▼
(72)【発明者】
【氏名】常 松涛
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両の運転偏差行動に対する自動監視を実現し、偏差がある場合、車両がサンプル偏差データを自動的に収集するようにトリガーすることにより、サンプル偏差データの取得効率を向上させることができるサンプル偏差データの取得方法、装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】サンプル偏差データを取得する時、手動運転モードで、それぞれ車両の第1の運転行動パラメータ、及び車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得し、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断し、偏差がある場合、所定の期間内のサンプル偏差データを取得するように車両を制御する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動運転モードで、車両の第1の運転行動パラメータ、及び前記車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得することと、
前記第1の運転行動パラメータと前記第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断することと、
偏差がある場合、所定の期間内のサンプル偏差データを取得するように前記車両を制御することであって、前記サンプル偏差データは車体状態情報及び前記車両の環境情報を含むことと、を含む、サンプル偏差データの取得方法。
【請求項2】
所定の期間内のサンプル偏差データを取得するように前記車両を制御することは、
偏差があると判定したタイミングを開始タイミングとする第1の期間内のサンプル偏差データを収集するように前記車両を制御し、収集されたデータから前記偏差があると判定したタイミングの前の第2の期間内のサンプル偏差データを抽出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の運転行動パラメータと前記第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断することは、
前記第1の運転行動パラメータと前記第2の運転行動パラメータが偏差行動ルールを満たす場合、前記第1の運転行動パラメータと前記第2の運転行動パラメータとの間に偏差があると判定することを含み、前記偏差行動ルールは、前記車両の手動運転モードと自動運転模擬モードでの各運転行動及び前記各運転行動に対応する運転行動パラメータに基づいて決定されたものである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
それぞれ前記車両の手動運転モードと自動運転模擬モードでの前記各運転行動に対応する運転行動パラメータを決定することと、
前記各運転行動に対応する運転行動パラメータに基づき、持続した期間内において手動運転モードと自動運転模擬モードでの前記各運転行動に偏差がある条件を決定することと、
手動運転モードと自動運転模擬モードでの前記各運転行動に偏差がある条件に基づき、前記偏差行動ルールを確立することと、をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記各運転行動に対応する運転行動パラメータに基づき、持続した期間内において手動運転モードと自動運転模擬モードでの前記各運転行動に偏差がある条件を決定することは、
前記各運転行動の手動運転モードでの運転行動パラメータと前記各運転行動の自動運転模擬モードでの運転行動パラメータとを比較することと、
前記手動運転モードでの運転行動パラメータと前記自動運転模擬モードでの運転行動パラメータとの差が所定値より大きい場合、持続した期間内において手動運転モードと自動運転模擬モードでの前記各運転行動に偏差があると判定することと、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記サンプル偏差データをクラウドサーバに送信することをさらに含み、前記サンプル偏差データは、前記クラウドサーバが前記サンプル偏差データに基づいて自動運転モデルを最適化するように指示するために用いられる、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の運転行動パラメータ、及び/又は前記第2の運転行動パラメータに基づき、前記車両の運転行動を決定することと、
前記車両の運転行動を前記サンプル偏差データのラベル情報として、前記クラウドサーバに送信することと、をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
手動運転モードで、車両の第1の運転行動パラメータ、及び前記車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得するための取得ユニットと、
前記第1の運転行動パラメータと前記第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断するための第1の処理ユニットと、
偏差がある場合、所定の期間内のサンプル偏差データを取得するように前記車両を制御するための制御ユニットであって、前記サンプル偏差データは車体状態情報及び前記車両の環境情報を含む制御ユニットと、を含む、サンプル偏差データの取得装置。
【請求項9】
前記制御ユニットは、第1の制御モジュールと、第2の制御モジュールとを含み、
前記第1の制御モジュールは、偏差があると判定したタイミングを開始タイミングとする第1の期間内のサンプル偏差データを収集するように前記車両を制御するために用いられ、
前記第2の制御モジュールは、収集されたデータから前記偏差があると判定したタイミングの前の第2の期間内のサンプル偏差データを抽出するために用いられる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の処理ユニットは、具体的に、前記第1の運転行動パラメータと前記第2の運転行動パラメータが偏差行動ルールを満たす場合、前記第1の運転行動パラメータと前記第2の運転行動パラメータとの間に偏差があると判定し、前記偏差行動ルールは、前記車両の手動運転モードと自動運転模擬モードでの各運転行動及び前記各運転行動に対応する運転行動パラメータに基づいて決定されたものである、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
第2の処理ユニットと、第3の処理ユニットと、第4の処理ユニットとをさらに含み、
前記第2の処理ユニットは、それぞれ前記車両の手動運転モードと自動運転模擬モードでの前記各運転行動に対応する運転行動パラメータを決定するために用いられ、
前記第3の処理ユニットは、前記各運転行動に対応する運転行動パラメータに基づき、持続した期間内において手動運転モードと自動運転模擬モードでの前記各運転行動に偏差がある条件を決定するために用いられ、
前記第4の処理ユニットは、手動運転モードと自動運転模擬モードでの前記各運転行動に偏差がある条件に基づき、前記偏差行動ルールを確立するために用いられる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第3の処理ユニットは、第1の処理モジュールと、第2の処理モジュールとを含み、
前記第1の処理モジュールは、前記各運転行動の手動運転モードでの運転行動パラメータと前記各運転行動の自動運転模擬モードでの運転行動パラメータとを比較するために用いられ、
前記第2の処理モジュールは、前記手動運転モードでの運転行動パラメータと前記自動運転模擬モードでの運転行動パラメータとの差が所定値より大きい場合、持続した期間内において手動運転モードと自動運転模擬モードでの前記各運転行動に偏差があると判定するために用いられる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
第1の送信ユニットをさらに含み、
前記第1の送信ユニットは、前記サンプル偏差データをクラウドサーバに送信するために用いられ、前記サンプル偏差データは、前記クラウドサーバが前記サンプル偏差データに基づいて自動運転モデルを最適化するように指示するために用いられる、請求項8~12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
第5の処理ユニットと、第2の送信ユニットとをさらに含み、
前記第5の処理ユニットは、前記第1の運転行動パラメータ、及び/又は前記第2の運転行動パラメータに基づき、前記車両の運転行動を決定するために用いられ、
前記第2の送信ユニットは、前記車両の運転行動を前記サンプル偏差データのラベル情報として、前記クラウドサーバに送信するために用いられる、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されるメモリと、を備え、
前記メモリに前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~7のいずれか1項に記載のサンプル偏差データの取得方法を実行できるように、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される、電子機器。
【請求項16】
コンピュータ命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ命令は、コンピュータに請求項1~7のいずれか1項に記載のサンプル偏差データの取得方法を実行させるために用いられる、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行される時、請求項1~7のいずれか1項に記載のサンプル偏差データの取得方法を実現する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、コンピュータ技術分野に関し、特にサンプル偏差データの取得方法、装置及び電子機器に関し、具体的に、人工知能技術分野、自動運転技術分野、高度交通技術分野、及び深層学習技術分野に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
自動運転技術は益々成熟し、自動運転車両に適用されるようになってきた。自動運転車両は自動運転モデルに基づいて車両の走行を制御する。自動運転モデルが使用前に十分にテストされていたが、実際の運転環境が複雑であるため、一部の実際の運転環境では、自動運転モデルによる車両の運転行動と人間が期待する運転行動との間に偏差がある可能性があるが、このような偏差は必ずしも故障や事故であるとは限らず、体験が悪いか制御効率が低いように表現される場合が多い。
【0003】
自動運転モデルによる車両の運転行動と人間が期待する運転行動との間に偏差が発生する確率を低下させるために、テスターは、自動運転モデルを訓練するように、偏差がある場合における車両の外部環境情報などのサンプル偏差データを大量に取得する必要がある。そのため、如何にサンプル偏差データを効率的に取得するかは、当業者が早急に解決すべき問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、サンプル偏差データを取得する時に、サンプル偏差データの取得効率を向上させるサンプル偏差データの取得方法、装置及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の第1の態様によれば、サンプル偏差データの取得方法を提供し、当該サンプル偏差データの取得方法は、
手動運転モードで、車両の第1の運転行動パラメータ、及び前記車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得することと、
前記第1の運転行動パラメータと前記第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断することと、
偏差がある場合、所定の期間内のサンプル偏差データを取得するように前記車両を制御することであって、前記サンプル偏差データは車体状態情報及び前記車両の環境情報を含むことと、を含むことができる。
【0006】
本願の第2の態様によれば、サンプル偏差データの取得装置を提供し、当該サンプル偏差データの取得装置は、
手動運転モードで、車両の第1の運転行動パラメータ、及び前記車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得するための取得ユニットと、
前記第1の運転行動パラメータと前記第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断するための第1の処理ユニットと、
偏差がある場合、所定の期間内のサンプル偏差データを取得するように前記車両を制御するための制御ユニットであって、前記サンプル偏差データは車体状態情報及び前記車両の環境情報を含む制御ユニットと、を含むことができる。
【0007】
本願の第3態様によれば、電子機器を提供し、当該電子機器は、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されるメモリと、を備え、
前記メモリに前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが上記の第1の態様に記載のサンプル偏差データの取得方法を実行できるように、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される。
【0008】
本願の第4の態様によれば、コンピュータ命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記コンピュータ命令は、コンピュータに上記の第1の態様に記載のサンプル偏差データの取得方法を実行させるために用いられる。
【0009】
本願の第5の態様によれば、コンピュータプログラムを提供し、前記コンピュータプログラムは、可読記憶媒体に記憶され、電子機器の少なくとも1つのプロセッサは前記可読記憶媒体から前記コンピュータプログラムを読み取ることができ、前記少なくとも1つのプロセッサは、電子機器が上記の第1の態様に記載のサンプル偏差データの取得方法を実行するように、前記コンピュータプログラムを実行する。
【0010】
本願の技術的解決手段によれば、サンプル偏差データを取得する時、手動運転モードで、それぞれ車両の第1の運転行動パラメータ、及び車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得し、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断し、偏差がある場合、所定の期間内のサンプル偏差データを取得するように車両を制御する。このように、自動運転模擬モードの作動メカニズムを確立し、自動運転模擬モードで出力された運転行動パラメータと実際の手動運転モードでの運転行動パラメータとを比較することにより、車両の運転偏差行動に対する自動監視を実現し、偏差がある場合、車両がサンプル偏差データを自動的に収集するようにトリガーすることにより、サンプル偏差データの取得効率が向上する。
【0011】
なお、この部分に記載されている内容は、本願の実施例の主要な又は重要な特徴を特定することを意図しておらず、本願の範囲を限定するものでもない。本願の他の特徴は、以下の説明を通じて容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面は、本技術案をよりよく理解するために用いられるものであり、本願発明の内容を限定するものではない。
【
図1】本願の実施例により提供されるフレーム模式図である。
【
図2】本願の実施例により提供されるサンプル偏差データを取得する模式図である。
【
図3】本願の第1の実施例により提供されるサンプル偏差データの取得方法を示すフローチャートである。
【
図4】本願の第2の実施例により提供されるサンプル偏差データの取得方法を示すフローチャートである。
【
図5】本願の第3の実施例により提供されるサンプル偏差データの取得装置を示す模式的なブロック図である。
【
図6】本願の実施例により提供される電子機器を示す模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を組み合わせて本願の例示的な実施例を説明する。理解を容易にするために、その中には本願の実施例の様々な細部が含まれており、それらは単なる例示的なものと見なされるべきである。したがって、当業者は、本願の範囲及び精神から逸脱することなく、ここで説明される実施例に対して様々な変更と修正を行うことができる。同様に、わかりやすくかつ簡潔にするために、以下の説明では、周知の機能及び構造の説明を省略する。
【0014】
本願の実施例において、「少なくとも1つ」とは、1つ又は複数を指し、「複数」とは、2つ又は2つ以上を指す。「及び/又は」は、関連対象の関連関係を説明するものであり、3種類の関係が存在可能であることを表し、例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在し、AとBが同時に存在し、Bのみが存在するといった3種類の場合を表すことができ、A、Bは単数形でもよいし、又は複数形でもよい。本願のテキストの説明では、符号「/」は、一般的に前後の関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0015】
自動運転モデルによる車両の運転行動と人間が期待する運転行動との間に偏差が発生する確率を低下させるために、テスターは、自動運転モデルを訓練するように、偏差がある場合における車両の外部環境情報などのサンプル偏差データを大量に取得する必要がある。従来の技術では、サンプル偏差データを取得する際に、通常の方法としては、テスターが異なるテスト環境を構築し、異なるテスト環境で、自動運転車両が自動運転モデルに基づいて車両の走行を制御し、テスターが当該自動運転車両の走行過程全体における全量作動データを記録し、その後、記録された全量作動データから偏差が発生した場合の作動データをサーチし、当該偏差が発生した場合の作動データをサンプル偏差データとして決定することにより、サンプル偏差データを取得する。しかし、上記の手動方法によってサンプル偏差データを取得すれば、サンプル偏差データの取得効率が低い。
【0016】
サンプル偏差データの取得効率を向上させるために、自動運転車両の走行過程において偏差が発生した場合の偏差データを直接取得することで、偏差データの取得効率を向上させることが考えられる。しかし、自動運転車両の走行過程において偏差データを取得する時、当該偏差データが自動運転モデルでの運転行動と人間の運転行動との違いであるため、それぞれ自動運転モデルでの運転行動及び人間の運転行動を参照として取得する必要がある。しかし、自動運転車両が自動運転モードで走行する場合、人間の運転行動を事前に予測することができないので、手動運転モードで偏差データを取得することが考えられる。例として、
図1を参照する。
図1は本願の実施例により提供されるフレーム模式図であり、偏差データを取得する時、ステップS101及びS102を実行することができ、ステップS101において、手動運転モードで、手動運転モードでの人間の運転行動データを取得し、ステップS102において、人間の運転行動データを取得すると同時に、自動運転モードも現在の運転環境での運転行動データを模擬的に出力し、自動運転モードでの運転行動を模擬した場合のデータを併せて収集することができ、即ち、データ収集過程において、自動運転車両は運転者によって完全に制御され、自動運転モデルは車両の制御に関与しない。それぞれ人間の運転行動データ及び自動運転模擬モードでの運転行動データを取得した後、ステップS103を実行し、人間の運転行動と車両の自動運転模擬モードでの運転行動とを比較し、差分が存在する場合、ステップS104を実行し、サンプル偏差データを自動的に収集して、サンプル偏差データを取得し、このように、サンプル偏差データの取得効率を向上させることができ、差分が存在しない場合、ステップS105を実行し、手動運転モードでの人間の運転行動データ及び自動運転モードでの運転行動データをクリアする。
【0017】
上記の構想に基づいて、本願の実施例は、サンプル偏差データの取得方法を提供し、人工知能、自動運転、高度交通及び深層学習の技術分野に適用可能である。具体的な技術案としては、手動運転モードで、車両の第1の運転行動パラメータ、及び車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得し、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断し、偏差がある場合、所定の期間内のサンプル偏差データを取得するように車両を制御し、サンプル偏差データは車体状態情報及び車両の環境情報を含む。
【0018】
例として、車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得する場合、「シャドウモデル」の出力から車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得することができ、「シャドウモデル」は、人間による運転と共にリアルタイムに実行される自動運転モデルを表すためのものである。感知、環境モデリング、経路計画、決定などの自動運転機能の階段では、シャドウモデルに対する入力及び構成がいずれも車両側の正式な自動運転モデルと一致し、正式な自動運転モデルと完全に同じである出力を形成するようにする。しかし、車両は完全に運転者によって制御され、シャドウモデルは車両の制御に関与しない。
【0019】
例として、「シャドウモデル」は、ハイウェイパイロット(High Way Pilot,HWPと略称)シャドウモデルであってもよいし、交通渋滞アシスタント(Traffic Jam Assistant,TJAと略称)シャドウモデルであってもよいし、自動バレーパーキング(Automated Valet Parking,AVPと略称)シャドウモデルなどであってもよく、具体的に、実際の必要に応じて設定することができ、ここで、本願の実施例において具体的に限定しない。手動運転モードで、「シャドウモデル」を介して自動運転モードでの運転行動パラメータを模擬し、全ての運転シーンでの偏差データの収集を実現することができる。
【0020】
なお、「シャドウモデル」は、車両の大量の生産に幅広く適用可能であり、時間の制限がなく、地域の制限がなく、量の制限がないユーザの車両側のデータ収集を実現し、研究開発に必要なデータ収集の境界を大幅に拡大し、従来の技術において偏差データを手動でしか収集できないという問題を解決するだけでなく、このような形の偏差データ収集により、ユーザの車両の様々な日常操作シーンをカバーできるため、収集された偏差データの種類、範囲、特徴の多様性がいずれもある程度増やされ、自動運転モデルの訓練のために実際の使用シーンと最も一致するデータソースを提供し、このように、自動運転モデルを訓練する時、自動運転モデルの精度を更に向上させることができる。
【0021】
なお、本願の実施例において、「シャドウモデル」の出力から車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得する以外、その他の「シャドウモデル」と類似する運転モデルの出力から車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得してもよく、具体的に、実際の必要に応じて設定することができ、ここで、本願の実施例は、「シャドウモデル」の出力から車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得する場合のみを例として説明するが、本願の実施例はこれに限定されるわけではない。
【0022】
「シャドウモデル」の出力から車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得する場合、
図2を参照することができる。
図2は本願の実施例により提供されるサンプル偏差データを取得する模式図であり、異なる走行シーンに対して、用いられる「シャドウモデル」が異なり、高速シーンで、シャドウモデルは主にHWPモードを実行し、出力された第2の運転行動パラメータと手動運転モードでの第1の運転行動パラメータとを比較し、比較結果が一致しないことである場合、サンプル偏差データを収集するように自動的にトリガーし、渋滞シーンで、シャドウモデルは主にTJCモードを実行し、出力された第2の運転行動パラメータと手動運転モードでの第1の運転行動パラメータとを比較し、比較結果が一致しないことである場合、サンプル偏差データを収集するように自動的にトリガーし、駐車シーンで、シャドウモデルは主にAVPモードを実行し、出力された第2の運転行動パラメータと手動運転モードでの第1の運転行動パラメータとを比較し、比較結果が一致しないことである場合、サンプル偏差データを収集するように自動的にトリガーする。なお、異なる「シャドウモデル」は事前に車両に構成されている。
【0023】
以上から分かるように、本願の実施例において、サンプル偏差データを取得する時、手動運転モードで、それぞれ車両の第1の運転行動パラメータ、及び車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得し、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断し、偏差がある場合、所定の期間内のサンプル偏差データを取得するように車両を制御する。このように、自動運転模擬モードの作動メカニズムを確立し、自動運転模擬モードで出力された運転行動パラメータと実際の手動運転モードでの運転行動パラメータとを比較することにより、車両の運転偏差行動に対する自動監視を実現し、偏差がある場合、車両がサンプル偏差データを自動的に収集するようにトリガーすることにより、サンプル偏差データの取得効率が向上する。
【0024】
なお、本願の技術的解決手段を採用すれば、手動の介入なしに車両がサンプル偏差データを自動的に収集するようにトリガーし、テスターのためにデータのリアルタイム収集、協力、選別のコストを大量に削減することができる。また、収集されたサンプル偏差データは合目的性が高く、毎回収集されたサンプル偏差データが全て人間の運転行動と車両の自動運転模擬モードでの運転行動とに必ず偏差があるシーンに対するものであるように確保することができ、後の階段で大量の無効なデータ選別操作を行う必要がなく、人件費が節約されるだけでなく、サンプル偏差データの取得効率が向上する。
【0025】
以下、具体的な実施例を通じて本願により提供されるサンプル偏差データの取得方法を詳しく説明する。なお、以下のいくつかの具体的な実施例は互いに組み合わせることができ、同じ又は類似する概念又は過程について、いくつかの実施例において繰り返して説明しない。
【0026】
実施例1
図3は、本願の第1の実施例により提供されるサンプル偏差データの取得方法を示すフローチャートであり、当該サンプル偏差データの取得方法はソフトウェア及び/又はハードウェア装置により実行されることができる。例として、
図3を参照し、当該サンプル偏差データの取得方法は、以下のステップを含む。
【0027】
ステップS301では、手動運転モードで、車両の第1の運転行動パラメータ、及び車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得する。
【0028】
例として、運転行動パラメータは、位置、姿勢、速度、加速度、ハンドル回転角度、ギアなどのパラメータを含むことができ、具体的に、実際の必要に応じて設定することができ、ここで、運転行動パラメータの具体的な内容について、本願の実施例において更なる限定をしない。
【0029】
本願の実施例において、第1の運転行動パラメータは人間の運転行動の運転行動パラメータである。例として、車両の第1の運転行動パラメータを取得する場合、手動運転モードで、コントローラエリアネットワーク(Controller Area Network,CAN)信号から人間の運転行動の運転行動パラメータを取得することにより、車両の第1の運転行動パラメータを取得することができる。
【0030】
第2の運転行動パラメータは、車両の手動運転モードで自動運転モードでの運転行動を模擬した場合のパラメータであり、即ち車両が完全に運転者によって制御され、自動運転モデルは車両の制御に関与しない。例として、車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得する場合、「シャドウモデル」の出力から車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得することができ、「シャドウモデル」は人間運転と共にリアルタイムに実行される自動運転モデルを表すためのものであり、このように車両の第2の運転行動パラメータを容易に取得する。「シャドウモデル」の関連説明は上記の内容を参照でき、ここで、本願の実施例において繰り返して説明しない。
【0031】
手動運転モードで、それぞれ車両の第1の運転行動パラメータ、及び車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得した後、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断し、即ち下記のステップS302を実行することができる。
【0032】
ステップS302では、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断する。
【0033】
第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断する時、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差がない場合、当該第1の運転行動データ及び第2の運転行動パラメータを車両に記憶する必要がなく、当該第1の運転行動データ及び第2の運転行動データをクリアすることができ、即ち下記S303を実行し、このように、無効なデータの記憶によるメモリの占用を回避できる。逆に、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差がある場合、所定の期間内のサンプル偏差データを自動的に取得するように車両を制御し、即ち下記S304を実行することができる。
【0034】
ステップS303では、偏差がない場合、第1の運転行動データ及び第2の運転行動データをクリアする。
【0035】
ステップS304では、偏差がある場合、所定の期間内のサンプル偏差データを取得するように車両を制御し、サンプル偏差データは車体状態情報及び車両の環境情報を含む。
【0036】
例として、車体状態情報は、ギア、車輪速度、慣性計測ユニット(inertial measurement unit,IMU)などのワイヤ制御フィードバックデータを含むが、これらに限定されず、環境情報は、前後の広角、周囲の魚眼レンズ、超音波などのセンサデータを含むが、これらに限定されない。サンプル偏差データは、車体状態情報及び車両の環境情報以外に、シャドウモデルの関連データ及びシステムの基本情報を含んでもよい。シャドウモデルの関連データは、ポジショニング、感知、環境モデリング、計画などのシャドウモデル出力データを含み、システムの基本情報はシステム情報、バージョン、構成パラメータなどを含む。
【0037】
例として、所定の期間は、偏差があると判定したタイミングの後の期間であってもよいし、第1の期間及び第2の期間を含む期間であってもよく、具体的に、実際の必要に応じて設定することができる。
【0038】
例として、本願の実施例において、所定の期間内のサンプル偏差データを取得するように車両を制御する時、偏差があると判定したタイミングを開始タイミングとする第1の期間内のサンプル偏差データを収集するように車両を制御することができ、収集されたデータから偏差があると判定したタイミングの前の第2の期間内のサンプル偏差データを抽出することにより、所定の期間内のサンプル偏差データを取得し、当該サンプル偏差データは第1の期間内のサンプル偏差データ及び第2の期間内のサンプル偏差データを含む。
【0039】
本願の実施例において、偏差があると判定した時、第1の期間及び第2の期間を含む所定の期間内のサンプル偏差データを取得するのは、偏差があると判定した時、その偏差行動が既に存在し、偏差があると判定したタイミングを開始タイミングとする第1の期間内の偏差データのみを収集すると、一部の偏差データが取得されなくなるからである。このため、偏差があると判定したタイミングで、前へ遡及して第2の期間を取り、且つ収集されたデータから第2の期間内の偏差データを抽出することにより、今回の偏差行動に対応するサンプル偏差データが得られ、サンプル偏差データの自動収集が実現されるだけでなく、サンプル偏差データの完全性が向上し、問題診断及び自動運転モデルの訓練の需要が満たされる。
【0040】
以上から分かるように、本願の実施例において、サンプル偏差データを取得する時、手動運転モードで、それぞれ車両の第1の運転行動パラメータ、及び車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得し、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断し、偏差がある場合、所定の期間内のサンプル偏差データを取得するように車両を制御する。このように、自動運転模擬モードの作動メカニズムを確立し、自動運転模擬モードで出力された運転行動パラメータと実際の手動運転モードでの運転行動パラメータとを比較することにより、車両の運転偏差行動に対する自動監視を実現し、偏差がある場合、車両がサンプル偏差データを自動的に収集するようにトリガーすることにより、サンプル偏差データの取得効率が向上する。
【0041】
上記の
図3に示す実施例に基づき、上記ステップS302において如何に第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断するかを理解しやすくするために、以下、下記の
図4に示す実施例2を通じて、如何に第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断するかを詳細に説明する。
【0042】
実施例2
図4は本願の第2の実施例により提供されるサンプル偏差データの取得方法を示すフローチャートであり、当該サンプル偏差データの取得方法は同様にソフトウェア及び/又はハードウェア装置により実行されることができる。例として、
図4に示すように、当該サンプル偏差データの取得方法は以下のステップを含むことができる。
【0043】
ステップS401では、手動運転モードで、車両の第1の運転行動パラメータ、及び車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得する。
【0044】
本願の実施例において、ステップS401の関連する実装形態は上記ステップS301の関連する実装形態と類似し、上記ステップS301の関連する実装形態の説明を参照できるので、ここで、本願の実施例において繰り返して説明しない。
【0045】
ステップS402では、予め確立された偏差行動ルールを取得する。
【0046】
偏差行動ルールは、車両の手動運転モードと自動運転模擬モードでの各運転行動及び各運転行動に対応する運転行動パラメータに基づいて決定されたものである。
【0047】
なお、本願の実施例において、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断する度に、まず予め確立された偏差行動ルールを取得する必要があるわけではなく、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを初めて判断する前に、予め確立された偏差行動ルールを取得すればよい。なお、当該偏差行動ルールが更新されたと判定した後、更新後の偏差行動ルールを再度取得してもよく、具体的に、実際の必要に応じて設定することができる。
【0048】
通常、予め確立された偏差行動ルールを取得する時、クラウドサーバにて予め確立された偏差行動ルールを受信することができ、車両における処理チップのコンピューティング能力が提案された偏差行動ルールをサポートするには十分である場合、車両にて偏差行動ルールを予め確立してもよく、具体的に、実際の必要に応じて設定することができる。
【0049】
各運転行動及び各運転行動に対応する運転行動パラメータに基づいて偏差行動ルールを確立する時、まず各運転行動を決定し、次に各運転行動に対応する運転行動パラメータに基づいて偏差行動ルールを確立することができる。例として、本願の実施例において、7種の基本運転行動を含むことができ、この7種の基本運転行動は、駐車、追従、迂回、前進、後退、加速及び減速を含んでよい。運転行動は、この7種の基本運転行動のうちの1種であってもよいし、この7種の基本運転行動のうちの任意の2種又は複数の基本運転行動の組み合わせであってもよく、例えば、「ターニングシーンでの非常ブレーキ」、「後退シーンでの加速」などの運転行動が挙げられ、具体的に、実際の必要に応じて設定することができる。各運転行動に対して、対応する運転行動パラメータは異なる可能性がある。例えば、「前進」と「後退」という運転行動に対して、当該運転行動がギアに関連するため、その対応する運転行動パラメータはギアであり、「駐車」、「追従」、「迂回」という運転行動に対して、当該運転行動が速度、加速度、ハンドル回転角度に関連するため、その対応する運転行動パラメータは速度、加速度、ハンドル回転角度である。
【0050】
各運転行動に対して、それぞれ車両の手動運転モードと自動運転模擬モードでの各運転行動に対応する運転行動パラメータを決定し、各運転行動に対応する運転行動パラメータに基づき、持続した期間内において手動運転モードと自動運転模擬モードでの各運転行動に偏差がある条件を決定し、手動運転モードと自動運転模擬モードでの各運転行動に偏差がある条件を組み合わせることで、偏差行動ルールを構成することができ、これにより当該偏差行動ルールを確立する。
【0051】
例として、持続した期間内において手動運転モードと自動運転模擬モードでの各運転行動に偏差がある条件を決定する時、各運転行動の手動運転モードでの運転行動パラメータと自動運転模擬モードでの運転行動パラメータとを比較することができ、手動運転モードでの運転行動パラメータと自動運転模擬モードでの運転行動パラメータとの差が所定値以下である場合、持続した期間内において手動運転モードと自動運転模擬モードでの各運転行動に偏差がないと考えられ、逆に、手動運転モードでの運転行動パラメータと自動運転模擬モードでの運転行動パラメータとの差が所定値より大きい場合、持続した期間内において手動運転モードと自動運転模擬モードでの各運転行動に偏差があると考えられ、これにより持続した期間内において各運転行動に偏差がある条件を決定する。
【0052】
例として、本願の実施例において、持続した期間内において各運転行動に偏差がある条件は、[キーデータ]-[時間]-[パラメータ]-[運転行動タイプ]の記述形式に抽象化されることができ、各パラメータ間はAND/OR関係により関連付けられる。キーデータとは、当該運転行動に対応する運転行動パラメータを指し、時間とは、比較される期間を指し、パラメータとは、運転行動パラメータの値を指す。偏差条件は、「偏差」があるか否か且つサンプル偏差データを収集するようにトリガーするまで達したか否かの根拠である。
【0053】
本願の実施例に記載されている、手動運転モードと自動運転模擬モードでの各運転行動に偏差がある条件を理解しやすくするために、以下、運転行動がそれぞれ駐車、追従、迂回、前進、後退、加速及び減速である場合を例として、手動運転モードと自動運転模擬モードでの各運転行動に偏差がある条件を説明する。
【0054】
例として、運転行動が「駐車」である場合、対応する運転行動パラメータが速度であるため、手動運転モードと自動運転模擬モードでの「駐車」という運転行動に偏差がある条件は、以下の通りであってよい。
【0055】
条件1
シャドウモデルから出力された速度が時間tで持続的にゼロであるが、手動運転モードで抽出された車速が時間tで持続的にゼロより大きい。
【0056】
条件2
シャドウモデルから出力された速度が時間tで持続的にゼロより大きいが、手動運転モードで抽出された車速が時間tで持続的にゼロである。
【0057】
条件1と条件2のいずれかの条件を満たす場合、手動運転モードでの運転行動パラメータとシャドウモデルから出力された運転行動パラメータとの差が第1の所定値より大きいため、手動運転モードと自動運転模擬モードでの「駐車」という運転行動に偏差があると判定する。第1の所定値は実際の必要に応じて設定することができ、ここで、第1の所定値の値に対して、本願の実施例において更なる限定をしない。
【0058】
この例では、[キーデータ]は手動運転モードでの加速度及びシャドウモデルから出力された加速度であり、[時間]は比較される時間t全体であり、[パラメータ]は0であり、[運転行動タイプ]は駐車である。
【0059】
例として、運転行動が「追従」である場合、その対応する運転行動パラメータはハンドル回転角度であり、手動運転モードと自動運転模擬モードでの「追従」という運転行動に偏差がある条件は、以下の通りであってよい。
【0060】
条件1
シャドウモデルから出力された前方車両からの距離、ハンドル回転角度が時間tで増加し続け、手動運転モードで抽出されたハンドル回転角度が時間tで持続的にaより小さい。
【0061】
条件2
シャドウモデルから出力された前方車両からの距離、ハンドル回転角度が時間tで持続的にaより小さいが、手動運転モードで抽出されたハンドル回転角度が時間tで増加し続ける。
【0062】
条件1と条件2のいずれかの条件を満たす場合、手動運転モードでの運転行動パラメータと自動運転模擬モードでの運転行動パラメータとの差が第2の所定値より大きいため、手動運転モードと自動運転模擬モードでの「追従」という運転行動に偏差があると判定する。第2の所定値は実際の必要に応じて設定することができ、ここで、第2の所定値の値に対して、本願の実施例において更なる限定をしない。
【0063】
この例では、[キーデータ]は手動運転モードでのハンドル回転角度及びシャドウモデルから出力されたハンドル回転角度であり、[時間]は比較される時間t全体であり、[パラメータ]はaであり、[運転行動タイプ]は追従である。
【0064】
例として、運転行動が「迂回」である場合、その対応する運転行動パラメータがハンドル回転角度であり、手動運転モードと自動運転模擬モードでの「迂回」という運転行動に偏差がある条件は、以下の通りであってよい。
【0065】
条件1
シャドウモデルから出力された動的障害物情報、ハンドル回転角度が時間tで持続的にaより小さいが、手動運転モードで抽出されたハンドル回転角度が時間tで増加し続ける。
【0066】
条件2
シャドウモデルから出力された動的障害物情報、ハンドル回転角度が時間tで増加し続けるが、手動運転モードで抽出されたハンドル回転角度が時間tで持続的にaより小さい。
【0067】
条件1と条件2のいずれかの条件を満たす場合、手動運転モードでの運転行動パラメータと自動運転模擬モードでの運転行動パラメータとの差が第3の所定値より大きい場合、手動運転モードと自動運転模擬モードでの「迂回」という運転行動に偏差があると判定する。第3の所定値は実際の必要に応じて設定することができ、ここで、第3の所定値の値に対して、本願の実施例において更なる限定をしない。
【0068】
この例では、[キーデータ]は手動運転モードでのハンドル回転角度及びシャドウモデルから出力されたハンドル回転角度であり、[時間]は比較される時間t全体であり、[パラメータ]はaであり、[運転行動タイプ]は迂回である。
【0069】
例として、運転行動が「前進/後退」である場合、その対応する運転行動パラメータはギアであり、手動運転モードと自動運転模擬モードでの「前進/後退」という運転行動に偏差がある条件は、以下の通りであってよい。
【0070】
シャドウモデルから出力されたギアと手動運転モードで抽出されたギアがt時間以上一致していない。
【0071】
この例では、[キーデータ]は手動運転モードでのギア及びシャドウモデルから出力された方向ギアであり、[時間]は比較される時間t全体であり、[パラメータ]はPギア、Dギア又はRギアなどのギアパラメータ値であり、[運転行動タイプ]は前進/後退である。
【0072】
例として、運転行動が「減速/加速」である場合、その対応する運転行動パラメータは加速度であり、手動運転モードと自動運転模擬モードでの「減速/加速」という運転行動に偏差がある条件は、以下の通りであってよい。
【0073】
条件1
シャドウモデルから出力された加速度が時間内tで常に0より大きいが、手動運転モードで抽出された加速度が時間tで持続的にΔaより小さい。
【0074】
条件2
シャドウモデルから出力された加速度が時間tで持続的にΔaより小さいが、手動運転モードで抽出された加速度が時間t内で常に0より大きい。
【0075】
条件1と条件2のいずれかの条件を満たす場合、人間の運転行動のパラメータ情報とシャドウモデルの運転行動のパラメータ情報との間に偏差があると判定する。
【0076】
この例では、[キーデータ]は車両の加速度及びモデルから出力された加速度であり、[時間]は比較される時間t全体であり、[パラメータ]はΔa及び0であり、[運転行動タイプ]は減速/加速である。
【0077】
以上、運転行動がそれぞれ駐車、追従、迂回、前進、後退、加速及び減速の7種の基本運転行動である場合に対応する偏差がある条件を詳細に説明した。なお、運転行動がこの7種の基本運転行動のうちの任意の2種又は複数の基本運転行動の組み合わせである場合、例えば、「ターニングシーンでの非常ブレーキ」、「後退シーンでの加速」などの運転行動である場合、それに対応する偏差がある条件は、任意の2種又は複数の基本運転行動に対応する偏差条件の組み合わせであり、いずれかの基本運転行動に対応する偏差条件に偏差がある場合にも、車両がサンプル偏差データを収集するように自動的にトリガーする。
【0078】
このように、それぞれ各運転行動に対応する、偏差があると判定する条件を取得した後、各運転行動に対応する、偏差があると判定する条件の組み合わせは、本願における偏差行動ルールを構成することができ、このように、当該偏差行動ルールに基づき、偏差があると判定した場合、車両がサンプル偏差データを自動的に収集するようにトリガーする。
【0079】
予め確立された偏差行動ルールを取得した後、予め確立された偏差行動ルールに基づき、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断し、即ち下記のステップS403を実行することができる。
【0080】
ステップS403では、予め確立された偏差行動ルールに基づき、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断する。
【0081】
予め確立された偏差行動ルールに基づき、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断することは、実質的に第1の運転行動パラメータ及び第2の運転行動パラメータが偏差行動条件を満たすか否かを判断することであり、第1の運転行動パラメータ及び第2の運転行動パラメータが偏差行動ルールのうちのいずれかの偏差条件を満たす場合、下記S404~S405を実行し、逆に、第1の運転行動パラメータ及び第2の運転行動パラメータが偏差行動ルールのうちの各偏差条件を満たしていない場合、下記S406~S407を実行する。
【0082】
ステップS404では、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があると判定する。
【0083】
第1の運転行動パラメータ及び第2の運転行動パラメータが偏差行動ルールのうちのいずれかの偏差条件を満たす場合、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があると判定し、且つ、偏差があると判定した場合、下記S405を実行する。
【0084】
ステップS405では、所定の期間内のサンプル偏差データを取得するように車両を制御し、サンプル偏差データは車体状態情報及び車両の環境情報を含む。
【0085】
本願の実施例において、ステップS405の関連する実装形態は上記ステップS304の関連する実装形態と類似し、上記ステップS304の関連する実装形態の説明を参照できるので、ここで、本願の実施例において繰り返して説明しない。
【0086】
このように、偏差行動ルールに基づいて第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータに偏差があると判定した場合、車両が所定の期間内のサンプル偏差データを収集するように自動的にトリガーし、車両の運転偏差行動に対する自動監視を実現し、偏差がある場合、車両がサンプル偏差データを自動的に収集するようにトリガーすることにより、サンプル偏差データの取得効率が向上する。
【0087】
ステップS406では、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差がないと判定する。
【0088】
第1の運転行動パラメータ及び第2の運転行動パラメータが偏差行動ルールのうちの各偏差条件を満たしていない場合、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差がないと判定し、且つ、偏差がないと判定した場合、下記S407を実行する。
【0089】
ステップS407では、当該第1の運転行動データ及び第2の運転行動データをクリアする。
【0090】
第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差がないと判定した場合、当該第1の運転行動データ及び第2の運転行動データをクリアすることにより、無効なデータの記憶によるメモリの占用を回避できる。
【0091】
上記のいずれかの実施例に基づいて、サンプル偏差データを取得した後、サンプル偏差データをクラウドサーバに送信しても良く、クラウドサーバが当該サンプル偏差データを受信した後、サンプル偏差データに基づいて自動運転モデルを最適化し、このように、自動運転モデルの精度を更に向上させることができる。
【0092】
例として、取得されたサンプル偏差データをクラウドサーバに送信する時、収集をトリガーするタイミングでのネットワーク条件が十分に良ければ、サンプル偏差データの収集過程において、収集されたサンプル偏差データをクラウドサーバにリアルタイムに送信することができ、逆に、収集をトリガーするタイミングでのネットワーク条件がそれ程良くなければ、まず収集されたサンプル偏差データを車両にバッファリングし、ネットワーク条件が良くなった場合、時間順に従って、順次に車両にバッファリングされたサンプル偏差データをクラウドサーバに送信することができ、クラウドサーバに対して、このようにすれば、自動運転行動と人間の運転行動に偏差がある場合にサンプル偏差データを収集・アップロードするように自動的にトリガーすることを実現可能である。
【0093】
なお、クラウドサーバが受信したサンプル偏差データを分類して記憶しやすくするために、第1の運転行動パラメータ、及び/又は第2の運転行動パラメータに基づき、車両の運転行動を決定し、車両の運転行動をサンプル偏差データのラベル情報として、クラウドサーバに併せて送信し、このように、クラウドサーバは車両の運転行動をサンプル偏差データのラベル情報として使用することができ、サンプル偏差データを分類して記憶しやすくなる。例として、車両の運転行動をサンプル偏差データのラベル情報として、クラウドサーバに併せて送信する時、ラベル情報を.jsonフォーマットのファイルで記録してもよいし、ラベル情報を他のフォーマットのファイルで記録してもよく、具体的に、実際の必要に応じて設定することができ、ここで、本願の実施例では、ラベル情報を.jsonフォーマットのファイルで記録する場合のみを例として説明したが、本願の実施例はこれのみに限定されるわけではない。
【0094】
実施例3
図5は本願の第3の実施例により提供されるサンプル偏差データの取得装置500を示す模式的なブロック図であり、例として、
図5に示すように、当該サンプル偏差データの取得装置500は、手動運転モードで、車両の第1の運転行動パラメータ、及び車両の自動運転模擬モードでの第2の運転行動パラメータを取得するための取得ユニット501と、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があるか否かを判断するための第1の処理ユニット502と、偏差がある場合、所定の期間内のサンプル偏差データを取得するように車両を制御するための制御ユニット503であって、サンプル偏差データは車体状態情報及び車両の環境情報を含む制御ユニット503と、を含むことができる。
【0095】
選択的に、制御ユニット503は、第1の制御モジュールと、第2の制御モジュールとを含み、第1の制御モジュールは、偏差があると判定したタイミングを開始タイミングとする第1の期間内のサンプル偏差データを収集するように車両を制御するために用いられ、第2の制御モジュールは、収集されたデータから偏差があると判定したタイミングの前の第2の期間内のサンプル偏差データを抽出するために用いられる。
【0096】
選択的に、第1の処理ユニット502は、具体的に、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータが偏差行動ルールを満たす場合、第1の運転行動パラメータと第2の運転行動パラメータとの間に偏差があると判定し、偏差行動ルールは、車両の手動運転モードと自動運転模擬モードでの各運転行動及び各運転行動に対応する運転行動パラメータに基づいて決定されたものである。
【0097】
選択的に、当該サンプル偏差データの取得装置500は、第2の処理ユニットと、第3の処理ユニットと、第4の処理ユニットとをさらに含み、第2の処理ユニットは、それぞれ車両の手動運転モードと自動運転模擬モードでの各運転行動に対応する運転行動パラメータを決定するために用いられ、第3の処理ユニットは、各運転行動に対応する運転行動パラメータに基づき、持続した期間内において手動運転モードと自動運転模擬モードでの各運転行動に偏差がある条件を決定するために用いられ、第4の処理ユニットは、手動運転モードと自動運転模擬モードでの各運転行動に偏差がある条件に基づき、偏差行動ルールを確立するために用いられる。
【0098】
選択的に、第3の処理ユニットは、第1の処理モジュールと、第2の処理モジュールとを含み、第1の処理モジュールは、各運転行動の手動運転モードでの運転行動パラメータと運転行動の自動運転模擬モードでの運転行動パラメータとを比較するために用いられ、第2の処理モジュールは、手動運転モードでの運転行動パラメータと自動運転模擬モードでの運転行動パラメータとの差が所定値より大きい場合、持続した期間内において手動運転モードと自動運転模擬モードでの各運転行動に偏差があると判定するために用いられる。
【0099】
選択的に、当該サンプル偏差データの取得装置500は、第1の送信ユニットをさらに含み、第1の送信ユニットは、サンプル偏差データをクラウドサーバに送信するために用いられ、サンプル偏差データは、クラウドサーバがサンプル偏差データに基づいて自動運転モデルを最適化するように指示するために用いられる。
【0100】
選択的に、当該サンプル偏差データの取得装置500は、第5の処理ユニットと、第2の送信ユニットとをさらに含み、第5の処理ユニットは、第1の運転行動パラメータ、及び/又は第2の運転行動パラメータに基づき、車両の運転行動を決定するために用いられ、第2の送信ユニットは、車両の運転行動をサンプル偏差データのラベル情報として、クラウドサーバに送信するために用いられる。
【0101】
本願の実施例により提供される当該サンプル偏差データの取得装置500は、上記のいずれかの実施例に示す当該サンプル偏差データの取得方法の技術的解決手段を実行することができ、その実現原理及び有益な効果は当該サンプル偏差データの取得方法の実現原理及び有益な効果と類似し、当該サンプル偏差データの取得方法の実現原理及び有益な効果を参照できるので、ここで繰り返して説明しない。
【0102】
本願の実施例によれば、本願は、コンピュータプログラムをさらに提供し、コンピュータプログラムは、可読記憶媒体に記憶され、電子機器の少なくとも1つのプロセッサは可読記憶媒体からコンピュータプログラムを読み取ることができ、少なくとも1つのプロセッサは、電子機器が上記のいずれかの実施例により提供される技術案を実行するように、コンピュータプログラムを実行し、その実現原理及び有益な効果は当該サンプル偏差データの取得方法の実現原理及び有益な効果と類似し、当該サンプル偏差データの取得方法の実現原理及び有益な効果を参照できるので、ここで繰り返して説明しない。
【0103】
本願の実施例によれば、本願は、電子機器及び可読記憶媒体をさらに提供する。
【0104】
図6は本願の実施例により提供される電子機器600を示す模式的なブロック図である。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、及び他の適切なコンピュータなどの様々な形態のデジタルコンピュータを表すことを目的とする。電子機器は、パーソナルデジタルプロセッサ、セルラ電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、他の類似するコンピューティングデバイスなどの様々な形態のモバイルデバイスを表すこともできる。本明細書で示されるコンポーネント、それらの接続と関係、及びそれらの機能は単なる例であり、本明細書の説明及び/又は要求される本願の実施を制限することを意図したものではない。
【0105】
図6に示すように、電子機器600は、リードオンリーメモリ(ROM)602に記憶されたコンピュータプログラム又は記憶ユニット608からランダムアクセスメモリ(RAM)603にロードされたコンピュータプログラムに基づき、各種の適切な動作及び処理を実行することができるコンピューティングユニット601を含む。RAM 603には、機器600の操作に必要な各種のプログラム及びデータを記憶することもできる。コンピューティングユニット601、ROM 602及びRAM 603は、バス604を介して互いに接続される。入力/出力(I/O)インタフェース605もバス604に接続される。
【0106】
機器600における複数のコンポーネントは、I/Oインタフェース605に接続され、キーボード、マウスなどの入力ユニット606と、様々なタイプのディスプレイ、スピーカなどの出力ユニット607と、磁気ディスク、光学ディスクなどの記憶ユニット608と、ネットワークカード、モデム、無線通信送受信機などの通信ユニット609と、を含む。通信ユニット609によって、機器600がインターネットなどのコンピュータネットワーク及び/又は各種の電気通信網を介して他の機器と情報/データを交換可能になる。
【0107】
コンピューティングユニット601は、処理とコンピューティング能力を備える様々な汎用及び/又は専用処理コンポーネントであってもよい。コンピューティングユニット601のいくつかの例は、中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、様々な専用の人工知能(AI)コンピューティングチップ、機械学習モデルアルゴリズムを実行する様々なコンピューティングユニット、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及び任意の適切なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含むが、これらに限定されない。コンピューティングユニット601は、サンプル偏差データの取得方法などの以上で説明される各方法と処理を実行する。例えば、いくつかの実施例において、サンプル偏差データの取得方法はコンピュータソフトウェアプログラムとして実現されることができ、記憶ユニット608などの機械可読媒体に有形的に含まれる。いくつかの実施例において、コンピュータプログラムの一部又は全部はROM 602及び/又は通信ユニット609を介して機器600にロード及び/又はインストールされることができる。コンピュータプログラムがRAM 603にロードされてコンピューティングユニット601により実行される場合、以上で説明されたサンプル偏差データの取得方法の1つ又は複数のステップを実行することができる。選択可能に、他の実施例において、コンピューティングユニット601は、他の任意の適切な方式(例えば、ファームウェア)によってサンプル偏差データの取得方法を実行するように配置されることができる。
【0108】
本明細書で説明されるシステムと技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け(ASIC)、特定用途用標準品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、複雑なプログラマブル論理デバイス(CPLD)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現することができる。これらの様々な実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラムで実施され、当該1つ又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラム可能なシステムで実行及び/又は解釈されることができ、当該プログラマブルプロセッサは、専用又は汎用のプログラマブルプロセッサであってもよく、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受信し、データ及び命令を当該記憶システム、当該少なくとも1つの入力装置、及び当該少なくとも1つの出力装置に伝送することができる。
【0109】
本願の方法を実施するためのプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせでプログラミングすることができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されることができ、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラにより実行される場合、フローチャート及び/又はブロック図で規定された機能/操作が実施される。プログラムコードは、完全に機器で実行されてもよく、部分的に機器で実行されてもよく、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして部分的に機器で実行されるとともに部分的に遠隔機器で実行されてもよく、又は完全に遠隔機器又はサーバで実行されてもよい。
【0110】
本願の文脈において、機械可読媒体は、有形的媒体であってよく、命令実行システム、装置又は機器に使用される、或いは命令実行システム、装置又は機器と組み合わせて使用されるプログラムを含むか記憶することができる。機械可読媒体は、機械可読信号媒体又は機械可読記憶媒体であってもよい。機械可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体システム、装置又は機器、又は上記内容の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに制限されない。機械可読記憶媒体のより具体的な例は、1つ又は複数のワイヤに基づいた電気的接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学記憶機器、磁気記憶機器、又は上記内容の任意の適切な組み合わせを含む。
【0111】
ユーザとのインタラクションを提供するために、コンピュータ上で、ここで説明されているシステム及び技術を実施することができ、当該コンピュータは、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、キーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)とを有し、ユーザは、当該キーボード及び当該ポインティングデバイスによって入力をコンピュータに提供することができる。他の種類の装置も、ユーザとのインタラクションを提供することができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態のセンシングフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、任意の形態(音響入力と、音声入力と、触覚入力とを含む)でユーザからの入力を受信することができる。
【0112】
ここで説明されるシステム及び技術は、バックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバとする)、又はミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータであり、ユーザは、当該グラフィカルユーザインタフェース又は当該ウェブブラウザによってここで説明されるシステム及び技術の実施形態とインタラクションすることができる)、又はこのようなバックエンドコンポーネントと、ミドルウェアコンポーネントと、フロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムで実施することができる。任意の形態又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によってシステムのコンポーネントを相互に接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)と、ワイドエリアネットワーク(WAN)と、インターネットとを含む。
【0113】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバとを含むことができる。クライアントとサーバは、一般に、互いに離れており、通常に通信ネットワークを介してインタラクションする。対応するコンピュータ上で実行され、かつ互いにクライアント-サーバの関係を有するコンピュータプログラムによって、クライアントとサーバとの関係が生成される。サーバは、クラウドサーバであってもよく、クラウドコンピューティングサーバ又はクラウドホストとも呼ばれ、クラウドコンピューティングサービス体系におけるホスト製品であり、従来の物理ホスト及び仮想プライベートサーバ(「Virtual Private Server」,「VPS」とも略称される)において、管理難度が高く、サービス拡張性が弱いという欠陥を解決する。サーバは、分散型システムのサーバであってもよく、又はブロックチェーンを組み合わせたサーバであってもよい。
【0114】
なお、上記に示される様々な形態のフローを使用して、ステップを並べ替え、追加、又は削除することができる。例えば、本願に記載されている各ステップは、並列に実行されてもよいし、順次実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよいが、本願で開示されている技術案が所望の結果を実現できれば、本明細書では限定しない。
【0115】
上記の具体的な実施形態は、本願の保護範囲を制限するものではない。当業者は、設計要件と他の要因に基づいて、様々な修正、組み合わせ、サブコンビネーション、及び代替を行うことができる。本願の精神と原則内で行われる任意の修正、同等の置換、及び改善などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。