(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020890
(43)【公開日】2022-02-02
(54)【発明の名称】透明バリアフィルム
(51)【国際特許分類】
B32B 9/00 20060101AFI20220126BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
B32B9/00 A
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020124131
(22)【出願日】2020-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000222462
【氏名又は名称】東レフィルム加工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100182785
【弁理士】
【氏名又は名称】一條 力
(72)【発明者】
【氏名】▲会▼田 博一
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E086AB01
3E086AD01
3E086BA04
3E086BA13
3E086BA15
3E086BB02
3E086BB05
3E086CA01
3E086CA17
4F100AA01B
4F100AA19A
4F100AK01A
4F100AK42A
4F100AR00C
4F100BA02
4F100BA03
4F100EH46C
4F100EH66B
4F100EJ55C
4F100GB07
4F100GB15
4F100GB41
4F100JB05C
4F100JD03
4F100JD03B
4F100JD04
4F100JD04B
4F100JL12C
4F100JN01
4F100JN06
4F100YY00A
4F100YY00B
4F100YY00C
(57)【要約】
【課題】
プラスチックフィルムの表面に比較的薄い酸化アルミニウム膜を形成する蒸着方法において、穴あけ加工をすることなく酸素バリア性を有し、かつ水蒸気の透過性が高い透明バリアフィルム、前記透明バリアフィルムを用いた積層体、および該積層体を用いた包装体を提供する。
【解決手段】
プラスチックフィルムの一方の面に無機化合物層を有し、酸素バリア性が5cc/m2・day・atm以下であり、水蒸気バリア性が6.0g/m2・day以上、かつ反射率が5%以上である透明バリアフィルム。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックフィルムの一方の面に無機化合物層を有し、酸素バリア性が5cc/m2・day・atm以下であり、水蒸気バリア性が6.0g/m2・day以上、かつ反射率が5%以上である透明バリアフィルム。
【請求項2】
無機化合物層が酸化アルミニウムであり、無機化合物層の膜厚が5~10nmであり、かつ無機化合物層を構成するO/AL質量比が2.15~2.30である請求項1に記載の透明バリアフィルム。
【請求項3】
請求項1、または、2のいずれかに記載の透明バリアフィルムの少なくとも一方の面にヒートシール層が積層され、前記ヒートシール層表面の水に対する接触角が30°以下である積層体。
【請求項4】
請求項3に記載の積層体を用いた包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明性とガスバリア性能を有する透明バリアフィルムを用いた包装体に関し、特に、プラスチックフィルム上に形成した酸化アルミニウム膜による透明バリアフィルムにおいて、酸素バリア性を有し、水蒸気の透過性が高いことを特徴とするバリアフィルムを用いた包装フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックフィルムの表面に金属や金属酸化物などの各種薄膜を形成した蒸着フィルムは、食品、医薬品、工業用品等の包装用途や、電化製品等の加飾用途、電子機器材料、建築材料等の各種用途に広く用いられている。中でも金属酸化物を形成した蒸着フィルムは、内容物の視認性や電子レンジ適性、ボイル・レトルト適性、異物検知性などに優れることから包装用途に広範に用いられている。
【0003】
中でも青果物の包装に関しては、青果物がしおれるのを防止するため、プラスチックフィルムによる包装が行われているが、この時、完全密封しておくと袋内が嫌気状態となり、青果物が窒息して、異臭が発生しやすくなる。特許文献1には、微細な貫通孔を複数設けた有孔フィルムを用いて青果物を包装する方法が開示されている。また、特許文献2には無孔フィルムを用いて熱シール部に未接着による空隙を残す方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2-85181号公報
【特許文献2】特開2000-59号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、特許文献2では、有孔フィルムや熱シール部の空隙による包装体では、微細孔の寸法のばらつきや変化によって青果物の鮮度保持にばらつきが生じたり、空気中の異物が混入する可能性があるという問題、また、長期間にわたって青果物の鮮度保持ができないという問題があった。本発明の目的は、プラスチックフィルムの表面に比較的薄い酸化アルミニウム膜を形成する蒸着方法において、穴あけ加工をすることなく酸素バリア性を有し、かつ水蒸気の透過性が高い透明バリアフィルム、該透明バリアフィルムを用いた積層体、および該積層体を用いた包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の透明バリアフィルムは、プラスチックフィルムの一方の面に無機化合物層を有し、酸素バリア性が5cc/m2・day以下であり、水蒸気バリア性が6g/m2・day以上、かつ、反射率が5%以上であることを特徴とする。
【0007】
また、前記無機化合物層が酸化アルミニウムであり、無機化合物層の膜厚が5~10nmであり、かつ無機化合物層を構成するO/AL質量比が2.15~2.30である。
【0008】
また、前記記載の透明バリアフィルムの少なくとも一方の面に、ヒートシール層を積層し、前記ヒートシール層表面の水に対する接触角が30°以下である積層体である。
【0009】
また、前記積層体を用いた包装体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、穴あけ加工をすることなく酸素バリア性を有し、かつ水蒸気透過性の高い透明バリアフィルム、該透明バリアフィルムを用いた積層体、および該積層体を用いた包装体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明におけるプラスチックフィルムは、特に限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドなどを挙げることができる。好ましくは、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが一般に使用される。また、プラスチックフィルムの厚さは特に限定されるものではないが、包装材料として適当な6~38μmの範囲が好ましい。さらに好ましくは9~25μmである。
【0012】
また無機化合物層の作製前に、プラスチックフィルム上に公知の表面処理、例えばコロナ放電処理、グロー放電処理やコーティングによるアンカーコート処理が施されてもよい。
【0013】
本発明において、無機化合物層は、酸化アルミニウムが好ましい。無機化合物層の膜厚は、5~10nmが好ましい。無機化合物層の膜厚が、5nm未満となると酸素バリア性が5cc/m2・day・atmを超え、10nmを超えると水蒸気バリア性が10g/m2・day未満となる場合がある。無機化合物の膜厚は、透過型電子顕微鏡で20万倍で同一視野で観察された無機化合物の厚さの3箇所の平均値により求めることができる。また、本発明において無機化合物層を構成するO/AL質量比は、2.15~2.30であることが好ましい。無機化合物層を構成するO/AL質量比が、2.15未満となると水蒸気バリア性が10g/m2・day未満となる場合があり、O/AL質量比が、2.30を超えると酸素バリア性が5cc/m2・day・atmを超える場合があり、目的とする酸素バリア性、水蒸気バリア性を得ることができない場合がある。本発明の無機化合物層を構成するO/AL質量比は、以下の方法により測定される。X線電子分光法(X線光電子分光分析装置、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製、型式 K-Alpha)により、500eVで無機化合物表面からArガスを用いて、エッチングし、エッチングタイム105秒時の酸素、アルミニウム、炭素の原子組成百分率を酸素(105)atm%、アルミニウム(105)atm%、炭素(105)atm%とした場合、次の式、O/AL質量比=酸素(105)atm%/アルミニウム(105)atm%から算出した。
【0014】
本発明の透明バリアフィルムの反射率とは、透明バリアフィルムを50枚積層した状態での反射濃度計(日本電色工業製、ND-11)で測定した反射率のことをいう。フィルムの透明性は、光線透過率で示されることが一般的であるが、光線透過率による差異と視感が合致しないことから、反射率で透明バリアフィルムの透明性を評価することが好ましい。また、本発明の透明バリアフィルムの反射率は、5.0%以上であることが好ましく、内容物の状態を確認しやすくするために、6.0%以上がより好ましい。
【0015】
本発明において、無機化合物の形成方法は、上述の無機化合物が、形成される方法であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム蒸気と酸素とを反応させることにより、走行する長尺のプラスチックフィルム上に酸化アルミニウム膜を連続的に形成する反応性蒸着法が挙げられる。すなわち真空装置内において、長尺のプラスチックフィルムロールを繰り出し軸から連続的に繰り出し、蒸着領域においてプラスチックフィルム上でアルミニウム蒸気と酸素を反応させることで酸化アルミニウム膜を形成し、巻取り軸に巻き取って製品ロールとする。
【0016】
アルミニウム蒸気を蒸発させるための方法は、高周波誘導加熱方式、抵抗式ボート加熱方式、電子ビーム加熱方式などいずれの方式でも良く、プラスチックフィルムの幅方向に均一に蒸着ができるように蒸発源が配置される。通常、真空蒸着装置は、プラスチックフィルムの繰り出し軸、蒸着フィルムの巻取り軸を含むフィルムの走行のための機構を内蔵する部分(以下、上室と呼ぶことがある)と、蒸発源を含む蒸着部分(以下、下室と呼ぶことがある)は隔壁により分離されており、それぞれの部屋は独立した排気システムにより排気される。走行するプラスチックフィルムは、蒸着のための冷却ドラムと隔壁との隙間を通って回転する冷却ドラムに密着して上室から下室に入り、再び上室に戻る。生産性、コストの面から、上述の反応性蒸着法が好ましい。
【0017】
本発明の積層体とは、本発明の透明バリアフィルムの少なくとも一方の面にヒートシール層を積層し、前記ヒートシール層表面の水に対する接触角が30°以下である積層体とのことをいう。前記ヒートシール層は、熱可塑性のある層であれば、特に限定されないが、分子内にカルシボル基または酸無水物基を有するエチレン系重合体が好ましい。エチレン系重合体としては、エチレンと不飽和カルボン酸またはその無水物との共重合体が挙げられる。該不飽和カルボン酸またはその無水としては、分子内に少なくとも1個のカルボシル基または酸無水物基を有する化合物であって、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等があげられる。無機酸化物の蒸着膜との接着性を良好なものとするために、エチレンと、アクリル酸またはメタクリル酸との共重合体が、特に好ましく使用される。ヒートシール層の厚さは、生産性、コストや接着性の観点から、好ましくは1~50μm程度であり、より好ましくは3~20μm程度である。
【0018】
本発明の積層体のヒートシール層表面の水に対する接触角は、30°以下であることが好ましい。30°を超えると内容物である青果物から発生した水蒸気がヒートシール層上で水滴になる場合があり、青果物に付着することになり、好ましくない。ヒートシール層表面の水に対する接触角を30°以下にする方法としては、水に対する接触角が30°以下であるヒートシール層を、本発明の透明バリアフィルム上に積層する方法、ヒートシール層を本発明の透明バイアフィルム上に積層した後、ヒートシール表面をコロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、あるいはオゾン処理などの処理を行い、水に対する接触角を30°以下にする方法などが挙げられる。積層体を作製中にインラインで処理しても良いし、積層体を巻き取った後、オフラインで処理をしても良い。
【0019】
本発明の透明バリアフィルム上にヒートシール層を形成する方法としては、熱可塑性樹脂を押出しする押出コートとしてもよいし、ヒートシール層を接着剤等を介してドライラミネートしてもよいし、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式などいずれの方式でコートしても良い。
【0020】
本発明を前述の積層体にすることによって、積層体のヒートシール層同士を熱融着、熱接着することで包装体にすることができるとともに、包装体の内容物である青果物から蒸発した水蒸気をヒートシール層上で水膜にすることで、青果物に水分が付着せず、水分による青果物の劣化を抑制することができ、好ましい。
【0021】
本発明の包装体とは、本発明の積層体を用いた包装体のことをいう。積層体を包装体にする方法としては、水に対する接触角が30°以下であるヒートシール層を、熱を用いて溶融しながら加圧、冷却し、積層体のヒートシール同士を接着し、袋状に加工することができる。本発明の包装体を用いることにより、長期間に青果物の鮮度保持をすることができる。
【実施例0022】
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0023】
(酸素バリア性の評価)
測定機器:MOCON社 酸素透過率計OX-TRAN2/21
測定方法:JIS K 7126 2:2006(等圧法)
測定条件:23℃×90%RH
判定を下記とした。
○:5.0cc/m2・day・atm以下
×:5.0/m2・day・atmを超える。
【0024】
(水蒸気バリア性の評価)
測定機器:MOCON社 水蒸気透過率計PERMATRAN-W3/33
測定方法:JIS K 7129 B:2019(等圧法)
測定条件:40℃×90%RH
判定を下記とした。
○:6.0g/m2day・atm以上
×:6.0g/m2day・atm未満。
【0025】
(反射率の評価方法)
日本電色工業製反射濃度計ND-11を用い、平坦な台の上に蒸着フィルムを50枚重ねて置き、反射率のモードでCIE表色系による反射率を測定し、蒸着フィルムの幅方向5点の平均値で5.0%以上を〇、5.0%未満を×とした。
【0026】
(無機化合物の膜厚観察方法)
観察対象となるフィルムをマイクロサンプリング法でサンプリング後、収束イオンビーム加工装置(日立製作所製 FB-2000)を用いて薄膜化を行った。その後、サンプル保護のため、炭素およびタングステン保護膜を形成した。このサンプルを電界放出形透過電子顕微鏡(日立製作所製 HF-2200、以下TEMと称する)で観察倍率20万倍で無機化合物を観察し、同一視野で観察された無機化合物の厚さの3箇所の平均値を無機化合物の膜厚とした。
【0027】
(無機化合物層を構成するO/AL質量比の算出方法)
X線電子分光法(X線光電子分光分析装置、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製、型式 K-Alpha)により、500eVで無機化合物表面からArガスを用いて、エッチングし、エッチングタイム105秒時の酸素、アルミニウム、炭素の原子組成百分率を酸素(105)atm%、アルミニウム(105)atm%、炭素(105)atm%とした場合、次の式、O/AL比=酸素(105)atm%/アルミニウム(105)atm%から算出した。
【0028】
(実施例1)
連続式真空蒸着機(AMAT社)を用い、プラスチックフィルムとして厚さ12μm、幅2040mmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製“ルミラー”(登録商標)P60、以下PETフィルムと称する)上に高周波誘導加熱方式で加熱したるつぼから金属アルミニウムを蒸発させアルミニウム膜を蒸着した。この状態から酸素を徐々に導入しながら透明な酸化アルミニウム膜とした場合の、酸化アルミニウム膜の膜厚と、酸素導入前のアルミニウム蒸着フィルムの蒸着機中でのインラインの光線透過率計での光線透過率の関係を把握した。
【0029】
一定のフィルム走行速度に設定し、目的とする酸化アルミニウム膜の膜厚に対応したアルミニウムの光線透過率とするためのアルミニウムの蒸発量に設定した後、フィルム走行方向の上流側と中央部から導入する酸素量の比率を一定にしながら、徐々に酸素導入量を増加し、インラインの光線透過率計を確認しながら、無機化合物の膜厚を6nm、光線透過率が89%の透明バリアフィルムを作製した。なお、インライン透過率はフィルムが通っていないときは100%を表示し、蒸着されていないPETフィルムでは88%を表示する。
【0030】
大気取り出し後、24時間経過したものの酸素バリア性、水蒸気バリア性、反射率、無機化合物の膜厚を測定し、無機化合物層を構成するO/AL質量比を算出した。
【0031】
(実施例2)
無機化合物の膜厚を8nm、光線透過率を88%とした以外は、実施例1と同じ方法で透明バリアフィルムを作製した。大気取り出し後、24時間経過したものの酸素バリア性、水蒸気バリア性、反射率、無機化合物の膜厚を測定し、無機化合物層を構成するO/AL質量比を算出した。
【0032】
(実施例3)
無機化合物の膜厚を9nm、光線透過率を86%とした以外は、実施例1と同じ方法で透明バリアフィルムを作製した。大気取り出し後、24時間経過したものの酸素バリア性、水蒸気バリア性、反射率、無機化合物の膜厚を測定し、無機化合物層を構成するO/AL質量比を算出した。
【0033】
(実施例4)
実施例1に記載の透明バリアフィルムの無機化合物上に、ヒートシール層として、ヒートシール材(東洋モートン製 タイプ名:EA-H700)を用いて、ヒートシール層の厚さが2μmとなるようにバーコーターで塗布し、100℃で乾燥した。ヒートシール層表面が水に対する接触角が28°となるようにコロナ処理を行い、積層体を作製した。
【0034】
(実施例5)
実施例4に記載の積層体のヒートシール層同士を向かい合うように重ね、富士テック製“ラミパッカー”(登録商標)LPA330を用いて、ヒートロールを115℃に加熱して3方を熱融着貼り合わせし、横300mm、縦300mmの包装体を作製した。作製した包装体に青果物として、カリフラワーを入れ、温度23℃、湿度45%RHの環境下に4日保管後に、包装体から青果物を取り出し、青果物の状態を確認した。青果物の鮮度保持度を次の基準で判定した。〇:保管前と同じ、×:一部に変色が見られた。
【0035】
(比較例1)
無機化合物の膜厚を8nm、光線透過率を86%とした以外は、実施例1と同じ方法で透明バリアフィルムを作製した。大気取り出し後、24時間経過したものの酸素バリア性、水蒸気バリア性、反射率、無機化合物の膜厚を測定し、無機化合物層を構成するO/AL質量比を算出した。
【0036】
(比較例2)
無機化合物の膜厚を12nm、光線透過率を87%とした以外は、実施例1と同じ方法で透明バリアフィルムを作製した。大気取り出し後、24時間経過したものの酸素バリア性、水蒸気バリア性、反射率、無機化合物の膜厚を測定し、無機化合物層を構成するO/AL質量比を算出した。
【0037】
(比較例3)
無機化合物の膜厚を11nm、光線透過率を88%とした以外は、実施例1と同じ方法で透明バリアフィルムを作製した。大気取り出し後、24時間経過したものの酸素バリア性、水蒸気バリア性、反射率、無機化合物の膜厚を測定し、無機化合物層を構成するO/AL質量比を算出した。
【0038】
(比較例4)
無機化合物の膜厚を15nm、光線透過率を83%とした以外は、実施例1と同じ方法で透明バリアフィルムを作製した。大気取り出し後、24時間経過したものの酸素バリア性、水蒸気バリア性、反射率、無機化合物の膜厚を測定し、無機化合物層を構成するO/AL質量比を算出した。
【0039】
(比較例5)
無機化合物の膜厚を18nm、光線透過率を79%とした以外は、実施例1と同じ方法で透明バリアフィルムを作製した。大気取り出し後、24時間経過したものの酸素バリア性、水蒸気バリア性、反射率、無機化合物の膜厚を測定し、無機化合物層を構成するO/AL質量比を算出した。
【0040】
(比較例6)
無機化合物の膜厚を4nm、光線透過率を89%とした以外は、実施例1と同じ方法で透明バリアフィルムを作製した。大気取り出し後、24時間経過したものの酸素バリア性、水蒸気バリア性、反射率、無機化合物の膜厚を測定し、無機化合物層を構成するO/AL質量比を算出した。
【0041】
(比較例7)
接着剤の主剤としてポリエステルポリオール(東洋モートン製、AD-503)50重量部に対して、硬化剤としてポリイソシアネート(東洋モートン製、CAT-10)2.5重量部、溶剤として酢酸エチル50重量部を室温で撹拌しながら混合し、バーコーターを使用して比較例5に記載の透明バリアフィルムの無機化合物上に、塗布し、熱風オーブンで乾燥後、ヒートシール層として厚さ30μmのポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工製“トレファン”(登録商標)NO 3951)と貼り合わせした後、40℃のオーブンで72時間保管した。保管後のヒートシール層表面を水に対する接触角が33°になるようにコロナ処理を実施し、積層体とした。この積層体の酸素バリア性、水蒸気バリア性を測定した。
【0042】
(比較例8)
比較例7に記載の積層体を用いて、実施例4と同様の方法で、包装体を作製した。実施例5と同様の青果物を本包装体に入れ、実施例5と同じ方法で保管、保管後の外観評価を行い、青果物の鮮度保持度を判定した。
【0043】
上記実施例、比較例について、酸素バリア性、水蒸気バリア性、反射率、無機化合物の膜厚、無機化合物層を構成するO/AL質量比、水との接触角、青果物の鮮度保持度を表1にまとめて示す。
【0044】