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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021000
(43)【公開日】2022-02-02
(54)【発明の名称】抗菌剤入り容器
(51)【国際特許分類】
   A01N 59/16 20060101AFI20220126BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20220126BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20220126BHJP
   A01N 25/02 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
A01N59/16 A
A01P1/00
A01P3/00
A01N25/02
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020124328
(22)【出願日】2020-07-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】597021369
【氏名又は名称】日の丸カーボテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河尻 義孝
(72)【発明者】
【氏名】中村 宏昌
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA02
4H011BA01
4H011BB18
4H011BC03
4H011DA13
(57)【要約】
【課題】銀イオン水である抗菌剤と香料とが収容された抗菌剤入り容器において、容器内で香料の残渣や析出した結晶による配管の目詰まりが抑制され、銀イオン水が無くなった後でも銀イオン水を補充することで香料又は香料成分を含有する抗菌剤を供給することができる抗菌剤入り容器を提供すること。
【解決手段】容器と、容器内に収容される抗菌剤と、包袋に格納された香料とを含有し、抗菌剤は銀イオン水であり、包袋は不織布からなり、包袋は抗菌剤中に浸漬されている、抗菌剤入り容器。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、該容器内に収容される抗菌剤と、包袋に格納された香料とを含有し、
前記抗菌剤は、銀イオン水であり、
前記包袋は、不織布からなり、
前記包袋は、前記抗菌剤中に浸漬されている、抗菌剤入り容器。
【請求項2】
前記香料はメントールである、請求項1に記載の抗菌剤入り容器。
【請求項3】
前記メントールは粉末状又は顆粒状である、請求項2に記載の抗菌剤入り容器。
【請求項4】
前記メントールの平均粒子径は10μm以上20mm以下である、請求項3に記載の抗菌剤入り容器。
【請求項5】
前記包袋内に格納するメントールの量は、前記抗菌剤の質量を基準に0.1質量%以上20質量%以下である、請求項2~4のいずれか一項に記載の抗菌剤入り容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌剤入り容器に関する。
【背景技術】
【0002】
水中に銀イオンを含有する銀イオン水は、殺菌及び抗菌作用を有することが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08-192161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば新型コロナウイルス等の感染症拡大防止の観点から、マスクの使用が急激に増加している。そのような状況下、一度使用したマスクを殺菌及び抗菌して再利用することが提案されている。一方、マスクは使用者の顔の鼻孔から下の範囲の少なくとも一部を覆うため、マスクの再利用の際には、マスクに付着した臭気が低減されることが望ましい。また、マスクの夏場の使用の際には、マスク装着時の熱気や蒸れが使用者に不快感を及ぼすことがある。そこで、マスクを殺菌や抗菌すると共にマスクに清涼感や爽快感、冷感等を付与することを目的として、銀イオン水である抗菌剤に香料を配合することが検討されている。しかしながら、香料を容器中の銀イオン水に直接投入して混ぜ合わせた場合には、香料の残渣や析出した結晶により容器が有する配管に目詰まりを生じさせる場合があった。
【0005】
本発明の目的は、銀イオン水である抗菌剤と香料とが収容された抗菌剤入り容器において、容器内で香料の残渣や析出した結晶による配管の目詰まりが抑制され、銀イオン水が無くなった後でも銀イオン水を補充することで香料又は香料成分を含有する抗菌剤を供給することができる抗菌剤入り容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の抗菌剤入り容器を提供する。
[1] 容器と、該容器内に収容される抗菌剤と、包袋に格納された香料とを含有し、
前記抗菌剤は、銀イオン水であり、
前記包袋は、不織布からなり、
前記包袋は、前記抗菌剤中に浸漬されている、抗菌剤入り容器。
[2] 前記香料はメントールである、[1]に記載の抗菌剤入り容器。
[3] 前記メントールは粉末状又は顆粒状である、[2]に記載の抗菌剤入り容器。
[4] 前記メントールの平均粒子径は10μm以上20mm以下である、[3]に記載の抗菌剤入り容器。
[5] 前記包袋内に格納するメントールの量は、前記抗菌剤の質量を基準に0.1質量%以上20質量%以下である、[2]~[4]に記載の抗菌剤入り容器。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、銀イオン水である抗菌剤と香料とが収容された抗菌剤入り容器において、容器内で香料の残渣や析出した結晶による配管の目詰まりが抑制され、銀イオン水が無くなった後でも銀イオン水を補充することで香料又は香料成分を含有する抗菌剤を供給することができる抗菌剤入り容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る抗菌剤入り容器の概略図である。
図2】本発明に係る抗菌剤入り容器の概略図である。
図3】本発明に係る抗菌剤入り容器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の全ての図面においては、各構成要素を理解し易くするために縮尺を適宜調整して示しており、図面に示される各構成要素の縮尺と実際の構成要素の縮尺とは必ずしも一致しない。
【0010】
本発明の抗菌剤入り容器は、容器と、容器内に収容される抗菌剤と、包袋に格納された香料とを含有し、抗菌剤は銀イオン水であり、包袋は不織布からなり、包袋は抗菌剤中に浸漬されている。本発明において、抗菌剤は、抗菌作用とともに、殺菌作用及び消毒作用をも有することができる。本発明において、香料は、香りを付与する作用だけでなく、消臭作用、脱臭作用、防臭作用及び冷感作用をも有することができる。
【0011】
本発明の抗菌剤入り容器は、香料が包袋に格納された状態で抗菌剤中に浸漬されていることにより、包袋に格納された香料又は香料に含まれる香料成分が抗菌剤中に溶け出し、香料又は香料成分を含有する抗菌剤(以下、簡略化のため香料含有抗菌剤ともいう)を供給することができるようになる。
【0012】
本発明の抗菌剤入り容器について、図1を参照しながら説明する。図1に示す抗菌剤入り容器10は、容器本体11と、容器本体11に装着部15を介して装着されたポンプ部12とを備えるトリガースプレー式抗菌剤入り容器である。図1は、容器本体11内部が示されるように記載されている。ポンプ部12は、容器本体11内の香料含有抗菌剤16を配管18を通じて吸引及び圧送可能なポンプを内蔵し、ポンプ部12は、配管18と、ポンプを作動させる操作レバー13と、ポンプの作動によって香料含有抗菌剤16を吐出又は噴出させるノズル14とが備えられている。
【0013】
抗菌剤入り容器10は、図1に示すようなトリガースプレー式抗菌剤入り容器であってよく、プッシュスプレー式抗菌剤入り容器やポンプディスペンサー式抗菌剤入り容器であってよく、また、ポンプ部12と装着部15とを備える代わりに容器本体11にキャップが装着されたキャップ付抗菌剤入り容器であってもよい。
【0014】
抗菌剤入り容器10は、操作レバー13の牽曳操作によって作動するポンプ部12に内蔵されたポンプにより、容器本体内の液体をノズル14から霧状にして噴出させることができる。ポンプ部12が有するポンプ機構は従来よりトリガースプレー式容器の分野において公知のポンプ機構であることができる。
【0015】
容器本体11は、例えばプラスチック製であってもよく、ガラス製であってもよい。耐久生の観点からプラスチック製が好ましい。容器本体11を構成するプラスチックの種類としては、例えばポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン及びポリエーテルスルホンポリマー等が挙げられる。ポンプ部12、操作レバー13、ノズル14、装着部15及び配管18はプラスチック製であってよく、そのプラスチックの種類としては容器本体11を構成するプラスチックの種類の例示が適用される。
【0016】
装着部15は、例えばねじ式になっていてよく、銀イオン水の補充の際には装着部15を緩めることによりポンプ部12を容器本体11から取外すことできるようになっている。
【0017】
容器本体11は、香料含有抗菌剤16を含む。容器本体11が収容可能な香料含有抗菌剤16の最大容量は特に限定されるものではないが、例えば10mL以上10L以下であってよく、好ましくは50mL以上1L以下、より好ましくは100mL以上500mL以下である。
【0018】
香料含有抗菌剤16は、銀イオン水と、包袋17に格納された香料から溶け出した香料又は香料成分とを含有する。香料含有抗菌剤16は好ましくは銀イオン水と、包袋17に格納された香料から溶け出した香料又は香料成分とのみを含有する。包袋17内に格納された香料は、香料含有抗菌剤16中に完全に又は部分的に浸漬されている。香料を格納した包袋17は香料含有抗菌剤16中に完全に浸漬されていてもよく、部分的に浸漬されていてもよい。
【0019】
銀イオン水は、銀イオン(Ag)を含有する純水であることができる。銀イオン水は、抗菌及び殺菌作用を有し、特にインフルエンザウイルスやヘルペスウイルスに対して効果を有するとともに、消臭及び防臭作用をも有する。また、銀イオン水は、無臭であり、皮膚に対して低刺激性であるため、マスクや衣類等の人体に接触するような物品の殺菌や抗菌等に好適である。さらに、金属に対しても影響を及ぼしにくく、持続性もあり、空中散布も可能であることから、家具、電化製品、乗物、室内や屋外の施設に対しても使用可能である。銀イオン水は、貯蔵期間も長く(約2年)、保管も容易であることから取り扱い性にも優れる。
【0020】
銀イオン水に含まれる純水の導電率は例えば100μs/cm以下であってよく、好ましくは50μs/cm以下、より好ましくは10μs/cm以下、さらに好ましくは1.0μs/cm以下である。純水の導電率は通常0.1μs/cm以上である。
【0021】
銀イオン水中の銀イオンの含有率は、例えば0.01ppm以上20ppm以下であってよく、好ましくは0.1ppm以上10ppm以下、さらに好ましくは1ppm以上5ppm以下である。
【0022】
銀イオン水は、例えば電気分解法により製造することができる。電気分解法では、水中において間隔をあけて配置された二つの銀電極間に電圧を印加することにより、陽極側の銀電極では、Ag→Ag+eの反応が起こり、水中に銀イオンが溶出する。電気分解法による銀イオン水の製造は、例えば特開2018-134580号公報等に記載の銀イオン水製造装置等を用いて行うことができる。
【0023】
包袋17内には、香料が格納されている。香料は、包袋17に格納することができればその形態は特に限定されないが、包袋17内に格納し易く、包袋17内から漏出しにくい観点から固体状が好ましい。香料は包袋17内に格納されて銀イオン水に浸漬されるため、結晶化し易い香料や結晶の粒子を固めた顆粒状の香料、あるいは残渣が発生し易い植物系香料であっても、香料の結晶や残渣が銀イオン水中に拡散及び沈殿しにくく、その結果、香料の結晶や残渣による配管の目詰まりを生じさせにくくすることができる。また、容器本体内の香料含有抗菌剤が無くなった場合でも、包袋内に香料が残存している場合には銀イオン水を充填することで再び香料含有抗菌剤の使用が可能となる。
【0024】
香料は、香料自体が銀イオン水に溶解性を有するものであってよく、銀イオン水に溶解性を有する香料成分を含む物質であってもよい。香料の形態は、例えば香料又は香料成分の結晶や、植物の葉、茎、種子、樹皮、果皮等であってよい。香料の種類は特に限定されず、例えば、合成香料、天然香料およびこれらの混合物であってよい。
【0025】
香料及び香料成分としては、例えば以下のものが挙げられる。
メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3-1-メントキシプロパン-1,2-ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N-置換-パラメンタン-3-カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート、
【0026】
アロエ、アニスシード、エルダー、エレウテロコック、オオバコ、オレンジフラワー、オールスパイス、オレガノ、カノコソウ、カモミル、カプシカムペッパー、カルダモン、カシア、ガーリック、キャラウエイシード、クローブ、クミンシード、コーラ、コリアンダーシード、五倍子、サフラン、サンショウ、ジュニパーベリー、シナモン、ジャスミン、ジンジャー、スター・アニス、スペアミント、セント・ジョーンズ・ウオルト、セロリーシード、セイボリー、セサミ、ダイオウ、タラゴン、ターメリック、チィスル、デイルシード、ナツメグ、ネットル、ハイビスカス、ハマメリス、バーチ、バジル、ビター・オレンジ、フェンネル、プリムローズ、フェヌグリーク、ペパーミント、ベルベナ、ベイローレル、ホップ、ボルドー、ホースラデイッシュ、ポピーシード、没食子、マリーゴールド、マロー、マジョラム、マスタード、ミルフォイル、ミントリーブス、メリッサ、メース、リンデン、マンダリン、ライム、リンドウ、ローズ、ローズヒップ、ローズマリー、レモングラス、マンネンロウ、ひまわり種子、
【0027】
ブドウ果皮、リンゴ、ニンジン葉、バナナ、イチゴ、アンズ、オレンジ、レモン、ハッカ、モモ、プラム、パイナップル、ナシ、カキ、サクランボ、パパイヤ、マンゴー、アボガド、メロン、ビワ、イチジク、キウイ、プルーン、ブルーベリー、ブラックベリー、ラスベリー、ツルコケモモ、コーヒー豆、カカオ豆、ブドウ種子、グレープフルーツ種子、ペカンナッツ、カシューナッツ、クリ、ココナッツ、ピーナツ、クルミ、緑茶葉、紅茶葉、ウーロン茶葉、タバコ、シソ葉、ニワタイム、セージ、ラベンダー、スペアミント、ペパーミント、サントリソウ、ヒソップ、メボウキ、マリーゴールド、タンポポ、アーチチョーク、ドイツカミルレ、キンミズヒキ、カンゾウ、アニス、ノコギリソウ、ユーカリ、ワームウッド、香油、シシウド、コロハ、シシトウガラシ、ウイキョウ、トウガラシ、コエンドロ種子、ヒメウイキョウ種子、ウイキョウ種子、ショウガ、西洋ワサビ、マヨラナ、ハナハッカ、カラシ、パセリ、コショウ、セイヴォリー、タラゴン、ウコン、ワサビ、イノンド種子、柑橘果実等。
【0028】
香料は、清涼感や爽快感とともに冷感や消臭効果も付与できる観点から好ましくはメントール、より好ましくはl-メントールである。香料含有抗菌剤16は、銀イオン水と、メントールとのみを含有する。
【0029】
銀イオン水にメントールを直接投入して調製した抗菌剤は、メントールの結晶を含んでいたり、また、このような抗菌剤をろ過して容器に充填した場合でも、使用及び保管の際に容器内で結晶が析出したりすることがある。本発明者により、包袋内に格納したメントールを銀イオン水中に浸漬して銀イオン水中にメントールを溶解させることにより、メントールの結晶が銀イオン水中で析出しにくくなり、また、包袋内に香料が残存している場合には、容器本体中の香料含有抗菌剤が無くなった場合でも銀イオン水を充填することで、メントールの結晶を生じさせずに再び香料含有抗菌剤の使用が可能となることが見出された。
【0030】
メントールは、例えば粉末状、顆粒状であってよく、包袋17内に収容可能な大きさであれば結晶塊であってもよい。包袋17内への収容のし易さ及び銀イオン水への溶解性の観点から粉末状が好ましい。粉末状メントールの平均粒子径は、例えば10μm以上20mm以下であってよい。粉末の形状は、例えば棒状及び粒状であってよく、これらの形状が混ざったものであってもよい。
【0031】
香料がメントールである場合、包袋17内に格納するメントールの量は、銀イオン水である抗菌剤の質量を基準に例えば0.1質量%以上20質量%以下、好ましくは1質量%以上15質量%以下、より好ましくは5質量%以上10質量%以下である。
【0032】
香料含有抗菌剤16中の溶解したメントールの含有率は、香料含有抗菌剤16を基準に例えば0.01ppm以上0.5ppm以下であってよく、好ましくは0.05ppm以上0.4ppm以下、より好ましくは0.1ppm以上0.3ppm以下である。
【0033】
メントールは市販品を用いてよく、例えば長岡実業株式会社製の粉末状メントール等を用いることができる。
【0034】
包袋17は不織布から構成されている。包袋17は、香料を格納することができるように、開口部を備えた袋状構造を有する。包袋17は、香料を格納した後、香料が開口部から漏出するのを防止するため、開口部付近に、内側に裏返すことで封をすることができる返し部を備えていてもよい。また、包袋17は、香料を格納し易くするため底部又は側部にプリーツ構造を有していてもよい。包袋17は、例えば市販品を使用することができ、例えば株式会社トキワ工業製「お茶パック」等を用いることができる。
【0035】
不織布は、例えばアラミド繊維、ガラス繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリオレフィン繊維、レーヨン繊維、合成ゴム、エチレン酢酸ビニル繊維、ポリアミド繊維等であってよく、好ましくはポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維である。不織布がポリエチレン繊維、エチレン酢酸ビニル樹脂、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の熱可塑性樹脂からなる場合、包袋17に香料を格納した後、加熱圧着により包袋17の開口部を封止してもよい。
【0036】
不織布は、最大細孔径が香料の結晶や残渣が包袋17から漏出しない程度の大きさであればよく、平均細孔径が例えば0.1μm以上100μm以下であってよい。
【0037】
香料含有抗菌剤16は、まず包袋17に香料を格納した後、本体容器11内に香料を格納した包袋17を投入し、次いで本体容器11に銀イオン水を充填することにより調製することができる。
【0038】
図2に示す抗菌剤入り容器20は、容器本体21と、容器本体21に装着部25を介して装着されたポンプ部22とを備えるプッシュスプレー式抗菌剤入り容器である。ポンプ部22は、容器本体21内の香料含有抗菌剤26を配管28を通じて吸引及び圧送可能なポンプを内蔵し、ポンプ部22に、配管28と、ポンプを作動させるプッシュボタン23と、ポンプの作動によって香料含有抗菌剤26を吐出又は噴出させるノズル24とが備えられている。
【0039】
抗菌剤入り容器20は、プッシュボタン23の押圧操作によって作動するポンプ部22に内蔵されたポンプにより、容器本体内の香料含有抗菌剤26をノズル24から霧状にして噴出させることができる。ポンプ部22が有するポンプ機構は従来よりプッシュボタン式容器の分野において公知のポンプ機構であってよい。抗菌剤入り容器10において説明した容器本体、装着部、抗菌剤、香料含有抗菌剤、包袋及び香料の説明は抗菌剤入り容器20にも適用される。
【0040】
図3に示す抗菌剤入り容器30は、容器本体31と、容器本体31に装着部35を介して装着されたポンプ部32とを備えるポンプディスペンサー式抗菌剤入り容器である。ポンプ部32は、容器本体31内の香料含有抗菌剤36を配管38を通じて吸引及び圧送可能なポンプを内蔵し、ポンプ部32に、配管38と、ポンプを作動させるノズルヘッド33と、ポンプの作動によって香料含有抗菌剤36を吐出又は噴出させるノズル34とが備えられている。
【0041】
抗菌剤入り容器30は、ノズルヘッド33の押圧操作によって作動するポンプ部32に内蔵されたポンプにより、容器本体内の香料含有抗菌剤36をノズル34から吐出させることができる。ポンプ部32が有するポンプ機構は従来よりポンプディスペンサー式容器の分野において公知のポンプ機構であってよい。抗菌剤入り容器10において説明した容器本体、装着部、抗菌剤、香料含有抗菌剤、包袋及び香料の説明は抗菌剤入り容器30にも適用される。
【0042】
本発明の抗菌剤入り容器は、マスクを殺菌及び抗菌するのに好適である。また、本発明の抗菌剤入り容器は、マスクだけでなく、人体に接触する衣類や防止、ヘルメット、靴等にも使用することができる。さらに、金属に対しても影響を及ぼしにくく、持続性もあり、空中散布も可能であることから、家具、電化製品、乗物、室内や屋外の施設に対しても使用可能である。
【符号の説明】
【0043】
10,20,30 抗菌剤入り容器、11,21,31 容器本体、12,22,32 ポンプ部、13 トリガー、23 プッシュボタン、33 ノズルヘッド、14,24,34 ノズル、15,25,35 装着部、16,26,36 香料含有抗菌剤、17,27,37 包袋、18,28,38 配管。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2020-11-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、該容器内に収容される抗菌剤と、包袋に格納された香料と、配管とを含有し、
前記容器は配管を有し、
前記抗菌剤は、銀イオン水であり、
前記包袋は、不織布からなり、
前記包袋は、前記抗菌剤中に浸漬されている、抗菌剤入り容器。
【請求項2】
前記香料はメントールである、請求項1に記載の抗菌剤入り容器。
【請求項3】
前記メントールは粉末状又は顆粒状である、請求項2に記載の抗菌剤入り容器。
【請求項4】
前記メントールの平均粒子径は10μm以上20mm以下である、請求項3に記載の抗菌剤入り容器。
【請求項5】
前記包袋内に格納するメントールの量は、前記抗菌剤の質量を基準に0.1質量%以上20質量%以下である、請求項2~4のいずれか一項に記載の抗菌剤入り容器。