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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021014
(43)【公開日】2022-02-02
(54)【発明の名称】弾球遊技機の打球発射操作装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220126BHJP
【FI】
A63F7/02 309
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020124347
(22)【出願日】2020-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】591044614
【氏名又は名称】株式会社足立ライト工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100112531
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】末廣 義典
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BA46
2C333AA11
2C333GA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】打球発射の強度の調節を容易にし遊技者の疲労を軽減させるとともに、演出装置の演出状態を変化させるための操作性を改善した弾球遊技機の打球発射操作装置を提供する。
【解決手段】ガイドレール体に案内されて略直線状に往復移動可能なるように手動操作部21を設け、該手動操作部21を該ガイドレール体の一方の端部に向けて移動操作することにより打球発射装置の発射強度が次第に強くなるように設定し、該手動操作部21を該ガイドレール体の他方の端部に向けて移動操作することにより演出装置による演出状態が変化するように設定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドレール体に案内されて略直線状に往復移動可能なるように手動操作部を設け、該手動操作部を該ガイドレール体の一方の端部に向けて移動操作することにより打球発射装置の発射強度が次第に強くなるように設定し、該手動操作部を該ガイドレール体の他方の端部に向けて移動操作することにより演出装置による演出状態が変化するように設定したことを特徴とする弾球遊技機の打球発射操作装置。
【請求項2】
前記演出装置は図柄変動表示装置であり、前記手動操作部を前記初期位置から前記ガイドレール体の他方の端部に向けて移動操作することにより該図柄変動表示装置の表示が変化するようにしたことを特徴とする請求項1に記載した弾球遊技機の打球発射操作装置。
【請求項3】
前記ガイドレール体は前記手動操作部を遊技機の前後方向に摺動可能にするものであることを特徴とする請求項1または2に記載した弾球遊技機の打球発射操作装置。
【請求項4】
前記ガイドレール体は、リニヤ軸受により摺動可能に支持された摺動部材に前記手動操作部を取着してなるものであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載した弾球遊技機の打球発射操作装置。
【請求項5】
遊技機の前面に前記手動操作部の下側にて前方に突出する支承部を設けるとともに、前記手動操作部を下降させることで該手動操作部と該支承部とが接触し、その摩擦抵抗により該手動操作部が定位置に保持されるようにしたことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載した弾球遊技機の打球発射操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機,アレンジボール,雀球遊技機等のパチンコ球を遊技媒体とする弾球遊技機の打球発射操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば周知のパチンコ遊技機は、所定の入賞口に遊技球が入ると大型液晶ディスプレイ等の表示装置に複数の図柄が変動表示され、一定時間後にその変動が停止し、停止した図柄の組み合わせが例えば[7、7、7]等になると、[大当り]となって大入賞口が開き、景品球を容易に獲得し得る特別遊技状態となるようにしている。したがってこの種の遊技機では、大当りを招来させる過程をいかに演出して、遊技者を楽しませることができるかが重要であり、そのための一つの施策として、遊技者が遊技中に操作することができる押ボタンスイッチ等の操作部を遊技機前面の適宜部位に設け、例えば[リーチ状態]のような[大当り]を招来させる途中の過程で遊技者がこの操作部を操作すると、前記表示装置の表示状況が変化し、大当り招来に対する遊技者の期待がさらに高められるような演出がされるようにしている。
【0003】
また、一般に弾球遊技機は、前面の向かって右側下部に略球形の打球発射操作用のハンドルが突設されていて、遊技者はこの略球形のハンドルを握ると同時に、このハンドルの外周に回転可能に設けられている操作レバーに指を引っ掛けて該操作レバーを時計方向に回転させることにより、打球発射装置が作動し、該操作レバーの回転角度を指先で調節することにより、該打球発射装置によるパチンコ球を打撃する強度が調節され、所望の飛び具合で打球が発射できるようにしている。
一方、下記特許文献1に示された打球発射装置は、遊技者の指先のタッチ位置を検出し得るタッチプレートが遊技機の前面に設けられ、遊技者がそのタッチ位置を変えることにより打球発射強度を調節できるようにしたものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2864105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のように従来の略球形のハンドルが突設された弾球遊技機では、遊技中の遊技者は該ハンドルを握ったまま手指を常に一定の静止状態に保持する必要があり、そのために長時間遊技をすると腕や肩が疲れ易いという問題がある。
また、上記特許文献1に示された遊技機では、指先のタッチ位置の微細な検出が技術的に難しいこと、および、打球発射の強度を調節しようとすると遊技者に指先の細かな動きを強いるので、思い通りの打球発射調節がし難いという問題がある。
【0006】
また、従来のパチンコ遊技機は、上記のような打球発射調節のためのハンドル等の操作部位と、上記のような押ボタンスイッチ等の演出のための操作部位とが遊技機の前面にそれぞれ別々に設けられていた。このため、遊技者はこれらの操作部位を片手のみでは一連の操作として実行し難いという問題があり、ハンドルを握らない方の手に飲み物や煙草などを持っている遊技者にあっては演出のための操作部位が適切に操作されないという問題があった。
また、従来のように演出のために押ボタンスイッチが設けられていると、例えば該押ボタンスイッチを比較的長時間押し続ける(長押しする)ことで格別な演出がなされるように設定しようとしても、その場合、遊技者の手に掛る負担が大きくなってしまうので、そのような演出の設定も困難であった。
また、近年大型化する傾向にある押ボタンスイッチ等の演出のための操作部位は、球受皿の大きさにも悪影響を及ぼす可能性がある位置に配置されることから、その配置場所には設計上の特別な配慮を要していた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記のような問題点を解決し得る弾球遊技機の新たな打球発射操作装置を提供しようとするものである。
そのために本発明に係る打球発射操作装置は、ガイドレール体に案内されて略直線状に往復移動可能なるように手動操作部を設け、該手動操作部を該ガイドレール体の一方の端部に向けて移動操作することにより打球発射装置の発射強度が次第に強くなるように設定し、該手動操作部を該ガイドレール体の他方の端部に向けて移動操作することにより演出装置による演出状態が変化するように設定したことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記打球発射操作装置において、前記手動操作部の操作域には、打球発射を停止状態にする初期位置と、該初期位置から前記ガイドレール体の一方の端部に向けて移動操作することにより打球発射装置の発射強度が次第に強くなるようにする発射強度操作域と、前記初期位置から前記ガイドレール体の他方の端部に向けて移動操作することにより前記演出装置の演出状態を変化させる演出操作域が設けられていることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記打球発射操作装置において、前記演出装置は図柄変動表示装置であり、前記手動操作部を前記初期位置から前記ガイドレール体の他方の端部に向けて移動操作することにより該図柄変動表示装置の表示が変化するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記打球発射操作装置において、前記ガイドレール体は前記手動操作部を遊技機の前後方向に摺動可能にするものであることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記打球発射操作装置において、前記ガイドレール体は、リニヤ軸受により摺動可能に支持された摺動部材に前記手動操作部を取着してなるものであることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記打球発射操作装置において、遊技機の前面に前記手動操作部の下側にて前方に突出する支承部を設けるとともに、前記手動操作部を下方に押圧操作することで該手動操作部と該支承部とが接触し、その摩擦抵抗により該手動操作部が定位置に保持されるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
打球発射の強度の調節が容易で遊技者の疲労が軽減されるとともに、演出装置の演出状態を打球発射操作と一連の操作で容易に変化させられるようになる。このため弾球遊技機の操作性を改善し得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る弾球遊技機の斜視図。
図2】本発明に係る弾球遊技機の前面枠の斜視図。
図3】本発明に係る弾球遊技機の前面枠の分解斜視図。
図4】本発明に係る打球発射操作装置の分解斜視図。
図5】本発明に係る打球発射操作装置のガイドレール体の分解斜視図。
図6図5のガイドレール体を裏側から見た分解斜視図。
図7】本発明に係る打球発射操作装置のガイドレール体の作動状態を示す斜視図。
図8】本発明に係る打球発射操作装置の斜視図。
図9】本発明に係る打球発射操作装置の作動状態を示す部分断面側面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明の実施形態をパチンコ遊技機について図面に従い説明する。図1に示したパチンコ遊技機は、外枠1の一側縁に設けられた軸支部2に本体枠(図示せず)と前面枠3が開閉可能にヒンジされ、該本体枠内に遊技盤4が着脱可能に設けられ、該遊技盤4の前面に多数の釘、種々の形状の入賞口等を設けた遊技領域が形成され、打球発射装置(打球発射装置については、モータ駆動式、ソレノイド駆動式等の種々の形態があるが、ここではいずれも図示せず)から発射されたパチンコ球が該遊技領域を流下し該入賞口に流入し得るようにしている。なお、該遊技盤4の中央には液晶ディスプレイ等からなる図柄変動表示装置5が設けられ、種々の動画や、リーチ状態、大当り、ハズレ等もたらす図柄等が該図柄変動表示装置5に変動表示される。なお、図2図3に示すように、前面枠3の中央には遊技者が前記遊技盤4を透視し得るように二重ガラスからなる透明板6が保持されている。また、前面枠3の該透明板6より下方部に上皿7および下皿8がそれぞれ前方に張り出すように形成され、該上皿7および下皿8にこのパチンコ遊技機から放出されたパチンコ球が保持される。また、該前面枠3の向かって右側縁に該前面枠3を閉止状態にするシリンダ錠9が設けられ、該シリンダ錠の鍵穴に所定のキーを差し込むことで該前面枠3を開閉操作し得るようにしている。
【0016】
また、該前面枠3の上部右側縁に三角形の受金具10をビス着し、該受金具10に覆うように斜め前方へ張り出す略三角形状の天カバー体11が支持されている。そして、隣り合うパチンコ遊技機との間の仕切りともなり得るよう長方形状のパネル12が該前面枠3の右側縁より遊技者に向けて斜め前方に張り出した状態に支持される。そのために該パネル12の上辺を前記天カバー体11内に保持させるとともに、該パネル12の向かって左側辺を該前面枠3の右側縁より少し内側に位置させ保持させている。なお該パネル12の表面に液晶等の大型で薄型のディスプレイ12aを設け、該ディスプレイ12aに前記図柄変動表示装置5と同様に種々の動画や大当りの到来等を表示する演出装置として機能するようにすることで該パネル12が演出装置としての機能も併せ持つようにしている。また、該パネル12の下辺部の前面側にて重なるように横長方形状の取付パネル13を固設し、該取付パネル13の前面に可動演出装置14を突設している。該可動演出装置14は円頭部15の前面にV字形の装飾部材16を設けるとともに、太刀を模した形の可動部材17を該円頭部15から前記パネル12の前面に突出するように起立状に設けてなる。そして、例えばリーチ状態となったときに、該円頭部15の内部に設けられた振動モータ,小型モータ等が作動して該円筒部を振動させるとともに、可動部材17を該円頭部15を支点として左右に揺動するといった演出が可能となるように設けられている。
【0017】
また、前記取付パネル13の下辺に横長方形状の側壁パネル20を連接状に設け、該側壁パネル20に本発明に係る手動操作部21が設けられる。なお、前面枠3の前面下縁部から前方に突出する水平棚状の支承部22が前記上皿7,下皿8と一体的に形成され、該支承部22が該手動操作部21の下側に張り出すように位置する。
次に該手動操作部21によって操作される打球発射操作装置の内部の構成を図3図7に従い説明する。前記側壁パネル20は上辺部寄りに横長孔20aを形成しているとともに下辺部に横長切欠20bを形成している。そして図4に示すように該側壁パネル20の裏側に背面板20cがビス止めされ、該側壁パネル20と背面板22の間にガイドレール体23が配設される。該ガイドレール体23は、図5図6に分解斜視図を示すように、長方形状の箱体24の内部に第1摺動部材25と第2摺動部材26とからなる摺動部材を収容し、該箱体24の前面に蓋体27を合着してなる。該箱体24は内面略中央部に一対のストッパ24aを上下に適宜間隔を離して形成し、該箱体24内面の向かって右側縁寄りに一対の止片24bを突設し、該ストッパ24aの中央部より向かって左側に開口24cを形成し、左側縁に一対の切欠24dを形成しているとともに、該箱体24の内面四隅に支持部24eを突設し、該支持部24eに一対の丸棒状のリニヤシャフト28a,28bの両端部を支持することで該リニヤシャフト28a,28bを該箱体24内の上下部にそれぞれ水平に支持している。そして、該箱体24の裏側に前記開口24cの両端部に臨むように一対の光学センサ29a,29bを固設している。なお、前記蓋体27は上縁部と下縁部にそれぞれスリット27a,27bを形成してなる。
【0018】
前記第1摺動部材25は、縦長板材25aの前面に部材本体25bがビス着され、該部材本体25bの上下両端部にリニヤ軸受30a,30bを保持するための円弧状部25cが形成され、該リニヤ軸受30a,30bを前記ストッパ24aより左側の領域で前記リニヤシャフト28a,28bの外周に貫挿することにより、該ストッパ24aより向かって左側の領域にて該リニヤシャフト28a,28bに沿って摺動自在なるように支持される。該部材本体25bの裏側にはロータリーエンコーダ31が固設され、該ロータリーエンコーダ31の回転軸に歯車32を固設している。また、該部材本体25bの該歯車32より左側部位にリミットスイッチ33を固設するとともに、該部材本体25bの左側縁に一対の止片25dを形成している。なお、前記ロータリーエンコーダ31およびリミットスイッチ33から発信される電気信号は打球発射装置の制御基板に入力される。また、前記縦長板材25aの背面に前記光学センサ29a,29bを作動させ得る遮光片34を固着している。
そして前記縦長板材25aに一対のコイルばね35a,35bの一端を係着し、該コイルばね35a,35bの他端を前記止片24bに係着する。このため、該コイルばね35a,35bの弾性的引張により、該第1摺動部材25は、向かって右方向に付勢され、常態では、該第1摺動部材25が前記ストッパ24に当接した状態で停止せられる。
【0019】
第2摺動部材26は、折板材26aの裏面に部材本体26bをビス着し、該部材本体26bの上下両端部にリニヤ軸受36a,36bを保持するための円弧状部26cを形成してなり、該リニヤ軸受36a,36bを前記リニヤシャフト28a,28bの外周に貫挿することにより前記第1摺動部材25よりも前側にて該リニヤシャフト28a,28bに沿って摺動自在なるように設けられる。そして前記折板材26aの上端部を前方に折り曲げることにより鉤状の係止部26dを形成し、該係止部26dを前記スリット27aから前方に突出させている。また該折板材26aの下端部に前方に折り曲げることにより鉤状の係止部26fを形成し、該係止部26fを前記スリット27bから前方に突出させている。また、該部材本体26bに前記歯車32に噛合するラック歯37を水平に一体的に形成するとともに、前記リミットスイッチ33を作動させ得る棒状の作動片38、および、棒状ステー39を該ラック歯37と平行なるように形成してなる。
【0020】
このように第2摺動部材26は前記第1摺動部材25の右側にて前記リニヤシャフト28a,28bに沿って摺動自在なるように配設することにより、前記ラック歯37を前記歯車32に噛合させ、該第2摺動部材26が摺動するとロータリーエンコーダ31が作動し、該第2摺動部材26の摺動位置が該ロータリーエンコーダ31により電気信号として検出されるようにしている。また、該第2摺動部材26の前記折板材26aに一対のコイルばね40a,40bの一端を係着し、該コイルばね40a,40bの他端を前記止片25dに係着し、該コイルばね40a,40bの弾性的引張力により、該第2摺動部材26は向かって左方向に付勢され、該第2摺動部材26は常態では前記円弧状部25cに前記円弧状部26cが当接した状態で停止せられる。このとき前記作動片38が前記リミットスイッチ33を押圧作動させ、該リミットスイッチ33からの電気信号が打球発射装置の制御基板に入力され打球発射が停止状態となる。この状態は、第1摺動部材25および第2摺動部材26が初期位置にある状態であり、このようなガイドレール体23の初期状態を図7の(イ)に示す。
【0021】
前記係止部26dは前記側壁パネル20の横長孔20aから該側壁パネル20の前面に突出し、前記係止部26fは前記横長切欠20bから前記側壁パネル20の前面に突出する。そして、前記手動操作部21を前記ガイドレール体23に案内されて略直線状に往復移動可能なるように該係止部26dおよび係止部26fに取着する。該手動操作部21は、グリップ部21aを略縦型円筒形に形成し、該グリップ部21aの上端に形成された水平盤部21bの上面に前記係止部26dを配置して水平蓋21cをその上からビス止することにより、該係止部26dに該水平盤部21bを固着するとともに、該グリップ部21aの下端に形成された水平盤部21dの下面に上端部と同様に前記係止部26fを配置してビス止することにより、該係止部26fに該水平盤部21dを固着している。また、前記グリップ部21a内にスイッチ本体21fを設け、該グリップ部21aの上端部寄りに開設した取付孔21g中に押ボタン21hを配置し、該押ボタン21hにより該スイッチ本体21fがオン・オフ操作されるようにしている。なお、該グリップ部21aは表面に導電性のメッキが施されており、遊技者が該グリップ部21aを握持すると、そのタッチ状態が電気的に検出され、その電気信号が打球発射装置の制御基板に入力されパチンコ球が打撃発射されるようになる。なお、該グリップ部21aを握っていても、前記押ボタン21hを押すことによっては、パチンコ球の発射を一時停止させるので、遊技者は所望のタイミングで打球を打撃発射することができる。
【0022】
また、前記グリップ部21aを握り前記押ボタン21hから指を離した状態で該グリップ部21aを前記40a,40bの弾性に抗して手前に引く(図1ではグリップ部21を向かって右方向に移動させる)ことで、前記ラック歯37が歯車32を回転させてロータリーエンコーダ31から打球発射装置の制御基板に電気信号が発信される。即ち、ガイドレール体23の手動操作部21がこの初期位置にあるとすると、該手動操作部21の移動範囲におけるこの初期位置から向かって右側に発射強度操作域が形成され、遊技者がグリップ部21aを握り、前記コイルばね40a,40bの弾性に抗して該グリップ部21aをこの初期位置から手前に引く操作をすれば、該グリップ部21aを手前に引くに従って打球発射装置がより強くパチンコ球を打撃するようになる。なお、図7の(ロ)はこのように該手動操作部21が発射強度操作域にあるときのガイドレール体23の作動状態を示す。
【0023】
また、該手動操作部21の前記初期位置から向かって背面及び左側には前記ディスプレイ12aや前記図柄変動表示装置5等の演出装置の表示を変化させる演出操作域が設けられる。即ち、遊技者がグリップ部21aを握った状態で腕を伸ばし、該グリップ部21aを前記初期位置から向かって左側に移動させることによっては、前記第2摺動部材26の円弧状部26cが第1摺動部材25の円弧状部25cに当接した状態で該第1摺動部材25を前記コイルばね35a,35bの弾性に抗して左方に移動させることから、パチンコ球の発射が停止された状態にて先ずは前記遮光片34が前記光学センサ29aを作動させる。この状態から図7の(ハ)に矢印で示したように該第1摺動部材25をさらに左方に移動させ、前記切欠24dからラック歯37および棒状ステー39が突出する状態にまで移動することによっては、前記遮光片34が前記光学センサ29bを作動させる。この光学センサ29aおよび光学センサ29bの信号は前記図柄変動表示装置5およびディスプレイ12aの表示制御装置に入力され、該図柄変動表示装置5およびディスプレイ12a等の表示がこの光学センサ29aの作動状態および光学センサ29bの作動状態によって大きく変化する。例えば、図柄変動表示装置5にリーチ状態が表示された状態で前記光学センサ29aを作動させたときは、前記ディスプレイ12aに前記可動部材17の周囲を取り巻く炎を思わせるような色彩の光を表示をする。そしてここから遊技者が腕を伸ばしてグリップ部21aをさらに左方に移動させる操作をすると、その光が一層輝くような色彩に変わるとともに前記図柄変動表示装置5の方向に動くなど可動部材17が揺動するのと連動してその光も揺動し、その結果[大当り]を招来させ、該可動部材17が遊技者にとって[大当り]を獲得するためのあたかも強力な武器となり得るような演出をする。このように可動部材17の動きと、図柄変動表示装置5やディスプレイ12aの表示とが連動する演出をすることにより、この弾球遊技機の遊技性を著しく向上させることができる。
なお、この実施形態では上記演出操作域に2つの光学センサ29a,29bを設けただけであるが、さらに多数の光学センサ、或いは、リミットスイッチ、エンコーダ等を設け、これらのセンサにより、上記演出操作域における手動操作部21の位置を逐次検出することで、手動操作部21の位置に合わせた演出が行われるようにし、演出を変化に富む一層多彩なものにすることもできる。
【0024】
本発明に係る打球発射操作装置は、上記のように手動操作部21を略直線状に移動させその移動量に従い打球発射の強度が調節されるので、遊技者が望む強さで容易に打球を発射させることができ、その調節も容易であるので遊技者の手に掛る負担が軽減される。また往復移動可能なるように設けられた手動操作部21を一方の端部に向けて移動操作することにより打球発射装置の発射強度が次第に強くなり、該手動操作部21を他方の端部に向けて移動操作することによっては[大当り]に係る演出装置の演出状態を変化させるので、遊技者は該手動操作部21を握ったまま移動方向を反対側に変えるだけで、打球発射をしたりこの演出状態を変化させることができる。しかも上記発射強度操作域と演出操作域とは初期位置を間にして互いに延長線上にあるので、遊技者の操作による演出状態の変化が常に的確に行われるようになり、この弾球遊技機の遊技性を向上させることができる。
また、本発明では従来のように遊技機の前面に演出のための押ボタンスイッチを設けなくてもよいので、遊技機前面のスペースが緩和され、遊技機の設計上の自由度が増す。
さらには、遊技者にとっては、本発明によれば従来のように押ボタンスイッチを操作しなくても演出が変えられるので、遊技者に押ボタンスイッチを長押しさせることで手に過大な負担を掛けるおそれがない。
なお、手動操作部21の下側にて前方に突出するように設けられた前記支承部22は、遊技中の遊技者の手首を支えるように使用することができ、そうすることで遊技者の手への負担はさらに軽減される。
また、前記リニアシャフト28a,28bは水平に保持され、前記リニア軸受36a,36bは該リニアシャフト28a,28bに沿って摺動する構成であるので、遊技者が手動操作部21の操作中に腕の力を脱力しその腕の重みを手動操作部21に作用させることで、該リニア軸受36a,36bが該リニアシャフト28a,28bに対し上方から下方に向けて経方向に掛けている重力が増し、該リニアシャフト28a,28bと該リニア軸受36a,36bとの間の摩擦抵抗が増大する。このため、遊技者が腕の力を脱力するだけで該手動操作部21の水平方向への摺動抵抗が増し、その結果、手動操作部21を遊技者の所望の位置に保持し易くなる。従ってこのような構成からも、遊技中の遊技者の手や腕への負担が軽くなり、疲労が軽減される。
【0025】
また、図8図9に示した実施形態は、弾球遊技機の前面に手動操作部21の下側にて前方に突出する支承部22aを設け、該支承部22aの上面を凹凸面状に加工するとともに、手動操作部21のグリップ部21aと水平盤部21dを図9の(イ),(ロ)に示したように僅か(数ミリ程度)に上下に動き得るように構成し、遊技者が該グリップ部21aを握りつつ腕の力を緩めると該グリップ部21aと水平盤部21dが重力で下降して図9の(ロ)に示したように該水平盤部21dが該支承部22aに接触し、その摩擦抵抗により該手動操作部21が定位置に保持されるようにしたものである。こうすることでは、パチンコ球の飛び加減を常に一定に保つことが一層容易になるので、弾球遊技機を長時間遊技することによって生じる疲労をさらに大幅に軽減させる。
【0026】
なお、上記実施形態では、手動操作部21を側壁パネル20に沿って少し斜めの前後方向であって直線状に往復移動させられるようにしたが、前後方向でなく左右に往復移動するようにしてもよい。或いは、また例えば前記リニヤシャフト28a,28bを緩やかな曲線状のものにし、その曲線に沿って手動操作部21が往復移動する構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0027】
1…外枠、 2…軸支部、 3…前面枠、 4…遊技盤、 5…図柄変動表示装置、 6…透明板、 7…上皿、 8…下皿、 9…シリンダ錠、 10…受金具、 11…天カバー体、 12…パネル、 12a…ディスプレイ、 13…取付パネル、 14…可動演出装置、 15…円頭部、 16…装飾部材、 20…側壁パネル、 20a…横長孔、 20b…横長切欠、 20c…背面板、 21…手動操作部、 21a…グリップ部、 21b…水平盤部、 21c…水平蓋、 21d…係止部、 21d…水平盤部、 21f…スイッチ本体、 21g…取付孔、 21h…押ボタン、 22,22a…支承部、 23…ガイドレール体、 24…箱体、 24a…ストッパ、 24b…止片、 24c…開口、 24d…切欠、 24e…支持部、 25…第1摺動部材、 25a…縦長板材、 25b…部材本体、 25c…円弧状部、 25d…止片、 26…第2摺動部材、 26a…折板材、 26b…部材本体、 26c…円弧状部、 26d…係止部、 26f…係止部、 27…蓋体、 27a,27b…スリット、 28a,28b…リニヤシャフト、 29a,29b…光学センサ、 30a,30b…リニヤ軸受、 31…ロータリーエンコーダ、 32…歯車、 33…リミットスイッチ、 34…遮光片、 35a,35b…コイルばね、 36a,36b…リニヤ軸受、 37…ラック歯、 38…棒状片、 39…棒状ステー、 40a,40b…コイルばね
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9