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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021061
(43)【公開日】2022-02-02
(54)【発明の名称】携帯用情報機器及びカバー装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20220126BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20220126BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20220126BHJP
   H04M 1/17 20060101ALI20220126BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20220126BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/16 312Q
H04M1/02 C
H04M1/17 A
H05K5/03 A
H05K7/20 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020124421
(22)【出願日】2020-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細貝 達哉
(72)【発明者】
【氏名】潮田 達也
(72)【発明者】
【氏名】木下 宏晃
【テーマコード(参考)】
4E360
5E322
5K023
【Fターム(参考)】
4E360AB04
4E360AB05
4E360AB17
4E360AB18
4E360AB42
4E360AC02
4E360AC05
4E360AC24
4E360BA04
4E360BB05
4E360BB12
4E360CA02
4E360EA18
4E360EC13
4E360EC14
4E360ED02
4E360ED07
4E360ED17
4E360ED19
4E360ED23
4E360EE02
4E360EE13
4E360GA24
4E360GA51
4E360GB26
4E360GB46
4E360GC02
4E360GC03
4E360GC04
4E360GC08
4E360GC20
5E322AA02
5E322AA03
5E322AB06
5E322FA04
5E322FA09
5K023AA07
5K023BB01
5K023DD08
5K023MM03
5K023MM25
5K023QQ00
5K023QQ05
5K023RR05
(57)【要約】
【課題】放熱性能を確保しつつ、外観や触感の品質低下を抑制することができるカバー装置を備える携帯用情報機器及びカバー装置を提供する。
【解決手段】携帯用情報機器は、内部に発熱体を収容した筐体と、前記筐体の背面を覆うカバー装置と、を備え、前記カバー装置は、芯材と、前記芯材の表面に積層されるグラファイトシートと、前記グラファイトシートの表面に積層され、前記芯材よりも柔軟な補助シートと、前記補助シートの表面に積層されて当該カバー装置の表面を形成し、前記補助シートよりも柔軟な表面材と、を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯用情報機器であって、
内部に発熱体を収容した筐体と、
前記筐体の背面を覆うカバー装置と、
を備え、
前記カバー装置は、
芯材と、
前記芯材の表面に積層されるグラファイトシートと、
前記グラファイトシートの表面に積層され、前記芯材よりも柔軟な補助シートと、
前記補助シートの表面に積層されて当該カバー装置の表面を形成し、前記補助シートよりも柔軟な表面材と、
を有することを特徴とする携帯用情報機器。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯用情報機器であって、
前記補助シートは、前記グラファイトシートの表面全体を覆っていることを特徴とする携帯用情報機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の携帯用情報機器であって、
前記芯材及び前記補助シートは、樹脂製であり、
前記補助シートの厚みが、前記芯材の厚みよりも小さいことを特徴とする携帯用情報機器。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の携帯用情報機器であって、
前記筐体は、
第1筐体と、
前記第1筐体と隣接し、前記第1筐体と相対的に回動可能に連結された第2筐体と、
を有し、
前記カバー装置は、
前記第1筐体の背面に対して前記第1筐体と前記第2筐体の並び方向に沿って相対移動可能に設けられたスライドカバー部と、
前記第2筐体の背面に対して相対的に固定された固定カバー部と、
前記スライドカバー部と前記固定カバー部との間を相対的に回動可能に接続する折曲カバー部と、
を有し、
前記芯材は、前記スライドカバー部及び前記固定カバー部には設けられ、前記折曲カバー部には設けられておらず、
前記グラファイトシート、前記補助シート、及び前記表面材は、前記スライドカバー部、前記折曲カバー部、及び前記固定カバー部に亘って延在すると共に、折曲可能な折曲領域を前記折曲カバー部に有する
ことを特徴とする携帯用情報機器。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯用情報機器であって、
前記固定カバー部は、前記第2筐体の背面の一部を覆うように設けられ、
前記カバー装置は、さらに、前記固定カバー部と隣接して設けられて前記第2筐体の背面を覆うと共に、前記固定カバー部に対して相対的に回動可能に設けられるスタンドカバー部を有する
ことを特徴とする携帯用情報機器。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯用情報機器であって、
前記発熱体は、中央演算処理装置を含み、
前記中央演算処理装置は、前記第1筐体に搭載されている
ことを特徴とする携帯用情報機器。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯用情報機器であって、
さらに、前記スライドカバー部を前記第1筐体に対して前記並び方向に沿って相対移動可能に連結するスライダ装置を備え、
前記スライダ装置は、
前記スライドカバー部及び前記第1筐体の一方に固定され、前記並び方向に沿って延在するレールと、
前記スライドカバー部及び前記第1筐体の他方に固定され、前記レールに対して前記並び方向に沿って摺動可能に連結されたスライダと、
を有し、
前記スライダ装置は、前記中央演算処理装置と重ならない位置に配置されている
ことを特徴とする携帯用情報機器。
【請求項8】
携帯用情報機器の筐体の背面を覆うカバー装置であって、
芯材と、
前記芯材の表面に配置されるグラファイトシートと、
前記グラファイトシートの表面に積層され、前記芯材よりも柔軟な補助シートと、
前記補助シートの表面に積層されて当該カバー装置の表面を形成し、前記補助シートよりも柔軟な表面材と、
を備えることを特徴とするカバー装置。
【請求項9】
請求項8に記載のカバー装置であって、
前記補助シートは、前記グラファイトシートの表面全体を覆っていることを特徴とするカバー装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のカバー装置であって、
前記カバー装置は、
第1カバー部と、
第2カバー部と、
前記第1カバー部と前記第2カバー部との間を相対的に回動可能に接続する折曲カバー部と、
を有し、
前記芯材は、前記第1カバー部及び前記第2カバー部には設けられ、前記折曲カバー部には設けられておらず、
前記グラファイトシート、前記補助シート、及び前記表面材は、前記第1カバー部、前記折曲カバー部、及び前記第2カバー部に亘って延在すると共に、折曲可能な折曲領域を前記折曲カバー部に有する
ことを特徴とするカバー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバー装置を備える携帯用情報機器及びカバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ノート型PCやタブレット型PC等の携帯用情報機器は、持ち運び時の損傷や破損を避ける必要がある。また、携帯用情報機器は、外観意匠や触感が高品質であることが望まれる。そこで、携帯用情報機器の保護用或いは装飾用として、筐体の背面にカバー装置が装着されることがある。そこで、携帯用情報機器の保護用或いは装飾用として、筐体の背面を覆うカバー装置が装着されることがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-10661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯用情報機器は、筐体の背面にカバー装置が装着されると、筐体からの放熱が制限されて内部が高温になり、処理速度等のパフォーマンスが低下する懸念がある。また、カバー装置は、その一部に局所的な高温部を生じると、ユーザが不快感を受けることになる。そこで、特許文献1のカバー装置は、表面材であるレザー外皮の内側にグラファイトシートを設け、このグラファイトシートで筐体からの発熱を拡散することを可能としている。
【0005】
ところで、グラファイトシートは、製造時に気泡やしわによる凹凸形状が形成されてしまうことを完全には防げない。このため、上記特許文献1のカバー装置では、グラファイトシートの凹凸形状が柔軟なレザー等で形成された表面材に転写されることがある。そうすると、表面材が凹凸形状を生じ、外観や触感等の品質が低下する。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、放熱性能を確保しつつ、外観や触感の品質低下を抑制することができるカバー装置を備える携帯用情報機器及びカバー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る携帯用情報機器は、携帯用情報機器であって、内部に発熱体を収容した筐体と、前記筐体の背面を覆うカバー装置と、を備え、前記カバー装置は、芯材と、前記芯材の表面に積層されるグラファイトシートと、前記グラファイトシートの表面に積層され、前記芯材よりも柔軟な補助シートと、前記補助シートの表面に積層されて当該カバー装置の表面を形成し、前記補助シートよりも柔軟な表面材と、を有する。
【0008】
前記補助シートは、前記グラファイトシートの表面全体を覆った構成としてもよい。
【0009】
前記芯材及び前記補助シートは、樹脂製であり、前記補助シートの厚みが、前記芯材の厚みよりも小さい構成としてもよい。
【0010】
前記筐体は、第1筐体と、前記第1筐体と隣接し、前記第1筐体と相対的に回動可能に連結された第2筐体と、を有し、前記カバー装置は、前記第1筐体の背面に対して前記第1筐体と前記第2筐体の並び方向に沿って相対移動可能に設けられたスライドカバー部と、前記第2筐体の背面に対して相対的に固定された固定カバー部と、前記スライドカバー部と前記固定カバー部との間を相対的に回動可能に接続する折曲カバー部と、を有し、前記芯材は、前記スライドカバー部及び前記固定カバー部には設けられ、前記折曲カバー部には設けられておらず、前記グラファイトシート、前記補助シート、及び前記表面材は、前記スライドカバー部、前記折曲カバー部、及び前記固定カバー部に亘って延在すると共に、折曲可能な折曲領域を前記折曲カバー部に有する構成としてもよい。
【0011】
前記固定カバー部は、前記第2筐体の背面の一部を覆うように設けられ、前記カバー装置は、さらに、前記固定カバー部と隣接して設けられて前記第2筐体の背面を覆うと共に、前記固定カバー部に対して相対的に回動可能に設けられるスタンドカバー部を有する構成としてもよい。
【0012】
前記発熱体は、中央演算処理装置を含み、前記中央演算処理装置は、前記第1筐体に搭載された構成としてもよい。
【0013】
さらに、前記スライドカバー部を前記第1筐体に対して前記並び方向に沿って相対移動可能に連結するスライダ装置を備え、前記スライダ装置は、前記スライドカバー部及び前記第1筐体の一方に固定され、前記並び方向に沿って延在するレールと、前記スライドカバー部及び前記第1筐体の他方に固定され、前記レールに対して前記並び方向に沿って摺動可能に連結されたスライダと、を有し、前記スライダ装置は、前記中央演算処理装置と重ならない位置に配置された構成としてもよい。
【0014】
本発明の第2態様に係るカバー装置は、携帯用情報機器の筐体の背面を覆うカバー装置であって、芯材と、前記芯材の表面に配置されるグラファイトシートと、前記グラファイトシートの表面に積層され、前記芯材よりも柔軟な補助シートと、前記補助シートの表面に積層されて当該カバー装置の表面を形成し、前記補助シートよりも柔軟な表面材と、を備える。
【0015】
前記補助シートは、前記グラファイトシートの表面全体を覆った構成としてもよい。
【0016】
前記カバー装置は、第1カバー部と、第2カバー部と、前記第1カバー部と前記第2カバー部との間を相対的に回動可能に接続する折曲カバー部と、を有し、前記芯材は、前記第1カバー部及び前記第2カバー部には設けられ、前記折曲カバー部には設けられておらず、前記グラファイトシート、前記補助シート、及び前記表面材は、前記第1カバー部、前記折曲カバー部、及び前記第2カバー部に亘って延在すると共に、折曲可能な折曲領域を前記折曲カバー部に有する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の上記態様によれば、放熱性能を確保しつつ、外観や触感の品質低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、一実施形態に係る携帯用情報機器を閉じて積層形態とした状態を示す斜視図である。
図2A図2Aは、図1に示す携帯用情報機器を開いて平板形態とした状態を模式的に示す側面図である。
図2B図2Bは、図2Aに示す携帯用情報機器をノート形態とした状態での側面図である。
図2C図2Cは、図2Bに示す携帯用情報機器を閉じて積層形態として状態での側面図である。
図3図3は、携帯用情報機器をカバー装置側から見た平面図である。
図4図4は、スタンドカバー部を起立位置として携帯用情報機器を立てた状態での模式的な斜視図である。
図5図5は、ベースカバー部の分解斜視図である。
図6図6は、図3中のVI-VI線に沿う模式的な断面図である。
図7図7は、図3中のVII-VII線に沿う模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る携帯用情報機器及びカバー装置について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は、一実施形態に係る携帯用情報機器10を閉じて積層形態とした状態を示す斜視図である。図2Aは、図1に示す携帯用情報機器10を開いて平板形態とした状態を模式的に示す側面図である。図2Bは、図2Aに示す携帯用情報機器10をノート形態とした状態での側面図である。図2Cは、図2Bに示す携帯用情報機器10を閉じて積層形態として状態での側面図である。
【0021】
図1図2Cに示すように、携帯用情報機器10は、第1筐体12Aと、第2筐体12Bと、カバー装置14と、を備える。本実施形態の携帯用情報機器10は、折り畳み可能なタブレット型PC或いはノート型PCである。カバー装置14は、筐体12A,12Bの外面を覆うことでこれを保護する保護機能と、外面を装飾して外観意匠を高める装飾機能とを有する。カバー装置14の装着対象となる携帯用情報機器は、当該携帯用情報機器10の他、一般的なクラムシェル型のノート型PC、一枚板状のタブレット型PC、スマートフォン、又は携帯用ゲーム機等でもよい。
【0022】
先ず、携帯用情報機器10の構成を説明する。携帯用情報機器10は、筐体12A,12Bと、ディスプレイ16と、を備える。
【0023】
筐体12A,12Bは、互いに隣接して配置されている。筐体12A,12Bの隣接端部12Aa,12Baは、背表紙部材18で内側から覆われている。筐体12A,12Bは、それぞれ隣接端部12Aa,12Ba以外の3辺に側壁が起立した矩形の板状部材で形成されている。筐体12A,12Bは、例えばステンレス、マグネシウム、若しくはアルミニウム等の金属板、又は、炭素繊維等の強化繊維を含む繊維強化樹脂板等で構成される。
【0024】
以下、図1及び図2に示すように、携帯用情報機器10について、筐体12A,12Bの並び方向をX方向、これと直交する隣接端部12Aa,12Baに沿った方向をY方向、と呼んで説明する。
【0025】
筐体12A,12Bは、互いの隣接端部12Aa,12Baが一対のヒンジ19,19を介して連結されている。筐体12A,12B間は、ヒンジ19により、図2Aに示す平板形態と図2Cに示す積層形態との間で相対的に回動可能に連結されている。ヒンジ19は、所定の回転トルクを発生可能である。このため、筐体12A,12B間は、互いの角度を90度~140度程度としたノート形態(図2B参照)でも安定する。ヒンジ19は、例えば筐体12A,12Bの隣接端部12Aa,12BaのY方向両端部にそれぞれ配置され、ディスプレイ16の外周縁部の外側に位置している。本実施形態の携帯用情報機器10は、ヒンジ19による筐体12A,12B間の回動中心がディスプレイ16の表面と一致するように設定されている。
【0026】
第1筐体12Aには、CPU(Central Processing Unit)13aを実装した基板13や図示しない電源回路等の電子部品が収容されている(図7参照)。第2筐体12Bには、バッテリ装置15やその他の電子部品が収容されている(図7参照)。CPU13aは、携帯用情報機器10に搭載された電子部品のうちで最大の発熱体である。電源回路は、CPU13aに次ぐ発熱体である。バッテリ装置15は、CPU13aや電源回路よりも発熱量が小さい。このため携帯用情報機器10は、左右の筐体12A,12Bで発熱量が異なり、第1筐体12Aが第2筐体12Bよりも高温になる。図2A図2C中の参照符号17は、第1筐体12Aの表面でディスプレイ16を囲むベゼルに形成された開口から臨む撮像用等のカメラである。
【0027】
ディスプレイ16は、例えばタッチパネル式の液晶ディスプレイである。ディスプレイ16は、隣接端部12Aa,12Baを跨いでY方向に延在する帯状の範囲が折曲領域となる。これによりディスプレイ16は、筐体12A,12Bを折り畳んだ際に一緒に折り畳み可能であり、筐体12A,12Bの開閉動作に伴って開閉する。ディスプレイ16は、例えば柔軟性の高いペーパー構造を持った有機EL(Electro Luminescence)等のフレキシブルディスプレイである。
【0028】
次に、カバー装置14の全体構成を説明する。図3は、携帯用情報機器10をカバー装置14側から見た平面図である。
【0029】
図1図3に示すように、カバー装置14は、筐体12A,12Bの背面12Ab,12Bbを覆うように設けられている。カバー装置14は、使用形態(図2A参照)では背面12Ab,12Bbの全面を覆う。カバー装置14は、ノート形態及び収納形態(図2B及び図2B参照)では背面12Abの大部分と背面12Bbの全面とを覆う。
【0030】
カバー装置14は、ベースカバー部20と、スタンドカバー部22と、ヒンジ装置24と、を備える。カバー部20,22は、ヒンジ装置24を挟んでX方向に延在している。カバー部20,22は、使用形態時には、全体として背面12Ab,12Bbの全面、つまり第1筐体12Aの開放端部12Acから第2筐体12Bの開放端部12Bcまでを覆う。開放端部12Ac,12Bcは、それぞれX方向で隣接端部12Aa,12Baとは逆側に位置し、Y方向に延びた端部である。
【0031】
ベースカバー部20は、第1筐体12A側から第2筐体12B側に向かって順に、スライドカバー部26と、折曲カバー部27と、固定カバー部28と、を有する。
【0032】
スライドカバー部26は、第1筐体12Aの背面12Abに対してX方向に相対移動可能に設けられた薄いプレート状部材である。図2A及び図3に示す平板形態時、スライドカバー部26は、先端部26aが第1筐体12Aの開放端部12Acと一致する。先端部26aは、X方向で折曲カバー部27との境界線B1とは逆側に位置し、Y方向に延びた端部である。図2B及び図2Cに示すノート形態時及び平板形態時、スライドカバー部26は、それぞれ先端部26aが開放端部12Acから隣接端部12Aa側に後退した位置までスライドする。
【0033】
折曲カバー部27は、筐体12A,12B間の隣接端部12Aa,12Baを跨ぐ位置に設けられ、X方向に幅狭でY方向に延びた帯状領域である。折曲カバー部27は、第1筐体12A側でY方向に沿った境界線B1でスライドカバー部26と折曲可能に接続されている。折曲カバー部27は、第2筐体12B側でY方向に沿った境界線B2で固定カバー部28と折曲可能に接続されている。折曲カバー部27は、全体として可撓性を有し、スライドカバー部26と固定カバー部28との間を相対的に回動可能に接続している。折曲カバー部27は、筐体12A,12B間の回動動作にカバー装置14を追従して回動させるためのフレキシブルヒンジである。折曲カバー部27は、少なくとも図2Cに示す積層形態時に筐体12A,12Bの隣接端部12Aa,12Ba間を覆うことができるX方向の幅寸法を持った折曲領域である。
【0034】
固定カバー部28は、折曲カバー部27の一部とスタンドカバー部22と共に第2筐体12Bの背面12Abを覆う薄いプレート状部材である。固定カバー部28は、スタンドカバー部22と略線対称形状を成しており、本実施形態では平面視略台形状である。固定カバー部28は、第2筐体12Bの背面12Abと相対的に固定されている。本実施形態の固定カバー部28は、背面12Abに直接固定されている。固定カバー部28は、X方向で境界線B2側とは逆側の縁部28aが、ヒンジ装置24を介してスタンドカバー部22と隣接している。縁部28aは、Y方向に向かって次第にX方向に傾斜している。
【0035】
図4は、スタンドカバー部22を起立位置として携帯用情報機器10を立てた状態での模式的な斜視図である。図4に示すように、スタンドカバー部22は、ベースカバー部20の固定カバー部28及び第2筐体12の背面12Bbに対して相対的に回動可能に設けられている。本実施形態のスタンドカバー部22は、ヒンジ装置24を介して第2筐体12Bの背面12Abに連結されている。
【0036】
図2A図4に示すように、スタンドカバー部22は、固定カバー部28と略線対称形状を成しており、本実施形態では平面視略台形状である。スタンドカバー部22は、固定カバー部28の縁部28aとヒンジ装置24を挟んで隣接する縁部22aがヒンジ装置24と連結される。スタンドカバー部22は、縁部22a側と逆側の先端部22bが第2筐体12Bの開放端部12Bcと一致する。
【0037】
スタンドカバー部22は、ヒンジ装置24の回転動作により、先端部22bが背面12Bbに当接した収納位置(0度)から、背面12Bbから次第に離間する方向に移動可能である。先端部22bは、最大でベースカバー部20の表面20aに当接してそれ以上の移動が規制される位置(180度)まで移動可能である。これによりスタンドカバー部22は、背面12Bbに沿って設けられる収納位置(図2A及び図3参照)と、背面12Abから突出した起立位置(例えば図4参照)との間で移動可能である。
【0038】
図4に示すように、スタンドカバー部22は、固定カバー部28に対して適度な角度(起立位置)に設定することで、平板形態とした携帯用情報機器10を起立姿勢に維持するスタンドとして機能する。起立位置において、スタンドカバー部22は、台形の下底となる底縁部22cが机面上等に当接し、携帯用情報機器10を背面12Ab,12Bb側に少し倒れた所定の起立姿勢に維持することができる。
【0039】
ヒンジ装置24は、スタンドカバー部22をベースカバー部20及び第2筐体12Bに対して相対的に回動可能に連結する。図3に示すように、ヒンジ装置24は、ヒンジ軸30と、第1ブラケット31A,31Bと、第2ブラケット32A,32Bと、を備える。
【0040】
ヒンジ軸30は、スタンドカバー部22の縁部22aと固定カバー部28の縁部28aとの間に介在し、これら縁部22a,28aに沿って延在した金属製の棒状部材である。第1ブラケット31A,31Aは、第2筐体12Bにねじ止めされている。第2ブラケット32A,32Bは、スタンドカバー部22と固定されている。ヒンジ装置24は、第1ブラケット31A,31B又は第2ブラケット32A,32Bがヒンジ軸30に対して所定の回転トルクを介して回転可能に支持されることで、第1ブラケット31A,31Aと第2ブラケット32A,32Bとが相対的に回動する。これによりヒンジ装置24は、第2筐体12B及び固定カバー部28に対してスタンドカバー部22を相対的に回動可能に支持している。その結果、スタンドカバー部22は、所望の角度の起立位置に保持することができ、携帯用情報機器10のキックスタンドとして機能する(図4参照)。
【0041】
次に、カバー装置14の具体的な内部構造を説明する。図5は、ベースカバー部20の分解斜視図である。図6は、図3中のVI-VI線に沿う模式的な断面図である。図7は、図3中のVII-VII線に沿う模式的な断面図である。
【0042】
図5図7に示すように、ベースカバー部20において、スライドカバー部26は、第1筐体12Aの背面12Ab側から順に、芯材34Aと、グラファイトシート35と、補助シート36と、表面材37と、が積層された構造である。固定カバー部28は、第2筐体12Bの背面12Bb側から順に、芯材34Bと、グラファイトシート35と、補助シート36と、表面材37と、が積層された構造である。折曲カバー部27は、筐体12A,12Bの背面12AB,12Bb側から順に、保護カバー38と、グラファイトシート35と、補助シート36と、表面材37と、が積層された構造である。図5中の参照符号39は、両面テープ、粘着剤、或いは接着剤等の固定部材である。ベースカバー部20や後述するスタンドカバー部22の積層構造は、適宜変更可能であり、その積層数や積層順も適宜変更可能である。
【0043】
芯材34Aは、スライドカバー部26のベースとなる硬質の部材である。芯材34Aは、スライドカバー部26の略全面に亘って延在しており、各所に部品配置や軽量化等のための凹部や切抜き部が形成されている。芯材34Aは、例えばガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させたガラス繊維強化樹脂(GFRP)やポリカーボネート(PC)等の樹脂で成形されたプレート状部材である。芯材34Aは、例えば1~2mm程度の板厚を有する。
【0044】
芯材34Bは、固定カバー部28のベースとなる硬質の部材である。芯材34Bは、固定カバー部28の略全面に亘って延在しており、各所に軽量化等のための切欠き加工や切抜き加工が形成されている。芯材34Bは、スライドカバー部26の芯材34Aと形状が異なる以外は同一の材質及び板厚でよい。
【0045】
スライドカバー部26は、Y方向に間隔を介して並んだ一対のスライド機構40により、第1筐体12Aに対してX方向に相対移動可能に支持されている。各スライド機構40は、芯材34Aの裏面に形成された大型の凹部34aに配設されている。各スライド機構40は、CPU13aと重ならない位置に配置されている(図6参照)。スライド機構40は、レール41と、スライダ42と、を有する。
【0046】
レール41は、X方向に延在した金属薄板である。レール41は、長手方向の端部にそれぞれ取付板41a,41bが設けられている。レール41は、凹部34a内で各取付板41a,41bが芯材34Aに対してねじ或いは粘着剤等を用いて固定される。スライダ42は、レール41に対してX方向に摺動可能に連結されている。スライダ42は、取付板41a側の端部にスライダ羽根42aを有し、取付板41b側の端部に一対の取付孔42b,42bを有する。スライダ羽根42aは、レール41に対してX方向に摺動可能に連結されている。スライダ羽根42aは、第2筐体12Bから突出したフックに対して第2筐体12Bから第1筐体12Aに向かう方向に移動不能に係止される。各取付孔42bは、第1筐体12Aにねじ止めされる。スライダ羽根42aと取付板41bの対向面間には、ばね43が設けられている。
【0047】
ばね43は、引張コイルばねである。ばね43は、スライダ42をレール41に対して、スライダ羽根42aが取付板41bから離間する方向に常時付勢している。これによりスライド機構40は、スライドカバー部26をその先端部26aが第1筐体12Aの開放端部12Acに向かうスライド方向に常時付勢している。
【0048】
固定カバー部28は、芯材34Bが複数枚(図5では4枚)の両面粘着テープ44を用いて第2筐体12Bの背面12Abに固定される。各両面粘着テープ44は、引張剥離可能な特性を有する。各両面粘着テープ44は、引張剥離操作用のタブ44aを一端部に有する。各両面粘着テープ44は、タブ44aを引っ張ることで容易に剥離され、これにより固定カバー部28は第2筐体12Bから容易に取外可能となっている。
【0049】
グラファイトシート35は、芯材34A,34Bの表面に固定部材39で固定され、積層されている。グラファイトシート35は、ベースカバー部20の略全面に亘って延在している。グラファイトシート35は、例えば0.05~0.15mm程度の厚みを有する。グラファイトシート35は、携帯用情報機器10内で発生した熱を吸熱し、拡散する熱拡散シートである。グラファイトシート35を有することにより、ベースカバー部20は、その表面20aでの局所的な高温部(ホットスポット)の形成が抑制される。
【0050】
補助シート36は、グラファイトシート35の表面に固定部材39で固定され、積層されている。補助シート36は、グラファイトシート35の表面の全面を覆うように設けられ、グラファイトシート35が持つ気泡やしわ等による凹凸形状が表面材37に転写されることを防止する。補助シート36は、芯材34A,34Bよりも柔軟で、且つ表面材37よりも硬質である。補助シート36は、例えばポリカーボネート(PC)等の樹脂で成形されたシート状部材である。補助シート36は、例えば0.1~0.5mm程度の厚みを有する。
【0051】
表面材37は、ベースカバー部20の外観意匠や触感を高めるための表皮材である。表面材37は、補助シート36の表面に固定部材39で固定され、積層されている。表面材37は、ベースカバー部20の表面20aを形成するように補助シート36の全面を覆っている。表面材37は、人工皮革、天然皮革、或いは樹脂等で形成され、補助シート36や芯材34A,34Bよりも柔軟なシート状部材である。表面材37は、例えば0.5~1mm程度の厚みを有する。
【0052】
折曲カバー部27は、上記の通り、芯材34A,34Bを持たず、芯材34A,34Bの隙間となる位置に設けられている。折曲カバー部27は、柔軟な保護カバー38、グラファイトシート35、補助シート36、及び表面材37のみで形成される。折曲カバー部27は、芯材を持たないため、フレキシブルヒンジとしての柔軟性を有する。つまりグラファイトシート35、補助シート36、及び表面材37の折曲領域が折曲カバー部27を構成している。折曲カバー部27では、グラファイトシート35の裏面に芯材34A,34B間の隙間を覆う保護カバー38が貼り付けられている。保護カバー38は、グラファイトの粉こぼれ等を防止するためのシート状部材である。保護カバー38は省略してもよい。この場合、例えばグラファイトシート35は、その裏面を樹脂等のコーティングによって覆うとよい。
【0053】
図6及び図7に示すように、第1筐体12A内には、熱拡散プレート45が設けられている。熱拡散プレート45は、例えばアルミニウムや銅等の熱導電率の高い金属で形成されたプレートである。熱拡散プレート45は、CPU13aと直接的に或いはサーマルラバー等を介して熱的に接続されている。熱拡散プレート45は、CPU13aが発生する熱を吸熱し、拡散する。熱拡散プレート45は、CPU13aと共に、その他の発熱体、例えば電源回路の熱を吸熱可能に設けられていてもよい。熱拡散プレート45は、第1筐体12Aの背面12Abを形成するカバー材に当接又は近接して配置されている。
【0054】
図7に示すように、スタンドカバー部22は、第2筐体12Bの背面12Ab側から順に、裏面材46と、補助シート47と、芯材48と、表面材49と、が積層された構造である。
【0055】
裏面材46は、起立位置で外観上に現れるスタンドカバー部22の裏面22dの外観意匠や触感を高めるための表皮材である。裏面材46は、補助シート47の裏面に固定部材39と同様な固定部材で固定され、積層されている。裏面材46は、人工皮革、天然皮革、或いは樹脂等で形成された柔軟なシート状部材である。裏面材46は、例えば0.5~1mm程度の厚みを有する。補助シート47、芯材48、及び表面材49は、上記したベースカバー部20の補助シート36、芯材34A,34B、及び表面材37と同一又は同様な構成でよいため、詳細な説明は省略する。スタンドカバー部22にも、グラファイトシート35や補助シート36を設けてもよい。
【0056】
図7に示すように、本実施形態のヒンジ装置24は、ヒンジ軸30の全体がベースカバー部20及びスタンドカバー部22の表面材37,49の表面よりも低い位置にある。これにより、第2筐体12Bの底面を形成するカバー装置14は、その表面にヒンジ軸30やブラケット31A等が突出しないため、高い外観品質や触感が得られる。ヒンジ装置24は、少なくともヒンジ軸30の軸中心がベースカバー部20及びスタンドカバー部22の表面材37,49の表面よりも低い位置にあれば、カバー装置14の表面からの突出量を抑制できる。
【0057】
以上のように、本実施形態の携帯用情報機器10は、筐体12A,12Bと、その背面12Ab,12Bbを覆うカバー装置14と、を備える。カバー装置14は、芯材34A,34Bと、その表面に積層されるグラファイトシート35と、グラファイトシート35の表面に積層され、芯材34A,34Bよりも柔軟な補助シート36と、補助シート36の表面に積層され、カバー装置14の表面を形成し、補助シート36よりも柔軟な表面材37と、を有する。
【0058】
従って、当該携帯用情報機器10は、柔軟な表面材37として、例えば人工皮革等を用いることで、携帯用情報機器10の外観意匠と触感を高めることができる。しかも筐体12A,12B内から放出された熱は、グラファイトシート35で吸熱して拡散される。このため、携帯用情報機器10は、カバー装置14が背面12Ab,12Bbに装着された構成でありながらも、内部から発生する熱を効率よく放熱されることができる。その結果、携帯用情報機器10は、筐体12A,12Bの内部が高温となることを抑制でき、高いパフォーマンスを維持することができる。
【0059】
ところで、グラファイトシート35は、製造の都合上、気泡やしわによる凹凸形状の発生をなくすことが困難である。そこで、カバー装置14は、グラファイトシート35の上に積層される柔軟な表面材37と、グラファイトシート35との間に、表面材37よりも硬質の補助シート36を挟み込んでいる。これによりカバー装置14は、グラファイトシート35の凹凸形状が表面材37に転写されることを補助シート36dで抑制できる。その結果、カバー装置14は、筐体12A,12Bからの放熱性能を確保しつつ、その外観や触感の品質低下を抑制することができる。従って、補助シート36は、グラファイトシート35の大部分を覆う必要があるが、特に本実施形態のようにグラファイトシート35の表面の全体を覆っていることが好ましい。
【0060】
芯材34A,34Bは、例えばGFRPやPCで形成された樹脂製である。補助シート36は、例えばPCで形成された樹脂製である。すなわち、芯材34A,34Bは、高い剛性を有しながらも軽量である必要があるため、ある程度厚みのある樹脂板で形成している。一方、補助シート36は、グラファイトシート35の凹凸形状が表面材37に現れることを抑制できればよいため、芯材34A,34Bよりも薄い樹脂シートで形成している。本実施形態の場合、補助シート36は、折曲カバー部27で柔軟な折曲領域を形成できる必要があるため、十分に薄いシート状である必要もある。
【0061】
当該携帯用情報機器10は、互いに相対的に回動可能に連結された2つの筐体12A,12Bを備える。カバー装置14は、第1筐体12Aに対してX方向に沿って相対移動可能に設けられたスライドカバー部26と、第2筐体12Bに対して相対的に固定された固定カバー部28と、スライドカバー部26と固定カバー部28との間を相対的に回動可能に接続する折曲カバー部27と、を有する。ここで、スライドカバー部26には、芯材34Aが設けられ、固定カバー部28には芯材34Bが設けられるが、折曲カバー部27には芯材が設けられていない。また、グラファイトシート35、補助シート36、及び表面材37は、スライドカバー部26、折曲カバー部27、及び固定カバー部28に亘って延在すると共に、折曲可能な折曲領域を折曲カバー部27に有する。なお、カバー装置14は、スタンドカバー部22を持たない構成でもよく、この場合は固定カバー部28が第2筐体12Bの背面12Bbの全体を覆うように広がっていればよい。
【0062】
従って、当該携帯用情報機器10は、筐体12A,12B間が折畳可能な構成でありながらも、カバー装置14は、その背面12Ab,12Bbの全体を覆いつつ、筐体12A,12B間の回動動作に追従できる。この際、補助シート36は、グラファイトシート35や表面材37と共に折曲カバー部27に折曲領域を有する。このため、グラファイトシート35の凹凸形状の表面材37への転写を抑制する補助シート36が、折曲カバー部27の折曲動作を阻害することがない。グラファイトシート35及び補助シート36は、スライドカバー部26のみに設けられてもよい。
【0063】
スライドカバー部26を第1筐体12Aに対して支持するスライド機構40は、CPU13aと重ならない位置に配置されている。従って、CPU13aから熱拡散プレート45を介してグラファイトシート35までの熱伝達をスライド機構40が邪魔することがない。
【0064】
当該カバー装置14は、携帯用情報機器10のスタンドとして機能するスタンドカバー部22を備える。ここで、スタンドカバー部22は、CPU13aを搭載した第1筐体12Aではなく、第2筐体12B側に設置されている。すなわち、カバー装置14は、第2筐体12B側では、ヒンジ装置24で固定カバー部28とスタンドカバー部22とに分断され、その全体を利用した熱拡散ができない。そこで、本実施形態では、最大の発熱体であるCPU13aを搭載した第1筐体12A側には、スタンドカバー部22を設けていない。これによりグラファイトシート35は、CPU13aに面する位置で第1筐体12Aから第2筐体12Bの一部までの大面積を確保することができ、高い熱拡散性能が得られる。
【0065】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0066】
上記では、折り畳み型の携帯用情報機器10を例示した。しかしながら、携帯用情報機器が折り畳み型ではない平板型のタブレット型PC等の場合、カバー装置14のベースカバー部20は、スライドカバー部26及び折曲カバー部27を省略し、固定カバー部28のみで構成すればよい。また、カバー装置14は、スタンド機能が不要である場合は、スタンドカバー部22を省略すればよい。
【0067】
上記では、スタンドカバー部22は、その底縁部22cが第2筐体12BのX方向に延びた下端面と一致する構成であるため、ヒンジ軸30をXY方向に対して傾斜した姿勢で配置し、図4に示す起立位置で携帯用情報機器10が多少後倒しの起立姿勢となるようにしていた。しかしながら、スタンドカバー部22の設置位置等によっては、ヒンジ軸30は、X方向又はY方向に平行に設置されてもよい。
【0068】
上記では、カバー装置14は、筐体12A,12Bに一体的に固定される構成を例示した。しかしながら、カバー装置14は、携帯用情報機器10とは完全に別体の単独部品でもよく、この場合、カバー装置14は、例えば磁石やフックを用いて筐体12A,12Bに着脱可能に装着される構成でもよい。このような単独部品のカバー装置14では、スタンドカバー部22は、第1ブラケット31A,31Bがベースカバー部20に固定されればよい。
【0069】
上記では、本のように二つ折りに折り畳み可能な携帯用情報機器10を例示したが、折り畳み型の携帯用情報機器としては、同形の筐体同士を二つ折りに折り畳む構成以外、例えば大形の筐体の左右縁部にそれぞれ小形の筐体を折り畳み可能に連結した観音開きの構成、1つの筐体の左右縁部にそれぞれ折り畳み方向の異なる筐体を連結したS型の折り畳み構成、大形の筐体の左右一方の縁部に小形の筐体を折り畳み可能に連結したJ型の折り畳み構成等、各種構成を例示でき、筐体の連結数は4以上としてもよい。この場合、カバー装置14は、各筐体の全部又は一部の背面を覆う構成とすればよく、2以上が同時に利用されてもよい。
【符号の説明】
【0070】
10 携帯用情報機器
12A 第1筐体
12B 第2筐体
13a CPU
14 カバー装置
16 ディスプレイ
20 ベースカバー部
22 スタンドカバー部
24 ヒンジ装置
26 スライドカバー部
27 折曲カバー部
28 固定カバー部
34A,34B,48 芯材
36,47 補助シート
37,49 表面材
40 スライド機構
46 裏面材
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7