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特開2022-21099情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021099
(43)【公開日】2022-02-02
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220126BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020124488
(22)【出願日】2020-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123973
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 正知
(72)【発明者】
【氏名】ツィンツァレク トビアス
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】例えば、適正なコンテンツ評価を行う。
【解決手段】コンテンツに関する情報を用いて前記コンテンツの根拠資料を特定し、特定した前記根拠資料に関する情報と、前記コンテンツに関する情報とを用いて、前記コンテンツの評価情報を生成するコンテンツ評価処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラムである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツに関する情報を用いて前記コンテンツの根拠資料を特定し、特定した前記根拠資料に関する情報と、前記コンテンツに関する情報とを用いて、前記コンテンツの評価情報を生成するコンテンツ評価処理
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【請求項2】
ユーザ毎に設定可能なユーザの主観的信頼度を表す情報をさらに用いて前記評価情報を生成する
請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記コンテンツの評価情報は、前記ユーザの主観的信頼度との合致度を表す自分合致度の情報を含む
請求項2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記コンテンツの評価情報は、前記根拠資料に基づく客観的な信頼度を表す一般的信用性の情報を含む
請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記コンテンツの評価情報は、前記コンテンツの正確性、信用性、科学性、普遍性および独創性を表す情報を含む
請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記コンテンツの評価情報は、前記根拠資料を表す情報を含む
請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
信頼度の高い所定の資料から前記根拠資料を抽出する
請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記根拠資料に関する情報は、前記根拠資料の情報内容の信頼度を表す情報である
請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記根拠資料に関する情報は、前記根拠資料の発信源に関する情報である
請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記コンテンツに関する情報は、前記コンテンツの分野を表す情報、該当時期を表す情報、著者を表す情報、情報源を表す情報および定量情報のうちの少なくとも何れかを含む
請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記コンテンツに関する情報は、前記コンテンツの発信源に関する情報を含む
請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
前記コンテンツは、SNS(Social Networking Service)を含むウェブページ内の文書、映像を含む画像、または音声である
請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項13】
コンテンツに関する情報を用いて前記コンテンツの根拠資料を特定し、特定した前記根拠資料に関する情報と、前記コンテンツに関する情報とを用いて生成された前記コンテンツの評価情報を出力する評価情報出力処理
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【請求項14】
ウェブブラウザに拡張機能として実装可能である
請求項13に記載の情報処理プログラム。
【請求項15】
ウェブブラウザが備えるコンテンツ検索機能による検索結果のコンテンツ一覧を表示する際に、検索結果のコンテンツに関して前記コンテンツの評価情報を表示する
請求項13に記載の情報処理プログラム。
【請求項16】
前記コンテンツの評価情報は、複数の評価項目を有しており、ユーザによって選択された評価項目の評価レベルの大きさに基づいて前記検索結果のコンテンツ一覧をソートして表示する
請求項15に記載の情報処理プログラム。
【請求項17】
コンテンツに関する情報を用いて前記コンテンツの根拠資料を特定し、特定した前記根拠資料に関する情報と、前記コンテンツに関する情報とを用いて、前記コンテンツの評価情報を生成するコンテンツ評価処理を行う情報処理部を有する
情報処理装置。
【請求項18】
情報処理部が、コンテンツに関する情報を用いて前記コンテンツの根拠資料を特定し、特定した前記根拠資料に関する情報と、前記コンテンツに関する情報とを用いて、前記コンテンツの評価情報を生成するコンテンツ評価処理を行う
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、SNS(Social Networking Service)の利用者の増加などにより、インターネットなどのネットワーク上に膨大な量のコンテンツが適当に提供されている。例えば、下記の特許文献1には、このようなコンテンツからユーザに適した情報を推薦する情報推薦方法について開示されている。なお、特許文献1では、「ユーザの興味」または「ユーザの行動」に基づいてユーザに推薦すべき情報のリストを生成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-206407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術は、ユーザが所望すると考えられる情報を推薦するものであり、コンテンツの評価を信頼度の面などから適正に行っているとは言い難い。
【0005】
本開示は、適正なコンテンツ評価を行うことができる情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法を提案することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、例えば、
コンテンツに関する情報を用いて前記コンテンツの根拠資料を特定し、特定した前記根拠資料に関する情報と、前記コンテンツに関する情報とを用いて、前記コンテンツの評価情報を生成するコンテンツ評価処理
をコンピュータに実行させる情報処理プログラムである。
【0007】
本開示は、例えば、
コンテンツに関する情報を用いて前記コンテンツの根拠資料を特定し、特定した前記根拠資料に関する情報と、前記コンテンツに関する情報とを用いて生成された前記コンテンツの評価情報を出力する評価情報出力処理
をコンピュータに実行させる情報処理プログラムである。
【0008】
本開示は、例えば、
コンテンツに関する情報を用いて前記コンテンツの根拠資料を特定し、特定した前記根拠資料に関する情報と、前記コンテンツに関する情報とを用いて、前記コンテンツの評価情報を生成するコンテンツ評価処理を行う情報処理部を有する
情報処理装置である。
【0009】
本開示は、例えば、
情報処理部が、コンテンツに関する情報を用いて前記コンテンツの根拠資料を特定し、特定した前記根拠資料に関する情報と、前記コンテンツに関する情報とを用いて、前記コンテンツの評価情報を生成するコンテンツ評価処理を行う
情報処理方法である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、情報処理システムを構成する各装置間で行われる処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図3図3は、コンテンツ評価の概要について説明するための図である。
図4図4は、コンテンツの評価手法の具体例を示す図である。
図5図5は、コンテンツの評価例について説明するための図である。
図6図6は、評価を行うコンテンツの情報例を示す図である。
図7図7は、個人・法人プロファイルの情報例を示す図である。
図8図8は、他のコンテンツの評価例について説明するための図である。
図9図9は、さらに他のコンテンツの評価例について説明するための図である。
図10図10は、プログラムを実装する第1の手順を説明するための図である。
図11図11は、プログラムを実装する第2の手順を説明するための図である。
図12図12は、ウェブブラウザによる評価結果の表示例を示す図である。
図13図13は、コンテンツ提供サーバ、コンテンツ管理サーバおよびユーザ端末のハードウェアの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態等について図面を参照しながら説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
<1.背景>
<2.実施の形態>
<3.変形例>
以下に説明する実施の形態等は本開示の好適な具体例であり、本開示の内容がこれらの実施の形態等に限定されるものではない。
【0012】
<1.背景>
始めに、本開示の理解を容易とするために、本開示の背景について説明する。情報爆発が起きた現在、信頼性に欠くコンテンツが溢れている。例えば、コンテンツの発信者の身分、コンテンツの伝達経路、コンテンツの正確性やコンテンツの該当分野における妥当性などが明確になっていないものも多く存在する。また、例えば、著作権(Copyright)による保護が信頼性向上の妨げとなっていることもある。さらには、例えば、杜撰な記述、商売や売り上げの向上を目的にした広告、読者の単なる意見、政治的な目的のあるコンテンツ、科学的な根拠のない主張、偽った実験結果、形而上学的にも妥当性のない情報など、真実が不明な情報が蔓延っている。これらによって、我々個々の世界と社会とがカオス状態に陥っている。
【0013】
このような状況において、コンテンツの「信頼度」は、例えば、閲覧者数、お気に入りの獲得票数を表すライク(Like)数、その他の主観的評価(例えば、評価を表す星数、顔文字(Emoticon))などでランキングされているのが現状である。つまり、コンテンツの正当性や信頼性が民主主義の原理のみによって格付けされている。
【0014】
インターネットなどのネットワーク関連企業は、収入を得るために広告や課金などを利用している。そして、多くの場合、インプレッション数、クリック数などが多ければ多いほど収入が増加する仕組みとなっている。そのため、情報の主観や客観的な格付けの高さよりも情報が売れるか否かを重視しており、ビジネスモデルが民主主義の原理のみに基づいており、絶対的な品質を追求する動機がない。
【0015】
利用(例えば、閲覧)コンテンツに関してメタ情報が適確に設定されていればよいが、実際には、そのように設定されていない。ここでいうメタ情報は、例えば、情報発信者の専門性、経歴、社会的実績、職業、倫理観、評判、活動目的や、情報そのものの普遍性、正確性、科学性、独創性、追跡性、妥当性や、情報の時間軸における原点、履歴、伝達経路、改ざんなどである。また、他人による情報の格付けはあっても、自分に特化した信頼度指標がない。これらによって、情報の消費者は、ネットワーク上のコンテンツで戸惑うことになる。
【0016】
例えば、現状においては、リサーチゲート(RESEARCHGATE(登録商標))などの、研究者のランク付けを行うウェブサイトは存在するが、ある一般的なウェブページの信頼性を判断するにあたって、信頼性の裏付けを裏のロジックで計算して表示するウェブブラウザ(以下、適宜ブラウザと称する)などは見当たらない。
【0017】
このようなことから、現状のやり方だけでは、コンテンツの評価が信頼度の面などから適正に行われているとは言い難い。そこで、以下に説明する実施の形態等では、コンテンツの評価を信頼度の面などから適正に行うことができる情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法について提案する。
【0018】
<2.実施の形態>
[2-1.情報処理システムの構成例]
図1は、実施の形態に係る情報処理システム(情報処理システム1)の構成例を示している。情報処理システム1は、例えば、コンテンツ提供サーバ2、コンテンツ管理サーバ3およびユーザ端末4を有している。コンテンツ提供サーバ2、コンテンツ管理サーバ3およびユーザ端末4は、それぞれネットワークNに接続されている。ネットワークNは、例えば、インターネットである。なお、図示した例では、コンテンツ提供サーバ2、コンテンツ管理サーバ3およびユーザ端末4の各々を1台ずつ示しているが、これらは複数台あってもよい。
【0019】
コンテンツ提供サーバ2は、コンテンツ提供側の装置(例えば、ウェブサーバ)である。コンテンツ提供サーバ2には、様々なコンテンツ提供者によって種々のコンテンツが提供されている。コンテンツ管理サーバ3は、コンテンツの管理を担う装置であり、例えば、検索エンジンによるコンテンツ検索機能、評価アルゴリズムを用いたコンテンツ評価機能などを有している。また、コンテンツ管理サーバ3は、例えば、コンテンツ管理に必要な各種データベースを有している。ユーザ端末4は、コンテンツ利用者側の装置(例えば、ウェブクライアント)である。ユーザ端末4は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、テレビジョン装置、オーディオ・ビデオ再生機器、ゲーム機などであるが、具体的な製品形態は問わない。ユーザ端末4は、コンテンツ利用機能として、例えば、コンテンツ閲覧用のブラウザ機能などを有している。
【0020】
なお、情報処理システム1は、コンテンツ管理サーバ3の機能の一部または全部を他の装置に持たせたものであってもよい。例えば、上述したコンテンツ管理サーバ3のコンテンツ検索機能とコンテンツ評価機能とを別の装置で行う構成であってもよい。また、これらの機能の少なくとも何れか一方をコンテンツ提供サーバ2またはユーザ端末4に持たせてもよい。これにより、コンテンツ管理サーバ3の処理負荷を軽減またはコンテンツ管理サーバ3を省略することができる。
【0021】
[2-2.情報処理システムにおける処理例]
図2は、情報処理システム1を構成する各装置間で行われる処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず、情報処理システム1において、コンテンツ管理サーバ3が情報収集処理を行い(ステップS1)、コンテンツ提供サーバ2に対してコンテンツに関する情報を要求する(ステップS2)。コンテンツに関する情報は、例えば、コンテンツのメタ情報を含むものである。なお、コンテンツ管理サーバ3は、例えば、検索エンジンなどを用い、コンテンツ提供サーバ2からの要求に応じて、または定期的にネットワークNを巡回してコンテンツに関する情報を要求する。
【0022】
コンテンツ提供サーバ2は、この要求を受け取った場合に情報提供処理を行い(ステップS3)、コンテンツに関する情報をコンテンツ管理サーバ3に提供する(ステップS4)。このコンテンツ提供サーバ2から提供されたコンテンツに関する情報は、例えば、コンテンツ管理サーバ3のデータベースに蓄積され、コンテンツ管理サーバ3がコンテンツを検索可能な状態となる。
【0023】
この状態において、ユーザ端末4が、検索ワード指定受付処理を行い(ステップS5)、ユーザによって検索ワードが指定(例えば、入力装置により入力)されると、指定された検索ワードがコンテンツ管理サーバ3に提供される(ステップS6)。コンテンツ管理サーバ3は、この検索ワードと、先ほどのコンテンツに関する情報とを用いてコンテンツの検索処理を行い(ステップS7)、さらに、検索結果のコンテンツを評価するコンテンツ評価処理を行う(ステップS8)。
【0024】
コンテンツの検索結果と評価結果は、ユーザ端末4に提供される(ステップS9)。ユーザ端末4は、第1の評価情報出力処理により、コンテンツの検索結果とともに評価結果を、例えば、ディスプレイに表示することで出力する(ステップS10)。そして、ユーザ端末4は、コンテンツの選択受付処理を行い(ステップS11)、ユーザによってコンテンツが選択されると、コンテンツ提供サーバ2に対して、選択されたコンテンツを要求する(ステップS12)。また、それとともに、コンテンツ管理サーバ3に対して、選択されたコンテンツの評価を要求する(ステップS13)。コンテンツ提供サーバ2は、ユーザ端末4からコンテンツの要求があった場合にコンテンツ提供処理を行い(ステップS14)、ユーザ端末4に対して要求されたコンテンツを提供する(ステップS15)。
【0025】
一方、コンテンツ管理サーバ3は、ユーザ端末4からコンテンツの評価要求があった場合に、上述したステップS8と同様に、要求のあったコンテンツを評価するコンテンツ評価処理を行い(ステップS16)、評価結果をユーザ端末4に提供する(ステップS17)。コンテンツ提供サーバ2からコンテンツの提供を受け、コンテンツ管理サーバ3からコンテンツの評価結果を受けたユーザ端末4は、第2の評価情報出力処理により、そのコンテンツおよび評価結果を、例えば、ディスプレイに表示することで出力する(ステップS18)。
【0026】
これにより、ユーザは、コンテンツ検索およびコンテンツ利用の際にそのコンテンツの評価結果について知ることができる。なお、ユーザ端末4は、コンテンツの検索およびコンテンツの利用(例えば、URL(Uniform Resource Locator)によるコンテンツの直接的な選択の利用を含む)のうちの何れかの場合のみに評価結果を出力するものであってもよい。
【0027】
[2-3.コンテンツ評価処理の概要]
次に、図3を参照して、上述したコンテンツ評価処理の概要について説明する。なお、上述したコンテンツ検索処理に関しては、既知の手法を採用することができ、ここでは、詳細な説明を省略する。
【0028】
コンテンツ管理サーバ3は、コンテンツを評価するに際し、そのコンテンツの情報源を明らかにし、根拠資料の特定を行う。評価するコンテンツは、3次的な情報(3rd Class information)を含むもの(3次的なコンテンツ)である。3次的なコンテンツは、例えば、自称エキスパート(Self-proclaimed Experts)、広告主(Advertisers)、ブロガー(Bloggers)、消費者(Consumers)などを発信源とするコンテンツや、ウィキペディア:WIKIPEDIA(登録商標)などのオンライン事典のコンテンツである。つまり、3次的なコンテンツは、一般的なウェブページ(SNSを含む)などのウェブコンテンツを指している。なお、コンテンツの種類は、文書(図、グラフなどを含む)に限らず、画像(映像を含む)、音声などであってもよい。3次的なコンテンツは、例えば、上述したコンテンツ提供サーバ2のデータベースなどに格納されている。
【0029】
コンテンツ管理サーバ3は、コンテンツの根拠資料の特定に際し、例えば、そのコンテンツを分類する。分類項目は、例えば、「ITセキュリティ」、「機械学習」などといった所定のものである。そして、その分類項目に該当する1次的および2次的な情報(1st and 2nd Class information)に基づいて根拠資料を抽出する。1次的および2次的な情報は、例えば、学者(Academics)、研究所(Institutes)などが提供する比較的に信頼度の高い所定の情報を意味する。
【0030】
1次的な情報は、物理的なもの(Real Documents)であることが理想であるが、今の時代は、1次的な情報となり得るウェブコンテンツなどもあり、境界が曖昧である。そこで、境界線をはっきり引くために、1次的な情報は、例えば、宗教、政治、経済などとは利害関係のない独立した公の研究機関などが提供している情報(ウェブコンテンツを含む)に限定してもよい。例えば、1次的な情報として、信用度の高いデジタルコンテンツ、研究機関、図書館、博物館、出版社などが提供する情報などがあげられる。
【0031】
コンテンツ管理サーバ3は、1次的な情報から根拠資料の抽出を試みて、根拠資料が抽出できなければ2次的な情報から根拠資料を抽出する。2次的な情報は、例えば、リサーチゲート(RESEARCHGATE(登録商標))などの専門家ネットワークサイトで比較的に信用性のある著者・資料と、ウェブなどから抽出できる法律規定の厳重に置かれている組織や社会的責任者が提供している情報などである。なお、この2次的な情報にもウェブコンテンツが含まれる。
【0032】
例えば、コンテンツ管理サーバ3は、図示するように、評価するコンテンツの3次的な情報と、根拠資料を抽出する1次的および2次的な情報との双方のNE抽出、メタタグなどのメタ情報を用いて互いの類似度を計算する。そして、コンテンツ管理サーバ3は、計算した類似度に基づいて引用グラフ・編集グラフを作成し、時間軸における関係性も考慮してコンテンツの情報源および関連資料の特定などを行う。
【0033】
引用グラフ(編集グラフも同様)は、例えば、互いに直交する2本の軸のうちの一方でコンテンツ作成時期を表し、他方でコンテンツの属する分類を表し、グラフ上にそれぞれのコンテンツが該当する範囲を表象する図形を配置して作成する。引用グラフおよび編集グラフを作成することで、各コンテンツの作成時期および分類などを把握可能となる。なお、コンテンツの情報源および関連資料の特定は、これに限らず、他の手法によって行ってもよい。コンテンツ管理サーバ3は、例えば、関連資料が1次的および2次的な資料(1次的および2次的な情報を含む資料)に含まれている場合には、その1次的および2次的な資料を根拠資料と特定し、含まれていない場合には、根拠となる資料が抽出されないものとする。
【0034】
次に、コンテンツ管理サーバ3は、評価対象のコンテンツの信頼度を求める。コンテンツ管理サーバ3は、例えば、評価対象のコンテンツと、1次的および2次的なコンテンツ(1次的および2次的な資料のウェブコンテンツ)のメタ情報(例えば、引用数、論理的に矛盾がない状態のレベルを表す論理的整合性スコア、著者属性、発表機関の評判、実験情報の有無、類似度、情報の時間軸における原点からの追跡性、普遍妥当性など)などを参考にしながら信頼度を計算する。
【0035】
詳述すると、図示するように、コンテンツ管理サーバ3は、例えば、評価対象の3次的なコンテンツのメタ情報と、1次的および2次的なコンテンツのメタ情報(例えば、発信源に関する個人・法人プロファイルおよび情報内容分析プロファイル)と、ユーザの事前信用設定(個人設定)とを用いてコンテンツの信頼度を計算してコンテンツを評価する。このように、コンテンツの信頼度の計算には、情報の発信者や情報の正確性などが考慮される。1次的および2次的なコンテンツのメタ情報(プロファイルを含む)は、例えば、コンテンツ管理サーバ3のデータベースに予め格納されている。
【0036】
発信源に関する個人・法人プロファイルは、例えば、職業(Profession)、活動目的(Objective)、組織形態(Classification)、専門性(Expertise)、評判(Reputation)を表す情報を含むものである。情報内容の信頼度を表す情報内容分析プロファイルは、例えば、情報の信用性(Trustability)、科学性(Scientific-ness)、独創性(Creative-ness)、正確性(Accurate-ness)、普遍性(Universality)を表す情報を含むものである。
【0037】
ユーザの事前信用設定は、ユーザ毎に特化した信頼度指標の設定であり、例えば、発信元信用リスト、発信元懐疑リスト、分析対象設定(例えば、IT分野のコンテンツを分析対象とするなど)を表す情報を含むものである。このユーザの事前信用設定は、例えば、ユーザが各々、ユーザ端末4などを用いて予め独自に設定し、ユーザ端末4の記憶装置またはコンテンツ管理サーバ3のデータベースなどに格納されているものである。
【0038】
コンテンツ管理サーバ3は、ユーザの単なる興味指数を求めるのではなく、ユーザの主観的な信頼度との合致度、一般的な信用、客観的妥当性を評価する。具体的には、コンテンツ管理サーバ3は、コンテンツの評価情報として、コンテンツプロファイル(Content Profile)を生成する。このコンテンツプロファイルは、例えば、根拠資料を表す情報としての根拠資料リスト、自分合致度、一般的信用性、TSCAU指標を表す情報を含むものである。
【0039】
根拠資料リストは、例えば、上述したコンテンツの根拠資料についてのリストを表すものである。自分合致度は、例えば、個々のユーザの主観的な信用性を加味したコンテンツの信頼度(ユーザにとっての主観的合致度)を表すものであり、一般的信用性は、例えば、根拠資料に基づくコンテンツの客観的な信頼度(一般大衆が信用する一般大衆信用指数)を表すものである。TSCAU指標は、評価するコンテンツの信用性、科学性、独創性、正確性および普遍性の5つのレベルをそれぞれ数値(例えば、0から1までの数値)などで表したものである。例えば、3次的なコンテンツの正確性は、情報源・発信者の信用性、1次的な情報のメタ情報との関連度などに基づいて評価する。
【0040】
このように、コンテンツ管理サーバ3は、抽出された1次的な情報、1次的な情報が抽出されない場合には、それに相当する2次的な情報を参考にしながら、評価するコンテンツの属性と信頼度の判定、つまり3次的な情報の発信者の身分、専門性、信用性などの判定と、コンテンツの根拠資料、正確性、科学性、普遍性、独創性、自分合致度、一般的信用性などの判定を行う。そして、判定結果に基づくコンテンツプロファイルを評価結果として生成し、ユーザ端末4に提供し、例えば、ユーザ端末4が有するブラウザ機能を用いて出力されるようにする。
【0041】
コンテンツ管理サーバ3は、引用グラフ、編集グラフなどの、特定できた範囲での時間軸における情報フローグラフ、TSCAUなどの情報の多面的な格付けの他に、発信者の身分と情報源の正確性を考慮した上の信頼度を求めることができ、ユーザ端末4は、その信頼度を出力することができる。
【0042】
コンテンツを評価するに際し、漠然としてユーザが興味のある情報だけでなく、興味のある情報をさらに細かく個人的に信用している情報と、疑いを持っている情報の分類を想定した上で、できれば1次的な情報に属する情報源を信用できる情報として参考にしながら、3次的なコンテンツの多面的な信用指標を得るようにしている。これにより、疑わしい情報に関してユーザに警告して批判的思考を育てることができるようになる。
【0043】
[2-4.コンテンツの評価手法]
図4は、コンテンツの評価手法の具体例を示す。コンテンツ管理サーバ3は、コンテンツの評価に際し、書籍、論文、研究調査資料などの1次的および2次的な資料に関する情報と、ユーザの主観的信頼度を表す個人設定の情報とを用いる。個人設定の情報は、上述したユーザの事前信用設定により設定された情報である。
【0044】
1次的および2次的な資料に関する情報は、例えば、以下のように収集される。コンテンツ管理サーバ3は、コンテンツ提供サーバ2から1次的および2次的な資料のコンテンツについてドメイン(分野)別に語彙を収集する。また、コンテンツ管理サーバ3は、1次的および2次的な資料の情報を構造化してデータベースに格納したものがある場合には、その構造化知識を収集する。
【0045】
コンテンツ管理サーバ3は、次に、収集した語彙、構造化知識を用いて内容分析とメタ情報の抽出を行う。そして、コンテンツ管理サーバ3は、著者情報・引用情報、論理的整合性指数、ドメインタグ、資料内定量的情報などを特定する。そして、コンテンツ管理サーバ3は、特定したこれらの情報を用いて1次的および2次的な資料(一般書籍を含む)を信用リストと懐疑リスト(例えば、信用リストの数値:0≦信用性≦0.5、懐疑リストの数値:0.5<信用性≦1.0)とに振り分けてデータベースに格納する。この際、例えば、正確性、科学性、普遍性などに基づいて振り分けの判定を行う。正確性は、例えば、査読情報などにより算出する。科学性は、例えば、実験結果の有無などで判定する。普遍性は、例えば、引用数・分野依存性などにより判定する。
【0046】
個人設定の情報は、例えば以下のように設定される。個人設定は、上述したように設定項目として発信元信用リストおよび発信元懐疑リストなどを含んでいる。このリストは、ともにカスタムリストであり、それぞれ、例えば、URL・DOI(Digital Object Identifier)、著者名、書籍、ISBN(International Standard Book Number)、研究機関などの信用性を判定するための項目を含んでいる。
【0047】
そして、コンテンツの評価は、例えば、以下のようにして行われる。コンテンツの評価は、まず、評価するコンテンツのドメインを推定する。また、評価するコンテンツの著者の判定とメタ情報の抽出を行う。次に、これらの情報と、データベースなどに記憶されている1次的および2次的な資料の情報とを用いて根拠資料の事前選別を行う。ここで、例えば、根拠資料なしの場合(根拠資料が抽出できなかった場合)には、「独創性:1.0(数値範囲:0から1)」とされる。根拠資料があった場合には、評価するコンテンツと根拠資料との類似度が計算される。この際、独創性についても、例えば、「1.0-類似度(数値範囲:0から1)」で計算される。そして、所定の閾値以上の根拠資料の評価リスト(例えば、根拠資料と、根拠資料との類似度のリスト)を生成する。根拠資料と評価リストは、ユーザ端末4に送られ、ユーザ端末4は、ブラウザ機能により閲覧ページの信用評価として、根拠資料と評価リストを表示する。
【0048】
また、コンテンツ管理サーバ3は、上述した1次的および2次的な資料についてのメタ情報から、評価するコンテンツのメタ情報(発信源メタ情報)と共通するものを抽出し、発信源メタデータとして記憶する。そして、例えば、コンテンツ評価の際に、この発信源メタデータと、上述した著者判定の結果およびコンテンツのメタ情報と、根拠資料およびその評価リストなどを用いて評価するコンテンツのTSCAU指標を計算する。例えば、信用性の計算は、著者の専門性・活動目的、コンテンツの科学性、正確性などが考慮される。計算されたTSCAU指標は、ユーザ端末4に送られ、ユーザ端末4は、ブラウザ機能により閲覧ページの信用評価として、TSCAU指標、つまり、正確性、信用性、科学性、普遍性、独創性を表示する。図示した例では、正確性:0.7、信用性:0.1、科学性:0.5、普遍性:0.3、独創性:0.2(数値範囲:0から1)となっている。これらのTSCAU指標などの信用性評価値の計算は、例えば、恣意的なルールは標準で、実際のコンテンツ(例えば、ウェブページ)からなるデータセットに関するユーザや専門家の信用性評価があれば、企業体、執筆者、根拠資料などの信用性を適宜組み合わせることで機械学習により決定することができる。
【0049】
なお、根拠資料については、個人設定を参照して資料の振り分けがなされる。根拠資料が個人設定に設定されている信用資料(カスタマイズされた信用リストに含まれる資料)であるか、疑惑資料(カスタマイズされた懐疑リストに含まれる資料)であるか、それ以外のその他の資料であるかが判定される。信用資料または疑惑資料の場合には、所定のアルゴリズムによる主観・客観合致度計算を行い、ユーザの主観性を含ませた自分合致度を計算し、計算した自分合致度は、ユーザ端末4に送られ、ユーザ端末4は、ブラウザ機能により閲覧ページの信用評価として、自分合致度を表示する。一方、その他の資料の場合には、一般信用性を計算する。計算した一般信用性は、ユーザ端末4に送られ、ユーザ端末4は、ブラウザ機能により閲覧ページの信用評価として、一般信用性を表示する。なお、図示した例では、自分合致度:0.3、一般信用性:0.6(数値範囲:0から1)となっている。
【0050】
このように、コンテンツ管理サーバ3は、コンテンツの評価結果として、根拠資料と評価リスト、TSCAU指標、自分合致度および一般信用性の情報を生成し、ユーザ端末4に提供する。ユーザ端末4は、ブラウザ機能によってその評価結果を表示(出力)する。
【0051】
[2-5.コンテンツの評価例1]
図5は、コンテンツの評価例について説明するための図である。図6は、評価を行うコンテンツ(この例では、ウェブページ)の情報例を示している。なお、図6に示すウェブページは、説明用の仮想的なもの(https://www.●●●.com/▲▲▲-top100-wst-pw2020/)である。以下の説明において登場するウェブページについても同様である。
【0052】
閲覧ページの評価を行う場合、まず、コンテンツ管理サーバ3は、閲覧ページに関するメタ情報を抽出し、抽出したメタ情報から、ドメイン、該当時期、著者、情報源、定量情報などの評価用情報を特定する。ドメインは、例えば、キーワードによる判定を行うことで特定する。該当時期は、例えば、年月日などの時期を抽出することで特定する。著者および情報源は、それぞれ、例えば、自然言語処理(NLP:Natural Language Processing)と、上述した個人・法人プロファイルなどの既知の法人・個人リストの参照とを利用して特定する。定量情報は、例えば、自然言語処理と、数値的情報の抽出とを利用して特定する。
【0053】
図6に示す情報例では、例えば、ページ内の見出しに「Passwords」というキーワードが含まれることからドメインを「ITセキュリティ(IT Security)」と特定している。また、ページ内容から該当時期を「2020年」と特定している。また、ページ内の「by JHON SMITH」という情報から、著者を「■■■に所属するJOHN SMITH」であると特定し、ページ内の「according to ▲▲▲」という記述から、情報源を「▲▲▲」であると特定している。さらに、ページ内の数値的情報を抽出して、定量情報を「evaluating more than 5 million passwords」であると特定している。
【0054】
そして、コンテンツ管理サーバ3は、この評価用情報から閲覧ページに関する特異性を特定する。図示した例では、特異性:1.0(数値範囲:0から1)となっている。
【0055】
また、コンテンツ管理サーバ3は、定量情報から科学性を決定する。詳述すると、コンテンツ管理サーバ3は、コンテンツ(この場合は閲覧しているウェブページ)を解析して定量情報の有無、統計的な調査データの有無などを判定し、判定結果に応じてコンテンツの科学性の度合いを評価する。例えば、図示した例では、定量情報から統計的優位性があるものとして、科学性:1.0と決定している。
【0056】
また、コンテンツ管理サーバ3は、特定した著者と情報源の信用性をそれぞれ決定する。例えば、著者の信用性は、上述した個人・法人プロファイルのデータベース(Parson/Org DB)に関連情報としてJohn Smith:#3845、■■■:#32(#…は、識別番号)が登録されており、John Smithは、属性不明で、よくある人物・組織名であるとして、信用性:0.1なっている。例えば、情報源の信用性は、個人・法人プロファイルのデータベースに▲▲▲:.com(事業体:Business Entity)が登録されており、存続しているネットワーク関連企業であるとして、信用性:0.7となっている。
【0057】
図7は、個人・法人プロファイルの情報例を示す。個人・法人プロファイルの情報は、例えば、個人・組織(法人を含む)の経歴、沿革などの信用性を図るための情報を含むものである。コンテンツ管理サーバ3は、例えば、この信用性を図るための情報などに基づいて、個人・組織の属性情報(例えば、履歴、責任者、専門分野、活動目的、組織形態など)を抽出する。例えば、図7に示す情報は、▲▲▲に関するものであり、この情報などから▲▲▲の属性情報として、履歴:10年間以上、責任者:CEO(Chief Executive Officer)、CPO(Chief Product Officer)、エンジニアリングディレクター(Director, Engineering)、専門分野:セキュリティアプリケーション、活動目的:売上向上(顧客数100万人)、組織形態:小さいネットワーク関連企業などを抽出する。そして、コンテンツ管理サーバ3は、この抽出した属性情報に基づいて個人・組織の信用性を決定し、その決定した信用性を、例えば、その個人・組織と関連付けて個人・法人プロファイルのデータベースに格納している。図示した例では、▲▲▲は、信用性:0.7として格納されている。
【0058】
そして、コンテンツ管理サーバ3は、例えば、著者の信用性、情報源の信用性および科学性などに基づいて閲覧ページの信用性を決定する。図示した例では、関数MINにより、著者の信用性、情報源の信用性および科学性の最小値を計算することで信用性:0.1を求めている。
【0059】
また、コンテンツ管理サーバ3は、評価用情報(特に、情報源、著者、ドメイン)をもとに閲覧ページの関連資料を検索し、データベースに格納されている1次的および2次的な資料から閲覧ページの根拠資料を特定する。そして、特定した根拠資料と閲覧ページとの類似度を決定し、得られた類似度から独創性を求める。図示した例では、類似度:0.1、独創性:0.9と決定している。また、根拠資料を参照して閲覧ページの普遍性を求め、求めた普遍性を受けて閲覧ページの一般信用性を決定する。図示した例では、普遍性:0.0、一般信用性:0.0と決定している。
【0060】
さらに、コンテンツ管理サーバ3は、個人設定を参照して閲覧ページの内容に該当する項目の情報に基づいて自分合致度を計算する。図示した例では、関数AVGにより、該当する項目(この例では、懐疑リストに含まれるJohn Smith:0.3、信用リストに含まれる▲▲▲:0.7)の平均値を計算することで自分合致度:0.5を求めている。なお、参照した個人設定の項目の分野は、「IT」、「安全」であり、閲覧ページのドメインと共通する。一方、■■■については、個人設定の信用リスト、懐疑リストには設定されておらず、信用性は、■■■:0.4(データベース初期値)となっている。
【0061】
さらに、コンテンツ管理サーバ3は、個人設定を参照して閲覧ページの内容に該当する項目の情報と、信用性と、一般信用性とを参照して正確性を決定する。図示した例では、関数MINにより、個人設定の該当する項目の最小値を計算する。そして、関数MAXにより、その最小値:0.3と、信用性:0.1と、一般信用性:0.0の最大値を計算して正確性:0.3を求めている。
【0062】
このように、コンテンツ管理サーバ3は、明示的なユーザの個人設定(信用リスト・懐疑リスト)に基づいて、発信源の「信用性」から閲覧ページの自分合致度と正確性とを推定している。言えば、一極的な興味特異点にこだわっているのではなく、プラスとマイナス、両方がある二極的な情報源が世の中に点在しているという、より現実的な世界観に基づいている。
【0063】
コンテンツ管理サーバ3は、以上のようにして求めた、根拠資料についての情報、TSCAU指標、自分合致度および一般信用性などを閲覧ページの評価結果としてユーザ端末4に提供する。
【0064】
[2-6.コンテンツの評価例2]
図8は、他のコンテンツの評価例について説明するための図である。なお、図8は、ウェブページ(https://○○○.net/news/wst-pw2020/)に関する評価例を示している。
【0065】
図8に示す例では、例えば、ページ内の見出しに「最悪のパスワード」というセキュリティに関するキーワードが含まれることからドメインを「ITセキュリティ(IT Security)」と特定している。また、ページ内容から該当時期を「2020年」と特定している。さらに、ページ内の引用リンクの抽出により、情報源を「www.■■■.com/***/と特定している。なお、著者は不明であり、定量情報としては、根拠情報がないものとしている。
【0066】
そして、定量情報に関し、根拠情報がないことから、科学性:0.0としている。また、著者が不明で著者の信用性はわからないが、情報源が個人・法人プロファイルのデータベースに登録されている■■■であることから、ここでは、信用性:0.4としている。また、情報源のコンテンツと違いがないものとして、根拠資料との類似度:1.0、独創性:0.0としている。さらに、ここでは、根拠資料の科学性:1.0および正確性:0.3と、上述した信用性:0.4とを参照して、正確性:0.3としている。このように、根拠資料との類似度:1.0である(内容に差異がない)場合には、根拠資料の正確性をそのまま引き継いでもよい。
【0067】
普遍性(図示略)、一般信用性については、先の具体例と同じ(普遍性:0.0、一般信用性:0.0)となっている。なお、URLに含まれる組織名○○○に該当する項目が、個人設定の懐疑リストに○○○:0.2として登録されていることから、自分合致度:0.2となっている。
【0068】
コンテンツ管理サーバ3は、以上のようにして求めた、根拠資料についての情報、TSCAU指標、自分合致度および一般信用性などを閲覧ページの評価結果としてユーザ端末4に提供する。
【0069】
[2-7.コンテンツ評価例3]
図9は、さたに他のコンテンツの評価例について説明するための図である。図9は、ウェブページ(https://△△△.jp/post-2006/)に関する評価例を示している。
【0070】
図9に示す例では、例えば、ページ内の見出しに「最悪のパスワード」というキーワードが含まれる(図示略)ことからドメインを「ITセキュリティ(IT Security)」と特定している。また、ページ内容から該当時期を「2020年」と特定している。また、ここでは図示をしていないが、ページ内容から著者を「Jacob Brown」と特定している。また、ページ内の「▲▲▲は、・・・を発表した」との記載から、情報源を「▲▲▲」と特定している。なお、定量情報については、ページ内に「トップ100に含まれるパスワードを使っているなら、すぐに変えた方がいい」、「500万ものパスワードがインターネットに漏れた」との記載があるが、根拠情報としては使えないものとしている。定量性はあるが、統計調査については言及されていないためである。
【0071】
そして、このように定量情報に関しては根拠情報として使えないことから、科学性:0.3としている。なお、著者「Jacob Brown」は、個人・法人プロファイルのデータベースに登録されていない。そこで、ここでは、発信者のプロフィール(例えば、ウェブコンテンツ)から著者に関する情報、例えば、履歴、所属、専門分野、活動目的、組織形態などを抽出し、抽出した情報を用いて著者の信用性を決定している。例えば、著者「Jacob Brown」のプロフィールは、履歴が「#### University,□□Mag Analyst」であり、所属が「News Site ###, Senior Reporter」、専門分野が「history, BA」、活動目的が読者数向上、組織形態が「ネットワーク関連企業」となっている。これらの情報に基づいて、ここでは、所属が記者であり、専門分野が歴史であることなどから信用性:0.3としている。そして、個人設定の該当する項目の情報と、この信用性:0.3などを用いて正確性:0.27としている。
【0072】
なお、根拠資料がないことから、普遍性、類似度、独創性は不明である。一般信用性についても根拠資料がないことから、先の具体例と同じ(一般信用性:0.0)となっている。このように、例えば、不足情報がある場合、計算できる項目だけ求めてもよい。なお、URLに含まれる組織名△△△に該当する項目が、個人設定の信用リストに△△△:0.9として登録されていることから、自分合致度:0.9としている。
【0073】
コンテンツ管理サーバ3は、以上のようにして求めた、根拠資料についての情報、TSCAU指標、自分合致度および一般信用性などを閲覧ページの評価結果としてユーザ端末4に提供する。評価結果の提供を受けたユーザ端末4は、その閲覧ページの評価結果を出力する。
【0074】
[2-8.プログラムの実装例]
ここで、ユーザ端末4へのプログラムの実装例について説明する。図10および図11は、実装手順の一例を説明するための図である。上述したコンテンツ評価処理を行うプログラムは、例えば、ブラウザにアドオン(Add-on)の機能として実装する。これにより、例えば、所望の文献を検索して検索結果を表示する際や所望の文献を表示する際に、情報信頼度に応じた評価結果をユーザが閲覧できるようにすることができる。
【0075】
例えば、図10に示すような、アドオンプログラムなどが配信されているウェブストアにアクセスし、所望の拡張機能として、「情報信頼度付検索」を選択する。次に、図11に示すように、「ブラウザに追加」をクリック(選択)し、ブラウザの拡張機能として実装し、上述したコンテンツの評価結果を表示する「情報信頼度付検索」を使えるようにする。
【0076】
具体的には、ブラウザが備えるコンテンツ検索機能による検索結果のコンテンツ一覧を表示する際に、検索結果のコンテンツに関してコンテンツの評価情報を表示するようにする。ユーザは、コンテンツを検索した場合に、上述した評価情報を参照して、ユーザの目的に合った効率のよい検索を行うことができる。また、コンテンツの利用に際し、コンテンツの評価結果を表示するようにする。これにより、ユーザにコンテンツの評価を提示することができる。なお、拡張機能追加の方法は、これに限るものではない。例えば、ブラウザに用意されている他の手順で追加してもよい。また、この情報信頼度の提示機能は、拡張機能の追加に限らず、ブラウザのソフトウェアプログラムに標準機能として組み込まれていてもよい。
【0077】
[2-9.コンテンツ評価の表示例]
図12は、ブラウザによる評価結果の表示例を示す図である。図示するように、例えば、検索ワードとして「最悪なパスワード」と入力して検索を実行すると、検索結果のコンテンツとともに4種類の評価項目(根拠資料羅列、自分合致度、一般信用度およびTSCAU指標)を有する評価情報が表示される。
【0078】
なお、コンテンツの評価情報は、ユーザによって選択された評価項目の評価レベルの大きさに基づいて検索結果のコンテンツ一覧をソートして表示されるようになっている。図示した例では、ユーザが適宜設定可能なソート設定により、検索結果を自分合致度の高い順に表示している。なお、コンテンツの評価情報は、一般信用度の高い順にソートして表示してもよい。また、これらの値が低い順にソートしてもよい。さらに、科学性および自分合致度が高いもの(例えば、それぞれ閾値以上のもの)を表示するなど、複合的な表示が可能なものであってもよい。また、評価結果の項目ごとの表示/非表示の設定を変えられるものであってもよいし、評価結果の各項目の表示場所、大きさ、表現などをカスタマイズできるようなものであってもよい。このように、評価結果の出力形態は、図示したものに限らない。このような表示態様をとることでユーザの検索効率を向上させることができる。
【0079】
[2-10.ハードウェアの構成例]
最後に、図13を参照してコンテンツ提供サーバ2、コンテンツ管理サーバ3およびユーザ端末4のハードウェアの構成例について説明する。
【0080】
コンテンツ提供サーバ2、コンテンツ管理サーバ3およびユーザ端末4は、例えば、それぞれ機能ブロックとして、入力部11、記憶部12、通信部13、出力部14および情報処理部15を有している。入力部11、記憶部12、通信部13、出力部14および情報処理部15は、例えば、インタフェースやバスなどを介して相互接続されている。
【0081】
入力部11は、例えば、各種スイッチ、キーボード、タッチパネル、マウス、マイクロフォンなどで構成されており、ユーザ操作などによって各種情報を入力する機能を有している。記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)などで構成されており、プログラムや各種情報を記憶する機能を有している。なお、記憶部12は、USBメモリ、メモリカード、光ディスクなどの着脱自在なリムーバブルメディアで構成されていてもよい。例えば、コンテンツ提供サーバ2およびコンテンツ管理サーバ3は、記憶部12として各種データベースを有している。
【0082】
通信部13は、ネットワークN(図1を参照)に接続してネットワークN上の他の装置と通信を行う通信機能を有している。ネットワークNへの接続は、有線でも無線でも構わない。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(Wireless Fidelity)などの無線LAN(Local Area Network)、4G(第4世代移動通信システム)、Bluetooth(登録商標)などがあげられる。出力部14は、例えば、ディスプレイ、スピーカなどで構成されており、各種情報を出力する機能を有している。
【0083】
情報処理部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサで構成されており、記憶部12に記憶されているプログラムに従って各種処理(例えば、上述したコンテンツ評価に関わる処理)を実行する機能を有している。プログラムは、予め記憶部12に記憶されているものに限らず、ネットワーク(例えば、ネットワークN)を介して提供されるものであってもよい。また、ネットワークを介して他の装置で部分的に実行されるものであってもよい。なお、情報処理部15の機能は、プログラムによって実現されるのみでなく、その機能を有するハードウェアによる専用の装置、回路などを組み合わせて実現されてもよい。本開示に係る情報処理装置は、少なくともコンテンツ評価に関わる処理を実行する情報処理部15を備えるものである。
【0084】
なお、各機能ブロックは、一体的に構成されていることに限らず、一部または全部が別体的な構造であってもよい。その場合、各装置間の接続は、有線、無線を問わない。無線接続の場合には、例えば、上述した無線通信を用いることができる。つまり、各機能ブロックを構成するユニットは、ネットワークを介して接続されていてもよい。
【0085】
[2-10.まとめ]
以上説明したように、本実施の形態に係るプログラム(情報処理プログラム)は、コンテンツのメタ情報などのコンテンツに関する情報を用いてそのコンテンツの根拠資料を特定し、特定した根拠資料のメタ情報などの根拠資料に関する情報と、コンテンツに関する情報とを用いて、コンテンツの評価情報を生成するコンテンツ評価処理を、コンテンツ管理サーバ3の情報処理部15に実行させるものである。
【0086】
また、本実施の形態に係るプログラム(情報処理プログラム)は、コンテンツに関する情報を用いてそのコンテンツの根拠資料を特定し、特定した根拠資料に関する情報と、コンテンツに関する情報とを用いて生成されたコンテンツの評価情報を出力する評価情報出力処理を、ユーザ端末4の情報処理部15に実行させるものである。
【0087】
これにより、根拠資料に基づく客観的な評価結果を得ることができ、コンテンツの評価を信頼度の面などから適正に行うことができる。
【0088】
より具体的には、3次的なコンテンツをTSCAUでより細かく格付けする他、個人的な信念設定も用いて、自分にとって主観的により相応しいウェブサイトを発見することができる。また、専門家の知見を活用しながら根拠資料を特定し、情報内容と情報源の多面的な主観および客観評価を得られるようにすることができる。つまり、多面的な信用属性情報を表示することができるブラウザとすることができる。
【0089】
<3.変形例>
以上、本開示の実施の形態について具体的に説明したが、本開示は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、次に述べるような各種の変形が可能である。また、次に述べる変形の態様は、任意に選択された一又は複数を、適宜に組み合わせることもできる。また、上述した実施の形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本開示の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。また、1つのものを2つ以上に分けることも可能である。
【0090】
例えば、上述した実施の形態では、インターネット上のコンテンツを評価する場合について例示したが、これに限らず、所定エリア内の閉じられたネットワーク上のコンテンツなど、ネットワークを利用して情報を評価するものであればよい。
【0091】
また、例えば、上述した実施の形態では、自分合致度、一般的信用性、TSCAU指標などの信用性評価値の計算方法について具体的に説明したが、計算方法は、上述したものに限らない。例えば、上述した各種情報、属性、計算アルゴリズムなどを適宜変更して求めてもよい。
【0092】
なお、本開示は、以下のような構成も採ることができる。
(1)
コンテンツに関する情報を用いて前記コンテンツの根拠資料を特定し、特定した前記根拠資料に関する情報と、前記コンテンツに関する情報とを用いて、前記コンテンツの評価情報を生成するコンテンツ評価処理
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
(2)
ユーザ毎に設定可能なユーザの主観的信頼度を表す情報をさらに用いて前記評価情報を生成する
(1)に記載の情報処理プログラム。
(3)
前記コンテンツの評価情報は、前記ユーザの主観的信頼度との合致度を表す自分合致度の情報を含む
(2)に記載の情報処理プログラム。
(4)
前記コンテンツの評価情報は、前記根拠資料に基づく客観的な信頼度を表す一般的信用性の情報を含む
(1)から(3)までの何れかに記載の情報処理プログラム。
(5)
前記コンテンツの評価情報は、前記コンテンツの正確性、信用性、科学性、普遍性および独創性を表す情報を含む
(1)から(4)までの何れかに記載の情報処理プログラム。
(6)
前記コンテンツの評価情報は、前記根拠資料を表す情報を含む
(1)から(5)までの何れかに記載の情報処理プログラム。
(7)
信頼度の高い所定の資料から前記根拠資料を抽出する
(1)から(6)までの何れかに記載の情報処理プログラム。
(8)
前記根拠資料に関する情報は、前記根拠資料の情報内容の信頼度を表す情報である
(1)から(7)までの何れかに記載の情報処理プログラム。
(9)
前記根拠資料に関する情報は、前記根拠資料の発信源に関する情報である
(1)から(8)までの何れかに記載の情報処理プログラム。
(10)
前記コンテンツに関する情報は、前記コンテンツの分野を表す情報、該当時期を表す情報、著者を表す情報、情報源を表す情報および定量情報のうちの少なくとも何れかを含む
(1)から(9)までの何れかに記載の情報処理プログラム。
(11)
前記コンテンツに関する情報は、前記コンテンツの発信源に関する情報を含む
(1)から(10)までの何れかに記載の情報処理プログラム。
(12)
前記コンテンツは、SNS(Social Networking Service)を含むウェブページ内の文書、映像を含む画像、または音声である
(1)から(11)までの何れかに記載の情報処理プログラム。
(13)
コンテンツに関する情報を用いて前記コンテンツの根拠資料を特定し、特定した前記根拠資料に関する情報と、前記コンテンツに関する情報とを用いて生成された前記コンテンツの評価情報を出力する評価情報出力処理
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
(14)
ウェブブラウザに拡張機能として実装可能である
(13)に記載の情報処理プログラム。
(15)
ウェブブラウザが備えるコンテンツ検索機能による検索結果のコンテンツ一覧を表示する際に、検索結果のコンテンツに関して前記コンテンツの評価情報を表示する
(13)または(14)に記載の情報処理プログラム。
(16)
前記コンテンツの評価情報は、複数の評価項目を有しており、ユーザによって選択された評価項目の評価レベルの大きさに基づいて前記検索結果のコンテンツ一覧をソートして表示する
(15)に記載の情報処理プログラム。
(17)
コンテンツに関する情報を用いて前記コンテンツの根拠資料を特定し、特定した前記根拠資料に関する情報と、前記コンテンツに関する情報とを用いて、前記コンテンツの評価情報を生成するコンテンツ評価処理を行う情報処理部を有する
情報処理装置。
(18)
情報処理部が、コンテンツに関する情報を用いて前記コンテンツの根拠資料を特定し、特定した前記根拠資料に関する情報と、前記コンテンツに関する情報とを用いて、前記コンテンツの評価情報を生成するコンテンツ評価処理を行う
情報処理方法。
【符号の説明】
【0093】
1・・・情報処理システム、2・・・コンテンツ提供サーバ、3・・・コンテンツ管理サーバ、4・・・ユーザ端末、11・・・入力部、12・・・記憶部、13・・・通信部、14・・・出力部、15・・・情報処理部、N・・・ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13