(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021250
(43)【公開日】2022-02-02
(54)【発明の名称】コンテンツ配信システム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/235 20110101AFI20220126BHJP
H04N 21/239 20110101ALI20220126BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20220126BHJP
【FI】
H04N21/235
H04N21/239
H04N21/258
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020124737
(22)【出願日】2020-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】519389362
【氏名又は名称】エイベックス・テクノロジーズ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木野 穣
(72)【発明者】
【氏名】柏谷 佳樹
(72)【発明者】
【氏名】岩永 朝陽
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA06
5C164SA51S
5C164SB08P
5C164SB29P
5C164SC11P
5C164SD12S
5C164UB26S
5C164UD41S
5C164YA08
5C164YA11
(57)【要約】
【課題】コンテンツの提供者に視聴者からのギフトを提供することができるようにする。
【解決手段】コンテンツ配信システムであって、コンテンツの配信時に複数の視聴者からギフトの提供を受け付けるギフト受付部と、受け付けたギフト及び視聴者を示す情報を、ギフトの価値の順に表示するギフト表示部と、ギフトの価値を変動させる価値変動部と、を備え、ギフト受付部は、ギフトの追加提供を受け付けた場合にギフトの価値を加算すること、を特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの配信時に複数の視聴者からギフトの提供を受け付けるギフト受付部と、
受け付けた前記ギフト及び前記視聴者を示す情報を、前記ギフトの価値の順に表示するギフト表示部と、
前記ギフトの価値を変動させる価値変動部と、
を備え、
前記ギフト受付部は、前記ギフトの追加提供を受け付けた場合に前記ギフトの価値を加算すること、
を特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ配信システムであって、
前記ギフトは、投げ銭であって金額を含み、
前記価値変動部は、時間の経過に応じて前記金額を減額すること、
を特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項3】
請求項2に記載のコンテンツ配信システムであって、
減額した前記金額に応じて前記コンテンツの配信者に報酬を支払う支払処理部をさらに備えること、
を特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項4】
請求項2に記載のコンテンツ配信システムであって、
前記ギフト表示部は、前記価値がなくなった場合に、前記ギフト及び前記視聴者を示す情報の表示を消すこと、
を特徴とするコンテンツ配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツの演者に対して祝儀や差し入れなどのギフトを行うシステムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
視聴者は自身がギフトの提供者であることを知らしめたいというニーズがある。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、コンテンツの提供者に視聴者からのギフトを提供することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、コンテンツ配信システムであって、コンテンツの配信時に複数の視聴者からギフトの提供を受け付けるギフト受付部と、受け付けた前記ギフト及び前記視聴者を示す情報を、前記ギフトの価値の順に表示するギフト表示部と、前記ギフトの価値を変動させる価値変動部と、を備え、前記ギフト受付部は、前記ギフトの追加提供を受け付けた場合に前記ギフトの価値を加算すること、を特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コンテンツの提供者に視聴者からのギフトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】コンテンツ配信画像の表示画面の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態のコンテンツ配信システムの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
コンテンツの配信時に複数の視聴者からギフトの提供を受け付けるギフト受付部と、
受け付けた前記ギフト及び前記視聴者を示す情報を、前記ギフトの価値の順に表示するギフト表示部と、
前記ギフトの価値を変動させる価値変動部と、
を備え、
前記ギフト受付部は、前記ギフトの追加提供を受け付けた場合に前記ギフトの価値を加算すること、
を特徴とするコンテンツ配信システム。
[項目2]
項目1に記載のコンテンツ配信システムであって、
前記ギフトは、投げ銭であって金額を含み、
前記価値変動部は、時間の経過に応じて前記金額を減額すること、
を特徴とするコンテンツ配信システム。
[項目3]
項目2に記載のコンテンツ配信システムであって、
減額した前記金額に応じて前記コンテンツの配信者に報酬を支払う支払処理部をさらに備えること、
を特徴とするコンテンツ配信システム。
[項目4]
項目2に記載のコンテンツ配信システムであって、
前記ギフト表示部は、前記価値がなくなった場合に、前記ギフト及び前記視聴者を示す情報の表示を消すこと、
を特徴とするコンテンツ配信システム。
【0011】
<システムの概要>
図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信システムの全体構成例を示す図である。本実施形態のコンテンツ配信システムは、サーバ2を含んで構成される。サーバ2は、視聴者端末1及び配信者端末3のそれぞれと通信ネットワーク4を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク4は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0012】
本実施形態では、コンテンツは動画であり、サーバ2が、動画のコンテンツをストリーミング配信により視聴者端末1に配信することを想定する。
【0013】
配信者端末3は、コンテンツを配信する配信者が操作するコンピュータである。配信者端末3は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。配信者は配信者端末3からコンテンツをサーバ2に登録することができる。
【0014】
視聴者端末1は、コンテンツの視聴者が操作するコンピュータである。視聴者端末1は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。視聴者は、視聴者端末1を操作してサーバ2にアクセスすることによりコンテンツを視聴者端末1に受信して、視聴者端末1から出力される映像や音声などのコンテンツを視聴することができる。
【0015】
サーバ2は、コンテンツを配信するコンピュータである。サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0016】
<サーバ2>
図2は、サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述するサーバ2の各機能部は、CPUが記憶装置に記憶されているプログラムをメモリに読み出して実行することにより実現することができる。サーバ2の各記憶部は、メモリ及び記憶装置が提供する記憶領域の一部として実現することができる。
【0017】
図3は、サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
【0018】
サーバ2は、
コンテンツに関する情報(以下、コンテンツ情報という。)を記憶するコンテンツ情報記憶部231と、
提供者に関する情報(以下、提供者情報という。)を記憶する提供者情報記憶部232と、
視聴者からコンテンツの提供者に対するギフトに関する情報(以下、ギフト情報という。)を記憶するギフト情報記憶部233と、
コンテンツを配信するコンテンツ配信部210と、
コンテンツの配信時に複数の視聴者からギフトの提供を受け付けるギフト受付部211と、
受け付けたギフト及びギフトを提供した視聴者を示す情報を、ギフトの価値の順に表示するギフト表示部212と、
ギフトの価値を変動させる価値変動部213と、
変動したギフトの価値に応じてコンテンツの配信者に報酬を支払う支払処理部214と、
を備えることができる。
【0019】
コンテンツ情報には、コンテンツを特定するコンテンツIDに対応付けて、コンテンツの提供者を示す提供者ID、コンテンツの内容(本実施形態では動画データを想定する。)、タイトル、コンテンツの配信開始日時などが含まれる。コンテンツ情報には、コンテンツに関連する各種のメタ情報を含めることができる。コンテンツの内容は、動画データや音声データなどの静的なデータであってもよいし、ライブ演奏のように動的にリアルタイムデータをストリーミング配信するような場合には、ストリーミング配信に必要なデータ(例えば、ライブ会場の撮影データを送出するコンピュータのIPアドレスやURLなど)とすることもできる。
【0020】
コンテンツ配信部210は、コンテンツ情報に基づいてコンテンツの配信を行う。コンテンツ配信部210による配信処理は、一般的な動画配信サービスに用いられる技術を採用することができる。コンテンツ配信部210は、例えば、配信開始日時が到来したコンテンツ情報に含まれる動画データを読み出して、複数の視聴者端末1に送信することができる。また、コンテンツ配信部210は、例えば、ライブ会場からのストリーミングデータを中継して、複数の視聴者端末1に送信するような構成とすることもできる。
【0021】
提供者情報には、提供者を示す提供者IDに対応付けて、提供者の連絡先(例えば、メールアドレスやチャットサービスのIDなどとすることができる。)、提供者への報酬、提供者への報酬支払手段などが含まれる。本実施形態では、報酬は、投げ銭の額(金額であってもよいし、ポイントであってもよい。)である。本実施形態では、後述するように、視聴者ごとに投げ銭が管理され、投げ銭の残高が一定期間ごとに減っていき、減額分(手数料などを引いてもよい。)が提供者情報の報酬に加算されていく。支払い手段は、例えば、銀行口座など法定通貨の支払い手段であってもよいし、自社又は他社のポイントを管理しているユーザIDやポイント口座番号などであってもよい。
【0022】
ギフト情報には、視聴者を特定する視聴者IDと、コンテンツを特定するコンテンツIDとに対応付けて、当該視聴者が当該コンテンツに対して提供したギフト内容を管理する。ギフト内容にはギフトの価値が設定される。本実施形態では、ギフトは投げ銭を想定し、ギフト内容には価値として金額が設定されるものとする。ギフト内容として、ギフトの種類を含めるようにしてのよい。視聴者から複数回ギフトが提供された場合には、ギフト情報のギフト内容には、視聴者が提供したギフトの価値(投げ銭の金額)の合計値を管理するようにしてもよいし、提供ごとのギフトの価値の履歴を管理するようにしてもよい。
【0023】
ギフト受付部211は、仮想的なギフトを受け付ける。ギフト受付部211は、視聴者からギフトとして、例えば、投げ銭の金額を受け付けることができる。また、例えば、コンテンツに対するコメントを表示するチャットサービスが提供されている場合に、ギフト受付部211は、金額を含むチャットをギフトとして受け付けることもできる。
【0024】
また、ギフト受付部211は、同一の視聴者から複数回のギフト提供を受けた場合、最初に提供を受けたギフトの価値に、追加で受け付けたギフトの価値を加算することができる。本実施形態では、ギフト受付部211は、視聴者に対応するギフト情報のギフトに、受け付けたギフトの価値(投げ銭の金額)を加算する(又は、ギフトの履歴に追加する)ことができる。
【0025】
ギフト表示部212は、投げ銭の金額と視聴者を示す情報とを並べて表示することができる。
図4は、コンテンツ配信画像の表示画面の一例を示す図である。画面40には、コンテンツの表示部401と、視聴者から投稿されたコメントの表示欄402とが含まれ、コメントの表示欄402の上部には、ギフト403が表示されている。ギフト403には、投げ銭を提供した視聴者を示すアイコン4031と、投げ銭の額4033とが含まれる。ギフト403は、上述したように、投げ銭の額4033が大きい順に並べられる。ギフト表示部212は、一定数以上のギフト403は画面40に表示しないようにしてもよい。
【0026】
上述したように、投げ銭の額4033は、時間の経過に応じて減額されていき、ギフト表示部212は、視聴者ごとの投げ銭の額4033(ギフト情報のギフトが示す、視聴者が提供したギフトの残額)の順に、随時ギフト403をソートすることができる。
【0027】
ギフト表示部212は、ギフト403の価値(視聴者ごとの投げ銭の額4033、すなわち、視聴者に対応するギフト情報のギフト内容が示す残額)がなくなった場合に、ギフト403(ギフト及び視聴者を示す情報の表示)を消すことができる。
【0028】
価値変動部213は、時間の経過に応じてギフトの価値を減らすことができる。価値変動部213は、例えば、1秒や5秒、10秒など所定の時間が経過するごとに、10円、100円、500円、1000円などの一定の額をギフト情報のギフト内容(投げ銭の金額の残高)から減算することができる。なお、ギフト情報のギフト内容に合計額が管理されている場合には、ギフトから減算額を減算するようにし、ギフト情報のギフト内容に履歴が管理されている場合には、マイナスの価値のギフトとしてギフト内容に追加するようにすることもできる。価値変動部213は、ギフト内容の残高(投げ銭の金額の残高)から減算した価値(金額)に応じて(減算額そのままでもよいし、減算額から手数料を引いた額でもよいし、減算額を何らかの関数に渡した結果の額であってもよい。)、提供者情報の報酬に加算することができる。
【0029】
本実施形態では、投げ銭の残高を減算した減算額が提供者情報の報酬に加算されるので、支払処理部214は、提供者情報の報酬に応じて支払処理を行うことができる。支払処理部214は、提供者情報の支払情報に基づいて、提供者情報の報酬に応じた金額(報酬そのものであってもよいし、報酬から手数料を引いた金額であってもよいし、何らかの関数に報酬を与えた結果の金額であってもよい。)を支払うための処理を行うことができる。なお、支払処理については、一般的な決済サービスやポイントサービスなどに用いられる手法を採用することができる。
【0030】
<動作>
図5は、本実施形態のコンテンツ配信システムの動作を示す図である。
【0031】
提供者端末3からコンテンツがサーバ2に送信され(S501)、サーバ2から複数の視聴者端末1にコンテンツが配信される(S502)。
【0032】
視聴者端末1からコンテンツに対するギフトがサーバ2に送信された場合(S503)、最初のギフトの提供時にはギフト情報が作成され、2回目以降のギフトの提供時には、ギフト情報のギフト内容の残高に金額が加算される(S504)。サーバ2は、ギフトの残高の高い順に所定数を視聴者に対応付けて表示する(S504)。
【0033】
サーバ2は、一定時間ごとにギフトの残高を減額し(S505)、提供者の報酬に加算する(S506)。
【0034】
サーバ2は、適宜のタイミング(例えば、配信終了後としてもよいし、毎月などの定期的なタイミングであってもよい。)に、報酬を提供者に支払う(S507)。
【0035】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0036】
例えば、本実施形態では、投げ銭を想定したが、これに限らず、例えば、仮想アイテムをギフトとして受け付け、仮想アイテムをコンテンツ中に登場させるようにすることができる。この場合においても、各仮想アイテムには価値を設定しておき、同じ視聴者が同じアイテムを複数回投入した場合には、当該アイテムの価値を増加させるとともに、時間の経過に応じて、価値変動部213は、投入された全てのアイテムの価値の残高を減らしていくようにすることができる。
【0037】
また、本実施形態では、減算する価値は一定であるものとしたが、視聴者に応じて異なる金額を減らすようにすることができる。例えば、特定のアイテムを購入した視聴者や、特定のサブスクリプションサービスに加入している視聴者など、所定の条件を満たした視聴者は、他の視聴者よりも少ない金額がギフトの価値から減算されるようにすることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 視聴者端末
2 サーバ
3 提供者端末
4 通信ネットワーク
211 ギフト受付部
212 ギフト表示部
213 価値変動部
214 支払処理部