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特開2022-21325液化ガスでタンクを充填するための方法
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  • 特開-液化ガスでタンクを充填するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021325
(43)【公開日】2022-02-02
(54)【発明の名称】液化ガスでタンクを充填するための方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 5/02 20060101AFI20220126BHJP
   F17C 5/06 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
F17C5/02 Z
F17C5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021117822
(22)【出願日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】2007658
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・クレバタン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-マルク・ペイロン
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA05
3E172AA06
3E172AB01
3E172AB15
3E172BA04
3E172BB03
3E172BB12
3E172BB17
3E172BD04
3E172EA02
3E172EA03
3E172EA12
3E172EA22
3E172EA46
3E172EA52
3E172EB02
3E172EB14
3E172EB21
3E172JA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】液化ガス供給源から液化ガスタンクへ液化ガスを移送する前に、移送回路の少なくとも一部を冷却するタンクを充填する方法を提供する。
【解決手段】液化ガス供給源からの加圧液化ガスでタンクを充填する方法であって、移送回路は、各々が第1の移送管3及び第2の移送管6に接続している第3の移送管5と第4の移送管7とを備え、回路は、回路の管における流体の流れを制御するための弁のセット36,46,13,33,15,17を備え、液化ガス供給源4から液化ガスタンクへ液化ガスを移送する前に、液化ガスタンクを減圧し、移送回路の少なくとも一部を冷却し、ガス移送のための第2の管の第2の端部26、第3の移送管、第1の移送管、第4の移送管、及び第2の移送管の第1の端部16を介して、液化ガスタンクに含まれる加圧気化ガスを移送することを備える方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填装置を使用して、液化ガス供給源(4)からの加圧液化ガスで充填されるべき液化ガスタンク(2)を充填する方法であって、ここで、前記充填装置は、前記液化ガス供給源(4)に接続されている第1の端部(13)と前記液化ガスタンク(2)に接続されている第2の端部(23)とを備える液体移送のための第1の移送管(3)と、ガス回収部材(8)に接続されている第1の端部(16)と前記液化ガスタンク(2)に接続されている第2の端部とを備えるガス移送のための第2の移送管(6)とが設けられている移送回路を備えるものであり、
前記移送回路は、第3の移送管(5)と第4の移送管(7)とを備え、前記第3の移送管(5)及び前記第4の移送管(7)は、各々、前記第1の移送管(3)及び前記第2の移送管(6)に接続しており、前記移送回路は、前記移送回路の移送管における流体の流れを制御するための弁のセット(36,46,13,33,15,17)を備え、前記方法が、前記液化ガス供給源(4)から前記液化ガスタンク(2)へ液化ガスを移送する前に、前記液化ガスタンク(2)を減圧し、前記移送回路の少なくとも一部を冷却することを備える方法において、
前記液化ガスタンク(2)を減圧し、前記移送回路を冷却することが、前記液化ガスタンク(2)に含まれる加圧気化ガスを、ガス移送のための前記第2の移送管(6)の前記第2の端部、前記第3の移送管(5)、前記第1の移送管(3)、前記第4の移送管(7)、及び前記第2の移送管(6)の前記第1の端部(16)を介して移送することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記液化ガスタンク(2)から前記第2の移送管(6)の前記第1の端部(16)に移送される前記加圧気化ガスが、再加熱されて放出され、及び/又は圧縮され、及び/又は前記ガス回収部材(8)に貯蔵されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3の移送管(5)又は前記第4の移送管(7)が、それぞれ前記移送回路の2つの端部、すなわち前記第1の移送管(3)及び前記第2の移送管(6)の前記第2の端部と前記第1の移送管(3)及び前記第2の移送管(6)の前記第1の端部にそれぞれ位置していることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3の移送管(5)及び前記第4の移送管(7)が、各々、それぞれの弁のセット(15,17)を備えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記液化ガスタンク(2)が、その減圧前は、1.2から10バールの間、例えば1.4から7バールの間の圧力であり、減圧後に、1.1から1.4バールの間の圧力になることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、前記液化ガスタンク(2)を減圧し、前記移送回路の少なくとも一部を冷却した後に、液化ガスが前記第1の移送管(3)を介して前記液化ガス供給源(4)から前記液化ガスタンク(2)に移送されるステップを備えることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記液化ガスが水素又はヘリウムであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化ガスでタンクを充填するための方法に関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、液化ガス供給源に接続されている第1の端部と液化ガスタンクに接続されている第2の端部とを備える液体移送のための第1の管と、ガス回収部材に接続されている第1の端部と、充填されるべきタンクに接続されている第2の端部とを備えるガス移送のための第2の管とが設けられている移送回路を備える充填装置を使用して、液化ガス供給源からの加圧液化ガスで上記タンクを充填する方法に関し、この移送回路は、各々が第1の移送管及び第2の移送管に接続している第3の移送管と第4の移送管とを備え、移送回路は、移送回路の管における流体の流れを制御するための弁のセットを備え、本方法は、液化ガス供給源から液化ガスタンクへ液化ガスを移送する前に、液化ガスタンクを減圧し、移送回路の少なくとも一部を冷却することを備える。
【背景技術】
【0003】
液化ガスでタンクを充填する一連の動作の前、移送回路(充填されるべきタンクの可撓性の管類など)は一般に常温である。このケースでは、充填する前に機構全体を液化ガスの温度(すなわち、液体水素のケースでは21.7K)に冷却する必要がある。
【0004】
冷却は、現在のところ、貯蔵供給源からの液体水素の流れによって行われる。これにより、液体移送管の冷却の間中、液体水素が気化する。設備に応じて、5から15kgの液体水素が蒸発し、その動作の持続時間は、5から10分まで様々であり得る。
【0005】
この冷却は時間を無駄にし、供給源を充填した液化器よって生み出される流体の低温性を損失を引き起こす。
【0006】
減圧の低温の分子は一般に、ヒーターを通過し、次いでサイクロン圧縮機を通過すると回収される。フリゴリは、エネルギーの観点からコストがかかり、利用されない。
【0007】
空気ガスの液化に必要なエネルギーは、水素よりもはるかに少ない。このため、ガスリターンは利用されず、分子は常に回収されるわけではない。
【0008】
液体ヘリウム設備のケースでは、一般に分子の回収が実行される。フリゴリの回収は、液化システムに組み込まれ得る。ガスリターンの温度に応じて、低温のヘリウムが液化器の異なる段階で直接注入される。
【発明の概要】
【0009】
本発明の1つの目的は、従来技術の上述した欠点のうちの全部又は一部を克服することである。
【0010】
この目的のために、本発明による、更には上の序文で与えられた汎用的な定義による方法は、本質的に、液化ガスタンクの減圧及び移送回路の冷却が、ガス移送のための第2の管の第2の端部と、第3の移送管と、第1の移送管と、第4の移送管と、第2の移送管の第1の端部とを介した、液化ガスタンクに含まれる加圧気化ガスの移送を備えることを特徴とする。
【0011】
従って、減圧された冷温ガスは、冷却されるべき液体移送ラインに流される。
【0012】
従って、この方法では、充填されるべきタンクからの冷却ガスを(例えば、このガスがヒーターを通過する前に)利用することができる。
【0013】
更に、本発明の実施形態は、下記特徴のうちの1つ又は複数を備えることができる:
-液化ガスタンクから第2の移送管の第1の端部に移送される加圧気化ガスは、再加熱されて放出され、及び/又は圧縮され、及び/又はガス回収部材に貯蔵される、
-第3の移送管又は第4の移送管は、それぞれ移送回路の2つの端部、すなわち第1の移送管及び第2の移送管の第2の端部と第1の移送管及び第2の移送管の第1の端部にそれぞれ位置している、
-第3の移送管及び第4の移送管は、各々、それぞれの弁のセットを備える、
-液化ガスタンクは、その減圧前は、1.2から10バールの間、例えば1.4から7バールの間の圧力であり、減圧後に、1.1から1.4バールの間の圧力になる、
-本方法は、液化ガスタンクを減圧し、移送回路の少なくとも一部を冷却した後に、液化ガスが第1の移送管を介して供給源から液化ガスタンクに移送されるステップを備える、
-液化ガスは水素又はヘリウムである。
【0014】
本発明はまた、特許請求の範囲の文脈の中で上記又は下記特徴の任意の組合せを備える任意の代替的なデバイス又は方法に関することができる。
【0015】
更なる特有の特徴及び利点は、図を参照して与えられている以下の説明を読むと明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による充填装置の構成及び動作並びに方法の例を例示する概略部分図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本装置は、液化ガス供給源4に(特に供給タンクの液相に)接続されることが意図された(例えば、概略図において弁13の左側にある)第1の端部と、充填されるべきタンク2に(特にその液相に)接続されることが意図された(例えば、概略図において弁23の右側又は左側にある)第2の端部とを備える液体移送のための第1の管3が設けられている流体回路を備える。
【0018】
供給源4は、典型的に、気相が上にある液化ガスの貯蔵部を備える。供給源は加圧されているか加圧されることができ、この圧力が、流体を移送させる力となることが可能である。移送ポンプもまた想定され得る。
【0019】
流体回路は、液化ガス供給源4に(例えば、その気相に)又はガス回収部材8に接続されるように意図された第1の端部16と、充填されるべき上記タンク2に(例えば、その気相に)接続されるように意図された第2の端部とを備えるガス移送のための第2の管6を備える。
【0020】
流体回路は、第1の移送管3及び第2の移送管6を接続し、弁15が設けられている第3の移送管5を備える。
【0021】
流体回路は、第1の移送管3及び第2の移送管6を接続し、弁17が設けられている第4の移送管7を備える。
【0022】
第3の移送管5及び第4の移送管7は、好ましくは、流体回路の2つの端部に位置している(それぞれ、充填されるべきタンク2に向かって、及び供給源4に向かって)。
【0023】
例えば、限定ではなく、第3の管5は、タンク2と統合された流体回路の一部であり得、取り外し可能なコネクタ又はクイックコネクタのような流体接続部が設けられており、第1の管3及び第2の管6を形成する管類に(例えば、波線によってシンボル的に示される柔軟な部分の右側で)接続されるように構成され得る。
【0024】
流体回路は、流体回路の管における流体の流れを制御するための弁のセットを備える。例えば、液体移送のための第1の管3は、少なくとも1つの設備及び/又は流体制御弁33を備える。
【0025】
同様に、第2の移送管6は、少なくとも1つの設備及び/又は流体制御弁36,46を備える。
【0026】
このアーキテクチャは、単流(第1の液体管3だけ)又は複流(液体を移送する第1の管3と、反対方向にガスを排出する第2の管6)でのタンク2の充填を可能にする。
【0027】
第3の移送管5及び第4の移送管7は、各々、好ましくは、少なくとも1つの設備及び/又は流体制御弁15,17を備える。
【0028】
供給源4から液化ガスタンク2への液化ガスの移送の前に、液化ガスタンク2の減圧及び移送回路の少なくとも一部の冷却を実行する必要がある。
【0029】
液化ガスタンク2の減圧及び移送回路の冷却の少なくとも一部は、ガス移送のための第2の管6の第2の端部26、第3の移送管5、第1の移送管3、第4の移送管7、及び第2の移送管6の第1の端部16を介した、液化ガスタンク2に含まれる加圧気化ガスの移送によって実行される。
【0030】
すなわち、低温の減圧ガスの流れは、第3の移送管5及び第4の移送管7によって形成される迂回路を介して第1の液体管3の少なくとも一部に流される。これは、適切な弁の制御によって達成され得る(例えば、この減圧中、弁15,33,17,56が開けられ、他の弁が閉じられること)。
【0031】
従って、移送回路のこの冷却は、充填の開始時の液化ガスの蒸発及び減圧中に行われる(effect)。水素が適用される場合、このプロセスは、設備に応じて0.02kgから0.08kgの水素(H2)の蒸発の低減を可能にする。
【0032】
これにより、減圧ステップ中の液体ライン3の冷却によって、充填されるべきタンク2のガスリターンを利用することができる。
【0033】
この解決策は、いくつかの利点を有する。
【0034】
従って、この方法は、エネルギーバランスの観点から節約を可能にする(供給源4又は液化器からの液体のフラッシングはない)。
【0035】
この解決策では、設備に応じて、(各充填において)冷却により4から14kgの液体水素を節約することができる。
【0036】
更に、この解決策では、物質の損失なく、水素でタンク2を充填する一連の動作において時間を節約することができる(設備に応じて5から10分)。
【0037】
例示されるように、移送回路は、特に充填されるべきタンク2に向かって、第1の管3を第2の管6に接続するいくつかの横断管を有し得る。例えば、2つの横断管は、第2の端部に設けられ得、各々に弁が設けられ得る。これらの2つの横断管は、タンク2に固く接続され得る。更に、2つの弁33,46は、それぞれ、第1の移送管及び第2の移送管上で、これら2つの横断管の間に設けられ得る。
【0038】
充填されるべきタンク2からの気化ガスの流れは、弁のセットの適切な開口によってこれらの横断管のうちの1つ又は複数を通して運ばれ得る。
図1
【外国語明細書】