(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021388
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】車両走行制御装置
(51)【国際特許分類】
B60K 28/10 20060101AFI20220127BHJP
G05G 1/30 20080401ALI20220127BHJP
B60T 7/04 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
B60K28/10 Z
G05G1/30 E
B60T7/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020124902
(22)【出願日】2020-07-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】719002849
【氏名又は名称】鍬田 睦雄
(72)【発明者】
【氏名】鍬田 睦雄
(72)【発明者】
【氏名】鍬田 豊
【テーマコード(参考)】
3D037
3D124
3J070
【Fターム(参考)】
3D037FA24
3D037FA25
3D124AA33
3D124BB01
3D124BB07
3D124CC31
3D124CC43
3D124DD30
3D124DD62
3J070AA33
3J070BA24
3J070BA32
3J070BA35
3J070BA41
3J070CA01
3J070CB02
3J070CB34
3J070CB37
3J070CC02
3J070CC42
3J070CE04
3J070DA01
3J070EA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両のブレーキペダルを改造する事なく、車両に簡単に脱着可能で、車両を停止する際にブレーキペダルとアクセルペダルの誤操作を起こさず安全で機敏な操作ができる車両走行制御装置を提供する。
【解決手段】車両のアクセルペダルとブレーキペダルの前方に踏む同じ操作を変える事を解決手段とし、新たに車両走行制御装置を車両ブレーキペダル手前に取り付け、その位置は車両走行制御装置の操作ペダルを踏み込んだときに車両ブレーキペダルも一緒に踏める位置で有り、その操作ペダルはスプリングの弾性力により、つま先を上げて行くとアクセルが全開するように作られ、逆に踏み込んで行くと足裏が車両ブレーキペダル寸前の位置でアイドリング状態になるように作られ、この状態から踏み込むブレーキ操作は空費がない動作となり、アクセル操作からブレーキ操作は、足の踏みかえが無い為ペダルの踏み違いが起こらず、安全で機敏なブレーキ操作を可能にした。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のブレーキペダルと一緒に踏める位置に配置される車両用ペダル装置であって、この装置に設けられる操作ペダルを、前記ブレーキペダルから離す方向に移動させた場合に、車両のアクセルペダルを踏み込む方向に動かすように、前記操作ペダルと前記車両アクセルペダルとを連動させる伝達手段を有する、車両走行制御装置。
【請求項2】
前記車両用ペダル装置であって、前記操作ペダルと前記車両アクセルペダルとを連動させる伝達区間に、断続装置を設けた事を特徴とする、請求項1に記載の車両走行制御装置。
【請求項3】
前記車両用ペダル装置であって、前記操作ペダルにより前記車両アクセルペダルを操作する事と前記断続装置とを操作できる、二つの動作が可能な自在継手を持つ事を特徴とする請求項1または2に記載の車両走行制御装置。
【請求項4】
前記車両用ペダル装置であって、ブレーキ操作で、前記操作ペダルを前記ブレーキペダルと一緒に踏み込んでからブレーキ操作を止めた時、踵を元の位置に戻す事と、足のサイズに合わせて前後に移動が出来る装置を設けた事を特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の車両走行制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用ペダル装置のアクセルペダル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のアクセルペダルとブレーキペダルは、横に並んだ位置に取り付けられ、双方とも前方に踏み込む操作に作られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、車両のアクセルペダルとブレーキペダルが横に並んだ位置に取り付けられている事で、危機を感じて急停止する際に、アクセルペダルからブレーキペダルに踏み変える動作が必要となり、その時に若干の空費が出る、 又、オートマチック車でのアクセルペダルとブレーキペダルの勘違いミスでの暴走事故が増えている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題の一つは、従来のアクセルペダルとブレーキペダルが、横に並んだ位置に取り付けている事で、アクセル操作からブレーキ操作での、足の移動に若干の空費が起こり、その空費を無くす為に、本発明の車両走行制御装置を、車両のブレーキペダルの手前に近接して取り付ける事を解決手段とした。
【0005】
前記課題の二つは、従来、車両のアクセルペダルとブレーキペダルは、双方とも前方に踏み込む操作で、この動作が習慣になっている事で、走行中に危機を感じた時、反射的(ブレーキ動作)に足は前に踏む動作となる。 この事により、アクセルペダル上に足があるのに、ブレーキペダルと勘違いして、アクセルペダルを踏み込んで暴走事故を起こしてしまう。 この勘違い操作を無くす為に、アクセル操作は前方に踏む操作から、つま先を上げて行く操作方法に変える事を解決手段とした。
【発明の効果】
【0006】
本発明のアクセルペダル操作では、前記課題一で示す、本発明の車両走行制御装置を、車両のブレーキペダル手前に近接して取り付けた事で、ブレーキ操作の時に従来のアクセルペダルからブレーキペダルの踏みかえが無くなり、アクセル操作からのブレーキ操作が敏速になり、それによって追突事故が減少され、又、前記課題二で示す、アクセル操作を、つま先を上げる操作方法に変えた事により、アクセルペダルとブレーキペダルの勘違い操作による暴走事故を無くす事ができる。 尚、この事により渋滞時の運転やバック又は車庫入れなどは、安全で楽な操作が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】本発明の一部を別表示したアクセル全開時、背面の斜視図である。
【
図3】本発明の一部を取り除いたアクセル全閉時、右の側面図である。
【
図4】本発明の一部を取り除いたアクセル全開時、左の側面図である。
【
図5】本発明の一部を取り除いた断続装置の図解である。
【
図6】本発明の一部を取り除いて車両に取り付けた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施する具体的な形態を順次詳しく説明する。
本発明は、吊り下げ式のブレーキペダルを備えた車両が利用できる装置としたもので、車両に取り付ける前に、車両のアクセルペダル(電子制御式及びワイヤー式)の戻りスプリングは、足で踏む操作方法により、弾性力を強く作っているので、リンク機構で操作が出来るように、先ず、車両のアクセルペダルのスプリング弾性力を弱める事を必要とする。
【0009】
前記説明による既設吊り下げ式ブレーキペダル手前に、
図3で示す足32の足先でブレーキペダルが踏める位置に車両走行制御装置を取り付けた、取り付け板1は
図6で示すように車両運転席の床面に、取り付け穴25の2か所をボルト2本で固定する。
【0010】
図3で示す、足32に踏まれた操作ペダル2が車両ブレーキペダル31の手前(このブレーキペダル31に足32が掛かる寸前の位置)がアイドリングの位置となって、また
図5で示す、強度を持つ金属製の管で先端を凹型にした連結パイプ14と、同じく強度を持つ金属製の管の先端を凸型にした断続装置15と咬み合える位置であって、その咬み合った断続装置15は前記操作ペダル2から、前記足32を外さない限り、咬み合った状態にとどまる。
【0011】
前記アイドリング状態から
図4で示す足32を車両ブレーキペダル31から離して行くと、
図1で示す主力バネ10の弾性力が連結パイプ14に伝わり、
図2で示すロールピン5bで固定された歯車5aは、
図4で示す位置から左に回転されると歯車5を右に回転させ、又、歯車5に同じようにロールピン5bで固定された操作リンク3は操作ペダル2を上げて足32の動きに伴って、足裏について行くと、
図4で示す状態になって、アクセルが全開となる。
【0012】
前記アクセル全開の状態から
図4で示す足32を逆に踏み込んで行くと、操作ペダル2と操作リンク3はそれに押されて前方に倒れて行くと、前記歯車5は前記歯車5aを右回転させ、
図2で示す主力バネ10をより強く巻き上げ、連結パイプ14と咬み合った状態の断続装置15に固定された伝達カム21が上がり、アームピン23を押さ無くなった事で車両アクセルペダル30の弾性がスリーブ24bを押して、それに連絡されたコントロールアーム22は溶接で固定されたアームピン23を上げて、アクセルはアイドリング状態となる。
【0013】
前記アイドリング状態から足32を踏み込んでブレーキ操作に入ると、それに伴って主力バネ10は巻かれて弾性を増す事で、足32のブレーキ踏み力に負担が掛かる為、
図5で示す歯車5aの水平位置にピンを設け、その位置をアイドリング位置として、ピンに伝達ワイヤー7aを取り付け、他方をワイヤープーリー7にビス止めして、そのワイヤープーリー7は軸受スタンド12と軸受スタンド12aに支持されたシャフト11に取り付けられ、絶えずブレーキ助勢スプリング7bの弾性力を受けて、伝達ワイヤー7aを引く状態にしている。
【0014】
前記状態から車両ブレーキペダル31を踏み込んで行って、歯車5aに取り付けたピンが下方向に移動していくと、伝達ワイヤー7aは徐々に助勢力を増して、足32のブレーキペダル踏み力を助勢する。
【0015】
車両の走行を止めて足32が操作ペダル2から外された時ペダルスプリング19の弾性で自在継手20が旋回角度(30度~40度)26、旋回すると、操作ペダル2は
図5で示す断続ワイヤー17を引き連結された断続レバー16が断続装置15を右側にスライド範囲(8mm~12mm)27、スライドさせ連結パイプ14から断続装置15の咬み合いが外れると主力バネ10の弾性力が遮断され、車両アクセルペダル30の弾性によりリンクアーム22が上がってアイドリング状態となる。
【0016】
図3で示すアイドリング状態からブレーキ操作になって、足32が車両ブレーキペダルを踏み込んで行くと、足32の踵が前にずれ込んでしまって車両ブレーキペダルを戻した時に踵が前に残ってしまう事で、つま先が立って足首の角度が狭まり、そこからのアクセル操作は非常にやりにくい為、
図3で示す踵受けペダル28を設け、踵受けペダルスプリング29の弾性で踵受けペダル28を跳ね上げる事で踵を元の位置に戻すようにした装置を、ペダルスライド29aと連動するように取り付け、そのペダルスライド29aは、それぞれ足のサイズの違うドライバーが操作できる様に、スプリングによって前後にスライドするように構成した。
【0017】
図5は断続装置の図解で連結パイプ14と断続装置15は外れた状態で又、咬み合える位置で有りアイドリング状態を示す。 この状態から操作ペダル2を足32で踏むと、断続ワイヤー17は緩み引きバネ18が断続レバー16を引き、断続装置15を左側にスライド範囲(8mm~12mm)27、スライドさせ、連結パイプ14と噛み合う。 又、操作ペダル2から足32を外すと、引きバネ18より弾性が強いペダルスプリング19の弾性力で断続ワイヤー17は断続レバー16を引き、断続装置15を右側にスライド範囲(8mm~12mm)27、スライドさせ、連結パイプ14から外れる。
【0018】
前記説明で、
図6で示す車両アクセルペダル30がアイドリング状態になるとき、スリーブ24bを介して、コントロールアーム22が
図3で示す位置まで戻されたときに、
図6で示す車両アクセルペダル30とスリーブ24bの間に間隙を作るため、車両アクセルペダル30が戻ったアイドリングの位置よりも、さらに伝達カム21まで、アームピン23が戻るように、コントロールアーム22の軸部は、リンクスプリング4aを設けて車両アクセルペダル30とスリーブ24b間に、間隙を作ってアイドリングが安定するようにした。
【0019】
図6は車両に、車両走行制御装置を取り付けた図であって、車両アクセルペダル30と車両ブレーキペダル31は、メーカー及び車種ごとに取り付け位置が違っている為、この車両走行制御装置は、メーカー及び車種のペダル位置に合わせて取り付け板1の形や取り付け位置を変える事が必要となる。 又、図面には図示していないが、各、軸受スタンド取り付け面と、取り付け板1との間に、薄い板(スペンサー)を何枚か入れて調整する事で、各、車両に取り付けが可能となる。
【0020】
図2で示したギヤ―カバー9は歯車5と歯車5aの間に異物が入らないように、ギヤ―カバー取り付け位置13にビス3本で取り付けるようにした。 又、この車両走行制御装置は強度を保つ為、全てを金属製の部材で構成した。
【産業上の利用可能性】
【0021】
近年、各自動車メーカーは、コンピューターによる自動ブレーキなど新しい技術
で、事故防止する技術開発を行っている。 しかしながら、既に市販されている車両はまだ十分な対策が出来ていないように感じられる。 この為、本発明品は、現在増え続けるオートマチック車での、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み違いによる暴走事故を無くす事を目的として作られ、安全性を重視し、アクセルから敏速なブレーキ操作が出来る事を可能とし、従来の踏み込むアクセル操作から、逆に足のつま先を上げて行くアクセルの操作方法で、ペダルの誤操作が無くなり、安全で楽に運転できる装置とした。
【符号の説明】
【0022】
1 取り付け板
2 操作ペダル
3 操作リンク
4 リンクアームスプリング
5 歯車
5a 歯車
5b ロールピン
6 アームシャフト
7 ワイヤープーリー
7a 伝達ワイヤー
7b 助勢スプリング
7c スプリングずれ止め
8 ペダルスタンド
8a ペダルスタンド
9 ギヤ―カバー
10 主力バネ
11 シャフト
12 軸受スタンド
12a 軸受スタンド
12b 軸受スタンド
12c 軸受スタンド
13 ギヤ―カバー取り付け位置
14 連結パイプ
15 断続装置
16 断続レバー
17 断続ワイヤー
18 引きバネ
18a 引きバネ
19 ペダルスプリング
20 自在継手
21 伝達カム
22 コントロールアーム
23 アームピン
24 スリーブ
24a スリーブ
24b スリーブ
25 取り付け穴
26 旋回角度(30度~40度)
27 スライド範囲(8mm~12mm)
28 踵受けペダル
29 踵ペダルスプリング
29a ペダルスライド
30 車両アクセルペダル
31 車両ブレーキペダル
32 足
【手続補正書】
【提出日】2020-09-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2020-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のブレーキペダルと一緒に踏める位置に配置される車両用ペダル装置であって、この装置に設けられる操作ペダルを、前記ブレーキペダルから離す方向に移動させた場合に、車両のアクセルペダルを踏み込む方向に動かすように、前記操作ペダルと前記車両アクセルペダルとを連動させる伝達手段を有し、前記操作ペダルと前記車両アクセルペダルとを連動させる伝達区間に、断続装置を設けた事を特徴とする、車両走行制御装置。
【請求項2】
前記車両用ペダル装置であって、前記操作ペダルにより前記車両アクセルペダルを操作する事と前記断続装置とを操作できる、二つの動作が可能な自在継手を持つ事を特徴とする請求項1に記載の車両走行制御装置。
【請求項3】
前記車両用ペダル装置であって、ブレーキ操作で、前記操作ペダルを前記ブレーキペダルと一緒に踏み込んでからブレーキ操作を止めた時、踵を元の位置に戻す事と、足のサイズに合わせて前後に移動が出来る装置を設けた事を特徴とする、請求項1または2に記載の車両走行制御装置。