(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021400
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】播種装置
(51)【国際特許分類】
A01C 7/08 20060101AFI20220127BHJP
【FI】
A01C7/08 320Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020124923
(22)【出願日】2020-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000132219
【氏名又は名称】株式会社スズテック
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】藤田 一志
【テーマコード(参考)】
2B054
【Fターム(参考)】
2B054AA20
2B054BA01
2B054BB03
2B054CA06
2B054CB03
2B054CB15
2B054DA20
2B054DB04
2B054DB10
2B054DD30
2B054EA23
2B054EA30
(57)【要約】
【課題】従来、播種用モーターと横軸繰出ロールの回転伝動機構を外さないと、フレームを分解できず、点検・交換作業が非常に面倒であるという課題がある。
【解決手段】育苗容器Aを移送する移送台1に、移送中の育苗容器Aに種子を供給する繰出凹部17を有する横軸繰出ロール15と、横軸繰出ロール15の上方所定位置に設けた、横軸繰出ロール15の回転方向上手側に繰出凹部17に嵌合していない種子を掃き戻す種子戻し回転ブラシ20とを設けて構成した種子供給装置2を設け、横軸繰出ロール15および種子戻し回転ブラシ20は、移送台1の移送手段を駆動するモーターとは別個に、コントローラー50により回転調節可能な播種用モーター30により駆動する構成とし、少なくとも、コントローラー50は播種用モーター30を種子供給装置2のフレーム3から取外すことなく着脱可能に構成した播種装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
育苗容器Aを移送する移送台1に、移送中の育苗容器Aに種子を供給する繰出凹部17を有する横軸繰出ロール15と、横軸繰出ロール15の上方所定位置に設けた、横軸繰出ロール15の回転方向上手側に繰出凹部17に嵌合していない種子を掃き戻す種子戻し回転ブラシ20とを設けて構成した種子供給装置2を設け、横軸繰出ロール15および種子戻し回転ブラシ20は、移送台1の移送手段を駆動するモーターとは別個に、コントローラー50により回転調節可能な播種用モーター30により駆動する構成とし、少なくとも、コントローラー50は播種用モーター30を種子供給装置2のフレーム3から取外すことなく着脱可能に構成した播種装置。
【請求項2】
請求項1において、コントローラー50は電装品取付部材46に取付け、電装品取付部材46に着脱可能に取付けたモーター取付部材45に播種用モーター30を取付けた播種装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、播種用モーター30とコントローラー50とは、予め、モーター取付部材45と電装品取付部材46のそれぞれに取付け、接続等を行ってセット状態とし、このセット状態のモーター取付部材45および電装品取付部材46を種子供給装置2のフレーム3に着脱自在に取付けた播種装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3において、モーター取付部材45は前後方向の側板55の前縁に取付片56を設けて平面視においてL型形状に形成し、モーター取付部材45に播種用モーター30を着脱自在に取付け、電装品取付部材46は前板57と底板58と右側板59とを一体状に形成し、電装品取付部材46の右側板59にコントローラー50を着脱自在に取付け、モーター取付部材45の取付片56に電装品取付部材46の前板57を重ねて止着具により着脱自在に取付け、前板57の一部と底板58の一部は播種用モーター30の前側部分と底部分を包囲する構成とした播種装置。
【請求項5】
モーター取付部材45の側板55に播種用モーター30を前後方向に移動自在に仮止め状態で取付け、モーター取付部材45の取付片56に、予めコントローラー50を取付けた電装品取付部材46の前板57を取付け、播種用モーター30とコントローラー50とを接続し、このモーター取付部材45の側板55および電装品取付部材46の右側板59を種子供給装置2のフレーム3の左右側板4に止着具により着脱自在にそれぞれ取付け、次に、播種用モーター30の出力歯車32と横軸繰出ロール15の歯車34とにチェン35を掛け回し、この状態で播種用モーター30を前後移動させてチェン35の張り具合を調節する播種装置の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、播種装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、育苗容器を移送する移送台に、種子供給装置を設けた構成は公知である(特許文献1参照)。
この種子供給装置のフレームは、側板の内側に播種用モーターとコントローラーを設けて、播種用モーターとコントローラーを保護している構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、播種用モーターと横軸繰出ロールの回転伝動機構を外さないと、フレームを分解できず、播種用モーターあるいはコントローラーの何れか一方または両方に電気的不具合があったときの、点検・交換作業が非常に面倒であるという課題がある。
本願は、コントローラーと播種用モーターの点検・交換を容易にすると共に、取付構成を工夫し、取付自体の容易化も図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、育苗容器Aを移送する移送台1に、移送中の育苗容器Aに種子を供給する繰出凹部17を有する横軸繰出ロール15と、横軸繰出ロール15の上方所定位置に設けた、横軸繰出ロール15の回転方向上手側に繰出凹部17に嵌合していない種子を掃き戻す種子戻し回転ブラシ20とを設けて構成した種子供給装置2を設け、横軸繰出ロール15および種子戻し回転ブラシ20は、移送台1の移送手段を駆動するモーターとは別個に、コントローラー50により回転調節可能な播種用モーター30により駆動する構成とし、少なくとも、コントローラー50は播種用モーター30を種子供給装置2のフレーム3から取外すことなく着脱可能に構成した播種装置としたものである。
請求項2の発明は、コントローラー50は電装品取付部材46に取付け、電装品取付部材46に着脱可能に取付けたモーター取付部材45に播種用モーター30を取付けた播種装置としたものである。
請求項3の発明は、播種用モーター30とコントローラー50とは、予め、モーター取付部材45と電装品取付部材46のそれぞれに取付け、接続等を行ってセット状態とし、このセット状態のモーター取付部材45および電装品取付部材46を種子供給装置2のフレーム3に着脱自在に取付けた播種装置としたものである。
請求項4の発明は、モーター取付部材45は前後方向の側板55の前縁に取付片56を設けて平面視においてL型形状に形成し、モーター取付部材45に播種用モーター30を着脱自在に取付け、電装品取付部材46は前板57と底板58と右側板59とを一体状に形成し、電装品取付部材46の右側板59にコントローラー50を着脱自在に取付け、モーター取付部材45の取付片56に電装品取付部材46の前板57を重ねて止着具により着脱自在に取付け、前板57の一部と底板58の一部は播種用モーター30の前側部分と底部分を包囲する構成とした播種装置としたものである。
請求項5の発明は、モーター取付部材45の側板55に播種用モーター30を前後方向に移動自在に仮止め状態で取付け、モーター取付部材45の取付片56に、予めコントローラー50を取付けた電装品取付部材46の前板57を取付け、播種用モーター30とコントローラー50とを接続し、このモーター取付部材45の側板55および電装品取付部材46の右側板59を種子供給装置2のフレーム3の左右側板4に止着具により着脱自在にそれぞれ取付け、次に、播種用モーター30の出力歯車32と横軸繰出ロール15の歯車34とにチェン35を掛け回し、この状態で播種用モーター30を前後移動させてチェン35の張り具合を調節する播種装置の組立方法としたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、播種装置が駆動しないとき、播種用モーター30および播種用モーター30の回転伝動機構とは無関係にコントローラー50を取外すことができ、電気的不具合のメンテナンスを容易にできる。
請求項2の発明では、コントローラー50は電装品取付部材46に取付け、電装品取付部材46に着脱可能に取付けたモーター取付部材45に播種用モーター30を取付けているので、播種用モーター30のみの交換も容易にできる。
請求項3の発明では、播種用モーター30とコントローラー50とは、予め、モーター取付部材45と電装品取付部材46のそれぞれに取付けて置くことができ、播種用モーター30とコントローラー50とをモーター取付部材45と電装品取付部材46の二部品に個別に取り付けていても、播種装置の組立を容易にできる。
請求項4の発明では、播種用モーター30とコントローラー50を、モーター取付部材45と電装品取付部材46により包囲することができる。
請求項5の発明では、播種装置の組立を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図7】モーター取付部材と電装品取付部材の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図面により説明すると、1は育苗容器Aを移送する移送台であり、移送台1の上方には育苗容器Aに種子を供給する種子供給装置2を着脱自在に設ける。種子供給装置2は、フレーム3を前記移送台1の上方に設け、フレーム3の左右側板4には種子供給ホッパー5を上方から着脱自在に取付ける。
種子供給ホッパー5の下部は漏斗状に前側誘導板7と後側誘導板8を設け、フレーム3の上部開口部9に上方から嵌合させて取付ける。10は種子供給ホッパー5の供給口の開口量を調節する供給量調節板であり、移動自在に取付ける。11は供給量調節板10を移動調節させる調節ダイヤルである。
種子供給ホッパー5とフレーム3との間の任意の固定手段を解除して持ち上げると、種子供給ホッパー5をフレーム3から取り外すことができ、掃除等のメンテナンスを行う。
【0009】
種子供給ホッパー5の後側誘導板8の下方には、種子を繰出す軸心が左右方向の大径の横軸繰出ロール15を設ける。
横軸繰出ロール15は、横軸繰出ロール15の外周面の母線方向(左右方向)に平行な横条溝形状に形成した繰出凹部17を、横軸繰出ロール15の回転方向に所定の間隔をおいて全周に形成する。繰出凹部17は円周方向に種子が横向き1列または2列程度に嵌合する幅に形成される。横軸繰出ロール15の外周面には母線方向(左右方向)に一粒の種子の横向きの幅より短かい間隔をおいてスリット18を全周に設ける。スリット18の深さは繰出凹部17と略同じか若干深く形成し、各スリット18には掻出用ナイフ19を嵌合させる(
図1)。
【0010】
横軸繰出ロール15は直径180ミリメートル以上の大径に形成し、種子供給ホッパー5の前側誘導板7の先端は横軸繰出ロール15の真上より下方の側方に位置させ、繰出凹部17への種子の嵌合を良好にさせている。
横軸繰出ロール15の略上方位置には繰出凹部17に嵌合していない種子を、前側誘導板7に向けて掃き戻す種子戻し回転ブラシ20を設ける。種子戻し回転ブラシ20は、横軸繰出ロール15の真上位置よりも稍横軸繰出ロール15の回転方向の下手側に設ける。種子戻し回転ブラシ20の横軸繰出ロール15の回転方向下手側の側面には繰出凹部17に嵌合している種子を下方まで誘導する種子誘導体21を設ける。
【0011】
種子供給装置2は、フレーム3を移送台1に対して上下機構22を介して上下動自在に取付ける。上下機構22は、所謂撒播の播種方法のときには移送台1を移送される床土正面に対してすれすれの低位置に位置させ、所謂条播の播種方法では、条付けローラー(図示省略)によって形成される床土の条溝に種子を誘導する誘導体(図示省略)を装着するので、その分高位置に位置させる。
上下機構22は、前後一対のアーム23の基部を軸24により移送台1側に回動自在に取付け、アーム23の先端を軸25により種子供給装置2のフレーム3の側板4に取付け、前後のアーム23の基部に形成した歯車状の係合溝を互いに噛み合わせ、前側のアーム23に設けたレバー26を持ち上げると、前後のアーム23が軸24中心に上方回動させて、種子供給装置2のフレーム3を上動させる。反対に、レバー26を下げると、種子供給装置2のフレーム3を下動させる。
【0012】
また、高さの相違する育苗容器Aに対応させるために上下させるときもある。
また、種子供給ホッパー5を外すと横軸繰出ロール15の上面を開放でき、横軸繰出ロール15の繰出凹部17に残った種子を全て除去でき、播種用種子の品種交換の際の残留種子の除去を容易にする。
しかして、横軸繰出ロール15および種子戻し回転ブラシ20は、移送台1の移送手段を駆動するモーター(図示省略)とは別個の独立した播種用モーター30により駆動する。播種用モーター30の出力軸31に設けた出力歯車32と、横軸繰出ロール15のロール回転軸33の一端に設けた歯車34との間にチェン35を掛け回す(
図11)。ロール回転軸33の他端に設けた中間出力歯車36と中間軸37の中間歯車38との間にチェン39を掛け回し、中間軸37には別途中間歯車40を固定し、中間歯車40と種子戻し回転ブラシ20のブラシ回転軸41の歯車42との間にチェン43を掛け回す。
【0013】
播種用モーター30はフレーム3の側板4とは別体のモーター取付部材45に取付ける。モーター取付部材45には別体の電装品取付部材46を着脱自在に取付け、電装品取付部材46には播種用モーター30を制御するコントローラー50およびリレー等からなる電装品51ならびに種子供給装置2のスイッチ52等を取付ける。
53はコントローラー50のコントローラー操作部、53Aはコントローラー操作部53のカバーである。
そして、播種用モーター30をモーター取付部材45に取付け、モーター取付部材45にコントローラー50等を取付けた電装品取付部材46を着脱自在に取付け、コントローラー50と播種用モーター30との接続等を行ってセット(組付)状態とし、このセット(組付)状態のモーター取付部材45および電装品取付部材46を種子供給装置2のフレーム3に着脱自在に取付け、次に、フレーム3に取付けたモーター取付部材45の播種用モーター30の出力軸31に出力歯車32を組み付け、出力歯車32と横軸繰出ロール15ののロール回転軸33の歯車34との間にチェン35を掛け回すと、組付が完了する。
【0014】
従来では、左右側板と後板とを一体にしてフレーム3を構成し、このフレーム3の内面に播種用モーター30とコントローラー50を取付けていたため、水等から播種用モーター30およびコントローラー50は保護されていたが、種子や種子粉等の付着等に起因して播種用モーター30とコントローラー50とに電気的不具合が生じると、播種用モーター30と横軸繰出ロール15との回転伝動機構を分解して播種用モーター30とコントローラー50とを取り外す必要が生じ、メンテナンスが非常に面倒であった。
本発明では、少なくとも、コントローラー50を、種子供給装置2のフレーム3に対して着脱自在に取付けた電装品取付部材46に取付けているので、播種用モーター30および播種用モーター30の回転伝動機構を分解することなく、コントローラー50の点検等のメンテナンスすることができ、種子供給装置2の電気的不具合のメンテナンスを頗る容易にする。
【0015】
また、コントローラー50の電装品取付部材46は、播種用モーター30のモーター取付部材45に取付けているので、予め、播種用モーター30を取付けたモーター取付部材45にコントローラー50を取付けた電装品取付部材46を取付けて置くことができ、セット状態のモーター取付部材45(播種用モーター30)および電装品取付部材46(コントローラー50)を種子供給装置2のフレーム3に取付けると、フレーム3への取付けができ、播種用モーター30およびコントローラー50の組付を容易にでき、フレーム3とは別個のモーター取付部材45と電装品取付部材46に播種用モーター30およびコントローラー50を取付ける構成としても、組付作業性を低下させない。
【0016】
また、モーター取付部材45と電装品取付部材46をフレーム3から外すと、横軸繰出ロール15の前側を開放することができ、掻出用ナイフ19等の嵌合具合のメンテナンスも容易にする。
モーター取付部材45および電装品取付部材46の構成は任意であるが、一例を示すと、モーター取付部材45は前後方向の側板55の前縁に取付片56を設けて平面視においてL型形状に形成する。
また、電装品取付部材46は前板57と底板58と右側板59とを一体状に形成し、前板57の一部と底板58の一部は播種用モーター30の前側部分と底部分を包囲する。
電装品取付部材46の右側板59にコントローラー50を着脱自在に取付ける。
また、モーター取付部材45の取付片56と電装品取付部材46の前板57とを連結するようにカバー部材60を着脱自在に取付ける。カバー部材60は前板部61と傾斜部62を有して形成する。
【0017】
この場合、モーター取付部材45の側板55と電装品取付部材46の右側板59は、種子供給装置2のフレーム3の側板4と重ねて取付け、電装品取付部材46の底板58の後端およびカバー部材60の傾斜部62の後端は横軸繰出ロール15の前面に近接させ、播種用モーター30およびコントローラー50を包囲する密閉空間を形成し、播種用モーター30およびコントローラー50等の電装品を保護している。
また、モーター取付部材45と電装品取付部材46とカバー部材60とは、種子供給装置2のフレーム3の左右の前側部分を連結する連結部材を兼用して、フレーム3の一部を構成する。
また、播種用モーター30はモーター取付部材45の側板55に仮止め状態で取り付け、側板55に対して前後移動させることにより、チェン35の張り具合(テンション調節)を調節できる。
【0018】
(実施形態の作用)
本発明は上記構成であり、移送台1に育苗容器Aを供給すると、育苗容器Aは種子供給装置2の下方に至る。
種子供給装置2では横軸繰出ロール15が回転しているので、種子供給ホッパー5内の種子が供給量調節板10上を移動し、回転する横軸繰出ロール15の繰出凹部17に嵌合し、繰出凹部17に嵌合しない種子は供給量調節板10上に掃き戻される。
繰出凹部17に嵌合した種子は種子誘導体21により横軸繰出ロール15の下方部分まで誘導され、下方を移動する育苗容器Aに播種される。
また、繰出凹部17から落下しない種子は掻出用ナイフ19により掻き出されて播種される。
【0019】
横軸繰出ロール15と種子戻し回転ブラシ20は種子供給装置2の播種用モーター30により駆動回転され、播種用モーター30の回転数はコントローラー50により無段階に変更調節可能に構成しているので、コントローラー50を操作して所定の低速回転から所定の高速回転の間で調節する。
すなわち、横軸繰出ロール15を低速回転させると、所謂薄播きとなり、横軸繰出ロール15を高速回転させると、所謂厚播きとなる。
【0020】
横軸繰出ロール15および種子戻し回転ブラシ20は、移送台1の移送手段を駆動するモーター(図示省略)とは別個の独立した播種用モーター30により駆動し、播種用モーター30の出力軸31の回転が、出力歯車32→チェン35→横軸繰出ロール15の回転軸ロール回転軸33の歯車歯車34と伝達されて横軸繰出ロール15を回転させ、ロール回転軸33の他端の中間出力歯車36→チェン39→中間歯車38→中間軸37→中間歯車40→チェン43→種子戻し回転ブラシ20のブラシ回転軸41の歯車42と伝達されて種子戻し回転ブラシ20を回転させる。
【0021】
しかして、従来の播種装置では、水や土砂・塵埃等から播種用モーター30およびコントローラー50を守る観点から、左右側板と後板とを一体状に本発明のフレーム3に相当する部材を構成し、このフレーム3の内面に播種用モーター30とコントローラー50を取付けていたが、保管状態等に起因して播種用モーター30とコントローラー50とに電気的不具合が生じると、播種用モーター30と横軸繰出ロール15との回転伝動機構を分解して播種用モーター30とコントローラー50とを取り外す必要が生じ、まず、種子供給ホッパー5を外し、次に、播種用モーター30と横軸繰出ロール15との間のチェン35を外し、これにより、播種用モーター30およびコントローラー50等の電装品をフレーム3からの取外しが完了することになって、メンテナンスが非常に面倒であり、さらに、メンテナンス後に、播種用モーター30とコントローラー50をフレーム3に取付け、播種用モーター30を横軸繰出ロール15の回転伝動機構に再度組み付け、チェンのテンション等の再調節も必要になって、面倒であった。
【0022】
本発明では、少なくとも、コントローラー50を種子供給装置2のフレーム3に対して着脱自在に取付けた電装品取付部材46に取付けているので、播種用モーター30および播種用モーター30の回転伝動機構を分解することなく、コントローラー50の点検等のメンテナンスすることができ、種子供給装置2の電気的不具合のメンテナンスを頗る容易にする。
すなわち、電装品取付部材46と共にコントローラー50を、フレーム3から外せるので、播種用モーター30の周辺を開放でき、播種用モーター30への配線の不具合の確認を容易にできる。
【0023】
同様に、電装品取付部材46に取り付けられているコントローラー50と電装品との接続確認を、フレーム3から取外した状態の電装品取付部材46で行うことかでき、非常に容易にメンテナンスできる。
また、点検の結果、コントローラー50に不具合があったときには、電装品取付部材46からコントローラー50を取外して交換することになるが、フレーム3から取り外した電装品取付部材46上で交換作業を行うことかでき、交換作業を容易にできる。
つぎに、播種用モーター30に電気的不具合があったときには、播種用モーター30もフレーム3に対して着脱自在に取付けているので、播種用モーター30をフレーム3から取外して交換すればよい。
【0024】
しかして、播種用モーター30はフレーム3の側板4とは別体のモーター取付部材45に取付け、モーター取付部材45には別体の電装品取付部材46を着脱自在に取付け、電装品取付部材46に播種用モーター30を制御するコントローラー50を取り付けており、播種用モーター30のモーター取付部材45とコントローラー50の電装品取付部材46とは互いに独立してフレーム3に対して着脱自在であるので、播種用モーター30とコントローラー50はモーター取付部材45と電装品取付部材46とをフレーム3から取り外すことにより、それぞれ別個に着脱できる。
【0025】
なお、モーター取付部材45と電装品取付部材46とは、播種用モーター30とコントローラー50を取付けた状態で互いに組み付けることも可能であり、予め、播種用モーター30を取付けたモーター取付部材45にコントローラー50等を取付けた電装品取付部材46を着脱自在に取付け、コントローラー50と播種用モーター30との接続等を行ってセット状態とし、このセット状態のモーター取付部材45および電装品取付部材46を種子供給装置2のフレーム3に着脱自在に取付けることにより、組付を容易にでき、反対に、モーター取付部材45と電装品取付部材46を一度に取外してメンテナンスを行うことも可能であり、メンテナンスも容易にする。
【0026】
モーター取付部材45および電装品取付部材46は、モーター取付部材45を前後方向の側板55の前縁に取付片56を設けて平面視においてL型形状に形成しているので、モーター取付部材45の側板55をフレーム3の側板4にネジ等により取付ける。
次に、電装品取付部材46を前板57と底板58と右側板59とを一体状に形成しているので、電装品取付部材46の右側板59をフレーム3の側板4にネジ等により取付け、電装品取付部材46の前板57にモーター取付部材45の取付片56をネジ等により取付ける。
【0027】
また、モーター取付部材45の取付片56と電装品取付部材46の前板57とを連結するようにカバー部材60を着脱自在に取付け、電装品取付部材46の底板58の後端およびカバー部材60の傾斜部62の後端は横軸繰出ロール15の前面に近接させているので、モーター取付部材45と電装品取付部材46とカバー部材60により播種用モーター30およびコントローラー50を包囲する密閉空間を形成し、播種用モーター30およびコントローラー50等の電装品を保護している。
また、モーター取付部材45と電装品取付部材46とカバー部材60とは、種子供給装置2のフレーム3の左右の前側部分を連結する連結部材を兼用して、フレーム3の一部を構成する。
【符号の説明】
【0028】
1…移送台、2…種子供給装置、3…フレーム、4…側板、5…種子供給ホッパー、7…前側誘導板、8…後側誘導板、9…上部開口部、10…供給量調節板、11…調節ダイヤル、15…横軸繰出ロール、17…繰出凹部、18…スリット、19…掻出用ナイフ、20…種子戻し回転ブラシ、21…種子誘導体、22…上下機構、30…播種用モーター、31…出力軸、32…出力歯車、33…ロール回転軸、34…歯車、35…チェン、36…中間出力歯車、37…中間軸、38…中間歯車、39…チェン、40…中間歯車、41…ブラシ回転軸、42…歯車、43…チェン、45…モーター取付部材、46…電装品取付部材、50…コントローラー、51…電装品、52…スイッチ、55…側板、56…取付片、57…前板、58…底板、59…右側板、60…カバー部材、61…前板部、62…傾斜部。