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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021456
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】照明制御システムおよび照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/165 20200101AFI20220127BHJP
   H05B 47/12 20200101ALI20220127BHJP
【FI】
H05B47/165
H05B47/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020125017
(22)【出願日】2020-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】小松 ▲琢▼充
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA37
3K273RA12
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA18
3K273TA28
3K273TA46
3K273TA49
3K273TA54
3K273TA57
3K273UA16
3K273UA22
3K273UA23
3K273VA08
(57)【要約】
【課題】調光状態の変化を使用者に通知できる照明制御システムおよび照明器具を得ることを目的とする。
【解決手段】本開示に係る照明制御システムは、使用者の音声、脳波または顔の動きに基づく命令に応じて制御信号を送信する照明コントローラと、被照射部を照らす光を発する第1光源部を有し、該制御信号に応じて該第1光源部の調光状態を変化させる第1照明器具と、を備え、該第1照明器具は、該被照射部を照らす該光の形状により該調光状態の変化を使用者に通知する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の音声、脳波または顔の動きに基づく命令に応じて制御信号を送信する照明コントローラと、
被照射部を照らす光を発する第1光源部を有し、前記制御信号に応じて前記第1光源部の調光状態を変化させる第1照明器具と、
を備え、
前記第1照明器具は、前記被照射部を照らす前記光の形状により前記調光状態の変化を使用者に通知することを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
前記第1照明器具は、前記制御信号に応じて前記第1光源部の調光率を変化させ、前記光の形状により前記調光率の変化を使用者に通知することを特徴とする請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記光の形状は矢印、三角形または波型であることを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記第1照明器具は、前記光の形状を変化させて前記被照射部に動画を表示することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記第1光源部は複数の光源を有し、
前記第1照明器具は、前記複数の光源の各々を点灯状態または消灯状態に設定し、前記光の形状を形成することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記第1照明器具は、前記照明コントローラからの信号に応じて、前記光の形状を第1状態から前記調光状態の変化を使用者に通知する第2状態に変化させ、予め定められた規定時間の経過後に前記光の形状を前記第1状態に戻すことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記第1照明器具は、前記制御信号に応じて前記調光状態を変化させた後に、前記光の形状を前記第2状態に変化させることを特徴とする請求項6に記載の照明制御システム。
【請求項8】
前記第1照明器具は、前記制御信号に応じて前記光の形状を前記第2状態に変化させ、前記規定時間の間に段階的に前記調光状態を変化させることを特徴とする請求項6に記載の照明制御システム。
【請求項9】
前記第1照明器具は、前記光の形状を前記第2状態に変化させてから前記規定時間の経過後に前記調光状態を変化させることを特徴とする請求項6に記載の照明制御システム。
【請求項10】
前記第1照明器具は、前記照明コントローラからの表示命令に応じて前記光の形状を前記第2状態に変化させ、前記規定時間の経過後に応答信号を送信し、
前記照明コントローラは、前記応答信号に応じて前記第1照明器具に前記制御信号を送信することを特徴とする請求項9に記載の照明制御システム。
【請求項11】
第2光源部を有し、前記制御信号に応じて前記第2光源部の調光状態を変化させ、前記第2光源部が発する光の形状による前記調光状態の変化の通知を行わない第2照明器具を備えることを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項12】
被照射部を照らす光を発する光源部と、
前記光源部を点灯させる電源と、
使用者の音声、脳波または顔の動きに基づく命令に応じて照明コントローラから送信された制御信号に応じて、前記光源部の調光状態を変化させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記被照射部を照らす前記光の形状を制御して、前記調光状態の変化を使用者に通知することを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明制御システムおよび照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、手による操作なしで人の意思によって照明制御ができる照明操作スイッチが開示されている。この照明操作スイッチは、音声を入力する音声入力手段と、入力された音声を認識する音声認識手段と、制御手段とを備える。また、制御手段は、認識した音声が点灯に対応する音声であれば照明負荷を100%点灯し、認識した音声が消灯に対応する音声であれば照明負荷を消灯する。また、制御手段は、認識した音声が第1の所定の調光レベルに対応する音声であれば照明負荷を第1の所定の調光レベルに調光し、認識した音声が第2の所定の調光レベルに対応する音声であれば照明負荷を第2の所定の調光レベルに調光する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-45679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示される照明操作スイッチは、人の音声を認識して照明器具を調光制御できる。しかし、特に照明器具の光量の変動が小さいときには、使用者は照明器具が調光されたか否か判断することが困難である可能性がある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、調光状態の変化を使用者に通知できる照明制御システムおよび照明器具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明制御システムは、使用者の音声、脳波または顔の動きに基づく命令に応じて制御信号を送信する照明コントローラと、被照射部を照らす光を発する第1光源部を有し、該制御信号に応じて該第1光源部の調光状態を変化させる第1照明器具と、を備え、該第1照明器具は、該被照射部を照らす該光の形状により該調光状態の変化を使用者に通知する。
【0007】
本開示に係る照明器具は、被照射部を照らす光を発する光源部と、該光源部を点灯させる電源と、使用者の音声、脳波または顔の動きに基づく命令に応じて照明コントローラから送信された制御信号に応じて、該光源部の調光状態を変化させる制御部と、を備え、該制御部は、該被照射部を照らす該光の形状を制御して、該調光状態の変化を使用者に通知する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る照明制御システムおよび照明器具では、光の形状により調光状態の変化を使用者に通知できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る照明制御システムの構成を説明する図である。
図2】光の形状が第2状態であるときの照明制御システムを示す図である。
図3】実施の形態1に係る照明制御システムの回路構成を説明する図である。
図4】実施の形態1に係る光源部の構成を説明する図である。
図5】実施の形態1に係る光源部が表示する動画を説明する図である。
図6】実施の形態1に係る照明制御システムの動作を説明するフローチャートである。
図7】比較例に係る照明制御システムの構成を説明する図である。
図8】実施の形態2に係る照明制御システムの動作を説明するフローチャートである。
図9】実施の形態3に係る照明制御システムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各本実施の形態に係る照明制御システムおよび照明器具について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。また、以下で接続という場合には、電気的な接続を含むものとする。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明制御システム100の構成を説明する図である。照明制御システム100は、入力装置として音声認識ユニット7を備える。また、照明制御システム100は、複数の照明器具2、4を備える。
【0012】
照明器具4は、被照射部6を照らす光5を発する光源部41を有する。照明器具4は例えばスポットライトである。図1において、照明器具4が発する光5の形状は第1状態6aである。第1状態6aは定常状態である。第1状態6aにおいて、光5の形状は例えば円形または楕円形である。
【0013】
照明器具2は、光3を発する光源部21を有する。照明器具2は例えば照明空間1を照らすベースライトである。
【0014】
図2は、光5の形状が第2状態6bであるときの照明制御システム100を示す図である。照明制御システム100では、使用者8の発話により音声認識ユニット7を介して、照明器具2、4の調光状態が制御される。
【0015】
照明器具4は、被照射部6を照らす光5の形状により、調光状態の変化を使用者8に通知する。照明器具4は、後述する照明コントローラ10からの信号に応じて、光5の形状を第1状態6aから調光状態の変化を使用者に通知する第2状態6bに変化させる。第2状態6bにおける光5の形状は、例えば矢印である。図2に示される例では、調光率を低下される制御が行われたことが下向きの矢印により使用者8に通知されている。
【0016】
図3は、実施の形態1に係る照明制御システム100の回路構成を説明する図である。なお、図3では便宜上、照明器具2、4がそれぞれ1つのみ示されている。照明制御システム100は照明コントローラ10を備える。音声認識ユニット7は通信線11を通して、照明コントローラ10に接続される。音声認識ユニット7は、使用者8の発話に応じて照明コントローラ10に命令を送信する。照明コントローラ10は、音声認識ユニット7からの命令に応じて、照明器具2、4に制御信号を送信する。
【0017】
照明コントローラ10は、通信線11を介して照明器具2、4に接続される。照明コントローラ10は、通信線11を介して照明器具4の電源43および照明器具2の電源22に接続される。
【0018】
照明器具2は、光源部21と、光源部21を点灯させる電源22を備える。この他に、照明器具2は、照明コントローラ10からの制御信号に応じて光源部21の調光状態を変化させる制御部を備える。照明器具2は、例えば電源22を介して制御信号を受信する。制御信号に応じた電源22の動作により、光源部21の調光制御または調色制御が実施される。また、照明器具2は、光源部21が発する光3の形状による調光状態の変化の通知を行わない。
【0019】
照明器具4は、光源部41と光源部41を点灯させる電源43と、制御部42を備える。制御部42は、照明コントローラ10からの制御信号に応じて電源43を制御して、光源部41の調光状態を変化させる。制御部42は、例えば電源43を介して制御信号を受信する。制御部42は、光源部41を調光制御または調色制御する。制御部42は例えばマイコンを備える。
【0020】
これ以外に、制御部42は、光源部41が有する個々のLEDパッケージの点灯状態を制御する。点灯状態を制御された照明器具4の光5は、例えば壁面に照射される。図1、2に示されるように、光5の形状は、定常時は通常の照明光のような円形であるが、矢印形に変化が可能である。
【0021】
通信線11は、無線でもインターネットなどのネットワーク回線でもよい。また、音声認識ユニット7、照明コントローラ10、照明器具2、4は、図示しないネットワーク上のサーバーを介して接続されてもよい。本実施の形態の照明制御システム100が備える照明器具2、4の数は限定されない。照明空間1の照明は、照明器具4のみで構成されても良いし、照明器具2だけで構成されても良い。照明空間1の照明が照明器具2だけで構成される場合、ベースライトである照明器具2が発する光3の形状が、調光状態の変化を使用者に通知するように変化しても良い。
【0022】
図4は、実施の形態1に係る光源部41の構成を説明する図である。光源部41は、光源基板44と、光源基板44上に設けられた複数の光源45を有する。光源45は、LEDパッケージである。制御部42は、複数の光源45の各々を点灯状態または消灯状態に設定して、光5の形状を形成する。複数の光源45の各々を制御する方法として、例えばRowデコーダー、Columnデコーダーを用いたアドレス制御を採用できる。図4において、複数の光源45のうち光源45aは点灯状態であり、光源45bは消灯状態である。
【0023】
光源45の光出射方向には、凸レンズ47が設けられる。光5は、凸レンズ47を介して整えられ、被照射部6に投影される。図4では、第2状態6bの矢印が投影されている。
【0024】
図5は、実施の形態1に係る光源部41が表示する動画を説明する図である。照明器具4は、光5の形状を変化させて被照射部6に動画を表示しても良い。制御部42は、複数の光源45の各々を点灯状態または消灯状態の間で切り替えて、光5の形状をアニメーションのように変化させる。これにより、被照射部6に動画が投影される。なお、被照射部6には、光源部41により静止画が投影されても良い。
【0025】
図6は、実施の形態1に係る照明制御システム100の動作を説明するフローチャートである。ステップS101において、使用者8は音声認識ユニット7に発話命令を行う。発話命令の内容は、例えば「10%減光せよ」である。
【0026】
ステップS102において、音声認識ユニット7は発話命令を認識し、認識した発話命令を照明コントローラ10に送信する。
【0027】
ステップS103において、照明コントローラ10は照明器具2、4に発話命令を制御信号として送信する。
【0028】
ステップS104において、照明器具4は照明コントローラ10からの制御信号を受信して、制御信号に従い光源部41を調光制御する。つまり、光源部41が発する光5を10%減光する。さらに、照明器具4は、被照射部6に動画を表示する。ここでは、図5に示されるように、光5の形状の第2状態6bとして、下向きの矢印が下方に向かって動く動画が表示される。照明器具4は、制御信号に応じて調光状態を変化させた後に、光5の形状を第2状態6bに変化させる。
【0029】
ステップS105において、照明器具2は照明コントローラ10からの制御信号を受信して、制御信号に従い、光源部21を調光制御する。つまり、照明器具2は光源部21が発する光3を10%減光する。
【0030】
ステップS106において、照明器具4は規定時間だけ動画を表示する。この規定時間は、照明器具4に内蔵された制御部42に記憶されている。ここでは、下向き矢印の動画が例えば3秒間継続する。
【0031】
ステップS107において、照明器具4は規定時間だけ動画を表示させた後、光5の形状を第1状態6aに戻す。第1状態6aにおいて、すべての光源45が点灯する。ただし、光源45の出力は制御信号の受信前と比較して10%減光した値となる。このように、照明器具4は、光5の形状を第1状態6aから第2状態6bに変化させ、予め定められた規定時間の経過後に光5の形状を第1状態6aに戻す。
【0032】
図7は、比較例に係る照明制御システム101の構成を説明する図である。比較例に係る照明制御システム101では、照明器具2、4が音声認識ユニット7ではなく、リモコン12で制御される。リモコン12は使用者が物理的に操作するユニットである。使用者はリモコン12を制御する際に、リモコン12のスイッチを押す。このため、使用者は照明制御システム100に命令を伝えた実感を得ることができる。
【0033】
これに対し、音声認識ユニット7により照明器具を制御する場合、リモコンのスイッチまたは壁スイッチを押す等の物理的動作がない。つまり、操作後にスイッチに指が押し返されること、または、スイッチが押された状態となることがない。このため、照明器具の明るさの変化のみでは、使用者は照明器具が正しく調光されたか否か判断することが困難である可能性がある。人の脳波を認識するユニット、人の表情、顔の動きまたは目の動きを認識するユニットにより照明器具を制御する場合も、音声認識ユニット7により照明器具を制御する場合と同様の問題が生じるおそれがある。
【0034】
本実施の形態では、照明器具4の制御部42は、被照射部6を照らす光5の形状を制御して、調光状態の変化を使用者に通知する。例えば調光率の制御の例では、照明器具4は、制御信号に応じて光源部41の調光率を変化させ、矢印等の光5の形状により調光率の変化を使用者に通知する。
【0035】
このため、音声認識ユニット7からの命令を受け付けたことのフィードバックを使用者8に行うことができる。従って、使用者は、命令が確実に照明制御システム100に伝わったことを認識することができる。
【0036】
また、音声認識ユニット7からフィードバック音声を発して、命令を受諾したこと使用者に通知することも考えられる。本実施の形態では、さらに照明器具4からの光5により使用者に通知が行われる。このため、使用者は、音声認識ユニット7が正しく照明制御システム100に命令を渡したことを認識できる。
【0037】
本実施の形態では、調光率の変化を矢印で示す例を示した。これに限らず照明器具4は、調光率の変化を数字、文字等で表示しても良い。また、光5の形状は三角形または波型であっても良い。この場合、照明器具4は、例えば調光率の変化を三角形の頂点の向き、または、波が寄せる方向で示す。また、照明器具4は、光5の形状により、発光色の変化を使用者に通知しても良い。このように、光5の形状として、調光状態の変化を使用者に通知可能なあらゆる形状を採用できる。
【0038】
また、光5の形状を第2状態6bに維持する規定時間は、照明コントローラ10に記憶されていても良い。この場合、例えば照明コントローラ10は規定時間をカウントし、規定時間の経過後に光5の形状を第1状態6aに戻す指令を照明器具4に送信しても良い。
【0039】
本実施の形態では、音声認識ユニット7により照明器具2、4を制御する例を示した。これに限らず、照明コントローラ10は、使用者の音声、脳波または顔の動きに基づく命令に応じて照明器具2、4に制御信号を送信すれば良い。つまり、音声認識ユニット7は、脳波認識ユニットまたは顔認識ユニットであっても良い。また、顔の動きには、表情、感情および目の動きが含まれるものとする。
【0040】
本実施の形態では、光源45がLEDであるものとした。これに限らず光源45はLED以外の光源であっても良い。例えば、照明器具4は、有機EL(Electroluminescence)等の光源であっても良い。照明器具2が備える光源についても同様である。
【0041】
これらの変形は、以下の実施の形態に係る照明制御システムおよび照明器具について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る照明制御システムおよび照明器具については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0042】
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係る照明制御システム100の動作を説明するフローチャートである。本実施の形態では、調光制御のタイミングが実施の形態1と異なる。その他の構成は、実施の形態1の構成と同様である。
【0043】
ステップS201において、使用者8は音声認識ユニット7に発話命令を行う。発話命令の内容は、例えば「10%減光せよ」である。
【0044】
ステップS202において、音声認識ユニット7は発話命令を認識し、認識した発話命令を照明コントローラ10に送信する。
【0045】
ステップS203において、照明コントローラ10は照明器具2と照明器具4に発話命令を制御信号として送信する。
【0046】
ステップS204において、照明器具4は照明コントローラ10からの制御信号を受信して、制御信号に従い光源部41を調光制御する。また、照明器具4は、被照射部6に動画を表示する。このとき、制御部42は、段階的に調光状態を変化させながら、動画を投影する。制御部42は、動画を表示しながら、自己が記憶する規定時間だけかけて、制御信号に応じた目標値まで調光状態を連続的に変化させる。例えば制御部42は、下向き矢印の動画を表示しながら、3秒かけて光5を10%減光する。
【0047】
ステップS205において、照明器具2は照明コントローラ10からの制御信号を受信して、制御信号に従い光源部21を調光制御する。つまり、照明器具2は光源部21が発する光3を10%減光する。
【0048】
ステップS206において、照明器具4は規定時間だけ動画を表示させた後、光5の形状を第1状態6aに戻す。第1状態6aにおいて、すべての光源45が点灯する。ただし、光源45の出力は制御信号の受信前と比較して10%減光した値となる。
【0049】
このように、本実施の形態の照明器具4は、制御信号に応じて光5の形状を第2状態6bに変化させ、規定時間の間に段階的に調光状態を変化させる。段階的な調光制御はフェード制御とも呼ばれる。本実施の形態では、光5の形状を第2状態6bに設定する規定時間が、フェード制御におけるフェード時間となる。
【0050】
実施の形態3.
図9は、実施の形態3に係る照明制御システム100の動作を説明するフローチャートである。本実施の形態では、調光制御のタイミングが実施の形態1と異なる。その他の構成は、実施の形態1の構成と同様である。
【0051】
ステップS301において、使用者8は音声認識ユニット7に発話命令を行う。発話命令の内容は、例えば「10%減光せよ」である。
【0052】
ステップS302において、音声認識ユニット7は発話命令を認識し、認識した発話命令を照明コントローラ10に送信する。
【0053】
ステップS303において、照明コントローラ10は照明器具4に表示命令を送信する。表示命令は、例えば下向き矢印を表示する命令である。
【0054】
ステップS304において、照明器具4は、照明コントローラ10からの表示命令に応じて光5の形状を第1状態6aから第2状態6bに変化させる。つまり、照明器具4は、表示命令に従い、被照射部6に動画を表示する。照明器具4は、光5を発話命令前の調光率に維持して、下向き矢印の動画を表示する。
【0055】
ステップS305において、照明器具4は制御部42が記憶する規定時間だけ動画の表示を継続する。照明器具4は、規定時間の経過後に照明コントローラ10に応答信号を送信する。応答信号は、動画投影時間の満了結果を通知する信号である。
【0056】
ステップS306において、照明コントローラ10は、応答信号に応じて照明器具2、4に音声認識ユニット7からの発話命令を制御信号として送信する。
【0057】
ステップS307において、照明器具4は照明コントローラ10から制御信号を受信すると、動画の投影を中止し、光5の形状を第1状態6aに戻す。また、照明器具2は、制御信号に応じて、光源部41を調光制御する。第1状態6aにおいて、すべての光源45が点灯する。また、光源45の出力は制御信号の受信前と比較して10%減光した値となる。
【0058】
ステップS308において、照明器具2は照明コントローラ10からの制御信号を受信して、制御信号に従い、光源部21を調光制御する。つまり、照明器具2は光源部21が発する光3を10%減光する。
【0059】
このように、照明器具4は、光5の形状を第2状態6bに変化させてから規定時間の経過後に調光状態を変化させても良い。
【0060】
また、本実施の形態では、照明器具4からの応答信号に応じて照明コントローラ10が制御信号を送信した。これに限らず、照明コントローラ10は、表示命令を送信した後、規定時間をカウントし、規定時間の経過後に制御信号を送信しても良い。
【0061】
なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 照明空間、2 照明器具、3 光、4 照明器具、5 光、6 被照射部、6a 第1状態、6b 第2状態、7 音声認識ユニット、8 使用者、10 照明コントローラ、11 通信線、12 リモコン、21 光源部、22 電源、41 光源部、42 制御部、43 電源、44 光源基板、45 光源、45a 光源、45b 光源、47 凸レンズ、100、101 照明制御システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9