(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021465
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/06 20120101AFI20220127BHJP
【FI】
G06Q40/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020125038
(22)【出願日】2020-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】320006841
【氏名又は名称】トラストオフィス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(74)【代理人】
【識別番号】100166659
【弁理士】
【氏名又は名称】楠 和也
(72)【発明者】
【氏名】小守 美行
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB57
(57)【要約】
【課題】対象者の将来の資産状況をシミュレーションする情報処理装置において、資産状況のシミュレーションをするための設定情報の訂正がし易く、対象者が設定情報の違いによるシミュレーション結果の違いをスムーズに把握し易い情報処理装置を提供することを課題としている。
【解決手段】対象者の将来の資産状況をシミュレーションする情報処理装置であって、対象者の資産情報を取得する資産情報取得手段と、シミュレーションの条件設定に関する情報である設定情報を取得する設定情報取得手段と、シミュレーション手段と、結果表示手段と、設定変更手段とを備え、前記シミュレーション手段は、前記設定変更手段によって対象者の設定情報が変更された場合、新しく変更された設定情報に基づいて再度シミュレーションを行い、前記結果表示手段は最新のシミュレーション結果情報を前記モニタに表示するように構成された。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の将来の資産状況をシミュレーションする情報処理装置であって、
対象者の資産状況に関する情報である資産情報を、情報入力を行う入力手段又は自身の記憶部から取得するか、或いは他のコンピュータからネットワーク経由で通信手段により取得する資産情報取得手段と、
対象者の資産情報から将来の該対象者の資産状況をシミュレーションするにあたり、該シミュレーションの条件設定に関する情報である設定情報を、情報入力を行う入力手段又は自身の記憶部から取得する設定情報取得手段と、
対象者の資産情報及び設定情報から該対象者の将来の資産状況をシミュレーションし、その結果をシミュレーション結果情報として記憶部に記憶するシミュレーション手段と、
シミュレーション結果情報をモニタに表示する結果表示手段と、
結果表示手段によってシミュレーション結果情報が表示されている最中に、該シミュレーション結果情報の対象になった対象者の設定情報を変更可能とする設定変更手段とを備え、
前記シミュレーション手段は、前記設定変更手段によって対象者の設定情報が変更された場合、新しく変更された設定情報に基づいて再度シミュレーションを行い、その結果を該対象者の新しいシミュレーション結果情報として記憶部に記憶するように構成され、
前記結果表示手段は前記記憶部に記憶された最新のシミュレーション結果情報を所定のタイミングで前記モニタに表示するように構成された
ことを特徴とした情報処理装置。
【請求項2】
前記結果表示手段は、最新の前記シミュレーション結果情報を直ちに前記モニタに表示するように構成された
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記結果表示手段は、前記シミュレーション結果情報を前記モニタにグラフ表示するように構成された
請求項1又は2の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記結果表示手段により表示される前記グラフ表示は、横軸に時間軸を有し、縦軸に対象者の資産に関する情報を有する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記設定変更手段は、前記シミュレーション結果情報と一緒に前記モニタに表示され且つ該シミュレーション結果情報に係る対象者の設定情報を変更操作可能に構成された
請求項1乃至4の何れかに記載の情報処理装置
【請求項6】
前記設定変更手段は、前記設定情報をスライダーバーによって視覚的に表示するとともに、該スライダーバー上のスライダーを移動させる操作によって前記設定情報を変更可能に構成した
請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記シミュレーション手段は、前記スライダーバー上で前記スライダーをスライド操作している最中も、前記スライダーの操作位置に基づいて前記シミュレーション結果情報の再計算を連続的に実行し、
前記結果表示手段は、前記シミュレーション結果情報が再計算される度に前記グラフ表示をリアルタイムで再出力することによって、前記スライダーの移動に伴って前記グラフ表示がダイナミックに変化するように構成された
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記設定情報は、投資に関する情報と、住宅に関する情報と、保険に関する情報とを含む
請求項1乃至7の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記設定情報は、資産を積立てながら生活する期間である積立期と、資産の積立も取崩もせずに生活する期間である据置期と、資産を取崩して生活する期間である取崩期とで入力項目を分けた
請求項1乃至8の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記設定情報は、一方が設定されると連動して自動的に決定される複数の情報を有し、
前記設定変更手段によって、一の設定情報が変更された場合、これに連動して決定される設定情報も自動的に変更されるように構成された
請求項1乃至9の何れかに記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象者の将来の資産状況をシミュレーションする情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、対象者の資産に関する情報から将来の資産状況をシミュレーションして複数のライフプランを提示することによって、今後の資産設計の構築を支援する情報処理装置が従来公知である。
【0003】
例えば特許文献1では、将来の予定収入や金融資産に関する情報と、住宅ローンの返済に関する情報と、その他の設定情報等に基づいて生涯予想金融資産をシミュレーションし、住宅ローンの返済方法を変更することで、老後の金融資産や取崩せる生活費がどのように変化するかを示すことができるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記文献によれば、対象者の前記資産情報と、将来の資産状況のシミュレーションに必要な設定情報とに基づいて将来の資産状況をシミュレーションすることにより、対象者の今後の資産設計の構築を支援できるものであるが、対象者が設定情報の条件を変えて複数のシミュレーション結果を出力した場合にシミュレーション結果の違いをスムーズ且つ直感的に把握し難い場合があるという課題がある。
【0006】
本発明は、対象者の将来の資産状況をシミュレーションする情報処理装置において、資産状況のシミュレーションをするための設定情報の訂正がし易く、対象者が設定情報の違いによるシミュレーション結果の違いをスムーズに把握し易い情報処理装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、対象者の将来の資産状況をシミュレーションする情報処理装置であって、対象者の資産状況に関する情報である資産情報を、情報入力を行う入力手段又は自身の記憶部から取得するか、或いは他のコンピュータからネットワーク経由で通信手段により取得する資産情報取得手段と、対象者の資産情報から将来の該対象者の資産状況をシミュレーションするにあたり、該シミュレーションの条件設定に関する情報である設定情報を、情報入力を行う入力手段又は自身の記憶部から取得する設定情報取得手段と、対象者の資産情報及び設定情報から該対象者の将来の資産状況をシミュレーションし、その結果をシミュレーション結果情報として記憶部に記憶するシミュレーション手段と、シミュレーション結果情報をモニタに表示する結果表示手段と、結果表示手段によってシミュレーション結果情報が表示されている最中に、該シミュレーション結果情報の対象になった対象者の設定情報を変更可能とする設定変更手段とを備え、前記シミュレーション手段は、前記設定変更手段によって対象者の設定情報が変更された場合、新しく変更された設定情報に基づいて再度シミュレーションを行い、その結果を該対象者の新しいシミュレーション結果情報として記憶部に記憶するように構成され、前記結果表示手段は前記記憶部に記憶された最新のシミュレーション結果情報を所定のタイミングで前記モニタに表示するように構成されたことを特徴とする。
【0008】
前記結果表示手段は、最新の前記シミュレーション結果情報を直ちに前記モニタに表示するように構成されたことを特徴とする。
【0009】
前記結果表示手段は、前記シミュレーション結果情報を前記モニタにグラフ表示するように構成されたことを特徴とする。
【0010】
前記結果表示手段により表示される前記グラフ表示は、横軸に時間軸を有し、縦軸に対象者の資産に関する情報を有することを特徴とする。
【0011】
前記設定変更手段は、前記シミュレーション結果情報と一緒に前記モニタに表示され且つ該シミュレーション結果情報に係る対象者の設定情報を変更操作可能に構成されたことを特徴とする。
【0012】
前記設定変更手段は、前記設定情報をスライダーバーによって視覚的に表示するとともに、該スライダーバー上のスライダーを移動させる操作によって前記設定情報を変更可能に構成したことを特徴とする。
【0013】
前記シミュレーション手段は、前記スライダーバー上で前記スライダーをスライド操作している最中も、前記スライダーの操作位置に基づいて前記シミュレーション結果情報の再計算を連続的に実行し、前記結果表示手段は、前記シミュレーション結果情報が再計算される度に前記グラフ表示をリアルタイムで再出力することによって、前記スライダーの移動に伴って前記グラフ表示がダイナミックに変化するように構成されたことを特徴とする。
【0014】
前記資産情報は、投資に関する情報と、住宅に関する情報と、保険に関する情報とを含むことを特徴とする。
【0015】
前記設定情報は、資産を積立てながら生活する期間である積立期と、資産の積立も取崩もせずに生活する期間である据置期と、資産を取崩して生活する期間である取崩期とで入力項目を分けたことを特徴とする。
【0016】
前記設定情報は、一方が設定されると連動して自動的に決定される複数の情報を有し、前記設定変更手段によって、一の設定情報が変更された場合、これに連動して決定される設定情報も自動的に変更されるように構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
資産状況のシミュレーションをするための設定情報の訂正がし易く、対象者が設定情報の違いによるシミュレーション結果の違いをスムーズに把握し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の情報処理装置を用いたシミュレーションシステムの概念図である。
【
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理端末の構成を示すブロック図である。
【
図4】シミュレーション処理の処理フロー図である。
【
図5】(A)乃至(C)は、設定情報の入力画面の表示例である。
【
図6】結果出力手段によりモニタに表示される画面の画面表示例である。
【
図7】結果出力手段によりモニタに表示される画面の画面表示例である。
【
図8】結果出力手段によりモニタに表示される画面の画面表示例である。
【
図9】別実施例の情報処理端末の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の情報処理装置を用いたシミュレーションシステムの概念図である。シミュレーションシステムは、情報処理システムの一種であり、顧客(対象者)の資産情報と各種設定情報とを基に様々なパターンのライフプラン(資産状況)をシミュレーションするシミュレーション処理が実行可能に構成されている。
【0020】
このシミュレーションシステムは、センタ施設に設置されて各種情報が集約された一又は複数の情報処理装置(情報処理サーバ)10と、システムのユーザがそれぞれ所有するデスクトップPC、ノートPC、タブレット端末等の情報処理端末30とを備えている。情報処理装置10と、各情報処理端末30とは、インターネット等のグローバルなネットワーク20を介して接続されている(
図1参照)。
【0021】
システムのユーザ(アドバイザ)は、前記情報処理端末30を介して前記情報処理装置10に接続し、顧客の資産情報や、ライフプランのシミュレーションに必要な設定情報を入力することによって、様々なパターンのライフプランをシミュレーションし、そのシミュレーション結果情報をモニタ(ディスプレイ)等に表示して顧客に提示することができる。
【0022】
これにより、ユーザは、顧客に対して要望に合った複数パターンのシミュレーション結果情報を提示し比較することによって、顧客の今後の資産設計(貯蓄プラン)がよりスムーズ且つ円滑に構築されるように支援することができる。
【0023】
次に、
図1乃至3に基づき、本資産設計支援システムの構成を説明する。
図2は、本発明の情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0024】
前記情報処理装置(シミュレーション装置)10は、CPUやRAM等を含み且つプログラムの実行によって各種機能を実装する処理ユニット(制御部)11と、各種情報が記憶されるHDD又はSSD等から構成された記憶装置(記憶部)12と、マウス及びキーボード、タッチパネル等から構成され且つ各種情報を入力するインターフェースである入力手段13と、ディスプレイ及びスピーカ等から構成されて各種情報を出力する出力インターフェースである出力手段14と、ネットワーク20を介した無線通信又は有線通信を可能とするネットワークインターフェースである通信手段15とを備えている(
図2参照)。
【0025】
前記処理ユニット11は、ユーザの識別を前記記憶装置に予め記憶されたユーザ識別情報に基づいて行うユーザ識別手段11aと、顧客の資産に関する情報を取得する資産情報取得手段11bと、ライフプランのシミュレーションに必要な設定情報を取得する設定情報取得手段11cと、資産情報と設定情報とに基づいてライフプランのシミュレーションを実行するシミュレーション手段11dと、該シミュレーション手段11dにより取得されたシミュレーション結果情報をモニタに出力する結果出力手段11eと、シミュレーション結果情報をモニタに出力している状態で前記設定情報を修正する設定情報変更手段(設定変更手段)11fと、を有している。
【0026】
上記ユーザ識別手段11aは、ユーザが前記情報処理端末30によって前記情報処理装置10にアクセスした際に、前記記憶装置12に記憶されたユーザ情報に基づいてユーザ認証を行う。
【0027】
上記資産情報取得手段11bは、対象者の資産状況に関する情報である資産情報を、前記情報処理端末30の入力手段を介して取得するか、事前に前記記憶装置12に記憶されたデータベースから取得するか、或いは他のコンピュータからネットワーク経由で通信手段により取得する。
【0028】
このとき取得される資産情報としては、対象者の年齢、収入、預金額、住宅ローンの返済額・残債、又は住宅の賃料、保険の有無の他、子供や車の有無等の情報を含むが、これらには限られない。
【0029】
上記設定情報取得手段11cは、対象者の資産情報から将来の該対象者の資産状況(ライフプラン)をシミュレーションするにあたって必要となる条件設定に関する情報である設定情報を、前記情報処理端末30の入力手段35を介して取得するか、前記記憶装置12に記憶されたデータベースから取得する。
【0030】
このとき取得される設定情報としては、今後の投資(資産運用)に関する情報と、住宅ローンに関する情報と、保険に関する情報の他、世帯収入に関する情報や、年金に関する情報、その他収支に関する情報を含むが、これらには限られない。具体例については後述する。
【0031】
なお、該設定情報は、前記入力手段35からすべての項目が設定されなかった場合でも、前記記憶装置12に予め記憶された各設定情報の基準値を用いることによって、シミュレーションを実行することが出来るように構成されている。設定情報の具体的な例については後述する。
【0032】
上記シミュレーション手段11dは、前記資産情報と前記設定情報とに基づいて、対象者の資産状況をシミュレーションすることで所定条件下でのライフプランを示すシミュレーション結果情報を算出し、該シミュレーション結果情報を前記記憶装置12に記憶するように構成されている。詳しくは後述する。
【0033】
上記結果出力手段11eは、前記シミュレーション手段11dにより取得された前記シミュレーション結果情報を前記情報処理端末30に送信し、該情報処理端末30側のモニタ(出力手段35)に表示させることができるように構成されている。
【0034】
また、該結果出力手段11eでは、前記シミュレーション結果情報をグラフ表示するように構成されている。具体的には、横軸に対象者の年齢や現在からの経過年数等の時間軸を有し、縦軸に収支を示したキャッシュフローや、縦軸に対象者の資産に関する情報(総資産、純資産、バランスシート等)を示した資産等の推移グラフが表示される。縦軸に表示される情報は適宜切換えたり、複数種類のグラフ表示を並べて表示させたりすることもできる。
【0035】
上記設定情報変更手段11fは、前記結果表示手段11eによってモニタにシミュレーション結果情報をグラフ表示している最中に、該シミュレーション結果情報の対象になった対象者の設定情報を変更可能とする設定変更部51を表示するように構成された。言い換えると、前記モニタにシミュレーション結果情報のグラフ表示と、設定変更部51とを並べて表示するように構成されている。詳しくは後述する。
【0036】
図3は、情報処理端末の構成を示すブロック図である。前記情報処理端末30は、CPUやRAM等を含み且つプログラムの実行によって各種機能を実装する処理ユニット(制御部)31と、各種情報が記憶されるHDD又はSSD等から構成された記憶装置(記憶部)32と、マウス及びキーボード、タッチパネル等から構成され且つ各種情報を入力するインターフェースである入力手段33と、ディスプレイ及びスピーカ等から構成されて各種情報を出力する出力インターフェースである出力手段34と、ネットワークを介した無線通信又は有線通信を可能とするネットワークインターフェースである通信手段35とを備えている(
図3参照)。
【0037】
前記処理ユニット31は、ネットワーク20を介して前記情報処理端末30を前記情報処理装置10に接続するためのログイン手段31aを有している。該ログイン手段31aは、モニタ35に前記ユーザ識別手段11aのユーザ認証に必要な情報(ユーザIDや、パスワード等)を入力するためのログイン画面を表示し、前記情報処理装置10へのログイン処理を実行可能に構成されている。
【0038】
次に、
図4に基づき、前記情報処理装置を用いたシミュレーション処理について説明する。
図4は、シミュレーション処理の処理フロー図である。
【0039】
前記情報処理装置10は、ユーザによる前記シミュレーション処理の実行が開始されると、まず、前記資産情報取得手段11bによって、前記情報処理端末30の入力手段33を介して取得するか、事前に前記記憶装置12に記憶されたデータベースから取得するか、或いは他のコンピュータからネットワーク20経由で通信手段15により取得する(S101)。
【0040】
これにより、取得された対象者の現時点での資産状況が、将来の資産状況をシミュレーションする際の初期値となる。
【0041】
続いて、前記設定情報取得手段11cは、前記設定情報を前記情報処理端末30の入力手段33を介して取得するか、前記記憶装置12に記憶されたデータベースから取得する(S102)。
【0042】
続いて、前記シミュレーション手段11dは、取得された前記資産情報と前記設定情報とに基づいて、所定条件下でのライフプランを示すシミュレーション結果情報を算出して、該シミュレーション結果情報を前記記憶装置12に記憶する(S103)
【0043】
続いて、前記結果出力手段11eは、前記シミュレーション手段11dにより算出されたシミュレーション結果情報をユーザ(前記情報処理端末30)側のモニタ34にグラフ表示させる(S104)。
【0044】
続いて、前記処理ユニット11は、前記設定情報変更手段11fによって、前記設定情報が変更操作がされたなか否かを確認する(S105)。
【0045】
このとき、前記設定情報変更手段11fによって前記設定情報を変更する操作が検出された場合には、前記シミュレーション手段11dは、前記設定情報変更手段11fによって変更された設定情報を用いてライフプランを示すシミュレーション結果を再計算し、該シミュレーション結果情報を前記記憶装置12に記憶する(S106)。
【0046】
続いて、前記結果出力手段11eは、前記モニタ34に表示されているグラフ表示を、前記シミュレーション手段11dにより再度算出されたシミュレーション結果情報に基づくグラフ表示に更新する(S107)。
【0047】
なお、ステップS105において、前記設定情報変更手段による設定情報の変更操作が検出されなかった場合には、その後、処理リターンする。このため、モニタ34に表示されるグラフ表示は、シミュレーション処理を終了するか、前記設定情報変更手段11fによる設定情報の変更操作が検出されるまで維持される。
【0048】
すなわち、前記設定情報変更手段11fによってモニタ34に表示されているグラフ表示(シミュレーション結果情報)の元となった設定情報を変更する操作が実行された場合には、前記シミュレーション手段11dにより、新たに設定された設定情報に基づいて再度シミュレーションが実行される。また、前記結果出力手段11eは、前記シミュレーション手段11dにより新たなに設定された設定情報に基づくシミュレーション結果情報が取得された場合には、モニタ34に表示されるグラフ表示をも最新のシミュレーション結果情報に基づく表示に更新するように構成されている。
【0049】
上述の構成によれば、対象者は、モニタ34に表示されたシミュレーション結果情報のグラフ表示を確認しながら、前記設定情報変更手段11fによって変更したい設定情報を考えながら変更する操作を行うことができるため、対象者が知りたい資産状況(ライフプラン)をよりスムーズに導きだすことができる。
【0050】
また、該設定情報変更手段11fにより、設定情報の一部が変更された場合には、前記モニタ34に表示されるグラフ表示もリアルタイムで更新されるため、対象者は変更の前後の違いをより直感的に把握することができる。設定情報変更手段11f(設定情報変更部51)の具体的な表示例については後述する。
【0051】
次に、
図5(A)乃至(C)に基づき、前記設定情報取得手段により取得される設定情報の具体的例について説明する。
図5(A)乃至(C)は、設定情報の入力画面の表示例である。前記設定情報取得手段11cでは、投資(資産運用)に関する設定情報や、住宅に関する設定情報、保険に関する設定情報、教育費に関する設定情報の他、その他対象者の収支情報に関する設定情報を入力し、各情報を前記シミュレーション手段11dによるシミュレーション結果に反映させることができる。
【0052】
前記設定情報取得手段11cにより、投資(資産運用)に関する設定情報を入力する場合には、ユーザは、まず前記シミュレーション手段11dによって、運用額(積立額)から達成額(取崩額)をシミュレーションするパターン(パターンA)と、達成額(取崩額)から運用額(積立額)をシミュレーションするパターン(パターンB)の何れか一方を選択する。
【0053】
その後、資産を積立てながら生活する期間である積立期に関する設定情報の入力作業と(
図5(A)参照)、資産の積立も取崩もせずに生活する期間である据置期に関する設定情報の入力作業と(
図5(B)参照)、資産を取崩して生活する期間である取崩期に関する情報の入力作業と(
図5(C)参照)を実行する。なお、各期間の設定情報を入力した後にシミュレーションのパターンを変更可能に構成しても良い。
【0054】
運用額(積立額)から達成額(取崩額)のシミュレーション(パターンA)が選択された場合には、積立期に関する設定情報として、前記積立期における月毎の積立金額を示す積立額(
図5(A)参照)を入力することにより、積立期経過時の資産残高である達成額(=据置期開始時の運用額)と、据置期経過時の達成額(=取崩期開始時の運用額)と、取崩期に入った際に毎月取崩すことのできる金額である取崩額(
図5(C)参照)とを算出することができる。
【0055】
達成額(取崩額)から運用額(積立額)のシミュレーション(パターンB)が選択された場合には、積立期に関する設定情報として、取崩期に入った際に毎月取崩すことのできる金額である取崩額(
図5(C)参照)を入力することにより、取崩期開始時の資産残高である運用額(=据置期経過時の達成額)と、据置期開始時の運用額(=積立期経過時の達成額)と、積立期の際の積立額(
図5(A)参照)とを算出することができる。
【0056】
また、いずれのシミュレーションパターンが選択された場合であっても、各期間の運用利率と、各期間の開始年齢と終了年齢と、取崩期経過後(最終的)に残す金額である残額の欄は入力する必要がある(
図5参照)。図示する例では、積立期の運用利率は3.5%、積立期間の年齢は41~60と入力され、据置期の運用利率は3.0%、据置期間の年齢は61~70と入力され、取崩期の運用利率は3.0%、取崩期間の年齢は71~90と入力され、前記残額には300万円が入力されている。なお、上記項目が入力されなかった場合であっても、記憶装置に予め記憶された一般的な基準値値を自動入力することによって、シミュレーションを実行させることもできる。
【0057】
ちなみに、前記積立期の設定情報と、前記据置期の設定情報と、前記取崩期の設定情報とは一部が互いに連動している。具体的に説明すると、前記積立期において、積立期の終期の年齢(=据置期の始期の年齢-1)と、前記据置期の始期の年齢(=積立期の終期の年齢+1)とは連動しているため、何れか一方が入力されると他方が自動的に決定する。同様に、前記据置期の終期の年齢と、前記取崩期の始期の年齢とは連動しているため、何れか一方が入力されると他方が自動的に決定する。
【0058】
また、各設定情報が入力されることにより、前記シミュレーション手段によるシミュレーション実行時に、前記積立期の達成額と、前記据置期の運用額・達成額と、前記取崩期の運用額とが算出されるが、前記積立期の達成額と前記据置期の運用額とは同額となり、前記据置期の達成額と前記取崩期の運用額とは同額となる。このため同額となる枠の一方が算出されると他方の枠が連動して自動的に入力される(
図5参照)
【0059】
また、前記設定情報取得手段11cにより、住宅ローンの設定情報を入力する場合には、住宅ローンを借りた(借りる)時期、住宅ローンの借入額、毎月の返済額、借入期間、金利等の情報を入力することができる(
図7等参照)。
【0060】
次に、
図6乃至8に基づき、前記結果出力手段によるモニタへのシミュレーション結果の出力例について説明する。
図6乃至8は、結果出力手段によりモニタに表示される画面の画面表示例である。
【0061】
図6では、前記結果出力手段11eは、対象者(ユーザ)が閲覧可能なモニタに、前記シミュレーション手段11dにより取得されたシミュレーション結果情報に基づいて生成されたグラフ表示と、前記設定情報変更部51とを左右に並べて同時に表示するように構成されている。
【0062】
図示する例では、前記グラフ表示として、横軸を対象者の年齢(図示する例では43~90)とし、縦軸をその年の収支とすることでキャッシュフローを示したグラフと、横軸を対象者の年齢とし、縦軸を総資産の額としたことで資産の推移を示した資産・負債推移グラフとを上下に並べて表示している(
図7参照)。
【0063】
また、前記設定情報変更部51として、設定情報のうち投資(資産運用)に関する情報を変更可能な投資情報変更部51Aが表示されている。具体的には、前記投資情報変更部51Aとして、運用額(積立額)から達成額(取崩額)をシミュレーションするパターン(パターンA)と、達成額(取崩額)から運用額(積立額)をシミュレーションするパターン(パターンB)の何れか一方を選択するラジオボタンと、積立期における積立額、運用利率、積立期間、積立期経過時の達成額のそれぞれについて、設定値を変更操作可能なスライダーバーが上下方向に並べて配置されている(
図6参照)。
【0064】
図6では省略されているが、据置期開始時の運用額、運用利率、据置期間、据置期経過時の達成額のそれぞれと、取崩期開始時の運用額、運用利率、取崩期間、取崩額、残額のそれぞれについても、スライダーバーが設定される。
【0065】
前記投資情報変更部51Aにより表示される各スライダーバーは、設定情報を変更可能な範囲を示す左右方向のバーと、該バーの上をスライド操作可能に構成されて現在の設定値を示すスライダーとから構成されている。
【0066】
該スライダーは、入力装置のマウスやタッチパネル等で操作されるポインタを該スライダー上に重ねた状態で(マウスの)ボタンを押すことによりスライド操作可能な状態に切換えられ、該状態で前記ポインタを動かすことによって前記スライダーをバー上でスライド移動させることができる。これにより操作されるスライダーの操作位置によって設定情報の数値(設定値)の変更を操作することができる。
【0067】
このとき、投資情報変更部51Aの前記スライダーバーによって、設定情報の一部が変更された場合には、変更された設定情報と連動する設定情報や、算出される情報も自動的に変更されるように構成されている。例えば、前記スライダーバーによって、前記積立期の終期の年齢を変更した場合には、これに連動して前記据置期の始期の年齢も自動的に変更される。これに応じて、前記積立期の達成額が再計算された場合には、これと同じ額となる前記据置期の運用額も再計算された額に変更される。
【0068】
前記情報処理装置10は、該スライダーバー(設定情報変更手段11f)によって設定情報が変更された場合には、前記シミュレーション手段11dは、変更後の設定情報に基づいてシミュレーション結果情報を更新し、前記結果表示手段11eは、更新後のシミュレーション結果情報に基づいてモニタに表示されるグラフ表示を更新する。
【0069】
このシミュレーション結果情報の更新と、モニタへのシミュレーション結果情報のグラフ表示の更新とは、スライド操作される前記スライダーの操作位置に応じて連続的に実行することにより、モニタに表示されるグラフ表示がスライダーのスライド操作に応じて、ダイナミックに変化するように構成しても良い。
【0070】
上記構成によれば、例えば、ユーザ(対象者)は、モニタに表示されたシミュレーション結果情報に基づくグラフ表示を見て、積立期の期間をより長くしたケースを確認したくなった場合には、前記投資情報変更部51Aのスライダーバーを介して設定情報を変更操作することで、モニタに同時に表示されるシミュレーション結果情報のグラフ表示にすぐさま反映させることができる。また、該スライダーバーの操作によってグラフ表示を戻す操作もスムーズ且つ容易に行うことができるため、対象者は設定情報の変更前後のライフプランの違いをより直感的に把握することができる。
【0071】
図7では、前記設定情報変更部51として、設定情報のうち住宅ローンに関する情報を変更可能な住宅情報変更部51Bが表示されている。具体的には、前記住宅情報変更部51Bとして、自宅用の住宅ローンを購入した場合の、借入額、毎月の返済額、住宅ローンの借入期間、住宅ローンの金利のそれぞれについて、設定値を変更操作可能なスライダーバーが上下方向に並べて配置されている(
図7参照)。
【0072】
図8では、前記設定情報変更部51として、設定情報のうち保険に関する情報を変更可能な保険情報変更部51Cが表示されている。具体的には、予め設定した複数種類の保険(図示する例では、保険A,保険B,保険C)を設定するか否かを選択するチェックボックスが設けられている。チェックボックスにチェックを入れることで、対応する保険を掛けた場合のシミュレーション結果情報を確認することができる。
【0073】
設定可能な保険として、掛け捨て型の生命保険や健康保険の他、学資保険等の積立型の保険の有無を設定することもできる。これらの保険の条件は、予め手動で設定したり前記記憶装置から取得したり、ネットワークを介して情報を取得することができる。
【0074】
次に、
図9に基づき、前記情報処理端末30の別実施例について、上述の例と異なる点について説明する。
図9は、別実施例の情報処理端末の構成を示したブロック図である。
【0075】
上述の例では、ユーザは、自らが使用する情報処理端末30を介して、シミュレーション処理を実行可能な情報処理装置(サーバ)10に接続することによって、前記シミュレーション処理を実行可能に構成されているが、ユーザの情報処理端末30に前記シミュレーション処理を実行可能にするソフトをインストールすることによって、該情報処理端末30を用いて、ユーザがローカル環境で前記シミュレーション処理を実行可能に構成しても良い。
【符号の説明】
【0076】
10 情報処理サーバ
11 資産(制御部)
11b、31b 資産情報取得手段
11c、31c 設定情報取得手段(設定変更手段)
11d、31d シミュレーション手段
11e、31e 結果表示手段
11f、31f 設定情報変更手段
12 記憶装置(記憶部)
13 入力手段
14 モニタ(出力手段)
15 通信手段