(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021496
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】油中水型乳化組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/29 20060101AFI20220127BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20220127BHJP
A61K 8/894 20060101ALI20220127BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20220127BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20220127BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20220127BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
A61K8/29
A61K8/06
A61K8/894
A61K8/19
A61Q1/02
A61Q17/04
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020125088
(22)【出願日】2020-07-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日 令和2年2月14日 ウェブサイトのアドレス https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%83%93%E3%82%B9-ORBIS-%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%82%A6%E3%83%AA%E3%82%AD%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-SPF20%E3%83%BBPA-%E2%97%8E%E3%83%AA%E3%82%AD%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E2%97%8E/dp/B084TBCK11 ウェブサイトの掲載日 令和2年2月19日 ウェブサイトのアドレス https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000335.000002061.html 販売日 令和2年2月21日 販売した場所 日本国内のオルビス店舗、及びオルビス公式オンラインショップ 販売日 令和2年2月21日 販売した場所 株式会社ルミネ運営の通販サイト(アイルミネ) 販売日 令和2年3月6日 販売した場所 アスクル株式会社(東京都江東区豊洲3-2-3) 販売日 令和2年4月16日 販売した場所 株式会社アイスタイル(東京都港区赤坂一丁目12番32号)
(71)【出願人】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中谷 明弘
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB362
4C083AB432
4C083AB442
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC212
4C083AC342
4C083AC352
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083BB04
4C083BB25
4C083CC12
4C083CC19
4C083DD32
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE17
4C083FF05
(57)【要約】
【課題】本発明は、塗布時の伸び広がりがよく、仕上がりの均一性に優れ、かつ、みずみずしさに優れた油中水型乳化組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、A)少なくともアミノ酸で被覆されている粉体;およびB)シリコーンエラストマー型界面活性剤;を含有する、油中水型乳化組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)少なくともアミノ酸で被覆されている粉体;および
B)シリコーンエラストマー型界面活性剤;
を含有する、油中水型乳化組成物。
【請求項2】
油中水型乳化組成物の粘度が、5,000 mPa・s以下である、請求項1に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項3】
アミノ酸が、N-アシル化アミノ酸またはその塩である、請求項1または2に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項4】
アミノ酸が、ステアロイルグルタミン酸塩である、請求項1~3のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項5】
A)少なくともアミノ酸で被覆されている粉体が、さらにシリコーン化合物で被覆されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項6】
シリコーン化合物が、アルコキシシリル基含有シリコーンである、請求項5に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項7】
シリコーン化合物が、トリメトキシシリルジメチコンである、請求項5または6に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項8】
A)少なくともアミノ酸で被覆されている粉体が、酸化チタンまたは酸化鉄を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項9】
シリコーンエラストマー型界面活性剤が、親水性基としてポリオキシアルキレン基を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項10】
シリコーンエラストマー型界面活性剤が、親水性基としてポリオキシエチレン基を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項11】
シリコーンエラストマー型界面活性剤が、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマーである、請求項1~10のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項12】
油中水型乳化組成物の油相が、シリコーン油を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項13】
A)少なくともアミノ酸で被覆されている粉体の含有量が、油中水型乳化組成物全体に対して1~30質量%である、請求項1~12のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項14】
B)シリコーンエラストマー型界面活性剤の含有量が、油中水型乳化組成物全体に対して0.1~10質量%である、請求項1~13のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項15】
油中水型乳化組成物の水相の含有量が、油中水型乳化組成物全体に対して20~50質量%である、請求項1~14のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項16】
リキッドファンデーションである、請求項1~15のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項17】
A)少なくともアミノ酸で表面処理された粉体;および
B)シリコーンエラストマー型界面活性剤;
を混合する工程を含む、油中水型乳化組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油中水型乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
油中水型乳化製剤は、連続相に油相が存するため、耐水性、言い換えれば、耐汗性が得られ、化粧持ちがよく、リキッドファンデーション等に好適に用いられる。なかでも、低粘度の油中水型乳化製剤は、塗布時の伸び広がりがよく、使用性に優れる(例えば、特許文献1)。他方、このような低粘度の油中水型乳化製剤は、膜が均―に伸びず、ムラ付きするという問題がある。これに対処するために、通常は粉体量を増やして膜厚を維持するため、軋みが出て、みずみずしい感触を維持できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、この様な状況下なされたものであり、塗布時の伸び広がりがよく、仕上がりの均一性に優れ、かつ、みずみずしさに優れた油中水型乳化組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、少なくともアミノ酸で被覆されている粉体;およびシリコーンエラストマー型界面活性剤;を含有する、油中水型乳化組成物とすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下に関する。
【0006】
[1] A)少なくともアミノ酸で被覆されている粉体;および
B)シリコーンエラストマー型界面活性剤;
を含有する、油中水型乳化組成物。
[2] 油中水型乳化組成物の粘度が、5,000 mPa・s以下である、[1]に記載の油中水型乳化組成物。
[3] アミノ酸が、N-アシル化アミノ酸またはその塩である、[1]または[2]に記載の油中水型乳化組成物。
[4] アミノ酸が、ステアロイルグルタミン酸塩である、[1]~[3]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
[5] A)少なくともアミノ酸で被覆されている粉体が、さらにシリコーン化合物で被覆されている、[1]~[4]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
【0007】
[6] シリコーン化合物が、アルコキシシリル基含有シリコーンである、[5]に記載の油中水型乳化組成物。
[7] シリコーン化合物が、トリメトキシシリルジメチコンである、[5]または[6]に記載の油中水型乳化組成物。
[8] A)少なくともアミノ酸で被覆されている粉体が、酸化チタンまたは酸化鉄を含む、[1]~[7]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
[9] シリコーンエラストマー型界面活性剤が、親水性基としてポリオキシアルキレン基を含む、[1]~[8]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
[10] シリコーンエラストマー型界面活性剤が、親水性基としてポリオキシエチレン基を含む、[1]~[9]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
【0008】
[11] シリコーンエラストマー型界面活性剤が、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマーである、[1]~[10]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
[12] 油中水型乳化組成物の油相が、シリコーン油を含む、[1]~[11]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
[13] A)少なくともアミノ酸で被覆されている粉体の含有量が、油中水型乳化組成物全体に対して1~30質量%である、[1]~[12]のいずれかに記載の油中水型乳化組
成物。
[14] B)シリコーンエラストマー型界面活性剤の含有量が、油中水型乳化組成物全体に対して0.1~10質量%である、[1]~[13]のいずれかに記載の油中水型乳化組成
物。
[15] 油中水型乳化組成物の水相の含有量が、油中水型乳化組成物全体に対して20~50質量%である、[1]~[14]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
【0009】
[16] リキッドファンデーションである、[1]~[15]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
[17] A)少なくともアミノ酸で表面処理された粉体;および
B)シリコーンエラストマー型界面活性剤;
を混合する工程を含む、油中水型乳化組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、塗布時の伸び広がりがよく、仕上がりの均一性に優れ、かつ、みずみずしさに優れた油中水型乳化組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の油中水型乳化組成物の詳細を説明するに当たり、具体例を挙げて説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
【0012】
<油中水型乳化組成物>
本発明の一態様は、A)少なくともアミノ酸で被覆されている粉体;およびB)シリコーンエラストマー型界面活性剤;を含有する、油中水型乳化組成物(以下、「本発明の油中水型乳化組成物」ということがある)に関する。
【0013】
本発明者らは、塗布時の伸び広がりがよく、仕上がりの均一性に優れ、かつ、みずみずしさに優れた油中水型乳化組成物を求めて鋭意検討を重ねた。その結果、少なくともアミノ酸で被覆されている粉体、およびシリコーンエラストマー型界面活性剤を配合することで、粉体が油中水型乳化組成物の油相に均一・安定に分散され、塗布時の膜厚が維持され膜が均―に広がり、かつ、軋みがなく、みずみずしい感触をことができることを見出した。本発明は、このような知見に基づき、達成されたものである。
【0014】
≪粘度≫
本発明の油中水型乳化組成物は、塗布時の伸び広がり等の使用性等の観点から、例えば、粘度が5,000 mPa・s以下、3,500 mPa・s以下、3,000 mPa・s以下、または2,750 mPa・s以下である。粘度の下限値は特に限定されるものでないが、例えば、200 mPa・s程度以上、1000 mPa・s以上、2,000 mPa・s以上、または2,500 mPa・s以上である。
なお、かかる粘度は、B型粘度計で25℃で測定される値を意味する。具体的には、25℃
においてB型粘度計(4号ローター、回転数6rpm)で測定される値を用いることができる。
【0015】
≪少なくともアミノ酸で被覆されている粉体≫
本発明に用いられる少なくともアミノ酸で被覆されている粉体は、アミノ酸で表面処理された粉体である。アミノ酸被覆の状態としては、粉体に結合(共有結合等)、または非結合(吸着等)のいずれでもよい。粉体に対するアミノ酸の量(被覆量)は、限定されないが、粉体量に対して、例えば1~40質量%、または5~20質量%であってよい。
【0016】
アミノ酸としては、通常、親油性成分として粉体の被覆に使用されるアミノ酸であれば、特に制限されない。アミノ酸は、組成等の異なる1種、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0017】
アミノ酸としては、例えば、N-アシル化アミノ酸およびその塩を好ましく用い得る。本発明に用いられるN-アシル化アミノ酸としては、炭素数12~20以下の飽和脂肪酸(例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等)とアスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、リジン、グリシン、サルコシン、プロリン、ヒドロキシプロリン等から選ばれるアミノ酸のN-アシル化化合物であり、アミノ酸のカルボキシル基は遊離体か、またはK、Na、Fe、Zn、Ca、Mg、Al、Zr、Ti等の塩であってよい。好ましく
は、遊離体か、K、Naの水溶性塩が使用できる。水溶性塩でない場合はアルカリによりケ
ン化して水溶性塩にして使用できる。
【0018】
N-アシル化アミノ酸およびその塩として、より具体的には、例えばラウロイルグルタミン酸またはそのナトリウム塩もしくはカリウム塩、ミリストイルグルタミン酸またはそのナトリウム塩もしくはカリウム塩、パルミトイルグルタミン酸またはそのナトリウム塩もしくはカリウム塩、ステアロイルグルタミン酸またはそのナトリウム塩もしくはカリウム塩等が挙げられる。好ましくは、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム等のステアロイルグルタミン酸塩である。
【0019】
このような少なくともアミノ酸で被覆されている粉体としては、市販品であってよい。市販品としては、例えば、三好化成株式会社のNAI処理粉体が挙げられる。あるいは、市
販の粉体にアミノ酸で被覆して製造したものを用いることができる。
【0020】
≪シリコーン化合物≫
本発明に用いられる少なくともアミノ酸で被覆されている粉体は、さらにシリコーン化合物で被覆されていてもよい。シリコーン化合物被覆の状態としては、粉体に結合(共有結合等)、または非結合(吸着等)のいずれでもよい。
【0021】
粉体に対するシリコーン化合物の量(被覆量)は、限定されないが、粉体量に対して、通常1~40質量%、好ましくは5~20質量%程度であってよい。
【0022】
アミノ酸とシリコーン化合物の被覆の順序は、特に限定されないが、好ましくは、内側からアミノ酸被覆、シリコーン化合物被覆の順である。
粉体におけるアミノ酸とシリコーン化合物の量(被覆量)の比(質量比)は、限定されないが、例えば1:0.1~1:10、1:0.14~1:7、1:0.2~1:5、1:0.5~1:2、または1:1であっ
てよい。
【0023】
シリコーン化合物としては、通常、親油性成分として粉体の被覆に使用されるシリコーン化合物であれば、特に制限されない。シリコーン化合物は、組成等の異なる1種、また
は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0024】
シリコーン化合物としては、例えば、両末端または片末端に官能基を有するリニア構造
を有するオルガノポリシロキサン等が選択できる。シリコーン化合物としては、例えば、官能基としてモノアルキルシリル基、ジアルキルシリル基、トリアルキルシリル基(好ましくは、アルキルの炭素数1~2)を含有するアルキルシリル基含有シリコーン;モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基(好ましくは、アルコキシの炭素数1~2)を含有するアルコキシシリル基含有シリコーン等が挙げられる。好ましくは、アルコキシシリル基含有シリコーンが挙げられる。シリコーン化合物として、具体的には、トリメトキシシリルジメチコン等が挙げられる。
【0025】
アミノ酸およびシリコーン化合物で被覆されている粉体としては、市販品であってよい。市販品としては、例えば、三好化成株式会社のSA/NAI処理粉体が挙げられる。あるいは、市販の粉体にアミノ酸およびシリコーン化合物で被覆して製造したものを用いることができる。
【0026】
≪粉体≫
少なくともアミノ酸で被覆されている粉体における粉体は、化粧料に粉体として通常使用し得るものであればよい。粉体としては、任意成分として後述する粉体を用いることができる。好ましくは、酸化チタン、酸化鉄等が挙げられる。粉体は、粒径、組成等の異なる1種、または2種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0027】
粉体の形状は、板状、球状、キュービック状、花びら状、バタフライ状、繭状、不定形、繊維状等であってよい。またその平均粒子径は1 nm~2.0 μmの範囲のものが好ましく
、1 nm~800 nmがより好ましいが、化粧料に配合可能であればよい。なお、本発明において「平均粒子径」とは、具体的には粉体粒子の体積平均粒子径を意味するものとし、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)画像を取得して、それを画像解析することによって算出す
ることができる。
また、粉体は、少なくとも1種のアルミニウム、シリカ、およびジルコニウム等の酸化物または含水酸化物で被覆されていてもよい。
【0028】
≪含有量≫
本発明の油中水型乳化組成物における、成分A)の少なくともアミノ酸で被覆されている粉体の含有量は、組成物全量に対し、限定されず、例えば1質量%~30質量%、2質量%~15質量%、または5質量%~10質量%であってよい。
【0029】
本発明の油中水型乳化組成物は、粉体として、成分A)の少なくともアミノ酸で被覆されている粉体以外の粉体を含んでもよい。少なくともアミノ酸で被覆されている粉体以外の粉体としては、化粧料に粉体として通常使用し得るものであればよい。
少なくともアミノ酸で被覆されている粉体以外の粉体は、組成等の異なる1種、または2種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0030】
本発明の油中水型乳化組成物における、粉体全体の含有量は、組成物全量に対し、例えば、1質量%~50質量%、2質量%~40質量%、または5質量%~15質量%であってよい。
少なくともアミノ酸で被覆されている粉体とそれ以外の粉体の量は、限定されないが、例えば、質量比で例えば1:0.1~1:10、または1:0.4~1:2であってよい。
【0031】
≪シリコーンエラストマー型界面活性剤≫
本発明に用いられるシリコーンエラストマー型界面活性剤は、オルガノポリシロキサンに親水性の架橋基を十分に有しており、界面活性剤としての性質を有するシリコーンエラストマーからなるものであれば限定されず、適宜分子設計することが可能である。シリコーンエラストマーは、例えばオルガノポリシロキサンと親水性モノマーとの共重合体が挙げられる。
親水性の架橋基を有するシリコーンエラストマーとしては、例えばポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
親水性の架橋基としては、両親媒性のシリコーン化合物を作製する際に一般的に用いられるものであれば特に制限はないが、例えばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロ
ピレングリコール(PPG)等を共重合させて得られる基(ポリオキシエチレン、ポリオキ
シプロピレン等のポリオキシアルキレン基);ポリグリセリンを共重合させて得られる基等が挙げられ、ポリオキシアルキレン基が好ましく、ポリオキシエチレン基がより好ましい。親水性基は1種のみを含んでも複数種を含んでいてもよい。
【0033】
シリコーンエラストマーが十分な親水性を有するために、シリコーンエラストマー全体に対する親水性の架橋基の構造単位(例えば、PEGを共重合させて得られる基であれば、
ポリオキシエチレン基(-CH2CH2O-))の割合は、例えば20~50質量%、または30~50質量%であってよい。
【0034】
より具体的には、シリコーンエラストマーとして、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマーが挙げられる。
このようなシリコーンエラストマー型界面活性剤としては、市販品であってよい。市販品としては、例えば、信越シリコーン社のシリコーンKSG210が挙げられる。あるいは、市販のオルガノポリシロキサンと親水性モノマーとを共重合させて製造したものを用いることができる。なお、シリコーンエラストマー型界面活性剤は、組成物に、組成等の異なる1種のみ配合してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0035】
≪含有量≫
本発明の油中水型乳化組成物における、成分B)のシリコーンエラストマー型界面活性剤の含有量は、組成物全量に対し、例えば0.1質量%~10質量%、0.2質量%~5質量%、ま
たは0.5質量%~1質量%であってよい。
また、本発明の油中水型乳化組成物における、成分B)のシリコーンエラストマー型界面活性剤の含有量は、油相に対し、例えば0.1質量%~1.2質量%、または0.5質量%~1質量%であってよい。
【0036】
本発明の油中水型乳化組成物は、界面活性剤として、シリコーンエラストマー型界面活性剤以外の界面活性剤を含んでもよい。シリコーンエラストマー型界面活性剤以外の界面活性剤としては、化粧料に界面活性剤として通常使用し得るものであればよい。界面活性剤としては、任意成分として後述する界面活性剤を用いることができる。
【0037】
≪油相≫
本発明の油中水型乳化組成物は、組成物の外相として油相を含有する。油相を構成する成分としては、化粧料に油剤として通常使用し得るものであればよい。油剤としては、例えば、任意成分として後述する油剤を用いることができる。油剤としては、使用性(優れた伸び広がり等)の観点から、シリコーン油を含有することが好ましい。
シリコーン油としては、例えば、ハイドロゲンジメチコン、カプリリルメチコン、ジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、シクロペンタシロキサン等が挙げられる。
シリコーン油の25℃における粘度は、使用性(優れた伸び広がり等)の観点から、例えば、1,000 mPa・s以下である。
なお、かかる粘度は、B型粘度計で25℃で測定される値を意味する。
本発明の組成物において油相の含有量は特に限定されないが、組成物全体に対し、例えば、20~90質量%、30~70質量%、または40~60質量%であってよい。
【0038】
≪水相≫
本発明の油中水型乳化組成物は、組成物の内相として水相を含む。水相成分は、通常は水の他に水溶性成分であり、25~65℃の水に懸濁して1時間静置した後に水に溶解する成
分(ただし界面活性剤を除く)を指す。水相成分としては、1種、または2種以上を組み合わせて、本発明に使用し得る。
本発明の組成物において水相の含有量は特に限定されないが、組成物全体に対し、例えば、10~60質量%、20~50質量%、または22~30質量%であってよい。
【0039】
≪任意成分≫
本発明の油中水型乳化組成物は、上記必須成分以外の化粧料等に通常使用される任意成分を含有してもよい。
任意成分として、例えばマカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコ-ル、ステアリルアルコ-ル、イソステアリルアルコ-ル、ベヘニルアルコ-ル、オクチルドデカノ-ル、ミリスチルアルコ-ル、セトステアリルアルコ-ル等の高級アルコール;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコ-ル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロ-ルプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロ-ルプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン(ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン)、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン(シクロペンタシロキサン)、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、ハイドロゲンジメチコン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエ-テル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノ-ルアミンエ-テル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレ-ト、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコ-ル脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコ-ル等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエ-テル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエ-ト、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE-ソルビットモノラウレ-ト等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE-グリセリンモノイソステアレ-ト等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコ-ルモノオレ-ト、POEジステアレ-ト等)、POEアルキルエ-テル類(POE2-オクチルドデシルエ-テル等)、POEアルキルフェニルエ-テル類(POEノニルフェニルエ-テル等)、プルロ
ニック(登録商標)型類、POE・POPアルキルエ-テル類(POE・POP2-デシルテトラデシルエ-テル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエーテル変性シリコーン(PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等)、長鎖炭化水素基含有ポリエーテル変性シリコーン(ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等)、ポリグリセリン変性シリコーン(ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキエチルジメチコン等)、長鎖炭化水素基含有ポリグリセリン変性シリコーン(ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキエチルジメチコン等)、アクリルシリコーン樹脂((アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー等)等のシリコーン系界面活性剤;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、イソノナン酸イソノニル等の保湿成分類;表面を処理されていてもよい、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム等の粉体類;表面を処理されていてもよい、無機白色顔料(例えば、酸化チタン、二酸化チタン、酸化亜鉛等)、無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等)、無機褐色系顔料(例えば、γ-酸化鉄等)、無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等)、無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等)、無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等)、無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等)、無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等)、パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等)等の無機顔料類;レ-キ化されていてもよい、赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、シリコーンエラストマー等の有機粉体類;ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド変性ヘクトライト(ジステアリルジモニウムヘクトライト)等の有機変性粘土鉱物;水;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンAまたはその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2またはその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15またはその誘導体等のビタミンB類;α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;メチルパラベン、フェノキシエタノール等の抗菌剤等;美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収れん剤等の生理活性成分;パラメトキシケイ皮酸-2-エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシハイドロケイ皮酸ジエタノ-ルアミン塩、ジパラメトキシケイ皮酸-モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、メトキシケイ皮酸オクチル、ジイソプロピルケイ皮酸メチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-硫酸、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-硫酸ナトリウム、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸ブチル、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸アミル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等の安息香酸系紫外線吸収剤、サリチル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸トリエタノ-ルアミン、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸メチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸アミル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸イソプロピルベンジル、サリチル酸カリウム等のサリチ
ル酸系紫外線吸収剤、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、4-メトキシジベンゾイルメタン、4-tert-ブチル-4’-ヒドロキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、メンチル-O-アミノベンゾエ-ト、2-フェニル-ベンズイミダゾ-ル-5-硫酸、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾ-ル、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレ-ト、2-エチル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレ-ト、2-(2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、アントラニル酸メンチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤;ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン等のトリアジン系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤;酸化チタン、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウムの微粒子金属酸化物等の紫外線散乱剤;pH調整剤;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール(BG)、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール、2,4-ヘキシレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール等の多価アルコール類;カルボキシビニルポリマー等の増粘剤等;ペンタステアリン酸ポリグリセリル、ステアロイルラクチレートNa等の乳化安定化剤;ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン等の溶剤等;が挙げられる。
【0040】
本発明の油中水型乳化組成物の具体的用途は特に限定されないが、例えば、日焼け止め剤、リキッドファンデーション等の皮膚外用剤、化粧料等が挙げられる。
【0041】
<製造方法>
本発明の一態様は、本発明の油中水型乳化組成物の上記必須成分A)およびB)を混合する工程を含む、油中水型乳化組成物の製造方法(以下、「本発明の油中水型乳化組成物の製造方法」ということがある)に関する。
【0042】
本発明の油中水型乳化組成物の製造方法は、必須成分A)およびB)を混合する工程を含む限り、特に限定されない。混合方法については、通常の化粧料等の分野で使用される公知の方法を適宜採用することができ、例えば、成分A)を含む粉体成分を、油相および界面活性剤に添加し、混合分散する。加熱した水相を前記油相に添加し、乳化、冷却させることにより得ることができる。
【実施例0043】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の例示であり、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0044】
<実施例1>
下記表に示す処方にしたがって、実施例および比較例の油中水型乳化組成物(リキッドファンデーション)を作製した。
すなわち、80℃に温調した油相及び界面活性剤に、粉体を添加しディスパーで攪拌した。80℃に温調した水相を添加し、前記油相に添加した後、30℃まで冷却し、油中水型乳化組成物を得た。
【0045】
なお、被覆粉体としては、以下のものを使用した。
酸化チタン(ステアロイルグルタミン酸2Na,トリメトキシシリルジメチコン被覆):
製品名SA/NAI-T-PFC-407 MiBrid Color(三好化成株式会社社製)
酸化鉄(ステアロイルグルタミン酸2Na,トリメトキシシリルジメチコン被覆):製品
名SA/NAI-Y-10 MiBrid Color、SA/NAI-R-10 MiBrid Color、SA/NAI-B-10 MiBrid Color(
三好化成株式会社社製)
酸化チタン(トリメトキシシリルジメチコン被覆):製品名SA-TR-10(三好化成株式会社社製)
酸化鉄(トリメトキシシリルジメチコン被覆) :製品名SA-RPS-10、SA-YP-10、SA-BP-10(三好化成株式会社社製)
酸化チタン(ステアロイルグルタミン酸2Na被覆):製品名NAI-TR-10(三好化成株式
会社社製)
酸化鉄(ステアロイルグルタミン酸2Na被覆):製品名NAI-RPS-10、NAI-YP-10、NAI-BP-10(三好化成株式会社社製)
ステアリン酸,トリメトキシシリルジメチコン被覆に関しては、PFC-407(石原産業)、T-10、R-516-L、BL-10(チタン工業社製)に対し処理を実施(脂肪酸被覆率2質量%、シリコーン化合物被覆率4質量%)作製した。
【0046】
なお、シリコーンエラストマー型界面活性剤としては、以下のものを使用した。
(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー:製品名シリコーンKSG210(信越シリコーン社製)
【0047】
油中水型乳化組成物を以下のように評価した。なお、パネルによる評価基準、性能の判定基準は、以下とした。
【0048】
(評価基準)
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
(判定基準)
平均点が4.5以上 : ◎
平均点が3.5以上4.5未満 : ○
平均点が1.5以上3.5未満 : △
平均点が1.5未満 : ×
【0049】
<みずみずしさ>
各組成物を、化粧品評価専門パネル(10名)による実使用試験に付した。「みずみずしさ」について、パネル各自が上記の評価基準にしたがって5段階評価した。全パネルの評
点の平均点を算出し、上記の判定基準に従って判定した。
【0050】
<仕上がりの均一性>
各組成物を、化粧品評価専門パネル(10名)による実使用試験に付した。「仕上がりの均一性」について、パネル各自が上記の評価基準にしたがって5段階評価した。全パネル
の評点の平均点を算出し、上記の判定基準に従って判定した。
【0051】
<粘度>
25℃においてB型粘度計(製品名DIGITAL VISMETORON VDA2 (芝浦システム社製)、4
号ローター、回転数6rpmにて測定した。
【0052】
<伸び広がり>
各組成物を、化粧品評価専門パネル(10名)による実使用試験に付した。塗布時の「伸び広がり」について、パネル各自が上記の評価基準にしたがって5段階評価した。全パネ
ルの評点の平均点を算出し、上記の判定基準に従って判定した。
【0053】
評価結果を下記表に示す。
【0054】
【0055】
本発明の油中水型乳化組成物は、塗布時の伸び広がりがよく、仕上がりの均一性に優れ
、かつ、みずみずしさに優れていた(実施例1~6)。
また、アミノ酸およびシリコーン化合物で被覆されている粉体を用いると、塗布時の伸び広がりや、みずみずしさにさらに優れていた(実施例1,2)。
一方、シリコーン化合物で被覆されている粉体を配合した場合(比較例1)、は、仕上がりの均一性が不十分で、本発明の効果を得ることができなかった。
シリコーンエラストマー型界面活性剤を配合しない場合(比較例2,3)、は、仕上がりの均一性や、みずみずしさ等が不十分で、このものの粘度を増加させると(比較例4)、仕上がりの均一性や、みずみずしさは改善されたが、塗布時の伸び広がりが不十分となり、いずれも本発明の効果を得ることができなかった。
脂肪酸で被覆されている粉体を配合した場合(比較例5)、は、仕上がりの均一性等が不十分で、本発明の効果を得ることができなかった。