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  • 特開-床頭台 図1
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  • 特開-床頭台 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021560
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】床頭台
(51)【国際特許分類】
   A47B 79/00 20060101AFI20220127BHJP
   A47B 55/00 20060101ALI20220127BHJP
   A47B 81/06 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
A47B79/00
A47B55/00
A47B81/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020125204
(22)【出願日】2020-07-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】513260579
【氏名又は名称】株式会社トマーレ
(74)【代理人】
【識別番号】110003074
【氏名又は名称】特許業務法人須磨特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野間口 敬
(72)【発明者】
【氏名】大林 淳子
(72)【発明者】
【氏名】松本 幸一
【テーマコード(参考)】
3B067
【Fターム(参考)】
3B067AA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タブレット型の端末を、患者が利用する身の回り品の収容スペースを犠牲にすることなくベッドサイドに配置することを可能にする床頭台を提供する。
【解決手段】内側の収納空間を外部と仕切る開閉自在な扉8bを備えた収納部を有し、前記扉には、前記扉を閉じた状態でその表示画面が外部から視認できる向きにタブレット端末9を取り付けるタブレット端末取り付け部が設けられている床頭台1を提供することによって上記の課題を解決する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側の収納空間を外部と仕切る開閉自在な扉を備えた収納部を有し、前記扉には、前記扉を閉じた状態でその表示画面が外部から視認できる向きにタブレット端末を取り付けるタブレット端末取り付け部が設けられている床頭台。
【請求項2】
前記タブレット端末取り付け部が、前記扉に設けられた窓である請求項1記載の床頭台。
【請求項3】
前記窓が、前記タブレット端末の表示画面側の表面外周部と当接する窓枠部と、前記窓枠部よりも前記扉の内側に位置し、前記タブレット端末をその表示画面側の表面外周部を前記窓枠部に当接させた状態で収容できる大きさの支持枠部とを有している請求項2記載の床頭台。
【請求項4】
前記支持枠部よりもさらに前記扉の内側に、その表示画面側の表面外周部を前記窓枠部に当接させた状態で前記支持枠部に収容されている前記タブレット端末の背面と当接する抑え部材を有している請求項3記載の床頭台。
【請求項5】
前記扉に、ICカードリーダ用の窓及び/又はUSB端子用の窓が設けられている請求項2~4のいずれかに記載の床頭台。
【請求項6】
前記支持枠部及び/又は前記抑え部材が、前記タブレット端末と他の機器及び/又は電源とを接続する接続線のそれぞれを収容し前記扉外部へと導く収容ガイド溝か、又は前記接続線の2以上を束ねて収容し、前記扉外部へと導く収容ガイド溝を有している請求項3~5のいずれかに記載の床頭台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は床頭台に関し、より詳細には、物品収容スペースの確保と情報端末の配置とを両立させた床頭台に関する。
【背景技術】
【0002】
病院や介護施設における入院患者のベッドサイドには、通常、利用者である患者が生活用品や身の回り品を収納したりするのに用いる床頭台と呼ばれる収納家具が配置されている。
【0003】
床頭台としては種々のものが提案されているが、病室内ベッド脇の限られたスペースに設置する都合上、引き出しや棚、扉のついた収納スペースなどを縦に配置したものが一般的であり、例えば、特許文献1に示されるとおり、二段棚付床頭台や、上部収納部付床頭台などが知られている。これらの床頭台には、入院生活の快適化に資する生活用品の一つであるテレビを載置するスペースが設けられるのが普通であり、このスペースが床頭台のかなりの部分を占めるものとなっている。
【0004】
ところが、近年、多数の医療機関において、テレビとは別に、タブレット型の端末装置をベッドサイドに配置することが行われている。このベッドサイドに配置されるタブレット型の端末は、当該端末を通じて、患者が必要なときに院内情報や自身の入院生活に関する情報などにアクセスすることを可能にするものであるとともに、医療スタッフが適宜使用して、患者の医療情報の閲覧や入力などに利用することができるので、極めて利便性の高い端末である。
【0005】
しかし、このタブレット型の端末は、自身の電源を必要とする上に、使用者の認証を行うためのICカードリーダとの接続線や、院内又は院外のネットワークと接続するためのLANケーブルなどを伴っており、これら付随する接続線類を含めて従来の床頭台に配置しようとすると、優に一段分の収納スペースを要することとなり、その分、患者の身の回り品や日用品の置き場所が制限されてしまうという不都合をもたらすものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3206777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて為されたもので、極めて利便性の高いタブレット型の端末を、患者が利用する身の回り品の収容スペースを犠牲にすることなくベッドサイドに配置することを可能にする床頭台を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究努力を重ねた結果、床頭台に、開閉自在な扉で外部と仕切られた収納空間を有する収納部を設け、その開閉自在な扉にタブレット型の端末を取り付けることで、扉内側に形成されている収納空間を犠牲にすることなく、患者及び医療スタッフの双方が、患者のベッドサイドで適宜参照、使用することができる状態で、タブレット端末を床頭台に配置することができることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、内側の収納空間を外部と仕切る開閉自在な扉を備えた収納部を有し、前記扉には、前記扉を閉じた状態でその表示画面が外部から視認できる向きにタブレット端末を取り付けるタブレット端末取り付け部が設けられている床頭台を提供することによって、上記課題を解決するものである。
【0010】
好適な一態様において、前記タブレット端末取り付け部は前記扉に設けられた窓である。当該窓は、前記タブレット端末の表示画面側の表面外周部と当接する窓枠部と、前記窓枠部よりも前記扉の内側に位置し、前記タブレット端末をその表示画面側の表面外周部を前記窓枠部に当接させた状態で収容できる大きさの支持枠部とを有しているのが望ましい。
【0011】
本発明に係る床頭台は、前記扉に設けられた前記窓の前記支持枠部よりもさらに前記扉の内側に、その表示画面側の表面外周部を前記窓枠部に当接させた状態で前記支持枠部に収容されている前記タブレット端末の背面と当接する抑え部材を有しているのが好ましい。本発明に係る床頭台が、このような抑え部材を有する場合には、前記支持枠部内に、前記タブレット端末をより確実に収容、保持することができる。
【0012】
さらに、本発明に係る床頭台は、前記扉に、ICカードリーダ用の窓、又はUSBポート用の窓、又はその双方が設けられていても良い。収納部の扉に設けられた窓にICカードリーダが顔を見せている場合には、前記収納部の扉を開けることなく、ICカードをICカードリーダにかざして、必要な認証操作を行うことができる。認証がICカードではなく、バーコードの読み取り、又は指紋の読み取りによって行われる場合にも、バーコードリーダ又は指紋読み取り機が接続されるUSBポートが扉の前面に顔を出していると極めて便利である。
【0013】
さらに、本発明に係る床頭台は、その好適な一態様において、前記支持枠部及び/又は前記抑え部材が、前記タブレット端末と他の機器及び/又は電源とを接続する接続線のそれぞれを収容し前記扉外部へと導く収容ガイド溝か、又は前記接続線の2以上を束ねて収容し、前記扉外部へと導く収容ガイド溝を有している。このため、タブレット端末を収納部の扉に取り付けた場合にも、取り付けられたタブレット端末と外部機器、電源等との接続線は、タブレット端末の裏側で、支持枠部及び/又は抑え部材に設けられた収容ガイド溝で束ねられ、一束となって外部へと導かれるので、タブレット端末が取り付けられた扉の背後に位置する収容空間内に多数の接続線が散在することがなく、収容空間を十分に収容スペースとして利用することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の床頭台によれば、院内情報端末として極めて有用なタブレット型の端末装置を、利用者である患者の収容スペースを犠牲にすることなく、患者及び医療スタッフの双方が、患者のベッドサイドで適宜参照、使用することができる状態で、床頭台に配置することができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の床頭台の一例を示す正面図である。
図2】床頭台の上部収納部γの部分だけを取り出して示す部分拡大正面図である。
図3】外部と仕切る扉を開いた状態の上部収納部の部分拡大正面図である。
図4】抑え部材を取り外した状態を示す図である。
図5】タブレット端末とICカードリーダを取り外した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明を説明するが、本発明が図示されたものに限られないことは勿論である。
【0017】
図1は、本発明に係る床頭台の一例を示す正面図である。図1において、1は床頭台である。床頭台1は、左右の側板2a、2b、底板3、天板4、及び背面板5を主たる構成要素とする縦に長い一種の箱型家具であり、その最下段には、例えば冷蔵庫(図示せず)などを収納するための下部収納部αが設けられている。6a、6bは引出しであり、上側の引出し6bの上面は載置台7となっている。載置台7の上方には、例えば、テレビTVなどを収容する中部収納部βが設けられている。
【0018】
8a、8bは扉であり、左右の側板2a、2bに取り付けられたヒンジ(図示せず)によって開閉自在に支持され、観音開き形式に手前側に開くことができるようになっている。扉8a、8bの内側には、図1では見えないけれども、後述する図3に示すとおり、扉8a、8bで外部と仕切られた収納空間を有する上部収納部γが設けられている。
【0019】
なお、図1に示した床頭台1は、あくまでも一例であって、本発明に係る床頭台は、図1に示した形状、構造のものに限られるわけではない。本発明に係る床頭台は、内側の収納空間を外部と仕切る開閉自在な扉を備えた収納部を有し、前記扉には、前記扉を閉じた状態でその表示画面が外部から視認できる向きにタブレット端末を取り付けるタブレット端末取り付け部が設けられていれば良く、その他の構成、構造は、下部収納部α、中部収納部β、引出し6a、6bなどの個数や位置や存否も含めて、適宜変更が可能である。また、床頭台1の形状も縦長のものに限られるわけではなく、横長であっても良いし、高さも低いものであってもよい。
【0020】
図2は、図1の床頭台1の上部収納部γの部分だけを取り出して示す部分拡大正面図である。図2において、9はタブレット端末であり、10はタブレット端末9の表示画面、8wは扉8bに設けられたタブレット端末9用の窓である。図に示すとおり、タブレット端末9は、扉8bを閉じた状態(図2に示す状態)で、扉8bに設けられた窓8wを通してその表示画面10が外部から視認できる向き、すなわち、表示画面10が窓8wを通して扉8bの外側を向く向きに、扉8bに取り付けられている。
【0021】
11はICカードリーダ、8wは扉8bに設けられたICカードリーダ11用の窓である。図に示すとおり、ICカードリーダ11は、扉8bに設けられた窓8wを通してその読み取り面に外部からICカードを接近させ、読み取ることができる向きに、扉8bに取り付けられている。なお、ICカードリーダ11と、ICカードリーダ11用の窓8wは必須ではなく、使用者の認証をICカードを読み取ることによって行う必要がない場合には無くても良い。また、使用者の認証をICカードを読み取ることによって行う場合であっても、扉8bとは別の場所に配置する場合には、窓8wは無くても良い。さらに、例えばUSB接続方式のバーコードリーダ等を用いる場合には、ICカードリーダ11に代えて、USBポートが扉8bの窓から顔を出す、USBポート用の窓8w(図示せず)を設けるようにしても良い。
【0022】
図3は、図2に示す状態から、扉8a、8bを開いた状態を示す部分拡大正面図である。図3において、γは上部収納部であり、開閉自在な扉8a、8bが開かれたことによって、それまで扉8a、8bによって外部と仕切られていた内側の収納空間が外部からアクセス可能な状態、すなわち、使用者が利用できる状態にある。hは扉8a、8bを開閉自在に支持するヒンジであり、12は上部収納部γに設けられている棚、13は上部収納部γの背面板5に設けられた接続線挿通用の開口である。なお、「上部収納部」という呼び方は、本例の場合における呼び方であって、収納部γは、床頭台1のどこかに設けられておれば良く、必ずしも床頭台1の上部になくても良いことは勿論である。
【0023】
14は抑え部材であり、本例においては板状で、中央に開口14wを有している。この開口14wは、収納されているタブレット端末9の型番、メーカー等を確認するのにも使用できるし、使用時、タブレット端末9から発せられる熱の排出口としても機能する。なお、抑え部材14は、4隅のネジsによって、扉8bの裏面に着脱自在に取り付けられている。17は接続線であり、抑え部材14に設けられた切り欠き部(後述する)から取り出され、上部収納部γの壁面とコーナーに沿って進み、背面板5に設けられた開口13から外部へと導かれている。このように、本発明に係る床頭台1においては、接続線がコンパクトに束ねられ、収納部γの隅に沿って外部へと導かれるので、収納スペースが接続線17で邪魔されることがなく、最大限に利用することができる。
【0024】
図4は、図3に示した状態から抑え部材14を取り外した状態を示す図である。図に示すとおり、抑え部材14の裏面には、タブレット端末9の扉8bの裏面からの突出部分を収容するための凹部14uと、ICカードリーダ11の扉8bの裏面からの突出部分を収容するための凹部14vと、タブレット端末9からの接続線を外部へと導く収容ガイド溝15が設けられている。収容ガイド溝15は、抑え部材14の切り欠き部16を介して外部へとつながっている。なお、tは抑え部材14又は扉8bに設けられているネジ穴である。
【0025】
一方、抑え部材14が取り外された扉8bの裏面には、タブレット端末9の背面と、ICカードリーダ11の背面が露出している。17は、タブレット端末9又はICカードリーダ11と他の機器とを接続する接続線である。
【0026】
図5は、図4に示す状態から、さらにタブレット端末9とICカードリーダ11とを接続線ごと取り外した状態を示す図である。図に示すとおり、扉8bには、タブレット端末9用の窓8wが形成されており、窓8wの大きさは、使用するタブレット端末9の外形よりは一回り小さく、かつ、タブレット端末9の表示画面10よりは一回り大きな大きさの矩形に選ばれている。
【0027】
扉8bの内側には、タブレット端末9を収容するための凹部が支持枠部18として形成されており、支持枠部18の大きさは、窓8wよりも一回り大きく、タブレット端末9が若干の間隙を残してぴったりと収まる大きさに選ばれている。したがって、支持枠部18の内周と、窓8wの外周との間には段差部が存在することとなり、この段差部が窓枠部19を構成している。
【0028】
ICカートリーダ11用の窓8wについても同様である。すなわち、扉8bに形成される窓8wの大きさは、使用するICカードリーダ11の外形よりは一回り小さな大きさの矩形に選ばれており、扉8bの内側には、ICカードリーダ11を収容するための凹部がカードリーダ支持枠部20として形成されている。カードリーダ支持枠部20の大きさは、窓8wよりも一回り大きく、使用するICカードリーダ11が若干の間隙を残してぴったりと収まる大きさに選ばれている。したがって、カードリーダ支持枠部20の内周と、窓8wの外周との間には段差部が存在することとなり、この段差部がカードリーダ窓枠部21を構成している。22、23は、接続線を束ねて収容し、外部へと導く収容ガイド溝である。
【0029】
タブレット端末9を、扉8bにセットするには、タブレット端末9を、その表示画面10が窓8wの外側を向く向きにして、支持枠部18内に挿入すれば良い。支持枠部18内に挿入されたタブレット端末9は、その表示画面10側の表面外周部を窓枠部19に当接させた状態で、支持枠部18内に支持される。
【0030】
ICカードリーダ11を扉8bにセットする場合も同様である。ICカードリーダ11を、その読み取り面が窓8wの外側を向く向きにして、カードリーダ支持枠部20内に挿入すれば良い。カードリーダ支持枠部20内に挿入されたICカードリーダ11は、その読み取り面側の表面外周部をカードリーダ窓枠部21に当接させた状態で、カードリーダ支持枠部20内に支持される。
【0031】
支持枠部18及びカードリーダ支持枠部20の内側に、タブレット端末9及びICカードリーダ11をそれぞれ収容、支持させる作業と相前後して、それら同士、又はそれらと外部機器とを接続する複数の接続線17を扉8bの内側に設けられている収容ガイド溝22、23内に収容する。複数の接続線17は、その1本1本を収容ガイド溝22、23内に収容しても良いし、適宜の複数本を束ねて収容ガイド溝22、23内に収容しても良い。
【0032】
続いて、抑え部材14を、凹部14u、凹部14v、及び収容ガイド溝15が設けられている側を扉8bの裏側に向けて、ネジsを用いて、扉8bに取り付ける。これにより、抑え部材14の凹部14uの内側は、支持枠部18内に収容、支持されているタブレット端末9の背面と当接し、タブレット端末9が、支持枠部18内に安定して支持されることになる。同様に、抑え部材14の凹部14vの内側は、カードリーダ支持枠部20内に収容、支持されているICカードリーダ11の背面と当接し、ICカードリーダ11が、カードリーダ20内に安定して支持されることになる。必要であれば、凹部14u及び/又は凹部14vに当接用の弾性素材のシートを貼り付けておいても良い。
【0033】
抑え部材14に設けられている収容ガイド溝15は、扉8bの裏側に設けられている収容ガイド溝22、23と協同して、複数の接続線17を収容、案内し、案内された複数の接続線17は、抑え部材14に設けられている切り欠き部16から外部へと導かれることになる。なお、本例においては、接続線17を収容、案内する収容ガイド溝は、扉8bと、抑え部材14の双方に設けられているが、扉8b又は抑え部材14のどちらか一方だけに設けるようにしても良い。
【0034】
このように、本発明に係る床頭台1においては、院内情報や医療情報を閲覧、取得する上で極めて有用なタブレット端末9が、床頭台1の観音開き式に開閉する収容部の扉8bに、扉8bを閉じた状態でその表示画面10を外部から視認できる向きに取り付けられているので、床頭台1内の貴重な収容スペースを犠牲にすることなく、必要な情報を適宜得ることができるという利点が得られる。また、タブレット端末9と他の機器とを接続する接続線が、扉8b及び/又は抑え部材14に設けられた収容ガイド溝によって、コンパクトにまとめられて、外部へと導かれるので、扉8bにタブレット端末9やそれに付随する機器を取り付けても、接続線が邪魔になったり、床頭台1の収納スペースを狭くしたりすることがなく、極めて便利である。
【0035】
なお、上に説明した例では、床頭台1の扉8bにタブレット端末9用の窓8wを設け、タブレット端末9をその表示画面10が扉8bを閉じた状態で扉8bの外側を向くように、扉8b内に取り付けるようにしているが、扉8bを閉じた状態でその表示画面10が外部から視認できる向きにタブレット端末9を取り付けるタブレット端末取り付け部の構造は、これに限られない。扉8bを閉じた状態でその表示画面10が外部から視認できる向きにタブレット端末9を取り付けることができる限り、本発明におけるタブレット端末取り付け部の構造はいかなるものであっても良く、例えば、扉8bの表側に、タブレット端末9の少なくとも下辺、好ましくは下辺及び側辺と当接してこれを支持するタブレット端末受台を設け、これをタブレット端末取り付け部としても良い。或いは、タブレット端末9の一部を挟持するクリップを取り付け、これをタブレット端末取り付け部としても良い。これらの場合、タブレット端末受台に載置されたタブレット端末からの接続線は、扉8bに接続線挿通口を開口して、そこから外部へと導けば良い。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上説明したとおり、本発明の床頭台によれば、限られた収納スペースを無駄にすることなく、情報端末を床頭台に設備することが可能となり、入院患者はもとより、医療スタッフの利便性も向上し、その産業上の利用可能性は多大である。
【符号の説明】
【0037】
1 床頭台
2a、2b 側板
3 底板
4 天板
5 背面板
8a、8b 扉
9 タブレット端末
10 表示画面
11 ICカードリーダ
14 抑え部材
15、22、23 収容ガイド溝
16 切り欠き部
17 接続線
18 支持枠部
19 窓枠部
20 カードリーダ支持枠部
21 カードリーダ窓枠部
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2020-10-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側の収納空間を外部と仕切る開閉自在な扉を備えた収納部を有し、前記扉には、前記扉を閉じた状態でその表示画面が外部から視認できる向きにタブレット端末を取り付けるタブレット端末取り付け部が設けられている床頭台であって、前記タブレット端末取り付け部が、前記扉に設けられた窓であり、前記窓が、前記タブレット端末の表示画面側の表面外周部と当接する窓枠部と、前記窓枠部よりも前記扉の内側に位置し、前記タブレット端末をその表示画面側の表面外周部を前記窓枠部に当接させた状態で収容できる大きさの支持枠部とを有している床頭台
【請求項2】
前記支持枠部よりもさらに前記扉の内側に、その表示画面側の表面外周部を前記窓枠部に当接させた状態で前記支持枠部に収容されている前記タブレット端末の背面と当接する抑え部材を有している請求項記載の床頭台。
【請求項3】
前記支持枠部及び/又は前記抑え部材が、前記タブレット端末と他の機器及び/又は電源とを接続する接続線のそれぞれを収容し前記扉外部へと導く収容ガイド溝か、又は前記接続線の2以上を束ねて収容し、前記扉外部へと導く収容ガイド溝を有している請求項記載の床頭台。
【請求項4】
前記扉に、ICカードリーダ用の窓及び/又はUSB端子用の窓が設けられている請求項1~3のいずれかに記載の床頭台。