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  • 特開-簡易芳香揮散具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021579
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】簡易芳香揮散具
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/12 20060101AFI20220127BHJP
   E06B 7/28 20060101ALI20220127BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20220127BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20220127BHJP
   B65D 85/00 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
A61L9/12
E06B7/28 Z
A61L9/01 Q
B65D83/00 F
B65D85/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020125234
(22)【出願日】2020-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】519106378
【氏名又は名称】京都ケミカル株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520020993
【氏名又は名称】福元 善明
(72)【発明者】
【氏名】福元 善明
【テーマコード(参考)】
3E068
4C180
【Fターム(参考)】
3E068AA22
3E068AB05
3E068AC08
3E068BB02
3E068BB15
3E068BB16
3E068CC14
3E068CE03
3E068DD08
3E068DD40
3E068DE10
3E068DE11
3E068DE12
3E068DE20
3E068EE10
4C180AA03
4C180CA06
4C180EB03X
4C180EB07X
4C180EB08X
4C180EB12X
4C180EB15X
4C180EC01
4C180FF07
4C180MM06
4C180MM07
(57)【要約】
【課題】 動く物に取り付けて、動く物の動きに追随して芳香を揮散させる簡易芳香揮散具を提供する。
【解決手段】動く物に取り付けて芳香を揮散させる簡易芳香揮散具であって、
前記簡易芳香揮散具は、第一の筒状容器と、前記第一の筒状容器の中に収納され第一の筒状容器の軸方向に自在に動く第二の筒状容器を含み、前記第一の筒状容器は動体に固定され、前記第二の筒状容器は芳香剤を収納し、前記第一の筒状容器と第二の筒状容器はそれぞれ側面の一部に開口部を有してなり、動く物の動きに伴って、前記第二の筒状容器が前記第一の筒状容器の軸方向に動き、第一の筒状容器の側面の開口部と第二の筒状容器の側面の開口部が重なったときに、第二の筒状容器の中の芳香成分が第二の筒状容器の開口部と第一の筒状容器の開口部を通って第一の筒状容器の外部に揮散することを特徴とする、動く物に取り付けて芳香を揮散させる簡易芳香揮散具である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動く物に取り付けて芳香を揮散させる簡易芳香揮散具であって、
前記簡易芳香揮散具は、第一の筒状容器と、前記第一の筒状容器の中に収納され第一の筒状容器の軸方向に自在に動く第二の筒状容器を含み、
前記第一の筒状容器は動く物に固定され、
前記第二の筒状容器は芳香剤を収納し、
前記第一の筒状容器と第二の筒状容器はそれぞれ側面の一部に開口部を有してなり、
動く物の動きに伴って、前記第二の筒状容器が前記第一の筒状容器の軸方向に動き、第一の筒状容器の側面の開口部と第二の筒状容器の側面の開口部が重なったときに、第二の筒状容器の中の芳香成分が第二の筒状容器の開口部と第一の筒状容器の開口部を通って第一の筒状容器の外部に揮散することを特徴とする、動く物に取り付けて芳香を揮散させる簡易芳香揮散具。
【請求項2】
前記動く物に取り付けて芳香を揮散させる簡易芳香揮散具であって、
前記第一の筒状容器の底部と、これに対向する前記第二の筒状容器の底部の両方に磁石を設置し、二つの磁石の対向する側の磁極が同極であることを特徴とする、請求項1記載の動く物に取り付けて芳香を揮散させる簡易芳香揮散具。
【請求項3】
前記動く物が、玄関や部屋のドア、または車輛であることを特徴とする、請求項1または2記載の動く物に取り付けて芳香を揮散させる簡易芳香揮散具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡易芳香揮散具に関する。詳しくは、動く物に取り付けて、動く物の動きに追随して芳香を漂わせることのできる簡易芳香揮散具に関する。
【背景技術】
【0002】
玄関、部屋、自動車などのドアを開閉する際に、芳香を漂わせることができれば気分も明るく心地よいものである。このようにすることができる芳香装置付きのドアについては、たとえば、ドアの一部の構造を変えてドアの開閉に伴う空気供給用ポンプを利用して芳香を揮散するドアトリム(特許文献1)、ピストンロッドをドアに連動させた芳香剤噴射装置(特許文献2)、芳香剤噴霧器をドアまたはドア枠に取り付けたドア装置(特許文献3)などの多くの提案がされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-252053号公報
【特許文献2】公開実用昭50-85809号公報
【特許文献3】公開実用平4-14685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの芳香装置は最初からドアを芳香が発生するように構成した建具を用いるとか、ドアやその近辺の枠などに取り付ける工事を必要としたりするとか、大げさになるものである。ドアに簡単に取り付けて実用化できる芳香発生装置が望まれている。
本発明の目的は、動く物に取り付けて、動く物の動きに追随して芳香を揮散させる簡易芳香揮散具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者は、鋭意検討した結果、動く物を動かしたときに芳香剤を収納した容器の開口部から芳香成分が揮散するようにすれば上記目的を達成できることを見出し、本発明に至った。
【0006】
すなわち、本発明は、動く物に取り付けて芳香を揮散させる簡易芳香揮散具であって、
前記簡易芳香揮散具は、第一の筒状容器と、前記第一の筒状容器の中に収納され第一の筒状容器の軸方向に自在に動く第二の筒状容器を含み、
前記第一の筒状容器は動く物に固定され、
前記第二の筒状容器は芳香剤を収納し、
前記第一の筒状容器と第二の筒状容器はそれぞれ側面の一部に開口部を有してなり、
動く物の動きに伴って、前記第二の筒状容器が前記第一の筒状容器の軸方向に動き、第一の筒状容器の側面の開口部と第二の筒状容器の側面の開口部が重なったときに、第二の筒状容器の中の芳香成分が第二の筒状容器の開口部と第一の筒状容器の開口部を通って第一の筒状容器の外部に揮散することを特徴とする、動く物に取り付けて芳香を揮散させる簡易芳香揮散具である。
【0007】
さらに本発明は、上記の動く物に取り付けて芳香を揮散させる簡易芳香揮散具であって、
前記第一の筒状容器の底部と、これに対向する前記第二の筒状容器の底部の両方に磁石を設置し、二つの磁石の対向する側の磁極が同極であることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記の動く物が、玄関や部屋のドア、車輛であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、動く物に簡単に取り付けて、動く物が動くときに芳香を発散させる簡易芳香揮散具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態の簡易芳香発散具の概念的断面図である。(a)は第一の筒状容器の開口部と第二の筒状容器の開口部が重なっていない状態である簡易芳香発散具の概念的断面図である。(b)は第一の筒状容器の開口部と第二の筒状容器の開口部が重なっている状態である簡易芳香発散具の概念的断面図である。
図2】磁石が挿入されている本発明の簡易芳香発散具の概念的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【0012】
本発明において、動く物とは特に限定はなく、芳香が要望されるときに取り付けられる物であり、たとえば、自動車、列車などの車輛、船舶、飛行機など、玄関や部屋のドアの様に開閉時に動く物などが挙げられるが、これに限定されない。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態の簡易芳香発散具の概念的断面図である。(a)は第一の筒状容器の開口部と第二の筒状容器の開口部が重なっていない状態である簡易芳香発散具の概念的断面図である。(b)は第一の筒状容器の開口部と第二の筒状容器の開口部が重なっている状態である簡易芳香発散具の概念的断面図である。
【0014】
図1(a)において、第一の筒状容器1の中に第二の筒状容器2が挿入されており、第二の筒状容器2は第一の筒状容器1に連結されていない。したがって、第二の筒状容器2は第一の筒状容器1の中を自在に動くことができる。第二の筒状容器2の中にはビーズ状の芳香剤3が複数個収納されている。図1(a)においては、第一の筒状容器1の開口部4と第二の筒状容器2の開口部5が重なっておらず、第二の筒状容器2の開口部5は第一の筒状容器1の側面壁6により塞がれた状態である。この状態では第二の筒状容器2の中に芳香剤3による芳香成分が充満していたとしても芳香成分が第二の筒状容器2の外部に漏れることはない。したがって、図1(a)の状態の簡易芳香発散具からは芳香成分は揮散することはない。
【0015】
図1(b)において、第一の筒状容器1の開口部4と第二の筒状容器2の開口部5が重なっている。この状態では第二の筒状容器2の中の芳香剤3による芳香成分が第二の筒状容器2の開口部5と第一の筒状容器1の開口部5を通過して、第一の筒状容器1の外部に揮散するので、芳香揮散具として機能することができる。
【0016】
また第一の筒状容器の底部(図面に向かって右端)と第二の筒状容器の底部(図面に向かって右端)との間に磁石が挿入されるのが好ましい。図2は、磁石が挿入されている本発明の一実施形態の簡易芳香発散具の概念的断面図である。
図2においては、第一の筒状容器1の底部7と、これに対向する第二の筒状容器2の底部8の両方に磁石9、10が設置されており、この図からは不明であるが二つの磁石9、10の対向する側の磁極は同極である。すなわち、第二の筒状容器2の底部8の外側に扁平状の磁石10が貼られており、さらにそれと対向する第一の筒状容器1の底部7の内側にも同様の磁石9が粘着テープ11で貼られている。
【0017】
図2からは不明であるが、それぞれの磁石の対向する面の磁極は同極である。したがって、二つの磁石は反発しあうので、第二の筒状容器2の底部8(磁石面)が第一の筒状容器1の底部7(磁石面)に近づくと反発するので第二の筒状容器2は反対側の方向に動く。図2の場合は、磁石は筒状容器の片面のみに設置されているが、このような磁石を第一の筒状容器、第二の筒状容器の両側に設置するとドアの開閉に伴う第一の筒状容器の微小な動きにも反応して第二の筒状容器が動きやすくなるという大きな特徴を有する。また第一の筒状容器の底部と第二の筒状容器の底部が衝突しなくても反対側に動くので音が少なくなるという利点もあるので好ましい。
【0018】
すなわち、図2の簡易芳香発散具においては、図に向かって右側だけに磁石が設置されているが、さらに左側のそれぞれの筒状容器の底部に磁石を設置することができる。この場合には両側で第二の筒状容器が第一の筒状容器の両端で反発を受けるので第一の筒状容器の中を行ったり来たりして動くことができる。その間に第二の筒状容器2の中の芳香剤3による芳香成分が第二の筒状容器2の開口部5と第一の筒状容器1の開口部4を通過して、第一の筒状容器1の外部に揮散する。さらにこのような両側での反発によって視覚的にもふわふわとした感じになるのでこのような無重力感が楽しめることになりより好ましい。
【0019】
また、磁石は筒状容器の外側でも内側でも同極が対向するように設置すれば同様の効果が生じる。
磁石の形状、大きさ、磁力も特に限定はない。二つの磁石が反発しあうように設定すればよい。
【0020】
本発明において、第一の筒状容器の形状は、筒状であって両側が閉じられていれば特に限定はなく、筒の断面が円形状、三角形状、矩形状などが挙げられる。好ましいのは、円形状である。
【0021】
筒状容器の大きさは、小さい程取り扱いやすくてよいが芳香の揮散性との兼ね合いで決めるのがよい。たとえば、円筒状であれば径は2cm以上10cm以下、長さは3cm以上20cm以下が好ましい。この範囲であればドアや車輛に取り付けても落ちにくいし見かけ上違和感がない。
【0022】
第二の筒状容器は第一の筒状容器の中に入る大きさであって、筒状容器の内側側面に当接できる大きさ、形状のものが好ましい。第二の筒状容器は側面に開口部を有するが、少なくとも開口部のある個所において、第一の筒状容器の側面と当接できる大きさであるのが好ましい。当接できれば第一の筒状容器と第二の筒状容器との隙間から芳香成分が漏れなくなる。
【0023】
第一の筒状容器と第二の筒状容器の側面に形成される開口部は、それぞれの開口部が重なった(一致した)ときに第二の筒状容器から芳香成分が揮散するのであれば、形状、大きさは限定されない。形状は孔状でも線状でもメッシュ状でもよい。第一の筒状容器と第二の筒状容器の開口部の形状、大きさは同じでも異なっていてもよい。開口部は側面の全周に渡っても一部であってもよいが、第二の筒状容器が動いたときに第一の筒状容器の開口部と重なるように形成されていればよい。
【0024】
第一の筒状容器および第二の筒状容器の材質としては特に限定はなく、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエステル)などの有機樹脂やスチールやアルミなどの無機材料が使用でき、強度があり丈夫であれば薄く加工ができるので簡易芳香発散具が軽量となり好ましい。
また、第二の筒状容器と第一の筒状容器との間の摩擦を少なくするために、接する箇所が滑りやすいのが好ましい。したがって、より好ましくは筒状容器を形成する材質は摺動性がよいものである。
【0025】
摺動性材料とは、摺動部分の滑りの良い材料のことであり、静摩擦係数が0.01~0.60の範囲内の材料であることがより好ましく、ポリビニリデンフルオライド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトンなどの樹脂材料、セラミック、カーボン、グラファイトなどの無機材料、二硫化モリブデンなどが挙げられる。
【0026】
簡易芳香揮散具と取り付ける箇所との間にはさらに連結体を挿入してもよい。連結体の材質も簡易芳香揮散具を支持できる強度があれば特に限定はなく、樹脂材料、金属、無機材料が使用できる。
【0027】
第二の筒状容器に収納される芳香剤としては、通常の香料が用いられ、たとえば、天然香料及び合成香料のいずれを用いてもよく、これらを組み合わせて使用してもよい。
香料成分の具体例としては、たとえば、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、タンジェリン、マンダリン及びベルガモットなどの柑橘類精油類;ペパーミント油、スペアミント油、シンナモン油、オールスパイス、アニスシード、バジル、ローレル、カルダモン、セロリ、クローブ、ナツメ、クミン、ディル、ガーリック、ジンジャー、メース、マスタード、オニオン、パプリカ、ローズマリー、ビャクダン油などのスパイス油類などの植物精油類;コーラナッツ、コーヒー、ワニラ、ココア、紅茶、緑茶、ウーロン茶、香辛料などの油溶性抽出物または水蒸気蒸留により得られる油層部、さらに、リモネン、リナロール、ネロール、シトロネロール、ゲラニオール、シトラール、l-メントール、オイゲノール、シンナミックアルデヒド、アネトール、ペリラアルデヒド、バニリン、γ-ウンデカラクトン、カプロン酸アリル、l-カルボン、マルトール、アリルイソチオシアネートなどの合成香料化合物をあげることができるがこれらに限定されない。これら柑橘類精油、植物精油類、合成香料などを任意の割合で混合した調合香料組成物及びこれらの任意の混合物などが挙げられる。
また、本特許においては芳香消臭脱臭剤における芳香性物質も芳香剤に含めるものとする。
【0028】
香料成分の使用濃度及び使用量は、特に限定はない。筒状容器に入れる形態は、芳香剤そのままでもよく、香料成分を溶剤に溶解したものでもよく、様々な素材に芳香物質を含浸させたものを配置する方法などが挙げられる。
【0029】
香料成分を含侵させる素材としては、紙、フェルト、石膏、金属、木材、プラスチックなどが挙げられる。素材の具体的例としては、エチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロース系高分子、ポリブタジエン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、ポリイソブチレンなどの石油系高分子、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エステル、ポリカプロラクトン、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、ブタジエンアクリロニトリル共重合体などのビニル系、アクリル系またはスチレン系高分子、ポリエステル、ポリウレタンなどの縮合系高分子、シクロデキストリンなどの包膜化合物などの有機含浸固体が挙げられる。また、シリカ、ゼオライト、ケイ酸アルミニウムなどの合成ケイ酸塩、モンモリロナイト系粘度鉱物などの無機多孔体及び無機粉体が無機含浸固体として挙げられる。
【0030】
また、天然香料は天然の担持体自体が香料成分を含んでいるものもあり、これを粉末状などの粒子に粉砕したものも上記の香料成分として同様に挙げることができる。このような粉末の天然香料としては、たとえば、香木・漢薬粉末、コーヒー粉末や茶粉末、竹粉末、オレンジピール粉末などの天然粉末などが挙げられる。ここで香木・漢薬としては、甘松香、白檀、カッ香、冷陵香、安息香、乳香、桂皮、丁字、大茴香、貝香、沈降、伽羅などが挙げられる。
【0031】
簡易芳香揮散具の重量は、軽量であるのが好ましいが、筒状容器の大きさ、材質、芳香剤の量などによって決まるのでこれらを考慮して作成するのが好ましい。
【0032】
簡易芳香揮散具は軽量であるので、ドアなどの設置個所に粘接着剤で固定するか、両面粘接着テープでつけるか、あるいはフックを利用して取り付けることができる。
【0033】
簡易芳香揮散具は、上記の材料を組み合わせて作製できる。以下、作製方法を記載するがこれに限定されない。
まず、第二の筒状容器を準備し、側面に開口部を形成する。第二の筒状容器の底部から芳香剤を入れて底部を閉じる。開口部を形成した第一の筒状容器の底部から第二の筒状容器を入れ底部を閉じる。このようにして簡易芳香揮散具を作製する。
【0034】
簡易芳香揮散具に磁石を組み入れる場合には、第二の筒状容器の外側底部に扁平状の磁石を両面テープで貼り付ける。第一の筒状容器の底部の内側に前記貼られた磁石に対向する面の磁極が同じになるように磁石を両面テープで取り付けて底部を閉じる。
これらの簡易芳香揮散具を動く物、たとえばドアの内側または車輛の内側に取り付ければ芳香成分を揮散することができる。
【0035】
動く物とは、前記したように特に限定はなく、たとえば、自動車、列車などの車輛、船舶、飛行機など、玄関や部屋のドアのように開閉時に動く物などである。極端に言えば、人やバッグの外側に簡易芳香揮散具を水平に取り付けておけば、人が歩くときに簡易芳香揮散具が揺動して芳香が得られる。本発明においては動く物とは自体で動く物でも他のものによって動かせるものも含むものとする。
すなわち、動く物に取り付け、動く物が動くと、第一の筒状容器は揺動するのでそれに伴って、第二の筒状容器は少なからず第一の筒状容器の軸方向に動くことになる。好ましくは簡易芳香揮散具の軸方向を動く物の動く方向と並行に動く物に取り付けることである。このようにすればより一層第二の筒状容器は第一の筒状容器の軸方向に動き芳香が得られやすい。
【0036】
たとえば、動く物がドアの場合、図1(a)においては記載されていないが、ドアが引き戸の場合には筒状容器の側面をドアに並行且つ水平に取り付ければ、簡易芳香揮散具の軸方向がドアの動く方向と並行となり、ドアを開閉したときに第一の筒状容器の中を第二の筒状容器が水平に移動する。図1においては、第二の筒状容器の開口部が左側に移動して第一の筒状容器の開口部と重なる位置になる場合が生じる。そしてこのときに簡易芳香揮散具から芳香成分が第一の筒状容器の外部に揮散する。
【0037】
また、ドアが開き戸の場合には、第一の筒状容器の底部側をドアに水平に取り付ければ、すなわち第一の筒状容器の長さ方向がドアに垂直になるように取り付ければ、ドアを開閉したときに第二の筒状容器が第一の筒状容器内を移動してそれぞれの開口部が重なる(一致する)ときがある。このときに簡易芳香揮散具から芳香成分が外部に揮散する。
【0038】
また、動く物が車輛の場合、簡易芳香揮散具の第一の筒状容器の軸方向を車輛の進行方向に水平に固定すると加減速時に第一の筒状容器が前後に揺動する。また、簡易芳香揮散具の第一の筒状容器の軸方向を車輛の進行方向と垂直方向に取り付けると車輛の右左折時に第二の筒状容器が第一の筒状容器の中を動いて第二の筒状容器の開口部が第一の筒状容器内の開口部と一致するときができそのときに第二の筒状容器の中の芳香成分が外部に揮散する。
【符号の説明】
【0039】
1 第一の筒状容器
2 第二の筒状容器
3 芳香剤
4 第一の筒状容器の開口部
5 第二の筒状容器の開口部
6 第一の筒状容器の側面壁
7 第一の筒状容器の底部
8 第二の筒状容器の底部
9、10 磁石
11 粘着テープ
図1
図2