(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021592
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】地中埋設物の保護体
(51)【国際特許分類】
C22C 38/00 20060101AFI20220127BHJP
E02D 31/00 20060101ALI20220127BHJP
C22C 38/04 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
C22C38/00 301Z
E02D31/00 Z
C22C38/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020125258
(22)【出願日】2020-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】520273946
【氏名又は名称】クマガイ特殊鋼株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】特許業務法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 勝一郎
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 文雄
(72)【発明者】
【氏名】藤池 哲史
(72)【発明者】
【氏名】原 賢一
(57)【要約】 (修正有)
【課題】軽量であっても高い切断抵抗性を有する地中埋設物の保護体を提供する。
【解決手段】厚み方向における一方側に表面11aを有し、かつ厚み方向における他方側に裏面11bを有する板状部材11と、前記裏面11bに固定され、前記厚み方向に直交する第1方向に延び、かつ前記厚み方向および前記第1方向に直交する第2方向に互いに離れて配置される一対のL字状部材12と、を備え、前記第1方向に垂直な断面において、前記L字状部材12のそれぞれは、前記裏面11bから前記厚み方向における前記他方側に延びる第1平板部12aと、前記第1平板部12aの前記裏面側の端部から、前記第2方向における前記板状部材11の外方に向かって延びる第2平板部12bと、を有し、前記板状部材11は、ブリネル硬さが100以下である金属材料で構成され、前記L字状部材12は、ブリネル硬さが100を超える金属材料で構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚み方向における一方側に表面を有し、かつ厚み方向における他方側に裏面を有する板状部材と、
前記裏面に固定され、前記厚み方向に直交する第1方向に延び、かつ前記厚み方向および前記第1方向に直交する第2方向に互いに離れて配置される一対のL字状部材と、を備え、
前記第1方向に垂直な断面において、前記L字状部材のそれぞれは、前記裏面から前記厚み方向における前記他方側に延びる第1平板部と、前記第1平板部の前記裏面側の端部から、前記第2方向における前記板状部材の外方に向かって延びる第2平板部と、を有し、
前記板状部材は、ブリネル硬さが100以下である金属材料で構成され、
前記L字状部材は、ブリネル硬さが100を超える金属材料で構成される、
地中埋設物の保護体。
【請求項2】
前記板状部材を構成する前記金属材料が鋼であり、前記鋼の化学組成が、質量%で、
C:0.10%以下、を含有し、かつ、
下記(i)式で定義されるCeqが0.10以下である、
請求項1に記載の地中埋設物の保護体。
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14・・・(i)
但し、上記式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
【請求項3】
前記厚み方向から見た時に、
前記板状部材は、前記第1方向に延びる直線状の一対の縁と、前記一対の縁の前記第1方向における一端部同士を接続する一端縁と、前記一対の縁の前記第1方向における他端部同士を接続する他端縁とを有し、
前記一端縁および前記他端縁の少なくともいずれかが円弧状に湾曲する、
請求項1または請求項2に記載の地中埋設物の保護体。
【請求項4】
前記厚み方向から見た時に、
前記一端縁は外側に突出するように円弧状に湾曲し、前記他端縁は前記一端縁に平行で、かつ内側にへこむように円弧状に湾曲する、
請求項3に記載の地中埋設物の保護体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中埋設物の保護体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無電柱化を低コストで実施する要求が高まっている。そのため、電線等が地中の浅層に埋設されるようになってきた。一方、地中に埋設された電線等(以下、「地中埋設物」ともいう。)が、その後の道路工事に伴う舗装切断作業によって切断または損傷される事故を防止するため、地中埋設物を鋼板等で覆い、保護するのが一般的である。
【0003】
例えば、特許文献1には、道路工事等での道路切断作業に伴う地下埋設物の切断損傷を防止するために、切断防護性に優れた、地下埋設物に付設またはその外部に配設された切断損傷防止材用金属材が開示されている。また、特許文献2には、路面部切断時に地中埋設物を確実に保護することのできる保護体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-338036号公報
【特許文献2】特開平10-9480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載される切断損傷防止材では、ブリネル硬さが100以下である金属材が用いられているため、高い切断損傷防止性能を発揮する。しかしながら、本発明者らの研究の結果、切断抵抗性をさらに向上させる余地があることが分かった。
【0006】
また、特許文献2に記載される地中埋設物の保護体では、例えば、低硬度鋼などのカッター機能劣化材料を高硬度鋼の表面に被覆することで、切断抵抗性が改善されている。しかしながら、低硬度鋼と高硬度鋼とを重ね合わせる場合には、重量の増加が避けられず、作業性が劣化するという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、軽量であっても高い切断抵抗性を有する地中埋設物の保護体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記の地中埋設物の保護体を要旨とする。
【0009】
(1)厚み方向における一方側に表面を有し、かつ厚み方向における他方側に裏面を有する板状部材と、
前記裏面に固定され、前記厚み方向に直交する第1方向に延び、かつ前記厚み方向および前記第1方向に直交する第2方向に互いに離れて配置される一対のL字状部材と、を備え、
前記第1方向に垂直な断面において、前記L字状部材のそれぞれは、前記裏面から前記厚み方向における前記他方側に延びる第1平板部と、前記第1平板部の前記裏面側の端部から、前記第2方向における前記板状部材の外方に向かって延びる第2平板部と、を有し、
前記板状部材は、ブリネル硬さが100以下である金属材料で構成され、
前記L字状部材は、ブリネル硬さが100を超える金属材料で構成される、
地中埋設物の保護体。
【0010】
(2)前記板状部材を構成する前記金属材料が鋼であり、前記鋼の化学組成が、質量%で、
C:0.10%以下、を含有し、かつ、
下記(i)式で定義されるCeqが0.10以下である、
上記(1)に記載の地中埋設物の保護体。
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14・・・(i)
但し、上記式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
【0011】
(3)前記厚み方向から見た時に、
前記板状部材は、前記第1方向に延びる直線状の一対の縁と、前記一対の縁の前記第1方向における一端部同士を接続する一端縁と、前記一対の縁の前記第1方向における他端部同士を接続する他端縁とを有し、
前記一端縁および前記他端縁の少なくともいずれかが円弧状に湾曲する、
上記(1)または(2)に記載の地中埋設物の保護体。
【0012】
(4)前記厚み方向から見た時に、
前記一端縁は外側に突出するように円弧状に湾曲し、前記他端縁は前記一端縁に平行で、かつ内側にへこむように円弧状に湾曲する、
上記(3)に記載の地中埋設物の保護体。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、軽量であっても高い切断抵抗性を有する地中埋設物の保護体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る地中埋設物の保護体の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る地中埋設物の保護体の第1方向に垂直な断面図である。
【
図3】本発明の他の実施形態に係る地中埋設物の保護体の第1方向に垂直な断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る保護体が切断される際の様子を模式的に示した図である。
【
図5】L字状部材を板状部材に接合する方法を説明するための図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る地中埋設物の保護体の厚み方向から見た図である。
【
図7】本発明の他の実施形態に係る地中埋設物の保護体の厚み方向から見た図である。
【
図8】本発明の他の実施形態に係る地中埋設物の保護体の厚み方向から見た図である。
【
図9】本発明の一実施形態および他の実施形態に係る地中埋設物の保護体の施工例を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係る地中埋設物の保護体について説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る地中埋設物の保護体の斜視図である。保護体10は、板状部材11および一対のL字状部材12を備えている。なお、
図1に示すように、本願明細書において、板状部材11の厚み方向に直交する方向を第1方向といい、厚み方向および第1方向に直交する方向を第2方向という。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態に係る地中埋設物の保護体の第1方向に垂直な断面図である。
図2に示すように、本実施形態に係る保護体10は、第1方向に延びるように地中に埋設される埋設物20を保護するためのものである。
【0018】
板状部材11は、厚み方向における一方側(埋設時の上方側、以下、「上方側」ともいう。)に表面11aを有し、かつ厚み方向における他方側(埋設時の下方側、以下、「下方側」ともいう。)に裏面11bを有する。すなわち、
図2に示すように、埋設物20は、板状部材11の裏面11b側に埋設されることとなる。
【0019】
また、
図1および2に示すように、一対のL字状部材12は、板状部材11の裏面11bに固定され、第1方向に延び、かつ第2方向に互いに離れて配置されている。また、L字状部材12は、第1平板部12aと第2平板部12bとを有する。
図2に示すように、第1方向に垂直な断面において、第1平板部12aは、板状部材11の裏面11bから下方側に延びる。また、第2平板部12bは、第1平板部12aの裏面11b側の端部12cから、第2方向における板状部材11の外方に向かって延びる。
【0020】
なお、第2平板部12bの第2方向における長さについては特に制限はなく、
図2に示すように、第2平板部12bの第2方向における板状部材11の外方側の端部12dと板状部材11の外方側の端部11cとは、第2方向において一致していてもよいし、
図3に示すように、板状部材11の端部11cが、第2平板部12bの端部12dより外方側に突出していてもよい。
【0021】
また、板状部材11は、ブリネル硬さが100以下である金属材料で構成される。上記金属材料の種類については、ブリネル硬さが100以下である限りにおいて、特に制限はないが、例えば、低炭素鋼を用いることができる。
【0022】
一般的に、鋼材の硬さは炭素当量に依存する。そのため、板状部材11を構成する金属材料は鋼であり、当該鋼の化学組成は、質量%で、C:0.10%以下を含有し、かつ、下記(i)式で定義されるCeqが0.10以下であるのが好ましい。
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14・・・(i)
但し、上記式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
【0023】
Cは、材料の硬さを増し、ねばりを少なくする元素であり、極力抑えるのが好ましい。そのため、C含有量は0.10%以下であるのが好ましく、0.05%以下であるのがより好ましい。加えて、Ceqは、他の合金元素が硬さに及ぼす効果を炭素に換算した量であり、Cと同様に極力抑えるのが好ましい。そのため、Ceqは0.10以下であるのが好ましく、0.05以下であるのがより好ましい。
【0024】
板状部材11の厚さについても特に制限はないが、薄すぎると切断抵抗性が不十分となるおそれがあり、一方、厚すぎると軽量化が困難となる。そのため、板状部材11の厚さは6~25mmであることが好ましく、9~22mmであることがより好ましく、12~19mmであることがさらに好ましい。
【0025】
上記の低炭素鋼材を製造する場合において、その製造方法に特に制限はないが、例えば、上述の化学組成を有する鋼塊または鋳片に、熱間圧延を施すことによって製造することができる。鋼材の硬度を低く抑えるためには、熱間圧延前の加熱温度は1100~1250℃、圧延仕上げ温度は700℃以上とすることが望ましい。また、熱間圧延ままの鋼材を用いてもよいが、熱間圧延後に焼戻しを施してもよい。さらには、熱間圧延後に、熱間圧延により導入された残留歪みを除くことを目的として、910℃以上での焼準を行ってもよい。
【0026】
一方、L字状部材12は、ブリネル硬さが100を超える金属材料で構成される。なお、L字状部材12を構成する金属材料のブリネル硬さに上限を設ける必要はない。しかし、過剰に硬度を高める場合、低コスト化の実現が困難になるおそれがある。そのため、L字状部材12を構成する金属材料のブリネル硬さは、300未満であることが好ましい。
【0027】
上記の硬度を有する金属材料としては、低コスト化の観点からは、例えば、JIS G 3101:2015で規定される一般構造用圧延鋼材のSS400等を採用することが好ましい。
【0028】
L字状部材12の厚さについても特に制限はないが、薄すぎると切断抵抗性が不十分となるおそれがあり、一方、厚すぎると軽量化が困難となる。そのため、L字状部材12の厚さは3~15mmであることが好ましく、4~8mmであることがより好ましい。
【0029】
本発明に係る保護体10は、上述した構成を有することにより、軽量であっても高い切断抵抗性を有する。その理由について説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る保護体が切断される際の様子を模式的に示した図である。
【0030】
まず、板状部材11が、ブリネル硬さが100以下である金属材料で構成されることにより、切断された金属材料が舗装切断作業に用いられる切断機の刃先のダイヤモンドに付着し、切断機の機能を劣化させていることが挙げられる。
【0031】
加えて、板状部材11から下方側に延びるL字状部材12を有することで、さらに切断抵抗性が向上する。
図4に示すように、比較的軟質な板状部材11を切断したことによって切断能力が劣化した刃30は、板状部材11を通り抜けた後で比較的硬質なL字状部材12を切断しようとする。本発明者らが、L字状部材12の切断跡を詳細に観察した結果、L字状部材12の切断跡の幅が、板状部材11の切断跡の幅より大きくなっていることを見出した。すなわち、刃30の回転にわずかなゆがみが生じることで、切断能力が著しく劣化したものと推定される。
【0032】
ここで、板状部材11にL字状部材12を固定する場合には、
図5(a)に示しているように、溶接部13a,13bを設けることによって接合する。しかし、溶接時の作業性を考慮すれば、
図5(b)に示すような向きで板状部材11’にL字状部材12’を固定するのが一般的である。
【0033】
しかしながら、
図5(b)に示す向きでは、板状部材11’を切断したことによって切断能力が劣化した刃30が、曲がることなく直ちにL字状部材12’の第2平板部12’bを切断することとなる。その結果、硬質のL字状部材12’を切断することで刃30の切断能力が回復し、第1平板部12’aをまっすぐ切断すると考えられる。
【0034】
これに対して、本発明に係る保護体10では、第2平板部12bが板状部材11の外方に向かって延びているため、板状部材11を切断したことによって切断能力が劣化した刃30で直接、第1平板部12aを切断することとなる。それにより、硬質な第1平板部12aに刃30が入った際に刃にゆがみが生じ、切断能力が著しく劣化するものと推定される。
【0035】
図6は、本発明の一実施形態に係る地中埋設物の保護体の厚み方向から見た図である。また、
図7および8は、本発明の他の実施形態に係る地中埋設物の保護体の厚み方向から見た図である。
【0036】
厚み方向から見た板状部材11の形状については特に制限はなく、例えば、矩形であってもよい。また、
図6~8に示すような形状としてもよい。具体的には、板状部材11は、厚み方向から見た時に、第1方向に延びる直線状の一対の縁11d,11eと、一対の縁11d,11eの第1方向における一端部同士を接続する一端縁11fと、一対の縁11d,11eの第1方向における他端部同士を接続する他端縁11gとを有する。
【0037】
そして、
図6に示す形状では、一端縁11fのみが外側に突出するように円弧状に湾曲している。また、
図7に示す形状では、他端縁11gのみが内側にへこむように円弧状に湾曲している。さらに、
図8に示す形状では、一端縁11fが外側に突出するように円弧状に湾曲し、他端縁11gが一端縁11fに平行で、かつ内側にへこむように円弧状に湾曲している。
【0038】
図9は、本発明の一実施形態(a)および他の実施形態(b)に係る地中埋設物の保護体の施工例を模式的に示した図である。
【0039】
緩やかに曲線を描く地中埋設物を保護する場合、板状部材11が矩形であると、
図9(a)に示すように保護体10aを設置することとなる。これに対して、
図9(b)に示すように、一端縁11fのみが湾曲している保護体10bと、他端縁11gのみが湾曲している保護体10cと、一端縁11fおよび他端縁11gが湾曲している保護体10dを組み合わせて使用することで、舗装切断作業の際に切断機の刃先がL字状部材に確実に当るようにでき、地中埋設物の保護機能を発揮させることができる。加えて、材料の使用量を最小限に抑えることが可能となり、コストを削減することができる。
【0040】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例0041】
表1に示す化学組成およびブリネル硬さを有する2種類の鋼AおよびBを用意した。そして、板状部材のみからなる保護体、ならびに板状部材にL字状部材を1つ溶接接合した保護体の2種類を用意した。それぞれの種類の保護体において、板状部材に鋼AおよびBのそれぞれを用い、L字状部材としては鋼Aを用いた。
【0042】
【0043】
また、板状部材は、第1方向における長さが300mm、第2方向における長さが200mm、厚さ12mmとし、L字状部材は、厚さ6mmの鋼板をL字状に曲げたものであり、第1方向における長さが40mm、第1平板部の下方の長さが50mm、第2平板部の第2方向における長さが50mmである。
【0044】
そして、それぞれの保護体を、幅50mm、深さ200mmの溝を設けたコンクリート面上に設置した後、ダイヤモンドブレードを備える切断機による切断試験に供した。切断機の進行方向は第2方向であり、L字状部材を備える保護体においては、L字状部材を固定した側から切断を行った。そして、第2方向における長さが200mmである板状部材を全て切断するまでの時間を計測した。なお、切断機の切断深さはコンクリート表面から100mmとし、切断機の走行速度およびダイヤモンドブレードの回転速度の設定値は一定とした。
【0045】
その結果を表2に示す。
【0046】
【0047】
表2から明らかなように、軟質な板状部材と硬質なL字状部材とを備えた本発明の規定を満足する保護体を用いた場合には、規定を満足しない保護体に比べて切断に要する時間が格段に長くなり、切断抵抗性が顕著に増大していることが分かる。