(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021619
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】アンテナモジュール
(51)【国際特許分類】
H01Q 23/00 20060101AFI20220127BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20220127BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20220127BHJP
H05K 1/14 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
H01Q23/00
H01Q21/06
H01Q13/08
H05K1/14 G
H05K1/14 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020125294
(22)【出願日】2020-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【弁理士】
【氏名又は名称】小室 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】淡路 大輔
【テーマコード(参考)】
5E344
5J021
5J045
【Fターム(参考)】
5E344AA01
5E344AA21
5E344AA22
5E344BB02
5E344BB06
5E344BB13
5E344BB20
5E344CC23
5E344CC24
5E344CD02
5E344DD02
5E344DD06
5E344EE06
5J021AA09
5J021AB06
5J021JA08
5J045DA10
5J045EA07
5J045LA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】通信性能の低下を抑制したアンテナモジュールを提供する。
【解決手段】アンテナモジュールは、複数のアンテナ素子14aにより構成されたアンテナパターン14および絶縁層を有するアンテナ基板10と、回路基板20と、アンテナ基板10と回路基板20とを接続する接続部30と、アンテナ基板10または回路基板20に実装されたRFIC40と、を備える。絶縁層の厚さ方向から見た平面視において、アンテナ素子14aは、接続部30によって挟まれていない。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナ素子により構成されたアンテナパターンおよび絶縁層を有するアンテナ基板と、
回路基板と、
前記アンテナ基板と前記回路基板とを接続する接続部と、
前記アンテナ基板または前記回路基板に実装されたRFICと、を備え、
前記絶縁層の厚さ方向から見た平面視において、前記アンテナ素子は前記接続部によって挟まれていない、アンテナモジュール。
【請求項2】
前記平面視において、前記接続部は前記アンテナ基板の中央部にのみ位置している、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項3】
前記接続部は、はんだ、導電性微粒子を含むペースト、または導電性微粒子を含むシートである、請求項1または2に記載のアンテナモジュール。
【請求項4】
前記アンテナ基板は、前記絶縁層の厚さ方向において離れて配置された少なくとも2つのメタル層を有し、
前記2つのメタル層は前記平面視における面積が互いに異なっている、請求項1から3のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
【請求項5】
前記絶縁層の材質には、熱可塑性の液晶ポリマーまたはフッ素系樹脂が含まれている、請求項1から4のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アンテナ基板と、モジュール基板(回路基板)と、これらを接続するはんだ(接続部)と、を備えたアンテナモジュールが開示されている。アンテナ基板にはアンテナパターンが形成されており、無線通信を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のアンテナモジュールでは、アンテナ基板と回路基板とを接続する接続部が、アンテナ基板の外周部に沿って、アンテナパターンを囲うように配置されている。本願発明者らが鋭意検討したところ、このような構成ではアンテナ基板に生じる歪が通信性能を低下させる可能性があることが判った。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされ、通信性能の低下を抑制したアンテナモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るアンテナモジュールは、複数のアンテナ素子により構成されたアンテナパターンおよび絶縁層を有するアンテナ基板と、回路基板と、前記アンテナ基板と前記回路基板とを接続する接続部と、前記アンテナ基板または前記回路基板に実装されたRFICと、を備え、前記絶縁層の厚さ方向から見た平面視において、前記アンテナ素子は前記接続部によって挟まれていない。
【0007】
上記態様によれば、使用環境下の温湿度の影響でアンテナ基板が伸縮する場合に、接続部同士の間で大きな歪が生じて当該歪の影響をアンテナ素子が受けることを抑制できる。したがって、通信性能が低下することを抑制できる。
【0008】
ここで、前記平面視において、前記接続部は前記アンテナ基板の中央部にのみ位置していてもよい。
【0009】
また、前記接続部は、はんだ、導電性微粒子を含むペースト、または導電性微粒子を含むシートであってもよい。
【0010】
また、前記アンテナ基板は、前記絶縁層の厚さ方向において離れて配置された少なくとも2つのメタル層を有し、前記2つのメタル層は前記平面視における面積が互いに異なっていてもよい。
【0011】
また、前記絶縁層の材質には、熱可塑性の液晶ポリマーまたはフッ素系樹脂が含まれていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記態様によれば、通信性能の低下を抑制したアンテナモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係るアンテナモジュールの平面図である。
【
図3】第2実施形態に係るアンテナモジュールの平面図である。
【
図4】第3実施形態に係るアンテナモジュールの断面図である。
【
図5】第4実施形態に係るアンテナモジュールの平面図である。
【
図7】接続部によりアンテナ素子が挟まれた構成のアンテナモジュールの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態のアンテナモジュールについて図面に基づいて説明する。
図1に示すように、アンテナモジュール1Aは、アンテナ基板10と、回路基板20と、接続部30と、RFIC40と、を備えている。RFIC40は、高周波集積回路(RFIC:Radio Frequency Integrated Circuit)であり、ミリ波帯などの高周波信号を処理する。アンテナ基板10は接続部30に含まれるはんだ31により、回路基板20に実装されている。言い換えると、アンテナ基板10と回路基板20とは、接続部30により接続されている。
【0015】
(方向定義)
本明細書では、アンテナ基板10の絶縁層11(
図2参照)の厚さ方向を上下方向Zという。上下方向Zは、アンテナ基板10および回路基板20が並べられた方向でもある。上下方向Zにおいて、アンテナ基板10側(+Z側)を上方といい、回路基板20側(-Z側)を下方という。上下方向Zに直交する一方向を左右方向Xという。上下方向Zおよび左右方向Xの双方に直交する方向を前後方向Yという。上下方向Zから見ることを平面視という。
図1はアンテナモジュール1Aの平面図であり、
図2は上下方向に沿ったアンテナモジュール1Aの断面図である。
【0016】
図2に示すように、アンテナ基板10は、絶縁層11と、アンテナパターン14と、配線部15と、を有している。アンテナパターン14は絶縁層11の第1面12上に形成され、配線部15は絶縁層11の第2面13上に形成されている。第1面12は上方を向き、第2面13は下方を向いている。すなわち、第2面13は回路基板20と上下方向Zにおいて対向している。アンテナパターン14は、複数のアンテナ素子14aにより構成されている。
図1に示すように、平面視において複数のアンテナ素子14aは矩形状に形成され、左右方向Xおよび前後方向Yに並べて配置されている。ただし、アンテナ基板10の左右方向Xおよび前後方向Yにおける中央部にはアンテナ素子14aが配置されていない。
【0017】
配線部15は、例えば、RFIC40と各アンテナ素子14aとを電気的に接続する役割を有する。絶縁層11としては、高周波信号の処理に適した、誘電特性のよい材質を用いることが好ましい。具体的には、絶縁層11には熱可塑性の液晶ポリマーまたはフッ素系樹脂が含まれているとよい。アンテナパターン14および配線部15は、絶縁層11の表面に設けられたメタル層である。このようなメタル層は、絶縁層11の表面に金属の薄膜を形成し、当該薄膜をエッチングすることなどで形成できる。
【0018】
2つのメタル層(アンテナパターン14および配線部15)は、上下方向Zにおいて離れて配置されている。アンテナパターン14および配線部15の材質としては、銅などの金属が用いられる。アンテナパターン14および配線部15は、平面視における面積が互いに異なっている。アンテナパターン14および配線部15が銅である場合、残銅率が互いに異なっているとも言える。
【0019】
回路基板20は、絶縁体および回路パターンを含む本体部21を有している。本体部21は、1層の絶縁体および当該絶縁体の表面に設けられた回路パターンにより構成されてもよい。あるいは、本体部21は、複数層の絶縁体と、絶縁体の表面および絶縁体同士の間に設けられた回路パターンにより構成されてもよい。本体部21に含まれる絶縁体としては、例えばFR4等の基板用の一般的な材質を利用できる。本体部21は、上方を向く上面22と、下方を向く下面23と、を有している。上面22はアンテナ基板10と上下方向において対向している。
【0020】
アンテナ基板10と回路基板20との間には、上下方向Zにおける隙間が設けられており、この隙間に、RFIC40および接続部30が配置されている。接続部30およびRFIC40は、アンテナ基板10の配線部15に電気的に接続されている。
図1に示すように、平面視において、接続部30に含まれる複数のはんだ31は、RFIC40を囲うように配置されている。平面視において、接続部30およびRFIC40は、アンテナ基板10の中央部に配置されている。なお、「アンテナ基板10の中央部」とは、アンテナ基板10の前後方向Yおよび左右方向Xの双方における中央部である。
【0021】
平面視において、接続部30およびRFIC40はアンテナ素子14aが配置されていない部位に配置され、複数のアンテナ素子14aが接続部30およびRFIC40を囲うように配置されている。なお、RFIC40は回路基板20の下面23に実装されていてもよい。あるいは、RFIC40は回路基板20の上面22であってアンテナ基板10と上下方向Zにおいて対向する位置に実装されていてもよい。
【0022】
ここで、アンテナ基板10と回路基板20とを接続する際には、はんだ31となるペースト(はんだペースト)をアンテナ基板10と回路基板20の間に配置し、はんだペーストを加熱して溶融させ(加熱工程)、はんだペーストを冷却して凝固させる。すなわち、リフローが行われる。加熱工程の際には、はんだ31だけでなく、アンテナ基板10にも熱が加えられる。アンテナ基板10は、平面視における面積が異なる2つのメタル層を含んでおり、これらのメタル層では加熱による膨張量が異なる。この膨張量の違いにより、アンテナ基板10に反りが生じる。本願発明者らが鋭意検討したところ、平面視において接続部30がアンテナ素子14aを挟まないように(
図1では中央部)、接続部30およびアンテナ素子14aを配置することで、アンテナ基板10の反りが通信性能に与える影響を低減できることが判った。以下、より詳しく説明する。
【0023】
図7に、「平面視において接続部30がアンテナ素子14aを間に挟む」状態のアンテナモジュール100を示す。
図7において、2つの接続部30はアンテナ基板10の外周部に位置しており、2つの接続部30を結ぶ直線上に、1つのアンテナ素子14aが位置している。このアンテナモジュール100では、アンテナ基板10は2つの接続部30で回路基板20に固定される。このアンテナモジュール100を製造する際に、加熱工程を行うと、アンテナ基板10に含まれる2つのメタル層の膨張量の違いからアンテナ基板10に反りが生じる。そして、その後の冷却時には、2つの接続部30で固定された状態でアンテナ基板10が収縮しようとする。その結果、アンテナ基板10のうち、平面視において2つの接続部30同士の間に位置する部位に、特に大きな歪が生じることとなる。
【0024】
そして、アンテナモジュール100では、平面視において接続部30がアンテナ素子14aを間に挟むように配置されており、当該挟まれたアンテナ素子14aが、アンテナ基板10の歪の影響を大きく受ける。その結果、通信性能の低下が生じ得る。このような通信性能の低下は、特に、アンテナ基板10の絶縁層11に熱可塑性の液晶ポリマーまたはフッ素系樹脂が含まれ、アンテナ基板10が高周波信号の送受信を行う場合に生じやすい。
【0025】
これに対して、
図1に示す本実施形態のアンテナモジュール1Aでは、接続部30が平面視においてアンテナ基板10の中央部にのみ位置している。アンテナモジュール1Aを製造する際に、加熱工程を行うと、2つのメタル層の膨張量の違いからアンテナ基板10
に反りが生じる。その後の冷却時には、中央部に配置された接続部30を中心としてアンテナ基板10の全体が収縮するが、アンテナ基板10の外周部は固定されていないため、歪が残留しにくい。このような収縮のモードでは、アンテナ基板10に生じる歪の量が、2つの接続部30が固定された状態で収縮するモード(
図7)よりも小さくなる。そして、アンテナ基板10の歪が小さいため、アンテナ素子14aによる通信性能が低下することを抑制できる。
【0026】
以上の現象に基づけば、接続部30およびアンテナ素子14aのレイアウトは
図1の例に限られず、適宜変更できる。例えば
図3~
図6に示すレイアウトを採用してもよい。以下、より具体的に説明する。
【0027】
(第2実施形態)
図3に、第2実施形態に係るアンテナモジュール1Bを示す。なお、アンテナモジュール1Bの基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0028】
アンテナモジュール1Bでは、アンテナ基板10の左右方向Xにおける中央部にはアンテナ素子14aが配置されていない。そして、複数の接続部30が、アンテナ基板10の左右方向Xにおける中央部に、前後方向Yに並べて配置されている。各接続部30は、左右方向Xにおいて並べられた複数のはんだ31により構成されている。
図3において、RFIC40は、アンテナ基板10に実装されてもよいし、回路基板20に実装されてもよい。
【0029】
図3において、複数の接続部30のうちの一部は、平面視においてアンテナ基板10の外周部に配置されている。しかしながら、平面視において、アンテナ素子14aは接続部30によって挟まれていない。本実施形態のアンテナモジュール1Bを製造する際に、加熱工程およびその後の冷却を行うと、アンテナ基板10は、左右方向Xにおける中央部で前後方向Yに延びる一帯が回路基板20に固定された状態で収縮する。このとき、アンテナ基板10の左右方向Xにおける両側の端部が固定されていないため、歪が生じにくい。したがって、歪がアンテナ素子14aに影響をおよぼして通信性能が低下することを抑制できる。
【0030】
(第3実施形態)
図4に、第3実施形態に係るアンテナモジュール1Cを示す。なお、アンテナモジュール1Cの基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0031】
アンテナモジュール1Cでは、アンテナ素子14aが、アンテナ基板10の内部に配置されている。この場合も、アンテナ基板10は、平面視における面積が異なる2つのメタル層(アンテナパターン14および配線部15)を含んでおり、これらのメタル層では加熱による膨張量が異なる。しかしながら、平面視において接続部30がアンテナ基板10の中央部にのみ位置し、アンテナ素子14aが接続部30によって挟まれていないため、第1実施形態と同様に通信性能の低下を抑制することができる。
【0032】
(第4実施形態)
図5および
図6に、第4実施形態に係るアンテナモジュール1Dを示す。なお、アンテナモジュール1Dの基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0033】
アンテナモジュール1Dでは、平面視において、アンテナ基板10の左右方向Xにおける一方側(-X側)の端部であって、前後方向Yにおける中央部に、接続部30およびRFIC40が配置されている。接続部30は、アンテナ基板10の外周部に配置されているが、アンテナ素子14aは接続部30によって挟まれていない。したがって、通信性能の低下を抑制することができる。
【0034】
以上説明したように、第1~第4実施形態のアンテナモジュール1A~1Dは、複数のアンテナ素子14aにより構成されたアンテナパターン14および絶縁層11を有するアンテナ基板10と、回路基板20と、アンテナ基板10と回路基板20とを接続する接続部30と、アンテナ基板10または回路基板20に実装されたRFIC40と、を備える。そして、絶縁層11の厚さ方向(上下方向Z)から見た平面視において、アンテナ素子14aは接続部30によって挟まれていない。このようなレイアウトを採用することで、使用環境下の温湿度の影響でアンテナ基板が伸縮する場合に、接続部30同士の間で歪が生じて当該歪の影響をアンテナ素子14aが受けることを抑制できる。したがって、通信性能が低下することを抑制できる。特に、接続部30がはんだの場合、加熱工程およびその後の冷却時に、接続部30同士の間で大きな歪が生じる。また、平面視における面積が互いに異なる2つのメタル層を有する場合、接続部30同士の間でさらに大きな歪が生じるが、このようなレイアウトを採用することで、当該歪の影響をアンテナ素子14aが受けることをさらに効果的に抑制できる。したがって、通信性能が低下することをさらに効果的に抑制できる。
【0035】
また、第1、第3実施形態のアンテナモジュール1A、1Cでは、平面視において、接続部30がアンテナ基板10の中央部にのみ位置している。このようなレイアウトを採用することで、使用環境下の温湿度の影響でアンテナ基板が伸縮する場合に、接続部30を中心としてアンテナ基板10が伸縮しても、アンテナ基板10の外周部が固定されていないため、アンテナ基板10に歪が残留することを抑制できる。したがって、アンテナ基板10の歪により通信性能が低下することを抑制できる。特に、接続部30がはんだの場合、加熱工程およびその後の冷却時に、接続部30を中心としてアンテナ基板10が大きく伸縮する。また、平面視における面積が互いに異なる2つのメタル層を有する場合、接続部30を中心としてアンテナ基板10がさらに大きく伸縮するが、アンテナ基板10の外周部が固定されていないため、アンテナ基板10に歪が残留することをさらに効果的に抑制できる。したがって、アンテナ基板10の歪により通信性能が低下することをさらに効果的に抑制できる。
【0036】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0037】
例えば、前記実施形態では、接続部30が複数のはんだ31により構成されていた。しかしながら、接続部30の材質ははんだでなくてもよい。アンテナ基板10と回路基板20とを接続する際に加熱を要する材質により接続部30が構成されていれば、上述の課題が生じうる。具体的な例として、接続部30は、導電性微粒子を含むペーストあるいはシートにより構成されていてもよい。この場合、
図1~
図6のはんだ31に代えて、導電性微粒子を含むペーストあるいはシートが配置される。ペーストとして樹脂を用いてもよい。
【0038】
また、前記実施形態では、アンテナ基板10の絶縁層11の材質として熱可塑性の液晶ポリマーあるいはフッ素系樹脂を挙げたが、絶縁層11として他の材質を採用してもよい。
【0039】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0040】
10…アンテナ基板 11…絶縁層 14…アンテナパターン(メタル層) 15…配線部(メタル層) 14a…アンテナ素子 20…回路基板 30…接続部 40…RFIC