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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021731
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】吸引ノズル装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 5/30 20060101AFI20220127BHJP
   A47L 9/04 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
A47L5/30 A
A47L9/04 A
A47L5/30 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020125504
(22)【出願日】2020-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000109325
【氏名又は名称】ツインバード工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 元輝
【テーマコード(参考)】
3B061
【Fターム(参考)】
3B061AA06
3B061AA44
3B061AD04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】回転清掃体を用いて被清掃面から掻き取った塵埃を効果的に吸込口に送ることができる吸引ノズル装置を提供すること。
【解決手段】回転清掃体収納室の長さ方向中央部に設けられた吸込口29を有するノズル本体と、軸部の一端側から他端側にかけて設けられる複数条のブラシ部33とを有する回転清掃体とを有し、ブラシ部33の一端側よりも他端側が回転方向Rに対して遅れるように設けられ、軸部の回転軸の軸方向が回転清掃体収納室の長さ方向と平行である吸引ノズル装置において、回転清掃体収納室の吸込口29の両側に、前記ブラシ部33の先端と接触する複数の第一リブ74と、複数の第二リブ75がそれぞれ設けられ、これら複数のリブ74,75が、回転方向Rの前側よりも後側が回転清掃体収納室の中央に向かって傾斜し、第一リブ74の傾斜角度が、第二リブ75の傾斜角度よりも小さい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル本体と回転清掃体とを有し、前記ノズル本体が、長さ方向を有する回転清掃体収納室と、この回転清掃体収納室の長さ方向中央部に設けられた吸込口とを有し、前記回転清掃体が、軸部と、この軸部の一端側から他端側にかけて設けられる複数条のブラシ部とを有し、これらのブラシ部が前記軸部の一端側よりも他端側が回転方向に対し遅れるように設けられ、前記軸部の軸方向が前記回転清掃体収納室の長さ方向と平行である吸引ノズル装置において、
前記回転清掃体収納室には、前記吸込口を挟んだ両側に前記ブラシ部と接触するリブがそれぞれ設けられ、これらのリブが、前記回転清掃体の回転方向前側よりも回転方向後側が前記回転清掃体収納室の中央に向かうように傾斜すると共に、
前記吸込口の一端側に設けられた第一リブの回転軸に対する角度が、前記吸込口の他端側に設けられた第二リブの回転軸に対する角度よりも小さいことを特徴とする吸引ノズル装置。
【請求項2】
前記第一リブと前記ブラシ部との交差角度が、前記第二リブと前記ブラシ部との交差角度と等しいことを特徴とする請求項1記載の吸引ノズル装置。
【請求項3】
前記第一リブよりも前記第二リブの数が多いことを特徴とする請求項1記載の吸引ノズル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に用いられる吸引ノズル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の吸引ノズル装置としては、吸込口を有する吸口本体(本願発明のノズル本体に相当する)と、この吸口本体内に設けられる回転清掃体とを有し、吸口本体内に前記回転清掃体の刷毛部材(本願発明のブラシ部に相当する)と接触する傾斜したリブを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような構成により、回転清掃体の刷毛部材がリブに接することで、刷毛部材に付着した塵埃を刷毛部材から取り除いて吸込口側に案内することができる。なお、前記リブは、吸込口の右側と左側とで傾斜の向きが逆になるが、その傾斜角度の絶対値が吸込口の右側と左側とで同じである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4801516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような吸引ノズル装置においては、一般的に、回転清掃体のブラシ部が、前記軸部の一端側よりも他端側が回転方向に対し遅れるように捻れて設けられる。即ち、吸込口を挟んで一端側と他端側では、ブラシ部とリブの交差角度が異なることになる。このため、吸込口を挟んで一端側と他端側では、塵埃の吸引能力に差が生じてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は以上の問題点を解決し、回転清掃体を用いて被清掃面から掻き取った塵埃を効果的に吸込口に送ることができる吸引ノズル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の吸引ノズル装置は、ノズル本体と回転清掃体とを有し、前記ノズル本体が、長さ方向を有する回転清掃体収納室と、この回転清掃体収納室の長さ方向中央部に設けられた吸込口とを有し、前記回転清掃体が、軸部と、この軸部の一端側から他端側にかけて設けられる複数条のブラシ部とを有し、これらのブラシ部が前記軸部の一端側よりも他端側が回転方向に対し遅れるように設けられ、前記軸部の軸方向が前記回転清掃体収納室の長さ方向と平行である吸引ノズル装置において、前記回転清掃体収納室には、前記吸込口を挟んだ両側に前記ブラシ部と接触するリブがそれぞれ設けられ、これらのリブが、前記回転清掃体の回転方向前側よりも回転方向後側が前記回転清掃体収納室の中央に向かうように傾斜すると共に、前記吸込口の一端側に設けられた第一リブの回転軸に対する角度が、前記吸込口の他端側に設けられた第二リブの回転軸に対する角度よりも小さいものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の吸引ノズル装置は、請求項1において、前記第一リブと前記ブラシ部との交差角度が、前記第二リブと前記ブラシ部との交差角度と等しいものである。
【0008】
更に、本発明の請求項3に記載の吸引ノズル装置は、請求項1において、前記第一リブよりも前記第二リブの数が多いものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に記載の吸引ノズル装置は、以上のように構成することにより、吸込口を挟んだ回転清掃体の一端側と他端側で、リブによるブラシ部からの塵埃の除去能力の差を小さくして、ブラシ部の一端側と他端側とで同様に塵埃を除去できるので、被清掃面から良好に塵埃を吸引除去することができる。
【0010】
なお、前記第一リブと前記ブラシ部との交差角度を、前記第二リブと前記ブラシ部との交差角度と等しくすることで、吸込口を挟んだ回転清掃体の一端側と他端側で、リブによるブラシ部からの塵埃の除去能力を同等にして、ブラシ部の一端側と他端側とで同様に塵埃を除去できるので、被清掃面からより良好に塵埃を吸引除去することができる。
【0011】
また、前記第一リブ数よりも前記第二リブの数を多くすることで、リブによるブラシ部からの塵埃の除去範囲の差を小さくして、ブラシ部から全体的に塵埃を除去できるので、被清掃面から良好に塵埃を吸引除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態を示す吸引ノズル装置の平面図である。
図2】同、底面図である。
図3】同、回転清掃体を取り外した状態における底面図である。
図4】同、回転清掃体の外観図であり、(a)は軸直方向から見た外観図、(b)はA-A拡大断面図である。
図5】同、吸引ノズル装置のB-B断面図である。
図6】同、リブとブラシ部との関係を示す説明図である。
図7】同、図6における一端側の拡大図である。
図8】同、図6における他端側の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図1乃至図8に基づいて説明する。なお、本実施形態における前後は、図1及び図2に基づいて規定される。即ち、図1における下側を前、上側を後とする。また、図2における上側を前、下側を後とする。また、図1及び図2の右側を右、左側を左とする。1は本発明の吸引ノズル装置である。この吸引ノズル装置1は、図示しない掃除機本体に対し、直接又は間接的に、着脱可能に取り付けられる。なお、前記吸引ノズル装置1は、掃除機本体と一体的に設けられても良い。
【0014】
前記吸引ノズル装置1は、ノズル本体2と回転清掃体3と関節部4と接続筒部5とを有して構成される。前記ノズル本体2は、左右方向が長手方向であり、前後方向が短手方向である。そして、このノズル本体2の下部前側には、左右方向に長く形成された吸込開口21が設けられる。また、前記ノズル本体2の後部中央には、後方及び上方が開放した切欠部22が形成される。そして、この切欠部22に、前記関節部4が揺動可能に取り付けられる。また、前記切欠部22の周囲には、後方に突出する突出部23が形成される。そして、この突出部23における前記切欠部22の左右には、それぞれボールキャスター24が下方に露出して設けられる。このボールキャスター24は、被清掃面である床面等に接する。なお、前記ボールキャスター24は、スムーズに動かすことができるように、内部に図示しないベアリング構造が設けられる。更に、前記吸込開口21の後方には、左右方向に長く形成されたブラシ25が設けられる。
【0015】
前記関節部4は、起伏部41と回動部42とを有する。前記起伏部41は、揺動筒部43と、連結管44と、接続部45とを有する。一方、前記回動部42は、接続部46と前記接続筒部5とを有する。この接続筒部5は、図示しない掃除機本体に対し着脱可能に接続される。前記揺動筒部43は、その回動軸が左右方向となるように、前記切欠部22において揺動可能に支持される。そして、前記揺動筒部43には、前記吸込口29と連通する連通口47が形成される。また、前記連結管44は、前記揺動筒部43の回動軸と交差する方向に延びて、前記揺動筒部43と一体に形成される。更に、前記接続部45には、前記回動部42の接続部46が回動可能に接続される。なお、前記回動部42の接続部46は、図5のように前記関節部4が直立した状態において、前記起伏部41の接続部45の前方に位置する。このように、前記回動部42の接続部46が前記起伏部41の接続部45の前方に位置するので、前記接続筒部5及びこれに接続された前記掃除機本体を前記接続筒部5の中心軸回りに捻ることで、前記ノズル本体2の向きを変えることができる。また、前記関節部4が直立した状態において、前記回動部42の接続部46が前記ノズル本体2の前後方向ほぼ中央に位置する。
【0016】
前記ノズル本体2の前部には下方が開放した回転清掃体収納室26が形成されており、この回転清掃体収納室26の開放部分が前記吸込開口21である。この回転清掃体収納室26は、左右方向に長さ方向を有する。そして、この回転清掃体収納室26の一端側である右側の端部には図示しない貫通孔が設けられ、この貫通孔内に駆動接続部27が設けられる。なお、この駆動接続部27は、図示しない駆動源によって回転させられる。一方、前記回転清掃体収納室26の他端側である左側の端部には、軸受支持部28が設けられる。また、前記回転清掃体収納室26の長さ方向中央部の後部には、吸込口29が設けられる。この吸込口29は、前記回転清掃体3の後方に位置し、前記連通口47によって前記起伏部41内の空洞48と連通する。そして、この空洞48は、前記回動部42内の空洞49と連通する。更に、前記回動部42内の空洞49は、前記接続筒部5を掃除機本体に接続することで、この掃除機本体の吸引経路と連通する。このように、前記吸引ノズル装置1の内部には、前記吸込開口21から前記吸込口29、連通口47、空洞48,49を経て前記接続筒部5の排出口51に至る吸引経路6が形成される。
【0017】
前記回転清掃体3は、軸部31を有する。この軸部31は、その一端から他端にかけて4条の取付溝32を有する。なお、これらの取付溝32は、前記軸部31の周方向に等間隔に形成される。また、前記各取付溝32は、前記軸部31の一端である右側よりも他端である左側が、前記回転清掃体3の回転方向Rに対し遅れるように、周方向に捻れて螺旋状に形成される。なお、回転方向Rは、図5において、左回り(反時計回り)である。本実施形態では、前記各取付溝32は、前記軸部31の一端から他端にかけて、周方向にπ/2捻れて形成される。なお、前記各取付溝32の捻れ角は、前記軸部31の一端から他端にかけて一定である。そして、前記各取付溝32には、それぞれブラシ部33が取り付けられる。即ち、前記ブラシ部33は、前記軸部31の一端である右側よりも他端である左側が、前記回転清掃体3の回転方向Rに対し遅れるように、前記軸部31の周方向に等間隔に4条設けられる。なお、前記軸部31の回転軸Xを中心として、この回転軸Xから前記各ブラシ部33の先端までの距離を半径とする仮想円筒面Cを定義し、この仮想円筒面Cを展開した際の前記回転軸Xに対する前記ブラシ部33の角度はθである。そして、この角度θは一定である。また、前記軸部31の一端側である右側には、前記駆動接続部27に対応して従動接続部34が設けられる。この従動接続部34と前記駆動接続部27は、カップリング構造を構成する。一方、前記軸部31の他端側である左側には、前記軸受支持部28に対応して軸受部35が設けられる。即ち、前記回転清掃体3が前記回転清掃体収納室26に取り付けられた状態で、図示しない駆動源からの駆動力が前記駆動接続部27を介して前記従動接続部34に伝わることで、前記回転清掃体3が前記回転清掃体収納室26内で回転する。前記駆動源は電動機であり、スイッチ36が被清掃面に接することで、電力が供給されて回転する。なお、本実施形態は、駆動源が電動機であるが、吸引気流により回転するタービンであっても構わない。そして、前記ブラシ部33は、前記ボールキャスター24よりもやや下方に突出する。即ち、前記ブラシ部33は、前記吸引ノズル装置1を被清掃面上に置いた状態で、この被清掃面に接触する。
【0018】
前記回転清掃体収納室26の後上部壁71には、第一リブ群72と第二リブ群73が設けられる。前記第一リブ群72は、前記吸込口29に対し、一端側(即ち右側)に位置する。一方、前記第二リブ群73は、前記吸込口29に対し、他端側(即ち左側)に位置する。即ち、前記第一リブ群72と第二リブ群73は、前記吸込口29を挟んで前記回転清掃体収納室26の両側に設けられる。そして、前記第一リブ群72と第二リブ群73は、前記吸込口29の幅程度の距離を隔てて設けられる。また、前記第一リブ群72及び第二リブ群73は、それぞれ前記吸込口29に対し前記回転清掃体3の回転方向Rの後方(即ち前記吸込口29よりも上方で且つ前方)に設けられる。なお、前記第一リブ群72を構成する複数の第一リブ74の高さは、前記回転清掃体3を前記回転清掃体収納室26に取り付けた際に、前記ブラシ部33の先端部が接触する程度の高さである。同様に、前記第二リブ群73を構成する複数の第二リブ75の高さは、前記回転清掃体3を前記回転清掃体収納室26に取り付けた際に、前記ブラシ部33の先端部が接触する程度の高さである。そして、前記第一リブ74の高さは、前記第二リブ75の高さと等しい。
【0019】
そして、前記第一リブ群72を構成する複数の第一リブ74は、前記回転清掃体3の回転方向Rの前側から後側に向かうに従って、(即ち、前記回転清掃体収納室26の後方から前方に向かうに従って、)前記回転清掃体収納室26の中央に向かうように傾斜する。同様に、前記第二リブ群73を構成する複数の第二リブ75も、前記回転清掃体3の回転方向Rの前側から後側に向かうに従って、(即ち、前記回転清掃体収納室26の後方から前方に向かうに従って、)前記回転清掃体収納室26の中央に向かうように傾斜する。そして、前記第一リブ74の前記回転軸Xに対する角度θは、前記第二リブ75の前記回転軸Xに対する角度θよりも小さい。このように、前記第一リブ74と回転軸Xのなす角度θが前記第二リブ75と回転軸Xのなす角度θよりも小さいことで、前記回転軸Xに対して傾斜して設けられた前記ブラシ部33と前記第一リブ74との交差角度θ(=θ+θ)と、前記ブラシ部33と前記第二リブ75との交差角度θ(=θ-θ)との差を小さくすることができる。なお、本実施形態の場合、θ=θである。更に、本実施形態の場合、前記第一リブ群72を構成する第一リブ74は5本(長4本と短1本)であり、前記第二リブ群73を構成する第二リブ75は6本(長6本)である。この結果、前記第一リブ群72の回転軸X方向の範囲は、前記第二リブ群73の回転軸X方向の範囲と同等である。
【0020】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず使用者は、本実施形態の吸引ノズル装置1の接続筒部5を、図示しない掃除機本体に接続する。なお、前記吸引ノズル装置1は、前記掃除機本体に対し、直接接続されても、延長管等を間に挟んで接続されてもよい。そして、前記掃除機本体に内蔵された電動送風機を作動させることで、前記吸引ノズル装置1の吸込開口21から前記吸引経路6を経由して前記掃除機本体に流れる吸引気流が形成される。そして、前記吸引ノズル装置1が床面等の被清掃面に置かれると、前記スイッチ36が押し上げられ、前記ノズル本体2に内蔵された駆動源である図示しない電動機が作動し、前記回転清掃体3が回転方向Rに回転する。なお、上述したように、回転方向Rは、図5において、左回り(反時計回り)である。即ち、前記回転軸Xよりも上方において、前記ブラシ部33は、前記回転清掃体収納室26内の後方から前方に向かって移動する。逆に、前記回転軸Xよりも下方において、前記ブラシ部33は、前記回転清掃体収納室26内の前方から後方に向かって移動する。このように前記回転清掃体3が回転することで、被清掃面上の塵埃Dが前記ブラシ部33によって後方に送られる。なお、前記仮想円筒面Cを展開した際の前記回転軸Xに対する前記ブラシ部33の角度がθとなるように、前記ブラシ部33が捻れて設けられるので、前記回転清掃体3の回転時に被清掃面と前記ブラシ部33との接触抵抗にムラが生じにくい。そして、このように前記ブラシ部33によって後方に送られた塵埃Dは、前記吸込口29から吸引経路6を経て前記掃除機本体内の集塵部に溜められる。
【0021】
なお、前記ブラシ部33には、塵埃Dが付着する虞がある。しかしながら、前述したように、前記ブラシ部33の先端が、前記回転清掃体収納室26の後上部壁71に形成された前記第一リブ群72又は第二リブ群73に接することで、図7及び図8に示すように、前記ブラシ部33に付着した塵埃Dが前記第一リブ74又は第二リブ75に沿って、前記回転清掃体3の中央に向かって移動する。そして、前記第一リブ74又は第二リブ75に沿って中央側に移動した塵埃Dは、前記回転清掃体3が1回転することで、それぞれ中央側に隣接する前記第一リブ74又は第二リブ75に沿って更に中央側に移動する。
【0022】
例えば、前記第一リブ群72の場合、最も外側(図7における右側)に位置する第一リブ74aに沿って中央側(前記吸込口29側、図7における左側)に移動した塵埃Dは、前記回転清掃体3が1回転すると、前記第一リブ74aよりも中央側に隣接する第一リブ74bに沿って、更に中央側に移動する。この後、塵埃Dは、第一リブ74c,74d,74eに沿って更に中央側に移動する。そして、最も中央側に位置する第一リブ74eに沿って中央側に移動した塵埃Dは、前記吸込口29から吸引される。
【0023】
同様に、前記第二リブ群73の場合、最も外側(図8における左側)に位置する第二リブ75aに沿って中央側(前記吸込口29側、図8における右側)に移動した塵埃Dは、前記回転清掃体3が1回転すると、前記第二リブ75aよりも中央側に隣接する第二リブ75bに沿って、更に中央側に移動する。この後、塵埃Dは、第二リブ75c,75d,75e,75fに沿って更に中央側に移動する。そして、最も中央側に位置する第二リブ75fに沿って中央側に移動した塵埃Dは、前記吸込口29から吸引される。
【0024】
このように、前記ブラシ部33に付着した塵埃Dが前記吸込口29側に送られて吸引されることで、前記ブラシ部33に塵埃Dが付着したままにならないようにすることができる。これは、塵埃Dが除去されたブラシ部33で被清掃面を掃くことになるので、被清掃面からの塵埃Dの除去能力を向上させることに繋がる。
【0025】
なお、前述した通り、前記仮想円筒面Cを展開すると、前記ブラシ部33は前記回転軸Xに対しθ傾斜する。このため、前記第一リブ74の前記回転軸Xに対する傾斜角θと前記第二リブ75の前記回転軸Xに対する傾斜角θが同じであれば、前記ブラシ部33と前記第一リブ74の交差角θ(=θ+θ)と、前記ブラシ部33と前記第二リブ75の交差角θ(=θ-θ)とが異なることになり、前記第一リブ群72と第二リブ群73による塵埃Dの除去能力が異なる虞がある。しかしながら、本実施形態では、交差角度θと交差角度θとを等しく(或いはそれらの差を小さく)するように、角度θを角度θよりも小さくしたので、前記第一リブ群72による前記ブラシ部33からの塵埃Dの除去能力と、前記第二リブ群73による前記ブラシ部33からの塵埃Dの除去能力とを同等にして、前記ブラシ部33の一端側と他端側とで同様に塵埃Dを除去できる。この結果、被清掃面から良好に塵埃Dを吸引除去することができる。
【0026】
更に、前記第一リブ群72を構成する第一リブ74の数よりも、前記第二リブ群73を構成する第二リブ75の数を多くすることで、前記第一リブ群72の回転軸X方向の範囲と前記第二リブ群73の回転軸X方向の範囲を同等にすることができる。これによって、前記第一リブ群72による前記ブラシ部33からの塵埃Dの除去範囲と、前記第二リブ群73による前記ブラシ部33からの塵埃Dの除去範囲との差を小さくして、前記ブラシ部33から全体的に塵埃Dを除去できる。この結果、被清掃面から良好に塵埃Dを吸引除去することができる。
【0027】
以上のように、本発明は、ノズル本体2と回転清掃体3とを有し、前記ノズル本体2が、長さ方向を有する回転清掃体収納室26と、この回転清掃体収納室26の長さ方向中央部に設けられた吸込口29とを有し、前記回転清掃体3が、軸部31と、この軸部31の一端側から他端側にかけて設けられる複数条のブラシ部33とを有し、これらのブラシ部33が前記軸部31の一端側よりも他端側が回転方向Rに対し遅れるように設けられ、前記軸部31の回転軸Xの軸方向が前記回転清掃体収納室26の長さ方向と平行である吸引ノズル装置1において、前記回転清掃体収納室26には、前記吸込口29を挟んだ両側に、前記ブラシ部33の先端部に接触する複数の第一リブ74からなる第一リブ群72と、複数の第二リブ75からなる第二リブ群73がそれぞれ設けられ、複数の前記リブ74,75が、前記回転清掃体3の回転方向Rの前側よりも回転方向Rの後側が前記回転清掃体収納室26の中央に向かうように傾斜すると共に、前記第一リブ74の回転軸Xに対する角度θが、前記第二リブ75の回転軸Xに対する角度θよりも小さいことにより、前記回転清掃体3の一端側と他端側で、リブ群72,73によるブラシ部33からの塵埃Dの除去能力の差を小さくして、ブラシ部33の一端側と他端側とで同様に塵埃Dを除去できるので、被清掃面から良好に塵埃Dを吸引除去することができるものである。
【0028】
また、本発明は、前記第一リブ74と前記ブラシ部33の交差角度θと、前記第二リブ75と前記ブラシ部33の交差角度θを等しくすることで、吸込口29を挟んだ回転清掃体3の一端側と他端側で、リブ群72,73によるブラシ部33からの塵埃Dの除去能力を同等にして、ブラシ部33の一端側と他端側とで同様に塵埃Dを除去できるので、被清掃面からより良好に塵埃Dを吸引除去することができるものである。
【0029】
更に、本発明は、前記第一リブ群72を構成する第一リブ74の数よりも、前記第二リブ群73を構成する第二リブ75の数を多くすることで、リブ群72,73によるブラシ部33からの塵埃Dの除去範囲の差を小さくして、ブラシ部33から全体的に塵埃Dを除去できるので、被清掃面から良好に塵埃Dを吸引除去することができるものである。
【0030】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施形態では、θ=θであるが、厳密に等しくなくても良い(θ≒θ)。また、上記実施形態では、リブを回転清掃体収納室の後上部壁にのみ設けたが、リブを回転清掃体の回転方向Rに沿ったより広い範囲に設けても良く、更には回転清掃体収納室における回転方向Rに沿った全域に設けても良い。この場合、回転清掃体収納室の回転軸X方向の幅やリブの傾斜角度θ,θの値によっては、リブの本数が複数ではなく単数で十分な場合もあり得る。
【符号の説明】
【0031】
1 吸引ノズル装置
2 ノズル本体
26 回転清掃体収納室
29 吸込口
3 回転清掃体
31 軸部
33 ブラシ部
72 第一リブ群
73 第二リブ群
74 第一リブ
75 第二リブ
D 塵埃
R 回転方向
X 回転軸
θ 回転軸Aに対するブラシ部33の角度
θ 第一リブ74と回転軸Xのなす角度
θ 第二リブ75と回転軸Xのなす角度
θ ブラシ部33と第一リブ74との交差角度
θ ブラシ部33と第二リブ75との交差角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8