(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021733
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】ドアシステム
(51)【国際特許分類】
B61D 19/02 20060101AFI20220127BHJP
E05F 15/40 20150101ALI20220127BHJP
E06B 7/36 20060101ALI20220127BHJP
E05F 15/60 20150101ALN20220127BHJP
【FI】
B61D19/02 T
B61D19/02 S
E05F15/40
E06B7/36 F
E05F15/60
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020125510
(22)【出願日】2020-07-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2020-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】520274530
【氏名又は名称】株式会社M.コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100136744
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 佳正
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】村上 知行
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA09
2E052CA05
2E052EA15
2E052EB01
2E052EC02
2E052GA03
2E052GB13
2E052GC01
2E052GC05
2E052GD09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ドア周辺のヒト(乗客等)にとって良好な環境をもたらすドアシステムを提供する。
【解決手段】ドアシステムは、第1戸先ローラ322aに対して接触及び離間を行うことで第1戸先ローラ322aの回転を選択的に規制する第1規制部材324aと、第2戸先ローラ322bに対して接触及び離間を行うことで第2戸先ローラ322bの回転を選択的に規制する第2規制部材324bと、第1規制部材324a及び第2規制部材324bの動作を制御する回転規制制御部とを有する。
【選択図】
図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接触して閉状態となり且つ互いに離間して開状態となる第1スライドドア及び第2スライドドアと、
前記第1スライドドア及び前記第2スライドドアをスライドさせる駆動手段と
を備えるドアシステムであって、
前記第1スライドドアは、前記第2スライドドアの戸先に面して設けられ且つ上下方向の第1回転軸を有する第1戸先ローラを備え、
前記第2スライドドアは、前記第1スライドドアの戸先に面して設けられて前記閉状態のとき前記第1戸先ローラと接触し且つ上下方向の第2回転軸を有する第2戸先ローラを備え、
前記ドアシステムは、
前記第1戸先ローラに対して接触及び離間を行うことで前記第1戸先ローラの回転を選択的に規制する第1規制部材と、
前記第2戸先ローラに対して接触及び離間を行うことで前記第2戸先ローラの回転を選択的に規制する第2規制部材と、
前記第1規制部材及び前記第2規制部材の動作を制御する回転規制制御部と
をさらに有する
ことを特徴とするドアシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のドアシステムにおいて、
前記ドアシステムは、
前記第1戸先ローラに対して上下方向の外側に位置して前記第1スライドドアの戸先側に設けられ且つ第1極性を有する第1電極板と、
前記第2戸先ローラに対して上下方向の外側に位置して前記第1電極板と対向するように前記第2スライドドアの戸先側に設けられ且つ前記第1極性と反対の第2極性を有する第2電極板と
を備えることを特徴とするドアシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のドアシステムにおいて、
前記ドアシステムは、
前記第1戸先ローラと前記第2戸先ローラの接触時の衝撃を前記第1スライドドア側で和らげる第1減衰部材と、
前記第1戸先ローラと前記第2戸先ローラの接触時の衝撃を前記第2スライドドア側で和らげる第2減衰部材と
を備えることを特徴とするドアシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のドアシステムにおいて、
前記ドアシステムは、
前記第1戸先ローラと前記第2戸先ローラとが接触して前記第1戸先ローラが前記第1スライドドアの根元側に変位したときに前記第1戸先ローラと摩擦接触する第1ストッパと、
前記第1戸先ローラと前記第2戸先ローラとが接触して前記第2戸先ローラが前記第2スライドドアの根元側に変位したときに前記第2戸先ローラと摩擦接触する第2ストッパと
を備えることを特徴とするドアシステム。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のドアシステムにおいて、
前記第1減衰部材及び前記第2減衰部材はアクティブサスペンションであり、
前記ドアシステムは、前記第1減衰部材及び前記第2減衰部材のダンピング力を制御するダンピング力制御部を備え、
前記ダンピング力制御部は、前記第1戸先ローラと前記第2戸先ローラが非接触のときの前記ダンピング力よりも、接触のときの前記ダンピング力を小さくする
ことを特徴とするドアシステム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のドアシステムにおいて、
前記回転規制制御部は、
前記第1スライドドアと前記第2スライドドアの閉動作中に、前記スライドドア間の距離が所定の範囲内にあるときは、前記第1規制部材及び前記第2規制部材を非作動として前記第1戸先ローラ及び前記第2戸先ローラの回転を許容し、
前記距離が所定の範囲外にあるときは、前記第1規制部材及び前記第2規制部材を作動させて前記第1戸先ローラ及び前記第2戸先ローラの回転を規制する
ことを特徴とするドアシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電車等で用いられる一対のスライドドアを備えるドアシステム等に関し、より詳細には、スライドドア間に異物等が挟まったときなどに対応可能なドアシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電車等では、一対のスライドドアを互いに接触及び離間させることで閉状態及び開状態を切り替えるドアシステム(戸閉装置)が用いられている。このようなドアシステムとしては、スライドドア毎にモータを設けるリニアモータ方式、1つのモータで両スライドドアを開閉するFPCM(Flat Cup Permanent Magnet Motor)方式等が存在する。
【0003】
図8A(a)は、従来技術に係るリニアモータ方式のドアシステム800の全閉状態を示す図であり、
図8A(b)は、従来技術に係るリニアモータ方式のドアシステム800の全開状態を示す図である。ドアシステム800では、(図中向かって)左ドア810a及び右ドア810bそれぞれにリニアモータ820a、820bが設けられる。
図8A(a)及び
図8A(b)に示すように、左ドア810a及び右ドア810bは、リニアモータ820a、820bの可動子822a、822bの変位に伴って開閉動作をする。
【0004】
図8B(a)は、従来技術に係るFPCM方式のドアシステム850の全閉状態を示す図であり、
図8B(b)は、従来技術に係るFPCM方式のドアシステム850の全開状態を示す図である。ドアシステム850では、ラックアンドピニオン構造(ピニオン870、並びに、上ラック880及び下ラック890)が設けられる。ピニオン870は、図示しない1つのモータの回転軸に連結されている。モータの回転に伴ってピニオン870が
図8B(a)の矢印A1の方向に回転すると、上ラック880は、
図8B(a)中、右側に向かって移動し(矢印A2)、下ラック890は、
図8B(a)中、左側に向かって移動する(矢印A3)。上ラック880は、第1連結具882を介して右ドア860bに連結され、下ラック890は、第2連結具892を介して左ドア860aに連結されている。従って、上ラック880が、
図8B(a)中、右側に向かって移動すると(矢印A2)、右ドア860bも同じ方向に移動する(矢印A4)。また、下ラック890が、
図8B(a)中、左側に向かって移動すると(矢印A3)、左ドア860aも同じ方向に移動する(矢印A5)。これにより、ドア860a、860bは開状態となる(全開状態として、
図8B(b))。一方、ドア860a、860bを閉状態にするときは、モータによってピニオン870を逆回転させて、上ラック880及び右ドア860b並びに下ラック890及び左ドア860aを、
図8B(a)の各矢印とは逆方向に、それぞれ移動させる。
【0005】
また、従来の乗客輸送用の車両扉において、乗客の指や手が車両の戸袋に引き込まれる指詰めを確実に防止することができる指詰防止技術が提案されている(特許文献1)。すわなち、特許文献1には、車両扉の戸袋の車両内部における縁部に沿って縦方向に延びる縦ローラを配置し、扉が開方向に移動するとき前記縦ローラが扉の移動方向とは反対方向に回転駆動されるようにしたことを特徴とする車両扉における指詰防止装置が開示されている。
【0006】
また、もしドアに手や物などが挟まってしまった場合でも、簡単に抜くことができるドア技術が提案されている(特許文献2)。すなわち、特許文献2には、横にスライドして開閉するドアにおいて、手や物などが挟まれた時、引っ張ると簡単に抜ける事ができるよう、緩衝部分を回転ローラにした、挟まれ事故防止ドアが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000-159102号公報
【特許文献2】実用新案登録第3168051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ドアの先端部分に設けたローラを用いた構成においても、そのようなローラの構造には改善の余地がある。例えば、特許文献1及び特許文献2のローラは、ドアの開閉状態にかかわらず常に回転が可能となっており、ドア周辺のヒト(乗客等)にとって必ずしも利便性に優れているとは言えない。
【0009】
本発明は、上記のような課題を考慮したものであり、ドア周辺のヒト(乗客等)にとってさらに良好な環境をもたらすドアシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明の一実施形態にかかるドアシステムは、互いに接触して閉状態となり且つ互いに離間して開状態となる第1スライドドア及び第2スライドドアと、前記第1スライドドア及び前記第2スライドドアをスライドさせる駆動手段とを備えるものであって、前記第1スライドドアは、前記第2スライドドアの戸先に面して設けられ且つ上下方向の第1回転軸を有する第1戸先ローラを備え、前記第2スライドドアは、前記第1スライドドアの戸先に面して設けられて前記閉状態のとき前記第1戸先ローラと接触し且つ上下方向の第2回転軸を有する第2戸先ローラを備え、前記ドアシステムは、前記第1戸先ローラに対して接触及び離間を行うことで前記第1戸先ローラの回転を選択的に規制する第1規制部材と、前記第2戸先ローラに対して接触及び離間を行うことで前記第2戸先ローラの回転を選択的に規制する第2規制部材と、前記第1規制部材及び前記第2規制部材の動作を制御する回転規制制御部とをさらに有することを特徴とする。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、第1・第2スライドドアが閉動作に際し、第1・第2戸先ローラが互いに接触する。例えば、閉動作の最中に第1・第2規制部材により第1・第2戸先ローラを回転可とすれば、第1・第2スライドドア間に何かが挟まったときに取出しが容易となる。また、第1・第2スライドドアが例えば全閉状態又は全開状態のとき、第1・第2規制部材により第1・第2戸先ローラを回転不可とすれば、第1・第2戸先ローラの余計な回転を防止可能となる。
【0012】
前記ドアシステムは、前記第1戸先ローラに対して上下方向の外側に位置して前記第1スライドドアの戸先側に設けられ且つ第1極性を有する第1電極板と、前記第2戸先ローラに対して上下方向の外側に位置して前記第1電極板と対向するように前記第2スライドドアの戸先側に設けられ且つ前記第1極性と反対の第2極性を有する第2電極板とを備えてもよい。
【0013】
これにより、第1・第2スライドドアには、互いに極性が異なる第1・第2電極板が対向配置される。従って、第1・第2スライドドアの閉状態を強固にすることが可能となる。なお、第1・第2電極板は、上下方向において、第1・第2戸先ローラの外側に位置しているため、第1・第2戸先ローラに位置的に干渉することはない。
【0014】
前記ドアシステムは、前記第1戸先ローラと前記第2戸先ローラの接触時の衝撃を前記第1スライドドア側で和らげる第1減衰部材と、前記第1戸先ローラと前記第2戸先ローラの接触時の衝撃を前記第2スライドドア側で和らげる第2減衰部材とを備えてもよい。
【0015】
これにより、第1・第2スライドドアが閉状態となったときに第1・第2戸先ローラ間に発生する衝撃を第1・第2減衰部材により和らげることが可能となる。従って、第1・第2戸先ローラ間に挟まったものを保護することができる。
【0016】
前記ドアシステムは、前記第1戸先ローラと前記第2戸先ローラとが接触して前記第1戸先ローラが前記第1スライドドアの根元側に変位したときに前記第1戸先ローラと摩擦接触する第1ストッパと、前記第1戸先ローラと前記第2戸先ローラとが接触して前記第2戸先ローラが前記第2スライドドアの根元側に変位したときに前記第2戸先ローラと摩擦接触する第2ストッパとを備えてもよい。
【0017】
これにより、第1・第2戸先ローラが接触して第1戸先ローラが第1スライドドアの根元側に変位したとき、第1戸先ローラと第1ストッパが摩擦接触することで、第1戸先ローラの不要な回転を抑制することが可能となる。同様に、第1・第2戸先ローラが接触して第2戸先ローラが第2スライドドアの根元側に変位したとき、第2戸先ローラと第2ストッパが摩擦接触することで、第2戸先ローラの不要な回転を抑制することが可能となる。
【0018】
前記第1減衰部材及び前記第2減衰部材はアクティブサスペンションとしてもよい。その場合、前記ドアシステムは、前記第1減衰部材及び前記第2減衰部材のダンピング力を制御するダンピング力制御部を備えてもよい。また、前記ダンピング力制御部は、前記第1戸先ローラと前記第2戸先ローラが非接触のときの前記ダンピング力よりも、接触のときの前記ダンピング力を小さくしてもよい。
【0019】
これにより、第1・第2戸先ローラの接触時には、第1・第2減衰部材を相対的に柔らかくし、第1・第2戸先ローラの衝突の衝撃を和らげることが可能となる。加えて、第1・第2ストッパを設ける場合、第1・第2戸先ローラの押込みを容易化することで第1・第2戸先ローラと第1・第2ストッパの接触を容易化することが可能となる。また、第1・第2戸先ローラの非接触時には、第1・第2減衰部材を相対的に固くし、第1・第2戸先ローラを回転し易くし、第1・第2戸先ローラ間に何かが挟まったときに取り出し易くすると共に、第1・第2戸先ローラの不要な揺れを抑制することが可能となる。
【0020】
前記回転規制制御部は、前記第1スライドドアと前記第2スライドドアの閉動作中に、前記スライドドア間の距離が所定の範囲内にあるときは、前記第1規制部材及び前記第2規制部材を非作動として前記第1戸先ローラ及び前記第2戸先ローラの回転を許容してもよい。また、前記回転規制制御部は、前記距離が所定の範囲外にあるときは、前記第1規制部材及び前記第2規制部材を作動させて前記第1戸先ローラ及び前記第2戸先ローラの回転を規制してもよい。これにより、第1・第2スライドドアの閉動作終了後(換言すると、第1・第2戸先ローラの回転が不要であるとき)は、第1・第2戸先ローラの不要な回転を抑制することが可能となる。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、ドア周辺のヒト(乗客等)にとってさらに良好な環境をもたらすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係るドアシステムを備える鉄道列車を模式的に示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るドアシステムを作動させるための周辺装置等を概念的に示す機能ブロック図である。
【
図3A】本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例1に係るドア対の一部を示す正面図である。
【
図3B】
図3B(a)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例1に係るドア対の一部の第1状態(全開状態、あるいは、全開状態から全閉状態へ向かう途中状態)を模式的に示す水平断面図であり、
図3B(b)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例1に係るドア対の一部の第2状態(移行状態)を模式的に示す水平断面図であり、
図3B(c)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例1に係るドア対の一部の第3状態(全閉状態)を模式的に示す水平断面図である。
【
図3C】
図3C(a)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムで利用可能な第1例としての第1規制部材が非作動状態(開状態)であるときを模式的に示す平面図であり、
図3C(b)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムで利用可能な第1例としての第1規制部材が作動状態(閉状態)であるときを模式的に示す平面図である。
【
図3D】
図3D(a)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムで利用可能な第2例としての第1規制部材が非作動状態(開状態)であるときを模式的に示す平面図であり、
図3D(b)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムで利用可能な第2例としての第1規制部材が作動状態(閉状態)であるときを模式的に示す平面図である。
【
図4】
図4(a)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例2に係るドア対の一部の第1状態(全開状態、あるいは、全開状態から全閉状態へ向かう途中状態)を模式的に示す水平断面図であり、
図4(b)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例2に係るドア対の一部の第2状態(移行状態)を模式的に示す水平断面図であり、
図4(c)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例2に係るドア対の一部の第3状態(全閉状態)を模式的に示す水平断面図である。
【
図5】
図5(a)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例3に係るドア対の一部の第1状態(全開状態、あるいは、全開状態から全閉状態へ向かう途中状態)を模式的に示す水平断面図であり、
図5(b)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例3に係るドア対の一部の第2状態(移行状態)を模式的に示す水平断面図であり、
図5(c)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例3に係るドア対の一部の第3状態(全閉状態)を模式的に示す水平断面図である。
【
図6】
図6(a)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例4に係るドア対の一部の第1状態(全開状態、あるいは、全開状態から全閉状態へ向かう途中状態)を模式的に示す水平断面図であり、
図6(b)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例4に係るドア対の一部の第2状態(移行状態)を模式的に示す水平断面図であり、
図6(c)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例4に係るドア対の一部の第3状態(全閉状態)を模式的に示す水平断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける変形例に係る左スライドドアの一部を模式的に示す水平断面図である。
【
図8A】
図8A(a)は、従来技術に係るリニアモータ方式のドアシステムの全閉状態を示す図であり、
図8A(b)は、従来技術に係るリニアモータ方式のドアシステムの全開状態を示す図である。
【
図8B】
図8B(a)は、従来技術に係るFPCM方式のドアシステムの全閉状態を示す図であり、
図8B(b)は、従来技術に係るFPCM方式のドアシステムの全開状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態にかかるドアシステム等について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明にかかる以下の実施形態は、説明の便宜上、鉄道車両を例にとって説明したが、本発明はこれに制限されるものではなく、発明の趣旨に照らして不合理でない限り、モノレール、ロープウェー、駅のホームドア、エレベータ等の他の車両や他の装置にも適用できる。
【0024】
[鉄道列車の全体構成]
図1に、本発明の一実施形態に係るドアシステム110を適用した鉄道列車100を模式的に示す。鉄道列車100は、全てを図示しない複数の鉄道車両102(以下「車両102」ともいう。)を含む。
図1では、1台の車両102のみを示しているが、鉄道列車100には図示しない別の車両も含まれる。
【0025】
図1に示すように、ドアシステム110は、一実施形態において、ドア対130と、ドア駆動装置140と、ドア制御装置150と、通信線160とを有する。運転台120は、鉄道列車100全体を運転するための部位であり、図示しないアクセル操作子、ブレーキ操作子等を含む。一実施形態において、運転台120には、ドア対130の開閉を制御するドアスイッチ(図示せず)も含まれる。また、他の実施形態においては、ドア対130の開閉を制御するスイッチは自動化されており、このスイッチ機構は、運転台120、ドア制御装置150、あるいは図示しない他の装置に実装されることもある。この意味において、運転台120は、必ずしもドアシステム110の必須の構成ではない。
【0026】
ドア対130は、車両102の両側面に複数設けられ、それぞれが左スライドドア132a及び右スライドドア132b(以下「スライドドア132a、132b」、「左右ドア132a、132b」又は「ドア132a、132b」ともいう。)を含む。ドア駆動装置140(駆動手段)は、ドア132a、132bをスライドさせてドア132a、132bを開閉する装置である。ドア駆動装置140には、これらに限定されるものではないが、例えば、
図8A(a)及び
図8A(b)に示されるリニアモータ方式のドア駆動機構や、
図8B(a)及び
図8B(b)に示されるFPCM方式のドア駆動機構が採用されうる。また、他の公知のドア駆動装置が採用されてもよい。ドア対130やドア駆動装置140のさらなる詳細については、
図3A等を参照して後述する。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおけるドア制御装置150及びその周辺装置等を模式的に示す。
図2に示すように、ドア制御装置150は、ドアセンサ151と、制御部152と、記憶部153と、報知部154とを有する。ドアセンサ151は、本発明の一実施形態において、後述する第1電極版326a及び第2電極板326bの接触を、電極板326a及び326bの接触に伴う電流の変化により検出する。電極板326a及び326bの接触の検出に加えて、又はこれに代えて、ドアセンサ151は、ドア132a及び132b間の距離D(左右ドアの開き幅である)を検出するよう構成されてもよい。
【0028】
制御部152は、ドア132a、132b及びその周辺装置等を制御する。一実施形態において、制御部152は、ドア駆動装置140に対してドア開閉信号を送信してドア132a、132bの開閉動作を制御するドア開閉制御を実行するドア開閉制御部としての機能を有する。また、一実施形態において、制御部152は、後述する第1規制部材及び第2規制部材の動作を制御するローラ回転規制制御を実行する回転規制制御部としての機能を有する。記憶部153は、制御部152の動作に必要なプログラム及びデータを記憶すると共に、制御部152の動作中に一時的な記憶領域として機能する。報知部154は、周囲のヒト(乗客等)に対して視覚又は聴覚による報知機能を有し、例えば、ドア132a、132bの上方に配置された表示器を含む。通信線160は、運転台120と、各車両102の各ドア制御装置150とを結ぶ電気ケーブルであり、運転台120と各ドア制御装置150との間で信号を伝搬する。なお、通信線160の一部は、無線としてもよい。
【0029】
[実施例1に係るドア対300]
図3Aは、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例1に係るドア対300の一部を示す正面図である。
図3B(a)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例1に係るドア対300の一部の第1状態(全開状態、あるいは、全開状態から全閉状態へ向かう途中状態)を模式的に示す水平断面図である。
図3B(b)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例1に係るドア対300の一部の第2状態(移行状態)を模式的に示す水平断面図である。
図3B(c)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例1に係るドア対300の一部の第3状態(全閉状態)を模式的に示す水平断面図である。
図3B(a)から(c)へ向かう様子は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおけるドア対300が、全開状態(あるいは全開状態から全閉状態へ向かう途中状態)から全閉状態へ向かってドアを閉めていく様子を例示している(
図3C~
図6についても同様である)。
【0030】
ドア対300は、左スライドドア310a及び右スライドドア310bを含む。ドア310a、310bは、互いに接触して閉状態となり且つ互いに離間して開状態となる。
図3A、
図3B(a)等に示すように、左ドア310aは、ドア本体320aと、第1戸先ローラ322aと、第1規制部材324aと、第1電極板326aと、第1減衰部材328aと、第1ストッパ330aとを有する。
【0031】
第1戸先ローラ322a(以下「戸先ローラ322a」又は「ローラ322a」ともいう。)は、右スライドドア310bの戸先に面して設けられ、上下方向の回転軸332a(第1回転軸)を有する(
図3B(a)等参照)。第1規制部材324a(以下「規制部材324a」ともいう。)は、制御部152(
図1及び
図2)からの指令信号に基づいて、第1戸先ローラ322a(の回転軸332a)に対して接触動作及び離間動作を行うことで第1戸先ローラ322aの回転を選択的に規制する。第1規制部材324a等の具体的な構成例は、
図3C(a)、
図3C(b)、
図3D(a)、
図3D(b)を参照して後述する。
【0032】
第1電極板326a(以下「電極板326a」ともいう。)は、第1戸先ローラ322aに対して上下方向の外側に位置して(
図3Aの例では、第1戸先ローラ322aの上外側に位置して)左ドア310aの戸先側に設けられる。第1電極板326aの先端部は、第1極性(例えばN極)を有する。
【0033】
第1減衰部材328aは、第1戸先ローラ322aと第2戸先ローラ322bの接触時の衝撃を左ドア310a側で和らげる。実施例1において、第1減衰部材328aは、コイルばねである。第1減衰部材328aがあることで、ローラ322a、322bの接触時にローラ322aがドア本体320aに対して押込み動作をすることができる。この押込み動作の幅は、一例として、1mm~十数mm程度である。第1ストッパ330aは、第1戸先ローラ322aと第2戸先ローラ322bとが接触して第1戸先ローラ322aが左ドア310aの根元側に変位したときに第1戸先ローラ322aと摩擦接触する(
図3B(c))。第1ストッパ330aは、ドア本体320aの先端側(右ドア310bに面する側)の凹部面として構成される。なお、
図3A及び
図3B(a)~
図3B(c)の例では、第1規制部材324aが存在するため、第1減衰部材328a及び第1ストッパ330aを省略することもできる。
図3A及び
図3B(a)~
図3B(c)の例では、第1規制部材324a、第1減衰部材328a及び第1ストッパ330aを有する構成となっているため、第1戸先ローラ322aの回転抑止力は一層高いものとなっている。
【0034】
右ドア310bは、左ドア310aと同様の構成を有する。すなわち、右ドア310bは、ドア本体320bと、第2戸先ローラ322bと、第2規制部材324bと、第2電極板326bと、第2減衰部材328bと、第2ストッパ330bとを有する。
【0035】
第2戸先ローラ322b(以下「戸先ローラ322b」ともいう。)は、左ドア310aの戸先に面して設けられ、閉状態のとき第1戸先ローラ322aと接触する(
図3B(b)及び
図3B(c))。第2戸先ローラ322bは、上下方向の回転軸332b(第2回転軸)を有する(
図3B(a)等)。第2規制部材324b(以下「規制部材324b」ともいう。)は、制御部152(
図1及び
図2)からの指令信号に基づいて、第2戸先ローラ322b(の回転軸332b)に対して接触動作及び離間動作を行うことで第2戸先ローラ322bの回転を選択的に規制する。
【0036】
第2電極板326b(以下「電極板326b」ともいう。)は、第2戸先ローラ322bに対して上下方向の外側に位置して(
図3Aの例では第2戸先ローラ322bの上外側に位置して)右ドア310bの戸先側に設けられる。第2電極板326bの先端部は、第1電極板326aの先端部の第1極性(例えばN極)とは反対の第2極性(例えばS極)を有する。このため、電極板326a、326bが互いに接近すると、互いに引き寄せ合う。
【0037】
第2減衰部材328bは、第1戸先ローラ322aと第2戸先ローラ322bの接触時の衝撃を右ドア310b側で和らげる。実施例1において、第2減衰部材328bは、コイルばねである。第2減衰部材328bがあることで、ローラ322a、322bの接触時にローラ322bがドア本体320bに対して押込み動作をすることができる。この押込み動作の幅は、一例として、1mm~十数mm程度である。第2ストッパ330bは、第1戸先ローラ322aと第2戸先ローラ322bとが接触して第2戸先ローラ322bが右ドア310bの根元側に変位したときに第2戸先ローラ322bと摩擦接触する(
図3B(c))。第2ストッパ330bは、ドア本体320bの先端側(左ドア310aに面する側)の凹部面として構成される。なお、
図3A及び
図3B(a)~
図3B(c)の例では、第2規制部材324bが存在するため、第2減衰部材328b及び第2ストッパ330bを省略することもできる。
【0038】
[実施例1で利用可能な第1規制部材324a・第2規制部材324bの例]
図3C(a)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムで利用可能な第1例としての第1規制部材324aが非作動状態(開状態)であるときを模式的に示す平面図である。
図3C(b)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムで利用可能な第1例としての第1規制部材324aが作動状態(閉状態)であるときを模式的に示す平面図である。
図3C(a)及び
図3C(b)に示す第1例の第1規制部材324aの構成は、第2規制部材324bにも同様に適用可能である。
図3C(a)及び
図3C(b)に示すように、第1例の第1規制部材324aは、第1戸先ローラ322aの軸部332aを挟むことが可能な第1ハンド部350a及び第2ハンド部350b(以下「ハンド部350a、350b」ともいう。)を有する。ハンド部350a、350bは、それぞれ中央ゴム352と、磁石354とを有する。中央ゴム352のうち軸部332aに接する側の面には、軸部332aの形状に合わせた凹部を形成してもよい。このような凹部形成により、上下の中央ゴム352は、軸部332aをより大きな接触面積で挟み込むことができ、軸部332aの回転抑止力が高まる。
また、磁石354は、中央ゴム352の両脇に配置され、中央ゴム352よりも軸部332a側に突出している。磁石354は、永久磁石であるが、電磁石で構成してもよい。軸部332aを挟んで対向する磁石354の極性は互いに反対である。
【0039】
ハンド部350a及び350bは、図示しないアクチュエータ(ハンド部アクチュエータ)により軸部332aに対して挟み込み可能である。
図3C(a)に示すように、第1規制部材324aが非作動状態であるとき、ハンド部350a及び350bは軸部332aから離間し、開状態となる。この状態では、ローラ322aは、回転自在である。一方、
図3C(b)に示すように、第1規制部材324aが作動状態であるとき、ハンド部350a及び350bは軸部332aを挟み込むことにより接触(摩擦接触)し、閉状態となる。この状態では、ローラ322aは、回転が規制される。なお、各ハンド部350a及び350bの両脇にはそれぞれ磁石354が設けられているため、閉状態におけるローラ322aの回転規制をより強固にすることができる。また、ローラ322aが例えば金属製である場合、軸部332aにおけるハンド部350a及び350bによって挟み込まれる部分には、その周囲にゴム(軸被覆ゴム)を接着あるいは固着等するなど、ずれないような方法で取り付けてもよい。そのような軸被覆ゴムを設けることで、ハンド部350a及び350bと中央ゴム352との摩擦を大きくすることができ、閉状態におけるローラ322aの回転規制をより強固にすることができる。
【0040】
図3D(a)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムで利用可能な第2例としての第1規制部材324aが非作動状態(開状態)であるときを模式的に示す平面図である。
図3D(b)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムで利用可能な第2例としての第1規制部材324aが作動状態(閉状態)であるときを模式的に示す平面図である。
図3D(a)及び
図3D(b)に示す第2例の第1規制部材324aの構成は、第2規制部材324bにも同様に適用可能である。
【0041】
図3D(a)及び
図3D(b)に示すように、第2例の第1規制部材324aは、第1戸先ローラ322aの軸部332aを挟むことが可能な第1ハンド部360a及び第2ハンド部360b(以下「ハンド部360a、360b」ともいう。)を有する。ハンド部360a及び360bは、それぞれ、ハンド部本体362と制止爪364とを有する。図中、制止爪364の数はハンド部本体につき2つずつ設けられているが、本発明はこれに制限されるものではない。1つであったり、3つ以上の爪を設けたりすることもできる。第1戸先ローラ322aの軸部332aには、歯車370が固定取付けされている。
一実施形態において、ハンド部本体362は、軸部332a(歯車370)に向かって凹部を有する形状をしている。制止爪364は、ハンド部本体362における軸部332a(歯車370)側の面に設けられ軸部332a(歯車370に)向かって突出している。
【0042】
ハンド部360a及び360bは、図示しないアクチュエータ(ハンド部アクチュエータ)により軸部332a(歯車370)に対して挟み込み可能である。
図3D(a)に示すように、第1規制部材324aが非作動状態であるとき、ハンド部360a及び360bは軸部332aから離間し、開状態となる。この状態では、制止爪364が歯車370と噛み合わないため、ローラ322aは回転自在である。一方、
図3D(b)に示すように、第1規制部材324aが作動状態であるとき、ハンド部360a及び360bは軸部332aを挟み込むことにより接触し、閉状態となる。この状態では、制止爪364が歯車370と噛み合うため、ローラ322aは回転が規制される。この構成によれば、制止爪の数や、制止爪と歯車と噛み合わせの深さの設計にもよるが、ローラ322a、322bが接触してからの押込み(又はローラ322a、322bとストッパ330a、330bとの摩擦接触)がなくても、ローラ322a、322bは強固に固定されることができる(一方で、ストッパとの摩擦接触との併用を除外するものではない)。
【0043】
[実施例1のドア対300の制御]
上記のように、実施例1では、ドア駆動装置140(
図1)を介してドア310a及び310bの開閉動作(スライド動作)を制御するドア開閉制御が実行される。本発明の一実施形態において、ドア開閉制御は、次のように行われる。すなわち、運転者が運転台120のドアスイッチ(図示せず)で「開」操作を行うと、通信線160を介して開信号が各ドア制御装置150に送信される。開信号を受信した各ドア制御装置150の制御部152は、ドア駆動装置140を介してドア310a、310bを開く。また、運転者が運転台120のドアスイッチで「閉」操作を行うと、通信線160を介して閉信号が各ドア制御装置150に送信される。閉信号を受信した各ドア制御装置150の制御部152は、ドア駆動装置140を介してドア310a、310bを閉じる。ドアスイッチの開閉操作は、図示しないセンサによる自動作動であってもよい。
【0044】
ドア310a及び310bを閉じる際、制御部152は、電極板326a及び326bの接触(
図3B(b)の状態)を、ドアセンサ151の出力に基づいて判定する。そして、電極板326a及び326bの接触が検出された場合、制御部152は、ドア310a及び310bをさらに接近させるように(あるいは、さらに押し込むように)制御し、ローラ322a、322bをストッパ330a、330bにそれぞれ接触させる(
図3B(c)の状態)。
【0045】
また、実施例1では、第1規制部材324a及び第2規制部材324b(
図3B(a)等)の動作を介してローラ322a、322bの回転を規制するローラ回転規制制御が実行される。ローラ回転規制制御は、一例として、次のように行われる。
すなわち、本発明の一実施形態において、制御部152は、ドア310a及び310bを「閉じる」とき、ローラ322a、322bがストッパ330a、330bにそれぞれ接触するまでは、第1規制部材324a及び第2規制部材324bを非作動として第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322bの回転を許容する(
図3B(a)及び
図3B(b))。そして、ローラ322a、322bがストッパ330a、330bに接触すると、制御部152は、第1規制部材324a及び第2規制部材324bを作動させて第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322bの回転を規制する。
【0046】
あるいは、本発明の一実施形態において、制御部152は、ドア310a及び310bを「閉じる」とき、左ドア310aと右ドア310bとの距離D(左右ドアの開き幅)に応じて、第1規制部材324a及び第2規制部材324bの作動/非作動制御をすることができる。すなわち、左ドア310aと右ドア310bとの距離Dが所定の範囲内のとき、第1規制部材324a及び第2規制部材324bを非作動として第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322bの回転を許容する(
図3B(a)及び
図3B(b))。このとき、距離Dの「所定の範囲」は、一実施形態において、0cm~30cm程度を採用することができる。もちろん、他の実施形態においては、0cm~50cmや0cm~60cmなど、状況に応じて任意の範囲を設定することができる。
【0047】
なお、
図3B(b)に示すように、ローラ322a及び322bが互いに接触していても、ローラ322a、322bがストッパ330a、330bとそれぞれ接触していない場合、第1規制部材324a及び第2規制部材324bを非作動として、ローラ322a及び322bの回転を許容することができる。
【0048】
このように、左右のドア間距離が所定範囲にあるときに、第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322bの回転を許容することで、ドアの締まり際における異物の挟み込みがあっても戸先ローラの回転によって挟み込んだ異物を容易に取り外すことができ、所々の挟み込みトラブルを防止することができる。
【0049】
また、ドア310a及び310bを「閉じる」とき、ドア310aと310bとの距離Dが所定の範囲外であるときは、第1規制部材324a及び第2規制部材324bを作動させて第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322bの回転を規制することができる。
【0050】
なお、
図3B(b)に示すように、ローラ322a及び322bが互いに接触していても、ローラ322a、322bがストッパ330a、330bとそれぞれ接触していない場合には、第1規制部材324a及び第2規制部材324bを非作動として、ローラ322a及び322bの回転を許容することができる。
このように、左右のドア間距離が所定の範囲外にあるときに、第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322bの回転を規制することで、ドアの締まり際以外におけるローラの不用意な回転による事故等を防止することができる。
【0051】
また、図示していないが、本発明の一実施形態においては、ドア310a及び310bを「開く」際には、ドア310aと310bとの距離Dにかかわらず、制御部152は、第1規制部材324a及び第2規制部材324bを作動させて、第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322bの回転を常に規制するよう制御ことができる。このように、左右のドアを開く際には、第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322bの回転を常時規制することで、ローラの不用意な回転による事故等を防止する。
【0052】
また、本発明の他の実施形態において、上述したローラの不用意な回転による事故等が想定されない場合には、ドア310a及び310bを開く際においても、ドア310a及び310bを閉じるときと同様、ドア310aと310bとの距離Dに応じて、第1規制部材324a及び第2規制部材324bの作動/不作動制御をすることもできる。本発明の実施に際しては、左右のドアを閉じるときと開くときとで、第1規制部材324a及び第2規制部材324bの挙動を一致させる必要はない。
【0053】
[実施例1のドア対300にかかる効果]
以上のような実施例1のドア対300によれば、左右ドア310a及び310b(第1・第2スライドドア)が閉動作に際し、第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322bが互いに接触する(
図3B(b))。この閉動作の最中に第1・第2規制部材324a、324bにより第1・第2戸先ローラ322a、322bを回転可とすることで、ドア310a、310b間に何かが挟まったときに取出しが容易となる。また、ドア310a、310bが全閉状態又は全開状態のとき(
図3B(a)、
図3B(c))、第1規制部材324a及び第2規制部材324bにより第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322bを回転不可に制御することで、第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322bの余計な回転を防止することができる。
【0054】
実施例1のドアシステム110は、第1戸先ローラ322aに対して上下方向の外側に位置して左ドア310aの戸先側に設けられ且つ第1極性を有する第1電極板326aと、第2戸先ローラ322bに対して上下方向の外側に位置して第1電極板326aと対向するように右ドア310bの戸先側に設けられ且つ第1極性と反対の第2極性を有する第2電極板326bとを備える(
図3A、
図3B(a)等)。これにより、ドア310a、310bには、互いに極性が異なる第1・第2電極板326a、326bが対向配置される。従って、ドア310a、310bの閉状態を確実に検知することが可能となる。
【0055】
実施例1のドアシステム110は、第1戸先ローラ322aと第2戸先ローラ322bとの接触時の衝撃を左ドア310a側で和らげる第1減衰部材328aと、同衝撃を右ドア310b側で和らげる第2減衰部材328bとを備える(
図3B(a)等)。これにより、ドア310a及び310bが閉状態となったときに第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322b間に発生する衝撃を第1減衰部材328a及び第2減衰部材328bにより和らげることが可能となる。従って、第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322b間に挟まったものを保護することができる。
【0056】
実施例1のドアシステム110は、第1戸先ローラ322aと第2戸先ローラ322bとが接触して第1戸先ローラ322aが左ドア310aの根元側に変位したときに第1戸先ローラ322aと摩擦接触する第1ストッパ330aと、第1戸先ローラ322aと第2戸先ローラ322bとが接触して第2戸先ローラ322bが右ドア310bの根元側に変位したときに第2戸先ローラ322bと摩擦接触する第2ストッパ330bとを備える(
図3B(a)等)。これにより、第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322bが接触して第1戸先ローラ322aが左ドア310aの根元側に変位したとき、第1戸先ローラ322aと第1ストッパ330aとが摩擦接触することで、第1戸先ローラ322aの回転を抑制することが可能となる。同様に、第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322bが接触して第2戸先ローラ322bが右ドア310bの根元側に変位したとき、第2戸先ローラ322bと第2ストッパ330bとが摩擦接触することで、第2戸先ローラ322bの回転を抑制することが可能となる。
【0057】
実施例1のドアシステム110において、制御部152の回転規制制御部は、ドア132a及び132bの閉動作中に、第1規制部材324a及び第2規制部材324bを非作動として第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322bの回転を許容する(
図3B(a)及び
図3B(b))。また、制御部152の回転規制制御部は、ドア132a及び132bの閉動作が終了すると、第1規制部材324a及び第2規制部材324bを作動させて第1戸先ローラ322a及び第2戸先ローラ322bの回転を規制する(
図3B(c))。これにより、ドア132a、132bの閉動作終了後(換言すると、第1・第2戸先ローラ322a、322bの回転が不要であるとき)は、第1・第2戸先ローラ322a、322bの不要な回転を抑制することが可能となる。
【0058】
[実施例2に係るドア対400]
図4(a)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例2に係るドア対400の一部の第1状態(全開状態、あるいは、全開状態から全閉状態へ向かう途中状態)を模式的に示す水平断面図である。
図4(b)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例2に係るドア対400の一部の第2状態(移行状態)を模式的に示す水平断面図である。
図4(c)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例2に係るドア対400の一部の第3状態(全閉状態)を模式的に示す水平断面図である。実施例2に係るドア対400は、実施例1に係るドア対300と同様、
図1に示す鉄道列車100に適用することができる。実施例2のうち実施例1と同様の構成要素には同様の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0059】
実施例2は、実施例1と以下の点で異なる。すなわち、実施例1のドア310a、310bにおいて第1減衰部材328a及び第2減衰部材328bはコイルばねであった(
図3B(a)等)。これに対し、実施例2のドア410a、410bにおいて第1減衰部材428a及び第2減衰部材428bはアクティブサスペンションである(
図4(a)等)。また、実施例1の制御部152は、ドア開閉制御を行うドア開閉制御部と、ローラ回転規制制御を行うローラ回転規制制御部を機能部として有していた。これに対し、実施例2の制御部152は、ドア開閉制御部を有するが、ローラ回転規制制御部を有さない。また、実施例2の制御部152は、アクティブサスペンション428a、428bのダンピング力(固さ)を制御するダンピング力制御を行うダンピング力制御部を機能部として有する。
【0060】
[実施例2のドア対400の制御]
実施例2では、実施例1と同様のドア開閉制御が実行される一方、第1規制部材及び第2規制部材を有さないため、実施例1で述べたようなローラ回転規制制御は実行されない。また、実施例2では、アクティブサスペンション428a、428bのダンピング力(固さ)を制御するダンピング力制御が実行される。ダンピング力制御は、次のように行われる。すなわち、
図4(a)に示されるように、第1戸先ローラ422aと第2戸先ローラ422bとが、第1ストッパ430a・第2ストッパ430bとそれぞれ隙間を保ったまま、互いに離間しているとき、あるいは、第1ストッパ430a・第2ストッパ430bとそれぞれ隙間を保ったまま、ドア410a及び410b間の距離Dが所定の範囲内にあるとき(所定の範囲は、実施1で例示したような範囲が適用される)、制御部152のダンピング力制御部は、アクティブサスペンション428a及び428bのダンピング力(固さ)を大きくするよう制御する。これにより、ローラ422a及び422bは、ドア本体420a、420bとの相対位置が変化し難いためローラ422a、422bは回転自在の状態となる。
【0061】
一方、第1戸先ローラ422aと第2戸先ローラ422bとが接触したとき(例えば、
図4(b))、制御部152のダンピング力制御部は、アクティブサスペンション428a及び428bのダンピング力(固さ)を小さくするよう制御する。これにより、ローラ422a及び422bは、ドア本体420a、420bとの相対位置が変化し易くなるためローラ422a、422bはグリッパ430a、430bと容易に接触し、その摩擦力によってローラの回転が規制される状態となる。
【0062】
なお、第1戸先ローラ422aと第2戸先ローラ422bとの接触は、電極板426a及び426bの接触に伴って電極板426a及び426b間に流れる電流をドアセンサ151が検出することにより判定させることができる。或いは、ローラ422a、422b間の距離Dに基づいて判定してもよい。
【0063】
[実施例2のドア対400にかかる効果]
上記のような実施例2によれば、実施例1の効果に加えて、又はこれに代えて、以下の効果を奏することができる。
【0064】
すなわち、第2実施例では、第1減衰部材428a及び第2減衰部材428bはアクティブサスペンションである(
図4(a)等)。第2実施例の制御部152は、第1減衰部材428a及び第2減衰部材428bのダンピング力を制御するダンピング力制御部を備える。また、ダンピング力制御部は、第1戸先ローラ422aと第2戸先ローラ422bが非接触のときあるいは所定の範囲内の距離にあるとき(
図4(a))のダンピング力を相対的に大きく、接触のとき(
図4(b)及び
図4(c))のダンピング力を相対的に小さくなるよう制御する。
【0065】
これにより、第1戸先ローラ422a及び第2戸先ローラ422bの接触時、あるいは、ドア410a及び410b間の距離Dが所定の範囲外にあるときには、第1減衰部材428a及び第2減衰部材428bを相対的に柔らかくし、第1戸先ローラ422a・第2戸先ローラ422bへの衝突の衝撃を和らげることが可能となる。加えて、第1ストッパ430a及び第2ストッパ430bを設ける場合、上記タイミングにあるときに、第1戸先ローラ422a及び第2戸先ローラ422bの押込みを容易化することで、ローラ422a及び422bと第1ストッパ430a及び第2ストッパ430bの接触を容易化することが可能となる。また、第1戸先ローラ422a及び第2戸先422bの非接触時あるいはドア410a及び410b間の距離Dが所定の範囲内にあるときには、第1減衰部材428a及び第2減衰部材428bを相対的に固くし、第1戸先ローラ422a及び第2戸先ローラ422bを回転自在にするので、ローラ422a及び422bの間に異物が挟まったときに取り出し易くすると共に、第1戸先ローラ422a及び第2戸先ローラ422bの不要な揺れ等を抑制することが可能となる。
【0066】
[実施例3に係るドア対500]
図5(a)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例3に係るドア対500の一部の第1状態(全開状態、あるいは、全開状態から全閉状態へ向かう途中状態)を模式的に示す水平断面図である。
図5(b)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例3に係るドア対500の一部の第2状態(移行状態)を模式的に示す水平断面図である。
図5(c)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例3に係るドア対500の一部の第3状態(全閉状態)を模式的に示す水平断面図である。実施例3に係るドア対500は、実施例1、2に係るドア対300、400と同様に、
図1に示す鉄道列車100に適用することができる。実施例3のうち実施例1又は実施例2と同様の構成要素には同様の参照符号を付して詳細な説明を省略する。実施例3は、実施例1と同様の第1規制部材524a及び第2規制部材524bを有すると共に、実施例2と同様のアクティブサスペンション528a、528bを有する。すなわち、実施例3は、実施例1と実施例2を組み合わせた構成となっている。従って、実施例3では、実施例1と同様のドア開閉制御及びローラ回転規制制御を実行すると共に、実施例2と同様ダンピング力制御を実行する。また、実施例3によれば、実施例1の効果と実施例2の効果の両方を奏することができる。
【0067】
[実施例4に係るドア対600]
図6(a)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例4に係るドア対600の一部の第1状態(全開状態、あるいは、全開状態から全閉状態へ向かう途中状態)を模式的に示す水平断面図であり、
図6(b)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例4に係るドア対600の一部の第2状態(移行状態)を模式的に示す水平断面図であり、
図6(c)は、本発明の一実施形態に係るドアシステムにおける実施例4に係るドア対600の一部の第3状態(全閉状態)を模式的に示す水平断面図である。実施例4に係るドア対600は、実施例1~3に係るドア対300、400、500と同様、
図1に示す鉄道列車100に適用することができる。実施例4のうち実施例1と同様の構成要素には同様の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0068】
実施例1と同様、実施例4は、第1減衰部材628a及び第2減衰部材628bがコイルばねである。また、実施例1~3と同様、実施例4は、第1ストッパ630a及び第2ストッパ630bを有する。一方、実施例4は、実施例1、3のような第1規制部材及び第2規制部材を有さない。また、実施例4の制御部152は、ドア開閉制御部を有するが、ローラ回転規制制御部及びダンピング力制御部を有さない。従って、実施例4では、実施例1~3と同様のドア開閉制御を実行する。また、実施例4によれば、簡易な構成で、ストッパ630a、630bによるローラ622a、622bの回転規制を行うことが可能となる。
【0069】
[変形例]
上述した実施例1~4に示したドア対は、鉄道車両102に適用したが、本発明はこれらに限られるものではなく、左右のスライドドアを用いるその他の車両や装置(モノレール、ロープウェー、駅のホームドア、エレベータ等)に適用することができる。
【0070】
実施例1では、第1電極板326a及び第2電極板326bを設けたが(
図3A等)、例えば第1規制部材324a及び第2規制部材324bに着目すれば、第1電極板326a及び第2電極板326bを省略するか、電極板に替えて単なる金属板等を採用してもよい。また、例えば第1電極板326a及び第2電極板326bに着目すれば、第1規制部材324a及び第2規制部材324bを省略してもよい。さらに、実施例1では、第1ストッパ330a及び第2ストッパ330bを設けたが(
図3B(a)等)、例えば第1規制部材324a及び第2規制部材324bに着目すれば、第1ストッパ330a及び第2ストッパ330bを省略してもよい。実施例2~4も同様である。
【0071】
実施例1では、ローラ322a、322bの直径をドア本体320a、320bの厚みと略同じにしていた(
図3B(a)等)。しかしながら、ローラ322a、322bの直径をドア本体320a、320bの厚みよりも大幅に小さくしてもよい。
【0072】
図7は、変形例に係るスライドドアのうちの左スライドドア710aの一部を模式的に示す水平断面図である(右スライドドアは、左スライドドア710aと左右対称のため図示及び説明を省略する)。
図7に示すように、左スライドドア710aは、ドア本体720aと、第1戸先ローラ722aと、第1電極板726aと、第1減衰部材728aと、第1ストッパ730aとを有する。
【0073】
図7において、長さHは、ドア本体720aの厚さであり、長さh2は、第1戸先ローラ722aの直径であり、長さh1及びh3は、それぞれローラ722aの外周上の接線であってドア本体720aの側壁と平行な接線からドア本体720aの側壁から延びる接線までの距離である。実施例1(
図3B(a)等)と比較して、ドア本体720aの厚さHに対するローラ722aの直径h2の割合は比較的小さい。本発明はこれらに限定されるものではないが、当該割合は、例えば、H:h2=1:1/4~2/3の範囲とすることができる。また、
図7に示すように、ドア本体720aの先端部分(戸先部分)は、ストッパ730aが形成する凹部領域を除き、ローラ722aに向かうにしたがいR状に湾曲形成されている。上記のような寸法比及びドア本体720aの先端部のR形状を採用することで、第1戸先ローラ722aと第2戸先ローラ(図示せず)との間に異物が挟まりづらくなり、ユーザ(乗客等)の利便性を向上することが可能となる。
【0074】
以上、具体例に基づき、ドアシステム等の実施形態を説明したが、本発明の実施形態としては、システム又は装置を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、ハードディスク、メモリカード)等としての実施態様をとることも可能である。
【0075】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であっても良い。
【0076】
さらに、プログラムは、必ずしも制御基板上のCPUにおいてのみ、全ての処理が実施される必要はなく、必要に応じて基板に付加された拡張ボードや拡張ユニットに実装された別の処理ユニット(DSP等)によってその一部又は全部が実施される構成とすることもできる。
【0077】
本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された構成要件の全て及び/又は開示された全ての方法又は処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。
【0078】
また、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一又は均等となる特徴の一例にすぎない。
【0079】
さらに、本発明は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された全ての新規な特徴又はそれらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法又は処理のステップ、又はそれらの組合せに拡張することができる。
【符号の説明】
【0080】
110 ドアシステム
132a、310a、410a、510a、610a、710a 左スライドドア(第1スライドドア)
132b、310b、410b、510b、610b 右スライドドア(第2スライドドア)
140 ドア駆動装置(駆動手段)
152 制御部(回転規制制御部、ダンピング力制御部)
322a、422a、522a、622a、722a 第1戸先ローラ
322b、422b、522b、622b 第2戸先ローラ
324a、524a 第1規制部材
324b、524b 第2規制部材
326a、426a、526a、626a、726a 第1電極板
326b、426b、526b、626b 第2電極板
328a、428a、528a、628a、728a 第1減衰部材
328b、428b、528b、628b 第2減衰部材
330a、430a、530a、630a、730a 第1ストッパ
330b、430b、530b、630b 第2ストッパ