(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021752
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】製袋包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 9/087 20120101AFI20220127BHJP
【FI】
B65B9/087
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020125535
(22)【出願日】2020-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】市川 誠
(72)【発明者】
【氏名】森谷 倫太郎
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 龍一
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA03
3E050BA04
3E050CB01
3E050DD03
3E050DF03
3E050FA01
3E050FB07
3E050GA02
3E050GB06
(57)【要約】
【課題】手間を減らして、フィルムに発生する力を抑えることが可能な製袋包装機を提供する。
【解決手段】製袋包装機は、フォーマ(20)と、搬送部(30)と、押付機構(60)と、制御部(70)と、を備える。フォーマ(20)は、フィルムを筒状に成形する。搬送部(30)は、筒状に成形されたフィルムを搬送する。押付機構(60)は、搬送部(30)を移動させる。制御部(70)は、押付機構(60)による搬送部(30)の移動を制御する。フォーマ(20)は、上下に延び、フィルムが周囲に巻き付くチューブ(22)を含む。制御部(70)は、押付機構(60)に搬送部(30)を移動させることにより、第1モードと、第2モードと、を切り替える。第1モードは、搬送部(30)をチューブ(22)に第1の力で押し付ける。第2モードは、搬送部(30)をチューブ(22)に第1の力よりも小さい第2の力で押し付ける。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状のフィルムを筒状に成形し、縦シール及び横シールを施して袋を製袋する包装機であって、
フィルムを筒状に成形するフォーマと、
筒状に成形された前記フィルムを搬送する搬送部と、
前記搬送部を移動させる押付機構と、
前記押付機構による前記搬送部の移動を制御する制御部と、
を備え、
前記フォーマは、上下に延び、前記フィルムが周囲に巻き付くチューブを含み、
前記制御部は、前記押付機構に前記搬送部を移動させることにより、
前記搬送部を前記チューブに第1の力で押し付ける第1モードと、
前記搬送部を前記チューブに前記第1の力よりも小さい第2の力で押し付ける第2モードと、
を切り替える、
製袋包装機。
【請求項2】
前記押付機構は、シリンダを含み、
前記制御部は、前記シリンダの押し圧力を切り替えることにより、前記第1モードと、前記第2モードと、を切り替える、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記押付機構は、前記シリンダ内の押し圧力を調整する調整機構をさらに含む、
請求項2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1モードでの前記シリンダの圧力よりも前記第2モードでの前記シリンダの圧力が低くなるように制御する、
請求項2または3に記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2モードにおいて、前記搬送部と前記チューブとが接触するように前記搬送部を前記チューブに押し付ける、
請求項1~4のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記押付機構は、サーボモータを含む、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項7】
前記第2モードでは、前記搬送部と前記チューブとの隙間を前記フィルムの厚み以上にする、
請求項6に記載の製袋包装機。
【請求項8】
前記制御部は、
前記フォーマの取り替え時に前記搬送部を移動させる際に前記第1モードとし、
製袋運転中に前記第2モードとする、
請求項1~7のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2019-73302号公報)に開示されているように、シート状のフィルムを筒状に成形し、縦シール及び横シールを行って袋を製造する製袋包装機が知られている。特許文献1に開示の製袋充填包装機は、フィルムを搬送する搬送部と、フィルムを筒状に成形するフォーマと、を備えている。搬送機構は、プルダウンベルトを含む。フォーマは、円錐部と、この円錐部の下部に接続された円筒部と、を有するチューブを含む。
【0003】
特許文献1には、円筒部とプルダウンベルトとの間の隙間の設定機能を備えた製袋充填包装機が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の製袋充填包装機では、プルダウンベルトと円筒部との間に隙間が設けられるので、隙間が設けられない場合に比べて、プルダウンベルトと円筒部との間のフィルムに摩擦力が発生することを抑制できる。しかし、隙間の調整は、手間を要する。
【0005】
本発明の課題は、手間を減らして、フィルムに発生する力を抑えることが可能な製袋包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点に係る製袋包装機は、シート状のフィルムを筒状に成形し、縦シール及び横シールを施して袋を製袋する包装機である。製袋包装機は、フォーマと、搬送部と、押付機構と、制御部と、を備える。フォーマは、フィルムを筒状に成形する。搬送部は、筒状に成形されたフィルムを搬送する。押付機構は、搬送部を移動させる。制御部は、押付機構による搬送部の移動を制御する。フォーマは、上下に延び、フィルムが周囲に巻き付くチューブを含む。制御部は、押付機構に搬送部を移動させることにより、第1モードと、第2モードと、を切り替える。第1モードは、搬送部をチューブに第1の力で押し付ける。第2モードは、搬送部をチューブに第1の力よりも小さい第2の力で押し付ける。
【0007】
本発明者は、従来の製袋包装機では、フィルムに所定の力が発生してしまうという課題を見出した。具体的には、フォーマを取り替える等の場合に、プルダウンベルトをチューブから遠ざけたり近づけたりするための所定の力が必要である。しかし、その所定の力でプルダウンベルトをチューブに押し付けた状態で製袋運転を行うと、その所定の力がフィルムに発生する。このため、従来の製袋包装機では、フィルムに所定の力が発生してしまう。この課題は、フォーマを取り替える等の場合に要する所定の力よりも、製袋運転中に要する力が小さいことに起因していることを見出して、本発明を完成させた。
【0008】
第1観点の製袋包装機では、制御部によって、搬送部をチューブに第1の力で押し付ける第1モードと、第1の力よりも小さい第2の力で押し付ける第2モードと、を切り替える。搬送部をチューブに押し付ける際に大きな第1の力を要する場合には、第1モードとし、フィルムを搬送する際には、第1の力よりも小さな第2の力で押し付ける第2モードとすることができる。このため、第1モードと第2モードとを切り替えることで、搬送部とチューブとの間のフィルムに加えられる力を低減できる。したがって、手間を減らして、フィルムに発生する力を抑えることが可能になる。
【0009】
第2観点に係る製袋包装機は、第1観点に係る製袋包装機であって、押付機構は、シリンダを含む。制御部は、シリンダの押し圧力を切り替えることにより、第1モードと、第2モードと、を切り替える。
【0010】
第2観点に係る製袋包装機では、シリンダ内の押し圧力を切り替える。このため、容易に第1モードと第2モードとを切り替えることができる。
【0011】
第3観点に係る製袋包装機は、第2観点に係る製袋包装機であって、押付機構は、シリンダ内の押し圧力を調整する調整機構をさらに含む。
【0012】
第3観点の製袋包装機では、調整機構により、シリンダ内の押し圧力を容易に切り替えることができる。
【0013】
第4観点に係る製袋包装機は、第2観点または第3観点に係る製袋包装機であって、制御部は、第1モードでのシリンダの圧力よりも第2モードでのシリンダの圧力が低くなるように制御する。
【0014】
第4観点の製袋包装機では、第1モードで押し付ける第1の力よりも、第2モードで押し付ける第2の力を容易に小さくすることができる。
【0015】
第5観点に係る製袋包装機は、第1観点から第4観点に係る製袋包装機であって、制御部は、第2モードにおいて、搬送部とチューブとが接触するように搬送部をチューブに押し付ける。
【0016】
第5観点の製袋包装機では、製袋動作中に、搬送部とチューブが接触している。しかし、第2モードに切り替えることにより、搬送部とチューブとの間のフィルムに加えられる力を低減できる。このため、搬送部とチューブとが接触していない場合に比べて、搬送部とチューブとの隙間の調整が不要になるので、手間をさらに減らすことができる。
【0017】
第6観点に係る製袋包装機は、第1観点に係る製袋包装機であって、押付機構は、サーボモータを含む。
【0018】
第6観点の製袋包装機では、サーボモータにより搬送部をチューブに押し付ける。このため、チューブに対する搬送部の位置を容易に調整できる。
【0019】
第7観点に係る製袋包装機は、第6観点に係る製袋包装機であって、第2モードでは、搬送部とチューブとの隙間をフィルムの厚み以上にする。
【0020】
第7観点の製袋包装機では、押付機構がサーボモータを含むので、搬送部とチューブとの隙間を確保するための手間を減らすことができる。
【0021】
第8観点に係る製袋包装機は、第1観点から第7観点に係る製袋包装機であって、制御部は、フォーマの取り替え時に搬送部を移動させる際に第1モードとし、製袋運転中に第2モードとする。
【0022】
第8観点の製袋包装機では、フォーマの取り替え時には、相対的に大きな第1の力で搬送部をチューブに押し付けることができるとともに、製袋運転中には、相対的に小さな第2の力で搬送部をチューブに押し付けることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、手間を減らして、フィルムに発生する力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施形態の製袋包装機を含む包装機の斜視図である。
【
図2】実施形態の製袋包装機の概略構成を示す斜視図である。
【
図3】実施形態のフォーマ、搬送部及び押付機構を示す模式図である。
【
図8】実施形態のシールジョーの軌跡の側面図である。
【
図10】変形例のフォーマ、搬送部及び押付機構を示す模式図である。
【
図11】(A)は別の変形例のフォーマ及び搬送部を示す模式図であり、(B)は第1モードを示す模式図であり、(C)は第2モードを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施形態に係る製袋包装機100について、以下に説明する。なお、以下の説明では、方向等を表すために、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する場合がある。特記無き場合、ここでの「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」は、図面に付された矢印の向きに従う。
【0026】
(1)全体概要
図1は、本実施形態の製袋包装機100を含む包装機1の斜視図である。
図2は、製袋包装機100の概略構成を示す斜視図である。
図1及び
図2において、包装機1は、計量機2及び製袋包装機100を備えている。
【0027】
図1及び
図2に示すように、計量機2は、袋Bに収容する被包装物Aを計量する。被包装物Aは特に限定されないが、ここでは、ポテトチップスなどの物品である。製袋包装機100は、計量機2の下方に設置される。
図1及び
図2に示すように、製袋包装機100は、計量機2から被包装物Aを受け取り、その被包装物Aを筒状に成形されたフィルムF(以下、筒状フィルムFmとも呼ぶ)で包装することによって、袋Bを製造する。
【0028】
製袋包装機100は、フィルム供給ユニット10と、フォーマ20と、搬送部30と、縦シール部40と、横シール部50と、押付機構60と、制御部70と、を備える。フィルム供給ユニット10は、フォーマ20に袋Bとなるシート状のフィルムFを供給する。フォーマ20は、送られてくるシート状のフィルムFを筒状に成形する。搬送部30は、筒状となったフィルムF(筒状フィルムFm)を下方に搬送する。縦シール部40は、筒状フィルムFmの重ね合わせ部分(合せ目)を縦方向にシールする。横シール部50は、筒状フィルムFmを横方向にシールすることで袋Bの上下端を封止する。押付機構60は、搬送部30を移動させる。制御部70は、押付機構60による搬送部30の移動を制御する。
【0029】
(2)詳細構成
(2-1)フィルム供給ユニット
図1に示すように、フィルム供給ユニット10は、フォーマ20に対してシート状のフィルムFを供給するユニットである。フィルム供給ユニット10にはフィルムFが巻かれたロールがセットされ、このロールからフィルムFが繰り出される。フィルムFの材料は、特に限定されず、例えば、樹脂素材、紙素材などを含む。
【0030】
(2-2)フォーマ
図1及び
図2に示すように、フォーマ20は、シート状のフィルムFを筒状に成形する成形機構である。
図2に示すように、フォーマ20は、セーラ21と、チューブ22と、を有している。チューブ22は、上下方向に延びる。チューブ22は、部分的に筒状の部材であり、上下端が開口している。このチューブ22の上端の開口部には、計量機2で計量された被包装物Aが投入される。
【0031】
セーラ21は、チューブ22を取り囲むように配置されている。フィルム供給ユニット10から供給されるシート状のフィルムFは、セーラ21とチューブ22との間を通るときに筒状に成形される。セーラ21及びチューブ22は、製造する袋Bの大きさに応じて取り替えることができる。
【0032】
(2-3)搬送部
搬送部30は、フォーマ20の下方に配置される。搬送部30は、チューブ22の左側及び右側にそれぞれ配置される。すなわち、
図3~
図5に示すように、搬送部30は、第1搬送部30a及び第2搬送部30bを有している。なお、
図3~
図5は、前から見た時のフォーマ20、搬送部30及び押付機構60を示す模式図である。
図3~
図5におけるチューブ22の左側に位置する方を第1搬送部30a、右側に位置する方を第2搬送部30bとする。また一対の搬送部30a、30bに共通の事項について言及するときは、搬送部30と表現する。
【0033】
搬送部30は、チューブ22に巻き付いた筒状フィルムFmを下方に搬送する。搬送部30は、フィルム供給ユニット10から引き出されるフィルムFをセーラ21へと搬送する。また、搬送部30は、セーラ21で成形された筒状フィルムFmを横シール部50へ搬送する。
【0034】
図6は、1つの搬送部(ここでは第1搬送部30a)を示す斜視図である。
図2及び
図6に示すように、搬送部30は、プルダウンベルト31と、駆動ローラ32と、従動ローラ33と、駆動装置(図示せず)を有している。
【0035】
プルダウンベルト31は、上下方向に延びる。第1プルダウンベルト31a及び第2プルダウンベルト31bは、チューブ22に対して、左右対称に配置される。プルダウンベルト31は、吸着機能を有する。具体的には、プルダウンベルト31には、フィルムFmを吸引するための開口部Hが設けられている。プルダウンベルト31は、駆動ローラ32及び従動ローラ33に巻き掛けられている。プルダウンベルト31が筒状フィルムFmを吸着した状態で、駆動ローラ32が駆動装置により駆動されると、筒状フィルムFmは下方に搬送される。すなわち、搬送部30では、吸着機能を有するプルダウンベルト31が駆動ローラ32及び従動ローラ33によって回転し、筒状フィルムFmを下方に運ぶ。なお、
図6では、搬送部30は、プルダウンベルト31に設けられた複数の開口部Hに負圧を作用させる負圧チャンバ34が設けられている。
【0036】
(2-4)縦シール機構
図2に示す縦シール部40は、チューブ22に巻き付いた筒状フィルムFmの重なり部分(合せ目)を、一定の圧力でチューブ22に押しつけながら加熱して縦にシールする機構である。縦シール部40は、チューブ22の前(正面)側に位置しており、ヒータ及びヒータにより加熱され筒状フィルムFmの合せ目に接触するヒータベルトを有している。また、縦シール部40は、ヒータベルトをチューブ22に近づけたり遠ざけたりするための駆動装置(図示せず)も有している。
【0037】
なお、縦シール部40における縦シールの形式としては、封筒貼り及び合掌貼り(フィンシール)のいずれの形式でも可能である。
【0038】
(2-5)横シール部
横シール部50は、筒状フィルムFmを横方向にシールすることで袋Bの上下端を封止する機構である。
図7は横シール部50の側面図である。
図8はシールジョー51、52の軌跡の側面図である。
図7において、横シール部50は、第1シール機構50a及び第2シール機構50bを有している。なお、
図7における筒状フィルムFmの左側に位置する方を第1シール機構50a、右側に位置する方を第2シール機構50bとする。
【0039】
第1シール機構50a及び第2シール機構50bのそれぞれは、シールジョー51、52をD字状に旋回させながら(例えば、
図8の点線で示すシールジョーの軌跡を参照)、筒状フィルムFmを挟み込む。
【0040】
シールジョー51、52は、内部にヒータを有している。このヒータによってシールジョー51、52のシール面が加熱され、シールジョー51、52によって挟み込まれた筒状フィルムFmの一部がシールされる。
【0041】
ここで、説明の便宜上、シールジョー51のうち第1シール機構50a側を第1シールジョー51a、第2シール機構50b側を第2シールジョー51bとよぶ。第1シールジョー51aと第2シールジョー51bは筒状フィルムFmを挟んで互いに押しつけ合ってシールする。
【0042】
同様に、シールジョー52のうち第1シール機構50a側を第1シールジョー52a、第2シール機構50b側を第2シールジョー52bとよぶ。第1シールジョー52aと第2シールジョー52bは筒状フィルムFmを挟んで互いに押しつけ合ってシールする。
【0043】
なお、全てのシールジョーに共通の事項について言及するときは、シールジョー51、52と表現する。
【0044】
シールジョー51、52は、駆動モータ(図示せず)によって軸C1、C2を中心に回転する。すなわち、第1シールジョー51a、52aは、軸C1を中心として、第2シールジョー51b、52bは、軸C2を中心として回転する。
【0045】
また、
図7に示すように、横シール部50を往復運動させる横方向駆動機構55が設けられている。
【0046】
(2-6)押付機構
図3~
図5に示すように、押付機構60は、搬送部30を移動させる。具体的には、押付機構60は、
図3に示すように搬送部30をチューブ22から遠ざけたり、
図4及び
図5に示すように搬送部30をチューブ22に近づけたりする。例えば、搬送部30をチューブ22に近づける場合には、押付機構60は、チューブ22の左側に配置される第1搬送部30aをチューブ22に向けて右に移動するとともに、チューブ22の右側に配置される第2搬送部30bを、チューブ22に向けて左に移動する。
【0047】
本実施形態の押付機構60は、シリンダ61と、調整機構62と、第1取付部材63と、第2取付部材64と、を含む。
【0048】
シリンダ61は、内部に流体を含有し、内面をピストン61bが摺動しながら往復運動を行う。ここでは、シリンダ61は、エアシリンダである。シリンダ61は、筐体61aと、ピストン61bと、ロッド61cと、を有する。
【0049】
筐体61aは、内部に空気などの流体を収容する。筐体61aはチューブである。筐体61aの左(第1搬送部30a)側は、第1取付部材63と接続される。ピストン61bは、流体の圧縮及び膨張に伴って移動する。ここでは、ピストン61bは、左右に移動する。詳細には、ピストン61bは、押し圧力が加えられると、右から左に移動する。このため、押し圧力が大きいほど、ピストン61bは左に位置する。ロッド61cは、ピストン61bと連結され、ピストン61bの移動に伴って、移動する。詳細には、ロッド61cの一端部(左端部)はピストン61bと接続され、ロッド61cの他端部(右端部)は第2取付部材64と接続される。
【0050】
調整機構62は、シリンダ61内の押し圧力を調整する。調整機構62を介して流体をシリンダ61に供給する。ここでは、調整機構62はレギュレータである。調整機構62としてのレギュレータ(比例弁)は、シリンダ61に接続される。
図5~
図7では、1つのレギュレータがシリンダ61に接続されている。レギュレータとして、流体の流量を手動で調整するレギュレータを用いてもよく、流体の流量を自動で調整する電空レギュレータ(電空比例弁)を用いてもよい。ここでは、調整機構62として電空レギュレータを使用して、シリンダ61内の圧力を変更する。
【0051】
第1取付部材63の一端部(下端部)は、筐体61aと接続され、第1取付部材63の他端部(上端部)は、第1搬送部30aに接続される。第2取付部材64の一端部(下端部)は、ロッド61cと接続され、第2取付部材64の多端部(上端部)は、第2搬送部30bに接続される。調整機構62によりシリンダ61の圧力が調整されることによる、ピストン61b及びロッド61cの左右方向の移動に伴い、第1取付部材63及び第2取付部材64は左右方向に移動する。この第1取付部材63及び第2取付部材64の移動に伴い、一対の搬送部30は左右方向に移動する。すなわち、一対の搬送部30は、チューブ22に近づく移動及び遠ざかる移動をする。例えば、大きな押し圧力が加えられてピストン61bおよびロッド61c左に移動すると、第1取付部材63に接続された第1搬送部30a及び第2取付部材64に接続された第2搬送部30bはチューブ22に近づくように移動する。
【0052】
(2-7)制御部
図9は、制御部70のブロック図を示す。制御部70はコンピュータにより実現されるものである。制御部70は、制御演算装置と記憶装置とを備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0053】
図9に示すように、制御部70は、製袋包装機100全体を制御する。制御部70は、製袋包装機100の各部、例えば、搬送部30、縦シール部40、横シール部50、及び押付機構60と電気的に接続されている。
【0054】
本実施形態では、制御部70は、押付機構60に搬送部30を移動させることにより、
図4に示す第1モードと、
図5に示す第2モードと、を切り替える。第1モードは、搬送部30をチューブ22に第1の力で押し付ける。第2モードは、搬送部30をチューブ22に第1の力よりも小さい第2の力で押し付ける。
【0055】
制御部70は、フォーマ20の取り替え時に搬送部30を移動させる際に第1モードとする。制御部70は、製袋運転中に第2モードとする。具体的には、フォーマ20の取り替え時に搬送部30を移動させる際に第1モードとし、取り替えが終了して製袋運転する際に第2モードとする。また制御部70は、製袋運転中に第2モードとし、製袋運転を停止してフォーマ20を取り替える時に第1モードとする。より具体的には、入力部(図示せず)からフォーマ20の取り替えの指示が制御部70に入力されると、制御部70は第1モードとし、入力部(図示せず)から製袋運転を行う指示が制御部70に入力されると、制御部70は第2モードとする。
【0056】
なお、第1モード及び第2モードで搬送部30とチューブ22とで筒状フィルムFmを挟むと、第1モードにおいてチューブ22と筒状フィルムFmとの間に働く第1摩擦力は、第2モードにおいてチューブ22と筒状フィルムFmとの間に働く第2摩擦力よりも大きい。
【0057】
制御部70は、押付機構60に搬送部30を移動させることにより、第1モードと第2モードとの切り替え動作を行う。本実施形態では、制御部70は、第1モードでのシリンダ61の圧力よりも第2モードでのシリンダ61の圧力が低くなるように制御する。ここでは、調整機構62がシリンダ61内の押し圧力を調整するので、制御部70は、調整機構62がシリンダ61に供給する流体の流量を制御する。具体的には、制御部70は、第1モードでシリンダ61に供給する流量よりも第2モードでのシリンダ61に供給する流量が小さくなるように調整機構62を制御する。このため、
図4に示す第1モードでのピストン61bは、
図5に示す第2モードのピストン61bよりも左端まで押し込まれている。
【0058】
また、制御部70は、第1モードまたは第2モードから、
図5に示すように搬送部30をチューブ22から遠ざけるように移動する際に、シリンダ61の押し圧力を減らすように制御する。
【0059】
制御部70は、
図4に示す第1モード、
図5に示す第2モード、及び
図3示すようなその他のモードが選択されると、そのモードに対応するシリンダ61の押し圧力に切り換える。ここでは、制御部70は、調整機構62に、第1モードまたは第2モードに対応するようにシリンダ61内に供給される流体の流量を調整させる。
【0060】
制御部70は、第2モードにおいて、搬送部30とチューブ22とが接触するように搬送部30をチューブ22に押し付ける。「搬送部30とチューブ22とが接触するように」とは、製袋運転中には搬送部30及びチューブ22は筒状フィルムFmを挟んでいるが、筒状フィルムFmを省略すると、搬送部30(ここではプルダウンベルト31)の少なくとも一部がチューブ22に接触することを言う。このため、製袋運転中の第2モードにおいて、筒状フィルムFmを省略すると、プルダウンベルト31の少なくとも一部はチューブ22に接触する位置に配置される。なお、実際には、プルダウンベルの31の表面は滑らかな面であるが、チューブ22の表面には凹凸が形成されているので、チューブ22とプルダウンベルト31とは、接触する部分と、隙間を介する部分とがある。
【0061】
(3)製袋包装機の動作
(3-1)第1モード
フォーマ20を取り替えるために、
図3に示すように、チューブ22に対して搬送部30が開いた状態にする。この状態で、フォーマ20を取り替えて、チューブ22を設置する。その後、
図4に示すように、チューブ22に対して搬送部30を閉じた状態にする。制御部70は、搬送部30をチューブ22に第1の力で押し付ける、第1モードとする。第1モードでは、制御部70は、シリンダ内を第1の圧力とする。このように、フォーマ20の取り替え時には、相対的に大きな第1の力で搬送部30をチューブ22に押し付ける。
【0062】
(3-2)第2モード
製袋運転をするために、制御部70は、
図4に示すチューブ22に対して搬送部30を閉じた状態から、
図5に示すように搬送部30をチューブ22に第1の力よりも小さい第2の力で押し付ける、第2モードとする。ここでは、シリンダ61の押し圧力を第2の押し圧力に切り換える。このように、製袋運転中には、相対的に小さな第2の力で搬送部30をチューブ22に押し付ける。このように第2モードとして、以下の製袋動作を行う。
【0063】
図1及び
図2に示すように、フィルム供給ユニット10から供給されたシート状のフィルムFは、搬送部30により、フォーマ20へと搬送される。フォーマ20では、セーラ21とチューブ22との隙間にシート状のフィルムFが通される。セーラ21でシート状のフィルムFを筒状に折返し、筒状に成形したフィルムFをチューブ22により案内する。
【0064】
一方、計量機2で計量された被包装物Aは、チューブ22の上開口端に順次投下される。このとき、チューブ22の外周は、被包装物Aを包装するための筒状フィルムFmで覆われている。
【0065】
被包装物Aは、チューブ22を通過し、チューブ22の下開口端から排出される。下開口端の下方では、先行して第1シールジョー51aと第2シールジョー51bとが筒状フィルムFmを挟んで横シールしており、袋Bの上部及び後続の袋Bの底部が形成されている。
【0066】
被包装物Aは、底部がシールされて待機している筒状フィルムFmに充填され、第1シールジョー51aと第2シールジョー51bとがその上方を挟んで横シールし、袋Bの上部及び後続の袋Bの底部を形成する。横シール部50は、シールの直後にその中央を切断して、被包装物Aが収容された袋Bが完成する。
【0067】
(4)特徴
(4-1)
特許文献1に開示されているように、搬送部とチューブとの間に隙間が設けられる非接触式の場合、隙間の調整に手間を要する。一方、搬送部とチューブとの間に隙間が設けられない接触式の場合、非接触式に比べて、製袋運転中にフィルム内面とチューブとの間に大きな摩擦力が発生してしまう。摩擦力を抑えるためには、搬送部をチューブに押し付ける力を小さくする必要がある。しかし、フォーマを取り替える際等において、搬送部の開閉するために必要な最小の力に制約される。すなわち、搬送部の開閉に必要な最小の力で搬送部をチューブに押し付けて、製袋運転を実施する。この最小の力は、フィルムとチューブとの間に摩擦力として働く。本発明者は、この摩擦力を小さくするために鋭意検討して、本実施形態に係る発明を完成させた。
【0068】
すなわち、本実施形態に係る製袋包装機100は、シート状のフィルムFを筒状に成形し、縦シール及び横シールを施して袋Bを製袋する包装機である。製袋包装機100は、フォーマ20と、搬送部30と、押付機構60と、制御部70と、を備える。フォーマ20は、フィルムFを筒状に成形する。搬送部30は、筒状に成形されたフィルムFmを搬送する。押付機構60は、搬送部30を移動させる。制御部70は、押付機構60による搬送部30の移動を制御する。フォーマ20は、上下に延び、フィルムFが周囲に巻き付くチューブ22を含む。制御部70は、押付機構60に搬送部30を移動させることにより、第1モードと、第2モードと、を切り替える。第1モードは、搬送部30をチューブ22に第1の力で押し付ける。第2モードは、搬送部30をチューブ22に第1の力よりも小さい第2の力で押し付ける。
【0069】
本実施形態の製袋包装機100では、制御部70によって、搬送部30をチューブ22に第1の力で押し付ける第1モードと、第1の力よりも小さい第2の力で押し付ける第2モードと、を切り替える。搬送部30をチューブ22に押し付ける際には、第1モードとして大きな第1の力で搬送部30をチューブ22に押し付けることができる。フィルムFを搬送する際には、第2モードとして、第1の力よりも小さな第2の力で搬送部30をチューブ22に押し付けることができる。このため、搬送部30の開閉に必要な第1の力を確保しつつ、製袋運転をする際に、第1モードから第2モードに切り替えることで、製袋運転中に搬送部30とチューブ22との間に位置するフィルムFに加えられる力を低減できる。このように、制御部70が搬送部30をチューブ22に押し付ける力を制御することにより、手間を減らして、フィルムFに発生する力を抑えることが可能になる。
【0070】
(4-2)
本実施形態では、制御部70は、第2モードにおいて、搬送部30とチューブ22とが接触するように搬送部30をチューブ22に押し付ける。なお、「搬送部30とチューブ22とが接触するように」とは、製袋運転中には、基本的には、搬送部30とチューブ22との間に筒状フィルムFmが位置するので、製袋運転中に搬送部30とチューブ22とは直接接触していないが、筒状フィルムFmがない場合に搬送部30とチューブ22とが接触するような配置関係を言う。
【0071】
ここでは、製袋運転中に、搬送部30とチューブ22とが接触する位置関係である接触式が採用される。しかし、第2モードに切り替えることにより、搬送部30とチューブ22との間の筒状フィルムFmに加えられる力を低減できる。このため、搬送部30とチューブ22とが接触していない非接触式の場合に比べて、搬送部30とチューブ22との隙間の調整が不要になるので、手間をさらに減らすことができる。
【0072】
また、接触式で製袋運転を行っても、第1の力よりも小さな第2の力で搬送部30をチューブ22に押し付ける第2モードとする。このため、搬送部30のプルダウンベルトの摩耗を低減できる。
【0073】
なお、本実施形態の製袋包装機100は、接触式としているが、本発明の製袋包装機は非接触式であってもよい。
【0074】
(4-3)
本実施形態では、制御部70は、フォーマ20の取り替え時に搬送部30を移動させる際に第1モードとし、製袋運転中に第2モードとする。
【0075】
ここでは、フォーマ20の取り替え時には、相対的に大きな第1の力で搬送部30をチューブ22に押し付けることができるとともに、製袋運転中には、相対的に小さな第2の力で搬送部30をチューブ22に押し付けることができる。このため、製袋運転中に搬送部30とチューブ22との間に位置するフィルムFに加えられる力を低減できる。
【0076】
(4-4)
本実施形態に係る製袋包装機100は、押付機構60は、シリンダ61を含む。制御部70は、シリンダ61の押し圧力を切り替えることにより、第1モードと、第2モードと、を切り替える。
【0077】
ここでは、シリンダ61内の押し圧力を切り替えることで、容易に第1モードと第2モードとを切り替えることができる。
【0078】
(4-5)
本実施形態に係る製袋包装機100は、押付機構60は、シリンダ61内の押し圧力を調整する調整機構62をさらに含む。
【0079】
ここでは、調整機構62により、シリンダ61内の押し圧力を容易に切り替えることができるので、容易に第1モードと第2モードとを切り替えることができる。
【0080】
(4-6)
本実施形態の製袋包装機は、制御部70は、第1モードでのシリンダ61の圧力よりも第2モードでのシリンダ61の圧力が低くなるように制御する。
【0081】
ここでは、シリンダ61の押し圧力を制御することで、第1モードで押し付ける第1の力よりも、第2モードで押し付ける第2の力を容易に小さくすることができる。
【0082】
(5)変形例
以下に、上記実施形態の変形例を示す。なお、各変形例の内容の一部または全部は、互いに矛盾しない範囲で上記実施形態の内容や他の変形例の内容と組み合わされてもよい。
【0083】
(5-1)変形例A
上記実施形態では、制御部70は、押付機構60に搬送部30を移動させることにより第1モードと第2モードとを切り替えるが、搬送部30をチューブ22に押し付けるモードは3つ以上でもよい。本変形例では、制御部70は、搬送部30をチューブ22に第2の力よりも小さい第3の力で押し付ける第3モードと、第1モードと、第2モードと、を切り替える。非接触式の製袋運転を行う際に、第3モードとする。具体的には、チューブ22を取り替えた後、制御部70は、接触式の製袋運転を採用する場合には、第2モードに切り替え、非接触式の製袋運転を採用する場合には、第3モードに切り替える。
【0084】
(5-2)変形例B
上記実施形態では、押付機構60は、搬送部30をチューブ22から遠ざけるように移動させることと、搬送部30をチューブ22に近づけるように移動させることとを行うが、本発明の押付機構60は、搬送部30をチューブ22に近づけるように移動させれば、特に限定されない。すなわち、押付機構60は、チューブ22から遠ざけるように搬送部30を移動させる機能を有していなくてもよい。
【0085】
(5-3)変形例C
上記実施形態では、搬送部30は左右にそれぞれ配置される一対の搬送部(第1搬送部30a及び第2搬送部30b)を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本変形例の搬送部は、1つである。
【0086】
(5-4)変形例D
上記実施形態では、調整機構62として1つのレギュレータを例に挙げて説明したが、これに限定されない。本変形例では、
図10に示すように、調整機構62は、2つのレギュレータを含む。
【0087】
図10は、変形例におけるフォーマ20、搬送部30及び押付機構60を示す模式図である。
図10は、
図3のチューブ22に対して搬送部30が開いた状態に対応する。
図10に示すように、本変形例の調整機構62は、第1レギュレータ62aと、第2レギュレータ62bと、第1弁62cと、第2弁62dと、を含む。第1レギュレータ62a及び第2レギュレータ62bは、シリンダ61に供給する流量が決められている。具体的には、第1レギュレータ62aは、第1モードのときに流体をシリンダ61に供給するための開度で固定されている。第2レギュレータ62bは、第2モードのときに流体をシリンダ61に供給するための開度で固定されている。第1弁62c及び第2弁62dは、開及び閉を選択できる。ここでは、第1弁62c及び第2弁62dは、電磁弁である。
【0088】
第1モードが選択されると、制御部70は、第1弁62cを開にするとともに第2弁62dを閉にする。これにより、第1レギュレータ62aからシリンダ61に流体が供給されて、第1モードとなる。第2モードが選択されると、制御部70は、第1弁62cを閉にするとともに第2弁62dを開にする。これにより、第2レギュレータ62bからシリンダ61に流体が供給されて、第2モードとなる。このように、本変形例では、調整機構62として2つのレギュレータ62a、62bを用いて、押し圧力を2つ準備して、各モードに応じて押し圧力を切り替える。
【0089】
(5-5)変形例E
(5-5-1)押付機構
上記実施形態では、押付機構60として、シリンダ61を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本変形例の押付機構60は、サーボモータを含む。
【0090】
図11は、変形例におけるフォーマ20及び搬送部30を示す模式図であり、(A)は
図3のチューブ22に対して搬送部30が開いた状態に対応し、(B)は
図4の第1モードに対応し、(C)は
図5の第2モードに対応する。
図11において、押付機構60は省略している。本変形例では、
図11(A)に示すように、フォーマ20を取り替える際に、チューブ22に対して搬送部30が開いた状態にする。その後、
図11(B)に示すように、チューブ22に対して搬送部30を閉じた状態にする。すなわち、制御部70は、搬送部30をチューブ22に第1の力で押し付ける、第1モードとする。
【0091】
また、製袋運転中には、
図11(C)に示すように、搬送部30をチューブ22に第1の力よりも小さい第2の力で押し付ける、第2モードとする。本変形例の第2モードでは、搬送部30とチューブ22とに隙間Gを維持して、搬送部30をチューブ22に押し付ける。すなわち、本変形例の製袋包装機は、非接触式である。ここでの第2モードでは、搬送部30とチューブ22との隙間をフィルムFmの厚み以上にする。なお、隙間Gは、チューブ22と搬送部30との距離を任意に10点測定したときの平均値である。
【0092】
本変形例の製袋包装機では、
図11(A)に示すように、チューブ22に対して搬送部30が開いた状態から、押付機構60としてのサーボモータを駆動して搬送部30をチューブ22に当接させる。この当接位置を原点とする。なお、原点は、サーボモータにおいて所定のトルクを超えた値に相当する。そして、
図11(B)に示すように、搬送部30が原点に到達すると、サーボモータを逆回転して、搬送部30をチューブ22から遠ざかる方向に移動して、
図11(C)に示すように、チューブ22と搬送部30とに隙間を形成する。このように、本変形例では、トルク制御により、隙間Gの調整をする。
【0093】
(5-5-2)特徴
上記実施形形態のように、接触式の製袋包装機では、チューブ22と筒状フィルムFmとの摩擦により、筒状フィルムFmを搬送するために搬送部30の駆動部への負荷が大きいことを本発明者は着眼した。しかし、チューブ22と搬送部30との隙間Gの調整には手間がかかる。そこで、チューブ22と搬送部30とが非接触式の製袋包装機において、隙間Gの調整が容易になるように本発明者が鋭意検討した結果、本変形例に係る製袋包装機を完成させた。
【0094】
すなわち、本変形例では、押付機構60は、サーボモータを含む。搬送部30の開閉をエアシリンダからサーボモータに変更することにより、原点を基準としてトルク制御により、搬送部30をチューブ22に押し付ける。このため、チューブ22に対する搬送部30の位置を容易に調整できる。
【0095】
また本変形例では、第2モードでは、搬送部30とチューブ22との隙間GをフィルムFmの厚みW以上にする。隙間Gの上限は、例えば、0.5mmである。このように、押付機構60がサーボモータを含むので、搬送部30とチューブ22との隙間Gを確保するための手間を減らすことができる。
【符号の説明】
【0096】
1 :包装機
2 :計量機
10 :フィルム供給ユニット
20 :フォーマ
21 :セーラ
22 :チューブ
30,30a,30b :搬送部
31 :プルダウンベルト
32 :駆動ローラ
33 :従動ローラ
40 :縦シール部
50 :横シール部
60 :押付機構
61 :シリンダ
62 :調整機構
62a,62b :レギュレータ
70 :制御部
100 :製袋包装機
A :被包装物
B :袋
F,Fm :フィルム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0097】