IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 阪本薬品工業株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021790
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】化粧料及び外用剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/86 20060101AFI20220127BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20220127BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20220127BHJP
   A61K 8/00 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
A61K8/86
A61K8/81
A61K8/73
A61K8/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020125597
(22)【出願日】2020-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】390028897
【氏名又は名称】阪本薬品工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】羽深 朱里
(72)【発明者】
【氏名】豊島 亮祐
(72)【発明者】
【氏名】村島 健司
(72)【発明者】
【氏名】山田 武
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB032
4C083AC022
4C083AC111
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC422
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD111
4C083AD112
4C083AD332
4C083AD351
4C083AD352
4C083CC01
4C083CC02
4C083DD41
4C083EE01
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】
べたつき感のない官能特性に優れた化粧料及び外用剤を提供する。
【解決手段】
平均重合度が2.5~5であり、且つ多分散度が1.1以下のポリグリセリンを0.1~20重量%、水溶性増粘剤を合計0.1重量%以上含有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均重合度が2.5~5であり、且つ多分散度が1.1以下のポリグリセリンを0.1~20重量%、水溶性増粘剤を合計0.1重量%以上含有する化粧料又は外用剤。
【請求項2】
ポリグリセリンを0.5~10重量%、水溶性増粘剤を合計0.1~2重量%含有する請求項1に記載の化粧料又は外用剤。
【請求項3】
3価以下の多価アルコールを1種または2種以上配合した、請求項1または2に記載の化粧料又は外用剤。
【請求項4】
3価以下の多価アルコールがグリセリン、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、ポリエチレグリコールの中から選ばれる1種または2種以上である、請求項3に記載の化粧料又は外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性増粘剤を配合した化粧料や外用剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧料や医薬品等の外用剤は、皮膚や毛髪等を健やかな状態に保つために用いられる。その剤形としては、化粧水や美容液、ゲル、乳液、クリームなどの多岐に渡っている。使用時に外用剤を容器から手に取り出すが、外用剤の粘度が低い場合、手や容器から垂れ易く、取り扱い難くなる。そのため、増粘剤が配合されており、増粘により利便性だけでなく、安定性の向上効果も得られる。
【0003】
例えば、特許文献1では、合成の増粘剤としてカルボキシビニルポリマーが用いられており、化粧料の使用性および安定性を向上している。また、保湿性の向上を目的として、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールを配合している。また、特許文献2では、天然の増粘剤としてキサンタンガムが、保湿性の向上を目的としてポリエチレングリコールやグリセリン等の多価アルコールが配合されている。このように、化粧料や医薬品等の外用剤には、増粘剤に加え、保湿性の向上を目的に保湿剤が配合されている。一方、化粧料や医薬品等の外用剤に増粘剤を配合することにより、塗布した際に増粘剤に由来するべたつき感が生じ、使用感が消費者に好まれないといった課題があり、これらを改善できる方法が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62-042912号公報
【特許文献2】特開平10-279429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、水溶性増粘剤に由来するべたつき感を改善し、官能面に優れた外用剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、特定のポリグリセリンを配合することで、高分子に由来するべたつき感を改善できることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
即ち、本発明は、平均重合度が2.5~5であり、且つ多分散度が1.1以下のポリグリセリンを0.1~20重量%、水溶性増粘剤を合計0.1重量%以上含有することを特徴とする化粧料や医薬品等の外用剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、水溶性増粘剤に由来するべたつき感を特定のポリグリセリンを加えることによって改善し、官能特性に優れた外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の範囲はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で変更等が加えられた形態も本発明に属する。なお、範囲を表す「~」は上限と下限を含むものである。
【0010】
本発明で用いるポリグリセリンは、グリセリンの脱水縮合反応、グリシドール、エピクロルヒドリン、グリセリンハロヒドリン等のグリセリン類縁物質を用いての合成、あるいは合成グリセリンのグリセリン蒸留残分からの回収等によって得られるが、なかでも一般的である、グリセリンに少量のアルカリ触媒を加えて200℃以上の高温に加熱し、生成する水を除去しながら重縮合させる方法によって得られる。反応は逐次的な分子間脱水反応により、順次高重合体が生成し、未反応グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等の複雑な混合組成物となる。これより、未反応のグリセリン、及びジグリセリンを蒸留除去し、更にそのポリグリセリンを蒸留し、その留分を採取する等の方法で目的とする組成のポリグリセリンを得る。
【0011】
組成分析は、ポリグリセリン試料を約0.5g、及び内部標準物質としてパルミチン酸メチル(一級試薬;キシダ化学)を約0.05g精秤し、ピリジン(特級試薬;キシダ化学)約1.8mlにこれらを溶解させ、次いでこの溶液20μlに対してTMS-HT(試薬;東京化成工業)を0.2ml注入し、温浴にて反応後に上澄み液1μlを下記の分析に供すること等で判定できる。
【0012】
ガスクロマトグラフ:GC-14B(島津製作所製)
カラム:OV-1(GLサイエンス製、内径3mm、長さ1.5m)
カラム温度:100℃~350℃(昇温速度10℃/min)
キャリアーガス:窒素(50ml/min)
注入部温度:350℃
検出器温度:350℃
検出器:FID
【0013】
本発明で用いるポリグリセリンは、平均重合度が2.5~5であり、且つ多分散度が1.1以下であることが、高分子に由来するべたつき感を抑え、良好な官能を与えるために必要である。多分散度が1.1を超える場合、低濃度での配合時にはべたつき感を抑えられるが、配合濃度が高くなる程べたつき感を生じ、使用感が悪化する傾向がある。また、平均重合度が5を超えることで、高分子量のポリグリセリンに由来するべたつき感を生じ、使用感が悪化する傾向がある。
【0014】
ここで、ポリグリセリンの平均重合度は、水酸基価から算出される値であり、下記式1及び下記式2から算出される。
(式1)分子量=74n+18
(式2)水酸基価=56110(n+2)/分子量
水酸基価とは、エステル化物中に含まれる水酸基数の大小の指数となる数値であり、1gのエステル化物に含まれる遊離のヒドロキシ基をアセチル化する為に必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数を指し、社団法人日本油化学会編纂「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法2013年度版」に準じて算出される。
【0015】
多分散度は、上記ガスクロマトグラフィー組成分析により、Mw/Mnで算出される(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)。
【0016】
本発明の水溶性増粘剤は、通常の化粧料や医薬品等に使用されるものを用いることができる。天然あるいは合成いずれであってもよく、特に限定されるものではないが、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のムコ多糖類、アラビアガム、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルゲコロイド、エチルセルロース、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、カラギーナン、ガラクタン、カラヤガム、カルボキシメチルセルローススナトリウム、カンテン、キサンタンガム、キャロブガム、グアーガム、クインスシードガム、トラントガム、ペクチン、ジェランガム、デキストラン、デキストリン、シクロデキストリン、プルラン、セルロース誘導体、タマリンドガム、デキストリン脂肪酸エステル、デンプン類、デンプンリン酸ナトリウム、メチルヒドロキシプロピルデンプン、トラガントガム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸アミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ローカストビーンガム、ロジン酸ペンタエリスリット、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸ブチル共重合体、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン・スチレン共重合体、アクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アルキル、ポリアクリル酸アミド、アクリル酸アミド・スチレン共重合体、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン液、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、メタクリロイルエチルジメチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体、無水ケイ酸、合成ケイ酸ナトリウム・マグネシウム、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、(ビニルピロリドン/VA)コポリマー、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライトなどが挙げられる。
【0017】
増粘剤として使用されている塩類には、主にナトリウムを塩基とするものを挙げたが、塩基は特に限定されるものでなく、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属; アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン由来のアンモニウム; アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸などを用いることができる。
【0018】
本発明は、水溶性増粘剤0.1重量%以上含有し、ポリグリセリンを0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%含有させる。水溶性増粘剤由来のべたつき感を効果的に抑制するためには、水溶性増粘剤の含有量は2重量%以下が好ましい。ポリグリセリンが0.1重量%未満では、べたつき感を抑制する効果が少なく、逆に20重量%を超えて含有させた場合には、ポリグリセリンに由来したべたつき感が生じる為官能面上好ましくない。
【0019】
本発明の化粧料および外用剤には、3価以下の多価アルコールを1種または2種以上配合しても良い。3価以下の多価アルコールには、グリセリン、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、ポリエチレングリコールを挙げることができる。3価以下の多価アルコールの含有量は0.1%~40重量%、好ましくは0.5%~20重量%が良い。
【0020】
また、発明の効果を損なわない範囲で通常の化粧料及び外用剤に使用される成分を含有することができる。例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、パラフィン、プリスタン、α-オレフィンオリゴマー、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン等の炭化水素類、アボガド油、アマニ油、アルモンド油、オリブ油、カカオ脂、カロット油、キューカンバー油、ククイナッツ油、グレープシード油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シア脂、ダイズ油、茶油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ハトムギ油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、綿実油、モクロウ、ヤシ油、ラッカセイ油、ローズヒップ油、ツバキ油、サザンカ油、ナタネ油、ハトムギ油、ホホバ油、水添ホホバ油、ヤシ硬化油、チョウジ油、ラベンダー油、ローズマリー油、テレビン油、ユーカリ油等の植物油脂類、オレンジラフィー油、牛脂、馬油、タートル油、ミンク油、卵黄油、ラノリン等の動物油類、ミツロウ、鯨ロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、モンタンロウ、ライスワックス、ラノリンワックス、セラック等が挙げられる。また、炭化水素系のワックス類としては、例えば、固形パラフィン、セレシン、オゾケライト、エチレン・プロピレンコポリマー、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、イボタロウ、モクロウ等のロウ類、アラキドン酸、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、エルカ酸、オレイン酸、ステアリン酸、セバシン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸、カプリン酸、カプリル酸、ヒドロキシステアリン酸、サフラワー油脂肪酸、コメヌカ脂肪酸、トール油脂肪酸、ヤシ脂肪酸等の脂肪酸類、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、オクチルアルコール、デシルアルコール、アラキルアルコール、ヘキシルデカノール、キミルアルコール、β-グルカン、コレステロール、シトステロール、ジヒドロコレステロール、ステアリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、フィトステロール、ヘキシルデカノール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ラノリンアルコール、ミリスチルアルコール等の高級アルコール類、アボカド油脂肪酸エチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジヘプチルウンデシル、酢酸ラノリン、安息香酸アルキル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸バチル、イソステアリン酸フィトステリル、オクタン酸アルキル、エチレングリコール脂肪酸エステル、エルカ酸オクチルドデシル、オクタン酸ペンタエリスリット、オクタン酸セチル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸セテアリル、オクタン酸ステアリル、オクタン酸イソステアリル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、ジオレイン酸エチレングリコール、トリオレイン酸グリセリル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、カプリン酸セチル、カプリル酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、エチルヘキサン酸セチル、エルカ酸オクチルドデシル、エチルヘキサン酸セトステアリル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジグリセリンイソパルミチン酸エステルセバシン酸縮合物、ジステアリン酸グリコール、(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリルリチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸コレステリル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸バチル、ステアリン酸ブチル、セチルイソオクタネート、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、ダイマー酸ジイソプロピル、炭酸ジアルキル、ヒドロキシ脂肪酸コレステリル、イソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、ノナイソステアリン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリオクタノイン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸トリデシル、ジペラルゴン酸プロピレングリコール、ペラルゴン酸オクチル、イソペラルゴン酸オクチル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸ラウリル、乳酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソセチル、イソパルミチン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソステアリル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸コレステリル、リノール酸トコフェロール、リシノール酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ポリプロピレングリコールオリゴエステル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、ヘプタン酸ステアリル等のエステル油類、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、架橋型メチルポリシロキサン等のシリコン被膜形成剤、アミノプロピルジメチコン、アルキルメチコン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ステアロキシメチコン/ジメチコン)コポリマー、(ジメチルシロキサン/メチルセチルオキシシロキサン)コポリマー、シメチコン、ステアリルジメチコン、セチルジメチコンシリコン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジフェニルジメチコン、フェニルトリメチコン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレンアルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン等のシリコーンオイル類、エリスリトール、グリセリン、キシリトール、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ソルビット、トレハロース、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセリン、ポリプロピレン、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリグリセリン、マルチトール、マンニトール等の多価アルコール類、フッ素変性オルガノポリシロキサン、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12-ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ポリシリコーンー15、オクトクレリン、サリチル酸エチルヘキシル、ホモサレート、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等の紫外線吸収剤類、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、又それらに金属石鹸、シリカ、シリコン等で表面処理を施した紫外線散乱剤類、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N-アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸石鹸、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、N-アシルタウリン塩等のアニオン性界面活性剤類、酢酸ベタイン型両性活性剤、イミダゾリン型両性活性剤、アルキルアミドプロピルベタイン型両性活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタイン型両性活性剤、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン型両性活性剤、アルキルジメチルアミンオキサイド等の両性活性剤類、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン水素添加ステロール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルポリグリコシド、アルキルアルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤、アルキルアンモニウム塩、アミドアミン等のカチオン性界面活性剤、水素添加大豆リン脂質、水酸化大豆リン脂質等のレシチン誘導体類、N-アシルリジン等の有機低分子性粉体、でんぷん、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、硫酸バリウム等の体質顔料、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、カーボンブラック等の無機顔料、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料、ナイロンパウダー、ポリエチレン末等の合成高分子粉末、赤色201号、赤色202号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等の有機顔料粉体、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エデト酸塩、ヒドロキシエタンジホフホン酸塩、ポリリン酸塩、グルコン酸等のキレート剤類、安息香酸塩、感光素、パラベン類、フェノキシエタノール、サリチル酸、ソルビン酸、イソプロピルメチルフェノール等の防腐剤類、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、アスコルビン酸塩誘導体等の美白剤、ビタミン類、アミノ酸類、グリチルリチン酸誘導体類、植物エキス類、香料、精油、pH調整剤等を配合する事ができる。
【0021】
また、本発明は、化粧料としてはクレンジングクリーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、クレンジングリキッド、洗顔クリーム、洗顔フォーム、マッサージクリーム、コールドクリーム、スキンクリーム、スキンジェル、乳液、化粧水、パック、美容液、アフターシェービングローション等のスキンケア化粧料、日焼け止め料、ボディシャンプー、石鹸、ボディローション、ボディクリーム、浴用剤、ハンドクリーム等のボディケア化粧料、ファンデーション、化粧下地、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、ほほ紅、おしろい、眉墨等のメイク化粧料、ヘアシャンプー、ヘアリンス、コンディショナー、トリートメント、ヘアリキッド、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアクリーム、染毛料、整髪料等の毛髪化粧料等、また外用剤としては各種軟膏や、育毛剤、歯磨き剤、消毒剤等の医薬品及び医薬部外品等に、製品の形態によらず適用できる。
【実施例0022】
以下、実施例及び比較例により発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0023】
<合成例1>
温度計、攪拌装置を付した四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、ポリグリセリンを得た。次いで、この組成物を減圧蒸留し、平均重合度3.0、多分散度1.01、具体的な組成としてはジグリセリン以下が約5%、トリグリセリンが約90%、テトラグリセリンが約4%、ペンタグリセリン以上が約1%のポリグリセリンを得た。
【0024】
<合成例2>
温度計、攪拌装置を付した四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、ポリグリセリンを得た。次いで、この組成物を減圧蒸留し、平均重合度3.0、多分散度1.06、具体的な組成としてはジグリセリン以下が約25%、トリグリセリンが約52%、テトラグリセリンが約18%、ペンタグリセリンが約4%、ヘキサグリセリン以上が約1%であるポリグリセリンを得た。
【0025】
<合成例3>
温度計、攪拌装置を付した四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、ポリグリセリンを得た。次いで、この組成物を減圧蒸留し、平均重合度4.0、多分散度1.01、具体的な組成としてはトリグリセリンが約4%、テトラグリセリンが約90%、ペンタグリセリンが約5%、ヘキサグリセリン以上が約1%であるポリグリセリンを得た。
【0026】
<合成例4>
温度計、攪拌装置を付した四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、ポリグリセリンを得た。次いで、この組成物を減圧蒸留し、平均重合度4.6、多分散度1.10、具体的な組成としてはジグリセリンが約5%、トリグリセリンが約20%、テトラグリセリンが約25%、ペンタグリセリンが約25%、ヘキサグリセリンが約15%、ヘプタグリセリンが約7%、オクタグリセリン以上が約3%であるポリグリセリンを得た。
【0027】
<比較合成例1>
温度計、攪拌装置を付した四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、ポリグリセリンを得た。次いで、この組成物を減圧蒸留し、平均重合度3.5、多分散度1.28、具体的な組成としてはグリセリンが約10%、ジグリセリンが約25%、トリグリセリンが約20%、テトラグリセリンが約20%、ペンタグリセリンが約10%、ヘキサグリセリンが約7%、ヘプタグリセリンが約5%、オクタグリセリン以上が約3%であるポリグリセリンを得た。
【0028】
<比較合成例2>
温度計、攪拌装置を付した四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、平均重合度4.6、多分散度1.12、具体的な組成としてはジグリセリンが約5%、トリグリセリンが約25%、テトラグリセリンが約25%、ペンタグリセリンが約20%、ヘキサグリセリンが約10%、ヘプタグリセリンが約8%、オクタグリセリンが約5%、ノナグリセリン以上が約2%であるポリグリセリンを得た。
【0029】
<比較合成例3>
温度計、攪拌装置を付した四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、平均重合度4.7、多分散度1.26、具体的な組成としてはグリセリンが約2%、ジグリセリンが約15%、トリグリセリンが約20%、テトラグリセリンが約15%、ペンタグリセリンが約15%、ヘキサグリセリンが約10%、ヘプタグリセリンが約10%、オクタグリセリンが約5%、ノナグリセリンが約5%、デカグリセリン以上が約3%であるポリグリセリンを得た。
【0030】
<比較合成例4>
温度計、攪拌装置を付した四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、平均重合度5.5、多分散度1.09、具体的な組成としてはジグリセリンが約1%、トリグリセリンが約9%、テトラグリセリンが約26%、ペンタグリセリンが約20%、ヘキサグリセリンが約18%、ヘプタグリセリンが約13%、オクタグリセリンが約9%、ノナグリセリン以上が約4%であるポリグリセリンを得た。
【0031】
[官能評価]
合成例及び比較合成例の各ポリグリセリンを0.5、5.0、10.0重量%、合成高分子であるカルボキシビニルポリマーを1.0重量%あるいは天然高分子であるキサンタンガム1.0重量%、グリセリンを10.0重量%、1,3-ブチレングリコールを5.0重量%、水を残余とした水溶液を健常女性パネラー20名の内腕部に塗布させ、塗布後のべたつき感について官能評価させた。尚、べたつき感が最も低いサンプルのスコアを5、べたつき感が最も強いサンプルのスコアを1として相対評価し、20名の平均点を算出し、以下の基準により評価した。その結果を表1、2に示す。
(評価基準)
◎:4.0点以上
○:3.0点以上4.0点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
実施例の水溶液は、水溶性高分子のべたつき感が少なく、評価項目を十分に満たすものであった。一方、比較例の組成物については、水溶性高分子のべたつき感を十分に抑制できず、不十分な評価結果であった。
【0035】
<配合実施例1> モイスチャーゲル (重量%)
A相
合成例2のポリグリセリン 15.00
グリセリン 2.00
ジプロピレングリコール 5.00
カルボキシビニルポリマー 0.25
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー 0.10
ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
10%-水酸化カリウム(85%) 1.70
精製水 73.90
B相
イソステアリン酸ポリグリセリル-10 0.50
メドゥフォーム油 0.50
スクワラン 1.00
防腐剤 q.s.
100.00
【0036】
A相、B相をそれぞれ70℃に加温し均一にした後、A相にB相を徐々に加え乳化した。配合実施例1で得られたモイスチャーゲルは、乳化粒子が安定且つ経時での粘度変化が無く、べたつき感がなく良好であった。