(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021815
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G09B 7/06 20060101AFI20220127BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20220127BHJP
【FI】
G09B7/06
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020125638
(22)【出願日】2020-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】517381429
【氏名又は名称】atama plus株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112003
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 裕司
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 一平
(72)【発明者】
【氏名】塚本 純一
(72)【発明者】
【氏名】酒井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】尾関 望
(72)【発明者】
【氏名】江波 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】市川 幸一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 宥史
(72)【発明者】
【氏名】三角 亮太
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 優
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028AA07
2C028BA01
2C028BA05
2C028BB04
2C028BC01
2C028CA13
5L049CC34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マークシート形式などの解答入力画面をユーザ端末上に効果的に表示して解答のしかたも含めて試験としての効果を高める。
【解決手段】通信ネットワーク2を介してユーザ端末に試験問題を配信する情報処理装置1において、ユーザ端末に試験問題画面を表示すると共に当該試験問題画面の一部に重ねて解答入力画面を表示可能であり、前記ユーザ端末の操作に基づいて該ユーザ端末への前記解答入力画面の表示/非表示を切替える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介してユーザ端末に試験問題を配信する情報処理装置であって、
前記ユーザ端末に試験問題画面を表示すると共に当該試験問題画面の一部に重ねて解答入力画面を表示可能であり、前記ユーザ端末の操作に基づいて該ユーザ端末への前記解答入力画面の表示/非表示を切替えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザ端末に対して解答入力画面の表示要求が行われたとき、前記試験問題画面上に重ねて前記解答入力画面の領域を半透明表示し、前記解答入力画面へのユーザの入力動作を検知して、当該領域に前記解答入力画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記解答入力画面の領域にカーソルが存在することを検知することにより、前記解答入力画面へのユーザの入力動作を検知することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記解答入力画面は、前記試験問題画面との重なり位置を変更することができることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記解答入力画面は、マークシート形式の解答入力画面であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記試験問題画面の問題文は拡大、縮小あるいはドラッグ可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末に対して試験問題を配信する情報処理装置において、マークシート形式など一定の解答形式による試験を効果的に実施することのできる情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多数の受験者(ユーザ)が試験を行う場合、ユーザは試験会場に出向き、マークシートに解答を記入していた。このマークシートの解答は試験後にスキャナを通してコンピュータ装置に入力され採点・集計が行われるのが一般的であった。このスキャナを用いたシステムに関する技術としては、例えば特許文献1がある。
【0003】
しかしながら、特許文献1の技術はユーザが会場に集まって試験を受けることを前提としている。各ユーザが自宅などで夫々ユーザ端末を介して試験を行う場合、マークシート等の解答用紙をユーザ側に備えるスキャナで読み込んでサーバへ解答データを送り、採点・集計したのではユーザの負担が大きくなる。
【0004】
これに対して、特許文献2では多肢選択問題について設問ごとに受験者が解答を入力するシステムが記載されている。特許文献2の装置構成によれば、ユーザがそれぞれ自宅等で試験を受ける際にユーザ側にスキャナなどの読み取り装置を備える必要がない。したがって、このシステムを用いて試験を行えばユーザの負担は小さくなる。しかし、試験会場に出向いて行う本番の試験が例えばマークシート形式で行われるような場合、本番の試験と全く異なる解答欄(解答入力画面)を通して解答をすることになり、その分臨場感に乏しく、また解答を記入する時間などにも本番の解答入力方式と比べて差が大きくなる。このため、本番対策のための試験としての効果は低くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-126692号公報
【特許文献2】特開2006-039353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の問題を解決する手段として、本番の試験と同様のデザイン構成の解答入力画面をユーザ端末上に表示することが考えられるが、ユーザ端末の画面の広さは限られており、解答入力画面の占める領域だけ、問題文を表示する画面領域が狭くなる。
【0007】
本発明は上述のかかる事情に鑑みてなされたものであり、受験者であるユーザの端末に対して試験問題を配信する情報処理装置において、マークシート形式などの解答入力画面をユーザ端末上に効果的に表示して、解答のしかたも含めて試験としての効果を高めることのできる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、通信ネットワークを介してユーザ端末に試験問題を配信する情報処理装置であって、
前記ユーザ端末に試験問題画面を表示すると共に当該試験問題画面の一部に重ねて解答入力画面を表示可能であり、前記ユーザ端末の操作に基づいて該ユーザ端末への前記解答入力画面の表示/非表示を切替えることを特徴とする。
【0009】
なおユーザ端末に対して解答入力画面の表示要求が行われたとき、前記試験問題画面上に重ねて前記解答入力画面の領域を半透明表示し、前記解答入力画面へのユーザの入力動作を検知して、当該領域に前記解答入力画面を表示するのが好ましい。
【0010】
より好ましくは、前記解答入力画面は、前記試験問題画面との重なり位置を変更することができるようにするのが良い。
【0011】
本発明では、ユーザはしばらく解答入力が不要のときは、解答入力画面を非表示することができる。また、解答入力が必要なときでも、解答入力画面への入力動作を検知したときのみ解答入力画面を表示し、それ以外は解答入力画面の領域(輪郭部分)のみが認識できる程度に試験問題画面上に半透明表示するので、ユーザは解答を入力する際に試験問題のどの部分が隠れるかを予め知ることができ、必要に応じて解答入力画面の表示位置を変更することができる。ここで、解答入力画面の領域とは、解答入力画面の表示範囲を意味する。設問番号或いは選択肢番号のような解答入力のためのみに必要な情報は半透明状態のときには表示しないのが好ましい。この場合、ユーザが問題文を読むために支障となる情報を半透明状態の解答入力画面の領域に表示しなければ足りる。この情報処理装置は、特にマークシート形式の解答入力画面に対して好適である。
【0012】
また本発明に係る情報処理装置は、前記試験問題画面の問題文は拡大、縮小あるいはドラッグ可能であることを特徴とする。特にこのような操作中においても解答入力画面の領域は常に前面に表示するのが好ましい。これによりユーザは、問題文を読みやすいサイズに調整でき、また解答入力画面の表示位置の移動機能を共に、解答入力画面を表示したときに問題文の重要な位置が隠れないように調整することができる。
【0013】
本発明に係るプログラムは、通信ネットワークを介してユーザ端末に試験問題を配信する情報処理装置上で動作するプログラムであって、
コンピュータを
試験問題を表示する問題画面を前記ユーザ端末に表示させる試験問題表示手段、
所定の形式の解答入力画面を前記問題画面に重ねて表示して、当該画面を通してユーザが入力した解答を受け付ける解答入力画面表示手段、
前記ユーザ端末の操作に基づいて前記解答入力画面の表示/非表示を切替える画面制御指示入力手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、マークシート形式などの解答入力画面をユーザ端末上に効果的に表示でき、解答のしかたも含めて試験としての効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態による情報処理装置の機能ブロック図である。
【
図2】
図1の基本処理手段の処理手順を示すフローチャートである。
【
図3】
図1の試験問題表示手段の処理手順を示すフローチャートである。
【
図4】
図1の画面制御指示入力手段の処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図1の解答入力画面表示手段の処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施の形態によるユーザ端末のディスプレイに表示される問題画面およびコントロール画面の表示例である。
【
図7】
図1の解答入力画面表示手段の処理によって、問題画面上に半透明表示される解答入力画面領域の表示例である。
【
図8】
図1の解答入力画面表示手段の処理によって、問題画面上に表示されるマークシート形式の解答入力画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明に係る情報処理装置の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態による情報処理装置1の機能ブロック図である。
この図において、情報処理装置1は、通信ネットワーク2を介して複数の受験者(以下、「ユーザ」ともいう。)の端末装置(以下、「ユーザ端末」という。)3とそれぞれ繋がっている。ここで、情報処理装置1は、クライアントサーバモデルやクラウドコンピューティング形態などにより構成することができるが、これに限られるものではない。
【0017】
情報処理装置1は、ユーザ端末3と通信を行うための送受信部11、データを記憶する記憶部12、データ処理を実行する演算処理部13を有している。
【0018】
演算処理部13は、通信ネットワーク2と接続する送受信部11を介してユーザ端末3との間でデータの送受信処理を実行する送受信処理手段30、ユーザ情報や試験科目情報の取得など試験実施のための基本処理を実行する基本処理手段31、試験問題を表示する画面(以下、「問題画面」という。)をユーザ端末3のディスプレイ(図示せず)に表示させる試験問題表示手段32、所定の形式の解答入力画面をユーザ端末3のディスプレイに表示して、当該画面を通してユーザが入力した解答を受け付ける解答入力画面表示手段33、ユーザ端末3上の表示画面等に関する操作指示を入力する画面制御指示入力手段34、ユーザごとに試験開始によって起動され経過時間を計測する試験時間計測手段35を備えている。各手段31~35はCPUの機能としてプログラムによって実現させることができる。なお本実施の形態では、所定の形式の解答入力画面として、マークシートを例に説明する。
【0019】
記憶部12は、受験者に出題する試験問題データを記憶する問題DB22、解答入力フォーマットに関するデータを記憶する解答画面情報記憶部23、各ユーザ端末3から送られてくる解答をユーザごとに記憶するユーザDB21を有している。
【0020】
ユーザDB21には受験者であるユーザの受験番号あるいはユーザID等のユーザ属性情報や実施した問題、その問題に対する当該ユーザの解答が履歴情報として保存される。問題DB22には、ユーザに提供するための問題が保存され、解答画面情報記憶部23にはユーザ端末3上に解答入力画面を表示するための情報が記憶されている。
【0021】
次に上記の構成を有する情報処理装置1の動作を説明する。なお、情報処理装置1の機能のうち、単元などユーザの学習単位を管理する機能については、例えば特許第6397146号公報に記載されている技術を用いることができるので説明を省略し、主に出題機能を中心に説明する。
【0022】
情報処理装置1の基本処理手段31は、ユーザのログインにより起動される。
基本処理手段31は、ユーザの志望校や学部などの情報を入力させ、また受験する科目を選択させる。このとき当該志望校の学部の試験科目になっていない科目については選択できないように識別表示するようにしてもよい。
【0023】
基本処理手段31は、ユーザが試験科目を選択すると、マークシート形式の画面でのマークのしかたの説明画面を表示する。一通りの説明を終えると、試験を開始するか否かのメッセージをユーザ端末3に表示する。
ユーザ端末から試験開始要求が送られてくると、基本処理手段31は、試験問題表示手段32、画面制御指示入力手段34、試験時間計測手段35を起動する。
【0024】
試験問題表示手段32は起動されるとユーザ端末3のディスプレイに問題画面51を表示する。また、画面制御指示入力手段34はユーザ端末3のディスプレイに、表示等に関する制御を行うための画面(以下、「コントロール画面」という。)52を表示する。
図6は、ユーザ端末3のディスプレイに表示される問題画面51およびコントロール画面52の例である。問題画面は、画面両端にはそれぞれ頁めくり方向が識別可能にそのマークが表示され、ユーザはこのマークを選択(クリックやタッチ)することにより、次の問題文に進んだり、あるいは前の問題文に戻ることができる。
【0025】
問題画面51は、コントロール画面52に表示された縮小、拡大アイコンを選択することによって、問題文の拡大縮小が可能になっている。また、ドラッグアイコンを選択することにより、問題画面内で、問題文をドラッグすることができる。
【0026】
コントロール画面52には、描画アイコンや消しゴムアイコンが表示されており、ユーザが選択すると、問題画面内において選択された形式で図形や文字が描画され、あるいは消去される。コントロール画面52には、この他マークシート表示用のメッセージ部が存在し、ユーザがこのメッセージ部を選択すると、解答入力画面表示手段33が起動される。
【0027】
解答入力画面は、
図7に示すようにユーザ端末のディスプレイにおいて、問題画面の一部と重なるように表示される。本実施の形態では、コントロール画面52は、ディスプレイの下側、問題画面51はその情報で、ディスプレイの略全体、解答入力画面53は問題画面の略片側半分を覆うように表示される。これらの画面、特に解答入力画面はその位置を移動可能にするのが好ましい。
【0028】
解答入力画面表示手段33は起動されると、ユーザ端末3のディスプレイ上に解答入力画面を表示出力する。この解答入力画面は最初は
図7に示すように、マークシートの領域53aのみが問題画面51上に半透明表示される。
【0029】
そして、ユーザがカーソルをこの領域上に移動させると、
図8に示すように、マークシート53bが表示される。このマークシートは上下にスクロール可能になっている。
【0030】
問題画面中の問題文には、解答を要求する欄ごとに番号が付されており、また、選択肢が表示されている。ユーザはマークシート画面において、該当する番号の選択肢群から正解と考える選択肢を選択する。
【0031】
すると選択された選択肢は選択されたことが分かるように識別表示される。例えば、選択された符号や番号を囲む○枠内を黒く塗りつぶした●表示にする等である。この解答されたデータは、逐次ユーザのパソコン等デバイスのローカルデータに保存される。
【0032】
試験が終了すると試験問題表示手段32および解答入力画面表示手段33は処理を終える。試験の終了は、ユーザがコントロール画面の「:」マーク(図面では3つの点で表示)を選択して表示される「解答を提出する」ボタンを選択する。すると、ユーザ端末のメモリに保存されている解答データはサーバに送信されユーザDB21に保存され、当該科目の試験完了フラグがセットされる。なお解答の提出は制限時間内外に問わず可能になっている。
【0033】
コントロール画面52には、マークシートの表示/非表示を指定するメッセージアイコンが表示されており、ユーザがこのアイコンを選択することにより、マークシートが問題画面上に表示され、あるいは閉じられる。マークシートが閉じられると、その下に隠れていた問題画面がディスプレイ上に表われる。
【0034】
以上の如く、問題画面と解答入力画面の画面領域が重複して設定されており、解答入力画面は常にユーザ端末3のディスプレイ上で前面に表示される。また、コントロール画面で拡大、縮小したとき、問題画面中の問題文のみが拡大又は縮小される。領域の一部を選択してドラッグしたとき、問題画面中の問題文のみがこのドラッグ方向に移動する。このようにユーザ操作によって問題画面が選択されたときも解答入力画面は常に前面に表示される。
【0035】
ユーザが、コントロール画面52を通して図形やメモ等を書き込むときもディスプレイに表示されている問題画面のみ、その書込みを受け付け、解答入力(マークシート)領域への書込みは受け付けない。
【0036】
マークシート領域では、ユーザがクリックあるいはタッチすると選択済みシンボルに切り替わる。再度選択すると非選択シンボルに切り替わる。同じ番号の他の選択肢を選択すると、それまで選択済みだった選択肢が非選択に切り替わり、新たな選択肢が選択済みになる。なお、デフォルトでマークシートが表示されるようになっていてもよい。
【0037】
次に、上記の動作を実現するための解答入力画面表示手段33の処理概要について説明する。
画面制御指示入力手段34は、「マークシートを表示」アイコンの選択を検知すると、解答入力画面表示手段33を起動する。
【0038】
解答入力画面表示手段33は起動されると、カーソルの位置を取得し、カーソルが所定の解答入力画面の範囲内にない場合は、解答入力画面を問題画面上の所定位置に半透明で表示する。システムが起動され所期状態はマークシートは非表示状態となっており、本実施の形態では、最初に「マークシートを表示」ボタンが押されると、ディスプレイの画面の右半分にマークシートが表示される。このとき、画面制御指示領域は、マークシート表示領域外に設定されているため、マークシートは画面全体に表示された問題画面の右半分に半透明表示される。
【0039】
半透明表示のときは、問題画面上にマークシートの輪郭部分のみを表示し、マークシートに記載される詳細な情報(例えば、選択肢番号やマーク欄など)は表示しないようにするのが好ましい。このようにすれば、ユーザは、半透明部分を通して、問題文を視認することができ、また、マークシートにマークする際は、問題のどの部分が解答入力画面(マークシート)によって隠されるかを知ることが出来る。
【0040】
解答入力画面表示手段33はカーソルが解答入力画面上にあると、解答入力画面を問題画面上の所定位置に表示する。このときは、問題画面の文字はマークシートによって隠されるため、ユーザは、容易にまた間違いなくマークシートの所定欄にマークすることができる。
【0041】
解答入力画面表示手段33は、カーソルが入力受付位置にあるときは、カーソルを入力受付可能であることを示すマーク(入力受付マーク)に変える。通常のカーソルから入力受付マークにすることにより、ユーザは、どの項目の情報が入力されるかを容易に認識することができる。
【0042】
解答入力画面表示手段33は、所定の入力受付位置でユーザの所定の動作(例えば、クリック)が行われたかどうかを判定し、所定の動作が行われたことを検知すると、そのクリック位置に伴う動作を実行する。
【0043】
本実施の形態の特徴の一つは、マークシートの表示位置を変更するボタンを設けたことである。ユーザは、このボタンを選択することによって、画面の右半分あるいは左半分のいずれにマークシートを表示させるかを選択することができる。なお、マークシートは画面の任意の位置に移動できるようにしてもよい。
【0044】
表示位置の変更以外は、入力位置識別情報とオン、オフの変化方向がユーザ端末3のメモリにローカルデータとして保存される。たとえば、マークシートのある選択肢の番号が選択されると、問題番号と選択肢番号がオンになったことがユーザ端末のメモリに保存される。この状態は記憶されており、その後同じ問題番号の他の選択肢番号が選択されると、後の選択肢番号がオンとなり、先にオンとなっていた選択肢番号は自動的にオフになるようにしてもよい。
【0045】
また、前回選択してオンとなっている選択肢番号と同じ選択肢番号が再度選択された場合、その選択肢番号のステータスは、オンからオフに変化する。すなわち、選択により、状態がトグル的に変化する。
【0046】
マークシートの選択肢番号に対する処理は上記に限定されず、たとえば、同じ問題の異なる選択肢番号が後から選択され場合は、先に選択された選択肢のステータスは自動的にオフにせず、それまでの状態を維持するようにしてもよい。すなわち、同じ選択肢番号が再度選択されることによってのみその選択肢番号の状態をトグル変化させるのである。これにより、同じ問題で複数の選択肢を解答させる問題に対しても対応させることができる。また、この処理方法は、問題ごとに設定可能にしてもよい。たとえば、複数の選択肢を選択させる問題に対しては、ある選択肢の選択後、同じ設問についてその後異なる選択肢の選択があっても先の選択肢の状態を維持し、そうでない問題に対しては、後の異なる選択肢番号の選択を優先して前回の選択肢の状態を自動的にオフにするなどである。「マークシートを送信」ボタンが押されるとユーザ端末3のメモリにローカルデータとして保存されている解答データはサーバに送信されユーザDBに保存される。
【0047】
以下、上記動作を実現するための主要な手段である基本処理手段31、試験問題表示手段32、画面制御指示入力手段34、および回答入力画面表示手段33の処理手順について図面を参照しながら説明する。
【0048】
(1)基本処理手段31の処理手順
図2は、基本処理手段31の処理手順を示すフローチャートである。
基本処理手段31はユーザのログインによって起動すると、基本画面を通して受験科目等に関するユーザ情報を取得する(S01)。そして、マークシート入力方法等について一連の説明および必要な場合は入力練習を実施した後、試験開始ボタンが選択されると(S02)、試験問題表示手段32、画面制御指示入力手段34、試験時間計測手段35をそれぞれ起動する(S03~S05)。なお、ユーザの解答データは逐次ユーザ端末3のメモリにローカルデータとして保存される。そして試験時間計測手段35によって試験経過時間を計測して、タイムアップかどうかを判定する(S06)。その判定の結果、タイムアップでない場合は、解答の提出の確認、すなわちマークシート画面あるいはコントロール画面に表示される「解答を提出する」ボタンが選択されると(S07)、ユーザ端末3のメモリに保存されている解答データが情報処理装置1に送信される(S09)。
【0049】
一方ステップS06でタイムアップした場合は、ユーザ端末の画面上に解答の提出の確認メッセージが出力され、「解答を提出する」ボタンが選択されると(S08)、ステップS09に移行する。そして基本画面に戻る(S10)。その後終了するか、あるいはユーザが複数の科目について試験を受ける場合は、ステップS01ないしステップS02の手順に戻り処理を繰り返す。
以上が基本処理手段31の処理手順である。
【0050】
(2)試験問題表示手段32の処理手順
次に、試験問題表示手段31の処理手順について
図3を用いて説明する。
試験問題表示手段32は、基本処理手段31から起動されるとユーザの選択した科目の問題にアクセスして(S201)、最初のページの問題をユーザ端末のディスプレイの問題画面51の領域に表示する(S202)。そして画面の右端に表示された次のページに進むことを示す矢印、または画面の左端に表示された前のページに戻ることを示す矢印が選択されると(S203,S205)、それぞれその矢印方向のページの問題データを問題画面51の領域に表示する(S204,S206)。以上の処理を「解答を提出するボタン」が選択されるまで繰り返す(S203~S207)。
【0051】
(3)画面制御指示入力手段34の処理手順
次に、画面制御指示入力手段34の処理手順について
図4を用いて説明する。
画面制御指示入力手段34は、基本処理手段31によって起動されると、ユーザ端末コントロール画面52をユーザ端末上の問題画面51に重ならない予め設定された位置に表示する。このコントロール画面52には、問題画面への書込みや消去、縮小、拡大、ドラッグページ移動のアイコンが表示され、それらが選択されることにより対応する処理が実行される(S301~S313)。コントロール画面52にはこの他マークシートの表示/非表示を指示するアイコンが表示可能になっている。「マークシートを表示する」ボタンが選択されると(S314)、画面制御指示入力手段34は、マークシートの表示に関してステータスの変化があったことを示す変化フラグをセットし、表示要求を示す表示フラグをオンにして(S315)、解答入力画面表示手段33を起動する(S316)。そしてコントロール画面52の「マークシートを表示する」ボタンの表示を「マークシートを隠す」ボタンに変更する(S317)。その後、コントロール画面52の「マークシートを隠す」ボタンが選択されると(S318)、画面制御指示入力手段34は、解答入力画面表示手段33に対して、変化フラグをセットし、解答入力画面を閉じることを示す表示フラグをオフにする(S319)。そして、コントロール画面52の「マークシートを隠す」ボタンの表示を「マークシートを表示する」ボタンに変更する(S320)。
【0052】
(4)解答入力画面表示手段33の処理手順
次に、解答入力画面表示手段33の処理手順について
図5を用いて説明する。
解答入力画面表示手段33は画面制御指示入力手段34によって起動されると、変化フラグがセットされているか否かを判定する(S101)。この判定の結果変化フラグがセットされている場合は、変化フラグをリセットして(S102)、表示フラグがオフかオフかを判定する(S103)。その結果、表示フラグがオンの場合は、カーソル位置を取得する(S105)。そしてカーソル位置が解答入力画面(マークシート)上にない場合は(S106で「NO」)、解答入力画面の領域を問題画面上の所定位置に半透明表示する(S107)。したがって、解答入力画面表示手段33の起動直後は、カーソルはコントロール画面52上に位置することになるので、
図7の符号53aで示すように、問題画面上にマークシートが半透明表示される。
【0053】
ステップS106において、カーソルが解答入力画面(マークシート領域)上にある場合は(S106で「YES」)、解答入力画面を問題画面上の所定位置に表示(不透明表示)する(S108)。すなわち
図8の符号53bで示すようにマークシートが問題画面上に表示される。そして、カーソルがマークシート上の入力受付可能な位置にある場合は(S109)、カーソルを入力受付可能であることが識別できるマークに変更する(S110)。この状態で選択(クリックやタッチ)動作を検知すると(S111)、そのときのカーソル位置が表示位置切替欄か否かを判定する(S112)。この判定の結果、カーソルが表示位置切替欄にある場合は、解答入力画面の表示位置を切替える(S113)。表示位置の切替えは、例えば、右端に表示されていたものを左端に表示したり、あるいは任意の位置にドラッグできるようにしてもよい。ステップS112の判定の結果、選択(クリックやタッチ)位置のカーソルが表示位置切替欄でない場合、例えば項目や設問の解答番号位置の場合は、これら入力位置識別情報と変化方向(オン、オフ)をユーザ端末3のメモリにローカルデータとして保存する。なお、この際任意のタイミングで自動通信を行い、サーバ(情報処理装置)側にバックアップをとるようにしてもよい。
一方、ステップS103の判定の結果、表示フラグがオフの場合は、解答入力画面(マークシート)を閉じて終了する(S104)。
【0054】
以上、本実施の形態によれば、マークシート形式などの解答入力画面をユーザ端末上に効果的に表示でき、ユーザは解答のしかたについても習得することが可能になる。特に、マークシート形式の入力画面とした場合、限られた画面に問題文とマークシートをどのように表示させるかが問題となる。たとえば、問題文とマークシートの専用の表示領域を設けることが考えられるが、これでは画面の小さな端末では、全体に文字が小さくなり実用的でない。本実施の形態では、問題画面に表示される問題文の文字サイズを自由に変え、またドラッグ可能にすると共に、カーソルがマークシート領域にないときはマークシート領域を半透明表示するので、ユーザ端末のディスプレイの略全体を問題文の表示に割り当てることができ、マークシートへの解答を効率的に行うことができる。
【0055】
本実施の形態の情報処理装置は、いわゆる模擬試験や本番の試験に適用できることは言うまでもないが、これに限らず広く試験一般に適用できることは明らかである。
【0056】
本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実現することができる。例えば、上記説明では、ユーザが解答したデータは、ユーザ端末のメモリにローカルデータとして保存しておき、試験終了時(解答を提出ボタンが押されたとき)にサーバに送信するようにしたが、ユーザが解答を入力するたびに、設問番号と解答した選択肢番号をサーバへ送信するようにしてもよい。このようにすれば、試験終了時の通信回線のトラフィックの軽減を図ることが可能となる。
【0057】
なお、本発明はマークシートに限らず、例えばタイプあるいは手書きで入力する自由記述の解答入力形式に対しても有効であることは言うまでもない。
【0058】
また情報処理装置に正解情報を記憶しておき、その正解情報をもとにユーザの解答データを自動採点するようにしてもよい。その場合、特許第6397146号等の技術を用いて採点結果を分析してユーザの不得意な教科や単元を算定し、試験結果と共に当該教科や単元の受講を推奨するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 情報処理装置
2 通信ネットワーク
3 ユーザ端末
10 情報処理装置
11 送受信部
12 記憶部
13 演算処理部
30 送受信処理手段
31 基本処理手段
32 試験問題表示手段
33 解答入力画面表示手段
34 画面制御指示入力手段
35 試験時間計測手段
21 ユーザDB
22 問題DB
23 解答画面情報