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  • 特開-クリアファイル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022038
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】クリアファイル
(51)【国際特許分類】
   B42F 7/00 20060101AFI20220127BHJP
【FI】
B42F7/00 G
B42F7/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020137129
(22)【出願日】2020-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】503473769
【氏名又は名称】株式会社荻野美光社
(72)【発明者】
【氏名】荻野 文彦
【テーマコード(参考)】
2C017
【Fターム(参考)】
2C017QA03
2C017QB01
2C017QE00
2C017QF05
2C017QG02
(57)【要約】
【課題】 所定サイズのクリアファイルから小さいサイズのクリアファイルを切り離した場合であっても不要部が発生せず、一枚のクリアファイルから複数枚のクリアファイルが得られ、さらに、クリアファイルに挟んだ特定のサイズの用紙を容易に等分にすることができるクリアファイルを提供すること。
【解決手段】 矩形形状で同じ寸法の2枚のシート2が重ね合わされ、隣接する2辺が閉じられるとともに他の2辺が開口されており、前記2枚のシートの間に収納物5を収納可能なクリアファイル1において、特定の一辺から対抗する一辺に向けて直角方向に、少なくとも1本以上の直線状の分離可能部3が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形形状で同じ寸法の2枚のシートが重ね合わされ、隣接する2辺が閉じられるとともに他の2辺が開口されており、前記2枚のシートの間に収納物を収納可能なクリアファイルにおいて、
特定の一辺から対抗する一辺に向けて直角方向に、少なくとも1本以上の直線状の分離可能部が形成されていることを特徴とするクリアファイル。
【請求項2】
前記2枚のシートの少なくともいずれかが、樹脂シート又は紙シートであることを特徴とする請求項1に記載のクリアファイル。
【請求項3】
前記分離可能部が、前記特定の一辺を略等分する位置に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリアファイル。
【請求項4】
前記2枚のシートの少なくともいずれかが抗菌加工されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のクリアファイル。
【請求項5】
前記クリアファイルに所定のサイズの前記収納物を収納した状態において、前記分離可能部が前記収納物の長辺を略3等分する位置に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のクリアファイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリアファイルに関するものであり、詳しくは所定の位置で分離可能なクリアファイルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、書類等を収納するためのクリアファイルにおいて、種々の機能を付加したものが提案されている。具体的には、1枚のクリアファイルから大小数種のクリアファイルが得られるようにしたものがある(特許文献1)。
【0003】
この提案のクリアファイルは、A4版の大きさに対応したクリアファイルから数種類サイズのクリアファイルを得ることができるように、縦横L字型の切れ目を設け、各切れ目から切り離すことにより各種サイズのクリアファイルが得られるとしている。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のA4版サイズのクリアファイルから目的のサイズのクリアファイルを切り離す場合、A4版以下のサイズのクリアファイル1枚しか得ることができず、同時に複数種のクリアファイルは得ることができないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-30213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
また、上記提案のクリアファイルから小サイズのクリアファイルを得る場合、切れ目が隣り合う2辺各々から縦横に設けられているため、L字型の不要部が生じるという問題があった。具体的には、例えば、この提案のクリアファイルにおいて、はがきを収納可能なサイズのクリアファイルを得る場合には、約3分の2が不要部としてゴミとなる。
【0008】
本発明は、上記の通りの事情に鑑みてなされたものであり、所定サイズのクリアファイルから小さいサイズのクリアファイルを切り離した場合であっても不要部が発生せず、一枚のクリアファイルから複数枚の分離したクリアファイルを得ることができるクリアファイルを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
【0010】
即ち、本発明のクリアファイルは、矩形形状で同じ寸法の2枚のシートが重ね合わされ、隣接する2辺が閉じられるとともに他の2辺が開口されており、前記2枚のシートの間に収納物を収納可能なクリアファイルにおいて、
特定の一辺から対抗する一辺に向けて直角方向に、少なくとも1本以上の直線状の分離可能部が形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、このクリアファイルにおいては、前記2枚のシートの少なくともいずれかが、樹脂シート又は紙シートであることが好ましく考慮される。
【0012】
また、このクリアファイルにおいては、前記分離可能部が、前記特定の一辺を略等分する位置に形成されていることが好ましく考慮される。
【0013】
さらに、このクリアファイルにおいては、前記2枚のシートの少なくともいずれかが抗菌加工されていることが好ましく考慮される。
【0014】
さらにまた、このクリアファイルにおいては、前記クリアファイルに所定のサイズの前記収納物を収納した状態において、前記分離可能部が前記収納物の長辺を略3等分する位置に形成されていることが好ましく考慮される。
【発明の効果】
【0015】
上記の本発明のクリアファイルによれば、所定サイズのクリアファイルから、分離可能部により小さいサイズのクリアファイルを切り離した場合であってもゴミが発生せず、一枚のクリアファイルから同時に分離した複数枚のクリアファイルを得ることができる。また、分離可能部で折り曲げることにより、所定のサイズの用紙を正確かつ簡単に等分に折り畳むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のクリアファイルの一実施形態を示す概略平面図である。
図2】本発明のクリアファイルを分離可能部で分離した状態を示す概略平面図である。
図3】各分離部分に指抜きを設けるとともに、分離可能部の端部に切欠き部を設けた実施形態のクリアファイルを示す概略斜視図である。
図4】分離したクリアファイルに衛生マスクを収納した状態を示す概略平面図である。
図5】収納物の用紙をクリアファイルに収納して折り目を付けた状態を示す概略図である。
図6】収納物の用紙を折り曲げて分離クリアファイルに収納し、封筒に導入可能とした状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明のクリアファイルについて、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明のクリアファイルの一実施形態を示す概略平面図である。
【0018】
本発明のクリアファイル1は、同じ寸法の矩形形状の2枚のシート2が重ね合わされ、互いに隣接する2辺が閉じられた閉じ部21を有するとともに他の2辺が開口された開口部22を有し、2枚のシート2の間に収納物を収納可能な、所謂一般的なクリアファイルにおいて、特定の一辺から直角方向に対抗する一辺に向けて、少なくとも1本以上の直線状の分離可能部3が形成されているものである。そして、分離可能部3から切り離すことにより、分離したクリアファイル4(以下分離クリアファイルともいう)を得ることができる。
【0019】
本発明のクリアファイル1を構成する2枚のシート2の少なくともいずれかは、樹脂シート又は紙シートである。樹脂シートとしては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の比較的硬度を有する樹脂シートや、バイオマスプラスチックシート、中でもポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート系(PBS、PBSA)、ポリカプロラクトン、ポリビニルアルコール(PVA)等の生分解性プラスチックシート等を例示することができる。また、紙シートとしては、強度を有する厚手の上質紙、コート紙、ケント紙、バガス等からなる紙、再生紙等を例示することができる。2枚のシート2は、2枚が上記いずれかの樹脂シート又は紙シートであってもよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0020】
クリアファイル1のサイズは、通常一般に使用されるサイズのクリアファイルであれば特に限定されず、A4版、A3版、B4版、B5版等種々のサイズのクリアファイル1とすることができる。これらの中でも、汎用性やコスト等の観点からA4版のクリアファイル1を好適に用いることができる。ここで、本発明において、例えばA4版のクリアファイルとは、A4版のサイズの収納物を好適に収納することができるサイズのクリアファイルを意味する。
【0021】
図1に示す実施形態のクリアファイル1は、A4版クリアファイルの長辺を略三等分する位置から対向する長辺に向けて直線状の分離可能部3を設けた構成のクリアファイル1である。
【0022】
本発明のクリアファイル1における分離可能部3は、クリアファイル1の通常使用時には分離せず、故意に力を入れた場合のみその部分から分離できるように設けられたものであり、例えば、ミシン目や、厚さを薄くした線状の溝を形成したもの等を例示することができる。これらの中でも、成形性やコスト等の観点から、図1に示すようにミシン目を好適に採用することができる。
【0023】
また、本発明において、分離可能部3を設ける略等分の位置とは、正確に三等分であることを含み、多少の寸法の長短は許容されるものである。上記許容量としては、例えばA4版サイズの用紙を収納可能なクリアファイル1の場合、許容範囲は±1cm程度、好ましくは±5mm程度、即ち、長辺(縦辺)が31cm程度として9~11cm程度、好ましくは9.5~10.5cm程度の範囲が許容される。
【0024】
なお、本実施形態のクリアファイル1においては、A4版クリアファイル1の長辺を分離可能部3で三等分した分離クリアファイル4は、短辺(元の長辺)の寸法が上記のとおり9~11cm程度となり、長辺(元の短辺)の寸法が22cm程度となる。
【0025】
この分離クリアファイル4のサイズは、一般的に多く使用されている縦型定型封筒7の長形3号(寸法12×23.5cm)の封筒7に収納可能な大きさであるため、重要書類等を郵送する場合に、上記分離クリアファイル4に当該重要書類等を挟んだ状態で長形3号に入れて郵送することが可能となる。これにより、折れ曲がりや水濡れから重要書類等を保護することができる。
【0026】
また、本実施形態のクリアファイル1には、図3に示すように、分離クリアファイル4とした場合の各々に対して通常指抜きと呼ばれる半円形の切欠き部(指抜き23)を設けることができる。一般的なクリアファイルには、指抜きは開口する辺の上部近傍に一つ設けられているが、分離したときの各々の分離クリアファイル4に指抜き23を設けることにより、分離後の分離クリアファイル4においても挟んだ書類の取り出しを容易にすることができる。
【0027】
なお、分離クリアファイル4を上記用途で使用する場合には、クリアファイル1全体に遮光性の着色を施し、封筒7外部から内容物を確認できないようにするのが好ましい。これにより、秘匿性の高い書類を郵送する場合にも、セキュリティー強化のために特別な封筒7を使用する必要がなくなり、コストを抑えることが可能となる。
【0028】
また、本実施形態のクリアファイル1に係る上記分離クリアファイル4は、図4に示すように衛生マスク6を好適に収容することができる。通常流通している衛生マスクは、鼻口を覆う布又は不織布部分を畳んだ状態では、その寸法が9×18cm前後となる。即ち、本発明のクリアファイル1において、A4版クリアファイル1を長辺略三等分した分離クリアファイル4の寸法は9~11cm×22cm程度であるため、衛生マスク6を収納可能な大きさである。即ち、本発明のクリアファイル1から得られる分離クリアファイル4は、使用中の衛生マスク6を一時的に保管するための衛生マスク保管用ケースとして用いることができる。
【0029】
なお、上記分離クリアファイル4を衛生マスク保管用ケースとして用いることを考慮した場合には、クリアファイル1を構成するシート2の少なくとも内面が抗菌加工されていることが好ましい。当該抗菌加工は、シート2自体に抗菌剤が配合されていてもよいし、シート2表面に抗菌剤を塗布したものであってもよい。抗菌加工に用いる抗菌剤としては、一般に公知のものであれば特に限定されず、例えば、無機抗菌剤、銀イオン抗菌剤等の金属イオン種系無機抗菌剤、有機系抗菌剤等を例示することができる。少なくともクリアファイル1の内側を抗菌加工しておくことにより、分離クリアファイル4に衛生マスク6を保管した場合に、衛生マスク6を常に衛生的に保つことが可能となる。
【0030】
また、本実施形態のクリアファイル1では、閉じられた辺の分離可能部3の端部に切欠き部24を設けることが好ましい。切欠き部24としては、図3に示すように、小径で半円形の切欠き部24や、楔型の切欠き部24を例示することができる。分離可能部3の端部に切欠き部24を設けることにより、切欠き部24から分離クリアファイル4を分離しやすくするとともに、図4に示すように衛生マスク6を分離クリアファイル4に保管した場合に、衛生マスク6の耳掛け紐61を切欠き部24から分離クリアファイル4外に安定して引き出すことができ、耳掛け紐61をフック等に掛けたり、持ち歩いたりすることが可能となる。
【0031】
上記のように、本発明のクリアファイル1は、通常のクリアファイルとして使用できるとともに、必要に応じて分離可能部3で切り離すことにより、分離クリアファイル4として種々の用途に用いることができる。
【0032】
一方、本発明のクリアファイル1では、所定の位置に設けられた分離可能部3を折り曲げることにより、収納した書類等の収納物5に折り目を付与することもできる。例えば、図5に示すように、A4版クリアファイル1に、A4版サイズの書類を収納した状態で、A4版クリアファイル1の長辺を略三等分した位置に設けられた分離可能部3を折り曲げることにより、A4版サイズの書類の長辺を略三等分する位置に折り目を形成することができる。
【0033】
そして、折り目を形成したA4版サイズの書類を本実施形態のクリアファイル1から取り出し、2本の折り目をさらにしっかりと折り曲げることにより、A4版サイズの書類を3分の1の大きさに折ることができる。即ち、図6に示すように、A4版サイズの書類を長形3号の封筒7に入れることができるように、容易かつ正確に折り畳むことができる。
【0034】
また、本発明のクリアファイル1は、書類を収納した状態で分離可能部3で折り曲げることが可能なため、例えばA4版サイズの書類を本実施形態のクリアファイル1に収納した状態で折り畳み、3分の1の大きさにしたクリアファイル1ごと長形3号の封筒7に入れて郵送することもできる。また、このように郵送された本発明のクリアファイル1は分離されていないため、送達後に広げてA4版クリアファイル1として再使用することが可能である。
【0035】
また、本発明のクリアファイル1においては、クリアファイル1全体に、又は分離クリアファイル4毎に、図柄等のデザインをプリントすることができる。プリントのデザインは特に限定されるものではなく、例えば、キャラクター柄や風景写真、有名絵画、会社名や会社ロゴ等、種々のものを例示することができる。またこれらを適宜組み合わせてプリントすることができる。分離した後の分離クリアファイル4の各々に独立した図柄のプリントを施すことにより、意匠性に優れたクリアファイル1とすることができる。
【0036】
以上、本発明のクリアファイル1を一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形、変更が可能である。
【0037】
例えば、上記実施形態では、A4版クリアファイル1の長辺を略3等分する位置に分離可能部3を設ける構成としたが、長辺を略2等分する位置に設ける構成としたり、A3版クリアファイル1やB4版クリアファイル1の長辺を略2等分する位置に設ける構成や略4等分する位置に設ける構成とすることもできる。
また、長辺の略3分の1の位置に1本のみ分離可能部3を設けて3分の1の分離クリアファイル4と、3分の2の分離クリアファイル4が得られる構成とすることもできる。
【0038】
上記本発明のクリアファイル1によれば、所定サイズのクリアファイル1から、分離可能部3により小さいサイズのクリアファイルを切り離した場合であってもゴミが発生せず、一枚のクリアファイル1から同時に複数枚の分離クリアファイル4を得ることができる。また、書類を収納した状態で、分離可能部3で折り曲げることにより、所定のサイズの用紙を正確に横三等分に折り畳むことができる。
【符号の説明】
【0039】
1 クリアファイル(A4版)
2 シート
21 閉じ部
22 開口部
23 指抜き
24 切欠き部
3 分離可能部(ミシン目)
4 分離クリアファイル
5 収納物
6 衛生マスク
61 耳掛け紐
7 封筒(長形3号)
図1
図2
図3
図4
図5
図6