(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022047
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】ガイド部材を有するマスクケース
(51)【国際特許分類】
G03F 1/66 20120101AFI20220127BHJP
【FI】
G03F1/66
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175406
(22)【出願日】2020-10-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-01
(31)【優先権主張番号】109124946
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】506017182
【氏名又は名称】家登精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUDENG PRECISION INDUSTRIAL CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】9F.,No.2,Sec.4,Zhongyang Rd.,Tucheng Dist.,New Taipei,Taiwan236
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】莊家和
(72)【発明者】
【氏名】▲ウェン▼星閔
(72)【発明者】
【氏名】李怡萱
(72)【発明者】
【氏名】薛新民
(72)【発明者】
【氏名】邱銘乾
【テーマコード(参考)】
2H195
【Fターム(参考)】
2H195BE12
(57)【要約】
【課題】従来のマスクケースの様々な問題点を改善する、ガイド部材を有するマスクケースを提供する。
【解決手段】ガイド部材を有するマスクケースは、ベース21、上蓋22及び複数のガイド部材3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3hを備える。ベース21は、複数の側辺を有する。上蓋22は、複数の側辺24を有し、ベース21を上蓋22で閉じると、輪郭が略矩形状を呈する筐体が形成される。筐体は、フォトマスクを収容する保管空間を有する。ガイド部材は、上蓋22の少なくとも2つの側辺24に閉じ方向dにそれぞれ配設されるとともに、接続部31、ガイド部及び案内斜面部をそれぞれ有する。接続部31は、上蓋22の側辺24に接続される。ガイド部の一端は、接続部31に接続されて閉じ方向に延びる。ガイド部の他端は、案内斜面部に接続される。案内斜面部は、外部空間に向かって延びた傾斜面を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース、上蓋及び複数のガイド部材を備えた、ガイド部材を有するマスクケースであって、
前記ベースは、複数の側辺を有し、
前記上蓋は、複数の側辺を有し、前記ベースを前記上蓋で閉じると、輪郭が略矩形状を呈する筐体が形成され、前記筐体は、フォトマスクを収容する保管空間を有し、
前記ガイド部材は、前記上蓋の少なくとも2つの側辺に閉じ方向にそれぞれ配設されるとともに、接続部、ガイド部及び案内斜面部をそれぞれ有し、
前記接続部は、前記上蓋の側辺に接続され、前記ガイド部の一端は、前記接続部に接続されて閉じ方向に延び、前記ガイド部の他端は、前記案内斜面部に接続され、前記案内斜面部は、外部空間に向かって延びた傾斜面を有することを特徴とするガイド部材を有するマスクケース。
【請求項2】
前記ガイド部材は、前記ガイド部の内面から前記保管空間に向かって延びた少なくとも1つのリブを有することを特徴とする請求項1に記載のガイド部材を有するマスクケース。
【請求項3】
前記ガイド部材は、前記ガイド部の内面から前記保管空間に向かって延びた少なくとも1つのバンプを有することを特徴とする請求項1に記載のガイド部材を有するマスクケース。
【請求項4】
前記ガイド部材は長尺状側板であることを特徴とする請求項1に記載のガイド部材を有するマスクケース。
【請求項5】
前記ベースの側辺には、前記ガイド部材に対応して位置する引き込み部が設けられることを特徴とする請求項1に記載のガイド部材を有するマスクケース。
【請求項6】
前記接続部は、ねじ孔を有することを特徴とする請求項1に記載のガイド部材を有するマスクケース。
【請求項7】
前記ガイド部及び前記案内斜面部は弾性体であることを特徴とする請求項1に記載のガイド部材を有するマスクケース。
【請求項8】
前記ガイド部材は、前記ガイド部の内面に配設されて前記保管空間を向く挟持部材を有することを特徴とする請求項1に記載のガイド部材を有するマスクケース。
【請求項9】
ケースをさらに備え、
前記ケースは、ケース上蓋及びケースベースを有し、
前記ケース上蓋により前記ケースベースを閉じたときに、前記ケースは、前記筐体を収容するセット位置を中に有することを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載のガイド部材を有するマスクケース。
【請求項10】
ベース、上蓋及び複数のガイド部材を備えた、ガイド部材を有するマスクケースであって、
前記ベースは、複数の側辺を有し、
前記上蓋は、複数の側辺を有し、前記ベースを前記上蓋で閉じると、輪郭が略矩形状を呈する筐体が形成され、前記筐体は、フォトマスクを収容する保管空間を有し、
前記ガイド部材は、前記ベースの少なくとも2つの側辺に閉じ方向にそれぞれ配設されるとともに、接続部、ガイド部及び案内斜面部をそれぞれ有し、
前記接続部は、前記ベースの側辺に接続され、前記ガイド部の一端は、前記接続部に接続され、前記ガイド部の他端は、前記案内斜面部に接続され、前記案内斜面部は、外部空間に向かって延びた傾斜面を有することを特徴とするガイド部材を有するマスクケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、割れ易い物を収容するために用いるキャリアに関し、特に、ガイド部材を有するマスクケースに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路及びその他半導体装置の製造分野において、重要な製造工程の一つはフォトリソグラフィ(photolithography)である。一般に、フォトリソグラフィは、所定のパターンを有するフォトマスクを利用し、ウェハ表面を選択的に輻射源に曝してエッチング表面層を形成する。一般にフォトマスクは、非常に平坦な透明石英からなり、ウェハに転写するパターンを含む。現代の集積回路のキーデバイスの寸法が微小であるため、クリーン度に対する要求は高かった。そのため、フォトマスクの表面を加工するときに表面を損壊させるかフォトレジスト層に投射される画像を歪ませる汚染物が無いようにする必要があり、さもなければ最終製品の品質が大きく低下してしまう虞があった。
【0003】
一般に、フォトマスクは、上蓋及びベースを有するSMIF(Standard Mechanical Interface Format)ポッド又はボックス内に形成したクリーンルーム環境中で保管及び/又は搬送され、上蓋とベースとの組み合わせにより、気密性を保持するフォトマスクの密封マスクケースが形成される。
【0004】
極端紫外線リソグラフィ工程では、マスクケースの開閉動作を自動化に頼り、マスクケースの上蓋及びベースを閉じる際、装置にアライメント誤差が生じ、ベースを迅速かつ正確に閉じることができない場合、上蓋とベースとが何度もぶつかったり摩損したりし、そこに保管されているフォトマスクを保護することが困難となるだけでなく、工程の最中に発生した微粒子によりフォトマスクが汚染してしまうこともあった。そのため、装置の位置案内を補助する装置が求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明者は、上記課題を解決するための鋭意検討を重ねた結果、かかる知見に基づいて、本発明に想到するに至った。
【0006】
本発明の課題は、従来のマスクケースの様々な問題点を改善する、ガイド部材を有するマスクケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、ベース、上蓋及び複数のガイド部材を備えた、ガイド部材を有するマスクケースであって、前記ベースは、複数の側辺を有し、前記上蓋は、複数の側辺を有し、前記ベースを前記上蓋で閉じると、輪郭が略矩形状を呈する筐体が形成され、前記筐体は、フォトマスクを収容する保管空間を有し、前記ガイド部材は、前記上蓋の少なくとも2つの側辺に閉じ方向にそれぞれ配設されるとともに、接続部、ガイド部及び案内斜面部をそれぞれ有し、前記接続部は、前記上蓋の側辺に接続され、前記ガイド部の一端は、前記接続部に接続されて閉じ方向に延び、前記ガイド部の他端は、前記案内斜面部に接続され、前記案内斜面部は、外部空間に向かって延びた傾斜面を有することを特徴とするガイド部材を有するマスクケースを提供する。
【0008】
前記ガイド部材は、前記ガイド部の内面から前記保管空間に向かって延びた少なくとも1つのリブを有することが好ましい。
【0009】
前記ガイド部材は、前記ガイド部の内面から前記保管空間に向かって延びた少なくとも1つのバンプを有することが好ましい。
【0010】
前記ガイド部材は長尺状側板であることが好ましい。
【0011】
前記ベースの側辺には、前記ガイド部材に対応して位置する引き込み部が設けられることが好ましい。
【0012】
前記接続部は、ねじ孔を有することが好ましい。
【0013】
前記ガイド部及び前記案内斜面部は弾性体であることが好ましい。
【0014】
前記ガイド部材は、前記ガイド部の内面に配設されて前記保管空間を向く挟持部材を有することが好ましい。
【0015】
ケースをさらに備え、前記ケースは、ケース上蓋及びケースベースを有し、前記ケース上蓋により前記ケースベースを閉じたときに、前記ケースは、前記筐体を収容するセット位置を中に有することが好ましい。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の第2の形態によれば、ベース、上蓋及び複数のガイド部材を備えた、ガイド部材を有するマスクケースであって、前記ベースは、複数の側辺を有し、前記上蓋は、複数の側辺を有し、前記ベースを前記上蓋で閉じると、輪郭が略矩形状を呈する筐体が形成され、前記筐体は、フォトマスクを収容する保管空間を有し、前記ガイド部材は、前記ベースの少なくとも2つの側辺に閉じ方向にそれぞれ配設されるとともに、接続部、ガイド部及び案内斜面部をそれぞれ有し、前記接続部は、前記ベースの側辺に接続され、前記ガイド部の一端は、前記接続部に接続され、前記ガイド部の他端は、前記案内斜面部に接続され、前記案内斜面部は、外部空間に向かって延びた傾斜面を有することを特徴とするガイド部材を有するマスクケースを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明のガイド部材を有するマスクケースは、上蓋とベースとがX軸方向又はY軸方向で位置がずれた場合、まず、案内斜面部の傾斜面をベースに接触させ、傾斜面に沿ってベースが案内されてガイド部に接触されると、接触面積が最小の状態で上蓋を正確な相対位置で閉じることができる。また、蓋を正確に閉じる際、各ガイド部材はベースの位置を制限し、ベース及び上蓋が相対的に旋回されないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るガイド部材を有するマスクケースを示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るガイド部材を有するマスクケースを閉じる状態を示す説明図である。
【
図3A】本発明の一実施形態に係るガイド部材の第1の態様を示す分解斜視図である。
【
図3B】本発明の一実施形態に係るガイド部材の第2の態様を示す斜視図である。
【
図3C】本発明の一実施形態に係るガイド部材の第3の態様を示す断面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係るガイド部材を有するマスクケースを閉じる状態を示す説明図である。
【
図5】本発明の第3実施形態に係るガイド部材を有するマスクケースを閉じる状態を示す説明図である。
【
図6A】本発明の一実施形態に係るガイド部材の第4の態様を示す斜視図である。
【
図6B】本発明の一実施形態に係るガイド部材の第4の態様を示す断面図である。
【
図7A】本発明の一実施形態に係るガイド部材の第5の態様を示す斜視図である。
【
図7B】本発明の一実施形態に係るガイド部材の第5の態様を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の目的、特徴及び効果をより分かりやすくするために、具体的な実施形態について図に基づいて詳しく説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1及び
図2を参照する。
図1及び
図2に示すように、本発明の第1実施形態に係るガイド部材を有するマスクケース100は、ベース21、上蓋22及び複数のガイド部材を備える。
【0021】
ベース21は、複数の側辺23を有する。
【0022】
上蓋22は、複数の側辺24を有する。ベース21を上蓋22で閉じると、輪郭が略矩形状を呈する筐体2が形成される(平面視で略矩形であり、4つの側辺を有する)。筐体2は、フォトマスクR(
図5を参照する)を収容する保管空間Sを有する。第1実施形態の筐体2の角は、摩擦を減らし、他の物に当たることを減らすために角丸に形成されているが、本発明はこれだけに限定されるわけではない。
【0023】
複数のガイド部材は、上蓋22の少なくとも2つの側辺24に、上蓋22を閉じる閉じ方向dにそれぞれ配設される。第1実施形態は、上蓋22の4つの側辺24に上蓋22を閉じる閉じ方向dにそれぞれ配設された8つのガイド部材3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3hを有する。各側辺の両端には、上述したガイド部材がそれぞれ設けられる。各ガイド部材は、筐体2の角に近設される。8つのガイド部材は、重量のバランスをとり、美観性を有する設計にするなどの要素を考慮したためであり、本発明はこれだけに限定されず、他の個数、他の配設方式を採用してもよい。
【0024】
例えば、一例では、ガイド部材の数は4であり、それは上蓋22の4つの側辺24にそれぞれ配設されてもよい。例えば、
図1中のガイド部材3a,3c,3e,3gだけ配設し、各側辺に1つのガイド部材を配設し、各角にガイド部材をそれぞれ配設してもよい。
【0025】
もう一つの例では、ガイド部材の数は4であり、それは上蓋22の4つの側辺24にそれぞれ配設されてもよい。例えば、
図1中のガイド部材3a,3b,3e,3fだけ配設し、各側辺にガイド部材を配設し、4つのガイド部材を筐体2の2つの対角にそれぞれ配設してもよい。
【0026】
4つのガイド部材は、筐体2の角に近設したものでなく、4つの側辺の中段にそれぞれ配設するように変更してもよい。
【0027】
ガイド部材の数を簡素化するために、本発明のガイド部材を有するマスクケースは、上蓋22の隣り合う2つの側辺24にそれぞれ配設されたガイド部材を最低限度の2つのみにしてもよい。2つのガイド部材は、
図1中のガイド部材3a,3b(角に集中される)のみ配設されるか、
図1中のガイド部材3a,3cのみ配設されるか(近設した角にそれぞれ配設される)、
図1中のガイド部材3a,3fのみ配設されてもよいが(対角にそれぞれ配設される)、本発明はこれらだけに限定されるわけではない。2つのガイド部材は、図面中のX軸方向及びY軸方向の位置案内をそれぞれ補助するだけでよい。
【0028】
図3Aに示すように、ガイド部材3aを例として説明すると、各ガイド部材は、接続部31、ガイド部32及び案内斜面部33をそれぞれ含む。接続部31は、上蓋22の側辺24に接続される。ガイド部32の一端は、接続部31に接続され、閉じ方向dで延びる。ガイド部32の他端は、案内斜面部33に接続される。案内斜面部33は、外部空間に向かって延びた傾斜面331を有する。
【0029】
図2に示すように、ベース21を上蓋22で閉じる際に、上蓋22及びベース21がX軸方向又はY軸方向で位置がずれると、上蓋22は、まず、案内斜面部33の傾斜面331がベース21に接触され、傾斜面331に沿ってベース21を案内してガイド部32に接触させると(ベース21又は上蓋22が相対的に移動する)、接触面積が最小の状態で正確な相対位置で閉じることができる。蓋を正確に閉じる際、各ガイド部材はベース21の位置を制限し、ベース21及び上蓋22が相対的に旋回されないようにする。好適には、各ガイド部材とベース21の側辺との間隙は約0.2mmである。各ガイド部材は、ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone:PEEK)、KFM(Fluorinated Hydrocarbon rubber)、ポリカーボネート(Polycarbonate:PC)などのプラスチック材料及びアルミニウム、ステンレスなどの金属材料からなってもよいが、摩耗され難い材料からなることが好ましい。
【0030】
また、
図2及び
図3Aに示すように、一例において、接続部31は、ねじCによりガイド部材を上蓋22にねじ止めするねじ孔311を有するが、本発明はこれだけに限定されず、他の方式によりガイド部材を上蓋22又はベース21に接続してもよい。他の方式には、例えば、掛止方式又はその他の方式が含まれる。
【0031】
図3Aを参照する。
図3Aに示すように、一例において、ガイド部材3aは、ガイド部32の内面から保管空間Sに向かって延びた少なくとも1つのリブ321を有する。リブ321は、ガイド部材3aとベース21とを接触させる面積を小さくし、摩擦の発生を減らす。
【0032】
図3Bを参照する。
図3Bに示すように、ガイド部材3aの他の態様は、ガイド部32の内面から保管空間Sに向かって延びた少なくとも1つのバンプ322を有する。バンプ322の機能は、上述した実施形態のリブ321と同様に、摩擦の発生を減らす。
【0033】
また、
図3Cを参照する。
図3Cに示すように、ガイド部材の他の態様は長尺状側板4であり、それは側辺の両端にそれぞれ配設した2つのガイド部材の形式を代替し、より好適でより安定したガイド効果が得られる。
【0034】
図2を再び参照する。
図2に示すように、本実施形態の各ガイド部材3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3hの接続部31は、上蓋22の側辺24に接続される。ベース21の側辺23は、引き込み部211及び拡張部212を有する。引き込み部211は、ガイド部材3bに対応して位置する。引き込み部211及び拡張部212は、協働でガイド部材3bの位置を制限し、上蓋22の位置案内を補助してもよい。
【0035】
また、
図6A及び
図6Bを参照する。
図6A及び
図6Bに示すように、一例において、ガイド部材6の別の態様では、ガイド部62及び案内斜面部63が弾性体からなるため、上述した態様の剛性のガイド部32及び案内斜面部33とは異なり、ガイド部62及び案内斜面部63が一定程度の弾性を有する。そのため、力を受けると変形し、ベース21及び上蓋22の寸法に公差があるとき、ガイド部材6が弾性のガイド部62及び案内斜面部63により挟持され、ベース21及び上蓋22を固定する。この実施形態では、弾性のガイド部62及び案内斜面部63がベース21及び上蓋22に密着されるため、ガイド部材6、ベース21及び上蓋22間の摩擦を減らすことができる。接続部61は、剛性体又は弾性体からなってもよいが、本発明はこれだけに限定されるわけではない。
【0036】
また、
図7A及び
図7Bを参照する。
図7A及び
図7Bに示すように、ガイド部材6aの他の態様は、接続部61、ガイド部62a及び案内斜面部63aを含む。ガイド部62a及び案内斜面部63aは、剛性体又は弾性体に限定されるわけではない。ガイド部材6aは、ガイド部62aの内面に配設されて保管空間Sを向く挟持部材64を有する。挟持部材64は、柔軟で弾性を有する長尺部材又は表面塗布層を有する(例えば、表面にテフロン(登録商標)が塗布される)。ベース21を上蓋22で閉じた後、挟持部材64によりベース21及び上蓋22を挟持し、ベース21が上蓋22により閉じられた後にXY方向の変位も回転変位もしないため、ガイド部材6a、ベース21及び上蓋22間の摩擦を減らすことができる。
【0037】
(第2実施形態)
また、
図4を参照する。
図4に示すように、本発明の第2実施形態に係るガイド部材を有するマスクケース200は、第1実施形態と異なり、各ガイド部材がベース21の少なくとも2つの側辺23に、上蓋22を閉じる閉じ方向dに配設される。本実施形態の各ガイド部材3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3hの接続部31は、ベース21の側辺23に接続される。ガイド部32の一端は接続部31に接続され、ガイド部32の他端は案内斜面部33に接続される。案内斜面部33は、外部空間に向かって延びた傾斜面331を有する(案内斜面部33が上方を向く)。そのため上蓋22で閉じるときに、X軸方向又はY軸方向の位置がずれても、上蓋22が案内斜面部33に沿って正確な位置に案内される。
【0038】
(第3実施形態)
図5を参照する。
図5に示すように、本発明の第3実施形態に係るガイド部材を有するマスクケース300は、ケース5をさらに備えてもよい。ケース5は、ケース上蓋52及びケースベース51を含む。ケース上蓋52によりケースベース51を閉じたときに、ケース5は、上蓋22及びベース21により構成された筐体2を収容するセット位置を中に有する。フォトマスクRは、筐体2の保管空間Sに収容されるため、フォトマスクRは二重に保護される。
【0039】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0040】
2 筐体
3a ガイド部材
3b ガイド部材
3c ガイド部材
3d ガイド部材
3e ガイド部材
3f ガイド部材
3g ガイド部材
3h ガイド部材
4 長尺状側板
5 ケース
6 ガイド部材
6a ガイド部材
21 ベース
22 上蓋
23 側辺
24 側辺
31 接続部
32 ガイド部
33 案内斜面部
51 ケースベース
52 ケース上蓋
61 接続部
62 ガイド部
62a ガイド部
63 案内斜面部
63a 案内斜面部
64 挟持部材
100 ガイド部材を有するマスクケース
200 ガイド部材を有するマスクケース
211 引き込み部
212 拡張部
300 ガイド部材を有するマスクケース
311 ねじ孔
321 リブ
322 バンプ
331 傾斜面
C ねじ
d 閉じ方向
R フォトマスク
S 保管空間
【手続補正書】
【提出日】2021-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース、上蓋及び複数のガイド部材を備えた、ガイド部材を有するマスクケースであって、
前記ベースは、複数の側辺を有し、
前記上蓋は、複数の側辺を有し、前記ベースを前記上蓋で閉じると、輪郭が略矩形状を呈する筐体が形成され、前記筐体は、フォトマスクを収容する保管空間を有し、
前記ガイド部材は、前記上蓋の少なくとも2つの側辺に閉じ方向にそれぞれ配設されるとともに、接続部、ガイド部及び案内斜面部をそれぞれ有し、
前記接続部は、前記上蓋の側辺に接続され、前記ガイド部の一端は、前記接続部に接続されて閉じ方向に延び、前記ガイド部の他端は、前記案内斜面部に接続され、前記案内斜面部は、外部空間に向かって延びた傾斜面を有することを特徴とするガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、前記ガイド部の内面から前記保管空間に向かって延びた少なくとも1つのバンプを有することを特徴とするガイド部材を有するマスクケース。
【請求項2】
ベース、上蓋及び複数のガイド部材を備えた、ガイド部材を有するマスクケースであって、
前記ベースは、複数の側辺を有し、
前記上蓋は、複数の側辺を有し、前記ベースを前記上蓋で閉じると、輪郭が略矩形状を呈する筐体が形成され、前記筐体は、フォトマスクを収容する保管空間を有し、
前記ガイド部材は、前記上蓋の少なくとも2つの側辺に閉じ方向にそれぞれ配設されるとともに、接続部、ガイド部及び案内斜面部をそれぞれ有し、
前記接続部は、前記上蓋の側辺に接続され、前記ガイド部の一端は、前記接続部に接続されて閉じ方向に延び、前記ガイド部の他端は、前記案内斜面部に接続され、前記案内斜面部は、外部空間に向かって延びた傾斜面を有することを特徴とするガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、前記ガイド部の内面に配設されて前記保管空間を向く挟持部材を有することを特徴とするガイド部材を有するマスクケース。
【請求項3】
前記接続部は、ねじ孔を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のガイド部材を有するマスクケース。
【請求項4】
ケースをさらに備え、
前記ケースは、ケース上蓋及びケースベースを有し、
前記ケース上蓋により前記ケースベースを閉じたときに、前記ケースは、前記筐体を収容するセット位置を中に有することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のガイド部材を有するマスクケース。
【請求項5】
ベース、上蓋及び複数のガイド部材を備えた、ガイド部材を有するマスクケースであって、
前記ベースは、複数の側辺を有し、
前記上蓋は、複数の側辺を有し、前記ベースを前記上蓋で閉じると、輪郭が略矩形状を呈する筐体が形成され、前記筐体は、フォトマスクを収容する保管空間を有し、
前記ガイド部材は、前記ベースの少なくとも2つの側辺に閉じ方向にそれぞれ配設されるとともに、接続部、ガイド部及び案内斜面部をそれぞれ有し、
前記接続部は、前記ベースの側辺に接続され、前記ガイド部の一端は、前記接続部に接続され、前記ガイド部の他端は、前記案内斜面部に接続され、前記案内斜面部は、外部空間に向かって延びた傾斜面を有することを特徴とするガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、前記ガイド部の内面から前記保管空間に向かって延びた少なくとも1つのバンプを有することを特徴とするガイド部材を有するマスクケース。
【請求項6】
ベース、上蓋及び複数のガイド部材を備えた、ガイド部材を有するマスクケースであって、
前記ベースは、複数の側辺を有し、
前記上蓋は、複数の側辺を有し、前記ベースを前記上蓋で閉じると、輪郭が略矩形状を呈する筐体が形成され、前記筐体は、フォトマスクを収容する保管空間を有し、
前記ガイド部材は、前記ベースの少なくとも2つの側辺に閉じ方向にそれぞれ配設されるとともに、接続部、ガイド部及び案内斜面部をそれぞれ有し、
前記接続部は、前記ベースの側辺に接続され、前記ガイド部の一端は、前記接続部に接続され、前記ガイド部の他端は、前記案内斜面部に接続され、前記案内斜面部は、外部空間に向かって延びた傾斜面を有することを特徴とするガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、前記ガイド部の内面に配設されて前記保管空間を向く挟持部材を有することを特徴とするガイド部材を有するマスクケース。