(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022092
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】ロボット起動測位方法、デバイス、電子装置及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20220127BHJP
【FI】
G05D1/02 H
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021077777
(22)【出願日】2021-04-30
(31)【優先権主張番号】202010707955.6
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521190783
【氏名又は名称】上海▲ちん▼朗智能科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】特許業務法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬帥
(72)【発明者】
【氏名】趙文飛
(72)【発明者】
【氏名】白雪
(72)【発明者】
【氏名】▲リー▼穎▲シュェン▼
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC08
5H301CC10
5H301DD01
5H301DD06
5H301DD07
5H301DD15
5H301FF11
5H301HH01
5H301HH02
5H301HH18
5H301JJ06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ロボット起動測位の的確性を向上させるための、ロボット起動測位方法、デバイス、電子装置及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】ロボットが起動する際に、ロボットを起動測位領域に予め設定された自転方向に応じて回動させるように制御することと、自転の過程において特定された測位発信手段と異なる固定位置に設けられた2つの測位受信手段との間の少なくとも3つの異なる位置距離集合、及び予め設定された自転方向によって、測位発信手段の自転経路位置情報を特定することと、自転経路の中心位置からロボットが自転を停止した時の測位発信手段の位置に延伸した方向を、ロボットの向き情報とすることと、自転経路の中心位置とロボットの向き情報をロボットの起動測位情報とすることとを含む。従来の技術と比べて、本実施例に係る技術方案は外界の動的環境における障害物の干渉や影響を回避し、起動測位情報の的確性を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット起動測位方法であって、
ロボット起動測位システムにおけるコントローラにより実行され、
前記ロボット起動測位システムは、固定位置に設けられた測位受信手段と、ロボットに設けられた測位発信手段とを含み、前記測位発信手段は、前記測位受信手段と通信接続され、且つ前記測位受信手段に測位信号を送信することに用いられ、前記方法は、
ロボットが起動する際に、ロボットを起動測位領域に予め設定された自転方向に従って回動させるように制御することと、
自転の過程において特定された前記測位発信手段と異なる固定位置に設けられた2つの前記測位受信手段との間の少なくとも3つの異なる位置距離集合、及び前記予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定することと、
前記測位発信手段の自転経路位置情報によって、前記自転経路の中心位置を特定することと、
前記自転経路の中心位置から前記ロボットが自転を停止した時の測位発信手段の位置に延伸した方向を、前記ロボットの向き情報とすることと、
前記自転経路の中心位置と前記ロボットの向き情報をロボットの起動測位情報とすることとを含む、
ことを特徴とするロボット起動測位方法。
【請求項2】
前記起動測位領域と前記測位受信手段との距離は予め設定された距離の閾値よりも小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボット起動測位方法。
【請求項3】
前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定することは、
自転順位に従って、前記自転経路上の不共線の3つの点の位置座標を取得することと、
各前記自転経路上の不共線の3つの点からなる面積量を特定し、前記面積量の数値によって計算してロボット計算自転方向を取得することと、
前記面積量の数値及び予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定することとを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボット起動測位方法。
【請求項4】
前記面積量の数値及び予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定することは、
ロボットが時計回りに自転を行うと、自転の優先順位に応じて、それぞれ各前記自転経路上の不共線の3つの点の位置座標を取得し、各前記自転経路上の不共線の3つの点からなる面積量を特定し、面積量がマイナスの時の3つの点が属する自転経路を、前記測位発信手段の自転経路位置情報とすることと、
ロボットが反時計回りに自転を行うと、自転の優先順位に応じて、それぞれ各前記自転経路上の不共線の3つの点の位置座標を取得し、各前記自転経路上の不共線の3つの点からなる面積量を特定し、面積量がプラスの時の3つの点が属する自転経路を、前記測位発信手段の自転経路位置情報とすることとを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載のロボット起動測位方法。
【請求項5】
自転の過程において特定された前記測位発信手段と異なる固定位置に設けられた2つの前記測位受信手段との間の少なくとも3つの異なる位置距離集合、及び前記予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定することは、
前記測位発信手段と異なる固定位置に設けられた2つの前記測位受信手段との間の少なくとも3つの異なる位置距離集合での各距離の変化傾向を特定することと、
前記各距離の変化傾向及び予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定することとを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボット起動測位方法。
【請求項6】
前記各距離の変化傾向及び予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定することは、
ロボットが時計回りに自転を行うと、前記測位発信手段と第1測位受信手段との間の相対距離が最大値から最小値に変化する過程において、前記測位発信手段と第2測位受信手段との間の相対距離が最小値を有すれば、前記測位発信手段の自転経路は前記第2測位受信手段から前記第1測位受信手段に延伸する方向の右側に位置することと、
ロボットが時計回りに自転を行うと、前記測位発信手段と第1測位受信手段との間の相対距離が最大値から最小値に変化する過程において、前記測位発信手段と第2測位受信手段との間の相対距離が最大値を有すれば、前記測位発信手段の自転経路は前記第2測位受信手段から前記第1測位受信手段に延伸する方向の左側に位置することとを含み、
前記第1測位受信手段は前記第2測位受信手段の左側に位置する、
ことを特徴とする請求項5に記載のロボット起動測位方法。
【請求項7】
前記各距離の変化傾向及び予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定することは、
ロボットが反時計回りに自転を行うと、前記測位発信手段と第1測位受信手段との間の相対距離が最大値から最小値に変化する過程において、前記測位発信手段と第2測位受信手段との間の相対距離が最大値を有すれば、前記測位発信手段の自転経路は前記第2測位受信手段から前記第1測位受信手段に延伸する方向の右側に位置することと、
ロボットが反時計回りに自転を行うと、前記測位発信手段と第1測位受信手段との間の相対距離が最大値から最小値に変化する過程において、前記測位発信手段と第2測位受信手段との間の相対距離が最小値を有すれば、前記測位発信手段の自転経路は前記第2測位受信手段から前記第1測位受信手段に延伸する方向の左側に位置することとを含み、
前記第1測位受信手段は前記第2測位受信手段の左側に位置する、
ことを特徴とする請求項5に記載のロボット起動測位方法。
【請求項8】
ロボット起動測位デバイスであって、
ロボット起動測位システムにおけるコントローラに設けられ、
前記ロボット起動測位システムは、固定位置に設けられた測位受信手段と、ロボットに設けられた測位発信手段とを含み、前記測位発信手段は、前記測位受信手段と通信接続され、且つ前記測位受信手段に測位信号を送信することに用いられ、前記デバイスは、
ロボットが起動する際に、ロボットを起動測位領域に予め設定された自転方向に従って回動させるように制御することに用いられる自転モジュールと、
自転の過程において特定された前記測位発信手段と異なる固定位置に設けられた2つの前記測位受信手段との間の少なくとも3つの異なる位置距離集合、及び前記予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定することに用いられる経路情報特定モジュールと、
前記測位発信手段の自転経路位置情報によって、前記自転経路の中心位置を特定することに用いられる中心位置特定モジュールと、
前記自転経路の中心位置から前記ロボットが自転を停止した時の測位発信手段の位置に延伸した方向を、前記ロボットの向き情報とすることに用いられる向き情報特定モジュールと、
前記自転経路の中心位置と前記ロボットの向き情報をロボットの起動測位情報とすることに用いられる測位情報特定モジュールとを含む、
ことを特徴とするロボット起動測位デバイス。
【請求項9】
電子装置であって、
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムを記憶することに用いられる記憶デバイスとを含み、
前記1つ又は複数のプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサにより実行される場合に、前記1つ又は複数のプロセッサに請求項1~7のいずれか一項に記載のようなロボット起動測位方法を実現させる、
ことを特徴とする電子装置。
【請求項10】
コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
当該プログラムは、プロセッサにより実行される時に、請求項1~7のいずれか一項に記載のようなロボット起動測位方法を実現する、
コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、ロボット測位の技術分野に関し、特に、ロボット起動測位方法、デバイス、電子装置及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
測位技術の発展に伴い、現在のロボットは、自身の測位システムに基づいて自律測位とナビゲーションを実現することができる。ロボットがスタートアップ起動操作を行うと、ロボットは自身の測位情報を失うことになり、それにより自律ナビゲーションの能力を失う。
【0003】
従来の技術において、ロボットは、通常、視覚情報で地図を構築することにより、自身の位置情報を新たに取得し、当該方法は、取得した位置姿勢データと画像データに基づいてロボットのスタートアップ再測位データベースを構築し、ロボットのスタートアップ位置にある時のスタートアップ画像を取得し、スタートアップ画像によりスタートアップ再測位データベースから複数の類似画像をマッチングし、類似画像に基づいてロボットのスタートアップ位置にある時に対応するスタートアップ位置姿勢を特定する必要がある。
しかしながら、上記方法は、環境の影響を大きく受けるため、ロボットの周囲環境に一定の変動が生じると、ロボット起動測位の精度に大きく影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ロボット起動測位の的確性を向上させるための、ロボット起動測位方法、デバイス、電子装置及び記憶媒体を提供する。
【0005】
第1態様において、本発明の実施例は、
ロボット起動測位方法であって、ロボット起動測位システムにおけるコントローラにより実行され、前記ロボット起動測位システムは、固定位置に設けられた超広帯域測位受信手段と、ロボットに設けられた超広帯域測位発信手段とを含み、前記測位発信手段は、前記測位受信手段と通信接続され、且つ前記測位受信手段が返送する測位信号を受信することに用いられ、前記方法は、
ロボットが起動する際に、ロボットを起動測位領域に予め設定された自転方向に従って回動させるように制御することと、
自転の過程において特定された前記測位発信手段と異なる固定位置に設けられた2つの前記測位受信手段との間の少なくとも3つの異なる位置距離集合、及び前記予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定することと、
前記測位発信手段の自転経路位置情報によって、前記自転経路の中心位置を特定することと、
前記自転経路の中心位置から前記ロボットが自転を停止した時の測位発信手段の位置に延伸した方向を、前記ロボットの向き情報とすることと、
前記自転経路の中心位置と前記ロボットの向き情報をロボットの起動測位情報とすることとを含む、ロボット起動測位方法を提供する。
【0006】
第2態様において、本発明の実施例は、
ロボット起動測位デバイスであって、ロボット起動測位システムにおけるコントローラに設けられ、前記ロボット起動測位システムは、固定位置に設けられた測位受信手段と、ロボットに設けられた測位発信手段とを含み、前記測位発信手段は、前記測位受信手段と通信接続され、且つ前記測位受信手段に測位信号を送信することに用いられ、前記デバイスは、
ロボットが起動する際に、ロボットを起動測位領域に予め設定された自転方向に従って回動させるように制御することに用いられる自転モジュールと、
自転の過程において特定された前記測位発信手段と異なる固定位置に設けられた2つの前記測位受信手段との間の少なくとも3つの異なる位置距離集合、及び前記予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定することに用いられる経路情報特定モジュールと、
前記測位発信手段の自転経路位置情報によって、前記自転経路の中心位置を特定することに用いられる中心位置特定モジュールと、
前記自転経路の中心位置から前記ロボットが自転を停止した時の測位発信手段の位置に延伸した方向を、前記ロボットの向き情報とすることに用いられる向き情報特定モジュールと、
前記自転経路の中心位置と前記ロボットの向き情報をロボットの起動測位情報とすることに用いられる測位情報特定モジュールとを含む、ロボット起動測位デバイスを提供する。
【0007】
第3態様において、本発明の実施例は、
電子装置であって、
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムを記憶することに用いられる記憶デバイスとを含み、
前記1つ又は複数のプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサにより実行される場合に、前記1つ又は複数のプロセッサを本発明の実施例のいずれか1つに記載のようなロボット起動測位方法を実現させる、電子装置を提供する。
【0008】
第4態様において、本発明の実施例は、
コンピュータ読取可能な記憶媒体であって、それにはコンピュータプログラムが記憶され、当該プログラムはプロセッサにより実行される時に、本発明の実施例のいずれか1つに記載のようなロボット起動測位方法を実現する、コンピュータ読取可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0009】
本発明の実施例が提供したロボット起動測位方法は、ロボットが起動する際に、ロボットを起動測位領域に予め設定された自転方向に従って回動させるように制御し、さらに自転の過程において特定された測位発信手段及び異なる固定位置に設けられた2つの測位受信手段の間の距離集合、並びに予め設定された自転方向によって、測位発信手段の自転経路位置情報を特定し、自転経路の中心位置から前記ロボットが自転を停止した時の測位発信手段の位置に延伸した方向を、前記ロボットの向き情報とし、前記自転経路の中心位置と前記ロボットの向き情報をロボットの起動測位情報とし、従来の技術と比べて、本実施例が提供した技術方案は外界の動的環境における障害物の干渉や影響を回避し、起動測位情報の的確性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例一に係るロボット起動測位方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例一に係る測位発信手段の取付位置の模式図である。
【
図3】本発明の実施例一に係る測位受信手段の取付位置の模式図である。
【
図4c】本発明の実施例一に係るロボット起動測位方法の模式図である。
【
図5】本発明の実施例一に係るロボットの自転の過程において各相対距離の変化傾向である。
【
図6】本発明の実施例一に係るロボットの自転経路の位置特定の模式図である。
【
図7】本発明の実施例二に係るロボット起動測位デバイスの構造模式図である。
【
図8】本発明の実施例三に係る電子装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面及び実施例を参照しながら本発明をさらに詳細に説明する。ここに記載された具体的な実施例は、本発明を説明することに用いられるものに過ぎず、本発明を限定するものではないこと理解すべきである。なお、図面は、説明の便宜上、本発明に関連する部分のみを示しており、全ての構成ではない。
【0012】
実施例一
図1は本発明の実施例一に係るロボット起動測位方法のフローチャートであり、本実施例は、ロボットがスタートアップ起動する際に、起動測位を行う場合に適用でき、当該方法は、ロボット起動測位システムにおけるコントローラにより実行されてもよく、前記ロボット起動測位システムは、固定位置に設けられた測位受信手段と、ロボットに設けられた測位発信手段とを含み、前記測位発信手段は、前記測位受信手段と通信接続され、且つ前記測位受信手段に測位信号を送信することに用いられる。
【0013】
ここで、測位受信手段と測位発信手段が採用する測位方法は、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Fidelity,WiFi)、ブルートゥース、赤外線、超広帯域(Ultra Wide Band,UWB)、アールエフアイディー(Radio Frequency Identification,RFID)及び超音波などの方式を含むことにより実現されるがこれらに限定されない。本実施例において、ロボットに設けられた測位発信手段は、一定の周波数に従って測位信号を発信し、固定位置に設けられた測位受信手段は、測位発信手段から発信された測位信号を絶えず受信し、そこで、測位受信手段が返送する測位信号によって、測位発信手段と測位受信手段との間の相対距離情報を算出することができる。
【0014】
上記測位発信手段はロボットに設けられてもよく、1つの選択可能な実施形態として、上記測位発信手段はロボットの真正面に設けられてもよく、
図2に示すように、
図2での20は、測位発信手段であり、上記測位受信手段は、任意の位置情報が既知された固定位置に設けられてもよく、1つの選択可能な実施形態として、測位受信手段は、充電スタンドに設けられてもよく、具体的な設置形態は
図3を参照し、
図3での30は、測位受信手段である。
【0015】
さらに、当該方法は、具体的には、以下のステップを含む。
S110:ロボットが起動する際に、ロボットを起動測位領域で予め設定された自転方向に従って回動させるように制御する。
【0016】
本実施例において、ロボットが起動する際に、ロボットは自身の測位情報が失うことになり、外界の起動測位システムにより自身の位置情報を新たに特定する必要があり、起動測位を行う時に、ユーザがロボットを起動測位領域内に放置する必要がある。
【0017】
ここで、上記起動測位領域と前記測位受信手段の距離は予め設定された距離の閾値よりも小さく、起動測位領域内のロボット上の測位発信手段が測位受信手段から送信された測位信号を受信できるようにするために、当該予め設定された距離の閾値は測位受信手段の信号の発信距離よりも小さい。
ここで、予め設定された自転方向は、時計回り自転及び反時計回り自転を含んでもよい。
【0018】
本実施例において、ロボットが再起動又は再スタートアップする際に、ロボットを起動測位領域に放置して予め設定された自転方向に従って回動させる。本実施例において、ロボットは自転する時に、自身を中心として回動し且つ自身が移動しないように保持する。ロボットが自転する過程において、ロボットに設けられた測位発信手段は、絶えず固定位置に設けられた測位受信手段にパルス信号を送信して測距を行い、ロボットが自転する過程において、複数セットの測位発信手段と測位受信手段との間の相対位置距離からなる相対位置距離集合を取得することができる。
【0019】
S120:自転の過程において特定された前記測位発信手段と異なる固定位置に設けられた2つの前記測位受信手段との間の少なくとも3つの異なる位置距離集合、及び前記予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定する。
【0020】
本実施例において、測位受信手段は固定位置に設けられるため、測位受信手段の位置情報は既知である。ロボットが自転する過程において、計算による測位発信手段及び測位受信手段の間の相対距離集合によって、測位発信手段が運動する過程において、測位受信手段との間の相対距離及び移動軌跡を特定でき、ここで、測位発信手段の移動軌跡は円形であり、当該移動軌跡の円心と測位受信手段との間の距離はロボットと測位受信手段との間の相対距離であり、円心からロボットは自転を停止した時の測位発信手段の位置に延伸した方向は、ロボットの向き情報であり、ロボットと測位発信手段との間の相対距離及び前記ロボットの向き情報によって、ロボットの起動測位情報を取得することができる。ここで、ロボットの起動測位情報はランダムで、ロボットが起動測位領域における放置位置により特定される。
【0021】
本実施例において、充電スタンドに設けられた2つの測位受信手段30を例として、具体的には
図4a~4cを参照し、ここで、図の下方の矩形領域は充電スタンドであり、円形領域はロボットの車台であり、ここで、充電スタンドの位置は既知であるため、2つの測位受信手段30の位置も既知である。本実施例において、測位発信手段20がロボットの直前の車台に設けられることを例とし、測位発信手段20は、一定の周波数で測位信号を発信し、絶えず2つの位置が既知された測位受信手段30に対して測距を行い、距離L1とL2を取得することができ、2つの測位受信手段30の間の距離は確かなL3であるため、1つの三辺の長さが既知の三角形を特定でき、さらにロボットが携帯する測位発信手段20の相対位置を求めることができる。
【0022】
さらに、不共線の3つの点は1つの円の方程式を特定することができるため、本実施例において、ロボットが自転する過程において特定された測位発信手段20及び測位受信手段30の間の少なくとも3つの異なる位置の距離集合を選択することにより、ロボットの自転軌跡方程式を取得することができる。ここで、上記3つの異なる位置は、測位発信手段20の移動軌跡における3つの点である。仮に、(a,b)を円心座標、rを自転で形成する円の半径とすると、ロボットの自転軌跡方程式は、(x-a)2+(y-b)2=r2となる。
【0023】
さらに、ロボットを元の場所で1回転させ、この過程において測位発信手段20が絶えずパルスを発信し、測位発信手段20と2つの測位受信手段30との間の相対距離集合を取得することができ、当該距離集合は、ロボットの自転の過程中の測位発信手段20の移動軌跡を表し、当該移動軌跡によって、ロボットと測位受信手段30との間の相対位置関係を特定でき、即ち、当該移動軌跡は、充電スタンドの両側に、鏡像の位置関係となってもよい。さらに、ロボットの自転方向が異なる時には、上記相対距離集合におけるL1とL2の大きさの変化傾向も異なり、本実施例において、ロボットの予め設定された自転方向によって、測位発信手段20の鏡像移動軌跡をさらにフィルタリングすることで、測位発信手段20の移動軌跡の位置情報を特定する。
【0024】
具体的には、自転の過程において取得した前記測位発信手段20と、異なる固定位置に設けられた2つの前記測位受信手段30との間の相対距離集合、及び前記予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段20の自転経路位置情報を特定することは、前記測位発信手段20と、異なる固定位置に設けられた2つの前記測位受信手段30との間の相対距離集合における各相対距離の変化傾向を特定することと、前記各相対距離の変化傾向及び予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段20の自転経路位置情報を特定することを含む。
【0025】
具体的には、前記各相対距離の変化傾向及び予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段20の自転経路位置情報を特定することは、
ロボットが時計回りに自転を行うと、前記測位発信手段20と第1測位受信手段との間の相対距離が最大値から最小値に変化する過程において、前記測位発信手段20と第2測位受信手段との間の相対距離が最小値を有すれば、前記測位発信手段20の自転経路は、前記第2測位受信手段から前記第1測位受信手段に延びる方向の右側に位置することを含み、ここで、前記第1測位受信手段は前記第2測位受信手段の左側に位置する。
【0026】
さらに
図5を参照し、ここで、A位置は第1測位受信手段であり、B位置は第2測位受信手段であり、C~F及びH~Kはそれぞれ、ロボットが自転する過程中の測位発信手段20が位置する異なる位置であり、4つの直線は、2つの円の円心をそれぞれ通り、これにより、ACの距離は、ロボットが自転する過程中の第1測位受信手段と測位発信手段20との間の相対距離の最小値L1
minであり、ADの距離は、ロボットが自転する過程中の第1測位受信手段と測位発信手段20との相対距離の最大値L1
maxであり、BEの距離は、ロボットが自転する過程中の第2測位受信手段と測位発信手段20との間の相対距離の最小値L2
minであり、BFの距離は、ロボットが自転する過程中の第2測位受信手段と測位発信手段20との間の相対距離の最大値L2
maxであり、ロボットが時計回り方向に自転を行うと、測位発信手段20がDからCへ移動する過程において、測位発信手段20と第1測位受信手段との間の相対距離が最大値から最小値に変化し、この過程において、測位発信手段20がE点を通過する時に、測位発信手段20と第2測位受信手段との間の相対距離は、最小値をとることができ、測位発信手段20は、第2測位受信手段から第1測位受信手段に延伸する方向の右側にいる場合に限り、上記各相対距離の変化傾向を満たし、そこで、上記変化傾向によって、測位発信手段20の移動軌跡は、第2測位受信手段から第1測位受信手段に延伸する方向の右側に位置することを取得することができる。ここで、前記第1測位受信手段は前記第2測位受信手段の左側に位置する。
【0027】
これに対して、ロボットが時計回りに自転を行うと、前記測位発信手段20と第1測位受信手段との間の相対距離が最大値から最小値に変化する過程において、前記測位発信手段20と第2測位受信手段との間の相対距離が最大値を有すれば、前記測位発信手段20の自転経路は第2測位受信手段から第1測位受信手段に延伸する方向の左側に位置する。
【0028】
ロボットが反時計回りに自転を行うと、前記測位発信手段20と第1測位受信手段との間の相対距離が最大値から最小値に変化する過程において、前記測位発信手段20と第2測位受信手段との間の相対距離が最大値を有すれば、前記測位発信手段20の自転経路は前記第2測位受信手段から前記第1測位受信手段に延伸する方向の右側に位置する。
【0029】
ロボットが反時計回りに自転を行うと、前記測位発信手段20と第1測位受信手段との間の相対距離が最大値から最小値に変化する過程において、前記測位発信手段20と第2測位受信手段との間の相対距離が最小値を有すれば、前記測位発信手段20の自転経路は前記第2測位受信手段から前記第1測位受信手段に延伸する方向の左側に位置する。
【0030】
S130:前記測位発信手段の自転経路位置情報によって、前記自転経路の中心位置を特定する。
【0031】
もう1つの選択可能な実施形態として、前記測位発信手段20の自転経路位置情報を特定することは、
自転順位に従って、前記自転経路上の不共線の3つの点の位置座標を取得することと、
各前記自転経路上の不共線の3つの点からなる面積量を特定し、前記面積量の数値により計算してロボット計算自転方向を取得し、前記面積量の数値及び予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定することとを含む。
【0032】
さらに、前記面積量の数値及び予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段20の自転経路位置情報を特定することは、
ロボットが時計回りに自転を行うと、自転の優先順位に応じて、それぞれ各前記自転経路上の不共線の3つの点の位置座標を取得し、
各前記自転経路上の不共線の3つの点からなる面積量を特定し、面積量がマイナスである場合の3つの点が属する自転経路を、前記測位発信手段20の自転経路位置情報とすることを含む。
【0033】
具体的には
図6を参照し、自転の過程において特定された前記測位発信手段20と、異なる固定位置に設けられた2つの前記測位受信手段30との間の相対距離集合によって、前記測位発信手段20の2つの鏡像自転経路を取得することができる。ロボットが時計回り自転を行うと、自転の優先順位に応じて、2つの鏡像自転経路にそれぞれ3つの点の位置座標を特定し、P1(x1,y1)、P2(x2,y2)、P3(x3,y3)及びP1’(x1’,y1’)、P2’(x2’,y2’)、P3’(x3’,y3’)と設定する。3つの点の接続線は1つの平面三角形を構成することができ、3つの点の座標によって、P1、P2及びP3の3つの点からなる三角形の面積量を以下のとおり求めることができる。
【0034】
【数1】
また、P1’、P2’及びP3’の三点からなる三角形の面積量を以下のとおり求めることができる。
【0035】
【数2】
以上の2つの面積量の計算式によって、2つの自転経路に対応する3つの点により形成された三角形の面積量をそれぞれ求めることができる。本実施例において、ロボットが時計回りに回転を行うと、回転経路上に順位に選択された不共線の3つの点からなる三角形の面積量はマイナス値であり、そこで、上記面積量の計算式により、計算による面積量がマイナスである場合の3つの点が属する自転経路を、測位発信手段20の自転経路位置情報とすることで、2つの鏡像自転経路の中からロボットの実際の自転経路の位置を特定し、さらに3つの点の座標及び自転経路の半径により自転経路の方程式を特定することができる。
【0036】
これに対して、ロボットが反時計回りに自転を行うと、自転順位に応じて、各前記自転経路上の不共線の3つの点の位置座標を取得し、各前記自転経路上の不共線の3つの点からなる面積量を特定し、面積量がプラスである場合の3つの点が属する自転経路を、前記測位発信手段20の自転経路位置情報とする。具体的には、順位で取得した3つの異なる位置座標によって面積量を算出し、面積量の数値のプラス・マイナスによって、ロボット計算自転方向を取得することができ、即ち、面積量がプラスである時に、計算によるロボットの自転方向は反時計回りであり、面積量がマイナスである時に、計算によるロボットの自転方向は時計回りである。ロボットの自転方向はもう予め設定されたため、予め設定されたロボットの自転方向及、並びに面積量の比較により、同じ自転方向の面積量に対応する位置座標を取得することができ、ロボット測位情報を正確に取得することができる。
【0037】
本実施例において、測位発信手段の運動軌跡は円形であり、自転経路によって、自転経路の中心位置、即ち円心位置を特定することができ、当該円心位置は、ロボットが起動測位領域での具体的な位置情報である。
【0038】
S140:前記自転経路の中心位置から前記ロボットが自転を停止した時の測位発信手段の位置に延伸した方向を、前記ロボットの向き情報とする。
続いて
図4a~4cを参照し、本実施例において、測位発信手段20がロボットの直前に設けられたことを例として、移動軌跡の中心位置が特定された後に、ロボットは1回転自転して停止する時に、ロボットの自転経路の中心位置から前記ロボットが自転を停止した時の測位発信手段20の位置に延伸した方向を、ロボットの向き情報とする。
【0039】
S150:前記自転経路の中心位置と前記ロボットの向き情報をロボットの起動測位情報とする。
本実施例において、上記自転経路の中心位置は、ロボットが起動測位領域での位置情報であるため、上記自転経路の中心位置とロボットの向き情報によって、ロボットの起動測位情報を特定することができる。ロボットは当該起動測位情報によって、経路計画及び自律ナビゲーションを行う。
【0040】
本実施例の技術方案は、自転の過程において特定された測位発信手段と2つの測位受信手段との間の相対距離集合、及び予め設定された自転方向によって、測位発信手段の自転経路位置情報を特定して、自転経路の中心位置からロボットが自転を停止した時の測位発信手段の位置に延伸した方向を、ロボットの向き情報とし、さらに自転経路の中心位置とロボットの向き情報をロボットの起動測位情報とする。2つの測位受信手段だけでロボットの起動測位を実現することができ、起動測位システムのコストを節約することができ、当該方法は、障害領域の環境干渉への影響を弱め、起動測位が成功する的確性を向上する。
【0041】
実施例二
図7は本発明の実施例二に係るロボット起動測位デバイスの構造模式図であり、本発明の実施例に係る起動測位デバイスは、本発明の上記いずれか1つの実施例に係るロボット起動測位を実行することができる。当該デバイスは、ロボット起動測位システムにおけるコントローラに設けられ、前記ロボット起動測位システムは、固定位置に設けられた測位受信手段と、ロボットに設けられた測位発信手段とを含み、前記測位発信手段は、前記測位受信手段と通信接続され、且つ前記測位受信手段に測位信号を送信することに用いられる。
【0042】
図7を参照し、当該装置は、自転モジュール210と、経路情報特定モジュール220と、中心位置特定モジュール230と、向き情報特定モジュール240と、測位情報特定モジュール250とを含む。
【0043】
自転モジュール210は、ロボットが起動する時に、ロボットを起動測位領域に予め設定された自転方向に従って回動させるように制御することに用いられ、
経路情報特定モジュール220は、自転の過程において特定された前記測位発信手段と異なる固定位置に設けられた2つの前記測位受信手段との間の少なくとも3つの異なる位置距離集合、及び前記予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定することに用いられ、
中心位置特定モジュール230は、前記測位発信手段の自転経路位置情報によって、前記自転経路の中心位置を特定することに用いられ、
向き情報特定モジュール240は、前記自転経路の中心位置から前記ロボットが自転を停止した時の測位発信手段の位置に延伸した方向を、前記ロボットの向き情報とすることに用いられ、
測位情報特定モジュール250は、前記自転経路の中心位置と前記ロボットの向き情報をロボットの起動測位情報とすることに用いられる。
【0044】
好ましくは、経路情報特定モジュール220は、具体的には、自転順位に応じて、前記自転経路上の不共線の3つの点の位置座標を取得し、
各前記自転経路上の不共線の3つの点からなる面積量を特定し、前記面積量の数値により計算してロボット計算自転方向を取得し、前記面積量の数値及び予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定することに用いられる。
【0045】
経路情報特定モジュール220は、具体的には、
ロボットが時計回りに自転を行うと、自転の優先順位に応じて、それぞれ各前記自転経路上の不共線の3つの点の位置座標を取得し、各前記自転経路上の不共線の3つの点からなる面積量を特定し、面積量がマイナスである場合の3つの点が属する自転経路を、前記測位発信手段の自転経路位置情報とし、
ロボットが反時計回りに自転を行うと、自転の優先順位に応じて、それぞれ各前記自転経路上の不共線の3つの点の位置座標を取得し、各前記自転経路上の不共線の3つの点からなる面積量を特定し、面積量がプラスである場合の3つの点が属する自転経路を、前記測位発信手段の自転経路位置情報とすることに用いられる。
【0046】
好ましくは、経路情報特定モジュール220は、具体的には、前記測位発信手段と異なる固定位置に設けられた少なくとも3つの異なる位置の2つの前記測位受信手段との間の相対距離集合での各距離の変化傾向を特定し、
前記各相対距離の変化傾向及び予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定することに用いられる。
【0047】
さらに、上述経路情報特定モジュール220は、具体的には、
ロボットが時計回りに自転を行うと、前記測位発信手段と第1測位受信手段との間の相対距離が最大値から最小値に変化する過程において、前記測位発信手段と第2測位受信手段との間の相対距離が最小値を有すれば、前記測位発信手段の自転経路は前記第2測位受信手段から前記第1測位受信手段に延伸する方向の右側に位置することに用いられる。
ここで、前記第1測位受信手段は前記第2測位受信手段の左側に位置する。
【0048】
上述経路情報特定モジュール220は、具体的には、ロボットが時計回りに自転を行うと、前記測位発信手段と第1測位受信手段との間の相対距離が最大値から最小値に変化する過程において、前記測位発信手段と第2測位受信手段との間の相対距離が最大値を有すれば、前記測位発信手段の自転経路は前記第2測位受信手段から前記第1測位受信手段に延伸する方向の左側に位置することに用いられる。ここで、前記第1測位受信手段は前記第2測位受信手段の左側に位置する。
【0049】
上記経路情報特定モジュール220は、具体的には、ロボットが反時計回りに自転を行うと、前記測位発信手段と第1測位受信手段との間の相対距離が最大値から最小値に変化する過程において、前記測位発信手段と第2測位受信手段との間の相対距離が最大値を有すれば、前記測位発信手段の自転経路は前記第2測位受信手段から前記第1測位受信手段に延伸する方向の右側に位置することに用いられる。
ここで、前記第1測位受信手段は前記第2測位受信手段の左側に位置する。
【0050】
上記経路情報特定モジュール220は、具体的には、ロボットが反時計回りに自転を行うと、前記測位発信手段と第1測位受信手段との間の相対距離が最大値から最小値に変化する過程において、前記測位発信手段と第2測位受信手段との間の相対距離が最小値を有すれば、前記測位発信手段の自転経路は前記第2測位受信手段から前記第1測位受信手段に延伸する方向の左側に位置することに用いられる。
ここで、前記第1測位受信手段は前記第2測位受信手段の左側に位置する。
【0051】
本発明の実施例に係る起動測位デバイスは本発明の任意の実施例に係る起動測位方法を実行することができ、実行方法に対応する機能モジュール及び有益な効果を備えるが、ここでは説明を省略する。
【0052】
実施例三
図8は、本発明の実施例四に係る電子装置の構造模式図であり、
図8に示すように、当該電子装置は、プロセッサ310と、メモリ320と、入力デバイス330と、出力デバイス340とを含み、電子装置において、プロセッサ310の数は1つ又は複数であり、
図8において、1つのプロセッサ310を例とし、電子装置におけるプロセッサ310、メモリ320、入力デバイス330及び出力デバイス340は、バス又は他の方式により接続されてもよく、
図8においてバスにより接続されることを例とする。
【0053】
メモリ320は、コンピュータ読取可能な記憶媒体として、本発明の実施例における起動測位方法に対応するプログラム指令・モジュール(例えば、起動測位デバイスにおける自転モジュール310及び特定モジュール320)にようなソフトウェアプログラム、コンピュータ実行可能なプログラム及びモジュールを記憶することに用いられてもよい。プロセッサ310は、メモリ320に記憶されたソフトウェアプログラム、指令及びモジュールをランニングすることにより、電子装置の各種機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、つまり、上記起動測位方法を実現する。
【0054】
メモリ320は、主に記憶プログラム領域と、記憶データ領域とを含んでもよく、ここで、記憶プログラム領域は、オペレーティングシステムと、1つの機能に必要なアプリケーションを記憶してもよく、記憶データ領域は、端末の使用に応じて作成されたデータ等を記憶してもよい。また、メモリ320は、高速ランダムアクセスメモリを含んでいてもよく、1つの磁気ディスク記憶素子、フラッシュメモリ素子、又はその他の不揮発性固体メモリ素子などの不揮発性メモリをさらに含んでいてもよい。いくつかの実例において、メモリ320は、プロセッサ310に対してリモートで設けられるメモリをさらに含んでもよく、これらのリモートメモリは、ネットワークを介して電子装置に接続することができる。上述ネットワークの実例はインターネット、企業内部ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワーク及びその組み合わせを含むがそれらに限定されない。
【0055】
入力デバイス330は、入力された数字又は文字情報を受信し、さらに電子装置のユーザ設定及び機能制御に関するキー信号を入力することに用いられてもよい。出力デバイス340は、ディスプレイ等の表示装置を含んでもよい。
【0056】
実施例四
本発明の実施例四は、コンピュータ実行可能指令を含む記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータ実行可能指令はコンピュータプロセッサにより実行される時に起動測位方法を実行することに用いられ、当該方法は、ロボット起動測位システムにおけるコントローラにより実行され、前記ロボット起動測位システムは、固定位置に設けられた測位受信手段と、ロボットに設けられた測位発信手段とを含み、前記測位発信手段は、前記測位受信手段と通信接続され、且つ前記測位受信手段に測位信号を送信することに用いられる。
【0057】
前記方法は、
ロボットが起動する時に、ロボットを起動測位領域に予め設定された自転方向に従って回動させるように制御することと、
自転の過程において特定された前記測位発信手段と異なる固定位置に設けられた2つの前記測位受信手段との間の少なくとも3つの異なる位置距離集合、及び前記予め設定された自転方向によって、前記測位発信手段の自転経路位置情報を特定することと、
前記測位発信手段の自転経路位置情報によって、前記自転経路の中心位置を特定することと、
前記自転経路の中心位置から前記ロボットが自転を停止した時の測位発信手段の位置に延伸した方向を、前記ロボットの向き情報とすることと、
前記自転経路の中心位置と前記ロボットの向き情報をロボットの起動測位情報とすることとを含む。
【0058】
もちろん、本発明の実施例に係るコンピュータ実行可能指令を含む記憶媒体では、そのコンピュータ実行可能指令は上記ような方法で操作することに限らず、本発明の任意の実施例に係る起動測位方法における関連操作を実行することができる。
【0059】
実施形態についての上記説明によって、本発明がソフトウェア及び必要な汎用ハードウェアにより実現できることは当業者であれば明らかであり、ハードウェアにより実現できることももちろんであるが、前者がより好ましい実施形態である場合が多い。このような理解に基づいて、本発明の技術方案は、本質上又は従来技術に寄与する部分は、ソフトウェア製品として表現することができ、当該コンピュータソフトウェア製品は、例えばコンピュータのフレキシブルディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(FLASH)、ハードディスク又は光ディスク等のコンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されてもよく、一台のコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク装置等であってもよい)が本発明の各実施例に記載の方法を実行するための複数の指令を含む。
【0060】
注意すべきことは、上記起動測位デバイスの実施例において、含まれる各手段とモジュールは、単に機能論理によって区分されているだけであり、上記区分に限定されるものではなく、対応する機能を実現すればよく、また、各機能手段の具体的な名称も、相互に区別しやすくしているだけであり、本発明の保護範囲を限定するものではない。
【0061】
なお、上記内容は、本発明の好適な実施例及び運用する技術の原理に過ぎない。当業者であれば、本発明はここで述べた特定の実施例に限定されるものではなく、当業者にとっては、本発明の保護範囲から逸脱することなく、様々な顕著な変化、再調整及び代替を行うことができることを理解できる。よって、以上の実施例によって本発明をより詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない限り、より多くの他の等価実施例を含んでもよく、本発明の範囲は添付する特許請求の範囲によって決定される。
【外国語明細書】