(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022102
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】レンズ保護装置
(51)【国際特許分類】
G03B 11/04 20210101AFI20220127BHJP
【FI】
G03B11/04 B
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093872
(22)【出願日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】109125154
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】508226687
【氏名又は名称】和碩聯合科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PEGATRON CORPORATION
【住所又は居所原語表記】5F.,No.76,Ligong St., Beitou Dist., Taipei City 112, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100076831
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 捷雄
(72)【発明者】
【氏名】黄 貿祥
(72)【発明者】
【氏名】陸 本▲うえい▼
(72)【発明者】
【氏名】許 惟智
【テーマコード(参考)】
2H083
【Fターム(参考)】
2H083CC01
2H083CC12
2H083CC27
2H083CC32
(57)【要約】
【課題】2方向保護カバーの開閉をステッピングモータを用いることなく行うことが可能な小型のレンズ保護装置を提供する。
【解決手段】本発明のレンズ保護装置は、ハウジングと、第1及び第2のスライドカバーとを備える。ハウジングは開口部と、少なくとも一つの連結部とを含む。第1のスライドカバーは、第1のカバープレートと、第1の連結ロッドと、第1及び第2の磁石とを含む。第2のスライドカバーは、第2のカバープレートと、第2の連結ロッドとを含む。第1と第2の連結ロッドが回転することで第1と第2のカバープレートを移動させる。第1の磁石は第1のカバープレートの前端に設けられ、第2のカバープレートの前端に接近したときこれを吸引する。第2の磁石は第1のカバープレートの後端に設けられ、第2のカバープレートの後端に接近したときこれを吸引する。第1のカバープレートが第1の方向に移動したとき、第1及び第2のカバープレートが開口部を遮蔽する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部と、少なくとも一つの連結部とを含むハウジングと、
第1のカバープレートと、一端が前記第1のカバープレートに連結されており、他端が前記連結部に枢接されており、回転することで前記第1のカバープレートを移動させる第1の連結ロッドと、前記第1のカバープレートの前端に設けられている第1の磁石と、前記第1のカバープレートの後端に設けられている第2の磁石とを含む、第1のスライドカバーと、
第2のカバープレートと、一端が前記第2のカバープレートに連結されており、他端が前記連結部に枢接されており、回転することで前記第2のカバープレートを移動させる第2の連結ロッドとを含む、第2のスライドカバーと、を備えるレンズ保護装置であって、
前記第1のカバープレートが第1の方向に移動したとき、前記第1の磁石と前記第2のカバープレートの前端とが互いに吸引して、前記第1のカバープレート及び前記第2のカバープレートを閉じ位置に位置させて前記開口部を遮蔽し、前記第1のカバープレートが前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動したとき、前記第2の磁石と前記第2のカバープレートの後端とが互いに吸引して、前記第1のカバープレート及び前記第2のカバープレートを開き位置に位置させて前記開口部を露出させる、ことを特徴とするレンズ保護装置。
【請求項2】
前記第2のカバープレートは磁性カバープレートである、請求項1に記載のレンズ保護装置。
【請求項3】
前記第2のカバープレートは、前記第2のカバープレートの前端に設けられている第3の磁石と、前記第2のカバープレートの後端に設けられている第4の磁石とを有する、請求項2に記載のレンズ保護装置。
【請求項4】
前記第2のカバープレートは、前記第1の磁石と前記第2の磁石とに互いに吸引する材料からなるものである、請求項2に記載のレンズ保護装置。
【請求項5】
前記ハウジングは弧形表面を有しており、前記開口部は前記弧形表面に位置しており、前記第1のカバープレート及び前記第2のカバープレートはそれぞれ弧形構造である、請求項1から4のいずれか一項に記載のレンズ保護装置。
【請求項6】
前記第1の連結ロッド及び前記第2の連結ロッドは前記連結部の軸心位置に共同して枢接されており、且つ前記第1の連結ロッドの長さは前記第2の連結ロッドの長さと同じであり、前記第1のカバープレートと前記第2のカバープレートとで閉じていない円形を形成している、請求項5に記載のレンズ保護装置。
【請求項7】
前記第1のスライドカバーは前記第2のスライドカバーの上方に位置しており、且つ前記第1のカバープレート及び前記第2のカバープレートが前記閉じ位置又は前記開き位置に位置しているとき、前記第1の連結ロッドと前記第2の連結ロッドとの間の夾角が180度よりも大きいか、又は小さい、請求項6に記載のレンズ保護装置。
【請求項8】
前記第1のカバープレートが前記第2の方向に移動したとき、前記第1の磁石による前記第2のカバープレートの前端に対する吸引力が減少して、前記第2のカバープレートが重力により平衡位置にまでスライドする、請求項7に記載のレンズ保護装置。
【請求項9】
前記第2の磁石による前記第2のカバープレートの後端に対する吸引力が増大して、前記第2のカバープレートを前記平衡位置から前記開き位置にまで案内する、請求項8に記載のレンズ保護装置。
【請求項10】
前記第1のカバープレートが前記第1の方向に移動したとき、前記第2の磁石による前記第2のカバープレートの後端に対する吸引力が減少して、前記第2のカバープレートが重力により平衡位置にまでスライドする、請求項7に記載のレンズ保護装置。
【請求項11】
前記第1の磁石による前記第2のカバープレートの前端に対する吸引力が増大して、前記第2のカバープレートを前記平衡位置から前記閉じ位置にまで案内する、請求項10に記載のレンズ保護装置。
【請求項12】
前記第1のカバープレートは、前記第1のカバープレートの前端に位置するとともに前記開口部に突出することで前記開口部に沿って移動する力付与部を有しており、前記第1のカバープレートが前記開き位置に位置決めされるとき、前記力付与部は前記開口部の周縁部にて停止する、請求項1から11のいずれか一項に記載のレンズ保護装置。
【請求項13】
前記連結部は、前記第2の連結ロッドの対向する二つの側にそれぞれ位置している第1の規制部と第2の規制部とを有しており、前記第2の連結ロッドが前記第1の規制部にて停止すると、前記第2のカバープレートが前記閉じ位置に位置決めされ、前記第2の連結ロッドが前記第2の規制部にて停止すると、前記第2のカバープレートが前記開き位置に位置決めされる、請求項1から12のいずれか一項に記載のレンズ保護装置。
【請求項14】
前記連結部は、前記第1の連結ロッドの対向する二つの側にそれぞれ位置している第3の規制部と第4の規制部とを有しており、前記第1の連結ロッドが前記第3の規制部にて停止すると、前記第1のカバープレートが前記閉じ位置に位置決めされ、前記第1の連結ロッドが前記第4の規制部にて停止すると、前記第1のカバープレートが前記開き位置に位置決めされる、請求項1から13のいずれか一項に記載のレンズ保護装置。
【請求項15】
前記ハウジングは更に、前記ハウジングの内部に設けられているマウントを含み、且つ前記マウントの一端は連結部として延在して形成されており、前記マウントは前記開口部に向いているレンズ取付部を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載のレンズ保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレンズを保護するためのレンズ保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の進歩に伴って、異なる用途又は場面に応用される撮像(録画)装置も開発されている。例えば、一般的な撮影、長時間の監視、又は低速度撮影等用途の異なる撮影装置に用いられている。このうち、撮影装置の中核となるのがレンズモジュールである。レンズモジュールを保護するために、通常はレンズモジュールの外側にレンズ保護カバーが増設されている。撮影機能を使用していないときには、レンズモジュールを保護するためにレンズ保護カバーを閉じる。
【0003】
一般的なレンズ保護カバーは1方向(片側)に開くことから、動作ストロークが長くなり、レンズ保護カバーを開くのに多くの時間を必要とする。現在、2方向(両側)に開くレンズ保護カバーはあるものの、2方向保護カバー(又はキャップ)の開閉はステッピングモータ又は電子スイッチで制御しなければならない。しかしながら、ステッピングモータが大きくなると、レンズモジュールはこれに伴って大型化して、撮影装置のサイズが大きくなってしまうことから、改良する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2方向保護カバー(又はキャップ)の開閉をステッピングモータ及び電子スイッチで制御するときに、ステッピングモータが大きいために、レンズモジュールはこれに伴って大型化してしまい、撮影装置のサイズが大きくなってしまうという問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題に鑑み、本発明の主な目的は、第1のスライドカバーと第2のスライドカバーとの構造的設定により、従来の2方向のレンズ保護カバーではステッピングモータで制御しなければならないという問題を解決するレンズ保護装置を提供するところにある。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、ハウジングと、第1のスライドカバーと、第2のスライドカバーとを備えるレンズ保護装置を提供する。ハウジングは開口部と、少なくとも一つの連結部とを含む。第1のスライドカバーは、第1のカバープレートと、第1の連結ロッドと、第1の磁石と、第2の磁石とを含む。第1の連結ロッドの一端は第1のカバープレートに連結されており、他端は連結部に枢接されている。第1の連結ロッドが回転することで第1のカバープレートを移動させる。第1の磁石は第1のカバープレートの前端に設けられている。第2の磁石は第1のカバープレートの後端に設けられている。第2のスライドカバーは、第2のカバープレートと、第2の連結ロッドとを含む。第2の連結ロッドの一端は第2のカバープレートに連結されており、他端は連結部に枢接されている。第2の連結ロッドが回転することで第2のカバープレートを移動させる。第1のカバープレートが第1の方向に移動したとき、第1の磁石と第2のカバープレートの前端とが互いに吸引して、第1のカバープレート及び第2のカバープレートを閉じ位置に位置させて開口部を遮蔽する。第1のカバープレートが第1の方向とは反対の第2の方向に移動したとき、第2の磁石と第2のカバープレートの後端とが互いに吸引して、第1のカバープレート及び第2のカバープレートを開き位置に位置させて開口部を露出させる。
【0007】
本発明の一つの実施例によれば、第2のカバープレートは第3の磁石と第4の磁石とを有する。第3の磁石は第2のカバープレートの前端に設けられており、第4の磁石は第2のカバープレートの後端に設けられている。
【0008】
本発明の一つの実施例によれば、第2のカバープレートは磁性部材である。あるいは、第2のカバープレートは、第2のカバープレートの前端及び後端にそれぞれ設けられている二つの磁性部材を有する。
【0009】
本発明の一つの実施例によれば、ハウジングは弧形表面を有しており、開口部は弧形表面に位置しており、第1のカバープレート及び第2のカバープレートはそれぞれ弧形構造である。
【0010】
本発明の一つの実施例によれば、第1の連結ロッド及び第2の連結ロッドは共に連結部の軸心位置に枢接されており、且つ第1の連結ロッドの長さは第2の連結ロッドの長さと同じであり、第1のカバープレートと第2のカバープレートとで閉じていない円形を形成している。
【0011】
本発明の一つの実施例によれば、第1のスライドカバーは第2のスライドカバーの上方に位置している。また、第1のカバープレート及び第2のカバープレートが閉じ位置又は開き位置に位置しているとき、第1の連結ロッドと第2の連結ロッドとの間の夾角が180度よりも大きいか、又は小さい。
【0012】
本発明の一つの実施例によれば、第1のカバープレートが第2の方向に移動したとき、第1の磁石による第2のカバープレートの前端に対する吸引力が減少して、第2のカバープレートは重力により平衡位置にまでスライドする。
【0013】
本発明の一つの実施例によれば、第2の磁石による第2のカバープレートの後端に対する吸引力が増大して、第2のカバープレートを平衡位置から開き位置にまで案内する。
【0014】
本発明の一つの実施例によれば、第1のカバープレートが第1の方向に移動したとき、第2の磁石による第2のカバープレートの後端に対する吸引力が減少して、第2のカバープレートは重力により平衡位置にまでスライドする。
【0015】
本発明の一つの実施例によれば、第1の磁石による第2のカバープレートの前端に対する吸引力が増大して、第2のカバープレートを平衡位置から閉じ位置にまで案内する。
【0016】
本発明の一つの実施例によれば、第1のカバープレートは、第1のカバープレートの前端に位置するとともに、開口部に突出することで開口部に沿って移動する力付与部を有する。第1のカバープレートが開き位置に位置決めされたとき、力付与部は開口部の周縁部にて停止する。
【0017】
本発明の一つの実施例によれば、連結部は、第2の連結ロッドの対向する二つの側にそれぞれ位置している第1の規制部と第2の規制部とを有する。第2の連結ロッドが第1の規制部にて停止すると、第2のカバープレートは閉じ位置に位置決めされる。第2の連結ロッドが第2の規制部にて停止すると、第2のカバープレートは開き位置に位置決めされる。
【0018】
本発明の一つの実施例によれば、連結部は、第1の連結ロッドの対向する二つの側にそれぞれ位置している第3の規制部と第4の規制部とを有する。第1の連結ロッドが第3の規制部にて停止すると、第1のカバープレートは閉じ位置に位置決めされる。第1の連結ロッドが第4の規制部にて停止すると、第1のカバープレートは開き位置に位置決めされる。
【0019】
本発明の一つの実施例によれば、ハウジングは更にマウントを含む。マウントはハウジングの内部に設けられ、且つマウントの一端は連結部として延在して形成されている。マウントは、開口部に向いているレンズ取付部を有する。
【0020】
上記のように、本発明のレンズ保護装置によれば、ハウジングと、第1のスライドカバーと、第2のスライドカバーとを備える。このうち、第1のスライドカバーは、第1のカバープレートと、第1の連結ロッドとを含み、そして第2のスライドカバーは第2のカバープレートと、第2の連結ロッドとを含む。第1の連結ロッドの一端は第1のカバープレートに連結されており、他端はハウジングの連結部に枢接されることで、第1のカバープレートはハウジングに対して回転可能となっている。第2の連結ロッドの一端は第2のカバープレートに連結されており、他端は連結部に枢接されることで、第2のカバープレートはハウジングに対して回転可能となっている。
【発明の効果】
【0021】
よって、本発明で提供するレンズ保護装置では、第1のカバープレートを第1の方向又は第2の方向に手動で移動させて、ひいては第1のカバープレート及び第2のカバープレートを閉じ位置又は開き位置に位置させることで、ハウジングの開口部(レンズに対応する)を共同して遮蔽し、又は露出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一つの実施例のレンズ保護装置の正面斜視図である。
【
図2】
図1に示すレンズ保護装置の背面斜視図である。
【
図3】
図2に示すレンズ保護装置の分解概略図である。
【
図4A】
図1に示すレンズ保護装置が閉じ位置にある概略図である。
【
図5A】
図4Aに示すレンズ保護装置が閉じ位置と開き位置との間で移動する過程位置にある概略図である。
【
図6A】
図4Aに示すレンズ保護装置が開き位置にまで移動した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の技術内容が更に理解できるようにするために、以下の通り好ましい具体的な実施例を挙げて説明する。
【0024】
図1は本発明の一つの実施例のレンズ保護装置の正面斜視図であり、
図2は
図1に示すレンズ保護装置の背面斜視図であり、
図3は
図2に示すレンズ保護装置の分解概略図であって、まずはこれらの
図1、
図2及び
図3を参照する。本実施例のレンズ保護装置1はハウジング10と、第1のスライドカバー20と、第2のスライドカバー30とを備える。このうち、レンズ保護装置1は撮像装置又は電子装置に組み付けることができる。例えば、レンズ保護装置1内にはレンズモジュールが取り付けられて撮像装置又は電子装置に組み付けられる。本実施例のレンズ保護装置1は第1のスライドカバー20及び第2のスライドカバー30が共同してレンズを遮蔽して保護し、且つ第1のスライドカバー20及び第2のスライドカバー30はハウジング10内部に向けて移動することから、2方向(両側)に開くレンズ保護装置1とすることができる。
【0025】
本実施例のハウジング10は開口部11と、少なくとも一つの連結部12とを含む。開口部11は、レンズ保護装置1内に取り付けられているレンズモジュールに対応しており、連結部12は第1のスライドカバー20及び第2のスライドカバー30を連結するのに用いられる。好ましくは、ハウジング10は更に、ハウジング10の内部に設けられているマウント13を含む。また、マウント13は、レンズモジュールを組み付けるためのレンズ取付部131(
図3参照)を有する。レンズ取付部131は開口部11に向いているため、レンズモジュールが取り付けられた後、開口部11をカメラモジュールに対応させることができる。また、本実施例のハウジング10は、ハウジング10の対向する二つの側(例えば
図1及び
図2の上側及び下側)にそれぞれ近接している二つの連結部12を有する。本実施例の連結部12はマウント13の両端近くにそれぞれ設けられている。言い換えるならば、マウント13の対向する二端は延在してそれぞれが一つの連結部12として形成されている。
【0026】
好ましくは、ハウジング10は弧形表面14を有しており、開口部11は弧形表面14に位置している。具体的には、本実施例のハウジング10の前側は弧形表面14となっており、二つの側は互いに平行する側壁であり、後側は開放した構造となっている。
【0027】
本実施例の第1のスライドカバー20は、第1のカバープレート21と、第1の連結ロッド22と、第1の磁石23と、第2の磁石24とを含む。このうち、第1のカバープレート21は第1のスライドカバー20の主な構造であって、第1のカバープレート21は開口部11に向いて、レンズを遮蔽して保護する。第1の連結ロッド22の一端は第1のカバープレート21に連結されており、他端は連結部12に枢接されることで、第1のカバープレート21が第1の連結ロッド22を介してハウジング10に対して回転可能となっている。言い換えるならば、第1の連結ロッド22が回転することで第1のカバープレート21を移動させて、ひいては第1のカバープレート21がハウジング10に対して回転可能となっている。好ましくは、第1のカバープレート21は弧形構造とすることで、弧形表面14に対応している。また、第1のスライドカバー20は、第1のカバープレート21の対向する二つの側(例えば
図3の上側及び下側)に接続されている二つの第1の連結ロッド22を有する。
【0028】
第2のスライドカバー30は前記第1のスライドカバー20と似ている。第2のスライドカバー30は、第2のカバープレート31と、第2の連結ロッド32とを含む。第2のカバープレート31も同様に第1のスライドカバー30の主な構造であって、且つ第2のカバープレート31は開口部11に向いている。第2のカバープレート31と第1のカバープレート21とは隣接して設けられることで、第2のカバープレート31は第1のカバープレート21と共同してレンズを遮蔽して保護することができる。また、第2の連結ロッド32の一端は第2のカバープレート31に連結されており、他端は連結部12に枢接されることで、第2のカバープレート31が第2の連結ロッド32を介してハウジング10に対して回転可能となっている。言い換えるならば、第2の連結ロッド32が回転することで第2のカバープレート31を移動させて、ひいては第2のカバープレート31がハウジング10に対して回転可能となっている。好ましくは、第2のカバープレート31もまた弧形構造とすることで、弧形表面14に対応している。第2のスライドカバー30は、第2のカバープレート31の対向する二つの側に接続されている二つの第2の連結ロッド32を有する。
【0029】
具体的には、第1の連結ロッド22及び第2の連結ロッド32は連結部12の軸心位置121(例えばヒンジ孔)に共同して枢接されている。
図3に示すように、上下に二つの第1の連結ロッド22はそれぞれ第1の枢軸221と第1の軸孔222とを有する。対応するように、上下に二つの第2の連結ロッド32はそれぞれ第2の枢軸321と第2の軸孔322とを有する。このうち、第1の連結ロッド22の第1の枢軸221はまず第2の連結ロッド32の第2の軸孔322を貫通した後、更に連結部12のうちの一つ(
図3の例では上側)の軸心位置121(ヒンジ孔)に共に連結されている。同様に、第2の連結ロッド32の第2の枢軸321はまず第1の連結ロッド22の第1の軸孔222を貫通した後、更に合わせて連結部12の他(
図3の例では下側)の軸心位置121(ヒンジ孔)に共に連結されている。前記構造により、第1の連結ロッド22及び第2の連結ロッド32は連結部12の軸心位置121を軸心としてハウジング10に対して回転するとともに、同時に第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31がハウジング10に対して回転するよう駆動される。第1のカバープレート21は第1の方向D1(例えば
図6Aから
図4A)に向けて移動して、第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31を閉じ位置(
図4A)に位置させることができる。又は、第1のカバープレート21は第1の方向D1とは反対の第2の方向D2(
図4Aから
図6A)に向けて移動して、第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31を開き位置(
図6A)に位置させることができる。以上の如くして、開口部11(及びその対応するレンズ取付部131)を遮蔽又は開くことができる。詳細は以下に説明する。
【0030】
図4Aは
図1に示すレンズ保護装置が閉じ位置にある概略図であり、
図1に加えて
図4Aを合わせて示す。第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31はそれぞれ第1の連結ロッド22及び第2の連結ロッド32を介して閉じ位置(
図4A)と開き位置(
図1)との間で移動する。第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31が閉じ位置にあるとき、第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31は開口部11及びレンズ取付部131(レンズ)を共同して遮蔽する。反対に、第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31が開き位置にあるとき、第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31はハウジング10の内側(
図2)に位置して、ひいては開口部11及び内部のレンズ取付部131を露出させる(
図1)。
【0031】
図4Bは
図4Aに示すレンズ保護装置の側面図であり、
図5Aは
図4Aに示すレンズ保護装置が閉じ位置と開き位置との間で移動する過程位置にある概略図であり、
図5Bは
図5Aに示すレンズ保護装置の側面図であり、
図6Aは
図4Aに示すレンズ保護装置が開き位置にまで移動した概略図であり、
図6Bは
図6Aに示すレンズ保護装置の側面図である。まず
図4A及び
図4Bを参照されたい。第1のスライドカバー20は第1の磁石23と第2の磁石24とを有する。このうち、第1の磁石23は第1のカバープレート21の前端に設けられており、第2の磁石24は第1のカバープレート21の後端に設けられている。ここでいうところの前端とは、開口部11寄りの一端であって、反対が後端である。第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31が閉じ位置にあるとき、第1の磁石23と第2のカバープレート31の前端とが互いに吸引することで、閉じ位置を維持する(
図4B)。第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31が開き位置にあるとき、第2の磁石24と第2のカバープレート31の後端とが互いに吸引する(
図6B)。
【0032】
具体的には、第2のカバープレート31は磁性カバープレートとすることができる。一部の実施例において、第2のカバープレート31は磁石に互いに吸引する材質からなるか、又は第2のカバープレート31は磁石に互いに吸引する部品を有する。例えば、第2のカバープレート31は、第2のカバープレート31の前端及び後端にそれぞれ設けられている二つの磁性部材を有することがよい。本実施例において、第2のカバープレート31は第3の磁石33と第4の磁石34とを有する。第3の磁石33は第2のカバープレート31の前端に設けられており、第4の磁石34は第2のカバープレート31の後端に設けられている。第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31が閉じ位置にあるとき、第1の磁石23と第3の磁石33とが互いに吸引することで、閉じ位置を維持する。第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31が開き位置にあるとき、第2の磁石24と第4の磁石34とが互いに吸引する。
【0033】
本実施例において、第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31が閉じ位置又は開き位置にあるとき、第1の連結ロッド22と第2の連結ロッド32との間の夾角は180度よりも大きいか、又は小さい。言い換えるならば、第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31が閉じ位置又は開き位置にあるとき、第1の連結ロッド22及び第2の連結ロッド32は同一直線上にはないことから、第1の連結ロッド22と第2の連結ロッド32との間にて角度が形成されている。もし第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31が半円形の構造である場合、第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31が閉じ位置又は開き位置にあるとき、第1の連結ロッド22及び第2の連結ロッド32は同一直線上に位置する。反対に、本実施例の第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31が閉じ位置又は開き位置にあるとき、第1の連結ロッド22と第2の連結ロッド32との間の夾角は180度よりも大きいか、又は小さいことから、第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31は半円形よりも小さい弧形構造となっている。
【0034】
具体的には、第1の連結ロッド22の長さは第2の連結ロッド32の長さと同じであり、且つ第1のカバープレート21と第2のカバープレート31とで閉じていない円形を形成している。言い換えるならば、第1のカバープレート21と第2のカバープレート31とは閉じた円形ではなく、移動する余地を残している。好ましくは、第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31が閉じ位置又は開き位置にあるとき、第1のカバープレート21と第2のカバープレート31との間の間隔(円弧長)は開口部11の弧形表面14での円弧長に近い。
【0035】
前記構造によって、第1のスライドカバー20又は第2のスライドカバー30は移動及び揺動可能となるものであり、本実施例では第2のスライドカバー30を例として説明する。レンズ保護装置1を撮像装置に応用する場合、
図4A、
図5A及び
図6Aに示すように、第1のスライドカバー20は第2のスライドカバー30の上方に位置する。まず
図4A及び
図4Bを参照されたい。撮像(録画)機能を使用したいとき、使用者は手動の方式で、第1のカバープレート21を引き上げて(つまり開口部11の一方側に動かす)、第1のカバープレート21を第2の方向D2に移動させる。第1のカバープレート21が第2の方向D2に移動したとき、第1の磁石23による第3の磁石33(第2のカバープレート31の前端)に対する吸引力が減少して、第2のカバープレート31が重力によって平衡位置にまでスライドする(
図5A及び
図5Bに示す)。説明すべきは、このとき第2の連結ロッド32は重力方向に平行となっていることで、第2のカバープレート31を平衡位置に位置させることができるということである。
【0036】
続いて、引き続き第1のカバープレート21を第2の方向D2に移動させる。
図6A及び
図6Bに示すように、第1のカバープレート21が開き位置に近づいたとき、第2の磁石24による第4の磁石34(第2のカバープレート31の後端)に対する吸引力が増大して、ひいては第2のカバープレート31を平衡位置から開き位置にまで案内する。このうち、第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31の移動軌跡は閉じた円形をなす。続いて、第2の磁石24と第4の磁石34(第2のカバープレート31の後端)とが互いに吸引して、第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31を引き続き開き位置に位置させるとともに、開口部11を露出させる。
【0037】
反対に、もし開口部11を遮蔽したいのであれば、更に第1のカバープレート21を第1の方向D1に移動させる。第1のカバープレート21が第1の方向D1に移動したとき、第2の磁石24による第4の磁石34(第2のカバープレート31の後端)に対する吸引力が減少して、同様に第2のカバープレート31が重力によって平衡位置にまでスライドする(
図5A及び
図5Bに示す)。第1のカバープレート21が閉じ位置に近づいたとき、第1の磁石23による第3の磁石33(第2のカバープレート31の前端)に対する吸引力が増大して、ひいては第2のカバープレート31を閉じ位置にまで案内する(
図4A及び
図4Bに示す)。続いて、第1の磁石23と第3の磁石33(第2のカバープレート31の前端)とが互いに吸引して、第1のカバープレート21及び第2のカバープレート31を引き続き閉じ位置に位置させるとともに、開口部11を遮蔽する。
【0038】
好ましくは、本実施例の第1のカバープレート21は、第1のカバープレート21の前端に位置し、開口部11に突出している力付与部211を有しており、力付与部211は開口部11に沿って移動可能である。使用者は力付与部211を操作して第1のカバープレート21に力を付与して、第1のカバープレート21を第1の方向D1又は第2の方向D2に移動させることができる。第1のカバープレート21が第2の方向D2に移動したとき、力付与部211は開口部11に沿って移動した後に開口部11の周縁部にて停止することで、第1のカバープレート21が開き位置に位置決めされるとともに、規制の効果が実現される。言い換えるならば、第1のカバープレート21が更に後方に移動するのを防止して、ひいては第1のカバープレート21が開き位置に位置決めされるようになる。
【0039】
図3及び
図4Bを参照されたい。好ましくは、連結部12は、第2の連結ロッド32の対向する二つの側にそれぞれ位置して、第2のカバープレート31を閉じ位置又は開き位置に位置決めするための第1の規制部122と、第2の規制部123とを有する。具体的には、第2のカバープレート31が第1の規制部122の位置にまで移動したとき、第2の連結ロッド32の一方側が第1の規制部122にて停止して、第2のカバープレート31が閉じ位置に位置決めされる(
図4Bに示す)。第2のカバープレート31が第2の規制部123の位置にまで移動したとき、第2の連結ロッド32の他方側が第2の規制部123にて停止して、第2のカバープレート31が開き位置に位置決めされる(
図6Bに示す)。第1の規制部122及び第2の規制部123を設けることで、第2のスライドカバー30が一定の範囲内でのみ移動するよう規制することになる。言い換えるならば、第1の磁石23又は第2の磁石24による第2のスライドカバー30に対する吸引力が強すぎることで、第2のカバープレート31が開口部11を遮蔽できない位置にまで移動するということを防止することができる。即ち例えば、
図6A及び
図6Bに示すように第1のカバープレート21と第2のカバープレート31とが開き位置にあり、第1のカバープレート21の後端の第2の磁石24(及び第4の磁石34)によって第2のカバープレート31の後端が吸着されている状態において、開口部11を閉じるために第1のカバープレート21を第1の方向D1に移動させると、前記第2の規制部123が存在しない場合には、第1のカバープレート21と一緒に第2のカバープレート31も第1の方向D1に移動してしまって、第2のカバープレート31が開口部11を遮蔽できない位置にまで移動することになるが、第2の規制部123を設けることによって、これを防止することができるものである。
【0040】
好ましくは、連結部12は、第1の連結ロッド22の対向する二つの側にそれぞれ位置して、第1のカバープレート21を閉じ位置又は開き位置に位置決めするための第3の規制部124と、第4の規制部125とを有する。類似するように、第1のカバープレート21が第3の規制部124の位置にまで移動したとき、第1の連結ロッド22の一方側が第3の規制部124にて停止して、第1のカバープレート21が閉じ位置に位置決めされる(
図4Bに示す)。第1のカバープレート21が第4の規制部125の位置にまで移動したとき、第1の連結ロッド22の他方側が第4の規制部125にて停止して、第1のカバープレート21が開き位置に位置決めされる(
図6Bに示す)。同様に、第3の規制部124及び第4の規制部125を設けることで、第1のスライドカバー20が一定の範囲内でのみ移動するよう規制することになる。言い換えるならば、第1の磁石23と第3の磁石33との間、又は第2の磁石24と第4の磁石34との間の吸引力が強すぎることで、第1のカバープレート21又は第2のカバープレート31が開口部11を遮蔽できない位置にまで移動するということを防止することができる。
【0041】
上記をまとめるに、本発明のレンズ保護装置によれば、ハウジングと、第1のスライドカバーと、第2のスライドカバーとを備える。このうち、第1のスライドカバーは、第1のカバープレートと、第1の連結ロッドとを含み、そして第2のスライドカバーは第2のカバープレートと、第2の連結ロッドとを含む。第1の連結ロッドの一端は第1のカバープレートに連結されており、他端はハウジングの連結部に枢接されることで、第1のカバープレートはハウジングに対して回転可能となっている。第2の連結ロッドの一端は第2のカバープレートに連結されており、他端は連結部に枢接されることで、第2のカバープレートはハウジングに対して回転可能となっている。よって、第1のカバープレートを第1の方向又は第2の方向に手動で移動させて、ひいては第1のカバープレート及び第2のカバープレートを閉じ位置又は開き位置に位置させることで、ハウジングの開口部(レンズに対応する)を遮蔽する、又は露出させることができる。
【0042】
注意すべきは、上記諸々の実施例は説明の便宜のために挙げたものであって、本発明が主張する権利範囲は特許請求の範囲に記載するものを基準とするものであって、上記実施例に限られるものではないということである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明で提供するレンズ保護装置は、第1のスライドカバーと第2のスライドカバーとの構造的設定により、2方向のレンズ保護カバーにおいて、従来の如くステッピングモータで制御する必要がなく、レンズモジュールを小型化できるという産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0044】
1 レンズ保護装置
10 ハウジング
11 開口部
12 連結部
121 軸心位置
122 第1の規制部
123 第2の規制部
124 第3の規制部
125 第4の規制部
13 マウント
131 レンズ取付部
14 弧形表面
20 第1のスライドカバー
21 第1のカバープレート
211 力付与部
22 第1の連結ロッド
221 第1の枢軸
222 第1の軸孔
23 第1の磁石
24 第2の磁石
30 第2のスライドカバー
31 第2のカバープレート
32 第2の連結ロッド
321 第2の枢軸
322 第2の軸孔
33 第3の磁石
34 第4の磁石
D1 第1の方向
D2 第2の方向