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特開2022-22120動力車の走行用バッテリーのバッテリーモジュール用のバッテリーハウジング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022120
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】動力車の走行用バッテリーのバッテリーモジュール用のバッテリーハウジング
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6556 20140101AFI20220127BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20220127BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20220127BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20220127BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20220127BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20220127BHJP
   H01M 10/6568 20140101ALI20220127BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M50/249
H01M50/204 401H
H01M50/271 S
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6568
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021114846
(22)【出願日】2021-07-12
(31)【優先権主張番号】10 2020 119 285.1
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D-70435 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
(72)【発明者】
【氏名】ドクター フィリップ ケルナー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー フォルクマー
(72)【発明者】
【氏名】サッシャ モストフィ
(72)【発明者】
【氏名】イマニュエル フォーゲル
(72)【発明者】
【氏名】ディーター シェイベル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ノイハウサー
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA28
5H040AS07
5H040AY05
5H040CC05
5H040CC36
5H040CC38
5H040JJ02
5H040JJ05
5H040NN03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】動力車の走行用バッテリーのバッテリーモジュール用のバッテリーハウジングを提供する。
【解決手段】動力車の走行用バッテリーのバッテリーモジュール用のバッテリーハウジング(10)であって、ハウジング(12)は、バッテリーモジュールの少なくとも1つのバッテリーセルを封入し、少なくとも1つの冷却溝(18)は、ハウジング(12)の少なくとも1つのハウジング壁(16)内に形成され、且つ、バッテリーセルから離れて開いており、且つ、冷却液を通すようにはたらき、カバー(20)は、平面状のプレートとして構成され、且つ、ハウジング壁(16)に接続され、且つ、少なくとも1つの冷却溝(18)を閉じるようにはたらく。冷却溝(18)がハウジング壁(16)内に形成されているため、カバー(20)を安価な平面状のプレートとして構成することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力車の走行用バッテリーのバッテリーモジュール用のバッテリーハウジングであって、
前記バッテリーモジュールの少なくとも1つのバッテリーセルを封入するためのハウジング(12)と、
少なくとも1つの冷却溝(18)であって、前記ハウジング(12)の少なくとも1つのハウジング壁(16)内に形成され、且つ前記バッテリーセルから離れて開いており、且つ冷却液を通すようにはたらく、少なくとも1つの冷却溝(18)と、
カバー(20)であって、平面状のプレートとして構成され、且つ前記ハウジング壁(16)に接続され、且つ前記少なくとも1つの冷却溝(18)を閉じるようにはたらく、カバー(20)と、
を有する、バッテリーハウジング。
【請求項2】
前記カバー(20)は入口開口部(26)を有し、前記入口開口部(26)は、前記冷却溝(18)と連通し、前記冷却液を供給するようにはたらき、且つ/又は、前記カバー(20)は出口開口部(28)を有し、前記出口開口部(28)は前記冷却溝(18)と連通し、前記冷却液を排出するようにはたらく、ことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーハウジング。
【請求項3】
前記ハウジング壁(16)の端に、入口開口部(26)が形成され、前記入口開口部(26)は、前記冷却溝(18)及び前記カバー(20)によって境界を定められ、前記冷却液を供給するようにはたらき、且つ/又は、出口開口部(28)が形成され、前記出口開口部(28)は前記冷却溝(18)及び前記カバー(20)によって境界を定められ、前記冷却液を排出するようにはたらく、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のバッテリーハウジング。
【請求項4】
前記ハウジング(12)は、押し出し成形された矩形プロファイル、特に矩形の管として構成され、前記少なくとも1つの冷却溝(18)は、圧縮成形及び/又は切削加工によって生成される、ことを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載のバッテリーハウジング。
【請求項5】
前記少なくとも1つのハウジング壁(16)は、機械的荷重を分散させるように構成され、前記ハウジング壁(16)の、前記少なくとも1つの冷却溝(18)の境界を定める材料は、前記ハウジング壁(16)の硬化に寄与する、ことを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載のバッテリーハウジング。
【請求項6】
前記冷却溝(18)は、直線のプロファイルからは逸脱した形状構成を有し、特に、前記冷却溝(18)は、斜めに及び/又はジグザグ形状で及び/又は蛇行態様で延びる、ことを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載のバッテリーハウジング。
【請求項7】
前記カバー(20)は、前記ハウジング壁(16)の中心合わせボディ(24)上に取り付けることができる中心合わせ開口部(22)を有する、ことを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載のバッテリーハウジング。
【請求項8】
ハウジング(12)は、少なくとも1つの冷却溝(18)、好ましくは複数の冷却溝(18)を備えた、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも4つのハウジング壁(16)を有する、ことを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載のバッテリーハウジング。
【請求項9】
動力車の走行用バッテリーのバッテリーモジュールであって、少なくとも1つのバッテリーセルを有し、且つ、前記少なくとも1つのバッテリーセルを封入するための請求項1~8の何れか一項に記載のバッテリーハウジング(10)を有し、前記バッテリーセルは、前記少なくとも1つの冷却溝(18)を備える前記ハウジング壁(16)に対して直接的に又はもっぱら熱伝導層を介してのみ、接して配置される、バッテリーモジュール。
【請求項10】
前記少なくとも1つのバッテリーセルの唯一の能動的な温度制御は、もっぱら、前記少なくとも1つのバッテリーセルの熱を、前記少なくとも1つの冷却溝(18)の中を流れることができる前記冷却液と交換することによってもたらされる、ことを特徴とする、請求項9に記載のバッテリーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリーハウジングに関し、このバッテリーハウジングの助けを借りて、動力車の走行用バッテリーのバッテリーモジュールを収容し、温度制御することができる。
【背景技術】
【0002】
(特許文献1)は、動力車の走行用バッテリーのバッテリーモジュール用のバッテリーハウジングについて開示しており、このバッテリーハウジングはくぼみを有し、このくぼみの中には追加のコンポーネントが挿入され、この追加のコンポーネントは、このくぼみの平坦な底面とこの追加のコンポーネントとの間に冷却チャネルが形成されるように外形をつくられている。
【0003】
バッテリーモジュールの冷却用の製造に関して、経費を減らすようにとの絶え間ない要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2017 104 710A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、製造の観点で少しの経費でバッテリーモジュールの冷却を可能にする方策を明示することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、本発明によれば、請求項1に記載する特徴を有するバッテリーハウジングによって達成される。本発明の好ましい構成が、従属請求項及び以下の説明において明示されており、これらは、それぞれの場合において個別に又は組み合わせて、本発明の態様を表すことがある。
【0007】
本発明の一態様は、動力車の走行用バッテリーのバッテリーモジュール用のバッテリーハウジングに関し、このバッテリーハウジングは、バッテリーモジュールの少なくとも1つのバッテリーセルを封入するためのハウジングと、少なくとも1つの冷却溝であって、ハウジングの少なくとも1つのハウジング壁内に形成され、且つバッテリーセルから離れて開いており、且つ冷却液を通すようにはたらく、少なくとも1つの冷却溝と、カバーであって、平面状のプレートとして構成され、且つハウジング壁に接続され、且つ少なくとも1つの冷却溝を閉じるようにはたらく、カバーと、を有する。
【0008】
バッテリーモジュール用のハウジングは、矩形の管に基づいていることがあり、この矩形の管にバッテリーセルを挿入することができ、その後、この矩形の管は端側で閉じられる。少なくとも1つの冷却溝は、ハウジングを形成する材料の中に既に形成済みであるという事実のおかげで、バッテリーセルと冷却溝内の冷却液との間の熱伝導抵抗を特に低く保つことができる。いずれにしても、冷却システムの外部冷却プレート(これは冷却チャネルを有し、その中を冷却液が流れるようになっている)とハウジングの材料との間の熱伝導抵抗を低減することができる。それよりも、冷却溝を通って流れる冷却液は、ハウジングの材料と直接的に接触する。従って、冷却力を向上させることができる。
【0009】
この場合、少なくとも1つの冷却溝は、バッテリーセルから離れて、又は、バッテリーセルを収容するための内部空間(これは、ハウジングによって区切られる)から離れて、外側に開くように形成される。従って、それぞれのハウジング壁に接続されることになるカバーを、容易に外側からハウジング壁の上に配置することができ、且つ例えば、接着結合又は摩擦撹拌溶接によって、固定することができる。従って、組み立てプロセスが単純に保たれる。更に、カバーは平面状のプレートとして構成され、その結果、突出した突起、リブなどが回避される。従って、カバーは、もっぱら適切なプレス加工ツールを使用してプレス加工することにより、半仕上げの部品の形態で存在する金属プレート又はプラスチックプレートから、容易に生成することができる。従って、製造の観点での経費は非常に少なくなる。ここで、カバーの使用は、ハウジングが、意図された使用状態に適合するように既に複合構造を有しており、どのみち再加工を施される可能性があり、少なくとも1つの冷却溝は、再加工中に特に容易に安価な態様で生成することができ、一方、カバーを製造するために更なる加工工程は必要ない、という認識に基づいている。特に、一方ではハウジング、他方では少なくとも1つのカバーが、分散した場所で製造される場合、製造プロセスにおいてコストの節約を実現することが可能である。冷却溝がハウジング壁内に形成されているおかげで、カバーを安価な平面状のプレートとして構成することができ、その結果、バッテリーモジュールの冷却が、製造の観点で少ない経費で可能になる。
【0010】
特に、カバーは入口開口部を有し、この入口開口部は、冷却溝と連通し、冷却液を供給するようにはたらき、且つ/又は、カバーは出口開口部を有し、この出口開口部は冷却溝と連通し、冷却液を排出するようにはたらく。従って、カバーを通じて冷却液を供給及び/又は排出することができる。対応する入口開口部及び/又は出口開口部は、カバーの生成中に、特にプレス加工により、容易に同時に生成することができ、その結果、製造の観点での経費が少なく保たれる。
【0011】
ハウジング壁の端に、入口開口部が形成され、この入口開口部は、冷却溝及びカバーによって境界を定められ、冷却液を供給するようにはたらき、且つ/又は、出口開口部が形成され、この出口開口部は冷却溝及びカバーによって境界を定められ、冷却液を排出するようにはたらくことが、好ましい。従って、冷却液は、ハウジングの端部で、特に端側で、又はハウジングの長手方向の範囲に対して横方向に、供給されるか且つ/又は排出されることがある。このようにして、同一の設計の複数のバッテリーハウジングを直列に接続すること、及び同じ冷却液を、異なるバッテリーハウジング内のバッテリーセルの温度制御のために、構造空間を節約する態様で使用すること、が容易に可能になる。1つのバッテリーハウジングの出口開口部は、特に単なるシールとして構成される、構造空間節約型の接続ピースによって、対向して配置された別のバッテリーハウジングの入口開口部に、流体的に接続されることがある。
【0012】
ハウジングが押し出し成形された矩形プロファイル、特に矩形の管として構成され、少なくとも1つの冷却溝が、圧縮成形及び/又は切削加工によって生成されることが、特に好ましい。従って、4つの異なる側面からバッテリーセルを覆うことができるハウジングを、安価に製造することができる。少なくとも1つの冷却溝を生成するように意図されたハウジング壁に、冷却溝がないハウジング壁の厚さよりも厚い材料厚さを提供することが、容易に可能である。これのために設けられるハウジング壁の材料の非切削加工又は切削加工によって、押し出し成形プロセスの後で、少なくとも1つの冷却溝を容易に形成することができる。例えば、押し出し成形工程の直後で且つ冷却工程の前に、ハウジングは依然として温かく容易に成形可能であることがあり、その結果、冷却工程におけるハウジングの固化の前に、少なくとも1つの冷却溝を、切断しない態様で、ハウジング壁に容易にエンボス加工することができる。しかしながら、ハウジングが固化した後で初めて切削する態様で、例えばフライス削りなどにより、冷却溝を生成することも可能である。
【0013】
特に、少なくとも1つのハウジング壁は、機械的荷重を分散させるように構成され、ハウジング壁の、少なくとも1つの冷却溝の境界を定める材料は、ハウジング壁の硬化に寄与する。ハウジング壁は、機械的損傷に対してバッテリーセルを保護するために、固有の重量及び収容されるバッテリーセルの重量力だけでなく、例えば事故(「衝突事故」)時などに生じる衝撃力も分散させるように、寸法決めされることがある。特に、ハウジングは、押し出し成形方向に沿って耐荷重性があり、少なくとも1つの冷却溝は、ハウジングの1つ又は複数の荷重経路内に設けられる。荷重の分散中のハウジングの機械的挙動は、少なくとも1つの冷却溝の構成によって影響を受けることがある。例えば、変形加工の吸収を通じて衝撃エネルギーを分散させるために、且つ、ハウジング内に収容されているバッテリーセルを保護するために、冷却溝の助けを借りて、衝突事故に対する所定の破壊点を設けることができる。
【0014】
冷却溝は、直線のプロファイルからは逸脱した形状構成を有することが好ましく、特に、冷却溝は、斜めに及び/又はジグザグ形状で及び/又は蛇行態様で延びる。冷却溝の幾何形状及び/又はコースは、原則的には、自由に選択することができる。このようにして、冷却液と、温度制御されることになるハウジングの材料との接触面積を、大幅に広げることができる。従って、冷却力を高めることができる。更に、冷却液をより高温で排出することができ、これにより、例えば、動力車の前部のラジエーターでの冷却液の受動的な冷却が、より簡単に且つより効率的になる。従って、冷却の効率を改善することができる。
【0015】
カバーが中心合わせ開口部を有し、この中心合わせ開口部はハウジング壁の中心合わせボディ上に取り付けられることが、特に好ましい。中心合わせ開口部は、例えば、中心合わせボディに取り付けられるか又はプレスされることがある。このようにして、冷却溝を有し且つ覆われることになるハウジング壁に対するカバーの相対的な位置を、この目的のためにカバーに突起又はタブを持たせる必要なく、正確に指定することができる。従って、カバーの中心合わせ及び位置決めを、カバーの複雑な3次元形状の構成無しに、達成することができる。
【0016】
特に、ハウジングは、少なくとも1つの冷却溝、好ましくは複数の冷却溝を備えた、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも4つのハウジング壁を有する。バッテリーセルの冷却のために設けられ且つ冷却液が中を流れる、車体底部プレートとは対照的に、ハウジング及びハウジング内に収容されるバッテリーセルを、複数の側面から冷却することができる。従って、冷却力及び/又は冷却効率を改善することができる。
【0017】
更なる態様は、動力車の走行用バッテリーのバッテリーモジュールに関し、このバッテリーモジュールは、少なくとも1つのバッテリーセルを有し、且つ、この少なくとも1つのバッテリーセルを封入するためのバッテリーハウジングであって、上記で説明したように設計され改良されることがあるバッテリーハウジング、を有し、バッテリーセルは、少なくとも1つの冷却溝を備えるハウジング壁に対して直接的に又はもっぱら熱伝導層を介してのみ、接して配置される。従って、冷却されることになるバッテリーセルと、ハウジング壁によって媒体を通さない態様で分離された冷却液と、の間の熱伝達抵抗を最小限に抑えることができる。冷却溝がハウジング壁内に形成されているおかげで、カバーを安価な平面状のプレートとして構成することができ、その結果、バッテリーモジュールの冷却が、製造の観点で少ない経費で可能になる。
【0018】
少なくとも1つのバッテリーセルの唯一の能動的な温度制御は、もっぱら、この少なくとも1つのバッテリーセルの熱を、少なくとも1つの冷却溝の中を流れることができる冷却液と交換することによってもたらされることが好ましい。追加の車体底部冷却装置は、省略することができるか、且つ/又は少なくとも1つのハウジング壁内に形成された少なくとも1つの冷却溝の冷却力によって、置き換えることができる。従って、バッテリーセルを冷却するための構造の観点での経費を、安価な方法で少なく保つことができる。
【0019】
本発明について、好ましい例示的な実施形態に基づいて添付の図面を参照して例として以下に説明する。以下に提示される特徴を、それぞれの場合において個別に又は組み合わせて、本発明の態様が表されることがある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】組み立てプロセスの前の、バッテリーハウジングの概略斜視図を示す。
図2】組み立てプロセスの後の、図1のバッテリーハウジングの概略斜視図を示す。
図3図2のバッテリーハウジングの概略断面図を示す。
図4図2のバッテリーハウジングの代替の実施形態の概略正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示されたバッテリーハウジング10は、動力車を電気駆動するための走行用バッテリーのバッテリーモジュールを形成するために、バッテリーセルを収容するように、使用することができる。バッテリーハウジング10は、押し出し成形されたハウジング12を有し、このハウジング12は、プラスチック材料から製造され、矩形のプロファイルとして構成され、その中には、例えばパーティション14が挿入されており、このパーティションは、押し出し方向に一致しており、ハウジング12の長手方向に延び、ハウジング12を複数のサブチャンバに分割するようにはたらく。例えば、ハウジング12の上側ハウジング壁16には、ハウジング12及びハウジング12内に収容されるバッテリーセルの温度を制御するために、特にそれらの部品を冷却及び/又は予熱するために、特に蛇行形態で延在し冷却液を流すことができる、複数の冷却溝18が形成されている。平面状のプレートとして構成されるカバー20により、冷却溝18を閉じることができ、その結果、ハウジング壁16の冷却溝18及びカバー20の下側によって境界を定められた冷却チャネルが形成される。これに加えて又はその代わりに、図3に示すように、バッテリーセルを冷却するための冷却力を対応して高めるために、別のカバーによって閉じられる少なくとも1つの冷却溝が、ハウジング12の他の壁の中にやはり設けられることもある。
【0022】
図2に示すように、カバー20は、カバー20にカバー20の材料平面から突出した隆起を持たせることなく、ハウジング壁16に対するカバー20の規定された相対的位置を明示するために、ハウジング壁16内に形成された中心合わせボディ24上に取り付けることができる中心合わせ開口部22を有することがある。図2に示す例示的な実施形態では、カバー20は、様々な冷却チャネルのそれぞれに1つの入口開口部26及び1つの出口開口部28を有し、その入口開口部及び出口開口部を介して、冷却液が、ハウジング12の押し出し成形方向に対して直角に、出入りすることができる。入口開口部26及び出口開口部28を介して、それぞれの冷却チャネルを冷却回路に接続することができ、この冷却回路は、特に、好ましくは、温められた冷却液を再び所望の動作温度まで受動的に冷却するために、相対的な風によって空冷された、動力車の外部熱交換器、特に前部ラジエーターを有する。
【0023】
これに加えて又はその代わりに、図4に示すように、入口開口部26の少なくとも1つ及び/又は出口開口部28の1つは、ハウジング12の端側に設けられることがある。この目的のために、関連する冷却溝18は、ハウジング12の端側に対して開いているように設計されることがあり、その結果、入口開口部26又は出口開口部28はそれぞれ、冷却溝18とカバー20との間のハウジングの端側に形成される。
【符号の説明】
【0024】
10 バッテリーハウジング
12 ハウジング
16 ハウジング壁
18 冷却溝
20 カバー
22 中心合わせ開口部
24 中心合わせボディ
26 入口開口部
28 出口開口部
図1
図2
図3
図4