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特開2022-22123半導体装置、撮像ユニットおよび内視鏡
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022123
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】半導体装置、撮像ユニットおよび内視鏡
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20220127BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20220127BHJP
   H01L 25/065 20060101ALI20220127BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
H01L21/88 J
H01L27/146 D
H01L25/08 C
H01L21/88 Z
H01L27/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116067
(22)【出願日】2021-07-14
(31)【優先権主張番号】63/054,869
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細貝 克己
(72)【発明者】
【氏名】足立 理
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 考俊
(72)【発明者】
【氏名】那須野 悟史
【テーマコード(参考)】
4M118
5F033
5F038
【Fターム(参考)】
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA09
4M118CA01
4M118GD03
4M118HA25
4M118HA31
5F033JJ11
5F033MM30
5F033QQ07
5F033QQ11
5F033UU04
5F033VV04
5F033VV05
5F033VV10
5F033XX19
5F038AC04
5F038AC05
5F038AC10
5F038BE07
5F038BE09
5F038CA05
5F038CA07
5F038CA12
5F038CA16
5F038CD02
5F038CD03
5F038CD06
5F038CD14
(57)【要約】
【課題】撮像ユニットに供給される電圧を安定化し、安定した画像信号を実現する。
【解決手段】半導体装置は、半導体基板、半導体基板に配設されたトレンチキャパシタ、第1配線層、第2配線層、トレンチキャパシタの外側で半導体基板を貫通する第1TSV、トレンチキャパシタの外側で半導体基板を貫通する第2TSV、第1TSVに接続された第1接続端子、第1TSVに接続された第2接続端子、第2TSVに接続された第3接続端子、および第2TSVに接続された第4接続端子を含む。第1接続端子、第2接続端子、第3接続端子、および第4接続端子を含む複数の接続端子は、第1配線層および第2配線層の全エリアにわたって分散して配設される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対側に位置する第1表面および第2表面を有する半導体基板と、
前記半導体基板の前記第1表面に配設されたトレンチキャパシタと、
前記半導体基板の前記第1表面に配設され、前記トレンチキャパシタを覆う第1配線層と、
前記半導体基板の前記第2表面に配設された第2配線層と、
前記トレンチキャパシタの外側で前記半導体基板を貫通する第1TSV(Through Silicon Via:シリコン貫通電極)と、
前記トレンチキャパシタの外側で前記半導体基板を貫通する第2TSVと、
前記第1配線層に配設され、前記第1TSVに接続される第1接続端子と、
前記第2配線層に配設され、前記第1TSVに接続される第2接続端子と、
前記第1配線層に配設され、前記第2TSVに接続される第3接続端子と、
前記第2配線層に配設され、前記第2TSVに接続される第4接続端子と、を備え、
前記第1接続端子、前記第2接続端子、前記第3接続端子、および前記第4接続端子を含む複数の接続端子は、前記第1配線層および前記第2配線層の全エリアにわたって分散して配設される、半導体装置。
【請求項2】
前記半導体基板の前記第1表面は、前記トレンチキャパシタが占有する第1領域と、前記第1TSVおよび前記第2TSVが通過する第2領域とを含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1表面の前記第1領域は、前記第1表面の前記第2領域よりも大きい、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1配線層は、基板接触子およびゲート接触子を含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記トレンチキャパシタは、第1電極、第2電極および誘電体層を含み、前記第1電極と前記第2電極とは前記誘電体層を挟みこみ、前記ゲート接触子は前記第1電極に接続され、前記基板接触子は前記第2電極に接続される、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1配線層の配線によって、前記基板接触子は前記第1TSVに接続され、前記ゲート接触子は前記第2TSVに接続される、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項7】
少なくとも前記第1接続端子および前記第3接続端子を含む複数の接続端子は、前記第1配線層の領域に均等に離間して設けられ、前記第1配線層の前記領域は、前記トレンチキャパシタが占有する前記半導体基板の前記第1表面の前記第1領域と重なり合う、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項8】
少なくとも前記第2接続端子および前記第4接続端子を含む複数の接続端子は、前記第2配線層の領域に均等に離間して設けられ、前記第2配線層の前記領域は、前記トレンチキャパシタが占有する前記半導体基板の前記第1表面の前記第1領域に対応する、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記半導体装置の前記第2接続端子および前記第4接続端子が隣接する半導体装置の第1接続端子および第3接続端子とそれぞれ接続されるように、前記隣接する半導体装置に積み重ねられる、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記半導体装置の前記第2接続端子および前記第4接続端子が隣接する半導体装置の第2接続端子および第4接続端子とそれぞれ接続されるように、前記隣接する半導体装置に積み重ねられる、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記半導体装置の前記第1接続端子および前記第3接続端子が隣接する半導体装置の第1および第3接続端子とそれぞれ接続されるように、前記隣接する半導体装置に積み重ねられる、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記複数の接続端子は、前記半導体装置を上方から見て前記第1TSVおよび前記第2TSVと重なり合っていない、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項13】
画素を前面に有し、グランド端子およびVDD端子を後面に有するイメージセンサと、
請求項1に記載の半導体装置と、を備え、
前記半導体装置の前記第1接続端子および前記第3接続端子は、前記イメージセンサの前記VDD端子および前記グランド端子にそれぞれ接続される、撮像ユニット。
【請求項14】
画素を前面に有し、グランド端子およびVDD端子を後面に有するイメージセンサと、
請求項1に記載の半導体装置と、を備え、
前記半導体装置の前記第2接続端子および前記第4接続端子は、前記イメージセンサの前記VDD端子および前記グランド端子にそれぞれ接続される、撮像ユニット。
【請求項15】
前記複数の接続端子は、少なくとも、前記第1配線層上の第5接続端子と、前記第2配線層上の第6接続端子とを含み、
前記第5接続端子は、第3TSVを介して前記第6接続端子に接続される、
請求項14に記載の撮像ユニット。
【請求項16】
前記第3TSVは、画像信号、クロック信号および同期信号のうち少なくとも1つを伝達する、請求項15に記載の撮像ユニット。
【請求項17】
請求項13に記載の撮像ユニットを備える内視鏡。
【請求項18】
請求項14に記載の撮像ユニットを備える内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置、撮像ユニットおよび半導体装置を使用する内視鏡に関し、より詳細には、トレンチキャパシタを有する半導体装置、撮像ユニットおよび半導体装置を使用する内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
トレンチキャパシタを有する半導体装置は、典型的には半導体の基板にトレンチキャパシタを備える(例えば、特許文献1を参照)。半導体装置は、イメージセンサなどの撮像ユニットの電気回路に供給されるVDD電圧の値を安定させるためにトレンチキャパシタを使用して電荷を蓄積する。半導体装置は、その表面に複数のトレンチを有し、かつ該複数のトレンチにそれぞれ埋め込まれた複数の電極を有することにより、トレンチキャパシタを形成することができる。VDD電圧およびGND電圧を電極に供給することによって、トレンチキャパシタは電荷を蓄積する。
【0003】
半導体装置を使用する内視鏡システムは、典型的には、内視鏡およびプロセッサユニットを含む。プロセッサユニットは、電圧源を制御して、VDD電圧(電源電圧)およびGND電圧(グランド電圧)を内視鏡に供給する。内視鏡は、内視鏡の先端構成部分に設けられたイメージセンサを含む。イメージセンサは、電圧源から供給されるVDD電圧およびGND電圧を使用することによって画像信号を生成するために使用される。イメージセンサに供給されるVDD電圧は、通常操作における一定の値(例えば、3.3V)を有する。しかし、VDD電圧の値は、外乱などによって低下する場合がある。この状況では、イメージセンサは安定な画像信号を生成することができない。したがって、イメージセンサに供給されるVDD電圧を安定させることができる半導体装置を提供する必要がある。
【0004】
トレンチキャパシタを有する半導体装置とイメージセンサとは、通常、イメージセンサに供給されるVDD電圧を安定させるために積み重ねられる。この場合、VDD電圧およびGND電圧を半導体装置およびイメージセンサにそれぞれ供給するために、TSV(Through Silicon Via:シリコン貫通電極)が半導体装置に配設される。
【0005】
関連技術において、TSVを利用する複数の半導体基板は一緒に積み重ねられる。例えば、複数のDRAM(Dynamic Random Access Memory:ダイナミックランダムアクセスメモリ)基板が積み重ねられる場合、典型的にはTSVはこれらのDRAM基板のエッジ領域に配設される。エッジ領域は半導体基板の表面においてDRAMの外側領域である。複数の半導体基板は、互いにTSV位置で積み重ねられて接続される。GND電圧およびVDD電圧は、TSVを使用することによって各DRAM基板に供給される。各半導体基板は、GND電圧、VDD電圧および信号を伝達するためにTSVを有する。しかし、エッジ領域にTSVを有する半導体基板がTSV位置で接続される場合、バンプ接続プロセスなどによるTSV位置の応力集中によって半導体基板が損傷を受けるといった問題がある。この問題は、特に、小型かつ薄型の半導体基板が積み重ねられて互いに接続される場合に発生しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0161792A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本開示は、関連技術の制限および欠点に起因する問題のうち1つまたは複数の問題を実質的に防ぐ、トレンチキャパシタを有する半導体装置、撮像ユニットおよび内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る半導体装置は、互いに反対側に位置する第1表面および第2表面を有する半導体基板と、半導体基板の第1表面に配設されたトレンチキャパシタと、半導体基板の第1表面に配設されて、トレンチキャパシタを覆う第1配線層と、半導体基板の第2表面に配設された第2配線層と、トレンチキャパシタの外側で半導体基板を貫通する第1TSV(Through Silicon Via:シリコン貫通電極)と、トレンチキャパシタの外側で半導体基板を貫通する第2TSVと、第1配線層に配設され、第1TSVに接続される第1接続端子と、第2配線層に配設され、第1TSVに接続される第2接続端子と、第1配線層に配設され、第2TSVに接続される第3接続端子と、第2配線層に配設され、第2TSVに接続される第4接続端子と、を備え、第1接続端子、第2接続端子、第3接続端子、および第4接続端子を含む複数の接続端子は、第1配線層および第2配線層の全エリアにわたって分散して配設される。
【0009】
本開示に係る撮像ユニットは、イメージセンサと半導体装置とを備える。イメージセンサは、画素を第1表面に有し、グランド端子およびVDD端子を第2表面に有する。半導体装置は、イメージセンサのVDD端子およびグランド端子にそれぞれ接続される第1接続端子および第3接続端子を有する。
【0010】
本開示に係る内視鏡は、撮像ユニットを備える。
【0011】
本発明の追加の特徴および利点は、以下の明細書に記載され、部分的には本明細書によって明らかになり、あるいは本開示の手法により理解されるであろう。本発明の目的および他の利点は、特に、本明細書および特許請求の範囲ならびに添付の図面に記載される構造によって実現および達成される。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、撮像ユニットに供給される電圧を安定化し、安定した画像信号を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、第1の実施形態に係る半導体装置を概略的に示す横断面図である。
図2A図2Aは、図1の半導体装置のある特定の構成要素を概略的に示す斜視図である。
図2B図2Bは、図1の半導体装置のある特定の構成要素を概略的に示す斜視図である。
図2C図2Cは、図1の半導体装置のある特定の構成要素を概略的に示す斜視図である。
図3A図3Aは、図2Aの構成要素を概略的に示す平面図である。
図3B図3Bは、図2Bの構成要素を概略的に示す平面図である。
図3C図3Cは、図2Cの構成要素を概略的に示す平面図である。
図4図4は、第2の実施形態に係る撮像ユニットを概略的に示す横断面図である。
図5図5は、第3の実施形態に係る撮像ユニットを概略的に示す横断面図である。
図6図6は、第4の実施形態に係る半導体装置を概略的に示す横断面図である。
図7A図7Aは、図6の半導体装置のある特定の構成要素を概略的に示す斜視図である。
図7B図7Bは、図6の半導体装置のある特定の構成要素を概略的に示す斜視図である。
図7C図7Cは、図6の半導体装置のある特定の構成要素を概略的に示す斜視図である。
図8A図8Aは、図7Aの半導体装置の構成要素を概略的に示す平面図である。
図8B図8Bは、図7Bの半導体装置の構成要素を概略的に示す平面図である。
図8C図8Cは、図7Cの半導体装置の構成要素を概略的に示す平面図である。
図9図9は、第5の実施形態に係る内視鏡システムを概略的に示す斜視図である。
図10図10は、図9の内視鏡システムの先端構成部分を概略的に示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好ましい実施形態の詳細に参照番号が付与され、その具体例が添付の図面に示されている。図1は、第1の実施形態に係る半導体装置を概略的に示す横断面図である。図2A図2B、および図2Cはそれぞれ、図1の半導体装置のある特定の構成要素を概略的に示す斜視図である。図3A図3B、および図3Cは、図2A図2B、および図2Cの構成要素をそれぞれ概略的に示す平面図である。
【0015】
図3Aは、図1および図2Aの矢印A-A´に対する平面図を示している。図3Bは、図1および図2Bの矢印B-B´に対する平面図を示している。図3Cは、図1および図2Cの矢印C-C´に対する平面図を示している。
【0016】
図1に示すように、半導体装置1は、半導体基板2と、半導体基板2に埋め込まれたトレンチキャパシタ3と、半導体基板2の前面を覆う第1配線層4と、半導体基板2の後面を覆う第2配線層5とを含むことができる。半導体装置1はまた、トレンチキャパシタエリアの外側であるトレンチキャパシタ3の外側エリアで半導体基板2を貫通する第1TSV(Through Silicon Via:シリコン貫通電極)11および第2TSV12を含んでいてもよい。半導体装置1は、複数の接続端子をさらに含んでいてもよい。図1に示すように、複数の接続端子は、例えば、少なくとも第1接続端子21、第2接続端子22、第3接続端子23、および第4接続端子24を有していてもよく、これら端子は、半導体基板2の前面および後面で分散して配設することができる。例えば、第1接続端子21および第3接続端子23は、半導体基板2の前面に配設することができ、第2接続端子22および第4接続端子24は、半導体基板2の後面に配設することができる。さらに、第1接続端子21および第3接続端子23は、追加の接続端子と共に互いに規則的な距離をおいて半導体基板2の前面に均等に配設されてもよい。第2接続端子22および第4接続端子24は、異なる追加の接続端子と共に互いに規則的な距離をおいて半導体基板2の後面に均等に配設されてよい。
【0017】
半導体基板2は、正方形または長方形板状であるか、または、半導体基板2を利用する電子装置に好適な形状に形成することができる。半導体基板2は、水平幅および垂直幅を有してもよく、それらの幅のそれぞれは、500マイクロメートルから1500マイクロメートルの範囲にすることができる。半導体基板2の厚みは、40マイクロメートルから60マイクロメートルの範囲にすることができる。
【0018】
半導体基板2は、互いに反対側に位置する第1表面2aおよび第2表面2bを含む。図1に示すように、第1表面2aは、半導体基板2の前面であり、第2表面2bは、半導体基板2の後面であってよい。また、複数のトレンチキャパシタ3は、第1表面2aに配設することができる。本実施形態では、複数のトレンチキャパシタ3は、互いに規則的な距離をおいて互いに離間して設けられている場合があり、第1表面2aの周辺領域を除く第1表面2aの全エリアを実質的に一様に占有する。各トレンチキャパシタ3は、第1電極3a、誘電体層3B、および第2電極(埋め込まれた電極)3cを含んでいてもよい。
【0019】
トレンチキャパシタ3は、以下の通りに形成することができる。複数のトレンチをドライエッチングプロセスなどによって第1表面2aに形成する。膜状の金属層を気相堆積プロセスなどによってトレンチキャパシタ3ごとに第1電極3aとして形成する。第1電極3aが複数のトレンチを覆う。次に、膜状の誘電体層3bを第1電極3a上に第1電極3aを覆うように形成する。その後、第1電極3aと第2電極3cとで誘電体層3bを挟みこむように、第1電極3aおよび誘電体層3bによって覆われたトレンチに第2電極3cを部分的に埋め込む。トレンチキャパシタ3の深さは、例えば、5マイクロメートルから20マイクロメートルの範囲にすることができる。各トレンチキャパシタ3のピッチ、またはトレンチキャパシタ3同士の間の距離は、1マイクロメートルから3マイクロメートルの範囲にすることができる。
【0020】
複数のトレンチキャパシタ3は、これらのトレンチキャパシタ3の配設時に複数のグループに分割されてもよい。例えば、トレンチキャパシタ3の各グループは、少なくとも3個から10個のトレンチキャパシタ3を含む場合がある。本実施形態では、図1の左側は、トレンチキャパシタ3の第1グループを示している(3つのトレンチキャパシタ3のみが、横断面図の左側に示されている)。トレンチキャパシタ3の第1グループは、1つの第2電極3cを共有することができる。図1の右側は、トレンチキャパシタ3の第2グループを示している(3つのトレンチキャパシタ3のみが、横断面図の右側に示されている)。トレンチキャパシタ3の第2グループは、異なる第2電極3cを共有することができる。第1電極3aおよび誘電体層3bはまた、第2電極3cと同じ、または類似の態様で共有される。第1配線層4は、複数のゲート接触子7および複数の基板接触子8を含んでもよい。ゲート接触子7および基板接触子8は、複数のトレンチキャパシタ3に接続される。図1に示すように、ゲート接触子7は、トレンチキャパシタ3の外側で露出している第2電極3cの一部に接触することによって、第2電極3cに接続されてもよい。第1電極3aは、トレンチの内側に形成された第1構成部分、および第1表面2a上のトレンチの外側に配置された第2構成部分を含む。基板接触子8は、トレンチの外側に配置された第1電極3aの第2構成部分に直接接触することによって第1電極3aに接続されてよい。後述するように、VDD電圧は、基板接触子8に供給されてよく、GND電圧はゲート接触子7に供給されてよい。
【0021】
図2A図2B、および図2Cはそれぞれ、図1の半導体装置1のある特定の構成要素を概略的に示す斜視図である。図2Bに示すように、複数のトレンチキャパシタ3は、互いに並列に形成される。各トレンチキャパシタ3の長手方向の長さは、5マイクロメートルから10マイクロメートルの範囲にすることができる。参照符号51は、半導体基板2の第1表面2aにトレンチキャパシタ3が形成されている、トレンチキャパシタエリアを指している。トレンチキャパシタエリア51は、第1表面2aの第1領域に相当する。第1表面2aの第1領域51は、電荷の量を増加させるために、第1表面2aの全エリアの80%までのサイズにすることができる。第1表面2aの図2Bの第2領域52は、第1領域51を囲み、第1TSV11、第2TSV12、および半導体装置1に必要な他の構成要素によって使用することができるエリアを提供する。
【0022】
図1に戻り、第1配線層4は半導体基板2の第1表面2aに形成されている。第1配線層4はトレンチキャパシタ3を覆っている。第2配線層5は半導体基板2の第2表面2bに形成されている。第1配線層4は、配線4aおよび4bなどの複数の配線がその中に埋め込まれている絶縁体層を含んでいる。第2配線層5は、配線5aおよび5bなどの複数の配線がその中に埋め込まれている絶縁体層を含んでいる。
【0023】
第1TSV11および第2TSV12は、第1表面2aと第2表面2bとの間の厚み方向で、半導体基板2を貫通している。図2Bおよび図3Bに示すように、第1TSV11および第2TSV12は、トレンチキャパシタエリア51のエリア外側に配設され、このエリアは、トレンチキャパシタエリア51の外側エリアと呼ばれ、半導体基板2の第1表面2aの第2領域に相当する。
【0024】
第1TSV11および第2TSV12は、以下のように半導体基板2に構成されてよい。まず複数のTSVホールをドライエッチングプロセスなどによって厚み方向で半導体基板2に形成する。その後、Cu金属などの導体材料をめっきプロセスなどによってTSVホールに埋め込む。第1TSV11の直径は、例えば、10から50マイクロメートルの範囲にすることができる。半導体基板2のエッジから第1TSV11の外端までの距離d1は、10から20マイクロメートルの範囲に設定することができる。
【0025】
図1に示すように、第1接続端子21および第3接続端子23は、第1配線層4の外側表面(露出表面)に配設されてよい。第2接続端子22および第4接続端子24は、第2配線層5の外側表面(露出表面)に配設されてよい。
【0026】
第1TSV11は、第1配線層4の配線4aによって第1接続端子21に接続することができる。第2TSV12は、第1配線層4の配線4bによって第3接続端子23に接続することができる。第1TSV11は、第2配線層5の配線5aによって第2接続端子22に接続することができる。第2TSV12は、第2配線層5の配線5bによって第4接続端子24に接続することができる。
【0027】
次に、TSVおよび接続端子の配設についての説明を以下に提示する。図3Bに示すように、第1TSV11および第2TSV12は、トレンチキャパシタエリア51の外側エリアに配設することができる。トレンチキャパシタエリア51の外側エリアは、第1表面2a上のトレンチキャパシタ3によって占有されるトレンチキャパシタエリア51を囲む周囲エリア52、53を含む。言い換えると、トレンチキャパシタエリア51は、周囲エリア52、53を除く半導体基板2の第1表面2aの全エリアを実質的に占有する場合がある。
【0028】
図3Bに示すように、この実施形態において、周囲エリア52、53は、半導体基板2の左右のエッジ領域であってよい。特に、周囲エリア52は、半導体基板2の左エッジからトレンチキャパシタエリア51の外端までの左領域であってもよい。周囲エリア53は、半導体基板2の右エッジから、トレンチキャパシタエリア51の外端までの右領域であってもよい。半導体基板2のエッジからトレンチキャパシタエリア51の外端までの距離d2は、例えば、20から70マイクロメートルの範囲で設定することができる。
【0029】
他方では、第1接続端子21、第2接続端子22、第3接続端子23および第4接続端子24を含む複数の接続端子は、半導体装置1の第1配線層4および第2配線層5の全エリアにわたって分散して配設することができる。例えば、複数の接続端子は、均等に、所定の距離をおいて互いに離間して配設されてよい。これらの接続端子はまた、あるパターンで第1配線層4に配設され、かつ異なるパターンで第2配線層5に配設されてもよい。これらの接続端子はまた、第1配線層4および第2配線層5のうち任意の1つに異なるパターンで配設されてよい。これらの接続端子の配列は、半導体基板2のエッジエリアに配設された他の構成要素と重なり合うことなく、半導体装置1の第1配線層4および第2配線層5の全エリアを効果的に利用するように作られる必要がある。例えば、図2A図2B、および図2Cに示すように、複数の接続端子21、22、23および24は、半導体装置1を上方から見たとき第1TSV11および第2TSV12と重なり合っていない。
【0030】
図3Aに示すように、第1配線層4の全エリアに対して、第1接続端子21および第3接続端子23は、第1配線層4に「分散して配設される」。第1接続端子21および第3接続端子23を分散した態様(「分散して配設される」を意味する)で第1配線層4に配設する態様について、以下に記載する。
【0031】
第1配線層4の全エリアに対して、第1接続端子21および第3接続端子23は、第1配線層4に均等に離間して配設されてよい。第1接続端子21および第3接続端子23が第1配線層4に配設される領域は、トレンチキャパシタ3が半導体基板2の第1表面2aを占有する領域(トレンチキャパシタエリア51)に相当し、かつトレンチキャパシタエリア51と重なり合う。
【0032】
接続端子を第1配線層4に均等に配設する態様は、以下のように定義される。図3Aに示すように、この実施形態において、第1配線層4の表面は仮想線Xによって実質的に均等に2つに分割されるので、第1接続端子21および第3接続端子23は、第1配線層4に均等に配設される。仮想点X1、X2はそれぞれ、分割されたエリアの中心点である。第1接続端子21は中心点X1の上に配設される。第3接続端子23は中心点X2の上に配設される。3つの接続端子が第1配線層4にある場合、類似の方式で、3つの接続端子は、第1配線層4を3つに均等に分割したエリアのそれぞれの中心点の上に配設することができる。4つの接続端子が第1配線層4にある場合、4つの接続端子は、第1配線層4を4つに均等に分割したエリアのそれぞれの中心点の上に配設することができる。
【0033】
接続端子を配設する別の態様は、接続端子と配線層のエッジ部分との間、ならびにTSVと半導体基板2との間の距離によって定義される。本実施形態では、第1接続端子21および第3接続端子23の配置が、第1距離L1および第2距離L2の2つの異なる距離によって画定される場合がある。図3Aに示すように、第1距離L1は、第1接続端子21と第1配線層4のエッジ部分との間の距離であり、この距離は50マイクロメートルから100マイクロメートルの範囲であってもよい。図3Bに示すように、第2距離L2は、第1TSV11と半導体基板2のエッジ部分との間の距離であり、この距離は10マイクロメートルから20マイクロメートルの範囲であってもよい。同様に、図3Aに示すように、第1距離L1は、第3接続端子23と第1配線層4のエッジ部分との間の最短距離であり、この距離は50マイクロメートルから100マイクロメートルの範囲であってもよい。図3Bに示すように、第2距離L2は、第2TSV12と半導体基板2のエッジ部分との間の最短距離であり、この距離は10マイクロメートルから20マイクロメートルの範囲であってもよい(第2距離L2は、上述した距離d1と同じ距離とすることができる)。第1距離L1および第2距離L2は、第1距離L1が第2距離L2よりも長くなるように設定される。
【0034】
第2接続端子22および第4接続端子24もまた、第1接続端子21および第3接続端子23と同じ方式で、または第1接続端子21および第3接続端子23とは異なる方式で(追加の異なる配列がある場合)、第2配線層5に分散的にかつ均等に配設されてよい。
【0035】
前述したように、第1接続端子21、第2接続端子22、第3接続端子23、および第4接続端子24を含む複数の接続端子は、半導体装置1の第1配線層4および第2配線層5の全エリアにわたって分散して配設される。この構造配列によって、半導体装置1が他の基板または他のケーブルに接続される場合に、接続プロセスによって生じる応力は、半導体装置1の第1配線層4および第2配線層5の全エリアにわたって分散される。その結果、接続プロセスによる半導体装置1への応力集中によって典型的に起こる損傷を仮に防げないとしても最小化することができる。
【0036】
他方では、第1TSV11および第2TSV12は、トレンチキャパシタエリア51の外側エリアで半導体基板2を貫通する。図3Bに示すように、第1TSV11および第2TSV12は、周囲エリア52、53にそれぞれ配設される。この構造配列によって、トレンチキャパシタエリア51は、第1表面2aのより広い部分を占有し、望ましくは第1表面2aの全エリアの少なくとも75%以上を占有し、これによって、半導体装置1の電荷の量が増加する。
【0037】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態による撮像ユニット100の横断面図である。撮像ユニット100は、半導体装置1およびイメージセンサ30を含むことができる。イメージセンサ30は、正方形または長方形板状であるか、または半導体装置1と整合する適切な形状であってよい。イメージセンサ30は、500マイクロメートルから1500マイクロメートルの範囲で、半導体装置1と同じ垂直幅および水平幅を有してもよい。イメージセンサ30は、イメージセンサ30の前面上の画素31を含む。イメージセンサ30は、イメージセンサ30の後面上のVDD端子32およびGND端子33を含む。
【0038】
イメージセンサ30および半導体装置1が一緒に積み重ねられる場合、イメージセンサ30の後面と、半導体基板2の第1表面2aとは、互いに向き合う場合がある。したがって、バンプ接続プロセスなどによって、VDD端子32は第1接続端子21に接続され、GND端子33は第3接続端子23に接続される。
【0039】
VDDケーブル41およびGNDケーブル42は、半導体基板2の第2表面2bの片側に配設されてよい。VDDケーブル41はVDD電圧を伝達し、GNDケーブル42はGND電圧を伝達する。VDDケーブル41は、第2接続端子22に接続されるチップ端子41aを含む。GNDケーブル42は、第4接続端子24に接続されるチップ端子42aを含む。
【0040】
VDD電圧は、外部電圧源(図示せず)からVDDケーブル41に供給されてよい。GND電圧は、同じ外部電圧源または異なる外部電圧源からGNDケーブル42に供給されてよい。
【0041】
VDD電圧は、VDDケーブル41、第2接続端子22、第2配線層5の配線5a、第1TSV11、第1配線層4の配線4a、および基板接触子8を通過する。基板接触子8は、第1電極3aにVDD電圧を供給する。
【0042】
GND電圧は、GNDケーブル42、第4接続端子24、第2配線層5の配線5b、第2TSV12、第1配線層4の配線4b、およびゲート接触子7を通過する。ゲート接触子7は、第2電極3cにGND電圧を供給する。VDD電圧およびGND電圧を基板接触子8およびゲート接触子7にそれぞれ供給することによって、トレンチキャパシタ3は電荷を蓄積する。
【0043】
VDD電圧はまた、第1TSV11、第1配線層4の配線4aおよび第1接続端子21を通過する。第1接続端子21は、VDD電圧をイメージセンサ30のVDD端子32に供給する。GND電圧はまた、第2TSV12、第1配線層4の配線4bおよび第3接続端子23を通過する。第3接続端子23は、GND電圧をイメージセンサ30のGND端子33に供給する。イメージセンサ30は、VDD電圧およびGND電圧を使用することによって画素31を駆動し、安定的に画像信号を生成する。
【0044】
半導体装置1によるVDD電圧を安定させるプロセスについて、以下に記載する。外部電圧源(図示せず)は、VDD電圧をVDDケーブル41に供給する場合がある。VDDケーブル41に供給されるVDD電圧の値は、通常操作における所定の値(3.3Vなどの第1値)であってよい。第1値を有するVDD電圧は、イメージセンサ30に供給され、イメージセンサ30は、第1値を有するVDD電圧を使用することによって画像信号を生成する。しかし、VDD電圧の値は、外乱または他の要因に起因して、第1値から第2値(例えば、3.0V)に低下する可能性がある。また、イメージセンサ30に供給されるVDD電圧も同様に低下する可能性がある。この状況では、半導体装置1のトレンチキャパシタ3は、電圧が低下する前のVDD電圧の第1値に従って電荷を蓄積する。また、半導体装置1のトレンチキャパシタ3は、VDD電圧の値を第1値に維持するように、蓄積された電荷を使用することによってイメージセンサ30に供給されるVDD電圧の値を上げる。その結果、トレンチキャパシタ3は、イメージセンサ30に供給されるVDD電圧の値を安定させる。イメージセンサ30は、VDD電圧の値が低下する場合であっても安定した画像信号を生成することができる。
【0045】
半導体装置1およびイメージセンサ30が一緒に積み重ねられる場合の別の実施形態として、イメージセンサ30の後面と、半導体基板2の第2表面2bとが互いに向き合う場合がある。この場合、VDD端子32は、第2接続端子22に接続され、GND端子33は第4接続端子24に接続される(図示せず)。
【0046】
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態による撮像ユニットを概略的に示す横断面図である。図5に示すように、半導体装置1aは、隣接する半導体装置1bに積み重ねられている。半導体装置1aの第2配線層5の露出表面と、半導体装置1bの第1配線層4の露出表面とは、互いに向き合っている。この状況では、半導体装置1aの第2接続端子22および第4接続端子24は、隣接する半導体装置1bの第1接続端子21および第3接続端子23にそれぞれ接続される。
【0047】
また、イメージセンサ30の後面と、半導体装置1aの第1配線層4の露出表面とは、互いに向き合っている。VDD端子32は、第1接続端子21に接続される。GND端子33は、第3接続端子23に接続される。
【0048】
VDDケーブル41およびGNDケーブル42は、半導体装置1bの第2配線層5の露出表面の側に配設される。VDDケーブル41のチップ端子41aは、第2接続端子22に接続される。GNDケーブル42のチップ端子42aは、第4接続端子24に接続される。
【0049】
半導体装置1aと半導体装置1bとが積み重なっている別の実施形態として、半導体装置1aの第2配線層5の露出表面と、半導体装置1bの第2配線層5の露出表面とが、互いに向き合う場合がある(図示せず)。この場合、半導体装置1aの第2接続端子22および第4接続端子24は、隣接する半導体装置1bの第2接続端子22および第4接続端子24にそれぞれ接続される。
【0050】
また、半導体装置1aと半導体装置1bとが積み重なっている別の実施形態として、半導体装置1aの第1配線層4の露出表面と、半導体装置1bの第1配線層4の露出表面とが、互いに向き合う場合がある(図示せず)。この場合、半導体装置1aの第1接続端子21および第3接続端子23は、隣接する半導体装置1bの第1接続端子21および第3接続端子23にそれぞれ接続される。
【0051】
前述したように、半導体装置1aは、様々な方式で、隣接する半導体装置1bに積み重ねることができる。イメージセンサ30に対する電荷の量は、複数の半導体装置を積み重ねることによって増加される。その結果、イメージセンサ30に供給されるVDD電圧はより安定化され、それによってイメージセンサ30から安定した画像信号が生成される。
【0052】
(第4の実施形態)
図6は、第4の実施形態による半導体装置1の横断面図である。図7A図7B、および図7Cはそれぞれ、半導体装置1のある特定の構成要素の斜視図である。図8A図8B、および図8Cは、半導体装置1のこれらの構成要素の平面図である。
【0053】
図8Aは、図6および図7Aの矢印A-A´に対する平面図を示している。図8Bは、図6および図7Bの矢印B-B´に対する平面図を示している。図8Cは、図6および図7Cの矢印C-C´に対する平面図を示している。
【0054】
図7A図7C、および図8A図8Cに示すように、半導体基板2は、第3TSV13a、13b、13cおよび13dをさらに含む場合がある。第1配線層4は、第5接続端子25a、25b、25cおよび25dをさらに含む場合がある。第2配線層5は、第6接続端子26a、26b、26cおよび26dをさらに含む場合がある。
【0055】
第3TSV13a、13b、13cおよび13dは、画像信号、クロック信号、同期信号および第2VDD電圧を伝達する場合がある。イメージセンサ30によって生成された画像信号は、第3TSV13aを介してプロセッサユニット(図示せず)に伝達されてよい。プロセッサユニットは、第3TSV13bを介してクロック信号をイメージセンサ30に送信してもよい。クロック信号は、画像信号を生成するタイミングを制御するためにイメージセンサ30で使用される。プロセッサユニットは、第3TSV13cを介して同期信号をイメージセンサ30に送信する。同期信号は、画像信号とプロセッサユニットとを同期するためにイメージセンサ30で使用される。外部電圧源は、第3TSV13dを介して第2VDD電圧をイメージセンサ30に供給する。第2VDD電圧は、イメージセンサ30で使用されてよい。
【0056】
図6に示すように、第3TSV13aおよび第5接続端子25aは、第1配線層4の配線4cによって接続される。第3TSV13aおよび第6接続端子26aは、第2配線層5の配線5cによって接続される。第3TSV13b、13cおよび13dは、第3TSV13aと同じ方式で、第1配線層4の配線4cによって第5接続端子25b、25c、および25dにそれぞれ接続される。(図7A)。第3TSV13b、13cおよび13dは、第2配線層5の配線5cによって第6接続端子26b、26c、および26dにそれぞれ接続される。(図7C)。
【0057】
イメージセンサ30は、画像信号端子34aおよびクロック信号端子34bを含む。イメージセンサ30は、同期信号端子34cおよび第2VDD端子34dをさらに含んでもよい(図示せず)。
【0058】
イメージセンサ30の後面と半導体基板2の第1表面2aとが互いに向き合う場合では、画像信号端子34aは、第5接続端子25aに接続され、クロック信号端子34bは、第5接続端子25bに接続される。同期信号端子34cおよび第2VDD端子34dは、第5接続端子25cおよび25dにそれぞれ接続される(図示せず)。
【0059】
図8Bに示すように、第1TSV11、第2TSV12、第3TSV13a、13b、13cおよび13dは、トレンチキャパシタエリア51のエリア外側(外側エリア)に配設することができる。トレンチキャパシタエリア51の外側エリアは、トレンチキャパシタ3によって占有される半導体基板2上のエリアであるトレンチキャパシタエリア51を囲むか、それを挟みこむ周囲エリア52、53を含んでいてもよい。一例として、周囲エリア52、53は、半導体基板2の対角のエッジ部分にそれぞれ配設されてよい。周囲エリア52、53は、長方形形状であるか、またはTSVを配設するのに好適であり、かつトレンチキャパシタエリア51のできる限り大きなサイズを可能にするために様々な形状にすることができる。周囲エリア52、53は、10マイクロメートルから50マイクロメートルの範囲の水平幅(W1)、および50マイクロメートルから200マイクロメートルの範囲の垂直幅(W2)を有してもよい。第1TSV11、第3TSV13aおよび13cは、周囲エリア52に配設されていてもよい。第2TSV12、第3TSV13bおよび13dは、周囲エリア53に配設されていてもよい。
【0060】
図8Aおよび図8Cに示すように、第1接続端子21~第6接続端子26a、26b、26cおよび26dを含む複数の接続端子は、半導体装置1の第1配線層4および第2配線層5の全エリアにわたって分散して配設することができる。これらの接続端子は、半導体装置1を上方から見たときこれらの接続端子がTSVと重なり合わないことを除いて、配列に好適な様々なパターンで配設されてよい。
【0061】
図8Aに示すように、第1接続端子21、第3接続端子23ならびに第5接続端子25a、25b、25cおよび25dは、第1配線層4に「分散して配設される」。第1接続端子21、第3接続端子23ならびに第5接続端子25a、25b、25cおよび25dを第1配線層4に配設する態様(「分散して配設される」を意味する)について、以下に記載する。
【0062】
第1接続端子21、第3接続端子23ならびに第5接続端子25a、25b、25cおよび25dは、例えば、第1配線層4の領域に均等に離間して配設されてよい。第1接続端子21、第3接続端子23、第5接続端子25a、25b、25cおよび25dが第1配線層4に配設される領域は、トレンチキャパシタ3が半導体基板2を占有する第1表面2aの領域(トレンチキャパシタエリア51)に対応しかつ重なり合う。
【0063】
第1接続端子21、第3接続端子23ならびに第5接続端子25a、25b、25cおよび25dを第1配線層4に均等に配設する別の態様について、以下に定義する。図8Aに示すように、第1配線層4の表面は、仮想線Xによって6つのエリアに実質的に均等に分割される場合がある。仮想点X1、X2、X3、X4、X5およびX6は、分割された6つのエリアのそれぞれの中心点である。第1接続端子21、第3接続端子23ならびに第5接続端子25a、25b、25cおよび25dは、中心点X1、X2、X3、X4、X5およびX6の上にそれぞれ配設することができる。
【0064】
第1接続端子21、第3接続端子23ならびに第5接続端子25a、25b、25cおよび25dを配設するさらに別の態様は、接続端子と第1配線層4のエッジ部分との間、ならびにTSVと半導体基板2のエッジ部分との間の距離によって定義される。第1距離L1は、例えば、50マイクロメートルから100マイクロメートルの範囲の、接続端子と第1配線層4のエッジ部分との間の距離であってもよい。第2距離L2は、10マイクロメートルから20マイクロメートルの範囲の、TSV11、12および13aから13dと半導体基板2のエッジ部分との間の距離であってもよい。第1距離L1および第2距離L2は、第1距離L1が第2距離L2よりも長くなるように設定される。
【0065】
第1接続端子21、第3接続端子23ならびに第5接続端子25a、25b、25cおよび25dを配設するさらに別の態様は、隣接する接続端子間、および隣接するTSV間の距離によって定義されてよい。第3距離L3は、例えば、50マイクロメートルから80マイクロメートルの範囲の、隣接する接続端子間の距離であってよい。第4距離L4は、10マイクロメートルから20マイクロメートルの範囲の、隣接するTSV間の距離であってよい。第3距離L3および第4距離L4は、第3距離L3が第4距離L4よりも長くなるように設定される。
【0066】
第2接続端子22、第4接続端子24ならびに第6接続端子26a、26b、26cおよび26dもまた、第1接続端子21、第3接続端子23ならびに第5接続端子25a、25b、25cおよび25dを配設する方式と同じように、第2配線層5に分散的にかつ均等に配設することができる。
【0067】
前述したように、第1接続端子21~第6接続端子26a、26b、26cおよび26dを含む複数の接続端子は、半導体装置1の第1配線層4および第2配線層5の全エリアにわたって分散して配設することができる。このような構造配列によって、半導体装置1が他の基板または他のケーブルに接続される場合に、接続プロセスによって生じる応力は、半導体装置1の第1配線層4および第2配線層5の全エリアにわたって分散される。その結果、接続プロセスによる半導体装置1への応力集中によって起こる損傷を最小化または緩和することができる。
【0068】
図8Bを参照すると、第1TSV11、第2TSV12ならびに第3TSV13a、13b、13cおよび13dは、トレンチキャパシタエリア51の外側エリアで半導体基板2を貫通している。第1TSV11、第2TSV12ならびに第3TSV13a、13b、13cおよび13dは、周囲エリア52、53に配設されてよい。この例示的な構造配列によれば、トレンチキャパシタエリア51は、第1表面2aのより広い部分を占有し、望ましくは第1表面2aの全エリアの少なくとも70%を占有し、これによって、半導体装置1の電荷の量が増加する。さらに、第3TSV13a、13b、13cおよび13dは、半導体装置1の厚み方向で、画像信号、クロック信号、同期信号、第2VDD電圧をそれぞれ伝達するために利用されてよい。
【0069】
(第5の実施形態)
図9は、第5の実施形態による内視鏡システム200の斜視図である。図9に示すように、内視鏡システム200は、内視鏡201、プロセッサ206および表示装置207を含む。内視鏡201は、伝送ケーブル203、操作ユニット204、コネクタユニット205および挿入構成部分202を含む。
【0070】
挿入構成部分202は、伝送ケーブル203の一部である。挿入構成部分202は、被検体に挿入される。挿入構成部分202は、可撓性屈曲構成部分212および先端構成部分211を含む。可撓性屈曲構成部分212は、操作ユニット204を操作することによって、望ましい方向に屈曲動作を行うことができる。
【0071】
上記の実施形態による開示の撮像ユニット100のいずれかが、先端構成部分211に配設することができる。図10は、内視鏡201の先端構成部分211の横断面図である。先端構成部分211は、光導波路216、照明レンズ213、撮像レンズ214、処置具通路215および撮像ユニット100を含む。光導波路216は、光源装置(図示せず)からの照明光を伝達する。照明レンズ213は、照明光で対象物(図示せず)を照射する。処置具(図示せず)は、処置具通路215に挿入される。
【0072】
撮像ユニット100は、先端構成部分211内に配設されてよい。イメージセンサ30の画素31を有する前面は、撮像レンズ214と向き合う。撮像レンズ214は、イメージセンサ30の画素31に被検体の画像を形成する。
【0073】
VDDケーブル41、GNDケーブル42および画像信号ケーブル43は、伝送ケーブル203に配設されてよい。VDDケーブル41、GNDケーブル42および画像信号ケーブル43のそれぞれは、撮像ユニット100の半導体装置1に接続された1つの端部構成部分を有する。VDDケーブル41、GNDケーブル42および画像信号ケーブル43のそれぞれは、コネクタユニット205に接続された他の端部構成部分を有する。
【0074】
クロック信号ケーブル、同期信号ケーブルおよび第2VDDケーブルは、伝送ケーブル203の内側に配設されてよい(図示せず)。クロック信号ケーブル、同期信号ケーブルおよび第2VDDケーブルのそれぞれは、撮像ユニット100の半導体装置1に接続された1つの端部構成部分を有する。クロック信号ケーブル、同期信号ケーブルおよび第2VDDケーブルのそれぞれは、コネクタユニット205に接続された他の端部構成部分を有する。
【0075】
内視鏡201の撮像ユニット100は、被検体の内部画像を撮像することによって画像信号(画像データ)を生成する。撮像ユニット100は、生成された画像信号を伝送ケーブル203内の画像信号ケーブル43に出力する。プロセッサ206は、画像信号ケーブル43から画像信号を受信する。
【0076】
コネクタユニット205は、内視鏡201とプロセッサ206とを接続する。コネクタユニット205は、撮像ユニット100から出力された画像信号の所定の信号処理を実施する。コネクタユニット205はまた、アナログ画像信号がデジタル画像信号に変換されるA/D変換を実施する。コネクタユニット205は、デジタル画像信号をプロセッサ206に出力する。
【0077】
プロセッサ206は、コネクタユニット205から出力された画像信号の所定の画像処理を実施する。プロセッサ206はまた、内視鏡システム200を制御する。プロセッサ206は、電圧源を含む場合がある。電圧源は、VDD電圧およびGND電圧を、VDDケーブル41およびGNDケーブル42にそれぞれ供給してよい。
【0078】
表示装置207は、プロセッサ206によって処理される画像信号に対応する画像を表示する。表示装置207はまた、内視鏡システム200の様々な種類の情報を表示してもよい。内視鏡システム200は、対象物を照射する照明光を生成するための光源装置を含む(図示せず)。
【0079】
前述したように、撮像ユニット100は先端構成部分211内に配設されてよい。撮像ユニット100の半導体装置1は、イメージセンサ30に供給されるVDD電圧を安定させる。その結果、イメージセンサ30は安定した画像信号を生成する。また、半導体装置1およびイメージセンサ30は、先端構成部分211の長手方向で積み重ねられてもよい。このような構造配列によって、半導体装置1は、撮像ユニット100の直径を大きくせず、それにより、内視鏡201のより小さな直径を確実にする。
【0080】
本発明の精神または範囲から逸脱することなく、半導体装置、撮像ユニットおよび本発明の半導体装置を使用する内視鏡システムにおいて様々な修正および変形が行えることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその同等物の範囲内に留まる限り、本発明の修正および変形を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0081】
1,1a,1b 半導体装置
2 半導体基板
2a 第1表面
2b 第2表面
3 トレンチキャパシタ
3a 第1電極
3b 誘電体層
3c 第2電極
4 第1配線層
5 第2配線層
7 ゲート接触子
8 基板接触子
11 第1TSV
12 第2TSV
13a,13b,13c,13d 第3TSV
21 第1接続端子
22 第2接続端子
23 第3接続端子
24 第4接続端子
25a,25b,25c,25d 第5接続端子
26a,26b,26c,26d 第6接続端子
30 イメージセンサ
31 画素
32 VDD端子
33 GND端子
100 撮像ユニット
201 内視鏡
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10