(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022153
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】自律運転動作のための可視性条件決定
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20220127BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20220127BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B60W60/00
B60W40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119368
(22)【出願日】2021-07-20
(31)【優先権主張番号】16/938,251
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521265955
【氏名又は名称】トゥーシンプル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジョン イー. パンティラ
(72)【発明者】
【氏名】ジュジア シー
(72)【発明者】
【氏名】リアド アイ. ハマド
(72)【発明者】
【氏名】アーダ カート
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BB31
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D241CE05
3D241DB02Z
3D241DC02Z
3D241DC34Z
3D241DC59Z
5H181AA01
5H181AA07
5H181BB04
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5H181CC01
5H181CC03
5H181CC04
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5H181CC24
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF07
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】自律運転動作のための可視性条件決定の提供。
【解決手段】自律車両が動作させられている環境の可視性条件を決定し、可視性条件に基づいて運転関連動作を実施するための技術が説明される。車両の運転関連動作を調節する例示的方法は、自律車両内に位置しているコンピュータによって、自律車両が動作している環境の可視性関連条件を決定することと、可視性関連条件に少なくとも基づいて、自律車両の運転関連動作に関連付けられた1つ以上の変数の1つ以上の値の組を調節することと、1つ以上の値の組に少なくとも基づいて自律車両内に位置している1つ以上のデバイスの運転関連動作を引き起こすことによって、自律車両が目的地へ運転されるようにすることとを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律運転動作の方法であって、前記方法は、
自律車両内に位置しているコンピュータによって、前記自律車両が動作している環境の可視性関連条件を決定することと、
前記可視性関連条件に少なくとも基づいて、前記自律車両の運転関連動作に関連付けられた1つ以上の変数の1つ以上の値の組を調節することと、
前記1つ以上の値の組に少なくとも基づいて前記自律車両内に位置している1つ以上のデバイスの前記運転関連動作を引き起こすことによって、前記自律車両が目的地へ運転されるようにすることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記可視性関連条件を決定することは、
光センサによって提供されるセンサデータに基づいて前記環境の光の量が閾値未満であるという第1の決定を実施することであって、前記光センサは、前記自律車両上または前記自律車両内に位置している、ことと、
前記第1の決定に応答して前記環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、前記1つ以上の値の組は、前記不良な可視性条件に関連付けられた第2の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、ことと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記可視性関連条件を決定することは、
カメラによって提供される画像に基づいて前記環境の光の量が閾値未満であるという第1の決定を実施することであって、前記カメラは、前記自律車両上または前記自律車両内に位置している、ことと、
前記第1の決定に応答して前記環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、前記1つ以上の値の組は、前記不良な可視性条件に関連付けられた第2の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、ことと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記可視性関連条件を決定することは、
光センサまたはカメラによって提供されるセンサデータに基づいて前記環境の光の量が閾値以上であるという第1の決定を実施することであって、前記光センサまたは前記カメラは、前記自律車両上または前記自律車両内に位置している、ことと、
前記第1の決定に応答して前記環境が良好な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、前記1つ以上の値の組は、前記良好な可視性条件に関連付けられた第3の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、ことと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記可視性関連条件を決定することは、
前記自律車両上に位置している全地球測位システム(GPS)トランシーバによって提供される情報に基づいて前記自律車両が交差点の第1の距離と第2の距離との範囲内で動作しているという第1の決定を実施することであって、前記第1の距離は、前記第2の距離と異なる、ことと、
前記自律車両が前記第1の距離と前記第2の距離との前記範囲で動作しているとき、前記自律車両上または前記自律車両内に位置しているカメラによって取得される画像内に信号機が検出されないという第2の決定を実施することと、
前記第1の決定と前記第2の決定とに応答して前記環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第3の決定を実施することであって、前記1つ以上の値の組は、前記不良な可視性条件に関連付けられた1つ以上の値の第2の組と同じであるように調節される、ことと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記可視性関連条件を決定することは、
前記自律車両上に位置している全地球測位システム(GPS)トランシーバによって提供される情報に基づいて前記自律車両が交差点の第1の距離と第2の距離との範囲内で動作しているという第1の決定を実施することであって、前記第1の距離は、前記第2の距離と異なる、ことと、
前記自律車両が前記第1の距離と前記第2の距離との前記範囲で動作しているとき、前記自律車両上または前記自律車両内に位置しているカメラによって提供される画像内に信号機が検出されているという第2の決定を実施することと、
前記第1の決定と前記第2の決定とに応答して前記環境が良好な可視性条件に関連付けられているという第3の決定を実施することであって、前記1つ以上の値の組は、前記良好な可視性条件に関連付けられた第3の1つ以上の値の組と同じであるように調整される、ことと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の距離と前記第2の距離とは、前記自律車両の前方のある距離内に位置している車両の数に基づいている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
プロセッサを備えている自律車両動作のための装置であって、前記プロセッサは、方法を実装するように構成され、前記方法は、
自律車両内に位置しているコンピュータによって、前記自律車両が動作している環境の可視性関連条件を決定することと、
前記可視性関連条件に少なくとも基づいて、前記自律車両の運転関連動作に関連付けられた1つ以上の変数の1つ以上の値の組を調節することと、
前記1つ以上の値の組に少なくとも基づいて前記自律車両内に位置している1つ以上のデバイスの前記運転関連動作を引き起こすことによって、前記自律車両が目的地へ運転されるようにすることと
を含む、装置。
【請求項9】
前記可視性関連条件を決定することは、
カメラによって提供される画像に基づいて前記自律車両の場所のある距離内の道路上に位置しているレーンマーカの数が閾値未満であるという第1の決定を実施することであって、前記カメラは、前記自律車両上または前記自律車両内に位置している、ことと、
前記第1の決定に応答して前記環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、前記1つ以上の値の組は、前記不良な可視性条件に関連付けられた第2の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、ことと
を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記可視性関連条件を決定することは、
光検出および測距(LiDAR)センサによって提供される点群データに基づいて前記自律車両の場所のある距離内の道路上に位置しているレーンマーカの数が閾値未満であるという第1の決定を実施することであって、前記LiDARセンサは、前記自律車両上または前記自律車両内に位置している、ことと、
前記第1の決定に応答して前記環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、前記1つ以上の値の組は、前記不良な可視性条件に関連付けられた第2の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、ことと
を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記可視性関連条件を決定することは、
光検出および測距(LiDAR)センサによって提供される点群データまたはカメラによって提供される画像に基づいて前記自律車両の場所のある距離内の道路上に位置しているレーンマーカの数が閾値以上であるという第1の決定を実施することであって、前記LiDARセンサまたは前記カメラは、前記自律車両上または前記自律車両内に位置している、ことと、
前記第1の決定に応答して前記環境が良好な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、前記1つ以上の値の組は、前記良好な可視性条件に関連付けられた第3の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、ことと
を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記閾値は、前記自律車両の前方のある距離内に位置している車両の数に基づいている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記可視性関連条件を決定することは、前記環境の天候条件に基づいて、前記環境が良好な可視性条件または不良な可視性条件のいずれに関連付けられているかを決定することを含み、
前記1つ以上の値の組を調節することは、
前記良好な可視性条件に関連付けられた第2の値の組と同じであるように前記1つ以上の値の組を調節すること、または
前記不良な可視性条件に関連付けられた第3の値の組と同じであるように前記1つ以上の値の組を調節すること
を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
コードを記憶している非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体であって、前記コードは、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに方法を実装させ、前記方法は、
自律車両内に位置しているコンピュータによって、前記自律車両が動作している環境の可視性関連条件を決定することと、
前記可視性関連条件に少なくとも基づいて、前記自律車両の運転関連動作に関連付けられた1つ以上の変数の1つ以上の値の組を調節することと、
前記1つ以上の値の組に少なくとも基づいて前記自律車両内に位置している1つ以上のデバイスの前記運転関連動作を引き起こすことによって、前記自律車両が目的地へ運転させられるようにすることと
を含む、非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
【請求項15】
前記可視性関連条件を決定することは、前記自律車両の場所に基づいて、前記環境が良好な可視性条件または不良な可視性条件のいずれに関連付けられているかを決定することを含み、
前記1つ以上の値の組を調節することは、
前記良好な可視性条件に関連付けられた第2の値の組と同じであるように前記1つ以上の値の組を調節すること、または
前記不良な可視性条件に関連付けられた第3の値の組と同じであるように前記1つ以上の値の組を調節すること
を含む、請求項14に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
【請求項16】
前記自律車両は、前記自律車両の前記場所が峡谷またはトンネルの所定の距離内にあることを決定することに応答して、前記自律車両が前記不良な可視性条件で動作するように決定される、請求項15に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
【請求項17】
前記可視性関連条件を決定することは、前記自律車両が前記環境内で動作している日時に基づいて、前記環境が良好な可視性条件または不良な可視性条件のいずれに関連付けられているかを決定することを含み、
前記1つ以上の値の組を調節することは、
前記良好な可視性条件に関連付けられた第2の値の組と同じであるように前記1つ以上の値の組を調節すること、または、
前記不良な可視性条件に関連付けられた第3の値の組と同じであるように前記1つ以上の値の組を調節すること
を含む、請求項14に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
【請求項18】
前記1つ以上の変数は、前記自律車両に関する最大速度、または、前記自律車両と、前記自律車両と同じレーン内にあり、前記自律車両の直前に位置している別の車両との間の最小距離を含む、請求項14に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
【請求項19】
前記1つ以上の値の組を調節することは、前記可視性関連条件と、前記自律車両が動作している道路上のレーンの数とに基づいている、請求項14に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
【請求項20】
前記1つ以上のデバイスの前記運転関連動作を引き起こすことは、前記自律車両の現在の速度が最大速度より大きいことを決定すると、または、前記自律車両と前記自律車両の直前の別の車両との間の距離が最小距離未満であることを決定すると、前記自律車両上のブレーキをかけるための命令を送信することを含み、
前記1つ以上の値は、前記最大速度と前記最小距離とを含む、請求項14に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文献は、自律運転関連動作を実施するための可視性条件を決定するためのシステム、装置、および方法に関している。
【背景技術】
【0002】
自律運転ナビゲーションは、車両が、自律車両の周りの車両の位置および動きを感知することと、感知に基づいて、目的地に向かって安全にナビゲートするように自律車両を制御することとを可能にし得るテクノロジである。自律車両は、いくつかのモードで動作し得る。いくつかの場合、自律車両は、ステアリング、スロットル、クラッチ、ギアシフター、および/または他のデバイスを制御することによって運転者が従来の車両のように自律車両を動作させることを可能にし得る。他の場合、運転者は、自律運転ナビゲーションテクノロジと係合し、車両がそれ自体で運転させられることを可能にし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
車両が運転されるとき、車両の動作は、車両が動作させられている環境に少なくとも部分的に依存する。本特許文献は、車両が車両における自律運転関連動作を実施するように動作する環境の可視性条件を決定するためのシステム、装置、および方法を説明する。
【0004】
ある例示的実施形態では、自律運転動作の方法は、自律車両内に位置しているコンピュータによって、自律車両が動作している環境の可視性関連条件を決定することと;可視性関連条件に少なくとも基づいて、自律車両の運転関連動作に関連付けられた1つ以上の変数の1つ以上の値の組を調節することと;1つ以上の値の組に少なくとも基づいて自律車両内に位置している1つ以上のデバイスの運転関連動作を引き起こすことによって、自律車両が目的地へ運転されるようにすることとを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、光センサによって提供されるセンサデータに基づいて環境の光の量が閾値未満であるという第1の決定を実施することであって、光センサは、自律車両上または自律車両内に位置している、ことと;第1の決定に応答して環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、1つ以上の値の組は、不良な可視性条件に関連付けられた第2の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、こととを含む。いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、カメラによって提供される画像に基づいて環境の光の量が閾値未満であるという第1の決定を実施することであって、カメラは、自律車両上または自律車両内に位置している、ことと;第1の決定に応答して環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、1つ以上の値の組は、不良な可視性条件に関連付けられた第2の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、こととを含む。いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、光センサまたはカメラによって提供されるセンサデータに基づいて環境の光の量が閾値以上であるという第1の決定を実施することであって、光センサまたはカメラは、自律車両上または自律車両内に位置している、ことと;第1の決定に応答して環境が良好な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、1つ以上の値の組は、良好な可視性条件に関連付けられた第3の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、こととを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、自律車両上に位置している全地球測位システム(GPS)トランシーバによって提供される情報に基づいて自律車両が交差点の第1の距離と第2の距離との範囲内で動作しているという第1の決定を実施することであって、第1の距離は、第2の距離と異なる、ことと;自律車両が第1の距離と第2の距離との範囲で動作しているとき、自律車両上または自律車両内に位置しているカメラによって取得される画像内に信号機が検出されないという第2の決定を実施することと;第1の決定と第2の決定とに応答して環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第3の決定を実施することであって、1つ以上の値の組は、不良な可視性条件に関連付けられた1つ以上の値の第2の組と同じであるように調節される、こととを含む。いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、自律車両上に位置している全地球測位システム(GPS)トランシーバによって提供される情報に基づいて自律車両が交差点の第1の距離と第2の距離との範囲内で動作しているという第1の決定を実施することであって、第1の距離は、第2の距離と異なる、ことと;自律車両が第1の距離と第2の距離との範囲で動作しているとき、自律車両上または自律車両内に位置しているカメラによって提供される画像内に信号機が検出されるという第2の決定を実施することと;第1の決定と第2の決定とに応答して環境が良好な可視性条件に関連付けられているという第3の決定を実施することであって、1つ以上の値の組は、良好な可視性条件に関連付けられた第3の1つ以上の値の組と同じであるように調整される、こととを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の距離と第2の距離とは、自律車両の前方のある距離内に位置している車両の数に基づいている。いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、カメラによって提供される画像に基づいて自律車両の場所のある距離内の道路上に位置しているレーンマーカの数が閾値未満であるという第1の決定を実施することであって、カメラは、自律車両上または自律車両内に位置している、ことと;第1の決定に応答して環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、1つ以上の値の組は、不良な可視性条件に関連付けられた第2の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、こととを含む。いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、光検出および測距(LiDAR)センサによって提供される点群データに基づいて自律車両の場所のある距離内の道路上に位置しているレーンマーカの数が閾値未満であるという第1の決定を実施することであって、LiDARセンサは、自律車両上または自律車両内に位置している、ことと;第1の決定に応答して環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、1つ以上の値の組は、不良な可視性条件に関連付けられた第2の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、こととを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、光検出および測距(LiDAR)センサによって提供される点群データまたはカメラによって提供される画像に基づいて自律車両の場所のある距離内の道路上に位置しているレーンマーカの数が閾値以上であるという第1の決定を実施することであって、LiDARセンサまたはカメラは、自律車両上または自律車両内に位置している、ことと;第1の決定に応答して環境が良好な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、1つ以上の値の組は、良好な可視性条件に関連付けられた第3の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、こととを含む。いくつかの実施形態では、閾値は、自律車両の前方のある距離内に位置している車両の数に基づいている。いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、環境の天候条件に基づいて、環境が良好な可視性条件または不良な可視性条件のいずれに関連付けられるかを決定することを含み、1つ以上の値の組を調節することは:良好な可視性条件に関連付けられた第2の値の組と同じであるように1つ以上の値の組を調節すること、または、不良な可視性条件に関連付けられた第3の値の組と同じであるように1つ以上の値の組を調節することを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、自律車両の場所に基づいて、環境が良好な可視性条件または不良な可視性条件のいずれに関連付けられるかを決定することを含み、1つ以上の値の組を調節することは:良好な可視性条件に関連付けられた第2の値の組と同じであるように1つ以上の値の組を調節すること、または、不良な可視性条件に関連付けられた第3の値の組と同じであるように1つ以上の値の組を調節することを含む。いくつかの実施形態では、自律車両は、自律車両の場所が峡谷またはトンネルの所定の距離内にあることを決定することに応答して、自律車両が不良な可視性条件で動作するように決定される。いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、自律車両が環境内で動作している日時に基づいて、環境が良好な可視性条件または不良な可視性条件のいずれに関連付けられるかを決定することを含み、1つ以上の値の組を調節することは:良好な可視性条件に関連付けられた第2の値の組と同じであるように1つ以上の値の組を調節すること、または、不良な可視性条件に関連付けられた第3の値の組と同じであるように1つ以上の値の組を調節することを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、1つ以上の変数は、自律車両に関する最大速度、または、自律車両と、自律車両と同じレーン内にあり自律車両の直前に位置している別の車両との間の最小距離を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の値の組を調節することは、可視性関連条件と、自律車両が動作している道路上のレーンの数とに基づいている。いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイスの運転関連動作を引き起こすことは、自律車両の現在の速度が最大速度より大きいことを決定すると、または、自律車両と自律車両の直前の別の車両との間の距離が最小距離未満であることを決定と、自律車両上のブレーキをかけるための命令を送信することを含み、1つ以上の値は、最大速度と最小距離とを含む。
【0011】
さらに別の例示的側面では、上で説明される方法は、コードを備えている非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として具現化され、コードは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、本特許文献において説明される方法を実施させる。
【0012】
さらに別の例示的実施形態では、上で説明される方法を実施するように構成されまたは動作可能であるデバイスが開示される。
【0013】
上記の側面および他の側面ならびにそれらの実装が、図面、説明、および請求項においてより詳細に説明される。
本発明は、例えば以下を提供する。
(項目1)
自律運転動作の方法であって、前記方法は、
自律車両内に位置しているコンピュータによって、前記自律車両が動作している環境の可視性関連条件を決定することと、
前記可視性関連条件に少なくとも基づいて、前記自律車両の運転関連動作に関連付けられた1つ以上の変数の1つ以上の値の組を調節することと、
前記1つ以上の値の組に少なくとも基づいて前記自律車両内に位置している1つ以上のデバイスの前記運転関連動作を引き起こすことによって、前記自律車両が目的地へ運転されるようにすることと
を含む、方法。
(項目2)
前記可視性関連条件を決定することは、
光センサによって提供されるセンサデータに基づいて前記環境の光の量が閾値未満であるという第1の決定を実施することであって、前記光センサは、前記自律車両上または前記自律車両内に位置している、ことと、
前記第1の決定に応答して前記環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、前記1つ以上の値の組は、前記不良な可視性条件に関連付けられた第2の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、ことと
を含む、上記項目に記載の方法。
(項目3)
前記可視性関連条件を決定することは、
カメラによって提供される画像に基づいて前記環境の光の量が閾値未満であるという第1の決定を実施することであって、前記カメラは、前記自律車両上または前記自律車両内に位置している、ことと、
前記第1の決定に応答して前記環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、前記1つ以上の値の組は、前記不良な可視性条件に関連付けられた第2の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、ことと
を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4)
前記可視性関連条件を決定することは、
光センサまたはカメラによって提供されるセンサデータに基づいて前記環境の光の量が閾値以上であるという第1の決定を実施することであって、前記光センサまたは前記カメラは、前記自律車両上または前記自律車両内に位置している、ことと、
前記第1の決定に応答して前記環境が良好な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、前記1つ以上の値の組は、前記良好な可視性条件に関連付けられた第3の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、ことと
を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
前記可視性関連条件を決定することは、
前記自律車両上に位置している全地球測位システム(GPS)トランシーバによって提供される情報に基づいて前記自律車両が交差点の第1の距離と第2の距離との範囲内で動作しているという第1の決定を実施することであって、前記第1の距離は、前記第2の距離と異なる、ことと、
前記自律車両が前記第1の距離と前記第2の距離との前記範囲で動作しているとき、前記自律車両上または前記自律車両内に位置しているカメラによって取得される画像内に信号機が検出されないという第2の決定を実施することと、
前記第1の決定と前記第2の決定とに応答して前記環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第3の決定を実施することであって、前記1つ以上の値の組は、前記不良な可視性条件に関連付けられた1つ以上の値の第2の組と同じであるように調節される、ことと
を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
前記可視性関連条件を決定することは、
前記自律車両上に位置している全地球測位システム(GPS)トランシーバによって提供される情報に基づいて前記自律車両が交差点の第1の距離と第2の距離との範囲内で動作しているという第1の決定を実施することであって、前記第1の距離は、前記第2の距離と異なる、ことと、
前記自律車両が前記第1の距離と前記第2の距離との前記範囲で動作しているとき、前記自律車両上または前記自律車両内に位置しているカメラによって提供される画像内に信号機が検出されているという第2の決定を実施することと、
前記第1の決定と前記第2の決定とに応答して前記環境が良好な可視性条件に関連付けられているという第3の決定を実施することであって、前記1つ以上の値の組は、前記良好な可視性条件に関連付けられた第3の1つ以上の値の組と同じであるように調整される、ことと
を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
前記第1の距離と前記第2の距離とは、前記自律車両の前方のある距離内に位置している車両の数に基づいている、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目8)
プロセッサを備えている自律車両動作のための装置であって、前記プロセッサは、方法を実装するように構成され、前記方法は、
自律車両内に位置しているコンピュータによって、前記自律車両が動作している環境の可視性関連条件を決定することと、
前記可視性関連条件に少なくとも基づいて、前記自律車両の運転関連動作に関連付けられた1つ以上の変数の1つ以上の値の組を調節することと、
前記1つ以上の値の組に少なくとも基づいて前記自律車両内に位置している1つ以上のデバイスの前記運転関連動作を引き起こすことによって、前記自律車両が目的地へ運転されるようにすることと
を含む、装置。
(項目9)
前記可視性関連条件を決定することは、
カメラによって提供される画像に基づいて前記自律車両の場所のある距離内の道路上に位置しているレーンマーカの数が閾値未満であるという第1の決定を実施することであって、前記カメラは、前記自律車両上または前記自律車両内に位置している、ことと、
前記第1の決定に応答して前記環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、前記1つ以上の値の組は、前記不良な可視性条件に関連付けられた第2の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、ことと
を含む、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目10)
前記可視性関連条件を決定することは、
光検出および測距(LiDAR)センサによって提供される点群データに基づいて前記自律車両の場所のある距離内の道路上に位置しているレーンマーカの数が閾値未満であるという第1の決定を実施することであって、前記LiDARセンサは、前記自律車両上または前記自律車両内に位置している、ことと、
前記第1の決定に応答して前記環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、前記1つ以上の値の組は、前記不良な可視性条件に関連付けられた第2の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、ことと
を含む、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目11)
前記可視性関連条件を決定することは、
光検出および測距(LiDAR)センサによって提供される点群データまたはカメラによって提供される画像に基づいて前記自律車両の場所のある距離内の道路上に位置しているレーンマーカの数が閾値以上であるという第1の決定を実施することであって、前記LiDARセンサまたは前記カメラは、前記自律車両上または前記自律車両内に位置している、ことと、
前記第1の決定に応答して前記環境が良好な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、前記1つ以上の値の組は、前記良好な可視性条件に関連付けられた第3の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、ことと
を含む、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目12)
前記閾値は、前記自律車両の前方のある距離内に位置している車両の数に基づいている、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目13)
前記可視性関連条件を決定することは、前記環境の天候条件に基づいて、前記環境が良好な可視性条件または不良な可視性条件のいずれに関連付けられているかを決定することを含み、
前記1つ以上の値の組を調節することは、
前記良好な可視性条件に関連付けられた第2の値の組と同じであるように前記1つ以上の値の組を調節すること、または
前記不良な可視性条件に関連付けられた第3の値の組と同じであるように前記1つ以上の値の組を調節すること
を含む、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目14)
コードを記憶している非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体であって、前記コードは、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに方法を実装させ、前記方法は、
自律車両内に位置しているコンピュータによって、前記自律車両が動作している環境の可視性関連条件を決定することと、
前記可視性関連条件に少なくとも基づいて、前記自律車両の運転関連動作に関連付けられた1つ以上の変数の1つ以上の値の組を調節することと、
前記1つ以上の値の組に少なくとも基づいて前記自律車両内に位置している1つ以上のデバイスの前記運転関連動作を引き起こすことによって、前記自律車両が目的地へ運転させられるようにすることと
を含む、非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
(項目15)
前記可視性関連条件を決定することは、前記自律車両の場所に基づいて、前記環境が良好な可視性条件または不良な可視性条件のいずれに関連付けられているかを決定することを含み、
前記1つ以上の値の組を調節することは、
前記良好な可視性条件に関連付けられた第2の値の組と同じであるように前記1つ以上の値の組を調節すること、または
前記不良な可視性条件に関連付けられた第3の値の組と同じであるように前記1つ以上の値の組を調節すること
を含む、上記項目のいずれかに記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
(項目16)
前記自律車両は、前記自律車両の前記場所が峡谷またはトンネルの所定の距離内にあることを決定することに応答して、前記自律車両が前記不良な可視性条件で動作するように決定される、上記項目のいずれかに記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
(項目17)
前記可視性関連条件を決定することは、前記自律車両が前記環境内で動作している日時に基づいて、前記環境が良好な可視性条件または不良な可視性条件のいずれに関連付けられているかを決定することを含み、
前記1つ以上の値の組を調節することは、
前記良好な可視性条件に関連付けられた第2の値の組と同じであるように前記1つ以上の値の組を調節すること、または、
前記不良な可視性条件に関連付けられた第3の値の組と同じであるように前記1つ以上の値の組を調節すること
を含む、上記項目のいずれかに記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
(項目18)
前記1つ以上の変数は、前記自律車両に関する最大速度、または、前記自律車両と、前記自律車両と同じレーン内にあり、前記自律車両の直前に位置している別の車両との間の最小距離を含む、上記項目のいずれかに記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
(項目19)
前記1つ以上の値の組を調節することは、前記可視性関連条件と、前記自律車両が動作している道路上のレーンの数とに基づいている、上記項目のいずれかに記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
(項目20)
前記1つ以上のデバイスの前記運転関連動作を引き起こすことは、前記自律車両の現在の速度が最大速度より大きいことを決定すると、または、前記自律車両と前記自律車両の直前の別の車両との間の距離が最小距離未満であることを決定すると、前記自律車両上のブレーキをかけるための命令を送信することを含み、
前記1つ以上の値は、前記最大速度と前記最小距離とを含む、上記項目のいずれかに記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
(摘要)
自律車両が動作させられている環境の可視性条件を決定し、可視性条件に基づいて運転関連動作を実施するための技術が説明される。車両の運転関連動作を調節する例示的方法は、自律車両内に位置しているコンピュータによって、自律車両が動作している環境の可視性関連条件を決定することと、可視性関連条件に少なくとも基づいて、自律車両の運転関連動作に関連付けられた1つ以上の変数の1つ以上の値の組を調節することと、1つ以上の値の組に少なくとも基づいて自律車両内に位置している1つ以上のデバイスの運転関連動作を引き起こすことによって、自律車両が目的地へ運転されるようにすることとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、車両内に位置している車載制御コンピュータが車両が動作している環境の可視性関連条件を決定し得る例示的車両エコシステムのブロック図を示している。
【0015】
【
図2】
図2は、自律車両が道路上のレーン上で運転している例示的シナリオを示している。
【0016】
【
図3】
図3は、可視性条件に基づいて自律車両の運転関連動作を実施するためのフロー図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
自律運転テクノロジの開発は、目的地へ商品を配達するように自律的に運転され得るセミトレーラトラックの開発につながった。セミトレーラトラックがその目的地へ運転されるとき、セミトレーラトラックは、その運転関連動作に影響を及ぼし得る異なるタイプの環境を経験し得る。例示的シナリオでは、セミトレーラトラック内に位置している車載制御コンピュータが、セミトレーラトラックが1つのレーンを有する道路上で夜間に運転されていることを決定し得る。この例示的シナリオでは、車載制御コンピュータは、1つ以上の運転関連変数の1つ以上の値を調節し得、それによって、セミトレーラトラックは、限定された数のレーンを有する道路上での夜間運転のために適切であるその運転関連動作を実施し得る。この例示的シナリオでは、運転関連変数(単数または複数)の値(単数または複数)は、複数のレーンを有する高速道路上で日中に運転されるセミトレーラトラックのためのそれらと異なり得る。運転関連変数は、例えば、セミトレーラトラックの最高速度、または、セミトレーラトラックとセミトレーラトラックの直前の車両との間の最小距離を含み得る。
【0018】
別の例示的シナリオでは、車載制御コンピュータは、セミトレーラトラックの環境の可視性関連特性(例えば、霧、煙、峡谷の場所、レーンマーカの検出等)を決定することに基づいて、セミトレーラトラックにおける運転関連動作を実施するために使用され得る運転関連規則を調節し得る。運転関連規則は、例えば、通常の運転規則、予防規則、レーン変更禁止規則、または峡谷運転規則を含み得る。運転関連規則の各々は、予め定義され得、それによって、各規則は、1つ以上の予め定義された運転関連変数と、予め定義され得る1つ以上の対応する値とに関連付けられ得る。
【0019】
本特許文献のセクションIは、自律セミトレーラトラック等の自律車両上またはその中に位置しているデバイス/システムの概略を提供する。本特許文献のセクションIIは、セミトレーラトラック動作が動作する環境における可視性関連条件を決定するための技術を説明する。本特許文献のセクションIIIは、可視性関連条件に基づいて運転関連動作を調節するために車載制御コンピュータによって採用される技術を説明する。「視認可能な」または「可視性」という語は、例えば、セミトレーラトラックが動作する環境の照明条件、特定の物体(例えば、交通レーンマーカまたは信号機)がセミトレーラトラックに搭載されているカメラから取得された画像内に検出されるか否か、セミトレーラトラックが動作させられている環境についての特定の情報(例えば、セミトレーラトラックに搭載されているGPSによる場所情報、またはセミトレーラトラックに搭載されているカメラ等のセンサによって取得される環境データ)が検出されるかどうか、またはセミトレーラトラックの前方に位置している数多くの車両(単数または複数)の存在(例えば、渋滞交通条件を示す)を含み得る。本特許文献のセクションIVは、セミトレーラトラックの条件(例えば、ブレーキング条件)に基づいて運転関連動作を調節するために車載制御コンピュータによって採用される技術を説明する。以下の種々のセクションのための例示的見出しは、開示される主題の理解を促進するために使用され、請求される主題の範囲をいかようにも限定しない。よって、1つの例示的セクションの1つ以上の特徴は、別の例示的セクションの1つ以上の特徴と組み合わせられ得る。
【0020】
I.自律運転エコシステム
【0021】
図1は、車両105内に位置している車載制御コンピュータ150が車両105が動作している環境の可視性関連条件を決定し得る例示的車両エコシステム100のブロック図を示している。
図1に示されるように、車両105は、セミトレーラトラックであり得る。車両エコシステム100は、情報/データおよび関連するサービスの1つ以上の源を生成し、および/または、それらを車両105内に位置し得る車載制御コンピュータ150に送達し得るいくつかのシステムおよびコンポーネントを含む。車載制御コンピュータ150は、複数の車両サブシステム140とデータ通信し得、複数の車両サブシステム140の全てが、車両105内に常駐し得る。車両サブシステムインタフェース160は、車載制御コンピュータ150と複数の車両サブシステム140との間のデータ通信を促進するために提供される。いくつかの実施形態では、車両サブシステムインタフェース160は、車両サブシステム140内のデバイスと通信するためのコントローラエリアネットワーク(CAN)コントローラを含み得る。
【0022】
車両105は、車両105の動作をサポートする種々の車両サブシステムを含み得る。車両サブシステムは、車両運転サブシステム142、車両センササブシステム144、および/または車両制御サブシステム146を含み得る。車両運転サブシステム142、車両センササブシステム144、および車両制御サブシステム146のコンポーネントまたはデバイスが例として示されている。いくつかの実施形態では、追加のコンポーネントまたはデバイスが、種々のサブシステムに追加され得、1つ以上のコンポーネントまたはデバイスは、本特許文献において説明される可視性決定関連特徴に影響を及ぼすことなく取り除かれ得る。車両運転サブシステム142は、車両105のための動力運動を提供するように動作可能なコンポーネントを含み得る。ある例示的実施形態では、車両運転サブシステム142は、エンジンもしくはモータ、車輪/タイヤ、トランスミッション、電気サブシステム、および動力源を含み得る。
【0023】
車両センササブシステム144は、車両105が動作している環境または車両105の条件についての情報をセンシングするように構成されている数多くのセンサを含み得る。本特許文献においてさらに説明されるように、車載制御コンピュータ150内の可視性決定モジュール165は、車両センササブシステム144内のセンサ(例えば、光センサまたはカメラ)によって提供される情報に基づいて、環境の可視性の程度を決定し得る。車両センササブシステム144は、1つ以上のカメラもしくは画像捕捉デバイス、1つ以上の温度センサ、慣性測定ユニット(IMU)、全地球測位システム(GPS)トランシーバ、レーザレンジファインダ/LIDARユニット、RADARユニット、および/または無線通信ユニット(例えば、携帯電話通信トランシーバ)を含み得る。車両センササブシステム144は、車両105の内部システムを監視するように構成されているセンサ(例えば、O
2モニタ、燃料ゲージ、エンジンオイル温度等)も含み得る。いくつかの実施形態では、車両センササブシステム144は、
図1に示されるセンサに加えてセンサを含み得る。
【0024】
IMUは、慣性加速度に基づいて車両105の位置および向きの変化をセンシングするように構成されているセンサの任意の組合せ(例えば、加速度計およびジャイロスコープ)を含み得る。GPSトランシーバは、車両105の地理的場所を推定するように構成されている任意のセンサであり得る。この目的のために、GPSトランシーバは、地球に対する車両105の位置に関しての情報を提供するように動作可能なレシーバ/トランスミッタを含み得る。RADARユニットは、無線信号を活用して車両105が動作している環境内の物体をセンシングするシステムを表し得る。いくつかの実施形態では、物体をセンシングすることに加えて、RADARユニットは、車両105に近接する物体の速度および進行方向をセンシングするようにさらに構成され得る。レーザレンジファインダまたはLIDARユニットは、レーザを使用して車両105が位置している環境内の物体をセンシングするように構成されている任意のセンサであり得る。カメラは、車両105の環境の複数の画像を捕捉するように構成されている1つ以上のカメラを含み得る。カメラは、静止画像カメラまたはモーションビデオカメラであり得る。
【0025】
車両制御サブシステム146は、車両105およびそのコンポーネントの動作を制御するように構成され得る。よって、車両制御サブシステム146は、スロットルおよびギア、ブレーキユニット、ナビゲーションユニット、ステアリングシステム、ならびに/または自律制御ユニット等の種々の要素を含み得る。スロットルは、例えばエンジンの動作速度を制御し、ひいては車両105の速度を制御するように構成され得る。ギアは、トランスミッションのギア選択物を制御するように構成され得る。ブレーキユニットは、車両105を減速させるように構成されている機構の任意の組合せを含み得る。ブレーキユニットは、摩擦を使用して標準的態様で車輪を低速にし得る。ブレーキユニットは、ブレーキがかけられたときにブレーキがロックアップすることを防止することができるアンチロックブレーキシステム(ABS)を含み得る。ナビゲーションユニットは、車両105のための運転経路またはルートを決定するように構成されている任意のシステムであり得る。ナビゲーションユニットは、車両105が動作している間動的に運転経路を更新するようにさらに構成され得る。いくつかの実施形態では、ナビゲーションユニットは、車両105のための運転経路を決定するように、GPSトランシーバからのデータと1つ以上の所定のマップとを組み込むように構成され得る。ステアリングシステムは、自律モードまたは運転者制御モードで車両105の進行方向を調節するように動作可能であり得る機構の任意の組合せを表し得る。
【0026】
自律制御ユニットは、車両105の環境内の潜在的障害物を識別し、評価し、および回避もしくは切り抜けるように構成されている制御システムを表し得る。概して、自律制御ユニットは、運転者のいない動作のために車両105を制御するか、または車両105を制御することにおける運転者支援を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、自律制御ユニットは、車両105のための運転経路または軌道を決定するために、GPSトランシーバ、RADAR、LIDAR、カメラ、および/または他の車両サブシステムをからのデータを組み込むように構成され得る。
【0027】
トラクション制御システム(TCS)は、車両105が道路上にあるときに急に向きを変えることまたは制御を失うことを防止するように構成されている制御システムを表し得る。例えば、TCSは、IMUからの信号およびエンジントルク値を取得して、TCSが介入し、車両105上の1つ以上のブレーキに車両105が急に向きを変えることを和らげるための命令を送信すべきか否かを決定し得る。TCSは、例えば、低摩擦道路表面上で加速するときに車両が道路上で効果的なトラクションの使用を利用可能にすることに役立つように設計されているアクティブ車両安全特徴である。TCSを有しない車両が、氷、雪、または緩い砂利のような滑りやすい表面上で加速しようとするとき、車輪は、滑り得、危険な運転状況を引き起こし得る。TCSは、横滑り防止(ESC)システムとも称され得る。
【0028】
車両105の機能の多くまたは全てが、車載制御コンピュータ150によって制御され得る。車載制御コンピュータ150は、メモリ175等の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体内に記憶されている処理命令を実行する少なくとも1つのプロセッサ170(少なくとも1つのマイクロプロセッサを含み得る)を含み得る。車載制御コンピュータ150は、分散型で車両105の個々のコンポーネントまたはサブシステムを制御するように機能し得る複数のコンピューティングデバイスも表し得る。いくつかの実施形態では、メモリ175は、本特許文献において説明されるような可視性決定モジュール165および運転動作モジュール168に関して説明されるそれらを含む車両105の種々の方法および/または機能を実施するためのプロセッサ170によって実行可能な処理命令(例えば、プログラムロジック)を含み得る。例えば、プロセッサ170は、セクションIIにおいてさらに説明されるように、センサデータに基づいて車両105が動作する環境の可視性を決定するための可視性決定モジュール165に関連付けられる動作を実行する。プロセッサ170は、セクションIIIにおいてさらに説明されるように、可視性決定モジュール165によって決定される可視性に基づいて車両105の種々の運転関連動作を決定するための運転動作モジュール168に関連付けられる動作を実行する。実施形態において、運転動作モジュール168は、セクションIVにおいて説明されるように、車両105の条件に基づいて、運転関連動作を調節し得る。
【0029】
メモリ175は、車両運転サブシステム142、車両センササブシステム144、および車両制御サブシステム146のうちの1つ以上にデータを伝送し、それらからデータを受信し、それらと相互作用し、またはそれらを制御するための命令を含む追加の命令も含み得る。車載制御コンピュータ150は、種々の車両サブシステム(例えば、車両運転サブシステム142、車両センササブシステム144、および車両制御サブシステム146)から受信された入力に基づいて、車両105の機能を制御し得る。
【0030】
II.可視性関連条件の決定
【0031】
II(a).光の量に基づく可視性決定
【0032】
可視性決定モジュール165は、車両センササブシステム144の一部である1つ以上のセンサから受信されたデータに基づいて、自律車両105が動作している環境の可視性関連条件を決定し得る。1つ以上のセンサから受信されたデータは、自律車両105が動作している環境の光の量を決定するために可視性決定モジュール165によって分析され得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、可視性決定モジュール165は、1つ以上のカメラまたは光センサからセンサデータを受信し得る。センサデータは、1つ以上のカメラから取得される画像、または光センサからの出力値(例えば、電圧または抵抗値)を含み得る。例示的実装では、可視性決定モジュール165は、画像のピクセルを分析して自律車両105が動作している環境の光の量を決定することによって、光の程度を決定し得る。別の例示的実装では、可視性決定モジュール165は、光センサによって提供される出力値に基づいて、光の量を決定し得る。光の量が閾値より少ない場合、可視性決定モジュール165は、車両105が乏しい可視性条件で動作していることを決定し得る。乏しい可視性条件は、車両105が夕方または夜中に運転している状況、または、車両が峡谷もしくはトンネルを通って運転しているかまたは不良な光条件(例えば、霧)において運転している状況であり得る。
【0034】
II(b).道路上の物体の検出に基づく可視性決定
【0035】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサから受信されたデータは、道路上の特定の物体(例えば、レーンマーカ)がセンサデータから識別可能であるか否かを決定するために、可視性決定モジュール165によって分析され得る。可視性決定モジュール165は、道路上に位置している特定の物体(例えば、レーンマーカまたは信号機)が識別可能であるか否かに基づいて、自律車両105が動作している環境の可視性関連条件を決定し得る。
図2は、自律車両202が道路208上のレーン上を運転している例示的シナリオを示している。上で自律車両202が運転されているレーンは、複数のレーンマーカの2つの組(複数のレーンマーカの一方の組210aは、レーンの第1の側に位置しており、複数のレーンマーカの別の組210bは、第1の側と反対のレーンの第2の側に位置している)を含む。自律車両202は、カメラ204および/またはLiDARセンサ206を含み、可視性決定モジュールは、それらを用いて、自律車両202の場所からある距離にわたるレーンマーカの存在を決定し得る。カメラ204および/またはLiDARセンサ206は、自律車両202の前方の領域212に向くように構成されており、それによって、カメラ204および/またはLiDARセンサ206は、前方領域212のセンサデータ(例えば、画像または点群データ)を取得し得る。
【0036】
1つの例示的実装では、可視性決定モジュールは、カメラ204から画像を受信し得、閾値数のレーンマーカ以上の数のレーンマーカが自律車両202の場所の前方のある距離(例えば、
図2に示されるように、100~200メートル)内に存在するか否かを決定し得る。自律車両202の場所の前方の距離は、予め決定され得る。例えば、可視性決定モジュールは、画像が120メートルの距離にわたる道路上の全6つのレーンマーカ(レーンの各側に3つのレーンマーカ)の存在を示していることを決定し得る。レーンマーカの閾値数が4である場合、可視性決定モジュールがカメラ204からの画像内の6つのレーンマーカの存在を決定するので、可視性決定モジュールは、良好な可視性条件が存在していることを決定し得る。そして、可視性決定モジュールが120メートルの例示的距離にわたる4つより少ないレーンマーカの存在を決定する場合、可視性決定モジュールは、レーンマーカの閾値数が4である例示的実装に関して、不良な可視性条件が存在していることを決定し得る。
【0037】
別の例示的実装では、可視性決定モジュールは、LiDARセンサ206からセンサデータ(例えば、点群データ)を受信し得、閾値数のレーンマーカ以上の数のレーンマーカが自律車両202の場所の前方のある距離(例えば、
図2に示されるように、100メートル~200メートル)内に存在するか否かを決定し得る。レーンマーカから反射された光は、自律車両202の場所の前方の距離にわたる点群データ内のレーンマーカの存在および数を示し得る。例えば、可視性決定モジュールは、200メートルの距離にわたって点群データが道路上の全8つのレーンマーカ(レーンの各側に4つのレーンマーカ)の存在を示していることを決定し得る。レーンマーカの閾値数が6である場合、可視性決定モジュールがLiDARセンサ206からの点群データ内の8つのレーンマーカの存在を決定するので、良好な可視性条件が存在していることを決定し得る。そして、可視性決定モジュールが、200メートルの例示的距離にわたる6つより少ないレーンマーカの存在を決定する場合、可視性決定モジュールは、閾値数のレーンマーカの閾値数が6である例示的実装に関して悪い可視性条件が存在していることを決定し得る。
【0038】
さらに別の例示的実装では、可視性決定モジュールは、道路上の他の物体がセンサデータから識別可能であるか否かに基づいて、良好な可視性条件が存在しているか否かを決定し得る。例えば、可視性決定モジュールは、自律車両202内に位置しているGPSデバイスによって提供される場所情報に基づいて、自律車両202が一般道(例えば、高速道路ではない道路)上を走行していることを決定する場合、可視性決定モジュールは、自律車両202が交差点のある距離の範囲内(例えば、350メートル~400メートル)にあるとき、信号機の存在がセンサデータ(例えば、画像データまたは点群データ)から検出されるか否かを決定し得る。単一の距離ではなく距離の範囲を有することは、誤検知を防止するために有益な技術的特徴である。例えば、単一の距離が使用される場合、自律車両202が交差点の場所から50メートルの場所に達するときに検出される信号機の存在は、そのような検出が不良な可視性条件であるとみなされる場合であっても、良好な可視性条件とみなされ得る。そのような誤検知結果を防止するために、自律車両202がその距離範囲内にあるときに信号機が検出されるか否かを決定するために、距離範囲(例えば、400メートル~450メートル)が使用され得る。いくつかの実施形態では、距離範囲は、予め決定され得る。
【0039】
ある実装例では、可視性決定モジュールが、自律車両202が交差点の350~400メートル内にあるときにセンサデータが交差点における信号機の存在を示していることを決定する場合、可視性決定モジュールは、良好な可視性条件の存在を決定する。そして、可視性決定モジュールが、自律車両202が交差点の400メートル内にあるときにセンサデータが交差点における信号機の存在を示していないことを決定する場合、可視性決定モジュールは、不良な可視性条件の存在を決定する。
【0040】
いくつかの実施形態では、可視性決定モジュールは、1つ以上の画像の可視性エントロピーを評価することによって、非常に合理的に機能するように、画像がレーンマーカまたは信号機検出器等の物体識別のための十分な量の関連するグレースケールまたは輝度値を含むか否かを決定し得る。例えば、可視性決定モジュールは、画像内の物体のグレースケール値の組または輝度値の組がレーンマーカまたは信号機に関連付けられることを決定すると、画像内のレーンマーカまたは信号機の存在を決定し得る。可視性エントロピー計算は、確率変数の全体の不確実性を測定し得るShannon Entropyを使用して実施され得る。可視性エントロピー決定は、信号の分散を決定することを含み、信号の利得、コントラスト、または等方性のバイアスが決定され得る。
【0041】
II(c).天候条件、時刻および/または自律車両の場所に基づく可視性決定
【0042】
可視性決定モジュール165は、天候条件、時刻、および/または自律車両105の場所に基づいて、自律車両105が動作している環境の可視性関連条件を決定し得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、車載制御コンピュータは、車両105内に位置している無線トランシーバを介して天候条件を受信し得る。天候条件は、車両105が動作させられている領域の天候を示し得る。示される天候条件に基づいて、可視性決定モジュール165は、車両105が動作させられている場所に良好な可視性条件が存在しているかまたは不良な可視性条件が存在しているかを決定し得る。例えば、天候条件が雨条件または雪条件を示している場合、可視性決定モジュールは、車両105が動作させられている領域に関して不良な可視性条件が存在していることを決定し得る。いくつかの実施形態では、車載制御コンピュータは、車両105が1つの場所から別の場所に運転するにつれて変動し得る天候条件を繰り返し取得し得る。可視性決定モジュールは、車両105が動作している場所に関連付けられた最も関連する天候情報に基づいて、可視性決定を繰り返し、かつ動的に調節し得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、車載制御コンピュータ内に記憶されている所定の時間スケジュールが、良好な可視性条件が存在し得る時間および不良な可視性条件が存在し得る時間を示し得る。例示的実装では、所定の時間スケジュールは、以下の表1に示され得る。
【表1】
自律車両105が動作している時間および/または日に基づいて、可視性決定モジュール165は、良好な可視性条件が存在しているかまたは不良な可視性条件が存在しているかを決定し得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、可視性決定モジュール165は、自律車両の場所に基づいて、良好な(または不良な)可視性条件が存在しているかどうかを決定し得る。例えば、可視性決定モジュール165が、車両105に搭載されているGPSデバイスから取得された車両105の場所に基づいて、車両105が峡谷またはトンネルの場所のある距離内にあることを決定する場合、可視性決定モジュール165は、可視性関連決定を積極的に調節し得る。例えば、車両105が、良好な可視性条件とみなされ得る5月1日午前11時に道路上を運転している場合、かつ、車両105がトンネルの所定距離(例えば、100メートル)内にある場合、可視性決定モジュール165は、トンネルを通って走行することを予想して、可視性条件が不良な可視性条件であることを決定し得、それによって、車両105は、(セクションIIでさらに説明されるように)適切な運転関連動作を採用し得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、可視性決定モジュール165は、上で説明される技術の任意の組合せを採用し得る。例えば、上で説明されるように、可視性決定モジュール165は、車両105が運転している(または運転する)環境の可視性条件をより精密に決定するために、車両105の場所と共に所定の時間スケジュールを採用し得る。別の例では、可視性決定モジュール165は、可視性条件がカメラおよび/またはLiDARセンサから取得されるセンサデータと一緒に車両105の場所に基づいて、可視性条件が良好であることを決定し得る(例えば、光の量が閾値より多いならば、車両105が不良な可視性条件に関連付けられ得る峡谷場所を通って運転している場合であっても、可視性決定モジュール165は、可視性条件が良好であることを決定し得る)。
【0047】
いくつかの実施形態では、種々の閾値または距離値(例えば、光の量に関する閾値、またはレーンマーカの閾値数、または自律車両の場所の前方のある距離)は、事前に決定され得るか、または自律車両105が運転しているときに動的に調節され得る。可視性決定モジュールは、閾値または距離値を調節し得、可視性決定モジュールは、閾値または距離値を用いて、例えば車両105の前方の車両の数の存在に基づいて、良好な可視性条件が存在しているかまたは不良な可視性条件が存在しているかを決定する。上で言及される例を使用して、可視性決定モジュールがカメラからの画像が120メートルの距離にわたる道路上の全6つのレーンマーカ(レーンの各側に3つのレーンマーカ)の存在を示していることを決定する場合、かつ、可視性決定モジュールが車両105の前方のある距離(例えば、200メートル)内の車両の数が閾値より多い(高い交通量のシナリオを示す)を決定する場合、可視性決定モジュールは、レーンマーカの閾値数を8に増加させ得る。この例では、可視性決定モジュールは、検出されたレーンマーカの数がレーンマーカの閾値数未満であることを決定することによって、不良な可視性条件が存在していることを決定し得る。
【0048】
上で言及される別の例を使用して、可視性決定モジュールが、車両105が一般道(例えば、高速道路ではない道路)上での動作であることを決定する場合、かつ、可視性決定モジュールが車両105のある距離内に位置している車両の数が閾値未満であること(低い交通量のシナリオを示している)を決定する場合、可視性決定モジュールは、距離範囲を(例えば、350メートル~400メートルから250メートル~300メートルに)減少させ得る。上で説明されるように、可視性決定モジュールが、減少させられた距離範囲内に信号機が検出されたことを決定する場合、可視性決定モジュールは、良好な可視性条件が存在していることを決定し得る、そして、可視性決定モジュールが、減少させられた距離範囲内に信号機が検出されないことを決定する場合、可視性決定モジュールは、不良な可視性条件が存在していることを決定し得る。
【0049】
セクションIIにおいて説明されるような可視性決定モジュール165によって採用される技術は、繰り返し実施され得、それによって、車両105の運転関連動作は、車両105が1つの場所から別の場所へ走行しているときに車両105が直面し得る種々の運転関連条件を考慮して、適切に管理され得る。
【0050】
III.決定された可視性関連条件に基づく運転関連動作の調節
【0051】
運転動作モジュール168は、車両105がセクションIIにおいて説明されるような可視性決定モジュール165によって決定された可視性条件に基づいて安全に運転され得るように、車両105の運転関連動作を調節し得る。運転関連動作は、エンジン、ブレーキ、トランスミッション、またはステアリングに運転動作モジュール168が車両105を自律的に運転するためのコマンドを送信することを含み得る。いくつかの実施形態では、運転動作モジュール168は、1つ以上の運転関連変数の1つ以上の値を調節することによって、運転関連動作を調節し得る。例えば、可視性決定モジュール165が、車両105が動作している環境に関して不良な可視性条件が存在していることを決定する場合、運転動作モジュール168は、良好な可視性条件に関する最大速度より低いように最大速度を調節し得、および/または、運転動作モジュール168は、最小距離が良好な可視性条件に関する最小距離よりも大きいように、車両105と車両105の直前の同じレーンにある車両との間の最小距離を調節し得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、運転動作モジュール168は、(以下の例示的表2に示されるような)所定の表を参照し得、所定の表は、所定の変数のリストと、良好な可視性条件および不良な可視性条件の両方に関する変数に関連付けられた所定の値のリストとを含み得る。運転動作モジュール168は、例えば、車両105の現在の速度が最大速度より大きいことを決定すると、または車両105と車両105の直前の別の車両との間の距離が最小距離未満であることを決定すると、車両105の速度を減少させるようにブレーキをかけることによって、1つ以上の値に基づいて運転関連動作を調節し得る。
【表2】
【0053】
運転動作モジュール168は、運転関連変数(単数または複数)に関連付けられた値(単数または複数)を調節することによって運転関連動作を調節し得る。例えば、例示的表2を使用して、可視性決定モジュールが、可視性条件が良好から不良に変化することを決定する場合、運転動作モジュール168は、最大速度を65mphから50mphに調節し、最小距離を250メートルから300メートルに増加させ、ヘッドライトをつけ得る。いくつかの実施形態では、車両105と、車両105の直前にあり車両105と同じレーン上にある車両との間の最小距離は、時間測定値を用いて決定され得る。例えば、車両105と車両105の直前にある車両との間の時間測定値は、良好な可視性条件に関して4秒であり、不良な可視性条件に関して6秒であり得る。可視性条件に関連付けられた時間測定値と車両105の現在の速度とに基づいて、運転動作モジュール168は、自律車両105の前方の車両までの最小距離を決定し得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、可視性決定モジュールが、車両105が不良な可視性条件で動作していることを決定する場合、運転動作モジュール168は、表2を使用して、車両105が一般道(例えば、高速道路ではない道路)上で動作している場合、信号機のないルートを避けるようにルーティングおよびナビゲーションを決定し得る。運転動作モジュール168によって使用されるルーティングおよびナビゲーションは、基準となる可視性条件が決定されたときの信号機の存在に基づき得、それによって、車両105は、信号機を有する道路上で動作させられ、安全性を向上させ得る。いくつかの実施形態では、他のタイプの変数が、変数の所定の表に含まれ得る。例えば、不良な可視性条件が決定されると、運転動作モジュール168は、車両105が緊急時にのみ(例えば、他の車両を避けるために)レーン変更を実施し得ることを示し得る予め定義されたレーン変更変数を使用し得る。関連する例では、良好な可視性条件が決定されると、運転動作モジュール168は、車両105が所望されるだけ多くのレーン変更を実施し得ることを示し得る予め定義されたレーン変更変数を使用し得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、運転動作モジュール168は、(以下に例示的表3として示されるような)所定の表を参照し得、所定の表は、所定の変数のリストと、良好な可視性条件および不良な可視性条件の両方と、道路タイプ(例えば、複数のレーンと単一のレーン)とに関する変数に関連付けられた所定の値のリストとを含み得る。
【表3】
例示的表3を用いて、可視性決定モジュールが、可視性条件が良好から不良に変化することを決定する場合、かつ、可視性決定モジュールが、車両105が複数の交通レーンを有する道路上で動作していることを決定する場合、運転動作モジュール168は、最大速度を65mphから55mphに調節し、最小距離を250メートルから300メートルに増加させ、ヘッドライトをつけ、合流レーンで動作し得る。合流レーンは、高速道路上の最も右のレーンを含み得、最も右のレーンは、車両が高速道路に進入するときに合流するレーンである。
【0056】
いくつかの実施形態では、運転動作モジュール168は、運転関連規則を調節することによって運転関連動作を調節し得、車載制御コンピュータは、その運転関連規則を用いて、車両105上の種々のデバイスにそれらの運転関連動作を実施するように命令し得る。運転関連規則は、車両105が動作しているレーンを含む交通レーンの総数、または車両105の所定の距離内の車両の数等、可視性決定モジュール165によって決定される可視性条件、および/または追加的規律に基づき得る。表4は、運転関連規則に関する所定の表の例を示している。
【表4】
【0057】
表4に示される例示的値を用いて、可視性決定モジュール165が、良好な可視性条件を決定する場合、かつ、可視性決定モジュール165が、車両105の前方の所定の距離内の車両の数が閾値数未満であることを決定する場合、運転動作モジュール168は、表4に示される変数に関する「通常運転」規則および値を選択し得る。可視性決定モジュール168は、車両105の場所の所定の距離内の車両の数が閾値より多いことを決定すると、(表4において左から3つ目の列に言及される)「高い交通量」の条件を決定し得る。可視性決定モジュール168は、車両105内に位置しているGPSデバイスから受信される情報に基づいて、(表4において左から4つ目の列に言及される)車両105が峡谷内で動作していること、または車両105が下り坂を運転していることを決定し得る。可視性決定モジュール168は、車両105上に位置しているカメラ(単数または複数)および/またはLiDARセンサによって提供されるセンサデータに基づいて、(表4において左から5つ目の列に言及される)車両105が単一のレーンを有する道路上で動作していることを決定し得る。可視性決定モジュール168は、車両105が、車両105上に位置しているカメラ(単数または複数)および/またはLiDARセンサによって提供されるセンサデータに基づいて、(表4において左から5つ目の列に言及される)1つ以上の車両が合流し得るレーン上で動作していることを決定し得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、各列に関する1つ以上の変数の1つ以上の値は、車両105によって運搬される全重量に基づいて調節され得る。例えば、可視性決定モジュールが、車両105が閾値より重い重量を有すること(例えば、車両の重量が70,000lbsおよび閾値が60,000lbs)を決定すると、可視性決定モジュールは、表2~4における値を使用し得る。別の例では、表2~4における値は、可視性決定モジュールが、車両の重量が閾値未満であることを決定する場合に調節され得る。例示的実装では、表4の「通常運転」条件を使用している場合、車両決定モジュールは、車両の重量が閾値未満であることを決定すると、最小閾値を200メートルに減少させ得、速度制限を超えないように最大速度を65mphに維持し得る。いくつかの実施形態では、表2~4に示される最大速度は、GPS情報によって提供され得る種々の一般道の速度制限または州の法律に基づいて調節され得る。
【0059】
可視性決定モジュール165によって決定される運転関連条件(例えば、峡谷運転)に基づいて、運転動作モジュール168は、決定された運転関連条件に関連付けられた1つ以上の変数の1つ以上の値を選択し得る。運転動作モジュール168は、1つ以上の変数の1つ以上の値に基づいて、1つ以上のデバイス(例えば、エンジン、ブレーキ、トランスミッション)に命令を送信し得る。
【0060】
IV.自律車両の条件に基づく運転関連動作の調節
【0061】
運転動作モジュール168は、セミトレーラトラックの条件に基づいて、運転関連動作を調節し得る。例えば、運転動作モジュール168は、センサによって提供されるセンサデータ(例えば、カメラによって提供される画像)によって測定され得る停止距離までにかけられるブレーキの量を比較することによって所望されるようにブレーキが機能しているか否かをモニタリングし得る。運転動作モジュール168は、停止距離が、かけられるブレーキの量に関して予期される停止距離より大きいことを決定する場合、運転動作モジュール168は、表4において示される変数の値(単数または複数)を「通常運転」条件から「予防運転」条件に変更し得る。いくつかの実施形態では、運転関連動作に関連付けられた特定の値が、セミトレーラトラックの特定の条件に関して変更され得る。上で言及されることを使用する場合、運転動作モジュール168が、かけられるブレーキの量に関して停止距離が予期される停止距離より停止距離が大きいことを決定する場合、運転動作モジュール168は、表2~4に示される「自律車両の前方の車両までの最小距離」の値を増加させ得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、LiDARセンサは、不良な可視性条件が決定されるときに可視性を向上させるように使用され得る。LiDARセンサは、霧等の不良な可視性条件であっても物体を検出するために使用され得る。したがって、例えば、可視性決定モジュール168が、可視性が不良であることを決定すると、運転動作モジュール168は、LiDARセンサによって提供される点群データを使用して、可視性情報を取得し得る。
【0063】
図3は、可視性条件に基づいて自律車両の運転関連動作を実施するためのフロー図を示している。動作302は、自律車両内に位置しているコンピュータによって、自律車両が動作している環境の可視性関連条件を決定することを含む。動作304は、少なくとも可視性関連条件に基づいて、自律車両の運転関連動作に関連付けられた1つ以上の変数の1つ以上の値の組を調節することを含む。動作306は、1つ以上の値の組に少なくとも基づいて自律車両内に位置している1つ以上のデバイスの運転関連動作を引き起こすことによって、自律車両が目的地へ運転されるようにすることを含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、光センサによって提供されるセンサデータに基づいて環境の光の量が閾値未満であるという第1の決定を実施することであって、光センサは、自律車両上または自律車両内に位置している、ことと、第1の決定に応答して環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、1つ以上の値の組は、不良な可視性条件に関連付けられた第2の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、こととを含む。いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、カメラによって提供される画像に基づいて環境の光の量が閾値未満であるという第1の決定を実施することであって、カメラは、自律車両上または自律車両内に位置している、ことと、第1の決定に応答して環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、1つ以上の値の組は、不良な可視性条件に関連付けられた第2の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、こととを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、光センサまたはカメラによって提供されるセンサデータに基づいて環境の光の量が閾値以上であるという第1の決定を実施することであって、光センサまたはカメラは、自律車両上または自律車両内に位置している、ことと、第1の決定に応答して環境が良好な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、1つ以上の値の組は、良好な可視性条件に関連付けられた第3の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、こととを含む。いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、自律車両上に位置している全地球測位システム(GPS)トランシーバによって提供される情報に基づいて自律車両が交差点の第1の距離と第2の距離との範囲内で動作しているという第1の決定を実施することであって、第1の距離は、第2の距離と異なる、ことと、自律車両が第1の距離と第2の距離との範囲で動作しているとき、自律車両上または自律車両内に位置しているカメラによって取得される画像内に信号機が検出されないという第2の決定を実施することと、第1の決定と第2の決定とに応答して環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第3の決定を実施することであって、1つ以上の値の組は、不良な可視性条件に関連付けられた1つ以上の値の第2の組と同じであるように調節される、こととを含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、自律車両上に位置している全地球測位システム(GPS)トランシーバによって提供される情報に基づいて自律車両が交差点の第1の距離と第2の距離との範囲内で動作しているという第1の決定を実施することであって、第1の距離は、第2の距離と異なる、ことと、自律車両が第1の距離と第2の距離との範囲で動作しているとき、自律車両上または自律車両内に位置しているカメラによって提供される画像内に信号機が検出されているという第2の決定を実施することと、第1の決定と第2の決定とに応答して環境が良好な可視性条件に関連付けられているという第3の決定を実施することであって、1つ以上の値の組は、良好な可視性条件に関連付けられた第3の1つ以上の値の組と同じであるように調整される、こととを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、第1の距離と第2の距離とは、自律車両の前方のある距離内に位置している車両の数に基づいている。いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、カメラによって提供される画像に基づいて自律車両の場所のある距離内の道路上に位置しているレーンマーカの数が閾値未満であるという第1の決定を実施することであって、カメラは、自律車両上または自律車両内に位置している、ことと、第1の決定に応答して環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、1つ以上の値の組は、不良な可視性条件に関連付けられた第2の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、こととを含む。いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、光検出および測距(LiDAR)センサによって提供される点群データに基づいて自律車両の場所のある距離内の道路上に位置しているレーンマーカの数が閾値未満であるという第1の決定を実施することであって、LiDARセンサは、自律車両上または自律車両内に位置している、ことと、第1の決定に応答して環境が不良な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、1つ以上の値の組は、不良な可視性条件に関連付けられた第2の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、こととを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、光検出および測距(LiDAR)センサによって提供される点群データまたはカメラによって提供される画像に基づいて自律車両の場所のある距離内の道路上に位置しているレーンマーカの数が閾値以上であるという第1の決定を実施することであって、LiDARセンサまたはカメラは、自律車両上または自律車両内に位置している、ことと、第1の決定に応答して環境が良好な可視性条件に関連付けられているという第2の決定を実施することであって、1つ以上の値の組は、良好な可視性条件に関連付けられた第3の1つ以上の値の組と同じであるように調節される、こととを含む。いくつかの実施形態では、閾値は、自律車両の前方のある距離内に位置している車両の数に基づいている。
【0069】
いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、環境の天候条件に基づいて、環境が良好な可視性条件または不良な可視性条件のいずれに関連付けられるかを決定することを含み、1つ以上の値の組を調節することは、良好な可視性条件に関連付けられた第2の値の組と同じであるように1つ以上の値の組を調節すること、または、不良な可視性条件に関連付けられた第3の値の組と同じであるように1つ以上の値の組を調節することを含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、自律車両の場所に基づいて、環境が良好な可視性条件または不良な可視性条件のいずれに関連付けられるかを決定することを含み、1つ以上の値の組を調節することは、良好な可視性条件に関連付けられた第2の値の組と同じであるように1つ以上の値の組を調節すること、または、不良な可視性条件に関連付けられた第3の値の組と同じであるように1つ以上の値の組を調節することを含む。いくつかの実施形態では、自律車両は、自律車両の場所が峡谷またはトンネルの所定の距離内にあることを決定することに応答して、自律車両が不良な可視性条件で動作するように決定される。いくつかの実施形態では、可視性関連条件を決定することは、自律車両が環境内で動作している日時に基づいて、環境が良好な可視性条件または不良な可視性条件のいずれに関連付けられるかを決定することを含み、1つ以上の値の組を調節することは、良好な可視性条件に関連付けられた第2の値の組と同じであるように1つ以上の値の組を調節すること、または、不良な可視性条件に関連付けられた第3の値の組と同じであるように1つ以上の値の組を調節することを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、1つ以上の変数は、前記自律車両に関する最大速度、または、前記自律車両と、前記自律車両と同じレーン内にあり前記自律車両の直前に位置している別の車両との間の最小距離を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の値の組を調節することは、前記可視性関連条件と、前記自律車両が動作している道路上のレーンの数とに基づいている。いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイスの前記運転関連動作を引き起こすことは、前記自律車両の現在の速度が最大速度より大きいことを決定すると、または、前記自律車両と前記自律車両の直前の別の車両との間の距離が最小距離未満であることを決定すると、前記自律車両上のブレーキをかけるための命令を送信することを含み、1つ以上の値は、前記最大速度と前記最小距離とを含む。
【0072】
本文献において、「例示的」という用語は、別段言及されない限り、「のある例」を意味するように使用され、理想的な実施形態または好ましい実施形態を意味しない。本特許文献において、「セミトレーラトラック」という用語は、セミトレーラトラックの可視性決定および運転動作の特徴を説明するために使用される。しかしながら、説明される可視性決定技術は、他の種類の車両にも適用され得る。
【0073】
本明細書中で説明される実施形態のうちのいくつかは、方法またはプロセスの概略的コンテキストで説明されるが、それらは、1つの実施形態において、コンピュータ読み取り可能な媒体で具現化されるコンピュータプログラム製品(プログラムコード等のコンピュータ実行可能な命令を含み、ネットワーク環境においてコンピュータによって実行される)によって実装され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、除去可能なストレージデバイスおよび除去不可能なストレージデバイスを含み得、それらは、限定ではないが、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)等を含む。したがって、コンピュータ読み取り可能な媒体は、非一過性のストレージ媒体を含み得る。概して、プログラムモジュールは、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含み得、それらは、特定のタスクを実施するか、または特定の抽象的データタイプを実装する。コンピュータまたはプロセッサ実行可能な命令、関連付けられたデータ構造、およびプログラムモジュールは、本明細書中で開示される方法のステップを実行するためのプログラムコードの例を表している。そのような実行可能な命令または関連付けられたデータ構造の特定のシーケンスは、そのようなステップまたはプロセスで説明される機能を実装するための対応する動作の例を表している。
【0074】
開示される実施形態のうちのいくつかは、ハードウェア回路、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを用いたデバイスまたはモジュールとして実装され得る。例えば、ハードウェア回路実装は、個別のアナログおよび/またはデジタルコンポーネント(例えば、プリント回路基板の一部として組み込まれる)を含み得る。あるいは、または。加えて、開示されるコンポーネントまたはモジュールは、特定用途向け集積回路(ASIC)および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)デバイスとして実装され得る。加えて、または、あるいは、加えて、または、あるいは、いくつかの実装は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)を含み、デジタルシグナルプロセッサは、本願の開示される機能性に関連付けられたデジタル信号処理の動作ニーズのために最適化されたアーキテクチャを有する専用マイクロプロセッサである。同様に、各モジュール内の種々のコンポーネントまたはサブコンポーネントは、ソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェアとして実装され得る。モジュール間および/またはモジュール内のコンポーネント間の接続は、限定ではないが、適切なプロトコルを用いたインターネント上の通信、有線ネットワーク、または無線ネットワークを含む当技術分野において公知である接続方法および接続媒体のうちの任意の1つを用いて提供され得る。
【0075】
本文献は、多くの詳細を含むが、これらは、請求される発明の範囲または請求され得る発明の範囲についての限定と解されるべきではなく、むしろ、特定の発明に特有の特徴の説明として解されるべきである。別個の実施形態のコンテキストにおいて本文献で説明される特定の特徴は、単一の実施形態の組み合わせとしても実装され得る。逆に、単一の実施形態のコンテキストにおいて説明される種々の特徴は、複数の実施形態として別個にも、または適したサブコンビネーションとしても実装され得る。そのうえ、特徴は、特定の組み合わせとして実行するように上で説明され、初めにそのように請求され得るが、いくつかの実施形態では、請求される組み合わせから1つ以上の特徴が、組み合わせから削除され得、請求される組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変化物に向けられ得る。同様に、動作が、特定の順序で図面において描写されているが、このことは、所望の結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序または連続した順序で実施され、全ての例証される動作が実装されることを必要とするものとして理解されるべきではない。
【0076】
少数の実装および例のみが説明され、他の実装、強化、および変更が、本文献において説明され例証されるものに基づいてなされ得る。