(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022173
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】ユーザ認証による燃料電池の電力供給システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04313 20160101AFI20220127BHJP
H01M 8/04858 20160101ALI20220127BHJP
H01M 8/04537 20160101ALI20220127BHJP
H01M 8/04694 20160101ALI20220127BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20220127BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20220127BHJP
B60L 58/40 20190101ALI20220127BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20220127BHJP
【FI】
H01M8/04313
H01M8/04858
H01M8/04537
H01M8/04694
H01M8/04 Z
H01M8/00 A
H01M8/00 Z
B60L58/40
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021120318
(22)【出願日】2021-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0091211
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】507098483
【氏名又は名称】ヒュンダイ・モービス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー ミョン ナム
【テーマコード(参考)】
5H125
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC07
5H125AC12
5H125BC24
5H125CC03
5H125CC07
5H125EE27
5H125EE41
5H126BB06
5H127AA06
5H127AB04
5H127AB29
5H127AC15
5H127BA02
5H127BA22
5H127BA59
5H127BA60
5H127BB02
5H127DB70
5H127DB99
5H127DC42
5H127DC89
5H127DC96
5H127DC99
5H127FF05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気供給が不可能な立ち後れた産業現場や、ライフスタイルの変化により増加する野外活動とキャンプ時、水素燃料電池車両を一種の発電機である電気エネルギー源として活用できるようにする、ユーザ認証による燃料電池の電力供給システムおよび方法を提供する。
【解決手段】ユーザ認証による燃料電池の電力供給システムは、ユーザ端末のユーザ情報の入力を受けるタギング部(230)と、前記タギング部(230)を介して入力された前記ユーザ情報と予め学習された認証情報とを比較して、前記ユーザ情報と前記認証情報が一致すると、使用権限信号を出力するユーザ認証部(250)と、水素と酸素の化学反応により電力を生産する燃料電池システム(300)と、前記ユーザ認証部(250)が使用権限信号を出力すると、前記出力端子を介して電力が出力されるように制御する統合車両制御部(100)と、を含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末のユーザ情報の入力を受けるタギング部と、
前記タギング部を介して入力された前記ユーザ情報と予め学習された認証情報とを比較して、前記ユーザ情報と前記認証情報が一致すると、使用権限信号を出力するユーザ認証部と、
水素と酸素の化学反応により電力を生産する燃料電池システムと、
前記燃料電池システムが生産した電力の供給を受けて充電する電池と、
前記電池と連結され、前記電池に貯蔵された電力を出力する出力端子と、
前記ユーザ認証部が使用権限信号を出力すると、前記出力端子を介して電力が出力されるように制御する統合車両制御部と、
を含むことを特徴とする、ユーザ認証による燃料電池の電力供給システム。
【請求項2】
前記タギング部は、
前記ユーザ端末とNFC通信を行うNFCモジュール、または
前記ユーザ端末とブルートゥース通信を行うブルートゥースモジュールであることを特徴とする、請求項1に記載のユーザ認証による燃料電池の電力供給システム。
【請求項3】
前記電池は、
前記燃料電池システムが生産する電力の入力を受けて高電圧に変換させる高電力コンバータを介して相対的に高電圧の電力を貯蔵する高電圧電池、または
前記燃料電池システムが生産する電力の入力を受けて低電圧に変換させる低電力コンバータを介して相対的に低電圧の電力を貯蔵する低電圧電池
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のユーザ認証による燃料電池の電力供給システム。
【請求項4】
前記出力端子は、
前記タギング部に近接するように備えたものであり、
前記高電圧電池に連結され、相対的に高電圧の電力を出力する高出力端子、または
前記低電圧電池に連結され、相対的に低電圧の電力を出力する低出力端子を含むことを特徴とする、請求項3に記載のユーザ認証による燃料電池の電力供給システム。
【請求項5】
前記統合車両制御部は、
前記電池に充電された充電容量が予め設定した基準値より小さいと、前記燃料電池システムを駆動して前記電池を充電するように制御することを特徴とする、請求項1に記載のユーザ認証による燃料電池の電力供給システム。
【請求項6】
前記統合車両制御部は、
電力が必要な放電車両が電力提供を要請すると、
前記放電車両に移動可能であるか否かを知らせることを特徴とする、請求項1に記載のユーザ認証による燃料電池の電力供給システム。
【請求項7】
統合車両制御部が、電力が必要な放電車両から電力提供の要請を受信するステップと、
タギング部が、ユーザ端末のユーザ情報の入力を受けるステップと、
ユーザ認証部が、前記タギング部を介して入力された前記ユーザ情報と予め学習された認証情報が一致すると、使用権限信号を出力するステップと、
前記ユーザ認証部が使用権限信号を出力すると、燃料電池システムが生産した電力を充電する電池と連結された出力端子を介して前記電池に貯蔵された電力を出力するステップと、
を含むことを特徴とする、ユーザ認証による燃料電池の電力供給方法。
【請求項8】
前記統合車両制御部が、電力が必要な放電車両から電力提供の要請を受信するステップは、
電力が必要な放電車両から電力提供の要請を受信すると、前記放電車両に移動可能であるか否かを知らせるステップを含むことを特徴とする、請求項7に記載のユーザ認証による燃料電池の電力供給方法。
【請求項9】
前記タギング部が、ユーザ端末のユーザ情報の入力を受けるステップは、
NFCモジュールを介して前記ユーザ端末とNFC通信を行うステップ、または
ブルートゥースモジュールを介して前記ユーザ端末とブルートゥース通信を行うステップを含むことを特徴とする、請求項7に記載のユーザ認証による燃料電池の電力供給方法。
【請求項10】
前記ユーザ認証部が使用権限信号を出力すると、燃料電池システムが生産した電力を充電する電池と連結された出力端子を介して前記電池に貯蔵された電力を出力するステップは、
前記燃料電池システムが生産する電力の入力を受けて高電圧に変換させる高電力コンバータを介して相対的に高電圧の電力を高電圧電池に貯蔵するステップ、または
前記燃料電池システムが生産する電力の入力を受けて低電圧に変換させる低電力コンバータを介して相対的に低電圧の電力を低電圧電池に貯蔵するステップを含むことを特徴とする、請求項7に記載のユーザ認証による燃料電池の電力供給方法。
【請求項11】
前記ユーザ認証部が使用権限信号を出力すると、燃料電池システムが生産した電力を充電する電池と連結された出力端子を介して前記電池に貯蔵された電力を出力するステップは、
前記高電圧電池に連結された高出力端子を介して相対的に高電圧の電力を出力するステップ、または
前記低電圧電池に連結された低出力端子を介して相対的に低電圧の電力を出力するステップ
を含むことを特徴とする、請求項7に記載のユーザ認証による燃料電池の電力供給方法。
【請求項12】
前記ユーザ認証部が使用権限信号を出力すると、燃料電池システムが生産した電力を充電する電池と連結された出力端子を介して前記電池に貯蔵された電力を出力するステップは、
前記電池に充電された充電容量が予め設定した基準値より小さいと、前記燃料電池システムを駆動して前記電池を充電するように制御するステップを含むことを特徴とする、請求項7に記載のユーザ認証による燃料電池の電力供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ認証による燃料電池の電力供給システムおよび方法に関し、より詳しくは、NFCまたはブルートゥース(登録商標)通信などの近距離通信を活用して運転者を認証した後、運転者が車両に搭乗する必要なく車両外部の負荷に電力を供給できるようにすることで、水素燃料電池車両を一種の発電機である電気エネルギー源として活用できるようにする、ユーザ認証による燃料電池の電力供給システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、燃料電池電気自動車(FCEV)は、特殊な装置(Stack)において水素と酸素の化学反応により電気を生産し、この電気エネルギーを用いて駆動モータを作動させて車両が走行するようになる。
【0003】
特殊な装置(Stack)を駆動するためには、スタック運転装置(Balace of Plant)が必要であり、以下のように大分類で構成されている。
【0004】
すなわち、燃料電池電気自動車は、Stack、BOP(水素/空気供給、熱管理)、ジャンクションボックス、水素/空気供給コントローラ、水素貯蔵装置、電池システム、電気動力部品などの制御部品を含む。
【0005】
既存の水素燃料電池電気自動車は、車両の安定した出力/効率および燃料供給源として水素を用いるという面で安全性に焦点が合わせられており、現在、水素燃料電池自動車をパワーソースとして活用しようとすると、ユーザ(運転者)が車両のKey setにキーを差し込んでIGN Onまでキーを回すか、あるいは、FOB-Smart keyを、近距離通信が許される区間内に、ユーザが持っていてこそ、駆動が可能であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、NFCまたはブルートゥース通信などの近距離通信を活用して運転者を認証した後、運転者が車両に搭乗する必要なく車両外部の負荷に電力を供給できるようにすることで、電気供給が不可能な立ち後れた産業現場や、ライフスタイルの変化により増加する野外活動とキャンプ時、水素燃料電池車両を一種の発電機である電気エネルギー源として活用できるようにする、ユーザ認証による燃料電池の電力供給システムおよび方法を提供しようとする。
【0007】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していないまた他の技術的課題は、下記の記載から当該分野の技術者に明らかに理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るユーザ認証による燃料電池の電力供給システムは、ユーザ端末のユーザ情報の入力を受けるタギング部と、前記タギング部を介して入力された前記ユーザ情報と予め学習された認証情報とを比較して、前記ユーザ情報と前記認証情報が一致すると、使用権限信号を出力するユーザ認証部と、水素と酸素の化学反応により電力を生産する燃料電池システムと、前記燃料電池システムが生産した電力の供給を受けて充電する電池と、前記電池と連結され、前記電池に貯蔵された電力を出力する出力端子と、前記ユーザ認証部が使用権限信号を出力すると、前記出力端子を介して電力が出力されるように制御する統合車両制御部と、を含むことができる。
【0009】
一実施形態において、前記タギング部は、前記ユーザ端末とNFC通信を行うNFCモジュール、または前記ユーザ端末とブルートゥース通信を行うブルートゥースモジュールであってもよい。
【0010】
一実施形態において、前記電池は、前記燃料電池システムが生産する電力の入力を受けて高電圧に変換させる高電力コンバータを介して相対的に高電圧の電力を貯蔵する高電圧電池、または前記燃料電池システムが生産する電力の入力を受けて低電圧に変換させる低電力コンバータを介して相対的に低電圧の電力を貯蔵する低電圧電池を含むことができる。
【0011】
一実施形態において、前記出力端子は、前記タギング部に近接するように備えたものであり、前記高電圧電池に連結され、相対的に高電圧の電力を出力する高出力端子、または前記低電圧電池に連結され、相対的に低電圧の電力を出力する低出力端子を含むことができる。
【0012】
一実施形態において、前記統合車両制御部は、前記電池に充電された充電容量が予め設定した基準値より小さいと、前記燃料電池システムを駆動して前記電池を充電するように制御することができる。
【0013】
一実施形態において、前記統合車両制御部は、電力が必要な放電車両が電力提供を要請すると、前記放電車両に移動可能であるか否かを知らせることができる。
【0014】
本発明の他の一実施形態に係るユーザ認証による燃料電池の電力供給方法は、統合車両制御部が、電力が必要な放電車両から電力提供の要請を受信する要請ステップと、タギング部が、ユーザ端末のユーザ情報の入力を受ける入力ステップと、ユーザ認証部が、前記タギング部を介して入力された前記ユーザ情報と予め学習された認証情報が一致すると、使用権限信号を出力する認証ステップと、前記ユーザ認証部が使用権限信号を出力すると、燃料電池システムが生産した電力を充電する電池と連結された出力端子を介して前記電池に貯蔵された電力を出力する出力ステップと、を含むことができる。
【0015】
一実施形態において、前記要請ステップは、電力が必要な放電車両から電力提供の要請を受信すると、前記放電車両に移動可能であるか否かを知らせるステップを含むことができる。
【0016】
一実施形態において、前記入力ステップは、NFCモジュールを介して前記ユーザ端末とNFC通信を行うステップ、またはブルートゥースモジュールを介して前記ユーザ端末とブルートゥース通信を行うステップを含むことができる。
【0017】
一実施形態において、前記出力ステップは、前記燃料電池システムが生産する電力の入力を受けて高電圧に変換させる高電力コンバータを介して相対的に高電圧の電力を高電圧電池に貯蔵するステップ、または前記燃料電池システムが生産する電力の入力を受けて低電圧に変換させる低電力コンバータを介して相対的に低電圧の電力を低電圧電池に貯蔵するステップを含むことができる。
【0018】
一実施形態において、前記出力ステップは、前記高電圧電池に連結された高出力端子を介して相対的に高電圧の電力を出力するステップ、または前記低電圧電池に連結された低出力端子を介して相対的に低電圧の電力を出力するステップを含むことができる。
【0019】
一実施形態において、前記出力ステップは、前記電池に充電された充電容量が予め設定した基準値より小さいと、前記燃料電池システムを駆動して前記電池を充電するように制御するステップを含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
本技術は、NFCまたはブルートゥース通信などの近距離通信を活用して運転者を認証した後、運転者が車両に搭乗する必要なく車両外部の負荷に電力を供給できるようにすることで、電気供給が不可能な立ち後れた産業現場や、ライフスタイルの変化により増加する野外活動とキャンプ時、水素燃料電池車両を一種の発電機である電気エネルギー源として活用できるようにするという効果がある。
この他に、本文書により、直接的または間接的に把握される多様な効果が提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係るユーザ認証による燃料電池の電力供給システムを示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るユーザ認証による燃料電池の電力供給方法において高電圧の供給を説明するためのフローチャートである。
【
図3】本発明の一実施形態に係るユーザ認証による燃料電池の電力供給方法において低電圧の供給を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付する際、同一の構成要素に対しては他の図面上に表示されても可能な限り同一の符号を付するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施形態を説明するにおいて、関連した公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施形態に対する理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0023】
本発明の実施形態の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を用いることができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語により当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されることはない。また、別に定義しない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に用いられる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本出願で明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0024】
以下、
図1を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明することにする。
図1は、本発明の一実施形態に係るユーザ認証による燃料電池の電力供給システムを示すブロック図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係るユーザ認証による燃料電池の電力供給方法において高電圧の供給を説明するためのフローチャートであり、
図3は、本発明の一実施形態に係るユーザ認証による燃料電池の電力供給方法において低電圧の供給を説明するためのフローチャートである。
【0025】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係るユーザ認証による燃料電池の電力供給システムは、NFCモジュール210およびブルートゥースモジュール(Bluetooth Low Energy、BLE)230を含むタギング部、ユーザ認証部(Identity Authentication Unit、IAU)250、燃料電池システム(Power Module Complete、PMC)300、高電圧電池511および低電圧電池531を含む電池、高出力端子515および低出力端子535を含む出力端子、および統合車両制御部(Integrated Body control Unit、IBU)100を含んで構成することができる。
【0026】
NFCモジュール210は、スマートフォンなどのユーザ端末とNFC通信を行って、ユーザ端末からユーザ情報の入力を受けることができ、ブルートゥースモジュール230は、スマートフォンなどのユーザ端末とブルートゥース通信を行って、ユーザ端末からユーザ情報の入力を受けることができる。
NFCモジュール210およびブルートゥースモジュール230は、車両の側面に備えることができる。
【0027】
ユーザ認証部250は、NFCモジュール210またはブルートゥースモジュール230を介して入力されたユーザ情報と予め学習された認証情報とを比較して、ユーザ情報と認証情報が一致すると、使用権限信号を出力することができる。
【0028】
燃料電池システム300は、水素と酸素の化学反応により電力を生産するものであり、高分子電解質膜、燃料極、および空気極で構成された燃料電池を電気的に直列に連結した燃料電池スタック(STACK)330、および燃料電池システム300の運転のための運転装置(Balance of Plant、BOP)310を含んで構成することができる。
【0029】
運転装置310は、空気供給システム(Air Processing System、APS)311、水素供給システム(Fuel Processing System、FPS)313、および熱管理システム(Thermal Management System、TMS)315を含んで構成することができる。
【0030】
水素タンクから水素供給システム313に供給された水素は、水素遮断バルブおよび圧力制御のためのソレノイドバルブを経て燃料電池スタック330に供給されて電気化学反応を起こすことができる。
【0031】
燃料電池スタック330の発電電力は、約250V~450Vであってもよい。
燃料電池システム300に高電圧ジャンクションボックス(High voltage Junction box、HV_J/box)350が連結され、高電圧ジャンクションボックス350に高電力コンバータ(Bidirectional High voltage DC/DC Converter、BHDC)510および低電力コンバータ(Low-voltage DC-DC、LDC)530が連結されることができる。
【0032】
高電圧電池511は、燃料電池スタック330を介して生産する電力の入力を受け、燃料電池スタック330の発電電力よりさらに高い電圧に変換させる高電力コンバータ510を介して相対的に高電圧の電力を貯蔵することができる。
【0033】
高電力コンバータ510は、車両を駆動させるモータのモータ制御装置(Motor control Unit、MCU)550と連結して、モータ制御装置(Motor control Unit、MCU)550に必要な電力を供給することができる。
【0034】
低電圧電池531は、燃料電池スタック330を介して生産する電力の入力を受け、燃料電池スタック330の発電電力よりさらに低い電圧に変換させる低電力コンバータ530を介して相対的に低電圧の電力を貯蔵することができる。
【0035】
高電圧電池511および低電圧電池531は、BMS(Battery Management System)をさらに含むことができ、BMSを介して燃料電池スタック330から高電圧電池511および低電圧電池531に充電される電力の充電量(State Of Charge、SOC)をモニターすることができる。
【0036】
高出力端子515は、NFCモジュール210およびブルートゥースモジュール230に近接して備えられるものであり、高電圧電池511に連結され、高電圧電池511に充電された高電圧の電力を出力することができ、低出力端子535は、NFCモジュール210およびブルートゥースモジュール230に近接して備えられるものであり、低電圧電池531に連結され、低電圧電池531に充電された低電圧の電力を出力することができる。
【0037】
高出力端子515および低出力端子535は、NFCモジュール210およびブルートゥースモジュール230に隣接するように車両の側面に備えることができる。
【0038】
統合車両制御部100は、ユーザ認証部250が使用権限信号を出力すると、高出力端子515または低出力端子535を介して電力が出力されるように制御することができる。
【0039】
統合車両制御部100は、高電圧電池511または低電圧電池531に充電された充電容量が予め設定した基準値より小さいと、燃料電池システム300を駆動した後に電力を生産して、高電圧電池511または低電圧電池531を充電するように制御することができる。
【0040】
上述したように、本発明に係るユーザ認証による燃料電池の電力供給システムは、高出力端子515を介して高電圧電池511に充電された電力を出力することができ、低出力端子535を介して低電圧電池531に充電された電力を出力することができるため、移動式発電機の役割をすることができる。
【0041】
例えば、テレマティックス(Telematics)装置を備えた電気車両の走行中に電池充電量が不足して充電所を検索し、充電所が検索されても、残りの充電量では充電所に到着できない場合があり得る。
この場合、テレマティックス装置を活用して、周辺にテレマティックス装置を備えた水素車両を検索することができる。
【0042】
電気車両の位置を基準に、半径500mの範囲、1kmの範囲、1.5kmの範囲など、近い距離で水素車両が検索されないと、次第に距離を増加させながら水素車両を検索することができる。
【0043】
水素車両の検索過程は、予め設定された回数または予め設定された時間の間に繰り返し行ってもよく、予め設定された回数または予め設定された時間が過ぎても水素車両が検索されないと、検索過程を中断してもよい。
【0044】
次いで、水素車両が検索されると、当該水素車両に電力提供が可能であるか否かを要請することができ、水素車両は、電気車両から電力提供の要請を受けると(S101)、電力を提供するか否かを決めることができる。
【0045】
次いで、水素車両は、電力を提供することができないと(S102)、電気車両に、テレマティックス装置を活用して、電力提供が不可能であるというメッセージを伝送することができる(S103)。
【0046】
さらに、水素車両は、電力を提供することができると(S102)、電気車両に、テレマティックス装置を活用して、電力提供が可能であるというメッセージを伝送することができる(S104)。
次いで、電気車両が水素車両が位置したところに移動するか、または水素車両が電気車両が位置したところに移動することができる。
【0047】
水素車両の運転者は、スマートフォンなどのユーザ端末をNFCモジュール210に接触させるか、またはブルートゥースモジュール230とペアリングをしてユーザ認証過程を行うことができる(S105)。
【0048】
次いで、ユーザ認証部250は、ユーザ情報と予め学習された認証情報とを比較して、ユーザ情報と認証情報が一致すると、使用権限信号を出力することができる(S106)。
次いで、統合車両制御部100は、高出力端子515または低出力端子535を介して電力が出力されるように制御することができる。
【0049】
電気車両が高電圧の電力が必要であって電気車両の充電プラグを高出力端子515に連結すると、統合車両制御部100は、高電圧電池511の充電量(State Of Charge、SOC)を確認し、高電圧電池511の充電量が基準充電量より多いか否かを確認することができる(S107)。
【0050】
基準充電量は、電池の性能維持のために必要な充電量であり、完全充電時の30%程度であってもよく、これは、状況に応じて変更してもよい。
次いで、高電圧電池511の充電量が基準充電量より大きいと、高出力端子515を介して電力が出力されるようにして電気車両を充電させることができる(S110)。
【0051】
一方、高電圧電池511の充電量が基準充電量より小さいと、高出力端子515を介して電力が出力されるのを遮断して電気車両を充電させることができなくなる。
【0052】
したがって、高電圧電池511の充電量が基準充電量より小さいと(S107)、燃料電池システム300を駆動して(S108)、燃料電池スタック330を介して電力を生産するようにすることで、高電圧電池511を充電することができる(S109)。
【0053】
同じように、電気車両が低電圧の電力が必要であって電気車両の充電プラグを低出力端子535に連結すると、統合車両制御部100は、低電圧電池531の充電量(State Of Charge、SOC)を確認し、低電圧電池531の充電量が基準充電量より多いか否かを確認することができる(S207)。
【0054】
次いで、低電圧電池531の充電量が基準充電量より大きいと、低出力端子535を介して電力が出力されるようにして電気車両を充電させることができる(S210)。
【0055】
一方、低電圧電池531の充電量が基準充電量より小さいと、低出力端子535を介して電力が出力されるのを遮断して電気車両を充電させることができなくなる。
【0056】
したがって、低電圧電池531の充電量が基準充電量より小さいと(S207)、燃料電池システム300を駆動して(S208)、燃料電池スタック330を介して電力を生産するようにすることで、低電圧電池531を充電することができる(S209)。
【0057】
以上で説明したような本発明に係るユーザ認証による燃料電池の電力供給システムおよび方法によると、NFCまたはブルートゥース通信などの近距離通信を活用して運転者を認証した後、運転者が車両に搭乗する必要なく車両外部の負荷に電力を供給できるようにすることで、電気供給が不可能な立ち後れた産業現場や、ライフスタイルの変化により増加する野外活動とキャンプ時、水素燃料電池車両を一種の発電機である電気エネルギー源として活用できるようにするという効果がある。
【0058】
さらに、現代のライフスタイルとつなぎ合わさって需要が増加しているSUV車両のように、野外活動やキャンプ時に効率的にエネルギー源として活用することで、商品性の増大効果による収益増大と生産された電気を売り戻す産業の多角化を図ることができる。
【0059】
前述したキャンプ時、家電製品(電熱器、オーディオ、ビデオシステム、および電球)などを稼動できるだけでなく、電気供給が難しい奥地での産業現場で380Vの3相高電圧を必要とする産業用電動具(カッター機、揚水機、ドリルなど)を駆動させることができる。
【0060】
さらに水素燃料電池パワーシステムを農業に活用するのであれば、その可能性は充分である。
周知のように、農業現場は電気供給源から隔たっているため、大半の場合、内燃機関を活用してポンプを駆動させて農薬を散布するか、または発電機を回して生産に必要な農機具に電源を供給する。
【0061】
最悪の場合、生産された農産物を家に持ってきて脱穀あるいはそれに相応する追加作業を行うのに非常に非効率的である。
農業現場で水素燃料電池自動車を農機械のパワーソースとして活用するのであれば、多様な需要層を確保することができるため、水素充電所を全国各地に設置可能であり、これにより、水素充電所の不在のため車両の購入に戸惑う顧客に充電所の不在という不安要素を解決するプラス効果をもたらすことができる。
【0062】
また、韓国では、電気自動車市場が大きくなっていきつつあるが、海外に比べて成長速度が遅い。
電気車の購入に戸惑う潜在顧客の最も大きな悩みは、全国に充分ではない、電気充電所の不在である。
【0063】
しかし、水素燃料電池車をパワーソースとして活用して380Vの3相高電圧出力で電気車を充電するのであれば、電気車市場の成長における障害物である電気充電所の不足を一部解決して、環境に優しい自動車産業の成長に寄与すると判断される。
【0064】
一方、本発明に係るステップS101~ステップS210による、ユーザ認証による燃料電池の電力供給方法をプログラム化してコンピュータが読めるように記録媒体に格納させることもできる。
【0065】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正および変形が可能であろう。
【0066】
したがって、本発明に開示された実施形態は本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は後述の請求範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。