(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022174
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】汎用異物デブリ検出及び回収装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/84 20060101AFI20220127BHJP
B64F 5/60 20170101ALI20220127BHJP
G01N 21/88 20060101ALI20220127BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
G01N21/84 B
B64F5/60
G01N21/88 Z
G02B23/24 C
G02B23/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021120347
(22)【出願日】2021-07-21
(31)【優先権主張番号】16/938,356
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504019881
【氏名又は名称】ロッキード マーティン コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】LOCKHEED MARTIN CORPORATION
【住所又は居所原語表記】6801 Rockledge Drive, Bethesda, MD 20817, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ デヴィッド サーマンズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン リチャード オルソン
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー ロバート マン
(72)【発明者】
【氏名】ジーン マクギャリー
【テーマコード(参考)】
2G051
2H040
【Fターム(参考)】
2G051AA88
2G051AB02
2G051AC15
2G051CA04
2G051DA05
2H040AA03
2H040CA03
2H040DA03
2H040DA21
2H040DA51
2H040DA56
2H040FA01
(57)【要約】
【課題】FODを検出し対処する作業の効率を高める。
【解決手段】一実施形態では、システム及び方法は、異物デブリを除去又はシールするために検査システムを使用することを含む。検査システムは、複数の光ファイバが内部に配置されているボアスコープと、装着システムと、関節システムと、ディスプレイを備えるコントローラとを備え、ボアスコープの近位端が装着システムに連結され、装着システムは検査システムを外部表面に固定するように構成され、装着システムは関節システムに連結され、関節システムはボアスコープを作動させるように構成され、関節システムはコントローラに通信可能に連結される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ファイバが内部に配置されたボアスコープと、
装着システムと、
関節システムと、
ディスプレイを備えるコントローラと、を備える検査システムであって、
前記ボアスコープの近位端が前記装着システムに連結され、前記装着システムは前記検査システムを外部表面に固定するように構成され、前記装着システムは前記関節システムに連結され、前記関節システムは前記ボアスコープを作動させるように構成され、前記関節システムは前記コントローラに通信可能に連結されている、
前記検査システム。
【請求項2】
前記装着システムは、管状体、ロッド、クランプ、ヒンジ、ファスナ、及びそれらの任意の組み合わせを備える、請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記装着システムは、前記外部表面に対する前記検査システムの距離及び角度を調整するように構成される、請求項1に記載の検査システム。
【請求項4】
前記関節システムは、
第1の回転レバーと、
第2の回転レバーと、
ハンドルと、を備える、
請求項1に記載の検査システム。
【請求項5】
前記第1の回転レバーは、前記ボアスコープの遠位端の近傍の部分を、前記遠位端に対して水平面に沿って曲げるように作動させるように構成されている、請求項4に記載の検査システム。
【請求項6】
前記第2の回転レバーは、前記ボアスコープの遠位端の近傍の部分を、前記遠位端に対して垂直面に沿って曲げるように作動させるように構成されている、請求項4に記載の検査システム。
【請求項7】
前記ボアスコープの前記近位端が前記ハンドルに取り付けられており、前記第1の回転レバー及び前記第2の回転レバーが、前記ボアスコープの前記近位端から前記ハンドルの反対側に配置されている、請求項4に記載の検査システム。
【請求項8】
前記ボアスコープの遠位端に配置されたカバープレートをさらに備える、請求項1に記載の検査システム。
【請求項9】
カメラと、
作業チャネルと、
第1のライトと、
第2のライトと、
をさらに備える請求項8に記載の検査システム。
【請求項10】
前記第1のライト及び前記第2のライトの両方が前記カバープレート内に配置され、前記第1のライトは、前記カバープレートの前記第2のライトとは反対側の部分に配置される、請求項9に記載の検査システム。
【請求項11】
前記カメラは、前記第1のライトと前記第2のライトとの間に配置され、ある距離だけオフセットされ、前記カメラは前記コントローラに電気的に連結される、請求項9に記載の検査システム。
【請求項12】
前記作業チャネルは、前記第1のライトと前記第2のライトとの間に配置され、前記カメラの反対側にある距離だけオフセットされる、請求項11に記載の検査システム。
【請求項13】
管状体とピストンプランジャとをさらに備え、前記管状体は、前記作業チャネルの少なくとも一部の内面を覆うように前記作業チャネル内に配置され、前記ピストンプランジャは、ピストンヘッドとノブとを備え、前記ピストンプランジャは、前記管状体を通って並進するように構成されている、請求項9に記載の検査システム。
【請求項14】
真空アタッチメントをさらに備え、前記真空アタッチメントは、ポートカップリングと、空気供給カップリングと、封入カップリングとを備える、請求項1に記載の検査システム。
【請求項15】
機械的ツール、磁気的ツール、測定ツール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるツールをさらに備える、請求項1に記載の検査システム。
【請求項16】
検査システムを作動させる方法であって、
ボアスコープの遠位端の近傍の前記ボアスコープの少なくとも一部を、指定領域に挿入する段階と、
第1の回転レバー又は第2の回転レバーを用いて前記ボアスコープを作動させる段階と、
前記ボアスコープの前記遠位端に配置されたカメラを通して異物デブリの位置を表示する段階と、
前記異物デブリにシール材を塗布して前記異物デブリを前記位置に固定する段階と、
を含む、検査システムを作動させる方法。
【請求項17】
前記ボアスコープの少なくとも一部の作業チャネルの内面を管状体により覆う段階をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記シール材を、前記ボアスコープの前記遠位端で前記管状体に注入する段階をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記作業チャネルを通してピストンプランジャを変位させる段階をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
コントローラが、前記シール材を自動的に吐出するように構成される、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、検査装置に関し、より具体的には、航空機内に存在するデブリを検出して対処するための検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
FOD(Foreign Object Debris)は全ての航空機で懸念される問題である。FODは、航空機内で発見されずに放置されると、重大な損傷を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
各航空機の製造又は保守中にFODが置かれる可能性のある手の届きにくい場所が機体内にしばしば存在する。FODを検出し対処するための現在の方法は、複数のツールの使用を含む。これらの現在の方法は、複数の人及び長い時間を必要とすることが多く、FODを検出し対処する作業の効率を高める余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、システム及び方法は、異物デブリを除去又はシールするために検査システムを使用することを含む。検査システムは、複数の光ファイバが内部に配置されているボアスコープと、装着システムと、関節システムと、ディスプレイを備えるコントローラとを備え、ボアスコープの近位端が装着システムに連結され、装着システムは検査システムを外部表面に固定するように構成され、装着システムは関節システムに連結され、関節システムはボアスコープを作動させるように構成され、関節システムはコントローラに通信可能に連結される。
【0005】
本開示の理解を助けるために、添付図面と共に以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】特定の実施形態による検査システムの一例を示す。
【
図2】特定の実施形態による、
図1の検査システムのボアスコープの遠位端の一例を示す。
【
図3】特定の実施形態による、
図1の検査システムのボアスコープの遠位端の一例を示す。
【
図4】特定の実施形態による検査システムの一例を示す。
【
図5】特定の実施形態による検査システムの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示のより良い理解を促進するために、特定の実施形態の以下の例を示す。以下の例は、本開示の範囲を限定又は画定するために読まれるべきではない。本開示の実施形態及びその利点は、
図1から
図5を参照することによって最もよく理解される。ここで、同様の番号は同様の部分及び対応する部分を示すために使用されている。
【0008】
説明したように、航空機には異物デブリ(FOD)が存在する場合がある。潜在的な損傷を防ぐために、FODを検出及び/又は航空機から除去することは困難な場合がある。本明細書では、検査システムを使用することにより、検出、除去、シール、及びそれらの組み合わせの改善を提供する、様々なシステム及び方法を説明する。
【0009】
図1は、検査システム100の等角図である。検査システム100は、航空機内の任意のFODの存在を判定し、FODを除去し、FODを所定の位置にシールし、及びそれらの任意の組み合わせを行うように構成されるのがよい。実施形態では、検査システム100は、ボアスコープ105と、装着システム110と、関節システム115と、コントローラ120とを備えるのがよい。1つ以上の実施形態において、ボアスコープ105は、小さい及び/又はアクセスが困難な領域の近傍及び周囲を運動するように構成されるのがよい。ボアスコープ105は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの組み合わせであってもよい。実施形態では、ボアスコープ105は、管状体を備えるのがよく、管状体は、細長い円筒形の形状を有している。ボアスコープ105は、任意の適切な材料を備えることができる。限定されるものではないが、好適な材料は、金属、非金属、ポリマー、複合材料、及びそれらの任意の組み合わせであり得る。実施形態において、ボアスコープ105は、剛体であっても、可撓性であっても、又はそれらの組み合わせであってもよい。特定の実施形態では、ボアスコープ105の一部が可撓性であり、ボアスコープの残りの部分は剛体であってもよい。1つ以上の実施形態において、ボアスコープ105は、カメラ(例えば、
図2のカメラ210)などの光学装置と、複数の光ファイバとをさらに備えるのがよい。これらの実施形態では、複数の光ファイバは、管状体内に配置されてもよく、ボアスコープ105の遠位端125をコントローラ120に接続してもよく、光学装置は、ボアスコープ105の遠位端125に配置されてもよい。
【0010】
図示のように、ボアスコープ105の近位端130は、装着システム110に連結されるのがよい。実施形態では、装着システム110は、検査システム100を外部表面に固定するように構成されるのがよい。限定されるものではないが、装着システム110は、管状体、ロッド、クランプ、ヒンジ、ファスナ等の任意の適切な構成要素を含むことができる。実施形態では、装着システム110は、検査システム100を外部表面に対して任意の適切な距離及び/又は角度で固定するように調整可能であるのがよい。装着システム110は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの組み合わせとすることができる。装着システム110は、任意の適切な材料をさらに含むことができる。限定されるものではないが、好適な材料は、金属、非金属、ポリマー、複合材料、及びそれらの任意の組み合わせであり得る。実施形態において、装着システム110は、関節システム115に連結されるのがよい。
【0011】
関節システム115は、ボアスコープ105を作動させるように構成するのがよい。1つ以上の実施形態において、関節システム115は、第1の回転レバー135と、第2の回転レバー140と、ハンドル145とを備えるのがよい。第1の回転レバー135は、ボアスコープ105の遠位端125の近傍の部分を作動させて、遠位端125に対して水平面に沿って曲げるように構成されるのがよい。実施形態において、第2の回転レバー140は、ボアスコープ105の遠位端125の近傍の部分を作動させて、遠位端125に対して垂直面に沿って曲げるように構成されるのがよい。1つ以上の実施形態において、ボアスコープ105の遠位端125の近傍の部分は、航空機内の又は航空機の近傍の小さな領域で作動するために必要な任意の適切な長さを有するのがよい。限定されるものではないが、ボアスコープ105の遠位端125の近傍の部分の長さは、約1インチ(25.4ミリ)から約3インチ(76.2ミリ)、約3インチ(76.2ミリ)から約5インチ(127ミリ)、約5インチ(127ミリ)から約10インチ(254ミリ)、及びこれらの任意の組み合わせであるのがよい。実施形態では、ボアスコープ105の遠位端125の近傍の部分は、約5インチ(127ミリ)の長さを有するのがよい。遠位端125の近傍のボアスコープ105の部分は、屈曲して、遠位端125の初期位置を基準にして約120度以下の角度を形成するのがよい。限定するものではないが、遠位端125の近傍のボアスコープ105の部分は、遠位端の初期位置との間で、約0.5度~約45度、約45度~約90度、約90度~約120度、又はそれらの任意の組み合わせの角度を形成するのがよい。
【0012】
1つ以上の実施形態において、第1の回転レバー135及び/又は第2の回転レバー140は、コントローラ120を介して手動又は自動で作動されるのがよい。実施形態において、第1の回転レバー135及び第2の回転レバー140は、ボアスコープ105の遠位端125の近傍の部分を同時に及び/又は異なる時間に移動させるように作動されるのがよい。第1の回転レバー135及び第2の回転レバー140は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの組み合わせであるのがよい。実施形態において、第1の回転レバー135及び第2の回転レバー140は、同じ寸法を有するのがよい。他の実施形態では、第1の回転レバー135及び第2の回転レバー140は、異なる寸法を有するのがよい。
【0013】
1つ以上の実施形態において、第1の回転レバー135及び第2の回転レバー140は、ハンドル145に隣接して配置されるのがよい。これらの実施形態において、ボアスコープ105の近位端130は、ハンドル145に取り付けられるのがよく、第1の回転レバー135及び第2の回転レバー140は、近位端130とは反対側のハンドル145に配置されるのがよい。実施形態において、ハンドル145は、検査システム100を操作するときに、オペレータによって物理的に操作されるように構成されるのがよい。ハンドル145は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの組み合わせであるのがよい。ハンドル145は、任意の適切な材料を含むのがよい。限定されるものではないが、好適な材料は、金属、非金属、ポリマー、複合材料、及びそれらの任意の組み合わせであるのがよい。
【0014】
図示のように、ハンドル145は、コントローラ120に通信可能に連結されるのがよい。1つ以上の実施形態において、コントローラ120は、検査システム100又は検査システム100内の個々の構成要素を動作させるように構成されるのがよい。動作中、コンとローラ120は、ボアスコープ105の移動及び動作を制御するのがよい。1つ以上の実施形態において、コントローラ120は、1つ以上のインターフェース、処理回路、メモリ、及び/又は他の適切な要素を含むのがよい。実施形態では、インターフェースは、入力を受信し、出力を送信し、入力及び/又は出力を処理し、及び/又は他の適切な動作を実行する。インターフェースは、ハードウェア及び/又はソフトウェアを有するのがよい。実施形態において、コントローラ120は、ディスプレイ122をさらに備えるのがよく、ディスプレイ122は、検査システム100によって得られた情報をオペレータに表示するように構成されるのがよく、オペレータは、ディスプレイ122を介して検査システム100の特定の機能を制御することができるのがよい。限定するものではないが、オペレータは、ディスプレイ122を介して、写真を撮影し又はビデオを記録し、ボアスコープ105の近傍に配置されたライトを制御し(例えば、
図2のライト205)、記憶された写真及び/又はビデオにアクセスし、通信ネットワークへの接続を制御し、及びそれらの任意の組み合わせを行うのがよい。
【0015】
処理回路は、構成要素の動作を実行又は管理する。処理回路は、ハードウェア及び/又はソフトウェアを含むのがよい。処理回路の例は、1つ又は複数のコンピュータ、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、1つ又は複数のアプリケーションなどを含む。特定の実施形態では、処理回路は、ロジック(例えば命令)を実行して、入力から出力を生成するなどのアクション(例えば操作)を実行する。処理回路によって実行されるロジックは、1つ以上の有形の、一時的でないコンピュータ可読媒体(メモリなど)に符号化されてもよい。例えば、ロジックは、コンピュータプログラム、ソフトウェア、コンピュータ実行可能命令、及び/又はコンピュータによって実行可能な命令を含むのがよい。特定の実施形態では、実施形態の動作は、コンピュータプログラムを格納する、コンピュータプログラムで具現化される、及び/又はコンピュータプログラムで符号化される、及び/又は格納された及び/又は符号化されたコンピュータプログラムを有する、1つ以上のコンピュータ可読媒体によって実行されるのがよい。
【0016】
メモリ(又はメモリユニット)には情報が格納される。メモリは、1つ以上の一時的でない、有形の、コンピュータ読み取り可能な、及び/又はコンピュータ実行可能な記憶媒体を含むのがよい。メモリの例には、コンピュータメモリ(例えばRAMやROM)、大容量記憶媒体(例えばハード・ディスク)、リムーバブル記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)やデジタルビデオディスク(DVD))、データベース及び/又はネットワーク記憶装置(例えばサーバー)、及び/又は他のコンピュータ可読媒体が含まれる。
【0017】
ここで、コンピュータ読み取り可能な一時的でない記憶媒体は、1つ以上の半導体ベース又は他の集積回路(IC)(フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向けIC(ASIC)など)、ハードディスクドライブ(HDD)、ハイブリッドハードドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピーディスク、フロッピーディスクドライブ(FDD)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ(SSD)、RAMドライブ、SECURE DIGITALカード又はドライブ、その他の任意の適切なコンピュータ読み取り可能な一時的でない記憶媒体、又はこれらの2つ以上の任意の適切な組み合わせを適宜含むのがよい。コンピュータ読み取り可能な不揮発性記憶媒体は、適宜、揮発性、不揮発性、又は揮発性と不揮発性の組み合わせであってもよい。
【0018】
図2は、ボアスコープ105の遠位端125の実施形態を示す。図示のように、カバープレート200は、遠位端125に配置されるのがよい。カバープレート200は、ボアスコープ105の内部をシールし、遠位端125にさらなる構成要素を固定するのがよい。カバープレート200は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びその構成であるのがよい。実施形態において、カバープレート200は、ボアスコープ105の外径よりもわずかに大きい直径を有する円形断面を有するのがよく、ここで、カバープレート200とボアスコープ105との間には、少なくとも1%から約5%の公差がある。限定するものではないが、カバープレート200は、適切なファスナ、接着剤、ねじ切り、溶接、ロウ付け、及びそれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な手段によって、遠位端125に取り付けられてもよい。
【0019】
図示のように、カバープレート200は、第1のライト205A、第2のライト205B(ここでは、第1のライト205A及び第2のライト205Bの両方をまとめてライト205と呼ぶ)、カメラ210、及び作業チャネル215を含むのがよい。実施形態では、任意の適切なライトをライト205に使用することができる。1つ以上の実施形態では、ライト205は、ボアスコープ105を介して検査のために指定された領域に光を投影し、供給するように構成されるのがよい。実施形態では、ライト205は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの組み合わせであるのがよい。図示されるように、第1のライト205A及び第2のライト205Bの両方は、カバープレート200内に配置されるのがよい。特定の実施形態では、ライト205のうちの少なくとも1つが、カバープレート200内に配置されるのがよい。第1のライト205A及び/又は第2のライト205Bは、カバープレート200内の任意の適切な位置及び構成の近傍に配置されるのがよい。図示されるように、第1のライト205A及び第2のライト205Bは、一般に、カバープレート200の反対側の部分の近傍に配置されるのがよい。実施形態では、ライト205は、任意の適切な配線を使用してコントローラ120(
図1を参照)に電気的に連結されるのがよく、配線はボアスコープ105の内部に配置されるのがよい。
【0020】
カメラ210は、ライト205の近くのカバープレート200内に配置されるのがよい。実施形態では、カメラ210は、カバープレート200内の任意の適切な位置の近傍に配置されるのがよい。図示のように、カメラ210は、一般にライト205の間に配置されるのがよいが、ある距離だけオフセットされる。実施形態において、カメラ210は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの組み合わせであるのがよい。実施形態では、任意の適切なカメラをカメラ210に使用することができる。1つ以上の実施形態では、カメラ210は、ボアスコープ105を介して検査のための指定された領域内の情報を記録、捕捉、視覚的に表示、及びそれらの組み合わせを行うように構成されるのがよい。実施形態では、カメラ210は、任意の適切な配線(例えば、光ファイバケーブル)を使用してコントローラ120に電気的に連結されるのがよく、配線は、ボアスコープ105の内部に配置されるのがよい。動作中、カメラ210が動作するとき、ディスプレイ122(
図1を参照)は、情報、画像、ビデオなどをオペレータに視覚的に表示するのがよい。1つ以上の実施形態では、オペレータは、カメラ210によって発見されたあらゆる潜在的FODに対処するために、作業チャネル215をさらに利用することができる。
【0021】
図示されるように、作業チャネル215は、カバープレート200内のライト205の近くに配置されるのがよい。実施形態では、作業チャネル215は、カバープレート200内の任意の適切な位置の近傍に配置されるのがよい。図示されるように、作業チャネル215は、一般に、ライト205の間に配置されるが、一定の距離だけオフセットされ、カメラ210の反対側に配置されるのがよい。他の実施形態では、作業チャネル215は、カバープレート200の中心の近傍に配置されてもよく、ライト205及び/又はカメラ210は、作業チャネル215の近傍に適切な構成で配置されるのがよい。実施形態では、作業チャネル215は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの組み合わせであるのがよい。図示のように、作業チャネル215は、円形の断面を有するのがよい。1つ以上の実施形態において、作業チャネル215の断面は、その長さに沿って均一であるのがよい。代替実施形態では、作業チャネル215の断面は、その長さに沿って変化してもよい。実施形態では、作業チャネル215は、ボアスコープ105の長さに沿って延びる中空チャネルであるのがよい。限定するものではないが、作業チャネル215は、ツール又は構成要素を、ボアスコープ105の遠位端125又はその近くで動作させるために、ハンドル145(
図1参照)を通して導入できるように構成されてもよい。他の実施形態では、作業チャネル215は、遠位端125の近くの指定領域からボアスコープ105を通ってハンドル145までの流路を提供してもよい。
【0022】
図3は、動作中のボアスコープ105の遠位端125の一実施形態を示す。1つ以上の実施形態において、管状体300は、ボアスコープ105の作業チャネル215(
図2を参照)内に配置されるのがよい。これらの実施形態において、管状体300は、作業チャネル215の長さの内部を覆うのがよい。管状体300は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの組み合わせであるのがよい。管状体300はまた、任意の適切な材料を含むのがよい。限定されるものではないが、好適な材料は、金属、非金属、ポリマー、複合材料、及びそれらの任意の組み合わせであるのがよい。1つ以上の実施形態において、ポリオレフィンなどの熱収縮材料を管状体300に使用するのがよい。他の実施形態において、ポリエチレン及び他の同様のポリマーを管状体300に使用してもよい。実施形態において、ピストンプランジャ305を管状体300内に配置するのがよい。
【0023】
ピストンプランジャ305は、ピストンプランジャ305の遠位端315に配置されたピストンヘッド310を含むのがよい。ピストンプランジャ305及びピストンヘッド310は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの組み合わせであるのがよい。1つ以上の実施形態において、ピストンヘッド310は、一般に、管状体300の内周と同じ直径を有するのがよい。ピストンプランジャ305及びピストンヘッド310は、任意の適切な材料を含むのがよい。限定されるものではないが、好適な材料は、金属、非金属、ポリマー、複合材料、及びそれらの任意の組み合わせであるのがよい。実施形態では、ピストンプランジャ305は、ピストンヘッド310を管状体300を通って外まで並進させるように構成されるのがよい。作動中、シール材(図示せず)が管状体300の遠位部分内に配置されるのがよい。実施形態では、ピストンプランジャ305を作動させて、ピストンヘッド310をシール材に向けてその中に並進又は変位させ、シール材を管状体300の遠位端320から吐出させるのがよい。オペレータがFODを除去することができないときに、任意の潜在的FODを指定された領域内の適所にシールするために、ピストンプランジャ305とシール材との組み合わせを使用するのがよい。
【0024】
図4は、ピストンプランジャ305を有する検査システム100の実施形態を示している。図示のように、ハンドル145は、ポート400を備えるのがよく、ポート400は、作業チャネル215(
図2参照)へのアクセスを提供するのがよい。1つ以上の実施形態において、ピストンプランジャ305は、ポート400を介して作業チャネル215内に導入されるのがよい。作動中、オペレータは、ピストンプランジャ305の遠位端315(
図3を参照)をポート400内に挿入し、作業チャネル215を介してピストンプランジャ305の長さを供給するのがよい。実施形態において、ピストンプランジャ305の長さの一部は、最大でピストンプランジャ305の近位端405まで、作業チャネル215内に配置され得る。図示のように、ノブ410は、オペレータが使用するためにピストンプランジャ305の近位端405に配置されるのがよい。ノブ410は、ピストンプランジャ305を押し及び/又は引くために使用され、ピストンヘッド310(
図3参照)を同等の距離だけ並進又は変位させるのがよい。限定するものではないが、ピストンプランジャ305が作業チャネル215に挿入されるのがよいことが示されているが、任意の他の適切なツールが作業チャネル215と共に使用されてもよい。実施形態では、FODを物理的に得るために使用される機械的及び/又は磁気的ツールが、作業チャネル215の中に挿通されるのがよい。他の実施形態では、測定ツールが作業チャネル215の中に挿通されるのがよい。
【0025】
図2~
図4を参照すると、操作中に、オペレータは、ピストンプランジャ305を、ポート400を通って作業チャネル215内に挿入し、少なくとも部分的にカバープレート200から出すのがよい。実施形態では、管状体300は、ピストンプランジャ305の少なくとも一部分の上及び周囲に配置されるのがよい。限定するものではないが、管状体300をピストンプランジャ305に熱収縮させるために、管状体300に熱を加えるのがよい。実施形態では、管状体300に熱を加える任意の適切な方法、例えば、これに限定されないが、熱風ガンを用いることができる。オペレータは、管状体300を用いてピストンプランジャ305を作業チャネル215内に後退させて、管状体300が作業チャネル215の内部の少なくとも一部を覆うようにするのがよい。1つ以上の実施形態では、シール材が管状体300の遠位端320に注入されるのがよい。限定するものではないが、任意の適切なシール材を使用するのがよい。実施形態では、シール材は、厚い及び/又は粘性体であるのがよい。シール材が管状体300の一部内に配置されると、オペレータは、ピストンプランジャ305を作業チャネル215を介して移動させ、それにより、指定領域内の任意の潜在的FODの上にシール材を吐出するのがよい。実施態様において、FODは、シール材によって完全に包囲されるのがよく、その現在位置に固定さるのがよい。他の実施態様において、シール材は、FODがその現在位置に固定されている限り、FODを少なくとも部分的に覆うのがよい。1つ以上の実施形態において、オペレータは、ピストンプランジャ305を手動で作動させる。他の実施形態において、ピストンプランジャ305の作動は、コントローラ120を介して自動的に行われるのがよい(
図1参照)。
【0026】
図5は、真空アタッチメント500を備えた検査システム100の実施形態を示す。図示のように、真空アタッチメント500をハンドル145と第1の回転レバー135との間に配置するのがよい。真空アタッチメント500は、真空化手段(例えば、空気供給部)を検査システム100に連結するように構成するのがよく、検査システム100は、ボアスコープ105を介して指定領域内の任意の潜在的FODを真空化可能であるのがよい。真空アタッチメント500は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの組み合せであるのがよい。真空アタッチメント500は、任意の適切な材料を含むのがよい。限定されるものではないが、好適な材料は、金属、非金属、ポリマー、複合材料、及びそれらの任意の組み合わせであるのがよい。
【0027】
図示のように、真空アタッチメント500は、ポートカップリング505、空気供給カップリング510、及び封入カップリング515を備えるのがよい。ポートカップリング505は、ポート400を真空アタッチメント500に間接的に連結するように構成するのがよい。実施形態では、ポート400をポートカップリング505に連結するように、導管520をポート400とポートカップリング505の両方に取り付けるのがよい。ポートカップリング505は、真空アタッチメント500の底面に配置するのがよい。実施形態では、封入カップリング515は、真空アタッチメント500の上面に配置するのがよい。封入カップリング515は、外部コンテナ(図示せず)を真空アタッチメント500に連結するように構成するのがよく、外部コンテナは、真空化手段によって指定領域から除去されたあらゆる潜在的FODを受け取るのがよい。空気供給カップリング510は、真空アタッチメント500の側面に配置するのがよい。空気供給カップリング510は、任意の適切な空気供給部を、真空アタッチメント500を介して検査システム100に連結するように構成されるのがよい。1つ以上の実施形態では、任意の適切な及び/又は標準カップリングを、ポートカップリング505、空気供給カップリング510、及び封入カップリング515のいずれにも使用することができる。実施形態では、ポートカップリング505、空気供給カップリング510、及び封入カップリング515は、
図5の特定の構成で示されているが、ポートカップリング505、空気供給カップリング510、及び封入カップリング515のそれぞれは、真空アタッチメント500の近傍の任意の適切な位置に配置されるのがよい。限定するものではないが、ポートカップリング505、空気供給カップリング510、及び封入カップリング515のそれぞれは、オス又はメスのカップリングであるのがよい。
【0028】
本開示の技術的利点は、以下の1つ以上を含み得る。本明細書に記載の検査システム100は、指定領域を検査し、FODを除去し、FODをシールし、及びそれらの任意の組み合わせを行うのに必要な時間及び/又は工具の段取り(ツーリング)の量を低減することができる。ボアスコープ105は、航空機の周囲の到達しにくい領域にアクセスするように構成されるのがよく、ボアスコープ105が所定の位置にある間、真空引き、シール、機械的及び/又は磁気的把持、及びそれらの任意の組み合わせのいずれかの手段によって、あらゆる潜在的FODに対処することができる。
【0029】
本開示は、本明細書に開示された様々な実施形態及び実施例のそれぞれについて説明した様々な技術的利点などの多くの利点を提供し得る。他の技術的利点は、以下の図、説明及び特許請求の範囲から当業者には容易に明らかであろう。さらに、本開示において特定の利点が列挙されているが、様々な実施形態は列挙された利点の全て、一部、又は何れも含まなくてもよい。
【0030】
本明細書において、「又は」は、他に明示的に示されるか、又は文脈によって他に示されない限り、包括的であり、排他的ではない。したがって、本明細書において、「A又はB」は、特に明示的に示されない限り、又は文脈によって他に示されない限り、「A、B、又はその両方」を意味する。さらに、「及び」は、特に明示的に示されない限り、又は文脈によって他に示されない限り、共同及び各別の両方である。したがって、本明細書において、「A及びB」は、特に明示的に示されない限り、又は文脈によって他に示されない限り、「AとBと、共同して又は各別に」を意味する。
【0031】
本開示の範囲は、当業者が理解するであろう、本明細書に記載又は図示された例示的実施形態に対するすべての変更、置換、変形、改変、及び修正を含む。本開示の範囲は、本明細書に記載又は図示される例示的実施形態に限定されない。さらに、本開示は、特定の構成要素、エレメント、特徴、機能、動作、又はステップを含むものとして、本明細書においてそれぞれの実施形態を説明及び図示するが、これらの実施形態のいずれも、当業者が理解するであろう、本明細書の任意の場所に記載又は図示された任意の構成要素、エレメント、特徴、機能、動作、又はステップの任意の組み合わせ又は順列を含むことができる。さらに、添付の特許請求の範囲における、特定の機能を実行するように適合され、配置され、能力があり、構成され、可能にされ、動作可能であり、又は動作する装置又はシステムの構成要素への言及は、その装置、システム、構成要素が、そのように適合され、配置され、能力があり、構成され、可能にされ、動作可能にされ、又は動作する限り、その装置、システム、構成要素、又はその特定の機能が、起動されているか、オンにされているか、又はロック解除されているか否かにかかわらず、その装置、システム、構成要素を包含する。さらに、本開示は、特定の利点を提供する特定の実施形態を記載又は図示するが、特定の実施形態は、これらの利点の何れも提供しなくてもよく、一部又は全部を提供してもよい。
【符号の説明】
【0032】
100 検査システム
105 ボアスコープ
110 装着システム
115 関節システム
120 コントローラ
125 近位端
130 遠位端