(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022259
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】ホルダ
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20220127BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
G06F1/16 312K
G06F1/16 312G
H05K5/02 V
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189526
(22)【出願日】2021-11-22
(62)【分割の表示】P 2017241772の分割
【原出願日】2017-12-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ▲1▼平成29年8月23日 ウェブサイトのアドレス 「https://dynabook.com/press-release/20170823.html?_ga=2.243603973.1850269875.1514250721-891387179.1512008696」 (プレスリリース) [参考資料1] 「https://dynabook.com/business/mecd/index.html」 を通じて発表 [参考資料2] ▲2▼平成29年8月23日 ウェブサイトのアドレス 「http://us.toshiba.com/computers-tablets/laptops/dynaEdge/」 を通じて発表 [参考資料3] ▲3▼平成29年7月21日 働き方改革ソリューションセミナーのウェブサイトのアドレス 「https://dynabook.com/business/seminar/170825/index.html」 [参考資料4] 「https://dynabook.com/content/dam/pcs/jp/ja/dynabook-b2b/business/seminar/170825/pdf/mecd_tcs.pdf 」を通じて発表 [参考資料5] ▲4▼平成29年8月25日 働き方改革ソリューションセミナー ▲5▼平成29年11月9日及び10日 東芝オープンイノベーションフェア2017 [参考資料6]
(71)【出願人】
【識別番号】398058588
【氏名又は名称】Dynabook株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山森 健司
(72)【発明者】
【氏名】中野 昌則
(72)【発明者】
【氏名】チウ・ブラッド
(72)【発明者】
【氏名】リン・ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】リン・ウォルター
(57)【要約】
【課題】 複数の電子機器をディスプレイに取り付けるためのホルダを提供すること。
【解決手段】 実施形態によれば、第1電子機器と第2電子機器をディスプレイに取り付けるためのホルダは、前記ディスプレイに設けられた雌ねじ群に螺合される雄ねじ群のためのねじ通し孔群を有し、前記第1電子機器を収納するための第1ホルダ部と、前記第1ホルダ部に取り付けられ、前記第2電子機器を収納するための第2ホルダ部と、を具備する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電子機器と第2電子機器をディスプレイに取り付けるためのホルダであって、
前記ディスプレイに設けられた雌ねじ群に螺合される雄ねじ群のためのねじ通し孔群を有し、前記第1電子機器を収納するための第1ホルダ部と、
前記第1ホルダ部に取り付けられ、前記第2電子機器を収納するための第2ホルダ部と、
を具備するホルダ。
【請求項2】
前記第1ホルダ部、第2ホルダ部は、それぞれ第1係合部、第2係合部を具備し、
前記第1係合部と前記第2係合部は着脱可能に係合する請求項1記載のホルダ。
【請求項3】
前記第1ホルダ部は、
前記ねじ通し孔群を有する基板と、
前記基板の第1部分に形成され、前記第1電子機器を保持するための第1保持部と、
前記基板の第2部分に形成され、前記第1電子機器を保持するための第2保持部と、をさらに具備し、
前記第1保持部は、
前記基板から延びる一対の腕部と、
前記一対の腕部を連結し、前記基板とほぼ平行な連結板と、を具備し、
前記第1電子機器は前記基板、前記一対の腕部及び前記連結板により形成される挿入口を通して前記ホルダに挿入され、
前記第1電子機器は前記挿入口を通して前記ホルダから引き抜かれ、
前記第2保持部は、
前記基板から延びる第1底板と、
前記第1底板から延び前記基板とほぼ平行な前板と、を具備し、
前記前板は前記第1係合部を備える請求項2記載のホルダ。
【請求項4】
前記基板、前記一対の腕部、前記連結板、前記第1底板及び前記前板は一体形成される請求項3記載のホルダ。
【請求項5】
前記第2ホルダ部は、
保持板と、
前記第2電子機器の両側面を保持する一対の支持腕と、
前記第2電子機器の底面を支える第2底板と、を具備し、
前記保持板は、
前記第2係合部と、
前記第1ホルダ部の前記連結板に係合される係合片と、を具備する請求項3記載のホルダ。
【請求項6】
前記保持板、前記一対の支持腕及び前記第2底板は一体形成される請求項5記載のホルダ。
【請求項7】
前記ねじ通し孔群は前記基板の四隅に形成される4個のねじ通し孔からなる請求項3記載のホルダ。
【請求項8】
前記ディスプレイには第1サイズのVESA(Video Electronics Standards Association)規格マウントに従った第1雌ねじ群及び/又は第2サイズのVESA規格マウントに従った第2雌ねじ群が形成され、
前記基板には前記第1雌ねじ群のための第1ねじ通し孔群及び/又は前記第2雌ねじ群のための第2ねじ通し孔群が形成される請求項3記載のホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器をディスプレイに取り付けるためのホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
小型の電子機器、例えばパーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)をディスプレイに取り付けて使用する場合がある。ディスプレイの背面には例えばスタンド又は支柱を取り付けるためのマウントが設けられている。PCを直にディスプレイに取り付けることは困難であるので、PCが取り付け可能又はPCを収納可能なホルダをマウントに取り付けることがある。一般に、小型のPCは外部機器との接続のためのインターフェースポートの種類が少ないため、インターフェースの種類を拡張するためのポート拡張アダプタを小型PCに接続して使用することがあるが、これらをまとめてディスプレイに装着する有用な手段がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-102746号公報
【特許文献2】特開2010-218525号公報
【特許文献3】特開2004-258934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PC等の電子機器をディスプレイに取り付けるための従来のホルダは、前記小型PC等の電子機器に加え、この小型PCの使用に必要なポート拡張アダプタ等の他の電子機器も併せてディスプレイに取り付けることはできない。
【0005】
本発明の目的は、複数の電子機器をディスプレイに取り付けるためのホルダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、第1電子機器と第2電子機器をディスプレイに取り付けるためのホルダは、
前記ディスプレイに設けられた雌ねじ群に螺合される雄ねじ群のためのねじ通し孔群を有し、前記第1電子機器を収納するための第1ホルダ部と、
前記第1ホルダ部に取り付けられ、前記第2電子機器を収納するための第2ホルダ部と、
を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態のホルダを用いてモバイルPCとアダプタをディスプレイに取り付ける態様の一例を示す分解斜視図である。
【
図4】第1実施形態のホルダを用いてモバイルPCとアダプタがディスプレイに取り付けられた状態の一例を示す斜視図である。
【
図5】第2実施形態のホルダを用いてモバイルPCとアダプタをディスプレイに取り付ける態様の一例を示す分解斜視図である。
【
図6】モバイルPCが取り付けられる第1ホルダ部の一例をディスプレイ側から見た背面図である。
【
図8】第1ホルダ部が第2ホルダ部に取り付けられた状態の一例をディスプレイ側から見た斜視図である。
【
図9】第2実施形態のホルダを用いてモバイルPCとアダプタがディスプレイに取り付けられた状態の一例を示す斜視図である。
【
図10】応用例の一例として実施形態のホルダをリセスタイプのVESAマウントを有するディスプレイに取り付ける態様の一例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について図面を用いて説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
【0009】
本発明の実施形態によるホルダを用いてディスプレイに取り付けられる電子機器の一例は小型で携帯可能なモバイルPCを含む。モバイルPCは小型化及び携帯性の向上のため及び/又はユーザの使い方の自由度を高めるために、ディスプレイやハードウェアキーボードを備えないものがある。例えば、モバイルPCをウェアラブル機器とともに使用する又はモバイルPCをウェアラブル機器として使用する場合、ハードウェアキーボードは不要である。モバイルPCをメガネ型ウェアラブル端末と接続して使用する場合、ディスプレイは不要である。このようなモバイルPCにハードウェアキーボード、ディスプレイを接続してモバイルPCをデスクトップ型PCとして使用する場合もある。この場合、モバイルPCをディスプレイの背面に取り付けると、省スペースのデスクトップ型PCが実現される。なお、ハードウェアキーボードに限らず、ディスプレイの画面に表示されるソフトウェアキーボードを使用してもよい。
【0010】
モバイルPCは小型化の要求等により外部接続のためのインターフェースが限られており、例えば、USBtype-C(登録商標)コネクタは備えるが、HDMI(登録商標)コネクタは備えないものがある。この場合、HDMIコネクタや有線LANコネクタ等を備えるポート拡張アダプタをモバイルPCのUSBtype-Cコネクタに接続し、モバイルPCからUSBtype-Cケーブルを介して映像信号をポート拡張アダプタに伝送し、ポート拡張アダプタのHDMIコネクタから映像信号をディスプレイに伝送することができる。このように、モバイルPCのみならずポート拡張アダプタもディスプレイの背面に取り付けると、さらに省スペースで操作性のよいデスクトップ型PCが実現される。
【0011】
電子機器は小型のモバイルPCに限られないが、ここでは一例としてモバイルPCとポート拡張アダプタをディスプレイに取り付けるためのホルダの実施形態を説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1~
図4を参照して第1実施形態のホルダを説明する。
図1は第1実施形態のホルダを用いてモバイルPCとアダプタをディスプレイに取り付ける態様の一例を示す分解斜視図である。
図2はホルダの一例の正面を示す図である。
図3はホルダの一例を示す側面図である。
図4はホルダを用いてモバイルPCとアダプタがディスプレイに取り付けられた状態の一例を示す斜視図である。
【0013】
図1に示すように、モバイルPC100とポート拡張アダプタ102が取り付けられるホルダ10は、ディスプレイ12の背面13に4本の雄ねじ15によって固定される。ディスプレイ12の正面17は画像表示を行う表示面となっている。ディスプレイ12を背面から見た場合の右方向をX方向とし、上方向をY方向とし、奥行き方向をZ方向とする。ディスプレイ12は、例えば液晶表示装置であるが、これに限らず有機ELディスプレイ等でもよい。
【0014】
モバイルPC100の外観は、幅が約10cm以下、高さが約20cm以下、厚さが2cm程度の薄い直方体形状であり、重量は約300g程度である。このため、モバイルPC100は作業着のポケット、ベルトに装着されるホルスターあるいはショルダーケースに収納することにより携帯可能である。
【0015】
モバイルPC100はCPUや半導体メモリ等の半導体チップやSSD(Solid State Disk)等のストレージデバイスを収納するが、ディスプレイとハードウェアキーボードは備えない。モバイルPC100の正面中央には指紋センサ108が設けられる。指紋センサ108はモバイルPC100のログイン時のユーザ認証のために用いられる。指紋センサ108とモバイルPC10の長手方向の一端との間に5ボタン106が設けられる。5ボタン106は中央に配置された決定ボタンと、その上下左右に配置された4つのボタンからなる。5ボタン106はハードウェアキーボードが接続されていない時にコマンド等を入力するために用いられる。なお、5ボタン106を数字に割り当て、パスワードを入力することにより、ログイン時のユーザ認証を行ってもよく、指紋センサ108は省略可能である。図示しないが、モバイルPC100の電源はACアダプタから供給してもよいし、充電電池から供給してもよい。
【0016】
図示しないが、モバイルPC100の裏面2か所に2本の雌ねじが形成され、2本の雄ねじ40がホルダ10を介してモバイルPC100の雌ねじに螺合されることにより、モバイルPC100はホルダ10に固定される。このため、ホルダ10は2本の雄ねじ40が挿入される2個のねじ通し孔42、48を備える。モバイルPC100は5ボタン106が上となる向きでホルダ10に取り付けられる。ホルダ10の取り付け向きは
図2、
図3を参照して後述する。モバイルPC100の長手方向の一端であり、5ボタン106に近い端部の側面にはUSBtype-Cコネクタ112が設けられる。
【0017】
詳細は
図2、
図3を参照して説明するが、ホルダ10はポート拡張アダプタ102を収納する収納部を有し、収納部の一端は開口され、挿入口となる。ポート拡張アダプタ102は挿入口を介して収納部に挿入されたり、挿入口を介して収納部から引き出されたりする。ポート拡張アダプタ102の一端からUSBtype-Cケーブル104が引き出されている。ポート拡張アダプタ102を収納するホルダ100はUSBtype-Cケーブル104が上側となるようにディスプレイに取り付けられる。
図4に示すように、USBtype-Cケーブル104の先端のコネクタがモバイルPC100のUSBtype-Cコネクタ112と接続される。ホルダ10に収納された状態でディスプレイ12に取り付けられた際にディスプレイ背面から見て右側又は左側となるポート拡張アダプタ102の側面(
図1の例では左側面)にHDMIコネクタ114、USB3.0(登録商標)コネクタ、有線LANコネクタ等が設けられる。HDMIコネクタ114はHDMIケーブル116を介してディスプレイ12の背面に設けられたHDMIコネクタ118に接続される。
【0018】
ディスプレイ12の背面にはVESA(Video Electronics Standards Association)規格によってねじの孔径、ピッチ、耐荷重、固定面のサイズ等が定められたVESAマウント部29が設けられている。VESAの規格では、ねじの配置に関するサイズは2種類ある。雌ねじは正方形の四隅に対応した位置に形成され、正方形のサイズは100mm×100mmの第1サイズと75mm×75mmの第2サイズを含む。第1サイズの正方形と第2サイズの正方形は中心が同じである。VESAマウント部29は1種類のサイズに対応すればよいが、2種類のサイズに対応するように2種類の雌ねじが形成されたものがある。
図1は、VESAマウント部29には100mm×100mmの正方形の四隅に対応する位置に設けられた4本の雌ねじ30と、75mm×75mmの正方形の四隅に対応する位置に設けられた4本の雌ねじ32が形成されている例を示す。VESAマウント部29に2種類のサイズがあるので、ホルダ10を両サイズに対応するように構成する場合、ホルダ10にもVESAマウント部29の4本の雌ねじ30に対応する4箇所にねじ通し孔26が形成され、4本の雌ねじ32に対応する4箇所にねじ通し孔28が形成される。2本の雄ねじ40によりモバイルPC100が固定されたホルダ10は4本の雄ねじ15によりVESAマウント部29に固定される。
図1は雄ねじ15を第1サイズの雌ねじ30に螺合させる例を示すが、第2サイズの雌ねじ32に螺合させてもよい。
【0019】
ホルダ10をディスプレイ12の背面に固定した後、ホルダ10のアダプタ収納空間にポート拡張アダプタ102を
図1の矢印に示すように上方から差し入れる。これにより、ホルダ10を用いてモバイルPC100とポート拡張アダプタ102がディスプレイ12に取り付けられる。しかも、ポート拡張アダプタ102は着脱自在に取り付けられる。
【0020】
ホルダ10の詳細を、
図2、
図3を参照して説明する。ホルダ10は、樹脂等により一体として形成された基板14と上部保持部16と下部保持部18とからなる。基板14と上部保持部16と下部保持部18で囲まれた空間がポート拡張アダプタ102を収納する収納部である。上部保持部16は開放部を形成し、開放部を通してポート拡張アダプタ102が収納部に挿入されたり、収納部から引き出されたりする。ホルダ10又は基板14のディスプレイ12側の面を裏面、その逆側の面を正面又は前面と称する。
【0021】
基板14はおおむね平板状であり、基板14の上下左右の四隅に先端が半円形に形成された舌片20を有している。基板14の上縁22は上部の左右両側の舌片20の上端と同一の高さに設定され、下縁24は下部の左右両側の舌片20の下端と直線状に連続している。
【0022】
基板14の各舌片20には、VESAマウント部29の4本の雌ねじ30又は32に螺合される4本の雄ねじ15を通すための4個のねじ通し孔26又は28が設けられている。基板14の4個のねじ通し孔26はVESA規格の第1サイズに従って配置され、4個のねじ通し孔28はVESA規格の第2サイズに従って配置されている。具体的には、基板14の4か所の各舌片20に設けられた4個のねじ通し孔26は100mm×100mmの正方形の四隅に配置され、4個のねじ通し孔28は75mm×75mmの正方形の四隅に配置されている。
【0023】
図2に示すように、基板の左右方向の中央部(基板中央部)19の上下方向の略中央には、基板14からわずかに突出した2つのガイド板(突起)34が離間して設けられている。2つのガイド板34は、ポート拡張アダプタ102の横幅に対応した間隔で設けられ、ポート拡張アダプタ102を左右で保持するとともにポート拡張アダプタ102の着脱をスムーズに行うために設けられる。
【0024】
前記上部保持部16は、基板14の上部の左右両側から前方に突出した一対の腕部36と、左右の腕部36を連結する平板状の連結板38とを備えている。腕部36は基板14に対してほぼ垂直であり、連結板38は基板14とほぼ平行である。椀部36と連結板38は一体形成される。
図1に矢印で示すように、ポート拡張アダプタ102は、基板14、腕部36、及び連結板38により形成される挿入口を通してホルダ10に挿入したり、ホルダ10から引き抜いたりできるようになっている。挿入口のサイズはポート拡張アダプタ102の断面サイズに対して多少余裕を持ったサイズとする。上部保持部16の連結板38には、モバイルPC100に設けられた雌ねじに螺合される雄ねじ40を通すためのねじ通し孔42が設けられている。
【0025】
前記下部保持部18は、基板14の下部から前方に突出した底板44と、底板44から立ち上がり、基板14の上方に基板14面に対してほぼ平行に延在する前板46とを備えている。基板14、底板44、及び前板46によりポート拡張アダプタ102を縦に収納するための収納部が形成される。上部保持部16の挿入口を通して挿入されたポート拡張アダプタ102の下端は底板44で受け止められる。
【0026】
前板46の上部には、モバイルPC100に設けられた雌ねじに螺合される雄ねじ40(
図1参照)を通すためのねじ通し孔48が設けられている。ねじ通し孔48はねじ部49の中心に設けられている。連結板38に設けられたねじ通し孔42と前板46に設けられたねじ通し孔48の間隔はモバイルPC100に設けられた雌ねじの間隔に等しい。
【0027】
なお、前板46には係合片47も形成されているが、これは第2実施形態において用いられるものであり、本第1実施形態では使用しないため、ここでの説明は省略する。
【0028】
次に、第1実施形態のホルダ10を用いてモバイルPC100とポート拡張アダプタ102をディスプレイ12に取り付ける手順の一例について説明する。先ず、ホルダ10の連結板38と前板46に設けられているねじ通し孔42、48に2本の雄ねじ40を通し、2本の雄ねじ40をモバイルPC100に設けられている2本の雌ねじに螺合させる。これにより、モバイルPC100がホルダ10に固定される。
【0029】
モバイルPC100がホルダ10に固定されたら、ホルダ10の舌片20に設けられているねじ通し孔26又は28に4本の雄ねじ15を通し、4本の雄ねじ15をディスプレイ12に設けられているVESAマウント部29の4本の雌ねじ30又32に螺合させる。
図1は、第1サイズの雌ねじ30に螺合させる例を示すが、第2サイズの雌ねじ32に螺合させてもよい。
【0030】
これにより、ホルダ10がディスプレイ12に固定されるとともに、ホルダ10を介してモバイルPC100がディスプレイ12の裏面13に固定される。そして、ディスプレイ12に固定されたホルダ10の上部保持部16の開放部を介してポート拡張アダプタ102を基板14と上部保持部16と下部保持部18で囲まれた収納部に挿入する。ポート拡張アダプタ102は、USBtype-Cケーブル104が上になるように収納部に挿入される。
【0031】
上部保持部16の開放部を介して収納部に挿入されたポート拡張アダプタ102の下部が下部保持部18の底板44に当接すると、ポート拡張アダプタ102は前板46と基板14で挟まれた状態で、上部保持部16と下部保持部18とによりホルダ10に確実に保持される。
【0032】
ポート拡張アダプタ102がホルダ10に保持されたら、USBtype-Cケーブル104をモバイルPC100のUSBtype-Cコネクタ112に差し込み、ポート拡張アダプタ102とモバイルPC100とを接続させる。さらに、ポート拡張アダプタ102のHDMIコネクタ114とディスプレイ12の背面に設けられたHDMIコネクタ118とをHDMIケーブル116を介して接続し、モバイルPC100をディスプレイ12に接続させる。この状態を
図4に示す。
【0033】
以上説明したように、第1実施形態によれば、モバイルPC100とその付属品であるポート拡張アダプタ102をディスプレイ12に取り付けることができるホルダ10が提供される。ポート拡張アダプタ102はディスプレイ12の背面とモバイルPC100の裏面とにより前後から挟まれるので、ホルダ10のポート拡張アダプタ102の収納部は前後方向に関して保持する機構は上部保持部16と下部保持部18とガイド板34のみでよいので、構成が簡単である。モバイルPC100はホルダ10の内側からねじ止めされホルダ10に固定されるので、ホルダ10からモバイルPC10を容易に取り外しにくい構造としている。これにより、小型モバイルPC100が取り外され盗難されたりすること等からの一定の抑止効果が期待できる。
【0034】
ポート拡張アダプタ102は、ホルダ10にねじにより固定されておらず、上部保持部16、下部保持部18、及びガイド板34により規定される空間内に収納されているだけであるので、ホルダ10から容易に取り外すことができ、本モバイルPC100を使用しない時にポート拡張アダプタ102を他の機器に接続して使用することができる。あるいは、アプリケーションプログラムにより画面にソフトウェアキーボードを表示させる場合、不要なポート拡張アダプタ102を取り外すことができる。
【0035】
(第2実施形態)
図5~
図9を参照して第2実施形態のホルダを説明する。
図5は第2実施形態のホルダを用いてモバイルPCとアダプタをディスプレイに取り付ける態様の一例を示す分解斜視図である。
図6はモバイルPCが取り付けられる第1ホルダ部の一例をディスプレイ側から見た背面図である。
図7は第1ホルダ部の一例の側面図である。
図8は第1ホルダ部が第2ホルダ部に取り付けられた状態の一例をディスプレイ側から見た斜視図である。
図9は第2実施形態のホルダを用いてモバイルPCとアダプタがディスプレイに取り付けられた状態の一例を示す斜視図である。
【0036】
図5に示すように、第2実施形態のホルダ202は第1実施形態のホルダ10(第2実施形態では第1ホルダ部10Aと称する)と第2ホルダ部50とを備える。第2ホルダ部50はモバイルPC100を着脱自在に収納するためのものであり、第1ホルダ部10Aの正面側に着脱自在に取り付けられる。第2実施形態の第1ホルダ部10Aは第1実施形態のホルダと同じでもよいが、連結板38のねじ通し孔42と前板46のねじ通し孔48は使わないので、省略してもよい。また、第1実施形態のホルダ10では使用されない係合片47は、第2実施形態では第2ホルダ部50を第1ホルダ部10Aに着脱自在に取り付けために使われる。
【0037】
図6、
図7、
図8に示すように、第2ホルダ部50は保持板52と、保持板52
の下部に設けられた左右一対の支持腕54及び保持板52の下部から前方に突出した底板56とを備えている。保持板52と支持腕54と底板56は一体形成される。保持板52は、概ね平板状でほぼ四角形の外形を有し、中央部分に窓部58が設けられている。
【0038】
図6、
図7、
図8に示すように、第2ホルダ部50の裏面53の上部には、側面視で鉤状の第1係合部60が設けられている。第1係合部60は、保持板52の上部で裏面側に延びる上板62と、上板62の後端に設けられ下方に延びる下板64とを有し、これにより鉤状を形成している。下板64と保持板52との間隔は、第1ホルダ部10Aに設けられている連結板38の前後方向の厚みに対応している。
【0039】
窓部58は、保持板52の左右方向の中央部の上下方向の上部に形成されている。窓部58の上部左右両側には所定の高さのガイド板66が設けられている。ガイド板66は、保持板52の裏面53にほぼ垂直に設けられ、背面視で下方に広がるように湾曲している。ガイド板66の上端の左右の間隔a1は、第1ホルダ部10Aの連結板38の左右の幅に対応している。
【0040】
窓部58の下方には、ねじ部押さえ68が設けられている。ねじ部押さえ68は、第1ホルダ部10Aの前板46に設けられたねじ通し孔48を中心とするねじ部49に対応して形成されている。
【0041】
ねじ部押さえ68の下方に第2係合部70が設けられている。第2係合部70は、中央に隙間を開けて左右に対向して設けられる2つの縦片72により形成される。縦片72の間の間隙は第1ホルダ部10Aの下部保持部18の前板46に形成された係合片47(
図2参照)に対応して設けられている。
【0042】
係合片47は、
図2に示すように、前板46の左右方向の中央位置に縦方向に設けられている。また、係合片47は、上部と下部とで横幅が異なり、上部の横幅が第2係合部70の縦片72の間隙の幅より若干狭く、下部の横幅が第2係合部70の横幅より狭く、かつ縦片72の間隙の幅より広く形成されている。さらに、係合片47は、前後方向の厚みが第2係合部70の縦片72と保持板52との前後方向の間隔より若干薄く形成されている。
【0043】
第2ホルダ部50の支持腕54は保持板52の左右にモバイルPC100の横幅に対応した間隔で設けられる。支持腕54は保持板52から前方に延び、内側に屈曲した押さえ部74が先端に形成されている。押さえ部74はモバイルPC100の厚みに対応した所定の高さを有する。これにより、左右の支持腕54の間に配置したモバイルPC100が支持腕54に支持される。
【0044】
底板56は保持板52の下端から前方に向かって所定長さ延びている。左右の支持腕54の間の空間に収納されたモバイルPC100の下面が底板56に当接し、モバイルPC100は下方から底板56により支持される。
【0045】
次に、第2実施形態のホルダ202を用いて、モバイルPC100とポート拡張アダプタ102をディスプレイ12に取り付ける手順の一例について説明する。先ず、
図5、
図9に示すように、第1ホルダ部10Aを雄ねじ15によりディスプレイ12の裏面13のVESAマウント部29に固定する。第1ホルダ部10Aをディスプレイ12に固定した後、第2ホルダ部50の第1係合部60を第1ホルダ部10Aの連結板38の上部に掛け、同時に第2係合部70を第1ホルダ部10Aの係合片47に嵌める。これにより、第2ホルダ部50が第1ホルダ部10Aに装着される。この後、モバイルPC100を第2ホルダ部50に装着し、ポート拡張アダプタ102を第1ホルダ部10Aに挿入する。これにより、ポート拡張アダプタ102とモバイルPC100がホルダ202によりディスプレイ12に取り付けられる。なお、第2ホルダ部50を上にずらし、第2係合部70と係合片47との係合を解除することにより第2ホルダ部50を第1ホルダ部10から取り外すことができる。
【0046】
以上説明したように、第2実施形態によっても、モバイルPC100とその付属品であるポート拡張アダプタ102をディスプレイ12に取り付けることができるホルダ202が提供される。ポート拡張アダプタ102は、第1ホルダ部10Aから容易に取り外すことができ、本モバイルPC100を使用しない時にポート拡張アダプタ102を他の機器に接続して使用することができる。
【0047】
さらに、ホルダ202はポート拡張アダプタ102を収納する第1ホルダ部10AとモバイルPC100を収納する第2ホルダ50とが別体であり、第1ホルダ部10Aのみをディスプレイに取り付けることができる。そのため、第1実施形態ではモバイルPC100の横幅がVESA規格のサイズより大きい場合、モバイルPC100の存在によりネジ15をねじ通し孔26に通すことができない。しかし、第2実施形態によれば、モバイルPC100の横幅がVESA規格のサイズより大きくても、第1ホルダ部10Aのみをディスプレイに取り付けることができるので、横幅の大きいモバイルPC100でも取り付け可能である。第1実施形態ではモバイルPC100はねじによりホルダ10に固定されるが、第2実施形態ではモバイルPC100は第2ホルダ部50に対して着脱自在に収納される。そのため、1つのディスプレイに取り付けられたホルダ202からモバイルPC100を外して、他の用途に使用することができる。さらに、ディスプレイの台数よりもモバイルPCの台数が少ない場合、使用していないディスプレイに取り付けられているホルダ202の第1ホルダ部10Aから第2ホルダ部50ごとモバイルPC100を外して、他のディスプレイに取り付けられたホルダ202の第1ホルダ部10Aに装着させることもできる。これにより、1台のモバイルPC102を複数のディスプレイ12に対して兼用させることができる。
【0048】
なお、第1係合部60と第2係合部70により第2ホルダ部50を第1ホルダ10部に対して上下方向で係合させたが、第1係合部60と第2係合部70の係合の仕方はこれに限られるものではなく、第2ホルダ部50を左右方向で第1ホルダ10部に係合させるようにしてもよい。
【0049】
第2実施形態では、モバイルPC100は第2ホルダ部50に着脱自在に装着され、第1実施形態のように雄ねじ40(
図1参照)により第1ホルダ部10Aに取り付けられるのではないので、モバイルPC100に雌ねじを設ける必要がない。
【0050】
(応用例)
第1、第2実施形態はフラットタイプのVESAマウントを例にとり説明したが、VESAマウントの種類には、ディスプレイの背面から盛り上がっている凸部に形成されるレイズドタイプやディスプレイの背面から凹んでいる凹部に形成されるリセスタイプもある。
図10は第2実施形態のホルダ202をリセスタイプのVESAマウントを有するディスプレイ12Aに取り付ける態様の一例を示す。ディスプレイ12Aの裏面13の中央に凹部21が設けられ、凹部21の底面にリセスタイプのVESAマウント部29Aが設けられている。ホルダ202をVESAマウント部29Aに取り付ける際、第2実施形態で使われた雌ねじ31の代わりに脚付き雌ねじ31Aが用いられる。
【0051】
脚付き雌ねじ31Aは、凹部21の深さと等しい長さの脚を有し、脚付き雌ねじ31AをVESAマウント部29Aの雌ねじ30に螺合させると、脚付き雌ねじ31Aの雌ねじの頂面の高さがディスプレイ12の凹部21以外の裏面13の高さと同一になる。このような脚付き雌ねじ31Aを用いることにより、リセスタイプのVESAマウントを有するディスプレイ12Aに対しても第2実施形態のホルダ202を取り付けることができる。なお、第2実施形態に限らず、第1実施形態のホルダ10も同様にリセスタイプのVESAマウントを有するディスプレイ12Aに対して取り付け可能である。
【0052】
レイズドタイプのVESAマウントを有するディスプレイに対するホルダの取り付け方は
図1~
図9を参照して説明した第1、第2実施形態の取り付け方と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
10…ホルダ、12…ディスプレイ、14…基板、15、40…雄ねじ、16…上部保持部、18…下部保持部、20…舌片、26、28…ねじ通し孔、30、32…雌ねじ、34…ガイド板、36…腕部、38…連結板、42、48…ねじ通し孔、44…底板、46…前板、47…係合片、10A…第1ホルダ部、50…第2ホルダ部、100…モバイルPC、102…ポート拡張アダプタ。