(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022268
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】人工ラッシュエクステンション
(51)【国際特許分類】
A41G 5/02 20060101AFI20220127BHJP
【FI】
A41G5/02
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021190026
(22)【出願日】2021-11-24
(62)【分割の表示】P 2019504850の分割
【原出願日】2017-07-27
(31)【優先権主張番号】62/368,116
(32)【優先日】2016-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518343176
【氏名又は名称】ラシフィ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ロッティ サハラ
(57)【要約】
【課題】互いに連結された人工睫毛の多数のクラスタを有するラッシュフュージョン部を提供する。
【解決手段】例えばホットメルト法を用いて、当初、人工睫毛のクラスタを形成し、このホットメルト法では、熱源への暴露に続き人工毛を互いに固定する。次に、多数のクラスタを次々に連結してラッシュフュージョン部を形成するのが良い。例えば、ラッシュフュージョン部は、直線状に互いに連結された3個のクラスタを含む場合がある。多数のラッシュフュージョン部を互いに連結して、互いの近くに配置して組を形成するのが良い。幾つかの実施形態では、多数のラッシュフュージョン部を組の形がまぶたのタイトラインの曲率に一致するよう位置決めする。次に、接着剤を組中の各ラッシュフュージョン部の頂部に塗布するのが良く、それにより個々人が組をその人の生まれつきの睫毛の下側に(すなわち、ラッシュラインの下のまぶたの下側の近くに)直接容易に付けることができる。
【選択図】
図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラッシュフュージョン部であって、
互いに連結された人工睫毛の多数のクラスタを有し、人工睫毛の各クラスタは、少なくとも10本かつ20本以下の毛を含む、ラッシュフュージョン部。
【請求項2】
前記人工睫毛の多数のクラスタのうちの少なくとも何割かの頂側部のところに被着された接着剤層を更に有し、
前記接着剤層により、前記ラッシュフュージョン部を個々人の生まれつきの睫毛の下側に付けることができる、請求項1記載のラッシュフュージョン部。
【請求項3】
前記人工睫毛の多数のクラスタは、合わせて少なくとも20本かつ90本以下の毛を含む、請求項1記載のラッシュフュージョン部。
【請求項4】
前記人工睫毛の多数のクラスタは、直線状の人工睫毛を形成するようヒートシールプロセス中に一端部のところが互いに融着されている、請求項1記載のラッシュフュージョン部。
【請求項5】
前記人工睫毛の多数のクラスタのうちの各クラスタは、個人の生まれつきの睫毛の下側に付けられるべきベース端部から少なくとも1.5mmかつ2.5mm以下のところで互いに融着されている人工睫毛を十字交差させることによって隣のクラスタに連結される、請求項4記載のラッシュフュージョン部。
【請求項6】
前記人工睫毛は、合成材料で構成されている、請求項1記載のラッシュフュージョン部。
【請求項7】
前記合成材料は、アクリル樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、またはポリエステルである、請求項6記載のラッシュフュージョン部。
【請求項8】
前記人工睫毛は、天然材料で構成されている、請求項1記載のラッシュフュージョン部。
【請求項9】
前記天然材料は、シルクまたはミンクの毛である、請求項8記載のラッシュフュージョン部。
【請求項10】
請求項1記載のラッシュフュージョン部を作製する方法であって、前記方法は、
人工睫毛の多数のクラスタを形成するステップと、
前記多数のクラスタを互いに連結してラッシュフュージョン部を形成するステップと、
第1の接着剤を前記ラッシュフュージョン部の頂側部に塗布し、それにより前記ラッシュフュージョン部を個々人の生まれつきの睫毛の下側に付けることができるようにするステップとを含む、方法。
【請求項11】
前記人工睫毛の前記多数のクラスタのうちの各クラスタは、
毛の一端部を第1の熱源に曝すことによって多数の人工睫毛を前記一端部に沿って互いに融着させることによって形成される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記多数のクラスタを互いに連結して前記ラッシュフュージョン部を形成する前記ステップは、
各クラスタを隣のクラスタとオーバーラップさせるステップと、
十字交差している人工睫毛を第2の熱源に曝して前記十字交差している人工睫毛が前記個々人の生まれつきの睫毛の前記下側に付けられるべきベース端部から少なくとも1.5mmかつ2.5mm以下のところで互いに融着されるようにするステップとを含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記人工睫毛は、天然材料で構成されている、請求項10記載の方法。
【請求項14】
前記連結ステップは、第2の接着剤を用いて前記多数のクラスタを互いに糊付けするステップを含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記第2の接着剤を硬化させるようになった硬化組立体に前記ラッシュフュージョン部を曝すステップを更に含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記人工睫毛は、合成材料で構成されている、請求項10記載の方法。
【請求項17】
前記連結ステップは、各クラスタ内の少なくとも何本かの人工睫毛の部分融解を生じさせるのに十分な温度まで前記多数のクラスタを加熱するステップを含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記ラッシュフュージョン部は、少なくとも3個かつ10個以下のクラスタを含む、請求項10記載の方法。
【請求項19】
1組のラッシュエクステンションを利用者に付ける方法であって、前記方法は、
多数のラッシュフュージョン部を含む1組のラッシュエクステンションを得るステップを含み、各ラッシュフュージョン部は、人工睫毛の多数のクラスタを含み、
アプリケータを用いて前記1組のラッシュエクステンション中の前記多数のラッシュフュージョン部の各ラッシュフュージョン部をつかむステップを含み、
接着剤を前記多数のラッシュフュージョン部の各ラッシュフュージョン部の頂側部に塗布するステップを含み、
前記1組のラッシュエクステンションを前記利用者のまぶたのタイトラインの近くに配置するステップを含み、
前記1組のラッシュエクステンションを前記利用者の生まれつきの睫毛の下側に取り付けるステップを含む、方法。
【請求項20】
前記人工睫毛の各クラスタは、少なくとも10本かつ20本以下の毛を含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記多数のラッシュフュージョン部の各ラッシュフュージョン部は、少なくとも30本かつ90本以下の毛を含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記1組のラッシュエクステンションは、少なくとも150本かつ360本以下の毛を含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記人工睫毛は、実質的に一定の密度で前記1組のラッシュエクステンションの長さに沿って分布して配置されている、請求項19記載の方法。
【請求項24】
前記接着剤は、シアノアクリレートから成る、請求項19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
種々の実施形態は、人工の睫毛(アイラッシュまたはラッシュ)に関し、特に個々人の生まれつきの睫毛の下側に取り付けることができる人工のアイラッシュエクステンション(eyelash extension)(俗称として「睫毛エクステ」)のクラスタに関する。
【背景技術】
【0002】
アイラッシュエクステンションは、従来、生まれつきの睫毛の長さ、厚み、およびフルネス(豊富度または密集度)を増やすために用いられている。しかしながら、アイラッシュエクステンションは、アイラッシュエクステンションが互いにくっつくのを回避するよう個々人の生まれつきの睫毛に1本ずつ付けられなければならない。その結果、ラッシュエクステンションの役務(サービス)にあたっては、用いられる睫毛の種類および本数、美容師の腕前、およびアイラッシュエクステンションをつける場所に応じて数百ドルの費用がかかる場合がある。通常、熟練美容師であっても一組のアイラッシュエクステンション全部を取り付けるのに1~2時間要する。
【0003】
人工睫毛のクラスタは、従来、個々人の生まれつきの睫毛の長さ、厚み、およびフルネスを増やすために用いられている。しかしながら、各クラスタは、人工睫毛のクラスタが互いにくっつくのを回避するとともに多数のクラスタが個々人のラッシュラインの幅全体にわたって均等に分布して配置されるようにするためには個々人の睫毛に個別的に付けられなければならない。
【0004】
別法として、付け睫毛(false eyelash)が個々人のまぶたに直接付けられる場合がある。付け睫毛は、個々人のまぶたの幅に合うようにトリムできるストリップの状態(かくして、「ストリップ睫毛」とも呼ばれる場合がある)で売られている。付け睫毛のストリップを1回の動作で取り付けることができるが、付け睫毛は、個々人の生まれつきの睫毛とは違うことがすぐに分かるとともに、長期間にわたって着用した場合には不快感を生じる場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一観点によれば、ラッシュフュージョン部であって、
互いに連結された人工睫毛の多数のクラスタを有し、人工睫毛の各クラスタは、少なくとも10本かつ20本以下の毛を含むことを特徴とするラッシュフュージョン部が提供される。
【0006】
本発明の別の観点によれば、上述のラッシュフュージョン部を作製する方法であって、本方法は、
人工睫毛の多数のクラスタを形成するステップと、
多数のクラスタを互いに連結してラッシュフュージョン部を形成するステップと、
第1の接着剤をラッシュフュージョン部の頂側部に塗布し、それによりラッシュフュージョン部を個々人の生まれつきの睫毛の下側に付けることができるようにするステップとを含むことを特徴とする方法が提供される。
【0007】
本発明の更に別の観点によれば、1組のラッシュエクステンションを利用者に付ける方法であって、本方法は、
多数のラッシュフュージョン部を含む1組のラッシュエクステンションを得るステップを含み、各ラッシュフュージョン部は、人工睫毛の多数のクラスタを含み、
アプリケータを用いて1組のラッシュエクステンション中の多数のラッシュフュージョン部の各ラッシュフュージョン部をつかむステップを含み、
接着剤を多数のラッシュフュージョン部の各ラッシュフュージョン部の頂側部に塗布するステップを含み、
1組のラッシュエクステンションを利用者のまぶたのタイトラインの近くに配置するステップを含み、
1組のラッシュエクステンションを利用者の生まれつきの睫毛の下側に取り付けるステップを含むことを特徴とする方法が提供される。
【0008】
種々の実施形態が添付の図面に例示的にかつ本発明を限定しない状態で示されており、図中、同一の符号は、ほぼ同じ要素を示している。本発明の種々の目的、種々の特長、および種々の特性は、添付の図面と関連して行われる詳細な説明を検討すると当業者には容易に明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】まぶたの上タイトライン、上ラッシュライン、上ウォーターラインまたは粘膜(眼の粘膜)を示す図である。
【
図2】プロの睫毛取り扱い技術者および美容師によって使用されるのが良い人工睫毛のクラスタを示す図である。
【
図3A】束(「ラッシュフュージョン部」ともいう)を形成するためには人工睫毛の多数のクラスタをどのように連結すれば良いかを示す図である。
【
図3B】2個の互いに異なるスタイルのラッシュフュージョン部の側面図である。
【
図3C】1組の多数のラッシュフュージョン部を個々人のラッシュラインに1回の動作でどのようにすれば固定することができるかを示す図である。
【
図4】1組に含まれる多数のラッシュフュージョン部を指定された配列状態でどのように位置決めすることができるかを示す図である。
【
図5】1組のラッシュエクステンションの配列によりラッシュフュージョン部の全てをどのようにすればアプリケータによって同時につかむことができるかを示す図である。
【
図6】1組のラッシュフュージョン部を個々人の生まれつきの睫毛の下にどのように配置すれば良いかを示す図であり、プラスチックが個々人のまぶたを表わしている状態を示す図である。
【
図7】接着剤を1組のラッシュエクステンション全部の頂部または組を構成するラッシュフュージョン部にどのようにすれば塗布することができるかを示す図である。
【
図8】人工睫毛の多数のクラスタを含むラッシュフュージョン部を作製する方法の流れ図である。
【
図9】1組のラッシュエクステンションを個々人の生まれつきの睫毛に取り付ける方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図は、説明目的でのみ種々の実施形態を示している。当業者であれば容易に認識されるように、別の実施形態を本発明の原理から逸脱することなく採用することができる。クレーム請求されている発明内容は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内に含まれる全ての改造例、均等例、および変形例に及ぶものである。
【0011】
従来型のアイラッシュエクステンション(または単に「ラッシュエクステンション」)は、アイラッシュエクステンションが互いにくっつくのを阻止するために個々人の睫毛に1本ずつ個別的にくっつけられる。しかしながら、平均的な個々人は、眼1つ当たり30本から80本までの本数の睫毛を有するので、付けるプロセスでは、1組のアイラッシュエクステンション全部を取り付けるのに数時間を要する場合がある。
【0012】
したがって、ここで、個々人の生まれつきの睫毛に付けることができる人工ラッシュエクステンションのクラスタを作る技術を紹介する。人工睫毛のクラスタは、天然材料(例えば、シルクまたは本物のミンクの毛)または合成材料(例えば、アクリル樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、またはポリエステルで作られた合成ミンク毛)で作られた多数本の人工の毛を含む。人工睫毛のクラスタは、一般に、約10本~30本の人工の毛(好ましくは、10~20本の人工の毛)を含む。当初、例えば人工睫毛を加熱するホットメルト法を用いて人工睫毛のクラスタを形成する。例えば、幾つかの実施形態では、直線状の人工睫毛の一端部を加熱してこれら人工睫毛がその端部のところで互いに融着し始めるようにし、他方、他の実施形態では、直線状人工睫毛を中央箇所の近くで加熱して互いに下に折り曲げる。人工睫毛のクラスタは、従来、プロの睫毛取り扱い技術者および美容師しか取り扱えないようになっている。
【0013】
次に、多数のクラスタを互いに融着させて、上タイトラインに沿って1回の動作で付けることができる束(「ラッシュフュージョン部」ともいう)を形成するのが良い。
図1に示されているように、上タイトラインは、上ラッシュラインと上粘膜との間に介在して位置している。ある特定の実施形態を多数のクラスタを含むラッシュフュージョン部との関係で説明するが、当業者であれば、ラッシュフュージョン部が互いに連結された一連の個々の人工の毛を更に含む場合のあることを認識することであろう。
【0014】
具体的に説明すると、ラッシュフュージョン部は、個々人の生まれつきの睫毛の下に配置できる直線をなす人工の毛を形成するよう人工睫毛の内端部(ラッシュフュージョン部の「ベース」ともいう)の近くで互いに融着される多数のクラスタを含むのが良い。例えば、多数のクラスタは、十字交差している人工の毛によってベースよりも約1~5ミリメートル(mm)上のところで互いに融着される(例えば、ヒートシール法により)のが良い。幾つかの実施形態では、多数のクラスタをベースよりも約1.5~2.5mm上のところで互いに融着させる。融着されるベースからの距離は、人工睫毛の所望の扇形広がり具合で決まると言える(例えば、距離を短くすると扇形の広がり具合を大きくすることができる)。十字形交差している人工毛の交差部分を互いに融着させると、隣り合うクラスタを互いに固定することができる。かかる技術により、1組の多数のラッシュフュージョン部は、シームレスでありかつ個々人の生まれつきの睫毛に溶け込んでいるように見える。
【0015】
ラッシュフュージョン部のベース(すなわち、多数のクラスタが互いに融着されている場所)は、個々人の生まれつきの睫毛に取り付けられるようになっている。ラッシュフュージョン部は、幅が約4~8mmであるのが良い。ラッシュフュージョン部は、3~10個、3~7個、5~10個、5~7個、または4~6個のクラスタを含むのが良い。したがって、ラッシュフュージョン部は、30~150本、30~120本、または30~90本の個々の人工の毛を含むのが良い。
【0016】
多数のラッシュフュージョン部をまぶたのベースに沿って上タイトラインの曲率に一致する形態で互いに次々に配置することによって1組の多数のラッシュフュージョン部を形成するのが良い。多数のラッシュフュージョン部は、代表的には、互いに接続されないが(例えば、熱、接着剤などを用いて互いに融着されないが)、この組全体を個々人の生まれつきの睫毛の下側に1回の動作で付けることができる。1つの組は、3~8個、3~5個、5~8個、または4~6個のラッシュフュージョン部を含むのが良い。したがって、1つの組は、150~360本の個々の人工の毛を含むのが良い。
【0017】
1つの組の中にある睫毛融合部の個数は、様々であって良い。事実、多数のラッシュフュージョン部は、一般的には、互いに固定されないので、個々人は、所望の密度に基づいて1つの組の一部(6個のラッシュフュージョン部ではなく5個のラッシュフュージョン部)を付けるよう決めることができる。
【0018】
人工の毛の密度は、まぶたの幅全体にわたって様々であって良い。幾つかの実施形態では、人工の毛は、タイトライン全体にわたって均等に分布して配置され(すなわち、各クラスタ/ラッシュフュージョン部は、実質的に同じ数の人工睫毛を含むのが良い)、他の実施形態では、人工の毛は、タイトラインのある特定の領域に高密度に植えられる(すなわち、幾つかのクラスタ/ラッシュフュージョン部が他のものよりも少ない人工の睫毛を含むのが良い)。例えば、密度は、涙管とは反対側の外縁部に沿って低いのが良い。
【0019】
接着剤を作製プロセス中、1つの組の中の各ラッシュフュージョン部の頂部に塗布するのが良く、それにより個々人は、1組のラッシュフュージョン部を個々人のまぶたにではなく、個々人の睫毛の下側に直接容易に付けることができる。追加的にまたは代替的に、個々人は、1組のラッシュフュージョン部を個々人の生まれつきの睫毛に付ける前に接着剤を塗布しても良い。例えば、個々人は、1組のラッシュフュージョン部を生まれつきの睫毛に付ける前に接着剤を1組のラッシュフュージョン部に塗布しても良い。別の実施例では、個々人は、接着剤を生まれつきの睫毛に直接塗布しても良い。接着剤は、ウォータープルーフ(耐水性)グルーまたはマスカラであるのが良い。
【0020】
用語
本願全体を通じて用いられる用語、略語、および語句についての簡単な定義を以下に与える。
「1つの実施形態」または「一実施形態」といった場合、これは、かかる実施形態と関連して説明する特定の特徴、構造、または特性が本開示内容の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味している。「幾つかの実施形態では」という語句が見える場合、これは、必ずしも同一の実施形態を意味しているわけではなく、しかも、これらは必ずしも、互いに相互に排他的である別々のまたは択一的な実施形態を意味しているわけではない。
【0021】
「連結され」、「結合され」という用語またはこれらの任意の変形語は、直接的か間接的かのいずれかの2つまたは3つ以上の要素相互の任意の連結または結合を含む。要素相互の結合または連結は、物理的であっても良く、論理的であっても良く、またはこれらの組み合わせであっても良い。例えば、2つのコンポーネントは、互いに直接結合されまたは1つもしくは2つ以上の中間チャネル/コンポーネントを介して結合されても良い。他方、「~と関連する」という表現は、物体、アイテムなどを関連付けることを意味している。
【0022】
システムトポロジー概観
図2は、プロの睫毛取り扱い技術者および美容師によって使用できる人工睫毛のクラスタを示している。人工睫毛の各クラスタは、天然材料(例えば、シルクまたは本物のミンクの毛)または合成材料(例えば、アクリル樹脂、PBT、またはポリエステルで作られた合成ミンク毛)から成る多数本の人工の毛を含む。
【0023】
人工の毛のクラスタは、代表的には、加熱されて(例えば、ホットメルト法の一部として)互いに固定された10~30本の毛を含む。例えば、幾つかの実施形態では、直線状の人工睫毛の一端部を加熱してこれら人工睫毛がその端部のところで互いに融着し始めるようにし、他方、他の実施形態では、直線状人工睫毛を中央箇所の近くで加熱して互いに下に折り曲げる。
【0024】
幾つかの実施形態では、クラスタ内の人工の毛のうちの何割かまたは全ては、支持糸に結びつけられる(すなわち、支持糸と結び目を作られる)のが良い。人工の毛は、任意のかかる手段、例えばクラスタの水平の広がりを阻止する引き結びによって結束されるのが良い。
【0025】
図3Aは、束(「ラッシュフュージョン部」ともいう)を形成するためには人工睫毛の多数のクラスタをどのように連結すれば良いかを示す図である。具体的に説明すると、ラッシュフュージョン部は、上タイトラインに沿って付けることができる直線状の人工の毛を形成するようベースの近くで互いに融着された多数のクラスタを含むのが良い。
【0026】
例えば、多数のクラスタは、十字交差している人工の毛によってベースよりも約1.5~2.4mm上のところで互いに融着される(例えば、ヒートシール法により)のが良い。隣り合うクラスタは、十字交差している人工の毛の交差部分を互いに融着させると、互いに固定できる。かかる技術により、1組の多数のラッシュフュージョン部は、シームレスでありかつ個々人の生まれつきの睫毛に溶け込んでいるように見える。
【0027】
十字交差している人工の毛の交差部分もまた、接着剤を用いて連結されるのが良い(すなわち、ホットメルト法により互いに融着されるのではなく)。かかる実施形態では、多数のクラスタは、接着剤を凝固させる硬化組立体(例えば、加熱器、乾燥機、または光源)に曝されるのが良い。天然材料(例えば、人または本物のミンクの毛)で作られた人工の睫毛は、一般的には、ホットメルト法によるのではなくグルーまたは他の接着剤を用いて連結される。
【0028】
ラッシュフュージョン部は、3~10個、3~7個、5~10個、5~7個、または4~6個のクラスタを含むのが良い。したがって、ラッシュフュージョン部は、30~90本の個々の人工の毛を含むのが良い。この場合、例えば、ラッシュフュージョン部の第1のスタイルは、9個のクラスタを含み、ラッシュフュージョン部の第2のスタイルは、5個のクラスタを含む。
【0029】
しかしながら、両方のスタイルは、同一本数の人工の睫毛を含むことが可能であることに注目されたい。例えば、ラッシュフュージョン部の第1のスタイルは、各々が5本の人工睫毛から成る9個のクラスタを含むことが可能であり、ラッシュフュージョン部の第2のスタイルは、各々が9本の人工睫毛から成る5個のクラスタを含むことが可能である。両方のスタイルは、互いに異なる本数の人工睫毛を含んでも良い(例えば、第1のスタイルは、高い密度の人工睫毛を含んでも良く、かくして、涙管の近くに配置するのに適していると言える)。
【0030】
ラッシュフュージョン部は、幅が4~8mmであるのが良く、ただし、実施形態は、幅が5~6mmの場合が多い。これは、従来型のクラスタ(これらの幅は、1.5~2mmである)よりも非常に幅が広く、かくして、まぶたに沿って広い被覆範囲(カバレージ)を提供する。
【0031】
図3Bは、2つの互いに異なるスタイルのラッシュフュージョン部の側面図である。各ラッシュフュージョン部の多数のクラスタは、互いに融着される(例えば、ホットメルト法の実施中)のが良い。かかる設計は、従来のラッシュエクステンションのクラスタと比較して幾つかの利点を提供する。
【0032】
例えば、多数のクラスタを互いにヒートシールすることができるので、ラッシュフュージョン部のベースのところの全高は、0.05~0.15mmに過ぎない。これに対し、従来型クラスタは、人工の毛を互いに連結するのにベースのところにストリングを用いる。しかしながら、ストリングが設けられていることにより、クラスタのベースのところの全高は、0.3mmを超える(例えば、一般的には0.3~0.7mm)。
【0033】
さらに、本明細書において説明するラッシュフュージョン部は、計測可能なほどの重さを持たない。したがって、ラッシュフュージョン部は、個々人の生まれつきの睫毛に容易にくっつくことができ、そして長期間にわたって固定されたままの状態でいることができる。この場合もまた、従来型のクラスタは、ストリングが設けられていることにより、計測可能なほどの重さを持つことになり、かかる重さは、クラスタを個々人の生まれつきの睫毛にどのように取り付けなければならないかについて影響を及ぼす。
【0034】
図3Cは、1組の多数のラッシュフュージョン部を個々人のラッシュラインに1回の動作でどのようにすれば固定できるかを示す図である。1つの組は、まぶたの上タイトラインの曲率に一致するよう配列された多数のラッシュフュージョン部を含むのが良い。例えば、多数のラッシュフュージョン部は、内側端部(すなわち、ベース)がほぼ任意の人の眼の全般的なタイトラインと実質的に相補する凹状の形を形成するよう配列されるのが良い。幾つかの実施形態では、複数の組は、好ましくは、人工睫毛の5~7個の別々のクラスタを含む。各組中のラッシュフュージョン部の個数(ならびに各ラッシュフュージョン部内のクラスタの個数)は、用いられる人工の毛の厚み、かかる組が取り付けられるようになったまぶたの所望のスタイル、所望の睫毛密度(個々人の睫毛の「フルネス(豊富度または密集度)」ともいう)などに基づくのが良い。
図3Cに示されているように、1組のラッシュフュージョン部をラッシュラインではなく、タイトラインに整列させ、次に個々人の生まれつきの睫毛の下側に取り付ける。換言すると、1組のラッシュフュージョン部をまぶたではなく、生まれつきの睫毛の下側に直接付ける。
【0035】
接着剤をその組の各ラッシュフュージョン部の頂部に塗布するのが良く、それにより個々人は、この組を生まれつきの睫毛に直接容易に付けることができる。1組のラッシュフュージョン部を付ける役割を担っている個々人は、ラッシュフュージョン部を自分自身にまたは他の人に取り付ける人(例えば、プロの睫毛取り扱い技術者または美容師)であるのが良い。幾つかの実施形態では、ラッシュフュージョン部および/またはその組を当初作製したときに接着剤を塗布する。追加的にまたは代替的に、個々人は、1組のラッシュフュージョン部を個々人の生まれつきの睫毛に取り付ける前に接着剤を塗布しても良い。
【0036】
接着剤は、ウォータープルーフ(半永続的な)グルー、マスカラ、または接着剤の品質を持つ他の何らかのコポリマー溶液であるのが良い。ラテックスを主成分とする接着剤は、一般的には、個々人のまぶたの炎症(例えば、アレルギー反応に起因する)を回避するよう使われないが、接着剤は、種々の他の天然および/または化学成分を含む場合がある。考えられる接着剤の例としては、以下が挙げられる。
・アクリレート/エチルヘキシルアクリレートコポリマー、アクア、プロピレングリコール、セテアレス‐25、水素化ヒマシ油、グリセリン、フェノキシエタノール、2‐ブロモ‐2‐ニトロプロパン‐1,3‐ジオール、メチルクロロイソシアゾリノン、メチルイソシアゾリノン、メチルパラベン、およびオプションとして着色剤(例えば、ブラック2(Cl77266))、
・ポリテルペン、スチレン/イソプレンコポリマー、ワセリン、ポリイソブテン、マイクロクリスタリンワックス(セラマイクロクリスタリナ、シーレマイクロクリスタリン)、水素かスチレン/メチルスチレン/インデンコポリマー、スチレン/VAコポリマー、およびオプションとして酸化防止剤(例えば、ブチル化ヒドロキチトルエン(BHT))、
・二酸化塩素、p‐アニス酸、ビオチン、ラベンダー油(lavandula angustifolio:ラベンジュラアングスティフォーリオ)、プロピレングリコール、水、2‐エチルヘキシルアクリレート、およびオプションとして保存剤(例えば、塩化ベンザルコニウム)、および
・アクリレートコポリマーおよび水。
【0037】
当業者であれば、他の多くの接着剤組成物が使用可能であり、事実、ある特定のアレルギーを有するまたはある特定の固定持続時間(ラッシュエクステンションの「永続性」ともいう)を望む個々人などにとって望ましい場合のあることを認識するであろう。
【0038】
ラッシュエクステンションの半永続的なクラスタを米国食品医薬品局認可(FDA認可)接着剤を用いて付けられるのが良く、この接着剤は、強力な結合を達成する。かかる接着剤は、一般的に、シアノアクリレートを含む。種々の形式のシアノアクリレート(例えば、エチル、メチル、プロピル、ブチル、およびオクチル)は、互いに異なる表面への結合向きに設計されている。例えば、メチル‐2‐シアノアクリレートで作られた接着剤は、滑らかな表面(例えば、ラッシュエクステンション)を、これが炎症を引き起こす場合のある皮膚上にではなく、多孔質表面(例えば、生まれつきの睫毛)に結合するよう設計されている。
【0039】
図4は、1組に含まれる多数のラッシュフュージョン部を指定された配列状態でどのように位置決めすることができるかを示す図である。この組に属する多数のラッシュフュージョン部は、一般的には、互いに接続されないが、多数のラッシュフュージョン部は、この組がまぶたの形状と実質的に相補するよう配置されるのが良い。具体的に説明すると、多数のラッシュフュージョン部の曲率は、平均的な人のタイライン曲率に実質的に一致するのが良い。かくして、1組のラッシュフュージョン部の全体は、この組がタイラインの近くに配置されたときにラッシュラインと実質的に同一平面上に位置するようになるのが良い。多数のラッシュフュージョン部は、一緒になって、1回の動作でまとめて付けることができる1組のラッシュエクステンションを形成する。
【0040】
図5は、1組のラッシュエクステンションの配列によりラッシュフュージョン部の全てをどのようにすればアプリケータによって同時につかむことができるかを示す図である。具体的に説明すると、個々人または保健医療専門家、例えば睫毛取り扱い技術者または美容師は、アプリケータを用いて1組のラッシュエクステンション全体をつかみそれと同時にラッシュエクステンションの組全体を1回の動作で個々人の生まれつきの睫毛に付けることができる。
【0041】
図6は、1組のラッシュフュージョン部を個々人の生まれつきの睫毛の下にどのように配置すれば良いかを示す図であり、プラスチックが個々人のまぶたを表わしている状態を示す図である。以下に更に説明するように、接着剤は、1組のラッシュエクステンション中の各ラッシュフュージョン部の頂部に塗布される。その結果、1組のラッシュエクステンションをラッシュラインの上方のまぶたにではなく、タイラインの近くの個々人の生まれつきの睫毛の下側に直接付けることができる。
【0042】
図7は、接着剤を1組のラッシュエクステンション全部の頂部または組を構成するラッシュフュージョン部にどのようにすれば塗布することができるかを示す図である。追加的にまたは代替的に、接着剤を個々の生まれつきの睫毛に塗布することができる。人工ラッシュエクステンションに塗布される接着剤は、個々人の生まれつきの睫毛に塗布された接着剤と同一の接着剤であって良くまたは異なる接着剤であっても良い。
【0043】
かかる技術により、個々人は、1組のラッシュフュージョン部をラッシュラインに隣接した個々人のまぶたにではなく、タイトラインの近くの個々人の睫毛の下側に直接容易に付けることができる。多数の睫毛溶着部が一般的にはこれらをつかむと同時に個々人の生まれつきの睫毛に付ける意図を持って配置されるが、個々人は、ラッシュフュージョン部を個別的に付けることも可能である。
【0044】
接着剤は、半永続的なグルーであっても良く、マスカラであっても良い。幾つかの実施形態では、接着剤は、個々の生まれつきの睫毛への人工ラッシュエクステンションの付着および持続性を高めるのに役立つ油溶性ポリマーまたは水溶性ポリマーを含む。接着剤は、1組のラッシュエクステンションが長期間にわたって(例えば、数日間、数週間、または数ヶ月間)個々人の生まれつきの睫毛に取り付けられたままであるようにすることができるウォータープルーフ配合物であるのが良い。
【0045】
ラテックスを主成分とする接着剤は、一般的には、個々人のまぶたの炎症(例えば、アレルギー反応に起因する)を回避するよう使用されることがないが、接着剤は、種々の他の天然成分(例えば、砂糖または蜂蜜)および/または化学成分を含むのが良い。例えば、コポリマーは、多くの場合、多くの接着剤調合物中の主要な成分である。接着剤は、従来型のラッシュエクステンションまたは本明細書において説明している1組のラッシュエクステンションに使用される専門的な組成物向きの市販の接着剤であって良い。接着剤は、透明であっても良く、着色(例えば、乳白色またはマスカラに似た黒色)されていても良い。
【0046】
図8は、人工睫毛の多数のクラスタを含むラッシュフュージョン部を作製する方法800の流れ図である。例えば、当初、人工の毛を加熱して互いに連結するホットメルト法を用いて人工睫毛のクラスタを形成する(ステップ801)。幾つかの実施形態では、直線状の人工の毛の一端部を加熱してこれらの毛が他方の中に存在している間その端部のところで互いに融着し始めるようにする。他の実施形態では、直線状の人工の毛を中央箇所の近くで加熱して互いに下に折り曲げる(すなわち、1本の人工の毛が2本の人工の睫毛として見えるように)。次に、人工の毛をオーバーラップさせて(例えば、融着またはフュージョン端部または中央折り目の近くで)クラスタを形成する。
【0047】
ホットメルト法では、個々の睫毛を融解させ始めるのに十分な温度まで多数の人工の毛を加熱することが必要である。例えば、PBTで作られた人工の毛の一端部をヒートシールプロセス中(このプロセス中、加熱された状態の端部は、互いに融着し始める)、約5~110℃まで加熱するのが良い。しかしながら、クラスタは、天然材料(例えば、シルクまたは本物のミンクの毛)または合成材料(例えば、アクリル樹脂、PBT、またはポリエステルで作られた合成のミンクの毛)から成る人工の毛を含んでも良いことに注目されたい。クラスタは、10~90本の人工の毛を含む場合があるが、大抵のクラスタは、10~30本の人工の毛を含む。
【0048】
次に、多数のクラスタを互いに連結してラッシュフュージョン部を形成するのが良い(ステップ802)。具体的に説明すると、ラッシュフュージョン部は、個々人の生まれつきの睫毛の下に配置できる直線状の人工の毛を形成するよう一端部(すなわち、ベース)の近くで互いに融着された多数のクラスタを含むのが良い。
【0049】
例えば、個々のクラスタを形成するために用いられるホットメルト法と実質的にほぼ同じホットメルト法を用いて多数のクラスタを互いに連結するのが良い。上述したように、ホットメルト法では、個々の睫毛を融解させ始めるのに十分な温度まで多数の人工の毛を加熱することが必要である。かくして、PBTで作られたクラスタを一端部の近くでほぼ55~110℃(例えば、65℃)まで加熱するのが良い。例えば、クラスタは、ベースよりも約1.5~2.5mm上方のところで加熱するのが良い。個々の人工の毛が融解し始めているとき、多数のクラスタは、ベースの近くで互いに結合して直線状の人工の毛を形成し、それによりラッシュフュージョン部が形成される。
【0050】
別の実施例として、グルーまたは種々の物質で構成された他の何らかの接着剤を用いて多数のクラスタを互いに連結することができる。かかる実施形態では、クラスタは、接着剤を凝固させる硬化組立体(例えば、加熱器、乾燥機、または光源)に曝されるのが良い。かくして、多数のクラスタを形成した後(例えば、ホットメルト法により)、多数のクラスタを互いに糊付けしてラッシュフュージョン部を形成するのが良い。天然材料(例えば、人または本物のミンクの毛)で作られた人工の睫毛は、一般的には、ホットメルト法によってではなくグルーまたは他の接着剤を用いて連結される。
【0051】
次に、接着剤(例えば、感圧接着剤)をラッシュフュージョン部の頂部に塗布するのが良い(ステップ803)。この接着剤により、個々人は、次にラッシュフュージョン部を個々人の生まれつきの睫毛の下側に直接付けることができる。追加的にまたは代替的に、個々人は、ラッシュフュージョン部を生まれつきの睫毛に付ける前に接着剤を塗布しても良い。
【0052】
幾つかの実施形態では、多数のラッシュフュージョン部を指定された配列状態に位置決めして1組のラッシュエクステンションを形成する(ステップ804)。例えば、4~6個のラッシュフュージョン部をラッシュフュージョン部の内側端部(すなわち、ベース)がまぶたのタイラインと実質的に相補する凹状の形状を形成するよう配列するのが良い。ラッシュフュージョン部は、代表的には、互いに連結されない(例えば、熱、接着剤などを用いて互いに融着されない)が、その組全体を個々の生まれつきの睫毛の下側に1回の動作で付けることができる。
【0053】
図9は、1組のラッシュエクステンションを個々人の生まれつきの睫毛に取り付ける方法900の流れ図である。最初に、個々人または保健医療専門家、例えば睫毛取り扱い技術者または美容師が1組のラッシュエクステンションを入手する(ステップ901)。1組の人工ラッシュエクステンションは、各々が人工睫毛の多数のクラスタで構成された多数のラッシュフュージョン部を含むのが良い。次に、アプリケータを用いて1組の人工ラッシュエクステンションをつかむのが良い(ステップ902)。アプリケータは、1組の人工ラッシュエクステンション全体(すなわち、ラッシュフュージョン部の全て)を1回の動作でつかんで取り外す(例えば、1組の人工ラッシュエクステンションが取り付けられている表面から)ことができるよう設計されるのが良い。
【0054】
幾つかの実施形態では、接着剤を1組の人工ラッシュエクステンション中の各ラッシュフュージョン部の頂部に塗布し(ステップ903)、他の実施形態では、接着剤を作製プロセス中、1組の人工ラッシュエクステンション中の各ラッシュフュージョン部の頂部に塗布する。接着剤は、例えば、ウォータープルーフグルーまたはマスカラであるのが良い。次に、1組の人工ラッシュエクステンションを個々人の生まれつきの睫毛の下のタイラインの近くに配置するのが良く(ステップ904)、そしてラッシュラインの上方の個々人のまぶたにではなく、個々人の生まれつきの睫毛の下側に取り付けるのが良い(ステップ905)。
【0055】
物理的な可能性に反しない限り、上述のステップを種々の順序および組み合わせで実施することができるということが想定される。例えば、クラスタをラッシュフュージョン部の状態に形成する前または後で接着剤を個々のクラスタに塗布することができる。他のステップもまた、幾つかの実施形態において含まれても良い。
【0056】
注意事項
クレーム請求された本発明の内容の種々の実施形態についての上述の説明は、例示目的かつ説明目的で提供されている。網羅的であることが意図されてはおらずまたはクレーム請求された本発明の内容を開示された形態そのものに限定することが意図されてはいない。多くの改造例および変形例が当業者には明らかであろう。本発明およびその実用的用途の原理を最も良く説明するために実施形態が選択されて説明されており、それにより、当業者は、クレーム請求された本発明の内容、種々の実施形態、および想定される特定の用途に合った種々の改造例を理解することができる。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生まれつきの睫毛の下側に取り付けることができる人工アイラッシュエクステンションであって、
ベースの長さに沿って取り付けられる人口の毛の多数のクラスタを有し、前記多数のクラスタの各クラスタは、多数本の人工の毛を含み、前記各クラスタの多数本の人工の毛の1つあるいは2つ以上は、前記各クラスタの多数本の人工の毛の別の1つあるいは2つ以上に取り付けられ、前記多数本の人工の毛は合成材料で形成され、
前記人工の毛の多数のクラスタは、前記多数のクラスタの少なくとも一部分を加熱するプロセスを少なくとも含む取り付けプロセスによって前記ベースに取り付けられる、人工アイラッシュエクステンション。
【請求項2】
前記各クラスタの多数本の人工の毛の1つあるいは2つ以上は、前記多数本の人工の毛の一端部で、前記各クラスタの多数本の人工の毛の別の1つあるいは2つ以上に取り付けられる、請求項1に記載の人工アイラッシュエクステンション。
【請求項3】
前記各クラスタは、前記多数本の人工の毛の一端部を加熱して、前記多数本の人工の毛の一端部を互いに融着させることで形成される、請求項2に記載の人工アイラッシュエクステンション。
【請求項4】
前記各クラスタは、前記多数本の人工の毛の一端部を加熱して、前記多数本の人工の毛の一端部を互いにヒートシールさせることで形成される、請求項2に記載の人工アイラッシュエクステンション。
【請求項5】
前記各クラスタの前記多数本の人工の毛は、前記多数本の人工の毛が前記ベースから延びるにつれて広がる、請求項1に記載の人工アイラッシュエクステンション。
【請求項6】
前記多数のクラスタの各クラスタは、前記ベースに沿って互いに間隔を空けて配置される、請求項1に記載の人工アイラッシュエクステンション。
【請求項7】
前記取り付けプロセスは、さらに、
前記多数のクラスタの人工の毛が1つあるいは2つ以上の交差部分で交差するように前記複数のクラスタを配置するプロセスと、
前記人工の毛を前記1つあるいは2つ以上の交差部分で互いに固定するプロセスと、を含む、請求項1に記載の人工アイラッシュエクステンション。
【請求項8】
前記取り付けプロセスは、さらに、
前記1つあるいは2つ以上の交差部分で前記人工の毛が融着するよう加熱して、前記1つあるいは2つ以上の交差部分に沿って前記ベースを形成するプロセスを含む、請求項7に記載の人工アイラッシュエクステンション。
【請求項9】
前記取り付けプロセスは、さらに、
前記1つあるいは2つ以上の交差部分で前記人工の毛に接着剤を塗布するプロセスと、
前記接着剤が硬化するよう加熱するプロセスと、を含む、請求項7に記載の人工アイラッシュエクステンション。
【請求項10】
前記多数のクラスタの人工の毛は、アクリル樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、または、ポリエステルで作られた合成ミンク毛の少なくとも1つで作られている、請求項1に記載の人工アイラッシュエクステンション。
【請求項11】
生まれつきの睫毛の下側に取り付ける1つあるいは2つ以上の人工アイラッシュエクステンションを作製する方法であって、前記方法は、各アイラッシュエクステンションについて、
人工の毛の多数のクラスタを形成するステップを含み、前記多数のクラスタの各クラスタは、多数本の人工の毛を含み、前記各クラスタの多数本の人工の毛の1つあるいは2つ以上は、前記各クラスタの多数本の人工の毛の別の1つあるいは2つ以上に取り付けられ、前記多数本の人工の毛は合成材料で形成され、
前記多数のクラスタをベースの長さに沿って取り付ける取り付けプロセスを実行するステップを含み、前記取り付けプロセスは、前記多数のクラスタの少なくとも一部分を加熱するプロセスを少なくとも含む、方法。
【請求項12】
さらに、前記各クラスタの多数本の人工の毛の1つあるいは2つ以上を、前記多数本の人工の毛の一端部で、前記各クラスタの多数本の人工の毛の別の1つあるいは2つ以上に取り付けることによって各クラスタを形成するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
各クラスタを形成するステップは、さらに、前記多数本の人工の毛の一端部を加熱して、前記多数本の人工の毛の一端部を互いに融着させるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
各クラスタを形成するステップは、さらに、前記多数本の人工の毛の一端部を加熱して、前記多数本の人工の毛の一端部を互いにヒートシールさせるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記各クラスタの前記多数本の人工の毛は、前記多数本の人工の毛が前記ベースから延びるにつれて広がる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記取り付けプロセスを実行するステップは、さらに、
前記多数のクラスタの人工の毛が1つあるいは2つ以上の交差部分で交差するように前記複数のクラスタを配置するステップと、
前記人工の毛を前記1つあるいは2つ以上の交差部分で互いに固定するステップと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記人工の毛を前記交差部分で固定するステップは、さらに、
前記1つあるいは2つ以上の交差部分で前記人工の毛が融着するよう加熱して、前記1つあるいは2つ以上の交差部分に沿って前記ベースを形成するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記人工の毛を前記交差部分で固定するステップは、さらに、
前記1つあるいは2つ以上の交差部分で前記人工の毛に接着剤を塗布するステップと、
前記接着剤が硬化するよう加熱するステップと、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
さらに、前記1つあるいは2つ以上のアイラッシュエクステンションの前記ベースが凹状の形を形成するよう、前記1つあるいは2つ以上のアイラッシュエクステンションを配列するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記多数のクラスタの人工の毛は、アクリル樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、または、ポリエステルで作られた合成ミンク毛の少なくとも1つで作られている、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
請求項1に記載の多数の人工アイラッシュエクステンションを含む1組のアイラッシュエクステンションであって、前記1組のアイラッシュエクステンションが、生まれつきの睫毛の下側にまとめて取り付けるために配置される、1組のアイラッシュエクステンション。
【請求項22】
前記1つあるいは2つ以上のアイラッシュエクステンションは、2つあるいは3つ以上の人工アイラッシュエクステンションを含み、前記方法は、さらに、前記2つあるいは3つ以上の人工アイラッシュエクステンションを生まれつきの睫毛の下側にまとめて取り付けるために配置するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【外国語明細書】