(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022299
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】なす科の苗栽培装置及び栽培方法
(51)【国際特許分類】
A01G 7/00 20060101AFI20220127BHJP
A01G 22/05 20180101ALI20220127BHJP
【FI】
A01G7/00 601C
A01G22/05 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193396
(22)【出願日】2021-11-29
(62)【分割の表示】P 2018520822の分割
【原出願日】2017-05-23
(31)【優先権主張番号】P 2016111043
(32)【優先日】2016-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】504137956
【氏名又は名称】三菱ケミカルアグリドリーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】布施 順也
(72)【発明者】
【氏名】呉 徳
(72)【発明者】
【氏名】中南 暁夫
【テーマコード(参考)】
2B022
【Fターム(参考)】
2B022AA01
2B022AB15
2B022DA01
2B022DA08
2B022DA15
2B022DA17
2B022DA19
2B022DA20
(57)【要約】
【課題】生育障害「葉こぶ症」を抑制し、品質の良いなす科の苗を安定して生産することができる苗栽培装置及び栽培方法を提供する。
【解決手段】生育障害「葉こぶ症」が抑制され、品質の良いなす科の苗が安定して生産される苗栽培装置及び栽培方法が提供される。なす科の植物の苗を栽培する、照明装置を備えた栽培装置であって、前記照明装置は、少なくとも450~660nmの波長領域の光を照射する半導体照明装置を含み、該照明装置は、苗の栽培面における295nm以上、320nm未満の波長領域のUV強度が2.5μW/cm
2以上である苗栽培装置。照明装置は、前記苗の栽培面で測定する光合成有効光量子束密度が好ましくは50μmol/m
2/sec以上である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
なす科の植物の苗を栽培する、照明装置を備えた栽培装置であって、
該照明装置は、少なくとも450~660nmの波長領域の光を照射する半導体照明装置を含み、
前記照明装置は、苗の栽培面における295nm以上、320nm未満の波長領域のUV強度が4.0μW/cm2以上である苗栽培装置。
【請求項2】
前記照明装置は、前記苗の栽培面で測定される光合成有効光量子束密度が50μmol/m2/sec以上である請求項1に記載の苗栽培装置。
【請求項3】
前記栽培装置は、閉鎖型構造物の中に配置されており、
前記閉鎖型構造物内を空調する空調装置が設けられており、
前記苗に灌水する灌水装置が設けられている
請求項1または2に記載の苗栽培装置。
【請求項4】
前記閉鎖構造物内の湿度は30~100%である請求項3に記載の苗栽培装置。
【請求項5】
前記照明装置は、苗の栽培面における295nm以上、320nm未満の波長領域のUV強度が500μW/cm2以下である請求項1~4のいずれか1項に記載の苗栽培装置。
【請求項6】
前記照明装置は、苗の栽培面における295nm以上、320nm未満の波長領域のUV強度I1と、苗の栽培面における450~660nmの波長領域の光強度I2との比I1/I2が0.0001~0.01である請求項1~5のいずれか1項に記載の苗栽培装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の苗栽培装置を使用して、なす科の苗を栽培する苗栽培方法。
【請求項8】
前記苗は、トマト、ピーマン又はナスの苗である請求項7に記載の苗栽培方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、なす科の苗を栽培するための栽培装置及び栽培方法に関し、より詳しくは、なす科の苗を栽培する際の生育障害を抑制する栽培装置及び栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種植物の苗の生産は、従来は、園芸作物農家では自家生産が主流であった。しかしながら、各種植物の苗の生産に要する技術が高度であり、手間がかかり繁雑であることから、購入苗を利用するように変化してきた。これは、近年の農家の高齢化や労働力不足の進行、園芸作物農家の企業化や規模の拡大化の進行に起因しており、農業は購入苗の利用による省力化や、園芸作物の生産のみに専念する専業化の傾向が同時に進んでいるからである。このような状況下で、近年、購入苗に対する需要が増加しており、苗の生産のみに専念する農家や苗の生産を業とする企業も増加してきた。
【0003】
苗生産者が専業農家や大規模な企業であっても、苗の生産は、(A)屋外で自然光を利用して生産する方法、(B)温室内で自然光を利用して生産する方法、および、(C)閉鎖型環境下で生産する方法(特許文献1または2)、などによって行われている。(A)および(B)の方法で苗を生産する際には、天候、特に日射量の多寡によって大きな影響を受けていた。例えば、夏季の強い日射と高温は苗生産を困難とし、それを避けるために高冷地で育苗しなければならない植物もある。また、(B)の方法では、夏季の強い日射で温室内が高温となり、苗の順調な生産が困難となり、苗の商品化率、温室の稼働率などが低下し、ひいては苗の生産コストが上昇する。このように、苗の生産及び苗質は、天候の影響を受け易い。
【0004】
上記(C)の苗生産方法は、自然光を透過しない断熱壁で閉鎖された構造物の中で、空調装置、人工光源、炭酸ガス施肥装置や灌水装置を備えた閉鎖型の人工的な環境下で、高品質な苗を生産する方法である。閉鎖型環境下では、苗生産に必要な空間は、光質、光照射強度、照射時間、温度、湿度、炭酸ガス濃度、灌水量、施肥濃度などの種々の環境条件を、苗の生育に最適な状態に調節することが可能である。
【0005】
近年、なす科の苗の栽培においても、上記(C)の生産方法の普及が進みつつあるなかで、さまざまな生育障害が発生することが報告され始めている。なかでも、原因が明確となっていない生育障害として、苗の葉や茎などに突起状のこぶが生じ、重症化すると葉の縮れや、葉の黄化から落葉にいたる症状が見られる生育障害である、いわゆる「葉こぶ症」が報告されるようになってきた。
【0006】
【特許文献1】特開2001-346450号公報
【特許文献2】特開2008-212078号公報
【発明の概要】
【0007】
本発明は、上記の問題を解決し、生育障害「葉こぶ症」を抑制し、品質の良いなす科の苗を安定して生産することができる苗栽培装置及び栽培方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明者は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、苗の栽培面において、照明装置が少なくとも450~660nmの波長領域を照射する半導体照明装置を備え、295nm以上320nm未満の波長領域のUV強度が2.5μW/cm2以上の照明装置を用いることにより、なす科の苗の葉や茎に発生する葉こぶ症が抑制されることを見出した。本発明はかかる知見に基づくものであり、下記を要旨とする。
【0009】
[1] なす科の植物の苗を栽培する、照明装置を備えた栽培装置であって、該照明装置は、少なくとも450~660nmの波長領域の光を照射する半導体照明装置を含み、前記照明装置は、苗の栽培面における295nm以上320nm未満の波長領域のUV強度が2.5μW/cm2以上である苗栽培装置。
【0010】
[2] 前記照明装置は、前記苗の栽培面で測定される光合成有効光量子束密度が50μmol/m2/sec以上である[1]に記載の苗栽培装置。
【0011】
[3] 前記栽培装置は、閉鎖型構造物の中に配置されており、前記閉鎖型構造物内を空調する空調装置が設けられており、前記苗に灌水する灌水装置が設けられている[1]または[2]に記載の苗栽培装置。
【0012】
[4] 前記閉鎖構造物内の湿度は30~100%である[3]に記載の苗栽培装置。
【0013】
[5] 前記照明装置は、苗の栽培面における295nm以上320nm未満の波長領域のUV強度が500μW/cm2以下である[1]~[4]のいずれかに記載の苗栽培装置。
【0014】
[6] 前記照明装置は、苗の栽培面における295nm以上320nm未満の波長領域のUV強度I1と、苗の栽培面における450~660nmの波長領域の光強度I2との比I1/I2が0.0001~0.01である[1]~[5]のいずれかに記載の苗栽培装置。
【0015】
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の苗栽培装置を使用して、なす科の苗を栽培する苗栽培方法。
【0016】
[8] 前記苗は、トマト、ピーマン又はナスの苗である[7]に記載の苗栽培方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明のなす科の苗栽培装置によると、なす科の苗の葉や茎に発生する葉こぶ症を抑制し、高品質な苗を安定して生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1a,1bは、実施の形態に係る栽培装置の水平断面図であり、
図1aは
図2bのIa-Ia線断面図、
図1bは
図2bのIb-Ib線断面図である。
【
図3】
図3は実施の形態に係る多段棚式植物育成装置の正面図である。
【
図5】
図5は実施の形態に係る多段棚式植物育成装置のトレイの平面図である。
【
図10】
図10は別の実施の形態に係る多段棚式植物育成装置のトレイの断面図で ある。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の苗栽培装置は、なす科の植物の苗を栽培するためのものであり、照明装置を備える。該照明装置は、少なくとも450~660nmの波長領域を照射する半導体照明装置を備え、苗の栽培面における295nm以上320nm未満の波長領域のUV強度が2.5μW/cm2以上である。
本発明では、UV光等の「苗の栽培面における光強度」(以下、「栽培面UV強度」又は「栽培面光強度」ということがある。)は、苗の葉の位置に分光放射照度計の受光面を水平かつ上向きに配置して測定された値である。
照明装置による苗への光の照射時間は、1日当り8~20時間、特に12~18時間程度が好ましい。
【0020】
なす科の植物としては、トマト、ナス、ピーマン、パプリカ、シシトウ、トウガラシ、ハバネロ、ハラペーニョなどが挙げられるが、特にトマト、ピーマン及びナスとりわけトマトが好適である。
【0021】
本発明の苗栽培装置で用いる照明装置は、295nm以上320nm未満の波長領域における栽培面UV強度が2.5μW/cm2以上であり、3.0μW/cm2以上であることが好ましく、4.0μW/cm2以上であることがより好ましく、6.0μW/cm2以上であることが更に好ましく、10μW/cm2以上であることが特に好ましい。295nm以上320nm未満の波長領域の栽培面UV強度を上記範囲とすることで、なす科の苗の葉や茎に発生する葉こぶ症を抑制し、正常な苗を安定して生産することができる。
【0022】
295nm以上320nm未満の波長領域における栽培面UV強度の上限は、特に限定されないが、紫外線による苗へのダメージや栽培作業中の作業者の眼や皮膚への影響を考慮すると、500μW/cm2以下であることが好ましく、400μW/cm2以下であることがより好ましく、300μW/cm2以下であることが更に好ましく、200μW/cm2以下であることが特に好ましい。
【0023】
本発明の苗栽培装置で用いる照明装置は、波長が320nm以上、具体的には320nm以上340nm未満の波長領域における栽培面UV強度が0.5μW/cm2以上であることが好ましく、1.0μW/cm2以上であることがより好ましく、1.5μW/cm2以上であることが更に好ましく、2.0μW/cm2以上であることが特に好ましい。320nm以上340nm未満の波長領域の栽培面UV強度を上記範囲とすることで、苗の葉や茎に発生する葉こぶ症をさらに抑制することができる。
【0024】
320nm以上340nm未満の波長領域の栽培面UV強度の上限は、特に規定することはないが、栽培作業中の作業者の眼や皮膚への影響を考慮すると、300μW/cm2以下であることが好ましく、250μW/cm2以下であることがより好ましく、200μW/cm2以下であることが更に好ましい。
【0025】
本発明の苗栽培装置で用いる照明装置は、波長が295nm未満、具体的には280nm以上295nm未満における栽培面UV強度が5.0μW/cm2以下であることが好ましく、3.0μW/cm2以下であることがより好ましく、1.5μW/cm2以下であることが更に好ましく、1.0μW/cm2以下であることが特に好ましい。280nm以上295nm未満の波長領域の栽培面UV強度を上記範囲とすることで、紫外線による苗へのダメージにより、葉の丸まり、縮れ、死滅などのUV障害の発生を抑制することができる。
【0026】
280nm以上295nm未満の波長領域の栽培面UV強度の下限値は、特に限定されることはなく、ゼロに近い程好ましい。
【0027】
本発明の苗栽培装置で用いる照明装置は、450~660nmの波長領域の栽培面光強度が4000μW/cm2以上であることが好ましく、4500μW/cm2以上であることがより好ましく、5000μW/cm2以上であることが更に好ましく、6000μW/cm2以上であることが特に好ましい。また、450~660nmの波長領域において光強度がゼロとなる波長領域がないことが好ましい。波長450~660nmの栽培面光強度を上記範囲とすることで、苗の葉や茎への葉こぶ症の発症を抑制しつつ、苗の形態形成に異常をきたすことを抑制し、正常な苗をより安定して栽培することが可能となる。
【0028】
波長450~660nmの栽培面光強度の上限は、特に限定されないが、葉焼けなどの生育障害の発生を抑制するという観点から、60000μW/cm2以下であることが好ましく、50000μW/cm2以下であることがより好ましく、40000μW/cm2以下であることが更に好ましく、30000μmW/cm2以下であることが特に好ましい。
【0029】
本発明の苗栽培装置で用いる照明装置は、295nm以上、320nm未満の波長領域における栽培面UV強度I1と、450~660nmの波長領域における栽培面光強度I2との比Kの値が、1/10000~1/100すなわち0.0001~0.01であることが好ましい。Kを上記の範囲とすることで、苗の葉や茎への葉こぶ症の発症を抑制しつつ、苗の形態形成に異常をきたすことを抑制し、より正常な苗を栽培することが可能となり好ましい。Kは下記式で表される。
K =I1/I2
【0030】
本発明の苗栽培装置で用いる照明装置は、少なくとも450~660nmの波長領域の光を照射する半導体照明装置を備えている。該半導体照明装置は、400~480nmの範囲に第1発光ピーク波長を有していることが好ましい。400~480nmの範囲に第1の発光ピーク波長を有することで、苗の節間伸長を抑制し、胚軸が短くしっかりした苗を栽培することが可能となる。
【0031】
該半導体照明装置は、好ましくは、500~620nmの範囲、より好ましくは500~610nmの範囲、更に好ましくは500~600nmの範囲に第2の発光ピーク波長を有する。第2の発光ピーク波長は、半値幅が100nm以上であることが好ましく、120nm以上であることがより好ましく、140nm以上であることが更に好ましい。半導体照明装置の第2の発光ピーク波長を上記の範囲とすることで、苗の形態形成に異常をきたすことを抑制し、正常な苗をより効率よく栽培することが可能となる。
【0032】
本発明の苗栽培装置は、少なくとも一部の照明装置が上述するUV光を照射する照明装置であればよい。例えば、使用する照明装置の全てが上述するUV照射機能を有する照明装置であってもよく、使用する照明装置のうち、いくつかの照明装置は上述するUV照射機能を有するものとし、残りの照明装置は上述のUV照射機能を有しないものであってもよい。UV強度が高い照明装置と、UV強度が低い又はUV光を照射しない照明装置とを併用してもよい。
【0033】
本発明の苗栽培装置は、前記苗の栽培面で測定される光合成有効光量子束密度が、50μmol/m2/sec以上であることが好ましく、100μmol/m2/sec以上であることがより好ましく、200μmol/m2/sec以上であることが更に好ましい。栽培面の光合成有効光量子束密度を上記下限以上とすることで、苗の光合成をより効率よくすることができ、葉こぶ症の発生をより抑制することができ好ましい。
【0034】
本発明の苗栽培装置に使用する照明装置は、特に限定されるものではなく、蛍光灯や、半導体照明である有機EL、レーザーやLEDなどの照明装置を利用することができる。電力の消費量や、より細かい波長の制御を行い易い点を考慮すると、LEDを使用することが好ましい。
【0035】
栽培装置は、閉鎖型構造物の中に配置され、前記閉鎖型構造物内を空調する空調装置を備え、前記苗に灌水する灌水装置を備えることが好ましい。
【0036】
この閉鎖構造物内の湿度は、30~100%の範囲であることが好ましく、40~99%の範囲であることがより好ましく、40~95%の範囲であることが更に好ましい。閉鎖構造内の湿度を上記範囲とすることで、なす科の苗に発生するさまざまな生育障害の発生を抑制することができる。
【0037】
本発明の一つの態様では、苗栽培装置は、前面が解放している育成モジュールを有し、該育成モジュールは、育苗棚を上下方向に多段に配置して育苗空間を形成する。
【0038】
図1a~9及び
図10を参照して、かかる栽培装置の好ましい形態を説明する。
図1a~2bの通り、断熱性壁面で囲まれた完全遮光性とされた閉鎖型建物構造物1の部屋内に、箱形の複数個(図示の例では6個)の多段棚式植物育成装置(苗育成モジュール)3~8が設置されている。部屋1は平面視形状が長方形であり、一方の短手方向壁面1iにドア2が設けられている。
【0039】
この形態では、3個の多段棚式植物育成装置3~5をそれらの開放前面が同方向を向くように配列して1列とし、3個の多段棚式植物育成装置6~8もそれらの開放前面が同方向を向くように配列して1列とし、開放前面が互いに対向するように二つの列を部屋内に配置している。以下、多段棚式植物育成装置3~5及び6~8の列の延在方向(部屋の長手方向)をY方向といい、部屋の短手方向(多段棚式植物育成装置3~5と多段棚式植物育成装置6~8とが対面する方向)をX方向と言うことがある。これら二つの列の多段棚式植物育成装置3~5及び6~8間に、一人または複数の作業者が作業できる程度のスペースAを設けてある。部屋の長手方向壁面1j,1kと各多段棚式植物育成装置3~8の背面との間に、50~500mm程度の幅のスペースBを設けて、多段棚式植物育成装置3~8を通過した空気の通路を形成する。
【0040】
多段棚式植物育成装置3~5,6~8の列の一端側は、ドア2と反対側の建物壁面1hに当接している。多段棚式植物育成装置3~5,6~8の列の他端側は、ドア2側の壁面1iから若干離反している。
【0041】
前述するドア2側の壁面1iの離反スペースから、温められた空気がスペースAに流れてくる場合は、この流れを抑制するための制御板を適切な場所に設けることもできる。
【0042】
部屋に出入りするためのドア2の内側にエアーカーテンを設置すると、作業者が出入りする際に外気が入らないようにできるので好ましい。
【0043】
多段棚式植物育成装置3~8は、
図3,4に示すように、それぞれ台座3c、左右の側面パネル3a、背面の背面パネル3b及び天頂部のトップパネル3eを有し、前面は開放した箱形構造体を備えている。この箱形構造体の内部に、複数の育苗棚12が上下方向に一定間隔で多段に配置されている。
【0044】
各多段棚式植物育成装置3~8の高さは、作業者が作業できる程度の高さである2000mm程度とし、育苗棚12の幅は、数十から数百個のセル(小鉢)を格子状に配列させた樹脂製のセルトレイを複数枚並べて載置できるとともに、各棚12の上側スペースの温度・湿度を一定に調節できる幅、例えば1000mm~2000mm程度とし、育苗棚12の奥行きは500mm~1000mmとするのが好ましい。各育苗棚12には複数枚のセルトレイ40(
図1b参照)がほぼ水平に載置されている。セルトレイ1枚の寸法は、一般的には幅が300mm、奥行きが600mm程度である。
【0045】
最下段の育苗棚12は、台座3cに載置されている。台座3cに設けたアジャスター(図示略)によって育苗棚12の水平度を調整できるよう構成されている。
【0046】
各育苗棚12には、後述する潅水装置30が設けられている。
【0047】
下から2段目以上の各育苗棚12及びトップパネル3eの下面には、人工照明器13が設置され、各人工照明器13の直下の育苗棚12のセルトレイ40で生育する植物に光を照射するよう構成されている。この実施の形態では、最上部以外の人工照明器13は後述の潅水トレイ31の下面に取り付けられている。
【0048】
この人工照明器13の構成の詳細を
図8,9に示す。なお、
図8は人工照明器13の底面図、
図9は
図8のIX-IX線断面図である。この人工照明器13は、ボックス13aの下面に複数対(この実施の形態では6対)のソケット13bを取り付け、蛍光灯13cの両端をソケット13b,13bに装着したものである。ボックス13aの下面にスイッチ13sが設置されている。
【0049】
ボックス13aは、天板13d及び底板13eを有した箱状体であり、底板13eは蛍光灯13cの光を反射する反射板を兼ねている。このボックス13a内に、安定器、インバータ、定電流回路、定電圧回路、電流制限抵抗等の電気回路部材13fを内蔵した電源ユニット13gが設置されている。この実施の形態では、3個の電源ユニット13gが蛍光灯13c同士の間、すなわち1列目と2列目の蛍光灯13cの間、3列目と4列目の蛍光灯13cの間及び5列目と6列目の蛍光灯13cの間に配置されている。各電源ユニット13gはボックス13aの底板13eに取り付けられている。各電源ユニット13gとボックス13aの天板13dとの間には3~30mm程度の隙間があいている。この人工照明器13にあっては、電源ユニット13gで発生する熱は、底板13eに伝わり、該底板13eから放散される。即ち、人工照明器13の下側の育苗スペースを流れる空気に伝達される。なお、蛍光灯13cからの熱もこの空気の流れに伝達される。
【0050】
電源ユニット13gとボックス天板13dとの間には隙間があいているため、電源ユニット13gから天板13dに伝わる熱は著しく少ない。そのため、潅水トレイ31上を流れる養液、およびセルトレイ40に植えられた植物の根圏部が人工照明器13の熱で温められることが防止される。
【0051】
図4の通り、各育苗棚12同士の間、及び最上段の育苗棚12と天板パネル3eとの間のスペース(育苗スペース)の後方の背面パネル3bに通気口が設けられ、各通気口にそれぞれ空気ファン15が取り付けられている。
【0052】
このように各育苗スペースの背面側にそれぞれ空気ファン15を設けることにより、育苗スペースにおける気流が均一になり好ましい。
【0053】
部屋の上部には、部屋内の空気を調温調湿し、設定条件に調温調湿した空気を循環させる機能を備えた空調装置9が設置されている。この空調装置9は、熱交換器を有した空調装置本体(エアコン)9Aと、この空調装置本体9Aの下面に取付けられた風向制御板10とを有する。空調装置本体9Aのコンプレッサは建物構造物1外に設置されている。
【0054】
この実施の形態では、空調装置本体9Aは、部屋の平面視において、部屋の中心の上部に位置している。空調装置本体9Aの取込口9aは空調装置本体9Aの下面に設けられており、風向制御板10には、取込口9aと重なる位置に開口10aが設けられている。
【0055】
前記空調装置本体9Aは、建物構造物の天井1tに取り付けられ、その側面が部屋内に露呈した構造となっている。空調装置本体9Aの4個の側面にそれぞれ空気の吐出口9bが設けられている。
【0056】
前記風向制御板10は、開口10aの周囲部分が空調装置本体9Aの取込口9aの周囲に重なっている。開口10aは取込口9aと同一大きさか、又はそれよりも大きい。
【0057】
風向制御板10は、吊具(図示略)によって天井1tに支持されている。
【0058】
風向制御板10のY方向の一端側は壁面1hに当接している。風向制御板10のY方向の他端側は、多段棚式植物育成装置3~5及び6~8よりも壁面1i側にまで延在しているが、壁面1iから若干離反している。風向制御板10の該他端側の辺部の全長にわたって、起立板10rが立設されており、この起立板10rの上端が天井1tに当接している。
【0059】
風向制御板10は、天井1tと多段棚式植物育成装置3~8の上面との間にまでX方向に延在している。
【0060】
図2aの通り、風向制御板10のX方向の両端は、多段棚式植物育成装置3~5、多段棚式植物育成装置6~8のスペースA側の前面の鉛直上方又はそれよりも後方すなわちスペースB側に位置している。風向制御板10のX方向の両端と各多段棚式植物育成装置3~5,6~8の前面との水平方向距離Lは0mmであってもよいが、好ましくは30mm以上、さらに好ましくは40mm以上、さらに好ましくは90mm以上、さらに好ましくは140mm以上である。
【0061】
この実施の形態では、この風向制御板10のX方向の両端と天井1tとの間が空調装置9の吹出口9fとなっている。吹出口9fは、栽培装置の平面視において、多段棚式植物育成装置3~8の前面と重なってもよいが、好ましくはそれよりも前記距離Lだけ後方に位置している。
【0062】
この実施の形態では、空調装置本体9Aの取込口9aが空調装置9の吸気口となっている。この吸気口は、栽培装置の平面視において、多段棚式植物育成装置3~8の前面よりも前方すなわちスペースA側に位置する。
【0063】
空気ファン15を稼働させることにより、部屋内に
図2aの矢印で示したような空気の循環流が生じる。すなわち、空調装置9によって調温調湿された空気は、多段棚式植物育成装置3~8の開放前面側のスペースAより育苗棚12各段の育苗スペース内に吸引され、空気ファン15から背面パネル3bの後方へ排出され、背面パネル3bの後方と建物壁面との間のスペースBを通って上昇し、多段棚式植物育成装置3~8の上側スペースCを通過し、空調装置9から吹出された空気と混合され調温調湿されたのち、風向制御板10と多段棚式植物育成装置3~8との間を通って再び多段棚式植物育成装置3~8の開放前面側のスペースAに吹き出される。
【0064】
また、風向制御板10と多段棚式植物育成装置3~8との間を通ってスペースAに流れ込もうとする空気の一部は、開口10aを通り、空調装置本体9Aの取込口9aから吸い込まれ、調温調湿された後、吐出口9bを経て吹出口9fから吹き出される。
【0065】
図1a~2bのように、2列の多段棚式植物育成装置3~5と多段棚式植物育成装置6~8をそれらの間に作業空間が形成されるように配列した場合には、この作業空間が空気の循環用のスペースAとしても機能し、効果的な循環流が形成される。
【0066】
循環流が多段棚式植物育成装置3~8の各育苗スペースを通過する際に、潅水装置、培地、植物などから蒸発した水蒸気や人工照明器13から放出される熱が循環流に同伴され、この循環流を空調装置9によって調温調湿して絶えず循環させることによって、部屋内を植物体生育に最適な温度湿度環境に保つことができる。育苗スペースを流れる空気の流速は、0.1m/sec以上であることが好ましく、0.2m/sec以上であることがより好ましく、0.3m/sec以上が更に好ましい。気流の速度が速すぎると、植物の育成に問題が生じるおそれがあるため、一般的には2.0m/sec以下であることが好ましい。
【0067】
この実施の形態では、気流を育苗スペースの前面からファン15を経て棚背面側のスペースBへ負圧の状態で流しているが、逆に棚背面側から前面側へ正圧の状態で流してもよい。ただし、前面側から負圧の状態で棚背面側へ流す方が、育苗スペースにおける気流が均一になる。
【0068】
この実施の形態では、潅水装置(底面潅水装置)30の潅水トレイ31によって各育苗棚12の棚板が構成され、該潅水トレイ31に載置されたセルトレイ40の底面から潅水を行うよう構成されている。この潅水装置30の構成例を
図5~7を参照して説明する。なお、
図5は潅水装置の平面図、
図6は斜視図、
図7は
図5のVII-VII線断面図である。
【0069】
この潅水装置30は、後辺及び左右両側辺に側壁31a、31b、31cが立設された底版31dを有する四角形の潅水トレイ31を備えている。潅水トレイ31の側壁のない前辺には底版31dに連接して排水溝32が設けられており、排水溝32の一端には排水口32aが形成されている。排水溝32と底版31dとは堰34により仕切られ、堰34の両端部の切欠部34aから養液が排水溝32に流出するよう構成されている。また、潅水トレイ31の後辺の側壁31aに沿って、養液を潅水トレイ31内に供給する給水管33が設けられており、給水管33に設けた複数の小孔33aから養液がトレイ31上に供給されるようになっている。
【0070】
潅水トレイ底版31dの上面に高さ約7mm程度の複数のリブ35が、排水溝32に向って互いに平行に延設されており、これらリブ35の上にセルトレイ40が載置されるようになっている。
【0071】
この潅水装置30は、
図4の通り、潅水トレイ31を多段棚式植物育成装置3~8の育苗棚12に載置したときに、排水溝32が育成装置3~8の開放前面から突出する寸法とされている。排水溝32を育成装置の開放前面から突出させることにより、育苗棚12各段に載置した潅水トレイ31の排水溝32の排水口32aから排出される養液を集めて建物構造物1外部へ排出しやすくなる。
【0072】
潅水装置30の給水管33に設けた小孔33aから養液を連続的に供給すると、養液は堰34によって堰き止められて所定水位まで溜まりプール状態となる。給水管33から養液を供給している間、切欠部34aから養液が少しずつ排水溝32へ流出する。養液供給量と切欠部34aからの流出量を調節することによって、潅水トレイ31内に例えば10~12mm程度の水位のプール状態が維持されるようにするのが好ましい。リブ35の上に載置されているセルトレイ40の各セル41底面に形成されたセル穴42からセル内の培地へ毛管作用により水が吸い上げられ、短時間ですべてのセル41内の培地が水分飽和状態になる。
【0073】
この潅水トレイ31の底版31dの下面に人工照明器13が取り付けられている。この実施の形態では、人工照明器13のボックス13aの天板13dが潅水トレイ31の下面に直接に当接しているが、スペーサや断熱材を介在させてもよい。
【0074】
この潅水装置30では、
図7の通り、潅水トレイ31の底版31dの上面を排水溝32の方向へ傾斜させている。これにより、潅水停止時に養液を排水溝32へ短時間で排出させることができる。また、底版31dの上面に傾斜をもたせた場合には、リブ35の高さを変化させてリブの頂部35aが水平となるようにすることにより、リブ35の上に載置したセルトレイ40を水平に保持できる。
【0075】
図10は、本発明で用いる潅水装置の別例を示すものであり、
図5~
図7における部材と同じ部材には、同じ符号を付してある。この潅水装置30’においては、潅水トレイ31の底版31dにセルトレイ40を載置する際に、底版31dとセルトレイ40との間にアンダートレイ50を介在させる。このアンダートレイ50は各セル41内に培地を入れたセルトレイ40を支持し得る程度の剛性を備えており、その底壁面には複数の小孔51が形成されているとともに、その裏面には複数の突起52が形成されている。これらの突起52は、セルトレイ40をアンダートレイ50とともに潅水トレイ31内に収容するときに、底版31dとセルトレイ40底面との間に間隙を保持する間隙保持手段として機能する。
【0076】
図10の潅水装置30’においても、給水管33から養液を供給して所定水位のプール状態となった場合には、アンダートレイ50の小孔51からアンダートレイ50内に養液が導かれ、セルトレイ40の各セル41底面に形成されたセル穴42からセル内の培地へ毛管作用により水が吸い上げられる。
【0077】
図10においても、潅水トレイ31の底版31dの下面に人工照明器13が取り付けられている。
【0078】
潅水トレイ31に載置されるセルトレイ40は、前述したように、数十から数百のセル41を格子状に配列させてトレイ形状に一体化したものであり、セルトレイ1枚の寸法は幅が300mm、奥行きが600mm前後とされているが、これに限定されない。
【0079】
苗が光合成で消費する炭酸ガスを人為的に供給するために、
図1a,1bに示すように、建物構造物1の外部に液化炭酸ガスボンベ16を設置し、炭酸ガス濃度計測装置により計測した部屋内の炭酸ガス濃度が一定濃度となるように、炭酸ガスボンベ16から炭酸ガスを供給する。
【0080】
この苗栽培装置を使用して苗を栽培することによって、苗の生育に好適な光量、温度、湿度、炭酸ガス、水分などの環境条件を自動的に調節することが可能である。また、各育苗棚の苗は全て同一環境下で生育することができるので、得られた苗質の均一性を高めることができる。
【0081】
この実施の形態では、空調装置9の吹出口9fは、多段棚式植物育成装置3~8の前面よりも30mm以上後側にあるので、多段棚式植物育成装置3~8(育成モジュール)を通過して温められた空気と空調装置9で冷やされた空気が混合された状態で、スペースAに流れ込む。これにより、スペースAに流れ込む空気は、均一な温度の空気となり、各多段棚式植物育成装置3~8内に取り込まれることとなる。
【0082】
空調装置9で冷やされた空気が直接スペースAに流れると、部分的に冷たい空気が多段棚式植物育成装置3~8の前面から取り込まれるため、多段棚式植物育成装置3~8間で温度のムラが発生してしまい、植物の成長が均一とならない。
【0083】
この実施の形態では、空調装置本体9と風向制御板10とが一体となっているので、ダクト配管等を多く設置する必要がなく好ましい。
【0084】
この多段棚式植物育成装置では、人工照明器13の熱が反射板を兼ねるボックス底板13eに伝達され、該底板13eから育苗スペースを流れる空気に伝わる。人工照明器13から上側の潅水トレイ31に伝わる熱は著しく少ない。そのため、潅水トレイ31上の養液の温度が所定範囲にコントロールされる。
【0085】
本発明では、すべての空調装置9の合計の冷房能力(Wb)とすべての照明装置(上記実施の形態では蛍光灯13c)の合計の消費電力(Wa)との比Wb/Waが1以上5以下であることが好ましく、1以上4以下であることがより好ましく、1以上3以下であることが更に好ましく、1以上2以下であることが特に好ましい。Wb/Waを上記の範囲とすることで、閉鎖空間内の環境を適正かつ一定に保つことが可能となり、さらに、空調のオンオフによる環境変化もより少なくすることが可能となる。蛍光灯などの照明装置1本当りの消費電力をWsとし、照明装置の本数をnとし、1基の空調装置の冷房能力をWkとし、空調装置の設置台数をmとした場合、Wb/Waは下記式のAで表わされる。
【0086】
A=Wb/Wa
=(Wk×m)/(Ws×n)
m:空調装置の台数(基)
n:照明装置の本数(本)
【0087】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、閉鎖型建物構造物の部屋の大きさや、多段棚式植物育成装置の設置数は前記以外であってもよい。また、空調装置本体は、中心部以外に設置されてもよい。空調装置本体は2台以上設置されてもよいが、なるべく少数であることが好ましい。
【実施例0088】
以下、実施例及び比較例について説明する。以下の実施例及び比較例では、
図1a~9に示す構造を有した苗栽培装置を用いて、閉鎖型建物構造物内の湿度を30~100%となるように設定し、トマトの苗を栽培した。
【0089】
[UV強度、光強度、光合成有効光量子束密度の測定]
相馬光学株式会社製、分光放射照度計(製品名:S-2431 modelII)を使用し、栽培面における各波長領域の範囲におけるUV強度、光強度、光合成有効光量子束密度を測定した。分光放射照度計の受光面を、苗の葉の位置に、水平上向きに配置して測定を行った。
【0090】
[苗の生育評価]
表1に示す条件で照明装置を使用した苗栽培装置を使用し、照明を1日あたり16時間点灯し、トマトの苗を12日育成した。生育状態について以下の基準で評価を行った。結果を表1に示す。
VG(非常に良い):葉こぶ症の発生が見られない。
G(良好):一部の苗に軽度の葉こぶ症の発生が見られる。(一部の苗の葉に突起状のこぶは発生するがその程度は軽微で、葉に重度の黄化や落葉は見られない。)
NG(不良):多くの苗に葉こぶ症が発生し、重篤な症状が見られる。(多くの苗の葉に突起状のこぶが発生し、葉の縮れや重度の黄化、落葉が発生。)
【0091】
<実施例1~7、比較例1~4>
閉鎖型建物構造物1(内法寸法:奥行450cm、横幅300cm、高さ240cm)内の完全閉鎖された空間内に5段3棚の多段棚式植物育成装置3を2基設置して、トマトの苗を栽培した(セルトレイ40の寸法:奥行60cm、幅30cm)。空調装置は、冷房能力14kWの空調装置を1台設置し、照明装置は、植物の栽培面において表1に示す波長特性を有する照明装置を使用した。得られた結果を表1に示す。
【0092】
【0093】
表1の通り、実施例1、2および7は、葉こぶ症が発症せず、極めて良好な生育状態の苗を栽培することができた。実施例3~6は、葉こぶ症を若干発症したが、葉の黄化や落葉にまでは至らず、軽微な症状にとどまる結果であった。一方、295nm以上、320nm未満の栽培面UV強度が2.5μW/cm2よりも低い比較例1~4では、良好な結果は得られなかった。具体的には、比較例1、2および4では、葉こぶ症が発症し、葉が黄化し落葉に至る重篤な生育障害が発生し、比較例3は、295nm未満の紫外線強度が多いことも相俟って、葉が縮れて死滅する結果であった。
【0094】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態とされてもよい。
本出願は、2016年6月2日付で出願された日本特許出願2016-111043に基づいており、その全体が引用により援用される。