(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022340
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/497 20140101AFI20220127BHJP
A63F 13/49 20140101ALI20220127BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20220127BHJP
【FI】
A63F13/497
A63F13/49
A63F13/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198518
(22)【出願日】2021-12-07
(62)【分割の表示】P 2020046892の分割
【原出願日】2020-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社ミクシィ
(72)【発明者】
【氏名】大沼 純平
(57)【要約】
【課題】クエストが公開された当時の難易度でクエストをプレイすることを可能にする技術を提供すること。
【解決手段】キャラクタごとに、過去の時間情報と、ステータスの範囲とを対応づける過去情報を格納する記憶部と、前記過去情報に基づき、プレイヤが所持するキャラクタのステータスを、クエストに定められた時間情報に対応するステータスの範囲に変更して、前記クエストを実行する実行部と、を有する情報処理装置を提供する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタごとに、過去の時間情報と、ステータスの範囲とを対応づける過去情報を格納する記憶部と、
前記過去情報に基づき、プレイヤが所持するキャラクタのステータスを、クエストに定められた時間情報に対応するステータスの範囲に変更して、前記クエストを実行する実行部と、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デッキと呼ばれる、複数のキャラクタから構成されるチームを用いて、クエストと呼ばれる、ゲームで行われるイベントをクリアしていくオンラインゲームが知られている。例えば、特許文献1には、ユーザが所持するキャラクタの中から自動的にデッキを編成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したオンラインゲームでは、ユーザを飽きさせないために、新たなクエストが追加されたり、キャラクタがパワーアップしたりといったように、ゲームが何度もバージョンアップされることが多い。
【0005】
しかしながら、クエストの中には、登場した当時は難易度が高く面白味があったものの、現在ではキャラクタがパワーアップしたことで難易度が低くなり面白味に欠けてしまったようなクエストも存在する。
【0006】
そこで、本発明は、クエストが公開された当時の難易度でクエストをプレイすることを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、キャラクタごとに、過去の時間情報と、ステータスの範囲とを対応づける過去情報を格納する記憶部と、前記過去情報に基づき、プレイヤが所持するキャラクタのステータスを、クエストに定められた時間情報に対応するステータスの範囲に変更して、前記クエストを実行する実行部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、クエストが公開された当時の難易度でクエストをプレイすることを可能にする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るゲームシステムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】ゲームサーバ及び端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】ゲームサーバの機能ブロック構成例を示す図である。
【
図4】プレイヤ管理DB及び所持キャラクタ管理DBの一例を示す図である
【
図5】クエスト管理DB及びキャラクタ履歴DBの一例を示す図である。
【
図7】ゲームサーバが行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】過去モードでクエストをプレイする際の選択画面の一例を示す図である。
【
図9】クエストに関する情報を表示する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0011】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係るゲームシステム1のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示すゲームシステム1は、ゲームサーバ10(ゲーム装置)と、複数の端末20とを備える。ゲームサーバ10及び端末20は、インターネット、イントラネット、無線LAN又は移動通信等の通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。
【0012】
ゲームサーバ10は、例えば、プレイヤに関する各種情報を管理したり、ゲームの一部の処理を実行したりする等、端末20がゲームを提供する上でその一部の機能を担う装置である。ゲームサーバ10は、1又は複数の情報処理装置から構成されていてもよいし、仮想的なサーバ(クラウドサーバ等)を用いて構成されていてもよい。
【0013】
端末20は、ゲームをプレイヤに提供する情報処理装置であり、プレイヤは、端末20を操作することで本実施形態に係るゲームを実行することができる。端末20は、例えば、携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット、パーソナルコンピュータ、アーケードゲーム装置、又は、コンシューマゲーム装置等のコンピュータである。端末20は、GPS(Global Positioning System)等を用いて検出した自身の位置をゲームサーバ10に通知する。
【0014】
<ゲーム概要>
続いて、本実施形態に係るゲームシステム1が提供するゲームの概要を説明する。ゲームシステム1が提供するゲーム(以下、「本ゲーム」と言う。)では、プレイヤは、所持している複数のキャラクタの中から選択したキャラクタでデッキを編成し、編成したデッキを用いてクエストをクリアすることで、新たなキャラクタやアイテムを入手することができる。また、プレイヤは、入手した複数のキャラクタを合成することでより強いキャラクタに成長させたり、アイテムを用いてキャラクタの属性を強化したりすることで、より難易度の高いクエストに挑戦することができる。
【0015】
ここで、クエストとは、予め定められた一定の条件を満たすことがクリア条件であるミッションを意味する用語である。クエストは、探索や課題と呼ばれることもある。クエストに参加したプレイヤは、当該一定の条件を満たすことでクエストをクリアすることができ、クエストをクリアすると、プレイヤに報酬が与えられたり、本ゲームのストーリーが進行したりする。
【0016】
また、デッキとは、複数のキャラクタを組み合わせたグループを意味する用語である。プレイヤは、クエストを実行する際、当該クエストをクリアするために適した能力を持つキャラクタを選択してデッキを編成してクエストをプレイする。
【0017】
デッキには、ユーザが所有するキャラクタを組み合わせたデッキ(以下、「手持ちデッキ」と称する)と、クエストに対し予め関連づけられたデッキ(以下、「お助けデッキ」と称する)とが存在する。お助けデッキは、少なくともクエストをクリア可能な程度の強さを有する、予め決められた(プリセットされた)複数のキャラクタで編成されるデッキである。プレイヤは、クエストにチャレンジする際、手持ちデッキを用いてプレイするのか、お助けデッキを用いてプレイするのかを選択することができる。
【0018】
本ゲームは、プレイヤを飽きさせないために、何度もバージョンアップが行われている前提とする。また、本ゲームはバージョンアップの度に、新たなクエストが追加されたり、各種のキャラクタが取り得るステータスの範囲が拡張されたり、新たなアイテムが追加されたり、新たなキャラクタが追加されたりしている前提とする。
【0019】
しかしながら、クエストの中には、公開当初は難易度が高く面白味があったものの、本ゲームが何度もバージョンアップされてキャラクタが強くなったことで、相対的にクエストの難易度が低くなり、面白味に欠けてしまったようなクエストが存在する。
【0020】
そこで、本ゲームは、プレイヤがクエストに挑戦する際、キャラクタが取り得るステータスの範囲を、クエストが公開された当時に当該キャラクタが取り得たステータスの範囲に変更したモード(以下、「過去モード」と呼ぶ。)で、クエストをプレイ可能とする。なお、キャラクタが取り得るステータスの範囲を変更しないでクエストをプレイするモードを、「通常モード」と呼ぶ。
【0021】
過去モードでは、デッキを編成することができるキャラクタが制限されてもよい。本ゲームでは、バージョンアップされる度に新たなキャラクタが追加されるが、過去モードでクエストをプレイする場合、デッキに含めることができるキャラクタは、クエストが公開された当時に存在していたキャラクタに限定されることとしてもよい。
【0022】
<ハードウェア構成>
図2は、ゲームサーバ10及び端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。ゲームサーバ10及び端末20は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical processing unit)等のプロセッサ11、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置12、有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)13、入力操作を受け付ける入力デバイス14、及び情報の出力を行う出力デバイス15を有する。入力デバイス14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス及び/又はマイク等である。出力デバイス15は、例えば、ディスプレイ及び/又はスピーカ等である。
【0023】
<機能ブロック構成>
(ゲームサーバ)
図3は、ゲームサーバ10の機能ブロック構成例を示す図である。ゲームサーバ10は、記憶部100と、ゲーム制御部110とを含む。記憶部100は、ゲームサーバ10が備える記憶装置12を用いて実現することができる。また、ゲーム制御部110は、ゲームサーバ10のプロセッサ11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0024】
記憶部100は、プレイヤ毎のゲームデータを管理するプレイヤ管理DB100aと、各プレイヤが所持しているキャラクタを管理する所持キャラクタ管理DB100bと、クエストに関する情報を管理するクエスト管理DB100cと、キャラクタが取り得るステータスの範囲を時間情報と対応づけて管理するキャラクタ履歴DB100dとを記憶する。
【0025】
図4は、プレイヤ管理DB100a及び所持キャラクタ管理DB100bの一例を示す図である。プレイヤ管理DB100aには、例えば、プレイヤを一意に識別するID(プレイヤID)、プレイヤの呼び名(ニックネーム)、プレイヤが利用する端末20の現在位置、プレイヤの経験値、プレイヤのランク及びプレイヤのスタミナ等が格納される。
【0026】
所持キャラクタ管理DBには、プレイヤを一意に識別するID(プレイヤID)、プレイヤが所持するキャラクタを一意に識別するID(キャラクタID)、キャラクタの現在のステータス(レベル、HP(ヒットポイント)、攻撃力、スピード、スキル)及びキャラクタの現在の進化状態が格納される。スキルとは、キャラクタが備える特殊能力を意味する。進化状態とは、キャラクタが通常のキャラクタであるのか、より強力な状態に変化(変身)したキャラクタであるのかを意味する。例えば、キャラクタの初期状態は「ノーマル」であり、所定のアイテムを利用することで、「進化状態」に変化(変身)することとしてもよい。なお、進化状態は、ノーマル及び進化状態の2段階に限定されず、3段階以上存在していてもよい。また、キャラクタは、進化状態になることで、キャラクタID、キャラクタ名等が異なる、より強力な他のキャラクタに変化(変身)することとしてもよい。
【0027】
図5は、クエスト管理DB100c及びキャラクタ履歴DB100dの一例を示す図である。クエスト管理DB100cには、クエストを一意に識別するID(クエストID)、クエストの名称(クエスト名)、クエストが初めて公開された日付(公開日)、及び、クエストが公開された時点で既に存在していたキャラクタのキャラクタID(使用可能キャラクタ(公開時))が格納される。例えば、クエストQ001において、キャラクタC101~C500は使用可能キャラクタ(公開時)に含まれていない。これは、クエストQ001を過去モードでプレイする際、デッキを編成することができるキャラクタは、クエストQ001が公開された時点で既に存在していたキャラクタC001~C100のいずれかに限定されることを意味している。
【0028】
キャラクタ履歴DB100dには、本ゲームに登場するキャラクタを一意に識別するID(キャラクタID)、過去の期間を示す情報(時間情報)、キャラクタが取り得るステータスの範囲(ステータス範囲)、及び、キャラクタが取り得る進化状態を対応づけて記憶する。
【0029】
例えば、
図5の例では、キャラクタC001の最大レベルは、2013年10月から2014年1月までの間、最大レベルは30であるが、2014年2月から2015年2月までの間、最大レベルは50になっている。これは、本ゲームが2014年2月にバージョンアップされ、キャラクタC001のレベルが取り得る範囲が、0~30から0~50に拡張されたことを示している。同様に、キャラクタC001のスキルは、2013年10月から2014年1月までの間は無しであるが、2014年2月から2015年2月までの間は「無し及びAA」であり、2015年3月以降は、「無し、AA及びBB」である。これは、本ゲームがバージョンアップしたことで、キャラクタC001が取り得るスキルが追加されたことを示している。
【0030】
また、キャラクタC001の進化状態は、2013年10月から2015年2月までの間は「ノーマル」のみであるが、2015年3月以降は「ノーマル及び進化状態」である。これは、本ゲームがバージョンアップしたことで、キャラクタC001が進化状態に変化することが可能になったことを示している。
【0031】
キャラクタ履歴DBは、キャラクタごとに、過去の期間を示す情報と、ステータスの範
囲とを対応づける情報であることから、「過去情報」と称してもよい。
図4に戻り説明を続ける。
【0032】
ゲーム制御部110は、本ゲームを実行するために必要な各種の機能を提供する。ゲーム制御部110は、受付部111と、実行部112と、表示制御部113と、付与部114とを含む。
【0033】
受付部111は、プレイヤが所持するキャラクタのステータスを変更するモード(過去モード)でクエストを実行するか否かの選択を受け付ける。
【0034】
また、受付部111は、過去モードでクエストを実行する場合に、クエストの公開日(クエストに定められた時間情報)に対応するキャラクタ(つまり、クエスト公開時に存在していたキャラクタ)であって、プレイヤが所持しているキャラクタの中から、クエストに使用するキャラクタの選択(デッキの編成)を受け付けるようにしてもよい。なお、本ゲームは、ゲームサーバ10及び端末20が備えるアプリケーション(プログラム)が新たなバージョンにアップデートされることで、新たなクエストの公開やキャラクタの追加が行われるゲームであってもよい。従って、クエストに定められた時間情報は、クエストの公開日そのものを示す情報に限定されない。例えば、クエストに定められた時間情報は、アプリケーションのバージョン情報であってもよい。バージョン情報が分かれば、アプリケーションが当該バージョンにアップデートされた日付を特定することができるためである。
【0035】
実行部112は、プレイヤから、クエストを過去モードで実行するとの選択を受け付けた場合に、キャラクタ履歴DBに基づき、プレイヤが所持するキャラクタのステータスを、クエストの公開日(クエストに定められた時間情報)に対応するステータスの範囲に変更して、クエストを実行する。
【0036】
表示制御部113は、本ゲームに関する各種の画面を端末20の画面に表示させる。
【0037】
付与部114は、プレイヤがクエストをクリアした際に所定の報酬を付与する。例えば、付与部114は、プレイヤが過去モードでクエストをクリアした際に付与する報酬を、現在モードでクエストをクリアした際に付与する報酬とは異なるようにしてもよい。例えば、付与部114は、過去モードでクエストをクリアした際に付与する報酬を、現在モードでクエストをクリアした際に付与する報酬よりも多くなるようにしてもよい。
【0038】
(端末)
図6は、端末20の機能ブロック構成例を示す図である。端末20は、記憶部200と、通信部201と、UI(User Interface)部202と、ゲーム制御部203とを含む。記憶部200は、端末20が備える記憶装置12を用いて実現することができる。また、通信部201と、UI部202と、ゲーム制御部203とは、端末20のプロセッサ11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0039】
記憶部200は、ゲーム制御部203が本ゲームを実行するために必要なゲームデータを記憶する。ゲームデータには、キャラクタの画像データ、ゲームシナリオ等が格納される。
【0040】
通信部201は、通信IF13を用いてゲームサーバ10との間で各種の通信を行う機能を有する。
【0041】
UI部202は、プレイヤから各種の入力を受け付ける処理と、ディスプレイに各種のゲーム画面を表示させる機能とを有する。また、UI部202は、ゲームサーバ10の指示に従い、ゲーム画面を表示する。
【0042】
ゲーム制御部203は、ゲームサーバ10と連携することで、本ゲームを実行するために必要な各種の機能を提供する。例えば、ゲーム制御部203は、ゲーム画面に描画するための各種の情報(アイコン画像データ、テキストデータ等)をゲームサーバ10から取得する機能等を提供する。
【0043】
以上説明した機能ブロック構成について、ゲームサーバ10に含まれる受付部111と、実行部112と、表示制御部113と、付与部114とのうち全部又は一部を、端末20のゲーム制御部203に備える構成とするようにしてもよい。
【0044】
<処理手順>
図7は、ゲームサーバ10が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、受付部111は、プレイするクエストの選択をプレイヤから受け付ける(S10)。続いて、受付部111は、クエストを通常モードでプレイするのか、又は、過去モードでプレイするのかの選択を受け付ける(S11)。通常モードが選択された場合はステップS17に進み、過去モードが選択された場合はステップS12に進む。
【0045】
過去モードが選択された場合、受付部111は、クエスト管理DB100cにアクセスし、選択されたクエストの公開日を取得する(S12)。続いて、受付部111は、プレイヤの所持キャラクタのうち、クエスト公開日の時点で使用可能なキャラクタを抽出する(S13)。まず、受付部111は、所持キャラクタ管理DB100bにアクセスすることで、プレイヤが所持している複数のキャラクタを取得する。続いて、受付部111は、クエスト管理DB100cから、取得したクエスト公開日の時点で使用可能なキャラクタのリストを取得する。続いて、受付部111は、プレイヤが所持している複数のキャラクタの中から、クエスト公開日の時点で使用可能なキャラクタのリストに含まれるキャラクタを、過去モードでクエストをプレイする際に使用可能なキャラクタとして抽出する。
【0046】
続いて、受付部111は、プレイヤから、ステップS13の処理手順で抽出したキャラクタの中から、クエストで使用するデッキの編成を受け付ける(S14)。このとき、プレイヤがデッキを編成するキャラクタとして選択したキャラクタの中に、進化状態であるキャラクタが存在する場合、更に、退化した状態(例えばノーマルに変更された状態)でデッキに組み込むことについての選択を受け付けるようにしてもよい。退化した状態でプレイするとの指示を受けた場合、実行部112は、当該キャラクタについては退化した状態でクエストを実行する。
【0047】
続いて、実行部112は、キャラクタ履歴DB100dにアクセスし、デッキに含まれる各キャラクタについて、クエスト公開日の時点におけるステータス範囲を取得する。例えば、クエスト公開日が2014年5月である場合、実行部112は、キャラクタC001のステータス範囲として、最大レベル50、最大HP150、最大攻撃力200、最大スピード100、スキル(無し、AA)、進化状態(ノーマル、X)を取得する。
【0048】
続いて、実行部112は、所持キャラクタ管理DBにアクセスし、各キャラクタの現在のステータスについて、クエスト公開日の時点におけるステータス範囲を超える現在のステータスが存在するか否かを、デッキに含まれる全てのキャラクタについて確認する。実
行部112は、現在のステータスが、クエスト公開日の時点におけるステータス範囲を超える場合、現在のステータスを、クエスト公開日の時点におけるステータス範囲の最大値に変更する(S15)。例えば、プレイヤが所持するキャラクタの現在レベルが50であり、かつ、クエスト公開日の時点におけるステータス範囲はレベル0~30であった場合、実行部112は、当該キャラクタのレベルを30に変更する。
【0049】
もし、現在のステータスが、クエスト公開日の時点におけるステータス範囲を超えない場合、実行部112は、現在のステータスを変更しない。例えば、プレイヤが所持するキャラクタの現在レベルが50であり、かつ、クエスト公開日の時点におけるステータス範囲はレベル0~70であった場合、実行部112は、当該キャラクタのレベルは50のまま変更しない。
【0050】
ここで、クエスト公開時に、進化状態になることが許容されていなかったキャラクタについては、実行部112は、進化する前のキャラクタに変更してクエストを実行するようにしてもよい。すなわち、実行部112は、過去モードでクエストをプレイする際に、プレイヤがデッキを編成するために選択したキャラクタの中に、クエスト公開時に存在していたキャラクタ(クエストに定められた時間情報に対応するキャラクタ)が進化したキャラクタが含まれており、かつ、キャラクタ履歴DBでは、過去モードでクエストを実行する場合には当該キャラクタは進化した状態にはならないことが定義されている場合(つまり、クエスト公開時には、当該キャラクタが進化したキャラクタは存在しなかった場合)、進化したキャラクタを進化する前のキャラクタに変更して、クエストを実行するようにしてもよい。
【0051】
また、実行部112は、キャラクタ履歴DBに基づいて、プレイヤが所持するキャラクタを進化する前のキャラクタに変更する際、該進化する前のキャラクタが取り得るステータスを最も高いステータスに変更してクエストを実行するようにしてもよい。例えば、所持キャラクタ管理DB100b、クエスト管理DB100c及びキャラクタ履歴DB100dには、それぞれ、
図4及び
図5に示すデータが格納されているものとする。もし、プレイヤ0100が、キャラクタC100をデッキに組み込んで、クエストQ003を過去モードでプレイする場合を想定する。所持キャラクタ管理DB100bによれば、キャラクタC100のステータスは、レベル60、HP200、攻撃力300、スピード130、スキルとしてAA及びBBを有する状態である。また、キャラクタC100は進化状態である。
【0052】
この場合で、クエストQ003を過去モードでプレイした場合、クエスト管理DB100cによれば、クエスト公開日は2014年5月である。また、キャラクタ履歴DB100dによれば、2014年5月の時点で、キャラクタC100のステータス範囲は、最大レベル50、最大HP150、最大攻撃力200、最大スピード100であり、取り得るスキルはAAのみである。従って、実行部112は、キャラクタC100のステータスを、レベル50、HP150、攻撃力200、スピード100、スキルとしてAAを有する状態に変更してクエストQ003を実行する。
【0053】
同様に、クエストQ001を過去モードでプレイした場合、クエスト管理DB100cによれば、クエスト公開日は2013年10月である。また、キャラクタ履歴DB100dによれば、2013年10月の時点で、キャラクタC100のステータス範囲は、最大レベル30、最大HP100、最大攻撃力100、最大スピード80であり、取り得るスキルは無しである。従って、実行部112は、キャラクタC100のステータスを、レベル30、HP100、攻撃力100、スピード80、スキルを有しない状態に変更してクエストQ001を実行する。
【0054】
続いて、実行部112は、ステップS15の処理手順で変更したステータスに基づいて、クエストの実行を開始する(S16)。
【0055】
クエストを通常モードでプレイするとの選択がなされた場合(S11)、受付部111は、プレイヤから、クエストで使用するデッキの編成を受け付ける(S17)。実行部112は、受け付けたデッキを用いてクエストの実行を開始する(S18)。
【0056】
(変形例1)
過去モードが選択された場合、プレイヤが所持しているキャラクタの中に、クエスト公開日の時点で使用可能なキャラクタのリストに含まれるキャラクタが存在しないケースが考えられる。例えば、最近本ゲームを始めた初心者プレイヤなど、所持しているキャラクタが少ない場合、このようなケースが生じる可能性が高いと考えられる。
【0057】
この場合、受付部111は、クエスト公開時に存在していたキャラクタ(クエストに定められた時間情報に対応するキャラクタ)の中に、プレイヤが所持しているキャラクタが存在しない場合、プレイヤが所定のアイテムを消費することで、クエスト公開時に存在していたキャラクタの中から、デッキの編成(クエストに使用するキャラクタの選択)を受け付けるようにしてもよい。
【0058】
なお、クエスト公開時に存在していたキャラクタは多数存在することが想定される。そこで、消費する所定のアイテムの量又は価値の大小に応じて、選択可能なキャラクタの数を変化させるようにしてもよい。例えば、予め定められた価値以上の価値を有する所定のアイテムを消費する場合は、クエスト公開時に存在していた全てのキャラクタの中からデッキ編成を受け付けるようにしてもよい。一方、予め定められた価値未満の価値を有する所定のアイテムを消費する場合は、クエスト公開時に存在していたキャラクタのうち一部のキャラクタの中からデッキ編成を受け付けるようにしてもよい。
【0059】
(変形例2)
変形例1同様、クエスト公開時に存在していたキャラクタ(クエストに定められた時間情報に対応するキャラクタ)の中に、プレイヤが所持しているキャラクタが存在しない場合、実行部112は、クエストに対して予め用意されたキャラクタを用いてクエストを実行するようにしてもよい。つまり、本ゲームでは、クエストを過去モードでプレイする際に利用可能なお助けデッキを用意しておき、プレイヤは、当該お助けデッキを利用することで、クエストを過去モードでプレイ可能としてもよい。当該お助けデッキは、クエスト公開時に存在していた複数のキャラクタであって、クエスト公開当時のステータス範囲に変更されたキャラクタで編成されたデッキであってもよい。
【0060】
また、お助けデッキは、後述する「過去のランキング」に含まれるキャラクタの中から予め編成されたデッキであってもよい。例えば、実行部112は、「過去のランキング」含まれるキャラクタにより予め編成されたお助けデッキで、クエストを実行するようにしてもよい。
【0061】
また、お助けデッキは、「過去のランキング」に含まれるキャラクタの中からユーザにより選択されたキャラクタにより編成されたであってもよい。例えば、受付部111は、プレイヤから、「過去のランキング」含まれるキャラクタの中から、お助けデッキを編成するキャラクタの選択を受け付けるようにしてもよい。また、実行部112は、受付部111が受け付けた「過去のランキング」含まれるキャラクタにより編成されたお助けデッキで、クエストを実行するようにしてもよい。
【0062】
また、お助けデッキは複数用意されており、複数のお助けデッキの各々は、過去モードでクエストをクリアする難易度が異なるように設定されていてもよい。過去モードでクエストをクリアする難易度は、お助けデッキに含まれるキャラクタの強さにより設定されることとしてもよい。例えば、難易度が「易しい」であるお助けデッキは、複数の強力なキャラクタにより構成されており、難易度が「普通」であるお助けデッキは、強力なキャラクタ及び弱いキャラクタを含む複数のキャラクタにより構成されており、難易度が「難しい」であるお助けデッキは、複数の弱いキャラクタにより構成されていてもよい。また、これに限定されず、他の手段により難易度が設定されていてもよい。例えば、クエストをクリアする難易度は、クエストに登場する敵キャラクタの強さが変化することにより設定されることとしてもよいいし、クエストをプレイする間、プレイヤが有利になるようなアイテムが効果を発揮するか否かにより設定されることとしてもよい。
【0063】
(画面表示例)
図8は、過去モードでクエストをプレイする際の選択画面の一例を示す図である。画面A100はクエストの選択を受け付ける画面である。プレイヤは、クエスト選択ボタンB100、B101及びB102の中からプレイしたいクエストを選択する。表示制御部113は、クエストの選択を受け付けると、選択されたクエストを実行するモードの選択を受けつける画面A110に遷移させる。プレイヤにより過去モードボタンB110又は通常モードボタンB111が押下されると、表示制御部113は、デッキ編成画面A120に遷移させる。表示制御部113は、デッキ編成画面A120に、プレイヤが所持しているキャラクタ一覧を示す表示エリアD120と、デッキに組み込むキャラクタとして選択されたキャラクタを示す表示エリアD121とを表示する。
【0064】
ここで、過去モードでクエストをプレイする場合(つまり、過去モードボタンB110が押下された場合)、表示制御部113は、表示エリアD120において、プレイヤが所持しているキャラクタのうち、クエストに使用することができないキャラクタ(つまり、クエスト公開時には存在しなかったキャラクタ)をグレーアウト表示するようにしてもよい。クエスト開始ボタンB120が押下されると、過去モードでクエストが実行される。
【0065】
図9は、クエストに関する情報を表示する画面の一例を示す図である。クエスト情報画面A200には、クエストが公開された当時、その当時にクエストをクリアした各プレイヤが、どのキャラクタをデッキに組み込んでいたのかを示す過去のランキングを表示するエリアM100が含まれる。各プレイヤは、当該過去のランキングを参照することで、クエストを過去モードでプレイする際に、デッキに組み込むキャラクタを選択する際の参考とすることができる。
【0066】
<まとめ>
以上説明した実施形態によれば、過去モードでクエストを実行する際、プレイヤがクエストに使用するキャラクタのステータスを、クエストが公開された当時のステータスの範囲に変更してクエストを実行するようにした。これにより、プレイヤは、クエストが公開された当時の難易度でクエストをプレイすることが可能になる。
【0067】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【0068】
<付記>
<付記1>
キャラクタごとに、過去の時間情報と、ステータスの範囲とを対応づける過去情報を格納する記憶部と、
前記過去情報に基づき、プレイヤが所持するキャラクタのステータスを、クエストに定められた時間情報に対応するステータスの範囲に変更して、前記クエストを実行する実行部と、
を有する情報処理装置。
【0069】
付記1によれは、クエストで使用するキャラクタのステータスを、クエストが公開された当時の状態に戻すことができるため、プレイヤは、クエストが公開された当時の難易度でクエストをプレイすることが可能になる。
【0070】
<付記2>
前記プレイヤから、前記プレイヤが所持するキャラクタのステータスを変更するモードでクエストを実行するか否かの選択を受け付ける受付部、を有し、
前記実行部は、前記プレイヤから、前記クエストを前記モードで実行するとの選択を受け付けた場合に、前記クエストを実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【0071】
付記2によれば、プレイヤは、自ら希望する場合に、クエストが公開された当時の難易度でクエストをプレイすることが可能になる。
【0072】
<付記3>
前記受付部は、前記モードで前記クエストを実行する場合に、前記クエストに定められた前記時間情報に対応するキャラクタであって、前記プレイヤが所持しているキャラクタの中から、前記クエストに使用するキャラクタの選択を受け付ける、
請求項2に記載の情報処理装置。
【0073】
付記3によれば、プレイヤは、クエストが公開された当時に存在したキャラクタを用いてクエストをプレイすることが可能になる。
【0074】
<付記4>
前記受付部は、前記クエストに定められた前記時間情報に対応するキャラクタの中に、前記プレイヤが所持しているキャラクタが存在しない場合、前記プレイヤが所定のアイテムを消費することで、前記定められた前記時間情報に対応するキャラクタの中から、前記クエストに使用するキャラクタの選択を受け付ける、
請求項3に記載の情報処理装置。
【0075】
付記4によれば、プレイヤが、クエストが公開された当時に存在したキャラクタを所有していない場合でも、クエストが公開された当時に存在したキャラクタを用いてクエストをプレイすることが可能になる。
【0076】
<付記5>
前記実行部は、前記クエストに定められた前記時間情報に対応するキャラクタの中に、前記プレイヤが所持しているキャラクタが存在しない場合、前記クエストに対して予め用意されたキャラクタを用いて前記クエストを実行する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【0077】
付記5によれば、プレイヤが、クエストが公開された当時に存在したキャラクタを所有していない場合でも、予めプリセットされたキャラクタを用いてクエストをプレイすることが可能になる。
【0078】
<付記6>
前記実行部は、選択された前記クエストに使用するキャラクタの中に、前記クエストに定められた前記時間情報に対応するキャラクタが進化したキャラクタが含まれており、かつ、前記時間情報では、前記モードで前記クエストを実行する場合には該キャラクタは進化した状態にはならないことが定義されている場合、該進化したキャラクタを、進化する前のキャラクタに変更して、前記クエストを実行する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【0079】
付記6によれば、プレイヤは、クエスト公開当時には進化した状態にならなかったキャラクタを用いてクエストをプレイする際、進化する前のキャラクタを用いてクエストをプレイすることが可能になる。
【0080】
<付記7>
前記実行部は、前記過去情報に基づき、前記プレイヤが所持するキャラクタを、進化する前のキャラクタに変更すると共に、該進化する前のキャラクタが取り得るステータスを最も高いステータスに変更して前記クエストを実行する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【0081】
付記7によれば、プレイヤが、クエスト公開当時には進化した状態にならなかったキャラクタを用いてクエストをプレイする際、当該キャラクタが進化する前のキャラクタであって、クエスト公開当時において最も強い状態のキャラクタを用いてクエストをプレイすることが可能になる。
【0082】
<付記8>
キャラクタごとに、過去の時間情報と、ステータスの範囲とを対応づける過去情報を記憶部に格納するステップと、
前記過去情報に基づき、プレイヤが所持するキャラクタのステータスを、クエストに定められた時間情報に対応するステータスの範囲に変更して、前記クエストを実行するステップと、
を含む情報処理方法。
【0083】
付記8によれは、クエストで使用するキャラクタのステータスを、クエストが公開された当時の状態に戻すことができるため、プレイヤは、クエストが公開された当時の難易度でクエストをプレイすることが可能になる。
【0084】
<付記9>
コンピュータに、
キャラクタごとに、過去の時間情報と、ステータスの範囲とを対応づける過去情報を記憶部に格納するステップと、
前記過去情報に基づき、プレイヤが所持するキャラクタのステータスを、クエストに定められた時間情報に対応するステータスの範囲に変更して、前記クエストを実行するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【0085】
付記9よれは、クエストで使用するキャラクタのステータスを、クエストが公開された当時の状態に戻すことができるため、プレイヤは、クエストが公開された当時の難易度でクエストをプレイすることが可能になる。
【符号の説明】
【0086】
1…ゲームシステム、10…ゲームサーバ、11…プロセッサ、12…記憶装置、13…通信IF、14…入力デバイス、15…出力デバイス、20…端末、100…記憶部、110…ゲーム制御部、111…受付部、112…実行部、113…表示制御部、114…付与部、200…記憶部、201…通信部、202…UI部、203…ゲーム制御部