(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022374
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】COX阻害薬を含有する経皮製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20220127BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20220127BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20220127BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20220127BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20220127BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20220127BHJP
A61K 31/63 20060101ALI20220127BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20220127BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220127BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
A61K45/00
A61K9/06
A61K47/10
A61K47/26
A61K47/34
A61K47/02
A61K31/63
A61K47/24
A61P43/00 111
A61P29/00
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199410
(22)【出願日】2021-12-08
(62)【分割の表示】P 2018057364の分割
【原出願日】2013-07-31
(31)【優先権主張番号】13/562,686
(32)【優先日】2012-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591010077
【氏名又は名称】エギシュ ヂョヂセルヂャール ザートケルエン ミケデ レースヴェーニタールササーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(72)【発明者】
【氏名】エンドレ ミクラージク
(72)【発明者】
【氏名】タマーシュ スパイチ
(72)【発明者】
【氏名】アーゴタ サカーイネー シンカ
(57)【要約】
【課題】 良好な感覚受容特性、良好な皮膚浸透性、および適切な安定性を有する、COX阻害薬を含有する経皮製剤を提供する。
【解決手段】 本発明の経皮製剤は、活性成分としてのCOX阻害薬と、可溶化剤と、湿潤剤と、ゲル形成剤と、揮発性シロキサン試薬と、溶媒とを含むゲル組成物である。本発明の経皮製剤は、必要に応じて、浸透促進剤および沈殿剤を含んでいてもよい。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の固体粒子を形成する選択的COX-2阻害剤と、
少なくとも1つの可溶化剤と、
湿潤剤と、
ゲル形成剤と、
水を含んでなる溶媒と、
前記選択的COX-2阻害剤をコーティングする、少なくとも1つの揮発性シロキサン試薬と
を含んでなる薬学的組成物であって、前記固体粒子は、組成物中に分散されており、かつ組成物は、懸濁液ゲルからなるものである薬学的組成物。
【請求項2】
可溶化剤は、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルを含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルは、組成物の約5~10%を構成している請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
可溶化剤は、ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)を含んでなるものである請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)が、組成物の約5~10%を構成している請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
可溶化剤は、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテル、ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリエチレングリコール1000、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、Span60、およびEmulsifier10の少なくとも1つを含んでなるものである請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
可溶化剤は、オキシエチレン基2~25個を有するポリエチレングリコール誘導体を含んでなるものである請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
可溶化剤のHLB値は、14~20である請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
湿潤剤は、ポリエチレングリコールを含んでなるものである請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
ゲル形成剤は、ポリマー化2-プロペン酸エステルを含んでなるものである請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
ポリマー化2-プロペン酸エステルが、組成物の約0.3~1%を構成している請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
揮発性シロキサン試薬は、ヘキサメチルジシロキサンおよびデカメチルシクロペンタシロキサンの少なくとも1つを含んでなるものである請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
ヘキサメチルジシロキサンが、組成物の約8~15%を構成している請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
デカメチルシクロペンタシロキサンが、組成物の約4~10%を構成している請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
選択的COX-2阻害剤は、セレコキシブを含んでなるものである請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
選択的COX-2阻害剤は、組成物の約0.5~10%を構成する請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
さらに沈殿剤を含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
沈殿剤は、NaOHを含んでなるものである請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
沈殿剤が、組成物の約0.5~1.2%を構成している請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
さらに、浸透促進剤を含んでいる請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
溶媒は、実質的に水性溶媒からなるものである請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、COX阻害薬を含有する経皮製剤に関する。
【0002】
ゲルなどの経皮製剤は、薬学的に活性な化合物を送達するために重要かつ有用である。このような製剤は、経口製剤の嚥下が困難な患者に対して、または長期的な非経口投与を変更しなければならない場合に、投薬の可能性を提供するものである。このような製剤は、さらに局所的な投薬の可能性を提供し、これにより、副作用を防ぎ、かつ経口投与後に、迅速かつ大々的に代謝される活性成分の投与に適している。特に、抗炎症性および/または疼痛を緩和する薬学的に活性な化合物、例えば、COX阻害薬またはCOX選択的阻害薬(例えば、COX-2阻害薬、好ましくは、セレコキシブ、デラコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、チルマコキシブ、または他の同様の知られている化合物;特に、セレコキシブ(様々な結晶型および様々なそれらの塩を含む、例えば、結晶型I、II、III、IVおよびN))を送達する経皮ゲル製剤が要求されている。
【背景技術】
【0003】
経皮製剤は、天然の膜、または人工の膜を介する活性成分の浸透を測定することにより、体外的な、また皮膚の浸透実験により、生体内的な特徴が定められている。このような測定方法および測定器具の開発については、特許文献1に記載されている。
【0004】
許容される感覚受容特性を有する既知の局所製剤の中において、COX-2阻害薬は、溶解度が非常に低く、融点が高く、また浸透能力が低いため、このような化合物を、特に局所的に送達するには、多くの困難がある。
【0005】
製剤は、必要な治療目的、および例えば、皮膚や衣類に接着することのない適切なコンシステンシー、適切な粘度、快い匂い、および良好な展性のような好ましい感覚受容特性を発揮するために、適切な皮膚浸透性を有していることが必要である。
【0006】
さらに、特に寒冷所での良好な物理化学的安定性、および微生物学的安定性を有する製剤が求められている。セレコキシブなどの溶解度の低い活性成分の場合、製剤は、活性成分の溶解度を改善するものでもなければならない。また、この製剤は、工業的規模での製造が容易なものでなければならない。
【0007】
例えば、ソリマンおよびその共同研究者(S.M.ソリマン,N.S.アブデル-マラク,O.N.エル-ガザヤリ,A.A.アブデル-レヒム)の実験(非特許文献1)の再現実験では、生成物として、技術的にはゲルが得られたが、熱的不安定性および粘度の高さのために、濃度が不十分であったため、製品開発に適したものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2010/089619号公報
【特許文献2】国際公開第2009/007764号公報
【特許文献3】国際公開第2010/089617号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】DrugDisc&Ther.2010;4(6):459-471頁(S.M.ソリマン,N.S.アブデル-マラク,O.N.エル-ガザヤリ,A.A.アブデル-レヒム:セレコキシブの経皮送達のためのマイクロエマルジョンゲル系製剤:生体外浸透性、抗炎症活性及び皮膚刺激性試験)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
出願人は、良好な感覚受容特性を有し、しかも、良好な皮膚浸透性、および適切な安定性を有する製剤を使用することにより、COX-2阻害薬を局所的に使用した際の上記の課題に対する解決策を見出した。
【0011】
すなわち、本発明の経皮製剤は、活性成分(COX阻害薬、好ましくはCOX-2阻害薬)と、可溶化剤と、湿潤剤と、ゲル形成剤と、揮発性シロキサン試薬と、溶媒とを含むゲル組成物である。また、本発明の経皮製剤は、必要に応じ、浸透促進剤および沈殿剤を含んでいてもよい。
【0012】
本発明の製剤における好ましい薬剤は、COX-2選択的阻害薬であり、これらは、炎症、結腸直腸ポリープ(前癌性結腸直腸ポリープのもののような異常に分裂する細胞に影響を与えることができる)、月経痛、スポーツ障害、変形性関節症、関節リウマチ、急性疼痛等の痛みを治療し、消化性潰瘍のリスクを減少させるのに有用である。この製剤の好ましい薬剤はセレコキシブであり、セレコキシブは、COX-1に対してよりも、COX-2に対して、約7.6倍高い親和性を有する選択的COX-2阻害薬である。したがって、セレコキシブの抗炎症活性が、非選択的非ステロイド系抗炎症活性成分によりしばしば経験されるような胃腸の副作用を伴うことはまれである。
【0013】
本発明は、また、活性成分について知られている適応症のための製剤の使用をも含むものである。本発明は、例えば、本明細書中に開示されている組成物を局所的に投与することによる、炎症、大腸ポリープ、月経痛、スポーツ外傷、変形性関節症、関節リウマチおよび疼痛(例えば、急性疼痛)の治療方法、および消化性潰瘍のリスクを低減する方法をも含むものである。
【0014】
本発明による製剤の利点は、経口投与後に起こり得る副作用を防止するとともに、例えば痛みを緩和するために、安定なCOX-2阻害薬の局所投与のための好ましい方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の製剤は、以下の成分を下記の量で含んでいる(本明細書で述べる量、および量の百分率は、特に明記しない限り、組成物全体の質量に対するものである)。
【0016】
I) COX阻害薬などの活性化合物、好ましくは、セレコキシブ、デラコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、および/またはチルマコキシブなどのCOX-2阻害薬、特にセレコキシブおよび特に好ましくはその結晶形。活性成分は、微粒子であることが好ましい。活性成分は、微粒子化されていなければならないということはないが、好ましい実施形態としては、微粒子化された形状であると、活性成分の溶解性をさらに増大させるのに有利である。このようにしても、活性成分が部分的にまたは完全に溶解している本発明による送達系を創出することは可能である。
【0017】
活性化合物(例えば、セレコキシブ)の量は、一般的に0.5~10%であるが、1~6%であることが好ましく、1.5~5%であるとより好ましく、約2%であると最も好ましい。
【0018】
II)メントール、チモール、ラベンダーオイルなどの精油、またはアーモンドオイルや植物油等の核油を含む(ただし、これらに限定されない)、活性成分(例えば、セレコキシブ)の浸透を促進しうる化合物または天然混合物。浸透促進剤が存在することが好ましい。
【0019】
イソボルネオール、イロン、オシメン、カルベオール、カルボタナセトン、カルボメントン、カルボン、カレン、カロン、カンフェン、カンフル、ゲラニオール、シメン、サビネン、サフラノール、シクロシトラール、シトラール、シトロネラール、シトロネル酸、シトロネロール、シネオール、シルベストレン、ツジルアルコール、ツヨン、テルピネオール、テルピネン、テルピノレン、トリシクレン、ネロール、ピネン、ピノカンフェオール、ピノール、ピペリテノン、フェランドラール、フェランドレン、フェンケン、フェンキルアルコール、ペリリルアルコール、ペリリルアルデヒド、ボルネオール、ミルセン、メントール、メントン、イオノール、イオノン、リナロール、またはリモネンなどのテルペン化合物も、浸透促進剤として有用であると思われる。このような化合物を含有する精油を使用することもできる。
【0020】
化合物、精油または天然混合物の選択にあたっては、アレルギー、臭い(例えば、悪臭または良い匂い)、化合物が皮膚を刺激する可能性、悪影響を引き起こす可能性などについて考慮しなければならない。選択肢の中で好ましいものは、メントールおよびラベンダーオイルであり、メントールが特に好ましい。
【0021】
浸透促進化合物(例えば、メントールまたはラベンダーオイル、特にメントール)の量は、0.5~10%であり、0.7~5%であることが好ましく、1~2%であればより好ましく、約1%であれば特に好ましい。
【0022】
III)可溶化剤または少なくとも2つの可溶化成分を含む可溶化剤系。可溶化剤は、当該技術水準において知られている。本出願人は、本発明による製剤では、可溶化剤は、好ましくは、ポリエチレングリコール、脂肪酸とのソルビトールエステル、脂肪酸とのペグ化ソルビトールエステル(ポリソルベート)、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロックポリマー、およびシリコーンアルキルグリコールから選択しうるとの知見を得た。
【0023】
少なくとも2つの可溶化剤成分を含む可溶化剤系を用いる場合、一般に、系の可溶化能は、単一の可溶化剤を用いる場合と比較して顕著に改善される。大きい親水性-親油性バランス(HLB)値(例えば、10よりも大、好ましくは、12よりも大(例えば、13)、さらに好ましくは、約14~20)を有する可溶化剤が特に有用であるとの知見を得た。本発明による製剤では、一例として、Tween60(登録商標)、Brij-58(登録商標)、Kolliphor P-407(登録商標)の可溶化剤が、単独の可溶化剤として、または、可溶化剤系の成分として使用することができる。
【0024】
出願人は、Brij-58として知られる(あるいは、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルまたはポリオキシエチレン(20)セチルエーテルとしても知られる)可溶化剤が、COX-2阻害薬、特にセレコキシブの可溶性を向上させるために特に適しているとの知見を得た。
【0025】
Brij-58の量は、3~25%であり、4~15%であることが好ましく、5~10%であるとより好ましく、約7%であると特に好ましい。
【0026】
本発明の1つの実施形態において、製剤に用いられる可溶化剤は、Brij-58である。
【0027】
Brij-58を、ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)としても知られるKolliphor P-407と組み合わせて用いると、特に有利である。上記の組み合わせにより、可溶化効果を向上させることができ、特に、活性成分が溶存態として存在する製剤の物理的安定性を増大させることができる。この組み合わせは、このような製剤にとって、他の可溶化剤を単独で、または、例えばTween60とエタノールの組み合わせのように組み合わせて用いるのと比較して、予想外に効果的である。さらに、可溶化剤の有利な組み合わせとしては、ポリエチレングリコール1000(PEG1000)およびBrij-58、ならびにPEG1000、Brij-58およびKolliphor P407を含むものがあるが、これに限定されるものではない。
【0028】
他の組み合わせとしては、Tween60(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレートとして知られている)と、Brij-58またはKolliphor P-407との組み合わせ、または他の組み合わせ(いずれの可溶化剤も、10より大、好ましくは、12より大(例えば、13)、さらに好ましくは、14~20のHLB値を有する)が含まれる。
【0029】
Kolliphor P-407のさらなる利点は、増粘剤、および/またはゲルバインダとして作用しうることである。
【0030】
可溶化剤系にさらに含むことができる可溶化剤は、Span60(登録商標)およびEmulsifier10(商品名)である。従来技術より知られる可溶化剤のいくつかは、単独では、活性化合物の溶解度を望ましい程度まで向上させるには不十分であることが知られているが、HLB値の大きい可溶化剤と組み合わせた場合には、いくつかの利点が提供されるものもある。
【0031】
可溶化剤を組み合わせて、または可溶化剤系を用いた場合、個々の成分の量は、単独で用いた場合とおよそ等しい。可溶化剤系中のBrij-58の量は、それ自体を、単独で用いた時と同じである。
【0032】
系中のそれぞれの可溶化剤の量は同じであってもよい。Kolliphor P-407の量は、例えば、組み合わせた場合または単独で用いた場合であっても、3~25%の範囲であり、4~15%であることが好ましく、5~10%であるとより好ましく、約7%であると特に好ましい。
【0033】
可溶化剤系における各可溶化剤の重量比は、例えば、2種存在する場合、1:10~10:1とすることができ、1:5~5:1であることが好ましく、1:2~2:1であるとより好ましく、1:1であると特に好ましい。
【0034】
Kolliphor P-407とBrij-58とを、例えば、1:1で組み合わせることにより、活性成分が溶存態で存在する製剤の物理的安定性が増大する。
【0035】
IV)ポリエチレングリコール(PEG)などの湿潤剤または潤滑剤。PEGの中で好ましいものは、PEG1000である。しかし、PEG200からPEG20,000のいずれも用いることができる。好ましいポリエチレングリコールは、分子量1000以下で、液体または半固体状態のものである。
【0036】
PEG1000は、低温でも、PEG1000に溶解している製剤の成分の取扱特性を向上させる。しかし、PEGの濃度が、例えば、10%から20%に増加すると、安定性も、膜浸透性も改善しない、したがって、PEGは、例えば、本発明の製剤における溶媒(例えば、真の可溶化剤)として評価すべきでないと考えられている。可溶化効果および膜透過性の予想外の増大は、Kolliphor P407とBrij-58との組み合わせの添加の結果であるといえ、これらは、PEGまたは他の可溶化剤、および/または湿潤剤、および/またはメントールなどの浸透促進成分によってもさらに向上し得る。
【0037】
PEGは、湿潤剤としての役割を果たすのに加えて、セレコキシブなどの活性成分の可溶性を向上させるようにも思われる。
【0038】
PEG(好ましくは、PEG1000)の量は、2~25%の範囲であり、5~20%であることが好ましく、8~15%であればより好ましく、約10%であるのが特に好ましい。
【0039】
組成物においてPEGと同等の結果を提供する限り、他の湿潤剤を、PEGに加えて、またはPEGの代替として用いることもできる。
【0040】
V)ゲル形成剤または増粘剤(好ましくは、Carbopol(登録商標)化合物、好ましくはCarbopol980(ポリマー化2-プロペン酸エステルとしても知られる))。Carbopol980は、非常に効率的な増粘剤であり、透明の水性ゲルおよび水-アルコールゲルを処方するのに理想的なポリマーである。Carbopol980に加え、またはその代替として、当該技術水準で知られる他のゲル形成剤も使用することができる。
【0041】
ゲル形成剤の量は、ゲルの形成を提供するのに十分である限り、少なくすることができる。例えば、Carbopol980の場合の量は、0.1~2%の範囲であり、0.2~1.5%であることが好ましく、0.3~1%であることがより好ましく、約0.5%であると特に好ましい。
【0042】
VI) 所望により、沈殿剤またはpH調整剤、例えば、水酸化ナトリウム水溶液(ただし、このような試薬が、特定のゲル形成剤と組み合わせて、ゲルの適切なpH範囲または沈殿条件を調整するために必要である場合)、または代替の沈殿剤を、製剤において使用することもある。例えば、Carbopolゲル形成剤を用いる場合、ゲルを得るために、沈殿剤として、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を使用することができる。他のゲル形成剤の場合には、当該技術水準で知られている異なる沈殿剤が必要となることもある。いくつかのゲル系では、沈殿剤は必要ではない。
【0043】
沈殿剤またはpH調整剤溶液の濃度は、変えることができるが、10m/v%であることが好ましい。
【0044】
沈殿剤の量は、水中で膨潤したゲル形成剤について、pH5.5~7.5に調整するのに十分でなければならず、一般には、0.5~2%であり、0.7%~1.5であることが好ましく、0.8~1.2%であるとより好ましく、約1%であることが特に好ましい。
【0045】
VII) 揮発性シロキサン試薬(好ましくは、活性成分の表面上のコーティングとして存在する)、または、好ましくは、少なくとも2つの揮発性シロキサンコーティング剤成分を有するシロキサンコーティング剤系(成分は活性成分粒子をコーティングするために使用される)。揮発性シロキサンコーティング剤は、塗布した時に皮膚から蒸発しうるように高度に揮発性でなければならない。
【0046】
特許文献2および特許文献3には、水性ゲル中に、高度に揮発性のシロキサン、またはこのようなシロキサンの混合物でコーティングされた固体の活性成分粒子を分散させた経皮ゲル製剤が開示されている。上記特許文献において、揮発性について定義され、開示されているシロキサン、すなわち、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサンおよびデカメチルシクロペンタシロキサンは、本発明において、活性化合物粒子をコーティングするために有用である。上記のシロキサンの代わりに、粒子成分をコーティングし、皮膚への適用時に蒸発することができる他の化合物も有用である。活性成分の粒子をコーティングするために、特に有利な揮発性シロキサンは、極性で非官能性のシロキサンであり、換言すると、任意の極性官能基を含まないものである。
【0047】
ヘキサメチルジシロキサンとデカメチルシクロペンタシロキサンとの組み合わせが特に好ましい。このように、好ましい実施形態において、製剤は、シリコーン流体0.65cSt(ヘキサメチルジシロキサン)、およびSt-シクロメチコン5-NF(デカメチルシクロペンタシロキサン)を含んでいる。
【0048】
St-シクロメチコン5-NFを含む実施形態によると、感覚受容特性は改善される。
【0049】
組み合わせて用いる場合、また、単独で用いる場合であっても、シリコーン流体0.65cStの量は、1~25%の範囲であり、5~20%であることが好ましく、8~15%であるとより好ましく、約10%であると特に好ましい。
【0050】
組み合わせて用いられる場合、また、単独で用いる場合であっても、St-シクロメチコン5-NFの量は、1~25%の範囲であり、3~15%であることが好ましく、4~10%であるとより好ましく、約5%であると特に好ましい。
【0051】
活性成分が懸濁液の形態である場合、用いられるシロキサンの量は、皮膚に塗布した場合にシロキサンコーティングが蒸発する前に、活性成分粒子が、可溶化剤および浸透促進成分を含むゲルマトリクスと混合するのを防ぐために、活性成分粒子を適度にコーティングするのに十分でなければならない。シロキサンの量が少なすぎると、活性成分粒子が部分的に溶解し、したがって、皮膚浸透性及び安定性に影響を及ぼす場合がある。
【0052】
例えば、2つが存在する場合のシロキサンコーティング剤の質量比は、1:10~10:1とすることができ、1:5~5:1であることが好ましく、1:2:~2:1であるとより好ましく、1:1であると特に好ましい。
【0053】
VIII)最後に、精製水またはいくつかの実施形態においては水に加えて、アルコールなどの溶媒を加えて100%にする。
実施形態によっては、上記の製剤には、水に加えて、溶媒(例えば、様々なアルコールなど)を含ませる。組成物における追加の成分を、それらが有効性および感覚受容特性に悪影響を及ぼさない限り、加えてもよい。例えば、組成物は、着色料、香料、さらなる薬用化粧品または栄養補助食品をさらに含むことができる。
【0054】
本発明の組成物の1つの実施形態においては、
COX-2選択的阻害化合物と、
活性成分の皮膚浸透性を向上することができる少なくとも1つの化合物と、
少なくとも1つの可溶化剤と、
少なくとも1つの湿潤剤と、
少なくとも1つのゲル形成剤と、
少なくとも1つの沈殿剤と、
少なくとも1つの揮発性シロキサンコーティング剤と、
少なくとも1つの溶媒と、
を含んでいる。
【0055】
製剤は、活性成分がゲル中に溶解している溶液ゲルでもよく、活性成分が、粒子状の形態で、ゲル中に懸濁または分散している懸濁液/分散ゲル液の形態であってもよい。しかし、活性成分が、一部は溶液中に、同時に、一部は懸濁液ゲル型で存在する製剤を生成することは可能である。このような製剤において、懸濁液中に(すなわち、粒子状で)存在する活性成分の割合は、自由に選択される。
【0056】
懸濁液ゲルの場合、活性成分の固体粒子は、1つまたは複数のシロキサンでコーティングされ、ゲル中に分散され、このようにして、本発明による溶液ゲルと同様の特性、例えば、低温安定性や良好な皮膚浸透性を有する経皮製剤が得られるだけでなく、さらなる利点、例えば、さらに増大された安定性(例えば、保存安定性、特に、物理化学的安定性および微生物学的安定性)が提供される。
【0057】
本願発明の好ましい組成物は、以下の成分を含んでいる。
【表1】
【0058】
好ましい組成物(溶液ゲル)は、以下の成分を含んでいる。
【表2】
【0059】
より好ましい組成物(粒子状の活性成分を含有する懸濁液ゲル)は、以下の成分を含んでいる。
【表3】
【0060】
本明細書に示す量は、各成分について、例えば20%程度、より好ましくは10%程度異なっていてもよい。
上記の製剤において、メントールは、例えば、ラベンダーオイルまたはアーモンドオイルと交換されてもよい。
上記の製剤において、シリコーン流体0.65cStおよびSt-シクロメチコン5-NFの一方または両方を用いてもよいが、両方用いることが好ましい。
【0061】
実際の適用上の必要性に従って、ゲル形成剤の濃度、および必要によっては、沈殿剤の量を変更することにより、ゲルの粘度を変えることができる。ゲル形成剤の濃度を、0.25~0.4パーセントまで低くすれば、粘度は減少する。
【0062】
本発明の好ましい実施形態においては、活性成分の粒子、例えば、セレコキシブは、揮発性シロキサンコーティングによって取り囲まれている。このコーティングには、活性成分、可溶化剤およびゲルのいずれも溶解しない。このように、仮に直接接触よってセレコキシブが可溶化剤に溶解するとしても、懸濁液の物理的形状は維持され、製剤は、活性化合物が溶解される時よりも安定である。
【0063】
製剤を皮膚に移し、揮発性シロキサンコーティングが蒸発するとすぐに、溶解についての障壁は消滅し、活性成分は、添加剤、特に、可溶化剤と接触し、その中に溶解する。このような製剤の物理的形状の変化により、吸収および皮膚浸透は増強される。このようにして、この製剤は、活性成分の調節された吸収とともに、調節された放出を提供する。
【0064】
シロキサンでコーティングされたセレコキシブ粒子を含むゲル(すなわち、溶液ゲルとは対照的に懸濁液ゲル)を皮膚または他の体表に塗布し、製剤の温度が、例えば、24~32℃に上昇すると、揮発性シロキサンは蒸発する。揮発性シロキサンの蒸発の過程で、製剤は、溶液になり(すなわち、セレコキシブ粒子は可溶化され、溶解する)、溶液は皮膚に吸収される。
【0065】
懸濁液型ゲル中において、活性成分としてセレコキシブを使用した好ましい実施形態では、ゲル基材は、Carbopol980(Carbopol:アクリル系ゲル形成コポリマー)、水およびNaOH溶液から調製される。メントールは、シロキサンが蒸発した後の活性成分の浸透性を向上させ、香料としても機能するために提供される。Brij-58は可溶化剤として機能し、PEG1000は湿潤剤として機能する。最後に、使用されるシロキサンコーティング剤は、SF0.65およびSt-シクロメチコン5-NFである。
【0066】
一般に、組成物は、以下の工程によって調製される。
少なくとも1つの溶媒中で、少なくとも1つのゲル形成剤を膨潤させ、および必要であれば、少なくとも1つの沈殿剤にてpH5.5~7.5まで中和するか、または、さもなければゲル基材を生成する工程、
少なくとも1つの可溶化剤を約50℃に加温し、その中に、少なくとも1つの湿潤剤および活性成分の浸透を促進しうる少なくとも1つの化合物を溶解し、それにより、融液を形成し、融液をゲル中に撹拌する工程、
次いで、2つ以上であれば、シロキサンコーティング剤を混和する工程、
選択的COX-2阻害剤化合物(任意に、微粒子化したもの)を、少なくとも1つのシロキサンコーティング剤中に分散し、任意にコロイドミルでホモジネートし、これによって、懸濁液を生成する工程、および
懸濁液をゲル中に撹拌し、任意にコロイドミルでホモジネートする工程
を含む方法(この方法は、上記の工程において、活性成分の浸透を促進しうる少なくとも1つの化合物および選択的COX-2阻害剤を入れ替えることを含んでいる)。
【0067】
好ましい実施形態において、懸濁液製剤の調製方法は、次のとおりである:
i)Carbopol980を水中に膨潤させ、NaOH溶液でpH5.5~7.5まで中和し、これによって、ゲルを形成する;
ii)Brij-58を約40~50℃まで加温し、PEG1000およびメントールを混合物に溶解し、これによって、融液を生成する;
iii)融液をゆっくりとゲルに撹拌する;
iv)2つのシロキサン成分を相互に溶解する(すなわち、混合する);
v)微粒子化セレコキシブをシロキサン混合物中に分散させ、好ましくは、コロイドミルによってホモジネートする;
vi)シロキサン中における活性成分の懸濁液をゲル中に撹拌し、好ましくはコロイドミルによってホモジネートする。
【0068】
さらに好ましい実施形態による、懸濁液製剤の調製方法は、次のようにして実施される。すなわち、ゲル形成剤を膨潤させ、沈殿剤を添加することによってゲルを調製した後、可溶化剤または可溶化剤系成分および湿潤剤をゲル基材に混合して第1の混合物を生成する。別途、揮発性シロキサン成分およびメントールを混合し、このようにして得られた混合物に、活性成分、好ましくはセレコキシブを混合して、懸濁液を生成する。最後に、懸濁液を第1の混合物に添加し、ホモジネートする。
【0069】
溶液ゲルの場合、活性成分は、ゲル(可溶化剤を含む)中に溶存態で存在する。活性成分の粒子は存在しない。しかし、1つの実施形態では、メントール(活性成分、例えば、セレコキシブの浸透促進剤として用いられる)は、シロキサンでコーティングされている。上記にも関わらず、活性成分が、一部は溶存態であり、一部は粒子として存在する製剤を調製することもできる。
【0070】
溶液型ゲルの調製は、わずかな変更を伴うが、懸濁液型ゲルの調製と実質的に同様にして行われる。活性成分、例えば、セレコキシブを、約50℃に加熱した可溶化剤-湿潤剤混合物に溶解する。シロキサン成分および浸透促進剤、例えば、メントールを、上記の方法で調製したゲル基材中に分散させ、例えば、コロイドミルを用いて、ホモジネートする。最後に、可溶化剤-湿潤剤混合物中における活性成分の溶液を、ゲル基材に撹拌し、例えば、コロイドミルを用いてホモジネートする。
【0071】
上記の処理方法に代わる他の調製方法では、活性成分をシロキサン中に分散する代わりに、浸透促進剤として用いられるメントールを、シロキサン中に分散させ、活性化合物を可溶化剤に溶解する。
【0072】
さらに他の調製方法では、ゲル形成剤を水中に分散させ、膨潤させる。沈殿剤を、適切な溶媒、好ましくは水に溶解させ、膨潤したゲルを中和する。可溶化剤であるBrij-58、Kolliphor P-407およびPEG-1000を、約40℃で、一緒に溶融させる。その後、活性成分、例えば、セレコキシブ、およびもしあれば、浸透促進剤、例えば、メントールを溶融混成物に溶解する。このようにして得られた可溶化剤および活性成分を含んでなる塊に、シロキサン成分を混合し、ホモジネートする。最後に、中和したゲルと、可溶化剤、活性成分およびシロキサン成分の混合物とをゆっくり混合し、ホモジネートする。
【0073】
あるいは、製剤を、閉鎖型の制御された製造システムを使用するインライン製造によって調製する。
【0074】
本発明の製剤は、パッチの使用によって投与される。しかし、パッチを利用しないことが好ましい。
【0075】
本発明の製剤では、高級アルコールおよびそのエステル、例えば、炭素数8~22の飽和または不飽和の高級脂肪族アルコールの使用を省略することが好ましい。
【0076】
膜浸透性の評価を、閉じた膜表面をもつ静的ハンソンセル(受容相は水性緩衝液であり、試料を膜上に載せる)によって測定した。膜浸透性試験6時間の結果は、活性成分の累積量として与えられ、マイクログラム/平方センチメートルで表される。浸透試験に用いられる膜は、セルロース混合エステル膜であり、受容相はリン酸緩衝液であった。
【実施例0077】
対照の製剤は、特許文献2に開示された方法に従い、活性成分粒子を揮発性シロキサンでコーティングすることによって調製した。
[実施例1]
【表4】
特性:
メントールの匂いおよび膜浸透性(6時間)1398μg/cm
2を有する優れたコンシステンシーの白色ゲル
評価:
活性成分を含むゲルは、可溶化状態である。工業スケールで容易に調製できる。コンシステンシーおよび感覚受容特性とともに、膜浸透性は良好である。
活性成分は、フリッチェのPulvensette14ミル装置を用いて微粒子化した。結晶化はない。結果として得られた組成物は、優れたコンシステンシーおよび適応性を有する。生体外膜浸透性は、即時である。
【0078】
[実施例2]
実施例2は、上記の方法で調製した活性成分の懸濁液ゲル製剤を示す。
【表5】
特性:
メントールの匂いおよび膜浸透性(累積、6時間)478μg/cm
2を有する優れたコンシステンシーの白色ゲル
評価:
活性成分を含むゲルは懸濁状である。工業スケールで容易に調製できる。膜浸透性は即時であり、コンシステンシーおよび感覚受容特性は優れている。
【0079】
比較例1および比較例2は、特許文献2および特許文献3で採用されている方法と厳密に適合したゲルについての実験である。
【0080】
[比較例1]
【表6】
特徴:
累積的浸透性(6時間)3.1μg/cm
2を有する、容易展着性、無臭、非粘着性のゲル
評価:
容易に調製可能な、典型的な安定ゲルである。このゲルは、容易に使用され、良好なコンシステンシーを示すが、皮膚浸透性は低い。
【0081】
[比較例2]
【表7】
特徴:
累積的浸透性(6時間)4.8μg/cm
2を有する、容易展着性、無臭、非粘着性のゲル
評価:
容易に調製可能な、典型的な安定ゲルである。このゲルは、容易に使用され、良好なコンシステンシーを示すが、皮膚浸透性は低い。
上記実験から得られる結論:
活性成分の浸透性は、シロキサン成分の量を変化させることによって、いくらか増大されるが、所望の範囲は達成されない。
【0082】
比較例3は、様々な可溶化剤とともに、メントールを用いて、セレコキシブの浸透性を増大させるアプローチを採用したものである。セレコキシブとメントールとの混合物は、実験した可溶化剤のほとんどに溶解するが(比較例3は、Tween60を用いた実施形態を提供する)、高いHLB値を有するもののみが、混合物を水性相に保持できることが認められた。これらの実験では、活性成分が直ちに結晶化し始めるため、いずれの可溶化剤も、単独でエマルジョンを形成するのには適さないものであることが認められた。複合乳化剤(高+低HLB可溶化剤)を用いた場合、数時間後に結晶化するエマルジョンが形成される。溶液は、短期間(24時間)のみ安定である。
【0083】
[比較例3]
【表8】
特徴:
膜浸透性(6時間)2341μg/cm
2を有する、黄色がかった、はちみつ様の、粘稠な、べたべたするゲル。
評価:
この組成物の調製は容易に実行される。生体外での浸透性は優れている。しかし、ゲルの物理状態、コンシステンシーおよび適応性は劣っている。
【0084】
比較例3の上記の組成物に基づき、活性成分の量を3%から6%に、メントールの量を1%から2%に、Tween60の量を12%から24%に変更し、適切なゲルコンシステンシーを得るために、いずれの場合もCarbopol1%を使用することによって、さらに、同様の組成物を得た。
【0085】
膜浸透性は、活性成分の含有量の増加に伴って増加するが、比例的ではない。ゲルの粘度の増加は、膜浸透性を顕著に低下させる。
【0086】
比較例3の組成物およびそれに基づく組成物では、3~4日の保存後、結晶化が観察された。
【0087】
上述の実施例において、各実施例において使用したものの代わりに、本発明の一般的にまたは特定して記載された成分、および/または実施条件を使用する場合にも、同様の成功が繰り返し達成された。
【0088】
さらに詳述することなく、当業者は、前述の説明を用いて、本発明を最大限に利用できると考えられる。前述の好ましい特定の実施形態は、従って、単に例示として解釈され、決して本開示の残りの部分を制限するものではない。
【0089】
上記の説明から、当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に確認することができ、その精神および範囲から逸脱することなく、種々の用途および条件に適合させるために、本発明に様々な変更および修正を加えることができる。
【0090】
本明細書で引用したすべての出願、特許および刊行物の開示内容全体は、出願、特許、および刊行物に関して本明細書に記載した材料の参照のために本明細書に組み込まれるものとする。