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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022450
(43)【公開日】2022-02-03
(54)【発明の名称】機械式駐車設備
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/18 20060101AFI20220127BHJP
   E04H 6/42 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
E04H6/18 601Z
E04H6/42 Z
E04H6/18 601G
E04H6/18 606B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201590
(22)【出願日】2021-12-13
(62)【分割の表示】P 2020043773の分割
【原出願日】2020-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】有岡 献
(72)【発明者】
【氏名】大塚 康平
(72)【発明者】
【氏名】石田 学
(72)【発明者】
【氏名】蕨野 浩一
(72)【発明者】
【氏名】難波 政浩
(57)【要約】
【課題】利便性を向上させつつ、誤作動を防止することが可能な、機械式駐車設備を提供する。
【解決手段】乗降部内の全エリアは、第1エリアと前記第1エリア以外の第2エリアとに分けられ、本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備は、前記第1エリア内に存在する利用者を含む検出対象物を検出するためのセンサと、前記第2エリア内への前記検出対象物の侵入を防止するための侵入防止部と、を備え、前記第2エリアは、前記侵入防止部を除いたときに前記センサで前記検出対象物を検出できない第3エリアを含み、設備制御装置は、前記センサによる検出値に基づき、機械式駐車設備の動作を開始するか否かを判定するための第1判定部を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械式駐車設備であって、
利用者が車両に乗降するための乗降部と、
前記乗降部とは別個に設けられ、前記車両を格納するための格納部と、
前記乗降部と前記格納部との間で前記車両を搬送するための搬送装置と、
前記機械式駐車設備の動作を制御するための設備制御装置と、を備え、
前記乗降部内の全エリアは、第1エリアと前記第1エリア以外の第2エリアとに分けられ、
前記第1エリア内に存在する前記利用者を含む検出対象物を検出するためのセンサと、
前記第2エリア内への前記検出対象物の侵入を防止するための侵入防止部と、をさらに備え、
前記第2エリアは、前記侵入防止部を除いたときに前記センサで前記検出対象物を検出できない第3エリアを含み、
前記設備制御装置は、前記センサによる検出値に基づき、前記機械式駐車設備の動作を開始するか否かを判定するための第1判定部を有する、機械式駐車設備。
【請求項2】
前記乗降部内に設けられ、前記センサで検出されない非検出対象物をさらに備え、
前記第3エリアは、前記非検出対象物に妨げられることにより、前記侵入防止部を除いたときに前記センサで前記検出対象物を検出できないエリアを含み、
前記侵入防止部は、前記非検出対象物の少なくとも一部が前記第1エリアに露出するように設けられる、請求項1に記載の機械式駐車設備。
【請求項3】
前記非検出対象物は、前記第1判定部が前記機械式駐車設備の動作を開始すると判定した後に、前記設備制御装置により動作を制御される昇降器と前記昇降器と一体的に昇降する部材とを含む、請求項2に記載の機械式駐車設備。
【請求項4】
前記侵入防止部の少なくとも一部は、前記第1判定部が前記機械式駐車設備の動作を開始すると判定する前に、前記昇降器の動作を妨げる位置にあり、前記第1判定部が前記機械式駐車設備の動作を開始すると判定した後に、前記昇降器の動作を妨げない位置まで移動するように構成される、請求項3に記載の機械式駐車設備。
【請求項5】
前記侵入防止部の少なくとも一部は、前記昇降器上に設けられ、前記昇降器と一体的に昇降する、請求項3又は4に記載の機械式駐車設備。
【請求項6】
前記センサは、測域センサ及び光電センサのうちの少なくともいずれかを含む、請求項1乃至5のいずれかに記載の機械式駐車設備。
【請求項7】
前記侵入防止部は、パネル及び柵のうちの少なくともいずれかを含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の機械式駐車設備。
【請求項8】
前記設備制御装置は、
前記センサによる検出値に依らず、前記利用者による操作に基づき前記機械式駐車設備の動作を開始するか否かを判定するための第2判定部と、
前記第1判定部の判定結果に基づき前記機械式駐車設備の動作を開始するか否かを判定する第1判定モードと、前記第2判定部の判定結果に基づき前記機械式駐車設備の動作を開始するか否かを判定する第2判定モードと、を切り替えるための判定切り替え部と、をさらに有する、請求項1乃至7のいずれかに記載の機械式駐車設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式駐車設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、利用者が車両に乗降するための乗降部と、前記乗降部とは別個に設けられ、前記車両を格納するための格納部と、前記乗降部と前記格納部との間で前記車両を搬送するための搬送装置と、を備える機械式駐車設備が知られている。このような機械式駐車設備が、例えば、特許文献1で提案されている。
【0003】
特許文献1の機械式駐車設備は、出庫後の乗降部内全体をセンサで検出し、このセンサによる検出値に基づき、乗降部内に利用者が存在しないと判定されると、乗降部の出入口扉を自動的に閉めることで、機械式駐車設備の動作を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-330685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、利用者による安全確認に基づき機械式駐車設備の動作を開始する場合と比較して、利便性の向上が図られている。しかし、特許文献1では、センサで利用者を含む検出対象物を検出できない乗降部内のエリアに前記検出対象物が侵入するおそれがあり、そのような場合に機械式駐車設備が誤作動を起こしてしまう虞があった。
【0006】
そこで、本発明は、利便性を向上させつつ、誤作動を防止することが可能な、機械式駐車設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に係る機械式駐車設備は、利用者が車両に乗降するための乗降部と、前記乗降部とは別個に設けられ、前記車両を格納するための格納部と、前記乗降部と前記格納部との間で前記車両を搬送するための搬送装置と、前記機械式駐車設備の動作を制御するための設備制御装置と、を備え、前記乗降部内の全エリアは、第1エリアと前記第1エリア以外の第2エリアとに分けられ、前記第1エリア内に存在する前記利用者を含む検出対象物を検出するためのセンサと、前記第2エリア内への前記検出対象物の侵入を防止するための侵入防止部と、をさらに備え、前記第2エリアは、前記侵入防止部を除いたときに前記センサで前記検出対象物を検出できない第3エリアを含み、前記設備制御装置は、前記センサによる検出値に基づき、前記機械式駐車設備の動作を開始するか否かを判定するための第1判定部を有する。
【0008】
上記構成によれば、乗降部内の全エリアは、第1エリアと前記第1エリア以外の第2エリアとに分けられる。そして、前記第1エリア内に存在する利用者を含む検出対象物を検出するためのセンサを備えるので、利便性を向上させることができる。また、前記第2エリア内への検出対象物の侵入を防止するための侵入防止部を備え、前記第2エリアが前記侵入防止部を除いたときにセンサで検出対象物を検出できない第3エリアを含むので、第3エリアに検出対象物が侵入することによる誤作動を防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
利便性を向上させつつ、誤作動を防止することが可能な、機械式駐車設備を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の全体構成を示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の乗降部に第2エリアを明記した概略図である。
図3】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の乗降部に第3エリアを明記した概略図である。
図4】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備のパネル及びその周辺部分に、利用者並びに第1及び第2エリアを明記した概略図である。
図5】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備のパネル及びその周辺部分を示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の操作装置を示す概略図である。
図7】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の制御系を示すブロック図である。
図8】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の第1判定モードで出庫が行われる場合のフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の第2判定モードで出庫が行われる場合のフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態の第1及び第2変形例に係る機械式駐車設備のパネル及びその周辺部分に、利用者並びに第1及び第2エリアを明記した概略図であり、(A)が第1変形例を示す概略図であり、(B)が第2変形例を示す概略図である。
図11】本発明の一実施形態の第3変形例に係る機械式駐車設備の柵及びその周辺部分を示す斜視図である。
図12】本発明の一実施形態の第4変形例に係る機械式駐車設備の柵及びその周辺部分を示す斜視図である。
図13】本発明の一実施形態の第5変形例に係る機械式駐車設備の柵及びその周辺部分を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付し、その重複する説明を省略する。
【0012】
(機械式駐車設備10)
図1は、本実施形態に係る機械式駐車設備の全体構成を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態に係る機械式駐車設備10は、その外形を画定する駐車塔12を備える。駐車塔12は、上下方向に延びる直方体状である。なお、以下では、図1~3に示すように、後述する乗降部20に乗り入れた車両Vを基準に、前後方向、左右方向及び上下方向を規定して説明する。
【0013】
駐車塔12は、平面視したときの四隅に設けられる主柱14a~14dと、主柱14a~14dに支持される前壁15a、後壁15b、左壁15c及び右壁15dと、を有する(主柱14b、14c、左壁15c及び右壁15dについては図2、3参照)。
【0014】
機械式駐車設備10は、利用者P(図4等参照)が車両Vに乗降するための乗降部20と、乗降部20とは別個に設けられ、車両Vを格納するための複数の格納部50と、を備える。駐車塔12の最下段に乗降部20が設けられ、駐車塔12の乗降部20よりも上段
に複数の格納部50が設けられる。駐車塔12を平面視したときの中央部には、高さ方向に延びる第1昇降路16が設けられる。なお、第1昇降路16の下端部は、乗降部20の一部でもある。第1昇降路16の前側に沿って複数の格納部50の半数(以下、「前側の半数の格納部50」と称する)が並設され、第1昇降路16の後ろ側に沿って複数の格納部50の残り半数(以下、「後ろ側の半数の格納部50」と称する)が並設される。
【0015】
(搬送装置60)
図1に示すように、機械式駐車設備10は、乗降部20と複数の格納部50との間で車両Vを搬送するための搬送装置60をさらに備える。搬送装置60の詳細については次の通りである。すなわち、駐車塔12の床面(換言すれば、乗降部20の床面)には、ピット18が形成される。ピット18内には、車両Vが搭載された状態のパレット62(非検出対象物)を持ち上げて水平面内で90°旋回可能なパレット旋回装置64が設けられる。また、第1昇降路16内には、パレット62を昇降するための昇降器66(同前)が設けられる。昇降器66は、ピット14から最上段の格納部50まで第1昇降路16内を往復運動可能である。昇降器66には、自らと後述する棚レール72との間でパレット62を移載するためのパレット移載機構74が設けられる。
【0016】
駐車塔12の1階付近には、昇降器66を昇降駆動させるための昇降駆動装置68が設けられる。昇降駆動装置68には、ワイヤロープ70が取り付けられる。ワイヤロープ70の一方側が駐車塔12の上端部を経由して第1昇降路16内に垂下され、ワイヤロープ70の他端側が格納部50に沿って垂下される。そして、ワイヤロープ70の一端には第1昇降路16内の昇降器66が取り付けられ、ワイヤロープ70の他端にはカウンターウェイト71が取り付けられる。なお、カウンターウェイト71は、昇降駆動装置68による巻き上げ力を軽減するために設けられる。
【0017】
複数の格納部50には、それぞれ、前後方向に延びる棚レール72が設けられる。前側の半数の格納部50に設けられる棚レール72は、それぞれ、その前端が主柱14a、14bに固定され、その後端が第1昇降路16の前側に沿って高さ方向に延びる棚柱19aに固定される。また、後ろ側の半数の格納部50に設けられる棚レール72は、それぞれ、その前端が第1昇降路16の後ろ側に沿って高さ方向に延びる棚柱19bに固定され、その後端が主柱14c、14dに固定される。パレット62は、昇降器66に設けられるパレット移載機構74によって、棚レール72に沿って昇降器66と格納部50との間で移載される。
【0018】
搬送装置60は、上記構造を備えることで、パレット62に搭載された車両Vを乗降部20と複数の格納部50との間で搬送することが可能となる。
【0019】
(乗降部20)
図2は、本実施形態に係る機械式駐車設備の乗降部に第2エリア(A)を明記した概略図である。図2に示すように、乗降部20の後壁15bの中央部には、乗降部20内に車両Vが出入りするための出入口21と、出入口21を開閉するための出入口扉22と、が設けられる。出入口21には、出入口センサ23が設けられる。出入口センサ23は、出入口扉22と平行に光線Lを投光するための投光器と、この投光器から投光された光線Lを受光するための受光器と、を有する。出入口センサ23は、受光器による光線Lの受光状態に基づき、利用者Pを含む検出対象物が出入口21を通過したか否かを検出することができる。
【0020】
乗降部20の後壁15bの外面には、利用者Pによる操作を受け付け、受け付けた操作に基づき入力値を生成して後述する設備制御装置100に送信する操作装置80が設けられる。
【0021】
乗降部20内の床面の中央部には、車両Vを搭載するための上記したパレット62が配置される。パレット62は、平面視において、前後方向に長方形である。パレット62の前後方向に延びる左縁部には、立ち上がり部63aが立設される。また、パレット62の前後方向に延びる右縁部には、立ち上がり部63bが立設される。
【0022】
乗降部20内の主柱14c近傍の左壁15cに沿った位置には、高さ方向に延びるダクト24(非検出対象物)が設けられる。乗降部20内のダクト24の直ぐ前方には、昇降器66を昇降駆動するための昇降駆動装置68(同前)が設けられる。乗降部20内の主柱14b近傍の左壁15cに沿った位置には、カウンターウェイト71が昇降するための第2昇降路26(同前)が設けられる。乗降部20内の前壁15aの左右方向における中央部の近傍には、前壁15aと平行に鏡27(同前)が配置される。乗降部20内の主柱14a近傍の前壁15aに沿った位置には、機械式駐車設備10の動作を制御するための設備制御装置100(同前)が設けられる。
【0023】
図2に示すように、乗降部20内の全エリアは、エリアA(第1エリア)とこのエリアA以外のエリアA(第2エリア)とに分けられる。図2において、主柱14a、14cを結ぶ直線と平行な複数の斜線でハッチングされたエリアがエリアAであり、乗降部20内の図2においてハッチングされていないエリア(すなわち、エリアA以外のエリア)がエリアAである。ここで、エリアAは、主として、車両Vが乗り入れ、利用者Pが移動可能なエリアのことである。一方、エリアAは、パネル40a~40d(侵入防止部)によって検出対象物の侵入が防止されたエリアである。
【0024】
パネル40aは、平面視において、ダクト24を昇降駆動装置68、主柱14c及び左壁15cと協働して囲むように立設される。パネル40aは、平面視において直線状である。
【0025】
パネル40bは、前壁15aの近傍に立設される。パネル40bは、第2昇降路26の前端から前方に延びる第1部分と、この第1部分の前端から屈曲して設備制御装置100まで左右方向に延びる第2部分と、この第2部分の右端から屈曲して後方に延びる第3部分と、を有する。鏡27は、パネル40bの第2部分の内面に固定される。
【0026】
パネル40c、40dは、右壁15dの近傍に立設される。パネル40cは、設備制御装置100の後端から右壁15dに沿って後方に延びる第4部分と、この第4部分の後端から屈曲して右壁15dに至る第5部分と、を有する。パネル40dは、出入口扉22の近傍から左右方向に主柱14d付近にまで延びる第6部分と、この第6部分の右端から主柱14d及び右壁15dに沿って前方に延びる第7部分と、この第7部分の前端から屈曲して右壁15dに至る第8部分と、を有する。パネル40cの第5部分と、パネル40dの第8部分とは、前後方向に間隔を空けて互いに平行に対向する。
【0027】
図2に示すように、エリアAの一部が、パネル40a、昇降駆動装置68、主柱14c及び左壁15cで囲まれたエリアである。また、エリアAの他の一部が、パネル40b、第2昇降路26、設備制御装置100、主柱14a、14b、前壁15a、左壁15c及び右壁15dで囲まれたエリアである。また、エリアAのさらに他の一部が、パネル40d、主柱14d及び右壁15dで囲まれたエリアである。後述するように、エリアAおよび各パネルは、測域センサの検出エリア外となるように設定してもよい。
【0028】
図2に示すように、乗降部20内には、上記したエリアA(すなわち、主として、車両Vが乗り入れ、利用者Pが移動可能なエリア)内に存在する検出対象物を検出するために、測域センサ30a~30c(センサ)及び光電センサ32a~32d(同前)が設け
られる。
【0029】
測域センサ30aは、パネル40bの第2部分のうちの左側部分の内面に沿って設けられる。測域センサ30aは、主としてパネル40bよりも後ろ側に向けて光線Lを投光する。具体的には、測域センサ30aは、平面視において、後ろ側を向いており、前後方向に延びる自らの中心軸線(図示せず)から左壁15c側に105°程度、及び、同中心軸線(同前)から右壁15d側に105°程度のエリア(すなわち、平面視において合計210°程度のエリア)に光線Lを投光する。
【0030】
したがって、測域センサ30aは、平面視において、残り150°程度のエリア(換言すれば、主として自らよりも前側のエリア)を検出することができない。また、測域センサ30aから投光される光線Lは、パレット62の立ち上がり部63aに妨げられてこの立ち上がり部63aよりも右方に進むことができない。したがって、測域センサ30aは、主として、パレット62よりも前側及び左側のエリアに存在する検出対象物を検出する。
【0031】
測域センサ30bは、パネル40dの第7部分のうちの前側部分の内面に沿って設けられる。測域センサ30bは、主としてパネル40dよりも左側に向けて光線Lを投光する。具体的には、測域センサ30bは、平面視において、左側を向いており、左右方向に延びる自らの中心軸線(図示せず)から前壁15a側に105°程度、及び、同中心軸線(同前)から後壁15b側に105°程度のエリア(すなわち、平面視において合計210°程度のエリア)に光線Lを投光する。
【0032】
したがって、測域センサ30bは、平面視において、残り150°程度のエリア(換言すれば、主として自らよりも右側のエリア)を検出することができない。また、測域センサ30bから投光される光線Lは、パレット62の立ち上がり部63bに妨げられてこの立ち上がり部63bよりも左方に進むことができない。したがって、測域センサ30bは、主として、パレット62よりも右側及び後ろ側のエリアに存在する検出対象物を検出する。
【0033】
測域センサ30cは、鏡27の手前に(すなわち、パネル40bの第2部のうちの中央部分の内面に沿って)設けられる。測域センサ30cは、主としてパネル40bよりも後ろ側に向けて光線Lを投光する。具体的には、測域センサ30cは、平面視において、後ろ側を向いており、前後方に延びる自らの中心軸線(図示せず)から左壁15c側に105°程度、及び、同中心軸線(同前)から右壁15d側に105°程度のエリア(すなわち、平面視において合計210°程度のエリア)に光線Lを投光する。
【0034】
したがって、測域センサ30cは、平面視において、残り150°程度のエリア(換言すれば、主として自らよりも前側のエリア)を検出することができない。また、測域センサ30cから投光される光線Lは、パレット62よりも前側からパレット62に向けて投光されるため、パレット62の立ち上がり部63aに妨げられてこの立ち上がり部63aよりも左方に進むことができず、パレット62の立ち上がり部63bに妨げられてこの立ち上がり部63bよりも右方に進むことができない。したがって、測域センサ30cは、主として、パレット62の立ち上がり部63a、63bの間に存在する検出対象物を検出する。
【0035】
測域センサ30a~30cは、それぞれ、乗降部20内の床面から所定の高さに光線Lを投光してエリアAを走査することで、エリアA内に存在する検出対象物を検出するための公知の構造を備える。
【0036】
測域センサ30a~30cとしては、例えば、空間の物理的な形状データを出力することができる走査型の光波距離計を用いることができる。また、測域センサ30a~30cは、それぞれ、1軸走査型の測域センサとして構成され、水平方向に半導体レーザーを投光し、走査平面上における検出対象物までの距離、角度の2次元データを得るようにしてもよい。
【0037】
光電センサ32a、32bは、それぞれ、第2昇降路26の背面及び昇降駆動装置68の前面のうちのいずれか一方に取り付けられ、前後方向に光線Lを投光するための投光器と、第2昇降路26の背面及び昇降駆動装置68の前面のうちのいずれか他方に取り付けられ、投光器から投光された光線Lを受光するための受光器と、を有する。
【0038】
光電センサ32c、32dは、パネル40cの第5部分とパネル40dの第8部分のうちのいずれか一方に取り付けられ、前後方向に光線Lを投光するための投光器と、パネル40cの第5部分とパネル40dの第8部分のうちのいずれか他方に取り付けられ、投光器から投稿された光線Lを受光するための受光器と、を有する。
【0039】
光電センサ32a~32dは、それぞれ、受光器による光線Lの受光状態に基づき、エリアA内に存在する検出対象物を検出することが可能である。
【0040】
図3は、本実施形態に係る機械式駐車設備の乗降部に第3エリアを明記した概略図である。上記したエリアA(すなわち、パネル40a~40dによって検出対象物の侵入が防止されたエリア)は、パネル40a~40dを除いたときに測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dで検出対象物を検出できないエリアA(第3エリア)を含む。図3において、主柱14a、14cを結ぶ直線と平行な複数の斜線と、主柱14b、14dを結ぶ直線と平行な複数の斜線と、でハッチングされたエリアがエリアAである。
【0041】
図3に示すように、エリアAは、パネル40a~40dを除いたときに、主として、測域センサ30a~30cから投光される光線Lが届かないことで、測域センサ30a~30cで検出対象物を検出できないエリアである。具体的には、エリアAは、ダクト24と左壁15cの間のエリア、鏡27と前壁15aの間のエリア、及び設備制御装置100と前壁15aの間のエリアである。このエリアAは、パネル40a~40dで検出対象物の侵入を防止することによってセンサによる検出対象物の検出を不要にしている。
【0042】
図3において、パレット62は、車両Vの進入方向に配置されていて、昇降器66に対して90°回転した状態である。昇降器66が昇降する際には、パレット62は、この状態から90°旋回して昇降器66に載置される。昇降器66には、ワイヤロープ70と、車両Vのはみ出しを検出するためのセンサ(図示せず)を取り付けるためのセンサポール78が設けられる。ワイヤロープ70及びセンサポール78は、昇降器66が乗降部20内に位置しているとき、乗降部20内に露出している。
【0043】
また、ワイヤロープ70とセンサポール78は、平面視で第1昇降路16内(昇降器66の枠内)にあるため、乗降部20に固定されるパネル40a~40dで覆うことはできない。
【0044】
測域センサ30aから見て第2昇降路26や第2昇降路近傍のワイヤロープ70、セン
サポール78の陰になるエリアAと、測域センサ30bから見てパネル40dやパネル40d近傍のワイヤロープ70の陰になるエリアAは、ともに、第1エリア内にあって、測域センサ30a~30cから投光される光線Lが届かないか、ワイヤロープ70やセンサポール78が障害となって測域センサ30a~30cで検出対象物の検出が困難な
エリアである。後述するように、エリアAと非検出対象物は、測域センサの検出エリア外となるように設定してもよい。
【0045】
光電センサ32a~32dで検出対象物を検知しているエリアは、測域センサによって検出対象物の検出が困難なエリアAを含んでいて、それによりエリアAはエリアAに含まれている。
【0046】
図4は、本実施形態に係る機械式駐車設備のパネル及びその周辺部分に、利用者並びに第1及び第2エリアを明記した概略図である。図4に示すように、本実施形態では、パネル40a~40dが、それぞれ、両主面の全域が平坦な平板状である。図4において、測域センサ30a~30cから投光される光線Lが破線で示される。例えば、測域センサ30a~30cは、それぞれ、乗降部20内の床面から100mm以上130mm以下程度の高さを走査してもよい。
【0047】
ここで、一般に、3歳児の頭部の床面からの平均的な高さは130mm程度である。したがって、測域センサ30a~30cは、それぞれ、上記した高さに光線Lを投光してエリアAを走査することで、例えば、利用者Pの身長や体型等にかかわらず、エリアA内に存在する検出対象物を確実に検出することが可能となる。なお、光電センサ32a~32dについても、同様の高さに光線Lを投光してもよい。
【0048】
測域センサ30a~30cは、それぞれ、検出可能なエリアの一部をデータ処理の際にマスクすることで、所望する検出エリアを任意に設定することが可能である。本実施形態では、図4に示すように、パネル40a~40dの僅かに内側(例えば、パネル40a~40dから20mm以上50mm以下程度内側)に境界線Bを設定し、この境界線Bから内側(図4において境界線Bよりも右側)を所望する検出エリアとし、この境界線Bから外側(図4において境界線Bよりも左側)を検出対象外のエリアとしてもよい。
【0049】
このように所望する検出エリアを設定することで、パネル40a~40dやワイヤロープ70、センサポール78が検出対象物として誤って検出されてしまうことを容易に防止することが可能となり、かつ、検出対象物が例えばパネル40a~40dにもたれ掛かった状態であっても十分に検出することが可能となる。
【0050】
図5は、本実施形態に係る機械式駐車設備のパネル及びその周辺部分を示す斜視図である。図5に示すように、パネル40dは、複数枚のパネルを隙間なく並列させることで構成されてもよい。なお、パネル40a~40cについても同様であるため、ここではその説明を繰り返さない。なお、昇降器66が乗降部20内に位置しているとき、右壁15dから延びるパネル40dの第8部分の近傍には、ワイヤロープ70などが位置しているが、昇降器66の昇降時にこの昇降器66と干渉するため、乗降部20に固定するパネル40a~40dで覆うことは出来ない。
【0051】
図6は、本実施形態に係る機械式駐車設備の操作装置を示す概略図である。図6に示すように、操作装置80は、タッチセンサと表示部が一体化されたタッチパネル82と、ICカードに記録された利用者番号を読み取るためのカードリーダ90と、後述する「安全確認(扉閉)」ボタン92と、機械式駐車設備10の動作を停止させるための鍵穴94と、を有する。
【0052】
図6に示すように、タッチパネル82の画面構成は、利用者Pに対してメッセージを表示するためのメッセージ表示部83と、利用者番号を表示するための利用者番号表示部84と、乗降部20内に設けられる撮像装置(図示せず)で撮像された映像を表示するための映像表示部85と、を有する。また、タッチパネル82の画面構成は、「0」~「9」
までの数字キー86と、後述する「スタート」ボタン87と、操作を訂正するための「訂正」ボタン88と、をさらに有する。なお、タッチパネル82は、図6に示す画面構成を必要に応じて変更することが可能である。
【0053】
図7は、本実施形態に係る機械式駐車設備の制御系を示すブロック図である。図7に示すように、設備制御装置100は、測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dに接続され、測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dによる検出値に基づき、機械式駐車設備10の動作を開始するか否かを判定するための第1判定部102を有する。また、設備制御装置100は、操作装置80に接続され、測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dによる検出値に依らず、利用者Pによる操作装置80への操作に基づき機械式駐車設備10の動作を開始するか否かを判定するための第2判定部104をさらに有する。
【0054】
設備制御装置100は、第1判定部102の判定結果に基づき機械式駐車設備10の動作を開始するか否かを判定する第1判定モードと、第2判定部104の判定結果に基づき機械式駐車設備10の動作を開始するか否かを判定する第2判定モードと、を切り替えるための判定切り替え部106をさらに有する。判定切り替え部106は、第1判定部102、第2判定部104、操作装置80及び後述する動作制御部108に接続される。
【0055】
設備制御装置100は、操作装置80及び判定切り替え部106に接続され、機械式駐車設備10の動作を制御するための動作制御部108をさらに有する。なお、設備制御装置100は、後述する利用者番号及びこの利用者番号に紐づけられた暗証番号を記憶するための記憶部(図示せず)を有する。
【0056】
(第1判定モードでの出庫態様の一例)
本実施形態に係る機械式駐車設備10を用いて、利用者Pが第1判定モードで車両Vの出庫を行う一例につき、主として図8に基づき説明する。図8は、本実施形態に係る機械式駐車設備の第1判定モードで出庫が行われる場合のフローチャートである。
【0057】
なお、ここでは、利用者Pが車両Vを予め機械式駐車設備10に入庫しており、複数の格納部50のうちのいずれかに車両Vが格納され、出入口扉22が閉じられている状態から説明する。また、利用者Pは、利用者番号及びこの利用者番号に紐づけられた暗証番号を予め割り当てられている。さらに、利用者Pは、少なくとも利用者番号が記録されたICカード(図示せず)を所持している。
【0058】
まず、利用者Pが、操作装置80のカードリーダ90にICカード(図示せず)を接触させ、数字キー86で暗証番号を入力したあと、「スタート」ボタン87を押す(図8においてステップS1-1)。
【0059】
設備制御装置100は、ステップS1-1で入力された暗証番号が、カードリーダ90で読み取られた利用者番号に予め紐づけられた暗証番号であるか否かを判定する。すなわち、設備制御装置100は、ステップS1-1で入力された暗証番号が正しいか否かを判定する(図8においてステップS1-2)。
【0060】
設備制御装置100は、ステップS1-1で入力された暗証番号が正しくないと判定すると(ステップS1-2で「NO」)、エラー画面を表示し(図8においてステップS1-3)、ステップS1-1に戻って利用者Pが暗証番号を入力し直すのを待つ。
【0061】
一方、設備制御装置100は、ステップS1-1で入力された暗証番号が正しいと判定すると(ステップS1-2で「YES」)、搬送装置60によって格納部50から乗降部
20に車両Vを搬送し、出入口扉22を開く(図8においてステップS1-4)。
【0062】
ステップS1-4が行われたあと、利用者Pが、出入口21から乗降部20内に進入し、車両Vに乗車したあと、車両Vを運転して出入口21から乗降部20の外部へと出ることで、出庫が行われる(図8においてステップS1-5)。ここで、設備制御装置100は、出入口センサ23によって利用者Pが乗降部20内へ進入したことを検出し、そのあとで、出入口センサ23によって車両V及びこの車両Vを運転する利用者Pが乗降部20の外部へ出たことを検出することで、ステップS1-5が行われたことを認識することが可能である。
【0063】
ステップS1-5が行われたあと、設備制御装置100は、測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dが検出対象物を非検知であるか否かを第1判定部102によって判定する(図8においてステップS1-6)。
【0064】
設備制御装置100は、ステップS1-6で検出対象物が非検知でないと判定すると(ステップS1-6で「NO」)、ステップS1-6に戻る。一方、設備制御装置100は、ステップS1-6で検出対象物が非検知であると判定すると(ステップS1-6で「YES」)、動作制御部108によって出入口扉22を閉める(図8においてステップS1-7)。
【0065】
上記のようにして、本実施形態に係る機械式駐車設備10を用いて、利用者Pが第1判定モードで車両Vの出庫を行うことが可能である。なお、設備制御装置100は、動作制御部108によって出入口扉22を閉めることで機械式駐車設備10の動作を開始したあと、出入口扉22以外の可動部(例えば、昇降器66)を動作させることが好ましい。これにより、機械式駐車設備10の安全を確保することができる。
【0066】
(第2判定モードでの出庫態様の一例)
本実施形態に係る機械式駐車設備10を用いて、利用者Pが第2判定モードで車両Vの出庫を行う一例につき、主として図9に基づき説明する。図9は、本実施形態に係る機械式駐車設備の第2判定モードで出庫が行われる場合のフローチャートである。なお、例えば、測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dのうちの少なくともいずれか一つが故障した場合などに、判定切り替え部106によって自動的に第1判定モードから第2判定モードに切り替えられてもよいし、或いは、利用者Pが操作装置80を操作することで、判定切り替え部106によって第1判定モードから第2判定モードに切り替えられてもよい。
【0067】
図9におけるステップS2-1~S2-5は、上記で図8に基づき説明した第1判定モードのステップS1-1~S1-5と同じであるため、ここではその説明を繰り返さない。また、上記で図8に基づき説明した第1判定モードと同様の内容は適宜省略する。
【0068】
ステップS2-5が行われたあと、利用者Pが、車両Vから下車し、乗降部20内の無人(換言すれば、乗降部20内に検出対象物が残っていないこと)を確認したあと、操作装置80の「安全確認(扉閉)」ボタン92を押す(図9においてステップS2-6)。
【0069】
ステップS2-6が行われたあと、利用者Pが、数字キー86で暗証番号を入力する(図9においてステップS2-7)。
【0070】
ステップS2-7が行われたあと、設備制御装置100は、ステップS2-1で入力された暗証番号と、ステップS2-7で入力された暗証番号と、が一致するか否かを判定する。
【0071】
設備制御装置100は、ステップS2-1で入力された暗証番号と、ステップS2-7で入力された暗証番号と、が一致しないと第2判定部104によって判定すると(ステップS2-8で「NO」)、エラー画面を表示し(図9においてステップS2-9)、ステップS2-7に戻って利用者Pが暗証番号を再び入力し直すのを待つ。
【0072】
一方、設備制御装置100は、ステップS2-1で入力された暗証番号と、ステップS2-7で入力された暗証番号と、が一致すると第2判定部104によって判定すると(ステップS2-8で「YES」)、動作制御部108によって出入口扉22を閉める(図9においてステップS2-10)。
【0073】
上記のようにして、本実施形態に係る機械式駐車設備10を用いて、利用者Pが第2判定モードで車両Vの出庫を行うことが可能である。
【0074】
(効果)
本実施形態に係る機械式駐車設備10は、乗降部20内から車両Vを出庫したあと、測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dの検出値に基づき、乗降部20内に検出対象物が存在しないことを判定し、出入口扉22を閉めることを設備制御装置100によって自動的に行うことが可能である。これにより、機械式駐車設備10は、例えば、従来のように利用者Pがいったん車両Vから下車して乗降部20内の安全確認を行ったあと操作装置80を操作し、出入口扉22を閉める場合と比較して、利便性を向上させることができる。また、出入口扉22の閉め忘れも防止することが可能である。
【0075】
さらに、本実施形態に係る機械式駐車設備10は、エリアA内への検出対象物の侵入を防止するためのパネル40a~40d(侵入防止部)を備え、エリアAがパネル40a~40dを除いたときに測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dで検出対象物を検出できないエリアA(第3エリア)を含むので、エリアAに検出対象物が侵入することによる誤作動を防止することが可能となる。
【0076】
本実施形態に係る機械式駐車設備10は、測域センサ30a~30cで検出できないエリアAに光電センサ32a~32dが設けられるので、乗降部20内のエリアAに存在する検出対象物を効率的かつ確実に検出することが可能となる。
【0077】
本実施形態に係る機械式駐車設備10は、侵入防止部としてパネル40a~40dを備えるので、侵入防止部として他の構造を備える場合と比較して、容易に設置を行うことができ、部品点数を減らすことが可能となる。
【0078】
本実施形態では、設備制御装置100が、第1判定部102に加えて第2判定部104及び判定切り替え部106を備えるので、利用者Pによる操作に基づき機械式駐車設備10の動作を開始するか否かを判定することが可能となる。これにより、例えば、測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dのうちの少なくともいずれか一つが故障している場合などに、測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dによる検出値に依らず、利用者Pによる安全確認に基づき車両Vの出庫を行うことが可能となる。
【0079】
なお、測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dのうちの少なくともいずれか一つが故障しているか否かは、例えば、設備制御装置100により論理チェックを行うことで容易に確認することが可能である。ここで、論理チェックとは、例えば、出入口センサ23で利用者Pが乗降部20内に進入したことが検出されたあとで、測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dで利用者Pが検出されていることをチェックすることである。この論理チェックで矛盾が確認された場合、すなわち、例えば、出入
口センサ23で利用者Pが乗降部20内に進入したことが検出されたにもかかわらず、測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dで利用者Pが検出されていない場合、設備制御装置100は、測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dのうちの少なくともいずれか一つが故障していると判定してもよい。
【0080】
また、例えば、乗降部20内のエリアAに検出対象物が実際には存在していないにもかかわらず、測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dが検出対象物を検出している状態となり、出入口扉22が閉じられない状態のまま利用者Pが機械式駐車設備10から離れてしまった場合、利用者P以外の人物(例えば、保守員など)による安全確認に基づき出入口扉22を閉じることが可能となる。
【0081】
(変形例)
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【0082】
(第1変形例)
図10は、本実施形態の第1及び第2変形例に係る機械式駐車設備のパネル及びその周辺部分に、利用者並びに第1及び第2エリアを明記した概略図である。図10(A)は、第1変形例を示す概略図である。なお、この第1変形例に係る機械式駐車設備10は、パネル40a~40dの構造を除き、図1~9に基づき説明した実施形態に係る機械式駐車設備10と同じ構造を備える。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
【0083】
上記実施形態では、図4に基づき説明したように、パネル40a~40dが、それぞれ、両主面の全域が平坦な平板状である場合について説明した。一方、図10(A)に示すように、この第1変形例では、パネル42a~42dは、それぞれ、平板状ではあるが、その底部の内面側に凹部43が形成される。この凹部43は、パネル42a~42dの幅方向の全域にわたって形成される。そして、測域センサ30a~30cは、それぞれ、この凹部43内を通る高さに光線Lを投光してエリアAを走査し、かつ、この凹部43内に境界線Bを設定し、この境界線Bから内側を所望する検出エリアとし、この境界線Bから外側を検出対象外のエリアとしてもよい。
【0084】
上記構成を備えることで、この第1変形例では、図4に基づき説明した場合と比較して、測域センサ30a~30cによる所望する検出エリアを大きくすることができるため、エリアAに存在する検出対象物をいっそう確実に検出することが可能となる。
【0085】
(第2変形例)
図10(B)は、第2変形例を示す概略図である。なお、この第2変形例に係る機械式駐車設備10は、パネル40a~40dの構造を除き、図1~9に基づき説明した実施形態に係る機械式駐車設備10と同じ構造を備える。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
【0086】
図10(B)に示すように、この第2変形例では、パネル44a~44dは、それぞれ、平板状ではあるが、その床面近傍部分の内面側に側面視において三角状の凸部45が形成される。この凸部45は、パネル44a~44dの幅方向の全域にわたって形成される。そして、測域センサ30a~30cは、それぞれ、この凸部45と床面の間を通る高さに光線Lを投光してエリアAを走査し、かつ、この凸部45と床面の間に境界線Bを設定し、この境界線Bから内側を所望する検出エリアとし、この境界線Bから外側を検出
対象外のエリアとしてもよい。
【0087】
上記構成を備えることで、この第2変形例では、図4に基づき説明した場合と比較して、測域センサ30a~30cによる所望する検出エリアを大きくすることができるため、エリアAに存在する検出対象物をいっそう確実に検出することが可能となる。
【0088】
なお、この第2変形例では、図10(B)に示すように、凸部45の頂点とパネル44a~44cの内面との距離が十分に近いので、利用者Pが凸部45上に載れない。これにより、利用者Pが凸部45上に載ることで、利用者Pが乗降部20内のエリアAに存在するにもかかわらず、測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dで利用者Pを検出できないことを防止することができる。なお、凸部45は、図10(B)に示された形状に限定されず、例えば、半球状やその他の形状であってもよいが、上向きの水平面がないなど人が足を掛けにくい形状が望ましい。
【0089】
(第3変形例)
図11は、本実施形態の第3変形例に係る機械式駐車設備の柵及びその周辺部分を示す斜視図である。なお、この第3変形例に係る機械式駐車設備10は、パネル40a~40dの構造を除き、図1~9に基づき説明した実施形態に係る機械式駐車設備10と同じ構造を備える。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
【0090】
上記実施形態では、図4に基づき説明したように、侵入防止部がパネル40a~40dとして構成される場合について説明した。一方、この第3変形例では、侵入防止部が柵46a~46d(柵46a~46cについては図示せず)として構成される。このような侵入防止部によって乗降部20内のエリアAへの検出対象物の侵入を防止してもよい。なお、侵入防止部は、乗降部20内のエリアAへの検出対象物の侵入を防止可することが可能なその他の構造であってもよい。
【0091】
(第4変形例)
図12は、本実施形態の第4変形例に係る機械式駐車設備の柵及びその周辺部分を示す斜視図である。なお、この第4変形例に係る機械式駐車設備10は、柵46a~46dの構造を除き、第3変形例に係る機械式駐車設備10と同じ構造を備える。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
【0092】
この第4変形例では、昇降器66を昇降させるワイヤロープ70が記載されており、侵入防止部が昇降器66の昇降によって干渉しない位置に柵46a~46d(柵46a~46cについては図示せず)として構成される。ワイヤロープ70は、乗降部20内で露出しているが、このような侵入防止部によって乗降部20内のエリアAへの検出対象物の侵入を防止している。なお、第3変形例と同様に、侵入防止部は、乗降部20内のエリアAへの検出対象物の侵入を防止可することが可能なその他の構造であってもよい。
【0093】
(第5変形例)
図13は、本実施形態の第5変形例に係る機械式駐車設備の柵及びその周辺部分を示す斜視図である。なお、この第5変形例に係る機械式駐車設備10は、柵46a~46dの構造を除き、第4変形例に係る機械式駐車設備10と同じ構造を備える。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
【0094】
この第5変形例では、ワイヤロープ70近傍の昇降器66上に検出対象物の侵入が可能なスペースが存在している。乗降部20内に固定される侵入防止部は、昇降器66の昇降によって干渉しない第1昇降路16の外側に設けられるため、前記検出対象物の侵入が可
能なスペースへの侵入を防止できない。
【0095】
そこで、第5変形例では、昇降器66の四隅にあるワイヤロープ70を覆うように昇降器66に侵入防止部47a~47eを備え、乗降部20にパネル46e~46hを備えている。侵入防止部47a~47eは、パネル46a~46hと組み合わさることで、ワイヤロープ70の外側のスペースに検出対象物が侵入することを防止している。なお、第4変形例同様、侵入防止部は、検出対象物の侵入を防止可することが可能なその他の構造であってもよい。また、侵入防止部47a~47eは、昇降器66が昇降する際には、昇降
器66の昇降を妨げない位置(例えば、第1昇降路16の外側)に退避し、昇降器66が乗降部20にあって停止しているときにのみ昇降器66の昇降を妨げる位置(第1昇降路16の内部)に進出して検出対象物の侵入を防止するよう進退可能に構成されていてもよい。この場合、油圧機構やリンク機構など公知の進退機構が利用可能である。
【0096】
(その他の変形例)
上記実施形態では、主として図8、9に基づき、機械式駐車設備10を用いて、利用者Pが車両Vの出庫を行う一例について説明した。しかし、この場合に限定されず、機械式駐車設備10は、利用者Pが車両Vの入庫を行う場合についても、同様に用いることができ、出庫を行う場合と同一の効果を得ることが可能である。
【0097】
なお、上記実施形態に係る機械式駐車設備10を用いて、第1判定モードで利用者Pが車両Vの入庫を行う場合、例えば、パレット62が測域センサ30a~30cの光線Lを妨げない形状の場合、乗降部20内でパレット62に搭載された車両Vの四つのタイヤの存在を測域センサ30a~30cで検出し、この四つのタイヤを包含する矩形状のエリアを所望する検出エリアから除外することで、車両Vが検出対象物として誤って検出されてしまうことを容易に防止することが可能となる。
【0098】
また、上記実施形態に係る機械式駐車設備10を用いて、第1判定モードで利用者Pが車両Vの入庫を行う場合、例えば、乗降部20内でパレット62に搭載された車両Vに利用者Pを含む人物が乗車したままでないかをマイクロ波を用いて検出することが可能である。ここで、マイクロ波による検出は、動作する検出対象物(例えば、利用者Pを含む人物の鼓動など)を、ドップラー効果を利用して検出する公知の構造であってもよい。これにより、車両Vに乗車した利用者Pを含む人物の存在も検出することができるので、機械式駐車設備10の安全を確保することが可能となる。
【0099】
ここで、従来からある機械式駐車設備では、利用者が車両の入庫を行う場合、通常は利用者である運転者一人のみが車両に乗車した状態で乗降部20に車両が乗り入れられるよう規則が定められている。したがって、出入口センサによって、乗降部20内に車両が乗り入れたあと、利用者Pが乗降部20の外部に出たことを検出することで、車両Vに乗車している人物は存在しないはずである。
【0100】
仮に、上記規則が守られずに、運転手を含む複数人が車両に乗車した状態で乗降部20に車両が乗り入れられてしまう場合、上記実施形態に係る機械式駐車設備10では、乗降部20に車両Vが乗り入れられたあと、運転手である利用者Pが乗降部20の外部に出ると、車両Vに利用者P以外の人物が乗車していても、出入口扉22が閉められてしまい、安全を確保することができない。そこで、上記したドップラセンサを用いて車両V内の人物を検出することで、機械式駐車設備10の安全を確保することが可能となる。
【0101】
上記実施形態及びその変形例では、センサとして、測域センサ30a~30c及び光電センサ32a~32dが用いられる場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、センサとして、測域センサ及び光電センサのいずれかのみが用いられてもよい。なお
、センサとして、光電センサのみが用いられる場合、例えば、複数の光電センサを密に配置してもよい。このとき、例えば、隣り合う光電センサ同士が干渉し合うことを防止するために、隣り合う光電センサが光線を投光するタイミングを互いに短い時間だけずらして検出を行ってもよい。また、センサとして、このような構造がパッケージ化されたいわゆるセーフティライトカーテンが用いられてもよい。さらに、センサとして、上記したドップラセンサが用いられてもよいし、又は、受動赤外線センサ(いわゆるパッシブセンサ)が用いられてもよい。
【0102】
また、例えば、パネル40a~40dの少なくとも一部は、第1判定部102が機械式駐車設備10の動作を開始すると判定する前に、昇降器66の動作を妨げる位置にあり、第1判定部102が機械式駐車設備10の動作を開始すると判定した後に、昇降器66の動作を妨げない位置まで移動するように構成されてもよい。
【0103】
(まとめ)
上記した課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備は、利用者が車両に乗降するための乗降部と、前記乗降部とは別個に設けられ、前記車両を格納するための格納部と、前記乗降部と前記格納部との間で前記車両を搬送するための搬送装置と、前記機械式駐車設備の動作を制御するための設備制御装置と、を備え、前記乗降部内の全エリアは、第1エリアと前記第1エリア以外の第2エリアとに分けられ、前記第1エリア内に存在する前記利用者を含む検出対象物を検出するためのセンサと、前記第2エリア内への前記検出対象物の侵入を防止するための侵入防止部と、をさらに備え、前記第2エリアは、前記侵入防止部を除いたときに前記センサで前記検出対象物を検出できない第3エリアを含み、前記設備制御装置は、前記センサによる検出値に基づき、前記機械式駐車設備の動作を開始するか否かを判定するための第1判定部を有する。
【0104】
上記構造によれば、乗降部内の全エリアは、第1エリアと前記第1エリア以外の第2エリアとに分けられる。そして、前記第1エリア内に存在する利用者を含む検出対象物を検出するためのセンサを備えるので、利便性を向上させることができる。また、前記第2エリア内への検出対象物の侵入を防止するための侵入防止部を備え、前記第2エリアが前記侵入防止部を除いたときにセンサで検出対象物を検出できない第3エリアを含むので、第3エリアに検出対象物が侵入することによる誤作動を防止することが可能となる。その結果、本実施形態に係る機械式駐車設備は、利便性を向上させつつ、誤作動を防止することが可能な、機械式駐車設備を提供することができる。
【0105】
例えば、前記乗降部内に設けられ、前記センサで検出されない非検出対象物をさらに備え、前記第3エリアは、前記非検出対象物に妨げられることにより、前記侵入防止部を除いたときに前記センサで前記検出対象物を検出できないエリアを含み、前記侵入防止部は、前記非検出対象物の少なくとも一部が前記第1エリアに露出するように設けられてもよい。
【0106】
例えば、前記非検出対象物は、前記第1判定部が前記機械式駐車設備の動作を開始すると判定した後に、前記設備制御装置により動作を制御される昇降器と前記昇降器と一体的に昇降する部材を含んでもよい。
【0107】
例えば、前記侵入防止部の少なくとも一部は、前記第1判定部が前記機械式駐車設備の動作を開始すると判定する前に、前記昇降器の動作を妨げる位置にあり、前記第1判定部が前記機械式駐車設備の動作を開始すると判定した後に、前記昇降器の動作を妨げない位置まで移動するように構成されてもよい。
【0108】
例えば、前記侵入防止部の少なくとも一部は、前記昇降器上に設けられ、前記昇降器と
一体的に昇降してもよい。
【0109】
例えば、前記センサは、測域センサ及び光電センサのうちの少なくともいずれかを含んでもよい。
【0110】
例えば、前記侵入防止部は、パネル及び柵のうちの少なくともいずれかを含んでもよい。
【0111】
前記設備制御装置は、前記センサによる検出値に依らず、前記利用者による操作に基づき前記機械式駐車設備の動作を開始するか否かを判定するための第2判定部と、前記第1判定部の判定結果に基づき前記機械式駐車設備の動作を開始するか否かを判定する第1判定モードと、前記第2判定部の判定結果に基づき前記機械式駐車設備の動作を開始するか否かを判定する第2判定モードと、を切り替えるための判定切り替え部と、をさらに有してもよい。
【0112】
上記構成によれば、センサによる検出値に依らず、利用者による安全確認に基づき車両の出庫を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0113】
10 機械式駐車設備
12 駐車塔
14a~14d 主柱
16 第1昇降路
18 ピット
20 乗降部
21 出入口
22 出入口扉
23 出入口センサ
24 ダクト
26 第2昇降路
27 鏡
30a~30c 測域センサ
32a~32d 光電センサ
40a~40d パネル
46a~46h 柵
47a~47e パネル
50 格納部
60 搬送装置
62 パレット
64 パレット旋回装置
66 昇降器
68 昇降駆動装置
70 ワイヤロープ
71 カウンターウェイト
72 棚レール
74 パレット移載機構
78 センサポール
80 操作装置
82 タッチパネル
92 「安全確認(扉閉)」ボタン
94 鍵穴
100 設備制御装置
102 第1判定部
104 第2判定部
106 判定切り替え部
108 動作制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2021-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械式駐車設備であって、
利用者が車両に乗降する乗降部と、
前記乗降部の出入口を開閉する扉と、
前記乗降部内に存在する検出対象物を検出するセンサと、
前記扉の開閉動作を制御する設備制御装置と、を備え
記設備制御装置は、
前記センサ検出値に基づき、前記扉の閉動作を開始するか否かを判定する第1判定部を有し、
前記扉の閉動作を開始すると前記第1判定部により判定したとき、前記利用者の操作によらず自動的に前記扉の閉動作を実行する、機械式駐車設備。
【請求項2】
機械式駐車設備であって、
利用者が車両に乗降する乗降部と、
前記乗降部の出入口を開閉する扉と、
前記乗降部内に存在する検出対象物を検出するセンサと、
前記扉の開閉動作を制御する設備制御装置と、を備え、
前記設備制御装置は、
前記センサの検出値に基づき、前記扉の閉動作を開始するか否かを判定する第1判定部と、
前記センサが故障しているか否かを判定する故障判定部と、を有する、機械式駐車設備。
【請求項3】
前記設備制御装置は、
前記利用者の操作に基づき、前記扉の閉動作を開始するか否かを判定する第2判定部と、
前記扉の閉動作を開始するか否かを前記第1判定部により判定する第1判定モードにおいて、前記センサが故障していると前記故障判定部により判定したとき、前記扉の閉動作を開始するか否かを前記第2判定部により判定する第2判定モードに切り替える判定切り替え部と、をさらに有する、請求項2に記載の機械式駐車設備。
【請求項4】
前記出入口を検出対象物が通過したか否かを検出する出入口センサをさらに備え、
前記故障判定部は、前記センサおよび前記出入口センサの検出値に基づき、前記センサが故障しているか否かを判定する、請求項2または3に記載の機械式駐車設備。
【請求項5】
前記設備制御装置は、
前記利用者の操作に基づき、前記扉の閉動作を開始するか否かを判定する第2判定部と、
前記扉の閉動作を開始するか否かを前記第1判定部により判定する第1判定モードにおいて、前記利用者の操作に基づき、前記扉の閉動作を開始するか否かを前記第2判定部により判定する第2判定モードに切り替える判定切り替え部と、をさらに有する、請求項1または2に記載の機械式駐車設備。
【請求項6】
前記乗降部内の全エリアは、第1エリアと前記第1エリア以外の第2エリアとに分けられ、前記乗降部内には、前記第2エリアへの前記検出対象物の侵入を防止する侵入防止部が設けられ、前記第2エリアは、前記侵入防止部を除いたときに前記センサで前記検出対象物を検出できない第3エリアを含み、前記センサは、前記第1エリア内に存在する前記検出対象物を検出する、請求項1ないし5のいずれかに記載の機械式駐車設備。
【請求項7】
前記乗降部内に前記センサで検出されない非検出対象物をさらに備え、
前記第3エリアは、前記非検出対象物に妨げられることにより、前記侵入防止部を除いたときに前記センサで前記検出対象物を検出できないエリアを含み、
前記侵入防止部は、前記非検出対象物の少なくとも一部が前記第1エリアに露出するように設けられる、請求項6に記載の機械式駐車設備。
【請求項8】
前記非検出対象物は、前記第1判定部により前記扉の閉動作を開始すると判定した後に、前記設備制御装置により動作を制御される昇降器および前記昇降器と一体的に昇降する部材を含む、請求項7に記載の機械式駐車設備。
【請求項9】
前記侵入防止部の少なくとも一部は、前記第1判定部により前記扉の閉動作を開始すると判定する前に、前記昇降器の動作を妨げる位置にあり、前記第1判定部により前記扉の閉動作を開始すると判定した後に、前記昇降器の動作を妨げない位置まで移動する、請求項8に記載の機械式駐車設備。
【請求項10】
前記センサは、測域センサおよび光電センサのうちの少なくともいずれかを含む、請求項1ないし9のいずれかに記載の機械式駐車設備。