(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022612
(43)【公開日】2022-02-07
(54)【発明の名称】電圧変換装置及び電圧変換装を備えた高周波電源装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20220131BHJP
H05H 1/46 20060101ALN20220131BHJP
【FI】
H02M3/155 H
H05H1/46 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020112132
(22)【出願日】2020-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(72)【発明者】
【氏名】河野 真吾
【テーマコード(参考)】
2G084
5H730
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084BB21
2G084CC04
2G084CC05
2G084CC11
2G084CC33
2G084DD55
2G084EE11
2G084EE12
2G084EE14
2G084EE22
2G084EE24
2G084EE25
5H730AA04
5H730AS00
5H730AS05
5H730BB13
5H730BB57
5H730CC01
5H730DD04
5H730EE52
5H730EE59
5H730FD01
5H730FG05
(57)【要約】
【課題】出力端子間の抵抗値を、電圧変換装置の出力電圧値Voutに応じて調整できる電圧変換装置を提供する。
【解決手段】電圧変換装置1は、入力電圧を所定の出力電圧に変換する。電圧変換装置1は、出力端子間に接続される半導体スイッチ16と、出力端子間の出力電圧値Voutを検出する電圧検出部17と、記憶部32を参照することによって、半導体スイッチ16のオン抵抗値を所望のオン抵抗値Ronにするための電圧値であり、出力電圧値Voutに対応した半導体スイッチ16のゲート・ソース間電圧値Vgsを導出する電圧設定部31と、導出したゲート・ソース間電圧値Vgsの電圧を半導体スイッチ16のゲート端子に印加する電圧印加部33とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧を所定の出力電圧に変換する電圧変換装置であって、
前記出力電圧が出力される出力端子間に接続されており、前記出力電圧が印加される半導体スイッチと、
前記出力端子間の出力電圧値を検出する電圧検出部と、
前記電圧検出部で検出した出力電圧値に対応した前記半導体スイッチの制御端子電圧値を導出し、導出した制御端子電圧値の電圧を前記半導体スイッチの制御端子に印加する制御端子電圧印加部と
を備えた電圧変換装置。
【請求項2】
前記制御端子電圧印加部は、記憶部、電圧設定部及び電圧印加部を備えており、
前記記憶部は、前記電圧検出部で検出した出力電圧値と前記半導体スイッチの制御端子電圧値とを関連付けた情報が複数組記憶されたテーブルを有しており、
前記電圧設定部は、前記記憶部に記憶されたテーブルを参照することによって、前記電圧検出部で検出した出力電圧値に対応した前記半導体スイッチの制御端子電圧値を導出し、
前記電圧印加部は、前記導出した制御端子電圧値の電圧を前記半導体スイッチの制御端子に印加することを特徴とする請求項1に記載の電圧変換装置。
【請求項3】
前記電圧変換装置よりも後段を負荷としたときに、
複数の負荷の状態に対応するために、前記テーブルを負荷の状態毎に取得して前記記憶部に記憶しておき、
前記電圧設定部は、前記負荷の状態を判別して、その判別した負荷の状態に対応するテーブルを参照することによって、前記半導体スイッチの制御端子電圧値を導出することを特徴とする請求項2に記載の電圧変換装置。
【請求項4】
前記電圧設定部は、参照したテーブルの中に、前記電圧検出部で検出した出力電圧値に相当する情報が無い場合は、前記参照したテーブルの中にある情報に基づいて前記半導体スイッチの制御端子電圧値を導出することを特徴とする請求項2又は3に記載の電圧変換装置。
【請求項5】
前記半導体スイッチの制御端子電圧値は、前記半導体スイッチのオン抵抗値を所望のオン抵抗値にするための電圧値である請求項1~4のいずれかに記載の電圧変換装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の電圧変換装置と、
該電圧変換装置から出力された直流電圧を交流電圧に変換して出力するRF出力装置と
を備えた高周波電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧変換装置及び電圧変換装を備えた高周波電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DCDCコンバータ等の電圧変換装置は、出力電圧が低い場合に、当該スイッチング電源装置の動作を安定させるため、出力端子間に定抵抗が設けられる場合がある。
【0003】
図12は、出力端子間に定抵抗が設けられた電圧変換装置50の一例(従来技術)である。
図12の電圧変換装置50は、直流電源部11、半導体スイッチ12、ダイオード13、インダクタ14、平滑コンデンサ15、出力制御部21及び目標電力値設定部22を含む。これらの構成により、電圧変換装置50は、直流電源部11から印加された直流電圧を降圧し、降圧した直流の出力電圧を負荷5に供給する非同期整流方式の降圧型DCDCコンバータとして機能する。
【0004】
電圧変換装置50は、更に、半導体スイッチ51、抵抗52、電圧変換装置50の出力電圧の電圧値(出力電圧値Vout)を検出する電圧検出部17及び半導体スイッチ51のオンオフ制御を行うオンオフ制御部53を備えている。
なお、
図12の電圧変換装置50のように、出力端子間に半導体スイッチ及び抵抗を備えた技術を記載した文献としては、例えば、特許文献1がある。
【0005】
図12の電圧変換装置50では、出力電圧が低く、負荷5のインピーダンスが高いと、出力電流が小さくなって動作が安定し難くなる。そのため、出力電圧が低い場合には、半導体スイッチ51をオンにして、抵抗52にも電流が流れるようにする。これにより電圧変換装置50の安定動作を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、
図12の電圧変換装置50では、抵抗52の抵抗値は、固定値である。また、半導体スイッチ51のオン抵抗値も略一定値である。そのため、半導体スイッチ51がオンとなる領域では、電圧変換装置50の出力電圧が高くなるに従って、損失電力値が大きくなる。また、半導体スイッチ51をオンさせるか否かの出力電圧の闇値の前後で、急激に抵抗値が変化することになる。すなわち、電圧変換装置50の出力端から見た負荷5のインピーダンスが急変するので、安定性の面で問題が生じる。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされるものであり、出力端子間に出力電圧に応じた抵抗値を有する可変抵抗を備えた電圧変換装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明によって提供される電圧変換装置は、
入力電圧を所定の出力電圧に変換する電圧変換装置であって、
前記出力電圧が出力される出力端子間に接続されており、前記出力電圧が印加される半導体スイッチと、
前記出力端子間の出力電圧値を検出する電圧検出部と、
前記電圧検出部で検出した出力電圧値に対応した前記半導体スイッチの制御端子電圧値を導出し、導出した制御端子電圧値の電圧を前記半導体スイッチの制御端子に印加する制御端子電圧印加部と
を備えたことを特徴としている。
【0010】
第2の発明によって提供される電圧変換装置は、
前記制御端子電圧印加部が、記憶部、電圧設定部及び電圧印加部を備えており、
前記記憶部は、前記電圧検出部で検出した出力電圧値と前記半導体スイッチの制御端子電圧値とを関連付けた情報が複数組記憶されたテーブルを有しており、
前記電圧設定部は、前記記憶部に記憶されたテーブルを参照することによって、前記電圧検出部で検出した出力電圧値に対応した前記半導体スイッチの制御端子電圧値を導出し、
前記電圧印加部は、前記導出した制御端子電圧値の電圧を前記半導体スイッチの制御端子に印加することを特徴としている。
【0011】
第3の発明によって提供される電圧変換装置は、
前記電圧変換装置よりも後段を負荷としたときに、
複数の負荷の状態に対応するために、前記テーブルを負荷の状態毎に取得して前記記憶部に記憶しておき、
前記電圧設定部は、前記負荷の状態を判別して、その判別した負荷の状態に対応するテーブルを参照することによって、前記半導体スイッチの制御端子電圧値を導出することを特徴としている。
【0012】
第4の発明によって提供される電圧変換装置は、前記電圧設定部に関するものであり、
前記電圧設定部は、参照したテーブルの中に、前記電圧検出部で検出した出力電圧値に相当する情報が無い場合は、前記参照したテーブルの中にある情報に基づいて前記半導体スイッチの制御端子電圧値を導出することを特徴としている。
【0013】
第5の発明によって提供される電圧変換装置は、
前記半導体スイッチの制御端子電圧値が、前記半導体スイッチのオン抵抗値を所望のオン抵抗値にするための電圧値であることを特徴としている。
【0014】
第6の発明によって提供される高周波電源装置は、
第1の発明から第5の発明のいずれか一つに記載の電圧変換装置と、
該電圧変換装置から出力された直流電圧を交流電圧に変換して出力するRF出力装置とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、出力端子間に接続されて前記出力電圧が印加される半導体スイッチを出力電圧に応じた抵抗値を有する可変抵抗として機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態に係るプラズマ制御システムの一構成例を示す模式図である。
【
図2】第1実施形態に係る電圧変換装置1の一構成例を示す模式的回路構成図である。
【
図3】半導体スイッチ16のドレイン・ソース間電圧値Vdsに対するドレイン電流Id及びゲート・ソース間電圧値Vgsの特性例を示す図である。
【
図4】半導体スイッチ16のドレイン・ソース間電圧値Vdsに対する所望のオン抵抗値Ron[Ω]、ドレイン電流値Id[A]、所望のオン抵抗値Ronにするためのゲート・ソース間電圧値Vgs[V]及び半導体スイッチ16の損失電力値Wloss[W]の一例である。
【
図5】出力電圧値Vout(横軸)と所望のオン抵抗値Ron(縦軸)との関係をグラフ化したものである。なお、所望のオン抵抗値Ron(縦軸)は、対数で表している。
【
図6】出力電圧値Vout(横軸)と所望のオン抵抗値Ronにするためのゲート・ソース間電圧値Vgs(縦軸)との関係をグラフ化したものである。
【
図7】出力電圧値Vout(横軸)と半導体スイッチ16のドレイン電流値Id(縦軸)との関係をグラフ化したものである。
【
図8】出力電圧値Vout(横軸)と半導体スイッチ16の損失電力値Wloss(縦軸)との関係をグラフ化したものである。
【
図9】負荷の状態が異なる場合のゲート・ソース間電圧値Vgsに対するオン抵抗値Ronの一例を示す図である。
【
図10】記憶部32に複数のテーブルを記憶した例である。
図10では、一例として3つのテーブルが記憶されている例を示している。
【
図11】第2実施形態に係る電圧変換装置の一構成例を示す模式的回路構成図である。
【
図12】出力端子間に定抵抗が設けられた電圧変換装置50の一例(従来技術)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に関する電圧変換装置1は、例えば、プラズマ制御システム等の構成部位と一つして用いられるものであり、以下にその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。なお、簡略化のため、従来技術と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
【0018】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るプラズマ制御システムの一構成例を示す模式図である。プラズマ制御システムは、例えば、半導体整合プロセスにおけるエッチング等のプラズマ処理を行う場合に用いられ、高周波電源装置100、整合器3及びプラズマ負荷4を含む。高周波電源装置100は、電圧変換装置1とRF出力装置とを含む。
【0019】
プラズマ負荷4は、プラズマが発生するプラズマチャンバー(図示せず)を備え、高周波電源装置100から供給された高周波電力によって、当該プラズマチャンバー内でプラズマを発生させ、半導体整合プロセスにおけるエッチング等のプラズマ処理を行う。
【0020】
高周波電源装置100は、例えば、2MHz、13.56MHz、27MHz又は60MHz等のRF帯(Radio Frequency)の高周波電圧(高周波電力)を出力する交流電源であり、出力インピーダンスは、例えば50Ω等の所定の値に設定されている。この高周波電源装置100は、入力された直流電圧を所定の直流電圧に変換して出力する電圧変換装置1と、電圧変換装置1が出力した出力電圧を、例えばインバータ回路(図示せず)によって所定の高周波交流電圧(RF電圧)に変換して出力するRF出力装置2(RF電源)とを含む。
なお、このような高周波電源装置100では、例えば出力端における電力値が所望の電力値になるように制御されるので、以下では、電圧ではなく電力を制御量として記載している箇所がある。
【0021】
整合器3は、高周波電源装置100とプラズマ負荷4との間に介装されている。整合器3は、例えば、高周波電源装置100の出力インピーダンスと、高周波電源装置100の出力端又は当該出力端と同等の箇所である整合器3の入力端からプラズマ負荷4側を見た負荷側インピーダンスとが整合するように、内部の可変コンデンサ(図略)の容量値等を調整する装置である。この整合器3の機能によって、プラズマ負荷4からの反射電力の抑制を行うことができる。なお、整合器3は必須の構成でなく、プラズマ負荷4と高周波電源装置100とを直結してもよい。
【0022】
図2は、第1実施形態に係る電圧変換装置1の一構成例を示す模式的回路構成図である。電圧変換装置1は、直流電源部11、半導体スイッチ12、ダイオード13、インダクタ14、平滑コンデンサ15及び半導体スイッチ12の制御を行う出力制御部21を含む。これらの構成により、電圧変換装置1は、直流電源部11から印加された直流電圧を降圧し、降圧した直流の出力電圧を負荷5に供給する非同期整流方式の降圧型DCDCコンバータとして機能する。なお、
図2では、
図1に示したRF出力装置2及び整合器3を省略している。すなわち、
図2では、電圧変換装置1の出力端よりも後段の構成を負荷5としている。なお、半導体スイッチ12は、例えば、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)が用いられる。また、
図2の半導体スイッチ12には、ボディダイオードも図示している。
【0023】
電圧変換装置1は、更に、出力端子間(正極側出力端子41と負極側出力端子42との間)に接続された半導体スイッチ16、電圧変換装置1の出力電圧の電圧値(出力電圧値Vout)を検出する電圧検出部17及び半導体スイッチ16のゲート端子(制御端子)にゲート・ソース間電圧(制御端子電圧)を印加する制御端子電圧印加部30を備えている。なお、半導体スイッチ16は、例えば、電界効果トランジスタが用いられる。また、
図2の半導体スイッチ51には、ボディダイオードも図示している。
【0024】
直流電源部11は、例えば、商用の交流電源を変圧した後に全波整流し平滑した直流電源又は大容量蓄電池等である。
【0025】
半導体スイッチ12は、例えばnチャネル型MOSFETであり、出力制御部21からの制御に関する信号が、ゲート端子に入力される。半導体スイッチ12は、ドレインを直流電源部11の正極側に向けて、直流電源部11の正極側とインダクタ14との間に介装され、インダクタ14と直列に接続されている。
【0026】
ダイオード13は、アノードを直流電源部11の正極側に向けて、半導体スイッチ12とインダクタ14との接続接点から分岐させてインダクタ14と並列に接続されている。
【0027】
平滑コンデンサ15は、インダクタ14の負荷側端子と直流電源部11の負極側出力端子との間に介装され、ダイオード13とはインダクタ14を介して並列に接続されている。平滑コンデンサ15は、負荷S3と並列に接続してあり平滑した直流電圧を負荷5に出力する。
【0028】
半導体スイッチ16は、例えばnチャネル型MOSFETであり、ドレインを直流電源部11の正極側に向けて、電圧変換装置の出力端子間に接続さている。また、半導体スイッチ16は、制御端子電圧印加部30によってゲート端子にゲート・ソース間電圧が印加される。半導体スイッチ16は、ゲート端子に入力される電圧値を制御することにより、オン抵抗値Ronを調整できる。
【0029】
電圧検出部17は、平滑コンデンサ15で平滑された出力電圧の電圧値(出力電圧値Vout)を検出し、制御端子電圧印加部30(より具体的には、電圧設定部31)に出力する。なお、電圧検出部17で検出した出力電圧値Voutを出力制御部21に出力してもよい。また、電圧検出部17は、ローパスフィルタを含むものであってもよい。
【0030】
また、
図2では、プラズマ負荷4(
図1参照)に供給される電力値を電力検出部24によって検出し、検出した電力値(検出電力値)を出力制御部21に入力する構成を例示している。
なお、検出対象となる電力値がプラズマ負荷4に供給される高周波電力の電力値の場合、通常は、高周波電源装置100から出力されてプラズマ負荷4側に向かう進行波電力が検出対象となるが、進行波電力から反射波電力を減じた負荷側電力を検出対象としてもよい。このような場合、電力検出部24は、例えば、プラズマ負荷4の近傍に設けられるが、これに限定されない。例えば、RF出力装置2の出力端、整合器3の入力端又は整合器3の出力端の近傍に設けることがある。
【0031】
出力制御部21は、例えばPID制御等のフィードバック制御を行うことによって、電力検出部24によって検出された電力値が、目標電力値設定部22によって設定される目標電力値に近づくように、半導体スイッチ12のオンオフ制御を行う。
具体的には、検出された電力値が目標電力値よりも小さい場合は、電圧変換装置1から出力する電圧の電圧値が大きくなるように、半導体スイッチ12のオンオフ制御を行う。例えば、PWM制御における半導体スイッチ12のオン時間の割合を大きくする。
反対に、検出された電力値(検出電力値)が目標電力値よりも大きい場合は、電圧変換装置1から出力する電圧の電圧値を小さくする。例えば、PWM制御における半導体スイッチ12のオン時間の割合を小さくする。
【0032】
電圧変換装置1を
図1に示したプラズマ制御システムに適用する場合、RF出力装置2から出力される高周波電力の電力値は、電圧変換装置1から出力される電圧値に基づいて定まる。そのため、電圧変換装置1の出力電圧を制御することによって、プラズマ負荷4に供給される高周波電力の電力値を所望の値に制御することができる。
なお、電圧変換装置1における半導体スイッチ12の制御方法は上記に限定されない。例えば、電圧検出部17によって検出された電圧変換装置1の出力端における電圧値が、目標電圧値設定部23によって設定された目標電圧値と等しくなるように、半導体スイッチ12のオンオフ制御を行うようにしてもよい。目標電力値設定部22及び目標電圧値設定部23は、高周波電源装置100内に設けてもよいし、外部装置に設けてもよい。
【0033】
制御端子電圧印加部30は、電圧設定部31、記憶部32及び電圧印加部33を含む。
電圧設定部31は、電圧検出部17が検出した電圧値(出力電圧値Vout)を入力し、この出力電圧値Voutに対応したゲート・ソース間電圧値Vgsを定める、このゲート・ソース間電圧値Vgsは、記憶部32に記憶された情報に基づいて定める。
【0034】
記憶部32は、RAM(Random access memory)、ROM(Read Only Memory)等により構成されている。他の方式の記憶媒体であってもよい。この記憶部32は、後述するように、半導体スイッチ16のドレイン・ソース間電圧値Vdsと半導体スイッチ16のオン抵抗値を所望のオン抵抗値Ronにするためのゲート・ソース間電圧値Vgsとの関係を示す情報が記憶されている。
なお、
図2の構成の場合、ドレイン・ソース間電圧値Vdsは電圧検出部17が検出した出力電圧値Voutに相当するので、上記の情報は、出力電圧値Voutとゲート・ソース間電圧値Vgsとを関連付けた情報でもある。また、これらの情報は、後述するようにテーブルに複数組記憶されている。
【0035】
電圧印加部33は、電圧設定部31で定められたゲート・ソース間電圧値Vgsを半導体スイッチ16のゲート端子に印加する。電圧印加部33は、必要に応じて電圧源を有する。
【0036】
次に、電圧設定部31と記憶部32との関係について説明する。
図3は、半導体スイッチ16のドレイン・ソース間電圧値Vdsに対するドレイン電流Id及びゲート・ソース間電圧値Vgsの特性例を示す図である。
この
図3を参照すると、例えば、ドレイン・ソース間電圧値Vdsが10[V]のときに、半導体スイッチ16のオン抵抗値Ronを10[Ω]にするためのゲート・ソース間電圧値Vgsは、オームの法則により、Id=Vds/Ron=1[A]となる。
そのため、
図3の例では、ドレイン・ソース間電圧値Vdsが10[V]であり、ドレイン電流値Idが1[A]の場合のゲート・ソース間電圧値Vgsは3[V]なので、3[V]を半導体スイッチ16のゲートに印加すれば、半導体スイッチ16のオン抵抗値Ronを10[Ω]にすることができる。
なお、上記のような情報は、実際に使用する半導体スイッチ16を用いて予め取得するのが望ましい。もちろん、実際に使用する半導体スイッチ16と同じ型式の半導体スイッチであれば、同じ特性を示すものとして扱う等、実用性を考慮した運用を行うこともできる。
【0037】
図4は、半導体スイッチ16のドレイン・ソース間電圧値Vdsに対する所望のオン抵抗値Ron[Ω]、ドレイン電流値Id[A]、所望のオン抵抗値Ronにするためのゲート・ソース間電圧値Vgs[V]及び半導体スイッチ16の損失電力値Wloss[W]の一例である。なお、半導体スイッチ16の損失電力値Wlossは、半導体スイッチ16のドレイン・ソース間電圧値Vdsに対して所望のオン抵抗値Ronになったときの損失電力値であり、Wloss=Vds
2/Ronで求めることができる。
【0038】
図4を参照すると、例えば、半導体スイッチ16のドレイン・ソース間電圧値Vdsが10[V]のときに、オン抵抗値Ronを7[Ω]にしたいときは、ゲート・ソース間電圧値Vgsを8.13[V]にすればよいことが分かる。また、そのときのドレイン電流値Idは1.43[A]であり、半導体スイッチ16の損失電力値Wlossは、14.29[W]であることが分かる。他のドレイン・ソース間電圧値Vdsのときにも同様にして各値を求めることができる。
【0039】
また、
図2の構成の場合、電圧検出部17で検出した出力電圧値Voutは、半導体スイッチ16のドレイン・ソース間電圧値Vdsに相当するので、電圧検出部17で検出した出力電圧値Voutが10[V]のときに、半導体スイッチ16のオン抵抗値Ronを7[Ω]にしたいときは、ゲート・ソース間電圧値Vgsを8.13[V]にすればよいことになる。
そのため、
図4のうちの半導体スイッチ16のドレイン・ソース間電圧値Vdsと所望のオン抵抗値Ronにするためのゲート・ソース間電圧値Vgsとの関係を記憶部32に記憶しておけば、電圧検出部17で検出した出力電圧値Voutのときに、所望の半導体スイッチ16のオン抵抗値Ronにするためのゲート・ソース間電圧値Vgsを求めることができる。
また、
図2の構成の場合、ドレイン・ソース間電圧値Vdsは電圧検出部17が検出した出力電圧値Voutに相当するので、上記の情報は、出力電圧値Voutとゲート・ソース間電圧値Vgsとを関連付けた情報でもある。
【0040】
また、これらの情報はテーブルに複数組記憶されているので、電圧設定部31は記憶部32に記憶されたテーブルテーブルを参照することによって、出力電圧値Voutのときに、所望の半導体スイッチ16のオン抵抗値Ronにするためのゲート・ソース間電圧値Vgsを求めることができる。
なお、このテーブルの情報をグラフ化したものが、後述する
図6になる。
図4と
図6に示した例では、テーブルには8組の情報が記憶されているが、この情報の数は一例である。一般的に、情報の数が多いほど制御精度が良くなるが、その分、情報を取得する工数が増えるため、情報の数は実際の状況を踏まえて決定すればよい。
【0041】
従って、電圧設定部31は、電圧検出部17が検出した出力電圧値Voutを入力し、この出力電圧値Voutに対応するゲート・ソース間電圧値Vgsを求めて(導出し)、電圧印加部33が半導体スイッチ16のゲート端子に印加すればよい。これにより、所望のオン抵抗値Ronで半導体スイッチ16をオンにするので、ドレイン電流Idを制御することができる。
【0042】
なお、上記のように所望の半導体スイッチ16のオン抵抗値Ronにするためのゲート・ソース間電圧値Vgsを求める際には、負荷(ここでは電圧変換装置1の出力端よりも後段)の状態(例えば負荷インピーダンス)を一定にして行う。理由は、負荷の状態が異なると、同じ作業をして所望の半導体スイッチ16のオン抵抗値Ronにするためのゲート・ソース間電圧値Vgsを求めたとしても、異なる値になってしまうからである。そうなると、ゲート・ソース間電圧値Vgsの制御精度が低下してしまう。そのため、所望の半導体スイッチ16のオン抵抗値Ronにするためのゲート・ソース間電圧値Vgsを求める際には、できるだけ負荷の状態を一定にして行い、ゲート・ソース間電圧値Vgsの制御精度が低下しないようにするのが望ましい。
【0043】
また、記憶部32に記憶されている情報は離散値であるため、電圧検出部17が検出した出力電圧値Voutに対応するゲート・ソース間電圧値Vgsが記憶されていない場合がある。そのような場合は、記憶されているゲート・ソース間電圧値Vgsを用いて補間演算を行い、電圧検出部17が検出した出力電圧値Voutに対応するゲート・ソース間電圧値Vgsを導出すればよい。
また、補間演算ではなく、関数を用いて記憶されていないゲート・ソース間電圧値Vgsを導出するようにしてもよい。
又は、記憶部32に記憶されているドレイン・ソース間電圧値Vdsの中で一番近似するものを選択し、選択したドレイン・ソース間電圧値Vdsに対応するゲート・ソース間電圧値Vgsを導出してもよい。
【0044】
また、制御開始時、すなわち、電圧設定部31に電圧検出部17が検出した出力電圧値Voutが入力されていないときには、例えば、予め定めた所定のゲート・ソース間電圧値Vgsを初期値にすることができる。又は、電圧設定部31は、出力制御部21と通信等することによってプラズマ負荷4に供給すべき目標電力値に基づいて定まる電圧変換装置1の出力端の目標電圧値を取得し、当該目標電圧値に基づいてゲート・ソース間電圧値Vgsの初期値を決定してもよい。
【0045】
次に、
図5~
図7を参照して、制御端子電圧印加部30の機能を説明する。
なお、上述したように、
図2の構成の場合、電圧検出部17が検出した出力電圧値Voutは、半導体スイッチ16のドレイン・ソース間電圧値Vdsに相当するので、ドレイン・ソース間電圧値Vdsの代わりに出力電圧値Voutを用いて説明する。
【0046】
図5は、出力電圧値Vout(横軸)と所望のオン抵抗値Ron(縦軸)との関係をグラフ化したものである。なお、所望のオン抵抗値Ron(縦軸)は、対数で表している。
図6は、出力電圧値Vout(横軸)と所望のオン抵抗値Ronにするためのゲート・ソース間電圧値Vgs(縦軸)との関係をグラフ化したものである。
図7は、出力電圧値Vout(横軸)と半導体スイッチ16のドレイン電流値Id(縦軸)との関係をグラフ化したものである。
図8は、出力電圧値Vout(横軸)と半導体スイッチ16の損失電力値Wloss(縦軸)との関係をグラフ化したものである。
【0047】
図5に示すように、出力電圧値Voutに対応した所望のオン抵抗値Ronは、出力電圧値Voutの上昇に応じて高くしている。ドレイン・ソース間電圧値Vdsと対応する所望のオン抵抗値Ronとの関係は、電圧変換装置1の回路構成、回路を構成する各素子の特性等に基づいて、適宜決定される。従って、電圧変換装置1の回路構成等に好適な出力電圧値Voutと対応する所望のオン抵抗値Ronとの関係を決定し、半導体スイッチ16の損失電力値Wlossを効率的に低減させることができる。
【0048】
図4、
図5に示すように、例えば、出力電圧値Vout(ドレイン・ソース間電圧値Vds)が200[V]のときの所望のオン抵抗値Ronは、1,200[Ω]である。そのため、半導体スイッチ16のオン抵抗値を所望のオン抵抗値Ronである1,200[Ω]に調整することができれば、オームの法則により、ドレイン電流値Idは、0.17[A]となる。そして、このような出力電圧値Voutに対応した所望のオン抵抗値Ronにするための半導体スイッチ16のゲート・ソース間電圧値Vgsは6.24[V]である。
【0049】
また、出力電圧値Voutが800[V]のときの所望のオン抵抗値Ronは、80,000[Ω]である。そのため、半導体スイッチ16のオン抵抗値を所望のオン抵抗値Ronである80,000[Ω]に調整することができれば、オームの法則により、ドレイン電流値Idは、0.01[A]となる。そして、このような出力電圧値Voutに対応した所望のオン抵抗値Ronにするための半導体スイッチ16のゲート・ソース間電圧値Vgsは5.23[V]である。
【0050】
上記の例では、出力電圧値Voutが4倍(800/200=4)に上昇する際に、所望のオン抵抗値Ronは約67倍(80,000/1,200≒67)になる。
すなわち、
図5に示すように、出力電圧値Voutの上昇に伴い、所望のオン抵抗値Ronを大幅に大きくしている。その結果、
図6に示すように、出力電圧値Voutの上昇に伴い、半導体スイッチ16のゲート・ソース間電圧値Vgsが大幅に小さくなる。また、
図7に示すように、出力電圧値Voutの上昇に伴い、ドレイン電流値Idが大幅に小さくなる。
このときの半導体スイッチ16の損失電力値Wlossは、Vout
2/Ronで表されるので、
図8のような出力電圧値Voutに対する損失電力値の特性が得られる。すなわち、出力電圧値Voutに対する所望のオン抵抗値Ronを適宜定めることによって、損失電力値Wlossを調整できることが分かる。
【0051】
上述したように、出力電圧値Voutの上昇率の2乗よりも、所望のオン抵抗値Ronの上昇率の方が大きいと、出力電圧値Voutの上昇に伴い、損失電力値が小さくなっていく。
図8に示した例では、出力電圧値Voutが約50~300Vまでの領域では、損失電力値が略一定値となるように所望のオン抵抗値Ronを定め、出力電圧値Voutが約300V以上の領域では、損失電力値が徐々に低下するように所望のオン抵抗値Ronを定めている。
【0052】
なお、損失電力値が略一定値となる領域を「損失電力値一定領域」とすると、「損失電力値一定領域」は、損失電力値が略一定であればよく、所定の範囲(例えば、プラスマイナス5Wの範囲)に収まっていればよい。
また、
図8に示した例では、「損失電力値一定領域」と「非損失電力値一定領域」とに分けることができるが、これに限定されない。
すなわち、本実施形態の構成では、電圧変換装置1の出力端子間の抵抗値を自在に定めることができるので、損失電力値という観点で、電圧変換装置1の出力端子間の抵抗値を定めることができる。
例えば、電圧変換装置1の出力電圧値Voutが低い領域においては、
図7に示した例よりもドレイン電流を多く流したとしても、損失電力値の絶対値が小さく、装置の許容値に十分収まる場合がある。そのような場合には、制御の応答性を高めるために、敢えて損失電力値を大きくして運用することができる。
【0053】
<第2実施形態>
第1実施形態で説明した電圧変換装置1は、負荷の状態(例えば負荷インピーダンス)があまり変動しない場合(一定、又は、ほぼ一定の場合)に適している。
しかし、
図4で説明した情報を取得するときと負荷の状態が異なる場合は、ゲート・ソース間電圧値Vgsの制御精度が低下してしまう。この現象を、
図9を用いて説明する。
【0054】
図9は、負荷の状態が異なる場合のゲート・ソース間電圧値Vgsに対するオン抵抗値Ronの一例を示す図である。
この
図9に示すように、例えば、負荷が複数の異なるインピーダンスになる場合は、ゲート・ソース間電圧値Vgsが同じであっても、ドレイン・ソース間電圧値Vdsによって所望のオン抵抗値Ronが異なる。
【0055】
図10は、記憶部32に複数のテーブルを記憶した例である。
図10では、一例として3つのテーブルが記憶されている例を示している。
図9で説明した問題を解決するために、
図10に示すように、記憶部32に負荷の状態毎に取得したテーブルを記憶しておけばよい。
【0056】
上述したように、テーブルには、出力電圧値Voutとゲート・ソース間電圧値Vgsとを関連付けた情報が複数組記憶されている。また、テーブルには、どのような負荷の状態に対応するかを示す識別子が記憶されているので、識別子に基づいて、どのテーブルを参照すればよいのかが分かるようになっている。
【0057】
図11は、第2実施形態に係る電圧変換装置の一構成例を示す模式的回路構成図である。
図10で説明したように、記憶部32に複数のテーブルが記憶されている場合は、負荷の状態を判別するための負荷情報を取得し、電圧設定部31に入力する。また、負荷情報には、どのような負荷の状態に対応するかを示す識別子が含まれている。そのため、電圧設定部31は、入力された負荷情報に基づいて参照すべきテーブルを記憶部32の中から選定することができる。これにより、負荷の状態が複数あったとしても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、負荷情報は、例えば、外部装置から提供される。
【0058】
次に、本実施形態の制御端子電圧印加部30の作用効果について説明する。
(1)本実施形態の制御端子電圧印加部30を用いれば、電圧変換装置1の出力端子間の抵抗値(実施形態では所望のオン抵抗値Ron)を、電圧変換装置1の出力電圧値Voutに応じて調整することができる。しかも、その抵抗値を自在に定めることができるので、電圧変換装置1の出力電圧値Voutに適した抵抗値にすることができる。すなわち、電圧変換装置1の出力端子間に接続した半導体スイッチを出力電圧に応じた抵抗値を有する可変抵抗として機能させることができる。
また、電圧変換装置1の出力端子間の抵抗値を定める際に、フィードバック制御が必要でないので、応答速度が早い。
また、本実施形態では、出力電圧値Voutと所望のオン抵抗値Ronとの対応を示すテーブルを用いることができる。そのため、テーブルを参照するという簡易な方法で、出力電圧値Voutに対応する所望のオン抵抗値Ronにするためのゲート・ソース間電圧値Vgsを導出することができる。
【0059】
(2)本実施形態の制御端子電圧印加部30を用いれば、電圧変換装置1の出力電圧値Voutが高くなるほど、所望のオン抵抗値Ronを大きくすることができる。そのため、電圧変換装置1の出力電圧値Voutが低い領域において、電圧変換装置1の出力電圧値Voutが高くなっても、損失電力値が増加しないように所望のオン抵抗値Ronを定めることができる。
図8を参照して説明すると、出力電圧値Voutが約50~300Vまでの領域では、損失電力値が略一定値となるように所望のオン抵抗値Ronを定めることができる。
【0060】
(3)本実施形態の制御端子電圧印加部30を用いれば、電圧変換装置1の出力電圧が大きくなっても(
図7の例では、例えば300V以上)になっても、ドレイン電流が急激な変化(突然0になる等)をしない。そのため、半導体スイッチ16の制御によって負荷が急変してしまう恐れを低減できる。これに対して、従来技術では半導体スイッチ51をオフさせたときにドレイン電流が0になるので、半導体スイッチ51のオン/オフにより、負荷が急変してしまう恐れが高まる。そのため、本発明の方が従来技術よりも安定性の面で優れている。
【0061】
(4)本実施形態の制御端子電圧印加部30を用いれば、電圧変換装置1の出力電圧値Voutが高い領域においても、その出力電圧に応じたドレイン電流が流れる。そして、出力電圧値Voutが低い程、ドレイン電流が大きくなっていく。そのため、電圧変換装置1の出力電圧値Voutが高い電圧値から低い電圧値に変動した際には、従来技術に比べて、電圧変換装置1のコンデンサの電荷が放出する時間を短くできる。従って、従来技術よりも応答性が良い。
【0062】
電圧変換装置1は、非同期整流方式の降圧型DCDCコンバータとしたが、これに限定されない。電圧変換装置1は、出力電圧が低い場合に所定の電流を確保する必要があるコンバータを含み、例えば、昇圧コンバータ、昇降圧コンバータ、非反転昇降圧コンバータ、Cukコンバータ、Scpicコンバータ、Zetaコンバータ、フォワードコンバータ、フライバックコンバータ、ハーフブリッジコンバータ、フルブリッジコンバータ、インターリーブ又はマルチフェーズ回路に適用することができる。
【0063】
また、上記の実施形態では、出力端子間に可変抵抗として機能する半導体スイッチ16を設けたが、この構成に限定されない。例えば、半導体スイッチ16と直列に抵抗を接続してもよい。その場合は、半導体スイッチ16と直列に接続した抵抗との合成抵抗値が、所望の抵抗値になるように、半導体スイッチ16を制御すればよい。
【0064】
また、上記の実施形態では、半導体スイッチとしてFETを用いて説明したが、これに限定されない。半導体スイッチの制御端子に印加する電圧値を変化させることによって、オン抵抗値が変化するものであれば適用することができる。
【0065】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0066】
1 電圧変換装置(DCDCコンバータ)
2 RF出力装置
3 整合器
4 プラズマ負荷(負荷)
5 電圧変換装置の出力端よりも後段を見た負荷
100 高周波電源装置
11 直流電源部
12 半導体スイッチ
13 ダイオード
14 インダクタ
15 平滑コンデンサ
16 半導体スイッチ
17 電圧検出部
21 出力制御部
22 目標電力値設定部
23 目標電圧値設定部
24 電力検出部
30 制御端子電圧印加部
31 目標電流値設定部
32 記憶部
33 電圧印加
41 正極側出力端子
42 負極側出力端子