(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022674
(43)【公開日】2022-02-07
(54)【発明の名称】間接照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20220131BHJP
F21V 11/04 20060101ALI20220131BHJP
F21V 19/02 20060101ALN20220131BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220131BHJP
【FI】
F21S8/04 100
F21S8/04 110
F21V11/04 300
F21V19/02 200
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020113912
(22)【出願日】2020-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005005
【氏名又は名称】不二サッシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】福井 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】清水 國孝
(72)【発明者】
【氏名】下沖 祐太
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013BA01
3K013EA03
3K013FA01
3K013FA06
(57)【要約】
【課題】部品点数を削減して間接照明器具全体を小型化できると共に、取付け作業性も向上させることができ、さらには間接照明器具全体の小型化等によって意匠性も向上させる。
【解決手段】建物の壁2を構成する軽量鉄骨板2aに取付けられるベース部材11と、ベース部材11に取付けられ、LEDライト14が取り付けられると共に、LEDライト14の位置よりも下方に軽量鉄骨板2a方向に向かって突出するように設けられた突出板13を有するライト支持部材12とを備え、突出板13は、LEDライト14の光が直接照射され、その照射光を建物の軽量鉄骨板2aに向かって反射する照射光反射面13cと、照射光反射面13cよりも下方に設けられLEDライト14を下方から見え難く隠すライト目隠し面13dとを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライトが取り付けられると共に、そのライトの高さよりも下方でそのライトを介し建物の壁とは反対側から建物の壁に向かって突出した突出部を有する間接照明器具であって、
前記突出部は、前記ライトからの照射光を建物の壁面に向かって反射する照射光反射面と、前記ライトを当該突出部の下方から見え難く隠すライト目隠し面とを有することを特徴とする間接照明器具。
【請求項2】
請求項1記載の間接照明器具において、
前記ライト目隠し面は前記照射光反射面よりも下方に設けられ、
前記突出部における前記照射光反射面の上下方向の長さが前記ライト目隠し面の上下方向の長さよりも大きいことを特徴とする間接照明器具。
【請求項3】
請求項1記載の間接照明器具において、
前記ライト目隠し面は前記照射光反射面よりも下方に設けられ、
前記突出部における前記照射光反射面と前記ライト目隠し面との境界が前記ライトの前記突出部側の端部から鉛直方向に下した延長線よりも建物の壁面側に突出していることを特徴とする間接照明器具。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか一の請求項に記載の間接照明器具において、
建物の壁に固定される壁固定板部と、その壁固定板部から建物の壁から離れる方向に延びるライト支持部材取付板部とを有するベース部材と、
前記ベース部材の前記ライト支持部材取付板部に上面側が対面して取り付けられると共に下面側に前記ライトが取り付けられるライト取付板部と、そのライト取付板部における建物の壁から離間した箇所から下方に延び、前記突出部が着脱可能に装着される突出板取付板部とを有するライト支持部材とを備え、
前記ベース部材における前記ライト支持部材取付板部の下面側には、建物の壁から離れる方向に所定間隔を空けてn+1(nは自然数。)個以上のベース部材側嵌合部が設けられている一方、
前記ライト支持部材における前記ライト取付板部の上面側には、n+1個以上の前記ベース部材側嵌合部の内、n個の前記ベース部材側嵌合部を選択して嵌合することにより、前記ベース部材に対する前記ライト支持部材の取付け位置を変更することができるn個のライト支持部材側嵌合部が設けられていることを特徴とする間接照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の壁と天井との間のスリット等に設ける間接照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ホテルや美術館等の建物においては、建物の天井や壁等に設けた光源から直接、明かりを照らすダウンライト等の直接照明器具以外に、建物の天井や壁等に設けたライト(光源)からの光を反射板で天井や壁などに反射させて間接光とする間接照明器具が数多く使用されている。このような間接照明器具では、反射板とは別に遮光板(遮蔽板)を設けて、ライト(光源)からの光を遮光板(遮蔽板)で遮光して直接床面に向かって照射されることを防止したり、遮光板(遮蔽板)によってライト(光源)が下方にいる人に極力見え難く隠すように構成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1の間接照明器具では、反射板と遮光板(遮蔽板)とを別々に設けていたため、部品点数が増大して、照明器具全体が大型化すると共に、取付け時の作業負担が大きい、という問題があった。
【0005】
また、照明器具全体が大型化すると、間接照明器具を設置する建物の壁と天井との間のスリットの幅も大きくなるため、意匠性に欠けるという問題点があった。
【0006】
特に、近年は白熱ライトや蛍光灯に代ってより小型のLED電球やLED蛍光管等のLEDライトが使用されているため、間接照明器具全体の小型化が可能であるものの、間接照明器具全体を小型化すると、スリットの幅も狭くなり、間接照明器具の取付け作業性が悪くなると共に、LEDライトの交換作業の作業性が悪くなるという問題もあった。
【0007】
そこで、本発明はこのような問題点を解決するためなされたもので、部品点数を削減して間接照明器具全体を小型化できると共に、取付け作業性も向上させることができ、さらには間接照明器具全体の小型化等によって意匠性も向上させることが出来る間接照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係る間接照明器具は、ライトが取り付けられると共に、そのライトの高さよりも下方でそのライトを介し建物の壁とは反対側から建物の壁に向かって突出した突出部を有する間接照明器具であって、前記突出部は、前記ライトからの照射光を建物の壁面に向かって反射する照射光反射面と、前記ライトを当該突出部の下方から見え難く隠すライト目隠し面とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る間接照明器具では、前記ライト目隠し面は前記照射光反射面よりも下方に設けられ、前記突出部における前記照射光反射面の上下方向の長さが前記ライト目隠し面の上下方向の長さよりも大きいことも特徴とする。
また、本発明に係る間接照明器具では、前記ライト目隠し面は前記照射光反射面よりも下方に設けられ、前記突出部における前記照射光反射面と前記ライト目隠し面との境界が前記ライトの前記突出部側の端部から鉛直方向に下した延長線よりも建物の壁面側に突出していることも特徴とする。
また、本発明に係る間接照明器具では、建物の壁に固定される壁固定板部と、その壁固定板部から建物の壁から離れる方向に延びるライト支持部材取付板部とを有するベース部材と、前記ベース部材の前記ライト支持部材取付板部に上面側が対面して取り付けられると共に下面側に前記ライトが取り付けられるライト取付板部と、そのライト取付板部における建物の壁から離間した箇所から下方に延び、前記突出部が着脱可能に装着される突出板取付板部とを有するライト支持部材とを備え、前記ベース部材における前記ライト支持部材取付板部の下面側には、建物の壁から離れる方向に所定間隔を空けてn+1(nは自然数。)個以上のベース部材側嵌合部が設けられている一方、前記ライト支持部材における前記ライト取付板部の上面側には、n+1個以上の前記ベース部材側嵌合部の内、n個の前記ベース部材側嵌合部を選択して嵌合することにより、前記ベース部材に対する前記ライト支持部材の取付け位置を変更することができるn個のライト支持部材側嵌合部が設けられていることも特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る間接照明器具では、ライトの高さよりも下方でそのライトを介し建物の壁とは反対側から建物の壁に向かって突出した突出部を有し、その突出部は、ライトからの照射光を建物の壁面に向かって反射する照射光反射面と、ライトを斜め下方から見え難く隠すライト目隠し面とを有する。
そのため、本発明では、突出部の照射光反射面およびライト目隠し面が、ライトからの光を反射する反射板とライトからの光が直接下方へ漏れなくする遮光板(遮蔽板)等の機能も有するので、部品点数を削減して間接照明器具全体を小型化できると共に、取付け作業性も向上させることができ、さらには間接照明器具全体の小型化等によって意匠性も向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る実施形態の間接照明器具を建物の壁面に取り付けた状態を示す断面図である。
【
図2】本発明に係る実施形態の間接照明器具の斜視図である。
【
図3】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の間接照明器具を構成するベース部材の斜視図、正面図である。
【
図4】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の間接照明器具を構成するライト支持部材の斜視図、正面図である。
【
図5】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の間接照明器具を構成する突出板の斜視図、正面図である。
【
図6】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の間接照明器具の正面図、
図6(a)の場合におけるベース部材とライト支持部材の嵌合関係を拡大して示す要部正面図である。
【
図7】本発明に係る実施形態の間接照明器具を構成するベース部材同士の継目にベース部材用目違い防止プレートを挿入した状態を示す要部平面図である。
【
図8】本発明に係る実施形態の間接照明器具を構成するライト支持部材同士の継目にライト支持部材用目違い防止プレートを挿入した状態を示す要部平面図である。
【
図9】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の間接照明器具の取付手順を示す図であって実施形態の間接照明器具を取付けていない状態を示す図、ベース部材を固定する方法を示す図である。
【
図10】(a),(b)それぞれ、壁面に固定したベース部材にライト支持部材を取付けると共にLEDライト用クリップを固定する際の状態を示す図、ライト支持部材を低頭テクスビスで固定すると共にライト支持部材に固定したLEDライト用クリップにLEDライトを嵌合させて取付ける際の状態を示す図である。
【
図11】(a),(b)それぞれライト支持部材にLEDライトを取付けた後、ライト支持部材に突出板を掛止する際の手順を示す図、ライト支持部材に突出板を掛止した後、壁用石膏ボードおよび天井用石膏ボードを取付けた状態を示す図である。
【
図12】(a),(b)それぞれ軽量鉄骨板に予め壁用石膏ボードが施工されている建物の壁に本発明に係る実施形態の間接照明器具を取り付けた状態を示す正面図、
図12(a)の場合におけるベース部材とライト支持部材の嵌合関係を拡大して示す要部正面図である。
【
図13】(a),(b)それぞれ軽量鉄骨板に予め壁用石膏ボードが施工されていて、かつ、スペーサーを利用して本発明に係る実施形態の間接照明器具を取り付けた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態の間接照明器具1について図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態はあくまで本発明の一例であり、本発明が下記に説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で適宜変更可能である。
【0012】
<実施形態の間接照明器具1の構成>
本発明に係る実施形態の間接照明器具1は、
図1等に示すように、ベース部材11と、ライト支持部材12と、突出板13と、LEDライト14と、ベース部材用目違い防止プレート15と、ライト支持部材用目違い防止プレート16と、ライトクリップ17と、これらの部材を固定するビス(タッピングビス18a,18bや低頭テクスビス18c)等を備えて構成されており、建物の室内の壁2を構成する軽量鉄骨板(LGS;Light Gauge Steel)2aに固定するように構成されている。
【0013】
尚、
図1において、建物の壁2は、図示しないコンクリート壁に固定された軽量鉄骨板2aに壁用石膏ボード(Pb;Plaster board)2bを1枚または複数枚(ここでは、例えば、2枚とする。)重ねて構成される。
【0014】
また、
図1において、建物の天井3は、図示しないコンクリート天井に対し平行に延びる野縁受け3aに野縁クリップ3bを介して設けられた野縁3cに天井用石膏ボード(Pb)3dが1枚または複数枚(ここでは、例えば、2枚とする。)重ねて構成される。
【0015】
図1から明らかなように、本実施形態の間接照明器具1は、建物の壁2と建物の天井3との境界部分に形成されたスリット部分に壁2と平行に取付け、LEDライト14の光を主に突出板13の照射光反射面13cで反射し建物の壁2に向かって照射するように構成したものである。尚、
図1に示すように軽量鉄骨板2aに取付けた壁用石膏ボード(Pb)2b表面かライト支持部材12の後述する突出板取付板部12b内側面までの間隔であるスリットの幅W1は、例えば、55mm程度の従来のスリット幅よりも非常に狭い幅としている。
【0016】
また、
図2は、本実施形態の間接照明器具1を下方の壁側から見た斜視図を示しており、ライト支持部材12には適宜間隔で熱抜き孔兼配線孔12b4が設けられている。尚、
図2では、ベース部材用目違い防止プレート15やライト支持部材用目違い防止プレート16等は図示を省略している。
【0017】
(ベース部材11)
ベース部材11は、
図1に示すように建物の軽量鉄骨板2aにタッピングビス18a等で固定される部材であって、ベース部材11の断面形状の形材を作業や運搬等に便利な例えば1.5m~3m前後の長さで切断しておき、現場においてジョイント材であるベース部材用目違い防止プレート15によって継ぎ合せて使用する物である。
【0018】
ベース部材11は、
図3(a),(b)等に示すようにほぼL字形状に形成されており、鉛直方向に延びる壁固定板部11aと、壁固定板部11aの下端部から90度曲がって建物の壁から離れる方向に延びるライト支持部材取付板部11bとを有する。
【0019】
壁固定板部11aには、ベース部材11,11同士を段差なく継ぎ合せるためのジョイント材であるベース部材用目違い防止プレート15の壁2側の端部が嵌って、上から押える目違い防止プレート押え片11a1が設けられている。
【0020】
ライト支持部材取付板部11bの下面側には、
図3(a),(b)等に示すように壁固定板部11aから離間した端部から所定間隔を空けて直線状に垂れ下がった第1垂下片11b1~第3垂下片11b3と、L字形状のL型第1嵌合部11b4~L型第3嵌合部11b6が交互に設けられていると共に、第3嵌合部11b6の底面が壁固定板部11aの下端部まで延びて
図1に示すように壁用石膏ボード(Pb)2b上端部が当接ないしは近接する壁用石膏ボード当接面11b7が設けられている。
【0021】
尚、L型第1嵌合部11b4~L型第3嵌合部11b6の数は3個であるため、本実施形態では、その数を(n+1)で表した場合は、n=2となる。
【0022】
一方、ライト支持部材取付板部11bの上面側には、
図3(a),(b)等に示すように壁固定板部11aから離間した端部に設けた第1垂下片11b1と連続して上方に延びた後、壁固定板部11aに向かって90度曲がり、壁固定板部11aの目違い防止プレート押え片11a1とでベース部材11同士を段差なく継ぎ合せるためのベース部材用目違い防止プレート15の上面側の端部が嵌り上から押える目違い防止プレート押え片11b8が設けられている。
【0023】
また、ライト支持部材取付板部11bの上面側には、
図3(a),(b)等に示すようにベース部材11同士を継ぎ合せる際、ベース部材用目違い防止プレート15の下面側が当接するように突出した目違い防止プレート当接用凸部11b9が所定間隔を空けて2箇所設けられている。
【0024】
(ライト支持部材12)
ライト支持部材12は、
図1や
図2等に示すようにベース部材11に固定され、LEDライト14が取り付けられると共に、LEDライト14の位置よりも下方に建物の軽量鉄骨板2a方向に向かって突出するように設けられた突出板13が取り付けられるもので、ライト支持部材12の断面形状の形材を、作業や運搬等に便利な例えば1.5m~3m前後の長さで切断しておき、現場においてジョイント材であるライト支持部材用目違い防止プレート16によって継ぎ合せて使用する部材である。
【0025】
ライト支持部材12は、
図4(a),(b)に示すようにベース部材11のライト支持部材取付板部11bに対面して取り付けられると共にLEDライト14が取り付けられるLEDライト取付板部12aと、LEDライト取付板部12aにおける建物の壁2から離間した端部から90度曲がって下方に延びる突出板13が取り付けられる突出板取付板部12bとを有する。
【0026】
LEDライト取付板部12aの上面側には、上述したようにベース部材11のライト支持部材取付板部11bに対面して取り付けるため、ライト支持部材取付板部11bの下面側のL字形状のL型第1嵌合部11b4~L型第3嵌合部11b6の内、隣接する2つのL字嵌合部、つまりL型第1嵌合部11b4とL型第2嵌合部11b5、またはL型第2嵌合部11b5とL型第3嵌合部11b6にそれぞれ嵌合する逆L字形状の2つ(n個)の逆L型第1嵌合部12a1と逆L型第2嵌合部12a2とを有する。
【0027】
これにより、本実施形態の間接照明器具1では、ライト支持部材12側の2つ(n個)の逆L型第1嵌合部12a1と逆L型第2嵌合部12a2とがベース部材11側のL型第1嵌合部11b4とL型第2嵌合部11b5、またはL型第2嵌合部11b5とL型第3嵌合部11b6にそれぞれ嵌合することによって、後述する取付方法1,2に示すようにベース部材11に対するライト支持部材12の取付け位置を変更して、ライト支持部材12を壁2に遠ざけたり、近づけてベース部材11に取付けることが出来る。
【0028】
また、LEDライト取付板部12aの上面側には、ライト支持部材12同士を段差なく継ぎ合せるためのジョイント材であるライト支持部材用目違い防止プレート16を装着する目違い防止プレート装着用凹部12a3と、目違い防止プレート装着用凹部12a3の両側でライト支持部材用目違い防止プレート16の両端部を押える目違い防止プレート押え片12a4,12a5とを設けている。
【0029】
また、LEDライト取付板部12aのベース部材11側には、
図1に示すように軽量鉄骨板2aに取付けられた壁用石膏ボード(Pb)2bに向かって延び、壁用石膏ボード(Pb)2bの上端部やその撓み等を下方にいる人に極力見えないように隠す壁用石膏ボード上端部隠し片12a6を設けている。
【0030】
ここで、壁用石膏ボード上端部隠し片12a6は、ライト支持部材取付板部11bのL型第3嵌合部11b6や壁用石膏ボード当接面11b7よりも低くズレており、具体的には、後述する
図12(b)等から明らかなように、ベース部材11のL型第3嵌合部11b6および壁用石膏ボード当接面11b7の下面に壁用石膏ボード上端部隠し片12a6の上面が当接する高さであり、ライト支持部材12側の逆L型第1嵌合部12a1および逆L型第2嵌合部12a2とベース部材11側のL型第1嵌合部11b4~L型第3嵌合部11b6との選択嵌合によってベース部材11に対するライト支持部材12の取付け位置の変更機能を妨げないように設けられている。
【0031】
LEDライト取付板部12aの下面側には、LEDライト14が取り付けられるLEDライト取付面12a7と、目違い防止プレート装着用凹部12a3の形成によって壁用石膏ボード上端部隠し片12a6よりも低くなって壁用石膏ボード上端部隠し片12a6との間の上下方向の段差にLEDライト14からの光でスリット状の影部を形成し、壁用石膏ボード(Pb)2bの上端部やその撓み等を下方にいる人に気付き難くすると共に、LEDライト取付面12a7との間での上下方向の段差によってライトクリップ17装着時のガイド機能を有する影部生成兼ガイド用突出面12a8等を有する。尚、ライトクリップ17は、ベース部材11やライト支持部材12等と同様に長尺物でも良いし、ベース部材用目違い防止プレート15(
図7参照。)やライト支持部材用目違い防止プレート16(
図8参照。)等と同様にピース物でも良く、その形状は特に限定されるものではなく、LEDライト14の取付けに不要な場合は、省略しても良い。また、ライトクリップ17を省略した場合、影部生成兼ガイド用突出面12a8は、LEDライト14装着時のガイド機能を有することになる。
【0032】
一方、突出板取付板部12bには、
図4(a),(b)に示すようにLEDライト取付板部12a側の面に突出板13を取付けるため、上方に向かって開口したL字形状のL型掛止部12b1,12b2が上下方向に所定間隔を空けて設けられていると共に、突出板取付板部12b下端部からL型掛止部12b1,12b2とは反対側に向って90度曲がって、天井用石膏ボード(Pb)3d端部を支持すると共に天井用石膏ボード(Pb)3d端部を隠す天井用石膏ボード端部支持片12b3が設けられている。
【0033】
尚、突出板取付板部12bのL型掛止部12b1よりも上方には、
図2で示したように適宜間隔で熱抜き孔兼配線孔12b4が設けられている。
【0034】
(突出板13)
突出板13は、
図5(a),(b)に示すような断面形状の形材をベース部材11およびライト支持部材12と同様に作業や運搬等に便利な例えば1.5m~3m程度の任意の長さで切断して継ぎ合せて使用するもので、ライト支持部材12の突出板取付板部12bのL型掛止部12b1,12b2に掛止するため、突出板13の背面側、すなわち
図5(b)右側の上下には、L型掛止部12b1,12b2とは逆に下方に向かって開口した開口した逆L字形状の逆L型掛止部13a,13bを設けている。
【0035】
また、突出板13の前面側、すなわち
図5(b)左側の上下には、LEDライト14の光が直接照射され、その照射光を建物の軽量鉄骨板2aに向かって反射する傾斜面からなる照射光反射面13cと、照射光反射面13c下端部から所定角度(約100度。)の角度で折り曲げられて照射光反射面13cよりも下方に設けられ、LEDライト14を斜め下方から見え難く隠す傾斜面のライト目隠し面13dとを有する。
【0036】
ここで、本実施形態の間接照明器具1では、
図5(b)に示すように照射光反射面13cの上下方向の長さL1は、ライト目隠し面13dの上下方向の長さL2よりも長く、すなわちL1>L2にしている。
【0037】
これにより、照射光反射面13cの面積がライト目隠し面13dの面積よりも大きくなるので、LEDライト14の照射光の反射効率が向上し、反射効率が同じであればL1=L2等の突出板よりも突出板13の大きさや重量等が小さくなり、コストを低減することが出来ると共に、軽量化による作業効率も向上させている。
【0038】
また、L1>L2にすると、照射光反射面13cとライト目隠し面13dとの境界(稜線)13eの高さが低くなり、その境界(稜線)13eとLEDライト14との間の間隔やスペースを大きく確保することが出来るため、LEDライト14を交換する際に突出板13を取り外す際、作業スペースを十分に確保することが可能となり、LEDライト14交換時の作業性も向上させることが出来る。
【0039】
また、本実施形態の間接照明器具1では、
図1や
図6(a)等から明らかなように照射光反射面13cとライト目隠し面13dとの境界(稜線)13eは、突出板13をライト支持部材12に掛止して取り付けた際、LEDライト14のライト支持部材12側の端部から鉛直方向に下した延長線VL1よりも建物の軽量鉄骨板2a側に突出し、かつ、LEDライト14の中心から鉛直方向に下した延長線VL2よりは建物の軽量鉄骨板2a側に突出しないような高さに形成している。
【0040】
これは、本実施形態の間接照明器具1では、上述したように軽量鉄骨板2aに壁用石膏ボード(Pb)2bを2枚貼り付けた後のスリットの幅W1(
図1参照。)が55mm程度というように従来の間接明器具におけるスリットの幅よりもかなり細い幅を想定しており、人の頭の大きさや壁用石膏ボード(Pb)2b表面から55mmという近距離に通常の人は近付かないこと等の室内における人の位置や動線等を考慮すると、照射光反射面13cとライト目隠し面13dとの境界(稜線)13eがLEDライト14のライト支持部材12側の端部から鉛直方向に下した延長線VL1よりも建物の軽量鉄骨板2a側に突出していれば、LEDライト14の中心から鉛直方向に下した延長線VL2を超えなくても十分にその下に居る人がLEDライト14を直視できず、LEDライト14の目隠し効果を有するからである。
【0041】
また、照射光反射面13cとライト目隠し面13dとの境界(稜線)13eがLEDライト14のLEDライト14の中心から鉛直方向に下した延長線VL2を超えると、その分だけさらにLEDライト14の目隠し効果は向上するが、LEDライト14を交換等する際に、突出板13とLEDライト14が干渉して、突出板14およびLEDライト14が取外し難くなり、LEDライト14交換時の作業性を悪化させるおそれがあるため、境界(稜線)13eが延長線VL1を超えるものの延長線VL2を超えないようにしている。ただし、照射光反射面13cとライト目隠し面13dとの境界(稜線)13eが延長線VL2を超えていても勿論構わない。
【0042】
(ベース部材用目違い防止プレート15)
ベース部材用目違い防止プレート15は、上述したようにベース部材11,11同士を段差なく継ぎ合せるためのジョイント材であり、
図7に示すように継ぎ合せるべきベース部材11,11の端部を突き合わせ、これらベース部材11,11の継目に重なるようにベース部材用目違い防止プレート15をベース部材11,11それぞれの目違い防止プレート押え片11a1および目違い防止プレート押え片11b8と目違い防止プレート当接用凸部11b9との間に挿入される所定長さの長方形状のプレートである。
【0043】
(ライト支持部材用目違い防止プレート16)
ライト支持部材用目違い防止プレート16は、ライト支持部材12,12同士を段差なく継ぎ合せるためのジョイント材であり、
図8に示すように継ぎ合せるべきライト支持部材12,12の端部を突き合わせ、これライト支持部材12,12の継目に重なるようにライト支持部材用目違い防止プレート16をライト支持部材12,12それぞれの目違い防止プレート装着用凹部12a3に挿入して、その短手方向の両端部を目違い防止プレート押え片12a4,12a5で押さえられる所定長さの長方形状のプレートである。
【0044】
<実施形態の間接照明器具1の取付方法1,2>
次に、以上のように構成された実施形態の間接照明器具1の取付方法1,2について説明する。
【0045】
(取付方法1;軽量鉄骨板2aに予め壁用石膏ボード2bが取り付けられていない場合)
取付方法1の場合、実施形態の間接照明器具1の取付け前の状態は、
図9(a)に示すように建物の室内に、壁2を構成する軽量鉄骨板2aが設けられていると共に、天井3側は、野縁受け3aに野縁クリップ3bを介して野縁3cが設けられているものの、壁用石膏ボード(Pb)2bや天井用石膏ボード(Pb)3dは取り付けられてない。
【0046】
図9(a)に示すような状態の建物の室内に、実施形態の間接照明器具1を取付ける場合、まず、
図9(b)に示すように間接照明器具1を構成するベース部材11を上下方向2箇所で、かつ、ベース部材11の長手方向に数十cm間隔でタッピングビス18aによって軽量鉄骨板2aに固定していく。
【0047】
軽量鉄骨板2aへのベース部材11の固定が完了すると、続いて
図10(a)に示すようにベース部材11の下方かライト支持部材12を押し上げた後、軽量鉄骨板2a側にズラして、
図10(b)に示すようにベース部材11のライト支持部材取付板部11bの下面側のL字形状の3つのL型第1嵌合部11b4~L型第3嵌合部11b6の内、壁2側から遠い2つのL型第1嵌合部11b4およびL型第2嵌合部11b5にそれぞれライト支持部材12の逆L字形状の逆L型第1嵌合部12a1および逆L型第2嵌合部12a2に嵌合させて仮固定(仮留め)する。
【0048】
ベース部材11へのライト支持部材12の取付けに3つのL型第1嵌合部11b4~L型第3嵌合部11b6の内、壁2側から遠い2つのL型第1嵌合部11b4およびL型第2嵌合部11b5を使用する理由は、取付方法1の場合、後述するように実施形態の間接照明器具1の取付け後に軽量鉄骨板2aに壁用石膏ボード(Pb)2bを取付けるため、そのスペースを確保する必要があるからである。
【0049】
尚、
図10(b)に示すベース部材11側のL型第1嵌合部11b4およびL型第2嵌合部11b5と、ライト支持部材12側の逆L型第1嵌合部12a1および逆L型第2嵌合部12a2との嵌合関係を拡大して示すと、
図6(b)に示すようになる。
【0050】
ここで、
図6(b)から明らかなように、この取付方法1の嵌合関係の場合、ベース部材11側のL型第1嵌合部11b4下端部だけでなく第2垂下片11b2下端部がライト支持部材12側のLEDライト取付板部12a上面に当接するため、ベース部材11にライト支持部材12を安定した状態でかつ正確に取り付けることができる。
【0051】
次に、
図10(a)に示すようにライトクリップ17をタッピングビス18b等でライト支持部材12のLEDライト取付板部12aに固定し、その後、
図10(b)に示すようにライト支持部材12の長手方向に所定間隔で低頭テクスビス18c等によってライト支持部材12をベース部材11に固定し、その後、ライト支持部材12に固定したライトクリップ17にLEDライト14を取付ける。
【0052】
尚、LEDライト取付板部12aの下面側には、LEDライト取付面12a7よりも低く形成された影部生成兼ガイド用突出面12a8が設けられているため、ライトクリップ17をLEDライト取付板部12aに固定する際、影部生成兼ガイド用突出面12a8のガイド機能によって狭い場所でも容易に取り付けることが出来る。
【0053】
ベース部材11へのライト支持部材12およびLEDライト14の取付が完了すると、
図11(a)の矢印に示すように突出板13をライト支持部材12の突出板取付板部12bに押し当てた後、引下げて、突出板13の逆L型掛止部13a,13bをそれぞれライト支持部材12のL型掛止部12b1,12b2に掛止して突出板13をライト支持部材12に取付ける。
【0054】
その後は、
図11(b)に示すように、軽量鉄骨板(LGS)2aに2枚目の壁用石膏ボード(Pb)2b表面がLEDライト取付板部12a先端の壁用石膏ボード上端部隠し片12a6(
図4(a),(b)や
図6(b)参照。)当接又は隣接するように2枚取付けると共に、野縁3cに天井用石膏ボード(Pb)3dを2枚取付ける。
【0055】
ここで、LEDライト取付板部12a先端の壁用石膏ボード上端部隠し片12a6は、
図4(a),(b)や
図6(b)等に示すように、影部生成兼ガイド用突出面12a8よりも高い位置(ベース部材11側)に形成され、壁用石膏ボード上端部隠し片12a6と影部生成兼ガイド用突出面12a8との間の上下方向の段差があることで、LEDライト14からの光によって、あるいは下から人が見上げたときに、スリット状の影部が形成されるため、壁用石膏ボード(Pb)2bの上端部やその撓み等を下方にいる人に気付き難くすることができ、意匠性を向上させることが出来る。
【0056】
そして、別のベース部材11を壁2と平行に継ぎ合わせていく場合には、ベース部材用目違い防止プレート15をベース部材11,11同士の継ぎ目に重なるように壁固定板部11aの目違い防止プレート押え片11a1と、目違い防止プレート押え片11b8との間に横方向からスライドして挿入する一方、別のライト支持部材12を壁2と平行に継ぎ合わせていく場合には、ライト支持部材用目違い防止プレート16をライト支持部材12,12同士の継ぎ目に重なるように目違い防止プレート装着用凹部12a3にスライドして挿入し、目違い防止プレート押え片12a4,12a5との間で目違い防止プレート装着用凹部12a3を押える。尚、この場合のベース部材用目違い防止プレート15およびライト支持部材用目違い防止プレート16の挿入状態は、
図6(b)に拡大して示している。
【0057】
(取付方法2;軽量鉄骨板2aに予め壁用石膏ボード2bが取り付けられている場合)
上記取付方法1の説明では、軽量鉄骨板2aに実施形態の間接照明器具1の取付け後に、壁用石膏ボード(Pb)2bを取付けるため、
図9~
図11に示すように、ベース部材11へのライト支持部材12の取付けの際に、3つのL型第1嵌合部11b4~L型第3嵌合部11b6の内、壁2側から遠い2つのL型第1嵌合部11b4およびL型第2嵌合部11b5を選択してライト支持部材12の逆L字形状の逆L型第1嵌合部12a1および逆L型第2嵌合部12a2に嵌合させて仮固定(仮留め)して説明したが、軽量鉄骨板2aに予め壁用石膏ボード(Pb)2bが取り付けられていて、壁用石膏ボード(Pb)2bを介して軽量鉄骨板2aに実施形態の間接照明器具1の取付ける取付方法2の場合には、スリットの幅W1を狭くするため、
図12(a),(b)に示すように3つのL型第1嵌合部11b4~L型第3嵌合部11b6の内、壁2側に近い2つのL型第2嵌合部11b5およびL型第3嵌合部11b6それぞれにライト支持部材12の逆L字形状の逆L型第1嵌合部12a1および逆L型第2嵌合部12a2を嵌合させて仮固定(仮留め)し、その後、低頭テクスビス18c等によってライト支持部材12をベース部材11に固定する。
【0058】
ここで、この取付方法2の嵌合関係の場合、
図12(b)等に示すように少なくともベース部材11のL型第2嵌合部11b5下端部および第3垂下片11b3下端部がライト支持部材12のLEDライト取付板部12a上面に当接するため、
図6(b)等に示す取付方法1の嵌合関係の場合と同様に、ベース部材11にライト支持部材12を安定した状態でかつ正確に取り付けることができる。尚、この取付け方法2の場合、
図12(b)等に示すように、さらにベース部材11の壁用石膏ボード当接面11b7下面が壁用石膏ボード上端部隠し片12a6上面にも当接しているので、この点でもベース部材11にライト支持部材12を安定した状態でかつ正確に取り付けることができる。
【0059】
また、軽量鉄骨板2aに予め壁用石膏ボード(Pb)2bが取り付けられていても、壁用石膏ボード(Pb)2bの高さが足りず、壁用石膏ボード(Pb)2bを介して軽量鉄骨板2aに実施形態の間接照明器具1の取付けることができない場合には、
図13(a),(b)に示すように壁用石膏ボード(Pb)2bと同厚のスペーサー19,19’を介して軽量鉄骨板2aに実施形態の間接照明器具1を取付け、スリットの幅W1を狭くするため、
図13に示すように3つのL型第1嵌合部11b4~L型第3嵌合部11b6の内、壁2側に近い2つのL型第2嵌合部11b5およびL型第3嵌合部11b6にそれぞれライト支持部材12の逆L字形状の逆L型第1嵌合部12a1および逆L型第2嵌合部12a2に嵌合させて仮固定(仮留め)し、その後、低頭テクスビス18c等によって固定する。
【0060】
これにより、実施形態の間接照明器具1を取付ける際、現場によっては軽量鉄骨板2aに壁用石膏ボード(Pb)2bが固定されていなかったり、予め固定されている場合、さらには予め固定されていても壁用石膏ボード(Pb)2bの厚さが異なる場合等、種々のケースがあるが、そのような種々の現場の場合にも、3つのL型第1嵌合部11b4~L型第3嵌合部11b6の内、壁2側に遠いあるいは壁2側に近い2つのL字嵌合部を選択して、ライト支持部材12の逆L字形状の逆L型第1嵌合部12a1および逆L型第2嵌合部12a2に嵌合させて仮固定(仮留め)して、スリットの幅W1(
図1や
図6(a)等参照。)を容易に狭くすることが出来るので、この点でも作業性を向上させることが出来ると共に、意匠性を向上させることが出来る。
【0061】
<本発明に係る実施形態の間接照明器具1のまとめ>
以上説明したように、本発明に係る実施形態の間接照明器具1は、ライト支持部材12に設けた突出板13は、LEDライト14の光が直接照射され、その照射光を建物の軽量鉄骨板2aに向かって反射する照射光反射面13cと、照射光反射面13cよりも下方に設けられLEDライト14を下方から見え難く隠すライト目隠し面13dとを有する。
【0062】
そのため、蛍光ランプに代ってLEDライト14を使用すると共に、照射光反射面13cとライト目隠し面13dを有する突出板13が反射板と遮光板(遮蔽板)の機能も有するので、部品点数を削減して、間接照明器具1全体を小型化することが出来ると共に、意匠性も向上させることが出来る。
【0063】
また、本発明に係る実施形態の間接照明器具1では、
図5(b)に示すように突出板13における照射光反射面13cの上下方向の長さL1がライト目隠し面13dの上下方向の長さL2よりも大きく構成している。
【0064】
そのため、照射光反射面13cの面積がライト目隠し面13dの面積よりも大きくなるので、LEDライト14の照射光の反射効率が向上し、L1=L2等の突出板よりも突出板13の大きさや重量等が小さくなり、コストを低減することが出来ると共に、軽量化による作業効率を向上させることが出来る。
【0065】
また、L1>L2であるため、照射光反射面13cとライト目隠し面13dとの境界(稜線)13eの高さが低くなり、その境界(稜線)13eとLEDライト14との間の間隔やスペースを大きく確保することが出来るため、
図11(a),(b)等に示すようにLEDライト14の取付け後に、突出板13を取付ける際に、作業スペースを十分に確保することができ、突出板13の取付け作業性を向上させることが出来る。
【0066】
また、LEDライト14を交換する際は、スリット幅W1(
図1や
図6等参照。)が55mm前後と非常に狭いため、突出板13を取外して行う場合が多いと考えられるが、L1>L2であるため、突出板13を取外す際に突出板13がLEDライト14に干渉し難くなり、LEDライト14の交換時の作業性を向上させることが出来る。尚、突出板13を取外さずにLEDライト14を交換する場合でも、L1=L2等の突出板の場合よりも、L1>L2の突出板13の方がLEDライト14下方の空間が大きくなるので、LEDライト14の交換時の作業性を向上させることが出来る。
【0067】
また、本発明に係る実施形態の間接照明器具1では、
図6(a)に示すように突出板13における照射光反射面13cとライト目隠し面13dとの境界13eがLEDライト14のライト支持部材12側の端部から鉛直方向に下した延長線VL1よりも建物の軽量鉄骨板2a側に突出し、かつ、LEDライト14の中心から鉛直方向に下した延長線VL2よりは建物の軽量鉄骨板2a側に突出しないような高さに形成している。
【0068】
そのため、本実施形態におけるスリット幅W1(
図1や
図6等参照。)の55mm前後という従来の間接明器具におけるスリットの幅よりもかなり細い幅という点と、人の頭の大きさや壁用石膏ボード(Pb)2b表面から55mm前後という近距離に人が近付かない点等を考慮すると、照射光反射面13cとライト目隠し面13dとの境界(稜線)13eがLEDライト14のライト支持部材12側の端部から鉛直方向に下した延長線VL1よりも建物の軽量鉄骨板2a側に突出していれば、LEDライト14の中心から鉛直方向に下した延長線VL2を超えなくても十分にLEDライト14の目隠し効果を十分に発揮することが出来る。
【0069】
また、本発明に係る実施形態の間接照明器具1では、ベース部材11のライト支持部材取付板部11b下面側には、n=2として(n+1)個である3つのL型第1嵌合部11b4~L型第3嵌合部11b6を所定間隔で設ける一方、ライト支持部材取付板部11b下面に対面(対向)するライト支持部材12のLEDライト取付板部12aの上面側には、3つのL型第1嵌合部11b4~L型第3嵌合部11b6の内、隣接する2つのL字嵌合部、つまりL型第1嵌合部11b4とL型第2嵌合部11b5、またはL型第2嵌合部11b5とL型第3嵌合部11b6にそれぞれ嵌合する逆L字形状の2つ(n個)の逆L型第1嵌合部12a1と逆L型第2嵌合部12a2とを設けている。
【0070】
そのため、本発明に係る実施形態の間接照明器具1では、ライト支持部材12側の逆L型第1嵌合部12a1と逆L型第2嵌合部12a2とがベース部材11側のL型第1嵌合部11b4とL型第2嵌合部11b5、またはL型第2嵌合部11b5とL型第3嵌合部11b6にそれぞれ嵌合することによってベース部材11に対するライト支持部材12の取付け位置を変更することが出来る。
【0071】
その結果、
図9~
図11に示すように軽量鉄骨板2aに実施形態の間接照明器具1の取付け後に、壁用石膏ボード(Pb)2bを取付ける場合には、
図6(a),(b)等に示すように軽量鉄骨板2aから遠い2つのL型第1嵌合部11b4およびL型第2嵌合部11b5にそれぞれライト支持部材12の逆L字形状の逆L型第1嵌合部12a1および逆L型第2嵌合部12a2に嵌合させて約55mmのスリット幅W1(
図1や
図6等参照。)を確保する一方、軽量鉄骨板2aに予め壁用石膏ボード(Pb)2bが取り付けられていて、壁用石膏ボード(Pb)2bを介して軽量鉄骨板2aに実施形態の間接照明器具1の取付ける場合には、
図12(a)、(b)に示すように壁2側に近い2つのL型第2嵌合部11b5およびL型第3嵌合部11b6にそれぞれライト支持部材12の逆L字形状の逆L型第1嵌合部12a1および逆L型第2嵌合部12a2に嵌合させて約55mmのスリット幅W1(
図1や
図6等参照。)を確保することが可能となり、間接照明器具1取付け時の壁用石膏ボード(Pb)2bの施行の有無にも容易に対応することができ、作業性を向上させることが出来る。
【0072】
また、本発明に係る実施形態の間接照明器具1では、建物の壁2に固定されるベース部材11と、LEDライト14が取り付けられるライト支持部材12とを別部材で構成するだけでなく、反射板と遮光板(遮蔽板)の機能を有する突出板13もライト支持部材12とは別部材で構成したため、間接照明器具1を取付ける建物の階高や建物の用途(ホテル、博物館、図書館、一般住宅等)の違いによってLEDライト14からの照射光の反射角度や反射量等を変更する場合やLEDライト14を斜め下方から見え難く調整する際に、間接照明器具1全体を変更せずに照射光反射面13cやライト目隠し面13dの大きさや角度、高さ(突出量)等を変更した突出板13に交換すれば、突出板13の変更のみで対応することが出来るので、この点でもコストを低減することが出来る。
【0073】
尚、上記実施形態の説明では、間接照明器具1を構成するベース部材11やライト支持部材12、突出板13を別部材で構成して組み付けるように説明したが、本発明では、これに限らず、ベース部材11やライト支持部材12、突出板13が一体で形成されていても良い、ベース部材11とライト支持部材12が一体で突出板13のみ別部材で構成したり、さらにはライト支持部材12が突出板13を一体で構成し、ベース部材11のみ別部材で構成しても勿論良い。
【0074】
また、上記実施形態の説明では、建物の壁2にベース部材11を固定し、そのベース部材11にLEDライト14を取付けるライト支持部材12を固定するように説明したが、本発明ではこれに限らず、建物の壁2でなく天井3に間接照明器具1を取付ける場合には、ベース部材11を省略しても良いし、ライト支持部材12ではなく壁2側のベース部材11等にLEDライト14を取付けるように構成しても勿論良い。
【0075】
また、上記実施形態の説明では、n=2として、ベース部材11のライト支持部材取付板部11b下面側には、3(n+1)個のL型第1嵌合部11b4~L型第3嵌合部11b6を所定間隔で設ける一方、ライト支持部材12のLEDライト取付板部12aの上面側には、2(n)個の逆L型第1嵌合部12a1および逆L型第2嵌合部12a2を設けて説明したが、本発明ではこれに限らず、n=1でも、あるいはnが3以上の場合でも勿論良い。
【0076】
また、上記実施形態の説明では、突出部としての突出板13は、照射光反射面13c下端部から所定角度(約100度。)の角度で折り曲げてライト目隠し面13dを設けて説明したが、本発明では、これに限らず、照射光反射面13cの裏側をライト目隠し面13dとしても良いし、照射光反射面13cおよびライト目隠し面13dは平面ではなく湾曲面で構成しても勿論良い。
【符号の説明】
【0077】
1 間接照明器具
11 ベース部材
11a 壁固定板部
11a1 目違い防止プレート押え片
11b ライト支持部材取付板部
11b1 第1垂下片
11b2 第2垂下片
11b3 第3垂下片
11b4 L型第1嵌合部
11b5 L型第2嵌合部
11b6 L型第3嵌合部
11b7 壁用石膏ボード当接面
11b8 目違い防止プレート押え片
12 ライト支持部材
12a LEDライト取付板部
12a1 逆L型第1嵌合部
12a2 逆L型第2嵌合部
12a3 目違い防止プレート装着用凹部
12a4,12a5 目違い防止プレート押え片
12a6 壁用石膏ボード上端部隠し片
12a7 LEDライト取付面
12a8 影部生成兼ガイド用突出面
12b 突出板取付板部
12b1,12b2 L型掛止部
12b3 天井用石膏ボード端部支持片
12b4 熱抜き孔兼配線孔
13 突出板(突出部)
13a,13b 逆L型掛止部
13c 照射光反射面
13d ライト目隠し面
13e 境界
14 LEDライト
15 ベース部材用目違い防止プレート
16 ライト支持部材用目違い防止プレート
17 ライトクリップ
18a~18c ビス
19,19’ スペーサー
2 壁
2a 軽量鉄骨板(LGS)
2b 壁用石膏ボード(Pb)
3 天井
3a 野縁受け
3b 野縁クリップ
3c 野縁
3d 天井用石膏ボード(Pb)