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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022918
(43)【公開日】2022-02-07
(54)【発明の名称】ウレア樹脂組成物とポリウレア発泡体
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/32 20060101AFI20220131BHJP
   C08G 18/09 20060101ALI20220131BHJP
   C08G 18/76 20060101ALI20220131BHJP
   C08G 18/00 20060101ALI20220131BHJP
   C08L 75/02 20060101ALI20220131BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20220131BHJP
【FI】
C08G18/32 025
C08G18/09 020
C08G18/76
C08G18/00 J
C08L75/02
C08G101:00
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020123239
(22)【出願日】2020-07-17
(62)【分割の表示】P 2020113559の分割
【原出願日】2020-06-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000127307
【氏名又は名称】株式会社イノアック技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(72)【発明者】
【氏名】宮田 敦史
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 嘉隆
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 秀隆
(72)【発明者】
【氏名】大田 英生
【テーマコード(参考)】
4J002
4J034
【Fターム(参考)】
4J002AB012
4J002BC112
4J002CD122
4J002CK011
4J002CK021
4J002DA056
4J002DE076
4J002DE126
4J002DE146
4J002DE186
4J002DH036
4J002DH046
4J002DH056
4J002DK006
4J002ED076
4J002EJ056
4J002EN136
4J002EU186
4J002EW046
4J002EW056
4J002FD132
4J002FD136
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4J034CB05
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4J034CC45
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4J034DF12
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4J034QC01
4J034RA10
4J034RA14
4J034RA15
(57)【要約】
【課題】 優れた難燃性と燃焼時の保形性を有し、湿熱環境下における経時劣化を抑制でき、塗工時の被着体への接着性に優れ、接炎してもクラックが入りにくく、かつ、炭化しにくいポリウレア発泡体が提供可能なウレア樹脂組成物を提供。
【解決手段】 ポリイソシアネート化合物(A)、ポリアミン化合物(B)、三量化触媒、発泡剤、整泡剤及び難燃剤を含むウレア樹脂組成物であって、前記ポリアミン化合物(B)の含有量は、前記ウレア樹脂組成物の全量を100質量%とした場合に、2.0質量%であることを特徴とする、ウレア樹脂組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイソシアネート化合物(A)、ポリアミン化合物(B)、三量化触媒、発泡剤、整泡剤及び難燃剤を含むウレア樹脂組成物であって、
前記ポリアミン化合物(B)の含有量は、前記ウレア樹脂組成物の全量を100質量%とした場合に、2.0質量%以上であることを特徴とする、ウレア樹脂組成物。
【請求項2】
前記ポリアミン化合物(B)のアミン価は、50~1000mg KOH/gであることを特徴とする、請求項1に記載のウレア樹脂組成物。
【請求項3】
前記ポリイソシアネート化合物(A)は、NCO%が10~35%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のウレア樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリイソシアネート化合物(A)が芳香族イソシアネートであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のウレア樹脂組成物。
【請求項5】
前記難燃剤は、赤燐を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のウレア樹脂組成物。
【請求項6】
前記難燃剤は、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤及び金属水酸化物から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のウレア樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のウレア樹脂組成物を発泡、硬化させてなるポリウレア発泡体。
【請求項8】
前記ポリウレア発泡体は、ISO-5660の試験方法に準拠し、放射熱強度を50kW/mとして加熱した条件で測定した、20分経過時の総発熱量が8.5MJ/m以下であることを特徴とする、請求項7に記載のポリウレア発泡体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウレア樹脂組成物とポリウレア発泡体に関する。
【背景技術】
【0002】
ウレタン発泡体は、建築用途や石油及びガス運搬用船舶、冷蔵庫などの電化製品の保温材、断熱材として使用されている。特に、鉄筋コンクリート造の建築などでは、断熱施工が容易であるためウレタン発泡体を吹付工法により施工する方法が用いられている。吹付工法は、ウレタン発泡体の原液を、吹付装置を用いて、建築物の躯体に吹付けると同時に発泡させウレタン発泡体断熱構造を形成する工法である。
【0003】
一般にポリウレタン樹脂は、弾性や柔軟性、引張り強度に優れており、耐磨耗性や衝撃強度にも優れた性能を示すという特徴を有している。しかしながら、ウレタン発泡体単独では燃焼性が高いため、ウレタン発泡体の難燃性を改善する検討がなされてきた。
【0004】
そのようなウレタン発泡体として、特許文献1には、有機ポリフェニルメタンポリイソシアネート、ポリオール、三量化触媒、発泡剤としての水、整泡剤、難燃剤からなる水発泡硬質ポリイソシアヌレートフォーム形成用組成物が開示されている。特許文献1の発明は、ポリオールが、活性水素含有化合物を重合開始剤として用い、酸触媒の存在化、塩素化エポキシ化合物の開環重合を行うことにより得られる、1級及び/又は2級の水酸基を有する塩素化ポリエーテルポリオールを含有することを特徴とし、かつ、有機ポリフェニルメタンポリイソシアネートとポリオールをイソシアネートインデックスが120~400となるように配合したことを特徴としている。特許文献1の水発泡硬質ポリイソシアヌレートフォーム形成用組成物を用いたウレタン発泡体は、作業環境等に優れ、かつ、難燃性に優れることが示されている。
【0005】
特許文献2には、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、三量化触媒、発泡剤、整泡剤及び添加剤を含み、三量化触媒が、窒素含有芳香族化合物、カルボン酸アルカリ金属塩、3級アンモニウム塩及び4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一つであり、添加剤が、赤リンを必須成分とし、赤リン以外にリン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤及び金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを組み合わせてなる難燃性ウレタン樹脂組成物が開示されている。この特許文献2の難燃性ウレタン樹脂組成物を用いたウレタン発泡体が、取り扱いが容易であり、難燃性に優れ、加熱されたときに一定の形状を保つ発泡体を形成することができることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-023510号公報
【特許文献2】特開2017―075326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の発明は、ヌレート結合により難燃性の向上が見られるが、ウレタン結合が多く形成されており、難燃性が十分とは言えないおそれがあった。また、特許文献2の発明は、難燃剤として赤りん(粉体)を添加すること、イソシアヌレート環を組み込むことで高い難燃性が付与されることが記載されているが、粉体難燃剤を用いることで、例えばスプレー塗布した場合に被着体と接着不良(ウキ)が発生することが考えられ、経時変化により、フォーム材の脱落や断熱性能の低下が発生するおそれがあった。特許文献2では、この点に関しては、特に言及されていない。さらに、特許文献1及び2の発明は、建築用途や石油及びガス運搬用船舶、冷蔵庫などの電化製品の保温材、断熱材として使用される場合に重要となる、温度及び湿度による経時劣化については何ら検証されておらず、湿熱環境下における経時劣化のおそれがあった。これらに加え、特許文献1及び2の発明は、例えば建築用途で用いられる場合に、火災などにより、接炎した際、クラックが入ったり、炭化したりする場合があり、強度が著しく低下し、建築物の倒壊などの原因になるおそれがあった。
【0008】
そこで本発明の目的は、ウレタン発泡体では解決できない、優れた難燃性と燃焼時の保形性を有し、湿熱環境下における経時劣化を抑制でき、塗工時の被着体への接着性に優れ、接炎してもクラックが入りにくく、かつ、炭化しにくいポリウレア発泡体が提供可能なウレア樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意検討し、ポリイソシアネート化合物、ポリアミン化合物、三量化触媒、発泡剤、整泡剤及び難燃剤を含むウレア樹脂組成物が、上記課題を解決可能なことを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下の通りである。
【0010】
本発明(1)は、
ポリイソシアネート化合物(A)、ポリアミン化合物(B)、三量化触媒、発泡剤、整泡剤及び難燃剤を含むウレア樹脂組成物であって、
前記ポリアミン化合物(B)の含有量は、前記ウレア樹脂組成物の全量を100質量%とした場合に、2.0質量%以上であることを特徴とする、ウレア樹脂組成物である。
本発明(2)は、
前記ポリアミン化合物(B)のアミン価は、50~1000mg KOH/gであることを特徴とする、前記発明(1)のウレア樹脂組成物である。
本発明(3)は、
前記ポリイソシアネート化合物(A)は、NCO%が10~35%であることを特徴とする、前記発明(1)又は(2)のウレア樹脂組成物である。
本発明(4)は、
前記ポリイソシアネート化合物(A)が芳香族イソシアネートであることを特徴とする、前記発明(1)~(3)いずれかのウレア樹脂組成物である。
本発明(5)は、
前記難燃剤は、赤燐を含むことを特徴とする、前記発明(1)~(4)のいずれかのウレア樹脂組成物である。
本発明(6)は、
前記難燃剤は、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤及び金属水酸化物から選ばれる少なくとも一つを含むことを
特徴とする、前記発明(1)~(5)のいずれかのウレア樹脂組成物である。
本発明(7)は、
前記発明(1)~(6)のいずれかのウレア樹脂組成物を発泡、硬化させてなるポリウレア発泡体である。
本発明(8)は、
前記ポリウレア発泡体は、ISO-5660の試験方法に準拠し、放射熱強度を50kW/mとして加熱した条件で測定した、20分経過時の総発熱量が8.5MJ/m以下であることを特徴とする、前記発明(7)に記載のポリウレア発泡体である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、優れた難燃性と燃焼時の保形性を有し、湿熱環境下における経時劣化を抑制でき、塗工時の被着体への接着性に優れ、接炎してもクラックが入りにくく、かつ、炭化しにくいポリウレア発泡体が提供可能なウレア樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.ウレア樹脂組成物
本発明のウレア樹脂組成物は、ポリイソシアネート化合物(A)、ポリアミン化合物(B)、三量化触媒、発泡剤及び難燃剤を含み、好ましくは整泡剤を含むウレア樹脂組成物である。
【0013】
本発明のウレア樹脂組成物は、ポリアミン化合物(B)の含有量が、前記ウレア樹脂組成物の全量を100質量%とした場合に、2.0質量%以上であることを特徴とする。
【0014】
本発明のウレア樹脂組成物は、発泡、硬化させることにより、ポリウレア発泡体を形成することができる。
【0015】
2.ウレア樹脂組成物の原料
2-1.ポリイソシアネート化合物(A)
本発明にかかるポリイソシアネート化合物(A)は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されない。ポリイソシアネート化合物(A)としては、モノマー型ポリイソシアネートとポリマー型ポリイソシアネートとを挙げることができる。モノマー型ポリイソシアネートとは、モノマー構造の末端に複数のイソシアネート基が存在する化合物である。ポリマー型ポリイソシアネートとは、ポリマー構造の末端に複数のイソシアネート基が存在する化合物である。これらのポリイソシアネート化合物(A)は、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
【0016】
モノマー型ポリイソシアネートは、例えば、2官能のポリイソシアネート化合物として、2,4-トルエンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,6-トルエンジイソシアネート(2,6-TDI)、m-フェニレンジイソシネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-MDI)、2,4’-ジフェニルメタンジアネート(2,4’-MDI)、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’-MDI)、水素添加MDI、キシリレンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素添加XDI、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、などの芳香族系のもの、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式のもの、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどのアルキレン系のもの;
3官能以上のポリイソシアネートとして、1-メチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、1,3,5-トリメチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、ビフェニル-2,4,4’-トリイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4,4’-トリイソシアネート、メチルジフェニルメタン-4,6,4’-トリイソシアネート、4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’テトライソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4”-トリイソシアネート、ポリメリックMDI、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、1,8-ジイソシアナトメチルオクタン等;を挙げることができ、
また、これらの変性体、誘導体等;を含むことができる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。モノマー型ポリイソシアネート化合物はポリウレア発泡体のウレア骨格を形成するため、所望するポリウレア発泡体の特性を考慮して自由に選択することができる。これらのモノマー型ポリイソシアネートのうち、反応性に優れる点で、芳香族イソシアネートが好ましく、MDI、又は、MDIの変性体若しくは誘導体がより好ましく、モノメリックMDI及びクルードMDIがさらに好ましい。これら好適な芳香族イソシアネートは、吹付工法用ポリウレア発泡体として用いた場合には、反応性に優れることから、作業環境の安全性の点で好ましい。また、同等のNCO%を有するモノメリックMDI及びクルードMDIでは、多核体を含むクルードMDIが、イソシアヌレート化率に優れるため、難燃性に優れる。
【0017】
ポリマー型ポリイソシアネート化合物としては、ポリオール化合物、ポリアミン化合物(D)に過剰量のポリイソシアネート化合物(C)を反応させることにより、プレポリマー化したものが含まれる。なお、このポリアミン化合物(D)及びポリイソシアネート化合物(C)は、ポリマー型ポリイソシアネートを作製するための原料であり、本発明にかかるウレア樹脂組成物の原料であるポリアミン化合物(B)及びポリイソシアネート化合物(A)にはそれぞれ含まれない。ここで、ポリイソシアネート化合物(C)は、ポリイソシアネート化合物(A)と同一でも、異なっていてもよい。
【0018】
このような、ポリオール化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等を挙げることができる。ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合反応により得られるものがある。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げることができる。多価カルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。さらに、カプロラクトン、メチルバレロラクトン等を開環縮合して得られるポリエステルポリオールを挙げることができる。
【0019】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール等の多価アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のオキサイドを付加重合させたものを挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
【0020】
これらポリオール化合物と反応させるポリイソシアネート化合物(B)としては、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されず、脂肪族系又は芳香族系ポリイソシアネート、それらの混合物、及びそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートを挙げることができる。
【0021】
ポリアミン化合物(D)としては、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されない。ポリアミン化合物(D)としては、例えば、トリエチレンテトラミンのような脂肪族ポリアミン、メタフェニレンジアミンのような芳香族ポリアミン、イソホロンジアミンのような脂環式ポリアミン等を挙げることができる。具体的には、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジクロロジフェニルメタン、トリメチレン-ビス(4-アミノベンゾエート)、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチルー5,5’-ジメチルジフェニルメタン、ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート、2,2’,6,6’-テトラエチル-4,4’-メチレンジアニリン、4,4’-メチレンビス(2-イソプロピル-6-メチルアニリン)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジイソプロピルアニリン)、4,4’-メチレンビス(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン)、3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミン、ジメチルチオトルエンジアミンを挙げることができる。これは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。また、ポリアミン化合物(D)は、後述するポリアミン化合物(B)と同一でも、異なっていてもよい。
【0022】
ポリイソシアネート化合物(A)のNCO%は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて限定されず、例えば、5~40%とすることができ、10~35%が好ましい。ポリイソシアネート化合物(A)のNCO%が大きくなると、燃焼時の保形性が高く、熱伝導性が低く、湿熱環境下における経時劣化を抑制できるポリウレア発泡体を得ることができる。即ち、優れた難燃性と燃焼時の保形性を有し、湿熱環境下における経時劣化を抑制できる塗工時の被着体への接着性に優れたポリウレア発泡体を得ることができる。
【0023】
ポリイソシアネート化合物(A)のNCO%(イソシアネート含有率)は、JIS K1603-1:2007「プラスチック-ポリウレタン原料芳香族イソシアネート試験方法 第1部:イソシアネート基含有率の求め方」のA法(トルエン/ジブチルアミン、塩酸法)に準拠して測定する。
【0024】
2-2.ポリアミン化合物(B)
ポリアミン化合物は、イソシアネートと反応することでウレア結合を形成する。ウレア結合は耐水、耐食、酸やアルカリといった耐薬品性に優れるといった特徴を有する。
【0025】
ポリアミン化合物(B)は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されない。ポリアミン化合物(B)としては、例えば、トリエチレンテトラミンのような脂肪族ポリアミン、メタフェニレンジアミンのような芳香族ポリアミン、イソホロンジアミンのような脂環式ポリアミン等を挙げることができる。具体的には、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジクロロジフェニルメタン、トリメチレン-ビス(4-アミノベンゾエート)、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチルー5,5’-ジメチルジフェニルメタン、ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート、2,2’,6,6’-テトラエチル-4,4’-メチレンジアニリン、4,4’-メチレンビス(2-イソプロピル-6-メチルアニリン)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジイソプロピルアニリン)、4,4’-メチレンビス(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン)、3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミン、ジメチルチオトルエンジアミンを挙げることができ、市販品の例としてクミアイ化学工業社製のイハラキュアミンMT、イハラキュアミンM液状品、CUA-4、キュアハードMED、エラスマー250P、エラスマー1000P;ロンザジャパン社製のLonzacure M-DEA、Lonzacure M-MIPA、Lonzacure M-DIPA、Lonzacure M-CDEA;アルベマール社製のエタキュア100、エタキュア300、エタキュア410、エタキュア420;Evonik Nutrition & Care社製のVERSALINK740;Evonik社製のANCAMINE2049を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
【0026】
ポリアミン化合物(B)のアミン価は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、例えば、50~1000mg KOH/gとすることができ、200~1000mg KOH/gが好ましく、450~1000mg KOH/gがより好ましく、500~1000mg KOH/gがさらに好ましい。ポリアミン化合物のアミン価がかかる範囲にある場合には、優れた難燃性と燃焼時の保形性を有し、湿熱環境下における経時劣化を抑制でき、塗工時の被着体への接着性に優れ、接炎してもクラックが入りにくく、かつ、炭化しにくいポリウレア発泡体が提供可能なウレア樹脂組成物を得ることができる。特に後述する、ISO-5660の規格に従ったコーンカロリーメーターによる総発熱量試験(難燃性を示す試験であり、以降コンカロ総発熱量試験と略す場合がある)、600℃における体積変化率(保形性示す試験)、及び、接炎評価における炭化層の形成を防止できる点で優れた効果を示す。
【0027】
ポリアミン化合物のアミン価は、JIS K1557-7:2011「プラスチック-ポリウレタン原料ポリオール試験方法-第7部:塩基性度の求め方(窒素含有量及び全アミン価表示)」に記載の全アミン価の測定方法によって測定する。
【0028】
本発明のポリアミン化合物に加え、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、ポリオール化合物を添加することができる。ポリオール化合物は、ポリイソシアネート化合物(A)と反応してウレタン結合を形成し、ポリウレア発泡体の骨格の一部を形成することができる。しかしながら、ウレタン結合はウレア結合よりも燃焼性が高いため、ポリウレア発泡体の難燃性が低下するおそれがある。このため、ポリオール化合物の含有量は、ポリアミン化合物の含有量に対し、質量比で1/5以下とすることができ、1/10以下が好ましく、ポリオール化合物は含まないことがより好ましい。
【0029】
2-3.三量化触媒
本発明にかかる三量化触媒は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されない。三量化触媒としては、例えば、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム等の金属酸化物類;メトキシナトリウム、エトキシナトリウム、プロポキシナトリウム、ブトキシナトリウム、メトキシカリウム、エトキシカリウム、プロポキシカリウム、ブトキシカリウム等のアルコキシド類;酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、カプリル酸カリウム、シュウ酸鉄等の有機金属塩類;2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N’,N”-トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン、トリエチレンジアミン、1,3,5-トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-s-トリアジン等の3級アミン類;エチレンイミンの誘導体;アルカリ金属、アルミニウム、遷移金属類のアセチルアセトンのキレート類;4級アンモニウム塩;ジアザビシクロウンデセン(DBU)等;を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。これらのうち、3級アミン類、有機金属塩類、ジアザビシクロウンデセンを使用することがより好ましく、3級アミン類、ジアザビシクロウンデセンを使用することがより好ましい。これら好適な三量化触媒を用いることで、優れた難燃性と燃焼時の保形性を有し、湿熱環境下における経時劣化を抑制でき、塗工時の被着体への接着性に優れた発泡体を得ることができる。
【0030】
2-4.発泡剤
本発明にかかる発泡剤は、本発明の効果が阻害されない限りにおいて特に限定されない。発泡剤としては、例えば、水、炭化水素(好適にはC4~C6)、ハイドロフルオロオレフィン、炭酸ガスを挙げることができる。具体的には、シクロペンタン、HFO(1336mzz)、HFO(1233zd)を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
【0031】
2-5.整泡剤
本発明にかかる整泡剤は、本発明の効果が阻害されない限りにおいて特に限定されない。整泡剤としては、例えば、シリコーン系化合物、非イオン系界面活性剤等を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
【0032】
2-6.難燃剤
本発明にかかる難燃剤は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、例えば、赤燐、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤及び金属水酸化物等を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。これらのうち、赤燐又はリン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤及び金属水酸化物から選ばれる少なくとも一つを含むことが好ましく、赤燐に加え、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤及び金属水酸化物から選ばれる少なくとも一つを含む場合がより好ましく、赤燐とリン酸エステルを含み、さらに塩素含有リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤及び金属水酸化物から選ばれる少なくとも一つを含む場合がさらに好ましく、赤燐、リン酸エステル、臭素含有難燃剤を含む場合が特に好ましい。本発明のウレア樹脂組成物がこれらの難燃剤を含む場合には、ウレア樹脂組成物を発泡、硬化した際、優れた難燃性と燃焼時の保形性を有し、湿熱環境下における経時劣化を抑制でき、塗工時の被着体への接着性に優れたポリウレア発泡体を得ることができる。また、これらの難燃剤以外のその他の難燃剤を含むことができる。
【0033】
本発明にかかるリン酸エステルは、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されない。リン酸エステルとしては、例えば、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(t-ブチル化フェニル)ホスフェート、トリス(i-プロピル化フェニル)ホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート等の芳香族リン酸エステル;
1,3-フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、1,3-フェニレンビス(ジキシレニル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)等の芳香族縮合リン酸エステル;
トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート等の含ハロゲンリン酸エステル類;
2,2-ビス(クロロメチル)トリメチレンビス(ビス(2-クロロエチル)ホスフェート)、ポリオキシアルキレンビスジクロロアルキルホスフェート等の含ハロゲン縮合リン酸エステル類;等を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
【0034】
本発明にかかるリン酸塩含有難燃剤は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されない。リン酸塩含有難燃剤としては、例えば、モノリン酸塩としては、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等のアンモニウム塩;
リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸一ナトリウム、亜リン酸二ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等のナトリウム塩;
リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、亜リン酸一カリウム、亜リン酸二カリウム、次亜リン酸カリウム等のカリウム塩;
リン酸一リチウム、リン酸二リチウム、リン酸三リチウム、亜リン酸一リチウム、亜リン酸二リチウム、次亜リン酸リチウム等のリチウム塩;
リン酸二水素バリウム、リン酸水素バリウム、リン酸三バリウム、次亜リン酸バリウム等のバリウム塩、リン酸一水素マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸三マグネシウム、次亜リン酸マグネシウム等のマグネシウム塩;
リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、次亜リン酸カルシウム等のカルシウム塩;
リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、次亜リン酸亜鉛等の亜鉛塩、第一リン酸アルミニウム、第二リン酸アルミニウム、第三リン酸アルミニウム、亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸アルミニウム等のアルミニウム塩;等を挙げることができる。
ポリリン酸塩としては、例えば、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸ピペラジン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウムアミド、ポリリン酸アルミニウム等を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
【0035】
本発明にかかる臭素含有難燃剤は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されない。臭素含有難燃剤としては、例えば、ペンタブロモジフェニルエーテル;オクタブロモジフェニルエーテル;デカブロモジフェニルエーテル;テトラブロモビスフェノールA(TBBA)、TBBA-エポキシオリゴマー、TBBA-ポリカーボネートオリゴマー、TBBA-ビス(ジブロモプロピールエーテル)、TBBA-ビス(アリールエーテル)等のTBBA化合物;
ビスフェニルペンタメタン、1,2-ビス(2,4,6-トリブロモフェノキシ)エタン、2,4,6-トリス(2,4,6-トリブロモフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,6-ジブロモフェノール、2,4-ジブロモフェノール等の多ベンゼン環化合物;
臭素化ポリスチレン、ポリ臭素化スチレン等の臭素化スチレン化合物;
エチレンビステトラブロモフタルイミド等のフタル酸化合物;
ヘキサブロモシクロドデカン等の環状脂肪族化合物;等を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
【0036】
本発明にかかるホウ素含有難燃剤は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されない。ホウ素含有難燃剤としては、例えば、ホウ砂;三酸化二ホウ素、三酸化ホウ素、二酸化二ホウ素、三酸化四ホウ素、五酸化四ホウ素等の酸化ホウ素;ホウ酸、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸セシウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アンモニウム等ホウ酸化合物等を挙げることができる。
【0037】
本発明にかかるアンチモン含有難燃剤は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されない。ホウ素含有難燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸化アンチモン;アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム等のアンチモン酸塩;ピロアンチモン酸ナトリウム、ピロアンチモン酸カリウム等のピロアンチモン酸塩;等を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
【0038】
本発明にかかる金属水酸化物は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されない。金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
【0039】
その他の難燃剤としては、公知の難燃剤を用いることができる。その他の難燃剤としては、例えば、塩素化パラフィン等の塩素化合物;ヒンダードアミン、メラミンシアヌレート等の窒素化合物;セルロース;等を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
【0040】
2-7.その他添加物
本発明にかかる樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、上記の添加物に加え、さらにその他の添加物を添加することができる。その他の添加物としては、樹脂(ウレア)化触媒、泡化触媒、バランス触媒、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、分散剤等、添加剤として公知のものを添加することができる。
【0041】
3.ウレア樹脂組成物の製造方法
本発明のウレア樹脂組成物は、ポリイソシアネート化合物(A)、ポリアミン化合物(B)、触媒、発泡剤、整泡剤、難燃剤その他添加物をあらかじめ混合して作製するウレア樹脂組成物の混合方法としては公知の方法を用いることができる。なお、吹付工法に用いる場合には、予めポリイソシアネート以外の原料を混合した混合液と、ポリイソシアネート化合物(A)を、ポリウレア発泡体の施工の直前に吹付装置内で混合して用いることができる。
【0042】
ポリアミン化合物(B)の含有量は、ウレア樹脂組成物の全量を含有量100質量%とした場合に、2.0質量%以上であり、5.0質量%以上が好ましく、8.0質量%以上がより好ましい。前記ポリアミン化合物(B)の含有量上限は、例えば、40.0質量%以下とすることができ、30.0質量%以下が好ましく、20.0質量%以下がより好ましい。ポリアミン化合物(B)の含有量は、別の観点では、ウレア樹脂組成物のイソシアネートインデックスが、200~600となるように配合することができ、より好ましくは200~500である。ここで、イソシアネートインデックスとは、全原料配合である樹脂組成物のすべての活性水素のモル数と、ポリイソシアネート化合物(A)中のイソシアネート基のモル数の比に100を乗じた値(NCOのモル数/活性水素のモル数×100)をいう。樹脂組成物のイソシアネートインデックスがかかる範囲にある場合には、十分なイソシアヌレートが形成され、イソシアヌレート化率を適度なものとすることができる。そのため、ポリウレア発泡体の難燃性を優れたものとすることができる。
【0043】
ポリイソシアネート化合物(A)の含有量は、ウレア樹脂組成物中のポリアミン化合物(B)の全含有量を100質量部とした場合に、100~1000質量部とすることができる。
【0044】
整泡剤の含有量は、ウレア樹脂組成物中のポリアミン化合物(B)の全含有量を100質量部とした場合に、0.1~20質量部とすることができる。
【0045】
難燃剤の含有量は、ウレア樹脂組成物中のポリアミン化合物(B)の全含有量を100質量部とした場合に、10~200質量部とすることができ、30~150質量部が好ましく、50~100質量部がより好ましい。難燃剤の含有量がかかる範囲にある場合には、難燃性に優れたポリウレア発泡体を得ることができる。
【0046】
難燃剤に含まれる赤燐の含有量は、ウレア樹脂組成物中のポリアミン化合物(B)の全含有量を100質量部とした場合に、100質量部以下とすることができ、5~40質量部が好ましく、25~40質量部がより好ましい。赤燐の含有量がかかる範囲にある場合には、より難燃性に優れたポリウレア発泡体を得ることができ、さらに湿熱環境下における経時劣化を抑制できる。特に、発泡体が熱分解することを抑制すること、及び、後述する接炎評価における炭化層の形成を防止することができる。
また、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤及び金属水酸化物から選ばれる難燃剤の合計の含有量は、樹脂組成物中のポリアミン化合物の全含有量を100質量部とした場合に、10~200質量部とすることができる。また、赤燐の含有量(Fp)と、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤及び金属水酸化物から選ばれる難燃剤の合計の含有量(Ft)との比(Fp/Ft)は、特に限定されないが、例えば、0.0~1とすることができ、0.0~0.8が好ましく、0.09~0.73がより好ましく、0.45~0.73がさらに好ましい。これら難燃剤の配合がかかる範囲にある場合には、優れた難燃性と燃焼時の保形性を有し、湿熱環境下における経時劣化を抑制できるポリウレア発泡体を得ることができる。
【0047】
三量化触媒の含有量は、樹脂組成物中のポリアミン化合物の全含有量を100質量部とした場合に、0.1~30質量部とすることができ、1~20質量部が好ましく、5~20質量部がより好ましく、10~20質量部がさらに好ましい。三量化触媒の含有量がかかる範囲にある場合には、イソシアヌレート化が十分となり、優れた難燃性と燃焼時の保形性を有し、湿熱環境下における経時劣化を抑制できるポリウレア発泡体を得ることができる。
【0048】
三量化触媒以外の触媒(樹脂化触媒、泡化触媒等)の含有量を配合する場合において、三量化触媒以外の触媒の含有量は、樹脂組成物中のポリアミン化合物の全含有量を100質量部とした場合に、1~10質量部とすることができる。なお、樹脂化触媒及び泡化触媒の両方の作用を有する化合物は樹脂化触媒として配合するものとする。
【0049】
4.ウレア樹脂組成物の用途
本発明のウレア樹脂組成物は、建築用途や石油及びガス運搬用船舶、冷蔵庫などの電化製品の保温材、断熱材に用いられるポリウレア発泡体の原料として用いられる。また、鉄筋コンクリート造の建築などでは、断熱施工が容易であるため吹付工法用のウレア樹脂組成物として用いることができる。
【0050】
ポリウレア発泡体は、本発明のウレア樹脂組成物を発泡、硬化させることで形成することができる。発泡及び硬化の方法は、公知の方法を用いることができる。また、吹付工法用のウレア樹脂組成物として用いる場合には、あらかじめポリイソシアネート化合物(A)以外の原料を混合した混合物を吹付工法用装置内に入れ、その後ポリイソシアネート化合物(A)を混合することで発泡、硬化してポリウレア発泡体として用いることができる。
【0051】
ポリウレア発泡体は、ISO-5660の試験方法に準拠し、放射熱強度を50kW/mとして加熱した条件で測定した、20分経過時の総発熱量が25MJ/m以下とすることができ、8.5MJ/m以下が好ましい。ポリウレア発泡体の総発熱量がかかる範囲にある場合には、特に難燃性に優れたポリウレア発泡体となる。
【0052】
ポリウレア発泡体は、赤外線分光分析法により得られた吸収スペクトルに基づいて下式(1)により算出されたイソシアヌレート化率が25~40%とすることができる。イソシアヌレート化率は、ポリイソシアネートの三量化反応の程度を示しており、イソシアヌレート化率がかかる範囲内にあれば、ポリウレア発泡体は、優れた難燃性を有する。
(式1)
イソシアヌレート化率(%)=P1/(P1+P2+P3+P4)×100
P1:赤外線分光分析法により得られたポリウレア発泡体の吸収スペクトルに含まれるイソシアヌレート構造に由来するピーク面積
P2:赤外線分光分析法により得られたポリウレア発泡体の吸収スペクトルに含まれるウレア構造のC=Oに由来するピーク面積
P3:赤外線分光分析法により得られたポリウレア発泡体の吸収スペクトルに含まれるウレタン構造及びイソシアヌレート構造のC=Oに由来するピーク面積
P4:赤外線分光分析法により得られたポリウレア発泡体の吸収スペクトルに含まれるウレタン構造及びウレア構造に含まれるN-Hに由来するピーク面積
【0053】
P1は、赤外線分光分析法により得られたポリウレア発泡体の吸収スペクトルに含まれるイソシアヌレート構造に由来するピークの面積であり、波数1410cm-1近傍のヌレート環に由来するピークの面積である。P1は、波数が1380~1430cm-1の範囲のピーク面積である。P1は、原料のポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基が反応してできたイソシアヌレート構造の含有量を示す。
【0054】
P2は、赤外線分光分析法により得られたポリウレア発泡体の吸収スペクトルに含まれるウレア構造のC=Oに由来するピーク面積であり、波数が1595cm-1近傍のウレア結合のC=Oに由来するピークの面積である。P2は、波数が1550~1640cm-1の範囲のピーク面積である。P2は、原料のポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基が反応してできたウレア構造の含有量を示す。
【0055】
P3は、赤外線分光分析法により得られたポリウレア発泡体の吸収スペクトルに含まれるウレタン構造及びイソシアヌレート構造のC=Oに由来するピーク面積であり、波数1710cm-1近傍のC=O結合のピークの面積である。P3は、波数が1680~1730cm-1の範囲のピーク面積である。P3は、原料のポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基が反応してできたウレタン構造及びイソシアヌレート構造の含有量を示す。
【0056】
P4は、赤外線分光分析法により得られたポリウレア発泡体の吸収スペクトルに含まれるウレタン構造及びウレア構造に含まれるN-Hに由来するピーク面積であり、波数1510cm-1近傍のN-Hに由来するピークの面積である。P4は、波数が1470~1550cm-1の範囲のピーク面積である。P4は、ポリウレア発泡体に含まれるウレタン構造及びウレア構造の含有量を示し、原料のポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基が反応してできたウレタン構造及びウレア構造の含有量を示す。
【0057】
従って、P1~P4の和は、原料であるポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基の反応した総数を示す。このため、イソシアヌレート化率は、反応した原料であるポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基のうち、イソシアヌレート構造となったものの割合を示す値である。
【0058】
ポリウレア発泡体の密度は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、10~200kg/mとすることができ、10~100kg/mが好ましく、10~55kg/mがより好ましい。ポリウレア発泡体の密度がかかる範囲にある場合には、熱伝導率に優れ、難燃性に優れたポリウレア発泡体を得ることができる。
【0059】
ポリウレア発泡体の密度は、JIS K7222:2005「発泡プラスチック及びゴム-見掛け密度の求め方」に従って測定する。
【実施例0060】
<<樹脂組成物の作製>>
<原料>
(ポリアミン化合物)
・エタキュア420(アルベマール社製、アミン価:562mgKOH/G)
・エラスマー250P(クミアイ化学工業社製、アミン価:254mgKOH/g)
・ANCAMINE2049(Evonik社製、アミン価:484mgKOH/g)
・エラスマー1000P(クミアイ化学工業社製、アミン価:93mgKOH/g)
(ポリオール化合物(B))
・マキシモールRLK-505 (川崎化成工業社製、水酸基価:250mgKOH/g)
(難燃剤)
・りん酸トリス(2-クロロプロピル) (TMCPP、塩素含有リン酸エステル)
・レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェート(PFR、リン酸エステル)
・赤燐
・次亜リン酸アルミニウム(リン酸塩含有難燃剤)
・デカブロモジフェニルオキサイド(臭素含有難燃剤)
・ホウ酸亜鉛(ホウ素含有難燃剤)
・三酸化アンチモン(アンチモン含有難燃剤)
・水酸化アルミニウム(金属水酸化物難燃剤)
(整泡剤)
・SF2937F(東レダウコーニング社製シリコーン系界面活性剤)
(触媒)
・ニエチルヘキサン酸ビスマス(ビスマス系樹脂化触媒)
・N,N-ジメチルアミノエタノール(泡化触媒)
・TOYOCAT-TRX(東ソー社製、三量化触媒)
・ジアザビシクロウンデセン(三量化触媒)
・1,3,5-トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-s-トリアジン(三量化触媒)
・オクチル酸カリウム(三量化触媒)
(発泡剤)
・Opteon1100(三井・ケマーズ フロロプロダクツ社製、HFO-1336mzz(Z))
(ポリイソシアネート化合物(A))
・ミリオネートMR-200(東ソー社製、NCO%:30.9%、クルードMDI)
・フォームライトMI(BASF INOACポリウレタン社製NCO%:33.3%、モノメリックMDI)
【0061】
<発泡体の作製>
(接着性評価以外の評価に用いる混合液と発泡体の作製)
500mLポリプロピレン製ディスポカップに、ポリアミン化合物、ポリオール化合物、三量化触媒、難燃剤、発泡剤、整泡剤、その他の添加物を、表1~3に示した各実施例及び比較例の含有量を秤取り、各実施例及び比較例の混合液とした。各混合液を、プロペラ式攪拌翼を取り付けた攪拌機を用い、2000rpm、5分間攪拌混合を行い、各実施例及び比較例のポリアミン混合物及びポリオール混合物を得た。10℃の冷却炉にいれ、得られたポリアミン混合液と、表1~3に記載の含有量を秤取ったポリイソシアネートをそれぞれ個別に10±1℃になるまで冷却した。各実施例及び比較例のポリアミン混合液及びポリオール混合液と、ポリイソシアネートとを、プロペラ式攪拌翼を取り付けた攪拌機を用いて、2000rpmで5秒間攪拌混合して発泡、硬化させ、各実施例及び比較例の発泡体を得た。
なお、接着性評価においては、各実施例及び比較例のポリアミン混合液及びポリオール混合液と表1~3に記載の含有量を秤取ったポリイソシアネートをそれぞれ個別に10±1℃になるまで冷却したものを、後述の硬質ウレタンフォーム吹付用ハンドスプレーにて混合し、対象物に吹き付けることで接着性評価用の発泡体を形成した。
【0062】
<<評価>>
<イソシアヌレート化率の測定>
発泡後24時間経過した各実施例及び比較例の発泡体を、フーリエ変換赤外分光分析器(FT-IR、日本分光社製型式FT/IR-4200)を用いて、赤外線吸収スペクトルを測定した。測定は、ダイヤモンドプリズムを使用したATR法で行い、積算回数を50回として測定した。発泡体中のイソシアヌレート基含有量を、式1から算出した。測定は、発泡のライズ方向に対して、上部、中心部、底部の3点で測定し、平均値とした。測定結果を表1~3に示した。また、評価は以下の評価基準により判定し、結果を表1~3に示した。
(観測ピーク)
P1:赤外線分光分析法により得られた発泡体の吸収スペクトルに含まれるイソシアヌレート構造に由来するピーク面積(観察範囲:1380~1430cm-1
P2:赤外線分光分析法により得られたポリウレア発泡体の吸収スペクトルに含まれるウレア構造のC=Oに由来するピーク面積(観察範囲:1550~1640cm-1
P3:赤外線分光分析法により得られた発泡体の吸収スペクトルに含まれるウレタン構造及びイソシアヌレート構造のC=Oに由来するピーク面積(観察範囲:1680~1730cm-1
P4:赤外線分光分析法により得られた発泡体の吸収スペクトルに含まれるポリウレア構造及びウレア構造に含まれるN-Hに由来するピーク面積(観察範囲:1470~1550cm-1
(式1)
イソシアヌレート化率=P1/(P1+P2+P3+P4)×100
(評価基準)
2点:35超
1点:30以上35以下
0点:30未満
【0063】
<密度>
発泡後24時間経過した各実施例及び比較例の発泡体の見かけの密度をJIS K7222:2005「発泡プラスチック及びゴム-見掛け密度の求め方」に記載の方法で測定した。結果を表1~3に示した。
【0064】
<熱伝導率の測定>
発泡後24時間経過した各実施例及び比較例の発泡体の熱伝導率をJIS A1412-1:2016「熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法-第1部:保護熱板法(GHP法)」に従って測定した。結果を表1~3に示した。
【0065】
<湿熱処理前後の圧縮硬度の変化率>
発泡後24時間経過した各実施例及び比較例の発泡体を、80℃、RH85%の環境下で1か月間湿熱処理を行い、湿熱処理前後の圧縮硬度の変化率を測定した。湿熱処理前後の圧縮硬度は、各25℃における25%圧縮荷重を圧縮硬度として測定した。測定は、JIS K6400-2:2012「軟質発泡材料-物理特性-第2部:硬さ及び圧縮応力-ひずみ特性の求め方」に記載のD法によって求めた。評価は以下の評価基準により判定し、結果を表1~3に示した。
・判定基準
3点:湿熱処理前後の圧縮硬度の変化率が、10%以下である
1点:湿熱処理前後の圧縮硬度の変化率が、10%超20%未満である
0点:湿熱処理前後の圧縮硬度の変化率が、20%以上である
【0066】
<総発熱量(50kW×20分)測定>
発泡後24時間経過した各実施例及び比較例の発泡体の中心部から、長さ10cm、幅10cm、厚さ5cmとなるようにサンプルを切り出し、ISO-5660(建築基準法第2号)の規格に従い、発泡体のコーンカロリーメーター総発熱量試験を実施し、サンプルの総発熱量及び最大発熱速度を測定した。測定は、放射熱量50kW/m、測定時間20分とした。結果を表1~3に示した。また、評価は以下の評価基準により判定し、結果を表1~3に示した。なお、表中の測定不可とは、試験において膨張したサンプルがコーンカロリーメーターのスパークプラグの先端に接触し、スパークが発生せず、正常な測定ができなかったことを示す。
3点:7MJ/m未満
2点:7MJ/m以上10MJ/m未満
1点:10MJ/m以上15MJ/m未満
0点:15MJ/m以上
【0067】
<残存重量(600℃)の測定>
発泡後24時間経過した各実施例及び比較例の発泡体の中心部から3~5mgを採取し、アルミニウムパンの中にサンプルを充填し、DG/DTA測定器(SII社製型式TG/DTA7200)を用いて、25℃~600℃の温度領域について、サンプルの重量減少挙動を観測し、600℃でのサンプルの残量重量から、サンプルの残存量(%)を求めた。測定は、昇温速度を10℃/minとし、乾燥空気気流下(流速:250mm/min)として行った。結果を表1~3に示した。また、評価は以下の評価基準により判定し、結果を表1~3に示した。
5点:50%超
4点:40%超50%以下
3点:30%超40%以下
2点:20%超30%以下
1点:10%以上20%以下
0点:10%未満
【0068】
<体積変化率(600℃)>
発泡後24時間経過した各実施例及び比較例の発泡体の中心部から、長さ5cm、幅5cm、厚さ5cmとなるようサンプルを切り出し、600℃に加熱した電気炉内に5分間静置し、体積変化率を測定した。加熱前の体積を100%とし、加熱後の体積を測定し、加熱後の体積から加熱前の体積を引いた値を、加熱前の体積で除して100を乗じた値を体積変化率とした。膨張した場合は正の値を示し、収縮した場合は負の値を示す。結果を表1~3に示した。また、評価は以下の評価基準により判定し、結果を表1~3に示した。
2点:-25%未満
1点:-25%以上-50%以下
0点:-50%超
【0069】
<接着性>
各実施例及び比較例のポリアミン混合液及びポリオール混合物と、表1~3に記載の含有量を秤取ったポリイソシアネートとをそれぞれ個別に10±1℃になるまで冷却したものを、硬質ウレタンフォーム吹付用ハンドスプレー(ADY社製)を用い、表面温度を15℃にした木板の表面に混合噴霧し、木板表面上で発泡させた。その後、24時間養生し、木板と発泡体の接着界面に剥がれや浮きがないものを1点、剥がれや浮きがあるものを0点として評価した。結果を表1~3に示した。
【0070】
<接炎試験>
発泡後24時間経過した各実施例及び比較例の発泡体から、長さ10cm、幅10cm、厚さ5cmの直方体をとなるようサンプルを切り出しサンプルとした。得られた各サンプルを長さ10cm、幅10cm、厚さ1mmの金網上に乗せ、ガスバーナーでサンプルの表面に3分間接炎した。燃焼ガスは、純度99.5%以上のメタンガスを使用し、燃焼ガスを0.2MPaで供給し、青白い火炎となるようにした。火の高さは5cmとし、炎とサンプル表面の間隔が1cmとなるように実施した。接炎後、サンプルを半分に切り、その断面におけるクラックの有無を目視にて観察した。また、断面における黒く炭化した部分の最大距離(断面の側表面から炭化している部分の長さ)を炭化層の深さとして計測した。結果を表1~3に示した。また、評価は以下の評価基準により判定し、結果を表1~3に示した。なお、表中の測定不可とは、接炎した際に、炎がサンプルを貫通したため、測定できなかったことを示す。
(クラックの有無評価基準)
1点:クラックなし
0点:クラックあり
(炭化層の深さ評価基準)
3点:5mm未満
1点:5mm以上25以下
0点:25mm超
【0071】
表1~3に各実施例及び比較例の総合評価を示した。総合評価は、上述した各評価の評価結果を合計し、以下の評価基準により判断した。
◎:16点以上
○:13点以上15点以下
△:10点以上12点以下
×:9点以下
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】

【手続補正書】
【提出日】2020-12-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイソシアネート化合物(A)、ポリアミン化合物(B)、三量化触媒、発泡剤、整泡剤及び難燃剤を含むウレア樹脂組成物であって、
前記ポリアミン化合物(B)の含有量は、前記ウレア樹脂組成物の全量を100質量%とした場合に、2.0質量%以上であり、
前記三量化触媒の含有量は、前記ウレア樹脂組成物中のポリアミン化合物(B)の含有量を100質量部とした場合に、5~20質量部であることを特徴とする、ウレア樹脂組成物。
【請求項2】
前記ポリアミン化合物(B)のアミン価は、50~1000mg KOH/gであることを特徴とする、請求項1に記載のウレア樹脂組成物。
【請求項3】
前記ポリアミン化合物(B)のアミン価は、450~1000mg KOH/gであることを特徴とする、請求項1に記載のウレア樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリイソシアネート化合物(A)は、NCO%が10~35%であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のウレア樹脂組成物。
【請求項5】
前記ポリイソシアネート化合物(A)が芳香族イソシアネートであることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のウレア樹脂組成物。
【請求項6】
前記難燃剤は、赤燐を含むことを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のウレア樹脂組成物。
【請求項7】
前記難燃剤は、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤及び金属水酸化物から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のウレア樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1~のいずれか一項に記載のウレア樹脂組成物を発泡、硬化させてなるポリウレア発泡体。
【請求項9】
前記ポリウレア発泡体は、ISO-5660の試験方法に準拠し、放射熱強度を50kW/mとして加熱した条件で測定した、20分経過時の総発熱量が8.5MJ/m以下であることを特徴とする、請求項に記載のポリウレア発泡体。