(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022959
(43)【公開日】2022-02-07
(54)【発明の名称】スパッタリング法を使用した薄膜コーティングのための銅円筒型ターゲットを熱間押出技術から製造する方法
(51)【国際特許分類】
C23C 14/34 20060101AFI20220131BHJP
C22C 9/00 20060101ALI20220131BHJP
C22F 1/08 20060101ALI20220131BHJP
B21C 23/00 20060101ALI20220131BHJP
B21C 23/08 20060101ALI20220131BHJP
C22F 1/00 20060101ALN20220131BHJP
【FI】
C23C14/34 A
C23C14/34 B
C22C9/00
C22F1/08 A
B21C23/00 A
B21C23/08
C22F1/00 604
C22F1/00 612
C22F1/00 622
C22F1/00 613
C22F1/00 630C
C22F1/00 682
C22F1/00 683
C22F1/00 691B
C22F1/00 694B
C22F1/00 694Z
C22F1/00 685
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021010435
(22)【出願日】2021-01-26
(31)【優先権主張番号】2001003722
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TH
(71)【出願人】
【識別番号】520340318
【氏名又は名称】オリエンタル コッパー シーオー.エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】ORIENTAL COPPER CO.LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】テカクーンハキ,ヴァチャクラン
【テーマコード(参考)】
4E029
4K029
【Fターム(参考)】
4E029AA01
4E029AC02
4E029AC06
4E029SA04
4E029SA05
4E029TA02
4E029UA04
4E029VA03
4E029VA04
4K029CA05
4K029DC03
4K029DC07
4K029DC13
(57)【要約】
【課題】銅円筒型ターゲットを作製するための製造方法。
【解決手段】銅円筒型ターゲットの作製においては、銅鋳塊を鋳造してロッドを形成し、得られた銅ロッドを熱処理を行わずに熱間押出及び冷間引抜を行う。銅の結晶粒成長防止には、押出した銅ターゲットを直ちに水浴に浸漬することによって冷却速度を制御することが重要である。粒径50~150μmの銅結晶粒の作製に好適な条件は、(a)熱間押出前の銅鋳塊の温度が800~900℃であること、及び(b)熱間押出速度が5~20mm/秒であることである。熱間押出を行った銅鋳塊は銅ターゲット材となり、押出後に冷間引抜を行うことによって外径及び内径が縮小され、表面硬さは100ビッカース硬さを超えない。上記の方法は、スパッタリング技術を使用した薄膜コーティングのための銅円筒型ターゲットとしての使用に好適な銅円筒型ターゲットを作製でき、得られた薄膜はより高い品質を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
99.99%以上の銅金属を含む、銅円筒型ターゲット。
【請求項2】
酸素含有量は5ppm以下である、請求項1に記載の銅円筒型ターゲット。
【請求項3】
総不純物量は100ppm以下である、請求項1又は2に記載の銅円筒型ターゲット。
【請求項4】
熱間押出工程によって製造された請求項1~3のうちいずれか一項に記載の銅円筒型ターゲットであって、前記熱間押出工程は熱処理ステップを伴わない水中熱間押出工程及び冷間引抜である、銅円筒型ターゲット。
【請求項5】
銅鋳塊は800~900℃の範囲の温度に加熱される、銅円筒型ターゲットの製造方法。
【請求項6】
押出速度は、5~20mm/秒の範囲である、請求項5に記載の銅円筒型ターゲットの製造方法。
【請求項7】
押出された銅ロッドを、周囲空気と接触させることなく直ちに水に浸漬する、請求項5又は6に記載の銅円筒型ターゲットの製造方法。
【請求項8】
表面硬度は、400ビッカース硬さ以下である、請求項1~4のうちいずれか一項に記載の銅円筒型ターゲット。
【請求項9】
銅結晶粒径は、50~150μmの範囲である、請求項1~4のうちいずれか一項に記載の銅円筒型ターゲット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冶金学の分野に関し、特に、スパッタリング法を使用した薄膜コーティングのための銅円筒型ターゲットの熱間押出技術からの製造の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、大部分の表面めっきは、電気めっきなどの化学技術を好む。しかし、かかる技術には、完成した表面の品質が低いことや環境問題など、いくつかの問題がある。そのため、真空コーティングなどの新たな表面めっき技術が開発されてきた。真空コーティング技術は真空中で実施され、環境問題を生じ得る化学物質を必要としない。更に、真空コーティング技術は、「薄膜」と呼ばれる非常に薄いコーティング表面を作製できる。通常、膜は、その厚さが5μm以下の場合に「薄膜」と呼ばれる。
【0003】
薄膜真空コーティングプロセスは、化学的プロセスと物理的プロセスの2種類に分類できる。
1)薄膜コーティングの化学的プロセスは、気相中での化学物質の分解及びコーティングしようとする表面上での新たな種の形成を利用する。このプロセスの例は、プラズマCVD及びレーザーCVDである。
2)薄膜コーティングの物理的プロセスは、コーティング材の表面からコーティング材の原子をエッチングすることを利用する。遊離コーティング原子は拡散し、コーティングしようとする材料の表面に結合する。このプロセスの例は、蒸発及びスパッタリングである。
【0004】
スパッタリング技術は、研究及び薄膜製品開発に好適な薄膜コーティング技術である。この技術の利点は、金属、ガラス、合金、セラミックス及び半導体などのいくつかの薄膜材料に応用できること、薄膜の厚さを精密に制御できること、及び薄膜の特性を様々に変更できることである。産業界がスパッタリング技術を活用している例は、マイクロエレクトロニクス、半導体、導電性フィルム、保護フィルム、ハードディスクドライブ、自動車、建築用ガラスパネル、光ファイバー、太陽電池、テレビ画面、及びモバイルデバイス画面である。
【0005】
真空スパッタリング技術の原理は、コーティングチャンバ内に1×10
-6mbar以下の圧力の真空を作ることから始まる。その後、アルゴンなどの不活性ガスを、所定の圧力までチャンバ内に充填する。スパッタリングは、磁場を用いてアルゴン分子のイオンを生成することで始まり、生成したイオンを、電場を用いて方向づけしてコーティング材(又はターゲット材)の表面に衝突させることで、コーティング材の表面上の原子がコーティング材の表面から除去されて基材の表面へと移動する。次いで、コーティング材の原子は、
図1~4に示すように、基材の表面上に付着して、基材の表面上に薄膜を生じる。
【0006】
1985年のスパッタリング技術では、半導体特性を有する薄膜の場合、アルミニウムの抵抗は最も低くはなかったが、ターゲット材としてアルミニウムを使用することが好まれた。これは、当時のこの技術の限界によるものである。しかし、1980年代のIBMの開発後は、高速、精密かつ十分に開発された技術により、ターゲット材として銅及び銀の使用が増えて現在に至る。これは、これらの金属は両方ともアルミニウムよりも電気抵抗が低く、電子移動抵抗性に優れるためである。得られる薄膜の品質は、チャンバ内圧力、ターゲット材表面のガスイオン衝突数、ガスの種類などのスパッタリング装置の操作条件にも依存することが知られている。更に、薄膜の品質は、ターゲット材の特性にも依存し、これは品質又はスパッタリング工程中の欠陥の生成に直接影響する。かかる特性は:
1)ターゲット材の純度
2)ターゲット材に含まれる酸化物(例えば、アルミニウムターゲットの場合Al2O3、銅ターゲットの場合CuO)などの誘電体の量。
3)気孔率、例えば、スパッタリング工程中にガスから発生した空隙の量。
4)ターゲット材の結晶粒径
5)ターゲット材の表面粗さ
6)ターゲット材の機械的強度又は硬度
【0007】
オリエンタルカッパー社(Oriental Copper Co.,Ltd)は、2017年9月29日以降、特許「Method for manufacturing copper cylindrical target from hot extrusion technique for thin film coating using sputtering method」をタイ国知的財産局に出願している。この出願は、平板状ターゲット材の形態のスパッタリングターゲットを開示している。しかし、現在、別のスパッタリングターゲットが薄膜コーティングに使用され始めている。かかるターゲットは円筒型の形状を有し、「円筒型ターゲット材」と呼ばれる。円筒型ターゲット材の価格は平板状ターゲット材よりも高いが、円筒型ターゲット材は、材料利用率が高い(すなわち、ターゲット材1つ当たり約80%であるが、平板状ターゲット材はわずか35%)という利点を有する。更に円筒型ターゲット材の単位重量当たりの価格も、平板状ターゲット材より低い。表1は、クロム製の平板状ターゲット材と円筒型ターゲット材の比較を示す。上記の理由により、発明者らは、スパッタリング技術を使用した薄膜コーティングに好適な円筒型材料を作製するための研究をより多く行ってきた。
【0008】
Cr平板状ターゲット材と円筒型ターゲット材の比較
【0009】
【0010】
過去には、銅円筒型ターゲットの特性を研究し、要求を満たすように銅円筒型ターゲットの特性に影響する、又は特性を制御できる製造方法及び条件を見出そうとした研究が数件ある。
【0011】
例えば、特許文献1(古河電気工業株式会社)は、無酸素(OF)銅から製造した円筒状スパッタリングターゲット材を開示している。その製造工程は、以下のステップを有する:無酸素銅(Cu=99.995%)→熱間加工(圧延/押出工程)→焼鈍(温度=740~810℃)→引抜(冷間加工%=9.7~17.0%)。得られたターゲット材の結晶粒径は、90~140μmの範囲であった。この特許は、140μm未満の結晶粒径は、過度のスパッタリングを起こさず、スパッタリングされた原子がより均一な拡散方向を有すると主張している。
【0012】
特許文献2(日立電線株式会社)及び特許文献3(株式会社SHカッパープロダクツ)は、無酸素銅から製造した外径165mm、肉厚25mmの円筒型スパッタリングターゲット材の製造方法を開示している。この製造方法は、以下のステップを有する:無酸素銅(Cu=99.9又は99.99%)→熱間押出→拡管引抜→熱処理。いずれの研究も、拡管率を10%に保ちながら熱処理温度を400~650℃で変えること、及び熱処理温度を400℃に保ちながら拡管率を3~20%で変えることによって、熱処理温度及び拡管率の影響を研究した。その結果、低い熱処理温度(400℃)はターゲット材の割れを引き起こし、高い熱処理温度(600℃)は、銅の結晶粒が広く異なる粒径を有する原因となることが見出された。低い拡管率(3%)は、銅の結晶粒が広く異なる粒径を有する原因となるが、高い拡管率(20%)はターゲット材の割れを引き起こす。したがって、両研究から、次の最適条件が画定された:熱処理温度=450~600℃で180分、及び拡管率5~15%。得られた銅結晶粒径は50~100μmで、ターゲット材に割れがなかった。更に、両研究から、100μm未満の銅結晶粒径はスパッタリング工程中の異常放電の数が少ないという別の利点を有することも主張された。
【0013】
特許文献4(三菱マテリアル株式会社)及び特許文献5(三菱マテリアル株式会社)は、外径140~180mm、内径110~135mm、長さ1,000~4,000mmを有する円筒型スパッタリングターゲットの製造方法を開示している。この製造方法は以下のステップを有する:無酸素銅(連続鋳造工程からの円筒状鋳塊は、銅結晶粒径が20mm以下である)→拡管引抜→熱処理(温度=400~900℃、15~120分)。拡管引抜ステップは、銅の結晶粒径を均一に分布させるために繰り返され得る。外径は0%~30%拡がり、断面積は-10%~+10%の範囲内で変化した。銅又は銅合金を出発材料として使用した場合、外表面周辺領域における銅の結晶粒径は、10~150μmの範囲であった。外表面領域における無酸素銅の銅結晶粒径は、105及び146μmであった。平均粒径の2倍の粒径を有する結晶粒が占める面積割合が総面積の25%未満の場合、スパッタリング工程中の異常放電の数が低減された。
【0014】
特許文献6(三菱マテリアル株式会社)及び特許文献7(三菱マテリアル株式会社)は、外径140~180mm、内径110~135mm、長さ1,000~4,000mmを有する円筒型スパッタリングターゲット材の製造方法を開示している。この製造方法は以下のステップを有する:無酸素銅(異常放電を防止するため、(Si+C)元素の量が10ppm未満の円柱状鋳塊)→熱間加工(圧延/押出加工により結晶粒径20mm以下の銅を製造)→拡管引抜→熱処理(温度=400~900℃、15~120分)。拡管引抜ステップは、銅の結晶粒径を均一に分布させるために繰り返され得る。肉厚は15%~25%大きくなり、外径は0%~30%拡がり、内径は0~20%拡がった。銅又は銅合金を出発材料として使用した場合、外表面周辺領域における銅の結晶粒径は、10~150μmの範囲であった。外表面領域における無酸素銅の銅結晶粒径は、59、84及び103μmであった。平均粒径の2倍の粒径を有する結晶粒が占める割合が総面積の20%未満の場合、スパッタリング工程中の異常放電の数が低減された。
【0015】
従先行技術調査から、銅円筒型ターゲット形成のための製造方法は、表2に示すように大部分が鋳造(Cu-OF)→熱間加工(圧延/押出)→冷間加工(引抜)→熱処理の工程を含むことがわかった。高品質のコーティング又は薄膜を高品質のターゲット材から作製するためには、スパッタリング工程中の異常放電の問題を低減するために、銅結晶粒の粒径が均一かつ150μm未満であることが必要である。しかし、従来技術は、常に、用途に適するように銅の微細構造を変えるための熱処理ステップを含んでいた。本発明は、鋳造(Cu-OF)→熱間加工(押出)→冷間加工(引抜)のステップにより、熱処理を必要とすることなく、スパッタリング法による薄膜コーティング塗布に適した微細構造を維持しながら銅円筒型ターゲットを作製することを目的とし、更には製造コストを削減する。
【0016】
過去の研究の円筒型ターゲットの銅結晶粒径
【0017】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2012-111994号公報
【特許文献2】特開2013-057112号公報
【特許文献3】中国特許第102994962号明細書
【特許文献4】特開2015-203125号公報
【特許文献5】米国特許出願公開第2016-0194749号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2016-0203959号明細書
【特許文献7】米国特許第9748079号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、本発明者であるオリエンタルカッパー社のVachakarn Techachunhakitは、熱間押出技術を使用して、熱処理ステップを必要とすることなく、銅結晶粒径の均一性を維持するとともに、粒径をスパッタリング法による薄膜コーティング塗布に適した50~150μmの範囲としながら銅円筒型ターゲットを作製するための製造方法を開発した。
【0020】
文献調査から、高品質の薄膜は、均一な結晶粒径を有する150μm未満のターゲットに依拠すると結論づけることができる。したがって、本発明の目的は、スパッタリング法による薄膜コーティング塗布のための銅円筒型ターゲットを、高品質の薄膜を製造するために銅結晶粒径を50~150μmの範囲に制御できる熱間押出から製造することである。調査した銅結晶粒の粒径及び均一性に影響を有する熱間押出工程のパラメータは:
1)熱間押出工程の前の鋳塊温度
2)押出速度(メインラム速度)
である。
【課題を解決するための手段】
【0021】
熱間押出工程中の押出ダイ後方の銅の急速な冷却速度は、
図5に示すように、押出した銅を直ちに水に通すこと(又は水中押出)によって達成される。これは、銅の結晶粒成長を防止するための重要な技術である。水の温度は40℃を超えるべきではない。その後直ちに、
図6の示すように、銅バーを冷間引抜工程に供して、51~100ビッカース硬さの範囲の硬度を有する銅ターゲットを作製する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】表面コーティング用スパッタリングシステムを示す図である。
【
図4】薄膜コーティング中のプラズマ発生を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の銅円筒型ターゲットを作製するための製造方法は、銅鋳塊(Cu純度99.99%以上及び酸素5ppm未満)を鋳造して直径12インチのロッドを形成するステップ、その後得られた銅ロッドを熱間押出(これは銅結晶粒の粒径及び均一性の制御において重要である)のステップを含む。調査するパラメータは:
1)熱間押出工程の前の鋳塊温度(800、850、及び900℃)
2)ダイを通した銅ロッドの押出に使用した油圧シリンダーの速度から測定した押出速度(5、10、及び20mm/秒)
である。
【0024】
制御されるパラメータは、銅の冷却速度である。通常、銅が熱間押出工程で処理された後、「動的再結晶」と呼ばれる現象から、銅結晶粒径が小さくなる。しかし、冷却速度を制御することなく、銅バーを周囲雰囲気中で自然冷却した場合、銅結晶粒径をより大きくし、結晶粒径の不均一性を生じる「結晶粒成長」と呼ばれる次のステップへと再結晶化が継続又は発展するには、わずか10秒の時間で十分である。
【0025】
したがって、本発明は、銅バーの冷却速度を、40℃以下の温度の冷却水を用いて制御する。押し出した銅ロッドを直ちに、ダイ後方に配置された冷却水浴に10秒以内に浸漬して、銅の結晶粒成長を防止する。
【0026】
熱間押出ステップの後、銅ロッドを冷間引抜ステップに供して、決められた外径及び内径を有し、使用前の表面硬度が100ビッカース硬さを超えない銅ターゲットを作製する。この研究の詳細を以下に示す。
【実施例0027】
直径12インチ、長さ550mmの銅鋳塊を800、850又は900℃に加熱する。次いで、鋳塊を押出ダイに通して押出して、外径155mm、内径100mmを有する銅ロッドを形成する。高温の銅ロッドを、直ちに、ダイの後方に配置した水浴に浸漬する。押出速度を、表3に示すように、5、10又は20mm/秒に設定する。
【0028】
銅ロッドの温度及び押出速度
【0029】
【0030】
次いで、冷却した銅ロッドを、引抜ダイを使用した冷間引抜工程に供し、外径及び内径がそれぞれ150mm及び95mmの銅ロッドを作製する。冷間引抜工程から得られた銅ロッドを、
図7に示すように、頭部、中央部、及び尾部で試験する。
【0031】
銅結晶粒径の試験は、内径から外径まで測定した半径方向に5箇所の同じ位置で実施した。
図8に示すように、位置1は、内表面に近い位置であり、位置2、3、4及び5はそれぞれ内表面から離れている。位置5は外表面に最も近い。
【0032】
異なる押出条件を使用して得られた銅結晶粒径の試験を、表4~30に報告し、表31にまとめる。
【0033】
銅の結晶粒径、温度800℃、熱間押出速度5mm/秒、頭部
【0034】
【0035】
銅の結晶粒径、温度800℃、熱間押出速度5mm/秒、中央部
【0036】
【0037】
銅の結晶粒径、温度800℃、熱間押出速度5mm/秒、尾部
【0038】
【0039】
銅の結晶粒径、温度800℃、熱間押出速度10mm/秒、頭部
【0040】
【0041】
銅の結晶粒径、温度800℃、熱間押出速度10mm/秒、中央部
【0042】
【0043】
銅の結晶粒径、温度800℃、熱間押出速度10mm/秒、尾部
【0044】
【0045】
銅の結晶粒径、温度800℃、熱間押出速度20mm/秒、頭部
【0046】
【0047】
銅の結晶粒径、温度800℃、熱間押出速度20mm/秒、中央部
【0048】
【0049】
銅の結晶粒径、温度800℃、熱間押出速度20mm/秒、尾部
【0050】
【0051】
銅の結晶粒径、温度850℃、熱間押出速度5mm/秒、頭部
【0052】
【0053】
銅の結晶粒径、温度850℃、熱間押出速度5mm/秒、中央部
【0054】
【0055】
銅の結晶粒径、温度850℃、熱間押出速度5mm/秒、尾部
【0056】
【0057】
銅の結晶粒径、温度850℃、熱間押出速度10mm/秒、頭部
【0058】
【0059】
銅の結晶粒径、温度850℃、熱間押出速度10mm/秒、中央部
【0060】
【0061】
銅の結晶粒径、温度850℃、熱間押出速度10mm/秒、尾部
【0062】
【0063】
銅の結晶粒径、温度850℃、熱間押出速度20mm/秒、頭部
【0064】
【0065】
銅の結晶粒径、温度850℃、熱間押出速度20mm/秒、中央部
【0066】
【0067】
銅の結晶粒径、温度850℃、熱間押出速度20mm/秒、尾部
【0068】
【0069】
銅の結晶粒径、温度900℃、熱間押出速度5mm/秒、頭部
【0070】
【0071】
銅の結晶粒径、温度900℃、熱間押出速度5mm/秒、中央部
【0072】
【0073】
銅の結晶粒径、温度900℃、熱間押出速度5mm/秒、尾部
【0074】
【0075】
銅の結晶粒径、温度900℃、熱間押出速度10mm/秒、頭部
【0076】
【0077】
銅の結晶粒径、温度900℃、熱間押出速度10mm/秒、中央部
【0078】
【0079】
銅の結晶粒径、温度900℃、熱間押出速度10mm/秒、尾部
【0080】
【0081】
銅の結晶粒径、温度900℃、熱間押出速度20mm/秒、頭部
【0082】
【0083】
銅の結晶粒径、温度900℃、熱間押出速度20mm/秒、中央部
【0084】
【0085】
銅の結晶粒径、温度900℃、熱間押出速度20mm/秒、尾部
【0086】
【0087】
銅円筒型ターゲットの結晶粒径
【0088】
【0089】
本発明の最良の方法
「発明を実施するための形態」に詳細に記載したとおりである。