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特開2022-23011熱量制御が可能な熱管理型燃料電池ホットボックス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022023011
(43)【公開日】2022-02-07
(54)【発明の名称】熱量制御が可能な熱管理型燃料電池ホットボックス
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20220131BHJP
   H01M 8/04014 20160101ALI20220131BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20220131BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/04014
H01M8/04 J
H01M8/12 101
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021109924
(22)【出願日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】10-2020-0081197
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521290809
【氏名又は名称】ユーアイエフ(ユニバーシティ インダストリー ファンデーション), ヨンセ ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホン, ジョン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ, ウ ソク
(72)【発明者】
【氏名】ユン, ドン ヨン
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA07
5H127AB11
5H127AC15
5H127BA02
5H127BA03
5H127BA04
5H127BA05
5H127BA06
5H127BA12
5H127BA37
5H127BB02
5H127BB27
5H127EE02
5H127EE15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】システム効率を向上させるために熱量制御が可能な熱管理型燃料電池ホットボックスを提供する。
【解決手段】ハウジング100の内部に燃料電池スタック部300、アフターバーナー220、改質器232および空気-熱交換部400および燃料-熱交換部233をすべて具備しており、燃料電池スタック部300の熱と燃焼ガスの熱を利用して燃料を改質および予熱するとともに空気予熱を可能とする。また、燃料電池スタック部300を冷却して耐久性を増加させるとともに、複数のスタック部300は中央チャンバー部200を共有することにより燃料電池ホットボックス10の構成を簡素化することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1内部空間、第1流入口、第2流入口および流出口を具備するハウジング;
前記第1内部空間の中央に位置し、第2内部空間、アフターバーナーおよび改質器を含む中央チャンバー部;
前記第1内部空間で前記中央チャンバー部の中心から等距離に位置し、相互間に一定間隔で配列される複数個の燃料電池スタック部;および
前記複数個の燃料電池スタック部と前記中央チャンバー部の間に備えられた空気-熱交換部;を含み、
前記中央チャンバー部において、前記アフターバーナーは前記中央チャンバー部の垂直中心軸上の一側部に備えられ、前記改質器は垂直中心軸上の他側部に備えられている、燃料電池ホットボックス。
【請求項2】
前記第1流入口は前記改質器と連結され、
前記第2流入口は前記空気-熱交換部と連結され、
前記流出口は前記第2内部空間と連通するように備えられることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池ホットボックス。
【請求項3】
前記改質器は中心を貫通する貫通ホールが形成され、前記貫通ホールを取り囲む折り曲げられた流路が積層された形態で形成されて流入する燃料が流れることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池ホットボックス。
【請求項4】
前記改質器は上部に開閉装置をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池ホットボックス。
【請求項5】
前記開閉装置は前記ハウジングの外部に突出する制御棒を具備することを特徴とする、請求項4に記載の燃料電池ホットボックス。
【請求項6】
前記改質器は前記第1流入口と前記複数個の燃料電池スタック部の間を連結することを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池ホットボックス。
【請求項7】
前記空気-熱交換部は折り曲げられた流路が積層されて備えられ、前記第2流入口と前記複数個の燃料電池スタック部の間を連結することを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池ホットボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は効果的な熱の分配および交換を通じてシステム効率を向上させるための燃料電池ホットボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
700℃以上の高温で作動する固体酸化物燃料電池(SOFC、Solid Oxide Fuel Cell)は酸素イオン伝導性を有する固体酸化物(セラミック)を電解質として使う燃料電池であって、水素以外にも天然ガス、LPG、プロパン、ブタンなどの多様な炭化水素燃料とバイオ燃料を燃料として使うことができる。
【0003】
SOFC発電システムは、燃料電池スタックの他にも電力変換器、反応物供給のための送風機とポンプ、熱回収システムおよび制御システムなどのシステム周辺装置(BOP、balance of plant)で構成されている。したがって、SOFC発電システムの効率を向上させるためには、スタックをはじめとする燃料改質器、電力変換器などのシステム構成要素の性能改善の他にも断熱および熱管理のためのシステム設計をすることが非常に重要である。
【0004】
SOFC発電システムで燃料電池スタック、アフターバーナーおよび加熱改質器などでは熱が発生する。それとは反対に、水蒸気改質器、気化器、空気予熱機、燃料予熱機および温水製造装置などでは熱を必要とする。したがって、システムで発生する熱量と必要な熱量を計算して熱交換網を適切に設計し、熱損失を最小化することはSOFCシステムの全体の効率に大きな影響を与えることになる。SOFCシステムの効率的な熱管理のために、運転時にスタックで発生する熱と未反応燃料を燃焼させて得た熱を利用してスタックの温度維持、燃料の予熱および改質などに必要な熱量を供給することが重要である。
【0005】
このように、SOFCシステムは高いシステム効率や燃料選択の自由などの長所を有する。ただし、SOFCシステムは700℃以上の高温で運転されるため、このような運転環境に適合した部品が必要であり、このような部品は製造費用と維持費用が高いという問題がある。また、高温の運転環境は構成部品の高い劣化率によって長期的に性能および耐久性の信頼度が低下する問題を伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2009-0086008号公報(2009.08.10.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は高温である燃料電池スタック部の熱と燃焼ガスの熱を利用して低温である燃料と空気を効果的に予熱するように空気-熱交換部および改質器を配置し、これを通じて熱交換してシステム効率を高めるとともに、前記燃料電池スタック部を効果的に冷却して熱的勾配を緩和することによって、長期的に耐久性が増加した固体酸化物燃料電池ホットボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は第1内部空間、第1流入口、第2流入口および流出口を具備するハウジング;前記第1内部空間の中央に位置し、第2内部空間、アフターバーナーおよび改質器を含む中央チャンバー部;前記第1内部空間で前記中央チャンバー部の中心から等距離に位置し、相互間に一定間隔で配列される複数個の燃料電池スタック部;および前記複数個の燃料電池スタック部と前記中央チャンバー部の間に備えられた空気-熱交換部;を含み、前記中央チャンバー部において、前記アフターバーナーは前記中央チャンバー部の垂直中心軸上の一側部に備えられ、前記改質器は垂直中心軸上の他側部に備えられている、燃料電池ホットボックスを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る固体酸化物燃料電池ホットボックスは別途のエネルギーを使わず、スタック部の熱と燃焼ガスの熱を利用して燃料を改質させるとともに、空気および燃料を予熱できるため、システム全体の効率を向上させることができる。
【0010】
また、熱的ストレスに脆弱な高温の燃料電池スタック部を低温の空気と効果的に熱交換できるように配置することによって、前記燃料電池スタック部の熱的ストレスを緩和させることができる。これに伴い、燃料電池スタック部での反応速度および温度を調節できるため、前記燃料電池スタック部の耐久性および性能低下の速度を低くして寿命を向上させることができる。
【0011】
また、アフターバーナーの燃焼ガスを燃料の改質と燃料および空気の予熱に選択的に分配できる開閉システムを構築することによって燃料の改質率を制御することができ、これを通じてシステム全体の柔軟性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施例に係る燃料電池ホットボックスの概略的な構成を図示したものである。
図2】本発明の一実施例に係る燃料電池ホットボックスの側面部を図示したものである。
図3】本発明の一実施例に係る燃料電池ホットボックスに流入した燃料の移動経路を図示したものである。
図4】本発明の一実施例に係る燃料電池ホットボックスに流入した空気の移動経路を図示したものである。
図5】本発明の一実施例に係る燃料電池ホットボックスで発生した燃焼ガスの移動経路を図示したものである。
図6】本発明の一実施例に係る燃料電池ホットボックスを1/4だけ切り出した形状を図示した半断面図(a)と燃料、空気および燃焼ガスの移動経路(b)を図示したものである。
図7】本発明の一実施例に係る開閉装置と制御棒の概略的な構成を図示したものである。
図8】本発明の一実施例に係る上部チャンバー部と複数の燃料電池スタック部の配置形態を図示したものである。
図9】本発明の一実施例に係る燃料、空気および燃焼ガスの移動経路をフローチャートで示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下で説明する発明は多様な変更を加えることができ、多様な実施例を有することができるところ、特定実施例を図面に例示して詳細に説明する。しかし、これは以下で説明する発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、以下で説明する技術の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。
【0014】
本発明は一つの形態として、第1内部空間、第1流入口、第2流入口および流出口を具備するハウジング;前記第1内部空間の中央に位置し、第2内部空間、アフターバーナーおよび改質器を含む中央チャンバー部;前記第1内部空間で前記中央チャンバー部の中心から等距離に位置し、相互間に一定間隔で配列される複数個の燃料電池スタック部;および前記複数個の燃料電池スタック部と前記中央チャンバー部の間に備えられた空気-熱交換部;を含み、前記中央チャンバー部において、前記アフターバーナーは前記中央チャンバー部の垂直中心軸上の一側部に備えられ、前記改質器は垂直中心軸上の他側部に備えられている、燃料電池ホットボックスを提供する。
【0015】
本発明の一つの具現例として、前記第1流入口は前記改質器と連結され、前記第2流入口は前記空気-熱交換部と連結され、前記流出口は前記第2内部空間と連通するように備えられるものであり得る。
【0016】
本発明の一つの具現例として、前記改質器は中心を貫通する貫通ホールが形成され、前記貫通ホールを取り囲む折り曲げられた流路が積層された形態で形成されて流入する燃料が流れることができる。
【0017】
本発明の一つの具現例として、前記改質器は上部に開閉装置をさらに含むものであり得る。
【0018】
本発明の一つの具現例として、前記開閉装置は前記ハウジングの外部に突出する制御棒を具備するものであり得る。
【0019】
本発明の一つの具現例として、前記改質器は前記第1流入口と前記複数個の燃料電池スタック部の間を連結することができる。
【0020】
本発明の一つの具現例として、前記空気-熱交換部は折り曲げられた流路が積層されて備えられ、前記第2流入口と前記複数個の燃料電池スタック部の間を連結することができる。
【0021】
図1図9には本発明の一つの具現例に係る燃料電池ホットボックス10の構成が図示されている。以下、本発明の理解を助けるために添付された図面を参照して本発明をより詳細に説明する。しかし、下記の具現例は本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、下記の具現例によって本発明の内容が限定されるものではない。
【0022】
図1は、本発明の一つの具現例に係る燃料電池ホットボックス10の構成を概略的に図示したものである。図1を参照して説明すると、本発明に係る燃料電池ホットボックス10はハウジング100、中央チャンバー部200、燃料電池スタック部300、空気-熱交換部400を含む。
【0023】
前記ハウジング100は直方形の六面体状に形成され得る。しかし、これに限定されるものではなく、正方形の六面体、長方形の六面体、円柱などの多様な形状に形成され得る。図1および図2に図示された通り、前記ハウジング100には第1内部空間110、第1流入口120、第2流入口130および流出口140が形成され得る。前記ハウジング100の内側面には断熱層が形成され得る。前記断熱層は高温による損傷を防止できるように耐熱材料で形成され得る。
【0024】
一つの具体的な具現例として、前記第1流入口120、第2流入口130および流出口140は前記ハウジングの下面に段差ができることによって形成された流動チャンバー150に形成され得る。前記流動チャンバー150は前記第1流入口120および第2流入口130を通じて流入する流入ガスおよび空気が流出口140を通じて流出する燃焼ガスと熱交換できる空間であって、ハウジング100の下面の大きさより小さい大きさで円形、四角形などの多様な形態で形成され得る。
【0025】
前記第1内部空間110は前記ハウジング100の内部によって形成される空間であって、中央チャンバー部200、スタック部300および空気-熱交換部400が収容され、前記スタック部300を通過した未反応空気と未反応燃料がアフターバーナー220の流入口(図示されず)に移動できる空間を提供する。前記第1内部空間110は前記中央チャンバー部200、燃料電池スタック部300および空気-熱交換部400の形態と配置によって多様に形成され得る。これに制限されるものではないが、例えば、前記内部空間110は六面体の空間で形成され得る。
【0026】
前記第1流入口120は前記ハウジング100の下面に形成された流動チャンバー150に形成され得、前記ハウジング100の外部と連通するように前記改質器230の改質部232と連結される。前記第1流入口120は燃料電池に使われる燃料が流入するところであって、前記燃料は水素以外にもメタン、ガソリン、バイオガス、メタノール、エタノールなどであり得る。前記第1流入口120は燃料電池スタック部300の個数、容量および配置などに応じて複数個が備えられ得、この場合、第1流入口120はそれぞれその形態および大きさを異にして備えられ得る。前記第1流入口120には燃料を効果的に注入するための燃料供給装置が連結され得る。
【0027】
前記第2流入口130は前記ハウジング100の下面に形成された流動チャンバー150に形成され得、前記ハウジング100の外部と連通するように前記空気-熱交換部400と連結される。前記第2流入口130は燃料電池に使われる空気が流入する所である。前記第2流入口130は燃料電池スタック部の個数、容量に応じて複数個を備えられ得、この場合、第2流入口130は空気を効果的に注入するために空気供給装置とそれぞれ連結され得る。
【0028】
前記流出口140は前記ハウジング100の下面に形成された流動チャンバー150に形成され得、前記ハウジング100の外部と第2内部空間210および貫通ホール231と連通するように連結される。前記第2内部空間210は前記中央チャンバー部200の内部でアフターバーナー220および貫通ホール231が形成された改質器230を除いた空間であって、前記流出口140はアフターバーナー220で生成された燃焼ガスが第2内部空間210と貫通ホール231を通過してハウジング100の外部に排出されるように助ける。前記流出口140はスタック部300の個数、容量およびアフターバーナー220の容量に応じて複数個で備えられ得、この場合、流出口140は燃焼ガスを効果的に流出させるために燃焼ガス流出装置とそれぞれ連結され得る。前記第2流入口130および流出口140は前記流動チャンバー150で互いに隣接するように位置したり互いに反対側に位置したりし得る。
【0029】
一つの具体的な具現例として、図1および図2に図示した通り、前記複数個の流出口140は前記流動チャンバー150を中心に対向するように前記段差150の側面部に形成され得、第2流入口130は前記流出口140の方向と垂直をなす方向に前記流動チャンバー150の側面部に形成され得る。
【0030】
他の一つの具体的な具現例として、図3に図示した通り、前記第1流入口120は流動チャンバー150の下部面に形成され得る。前記第1流入口120に流入した燃料は改質器230を通過して燃料電池スタック部300に流入し、前記燃料電池スタック部300を通過した燃料はアフターバーナー220に流入して空気とともに燃焼する。
【0031】
さらに他の一つの具体的な具現例として、図4図6に図示した通り、前記複数個の第2流入口130はそれぞれ互いに前記流動チャンバー150を中心に対向するように形成され得、前記複数個の流出口140もそれぞれ互いに前記流動チャンバー150を中心に対向するように形成され得る。前記第2流入口130に流入した空気は空気-熱交換部400を通過して燃料電池スタック部300に流入し、前記燃料電池スタック部300を通過してアフターバーナー220に流入する。前記アフターバーナー220で燃料と空気が燃焼して燃焼ガスが生成されると、前記燃焼ガスは第2内部空間210に排出されて、一部は改質器230を通過後に流動チャンバー150を通って流出口140を通じてハウジング100の外部に流出し、残りの一部はそのまま流出口140を通じてハウジング100の外部に流出される。
【0032】
前記中央チャンバー部200は第1内部空間110の中央に位置し、前記中央チャンバー部200の周辺に複数個の燃料電池スタック部300が配置される。前記中央チャンバー部200は前記複数個の燃料電池スタック部300の容量、大きさおよび配列によって多様な形態および大きさで形成され得る。これに制限されるものではないが、例えば、前記中央チャンバー部200は円柱の形態で形成され得る。また、前記中央チャンバー部200はハウジング100に流入する空気と燃料を分離させて、空気は中央チャンバー部200の外部で予熱され、燃料は中央チャンバー部200の内部で予熱および改質される。前記予熱および改質された燃料は前記中央チャンバー部200で複数個の燃料電池スタック部300に移動する。すなわち、複数個の燃料電池スタック部300は前記中央チャンバー部200を共有し、改質された燃料を均等に分配することができる。このように複数個の燃料電池スタック部300が中央チャンバー部200を共有するため、燃料電池ホットボックス10の全体構成を簡素化することができる。また、前記中央チャンバー部200は空気-熱交換部400と熱交換する。これに制限されるものではないが、前記中央チャンバー部200の側面部は空気-熱交換部400との熱交換のために、熱伝導度が高く耐熱性である金属などが含まれた材料で構成され得る。また、前記中央チャンバー部200は第1流入口120および流出口140と連通して連結される。したがって、ハウジング100に流入した燃料は第1流入口120を通じて中央チャンバー部200の内部の改質器230に流入することができ、中央チャンバー部200で生成された燃焼ガスは流出口140を通じてハウジング100の外部に流出され得る。中央チャンバー部200は第2内部空間210、アフターバーナー220および改質器230を一つの空間に含んでいるため、アフターバーナー220で発生した燃焼ガスの熱を改質器230で燃料の予熱および改質を促進するのに利用することができる。
【0033】
前記第2内部空間210は中央チャンバー部200の内部でアフターバーナー220および改質器230を除いた空間であって、燃料電池が運転中にはアフターバーナー220で排出した高温の燃焼ガスで満たされる。したがって、前記第2内部空間210の燃焼ガスは中央チャンバー部200の側面壁を通じて空気-熱交換部400と熱交換することができ、改質器230とも熱交換することができる。前述した通り、前記第2内部空間210は燃焼ガスをハウジング100の外部に排出できるように流出口140と連通して連結され得る。
【0034】
図5は、本発明の一つの具体的な具現例に係る燃料電池ホットボックスの概略的な構成およびアフターバーナー220で発生した燃焼ガスの移動経路を図示したものであり、図5を参照して説明すると、前記アフターバーナー220は前記中央チャンバー部200の垂直中心軸上の一側部に備えられ得、前記改質器は垂直中心軸上の他側部に備えられ得る。これに制限されるものではないが、前記アフターバーナー220は中央チャンバー部200の垂直中心軸上の一側部である上部に備えられ得る。前記アフターバーナー220の側面部は前記複数個のスタック部300と第1内部空間110を通じて連通しており、前記燃料電池スタック部300を通過した未反応空気は前記第1内部空間110を通じて前記アフターバーナー220の側面部に流入する。前記燃料電池スタック部300を通過した未反応燃料は、前記燃料電池スタック部300の上部とアフターバーナー220の側面部を連結するダクトを通じてアフターバーナー220の内部に流入する。この場合、未反応燃料および空気では燃料電池スタック部300で発生した多量のCOとHOによって燃料成分の濃度が低いため、一般的な燃焼方式では完全燃焼が難しい場合がある。これを解決するためにPt、Irなどの貴金属の燃焼触媒を使って燃料の完全燃焼を促進することができる。流入した燃料および空気はアフターバーナー220の内部で燃焼しながら高温の燃焼ガスが生成される。生成された高温の燃焼ガスは第2内部空間210に排出して燃料の予熱および改質と空気の予熱を促進後、ハウジングの流出口140を通じてハウジング100の外部に排出される。前記アフターバーナー220は生成された高温の燃焼ガスを第2内部空間210に排出を誘導するための装置を具備することができる。
【0035】
前記改質器230は前記中央チャンバー部200の垂直中心軸上の他側部に備えられ得、これに制限されるものではないが、中央チャンバー部200の垂直中心軸上の下部に備えられ得、前記中央チャンバー部200の内部の側面壁と一定距離離隔して備えられている。前記中央チャンバー部200の上部に備えられたアフターバーナー220で発生する高温の燃焼ガスを利用して、別途の追加的なエネルギーを供給することなくハウジング100の外部から流入する燃料を予熱および改質させることができるため、システムの全体効率を上げることができる。前記改質器230は貫通ホール231、改質部232および燃料-熱交換部233を含むことができる。
【0036】
前記貫通ホール231は前記改質器230の上部面から下部面まで中央部を貫通する孔であって、前記第2内部空間210と前記流動チャンバー150の内部空間を連通して連結する。前記貫通ホール231はアフターバーナー220で排出される燃焼ガスが前記貫通ホール231を通過しながら改質部232と接触するようにする。前記貫通ホール231に流入した燃焼ガスは改質部232の燃料を改質に必要な温度となるように昇温させる。
【0037】
前記改質部232は第1流入口120を通じて流入した燃料を改質させる空間であって、前記貫通ホール231を取り囲み、折り曲げられた流路が繰り返し積層された形態で形成されている。このような形態は燃料の移動経路を長くして残留時間を増加させるため、前記貫通ホール231に流入した燃焼ガスと改質部232に流入した燃料の間で十分に熱交換することができ、改質を促進することができる。前記改質部232は燃料の改質だけでなく燃料の予熱もすることができる。前記改質部232はハウジング100の第1流入口120と燃料-熱交換部233の間が連通するように連結する。改質部232の内部には燃料の改質反応を促進させる改質触媒を使うことができる。前記改質触媒はNi、Rh、Ru、Ptなどがある。前記改質部232は連通した第1流入口と燃料-熱交換部233を除いて密封させることが好ましく、熱伝導度が高く耐熱性である金属が含まれた素材を含むことができる。
【0038】
前記燃料-熱交換部233は、改質部232を通過した燃料を改質器230と中央チャンバー部200の内部の側面壁の間の第2内部空間210の高温の燃焼ガスを利用して昇温させるためのものである。前記燃料-熱交換部233は前記改質部232を取り囲むように形成され、前記改質部232と互いに連結され、燃料が前記改質部232を通過して前記燃料-熱交換部233まで流れるようにする。前記燃料-熱交換部233は折り曲げられた流路が繰り返し積層された形態で形成されている。このような形態は燃料の移動経路を長くして残留時間を増加させるため、前記第2内部空間210に流入した高温の燃焼ガスと燃料-熱交換部233に流入した燃料の間に十分に熱交換が行われ得るようにする。前記改質器230と中央チャンバー部200の内部の側面壁の間の第2内部空間210は、流出口140と連通して燃焼ガスをハウジング100の外部に排出できるようにする。前記燃料-熱交換部233は熱伝導度が高く耐熱性である金属素材で構成され得る。前記燃料-熱交換部233は前記改質部232と連続的に連結されているため、燃料も改質させることができる。また、燃料-熱交換部233を通過した改質された燃料は、燃料電池スタック部300に流入するまで前記燃料電池スタック部300および燃焼ガスと熱交換することができる。
【0039】
一方、図7は本発明の一つの具体的な具現例に係る開閉装置240および制御棒250を図示したものであり、図7を参照して説明すると、改質器230は上部に開閉装置240をさらに含むことができる。前記開閉装置240は機械的な方法で開閉の程度を調節できるものであって、アフターバーナー220で排出される燃焼ガスを、前記改質器230と中央チャンバー200の内部の側面壁と前記改質器230との間の第2内部空間210に流量を分配することができる。したがって、前記開閉装置240は開閉の程度を通じて改質器230の貫通ホール231に流入する燃焼ガスの流量を連続的に調節することができるため、前記改質器230と第2内部空間に分配される燃焼ガスの比率を任意に調節することができる。また、燃料電池が過熱した場合、開閉装置240を完全に閉鎖して燃料の改質を止めて温度を低くしたり、燃料電池スタック部で生産される電力が低い場合、開閉装置240を完全に開放して燃料の改質を促進するなど、運転状態に応じて柔軟に燃料の改質率を調節できるようにする。
【0040】
また、前記開閉装置240は開閉の程度をハウジングの外部で調節できる制御棒250を具備することができる。前記制御棒250は開閉装置240に備えられてハウジング100の外部に突出している。前記制御棒250の操作によって開閉装置240の開閉の程度を調節することができる。
【0041】
一つの具体的な具現例として、前記制御棒250はハウジング100の外部に突出した部分を前記ハウジング100の上部面に垂直な方向にスライドさせる方式であり得る。前記制御棒250を押圧すると前記突出した部分が前記ハウジング100の内部に挿入される位置によって開閉装置240の開閉の程度を調節するようにすることができる。
【0042】
他の一つの具体的な具現例として、前記制御棒250はハウジング100の上部面に垂直な軸を中心に回転する方式であり得る。前記制御棒250が回転する程度によって開閉装置240の開閉の程度を調節するようにすることができる。
【0043】
さらに他の一つの具体的な具現例として、前記開閉装置240は絞り方式であり得る。前記絞りはスライド可能な複数個の絞り翼で構成され、前記制御棒250の調節の程度に応じて複数個の絞り翼がスライドされながら開閉装置240の中央から開かれるようにして、開閉装置240の開閉の程度を調節するようにすることができる。
【0044】
さらに他の一つの具体的な具現例として、前記開閉装置240はガイドベイン方式であり得る。前記ガイドベインは回転可能な複数個の翼で構成され、前記制御棒250の調節の程度に応じて複数個の翼がそれぞれ回転して前記開閉装置240が開かれるようにして、開閉装置240の開閉の程度を調節するようにすることができる。
【0045】
さらに他の一つの具体的な具現例として、前記開閉装置240はビーナスボックス方式であり得る。前記ビーナスボックスは半球状の面に沿って横方向にスライド可能な複数個の蓋と縦方向にスライド可能な複数個の蓋で構成され、前記制御棒250の調節の程度に応じて複数個の蓋それぞれが半球状の面に沿って横方向および縦方向にスライドされながら開閉装置240が開かれるようにして、開閉装置240の開閉の程度を調節するようにすることができる。
【0046】
一方、前記制御棒250はハウジング100の外部に突出しているため前記第2内部空間210にある燃焼ガスがハウジング100の外部に漏れる恐れがある。したがって、前記制御棒250は燃焼ガスの漏出を最小化するように耐熱性シーリング部材を具備してハウジングを密閉することができる。
【0047】
図8は、本発明の一つの具体的な具現例に係る燃料電池ホットボックスの概略的な構成と上部チャンバー部200と複数の燃料電池スタック部300の配置を図示したものである。図8を参照して説明すると、前記第1内部空間110に収容される燃料電池スタック部300の数は燃料電池ホットボックス10に要求される性能条件に応じて適切に選択され得、収容される位置も設計条件に応じて適切に選択され得る。例えば、燃料電池スタック部300が複数個である場合、中央チャンバー部200を中心に等距離に位置し、相互間に一定間隔で離隔するように配列されて収容され得る。前記燃料電池スタック部300で反応が起きると多くの熱が発生するところ、複数個の燃料電池スタック部300を収容する場合、各燃料電池スタック部300は互いに離隔するように配列することが好ましい。また、前記燃料電池スタック部300の空気流入部がある前面部に垂直な軸と前記燃料電池スタック部300と隣接する他の燃料電池スタック部300の前面部に垂直な軸がなす角は、各燃料電池スタック部300すべてに一定であるように配列することができる。
【0048】
一つの具体的な具現例として、前記第1内部空間110には前記燃料電池スタック部300の収容位置を案内するガイド部材と第1内部空間110に燃料電池スタック部300を固定するように前記ハウジング100の内側面から延びる固定部材が備えられ得る。また、燃料電池スタック部300とハウジングが接触する内側面には外部振動および衝撃を吸収できる緩衝部材が備えられ得る。
【0049】
他の一つの具体的な具現例として、前記複数個の燃料電池スタック部300は多様な形態で形成され得る。これに制限されるものではないが、例えば、前記燃料電池スタック部300それぞれは正方形の六面体で形成され得る。
【0050】
一方、前記燃料電池スタック部300は空気極と燃料極からなるセルを複数個積層結合したものである。本発明に係る燃料電池スタック部300は通常の燃料電池に使われるスタックであるため、この細部的な構造に対する説明は省略することにする。
【0051】
空気-熱交換部400はハウジング100の第2流入口130と複数のスタック部300の間で流路を形成して連通しており、前記空気-熱交換部400は前記複数のスタック部300と中央チャンバー部200の間に位置して折り曲げられた流路が繰り返し積層された形態を形成することができる。このような空気-熱交換部400の形態は、前記複数の燃料電池スタック部300と高温である中央チャンバー部200との熱交換面積を増加させて効果的に熱交換できるようにする。また、前記空気-熱交換部400は高温である複数のスタック部300を効果的に冷却させることができるため、燃料電池の核心部である複数のスタック部300の耐久性および寿命の増加効果をもたらす。また、空気-熱交換部400を通過した空気は前記複数の燃料電池スタック部300に流入するまで前記複数の燃料電池スタック部300と熱交換することができる。
【0052】
図9は、本発明の一実施例に係る燃料、空気および燃焼ガスの移動経路をフローチャートで示したものである。図9を参照して説明すると、空気が空気供給装置によって燃料電池ホットボックス外部の熱交換器を通じて一次的に予熱後、第2流入口130を通じて流動チャンバー150に流入するとアフターバーナー220で排出された高温の燃焼ガスの熱によって2次的に予熱される。その後、空気-熱交換部を通過しながら高温の燃料電池スタック部の熱と高温の燃焼ガス熱によって3次的に予熱されて燃料電池スタック部300に流入する。燃料は燃料供給装置によって燃料電池ホットボックス外部の熱交換器を通じて一次的に予熱後、第1流入口120を通じて流動チャンバー150に流入するとアフターバーナー220で排出された燃焼ガスの熱によって2次的に予熱される。その後、改質器230の改質部232と燃料-熱交換部233を通りながら高温の燃焼ガスの熱によって3次的に予熱され得る。この時、燃料は改質も共に進行されて燃料電池スタック部300で活用可能な資源となる。前記燃料電池スタック部300に流入した空気と改質された燃料は互いに反応して水、電気および熱を生産し、未反応空気と未反応燃料は前記燃料電池スタック部300を通過してアフターバーナー220に流入する。流入した未反応空気と未反応燃料は燃焼反応を経て高温の燃焼ガスを生成し、前記高温の燃焼ガスは改質器230とその周辺部に分配されて燃料と空気を予熱し、その後流動チャンバー150を通って流出口140に流出するまで燃料と空気を予熱する。このようにアフターバーナーの燃焼ガスをそのままハウジング100の外部に排出せずに燃焼ガスの熱を利用して数回空気と燃料を予熱するため、全体システムの効率を向上させることができる。
【0053】
以上、実施例を通じて本技術を説明したが、本技術はこれに制限されるものではない。前記実施例は本技術の趣旨および範囲を逸脱することなく修正または変更され得、本技術分野の通常の技術者はこのような修正と変更も本技術に属するものであることが分かるであろう。
【符号の説明】
【0054】
10:燃料電池ホットボックス
100:ハウジング
110:第1内部空間
120:第1流入口
130:第2流入口
140:流出口
150:流動チャンバー
200:中央チャンバー部
210:第2内部空間
220:アフターバーナー
230:改質器
231:貫通ホール
232:改質部
233:燃料-熱交換部
240:開閉装置
250:制御棒
300:燃料電池スタック部
400:空気-熱交換部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9