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特開2022-23053抗IL12及び/又は-23抗体の増加した間隔投与による乾癬の処置
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  • 特開-抗IL12及び/又は-23抗体の増加した間隔投与による乾癬の処置 図1
  • 特開-抗IL12及び/又は-23抗体の増加した間隔投与による乾癬の処置 図2
  • 特開-抗IL12及び/又は-23抗体の増加した間隔投与による乾癬の処置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022023053
(43)【公開日】2022-02-07
(54)【発明の名称】抗IL12及び/又は-23抗体の増加した間隔投与による乾癬の処置
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20220131BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20220131BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20220131BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20220131BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20220131BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20220131BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220131BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20220131BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20220131BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20220131BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20220131BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220131BHJP
   C07K 16/24 20060101ALN20220131BHJP
【FI】
A61K39/395 N
A61P17/06 ZNA
A61P19/02
A61P17/00
A61P17/02
A61P1/04
A61K39/395 U
A61K45/00
A61K39/395 M
A61K9/08
A61K47/18
A61K47/10
A61K47/26
A61P25/00
C07K16/24
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021153624
(22)【出願日】2021-09-21
(62)【分割の表示】P 2018551440の分割
【原出願日】2017-03-28
(31)【優先権主張番号】62/314,697
(32)【優先日】2016-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】509087759
【氏名又は名称】ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149010
【弁理士】
【氏名又は名称】星川 亮
(72)【発明者】
【氏名】シュヴリエ,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ファラヒ,カムヤー
(72)【発明者】
【氏名】イールディング,ニューマン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB13
4C076BB15
4C076BB16
4C076CC01
4C076CC09
4C076CC18
4C076DD09
4C076DD51
4C076DD67
4C076EE23
4C076FF11
4C076FF36
4C076FF43
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZA661
4C084ZA891
4C084ZA961
4C084ZB082
4C084ZB112
4C084ZC412
4C084ZC751
4C085AA14
4C085BB11
4C085EE01
4C085GG02
4C085GG04
4H045AA11
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】      (修正有)
【課題】増加する投与間隔を使用して患者におけるIL-12/23関連疾患を治療する方法を提供する。
【解決手段】方法は、患者へのIL-12/IL-23抗体の投与間隔を増加させることであって、抗体が、最初に投与され、かつ4週間後、16週間後、及び28週間後に投与される、増加させることと、28週間後に、投与間隔を、例えば、16、20、又は24週間に1回の増加した間隔に増加させることと、を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投与又は維持間隔の増加を使用して患者におけるIL-12/23関連疾患を処置する
方法であって、IL-12、IL-23、又はIL-12及びIL-23の両方に対する
抗体を前記患者に投与することと(ここで、前記抗体が、初回量、前記初回量の4週間後
、及び前記初回量の投与後24週間の間12週間に1回投与される)、前記初回量の投与
28週間後に、前記投与間隔を、12週間超に1回の投与間隔に増加させることと、を含
む、方法。
【請求項2】
前記投与間隔を増加させる前記ステップの前に、前記患者が前記抗体に対する応答者で
あることを確認することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記患者が前記抗体に対する応答者であることを確認する前記ステップが、測定して、
前記患者が、PASI 75又はPGA0若しくは1のスコアを有することを確認するこ
とを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
投与される前記抗体が、IL-12及びIL-23に対する抗体である、請求項1に記
載の方法。
【請求項5】
投与される前記抗体が、ウステキヌマブ、グセルクマブ、ブリアキヌマブ、チルドラキ
ズマブ、及びBI 655066からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記患者に投与されるIL-12及びIL-23に対する前記抗体が、ウステキヌマブ
である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
投与されるIL-12及びIL-23に対する前記抗体が、それぞれ、配列番号7及び
8の重鎖及び軽鎖アミノ酸配列を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記IL-12/23関連疾患が、乾癬、乾癬性関節炎、狼瘡、クローン病、潰瘍性大
腸炎、サルコイドーシス、体軸性脊椎関節炎(nrAxSpA)、及び強直性脊椎炎(A
S)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
IL-12/23p40関連疾患が、乾癬である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記初回量の投与の28週間後に前記投与間隔を増加させる前記ステップが、16週間
~2年の増加した間隔で、前記患者に前記抗体を投与することを含む、請求項1に記載の
方法。
【請求項11】
抗体処置に対する前記患者の応答性が、前記初回量の投与の28週間後に測定され、前
記患者がPASI 75又はPGA0若しくは1のスコアを有する場合、前記投与間隔が
増加される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記初回量の投与の28週間後に前記投与間隔を増加させる前記ステップが、16週間
に1回、20週間に1回、及び24週間に1回からなる群から選択される増加した間隔で
、前記患者に前記抗体を投与することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
28週間後に前記投与間隔を増加させる前記ステップが、24週間に1回の増加した間
隔で、前記患者に前記抗体を投与することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記抗体が、25mg~200mgの用量で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記抗体が、45mg又は90mgの用量で投与される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記患者が、免疫原性のリスクの増加を示さない、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記IL-12/23関連疾患を処置するために使用される1つ以上の追加の薬物を前
記患者に投与することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記追加の薬物が、免疫抑制薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、メトトレキ
サート(MTX)、抗B細胞表面マーカー抗体、抗CD20抗体、リツキシマブ、TNF
インヒビター、コルチコステロイド、及び共刺激調節剤からなる群から選択される、請求
項17に記載の方法。
【請求項19】
増加する投与間隔を使用して患者における乾癬を処置する方法であって、配列番号7及
び8のそれぞれ重鎖及び軽鎖アミノ酸配列を含む、IL-12及びIL-23に対する抗
体を、初回量、前記初回量の投与4週間後、前記4週用量の投与後24週間の間、12週
間に1回の投与間隔で、前記患者に投与することと、前記初回量の投与の28週間後に前
記投与間隔を増加させることと、を含み、前記用量が45mg又は90mgである、方法
【請求項20】
前記患者が、初期処置の28週間後に、PASI75、PASI90、又はPGA 0
若しくは1のスコアを有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記患者が、初期処置の52週間後に、PASI75、PASI90、又はPGA 0
若しくは1のスコアを有する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記患者が、初期処置の108、112、及び/又は116週間後に、PASI75、
PASI90、又はPGA 0若しくは1のスコアを有する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記抗体が、配列番号7の重鎖可変領域アミノ酸配列と、配列番号8の軽鎖可変領域ア
ミノ酸配列と、を含み、1mlの医薬組成物当たり約0.53mgのL-ヒスチジン、1
mlの医薬組成物当たり約1.37mgのL-ヒスチジン一塩酸塩一水和物、1mlの医
薬組成物当たり約0.04mgのポリソルベート80、及び1mlの医薬組成物当たり約
76mgのショ糖を含み、希釈剤が、標準状態の水である、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記抗体が、配列番号1、配列番号2、及び配列番号3の重鎖CDRアミノ酸配列と、
配列番号4、配列番号5、及び配列番号6の軽鎖CDRアミノ酸配列と、を含み、1ml
の医薬組成物当たり約0.53mgのL-ヒスチジン、1mlの医薬組成物当たり約1.
37mgのL-ヒスチジン一塩酸塩一水和物、1mlの医薬組成物当たり約0.04mg
のポリソルベート80、及び1mlの医薬組成物当たり約76mgのショ糖を含み、希釈
剤が、標準状態の水である、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記抗体が、配列番号9の残基1~88でIL-12/23p40サブユニットに結合
し、1mlの医薬組成物当たり約0.53mgのL-ヒスチジン、1mlの医薬組成物当
たり約1.37mgのL-ヒスチジン一塩酸塩一水和物、1mlの医薬組成物当たり約0
.04mgのポリソルベート80、及び1mlの医薬組成物当たり約76mgのショ糖を
含み、希釈剤が、標準状態の水である、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の投与レジメンを使用するヒトIL-12及び/又はヒトIL-23タ
ンパク質に結合する抗体でIL-12/23関連疾患を処置するための方法に関する。特
に、IL-12/23関連疾患を有する患者への投与に安全かつ有効である、皮下投与さ
れる抗IL-12/23p40抗体、及び抗体の特異的医薬組成物、例えば、ウステキヌ
マブのための増加した投与(又は維持)間隔の特定に関する。
【背景技術】
【0002】
インターロイキン(Interleukin、IL)-12は、2つのジスルフィド結合グリコシ
ル化タンパク質サブユニット(それらのおおよその分子量のためにp35及びp40と表
記される)から構成される、分泌されるヘテロ二量体サイトカインである。IL-12は
主に抗原提示細胞によって産生され、T細胞又はナチュラルキラー(natural killer、N
K)細胞の表面上に発現される2鎖受容体複合体に結合することによって細胞性免疫を促
進する。IL-12受容体β-1(IL-12Rβ1)鎖は、IL-12のp40サブユ
ニットに結合し、IL-12とその受容体との間の一次相互作用をもたらす。しかしなが
ら、細胞内シグナル伝達(例えば、STAT4リン酸化)及び受容体保有細胞の活性化を
付与するのは、第2のレセプター鎖IL-12Rβ2のIL-12p35ライゲーション
である(Preskyら(1996年))。抗原提示と並行するIL-12シグナル伝達
は、インターフェロンγ(IFNγ)産生を特徴とするTヘルパー1(Th1)表現型に
向けてT細胞分化を引き起こすと考えられる(Trinchieri(2003年))。
Th1細胞は、いくつかの細胞内病原体に対する免疫を促進し、補結抗体アイソタイプを
生成し、腫瘍免疫監視に寄与すると考えられる。これにより、IL-12は、宿主防御免
疫機構にとって重要な構成要素であると考えられる。
【0003】
IL-12のp40タンパク質サブユニットはまた、p19と表記される別個のタンパ
ク質サブユニットと会合して、新たなサイトカインIL-23を形成し得ることが発見さ
れた(Oppmanら(2000年))。IL-23も2鎖受容体複合体を通してシグナ
ル伝達する。p40サブユニットは、IL-12とIL-23との間で共有されるため、
IL-12Rβ1鎖はIL-12とIL-23との間でも共有される。しかしながら、I
L-23特異的細胞内シグナル伝達(例えば、STAT3リン酸化)及びその後のT細胞
によるIL-17産生を付与するのは、IL-23受容体複合体IL-23Rの第2の構
成要素のIL-23p19ライゲーショである(Parhamら(2002年)、Agg
arwalら(2003年))。研究は、IL-23の生物学的機能とIL-12の生物
学的機能は、これら2つのサイトカイン間の構造的類似性にもかかわらず、異なることを
示した(Langrishら(2005年))。
【0004】
抗体によるIL-12の中和が、乾癬、多発性硬化症(multiple sclerosis、MS)、
関節リウマチ、炎症性腸疾患、インスリン依存性(1型)真性糖尿病、及びブドウ膜炎の
動物モデルの処置において有効であるため、IL-12及びTh1細胞集団の異常な制御
は、多くの免疫媒介性疾患に関連付けられた(Leonardら(1995年)、Hon
gら(1999年)、Malfaitら(1998年)、Davidsonら(1998
年))。しかしながら、これらの研究は共有p40サブユニットを標的としたため、IL
-12及びIL-23の両方がインビボで中和された。従って、IL-12又はIL-2
3が疾患を媒介していたかどうか、あるいは疾患の抑制を達成するために、両サイトカイ
ンが阻害される必要があるかは明らかではない。更なる研究は、IL-23阻害が抗IL
-12p40戦略と同等の利益を提供し得ることを、IL-23p19欠損マウス又はI
L-23の特異的抗体中和により確認した(Cuaら(2003年)、Murphyら(
2003年)、Bensonら(2004年))。従って、免疫媒介性疾患におけるIL
-12及びIL-23の役割についての証拠がある。
【0005】
乾癬は、乾癬性関節炎(psoriatic arthritis、PsA)、うつ病、心血管疾患、高血
圧、肥満、糖尿病、代謝症候群、及びクローン病などの重大な共存症を伴う慢性免疫媒介
性皮膚障害である。尋常性乾癬は、この疾患の最も一般的な形態であり、白銀色の鱗屑で
覆われた境界が明確な紅斑性病変を示す。斑は、掻痒性、有痛であり、また外観を損なう
ことが多く、かなりの割合の乾癬患者が手/爪、顔、足、及び生殖器上に斑を有する。こ
のように、乾癬は、身体的皮膚症状を超え、日常生活に支障をきたす身体的及び心理社会
的負担を与える場合がある。例えば、乾癬は、家族、配偶者、社会、及び仕事関係にマイ
ナスの影響を与え、高いうつ病の発生率及び自殺傾向の増加に関連付けられている。
【0006】
乾癬病変の組織学的特徴付けにより、異常なケラチノサイト増殖及び分化に起因する表
皮の肥厚、並びにCD3+Tリンパ球及び樹状細胞の皮膚浸潤及び共局在化が明らかにさ
れている。乾癬の疫学は十分に定義されていないが、遺伝子及びタンパク質分析は、IL
-12、IL-23、及びそれらの下流分子が乾癬病変において過剰発現され、一部は乾
癬疾患の重症性と相関し得ることを示した。乾癬の処置に使用されるいくつかの療法は、
それらの有効性に寄与すると推測されるIL-12及びIL-23のレベルを調節する。
Th1及びTh17細胞は、血管拡張因子、化学誘因物質の産生、及び内皮細胞上の接着
分子の発現を誘導するエフェクターサイトカインを産生し得、そしてこれが今度は、単球
及び好中球の動員、T細胞浸潤、血管新生、並びにケラチノサイトの活性化及び過形成を
促進する。活性化ケラチノサイトは、好中球、単球、T細胞、及び樹状細胞輸送を促進す
る化学誘引物質因子を産生することができ、従って、炎症及びケラチノサイト過剰増殖の
周期が確立される。
【0007】
中度から重度の尋常性乾癬の処置におけるIL-12/23抗体ウステキヌマブの3つ
の第3相臨床研究の結果が公開されている。0及び4週目、次いで12週間に1回皮下注
射により投与されたウステキヌマブは、乾癬の検証された有効性ツールである乾癬領域及
び重症度指数(Psoriasis Area and Severity Index)によって評価したとき、迅速かつ
持続的な臨床応答を示した。ウステキヌマブとTNF拮抗薬エタネルセプトとを比較した
第3相研究は、ウステキヌマブの有効性が、中度から重度の乾癬を有する患者において、
12週間の期間にわたってエタネルセプトよりも優れていることを示した。2つの第3相
臨床研究のPhoenixI及びPhoenixIIにおいて、ウステキヌマブは、およ
そ3週間の半減期を呈した。ウステキヌマブに対する免疫応答率は、3~5%の範囲であ
った。加えて、報告された有害事象は比較的軽度であり、この事象の大部分は、鼻咽頭炎
及び上気道感染などの軽度な感染に対する感受性を含む。12週間の治療にわたるプラシ
ーボ処置患者と比較したとき、ウステキヌマブ処置患者における感染率は高くなく、また
、より低いウステキヌマブ用量に対して高いウステキヌマブ用量に関連して増加しなかっ
た。また、重篤な感染症、心血管事象、注射部位反応、及び悪性腫瘍の割合は低かった。
まとめると、乾癬におけるウステキヌマブの臨床観測結果は、そのファースト・イン・ク
ラスの地位を支持し、乾癬病因におけるIL-12及び/又はIL-23の基本的な役割
を確認した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様において、本発明は、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗体、例えば、
抗IL-12/23p40(IL-12/23p40)抗体を患者に皮下投与することを
含む、患者におけるIL-12/23関連疾患の処置方法に関し、この抗IL-12/2
3p40抗体は、初回量、用量の4週間後、及び12週間に1回の投与間隔で投与され、
その間隔(維持間隔)は、初回量の28週間後に増加される。増加した投与間隔は、設定
された間隔であるか、又は患者が、例えば、乾癬における抗体治療の中止後、若しくはそ
の投与の増加した間隔後に疾患状態の再出現を経験するとき、PGA及び/又はPASI
スコアの変化に基づいてカスタマイズされ得る。一実施形態では、28週間後、投与間隔
は、45mg又は90mgの用量で、12週間に1回から16、20、又は24週間に1
回に増加される。
【0009】
一実施形態では、IL-12/23関連疾患は、乾癬、乾癬性関節炎、狼瘡、糖尿病、
クローン病、潰瘍性大腸炎及び他の炎症性腸疾患、サルコイドーシス、強直性脊椎炎(an
kylosing spondylitis、AS)、並びに体軸性脊椎関節炎(axial spondyloarthritis、
nrAxSpA)からなる群から選択される。好ましい実施形態では、IL-12/23
関連疾患は、乾癬である。別の実施形態では、IL-12/23関連疾患は、乾癬性関節
炎である。
【0010】
本発明はまた、抗IL-12/23p40抗体ウステキヌマブ(Stelara(登録
商標))を患者に皮下投与することを含む、患者における乾癬の処置方法に関し、ウステ
キヌマブは、最初に、初回量の4週間後、初回量後28週まで12週間に1回の投与間隔
で投与され、次いで、16、20、又は24週間に1回投与される。
【0011】
加えて、本発明の方法に使用される組成物は、約1.0μg/ml~約1000mg/
mlの量、具体的には45mg又は90mgの用量の抗IL-12/23p40抗体を含
む医薬組成物を含む。好ましい実施形態では、抗IL-12/23p40抗体は、ウステ
キヌマブ(Stelara(登録商標))である。別の実施形態では、医薬組成物は、配
列番号9の残基1~88を含むペプチド鎖に結合する単離された抗IL-12/IL-2
3p40抗体、1mlの医薬組成物当たり約0.27~約0.80mgのL-ヒスチジン
、1mlの医薬組成物当たり約0.69~約2.1mgのL-ヒスチジン一塩酸塩一水和
物、1mlの医薬組成物当たり約0.02~約0.06mgのポリソルベート80、及び
1mlの医薬組成物当たり約65~約87mgのショ糖を含み、希釈剤は、標準状態の水
である。
【0012】
本発明の別の態様では、医薬組成物は、(i)配列番号1、配列番号2、及び配列番号
3の重鎖CDRアミノ酸配列と、(ii)配列番号4、配列番号5、及び配列番号6の軽
鎖CDRアミノ酸配列とを有する、単離された抗IL-12/IL-23p40抗体、1
mlの医薬組成物当たり約0.27~約0.80mgのL-ヒスチジン、1mlの医薬組
成物当たり約0.69~約2.1mgのL-ヒスチジン一塩酸塩一水和物、1mlの医薬
組成物当たり約0.02~約0.06mgのポリソルベート80、及び1mlの医薬組成
物当たり約65~約87mgのショ糖を含み、希釈剤は、標準状態の水である。
【0013】
本発明の方法の別の態様は、医薬組成物を投与することを含み、この医薬組成物は、配
列番号7の重鎖可変領域アミノ酸配列と、配列番号8の軽鎖可変領域アミノ酸配列とを有
する単離された抗IL-12/IL-23p40抗体、1mlの医薬組成物当たり約0.
27~約0.80mgのL-ヒスチジン、1mlの医薬組成物当たり約0.69~約2.
1mgのL-ヒスチジン一塩酸塩一水和物、1mlの医薬組成物当たり約0.02~約0
.06mgのポリソルベート80、及び1mlの医薬組成物当たり約65~約87mgの
ショ糖を含み、希釈剤は、標準状態の水である。
【0014】
本方法の別の態様は、医薬組成物を投与することであり、この医薬組成物は、(i)配
列番号1、配列番号2、及び配列番号3の重鎖CDRアミノ酸配列と、(ii)配列番号
4、配列番号5、及び配列番号6の軽鎖CDRアミノ酸配列とを有する、単離された抗I
L-12/IL-23p40抗体、1mlの医薬組成物当たり約0.53mgのL-ヒス
チジン、1mlの医薬組成物当たり約1.37mgのL-ヒスチジン一塩酸塩一水和物、
1mlの医薬組成物当たり約0.04mgのポリソルベート80、及び1mlの医薬組成
物当たり約76mgのショ糖を含み、希釈剤は、標準状態の水である。
【0015】
本方法の更なる態様は、医薬組成物を投与することであり、この医薬組成物は、配列番
号7の重鎖可変領域アミノ酸配列と、配列番号8の軽鎖可変領域アミノ酸配列とを有する
単離された抗IL-12/IL-23p40抗体であって、この単離された抗体が、配列
番号9の残基1~88を含むペプチド鎖に結合する、抗体、1mlの医薬組成物当たり約
0.53mgのL-ヒスチジン、1mlの医薬組成物当たり約1.37mgのL-ヒスチ
ジン一塩酸塩一水和物、1mlの医薬組成物当たり約0.04mgのポリソルベート80
、及び1mlの医薬組成物当たり約76mgのショ糖を含み、希釈剤は、標準状態の水で
ある。
【0016】
本方法の別の態様では、医薬組成物を投与することであり、この医薬組成物は、所望に
より配列番号9の残基1~88で、上述の抗体との結合に関して競合する結合化合物、1
mlの医薬組成物当たり約0.27~約0.80mgのL-ヒスチジン、1mlの医薬組
成物当たり約0.69~約2.1mgのL-ヒスチジン一塩酸塩一水和物、1mlの医薬
組成物当たり約0.02~約0.06mgのポリソルベート80、及び1mlの医薬組成
物当たり約65~約87mgのショ糖を含み、希釈剤は、標準状態の水である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】リボン表示のIL-12/p40Fabの結合複合体の分子構造を示す。
図2】表面及びリボン表示の分子表面に表示されるp40 mAb結合部位(エピトープ)を示す。D1ドメイン及びFvは、明確にするために複合体構造から単離されている。p40のD1ドメインに関して、分子表面を示す。FabのFv部分はリボンで示される。左側のパネル:抗体結合部位、すなわち、エピトープに沿った図。中央パネル:左側のパネルの図から約90°の図。右側のパネル:エピトープの残りのリボン表示。
図3】様々なp40単一突然変異体に結合したIL-12p40抗体のELISA評価の結果を示す。
図4】p40 mAbの異なるp40ムテインに対する相対的結合親和性を示す。
図5】4週間のスクリーニング期間、0週目~28週目の非盲検導入期間、28週目~104週目の二重盲検処置期間、116までの処置後期間、及び124週目の電話による連絡を介した、又は現地訪問の安全性フォローアップを伴う、第3b相ランダム化、二重盲検、実処置制御、多施設共同研究におけるウステキヌマブの研究スキーマを示す。
図6】研究CNTO1275PSO3009における訪問により、28週目~112週目に消失(0)又は最小(1)のPGAスコアを達成した被験体のパーセントを示す。
図7】研究CNTO1275PSO3009における訪問により、28週目~112週目にPASI 75応答を達成した被験体のパーセントを示す。
図8】28週目~から112週目の経時的な消失(0)のPGA応答を示す。
図9】研究CNTO1275PSO3009における訪問により、28週目~112週目にPASI 90応答を達成した被験者のパーセントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書で使用するとき、乾癬の処置方法は、単離された、組換え及び/又は合成抗I
L-12、IL-23、及びIL12/23p40ヒト抗体、並びに診断及び治療組成物
、方法、並びにデバイスを施すことを含む。
【0019】
本明細書で使用するとき、「抗IL-12抗体」、「抗IL-23抗体」、「抗IL-
12/23p40抗体」、「IL-12/23p40抗体」、「抗体部分」、若しくは「
抗体断片」、及び/又は「抗体変異体」などは、本発明の抗体の中に組み込むことができ
る、重鎖若しくは軽鎖の少なくとも1つの相補性決定領域(complementarity determinin
g region、CDR)若しくはそのリガンド結合部分、重鎖若しくは軽鎖可変領域、重鎖若
しくは軽鎖定常領域、フレームワーク領域、又はこれらの任意の部分、あるいはIL-1
2及び/若しくはIL-23受容体又は結合タンパク質の少なくとも一部などであるがこ
れらに限定されない免疫グロブリン分子の少なくとも一部を含む分子を含む、任意のタン
パク質又はペプチド含有分子を含む。かかる抗体は所望により、特定のリガンドに更に影
響を及ぼし、限定されないが、かかる抗体は、インビトロで、その場で、かつ/又はイン
ビボで、少なくとも1つのIL-12/23活性若しくは結合、又はIL-12/23受
容体活性若しくは結合を、調節、減少、増加、拮抗、作動、軽減、緩和、遮断、阻害、抑
止、及び/又はそれと干渉する。非限定的な例として、本発明の好適な抗IL-12/2
3p40抗体、特定された部分、又は変異体は、少なくとも1つのIL-12/23分子
、又はその特定された部分、変異体若しくはドメインに結合することができる。好適な抗
IL-12/23p40抗体、特定された部分、又は変異体はまた、所望により、RNA
、DNA、若しくはタンパク質合成、IL-12/23放出、IL-12/23受容体シ
グナル伝達、膜IL-12/23切断、IL-12/23活性、IL-12/23産生、
及び/又は合成などであるがこれらに限定されない、IL-12/23活性又は機能のう
ちの少なくとも1つに影響を及ぼすこともできる。
【0020】
用語「抗体」は、更に、抗体、その消化断片、特定部分及び変異体を包含することを意
図し、これには抗体模倣薬が挙げられ、あるいは抗体の構造及び/若しくは機能を模倣す
る抗体の部分若しくはその特定断片若しくは一部を含み、単鎖抗体及びその断片が挙げら
れる。機能断片としては、哺乳類のIL-12/23に結合する抗原結合断片が挙げられ
る。例えば、Fab(例えば、パパイン消化による)、Fab’(例えば、ペプシン消化
及び部分的還元による)及びF(ab’)(例えば、ペプシン消化による)、facb
(例えば、プラスミン消化による)、pFc’(例えば、ペプシン又はプラスミン消化に
よる)、Fd(例えば、ペプシン消化、部分的還元及び再集合による)、Fv又はscF
v(例えば、分子生物学的技術による)断片が挙げられるがこれらに限定されない、IL
-12/23又はその部分に結合することができる抗体断片が、本発明に包含される(例
えば、上記のColligan,Immunologyを参照のこと)。
【0021】
このような断片は、当該技術分野において既知であるような、及び/又は本明細書に記
載のような、酵素的切断、合成又は組換え技術により生成できる。抗体はまた、1つ以上
の終止コドンが天然の終止部位の上流に導入されている抗体遺伝子を用いて、種々の切断
型で生成できる。例えば、F(ab’)重鎖部分をコード化する遺伝子の組み合わせは
、重鎖のC1ドメイン及び/又はヒンジ領域をコード化するDNA配列を含むよう設計
することができる。抗体の様々な部分を従来の技術により化学的に結合でき、又は遺伝子
工学技術を用いて隣接タンパク質(contiguous protein)として調製できる。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「ヒト抗体」は、実質的にタンパク質の全ての部分(例
えば、CDR、フレームワーク、C、Cドメイン(例えば、C1、C2、C
)、ヒンジ(V、V))が軽微な配列の変化又は変異だけで実質的にヒトにおいて非
免疫原性である抗体を指す。「ヒト抗体」はまた、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由
来するか、又は厳密に一致する抗体であってもよい。ヒト抗体は、生殖系列免疫グロブリ
ン配列にコードされていないアミノ酸残基(例えば、インビトロにおけるランダム若しく
は部位特異的突然変異誘発により、又はインビボにおける体細胞突然変異により導入され
た突然変異)を含んでもよい。多くの場合、これは、ヒト抗体がヒトにおいて実質的に非
免疫原性であることを意味する。ヒト抗体は、それらのアミノ酸配列の類似性に基づいた
グループに分類されている。従って、配列類似性検索を使用して、類似の直鎖配列を有す
る抗体がヒト抗体を作り出すためのテンプレートとして選択され得る。同様に、霊長類(
サル、ヒヒ、チンパンジー等)、げっ歯類(マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハム
スター等)及び他の哺乳類を指定された抗体は、かかる種、亜属、属、亜科、及び科の特
異的抗体を示す。更に、キメラ抗体は、上記の任意の組み合わせを含み得る。このような
変化又は変異は、所望により、また好ましくは、非改変抗体に比べて、ヒト又は他の種に
おける免疫原性を保持するか又は低下させる。従って、ヒト抗体は、キメラ又はヒト化抗
体とは異なる。
【0023】
ヒト抗体は、機能的に再構成されたヒト免疫グロブリン(例えば、重鎖及び/又は軽鎖
)遺伝子を発現することができる非ヒト動物、又は原核若しくは真核細胞により生成され
得ることが指摘される。その上、ヒト抗体が単鎖抗体である場合、天然のヒト抗体では見
られないリンカーペプチドを含み得る。例えば、Fvは、重鎖の可変領域及び軽鎖の可変
領域を接続する2~約8個のグリシン又はその他のアミノ酸残基などのリンカーペプチド
を含み得る。このようなリンカーペプチドはヒト由来のものと見なされる。
【0024】
また、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有するモノクローナル、好ま
しくはヒト又はヒト化抗体である、二重特異的、異種特異的、異種結合性、又は類似の抗
体を使用してもよい。この場合では、結合特異性のうち一方は少なくとも1つのIL-1
2/23タンパク質に対するものであり、他方は任意の他の抗原に対するものである。二
重特異的抗体の製造方法は、当該技術分野において既知である。従来、二重特異的抗体の
組換え体生成は、2種の免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の共発現に基づくが、ここで2本の
重鎖は異なる特異性を有する(Milstein and Cuello、Nature
、305:537(1983))。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖のランダムな組み合わせ
のために、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は10種の異なる抗体分子の可能な
混合物を生成し、これらのうち1種のみが正しい二重特異的構造を有する。正しい分子の
精製(通常アフィニティクロマトグラフィー工程により行われる)はかなり面倒であり、
生成物の収率は低い。類似する手順が、例えば、国際公開第93/08829号、米国特
許第6,210,668号、同第6,193,967号、同第6,132,992号、同
第6,106,833号、同第6,060,285号、同第6,037,453号、同第
6,010,902号、同第5,989,530号、同第5,959,084号、同第5
,959,083号、同第5,932,448号、同第5,833,985号、同第5,
821,333号、同第5,807,706号、同第5,643,759号、同第5,6
01,819号、同第5,582,996号、同第5,496,549号、同第4,67
6,980号、国際公開第91/00360号、国際公開第92/00373号、欧州特
許第03089号、Traunecker et al.,EMBO J.10:365
5(1991)、Suresh et al.,Methods in Enzymol
ogy 121:210(1986)に開示されており、これらの各々は、参照により全
体が本明細書に組み込まれる。
【0025】
本発明の方法及び組成物において有用である抗IL-12/23p40抗体(IL-1
2/23p40抗体とも称される)(又はIL-23に対する抗体)は、IL-12/2
3p40(又はIL-23)への高親和性結合、並びに所望によりかつ好ましくは低毒性
を有することを所望により特徴とし得る。具体的には、可変領域、定常領域、及びフレー
ムワークなどの個々の構成要素が、個々に及び/又は集合的に、所望によりまた好ましく
は低い免疫原性を有する、本発明の抗体、その特定された断片、又は変異体が本発明にお
いて有用である。本発明で使用することができる抗体は、所望により、長期間測定可能な
程度症状を緩和する患者を処置する能力、並びに低い及び/又は許容できる毒性を特徴と
する。低い若しくは許容できる免疫原性、及び/又は高い親和性、並びにその他の好適な
特性は、得られる治療結果に寄与することができる。「低い免疫原性」は、本明細書では
、処置される患者の約75%未満、若しくは好ましくは約50%未満で有意にHAHA、
HACA若しくはHAMA応答が増加する、及び/又は処置される患者において低い力価
(二重抗原酵素イムノアッセイで測定したとき約300未満、好ましくは約100未満)
が増加することとして定義される(Elliott et al.,Lancet 34
4:1125~1127(1994)、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。「
低い免疫原性」は、処置期間中の推奨治療経過の間、推奨用量で処置される患者の25%
未満、好ましくは処置される患者の10%未満で発生するとき、抗IL-12抗体で処置
される患者における抗IL-12抗体に対する滴定レベルの抗体の発生率としても定義す
ることができる。
【0026】
有用性
本発明の単離された核酸は、細胞、組織、器官、又は動物(哺乳動物及びヒトを含む)
において測定し、又は作用して、免疫障害若しくは疾患、心血管障害若しくは疾患、感染
性、悪性及び/若しくは神経性障害又は疾患、あるいは他の既知の若しくは特定のIL-
12/23関連状態のうちの少なくとも1つから選択されるがこれらに限定されない、少
なくとも1つのIL-12/23状態を診断、監視、調節、処置、緩和、発生を予防する
のを助ける、又はその症状を低減するために使用され得る、少なくとも1つの抗IL-1
2/23p40(又は抗IL-23)抗体又はその特定された変異体を産生するために使
用され得る。
【0027】
かかる方法は、症状、作用、又は機序のかかる調節、処置、緩和、予防、若しくは低減
を必要としている細胞、組織、器官、動物、又は患者に、少なくとも1つの抗IL-12
/23p40(又は抗IL-23)抗体を含む有効量の組成物又は医薬組成物を投与する
ことを含み得る。有効量は、本明細書に記載のように、又は関連分野で公知のように、公
知の方法を用いて行い決定するとき、単回(例えば、ボーラス)、複数回、若しくは持続
投与あたり約0.001~500mg/kgの量、又は単回、複数回、若しくは持続投与
あたり血清濃度が0.01~5000μg/mLの血清濃度を達成する量、又はこの中の
任意の有効範囲若しくは値を含んでよい。
【0028】
引用
本明細書で引用する全ての刊行物又は特許は、具体的に指定されるか否かにかかわらず
、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、本発明の時点での現況技術を示し、かつ
/又は本発明の説明及び使用可能性を提供する。刊行物は、任意の科学刊行物若しくは特
許公報、又は全ての記録された電子若しくは印刷型式を含む、任意の媒体形式で利用可能
なその他の任意の情報を指す。以下の文献は、参照により全体が本明細書に組み込まれる
:Ausubel,et al.,ed.,Current Protocols in
Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc
.,NY,NY(1987~2001)、Sambrook,et al.,Molec
ular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edi
tion,Cold Spring Harbor,NY(1989)、Harlow
and Lane,antibodies,a Laboratory Manual,
Cold Spring Harbor,NY(1989)、Colligan,et
al.,eds.,Current Protocols in Immunology
,John Wiley & Sons,Inc.,NY(1994~2001)、Co
lligan et al.,Current Protocols in Prote
in Science,John Wiley & Sons,NY,NY,(1997
~2001)。
【0029】
本発明の抗体-産生及び作製
本発明の方法に使用される少なくとも1つの抗IL-12/23p40(又は抗IL-
23)は、所望により、当該技術分野において周知の細胞株、混合細胞株、不死化細胞、
又は不死化細胞のクローン集団によって産生することができる。例えば、Ausubel
,et al.,ed.,Current Protocols in Molecul
ar Biology,John Wiley & Sons,Inc.,NY,NY(
1987~2001)、Sambrook,et al.,Molecular Clo
ning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Col
d Spring Harbor,NY(1989)、Harlow and Lane
,antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spr
ing Harbor,NY(1989)、Colligan,et al.,eds.
,Current Protocols in Immunology,John Wi
ley & Sons,Inc.,NY(1994~2001)、Colligan e
t al.,Current Protocols in Protein Scien
ce,John Wiley & Sons,NY,NY,(1997~2001)を参
照されたく、各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0030】
好ましい抗IL-12/23p40抗体は、配列番号7の重鎖可変領域アミノ酸配列と
、配列番号8の軽鎖可変領域アミノ酸配列とを有し、かつ配列番号1、配列番号2、及び
配列番号3の重鎖CDRアミノ酸配列と、配列番号4、配列番号5、及び配列番号6の軽
鎖CDRアミノ酸配列とを有するウセキヌマブ(Stelara(登録商標))である。
好ましい抗IL-23抗体(IL-23に特異的に結合し、IL-12には結合しない)
は、グセルクマブ(米国特許第7,935,344号(その全内容は参照により本明細書
に組み込まれる)の配列番号106及び116の可変領域配列を含むCNTO1959と
も称される)、及び米国特許第7,935,344号に記載される他の抗体である。
【0031】
ヒトIL-12/23p40若しくはIL-23タンパク質又はその断片に特異的なヒ
ト抗体は、単離されたIL-12/23p40タンパク質、IL-23タンパク質、及び
/又はそれらの一部(合成ペプチドなどの合成分子を含む)などの適切な免疫原性抗原に
対して生じ得る。他の特定の又は一般的な哺乳類抗体も同様に生じ得る。免疫原性抗原の
調製及びモノクローナル抗体の生成は、任意の好適な技術を使用して行うことができる。
【0032】
1つのアプローチでは、適切な不死細胞株(例えば、限定されないが、Sp2/0、S
p2/0-AG14、NSO、NS1、NS2、AE-1、L.5、L243、P3X6
3Ag8.653、Sp2 SA3、Sp2 MAI、Sp2 SS1、Sp2 SA5
、U937、MLA 144、ACT IV、MOLT4、DA-1、JURKAT、W
EHI、K-562、COS、RAJI、NIH 3T3、HL-60、MLA 144
、NAMALWA、NEURO 2Aなどの骨髄腫細胞株、又はヘテロミローマス、その
融合産物、又はそれに由来する任意の細胞若しくは融合細胞、又は当該技術分野において
既知の任意の他の好適な細胞株)(例えば、www.atcc.org、www.lif
etech.comなどを参照されたい)を、限定されないが、単離された又はクローン
化された脾臓、末梢血、リンパ、扁桃腺、又は他の免疫若しくはB細胞含有細胞などの抗
体産生細胞、あるいは内因性又は異種核酸として、組換え若しくは内因性、ウイルス、細
菌、藻、原核生物、両生類、昆虫、爬虫類、魚、哺乳類、げっ歯類、ウマ、ヒツジ、ヤギ
、ヒツジ、霊長類、真核生物、ゲノムDNA、cDNA、rDNA、ミトコンドリアDN
A若しくはRNA、葉緑体DNA若しくはRNA、hnRNA、mRNA、tRNA、単
一、二重若しくは三重鎖、ハイブリダイズなど、又はそれらの任意の組み合わせとしての
いずれかで、重鎖又は軽鎖の定常若しくは可変、又はフレームワーク若しくはCDR配列
を発現する任意の他の細胞と融合することによりハイブリドーマを産生する。例えば、上
記のAusubel及びColligan,Immunology(上記)chapte
r2を参照されたく、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0033】
抗体産生細胞はまた、目的の抗原で免疫化されたヒト又は他の好適な動物の末梢血、又
は好ましくは脾臓若しくはリンパ節から得ることもできる。任意のその他の好適な宿主細
胞も、本発明の抗体、特定された断片又はその変異体をコード化する異種若しくは内因性
の核酸を発現するために使用され得る。融合細胞(ハイブリドーマ)又は組換え細胞は、
選択的培養条件又はその他の好適な既知の方法を使用して単離され、限界希釈若しくは細
胞選別又はその他の既知の方法によってクローニングされ得る。所望の特異性を有する抗
体を生成する細胞は、好適なアッセイ(例えばELISA)によって選択することができ
る。
【0034】
ペプチド又はタンパク質ライブラリから組換え抗体を選択する(例えば、バクテリオフ
ァージ、リボソーム、オリゴヌクレオチド、RNA、cDNAなどのディスプレイライブ
ラリであるがこれに限定されない、例えば、Cambridge antibody T
echnologies,Cambridgeshire,UK、MorphoSys,
Martinsreid/Planegg,DE、Biovation,Aberdee
n,Scotland,UK、BioInvent,Lund,Sweden、Dyax
Corp.,Enzon,Affymax/Biosite、Xoma,Berkel
ey,CA、Ixsys。例えば、欧州特許第368,684号、国際出願PCT/GB
91/01134号、国際出願PCT/GB92/01755号、国際出願PCT/GB
92/002240号、国際出願PCT/GB92/00883号、国際出願PCT/G
B93/00605号、米国特許出願公開第08/350260号(5/12/94)、
国際出願PCT/GB94/01422号、国際出願PCT/GB94/02662号、
国際出願PCT/GB97/01835号、(CAT/MRC)、国際公開第90/14
443号、国際公開第90/14424号、国際公開第90/14430号、国際出願P
CT/US94/1234号、国際公開第92/18619号、国際公開第96/077
54号、(Scripps)、国際公開第96/13583号、国際公開第97/083
20号(MorphoSys)、国際公開第95/16027号(BioInvent)
、国際公開第88/06630号、国際公開第90/3809号(Dyax)、米国特許
第4,704,692号(Enzon)、国際出願PCT/US91/02989号、国
際公開第89/06283号、欧州特許第371 998号、欧州特許第550 400
号、(Xoma)、欧州特許第229 046号、国際出願PCT/US91/0714
9号、又は確率論的に生成されるペプチド若しくはタンパク質-米国特許第572332
3号、同第5763192号、同第5814476号、同第5817483号、同第58
24514号、同第5976862号、国際公開第86/05803号、欧州特許第59
0 689号(Ixsys、Applied Molecular Evolution
(AME)の前身、各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)か、又は当該技
術分野において既知であり、かつ/又は本明細書に記載される、ヒト抗体のレパートリー
を産生することができるトランスジェニック動物の免疫化に依存する(例えば、SCID
マウス、Nguyen et al.,Microbiol.Immunol.41:9
01-907(1997)、Sandhu et al.,Crit.Rev.Biot
echnol.16:95~118(1996)、Eren et al.,Immun
ol.93:154~161(1998)(各々は、参照により全体が組み込まれる)、
並びに関連する特許及び出願)方法を含むがこれらに限定されない、必要な特異性の抗体
を生成又は単離する他の好適な方法を使用することができる。かかる技術には、リボソー
ムディスプレイ(Hanes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.
USA,94:4937~4942(May 1997)、Hanes et al.,
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95:14130~14135(No
v.1998))、単一細胞抗体生成技術(例えば、選択リンパ球抗体方法(「SLAM
」)(米国特許第5,627,052号、Wen et al.,J.Immunol.
17:887~892(1987)、Babcook et al.,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 93:7843~7848(1996))、ゲルマイク
ロドロップレット(gel microdroplet)、及びフローサイトメトリー(
Powell et al.,Biotechnol.8:333~337(1990)
、One Cell Systems,Cambridge,MA、Gray et a
l.,J.Imm.Meth.182:155~163(1995)、Kenny et
al.,Bio/Technol.13:787~790(1995))、B細胞選択
物(Steenbakkers et al.,Molec.Biol.Reports
19:125~134(1994)、Jonak et al.,Progress
Biotech,Vol.5,In Vitro Immunization in H
ybridoma Technology,Borrebaeck,ed.,Elsev
ier Science Publishers B.V.,Amsterdam,Ne
therlands(1988))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
非ヒト抗体又はヒト抗体を工学的処理又はヒト化するための方法も同様に使用でき、当
該技術分野において周知である。一般に、ヒト化又は工学的処理された抗体は、非ヒト、
例えば、限定されないが、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、又は他の哺乳動物の
供給源からの1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばし
ば「インポート」残基と呼ばれ、典型的には既知のヒト配列の「インポート」可変、定常
、又は他のドメインから採取される残基に置き換えられる。
【0036】
既知のヒトIg配列が開示されており、例えば、www.ncbi.nlm.nih.
gov/entrez/query.fcgiwww.ncbi.nih.gov/ig
blast、www.atcc.org/phage/hdb.html、www.mr
c-cpe.cam.ac.uk/ALIGNMENTS.php、www.kabat
database.com/top.html、ftp.ncbi.nih.gov/r
epository/kabat、www.sciquest.com/、www.ab
cam.com/、www.antibodyresource.com/online
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.de、Kabat et al.,Sequences of Proteins o
f Immunological Interest,U.S.Dept.Health
(1983)である(各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。
【0037】
このようなインポートされた配列は、免疫原性を減少させるため、あるいは、当該技術
分野において既知のように、結合、親和性、オン速度、オフ速度、結合活性、特異性、半
減期、又はその他の適切な任意の特性を低減、増強又は改変するために使用することがで
きる。一般的に、CDR残基は抗原結合に対する影響において、直接的かつ最も実質的に
関与している。従って、可変及び定常領域の非ヒト配列がヒト又は他のアミノ酸に置き換
えられ得る一方で、非ヒト又はヒトCDR配列の一部又は全てが維持される。
【0038】
抗体は、所望により、ヒト化されるか、又はヒト抗体は、抗原に対する高い親和性及び
他の有利な生物学的特性を保持したまま工学的処理され得る。この目的を達成するために
、所望により、ヒト化(又はヒト)抗体を、親及びヒト化配列の3次元モデルを使用した
、親配列及び様々な概念的ヒト化産物の分析プロセスによって調製することが可能である
。3次元免疫グロブリンモデルが一般的に利用可能であり、当業者によく知られている。
選択された候補の免疫グロブリン配列について、可能性の高い3次元立体構造を図示及び
表示するコンピュータプログラムが利用可能である。これらの表示を調べることにより、
候補の免疫グロブリン配列の機能における残基の役割として可能性の高いものの分析、即
ち候補の免疫グロブリンがその抗原に結合する能力に影響を及ぼす残基の分析が可能とな
る。このようにして、標的抗原(複数可)に対する親和性の増加など、望ましい抗体特性
が達成されるように、コンセンサス及びインポート配列から、フレームワーク(FR)残
基を選択し組合せることができる。
【0039】
加えて、本発明の方法に使用されるヒトIL-12/23p40(又は抗IL-23)
抗体は、ヒト生殖系列軽鎖フレームワークを含み得る。特定の実施形態では、軽鎖生殖系
列配列は、A1、A10、A11、A14、A17、A18、A19、A2、A20、A
23、A26、A27、A3、A30、A5、A7、B2、B3、L1、L10、L11
、L12、L14、L15、L16、L18、L19、L2、L20、L22、L23、
L24、L25、L4/18a、L5、L6、L8、L9、O1、O11、O12、O1
4、O18、O2、O4、及びO8を含むが、これらに限定されないヒトVK配列から選
択される。ある特定の実施形態では、軽鎖ヒト生殖系列フレームワークは、V1-11、
V1-13、V1-16、V1-17、V1-18、V1-19、V1-2、V1-20
、V1-22、V1-3、V1-4、V1-5、V1-7、V1-9、V2-1、V2-
11、V2-13、V2-14、V2-15、V2-17、V2-19、V2-6、V2
-7、V2-8、V3-2、V3-3、V3-4、V4-1、V4-2、V4-3、V4
-4、V4-6、V5-1、V5-2、V5-4、及びV5-6から選択される。
【0040】
他の実施形態では、本発明の方法に使用されるヒトIL-12/23p40(又は抗I
L-23)抗体は、ヒト生殖系列重鎖フレームワークを含み得る。特定の実施形態では、
重鎖ヒト生殖系列フレームワークは、VH1-18、VH1-2、VH1-24、VH1
-3、VH1-45、VH1-46、VH1-58、VH1-69、VH1-8、VH2
-26、VH2-5、VH2-70、VH3-11、VH3-13、VH3-15、VH
3-16、VH3-20、VH3-21、VH3-23、VH3-30、VH3-33、
VH3-35、VH3-38、VH3-43、VH3-48、VH3-49、VH3-5
3、VH3-64、VH3-66、VH3-7、VH3-72、VH3-73、VH3-
74、VH3-9、VH4-28、VH4-31、VH4-34、VH4-39、VH4
-4、VH4-59、VH4-61、VH5-51、VH6-1、及びVH7-81から
選択される。
【0041】
特定の実施形態では、軽鎖可変領域及び/又は重鎖可変領域は、フレームワーク領域、
又はフレームワーク領域の少なくとも一部(例えば、FR2及びFR3などの2又は3つ
の小領域)を含む。ある特定の実施形態では、少なくともFRL1、FRL2、FRL3
、又はFRL4は、完全ヒトである。他の実施形態では、少なくともFRH1、FRH2
、FRH3、又はFRH4は、完全ヒトである。一部の実施形態では、少なくともFRL
1、FRL2、FRL3、又はFRL4は、生殖系列配列(例えば、ヒト生殖系列)であ
るか、又は特定のフレームワークのためのヒトコンセンサス配列(上述の既知のヒトIg
配列の供給源で容易に入手可能である)を含む。他の実施形態では、少なくともFRH1
、FRH2、FRH3、又はFRH4は、生殖系列配列(例えば、ヒト生殖系列)である
か、又は特定のフレームワークのためのヒトコンセンサス配列を含む。好ましい実施形態
では、フレームワーク領域は、完全ヒトフレームワーク領域である。
【0042】
本発明の抗体のヒト化又は工学的処理は、Winter(Jones et al.,
Nature 321:522(1986)、Riechmann et al.,Na
ture 332:323(1988)、Verhoeyen et al.,Scie
nce 239:1534(1988))、Sims et al.,J.Immuno
l.151:2296(1993)、Chothia and Lesk,J.Mol.
Biol.196:901(1987),Carter et al.,Proc.Na
tl.Acad.Sci.U.S.A.89:4285(1992)、Presta e
t al.,J.Immunol.151:2623(1993)、米国特許第5723
323号、同第5976862号、同第5824514号、同第5817483号、同第
5814476号、同第5763192号、同第5723323号、同第5,76688
6号、同第5714352号、同第6204023号、同第6180370号、同第56
93762号、同第5530101号、同第5585089号、同第5225539号、
同第4816567号、国際出願PCT/:US98/16280号、US96/189
78号、US91/09630号、US91/05939号、US94/01234号、
GB89/01334号、GB91/01134号、GB92/01755号、国際公開
第90/14443号、国際公開第90/14424号、国際公開第90/14430号
、欧州特許第229246号(各々、参照により全体が明細書に組み込まれ、その中に引
用される文献を含む)に記載されるものなどであるがこれらに限定されない、任意の既知
の方法を使用して行うことができる。
【0043】
ある特定の実施形態では、抗体は、変更された(例えば、変異)Fc領域を含む。例え
ば、一部の実施形態では、Fc領域は、抗体のエフェクター機能を低減又は増強するため
に変更された。一部の実施形態では、Fc領域は、IgM、IgA、IgG、IgE、又
は他のアイソタイプから選択されるアイソタイプである。あるいは、又は加えて、アミノ
酸修飾と、IL-12結合分子のFc領域のC1q結合及び/又は補体依存性細胞毒性機
能を変更する1つ以上の更なるアミノ酸修飾とを組み合わせることが有用であり得る。特
定の目的の出発ポリペプチドは、C1qに結合するものであってよく、補体依存性細胞毒
性(complement dependent cytotoxicity、CDC)を示す。既存のC1q結合活性を備
え、所望によりCDCを媒介する能力を更に有するポリペプチドは、これらの活性のうち
の1つ又は両方が増強されるように修飾され得る。C1qを変更し、かつ/又はその補体
依存性細胞毒性機能を修飾するアミノ酸修飾は、例えば、国際公開第0042072号(
参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0044】
上記に開示されるように、例えば、C1q結合及び/又はFcγR結合を修飾し、それ
により、補体依存性細胞毒性(CDC)活性及び/又は抗体依存性細胞媒介性細胞毒性(
antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity、ADCC)活性を変化させることに
よって、変更されたエフェクター機能を有する本発明のヒトIL-12/23p40(又
は抗IL-23)抗体のFc領域を設計することができる。「エフェクター機能」は、(
例えば、被験体における)生物活性を活性化又は低減させる役割を果たす。エフェクター
機能の例としては、限定されないが、C1q結合、CDC、Fc受容体結合、ADCC、
貪食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体;BCR)の下方調節等が挙げられる
。かかるエフェクター機能は、Fc領域を結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と
組み合わせる必要がある場合があり、様々なアッセイ(例えば、Fc結合アッセイ、AD
CCアッセイ、CDCアッセイ等)を使用して評価することができる。
【0045】
例えば、改善されたC1q結合及び改善されたFcγRIII結合を有する(例えば、
改善されたADCC活性及び改善されたCDC活性の両方を有する)ヒトIL-12/2
3p40(又は抗IL-23)抗体の変異体Fc領域を生成することができる。あるいは
、エフェクター機能が低減又はアブレーションされることが望ましい場合、変異体Fc領
域は、低減されたCDC活性及び/又は低減されたADCC活性で工学的処理され得る。
他の実施形態では、これらの活性のうちの1つだけを増加し、所望により、また他の活性
を低減することもできる(例えば、改善されたADCC活性を有するが、低減されたCD
C活性を有する(逆もまた同様)Fc領域を生成するために)。
【0046】
Fc突然変異は、新生児Fc受容体(FcRn)とのそれらの相互作用を変更し、それ
らの薬物動態特性を改善するように工学的処理において導入することもできる。FcRn
への改善された結合を有するヒトFc変異体の収集が記載されている(Shields
et al.,(2001).High resolution mapping of
the binding site on human IgG1 for FcγR
I,FcγRII,FcγRIII,and FcRn and design of
IgG1 variants with improved binding to t
he FcγR,J.Biol.Chem.276:6591~6604)。
【0047】
別の種類のアミノ酸置換は、ヒトIL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体の
Fc領域のグリコシル化パターンを変更するのに役立つ。Fc領域のグリコシル化は、典
型的には、N結合又はO結合のいずれかである。N結合は、炭水化物部分のアスパラギン
残基の側鎖への付着を指す。O結合型グリコシル化は、糖のN-アセイルガラクトサミン
、ガラクトース、又はキシロースのうちの1つの、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的には
セリン又はスレオニンへの付着を指すが、5-ヒドロキシプロリン又は5-ヒドロキシリ
ジンを使用することもできる。炭水化物部分のアスパラギン側鎖ペプチド配列への酵素的
付着のための認識配列は、アスパラギン-X-セリン及びアスパラギン-X-スレオニン
であり、ここで、Xは、プロリン以外の任意のアミノ酸である。従って、ポリペプチドに
おけるこれらのペプチド配列のいずれかの存在が、潜在的なグリコシル化部位を作り出す
【0048】
グリコシル化パターンは、例えば、ポリペプチドに見出される1つ以上のグリコシル化
部位(複数可)を欠失させること、及び/又はポリペプチドに存在しない1つ以上のグリ
コシル化部位を付加することによって変更され得る。グリコシル化部位のヒトIL-12
/23p40(又は抗IL-23)抗体のFc領域への付加は、上述のトリペプチド配列
のうちの1つ以上を含有するようにアミノ酸配列を変更することにより(N結合グリコシ
ル化部位について)、便宜的に達成される。例示的なグリコシル化変異体は、重鎖の残基
Asn 297のアミノ酸置換を有する。1つ以上のセリン又はスレオニン残基の、元の
ポリペプチドの配列への付加、又はそれによる置換により(O結合グリコシル化部位につ
いて)変更を行うこともできる。加えて、Asn 297のAlaへの変化は、グリコシ
ル化部位のうちの1つを除去することができる。
【0049】
ある特定の実施形態では、本発明のヒトIL-12/23p40(又は抗IL-23)
抗体は、GnT IIIがGlcNAcをヒトIL-12抗体に付加するように、ベータ
(1,4)-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnT III)
を発現する細胞において発現される。かかる様式で抗体を産生するための方法は、国際公
開第9954342号、国際公開第03011878号、特許公報2003000309
7A1、及びUmana et al.,Nature Biotechnology,
17:176~180,Feb.1999に提供されており、これらの全ては、参照によ
りその全体が本明細書に具体的に組み込まれる。
【0050】
抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体はまた、所望により、本明細書に
記載されかつ/又は当該技術分野において既知であるように、ヒト抗体のレパートリーを
産生することができるトランスジェニック動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、
非ヒト霊長類など)の免疫化により生成することもできる。ヒト抗IL-12/23p4
0(又は抗IL-23)抗体を産生する細胞を、かかる動物から単離し、本明細書に記載
される方法などの好適な方法を使用して不死化してもよい。
【0051】
ヒト抗原に結合するヒト抗体のレパートリーを生成することができるトランスジェニッ
クマウスは、既知の方法によって生成することができる(例えば、これらに限定されない
が、Lonbergらに発行された米国特許第5,770,428号、同第5,569,
825号、同第5,545,806号、同第5,625,126号、同第5,625,8
25号、同第5,633,425号、同第5,661,016号、及び同第5,789,
650号、Jakobovitsらの国際公開第98/50433号、Jakobovi
tsらの国際公開第98/24893号、Lonbergらの国際公開第98/2488
4号、Lonbergらの国際公開第97/13852号、Lonbergらの国際公開
第94/25585号、Kucherlapateらの国際公開第96/34096号、
Kucherlapateらの欧州特許第0463 151(B1)号、Kucherl
apateらの欧州特許第0710 719(A1)号、Suraniらの米国特許第5
,545,807号、Bruggemannらの国際公開第90/04036号、Bru
ggemannらの欧州特許第0438 474(B1)号、Lonbergらの欧州特
許第0814 259(A2)号、Lonbergらのイギリス特許第2 272 44
0(A)号、Lonberg et al.Nature 368:856~859(1
994)、Taylor et al.,Int.Immunol.6(4)579~5
91(1994)、Green et al,Nature Genetics 7:1
3~21(1994)、Mendez et al.,Nature Genetics
15:146~156(1997)、Taylor et al.,Nucleic
Acids Research 20(23):6287~6295(1992)、Tu
aillon et al.,Proc Natl Acad Sci USA 90(
8)3720~3724(1993)、Lonberg et al.,Int Rev
Immunol 13(1):65~93(1995)、及びFishwald et
al.,Nat Biotechnol 14(7):845~851(1996)で
あり、これらは各々、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。一般に、これらのマ
ウスは、機能的に再配列された、又は機能的な再配列を受けることができる少なくとも1
つのヒト免疫グロブリン遺伝子座からのDNAを含む、少なくとも1つの導入遺伝子を含
む。このようなマウスの内因性免疫グロブリン遺伝子座を分断又は欠失させて、内因性遺
伝子によりコード化されている抗体を産生する動物の能力を除去することができる。
【0052】
類似のタンパク質又は断片への特異的結合についての抗体のスクリーニングは、ペプチ
ドディスプレイライブラリを使用して便宜的に達成することができる。この方法は、望ま
しい機能又は構造をもつ個々のメンバーについてペプチドの大規模コレクションをスクリ
ーニングすることを含む。ペプチドディスプレイライブラリの抗体スクリーニングは、当
該技術分野において周知である。ディスプレイされたペプチド配列の長さは、3~500
0個以上のアミノ酸であり、頻繁には5~100個のアミノ酸長、多くは約8~25個の
アミノ酸長であり得る。ペプチドライブラリを作成する直接的化学合成方法に加えて、い
くつかの組換えDNA方法も記述されている。1つのタイプには、バクテリオファージ又
は細胞の、表面上のペプチド配列のディスプレイが関与している。各バクテリオファージ
又は細胞は、特定のディスプレイされたペプチド配列をコード化するヌクレオチド配列を
含有する。このような方法は、国際公開第91/17271号、同第91/18980号
、同第91/19818号、及び同第93/08278号に記載されている。
【0053】
ペプチドのライブラリを作成するための他のシステムは、インビトロ化学合成及び組換
え方法の両方の局面を有する。国際公開第92/05258号、同第92/14843号
、及び同第96/19256号を参照のこと。米国特許第5,658,754号及び同第
5,643,768号も参照のこと。ペプチドディスプレイライブラリ、ベクター、及び
スクリーニングキットは、Invitrogen(Carlsbad,CA)及びCam
bridge Antibody Technologies(Cambridgesh
ire,UK)のような供給元から市販されている。例えば、Enzonに譲渡された米
国特許第4704692号、同第4939666号、同第4946778号、同第526
0203号、同第5455030号、同第5518889号、同第5534621号、同
第5656730号、同第5763733号、同第5767260号、同第585645
6号、Dyaxに譲渡された同第5223409号、同第5403484号、同第557
1698号、同第5837500号、Affymaxに譲渡された同第5427908号
、同第5580717号、Cambridge antibody Technolog
iesに譲渡された同第5885793号、Genentechに譲渡された同第575
0373号、Xomaに譲渡された同第5618920号、同第5595898号、同第
5576195号、同第5698435号、同第5693493号、同第5698417
号、Colligan(上記)、Ausubel(上記)、又はSambrook(上記
)を参照のこと(上記特許及び刊行物の各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれ
る)。
【0054】
本発明の方法に使用される抗体はまた、かかる抗体を乳中に産生するヤギ、ウシ、ウマ
、ヒツジ、ウサギなどのトランスジェニック動物又は哺乳動物を提供するために、核酸を
コード化する少なくとも1つの抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体を使
用して調製することもできる。かかる動物は、既知の方法を使用して提供することができ
る。例えば、限定されないが、米国特許第5,827,690号、同第5,849,99
2号、同第4,873,316号、同第5,849,992号、同第5,994,616
号、同第5,565,362号、同第5,304,489号などを参照のこと(それらの
各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。
【0055】
本発明の方法に使用される抗体は、植物部分又はそれから培養された細胞において、か
かる抗体、特定された部分、又は変異体を産生するトランスジェニック植物及び培養され
た植物細胞(例えば、タバコ及びトウモロコシであるが、これらに限定されない)を提供
するために、少なくとも1つの抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体コー
ド化核酸を使用して更に調製することができる。非限定的な例として、例えば、誘導プロ
モーターを使用して、組換えタンパク質を発現するトランスジェニックタバコ葉をうまく
使用して大量の組換えタンパク質が提供されてきた。例えば、Cramer et al
.,Curr.Top.Microbol.Immunol.240:95~118(1
999)及びその中で引用される文献を参照のこと。また、トランスジェニックトウモロ
コシは、他の組換え系において生成されるか、又は天然源から精製されるタンパク質に等
しい生物学的活性を有する、商業生成レベルで哺乳類タンパク質を発現するために使用さ
れてきた。例えば、Hood et al.,Adv.Exp.Med.Biol.46
4:127~147(1999)及びその中で引用される文献を参照のこと。抗体はまた
、タバコ種子及びポテト塊茎を含む、単鎖抗体(scFv)などの抗体断片を含むトラン
スジェニック植物種子からも大量に産生されてきた。例えば、Conrad et al
.,Plant Mol.Biol.38:101~109(1998)及びその中で引
用される文献を参照のこと。従って、本発明の抗体はまた、既知の方法により、トランス
ジェニック植物を使用して産生することもできる。例えば、Fischer et al
.,Biotechnol.Appl.Biochem.30:99~108(Oct.
,1999),Ma et al.,Trends Biotechnol.13:52
2~7(1995)、Ma et al.,Plant Physiol.109:34
1~6(1995)、Whitelam et al.,Biochem.Soc.Tr
ans.22:940~944(1994)、及びその中で引用される文献も参照のこと
。上記文献の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0056】
本発明の方法に使用される抗体は、広範囲にわたる親和性(K)でヒトIL-12/
23p40(又はIL-23)に結合することができる。好ましい実施形態では、ヒトm
Abは、所望により、高い親和性でヒトIL-12/23p40(又はIL-23)に結
合することができる。例えば、ヒトmAbは、ヒトIL-12/23p40(又はIL-
23)を約10-7M以下、例えば、限定されないが、0.1~9.9(又はその中の任
意の範囲若しくは値)X10-7、10-8、10-9、10-10、10-11、10
-12、10-13、又はその中の任意の範囲若しくは値などのKで結合することがで
きる。
【0057】
抗原に対する抗体の親和性又は結合活性は、任意の好適な方法を用いて実験的に決定す
ることができる。(例えば、Berzofsky,et al.,「Antibody-
Antigen Interactions,」In Fundamental Imm
unology,Paul,W.E.,Ed.,Raven Press:New Yo
rk,NY(1984)、Kuby,Janis Immunology,W.H.Fr
eeman and Company:New York,NY(1992)、及び本明
細書に記載される方法を参照のこと)。特定の抗体抗原相互作用の測定される親和性は、
異なる条件(例えば、塩濃度、pH)下で測定された場合に異なり得る。従って、親和性
及び他の抗原結合パラメータ(例えば、K、K、K)の測定は、好ましくは、抗体
及び抗原の標準化溶液、並びに本明細書で記載される緩衝剤などの標準化緩衝剤を用いて
行われる。
【0058】
核酸分子
本明細書に開示される他の配列の中でも、例えば、配列番号1、2、3、4、5、6、
7、8の軽鎖若しくは重鎖可変又はCDR領域のうちの少なくとも1つの隣接アミノ酸の
少なくとも70~100%をコード化するヌクレオチド配列、特定された断片、変異体若
しくはそれらのコンセンサス配列、又はこれらの配列のうちの少なくとも1つを含む寄託
ベクターなどの本明細書に提供される情報を使用して、少なくとも1つの抗IL-12抗
体をコード化する本発明の核酸分子は、本明細書に記載されるか、又は当該技術分におい
て既知の方法を使用して得ることができる。
【0059】
本発明の核酸分子は、mRNA、hnRNA、tRNA若しくは任意の他の形態のよう
なRNA、又はクローニングにより得られる若しくは合成的に生成されるcDNA及びゲ
ノムDNAが挙げられるがこれらに限定されないDNAの形態、又はこれらの任意の組み
合わせであってよい。DNAは、3本鎖、2本鎖若しくは1本鎖、又はこれらの任意の組
み合わせであってよい。DNA又はRNAの少なくとも1本の鎖の任意の部分は、センス
鎖としても知られるコード鎖であってもよいし、又はアンチセンス鎖と呼ばれる、非コー
ド鎖であってもよい。
【0060】
本発明の方法に使用される単離された核酸分子は、所望により1つ以上のイントロンを
有するオープンリーディングフレーム(open reading frame、ORF)、例えば、限定さ
れないが、少なくとも1つの重鎖(例えば、配列番号1~3)若しくは軽鎖(例えば、配
列番号4~6)のCDR1、CDR2、及び/又はCDR3などの、少なくとも1つのC
DRの少なくとも1つの特定された部分を含む核酸分子、抗IL-12/23p40抗体
又は可変領域のコード配列(例えば、配列番号:7及び8の軽鎖及び重鎖可変領域)を含
む核酸分子、並びに上述の核酸分子とは実質的に異なるが、遺伝コードの縮重により、本
明細書に記載されかつ/又は当該技術分野において既知である少なくとも1つの抗IL-
12/23p40(又は抗IL-23)抗体を尚もコード化するヌクレオチド配列を含む
核酸分子を含み得る。当然のことながら、遺伝コードは、当該技術分野においてよく知ら
れている。従って、当業者には、本発明の方法に使用される特異的な抗IL-12/23
p40(又は抗IL-23)抗体をコード化する、かかる変性核酸変異体を生成すること
は、日常的であるだろう。例えば、上記のAusubelらを参照されたく、かかる核酸
変異体は、本発明に含まれる。単離された核酸分子の非限定的な例としては、それぞれ、
HC CDR1、HC CDR2、HC CDR3、LC CDR1、LC CDR2、
及びLC CDR3をコード化する核酸が挙げられる。
【0061】
本明細書に示されるように、抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体をコ
ード化する核酸を含む核酸分子としては、それ自体で抗体断片のアミノ酸配列をコード化
するもの、全抗体若しくはその一部のコード配列、抗体、断片若しくは部分のコード配列
、並びに追加の配列、例えば、少なくとも1つのイントロンなど、前述の追加のコード配
列を伴って、又は伴わずに、非コード5’及び3’配列、例えば、スプライシング及びポ
リアデニル化シグナル(例えば、mRNAのリボソーム結合及び安定性)を含む、転写、
mRNAプロセシングにおいて役割を果たす転写された非翻訳配列を含むがこれに限定さ
れない追加の非コード配列とともに、少なくとも1つのシグナルリーダー若しくは融合ペ
プチドのコード配列、更なるアミノ酸、例えば、更なる機能性を提供するアミノ酸をコー
ド化する追加のコード配列を挙げることができるが、これらに限定されない。従って、抗
体をコード化する配列は、抗体断片又は部分を含む融合された抗体の精製を促進するペプ
チドをコード化する配列などのマーカー配列に融合させることができる。
【0062】
本明細書に記載のポリヌクレオチドに選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチド
本発明の方法は、本明細書に開示されるポリヌクレオチドに対して、選択的なハイブリ
ダイゼーション条件下でハイブリダイズする単離された核酸を使用する。従って、本実施
形態のポリヌクレオチドは、このようなポリヌクレオチドを含む核酸を単離、検出、及び
/又は定量化するために使用することができる。例えば、本発明のポリヌクレオチドを使
用して、蓄積されたライブラリにおける部分又は完全長クローンを同定、単離、又は増幅
することができる。いくつかの実施形態においては、ポリヌクレオチドは、単離された、
又はそうでなければヒト若しくは哺乳類の核酸ライブラリからのcDNAに相補的な、ゲ
ノム配列又はcDNA配列である。
【0063】
好ましくは、cDNAライブラリは完全長配列の少なくとも80%、好ましくは完全長
配列の少なくとも85%又は90%、より好ましくは完全長配列の少なくとも95%を含
む。cDNAライブラリは、稀な配列の発現量を増大させるために正規化してよい。相補
的な配列に対して低い配列同一性をもつ配列とともに使用される、ストリンジェンシーが
低度又は中度のハイブリダイゼーション条件が典型的であるが、排他的ではない。ストリ
ンジェンシーが中度及び高度の条件は、所望により、より高い同一性をもつ配列に対して
使用することができる。低ストリンジェンシー条件は、約70%の配列同一性をもつ配列
の選択的ハイブリダイゼーションを可能にし、オーソロガス又はパラロガス配列を同定す
るために利用できる。
【0064】
所望により、ポリヌクレオチドは、抗体の少なくとも一部をコードする。ポリヌクレオ
チドは、本発明の抗体をコード化するポリヌクレオチドに対する選択的ハイブリダイゼー
ションに利用することができる核酸配列を包含する。例えば、上記のAusubel、上
記のColliganを参照のこと(各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる
)。
【0065】
核酸の構築
単離された核酸は、当該技術分野において周知のように、(a)組換え方法、(b)合
成技術、(c)精製技術、及び/又はこれらの組み合わせを使用して作製することができ
る。
【0066】
核酸は、本発明のポリヌクレオチドに加えて、便利に配列を含むことができる。例えば
、1つ以上のエンドヌクレアーゼ制限部位を含むマルチクローニングサイトを核酸に挿入
して、ポリヌクレオチドの単離に役立てることができる。また、翻訳可能な配列を挿入し
て、本発明の翻訳されたポリヌクレオチドの単離に役立てることができる。例えば、ヘキ
サヒスチジンマーカー配列は、本発明のタンパク質を精製するための便利な手段を提供す
る。本発明の核酸(コード配列を除く)は、所望により、本発明のポリヌクレオチドのク
ローニング及び/又は発現のためのベクター、アダプター、又はリンカーである。
【0067】
追加の配列をかかるクローニング及び/又は発現配列に付加して、クローニング及び/
又は発現におけるそれらの機能を最適化し、ポリヌクレオチドの単離に役立てることがで
きるか、又は細胞へのポリヌクレオチドの導入を改善することができる。クローン化ベク
ター、発現ベクター、アダプター、及びリンカーの使用は、当該技術分野においてよく知
られている。(例えば、上記のAusubel、又は上記のSambrookを参照のこ
と。)
【0068】
核酸を構築するための組換え方法
RNA、cDNA、ゲノムDNA、又はこれらの任意の組み合わせなどの単離された核
酸組成物は、当業者に既知の任意の数のクローニング方法を用いて生物源から得ることが
できる。いくつかの実施形態において、本発明のポリヌクレオチドに対して厳しい条件下
で選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブが、cDNA又はゲノムDN
Aライブラリ内の望ましい配列を同定するために使用される。RNAの単離、並びにcD
NA及びゲノムライブラリの構築は、当業者には周知である。(例えば、上記のAusu
bel、又は上記のSambrookを参照のこと。)
【0069】
核酸のスクリーニング及び単離方法
本明細書に開示されているものなど、本発明の方法に使用されるポリヌクレオチドの配
列に基づいたプローブを使用して、cDNA又はゲノムライブラリをスクリーニングする
ことができる。プローブを使用して、同じ又は異なる生体内の相同遺伝子を単離するため
、ゲノムDNA又はcDNA配列にハイブリダイズさせることができる。当業者であれば
、アッセイに様々な度合のハイブリダイゼーションストリンジェンシーを用いることがで
き、ハイブリダイゼーション又は洗浄媒質のいずれかがストリンジェントであり得ること
を理解するであろう。ハイブリダイゼーションのための条件が厳しくなるにつれて、二重
鎖形成が生じるために、プローブと標的との間の相補性の程度が大きくなるはずである。
ストリンジェンシーの程度は、温度、イオン強度、pH、及びホルムアミドなどの部分的
変性溶媒の存在のうちの、1つ以上によって制御することができる。例えば、ハイブリダ
イゼーションのストリンジェンシーは、例えば、0%~50%の範囲内でのホルムアミド
濃度の操作により反応溶液の極性を変えることにより都合良く変更される。検出可能な結
合のために必要な相補性(配列同一性)の程度は、ハイブリダイゼーション媒質及び/又
は洗浄媒質のストリンジェンシーに従って変化する。相補性の程度は、最適には100%
、又は70~100%、又はその中の任意の範囲若しくは値である。しかしながら、プロ
ーブ及びプライマー内のわずかな配列変動は、ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄媒
質のストリンジェンシーを低下させることで補償できるということを理解すべきである。
【0070】
RNA又はDNAの増幅方法は当該技術分野において周知であり、本明細書で紹介する
教示及び指針に基づいて、過度の実験なしに、本発明に従って使用可能である。
【0071】
DNA又はRNA増幅の既知の方法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase cha
in reaction、PCR)及び関連する増幅プロセス(例えば、Mullisらの米国特許
第4,683,195号、同第4,683,202号、同第4,800,159号、同第
4,965,188号、Taborらの同第4,795,699号及び同第4,921,
794号、Innisの同第5,142,033号、Wilsonらの同第5,122,
464号、Innisの同第5,091,310号、Gyllenstenらの同第5,
066,584号、Gelfandらの同第4,889,818号、Silverらの同
第4,994,370号、Biswasの同第4,766,067号、Ringoldの
同第4,656,134号を参照のこと)、及び二本鎖DNA合成のためのテンプレート
として標的配列に対してアンチセンスRNAを使用するRNA媒介増幅(Malekらの
米国特許第5,130,238号、商標名NASBAをもつ)が挙げられるが、これらに
限定されない(これらの文献の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)。(例え
ば、上記のAusubel、又は上記のSambrookを参照のこと。)
【0072】
例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を使用して、ゲノムDNA又はcDNA
ライブラリから直接、本発明の方法に使用されるポリヌクレオチド及び関連する遺伝子の
配列を増幅することができる。PCR及びその他のインビトロ増幅方法はまた、例えば、
発現すべきタンパク質をコード化する核酸配列をクローニングする、サンプル中の所望の
mRNAの存在を検出するため、核酸の配列決定のため、又はその他の目的のためのプロ
ーブとして用いるための核酸を作製するのに有用であり得る。インビトロ増幅方法によっ
て当業者を導くのに十分な技術の例は、上記のBerger、上記のSambrook及
び上記のAusubel並びに米国特許第4,683,202号(Mullisら、19
87)、及びInnisら、PCR Protocols A Guide to Me
thods and Applications,Eds.,Academic Pre
ss Inc,San Diego,CA(1990)に見られる。ゲノムPCR増幅用
の市販キットは当該技術分野において既知である。例えば、Advantage-GC
Genomic PCR Kit(Clontech)を参照のこと。加えて、例えば、
T4遺伝子32タンパク質(Boehringer Mannheim)を用いて、長い
PCR産物の収率を改善することができる。
【0073】
核酸を構築するための合成方法
本発明の方法に使用される単離された核酸は、既知の方法による直接化学合成によって
も調製可能である(例えば、上記のAusubelらを参照のこと)。化学合成は、一般
に、相補的配列とのハイブリダイゼーションによって、又は1本鎖をテンプレートとして
使用するDNAポリメラーゼとの重合によって、2本鎖DNAに変換可能な1本鎖オリゴ
ヌクレオチドを生成する。当業者であれば、DNAの化学合成は約100以上の塩基の配
列に限定され得るものの、より長い配列は、より短い配列の連結反応によって得ることが
できることを認識するであろう。
【0074】
組換え発現カセット
本発明は核酸を含む組換え発現カセットを使用する。核酸配列、例えば本発明の方法に
使用される抗体をコード化するcDNA又はゲノム配列を使用して、少なくとも1つの所
望の宿主細胞に導入することができる組換え発現カセットを構築することができる。組換
え発現カセットは、典型的には、意図される宿主細胞においてポリヌクレオチドの転写を
導く、転写開始調節配列に操作可能に連結される、ポリヌクレオチドを含む。異種及び非
異種(すなわち、内因性)プロモーターの両方を利用して、核酸の発現を導くことができ
る。
【0075】
一部の実施形態では、プロモーター、エンハンサー、又は他の要素として機能する単離
された核酸を、ポリヌクレオチドの発現を上方又は下方調節するために、本発明のポリヌ
クレオチドの非異種形の適切な位置(上流、下流、又はイントロン内)に導入することが
できる。例えば、インビボ又はインビトロで、突然変異、欠失及び/又は置換により、内
因性プロモーターを変えることができる。
【0076】
ベクター及び宿主細胞
本発明は、単離された核酸分子を含むベクター、組換えベクターで遺伝子工学処理され
る宿主細胞、及び当該技術分野において周知である組換え技術による少なくとも1つの抗
IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体の産生にも関する。例えば、上記のS
ambrookら、上記のAusubelらを参照のこと(各々は、参照により全体が本
明細書に組み込まれる)。
【0077】
ポリヌクレオチドは、所望により、宿主の増殖についての選択マーカーを含有するベク
ターに結合することができる。一般に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿物
のような沈殿物内、又は荷電脂質との複合体内に導入される。ベクターがウイルスである
場合は、適切なパッケージング細胞株を用いてインビトロでこれをパッケージングし、そ
の後、宿主細胞内に形質導入することができる。
【0078】
DNA挿入物は、適切なプロモーターに機能的に連結されるべきである。発現コンスト
ラクトは、転写開始部位、転写終結部位、及び転写された領域内では翻訳のためのリボソ
ーム結合部位を更に含む。構築により発現する成熟した転写産物のコード部分は、好まし
くは、翻訳されるべきmRNAの最後に適切に位置する開始及び終止コドン(例えば、U
AA、UGA、又はUAG)で始まる翻訳を含み、哺乳類又は真核生物細胞の発現ではU
AA及びUAGが好ましい。
【0079】
発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択マーカーを含むが、これは任意であ
る。かかるマーカーは、例えば、真核細胞培養のためのメトトレキサート(methotrexate
、MTX)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(dihydrofolate reductase、DHFR、米国特
許第4,399,216号、同第4,634,665号、同第4,656,134号、同
第4,956,288号、同第5,149,636号、同第5,179,017号、アン
ピシリン、ネオマイシン(G418)、マイコフェノール酸又はグルタミンシンセターゼ
(glutamine synthetase、GS、米国特許第5,122,464号、同第5,770,3
59号、同第5,827,739号)抵抗性遺伝子、並びに大腸菌及びその他の細菌又は
原核生物における培養のためのテトラサイクリン又はアンピシリン抵抗性遺伝子を含むが
、これらに限定されない(上記特許は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。上
記の宿主細胞に対して適切な培養培地及び条件は、当該技術分野において既知である。適
切なベクターは、当事者にとって容易に明白となるであろう。宿主細胞へのベクターコン
ストラクトの導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン
媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレ
ーション、形質導入、感染又は他の既知の方法により影響を受け得る。かかる方法につい
ては、上記のSambrook、第1~4章及び第16~18章、上記のAusubel
、第1、9、13、15、16章など、当該技術分野において記載されている。
【0080】
本発明の方法に使用される少なくとも1つの抗体は、融合タンパク質などの修飾された
形態で発現され得、分泌シグナルだけでなく、追加の異種機能領域も含み得る。例えば、
追加アミノ酸の領域、特に荷電アミノ酸を抗体のN末端に追加して、精製中又は後続の処
理及び保存中に、宿主細胞における安定性及び持続性を改善することができる。また、ペ
プチド部分を本発明の抗体に追加して、精製を促進することもできる。抗体又は少なくと
も1つのその断片の最終調製前に、かかる領域を除去することができる。かかる方法は、
上記のSambrook、第17.29~17.42章及び第18.1~18.74章、
上記のAusubel、第16、17及び18章など、多くの標準的な実験室マニュアル
に記載されている。
【0081】
当業者であれば、本発明の方法に使用されるタンパク質をコード化する核酸の発現に利
用可能な多数の発現系について精通している。あるいは、核酸は、抗体をコード化する内
因性DNAを含有する宿主細胞内で、(操作により)オン切換えすることにより、宿主細
胞中で発現させることができる。このような方法は、米国特許第5,580,734号、
同第5,641,670号、同第5,733,746号、及び同第5,733,761号
に記載されているように、当該技術分野において周知であり、これらは参照により全体が
本明細書に組み込まれる。
【0082】
抗体、その特定された部分又は変異体の産生にとって有用な細胞培養の一例は哺乳動物
細胞である。哺乳類細胞系は、単層の細胞の形を取ることが多いが、哺乳類細胞の懸濁液
又はバイオリアクターも使用可能である。無傷なグリコシル化タンパク質を発現可能な多
数の好適な宿主細胞株が当該技術分野において開発されており、これにはCOS-1(例
えばATCC CRL 1650)、COS-7(例えばATCC CRL-1651)
、HEK293、BHK21(例えばATCC CRL-10)、CHO(例えばATC
C CRL1610)及びBSC-1(例えばATCC CRL-26)細胞株、Cos
-7細胞、CHO細胞、hepG2細胞、P3X63Ag8.653、SP2/0-Ag
14、293細胞、HeLa細胞などが挙げられ、これらは例えば、American
Type Culture Collection(Manassas,Va)(www
.atcc.org)から容易に入手できる。好ましい宿主細胞には、骨髄腫及びリンパ
腫細胞などのリンパ系起源の細胞が挙げられる。特に好ましい宿主細胞はP3X63Ag
8.653細胞(ATCC登録番号CRL-1580)及びSP2/0-Ag14細胞(
ATCC登録番号CRL-1851)である。特に好ましい実施形態では、組換え細胞は
、P3X63Ab8.653又はSP2/0-Ag14細胞である。
【0083】
これらの細胞の発現ベクターは、複製起点、プロモーター(例えば、後期又は初期SV
40プロモーター、CMVプロモーター(米国特許第5,168,062号、同第5,3
85,839号)、HSV tkプロモーター、pgk(ホスホグリセレートキナーゼ)
プロモーター、EF-1αプロモーター(米国特許第5,266,491号)、少なくと
も1つのヒト免疫グロブリンプロモーター、エンハンサー、及び/又はリボソーム結合部
位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位(例えば、SV40ラージT Agポリ
付加部位)、並びに転写終結配列などのプロセシング情報部位などであるがこれらに限定
されない発現制御配列のうちの1つ以上を含み得る。例えば、上記のAusubelら、
上記のSambrookらを参照のこと。本発明の核酸又はタンパク質の生成に有用なそ
の他の細胞は既知であり、並びに/あるいは例えば、American Type Cu
lture Collectionの細胞株及びハイブリドーマのカタログ(www.a
tcc.org)又はその他の既知の若しくは商業的供給源から入手可能である。
【0084】
真核宿主細胞が利用されるとき、典型的には、ベクター内にポリアデニル化又は転写終
結配列が組み込まれる。終結配列の一例は、ウシ成長ホルモン遺伝子からのポリアデニル
化配列である。転写の正確なスプライシングのための配列も、同様に含むことができる。
スプライシング配列の一例は、SV40由来のVP1イントロンである(Sprague
,et al.,J.Virol.45:773~781(1983))。加えて、当該
技術分野において既知であるように、宿主細胞内の複製を制御するための遺伝子配列をベ
クター内に組み込むことができる。
【0085】
抗体の精製
抗IL-12/23-p40(又は抗IL-23)抗体は、プロテインA精製、硫酸ア
ンモニウム又はエタノール沈殿、酸抽出、アニオン又はカチオン交換クロマトグラフィー
、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニ
ティクロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、及びレクチンク
ロマトグラフィーが挙げられるがこれらに限定されない周知の方法により、組換え細胞培
養物から回収され、精製することができる。高速液体クロマトグラフィー(High perform
ance liquid chromatography、「HPLC」)を精製に利用することもできる。例えば、
Colligan、Current Protocols in Immunology
又はCurrent Protocols in Protein Science,J
ohn Wiley & Sons,Inc.,NY,NY(1997~2001)の、
例えば、第1、4、6、8、9、10章を参照されたく、それぞれは参照により全体が本
明細書に組み込まれる。
【0086】
本発明の方法に使用される抗体には、天然に精製された産物、化学合成手順の産物、並
びに例えば、酵母、高等植物、昆虫、及び哺乳類細胞を含む、真核宿主から組換え技法に
より産生された産物が含まれる。組換え産物手順に利用される宿主に応じて、抗体は、グ
リコシル化されてもグリコシル化されなくてもよいが、グリコシル化されるのが好ましい
。かかる方法は、上記のSambrook、セクション17.37~17.42、上記の
Ausubel、第10、12、13、16、18、及び20章、上記のColliga
n,Protein Science、第12~14章などの多くの標準的な実験室マニ
ュアルに記載されており、全てが参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0087】
抗IL-12/IL-23p40抗体。
本発明による抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体は、抗体に組み込む
ことができる、免疫グロブリン分子の少なくとも一部、例えば、限定されないが、少なく
とも1つのリガンド結合部分(ligand binding portion、LBP)、例えば、限定されな
いが、重鎖若しくは軽鎖の相補性決定領域(CDR)又はそのリガンド結合部分、重鎖又
は軽鎖可変領域、フレームワーク領域(例えば、FR1、FR2、FR3、FR4、又は
それらの断片、更に所望により、少なくとも1つの置換、挿入、又は欠失を含む)、重鎖
又は軽鎖定常領域(例えば、少なくとも1のC1、ヒンジ1、ヒンジ2、ヒンジ3、ヒ
ンジ4、C2、若しくはC3、又はそれらの断片、更に所望により、少なくとも1つ
の置換、挿入、又は欠失を含む)、又はそれらの任意の部分を含む任意のタンパク質又は
ペプチド含有分子を含む。抗体は、ヒト、マウス、ウサギ、ラット、げっ歯類、霊長類、
又はそれらの任意の組み合わせなどであるがこれらに限定されない、任意の哺乳動物を含
むか、又はそれに由来し得る。
【0088】
本発明の方法に使用される単離された抗体は、任意の好適なポリヌクレオチドによって
コードされる、本明細書に開示される抗体のアミノ酸配列、又は任意の単離又は調製され
た抗体を含む。好ましくは、ヒト抗体又は抗原結合断片は、ヒトIL-12/23又はI
L-23に結合し、それにより、タンパク質の少なくとも1つの生物学的活性を部分的又
は実質的に中和する。少なくとも1つのIL-12又はIL-23タンパク質又は断片の
少なくとも1つの生物学的活性を部分的に又は好ましくは実質的に中和する抗体又はその
特定された部分若しくは変異体は、タンパク質又は断片に結合し、それによりIL-12
又はIL-23の、IL-12又はIL-23受容体への結合を通して、又は他のIL-
12依存性又は媒介型機序を通して媒介される活性を阻害することができる。本明細書で
使用するとき、「中和抗体」という用語は、アッセイに応じて約20~120%、好まし
くは少なくとも約10、20、30、40、50、55、60、65、70、75、80
、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%以上
、IL-12又はIL-23依存活性を阻害できる抗体を指す。抗IL-12/23p4
0抗体がIL-12/23依存活性を阻害する能力は、好ましくは、本明細書に記載され
かつ/又は当該技術分野において既知の、少なくとも1つの好適なIL-12/23タン
パク質又は受容体アッセイによって評価される。ヒト抗体は、任意のクラス(IgG、I
gA、IgM、IgE、IgD等)又はアイソタイプのものであってもよく、カッパ又は
ラムダ軽鎖を含み得る。一実施形態では、ヒト抗体は、IgG重鎖又は規定された断片、
例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4(例えば、γ1、γ2、γ3、γ4
)のうちの少なくとも1つのアイソタイプを含む。このタイプの抗体は、本明細書に記載
されかつ/又は当該技術分野において既知の、少なくとも1つのヒト軽鎖(例えば、Ig
G、IgA、及びIgM)導入遺伝子を含む、トランスジェニックマウス又は他のトラン
スジェニック非ヒト哺乳動物を利用することによって調製することができる。別の実施形
態では、抗ヒトIL-12/23p40(又は抗IL-23)ヒト抗体は、IgG1重鎖
及びIgG1軽鎖を含む。
【0089】
抗体は、少なくとも1つのIL-12/23タンパク質、サブユニット、断片、部分、
又はそれらの任意の組み合わせに特異的な少なくとも1つの特定されたエピトープに結合
する。この少なくとも1つのエピトープは、タンパク質の少なくとも一部分を含む少なく
とも1つの抗体結合領域を含むことが可能であり、このエピトープは好ましくは、タンパ
ク質の少なくとも1つの細胞外、可溶性、親水性、外部、又は細胞質部分から構成されて
いる。少なくとも1つの特定されたエピトープは、配列番号9の隣接アミノ酸、例えば、
アミノ酸残基15、17~21、23、40~43、45~47、54~56、及び58
~62の特定された部分全体に対する少なくとも1~3個のアミノ酸の少なくとも1つの
アミノ酸配列の任意の組み合わせを含むことができる。
【0090】
一般に、ヒト抗体又は抗原結合断片は、少なくとも1つのヒト相補性決定領域(CDR
1、CDR2、及びCDR3)又は少なくとも1つの重鎖可変領域の変異体、及び少なく
とも1つのヒト相補性決定領域(CDR1、CDR2、及びCDR3)又は少なくとも1
つの軽鎖可変領域の変異体を含む抗原結合領域を含む。CDR配列は、ヒト生殖系列配列
に由来するか、又は生殖系列配列に厳密に一致し得る。例えば、元の非ヒトCDRに由来
する合成ライブラリからのCDRを使用することができる。これらのCDRは、元の非ヒ
ト配列からの保存的置換の組み込みによって形成され得る。非限定的な例として、抗体又
は抗原結合部分若しくは変異体は、配列番号1~3からなる群から選択されるアミノ酸配
列を有する重鎖CDR3及び/又は配列番号4~6からなる群から選択されるアミノ酸配
列を有する軽鎖CDR3のうちの少なくとも1つを含み得る。特定の実施形態では、抗体
又は抗原結合断片は、対応するCDR1、2、及び/又は3のアミノ酸配列(例えば、配
列番号1、2、及び/又は3)を有する少なくとも1つの重鎖CDR(すなわち、CDR
1、CDR2、及び/又はCDR3)の少なくとも一部を含む抗原結合領域を有すること
ができる。別の特定の実施形態では、抗体又は抗原結合部分又は変異体は、対応するCD
R1、2及び/又は3のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの軽鎖CDR(すなわち、
CDR1、CDR2、及び/又はCDR3)の少なくとも一部を含む抗原結合領域を有す
ることができる。
【0091】
かかる抗体は、組換えDNA技術の従来技術を使用して抗体をコード化する(すなわち
、1つ以上の)核酸分子を調製し発現させることによって、又は任意のその他の適切な方
法を使用することによって、従来技術を使用して抗体の様々な部分(例えば、CDR、フ
レームワーク)を一緒に化学的に結合させることにより調製できる。
【0092】
抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体は、規定されたアミノ酸配列を有
する重鎖又は軽鎖可変領域のうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、好まし
い実施形態では、抗IL-12/23p40抗体は、所望により配列番号7のアミノ酸配
列を有する少なくとも1つの重鎖可変領域、及び/又は所望により配列番号8のアミノ酸
配列を有する少なくとも1つの軽鎖可変領域のうち少なくとも1つを含む。ヒトIL-1
2/23に結合し、規定された重鎖又は軽鎖可変領域を含む抗体は、当該技術分野におい
て既知でありかつ/又は本明細書に記載される、好適な方法、例えば、ファージディスプ
レイ(Katsube,Y.,et al.,Int J Mol.Med,1(5):
863~868(1998))又はトランスジェニック動物を用いる方法を使用して調製
することができる。例えば、機能的に再構成されたヒト免疫グロブリン重鎖導入遺伝子と
、機能的な再配列を受けることが可能なヒト免疫グロブリン軽鎖遺伝子座からのDNAを
含む導入遺伝子と、を含むトランスジェニックマウスを、ヒトIL-12/23又はその
断片で免疫化して抗体の産生を誘発することができる。所望する場合、抗体生成細胞を単
離することができ、本明細書に記載されるように、かつ/又は当該技術分野において既知
であるように、ハイブリドーマ又はその他の不死化抗体生成細胞を調製することができる
。あるいは、抗体、特定された部分又は変異体は、好適な宿主細胞内で、コード核酸又は
その一部分を使用して発現させることができる。
【0093】
本発明はまた、本明細書に記載されるアミノ酸配列と実質的に同じである配列内のアミ
ノ酸を含む抗体、抗原結合断片、免疫グロブリン鎖及びCDRにも関する。好ましくは、
かかる抗体又は抗原結合断片及びかかる鎖若しくはCDRを含む抗体は、高い親和性(例
えば、Kが約10-9M以下)で、ヒトIL-12/23に結合することができる。本
明細書に記載されている配列と実質的に同じであるアミノ酸配列には、保存的アミノ酸置
換、並びにアミノ酸欠失及び/又は挿入を含む配列が挙げられる。保存的アミノ酸置換は
、第1のアミノ酸のものに類似する化学的及び/又は物理的特性(例えば、電荷、構造、
極性、疎水性/親水性)をもつ第2のアミノ酸で、第1のアミノ酸を置換することを指す
。保存的置換は、限定されないが、1個のアミノ酸を、以下の群内の別のアミノ酸で置き
換えることを含む:リジン(K)、アルギニン(R)、及びヒスチジン(H);アスパラ
ギン酸塩(D)及びグルタミン酸塩(E);アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セ
リン(S)、スレオニン(T)、チロシン(Y)、K、R、H、D、及びE;アラニン(
A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、フェニル
アラニン(F)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、システイン(C)、及びグ
リシン(G);F、W、及びY;C、S、及びT。
【0094】
アミノ酸コード
本発明の抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体を構成するアミノ酸は、
略されることが多い。アミノ酸表記は、その1文字コード、その3文字コード、名称、又
は3つのヌクレオチドのコドン(複数可)によりアミノ酸を表記することにより示すこと
ができ、当該技術分野においてよく理解されている(Alberts,B.,et al
.,Molecular Biology of The Cell,Third Ed
.,Garland Publishing,Inc.,New York,1994を
参照のこと)。
【0095】
【表1】
【0096】
本発明の方法に使用される抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体は、本
明細書で特定されるように、自然突然変異又はヒトによる操作のいずれかによる、1つ以
上のアミノ酸の置換、欠失、又は付加を含み得る。
【0097】
当業者が行い得るアミノ酸置換の数は、上記のものを含む数多くの要因に基づく。一般
的に言えば、任意の所与の抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体、断片、
又は変異体についてのアミノ酸置換、挿入、又は欠失の数は、本明細書で特定されるよう
に、40、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10
、9、8、7、6、5、4、3、2、1、例えば、1~30、又はこの中の任意の範囲若
しくは値を超えない。
【0098】
機能上不可欠である抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体内のアミノ酸
は、部位特異的突然変異誘発又はアラニンスキャニング突然変異誘発などの、当該技術分
野において既知の方法により特定することができる(例えば、上記のAusubel、C
hapters 8,15;Cunningham and Wells,Scienc
e 244:1081~1085(1989))。後者の手順では、分子内の各残基ごと
に1つのアラニン置換変異が導入される。得られた突然変異分子は、次いで、例えば、限
定されないが、少なくとも1つのIL-12又はIL-23中和活性などの生物活性につ
いて試験される。抗体結合にとってきわめて重要である部位もまた、結晶化、核磁気共鳴
、又は光親和性標識などの構造分析によって特定することができる(Smith,et
al.,J.Mol.Biol.224:899~904(1992)及びde Vos
,et al.,Science 255:306~312(1992))。IL-12
結合に関与するIL-12/23p40抗体上の残基は、IL-12/23p40抗体及
びIL-12p40抗原の共結晶構造に基づいて特定された。これらを以下の表5に示す
【0099】
抗IL-12/23p40抗体は、配列番号1、2、3、4、5、6のうちの少なくと
も1つの隣接アミノ酸のうちの5個~全てから選択される、少なくとも1つの部分、配列
、又は組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
【0100】
IL-12/23p40抗体又は特定された部分若しくは変異体は、限定されないが、
配列番号1の少なくとも3~5個の隣接アミノ酸、配列番号2の5~17個の隣接アミノ
酸、配列番号3の5~10個の隣接アミノ酸、配列番号4の5~11個の隣接アミノ酸、
配列番号5の5~7個の隣接アミノ酸、配列番号6の5~9個の隣接アミノ酸、配列番号
7のLeu21、Lys76、Met83、Ser85から選択される、少なくとも1つ
の部分、配列、又は組合せを含むことができる。
【0101】
抗IL-12/23p40抗体は、更に所望により、配列番号1、2、3、4、5、6
、7、又は8のうち少なくとも1つの、5、17、10、11、7、9、119、又は1
08個の隣接アミノ酸の70~100%の少なくとも1つのポリペプチドを含んでもよい
。一実施形態では、免疫グロブリン鎖又はその一部(例えば、可変領域、CDR)のアミ
ノ酸配列は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、又は8のうちの少なくとも1つの対
応する鎖のアミノ酸配列と、約70~100%の同一性(例えば、70、71、72、7
3、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86
、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、
100、又はその中の任意の範囲若しくは値)を有する。例えば、軽鎖可変領域のアミノ
酸配列を、配列番号4、5、6、又は8の配列と比較することができるか、又は重鎖CD
R3のアミノ酸配列を配列番号1、2、3、又は7と比較することができる。好ましくは
、70~100%のアミノ酸同一性(すなわち、90、91、92、93、94、95、
96、97、98、99、100、又はこの中の任意の範囲若しくは値)は、当該技術分
野において既知であるように、適切なコンピュータアルゴリズムを用いて決定される。
【0102】
当該技術分野において既知のように「同一性」は、配列を比較することにより判定され
る、2つ以上のポリペプチド配列間又は2つ以上のポリヌクレオチド配列間の関係である
。当該技術分野において、「同一性」はまた、そのような配列の糸の間の一致によって決
定されるような、ポリペプチド又はポリヌクレオチド配列間の配列関連性の程度を意味す
る。「同一性」及び「類似性」は、Computational Molecular
Biology,Lesk,A.M.,ed.,Oxford University
Press,New York,1988、Biocomputing:Informa
tics and Genome Projects,Smith,D.W.,ed.,
Academic Press,New York,1993。Computer An
alysis of Sequence Data,Part I,Griffin,A
.M.,and Griffin,H.G.,eds.,Humana Press,N
ew Jersey,1994、Sequence Analysis in Mole
cular Biology,von Heinje,G.,Academic Pre
ss,1987、及びSequence Analysis Primer,Gribs
kov,M.and Devereux,J.,eds.,M Stockton Pr
ess,New York,1991、並びにCarillo,H.,and Lipm
an,D.,Siam J.Applied Math.,48:1073(1988)
に記載されるものを含むが、これらに限定されない既知の方法により容易に計算すること
ができる。加えて、同一性の割合に関する値は、Vector NTI Suite 8
.0(Informax,Frederick,MD)のメンバーであるAlignXの
セッティングのデフォルトを用いて作成される、アミノ酸及びヌクレオチド配列アライン
メントから得ることができる。
【0103】
同一性を決定するための好ましい方法は、試験される配列間で最大一致が得られるよう
に設計される。同一性及び類似性を決定するための方法は、公的に入手可能なンピュータ
プログラムにおいて成文化されている。2つの配列間の同一性及び類似性を決定するため
の好ましいコンピュータプログラム方法は、GCGプログラムパッケージ(Devere
ux,J.,et al.,Nucleic Acids Research 12(1
):387(1984))、BLASTP、BLASTN、及びFASTA(Atsch
ul,S.F.et al.,J.Molec.Biol.215:403~410(1
990))を含むが、これらに限定されない。BLAST Xプログラムは、NCBI及
び他の供給源(BLAST Manual,Altschul,S.,et al.,N
CBINLM NIH Bethesda,Md.20894:Altschul,S.
,et al.,J.Mol.Biol.215:403~410(1990)から公的
に入手可能である。よく知られたSmith Watermanアルゴリズムも同一性を
決定するために使用され得る。
【0104】
ポリペプチド配列比較のための好ましいパラメータは、以下を含む:(1)アルゴリズ
ム:Needleman and Wunsch,J.Mol Biol.48:443
~453(1970)Comparison matrix:BLOSSUM62 fr
om Hentikoff and Hentikoff,Proc.Natl.Aca
d.Sci,USA.89:10915~10919(1992)
ギャップペナルティ:12
ギャップ長ペナルティ:4
これらのパラメータで有用なプログラムは、Genetics Computer G
roup,Madison Wisからの「ギャップ」プログラムとして公的に入手可能
である。前述のパラメータは、ペプチド配列比較のためのデフォルトパラメータ(末端ギ
ャップに関してペナルティなしとともに)である。
【0105】
ポリヌクレオチド比較のための好ましいパラメータは、以下を含む:
(1)アルゴリズム:Needleman and Wunsch,J.Mol Bi
ol.48:443~453(1970)
比較行列:一致=+10、不一致=0
ギャップペナルティ:50
ギャップ長ペナルティ:3
Genetics Computer Group,Madison Wisから「ギ
ャップ」プログラムとして入手可能。これらは、核酸配列比較のためのデフォルトパラメ
ータである。
【0106】
例として、ポリヌクレオチド配列は、他の配列と同一であり得る、つまり、100%同
一であるか、又は参照配列と比較してある特定の整数までのヌクレオチド変更を含み得る
。かかる変更は、少なくとも1つのヌクレオチドの欠失、置換(転移及び転換を含む)、
又は挿入からなる群から選択され、変更は、参照ヌクレオチド配列の5’若しくは3’末
端位置で、又はこれらの末端位置の間のどこで生じてもよく、参照配列のヌクレオチド間
に個々に、又は参照配列内の1つ以上の隣接基のいずれかにおいて点在してもよい。ヌク
レオチドの変更数は、配列中の総ヌクレオチド数にそれぞれのパーセント同一性の数値パ
ーセント(100で除す)を乗じ、その積を配列中の総ヌクレオチド数から減算すること
によって、又は
n.sub.n.ltorsim.x.sub.n-(x.sub.n.y)
(式中、n.sub.nは、ヌクレオチドの変更数であり、x.sub.nは、配列中
の総ヌクレオチド数であり、yは、例えば、70%は0.70、80%は0.80、85
%は0.85、90%は0.90、95%は0.95等であり、x.sub.n及びyの
任意の非整数積は、x.sub.nから減算する前に整数単位に四捨五入される)によっ
て決定される。
【0107】
配列番号7のポリペプチドをコード化するポリヌクレオチド配列の変更は、このコード
配列中にナンセンス、ミスセンス、又はフレームシフト突然変異を作り出し、それにより
、かかる変更後にポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを変更することが
できる。同様に、ポリペプチド配列は、配列番号7の参照配列と同一であり得る、つまり
、100%同一であるか、又は同一率が100%未満であるように、参照配列と比較して
ある特定の整数までのアミノ酸変更を含み得る。かかる変更は、少なくとも1つのアミノ
酸の欠失、置換(保存的及び非保存的置換を含む)、又は挿入からなる群から選択され、
変更は、参照ポリペプチド配列のアミノ-若しくはカルボキシ末端位置で、又はこれらの
末端位置の間のどこで生じてもよく、参照配列のアミノ酸間に個々に、又は参照配列内の
1つ以上の隣接基のいずれかにおいて点在してもよい。所与の同一性%のアミノ酸の変更
数は、配列番号7の総アミノ酸数にそれぞれの同一性パーセントの数値パーセント(10
0で除す)を乗じ、その後、その積を配列番号7の総アミノ酸数から減算することによっ
て、又は
n.sub.a.ltorsim.x.sub.a-(x.sub.a.y)
(式中、n.sub.aは、アミノ酸の変更数であり、x.sub.aは、配列番号7
の総アミノ酸数であり、yは、例えば、70%は0.70、80%は0.80、85%は
0.85等であり、x.sub.a及びyの任意の非整数積は、x.sub.aからそれ
を減算する前に整数単位に四捨五入される)によって決定される。
【0108】
代表的な重鎖及び軽鎖可変領域の配列、並びにそれらの部分は、配列番号1~8に示さ
れる。本発明の抗体又はその特定された変異体は、本発明の抗体からの任意の数の隣接ア
ミノ酸残基を含み得、その数は、抗IL-12抗体における隣接残基数の10~100%
からなる整数の群から選択される。任意で、隣接アミノ酸のこの部分列は、少なくとも約
10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、1
30、140、150、160、170、180、190、200、210、220、2
30、240、250、又はそれ以上のアミノ酸長、又はその中の任意の範囲若しくは値
である。更に、かかる部分列の数は、少なくとも2、3、4、又は5などの、1~20か
らなる群から選択される任意の整数であり得る。
【0109】
当業者であれば理解するように、本発明には、本発明の少なくとも1つの生物活性抗体
が含まれている。生物活性抗体は、天然(非合成)、内因性、又は関連する、及び既知の
抗体のものの、少なくとも20%、30%、又は40%、及び好ましくは少なくとも50
%、60%、又は70%、及び最も好ましくは少なくとも80%、90%、又は95%~
100%以上(限定されないが、比活性の最大10倍を含む)の比活性を有する。酵素活
性及び基質特異性のアッセイ及び定量測定の方法は、当業者にとって周知である。
【0110】
別の態様では、本発明は、有機部分の共有結合により修飾される、本明細書に記載され
るヒト抗体及び抗原結合断片に関する。かかる修飾は、改善された薬物動態特性(例えば
、増大した、インビボでの血清半減期)を有する抗体又は抗原結合断片を生成することが
できる。有機部分は、直鎖又は分枝鎖親水性ポリマー基、脂肪酸基、又は脂肪酸エステル
基であることができる。特定の実施形態では、親水性ポリマー基は、分子量が約800~
約120,000ダルトンであって、ポリアルカングリコール(例えば、ポリエチレング
リコール(polyethylene glycol、PEG)、ポリプロピレングリコール(polypropylene
glycol、PPG))、炭水化物ポリマー、アミノ酸ポリマー又はポリビニルピロリドン
であり得、また、脂肪酸基又は脂肪酸エステル基は、約8~約40の炭素原子を含み得る
【0111】
修飾された抗体及び抗原結合断片は、直接的又は間接的に抗体に共有結合される、1つ
以上の有機部分を含み得る。本発明の抗体又は抗原結合断片に結合される各有機部分は、
独立して、親水性ポリマー基、脂肪酸基、又は脂肪酸エステル基であり得る。本明細書で
使用するとき、「脂肪酸」という用語は、モノカルボン酸及びジカルボン酸を含む。本明
細書で使用するとき、「親水性ポリマー基」という用語は、オクタンよりも水に対する溶
解度が高い有機ポリマーを意味する。例えば、ポリリシンは、オクタンよりも水に対する
溶解度が高い。よって、ポリリシンの共有結合により修飾された抗体は、本発明に包含さ
れる。本発明の抗体を修飾するために適切な親水性ポリマーは、直線状又は分岐状であり
得、例えば、ポリアルカングリコール(例えば、PEG、モノメトキシ-ポリエチレング
リコール(monomethoxy-polyethylene glycol、mPEG)、PPGなど)、炭水化物(
例えば、デキストラン、セルロース、オリゴ糖、多糖など)、親水性アミノ酸のポリマー
(例えば、ポリリシン、ポリアルギニン、ポリアスパラギン酸など)、ポリアルカンオキ
シド(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなど)、及びポリビニル
ピロリドンを含む。好ましくは、本発明の抗体を修飾する親水性ポリマーは、個別の分子
体として、約800~約150,000ダルトンの分子量を有する。例えば、PEG50
00及びPEG20,000を使用することができ、下付き文字は、ポリマーの平均分子
量(ダルトン)である。親水性ポリマー基は、1~約6個のアルキル基、脂肪酸基又は脂
肪酸エステル基で置換することができる。脂肪酸又は脂肪酸エステル基で置換される親水
性ポリマー類は、適切な方法を利用することによって調製することができる。例えば、ア
ミン基を含むポリマーを、脂肪酸又は脂肪酸エステルのカルボン酸塩に連結させることが
でき、脂肪酸又は脂肪酸エステル上の活性化カルボン酸塩(例えば、N,N-カルボニル
ジイミダゾールで活性化されている)をポリマー上のヒドロキシル基に連結させることが
できる。
【0112】
本発明の抗体を修飾するために好適な脂肪酸及び脂肪酸エステルは、飽和されてもよい
し、又は1つ以上の不飽和単位を含有してもよい。本発明の抗体を修飾するのに好適な脂
肪酸としては、例えば、n-ドデカン酸塩(C12、ラウリン酸塩)、n-テトラデカン
酸塩(C14、ミリスチン酸塩)、n-オクタデカン酸塩(C18、ステアリン酸塩)、
n-エイコサン酸塩(C20、アラキジン酸塩)、n-ドコサン酸塩(C22、ベヘン酸
)、n-トリアコンタン酸塩(C30)、n-テトラコンタン酸塩(C40)、シス-Δ
9-オクタデカン酸塩(C18、オレイン酸塩)、全てのシス-Δ5,8,11,14-
エイコサテトラエン酸塩(C20、アラキドン酸塩)、オクタンジオン酸、テトラデカン
ジオン酸、オクタデカンジオン酸、ドコサンジオン酸などが挙げられる。好適な脂肪酸エ
ステルは、直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基を含む、ジカルボン酸のモノエステルを含む
。低級アルキル基は、1~約12個、好ましくは1~約6個の炭素原子を含んでよい。
【0113】
修飾されたヒト抗体及び抗原結合断片は、1つ以上の修飾剤と反応させるなど、好適な
方法を使用して調製することができる。本明細書で使用されるとき、用語「修飾剤」は、
活性化基を含む適切な有機基(例えば、親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)を意
味する。「活性化基」とは、適切な条件下で第2の化学基と反応し、これにより修飾剤と
第2の化学基との間に共有結合を形成することのできる、化学部分又は官能基である。例
えば、アミン反応性活性化基としては、トシル酸、メシル酸、ハロ(クロロ、ブロモ、フ
ルオロ、ヨード)などの求電子性基、N-ヒドロキシスクシニミジルエステル(N-hydrox
ysuccinimidyl ester、NHS)などが挙げられる。チオール類と反応可能な活性化基と
しては、例えば、マレイミド、ヨードアセチル、アクリロリル、ピリジルジスルフィド、
5-チオール-2-ニトロ安息香酸チオール(5-thiol-2-nitrobenzoic acid thiol、T
NB-チオール)などが挙げられる。アルデヒド官能基は、アミン-又はヒドラジド-含
有分子と連結することができ、また、アジド基は、三価リン基と反応してホスホルアミデ
ート又はホスホルイミド結合を形成することができる。分子中に活性化基を導入するため
の好適な方法が、当該技術分野において既知である(例えば、Hermanson,G.
T.,Bioconjugate Techniques,Academic Pres
s:San Diego,CA(1996)を参照のこと)。活性化基は、有機基(例え
ば、親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)に直接的に、又はリンカー部分、例えば
二価のC~C12基(ここで、1つ以上の炭素原子は酸素、窒素、又は硫黄などのヘテ
ロ原子で置換され得る)を介して、結合することができる。好適なリンカー部分は、例え
ば、テトラエチレングリコール、-(CH-、-NH-(CH-NH-、-
(CH-NH-及び-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-O-C
H-NH-を含む。リンカー部分を含む修飾剤は、例えば1-エチル-3-(3-ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド(carbodiimide、EDC)の存在下で、モノ-Boc
-アルキルジアミン(例えば、モノ-Boc-エチレンジアミン、モノ-Boc-ジアミ
ノへキサン)を脂肪酸と反応させることにより、遊離アミンと脂肪酸カルボキシレートと
の間のアミド結合を形成することによって生成可能である。Boc保護基を、トリフルオ
ロ酢酸(trifluoroacetic acid、TFA)処理により生成物から除去し、記載されている
ように別のカルボン酸塩にカップリングできる一級アミンを露出させることができ、又は
これを無水マレイン酸と反応させ、得られる生成物を環化させて脂肪酸の活性化マレイミ
ド誘導体を生成することができる。(例えば、参照により教示の全体が本明細書に組み込
まれる、Thompsonらの国際公開第92/16221号を参照のこと。)
【0114】
修飾された抗体は、ヒト抗体又は抗原結合断片を修飾剤と反応させることによって産生
することができる。例えば、有機部分は、アミン反応性修飾剤、例えば、PEGのNHS
エステルを採用することによって、非部位特異的方法で抗体に結合させることができる。
抗体又は抗原結合断片のジスルフィド結合(例えば鎖内ジスルフィド結合)を還元するこ
とによって、修飾されたヒト抗体又は抗原結合断片を調製することもできる。このとき、
還元された抗体又は抗原結合断片をチオール反応性修飾剤と反応させて、本発明の修飾さ
れた抗体を生産することが可能である。本発明の抗体の特定の部位に結合される有機部分
を含む修飾されたヒト抗体及び抗原結合断片は、逆タンパク質分解(Fisch et
al.,Bioconjugate Chem.,3:147~153(1992)、W
erlen et al.,Bioconjugate Chem.,5:411~41
7(1994)、Kumaran et al.,Protein Sci.6(10)
:2233~2241(1997)、Itoh et al.,Bioorg.Chem
.,24(1):59~68(1996)、Capellas et al.,Biot
echnol.Bioeng.,56(4):456~463(1997))及びHer
manson,G.T.,Bioconjugate Techniques,Acad
emic Press:San Diego,CA(1996)に記載される方法などの
好適な方法を使用して調製することができる。
【0115】
本発明の方法はまた、本明細書に記載されかつ/又は当該技術分野において既知である
ように、非自然発生組成物、混合物、又は形態で提供される少なくとも1つ、少なくとも
2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ以上のその抗
IL-12/23p40抗体を含む、抗IL-12/23p40抗体組成物も使用する。
かかる組成物は、配列番号7又は8の隣接アミノ酸の70~100%、又はその特定され
る断片、ドメイン、若しくは変異体からなる群から選択される抗IL-12/23p40
抗体のアミノ酸配列の少なくとも1つ又は2つの完全長、C及び/若しくはN末端欠失変
異体、ドメイン、断片、又は特定された変異体を含む非自然発生組成物を含む。好ましい
抗IL-12/23p40抗体組成物は、例えば、配列番号1~6、7、又は8の70~
100%の、本明細書に記載される抗IL-12/23p40抗体配列、又はその特定さ
れた断片、ドメイン、若しくは変異体の、少なくとも1つのCDR又はLBP含有部分と
して少なくとも1つ又は2つの完全長、断片、ドメイン、又は変異体を含む。更に好まし
い組成物は、例えば、配列番号1~6、7、又は8等の70~100%、又はその特定さ
れた断片、ドメイン、若しくは変異体のうちの少なくとも1つを40~99%含む。かか
る組成物の百分率は、当該技術分野において既知であるように、又は本明細書に記載され
るように、重量、容量、濃度、容量モル濃度、あるいは液体若しくは乾燥溶液、混合物、
懸濁液、エマルション、粒子、粉末、又はコロイドとしての容量モル濃度によるものであ
る。
【0116】
更なる治療的活性成分を含む抗体組成物
本発明の方法に使用される抗体組成物は、所望により更に、抗感染症薬、心血管(card
iovascular、CV)系作用薬、中枢神経系(central nervous system、CNS)薬、自律
神経系(autonomic nervous system、ANS)薬、気道薬、消化(gastrointestinal、G
I)管作用薬、ホルモン薬、体液又は電解質平衡薬、血液作用薬、抗腫瘍薬、免疫調節薬
、眼、耳又は鼻用薬、局所作用薬、栄養薬などのうち、少なくとも1つから選択される、
少なくとも1つの化合物又はタンパク質を有効量含むことができる。かかる薬物は、当該
技術分野において周知であり、本明細書に提示される各々の製剤、適応症、投薬、及び投
与を含む(例えば、Nursing 2001 Handbook of Drugs,
21st edition,Springhouse Corp.,Springhou
se,PA,2001、Health Professional’s Drug Gu
ide 2001,ed.,Shannon,Wilson,Stang,Prenti
ce-Hall,Inc,Upper Saddle River,NJ、Pharmc
otherapy Handbook,Wells et al.,ed.,Apple
ton & Lange,Stamford,CTを参照のこと、各々は参照により本明
細書に組み込まれる)。
【0117】
本発明の方法の抗体と組み合わせることができる薬物の例として、抗感染薬は、殺アメ
ーバ薬又は少なくとも1種の抗原虫薬、駆虫薬、抗真菌薬、抗マラリア薬、抗結核薬又は
少なくとも1種の抗らい菌薬、アミノグリコシド、ペニシリン、セファロスポリン、テト
ラサイクリン、スルホンアミド、フルオロキノロン、抗ウイルス薬、マクロライド抗感染
薬、及び種々の抗感染薬から選択される少なくとも1種であり得る。ホルモン薬は、コル
チコステロイド、アンドロゲン、又は少なくとも1種のアナボリックステロイド、エスト
ロゲン、又は少なくとも1種のプロゲスチン、ゴナドトロピン、抗糖尿病薬、又は少なく
とも1種のグルカゴン、甲状腺ホルモン、甲状腺ホルモン拮抗薬、下垂体ホルモン、及び
副甲状腺様薬から選択される少なくとも1種であり得る。少なくとも1種のセファロスポ
リンは、セファクロル、セファドロキシル、セファゾリンナトリウム、セフジニル、塩酸
セフェピム、セフィキシム、セフメタゾールナトリウム、セフォニシドナトリウム、セフ
ォペラゾンナトリウム、セフォタキシムナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフォ
キシチンナトリウム、セフポドキシムプロキセチル、セフプロジル、セフタジジム、セフ
チブテン、セフチゾキシムナトリウム、セフトリアキソンナトリウム、セフロキシムアキ
セチル、セフロキシムナトリウム、塩酸セファレキシン、セファレキシン一水和物、セフ
ラジン、及びロラカルベフから選択される少なくとも1種であり得る。
【0118】
少なくとも1種のコリコステロイドは、ベタメタゾン、酢酸ベタメタゾン又はリン酸ベ
タメタゾンナトリウム、リン酸ベタメタゾンナトリウム、酢酸コルチゾン、デキサメサゾ
ン、酢酸デキサメサゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、酢酸フルドロコルチゾン、
ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、シピオン酸ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロ
コルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、メチルプレドニゾロン、
酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、プレドニゾロン
、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、テブト酸プレドニゾロン、プ
レドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、及び酢酸トリアムシノロ
ンから選択される少なくとも1種であり得る。少なくとも1種のアンドロゲン又はタンパ
ク質同化ステロイド薬は、ダナゾール、フルオキシメステロン、メチルテストステロン、
デカン酸ナンドロロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、テストステロン、シピオン酸
テストステロン、エナント酸テストステロン、プロピオン酸テストステロン、及びテスト
ステロン経皮剤から選択される少なくとも1種であり得る。
【0119】
少なくとも1種の免疫抑制薬は、アザチオプリン、バシリキシマブ、シクロスポリン、
ダクリズマブ、リンパ球免疫グロブリン、ムロモナブ-CD3、ミコフェノール酸モフェ
チル、塩酸ミコフェノール酸モフェチル、シロリムス、及びタクロリムスから選択される
少なくとも1種であり得る。
【0120】
少なくとも1種の局所抗感染薬は、アシクロビル、アンホテリシンB、アゼライン酸ク
リーム、バシトラシン、硝酸ブトコナゾール、リン酸クリンダマイシン、クロトリマゾー
ル、硝酸エコナゾール、エリスロマイシン、硫酸ゲンタマイシン、ケトコナゾール、酢酸
マフェニド、メトロニダゾール(局所)、硝酸ミコナゾール、ムピロシン、塩酸ナフチフ
ィン、硫酸ネオマイシン、ニトロフラゾン、ナイスタチン、スルファジアジン銀、塩酸テ
ルビナフィン、テルコナゾール、塩酸テトラサイクリン、チオコナゾール、及びトルナフ
テートから選択される少なくとも1種であり得る。少なくとも1種の疥癬殺虫剤若しくは
殺シラミ薬は、クロタミトン、リンデン、ペルメトリン、及びピレトリンから選択される
少なくとも1種であり得る。少なくとも1種の局所コルチコステロイドは、ジプロピオン
酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、デソニド、デスオ
キシメタゾン、デキサメサゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、二酢酸ジフロラゾン
、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルランドレノリド、プロピオン酸フル
チカゾン、ハルシノニド(halcionide)、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪
酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、フロ酸モメタゾン、及びトリアムシノロ
ンアセトニドから選択される少なくとも1種であり得る。(例えば、Nursing 2
001 Drug Handbookの1098~1136頁を参照されたい。)
【0121】
抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体組成物は、かかる調節、処置、又
は治療を必要とする細胞、組織、器官、動物、又は患者に接触されるか又は投与される少
なくとも1種の抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体を含み、所望により
更に、少なくとも1つのTNF拮抗薬(例えば、限定されないが、TNF化学若しくはタ
ンパク質拮抗薬、TNFモノクローナル若しくはポリクローナル抗体又は断片、可溶性T
NF受容体(例えば、p55、p70、又はp85)又は断片、その融合ポリペプチド、
又は小分子TNF拮抗薬、例えば、TNF結合タンパク質I若しくはII(TBP-1又
はTBP-II)、ネレリモンマブ(nerelimonmab)、インフリキシマブ、エタナセプト
(eternacept)、CDP-571、CDP-870、アフェリモマブ、レネルセプトなど
)、抗リウマチ薬(例えば、メトトレキサート、オーラノフィン、アウロチオグルコース
、アザチオプリン、エタネルセプト、金チオリンゴ酸ナトリウム、ヒドロキシクロロキン
硫酸塩、レフルノミド、スルファサラジン)、免疫化、免疫グロブリン、免疫抑制薬(例
えば、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、サイトカイン又はサイトカイ
ン拮抗薬から選択される少なくとも1種を含む、任意の好適かつ有効量の組成物又は医薬
組成物のうちの少なくとも1種を更に含むことができる。かかるサイトカインの非制限的
な例としては、IL-1~IL-23など(例えば、IL-1、IL-2等)のいずれか
が挙げられるが、これらに限定されない。適切な投与量は、当該技術分野において周知で
ある。例えば、Wells et al.,eds.,Pharmacotherapy
Handbook,2nd Edition,Appleton and Lange
,Stamford,CT(2000)、PDR Pharmacopoeia,Tar
ascon Pocket Pharmacopoeia 2000,Deluxe E
dition,Tarascon Publishing,Loma Linda,CA
(2000)を参照のこと(これらの各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる
)。
【0122】
本発明の方法に使用される抗IL-12/23p40抗体化合物、組成物、又は混合物
は更に、希釈剤、結合剤、安定剤、緩衝剤、塩、親油性溶媒、保存剤、アジュバントなど
であるがこれらに限定されない、任意の好適な助剤のうちの少なくとも1つを含み得る。
製薬学的に許容できる助剤が好ましい。かかる滅菌溶液を調製する非限定的な例及びその
方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、Gennaro,Ed.,Remi
ngton’s Pharmaceutical Sciences,18th Edi
tion,Mack Publishing Co.(Easton,PA),1990
などであるが、これに限定されない。当該技術分野において周知である、又は本明細書に
記載されるように、抗IL-12/23p40抗体、断片、又は変異体組成物の投与方法
、溶解度、及び/又は安定性に好適な製薬学的に許容できる担体を、日常的に選択するこ
とができる。
【0123】
本組成物において有用な製薬学的賦形剤及び添加剤は、限定されないが、タンパク質、
ペプチド、アミノ酸、脂質、及び炭水化物(例えば、単糖類、二糖、三糖、四糖、及びオ
リゴ糖を含む糖類、アルジトール、アルドン酸、エステル化糖などの誘導体化糖、並びに
多糖類又は糖ポリマー)を含み、これらは、単独で又は組み合わせて存在してよく、単独
で又は組み合わせて1~99.99重量%又は容量%含まれる。代表的なタンパク質賦形
剤には、ヒト血清アルブミン(human serum albumin、HSA)などの血清アルブミン、
組換えヒトアルブミン(recombinant human albumin、rHA)、ゼラチン、カゼインな
どが挙げられる。緩衝能においても機能し得る代表的なアミノ酸/抗体構成要素には、ア
ラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸
、システイン、リシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニ
ン、アスパルテームなどが挙げられる。好ましいアミノ酸の1つはグリシンである。
【0124】
本発明に使用するのに好適な炭水化物賦形剤としては、例えば、フルクトース、マルト
ース、ガラクトース、グルコース、D-マンノース、ソルボースなどの単糖類、乳糖、シ
ョ糖、トレハロース、セロビオースなどの二糖類、ラフィノース、メレジトース、マルト
デキストリン、デキストラン、デンプン類などの多糖類、マンニトール、キシリトール、
マルチトール、ラクチトール、キシリトールソルビトール(グルシトール)、ミオイノシ
トールなどのアルジトールが挙げられる。本発明で使用するのに好ましい炭水化物賦形剤
は、マンニトール、トレハロース、及びラフィノースである。
【0125】
抗IL-12/23p40抗体(又は抗IL-23)組成物は、緩衝剤又はpH調整剤
も含むことができ、典型的には、緩衝剤は、有機酸又は塩基から調製される塩である。代
表的な緩衝剤としては、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク
酸、酢酸、又はフタル酸の塩などの有機酸塩、トリス、トロメタミン塩酸塩、又はリン酸
緩衝剤が挙げられる。本組成物における使用に適した緩衝剤は、クエン酸などの有機酸塩
である。
【0126】
加えて、抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体組成物は、ポリビニルピ
ロリドン、フィコール(ポリマー糖)、デキストレート(例えば、2-ヒドロキシプロピ
ル-β-シクロデキストリンなどのシクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、着
香剤、抗菌剤、甘味料、抗酸化剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば、「TWEEN 2
0」及び「TWEEN 80」などのポリソルベート)、脂質(例えば、リン脂質、脂肪
酸)、ステロイド(例えば、コレステロール)、及びキレート剤(例えば、EDTA)な
どのポリマー賦形剤/添加剤を含み得る。
【0127】
本発明による抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体、部分、又は変異体
組成物における使用に適したこれら及び追加の既知の製薬学的賦形剤及び/又は添加剤は
、当該技術分野において既知であり、例えば、「Remington:The Scie
nce & Practice of Pharmacy,」19th ed.,Wil
liams & Williams,(1995)、及び「Physician’s D
esk Reference,」52nd ed,Medical Economics
,Montvale,NJ(1998)に列記されており、これらの開示は、参照により
全体が本明細書に組み込まれる。好ましい担体又は賦形剤材料は、炭水化物(例えば、単
糖類及びアルジトール類)並びに緩衝剤(例えば、クエン酸塩)又は高分子試薬である。
代表的な担体分子はムコ多糖、ヒアルロン酸であり、これらは関節内送達に有用であり得
る。
【0128】
製剤
上述したとおり、本発明は、好ましくは、生理食塩水又は選択された塩を含むリン酸緩
衝剤を含む安定した製剤、並びに保存剤を含有する保存溶液及び製剤、並びに製薬学的に
許容できる製剤中に少なくとも1つの抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗
体を含む薬剤学的又は獣医学的用途に好適な多用途保存製剤を提供する。保存製剤は、水
性希釈剤中に、少なくとも1つの既知の、すなわち少なくとも1つのフェノール、m-ク
レゾール、p-クレゾール、o-クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、
硝酸フェニル水銀、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド、クロロブタノール、塩化
マグネシウム(例えば、六水和物)、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブ
チルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、及
びチメロサール、又はそれらの混合物からなる群から任意に選択される保存剤を含有する
。当該技術分野において既知であるように、0.001~5%、又は0.001、0.0
03、0.005、0.009、0.01、0.02、0.03、0.05、0.09、
0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、
1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、
2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、
3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、
4.3、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、又はその中の任意の範囲若しくは値
などであるがこれらに限定されない、その中の任意の範囲若しくは値の、任意の好適な濃
度又は混合物が使用され得る。非限定的な例としては、保存剤無添加、0.1~2% m
クレゾール(例えば、0.2、0.3.0.4、0.5、0.9、1.0%)、約0.1
~3%のベンジルアルコール(例えば、0.5、0.9、1.1、1.5、1.9、2.
0、2.5%)、0.001~0.5%のチメロサール(例えば、0.005、0.01
)、0.001~2.0%のフェノール(例えば、0.05、0.25、0.28、0.
5、0.9、1.0%)、0.0005~1.0%のアルキルパラベン(複数可)(例え
ば、0.00075、0.0009、0.001、0.002、0.005、0.007
5、0.009、0.01、0.02、0.05、0.075、0.09、0.1、0.
2、0.3、0.5、0.75、0.9、1.0%)などが挙げられる。
【0129】
上述のとおり、本発明の方法は、包装材と、所望により水性希釈剤中に処方された緩衝
剤及び/又は保存剤を伴う少なくとも1つの抗IL-12/23p40(又は抗IL-2
3)抗体の溶液を含む少なくとも1つのバイアルと、を含む製品を使用し、この包装材は
、かかる溶液を1、2、3、4、5、6、9、12、18、20、24、30、36、4
0、48、54、60、66、72時間以上にわたり保持することができることを記した
ラベルを含む。本発明は、包装材と、凍結乾燥された抗IL-12/23p40(又は抗
IL-23)抗体を含む第1のバイアルと、処方された緩衝剤又は保存剤の水性希釈剤を
含む第2のバイアルと、を含む製品を更に使用し、この包装材は、抗IL-12/23p
40(又は抗IL-23)抗体を水性希釈剤でもどして、24時間以上にわたって保持す
ることができる溶液を形成するように患者に指示するラベルを含む。
【0130】
本発明により使用される抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体は、本明
細書に記載されるか又は当該技術分野において既知の、哺乳類細胞又はトランスジェニッ
ク調製物から産生することを含む組換え手段により産生され得るか、又は他の生物源から
精製され得る。
【0131】
抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体の範囲は、湿式/乾式系の場合、
もどすときに約1.0μg/ml~約1000mg/mlの濃度が得られる量で含まれる
が、より低い濃度及び高い濃度でも作業可能であり、意図される送達ビヒクルに依存し、
例えば溶液製剤では、経皮パッチ、肺、経粘膜、又は浸透圧性若しくはマイクロポンプ方
法とは異なる。
【0132】
好ましくは、水性希釈剤は所望により、製薬学的に許容できる保存剤を更に含む。好ま
しい保存剤には、フェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-クレゾール、クロ
ロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブ
チルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム及び
チメロサール又はこれらの混合物からなる群から選択されるものが含まれる。製剤中で使
用される保存剤の濃度は、抗菌効果を生み出すのに十分な濃度である。このような濃度は
選択された保存剤によって異なり、当業者により容易に決定される。
【0133】
他の賦形剤、例えば、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、及び保存剤エンハンサーは、所望に
よりかつ好ましくは希釈剤に添加することができる。グリセリンなどの等張剤が、既知の
濃度で一般に使用される。好ましくは、生理学的に耐容性の緩衝剤を添加して、改善され
たpH制御を提供する。製剤は、約pH4~約pH10、及び好ましくは約pH5~約p
H9の範囲、及び最も好ましくは約6.0~約8.0の範囲などの、広範囲のpH範囲を
対象にすることができる。好ましくは、本発明の処方は、約6.8~約7.8のpHを有
する。好適な緩衝剤には、リン酸緩衝剤を含み、最も好ましくは、リン酸ナトリウム、特
にリン酸緩衝生理食塩水(phosphate buffered saline、PBS)を含む。
【0134】
他の添加剤、例えばTween 20(モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソ
ルビタン)、Tween 40(モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタ
ン)、Tween 80(モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン)、P
luronic F68(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー
)、及びPEG(ポリエチレングリコール)などの、製薬学的に許容できる可溶化剤、又
はポリソルベート20若しくは80又はポロキサマー184若しくは188、Pluro
nic(登録商標)ポリオールなどの非イオン性界面活性剤、他のブロックコポリマー、
並びにEDTA及びEGTAなどのキレート剤を製剤又は組成物に所望により添加するこ
とで、凝集を低減させることができる。これらの添加物は、製剤を投与するためにポンプ
又はプラスチック容器が使用される場合に特に有用である。製薬学的に許容できる界面活
性剤の存在により、タンパク質が凝集する傾向が軽減される。
【0135】
製剤は、少なくとも1つの抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体と、フ
ェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-クレゾール、クロロクレゾール、ベン
ジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベ
ンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、及びチメロサール又は
これらの混合物からなる群から選択される保存剤と、を水性希釈剤中で混合することを含
むプロセスにより調製することができる。少なくとも1つの抗IL-12/23p40(
又は抗IL-23)抗体と保存剤との水性希釈剤中での混合は、従来の溶解及び混合手順
を使用して実施される。好適な製剤を調製するために、例えば、緩衝溶液中の一定量の少
なくとも1つの抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体を、所望の濃度のタ
ンパク質及び保存剤を提供するのに十分な量の緩衝溶液中で所望の保存剤と組み合わせる
。このプロセスの変化形態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構成成分の
添加順序、追加の添加剤の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用する投与
濃度及び投与手段に関して最適化することのできる因子である。
【0136】
製剤は、透明な溶液として、又は水、保存剤及び/若しくは賦形剤、好ましくはリン酸
塩緩衝剤及び/若しくは生理食塩水、並びに選択された塩を水性希釈剤中に含有する第2
のバイアルでもどされる、凍結乾燥された抗IL-12/23p40(又は抗IL-23
)抗体のバイアルを含む併用バイアル(dual vial)として患者に提供することができる
。単一溶液バイアル又はもどすことを必要とする併用バイアルはいずれも複数回再利用す
ることができ、患者処置の単一又は複数サイクルを満たすことができ、したがって、現在
使用できるよりも便利な処置レジメンを提供することができる。
【0137】
本製品は、即時から24時間以上の範囲の期間にわたる投与に有用である。従って、本
発明により特許請求される製品は、患者に大きな利益を提供する。本発明の製剤は、約2
°℃~約40°℃の温度で所望により安全に保管し、タンパク質の生物学的活性を長期間
保持することができ、したがって包装ラベルは、溶液が6、12、18、24、36、4
8、72、又は96時間以上の期間にわたって保持及び/又は使用できることを示すこと
ができる。保存されている希釈剤を使用する場合には、このようなラベルに最高1~12
ヵ月、半年、1年半及び/又は2年までの使用を含むことができる。
【0138】
抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体の溶液は、少なくとも1つの抗体
を水性希釈剤中で混合することを含むプロセスにより調製することができる。混合は、従
来の溶解及び混合手順を使用して実施される。好適な希釈剤を調製するために、例えば、
水又は緩衝剤中の一定量の少なくとも1つの抗体を、所望の濃度のタンパク質、及び所望
により保存剤又は緩衝剤を提供するのに十分な量で組み合わせる。このプロセスの変化形
態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構成成分の添加順序、追加の添加剤
の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用する投与濃度及び投与手段に関し
て最適化することのできる因子である。
【0139】
特許請求される製品は、透明な溶液として、又は水性希釈剤を含有する第2のバイアル
でもどされる、凍結乾燥された少なくとも1つの抗IL-12/23p40(又は抗IL
-23)抗体のバイアルを含む併用バイアルとして、患者に提供することができる。単一
溶液バイアル又はもどすことを必要とする併用バイアルはいずれも複数回再利用すること
ができ、患者処置の単一又は複数サイクルを満たすことができ、したがって、現在使用で
きるよりも便利な処置レジメンを提供する。
【0140】
特許請求される製品は、透明な溶液、又は水性希釈剤を含有する第2のバイアルでもど
される、凍結乾燥された少なくとも1つの抗IL-12/23p40(又は抗IL-23
)抗体のバイアルを含む併用バイアルを、薬局、診療所、又は他のかかる機関及び施設に
提供することによって、患者に対し間接的に提供することができる。この場合の透明溶液
は最高1リットル又は更にはそれ以上の容量であってよく、この大きな容器からより少量
の少なくとも1つの抗体溶液を1回又は複数回取り出してより小さなバイアルに移し、か
つ薬局又は診療所により顧客及び/又は患者に提供できる。
【0141】
単一バイアル系を含む承認済みデバイスとしては、BD Pens、BD Autoj
ector(登録商標)、Humaject(登録商標)、NovoPen(登録商標)
、B-D(登録商標)Pen、AutoPen(登録商標)、及びOptiPen(登録
商標)、GenotropinPen(登録商標)、Genotronorm Pen(
登録商標)、Humatro Pen(登録商標)、Reco-Pen(登録商標)、R
oferon Pen(登録商標)、Biojector(登録商標)、Iject(登
録商標)、J-tip Needle-Free Injector(登録商標)、In
traject(登録商標)、Medi-Ject(登録商標)、Smartject(
登録商標)などの溶液送達用のペン型インジェクタデバイス(例えば、Becton D
ickensen(Franklin Lakes,NJ,www.bectondic
kenson.com)、Disetronic(Burgdorf,Switzerl
and,www.disetronic.com)、Bioject,Portland
,Oregon(www.bioject.com)、National Medica
l Products,Weston Medical(Peterborough,U
K,www.weston-medical.com)、Medi-Ject Corp
(Minneapolis,MN,www.mediject.com)によって製造又
は開発されている)、及び類似の好適なデバイスが挙げられる。併用バイアル系を含む承
認済みデバイスとしては、HumatroPen(登録商標)などの、もどした溶液を送
達するためのカートリッジ内で凍結乾燥された薬物をもどすためのペン型インジェクタシ
ステムが挙げられる。好適な他のデバイスの例としては、予め充填された注射器、自動注
射器、針なし注射器、及び針なしIV注入セットが挙げられる。
【0142】
製品は、包装材を含み得る。包装材は、規制当局によって必要とされる情報に加えて、
製品を使用できる条件を提供する。本発明の包装材は、該当する場合、少なくとも1つの
抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体を水性希釈剤でもどして溶液を形成
し、2~24時間以上の期間にわたって、この溶液を湿式/乾式の2つのバイアル製品に
使用する、という指示を患者に提供する。単一バイアルの溶液製品、予め充填された注射
器、又は自動注射器の場合、ラベルは、かかる溶液が2~24時間以上の期間にわたって
使用できることを示す。製品は、ヒト用医薬製品用途に有用である。
【0143】
本発明の方法に使用される製剤は、抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗
体及び選択された緩衝剤、好ましくは生理食塩水又は選択された塩を含有するリン酸塩緩
衝剤を混合することを含むプロセスにより調製することができる。抗IL-12/23p
40(又は抗IL-23)抗体と緩衝剤との水性希釈剤中での混合は、従来の溶解及び混
合手順を使用して実施される。好適な製剤を調製するために、例えば、水又は緩衝剤中の
一定量の少なくとも1つの抗体を、所望の濃度のタンパク質及び緩衝剤を提供するのに十
分な量の水中で所望の緩衝剤と組み合わせる。このプロセスの変化形態は、当業者によっ
て認識されるであろう。例えば、構成成分の添加順序、追加の添加剤の使用の有無、製剤
調製時の温度及びpHは全て、使用する投与濃度及び投与手段に関して最適化することの
できる因子である。
【0144】
本発明の方法は、ヒト又は動物患者に投与するのに有用かつ許容できる種々の製剤を含
む医薬組成物を提供する。かかる医薬組成物は、希釈剤として「標準状態」の水、及び当
該者に周知の日常的な方法を使用して調製される。例えば、ヒスチジン及びヒスチジン一
塩酸塩水和物などの緩衝構成要素が最初に提供され、続いて適切な非最終容量の「標準状
態」の水希釈剤、ショ糖、及びポリソルベート80が添加され得る。次いで、単離された
抗体を添加することができる。最後に、水を希釈剤として使用する「標準状態」条件の下
で、医薬組成物の容量を所望の最終容量に調整する。当業者は、医薬組成物の調製に適し
たいくつかの他の方法を認識する。
【0145】
医薬組成物は、水の容量単位当たりの示される質量の各構成成分を含むか、又は「標準
状態」の示されるpHを有する水溶液又は懸濁液であってよい。本明細書で使用されると
き、「標準状態」という用語は、25℃+/-2℃及び0.1メガパスカル(1雰囲気)
の圧力を意味する。「標準状態」という用語は、単一技術分野が認識する一連の温度又は
圧力を指すように使用されないが、代わりに参照「標準状態」条件下の特定の組成物を含
む溶液又は懸濁液を説明するために使用される温度及び圧力を特定する参照状態である。
これは、溶液の容量が一部温度及び圧力の関数であるためである。当業者は、本明細書に
開示されるものと同等の医薬組成物が他の温度及び圧力で製造され得ることを認識する。
かかる医薬組成物が本明細書に開示されるものと同等であるかは、上記に定義された「標
準状態」条件下(例えば、25℃+/-2℃及び0.1メガパスカル(1雰囲気)の圧力
)で決定されるべきである。
【0146】
重要なことに、かかる医薬組成物は、医薬組成物の単位容積当たり「約」ある特定の値
(例えば、「約0.53mgのL-ヒスチジン」)の構成要素質量を含有するか、又は約
ある特定の値のpH値を有し得る。医薬組成物中に存在する構成要素質量又はpH値は、
単離された抗体が医薬組成物に存在するか、又は単離された抗体が医薬組成物から除去さ
れた後(例えば、希釈により)に、医薬組成物中に存在する単離された抗体が配列番号9
の残基1~88を含むペプチド鎖に結合することができる場合の、「約」所与の数値であ
る。つまり、構成要素の質量値又はpH値などの値は、単離された抗体を医薬組成物に配
置した後に単離された抗体の結合活性が維持され、検出可能であるときの、「約」所定の
数値である。
【0147】
競合結合分析を行って、IL-12/23p40(又は抗IL-23)mAbが類似の
若しくは異なるエピトープに結合し、かつ/又は互いに競合するかを決定する。ELIS
Aプレート上にAbを個々にコーティングする。競合するmAbを添加し、続いてビオチ
ン化hrIL-12/23p40を添加する。陽性対照には、コーティングに同じmAb
を競合mAb(「自己競合」)として使用してもよい。IL-12/23p40結合は、
ストレプトアビジンを使用して検出される。これらの結果は、mAbがIL-12/23
p40上の類似の又は部分的に重複するエピトープを認識するかどうかを示す。
【0148】
本発明の方法の一態様は、医薬組成物を患者に投与することであり、この医薬組成物は
、配列番号9の残基1~88を含むペプチド鎖に結合する単離された抗体、1mlの医薬
組成物当たり約0.27~約0.80mgのL-ヒスチジン、1mlの医薬組成物当たり
約0.69~約2.1mgのL-ヒスチジン一塩酸塩一水和物、1mlの医薬組成物当た
り約0.02~約0.06mgのポリソルベート80、及び1mlの医薬組成物当たり約
65~約87mgのショ糖を含み、希釈剤は、標準状態の水である。
【0149】
本発明の別の態様は、医薬組成物を投与することを含み、この医薬組成物は、(i)配
列番号1、配列番号2、及び配列番号3の重鎖CDRアミノ酸配列と、(ii)配列番号
4、配列番号5、及び配列番号6の軽鎖CDRアミノ酸配列とを有する、単離された抗体
であって、この単離された抗体が、配列番号9の残基1~88を含むペプチド鎖に結合す
る、抗体、1mlの医薬組成物当たり約0.27~約0.80mgのL-ヒスチジン、1
mlの医薬組成物当たり約0.69~約2.1mgのL-ヒスチジン一塩酸塩一水和物、
1mlの医薬組成物当たり約0.02~約0.06mgのポリソルベート80、及び1m
lの医薬組成物当たり約65~約87mgのショ糖を含み、希釈剤は、標準状態の水であ
る。
【0150】
本発明の方法の更なる態様は、医薬組成物を患者に投与することであり、この医薬組成
物は、配列番号7の重鎖アミノ酸配列と、配列番号8の軽鎖アミノ酸配列とを有する単離
された抗IL-12/IL-23p40抗体であって、この単離された抗体が、配列番号
9の残基1~88を含むペプチド鎖に結合する、抗体、1mlの医薬組成物当たり約0.
27~約0.80mgのL-ヒスチジン、1mlの医薬組成物当たり約0.69~約2.
1mgのL-ヒスチジン一塩酸塩一水和物、1mlの医薬組成物当たり約0.02~約0
.06mgのポリソルベート80、及び1mlの医薬組成物当たり約65~約87mgの
ショ糖を含み、希釈剤は、標準状態の水である。
【0151】
医薬組成物の一実施形態では、単離された抗体濃度は、1mlの医薬組成物当たり約7
7~約104mgである。医薬組成物の別の実施形態では、pHは約5.5~約6.5で
ある。
【0152】
本発明の方法の別の態様は、医薬組成物を患者に投与することを含み、この医薬組成物
は、(i)配列番号1、配列番号2、及び配列番号3の重鎖CDRアミノ酸配列と、(i
i)配列番号4、配列番号5、及び配列番号6の軽鎖CDRアミノ酸配列とを有する、単
離された抗IL-12/23p40抗体であって、この単離された抗体が、配列番号9の
残基1~88を含むペプチド鎖に結合する、抗体、1mlの医薬組成物当たり約0.53
mgのL-ヒスチジン、1mlの医薬組成物当たり約1.37mgのL-ヒスチジン一塩
酸塩一水和物、1mlの医薬組成物当たり約0.04mgのポリソルベート80、及び1
mlの医薬組成物当たり約76mgのショ糖を含み、希釈剤は、標準状態の水である。
【0153】
本発明の方法の更なる態様は、医薬組成物を患者に投与し、この医薬組成物は、配列番
号7の重鎖アミノ酸配列と、配列番号8の軽鎖アミノ酸配列とを有する単離された抗IL
-12/IL-23p40抗体であって、この単離された抗体が、配列番号9の残基1~
88を含むペプチド鎖に結合する、抗体、1mlの医薬組成物当たり約0.53mgのL
-ヒスチジン、1mlの医薬組成物当たり約1.37mgのL-ヒスチジン一塩酸塩一水
和物、1mlの医薬組成物当たり約0.04mgのポリソルベート80、及び1mlの医
薬組成物当たり約76mgのショ糖を含み、希釈剤は、標準状態の水である。
【0154】
一実施形態では、単離された抗体濃度は、1mlの医薬組成物当たり約90mgである
。これらの医薬組成物の別の実施形態では、pHは約6.0である。本発明の別の態様は
、医薬組成物を使用する方法であり、この医薬組成物は、結合に関して、本明細書に列挙
される抗IL-12/23p40抗体と競合する、例えば、配列番号9の残基1~88を
含むペプチド鎖に結合する抗体、1mlの医薬組成物当たり約0.27~約0.80mg
のL-ヒスチジン、1mlの医薬組成物当たり約0.69~約2.1mgのL-ヒスチジ
ン一塩酸塩一水和物、1mlの医薬組成物当たり約0.02~約0.06mgのポリソル
ベート80、及び1mlの医薬組成物当たり約65~約87mgのショ糖を含み、希釈剤
は、標準状態の水である。
【0155】
安定又は保存製剤は、透明な溶液として、又は水性希釈剤中に保存剤若しくは緩衝剤及
び賦形剤を含有する第2のバイアルでもどされる、凍結乾燥された少なくとも1つの抗I
L-12/23p40抗体のバイアルを含む併用バイアルとして、患者に提供することが
できる。単一溶液バイアル又はもどすことを必要とする併用バイアルはいずれも複数回再
利用することができ、患者処置の単一又は複数サイクルを満たすことができ、したがって
、現在使用できるよりも便利な処置レジメンを提供する。
【0156】
抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体を安定化する他の製剤又は方法は
、抗体を含む凍結乾燥粉末の透明な溶液以外のものであってよい。非透明溶液としては、
微粒子懸濁液を含む製剤があり、この微粒子は、種々の大きさの構造内に、抗IL-12
/23p40(又は抗IL-23)抗体を含有し、ミクロスフェア、微小粒子、ナノ粒子
、ナノスフェア、又はリポソームとして様々に知られる組成物である。活性薬剤を含有す
るこうした比較的均質な本質的に球状の微粒子処方は、米国特許第4,589,330号
に教示されるとおり、活性薬剤及びポリマーを含有する水相と非水相とを接触させ、次い
で非水相を蒸発させて水相からの粒子の合体を引き起こすことにより形成することができ
る。多孔性微小粒子は、米国特許第4,818,542号に教示されるとおり、連続溶媒
中に分散された活性薬剤とポリマーとを含有する第1相を使用し、凍結乾燥又は希釈-抽
出-沈殿により懸濁液から溶媒を除去することで調製することができる。こうした調製に
好ましいポリマーは、ゼラチン寒天、デンプン、アラビノガラクタン、アルブミン、コラ
ーゲン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコリド-L(-)ラクチドポリ(エプシロン
-カプロラクトン、ポリ(エプシロン-カプロラクトン-CO-乳酸)、ポリ(エプシロ
ン-カプロラクトン-CO-グリコール酸)、ポリ(β-ヒドロキシ酪酸)、ポリエチレ
ンオキシド、ポリエチレン、ポリ(アルキル-2-シアノアクリレート)、ポリ(ヒドロ
キシエチルメタクリレート)、ポリアミド、ポリ(アミノ酸)、ポリ(2-ヒドロキシエ
チルDL-アスパルトアミド)、ポリ(エステル尿素)、ポリ(L-フェニルアラニン/
エチレングリコール/1,6-ジイソシアナトヘキサン)及びポリ(メチルメタクリレー
ト)からなる群から選択される、天然又は合成のコポリマー又はポリマーである。特に好
ましいポリマーは、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコリド-L(-)ラクチドポリ(
エプシロン-カプロラクトン、ポリ(エプシロン-カプロラクトン-CO-乳酸)、及び
ポリ(エプシロン-カプロラクトン-CO-グリコール酸)などのポリエステルである。
ポリマー及び/又は活性物質を溶解させるのに有用な溶媒としては水、ヘキサフルオロイ
ソプロパノール、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、へキサン、ベンゼン、又はヘキサ
フルオロアセトンセスキ水和物がある。活性物質を含有する相を第2相に分散させるプロ
セスには、第1相をノズル内のオリフィスに圧力で強制的に通過させて液滴形成に作用す
る工程を含むことができる。
【0157】
乾燥粉末処方は、例えば、噴霧乾燥法、又は蒸発による溶媒抽出法、若しくは水性又は
非水性溶媒を除去するための1つ以上の工程が後続する結晶性組成物の沈殿による溶媒抽
出法などの、凍結乾燥以外のプロセスの結果として得ることができる。噴霧乾燥抗体調製
物の調製は、米国特許第6,019,968号に教示される。抗体ベースの乾燥粉末組成
物は、抗体の溶液又はスラリー、及び所望により賦形剤を、呼吸用乾燥粉末を提供するた
めの条件下で、溶媒中で噴霧乾燥させることによって製造され得る。溶媒には、容易に乾
燥可能な、例えば水及びエタノールなどの極性化合物が挙げられる。抗体の安定性は、酸
素不在下、例えば窒素ブランケット下において噴霧乾燥手順を実施すること、又は乾燥用
気体として窒素を使用することにより増強させることができる。別の比較的乾燥した処方
は、国際公開第9916419号中で教示されているような、典型的にヒドロフルオロア
ルカン噴射剤を含む懸濁培地中に分散した、複数の有孔微細構造の分散物である。安定化
された分散物は、定量吸入器を用いて患者の肺に投与できる。噴霧乾燥された薬剤の商業
的製造において有用な機器は、Buchi Ltd.又はNiro Corp.により製
造されている。
【0158】
本明細書に記載される安定若しくは保存製剤又は溶液のいずれかの抗IL-12/23
p40(又は抗IL-23)抗体は、当該技術分野において周知のように、SC若しくは
IM注射、経皮、経肺、経粘膜、埋め込み、浸透圧ポンプ、カートリッジ、マイクロポン
プ又は当業者により理解されるその他の手段などの様々な送達方法を介して、本発明によ
り患者に投与することができる。
【0159】
治療適用
本発明はまた、当該技術分野において既知又は本明細書に記載されるように、少なくと
も1つの本発明のIL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体を使用して、例えば
、細胞、組織、器官、動物、又は患者に、治療的有効量のIL-12/23p40(又は
抗IL-23)抗体を投与又は接触させて、細胞、組織、器官、動物、又は患者における
少なくとも1つのIL-12/23関連疾患を調節又は処置するための方法も提供する。
本発明はまた、肥満、免疫関連疾患、心血管疾患、感染症、悪性疾患、又は神経学的疾患
のうち少なくとも1つを含むがこれらに限定されない、細胞、組織、器官、動物、又は患
者における少なくとも1つのIL-12/23関連疾患を調節又は処置するための方法も
提供する。
【0160】
本発明はまた、細胞、組織、器官、動物、又は患者において少なくとも1つのIL-1
2/23関連免疫関連疾患を調節又は処置するための方法も提供し、乾癬、乾癬性関節炎
、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、全身性発症若年性関節リウマチ、強直性脊椎炎、
胃潰瘍、血清反応陰性関節症、変形性関節炎、骨融解、整形外科用インプラントの無菌性
のゆるみ、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデス、抗リン脂質症候群、
虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、特発性肺線維症、全身性血管炎/ヴェグナー肉芽
腫症、サルコイドーシス、精巣炎/精管切除修復術、アレルギー性/アトピー性疾病、ぜ
んそく、アレルギー性鼻炎、皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、
過敏性肺炎、移植、器官移植拒絶反応、移植片対宿主病、全身性炎症反応症候群、敗血症
症候群、グラム陽性菌敗血症、グラム陰性菌敗血症、培養陰性敗血症、真菌敗血症、好中
球減少性発熱、尿性敗血症、髄膜炎菌血症、外傷/出血、熱傷、電離放射線暴露、急性膵
炎、成人呼吸窮迫症候群、関節リウマチ、アルコール性肝炎、慢性炎症性病変、サルコイ
ドーシス、クローン病変、鎌状赤血球貧血症、糖尿病、ネフローゼ、アトピー性疾患、過
敏性反応、アレルギー性鼻炎、枯草熱、通年性鼻炎、結膜炎、子宮内膜症、ぜんそく、じ
ん麻疹、全身性アナフィラキシー、皮膚炎、悪性貧血、溶血性疾患、血小板減少症、任意
の器官又は組織の移植片拒絶反応、腎移植拒絶反応、心臓移植拒絶反応、肝臓移植拒絶反
応、膵臓移植拒絶反応、肺移植拒絶反応、骨髄移植(bone marrow transplant、BMT)
拒絶反応、皮膚同種移植拒絶反応、軟骨移植拒絶反応、骨移植片拒絶反応、小腸移植拒絶
反応、胎児胸腺移植拒絶反応、副甲状腺移植拒絶反応、任意の器官又は組織の異種移植拒
絶反応、同種移植拒絶反応、抗受容体免疫過剰反応、グレーブス病、レイノー病、B型イ
ンスリン抵抗性糖尿病、ぜんそく、重症筋無力症、抗体媒介性細胞障害、III型免疫過
剰反応、POEMS症候群(多発性神経障害、臓器肥大、内分泌障害、単クローン性免疫
グロブリン血症、及び皮膚症状症候群)、多発性神経障害、臓器肥大、内分泌障害、単ク
ローン性免疫グロブリン血症、皮膚症状症候群、抗リン脂質症候群、天疱瘡、強皮症、混
合性結合組織病、特発性アジソン病、真性糖尿病、慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変
、白斑、血管炎、MI後心臓切開術症候群、IV型免疫過剰、接触性皮膚炎、過敏性肺炎
、同種移植拒絶反応、細胞内生物による肉芽腫、薬物過敏、代謝性/特発性ウィルソン病
、ヘモクロマトーシス、アルファ1-アンチトリプシン欠乏症、糖尿病性網膜症、橋本甲
状腺炎、骨粗鬆症、視床下部・下垂体・副腎皮質系評価、原発性胆汁性肝硬変、甲状腺炎
、脳脊髄炎、悪液質、嚢胞性線維症、新生児慢性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患(chronic ob
structive pulmonary disease、COPD)、家族性血球貪食性リンパ組織球症、皮膚病
変、脱毛症、ネフローゼ症候群、腎炎、糸球体腎炎、急性腎不全、血液透析、尿毒症、毒
性、子癇前症、okt3療法、抗cd3療法、サイトカイン療法、化学療法、放射線療法
(例えば、無力症、貧血、悪液質などが挙げられるが、これらに限定されない)、慢性サ
リチル酸塩中毒などの少なくとも1つが挙げられるが、それらに限定されない。例えば、
Merck Manual,12th~17th Editions,Merck &
Company,Rahway,NJ(1972,1977,1982,1987,19
92,1999),Pharmacotherapy Handbook,Wells
et al.,eds.、Second Edition,Appleton and
Lange,Stamford,Conn.(1998,2000)を参照されたく、そ
れぞれは参照することにより全体が組み込まれる。所望により、少なくとも1つのTNF
抗体又は特定された部分又は変異体を含む有効量の組成物又は医薬組成物を、このような
調節、処置又は治療を必要としている細胞、組織、器官、動物又は患者に対し投与する工
程を含むことができる。例えば、Merck Manual,16th Edition
,Merck & Company,Rahway,NJ(1992)を参照のこと。
【0161】
本発明はまた、細胞、組織、器官、動物、又は患者において、免疫関連疾患、心血管疾
患、感染性、悪性及び/若しくは神経性疾患の少なくとも1つを含むがこれらに限定され
ない、IL-12/23関連として上記に列記される他の疾患の中でも、乾癬、乾癬性関
節炎、クローン病、他の炎症性腸疾患、狼瘡、サルコイドーシス、AS、若しくはnrA
xSpAを調節又は処置するための方法も提供する。かかる方法は、抗IL-12/23
p40(又は抗IL-23)抗体を含む有効量の少なくとも1つの組成物又は医薬組成物
を、かかる調節、処置、又は治療を必要としている細胞、組織、器官、動物、又は患者に
投与することを、所望により含み得る。
【0162】
本発明のいずれの方法も、かかる調節、処置、又は治療を必要としている細胞、組織、
器官、動物、又は患者に、抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体を含む有
効量の組成物又は医薬組成物を投与することを含み得る。かかる方法は、所望により、か
かる疾患又は障害の処置のための同時投与又は併用療法を更に含むことができ、ここで、
この少なくとも1つの抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体、その特定部
分、又は変異体を投与することは、少なくとも1つのTNF拮抗薬(例えば、限定されな
いが、化学物質性若しくはタンパク質性TNF拮抗薬、TNFモノクローナル若しくはポ
リクローナル抗体若しくは断片、可溶性TNF受容体(例えば、p55、p70、又はp
85)若しくは断片、その融合ポリペプチド、又は低分子TNF拮抗薬、例えば、TNF
結合タンパク質I又はII(TBP-1又はTBP-II)、ネレリモンマブ、インフリ
キシマブ、エタナセプト(Enbrel(商標))、アダリムマブ(Humira(商標
))、CDP-571、CDP-870、アフェリモマブ、レネルセプトなど)、抗リウ
マチ薬(例えば、メトトレキサート、オーラノフィン、アウロチオグルコース、アザチオ
プリン、金チオリンゴ酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、スルフ
ァサラジン)、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド性抗炎症薬(non-steroid anti-inflammat
ory drug、NSAID)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬
(例えば、アミノグリコシド、抗真菌薬、抗寄生虫薬、抗ウイルス薬、カルバペナム、セ
ファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テト
ラサイクリン、その他抗菌薬)、乾癬治療薬、コルチコステロイド、アナボリックステロ
イド、糖尿病関連薬、ミネラル、栄養薬、甲状腺剤、ビタミン、カルシウム関連ホルモン
、止瀉薬、鎮咳薬、制吐剤、抗腫瘍薬、緩下剤、抗凝固薬、エリスロポエチン(例えば、
エポエチンアルファ)、フィルグラスチム(例えば、G-CSF、Neupogen)、
サルグラモスチム(GM-CSF、Leukine)、免疫付与剤、免疫グロブリン、免
疫抑制剤(例えば、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、
ホルモン補充薬、エストロゲン受容体調節薬、散瞳剤、毛様体筋麻痺薬、アルキル化剤、
代謝拮抗薬、分裂阻害剤、放射性医薬品、抗うつ薬、抗躁薬、抗精神病薬、抗不安薬、睡
眠薬、交感神経刺激薬、刺激薬、ドネペジル、タクリン、ぜんそく治療薬、ベータ作用薬
、吸入ステロイド、ロイコトリエン阻害剤、メチルキサンチン、クロモリン、エピネフリ
ン若しくは類縁体、ドルナーゼアルファ(Pulmozyme)、サイトカイン若しくは
サイトカイン拮抗薬から選択される少なくとも1つを、前に、同時に、及び/又は後に投
与することを更に含む。適切な投与量は、当該技術分野において周知である。例えば、W
ells et al.,eds.,Pharmacotherapy Handboo
k,2nd Edition,Appleton and Lange,Stamfor
d,CT(2000)、PDR Pharmacopoeia,Tarascon Po
cket Pharmacopoeia 2000,Deluxe Edition,T
arascon Publishing,Loma Linda,CA(2000)、N
ursing 2001 Handbook of Drugs,21st editi
on,Springhouse Corp.,Springhouse,PA,2001
、Health Professional’s Drug Guide 2001,e
d.,Shannon,Wilson,Stang,Prentice-Hall,In
c,Upper Saddle River,NJ,(これらの参考文献の各々は参照に
より全体が本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
【0163】
治療処置
典型的には、病態の処置は、組成物中に含有される活性剤の比活性に応じ、平均して、
合計、1回の投与あたり患者の体重1kgあたり少なくとも約0.01~500ミリグラ
ムの範囲の抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体、及び好ましくは、単回
又は複数回投与あたり患者の体重1kgあたり少なくとも約0.1~100ミリグラムの
範囲の抗体の、抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体組成物の有効量又は
投与量を投与することにより影響を受ける。あるいは、有効な血清濃度は、単回又は複数
回投与あたり0.1~5000μg/mlの血清濃度を含み得る。適切な投与量は、医療
実践者には周知であり、当然のことながら、具体的な疾患状態、投与される組成物の比活
性、及び処置を受けている具体的な患者に依存する。場合によっては、望ましい治療量を
得るために、反復投与、即ち、特定の監視された量又は定量の反復個別投与を提供するこ
とが必要となる場合があり、この場合、個別投与は、望ましい日用量又は作用が得られる
まで繰り返される。
【0164】
好ましい用量は、所望により、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0
.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13
、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、
27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、4
0、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53
、54、55、56、57、58、59、60、62、63、64、65、66、67、
68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、8
1、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94
、95、96、97、98、99及び/若しくは100~500mg/kg/投与、又は
その任意の範囲、値若しくは分画を含むか、あるいは単回若しくは複数回投与あたり0.
1、0.5、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.9、2.0、2.5、2.
9、3.0、3.5、3.9、4.0、4.5、4.9、5.0、5.5、5.9、6.
0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8.9、9.0、9.
5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9、20、12.5、
12.9、13.0、13.5、13.9、14.0、14.5、4.9、5.0、5.
5.、5.9、6.0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8
.9、9.0、9.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9
、12、12.5、12.9、13.0、13.5、13.9、14、14.5、15、
15.5、15.9、16、16.5、16.9、17、17.5、17.9、18、1
8.5、18.9、19、19.5、19.9、20、20.5、20.9、21、22
、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、
60、65、70、75、80、85、90、96、100、200、300、400、
500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、
3000、3500、4000、4500、及び/若しくは5000μg/mlの血清濃
度、又はその任意の範囲、値若しくは分画を得るように含み得る。
【0165】
あるいは、投与される投与量は、特定の薬剤の薬物動態特徴並びにその投与方法及び経
路、レシピエントの年齢、健康及び体重、症状の性質及び程度、同時処置の種類、処置頻
度、並びに所望の作用などの既知の因子により異なり得る。活性成分の投与量は、通常、
体重1キログラムあたり約0.1~100ミリグラムであり得る。通常、0.1~50、
好ましくは0.1~10ミリグラム/キログラム/投与、又は徐放性形態が、望ましい結
果を得るために有効である。
【0166】
非限定的な例として、ヒト又は動物の処置は、単回、注入、又は反復投与を使用して、
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、1
7、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30
、31、32、33、34、35、36、37、38、39若しくは40日目のうちの少
なくとも1日に、あるいは又は追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、
11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、2
4、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37
、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、
51若しくは52週目のうちの少なくとも1週に、あるいは又は追加的に、1、2、3、
4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、1
9若しくは20年目のうちの少なくとも1年に、又はこれらの任意の組み合わせで、1日
あたり0.1~100mg/kg、例えば、0.5、0.9、1.0、1.1、1.5、
2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、
18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、4
0、45、50、60、70、80、90、又は100mg/kgの、本発明の少なくと
も1つの抗体の1回又は周期的な投与量として提供され得る。
【0167】
体内投与に適した剤形(組成物)は、一般に、1単位又は容器あたり約0.001ミリ
グラム~約500ミリグラムの活性成分を含む。これらの医薬組成物において、活性成分
は、組成物の総重量に基づいて、通常、約0.5~99.999重量%の量で存在する。
【0168】
非経口投与には、抗体は、製薬学的に許容できる非経口ビヒクルと合わせて、又は別個
に提供される、溶液、懸濁液、エマルション、粒子、粉末、若しくは凍結乾燥粉末として
、製剤化され得る。かかるビヒクルの例は、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロー
ス溶液及び1~10%ヒト血清アルブミンである。リポソーム及び固定油などの非水性ビ
ヒクルを使用することもできる。ビヒクル又は凍結乾燥粉末は、等張性及び化学安定性を
維持する添加剤(例えば、等張性に関しては塩化ナトリウム、マンニトール;化学安定性
に関しては緩衝剤及び保存剤)を含有することができる。製剤は、既知の又は適切な技術
によって滅菌される。
【0169】
適切な製薬学的担体は、この分野での標準的参考テキストであるRemington’
s Pharmaceutical Sciences,A.Osolの最新版の中で記
載されている。
【0170】
代替的投与
抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体の製薬学的に有効な量を投与する
ために、本発明に従って、多くの既知の及び開発された方式を使用することができる。以
下の記述では経肺投与が使用されているが、本発明に従ってその他の投与方式を使用して
、適切な結果を得てもよい。本発明のIL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体
は、担体中で、溶液、エマルション、コロイド若しくは懸濁液として、又は乾燥粉末とし
て、吸入によるか、又は本明細書に記載される若しくは当該技術分野において既知である
他の方式による投与に適した様々なデバイス及び方法のいずれかを使用して、送達するこ
とができる。
【0171】
非経口処方及び投与
非経口投与用処方は、一般的な賦形剤として滅菌水又は生理食塩水、ポリエチレングリ
コールなどのポリアルキレングリコール、植物性油、水素化ナフタレンなどを含有してよ
い。注射用の水性又は油性懸濁液は、既知の方法に従って、適切な乳化剤又は加湿剤及び
懸濁剤を使用することによって調製可能である。注射剤は、例えば水溶液、無菌注射液又
は溶媒中懸濁液などの非毒性の非経口投与可能な希釈剤であってよい。使用可能なビヒク
ル又は溶媒としては、水、リンゲル液、等張生理食塩水などが可能であり、通常の溶媒又
は懸濁溶媒としては、無菌の不揮発性油を使用することができる。これらの目的では、天
然又は合成若しくは半合成の、脂肪油又は脂肪酸、天然又は合成若しくは半合成の、モノ
グリセリド又はジグリセリド又はトリグリセリドを含む、あらゆる種類の不揮発性油及び
脂肪酸を使用することができる。非経口投与は当該技術分野において既知であり、従来の
注射手段、米国特許第5,851,198号に記載されているようなガス加圧式無針注入
デバイス、及び米国特許第5,839,446号に記載されているようなレーザー穿孔機
デバイスが挙げられるが、これらに限定されず、これらは参照によって全体が本明細書に
組み込まれる。
【0172】
代替的送達
本発明は更に、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、包内、軟骨
内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頚管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内
、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑液嚢
内、胸郭内、子宮内、膀胱内、病巣内、ボーラス、膣内、直腸、口腔内、舌下、鼻腔内、
又は経皮手段による抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体の投与に関する
。抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体組成物は、非経口(皮下、筋肉内
、又は静脈内)又は任意の他の投与、特に、液体溶液若しくは懸濁液の形態で使用するた
めに、特に、クリーム及び座薬などであるがこれらに限定されない半固体形態で、膣若し
くは直腸の投与における使用のために、錠剤若しくはカプセルなどであるがこれらに限定
されない形態で、口腔若しくは舌下投与用に、あるいは粉末、点鼻剤若しくはエアロゾル
、又はある特定の薬剤などであるがこれらに限定されない形態で、鼻腔内に、あるいは皮
膚構造を改変するか、又は経皮パッチ中の薬物濃度を増加させるかのいずれかのために、
ジメチルスルホキシドなどの化学的促進剤を用いて(Junginger,et al.
In「Drug Permeation Enhancement」;Hsieh,D.
S.,Eds.,pp.59~90(Marcel Dekker,Inc.New Y
ork 1994、参照により全体が本明細書に組み込まれる)、又はタンパク質及びペ
プチドを含有する製剤の皮膚への適用(国際公開第98/53847号)、又はエレクト
ロポレーションなどの一過性の輸送経路を作り出すための、若しくはイオントフォレシス
などの皮膚を通して荷電薬物の移動度を増加させるための電界の適用、又は超音波導入な
どの超音波の適用(米国特許第4,309,989号及び同第4,767,402号)を
可能にする酸化剤を用いて、ゲル、軟膏、ローション、懸濁液若しくはパッチ送達系など
であるが、これらに限定されない、経皮的に、調製することができる(上記の刊行物及び
特許は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。
【0173】
本発明を全般的に記述したことから、同様物は、実例として提供されるが制限すること
を意図していない以下の実施例を参照することにより、より容易に理解されるであろう。
更に、本発明の詳細は、以下の非限定例によって例示される。本明細書の全ての引用の開
示は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【実施例0174】
実施例1:哺乳類細胞におけるIL-12抗体のクローニング及び発現。
典型的な哺乳類発現ベクターは、mRNAの転写の開始を媒介する少なくとも1つのプ
ロモーター要素、抗体コード配列、並びに転写の終結及び転写物のポリアデニル化に必要
なシグナルを含む。付加的な要素には、エンハンサー、コザック配列並びにRNAスプラ
イシングのためのドナー及びアクセプター部位に隣接している介在配列が含まれる。高効
率の転写は、SV40からの初期及び後期プロモーター、レトロウイルス、例えば、RS
V、HTLVI、HIVIからの長端末反復(long terminal repeats、LTRS)、及
びサイトメガロウイルス(cytomegalovirus、CMV)の初期プロモーターで達成するこ
とができる。しかしながら、細胞要素を使用することもできる(例えば、ヒトアクチンプ
ロモーター)。本発明の実施において使用するのに好適な発現ベクターとしては、例えば
、pIRES1neo、pRetro-Off、pRetro-On、PLXSN若しく
はpLNCX(Clonetech Labs,Palo Alto,CA)、pcDN
A3.1(+/-)、pcDNA/Zeo(+/-)又はpcDNA3.1/Hygro
(+/-)(Invitrogen)、PSVL及びPMSG(Pharmacia,U
ppsala,Sweden)、pRSVcat(ATCC 37152)、pSV2d
hfr(ATCC 37146)、並びにpBC12MI(ATCC 67109)など
のベクターが挙げられる。使用することができる哺乳類の宿主細胞には、ヒトHela2
93、H9及びJurkat細胞、マウスNIH3T3及びC127細胞、Cos 1、
Cos 7及びCV 1、ウズラQC1-3細胞、マウスL細胞及びチャイニーズハムス
ター卵巣(Chinese hamster ovary、CHO)細胞が含まれる。あるいは、遺伝子を、染
色体に組み込まれた遺伝子を含有する安定した細胞株において発現させることができる。
dhfr、gpt、ネオマイシン、又はハイグロマイシンなどの選択マーカーとの共トラ
ンスフェクションは、トランスフェクトされた細胞の特定及び単離を可能にする。
【0175】
トランスフェクトされた遺伝子はまた、大量のコード化された抗体を発現するために増
幅され得る。DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼ)マーカーは、目的の遺伝子の数百又
は更には数千のコピーを有する細胞株を開発するのに有用である。別の有用な選択マーカ
ーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Murphy,et al.,Bio
chem.J.227:277~279(1991)、Bebbington,et a
l.,Bio/Technology 10:169~175(1992))。これらの
マーカーを使用して、哺乳類細胞を選択的培地中で成長させ、最も高い耐性を有する細胞
が選択される。これらの細胞株は、染色体に組み込まれた増幅遺伝子(複数可)を含有す
る。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)及びNSO細胞が抗体の生成に使用されるこ
とが多い。
【0176】
発現ベクターpC1及びpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強いプロモーター(LTR)
(Cullen,et al.,Molec.Cell.Biol.5:438~447
(1985))に加え、CMVエンハンサー(Boshart,et al.,Cell
41:521~530(1985))の断片を含有する。例えば、制限酵素切断部位B
amHI、XbaI及びAsp7l8を伴う複数のクローニング部位は、目的の遺伝子の
クローニングを容易にする。ベクターは、3’イントロンに加えて、ラットプレプロイン
スリン遺伝子のポリアデニル化及び終結シグナルを含有する。
【0177】
CHO細胞におけるクローニング及び発現。
ベクターpC4は、IL-12/23p40抗体の発現に使用される。プラスミドpC
4は、プラスミドpSV2-dhfr(ATCC受託番号37146)の誘導体である。
このプラスミドは、SV40初期プロモーターの制御下でマウスDHFR遺伝子を含有す
る。これらのプラスミドでトランスフェクトされる、ジヒドロ葉酸活性を欠くチャイニー
ズハムスター卵巣細胞又はその他の細胞は、化学療法剤メトトレキサートを補充した選択
的培地(例えば、α-MEM、Life Technologies,Gaithers
burg,MD)中で細胞を成長させることによって選択することができる。メトトレキ
サート(MTX)に耐性の細胞におけるDHFR遺伝子の増幅は、十分に文書化されてい
る(例えば、F.W.Alt,et al.,J.Biol.Chem.253:135
7~1370(1978)、J.L.Hamlin and C.Ma,Biochem
.et Biophys.Acta 1097:107~143(1990)及びM.J
.Page and M.A.Sydenham,Biotechnology 9:6
4~68(1991)を参照のこと)。増大したMTX濃度において成長した細胞は、D
HFR遺伝子の増幅の結果として、標的酵素であるDHFRの過剰生成により、薬物に対
する耐性を発達させる。第2の遺伝子がDHFR遺伝子に連結されている場合、通常、共
増幅され、過剰発現される。このアプローチを使用して、増幅遺伝子(複数可)の1,0
00を超えるコピーを有する細胞株を開発することができることが、当該技術分野におい
て知られている。続いて、メトトレキサートを回収する際、宿主細胞の1つ以上の染色体
(複数可)に組み込まれた増幅遺伝子を含有する細胞株が得られる。
【0178】
ラウス肉腫ウイルスの長い末端反復(long terminal repeat、LTR)の強いプロモー
ター以外の高効率のプロモーター、例えば、ヒトb-アクチンプロモーター、SV40初
期若しくは後期プロモーター、又は他のレトロウイルス、例えばHIV及びHTLVIか
らの長い末端反復も発現のために使用することができる。ClontechのTet-O
ff及びTet-On遺伝子発現系、並びに類似の系を使用して、哺乳類細胞において調
節された方法で、IL-12を発現させることができる(M.Gossen,and H
.Bujard,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5547~5
551(1992))。mRNAのポリアデニル化のために、例えば、ヒト成長ホルモン
又はグロビン遺伝子からの他のシグナルも使用することができる。染色体に組み込まれた
目的の遺伝子を有する安定した細胞株は、gpt、G418、又はハイグロマイシンなど
の選択マーカーとの共トランスフェクションの際に選択することもできる。最初に1つを
超える選択マーカー、例えばG418、に加えてメトトレキサートを使用するのが有利で
ある。このプラスミドpC4を制限酵素で消化した後に、当該技術分野において既知の手
順により、子ウシ腸ホスファターゼを使用して脱リン酸化する。次に、ベクターは1%ア
ガロースゲルから単離される。
【0179】
既知の方法ステップに従い、それぞれ、本発明のIL-12/23p40抗体のHC及
びLC CDR領域に対応する、完全なIL-12/23p40抗体をコード化するDN
A配列が使用される。好適なヒト定常領域(すなわち、HC及びLC領域)をコード化す
る単離された核酸は、この構築物においても使用される。
【0180】
次に、単離された可変及び定常領域コードDNA及び脱リン酸化ベクターをT4 DN
Aリガーゼでライゲートする。次に、大腸菌HB101又はXL-1 Blue細胞を形
質転換し、例えば、制限酵素分析を使用して、プラスミドpC4に挿入された断片を含有
する細菌を特定する。
【0181】
トランスフェクションには、活性DHFR遺伝子が欠損しているチャイニーズハムスタ
ー卵巣(CHO)細胞が使用される。5マイクログラムの発現プラスミドpC4は、リポ
フェクチンを使用して、0.5マイクログラムのプラスミドpSV2-neoで共トラン
スフェクトされる。プラスミドpSV2neoは、優性の選択マーカーである、G418
を含む一群の抗生物質に対して耐性を付与する酵素をコード化するTn5からのneo遺
伝子を含有する。1マイクログラム/mlのG418で補充したアルファ-MEMに細胞
を播種する。2日後、細胞をトリプシン処理し、ハイブリドーマクローニングプレート(
Greiner,Germany)中の、10、25、又は50ng/mlのメトトレキ
サート+1マイクログラム/mlのG418で補充したアルファ-MEMに播種する。約
10~14日後、単一クローンをトリプシン処理した後、異なる濃度のメトトレキサート
(50nM、100nM、200nM、400nM、800nM)を使用して、6ウェル
ペトリ皿又は10mlフラスコに播種する。次に、最高濃度のメトトレキサートで成長さ
せているクローンを、更に高い濃度のメトトレキサート(1mM、2mM、5mM、10
mM、20mM)を含む新しい6ウェルプレートに移す。100~200mMの濃度で成
長するクローンが得られるまで同じ手順を繰り返す。所望の遺伝子生成物の発現は、例え
ば、SDS-PAGE及びウエスタンブロットによって、又は逆相HPLC分析によって
分析される。
【0182】
実施例2:マウス実験的自己免疫性脳脊髄炎(experimental autoimmune encephalomye
litis、EAE)における抗IL-12p35及び抗IL-12/23p40抗体の治療
有効性の比較
概要
この一連の研究は、多発性硬化症の実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)のマウスモデ
ルにおけるIL-12又はIL-12/IL-23特異的中和の治療有効性を調査するた
めに実施された。IL-12とIL-23との間で共有されるIL-12のp35サブユ
ニット又はp40サブユニットに特異的な中和ラット抗マウスモノクローナル抗体(mA
b)が、疾患誘導前、疾患発症前、又は疾患が進行した後のいずれかに投与された。全て
の場合において、抗p40のみが治療可能性を示した。これらのデータ-は、IL-23
がこの自己免疫モデルにおいて疾患病因の主な寄与因子であることを示唆する。
【0183】
【表2】
【0184】
緒言
生物活性IL-12は、35(p35)及び40(p40)キロダルトンの2つの共有
結合されたサブユニットから構成されるヘテロ二量体として存在する。いくつかの証拠は
、IL-12がCD4 T細胞からのIFNγ及びIL-2の産生を特徴とする頑強な
Th1免疫応答を誘導することができることを示した。不適切なTh1応答、従ってIL
-12発現は、多発性硬化症、関節リウマチ、炎症性腸疾患、インスリン依存性糖尿病、
及びブドウ膜炎などの多くの免疫媒介性疾患と相関すると考えられている。動物モデルに
おいて、IL-12の中和が免疫媒介性疾患を改善することが示された。しかしながら、
これらの研究は、そのp40サブユニットを介してIL-12を中和した。p40サブユ
ニットを共有するヘテロ二量体サイトカインであるIL-23(1)の最近の説明は、以
前の所見がIL-12又はIL-23活性によるものであったかどうかを決定することを
重要とした。従って、p35及びp40特異的中和は、自己免疫の実験的自己免疫性脳脊
髄炎(EAE)のマウスモデルにおいて比較された。IL-12p35に特異的な中和抗
体は、EAEの進行に対して作用がなかった。対照的に、抗p40mAbでIL-12及
びIL-23両方を中和することにより、抗体がTh1分化の前又は後に投与されたかど
うかに関わらず、EAEの臨床徴候が抑制された。このデータは、EAEにおける抗p4
0処置の活性がIL-23の中和のみに基づくことを示唆する。
【0185】
方法及び材料
マウス
雌のC3H/HEB/FEJマウス(Jackson Laboratories,B
ar Harbor,ME)が薬物動態分析において使用された。EAE研究には、雌の
B10.PL(H-2)マウスを、Jackson Laboratoriesから購
入し、6~8週齢で使用した。全ての動物は、承認されたプロトコルの下で、IACUC
ガイドラインに従って維持された。
【0186】
抗体
C17.8(ラット抗マウスIL-12/IL-23p40、IgG2a)及びC18
.2(ラット抗マウスIL-12p35、IgG2a)ハイブリドーマは、Dr.Gio
rgio Trinchieri及びWistar Institute(Philad
elphia,PA)により提供された。腹水は、Harlan Bioproduct
s(Indianapolis,IN)で生成され、プロテインG親和性により精製され
た。
【0187】
ラット抗マウス抗体の血清PK
約20~25グラムの雌C3H/HEB/FEJマウスを、個々に量り、10mL/k
gの一定投与容量/マウスで、単一の5mg/kgの腹腔内用量の125I標識された抗
体(C17.8、C18.2)で処置した。30分、6、及び24時間、4、7、11、
及び18日に、麻酔したマウスから後眼窩静脈叢出血を採取した。血液試料は、室温で少
なくとも30分間だが、1時間以下の間放置し、次いで約2,500~3,500rpm
で10~15分間遠心分離した。各血清試料のおよそ50uLのアリコートを、LKB
Compugamma 1282計数管(Wallac,Gaithersburg,M
D)を使用して、125Iを計数した。注射物(injectates)の10mLのア
リコートも計数した。各時点での注射した計数の平均分画を計算し、注射された抗体の合
計mgを乗ずることにより、各時点で血清中に残存する合計mgを決定する。データは、
各群の5~10匹の動物のsera+/-s.d.のmAbの平均mgとして示される。
【0188】
EAE誘導及びスコアリング
EAE誘導には、雌のB10.PLマウスに、200μgのモルモット-MBP(Si
gma)と組み合わせた合計100μlのCFA(containing 200μgの
Mycobacterium tuberculosis Jamaica株を含有する
)を後側の4つの部位にわたって皮下注射した。マウスは、免疫化時及び48時間後に、
0.2mlのPBS中200gの百日咳毒素(List Biological,Cam
pbell,CA)腹腔内投与も受けた。マウスは、示される日に、PBSに100mg
/kg(C18.2)又は20mg/kg(C17.8)に希釈されたC17.8(抗I
L-12p40)又はC18.2(抗IL-12p35)モノクローナル抗体の腹腔内注
射を受けた。対照マウスは、PBS又はPBS中20mg/kgのRat IgG(Bi
osource)を受けた。
【0189】
臨床徴候(clinical sign、cs)を示した動物は、次のようにスコア化された:尾の
跛行又は尾部緊張を伴うよたつき歩行が1、尾の跛行を伴うよたつき歩行(運動失調)が
2、部分的な肢の麻痺を伴う運動失調が2.5、1つの肢が完全に麻痺が3、2つ目の肢
の部分的な麻痺を伴う1つの肢の完全な麻痺が3.5、2つの肢の完全な麻痺が4、瀕死
が4.5、死亡が5。スコアが5の動物は、残りの実験の平均日次cs分析に含まれなか
った。群の日次csを平均化し、平均出現率、発症日、最高急性cs、累積cs、cs/
日、再発数、及び再発重症度±semを記載する。個々の動物の日次臨床スコアの総和を
平均化して、群ごとの平均累積csを計算した。累積csを、研究に残った動物の日数で
除してcs/日を計算した。平均発症日を決定するために、EAEを発症しなかった動物
は分析に含めなかった。平均最高csを決定するために、EAEを発症しなかったマウス
には「0」の値を割り当て、分析に含めた。再発は、少なくとも観察日2日間にわたって
維持された臨床スコアにおける完全な点数降下の後、少なくとも観察日2日間にわたって
維持された臨床スコアの完全な点数増加により定義された。
【0190】
結果と考察
同一の薬物動態を有する抗p35及び抗p40抗体
抗p40及び抗p35抗体のクリアランス速度を確立するために、正常なマウスに、単
一の5mg/kgの用量の125I標識された抗体を注射し、抗体投与後11日間にわた
って循環レベルを測定した。抗p35及び抗p40は、重複する薬物動態を有し、正常な
マウス(2)ではクリアランス速度が同一であることを示す。各mAbの予想クリアラン
ス速度はおよそ7~10日である。これは単一用量PK研究であるが、これらのデータは
、インビボ研究の毎週1回の投与を裏付ける。
【0191】
EAE誘導前の抗p40のみの処置は保護的である
免疫媒介性疾患におけるIL-12及びIL-23の相対的な役割を決定するために、
我々は、多発性硬化症の再発性実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)のマウスモデルを利
用した。アジュバントにおけるミエリン塩基性タンパク質(myelin basic protein、MB
P)でのEAE誘導により、B10.PLマウスは典型的に、麻痺の初期エピソード(急
性疾患)を呈し、その後、部分的、又は完全のいずれかで回復し、多発性の再発及び/又
は慢性EAEへと進行する。IL-12はTh0のTh1への分化の主な媒体であると考
えられるため、EAEはIL-12発現に依存すると長い間想定されていた。しかしなが
ら、EAE誘導におけるIL-23の潜在的な役割を区別するために、抗p40(IL-
12及びIL-23)又は抗p35(IL-12のみ)抗体の中和濃度は、EAEの免疫
化の1日前(-1日目)に確立された。疾患の発症は動物間で異なり得るため、抗p35
及びIL-p40抗体がTh1分化中に存在することを確実にするために、処置は、7及
び14日後に繰り返された。いくつかのインビトロ中和研究は、抗40mAbがIL-1
2の中和において抗p35mAbよりも5倍有効であることを示した(データ示さず)。
従って、抗p35mAbの用量は、全EAE実験において抗p40よりも5倍高く調整さ
れた。2つの別個の実験において、Rat IgGアイソタイプ対照抗体(20mg/k
g)又は抗p35(100mg/kg)で処置されたマウスは、疾患からの保護を示さな
かった。EAEを有する非処置マウスと比較したとき、非特異的対照抗体(Rat Ig
G)の末梢投与は疾患の臨床経過を変更しなかったことに留意することが重要である。両
研究において、抗p40mAb(20mg/kg)で処置されたマウスは、EAE臨床徴
候のほぼ完全な阻害を呈した。際立って、疾患の抑制は、予測された抗体クリアランス速
度を超えて、EAE誘導の70日後まで延長された。各実験において、抗p40で処置さ
れた1匹の動物のみが2日間連続してEAE臨床徴候を呈し、各々、発症の遅延、大幅に
低い急性臨床スコア、累積臨床スコア、及び疾患の再発なしを示した(表1)。これらの
結果は、共有p40サブユニットによるIL-12及びIL-23の中和がEAEからの
ほぼ完全な保護を提供したことを示す。対照的に、抗p35を介したIL-12のみの特
異的中和は効果がなかった。これらのデータは、EAEがIL-12によって媒介されな
いことを強く示唆する。
【0192】
疾患発症直前の抗p40のみの処置は保護的である
予防的処置はマウスをEAEから完全に保護したが、IL-12特異的中和が、Th1
集団が一旦インビボで確立されたら保護的であるかどうかはまだ決定されていない。従っ
て、別の実験組において、EAE誘導の10日後だが、疾患発症前に、マウスを、対照抗
体(Rat IgG)、抗p35、又は抗p40モノクローナル抗体のいずれかで処置し
た。典型的な免疫応答は7日以内に生じるため、この時点は、分化したTh1細胞に対す
る抗IL-12又は抗IL-23mAbの効果を反映するはずである。EAE発症は、動
物間で異なり得るため、抗p35及び抗p40抗体が疾患の発症中に存在することを確実
にするために、処置は7及び14日後に繰り返された。2つの別個の実験において、未処
置EAEマウスと比較したとき、アイソタイプ対照抗体(20mg/kg)又は抗p35
(100mg/kg)で処置されたマウスは、疾患から保護されなかった。しかしながら
、抗p40mAb(20mg/kg)で処置されたマウスは、EAEから顕著に保護され
た。前に記載される研究において示されるように、疾患の抑制は、末端投与された抗体の
クリアランスに必要な時間を十分に越えてEAE誘導の70日後まで観察された。抗体が
Th1分化後まで(10日目)投与されなかったことを考慮すると、急性EAE中の疾患
出現率、発症日、及び最高臨床スコアはいずれの群においても異ならなかったことは意外
ではなかった(表2)。しかしながら、両実験において、抗p40を受けるマウスは、大
幅に低い累積臨床スコア、1日当たりの臨床スコア、及び再発重症度を呈した。
【0193】
確立されたEAE中の抗p40のみの治療は保護的である
最も困難であるが、臨床的に意義のある、任意の治療に対するハードルは、確立された
疾患を抑制することである。従って、マウスをEAEに対して免疫化し、次いで、疾患が
一旦進行したら治療群に分けた、別の実験組が実施された。EAE誘導のおよそ約30日
後、マウスは疾患の急性期へと進行した。この時点で、比較可能な累積及び日次臨床スコ
アで、動物を群に分けた。急性から慢性、又は寛解-再発疾患への移行中に中和濃度で抗
体が利用可能であることを確実にするために、処置は7及び14日後に繰り返された。ア
イソタイプ対照抗体(20mg/kg)又は抗p35(100mg/kg)処置動物のい
ずれかと比較したとき、抗p40処置(20mg/kg)のみが疾患を改善した。疾患の
抑制は、EAE誘導の80日後まで観察された。両実験において、処置の初日から80日
目までの分析は、抗p40を受けるマウスがより低い累積臨床スコア、1日当たりの臨床
スコア、及び処置後最小限の最高臨床スコアを示した。これらのデータは、IL-23が
Th1の分化(表1)及びEAEの誘導(表2)を媒介する可能性があるだけでなく、I
L-23が、慢性免疫媒介(例えば、自己免疫)応答のエフェクター相にも寄与する(表
3)ことを示唆する。従って、抗p40処置は、免疫媒介性疾患の進行の任意の時点で治
療を提供することができる。
【0194】
結論
免疫機能におけるIL-12の役割の理解は、IL-12のp40サブユニットの研究
に基づいている。従って、IL-12とIL-23との間で共有されるIL-12特異的
p35サブユニット対p40サブユニットの中和の並列比較が自己免疫疾患の動物モデル
において行われた。抗p40を介した中和は、mAbが任意の時点で投与されたときにE
AEを大幅に阻害した。しかしながら、IL-12特異的中和は全く効果がなかった。従
って、我々のデータは、IL-12がこの自己免疫モデルに寄与せず、IL-23が自己
免疫T細胞応答のより顕著な媒体であると予測されることを示す。
【0195】
実施例3:p40中和エピトープ
概要
IL-12及びIL-23のヒトp40サブユニットに対する中和抗体(IL-12/
23p40mAb)のエピトープは、Fab/IL-12複合体の結晶構造に基づいて決
定された。エピトープは、ヒトIL-12のp40サブユニットのD1ドメイン(残基1
~88)上に位置する。この領域は、p40/p35界面から離れており、IL-23の
p40サブユニット上でも利用可能であると予測される。抗原-抗体結合に関与する残基
は不連続であり(表4)、固有の立体構造エピトープを含む。このエピトープ又はその部
分及び隣接領域に対する抗体は、p40サブユニットのこの部分により媒介されるIL-
12及びIL-23機能の遮断をもたらす。
【0196】
緒言
ヒトIL-12/23p40に対して指向される完全ヒトモノクローナル抗体(p40
mAb)は、IL-12及びIL-23機能の強力な中和剤であることが示されている。
p40mAbはp40サブユニットに結合し、両サイトカインのそれらの受容体への結合
を遮断することが示されている。IL-12とIL-23との間でp40サブユニットが
共有されるため、IL-12とp40mAbとの間の詳細な相互作用は重要な共通中和エ
ピトープを定義し、そしてこれはサイトカイン-レセプター相互作用の解明につながり得
る。
【0197】
p40Fab/IL-12結晶構造に基づくエピトープ決定
培養において哺乳類細胞株からIL-12/IL-23p40mAbを産生し、プロテ
インAカラムにより精製した。IL-12/IL-23p40mAb(70mg)を、活
性化緩衝液(0.03Mリン酸ナトリウム、0.15M NaCl、0.01M EDT
A、0.0072M L-システイン、pH7.0)中のパパイン(IgGの1ミリグラ
ム当たり0.25単位のパパイン)で、37°℃で2時間消化した。表面増強型レーザー
脱離イオン化(Surface-Enhanced Laser desorption ionization、SELDI)質量分析
により、消化を監視した。ヨードアセトアミド(0.5M)を使用して消化を停止させた
。固定化プロテインGによりFcを除去した。p40Fabを、Superdex 20
0 16/60カラム上のゲル濾過により更に精製した。合計44mgの精製されたp4
0Fabを得、SDS-PAGEによりその純度を分析した。
【0198】
培養において、p40及びp35サブユニットを過剰発現する安定してトランスフェク
トされた細胞株から組換えヒトIL-12を産生し、p40mAb親和性カラムで精製し
た。タンパク質分画を収集し、10mMトリス、100mM NaCl、pH7.4に透
析し、2.5mg/mlに濃縮した。アルゴン下で、脱グリコシル化酵素(PNGase
F、シアラダーゼ(Sialadase)、エンド-O-グリコシダーゼ、α-、β-ガラクト
シダーゼ、α-マンノシダーゼ、フコシダーゼ[約5mU~10U/100ugタンパク
質])のいくつかの組み合わせとともに、37℃で3日間インキュベートすることにより
、IL-12を脱グリコシル化した。
【0199】
脱グリコシル化したIL-12を、過剰のp40Fabと混合した。10mMトリス、
50mM NaCl、pH7.4において、サイズ排除クロマトグラフィーにより、IL
-12/p40Fab複合体を精製した。単離された複合体を、およそ4mg/mlに濃
縮した。上記タンパク質複合体溶液を、50mMトリス、pH7.0、16% PEG
3350のリザーバ溶液と1:1容量比で組み合わせることにより、シッティングドロッ
プ蒸気拡散法を使用してIL-12/p40Fab複合体を結晶化した。典型的には50
~150μmの大きさの立方、角錘、又は棒形状の結晶が、16℃で2週間以内に現れる
【0200】
結晶を採取し、母液+30%エチレングリコールに浸漬し、X線データ収集のために液
体窒素中で急速凍結した。最良のデータセットは、Advanced Photon S
ource(APS),Argonne National Laboratory,(
Axas-ComCat)で、2.8Åの回折限界まで収集された(360度、0.5度
/フレーム、フレーム当たり10秒の露光)。回折データは、Denzo and Sc
alePackで処理された。(Otwinowski & Minor,Method
s Enzymol.276:307~326)この結晶形態の空間群は、P2
であり、格子の大きさは、a=116.8Å、b=55.77Å、c=182.96Å
、及びα=β=γ=90°である。独立反射は27,141あり、データは3.0Åで約
90%完了した(I/シグマ=5.2、Rsym=9%)。
【0201】
結晶構造は、CNX(Accelrys,CA)で実行されるような分子置換により解
析された。探索モデルは、IL-12については公開されたIL-12構造(PDBコー
ド1F45)であり、p40Fabの相同モデルはFab結晶構造(PDBコード1VG
E)に基づいた。IL-12及びp40Fabの分子モデルは、目視検査され、Xtal
Viewを使用して手動で調整された。CNXを用いて構造精密化が行われた。分子モデ
ルは、InsightII(Accelrys,CA)で検証された。IL-12/p4
0Fabの結合複合体の分子構造は、リボン表示で図1に示される。
【0202】
表面及びリボン表示の分子表面上のp40mAb結合部位(p40エピトープ)は図2
に示される。結合エピトープ残基は、一般に受け入れられている慣習に従って、抗体の任
意の原子の4Å以内の任意の原子を伴う任意の表面露出p40残基(0.1以上の相対溶
媒アクセシビリティ)として定義される。デフォルトのパラメータを使用して、ICM(
Molsoft,CA)により、表面アクセシビリティが計算された。IL-12p40
上にp40mAb結合エピトープを含む残基は、それらの表面露出面積(sf)及び相対
アクセシビリティ(sf比)とともに表4に列記される。タンパク質の文脈の中でアミノ
酸残基の露出表面積の定義は、当該分野において十分に受け入れられている。具体的には
、半径1.4Aの水分子をタンパク質の表面に沿って回転させ、特定の残基に関してこの
計算により得られた面積量を、その残基の露出表面積に割り当てる。完全に伸張した立体
構造のアミノ酸の総表面積も利用可能である。従って、表面アクセシビリティ(sf比)
は、標準表面積に対する露出表面積の比である。これら2つの値はともに、残基がタンパ
ク質表面上に露出しているかどうかの考えを提示する。
【0203】
p40上の結合部位が不連続であり、不規則な表面上に分布される多数の表面露出残基
を構成することは、表4及び図2(右側のパネル)から明らかである。抗体-抗原相互作
用は、IL-12及びp40mAb上の合計1758Åのアクセス可能な表面を埋める
。この相互作用は、R59H)-E59(p40)、R98(H)-E45(p40)、
及びR99(H)-D62(p40)の3つの塩橋によって支配されるように思われる。
また、疎水性又はファンデルワース力による抗体-抗原相互作用への寄与もある。
【0204】
本明細書の共結晶構造に基づいて特定されたIL-12結合に関与するIL-12p4
0抗体上の残基は、以下の表5に示される。p40サブユニットの4A内の任意の原子を
伴う抗p40抗体の全表面露出残基は、これらの結合残基の一部と考えられる。これらの
残基のうちの任意の1つ以上に対する保存的変化は、類似の力価のものである突然変異抗
体を産生し得る。かかる保存的置換の例としては、限定されないが、VH(例えば、配列
番号7)のR59K、R98K、及びR99K、並びにVL(例えば、配列番号8)のD
1Eが挙げられる。
【0205】
また、表5に示される各位置における飽和突然変異誘発は、得られる抗体に増加した、
減少した、又は実質的に類似の活性(例えば、結合)を有させる突然変異を特定するため
に実施され得る(例えば、野生型(wild type、WT)アミノ酸配列を、おそらくシステ
インを除いた任意の他のアミノ酸に変更する)。得られる抗体のp40サブユニットへの
結合は、任意の好適な結合アッセイに従い試験することができる。飽和突然変異誘発を使
用して、例えば、より強力な若しくはあまり強力ではない抗体、又は異なる特性、すなわ
ち、可変領域配列における変化に起因する力価以外の特性を有する等しく強力な抗体(例
えば、可変領域に対する大きさ又は他の構造的変化)を作り出すことができる。
【0206】
2つ以上の置換、例えば、各実験に対して2つ、3つ以上の位置を使用して、飽和突然
変異誘発を実施することもできる。これは、個々のクローン又はライブラリとして行われ
、続いて、ファージディスプレイなどの適切な形式で、選択又はスクリーニングされ得る
。更に、活性を調節することが望ましい表5の位置における個々の又は組み合わせ突然変
異を組み合わせて、類似の又はより良い力価の更なる組み合わせ突然変異体を作り出すこ
とができる。
【0207】
利点
p40mAb結合部位は、p40/p35会合部位から離れている(図1)。IL-2
3のp19サブユニットは、進化的にIL-12のp35に関連し、有意な配列相同性を
有する。p19は、p35と類似する様式でp40と関連する可能性が高い。従って、p
40mAb結合領域も、IL-23におけるp40/p19相互作用から離れている。本
発明において特定されたエピトープは、IL-12及びIL-23の両方において等しく
利用可能であり、従って、p40mAbが両サイトカインの機能を活発に阻害することが
できることは意外ではない。
【0208】
IL-12(p40/p35)及びIL-23(p40/p19)は、類似の様式で、
それらのそれぞれの受容体(IL-12Rβ1/β2及びIL-12Rβ1/IL-23
R)と相互作用する。それらは、類似のシグナルカスケードを誘導する。しかしながら、
サイトカイン-受容体相互作用の詳細は、分子レベルでは明確に定義されていない。新た
に定義されたp40mAbエピトープは、サイトカインのIL-12ファミリー間のそれ
らの共有受容体IL-12Rβ1との相互作用に生物学的に重要な部位を表し得る。従っ
て、エピトープは、モノクローナル抗体、ペプチド、組換えタンパク質、小分子、及び他
の天然又は合成剤を使用する治療介入のための重要な標的である。
【0209】
実施例4:突然変異分析を使用するIL-12p40に対するp40mAbのエピトー
プマッピング
概要
IL-12p40突然変異体のIL-12/IL-23p40mAbとのELISA結
合を行い、結合エピトープを検証した。p40Fab/IL-12複合体の結晶構造に基
づいて、7つの単一突然変異体及び2つの二重突然変異体を生成した。変異残基は、p4
0サブユニットのドメインI(D1)のp40Fab接触領域に位置する。相対結合親和
性は、3つの負に帯電した残基E45、E59、及びD62がp40mAbとの結合相互
作用に顕著に寄与することを示した。他の残基M23、L40、及びS43は、より小さ
いが、かなり寄与する。この突然変異分析は、p40mAbがp40サブユニットのドメ
インIを認識し、残基E45、E59、D62、M23、L40、及びS43が結合エピ
トープの一部であることを確認する。
【0210】
材料及び方法
7つのヒトp40単一突然変異体M23T、L40T、S43R、E45A、E45R
、E59R、及びD62R、並びに2つの二重突然変異体S43R/E45A及びS43
R/E45Rを、この研究に使用する。野生型ヒトp40のWT hu-p40を対照と
して使用した。p40突然変異体は、HEK293E細胞において一過的に発現された。
上清は結合アッセイに使用された。
【0211】
簡潔に、MSD高結合プレート(Meso Scale Discovery,MD)
を、室温で1時間、5μlの捕捉モノクローナル抗体(5μg/ml)でコーティングし
た。捕捉モノクローナル抗体は、p40サブユニットを認識するが、p40mAbとは競
合しない。150μlの5% MSD Blocker A緩衝液を各ウェルに添加し、
室温で1時間インキュベートした。プレートを0.1M HEPES緩衝液(pH7.4
)で3回洗浄した。これらのタンパク質充填ELISAプレートを、室温で1時間、25
μlの異なる一過的に発現されたp40突然変異体上清(0.1M HEPES緩衝液、
pH7.4で1:10希釈)とともにインキュベートした。プレートを0.1M HEP
ES緩衝液(pH7.4)で3回洗浄した。0~20μg/mlの範囲の25μlの異な
る濃度のMSD Sulfo-TAG標識p40mAbを、マイクロウェルに分注した。
室温で振盪しながら2時間インキュベートした後、プレートを0.1M HEPES緩衝
液(pH7.4)で3回洗浄した。150μlの希釈したMSD Read Buffe
r Tを、各ウェルに分注し、SECTOR撮像装置(MSD)でプレートを分析した。
【0212】
結果
図3に示されるように、E45R、E59R、及びD62Rは各々、野生型p40と比
較して、p40mAbに対するムテインp40結合親和性を大幅に低減した。E45Aは
有意であったが、E45Rと比較して、結合に対する作用はあまり劇的ではなかった。M
23T、L40T、及びS43Rは各々、結合に対して中程度の効果を有した。
【0213】
異なる突然変異タンパク質に対するIL-12/IL-23p40mAbの相対結合親
和性は、捕捉アッセイによって更に分析された。図4に示すように、E45R、E59R
、及びD62Rは各々、ほぼ完全に抗原結合を消失させた。他の変異M23T、L40T
、及びS43Rは、界面において、各々およそ40%結合を低減した。E45Aは、約7
0%結合を低減した。
【0214】
以上の記述及び実施例中で特に記されたものとは異なる形で本発明を実施できることは
明白となるであろう。以上の教示に照らして、本発明の数多くの修正及び変形形態が可能
であり、したがって、これらは添付の特許請求の範囲内に入るものである。
【0215】
【表3】
臨床スコア(cs)
累積cs
記載されるようにマウスを処置し、0日目からEAE誘導の70日後まで臨床スコアを
分析した。データは、±s.e.m.の群あたりの平均として示される。
【0216】
【表4】
臨床スコア(cs)
累積cs
10、17、及び24日目にマウスを処置し、0日目からEAE誘導の70日後まで臨
床スコアを分析した。データは、±s.e.m.の群あたりの平均として示される。
【0217】
【表5】
処置の1日目(Tx)の群あたりの平均臨床スコア
臨床スコア(cs)
【0218】
【表6】
【0219】
【表7】
【0220】
実施例5:増加した投与間隔を使用する臨床治験の結果
4週間のスクリーニング期間、0週目~28週目の非盲検導入期間、28週目~104
週目の二重盲検処置期間、116までの処置後期間、及び124週目の電話による連絡を
介した、又は現地訪問の安全性フォローアップを伴う第3b相ランダム化、二重盲検、実
処置制御、多施設共同研究において、ウステキヌマブを研究した(図5を参照されたい:
研究スキーマ)。研究は、プロトコル番号CNTO1275PSO3009のもと、「中
度から重度の尋常性乾癬を有する被験体における「被験体に合わせた」維持投与アプロー
チを評価するための第3b相ランダム化、二重盲検、実処置制御、多施設共同研究(PS
TELLAR)」と題した。図5において、NR=所与の時点での非応答者である;R=
28週目に応答者[<2のPGAとして定義される]のランダム化(28週目に非応答者
[≧2のPGAとして定義される]である被験体は、更なる試験剤注射を受けることが中
止され、最後の研究剤注射後少なくとも20週間の間、安全のために追跡調査され、その
後、研究から離脱する);UST=ウステキヌマブ;Wk(s)=週間。
【0221】
登録された全ての被験体はウステキヌマブに曝露された。28週目前の各注射訪問では
、ベースライン体重が≦100kgの被験体は1回の注射(ウステキヌマブ45mg)を
受け、ベースライン体重が>100kgの被験体は、2回の注射(ウステキヌマブ45m
g+ウステキヌマブ45mg)を受けた。28週目~104週目までの各注射訪問では、
処置群の割り当て及び注射訪問により(表7:研究剤投与のスケジュールを参照のこと)
、ベースライン体重が≦100kgの被験体は1回の注射(ウステキヌマブ45mg又は
プラシーボ)を受け、ベースライン体重が>100kgの被験体は、2回の注射(ウステ
キヌマブ45mg+ウステキヌマブ45mg又はプラシーボ+プラシーボ)を受けた。ベ
ースラインで決定された研究剤の体重に基づいた用量は、研究全体を通して利用された。
28週目に、消失(0)又は最小(1)のPGAを有するそれらの被験体として定義され
る応答者は、4:1の比率で2つの群にランダム化され、一方、非応答者(PGAスコア
>2)は、研究が完全に中止された。
【0222】
群1(n=76):28週目から、被験体は、研究の終わりまで、q12wで(すなわ
ち、28、40、52、64、76、88、及び100週目)、ウステキヌマブの固定さ
れた間隔維持投与を受けた。
【0223】
群2(n=302):28週目から、被験体は、合わせた間隔維持投与を受けた。プラ
シーボ注射を使用して、個々に合わせた維持投与間隔を定義するために、研究薬注射間の
期間が延長された。各被験体の研究薬投与間隔は、PGA応答の消失が観察されるまで4
週間の単位で研究薬注射を受けずに応答の維持を評価することによって決定された。その
時点で、被験体は、PGA応答が維持された最長間隔(すなわち、応答の消失が認められ
た時点よりも4週間短い)、又は応答が24週間にわたって維持された場合、24週間の
最大投与間隔によって定義される研究薬投与間隔を想定した。従って、群2の被験体の間
で4つの異なる投与間隔が探求され、それぞれの処置群は、2a、2b、2c、及び2d
と指定された:
a.最初の応答消失(PGAスコア≧2)が16週目の注射の16週間後(32週目の
訪問)では、被験体は、32週目から開始して104週目の投与訪問まで、q12wで(
すなわち、32、44、56、68、80、92、及び104)、ウステキヌマブを受け
るだろう。
b.最初の応答消失(PGAスコア≧2)が16週目の注射の20週間後(36週目の
訪問)では、被験体は、36週目から開始して104週目の投与訪問まで、q16wで(
すなわち、36、52、68、84、及び100)、ウステキヌマブを受けるだろう。
c.最初の応答消失(PGAスコア≧2)が16週目の注射の24週間後(40週目の
訪問)では、被験体は、40週目から開始して104週目の投与訪問まで、q20wで(
すなわち、40、60、80、及び100)、ウステキヌマブを受けるだろう。
d.応答消失なし(PGAスコア<2)が16週目の注射の24週間後(40週目の訪
問)では、被験体は、40週目から開始して104週目の投与訪問まで、q24wで(す
なわち、40、64、及び88)、ウステキヌマブを受けるだろう。
【0224】
二重盲検処置期間中、群1及び2の被験体は、投与間隔に関して盲検を維持するために
必要なプラシーボ注射を受けた。群2の被験体は、ランダム化研究期間中、少なくとも3
サイクルの被験体に合わせた間隔維持投与を受けなければならなかった(表7:研究投与
のためのスケジュールを参照のこと)。
【0225】
●ランダム化:28週目に、消失(0)又は最小(1)の静的PGAスコアを有する被
験体は、ランダム置換ブロックを使用することにより、1:4の比率で、群1(承認され
たq12w維持レジメン)又は群2(「被験体に合わせた」間隔維持レジメン)のいずれ
かにランダム化された。ランダム化は、ベースライン[≦100kg対>100kg]の
被験体の体重及び28週目のPGAスコア[0又は1]により層別化された。
●処置持続期間/試験持続時間:被験体は、0週目~104週目まで研究剤を投与され
た。次いで、被験体は少なくとも更に20週間追跡調査され、最終研究訪問は124週目
であった。
●有効性の主分析セット:主有効性分析は、28週目に2つの処置レジメン(群1又は
群2)のうちの1つにランダム化された全ての被験体に基づいた。
●主有効性変数/主時点:主エンドポイントは、28週目でランダム化された被験体に
関して、被験体が88週目~112週目の間(評価間隔)に消失(0)又は最小(1)の
静的PGAスコアを達成した訪問数である。評価訪問は、評価間隔中、4週間ごとに行わ
れた。
●主要副次的有効性変数:
○28週目でランダム化された被験体に関して、28週目~112週目の訪問により
、消失(0)又は最小(1)の静的PGAスコア及びその95%信頼区間を有する被験体
の割合。
○28週目でランダム化された被験体に関して、被験体が88週目~112週目の間
にPASI 75応答を達成した訪問数。
○28週目でランダム化された被験体に関して、28週目~112週目の訪問により
PASI 75応答及びその95%信頼区間を有する被験体の割合。
●予測された効果の程度及び計画された試料規模:PHOENIX 1及びPHOEN
IX 2からのデータに基づいて、500人の登録された被験体のおよそ35%が、28
週目前の研究中止、又は28週目の消失(0)若しくは最小(1)応答のPGAスコアの
欠如のため、28週目のランダム化に不適格であろうことが予想された。1:4の比率で
28週目にランダム化の対象となる予想された325人の被験体は、群1(q12w維持
投与)におよそ65人の被験体、及び群2(被験体に合わせた維持投与)におよそ260
人の被験体を提供する。
【0226】
研究は、300人を超える被験体において、2つのウステキヌマブ維持群の応答率を推
定するように設計された。合計およそ325人のランダム化された被験体は、88週目~
112の評価期間中、群1(n=65;q12w維持投与)において、約75%の応答の
64.9%~85.9%の95%信頼区間、及び群2(n=260;被験体に合わせた維
持投与)において、約60%の応答の54.0%~66.0%の95%信頼間隔を提供す
るだろう。
【0227】
主目的:
この研究の主目的は、ウステキヌマブの臨床有効性に対する12週間に1回(q12w
)を越えた維持投与間隔の延長の効果を評価するためであった。
【0228】
最重要結果概要
CNTO1275PSO3009は、乾癬の光線療法又は全身処置の候補であった、P
GA≧3及び少なくとも10%のBSA病変により定義される中度~重度の尋常性乾癬を
有する、18歳以上80歳以下の年齢の成人被験体における、第3b相、ランダム化、二
重盲検、実処置制御、多施設共同試験である。
【0229】
研究は、2012年3月8日にスクリーニングされたその最初の被験体から始まった。
合計611人の被験体をスクリーニングし、そのうち478人の被験体が研究に登録され
、378人の被験体が28週目に2つの処置群にランダム化され、一方が固定されたq1
2週間隔維持レジメン(群1)を受け、もう一方が被験体に合わせた維持投与間隔レジメ
ン(群2)を受けた。研究は、USAの42の施設で行われた。最終データベースロック
は、全ての登録された被験体の124週目までのデータを含む。最初の被験体は、201
2年3月22日に投与された。最初の被験体は、2012年10月4日にランダム化され
、最後の被験体は、2013年9月16日にランダム化された。
【0230】
合計611人の被験体がスクリーニングされ、478人の被験体が最終的に研究に登録
された。合計378人の応答者(PGA 0/1)が28週目にランダム化された(ラン
ダム化率80%)。このランダム化率は予測よりも高く、一部、28週目のPGAスコア
リングの主観的性質による可能性があった。この最終データベースロックは、全ての登録
された被験体の124週目までのデータを含んだ。
【0231】
処置群及び被験体評価可能性による被験体の分布
合計478人の被験体が登録され、承認された米国の体重に基づいた投与ガイドライン
を使用して(ウステキヌマブ45mg、n=308;ウステキヌマブ90mg、n=17
0)、0週目~28週目の導入期間の非盲検期間の間、ウステキヌマブで処置された。合
計378人の被験体が、28週目に2つの群:12週間に1回の固定された間隔維持投与
群(群1)及び被験体に合わせた間隔維持投与群(群2)にランダム化された。1:4の
ランダム化比率を使用して、合計76人の被験体を群1にランダム化し、302人の被験
体を群2にランダム化した。4つの潜在的な投与間隔の各々の維持投与を受ける群2の患
者の分布は、q12w、n=84;q16w、n=61;q20w、n=51;及びq2
4w、n=84であった。
【0232】
被験体人口統計
全体の登録された被験体のうち、大部分は白人(84.9%)であり、63.0%が男
性であり、年齢中央値は46歳であった。全てのランダム化された被験体のうち、大半は
白人(群1は76.7%及び群2は89.4%)であり、男性(群1は57.9%、群2
は63.6%)であった。年齢中央値は、群1は42歳であり、群2は46歳であった。
【0233】
被験体の疾患特徴
全体の登録された被験体のうち、ベースラインで、乾癬の持続時間の中央値は13.3
年であり、病変体表面積(body surface area、BSA)の中央値は19.0%であり、
PASIスコアの中央値は16.0であった。合計35.8%の被験体が、重度の疾患と
一致するPGA≧4を提示したため、被験体の大部分は、3のベースラインPGAスコア
によって定義される中度の疾患を有した。群1及び2のランダム化された被験体のベース
ライン疾患特徴は、一般に比較可能であり、全体の登録された集団のものと類似した。し
かしながら、群1の被験体は、平均して、群2の被験体と比較して(それぞれ、11.8
年及び17.0% BSA)、疾患の持続時間が長く(17.5年)、病変した皮膚のベ
ースラインBSAが高かった(21.0%)。
【0234】
被験体の乾癬薬歴
全体の登録された被験体のうち、32.4%が以前に光線療法を受け、35.4%が以
前に従来の全身治療(PUVA、メトトレキサート、アシトレチン、シクロスポリン、ミ
コフェノール酸モフェチルを含む)を受け、31.0%が以前に生物療法を受けた。一般
に、類似の割合が群1及び2にランダム化された被験体の間で観察された。全体の登録さ
れた被験体のうち、69.0%が先の生物使用に無感作であった。従来の全身剤の先使用
は、群2(31.1%)と比較して、群1の被験体の間でわずかに高かった(39.5%
)。群1(64.5%)と比較して、高い割合の群2の被験体(74.5%)が先の生物
使用に無感作であった。
【0235】
研究剤の中止
非盲検期間(0週目~28週目)中、登録された被験体の20.9%(100/478
)が研究剤の使用を中止した。一般に、類似の割合の被験体が、45mg群(19.8%
)及び90mg群(22.9%)において研究剤を中止した。中止の最も一般的な理由は
、研究のランダム化部分へ進む対象となるために、28週目に消失(0)又は最小(1)
の静的PGAスコアを達成することができなかった[12.1%(58/478)]ため
である。ランダム化投与期間(28週目~104週目)中、ランダム化された被験体の2
2.2%(84/378)が研究剤の使用を中止した。研究剤の中止の最も一般的な理由
は、群2の被験体の間ではフォローアップの喪失(7.9%)、及び群1の被験体の間で
は有害事象(5.0%)又は同意の撤回(5.0%)であった。
【0236】
ランダム化処置期間(28週目~104週目)中、ランダム化された被験体の22.2
%(84/378)が研究剤を中止した。中止率は群1及び2間で類似した(表8)。群
1の被験体の間での研究剤の中止の最も一般的な理由は、フォローアップの喪失(7.9
%)であり、群2の被験体の間では有害事象(5.0%)又は同意の撤回(5.0%)で
あった。
【0237】
有効性所見:
主エンドポイント-
●群2は、群1と比較して(平均して、群1は、PGA 0/1を有する訪問が4.5
であり、群2は、PGA 0/1を有する訪問が4.1であった)、被験体が88週目~
112週目の評価間隔中、消失(0)又は最小(1)(PGA 0/1)のPGAスコア
を有した訪問が少なかった(平均差-0.46)。
○尚、この間隔中、群1(55.3%)は、群2と比較して(38.1%)、評価間
隔中の7回全ての訪問において、高い割合の被験体が0/1のPGAスコアを有すること
を示した。
【0238】
副次的エンドポイント-
●群2は、群1と比較して(平均して、群1は、PASI 75を有する訪問が5.8
であり、群2は、PASI 75を有する訪問が5.4であった)、被験体が88週目~
112週目の間、PASI 75を有した訪問が少なかった(平均差-0.32)。被験
体が評価間隔中にPASI 75応答を有した訪問数は、群1(69.7%)及び群2(
66.9%)で類似した。
●ランダム化後の経時的な応答:
○投与間隔決定期間(28週目~40週目)中、群1及び2の両方のPGA 0/1
応答率は減少した。予測されるように、被験体に合わせた投与間隔が群2の被験体の疾患
の悪化に基づくと定義するとき、群1と比較して、群2において、より大きい減少が観察
された。40週目以降、両群のPGA応答率は、一般に、112週目まで維持された。大
半の訪問時の応答率は、群2と比較して、群1でわずかに高かった。
○一般に、PASI 75応答のパターンは、28週目~112週目のPGA応答の
パターンを反映した。
○112週目まで消失(0)のPGA、PASI 90又はPASI 100の応答
を達成する被験体の割合は、群2と比較して、群1で一般に高かった。群1と2との間の
差の規模は、PGA 0/1及びPASI 75エンドポイントと比較して、これらのエ
ンドポイントでより大きかった。
【0239】
安全性所見:
28週目~124週目の378人の被験体のランダム化研究集団に関して:
●1つ以上のAEを経験する被験体の割合は、2つの処置群間で比較可能(群1におい
て72.4%%、及び群2において72.8%)であった。
●AEは、群1(46.1%)及び群2(48.7%;群1及び2合わせて48.1%
)の両方で、器官別大分類(system organ class、SOC)感染症及び寄生虫症に関して
最も頻繁に報告され、このSOCにおいて最も一般的なAEは、URTI(群1において
27.6%及び群2において19.5%)及び鼻咽頭炎(群1において9.2%及び群2
において13.2%)であった。
●1つ以上の重篤な有害事象(serious adverse event、SAE)を有する被験体の割
合は、群1で9.2%及び群2で7.0%であった。
●1つ以上のAEにより研究剤を中止した(discontinued study agent due to one or
more AE、DCAE)被験体の割合は、群1で6.6%、及び群2で5.6%であった。
●1つ以上の感染症を有する被験体の割合は、2つの処置群間で比較可能(群1におい
て48.7%%、及び群2において45.7%)であった。複合群において最も一般的な
感染症は、URTI(群1において27.6%及び群2において19.5%)及び鼻咽頭
炎(群1において9.2%1及び群2において13.2%)であった。
○重篤な感染症は群1の被験体では報告されず、重篤な感染症が群2の3人の被験体
で報告された。
●研究者が報告した主な心血管有害事象(serious adverse event、MACE)が2つ
あった:心筋梗塞1人(群2のq24週間の投与間隔で90mgを受けた被験体)、及び
脳卒中1人(群2のq24週間の投与間隔で45mgを受けた被験体)。
●378人のランダム化された被験体のうち10人が少なくとも1つの悪性腫瘍を報告
した:非黒色腫皮膚癌(non-melanoma skin cancer、NMSC)を有する被験体6人、及
び他の悪性腫瘍を有する被験体4人。
●群1の被験体の間で、注射部位反応(injection site reaction、ISR)は報告さ
れなかった。群2において、2.0%のプラシーボ注射及び0.4%の45mg注射がI
SRに関連し、全て軽度な強度のものであった。
●血液の血液学及び化学検査値の非常に異常な変化は一般的ではない。
【0240】
0週目~124週目の登録された478人の被験体の全体の研究集団に関して:
●研究中に2人の死亡が報告された。1人は自然要因であり、もう1人は急性骨髄性白
血病(acute myeloid leukemia、AML)によるものであった。非盲検期間中(0週目~
28週目)に、どちらも死亡は報告されなかった。
●124週目までに、1つ以上のSAEを経験した被験体が39人いた(全体の登録さ
れた集団の8.2%)。
○重篤な感染症が7人の被験体で報告された(1.5%)。
○日和見感染症又は活性TBの症例は報告されなかった。
●124週目までに、全体の登録された被験体のうち7.3%の被験体が、1つ以上の
AEにより、研究剤を中止した。
●ウステキヌマブに関連するアナフィラキシーの可能性がないこと又は血清病様反応の
可能性が研究中に報告された。
●合計12人の登録された被験体(2.5%)が1つ以上の悪性腫瘍(NMSC及び他
の悪性腫瘍を含む)を報告した:BCCの被験体5人、皮膚SCCの被験体4人、他の悪
性腫瘍の被験体6人。
●3つのMACEが3人の被験体において報告された(0.6%):心筋梗塞2人、脳
卒中1人。
【0241】
結論:
●有効性は、特に、より高いレベルの有効性エンドポインド(PGA 0、PASI
90、又はPASI 100)に関して、被験体に合わせた間隔維持投与(q12w、q
16w、q20、又はq24w)にランダム化された応答者と比較して、固定された間隔
維持投与(q12w)にランダム化された28週目の応答者の間で、一般に良好に維持さ
れた。
●新たな安全性シグナルは研究期間中に観察されず、安全性所見は2つのランダム化さ
れた群間で類似した。
●RNA及びDNA分析によるより長い投与間隔で応答を持続した群2の良好なプロフ
ァイルの被験体に対する他の分析が継続中である。
【0242】
曝露の程度
ランダム化された被験体の間で28週目~124週目に受けたウステキヌマブの累積量
の概要が提供される。研究薬投与の平均回数は、各処置レジメン及び時間期間に関して予
測どおりであった(群1は6.1、群2は4.1)。
【0243】
主エンドポイント分析
主エンドポイント
この研究の主エンドポイントは、28週目で群1及び2にランダム化された被験体に関
して、被験体が88週目~112週目(評価間隔)に消失(0)又は最小(1)の静的P
GAスコアを有した訪問数である。
【0244】
評価間隔は、4週間ごとに行われた合計7回の訪問を含んだ。被験体が評価間隔中に消
失(0)又は最小(1)の静的PGAスコアを有した平均(95%信頼間隔)訪問数が、
群1及び群2に関して算出された。正規分布を前提として、主エンドポイントの手段にお
いて差の95%信頼区間が提供された。
【0245】
被験体が88週目~112週目の間に(0)又は最小(1)のPGAスコアを達成した
訪問数が、以下の表9に要約される。
【0246】
群1と比較して、群2は、被験体が評価間隔中に消失(0)又は最小(1)のPGAス
コアを有した訪問が少なかった(平均差-0.46)。加えて、群1(55.3%)は、
群2と比較して(38.1%)、評価間隔中の7回全ての訪問において、高い割合の被験
体が消失(0)又は最小(1)のPGAスコアを有することを示した。この間隔中、興味
深いことには、群1(55.3%)は、群2と比較して(38.1%)、評価間隔中の7
回全ての訪問において、高い割合の被験体が0/1のPGAスコアを有することを示した
。更に、評価間隔中に消失(0)又は最小(1)のPGAスコアを有する訪問がない被験
体の割合は、群1(22.4%)及び群2(24.2%)で類似した。
【0247】
サブグループ分析
一般に、群1及び2の種々の分析したサブグループの間で、被験体が評価間隔中に消失
(0)又は最小(1)の静的PGAスコア(PGA 0/1)を達成した訪問数には、実
質的に差がなかった。サブグループは、ベースライン人口統計学的特徴、ベースライン疾
患特徴、及び乾癬投薬歴である。中程度のばらつきが、一部のサブグループにわたって、
被験体が88週目~112週目の間にPGA 0/1を達成した訪問数において観察され
、観察されたばらつきは、各サブグループ内の限られた試料規模による可能性がある。
【0248】
主要副次的エンドポイント(複数可)分析
経時的に消失(0)若しくは最小(1)のPGAスコア又はPASI 75応答を有す
る被験体の割合(95%信頼区間)の主要副次的分析は、実際に受けた処置に関係なく、
それらの割り当てられた処置群により、28週目にランダム化された有効性評価可能な被
験体に基づいた。被験体が88週目~112週目の評価間隔中にPASI 75応答を達
成する訪問数の主要副次的エンドポイントに関して、全てのランダム化された被験体が分
析に含まれるように、主分析に適用された同じ欠測値取り扱い規則も使用された。
【0249】
ランダム化された被験体集団における28週目~112週目の消失(0)又は最小(1
)応答のPGAスコア
群1及び2の28週目~112週目の経時的な消失(0)又は最小(1)のPGA応答
図6に要約する。投与間隔決定期間(28週目~40週目)の間、両群のPGA 0/
1応答率は減少した(図6;社内資料)。予測されるように、被験体に合わせた投与間隔
が群2の被験体の疾患の悪化に基づくと定義するとき、群1と比較して、群2において、
より大きい減少が観察された。40週目でPGA 0/1を達成する被験体の割合は、群
1に関しては67.1%であり、群2に関しては56.4%であった。40週目以降、先
のウステキヌマブの臨床治験に見られるように、q12週間注射間の時点での変動に基づ
く応答のある周期性が群1に対してより顕著に観察されたが、応答率は、一般に、次のウ
ステキヌマブの注射が期限であろうq12週間「トラフ」訪問(例えば、40、52、6
4週目等)において維持された。群2の応答率も、一般に、112週目まで経時的に維持
された。大半の訪問時の応答率は、群2と比較して、群1でわずかに高かった(図6)。
【0250】
28週目でランダム化された被験体に関して、被験体が88週目~112週目の間にP
ASI 75応答を達成した訪問数。
被験体がPASI 75応答を有した評価間隔中の訪問数は、以下の表10に要約され
る。PGA応答に基づいた対応する分析と同様、群1と比較して、群2は、被験体がPA
SI 75応答を有した訪問がわずかに少なかった(平均差-0.32訪問)。平均で、
群1は、PASI 75を有する訪問が5.8であり、群2は、PASI 75を有する
訪問が5.4であった。更に、群1(69.7%)と群2(66.9%)との間でPAS
I 75応答を有する患者の割合が類似することが、応答を有する各潜在的な訪問数(0
~7の範囲)で観察された。
【0251】
被験体が評価間隔中にPASI 75応答を有した訪問数の結果が類似することが、サ
ブグループ分析で観察された。
【0252】
28週目でランダム化された被験体の28週目~112週目の訪問でPASI 75応
答を有する被験体の割合。
28週目~112週目の経時的なPASI 75応答率は、図7に要約される。一般に
、28週目~112週目の経時的なPASI 75応答率のパターンは、PGA 0/1
応答の所見と似ている(図6;社内資料)。しかしながら、28週目~40週目の投与間
隔決定期間におけるPASI 75応答率の減少は、この間隔においてPGA応答で観察
されたものと比較して少なかった。40週目以降、群1及び群2の応答率は、一般に、1
12週目まで維持された。大半の訪問時の群1の応答率は、44週目~112週目の群2
と比較して、群1でわずかに高かった。PGA 0/1応答で観察されたものと類似する
、群1でより顕著であったPASI 75応答のq12週間の周期性パターンが認められ
た。PASI基準は、体表面積及び定性(紅斑、鱗屑、硬化)要素の両方を組み込むため
、乾癬の定性特徴のみを考慮するPGA単独と比較して、経時的な全体の疾患負荷のより
一貫した表示として機能し得る。
【0253】
他の副次的PGA応答エンドポイント
28週目でランダム化された被験体の28週目~112週目の消失(0)のPGAスコ
ア及び軽度又は良好(≦2)のPGAスコア
28週目~112週目の経時的な消失(0)のPGA応答は、図8に要約される。群1
(ウステキヌマブq12w維持レジメン)及び群2(ウステキヌマブの被験体に合わせた
間隔維持レジメン)の応答曲線間の分離は、早くも最初のランダム化後訪問(32週目)
で明らかであり、群1の応答率は、経時的に群2よりも一貫して高かった。2群間のPG
A 0応答の差は、特に後の時点において、PGA 0/1又はPASI 75のいずれ
かの応答よりも顕著であった。28週目~112週目の経時的な軽度又は良好(PGA≦
2)のPGAスコアは、両群において比較可能であり、一般に経時的に安定していた。
【0254】
被験体に合わせた間隔維持レジメン(群2)における被験体の28週目~112週目の
PGA応答
群2の28週目~112週目の消失(0)のPGAスコア、消失(0)又は最小(1)
のPGAスコア、及び軽度又は良好(≦2)のPGA応答を評価した(社内資料)。予測
どおり、消失(0)及び消失又は最小(0又は1)のPGA応答に関して、群2のq20
週間及びq24週間群の被験者は、群2のq12週間及びq16週間群の被験体よりも良
好であった。加えて、所見は、群2にランダム化された25%を超える初期応答者が最終
的に投与間隔をq24週間に延長し、これらの被験体の大半が経時的に応答を維持したこ
とを示す。
【0255】
他の副次的PASI応答エンドポイント
被験体に合わせた間隔維持レジメン(群2)における被験体の28週目~112週目の
PASI応答
群2の28週目~112週目の経時的なPASI 50、PASI 75、PASI
90、及びPASI 100が、ここで評価される(社内資料)。予測どおり、PASI
75、PASI 90、及びPASI 100に関して、群2のq24w投与レジメン
の被験体は、群2の他の群の被験体よりも良好な応答を有することが観察された。
【0256】
被験体に合わせた間隔維持レジメン(群2)の被験体に関して、被験体が88週目~1
12週目にPASI 75応答を有した訪問数。
群2の被験体が28週目~112週目にPASI 75応答を有した訪問数の結果を、
以下の表11に要約する。被験体が88週目~112週目にPASI 75応答を有した
平均訪問数は、投与間隔の長さと並行して増加した。
【0257】
28週目にランダム化された被験体の28週目~112週目のPASI 90応答
28週目~112週目のPASI 90応答率は、図9に要約される(社内資料)。群
1(ウステキヌマブq12w維持レジメン)及び群2(ウステキヌマブの被験体に合わせ
た間隔維持レジメン)の応答曲線間の分離も、最初のランダム化後訪問(32週目)で始
まることが観察され、108週目まで維持された(図9)。PASI 90応答を達成及
び維持する被験体の割合は、群2と比較して、群1でより高かった。群1及び2群2のP
ASI 90応答曲線間の分離は、PGA 0/1及びPASI 75応答曲線の所見と
比較して、より顕著であった。
【0258】
安全
ランダム化された処置群間の比較として、28週目~124週目に延長する研究の二重
盲検部分に焦点を当てた安全性評価が行われ得る。124週目までの裏付けデータも提示
する。以下の表12は、28~124週目までの主要な安全性結果の概要を提供する。
【0259】
全ての有害事象
28週目にランダム化された、28週目~124週目の処置された被験体に関して:
●1つ以上のAEを経験する被験体の割合は、群1(72.4%)及び群2(72.8
%)で類似した。表12(社内資料)を参照のこと。AEは、群1(46.1%)及び群
2(48.7%;群1及び2合わせて48.1%)の両方で、器官別大分類(system org
an class、SOC)感染症及び寄生虫症に関して最も頻繁に報告された。
●このSOCにおいて最も一般的なAEは、URTI(群1において27.6%及び群
2において19.5%)及び鼻咽頭炎(群1において9.2%及び群2において13.2
%)であった。
【0260】
0週目~124週目の全体の登録された被験体に関して:
●全体的に、72.6%の被験体が1つ以上のAEを経験した。同様に、AEは、SO
C感染症及び寄生虫症に関して最も一般的に報告され(49.8%)、最も一般的に報告
されたAEの代表はURTI(19.9%)及び鼻咽頭炎(13.8%)であった。
【0261】
死亡、他の重篤な有害事象、及び他の有意な有害事象
死亡
124週目までに2人が死亡した。1人の被験体(001009010)は、自然要因
の死であることが報告された。この被験体は、ウステキヌマブ90mgで処置され、群1
の固定された間隔q12週間処置群にランダム化された。
【0262】
もう1人の被験体(001029005)は、急性骨髄性白血病(AML)で死亡した
。この被験体は、登録前に血小板数が上昇しており、AMLが最初の研究投与2年後に診
断された。この被験体は、ウステキヌマブ90mgを受け、群2の被験体に合わせたq1
2週間処置群であった。
【0263】
他の重篤な有害事象
124週目までに1つ以上の重篤な有害事象(SAE)を経験した、28週目にランダ
ム化された処置された被験体の割合は、群1(9.2%)及び群2(7.0%)の両方で
低かった(表5)。SAEの特定のパターンは観察されず、大半のSAEは、単一及び単
独事象として報告された。全体の登録された被験体のうち、8.2%(39/478)が
、0週目~124週目に1つ以上のSAEを経験した(社内資料)。
【0264】
研究剤中止となった有害事象
処置されたランダム化被験体のうち、1つ以上のAEにより28週目~124週目の間
に研究剤を中止した被験体(DCAE)の割合は、低かった(群1では6.6%、群2で
は5.6%)[表12を参照のこと]。中止に至るAEのパターンは観察されず、大半は
単一事象として報告された。
【0265】
全体の登録された被験体のうち、7.3%が、0週目~124週目の間に1つ以上のA
Eにより研究剤を中止した(社内資料)。
【0266】
感染症、重篤な感染症、及び処置を必要とする感染症
処置されたランダム化被験体のうち、群1及び群2の比較可能な割合の被験体(それぞ
れ、48.7%及び45.7%;表5)が、28週目~124週目に1つ以上の感染症を
経験した。最も一般的な感染症は、URTI(群1において27.6%の被験体及び群2
において19.5%)及び鼻咽頭炎(群1において9.2%の被験体及び群2において1
3.2%)であった。
【0267】
群1において重篤な感染症は報告されず、3つの重篤な感染症が群2の被験体の間で報
告された(表12)。報告された重篤な感染症には、細菌感染1症例、膀胱炎1症例、及
び尿路感染症1症例が含まれた。
【0268】
経口又は非経口抗菌処置を必要とする感染症が、群1の被験体76人中18人(23.
7%)及び群2の被験体302人中70人(23.2%)で報告された(表12を参照の
こと)。全体的に、URTIが、処置を必要とした最も頻繁な種類の感染症であった(群
1において5.3%;群2において5.0%)。
【0269】
全体の登録された被験体のうち、47.3が、0週目~124週目の間に1つ以上の感
染症を経験した(社内資料)。最も一般的に報告された感染症は、URTI(19.9%
)及び鼻咽頭炎(11.7%)であった。1つ以上の重篤な感染症を有する被験体の割合
は、1.5%であった(社内資料)。活性TB又は日和見感染症の症例は、124週目ま
で報告されなかった。
【0270】
注射部位反応
28週目~124週目まで、注射部位反応(ISR)は、プラシーボ又は45mg注射
のいずれの群1被験体の間で報告されなかった。群2の被験体のうち、プラシーボの投与
に関連する6つのISR(2.0%)、及びウステキヌマブ45の注射による1つのIS
R(0.4%)が観察された。全ての報告されたISRは軽度の重症度のものであった(
社内資料)。
【0271】
ウステキヌマブに関連するアナフィラキシー反応の可能性又は血清病様反応の可能性
124週目までに研究剤の投与に関連するアナフィラキシー反応の可能性又は血清病様
反応の可能性を経験した被験体はいなかった。
【0272】
悪性腫瘍
処置されたランダム化被験体のうち10人が、28週目~124週目の間に少なくとも
1つの悪性腫瘍を報告した(表12)。378人中6人(1.6%)の被験体が、非黒色
腫皮膚癌(NMSC)を有し、これには、群1の被験体76人中2人(2.6%)及び群
2の被験体302人中4人(1.3%)が含まれた。
【0273】
378人中4人(1.1%)の処置されたランダム化被験体が、他の種類の悪性腫瘍を
報告した。群1の被験体76人中1人(1.3%)が、移行上皮膀胱癌腫(45mg投与
)を有した。群2の被験体302人中3人(1.0%)が悪性腫瘍を有し、これには、膵
臓癌腫(45mg投与)、急性骨髄性白血病(90mg投与)、及び慢性骨髄性白血病(
90mg投与)が1症例ずつ含まれた。
【0274】
全体の登録された被験体の間で、悪性腫瘍(NMSC及び他の悪性腫瘍を含む)2.5
%(12/478)が、0週目~124週目の間に悪性腫瘍を報告した。上述のものに加
えて、処置されたランダム化被験体の間で、NMSCが3症例及び他の悪性腫瘍が2症例
(大腸癌(90mg投与)が1症例及び前立腺癌(90mg投与)が1症例)報告された
【0275】
心血管事象
研究者が報告した2つのMACEが、28週目~124週目に処置されたランダム化患
者の間で観察された。q24週間間隔群のウステキヌマブ90mgを受ける1人の群2の
被験体(被験体001050002)が心筋梗塞を有し、(同じくq24週間間隔群のウ
ステキヌマブ45mgを受ける群2の被験体(被験体001027002)の1人が脳卒
中を有した。ウステキヌマブ45mgを受ける被験体(被験体001029007)にお
いて、研究者が報告した1つの追加のMACEである心筋梗塞が、28週目前に発生した
【0276】
検査測定
●血液学検査値における非常に異常な変化が一部の被験体において観察されたが、非常
に異常な検査値の比率は一般に低く、28週目~124週目の群1と群2との間で比較可
能であった(社内資料)。血液学検査値における最も一般的に報告された非常に異常な変
化は、リンパ球の減少であった(5.3%[20/378])。2回以上発生する非常に
異常な血液学検査値が群2においてのみ観察され、WBCの上昇(0.3%)、リンパ球
数の減少(1.3%)、及び好酸球の上昇(0.3%)が含まれた。
●化学検査値における非常に異常な変化も一部の被験体において観察された(社内資料
)。非常に異常な検査値の比率は、群1及び2の両方において一般に低かった。唯一の2
回以上発生した非常に異常な変化は、アルカリフォスファターゼ、ALT、AST、及び
総ビリルビンレベルの上昇のみであり、それらの全ては、群2の被験体において、及び低
い比率で観察された。群1及び2の両方にわたって発生する最も一般的な非常に異常な変
化は、ALTレベルの上昇であった(3.2%[12/378])。
【0277】
免疫原性
124週目まで評価可能な試料を有するウステキヌマブ処置集団の455人中63人(
13.8%)の患者がウステキヌマブに対する抗体試験で陽性であった。この百分率は、
45mg用量を受ける患者(n=41;13.9%)の間で、90mg用量(n=22;
13.7%)を受ける患者、並びに群1(n=7;9.2%)及び群2(n=32;10
.6%)にわたって類似する。抗体陽性患者の大部分(63人中33人)は、力価≦1:
800を有した。開発された抗体の大部分(十分な血清試料を有する抗体陽性患者からの
)は、インビトロでウステキヌマブの生理活性を中和することができた(62人中47人
(75.8%)。注射間で定量可能なレベルを下回るウステキヌマブ濃度の低下を可能に
する投与間隔の試験(複数の中止及び再処置サイクルを近似する)において、発達した抗
薬物抗体に対する感受性の増加は確認されなかった。これらの結果は、投与間隔を最大2
4週間間隔に増加させても、免疫原性のリスクの増加がないことを示唆する。
【0278】
28週目でのPGA=0の的中率
24週間の投与間隔で経時的に臨床応答を安定して維持した群2の患者は、一般に、初
期の実処置期間にわたって最も厳密な措置に対して高い応答レベルを示した。高い割合の
24週間の投与間隔サブグループ患者が28週目にPGA 0を有したため(表6)、こ
の応答パラメータがこの間隔で臨床応答を維持する能力の予測マーカーとなる有用性が評
価された。28週目にPGA=0を得ることは、7回の88週目~112週目の評価期間
訪問のうち≧5回で、12週間よりも長い任意の投与間隔(例えば、16週間、20週間
、週間24)で0又は1のPGAを維持することに関して、60%のPPVと相関した。
また、7回全ての訪問において、12週間よりも長い任意の投与間隔で0又は1のPGA
を維持することに関して、PPVは44%であった。28週目にPGA=0を得ることは
、7回の88週目~112週目の評価期間訪問のうち≧5回で及び7回全ての訪問で0の
PGAに関して、それぞれ、44%及び32%のPPVと相関した。感度及び特異度は、
表6に示されるように、これらの決定に関して61~75%の範囲であった。
【0279】
【表8】
感度又は「真陽性率」(True Positive Rate、TPR)は、予測マーカー又は試験に
よって正確に確認され得る非q12w又はq24w維持サブグループ患者の割合を表す。
特異度又は「真陰性率」(True Negative Rate、TNR)は、予測マーカーが陰性で
ある場合に示唆される予測された群から除外されるべき患者の割合を表す。
PPVは、予測マーカーが陽性である場合の所与の結果の確率、すなわち、肯定的な
結果の事後尤度を表す。更なる説明として、これらの特定のPPVは、302人中117
人の群2の患者が28週目にPGA=0を有し、117人中51人(44%)の患者がq
24wk維持投与を受け、88週目~112週目の間の5回以上の訪問でPGA<2を有
した観察に基づく。同様に、これらの群2のq24wk患者の38/117(32%)は
、88週目~112週目の間の7回全ての訪問でPGA<2を有した。
NPVは、予測マーカーが陰性である場合の負の結果の確率、すなわち、負の結果の
事後尤度を表す。更なる説明として、これらの特定のNPVは、17/185の28週目
にPGA=1を有する群2の患者がq24wk維持投与で処置され、5回以上の訪問でP
GA<2を有し(NPV=[185-17)]/185=91%)、13/185が、8
8週目~112週目の間の7回全ての訪問でPGA<2を有した(NPV=[185-1
3]/185=93%)観察から導かれる。
>q12wkは、q16wk、q20wk、及びq24wkの維持投与間隔を含む。
FPR-偽陽性率、NPV-陰性的中率、PGA-医師のグローバル評価、PPV-陰
性的中率、q12/16/20/24wk-12/16/20/24週間に1回、TPR
-真陽性率
【0280】
【表9】
a.28週目に消失(0)若しくは最小(1)の静的PGAを達成しない、又は28週
目前に研究剤を中止し、28週目前に3つ全ての研究薬注射(すなわち、0、4、16週
目の注射)を受けなかった被験体は、更なる試験剤注射を受けることが中止され、最後の
研究剤注射後少なくとも20週間の間、安全のために追跡調査され、その後、研究から離
脱する。
b.これらの訪問で、PGAスコアはIVRS/IWRSに入力される必要がある。こ
れらの訪問で、疾患活動性に基づく研究剤の割り付けを可能にするために、訪問のタイミ
ングを特に配慮するべきである。
注記:各該当訪問で、被験体は1~2回の注射を受ける。≦100kgの体重のものは
、1回の注射(45mgのウステキヌマブ又はプラシーボ)を受け、>100kgの体重
のものは、処置群の割り当て及び訪問に応じて、2回の注射(45mgのウステキヌマブ
+45mgのウステキヌマブ、又はプラシーボ+プラシーボ)を受ける。体重を使用する
ベースラインで決定された研究剤の用量は、研究全体を通して利用された用量である。
【0281】
【表10】
【0282】
【表11】
【0283】
【表12】
【0284】
【表13】
【0285】
【表14】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【配列表】
2022023053000001.app
【手続補正書】
【提出日】2021-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0285
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0285】
【表14】

以下の態様を包含し得る。
[1] 投与又は維持間隔の増加を使用して患者におけるIL-12/23関連疾患を処置する方法であって、IL-12、IL-23、又はIL-12及びIL-23の両方に対する抗体を前記患者に投与することと(ここで、前記抗体が、初回量、前記初回量の4週間後、及び前記初回量の投与後24週間の間12週間に1回投与される)、前記初回量の投与28週間後に、前記投与間隔を、12週間超に1回の投与間隔に増加させることと、を含む、方法。
[2] 前記投与間隔を増加させる前記ステップの前に、前記患者が前記抗体に対する応答者であることを確認することを含む、上記[1]に記載の方法。
[3] 前記患者が前記抗体に対する応答者であることを確認する前記ステップが、測定して、前記患者が、PASI 75又はPGA0若しくは1のスコアを有することを確認することを含む、上記[2]に記載の方法。
[4] 投与される前記抗体が、IL-12及びIL-23に対する抗体である、上記[1]に記載の方法。
[5] 投与される前記抗体が、ウステキヌマブ、グセルクマブ、ブリアキヌマブ、チルドラキズマブ、及びBI 655066からなる群から選択される、上記[4]に記載の方法。
[6] 前記患者に投与されるIL-12及びIL-23に対する前記抗体が、ウステキヌマブである、上記[4]に記載の方法。
[7] 投与されるIL-12及びIL-23に対する前記抗体が、それぞれ、配列番号7及び8の重鎖及び軽鎖アミノ酸配列を含む、上記[4]に記載の方法。
[8] 前記IL-12/23関連疾患が、乾癬、乾癬性関節炎、狼瘡、クローン病、潰瘍性大腸炎、サルコイドーシス、体軸性脊椎関節炎(nrAxSpA)、及び強直性脊椎炎(AS)からなる群から選択される、上記[1]に記載の方法。
[9] IL-12/23p40関連疾患が、乾癬である、上記[8]に記載の方法。
[10] 前記初回量の投与の28週間後に前記投与間隔を増加させる前記ステップが、16週間~2年の増加した間隔で、前記患者に前記抗体を投与することを含む、上記[1]に記載の方法。
[11] 抗体処置に対する前記患者の応答性が、前記初回量の投与の28週間後に測定され、前記患者がPASI 75又はPGA0若しくは1のスコアを有する場合、前記投与間隔が増加される、上記[10]に記載の方法。
[12] 前記初回量の投与の28週間後に前記投与間隔を増加させる前記ステップが、16週間に1回、20週間に1回、及び24週間に1回からなる群から選択される増加した間隔で、前記患者に前記抗体を投与することを含む、上記[10]に記載の方法。
[13] 28週間後に前記投与間隔を増加させる前記ステップが、24週間に1回の増加した間隔で、前記患者に前記抗体を投与することを含む、上記[12]に記載の方法。
[14] 前記抗体が、25mg~200mgの用量で投与される、上記[1]に記載の方法。
[15] 前記抗体が、45mg又は90mgの用量で投与される、上記[14]に記載の方法。
[16] 前記患者が、免疫原性のリスクの増加を示さない、上記[14]に記載の方法。
[17] 前記IL-12/23関連疾患を処置するために使用される1つ以上の追加の薬物を前記患者に投与することを更に含む、上記[1]に記載の方法。
[18] 前記追加の薬物が、免疫抑制薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、メトトレキサート(MTX)、抗B細胞表面マーカー抗体、抗CD20抗体、リツキシマブ、TNFインヒビター、コルチコステロイド、及び共刺激調節剤からなる群から選択される、上記[17]に記載の方法。
[19] 増加する投与間隔を使用して患者における乾癬を処置する方法であって、配列番号7及び8のそれぞれ重鎖及び軽鎖アミノ酸配列を含む、IL-12及びIL-23に対する抗体を、初回量、前記初回量の投与4週間後、前記4週用量の投与後24週間の間、12週間に1回の投与間隔で、前記患者に投与することと、前記初回量の投与の28週間後に前記投与間隔を増加させることと、を含み、前記用量が45mg又は90mgである、方法。
[20] 前記患者が、初期処置の28週間後に、PASI75、PASI90、又はPGA 0若しくは1のスコアを有する、上記[19]に記載の方法。
[21] 前記患者が、初期処置の52週間後に、PASI75、PASI90、又はPGA 0若しくは1のスコアを有する、上記[19]に記載の方法。
[22] 前記患者が、初期処置の108、112、及び/又は116週間後に、PASI75、PASI90、又はPGA 0若しくは1のスコアを有する、上記[19]に記載の方法。
[23] 前記抗体が、配列番号7の重鎖可変領域アミノ酸配列と、配列番号8の軽鎖可変領域アミノ酸配列と、を含み、1mlの医薬組成物当たり約0.53mgのL-ヒスチジン、1mlの医薬組成物当たり約1.37mgのL-ヒスチジン一塩酸塩一水和物、1mlの医薬組成物当たり約0.04mgのポリソルベート80、及び1mlの医薬組成物当たり約76mgのショ糖を含み、希釈剤が、標準状態の水である、上記[19]に記載の方法。
[24] 前記抗体が、配列番号1、配列番号2、及び配列番号3の重鎖CDRアミノ酸配列と、配列番号4、配列番号5、及び配列番号6の軽鎖CDRアミノ酸配列と、を含み、1mlの医薬組成物当たり約0.53mgのL-ヒスチジン、1mlの医薬組成物当たり約1.37mgのL-ヒスチジン一塩酸塩一水和物、1mlの医薬組成物当たり約0.04mgのポリソルベート80、及び1mlの医薬組成物当たり約76mgのショ糖を含み、希釈剤が、標準状態の水である、上記[19]に記載の方法。
[25] 前記抗体が、配列番号9の残基1~88でIL-12/23p40サブユニットに結合し、1mlの医薬組成物当たり約0.53mgのL-ヒスチジン、1mlの医薬組成物当たり約1.37mgのL-ヒスチジン一塩酸塩一水和物、1mlの医薬組成物当たり約0.04mgのポリソルベート80、及び1mlの医薬組成物当たり約76mgのショ糖を含み、希釈剤が、標準状態の水である、上記[19]に記載の方法。
【外国語明細書】