(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022023214
(43)【公開日】2022-02-07
(54)【発明の名称】細胞ベースの三次元プリンティングのための組成物
(51)【国際特許分類】
A61L 27/58 20060101AFI20220131BHJP
A61L 27/38 20060101ALI20220131BHJP
A61L 27/24 20060101ALI20220131BHJP
A61L 27/22 20060101ALI20220131BHJP
A61L 27/20 20060101ALI20220131BHJP
A61L 27/18 20060101ALI20220131BHJP
A61L 27/16 20060101ALI20220131BHJP
A61L 27/26 20060101ALI20220131BHJP
A61L 27/36 20060101ALI20220131BHJP
A61L 27/54 20060101ALI20220131BHJP
A61L 27/50 20060101ALI20220131BHJP
A61L 27/44 20060101ALI20220131BHJP
A61L 27/56 20060101ALI20220131BHJP
A61K 35/12 20150101ALI20220131BHJP
A61K 35/28 20150101ALI20220131BHJP
A61P 19/08 20060101ALI20220131BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220131BHJP
C12N 5/0775 20100101ALI20220131BHJP
C07K 14/78 20060101ALN20220131BHJP
【FI】
A61L27/58
A61L27/38 111
A61L27/38 112
A61L27/24
A61L27/22
A61L27/20
A61L27/18
A61L27/16
A61L27/26
A61L27/36 130
A61L27/36 100
A61L27/54
A61L27/50
A61L27/36 311
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A61L27/38 300
A61L27/44
A61L27/56
A61K35/12
A61K35/28
A61P19/08
A61P43/00 105
C12N5/0775
C07K14/78
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180945
(22)【出願日】2021-11-05
(62)【分割の表示】P 2018245698の分割
【原出願日】2016-04-07
(31)【優先権主張番号】201510160942.0
(32)【優先日】2015-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2015/075967
(32)【優先日】2015-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201510689089.1
(32)【優先日】2015-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201510690578.9
(32)【優先日】2015-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201510698379.2
(32)【優先日】2015-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2015/092549
(32)【優先日】2015-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517342925
【氏名又は名称】レボテック カンパニー,リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100203828
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多村 久美
(72)【発明者】
【氏名】カン ユイチエン ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ツオ シアオ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C081
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AC20
4B065BC43
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4B065BD38
4B065BD39
4B065CA44
4C081AB03
4C081AB04
4C081AB05
4C081BA12
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4C081CA051
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4C081CA161
4C081CA171
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4C081CD041
4C081CD081
4C081CD091
4C081CD121
4C081CD151
4C081CD171
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4C087ZA96
4H045AA10
4H045AA20
4H045CA40
4H045EA34
4H045EA60
(57)【要約】
【課題】細胞ベースのバイオプリントにおいて基本的構築ブロックとして、又は調査ツールとして作用することができるバイオブロックを提供する。
【解決手段】a)生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びにb)生分解性ポリマーシェル材料シェル、を含む、バイオブロックであって、ここで、前記細胞が、前記生分解性ポリマーコア材料に包埋され、又は前記生分解性ポリマーコア材料により包まれている、バイオブロック。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに
b)生分解性ポリマーシェル材料シェル、
を含む、バイオブロックであって、
ここで、前記細胞が、前記生分解性ポリマーコア材料に包埋され、又は前記生分解性ポリマーコア材料により包まれている、バイオブロック。
【請求項2】
以下からなる群から選択される1又は2以上の特性:
(1)前記シェルが、約0.1μm~約50μmの厚さを有し;
(2)前記シェルが、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し;
(3)前記バイオブロックが、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有し;
(4)前記シェルが、1又は2以上の微細孔を含み;並びに
(5)前記シェルが、少なくとも約110kDaの分子量を有する高分子に対して透過性であり;並びに
(6)前記バイオブロックが、少なくとも2つのシェルを含む、
を有する、請求項1に記載のバイオブロック。
【請求項3】
前記生分解性ポリマーコア材料が、以下:
コラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩、酸化アルギン酸塩、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、及びそれらの組合せから成る群から選択された、天然に存在するポリマー又はその誘導体;及び/又は、
ポリホスファゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ-(ラクチド-コグリコリド酸)(PLGA)、ポリオルトエステル(POE)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシレート(PHB)、ポリリジン、分解性ポリウレタン、それらのコポリマー、及びそれらの組合せから成る群から選択された、合成ポリマー、
を含む、請求項1又は2に記載のバイオブロック。
【請求項4】
前記生分解性ポリマーコア材料が、I型コラーゲンを含む、請求項3に記載のバイオブロック。
【請求項5】
前記生分解性ポリマーシェル材料が、以下:
コラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩、酸化アルギン酸塩、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、エラスチン、及びそれらの組合せから成る群から選択された、天然に存在するポリマー又はその誘導体;及び/又は
ポリホスファゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ-(ラクチド-コグリコリド酸)(PLGA)、ポリオルトエステル(POE)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシレート(PHB)、ポリリジン、分解性ポリウレタン、それらのコポリマー、及びそれらの組合せから成る群から選択された、合成ポリマー、
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のバイオブロック。
【請求項6】
前記コアが、栄養素、細胞外マトリックス因子、細胞因子及び医薬的活性剤から選択された剤を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のバイオブロック。
【請求項7】
前記細胞が間葉系幹細胞(MSC)である、請求項1から6のいずれか一項に記載のバイオブロック。
【請求項8】
前記コアが、MSCの骨芽細胞への分化を誘導する剤、又はMSCの軟骨細胞への分化を誘導する剤を含む、請求項7に記載のバイオブロック。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の複数のバイオブロックを含む、バイオインク組成物。
【請求項10】
さらに担体を含む、請求項9に記載のバイオインク組成物。
【請求項11】
前記担体が、以下からなる群から選択される1又は2以上の特性:
(1)前記担体が液体又はペーストであり;
(2)前記担体が、コラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩、酸化アルギン酸塩、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、エラスチン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリリジン、アクリレートコポリマー、及びそれらの組合せから成る群から選択されたポリマーを含み;並びに
(3)前記担体が、約1Pa・s~約1000Pa・sの粘度を有する、
を有する、請求項10に記載のバイオインク組成物。
【請求項12】
前記バイオインク組成物が、以下からなる群から選択される1又は2以上の特性:
(1)前記バイオインク組成物が少なくとも約50%のバイオブロック(w/w)を含み;
(2)前記複数のバイオブロックが、少なくとも2つのシェルを含むバイオブロックを含み;並びに
(3)前記複数のバイオブロックが同じタイプのものであるか、又は前記複数のバイオブロックが異なったタイプのものである、
を有する、請求項9から11のいずれか一項に記載のバイオインク組成物。
【請求項13】
人工組織又は組織前駆体の調製方法であって、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、請求項9から12のいずれか一項に記載のバイオインク組成物をバイオプリントすることを含む、方法。
【請求項14】
前記方法が、以下からなる群から選択される1又は2以上の特性:
(1)前記バイオインク組成物が、足場上にバイオプリントされず;並びに
(2)前記バイオプリントが、インクジェット又はマイクロ押出しにより実施される、
を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記多次元コンストラクトを、前記複数のバイオブロック中の細胞の増殖、分化、代謝、移動、分泌又はそれらの何れかの組合わせを可能にする条件下で、インビトロで培養することをさらに含む、請求項13から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記方法が、以下からなる群から選択される1又は2以上の特性:
(1)前記シェルが、培養の間、少なくとも部分的に分解され;並びに
(2)異なったバイオブロック中の細胞が、培養時に、互いに連結される、
を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項13から16のいずれか一項に記載の方法により調製される、人工組織又は組織前駆体。
【請求項18】
第1分化細胞及び第2分化細胞又はその前駆体を含む複合コンストラクトの調製方法であって、第1バイオインク組成物及び第2バイオインク組成物をバイオプリントし、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得ることを含み、ここで前記第1バイオインク組成物は、複数の第1バイオブロックを含み、各第1バイオブロックが、a)生分解性ポリマーコア材料、MSC細胞、及びMSCの第1分化細胞への分化を誘導する第1剤又は第1細胞を含むコア、並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルをそれぞれ含み;並びに前記第2バイオインク組成物が、複数の第2バイオブロックを含み、各第2バイオブロックが、a)生分解性ポリマーコア材料、MSC細胞、及びMSCの第2分化細胞への分化を誘導する第2剤又は第2細胞を含むコア、並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルをそれぞれ含む、方法。
【請求項19】
前記複合コンストラクトが、人工骨及び軟骨又はその前駆体を含み、前記第1バイオブロックがMSCの骨芽細胞への分化を誘導する剤を含むコアをそれぞれ含み、そして前記第2バイオブロックがMSCの軟骨細胞への分化を誘導する剤を含むコアをそれぞれ含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項18又は19に記載の方法により調製された人工骨及び軟骨又はその前駆体を含む複合コンストラクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
【0002】
本出願は、2015年4月7日に出願された国際特許出願第PCT / CN2015 / 075967号、2015年10月22日に出願された国際特許出願第PCT / CN2015 / 092549号、2015年4月7日に出願された中国特許出願第201510160942.0号、2015年10月22日に出願された中国特許出願第201510698379.2号、2015年10月22日に出願された中国特許出願第201510690578.9号、及び2015年10月22日に出願された中国特許出願第201510689089.1号の優先権の利益を主張し、それらの内容は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は、生物学、再生医療、バイオプリンティング(例えば、細胞ベースの三次元(3D)バイオプリンティング)、及び組織工学の分野に関する。
【背景技術】
【0004】
ヒト組織は、規則的に配置された細胞から構成される。異なった生理学的機能を有する組織及び細胞は通常、異なる細胞分布パターンと関連している。例えば、上皮細胞は、それらの保護機能を確実にするために単層として、しっかりと詰め込まれている。筋肉細胞は、それらの収縮機能を支持するために索状構造で配置されている。ニューロンは、お互い平行のままであるか、又はお互いに相互結合し、それらの情報伝達の機能を促進するためにウェブ様構造を形成する。
【0005】
細胞分布の異常は、細胞形態、細胞間結合、及び/又は細胞群の活性における欠陥として現れる。異常細胞分布パターンは一般的に、組織及び器官の病理学的転換の間に生じ、細胞の機能的欠陥をもたらし、そして組織及び器官の全体的な構造及び機能を傷つける。例えば、肝腫瘍組織中の肝細胞索が外れ、そして正常肝臓の小葉構造を欠いている。小腸の上皮細胞の分布における障害は、上皮バリアーの保護機能を低め、小腸を通して吸収されるエンドトキシンのレベルの上昇をもたらし、そして、最終的には内毒素血症を引き起こす。血管平滑筋細胞の不規則な分布は、血管のコンプライアンス、弾性及び抗ひづみ能力を低める。従って、細胞の正確な分布は、人工組織及び器官構築において重要な要素である。
【0006】
三次元(3D)バイオプリント技法が最近、登場し、そして複雑な組織及び器官を構築するために3Dバイオプリントを使用する試みがなされて来た。これまで、多くの3Dバイオプリント技法、例えばCyfuse Biomedical K.K. (本明細書において“Cyfuse technology”としてこの後、呼ばれる; 例えば、米国特許出願公開第US2014012192A1号を参照のこと)、及びOrganovo Holdings Inc. (本明細書において“Organovo technology” としてこの後、呼ばれる; 例えば、国際特許出願公開WO2013040078A2号を参照のこと)により提案された3Dバイオプリント技法が報告されている。
【0007】
Cyfuse技法は主に、以下の工程を含む:ミニ組織を形成するために細胞スフェロイドを構築する工程;所定の空間分布に従って微細針アレイ上に細胞スフェロイドを沈着する工程;及び所望する構造を有する組織を得るために、前記沈着されたミニ組織を融合する細胞の固有の付着性質に依存する工程。
【0008】
Organovo技法の基本的工程は、以下を含む。最初、バイオインク(すなわち、細胞)及びバイオシート(典型的には、ゲル)が調製される。次に、バイオインク及びバイオシートが次の通りに3Dモデルに従って組織又は器官を3Dプリントするために使用される:(1)バイオインクの層をプリントし、すなわち別の細胞又はゲル層の上に細胞層を配置し;(2)バイオシートをプリントし、すなわち細胞の上部にゲル層を配置し;(3)組織又は器官の完全なプリントまで、工程(1)及び(2)を反復する。
【0009】
しかしながら、現在のバイオプリント法は、重大な欠点と関連している。特に、現在知られているバイオプリント法は、細胞の正確な分布、又は正確な構造を有するミニ組織及び組織ブロックの構成を何れも達し得ない。一方、現在のバイオプリント法に使用される細胞は、機械的保護を欠いている。結果として、3Dプリントに直接的に、又はヒドロゲルと混合して使用される場合、細胞は外圧又は剪断力による損傷により損傷されるか又は殺傷され得る。この欠点は、バイオプリント技法の適用を大きく制限する。低い細胞生存率を克服するために、いくつかの既知バイオプリント技法は、そのようなバイオプリント技法の適用をさらに実質的に制限する、ミニ組織を構築するために多数の細胞を用いている。
【0010】
従って、現在知られている3Dバイオプリント技法は、細胞数及び正確な細胞分布を制御する方法を介して、複雑な三次元構造を有する組織又は器官を構築することはできない。そのプリントされた三次元コンストラクトはまた、低い細胞生存率、及び実質的なサイズ制限に悩まされている。新規の細胞ベースの構築ブロック及びバイオプリント法についての明らかな必要性がある。
【0011】
本明細書において言及されるすべての出版物、特許、特許出願及び公開特許の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0012】
本出願は、細胞ベースのバイオプリントにおいて基本的構築ブロックとして、又は調査ツールとして作用することができるバイオブロックを提供する。バイオインク組成物、及びバイオインク組成物を用いて人工組織又は組織前駆体をバイオプリントする方法、及びバイオブロック又は組成物を用いる他の方法がさらに提供される。
【0013】
本出願の1つの側面は、a)生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル、をそれぞれ含む複数のバイオブロックを含む、バイオインク組成物を提供する。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物はさらに、担体を含む。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、担体内に均質に懸濁される。いくつかの実施形態によれば、前記担体は液体又はペーストである。いくつかの実施形態によれば、前記担体は、コラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩、酸化アルギン酸塩、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、エラスチン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、アクリレートコポリマー、及びそれらの組合せから成る群から選択されたポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、前記担体は、約1Pa・s~約1000Pa・sの粘度を有する。
【0014】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記バイオインク組成物は少なくとも約50%のバイオブロック(w/w)を含む。
【0015】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは異なったタイプのものである。
【0016】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、各バイオブロックの長さは、約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、各バイオブロックの幅は、約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、各バイオブロックの厚さは、約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、各バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下)である。
【0017】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記コアは、前記生分解性ポリマーコア材料に包埋された細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、前記コアは、前記生分解性ポリマーコア材料により包まれた細胞を含む。
【0018】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス因子、細胞因子、及び医薬的活性剤から選択された剤を含む。いくつかの実施形態によれば、コアは少なくとも3種の異なった剤を含む。いくつかの実施形態によれば、前記コアは細胞増殖を促進する細胞因子を含み、そして前記細胞因子は、インスリン、IGF-I、IGF-II、TGF、VEGF、PDGF、ODGF、SRIH、NGF、EGF、FGF、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL6、IL-7、IL-8、IL-10、IL-12、CCL、CXC、XCL、MCP、TNF、EPO、CSF、コルチゾール、T3、T4及びそれらの組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記コアは細胞分化を促進する細胞因子を含み、そして前記細胞因子はOct3 / 4、Sox2、Klf4、c-Myc、GATA4、TSP1、β-グリセロホスフェート、デキサメタゾン、ビタミンC、インスリン、IBMX、インドメタシン、PDGF-BB、5-アザシチジン及びそれらの組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記コアは細胞移動を促進する細胞因子を含み、そして前記細胞因子は、cAMP、PIP3、SDF-1、N-カドヘリン、NF-κB、オステオネクチン、トロンボキサンA2、Ras及びそれらの組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記コアは細胞代謝を促進する細胞因子を含み、そして前記細胞因は、IGF-I、TRIP-Br2、DKK-1、sRANKL、OPG、TRACP-5b、ALP、SIRT1、PGC-1α、PGC-1β、IL-3、IL-4、IL6、TGF-β、PGE2、G-CSF、TNFα及びそれらの組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記コアは細胞分泌を促進する細胞因子を含み、そして前記細胞因子は、P600、P110、TCGFIII、BSF-2、グルカゴン、β-アドレナリンアゴニスト、アルギニン、Ca2+、アセチルコリン、ソマトスタチン及びそれらの組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記コアは医薬的活性剤を含み、そして前記医薬的活性剤は、rhIL-2、rhIL-11、rhEPO、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、G-CSF、GM-CSF、rHuEPO、sTNF-R1、rhTNF-α及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0019】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、天然に存在するポリマー又はその誘導体を含む。いくつかの実施形態によれば、前記天然に存在するポリマーは、コラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩、酸化アルギン酸塩、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、及びそれらの組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンから実質的に成る。いくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲン及びアルギン酸塩の混合物を含む。
【0020】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーコア材料は、合成ポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、前記合成ポリマーは、ポリホスファゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ-(ラクチド-コグリコリド酸)(PLGA)、ポリオルトエステル(POE)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシレート(PHB)、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、分解性ポリウレタン、それらのコポリマー、及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0021】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記細胞は、幹細胞、例えば間葉系幹細胞(MSC)である。いくつかの実施形態によれば、前記コアは、MSCの骨芽細胞又は骨組織への分化を誘導する剤(例えば、デキサメタゾン、アスコルビン酸、グリセロホスフェート、又はそれらの組み合わせ)を含む。いくつかの実施形態によれば、コアは、デキサメタゾン、アスコルビン酸及びグリセロホスフェートから成る選択された剤を含む。いくつかの実施形態によれば、コアは、MSCの軟骨細胞又は軟骨組織への分化を誘導する剤(例えば、TGF-β3、デキサメタゾン、アスコルビン酸2-リン酸、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、インスリン、トランスフェリン、亜セレン酸又はそれらの組み合わせ)を含む。いくつかの実施形態によれば、前記コアが、TGF-β3、デキサメタゾン、アスコルビン酸2-リン酸、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、インスリン、トランスフェリン、及び亜セレン酸を含む。
【0022】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記コアは複数の細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、前記コアは少なくとも約50個の細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、前記コアは約2個の細胞~約50個の細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、前記複数の細胞は同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数の細胞は少なくとも2種の異なったタイプのものである。
【0023】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、少なくとも2つのコアを含むバイオブロックを含む。
【0024】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記シェルは栄養素に対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、前記シェルは、少なくとも約110kDaの分子量を有する高分子に対して透過性である。
【0025】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記シェルは1又は2以上の微細孔を含む。
【0026】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有する。
【0027】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有する。
【0028】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料は、天然に存在するポリマー又はその誘導体を含む。いくつかの実施形態によれば、前記天然に存在するポリマーは、コラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩、酸化アルギン酸塩、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、エラスチン、及びそれらの組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化アルギン酸塩又はアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態によれば、前記酸化アルギン酸塩の酸化レベルは、約1%~約40%である。いくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料は、少なくとも約4%の酸化アルギン酸塩又はアルギン酸(w/w)を含む。いくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料は、アルギン酸塩及び酸化アルギン酸塩の混合物を含む。いくつかの実施形態によれば、アルギン酸塩:酸化アルギン酸塩の比は、約1:9~約9:1である。
【0029】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料は、合成ポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、前記合成ポリマーは、ポリホスファゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ-(ラクチド-コグリコリド酸)(PLGA)、ポリオルトエステル(POE)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシレート(PHB)、ポリリジン、分解性ポリウレタン、それらのコポリマー、及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0030】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料は架橋される。
【0031】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、少なくとも2つのシェルを含むバイオブロックを含む。
【0032】
上記バイオインク組成物の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。
【0033】
本出願の別の側面は、人工組織又は組織前駆体の調製方法を提供し、ここで前記方法は、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、上記バイオインク組成物の何れか1つをバイオプリントすることを包含する(例えば、インクジェット又はマイクロ押出しによる)。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、足場上へはバイオプリントされない。
【0034】
上記方法の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記バイオプリントは、インクジェット又はマイクロ押出しにより実施される。
【0035】
上記方法の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロック中の細胞の少なくとも約80%(例えば、少なくとも約90%)は、前記バイオプリントの後、生存する。
【0036】
上記方法の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記方法は、前記多次元コンストラクトを、前記複数のバイオブロック中の細胞の増殖、分化、代謝、移動、分泌又はそれらの何れかの組合わせを可能にする条件下で、インビトロで培養することをさらに含む。いくつかの実施形態によれば、前記シェルは、培養の間、少なくとも部分的に分解される。
【0037】
上記方法の何れか1つによるいくつかの実施形態によれば、前記バイオプリントは、対象、例えばヒト対象に対して直接実施される。いくつかの実施形態によれば、バイオプリントは、対象の組織の損傷部位で直接的に実施される。いくつかの実施形態によれば、組織は、皮膚組織である。いくつかの実施形態によれば、前記方法はさらに、組織の損傷された部位の細胞分布情報を得ることを含み、ここで前記バイオプリントは、その細胞分布情報に従って実施される。いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック中の細胞は、対象に由来する。
【0038】
本出願の1つの側面によれば、さらに上記方法のいずれか1つにより調製された人工組織又は組織前駆体が提供される。いくつかの実施形態によれば、前記人工組織又は組織前駆体の長さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm、500μm、1mm又はそれ以上)である。いくつかの実施形態によれば、前記人工組織又は組織前駆体の厚さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm、500μm、1mm又はそれ以上)である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中の細胞は、増殖し、分化し、移動し、又はそれらの何れかの組合わせであり、そして任意には、前記生分解性ポリマーコア材料は、少なくとも部分的に分解される。いくつかの実施形態によれば、異なったバイオブロック中の細胞は互いに連結(connected)され、そして前記分解性ポリマーコア材料及び/又は、生分解性ポリマーシェル材料が、少なくとも部分的に分解される。
【0039】
本出願の1つの側面によれば、a)生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供される。いくつかの実施形態によれば、前記バイオブブロックの長さは、約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの幅は、約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの厚さは、約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、前記バイオブロックの長さ:厚さの比は約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。
【0040】
上記バイオブロックの何れか1つに従ってのいくつかの実施形態によれば、前記コアは、前記生分解性ポリマーコア材料に包埋された細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、前記コアは、前記生分解性ポリマーコア材料により包まれた細胞を含む。
【0041】
上記バイオブロックの何れか1つに従ってのいくつかの実施形態によれば、前記コアは栄養素、細胞外マトリックス因子、細胞因子及び医薬的活性剤から選択された剤を含む。いくつかの実施形態によれば、前記コアは少なくとも3種の異なった剤を含む。いくつかの実施形態によれば、前記コアは細胞増殖を促進する細胞因子を含み、そして前記細胞因子は、インスリン、IGF-I、IGF-II、TGF、VEGF、PDGF、ODGF、SRIH、NGF、EGF、FGF、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL6、IL-7、IL-8、IL-10、IL-12、CCL、CXC、XCL、MCP、TNF、EPO、CSF、コルチゾール、T3、T4及びそれらの組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記コアは細胞分化を促進する細胞因子を含み、そして前記細胞因子はOct3 / 4、Sox2、Klf4、c-Myc、GATA4、TSP1、β-グリセロリン酸、デキサメタゾン、ビタミンC、インスリン、IBMX、インドメタシン、PDGF-BB、5-アザシチジン及びそれらの組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記コアは細胞移動を促進する細胞因子を含み、そして前記細胞因子は、cAMP、PIP3、SDF-1、N-カドヘリン、NF-κB、オステオネクチン、トロンボキサンA2、Ras及びそれらの組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記コアは細胞代謝を促進する細胞因子を含み、そして前記細胞因は、IGF-I、TRIP-Br2、DKK-1、sRANKL、OPG、TRACP-5b、ALP、SIRT1、PGC-1α、PGC-1β、IL-3、IL-4、IL6、TGF-β、PGE2、G-CSF、TNFα及びそれらの組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記コアは細胞分泌を促進する細胞因子を含み、そして前記細胞因子は、P600、P110、TCGFIII、BSF-2、グルカゴン、β-アドレナリンアゴニスト、アルギニン、Ca2+、アセチルコリン、ソマトスタチン及びそれらの組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記コアは医薬的活性剤を含み、そして前記医薬的活性剤は、rhIL-2、rhIL-11、rhEPO、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、G-CSF、GM-CSF、rHuEPO、sTNF-R1、rhTNF-α及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0042】
上記バイオブロックの何れか1つに従ってのいくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーコア材料は、天然に存在するポリマー又はその誘導体を含む。いくつかの実施形態によれば、前記天然に存在するポリマーは、コラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩、酸化アルギン酸塩、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、及びそれらの組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、前記分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンから実施的に成る。いくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲン及びアルギン酸の塩の混合物を含む。
【0043】
上記バイオブロックの何れか1つに従ってのいくつかの実施形態によれば、前記生分解性コア材料は、合成ポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、合成ポリマーは、ポリホスファゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ-(ラクチド-コグリコリド酸)(PLGA)、ポリオルトエステル(POE)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシレート(PHB)、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、分解性ポリウレタン、それらのコポリマー、及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0044】
上記バイオブロックの何れか1つに従ってのいくつかの実施形態によれば、前記細胞は、幹細胞、例えば間葉系幹細胞(MSC)である。いくつかの実施形態によれば、前記コアは、MSCの骨芽細胞又は骨組織への分化を誘導する剤(例えば、デキサメタゾン、アスコルビン酸、グリセロホスフェート、又はそれらの組み合わせ)を含む。いくつかの実施形態によれば、前記コアは、デキサメタゾン、アスコルビン酸及びグリセロホスフェートから成る群から選択された剤を含む。いくつかの実施形態によれば、前記コアは、MSCの軟骨細胞又は軟骨組織への分化を誘導する剤(例えば、TGF-β3、デキサメタゾン、アスコルビン酸2-リン酸、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、インスリン、トランスフェリン、亜セレン酸、又はそれらの組み合わせ)を含む。いくつかの実施形態によれば、前記コアは、TGF-β3、デキサメタゾン、アスコルビン酸2-リン酸、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、インスリン、トランスフェリン、及び亜セレン酸を含む。
【0045】
上記バイオブロックの何れか1つに従ってのいくつかの実施形態によれば、前記コアは複数の細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、記コアは少なくとも約50個の細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、前記コアは約2個の細胞~約50個の細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、前記複数の細胞は同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数の細胞は少なくとも2種の異なったタイプのものである。
【0046】
上記バイオブロックの何れか1つに従ってのいくつかの実施形態によれば、前記バイオブロックは、少なくとも2つのコアを含む。
【0047】
上記バイオブロックの何れか1つに従ってのいくつかの実施形態によれば、前記シェルは栄養素に対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、前記シェルは、少なくとも約110kDaの分子量を有する高分子に対して透過性である。
【0048】
上記バイオブロックの何れか1つに従ってのいくつかの実施形態によれば、前記シェルは1又は2以上の微細孔を含む。
【0049】
上記バイオブロックの何れか1つに従ってのいくつかの実施形態によれば、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有する。
【0050】
上記バイオブロックの何れか1つに従ってのいくつかの実施形態によれば、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有する。
【0051】
上記バイオブロックの何れか1つに従ってのいくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料は、天然に存在するポリマー又はその誘導体を含む。いくつかの実施形態によれば、前記天然に存在するポリマーは、コラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩、酸化アルギン酸塩、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、エラスチン、及びそれらの組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化アルギン酸塩又はアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態によれば、前記酸化アルギン酸塩の酸化レベルは、約1%~約40%である。いくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料は、少なくとも約4%の酸化アルギン酸塩又はアルギン酸(w/w)を含む。いくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料は、アルギン酸塩及び酸化アルギン酸塩の混合物を含む。いくつかの実施形態によれば、アルギン酸塩:酸化アルギン酸塩の比は、約1:9~約9:1である。
【0052】
上記バイオブロックの何れか1つに従ってのいくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料は、合成ポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、前記合成ポリマーは、ポリホスファゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ-(ラクチド-コグリコリド酸)(PLGA)、ポリオルトエステル(POE)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシレート(PHB)、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、分解性ポリウレタン、それらのコポリマー、及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0053】
上記バイオブロックの何れか1つに従ってのいくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料は架橋される。
【0054】
上記バイオブロックの何れか1つに従ってのいくつかの実施形態によれば、前記バイオブロックは、少なくとも2つのシェルを含む。
【0055】
上記バイオブロックの何れか1つに従ってのいくつかの実施形態によれば、前記バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。
【0056】
本発明の別の側面は、第1分化細胞及び第2分化細胞又はその前駆体を含む複合コンストラクトの調製方法を提供し、ここで第1バイオインク組成物及び第2バイオインク組成物をバイオプリントし、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得ることを含み、ここで前記第1バイオインク組成物は、a)生分解性ポリマーコア材料、MSC細胞、及びMSCの第1分化細胞への分化を誘導する第1剤又は第1細胞を含むコア、並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルをそれぞれ含む複数の第1バイオブロックを含み;そして第2バイオインク組成物が、a)生分解性ポリマーコア材料、MSC細胞、及びMSCの第2分化細胞への分化を誘導する第2剤又は第2細胞を含むコア、並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルをそれぞれ含む複数の第2バイオブロックを含む。いくつかの実施形態によれば、前記複合コンストラクトが、人工骨及び軟骨又はその前駆体を含み、前記第1バイオブロックがMSCの骨芽細胞への分化を誘導する剤(例えば、デキサメタゾン、アスコルビン酸、及びグリセロホスフェート)を含むコアをそれぞれ含み、そして前記第2バイオブロックがMSCの軟骨細胞への分化を誘導する剤(例えば、TGF-β3、デキサメタゾン、アスコルビン酸2-リン酸、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、インスリン、トランスフェリン、及び亜セレン酸)を含むコアをそれぞれ含む。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、前記多次元コンストラクトを、約1日~約19日間、インビトロで培養することをさらに含む。いくつかの実施形態によれば、上記複合コンストラクトを調製するための方法の何れか1つにより調製された、人工骨及び軟骨又はその前駆体を含む複合コンストラクトが提供される。いくつかの実施形態によれば、前記複合コンストラクトは内皮細胞及び平滑筋細胞又はその前駆体を含み、前記第1バイオブロックはMSC及び内皮細胞を含むコアをそれぞれ含み、そして前記第2バイオブロックはMSC及び平滑筋細胞を含むコアをそれぞれ含む。
【0057】
さらに、上記のバイオブロック、組成物(例えば、医薬組成物又はバイオインク組成物)、複数のバイオブロック、多次元コンストラクト(例えば、複合コンストラクト)、組織前駆体又は人工組織の何れか1つを含む、キット、商業用バッチ及び製造品が提供される。
【0058】
本発明のそれらの及び他の側面及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。本明細書に記載される種々の実施形態の特性の1つ、いくつか又はすべては、本発明の他の実施形態を形成するために組み合わされ得ることは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1A】
図1Aは、左パネルの模範図及び右パネルのバイオブロックの画像を含む、典型的なバイオブロックを示す。コアは生分解性ポリマーコア材料により包まれた3個の細胞を含み、そしてシェルは栄養素等の物質の交換のためのマイクロチャネル又は微細孔を有する。
【
図1B】
図1Bは、単一のシェル及び単一のコアを有する典型的なバイオブロック構造を示し、ここで前記シェルがコアを被覆する。
【
図1C】
図1Cは、第1シェルにより被覆される単一コア、及び第2シェルにより被覆される第1シェルを有する典型的なバイオブロック構造を示す。
【
図1D】
図1Dは、第2コアにより被覆される第1コア、及び単一シェルにより被覆される第2コアを有する典型的なバイオブロック構造を示す。
【
図1E】
図1Eは、第2コアにより被覆される第1コア、第1シェルにより被覆される第2コア、及び第2シェルにより被覆される第1シェルを有する典型的なバイオブロック構造を示す。
【
図1F】
図1Fは、第1シェルにより被覆される第1コア、第2コアにより被覆される第1シェル、及び第2シェルにより被覆される第2コアを有する典型的なバイオブロック構造を示す。
【
図2】
図2は、生体適合性(例えば、生体接着性)材料に堆積された異なったタイプのバイオブロックをそれぞれ有する、3つの異なった層を含む血管前駆体の断面レイアウトを示す。線維芽細胞層は、それらのコアに線維芽細胞を有するバイオブロックを含む。平滑筋細胞層は、それらのコアに平滑筋細胞を有するバイオブロックを含む。内皮細胞層は、それらのコアに内皮細胞を有するバイオブロックを含む。各層における生体適合性材料は、ヒドロゲル状態であっても良く、そしてバイオブロック内の細胞に適切な栄養素及び培養条件を提供する。
【
図3A-3F】
図3A-3Fは、位相差顕微鏡下での異なったサイズ及び異なった数の細胞を有する典型的な球状バイオブロックを示す。明るい外側のサークルは、バイオブロックのシェルであり、そして大きなサークル内の明るいスポットは、コアにおけるHUVECである。
図3Aは、120μmのサイズを有するバイオブロックを示す。
図3Bは、200μmのサイズ有するバイオブロックを示す。
図3Cは、450μmのサイズを有するバイオブロックを示す。
図3Dは、約50個の細胞をそれぞれ有するバイオブロックを示す。
図3Eは、約8個の細胞をそれぞれ有するバイオブロックを示す。
図3Fは、約2つの細胞をそれぞれ有するバイオブロックを示す。
【
図4】
図4は、位相差顕微鏡下での典型的なバイオブロックを示す。1つの球状バイオブロックが、視野の中央に示されている。明るい外側のサークルはバイオブロックシェルであり、そして内側の明るいスポットは、コア内のヒト臍帯静脈内内皮細胞(HUVEC)である。
【
図5A-5F】
図5A-5Fは、ポリマーコア材料及びポリマーシェル材料の種々の組合せのバイオブロックを示す。特にことわらない限り、すべての図中のスケールバーは500μmである。細い白矢印は、シェルの位置を示し、そして太い白矢印は、コアの位置を示す。
図5Aは、アルギン酸カルシウムを含むシェル、及びデンプンを含むコアを有するバイオブロックを示す。
図5Bは、ポリリジンを含むシェル、及びI型コラーゲンを含むコアを有するバイオブロックを示す。
図5Cは、アルギン酸カルシウムを含むシェル、及びI型コラーゲンを含むコアを有するバイオブロックを示す。
図5Dは、アルギン酸カルシウムを含むシェル、及びポリウレタンを含むコアを有するバイオブロックを示す。
図5Eは、ポリリジン-FITCを含むシェル、及びトラッカーCM-Dil(蛍光の読み取り)により染色されたI型コラーゲンを含むコアを有するバイオブロックを示す。
図5Fは、ポリリジンを含むシェル、及びアルギン酸ナトリウムを含むコアを有するバイオブロックを示す(バー=100μm)。
【
図6A-6B】
図6A-6Bは、バイオプリントのための典型的なバイオインク組成物を示す。
図6Aは、担体及び複数のバイオブロックを含むバイオインク組成物を示す。暗いバイオブロックはさらに、バイオプリントの後、バイオブロックの完全性を示すために、コアにメチルバイオレットを含む。
図6Bは、約250μmの幅を有するバイオプリントされたバイオブロック単層を示す。担体により取り囲まれた1つのバイオブロックが図に示されており、これはまた、バイオブロックを結合するために、生体適合性(任意には、生体接着性)材料としても機能する。バイオブロックは、バイオプリントの後、構造的完全性を維持した。
【
図7】
図7は、温度の関数としての典型的なバイオインク組成物にアルギン酸ナトリウム及びゼラチンを含む担体のmPa・sでの粘度のプロットを示す。
【
図8A-8D】
図8A-8Dは、バイオブロックにおけるヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の生存性を示す。
図8Aは、バイオブロックが調製された直後のバイオブロックにおけるHUVECを示す。各大きなサークルは、ほぼバイオブロックの境界を示す。
図8Bは、調製の後、約3時間、4℃での貯蔵の後、バイオブロックにおけるHUVECを示す。各大きなサークルは、ほぼバイオブロックの境界を示す。
図8Cは、バイオプリント後の、バイオブロックにおけるHUVECを示す。高い飽和レベルを有する白スポット、例えば白矢印により示される白スポットは、死細胞である。
図8Dは、調製の後に、約72時間、約37℃で培養した後の、バイオブロックにおけるHUVECを示す。高い飽和レベルを有する白スポット、例えば白矢印により示される白スポットは死細胞である。画像は、レーザー走査共焦点顕微鏡を用いて収集された。
【
図9A-9B】
図9A-9Bは、バイオブロック中のHepG2細胞の付着及び拡散を示す。
図9Aは、培養の1日での複数のバイオブロック(大きなグレーサークル)内のHepG細胞(ダークサークルスポット)を示す。細胞はサークル形状をとり、そして他の細胞には広がらないか、又は付着もしなかった。画像は、位相差顕微鏡により、倍率40倍で収集された。
図9Bは、培養の5日目での単一のバイオブロックにおけるHepG2細胞を示す。白矢印は、拡散し、そして付着する細胞を示す。画像は、位相差顕微鏡により倍率200倍で収集された。
【
図10】
図10は、バイオブロックの調製の後、約5日間、約37℃で培養されたバイオフロック内のHepG2細胞の増殖を示す。細胞核は、DAPIにより染色され(青のチャネル)、そして増殖細胞は、EdUを用いて染色された(赤のチャネル)。グレーの細胞は、EdUにより染色されたHepG2細胞を増殖している。画像は、共焦点走査顕微鏡を用いて倍率200倍で収集された。
【
図11A-11D】
図11A-11Dは、従来の細胞カプセル又はバイオブロック内の細胞の増殖を示す。
図11Aは、調製の直後、カプセル中の細胞を示す。
図11Bは、7日間の培養の後、カプセル中の細胞を示す。
図11Cは、調製の直後、バイオブロック中の細胞を示す。
図11Dは、7日間の培養の後、バイオブロック中の細胞を示す。
【
図12A-12C】
図12A-12Cは、異なったバイオブロックの境界を横切る細胞間の連結を示す。すべてのバイオブロックは、HepG2細胞及びHUVEC細胞を含む。
図12Aは、白サークルによりマークされた異なったバイオブロックの細胞間の連結を示す。
図12Bは、2つのバイオブロック間の境界(矢印によりマークされている)を横切る細胞間の連結を示す。
図12Cは、異なったバイオブロックを横切るHepG2細胞(緑)とHUVEC細胞(赤)との間の連結(黄色のシグナル)を示す。
【
図13A-13B】
図13A-13Bは、Revotek Bシリーズ3Dバイオプリンターの写真である。
【
図13C-13D】
図13C(側面図)及び13D(上面図)は、2%アルギン酸ナトリウムを含むバイオインク(左パネル)を用いて、5%アルギン酸ナトリウムを含むバイオインク(中央パネル)を用いて、又は2%アルギン酸ナトリウム及びバイオブロックを含むバイオインク(右パネル)を用いて、プリントされたリング状形状の三次元構造である。バイオブロックを含むバイオインクは、他の種類のヒドロゲルと比較して、組織を形成するために、より良好な機械的支持能力を有した。
【
図14A-14E】
図14A-14Iは、バイオブロックの生物学的性質を示す。
図14A-14Dは、バイオブロック中の細胞生存性を示す。生存細胞が、緑色蛍光を示すCalcein AMにより標識され、そして死細胞は、赤色蛍光を示すヨウ化プロピジウムにより標識された。
図14Aは、バイオブロックが調製された直後、バイオブロック中のHUVECを示す。細胞生存性は95%超であった。
図14Bは、バイオプリントの後、バイオブロック中のHUVECを示す。細胞生存性は、90%超であった。
図14Cは、調製の後に、約5日間、5%CO
2下で、約37℃で培養した後の、バイオブロック中のHUVECを示す。細胞生存性は、90%超であった。
図14Dは、3時間(左パネル)、24時間(中央パネル)及び48時間(右パネル)、4℃での貯蔵の後、バイオブロック中のHUVECを示す。細胞生存性は、それぞれ90%、80%及び50%超であった。
図14E-14Iは、バイオブロック内の正常機能に関する細胞を示す。
図14Eは、バイオブロック内のHUVEC細胞の付着及び拡散を示す。
図14Fは、バイオブロックの調製の後、約2日間、約37℃で培養されたバイオブロック内のHepG細胞の増殖を示す。細胞核がDPIにより染色され(青のチャネル)、そして増殖細胞がEdUを用いて染色された(赤のチャネル)。
図14Gは、バイオブロックにおけるアルブミンを分泌する肝細胞を示す。細胞核はDAPIにより染色され(青のチャネル)、そして肝細胞により分泌されるアルブミンは、アルブミン試験キットにより染色された(赤のチャネル)。
図14Hは、バイオブロック内の細胞間の連結を示す。HUVECが、緑の蛍光を示す細胞トラッカーGreen CMFDAにより標識され(左パネル)、そしてHepG2が、赤の蛍光を示す細胞トラッカーCM-Dilにより標識された(中央パネル)。右パネルの黄色の蛍光は、HepG2とHUVECとの間の細胞連結を示す。
図14Iは、バイオブロック中のBMSC移動を示す。矢印は、移動した細胞を示す。
【
図14F-14I】
図14A-14Iは、バイオブロックの生物学的性質を示す。
図14A-14Dは、バイオブロック中の細胞生存性を示す。生存細胞が、緑色蛍光を示すCalcein AMにより標識され、そして死細胞は、赤色蛍光を示すヨウ化プロピジウムにより標識された。
図14Aは、バイオブロックが調製された直後、バイオブロック中のHUVECを示す。細胞生存性は95%超であった。
図14Bは、バイオプリントの後、バイオブロック中のHUVECを示す。細胞生存性は、90%超であった。
図14Cは、調製の後に、約5日間、5%CO
2下で、約37℃で培養した後の、バイオブロック中のHUVECを示す。細胞生存性は、90%超であった。
図14Dは、3時間(左パネル)、24時間(中央パネル)及び48時間(右パネル)、4℃での貯蔵の後、バイオブロック中のHUVECを示す。細胞生存性は、それぞれ90%、80%及び50%超であった。
図14E-14Iは、バイオブロック内の正常機能に関する細胞を示す。
図14Eは、バイオブロック内のHUVEC細胞の付着及び拡散を示す。
図14Fは、バイオブロックの調製の後、約2日間、約37℃で培養されたバイオブロック内のHepG細胞の増殖を示す。細胞核がDPIにより染色され(青のチャネル)、そして増殖細胞がEdUを用いて染色された(赤のチャネル)。
図14Gは、バイオブロックにおけるアルブミンを分泌する肝細胞を示す。細胞核はDAPIにより染色され(青のチャネル)、そして肝細胞により分泌されるアルブミンは、アルブミン試験キットにより染色された(赤のチャネル)。
図14Hは、バイオブロック内の細胞間の連結を示す。HUVECが、緑の蛍光を示す細胞トラッカーGreen CMFDAにより標識され(左パネル)、そしてHepG2が、赤の蛍光を示す細胞トラッカーCM-Dilにより標識された(中央パネル)。右パネルの黄色の蛍光は、HepG2とHUVECとの間の細胞連結を示す。
図14Iは、バイオブロック中のBMSC移動を示す。矢印は、移動した細胞を示す。
【
図15A-15D】
図15A-15Dは、バイオブロックシェルの分解及びバイオブロックの融合を示す。
図15Aは、ポリリジンシェル及びHUVECを含むバイオブロックを示す。ポリリジンは、緑色の蛍光を示すFITCにより標識された。HUVECは、赤色の蛍光を示す細胞トラッカーCM-Dilにより標識された。
図15Bは、0.25%トリプシンを用いてバイオブロックシェルの分解を示す。前記シェルは、5分で一部分解され(中央パネル)、そして10分で完全に分解された(右のパネル)。
図15Cは、バイオブロックシェルの分解を示す。バイオブロックのシェルは、5日で細胞により一部分解され(中央のパネル)、そして9日で完全に分解された(右のパネル)。
図15Dは、経時的なシェル分解の後、細胞連結によるバイオブロックの融合を示す。
【
図16A-16I】
図16A-16Iは、REVOTEK Bシリーズ3Dバイオプリンターによる3Dバイオプリントの概略図を示す。
図16Aは、REVOTEK Bシリーズ3Dバイオプリンターを示す。
図16Bは、ジェットにより押し出される、アルギン酸ナトリウムと共に混合されたバイオブロックを示す。
図16C-16Fは、種々のプリントされた三次元構造の形状を示す。
図16Cは、1つのタイプのバイオブロックにより形成されたシート構造を示す。
図16Dは、2つのタイプのバイオブロックにより形成されたシート構造を示す。
図16Eは、2つのタイプのバイオブロックにより形成されたリング状構造を示す。
図16Fは、2つのタイプのバイオブロックにより形成された不規則な形状の構造を示す。
図16G-16Iは、バイオブロックにおける細胞の正確な分布を示す。1つのタイプの細胞は、緑色の蛍光タンパク質を発現した。第2タイプの細胞は、赤色の蛍光タンパク質を発現した。
【
図17A-17J】
図17A-17Jは、バイオブロックが組織様構造を形成するために有機全体(organic whole)に融合したことを示す。
図17Aは、緑色の蛍光を示す細胞トラッカーGreen CMFDAにより標識されたHepG2細胞を含むバイオブロックを示す。
図17Bは、赤色の蛍光を示す細胞トラッカーCM-Dilにより標識されたBMSCを含むバイオブロックを示す。
図17Cはバイオブロックが、3日間、約10%のFBSを含むH-DMEM培地において、5%CO
2下で37℃で培養された後、お互い融合したことを示す。
図17Dは、バイオブロックが、9日間、約10%FBSを含むH-DMEM培地において、5%CO
2下で37℃で培養された後、単一体に融合したことを示す。
図17Eはバイオブロックがシート形状の人工組織に融合したことを示す。細い矢印は、2つのタイプのバイオブロックの間の連結の位置を示す。
図17Fは、シート形状の人工組織のHE染色を示す。
図17Gは、バイオブロックが環形状人工組織に融合したことを示す。
図17Hは、環形状人工組織のHE染色を示す。
図17Iは、バイオブロックが不規則形状の人工組織に融合したことを示す。
図17Jは、不規則形状の人工組織のHE染色を示す。
【
図18A】
図18Aは、5%CO
2下で37℃での1日の培養の後、典型的なI型MSCバイオブロックを示す。
【
図18B】
図18Bは、5%CO
2下で37℃での10日の培養の後、I型MSCバイオブロックにおける、骨細胞に分化するBMSCを示す。細い矢印は、アリザリンレッドにより染色されたカルシウム節の位置を示す。
【
図19A】
図19Aは、2つの層、すなわちI型MSCバイオブロックを含む骨芽細胞前駆体層、及びII型MSCバイオブロックを含む軟骨細胞前駆体層を含む典型的な複合コンストラクトの側面図(すなわち、長さに沿った)を示す。バイオブロック中の細胞の数に依存して、骨芽細胞前駆体層、及び軟骨細胞前駆体層は、それぞれ、1又は2以上の細胞層を含み得る。バイオブロック間の空間は、生体接着性材料により満たされている。いくつかの実施形態によれば、生体接着性材料はさらに、バイオブロック内の細胞活性を維持し、促進し、改善し、又は規制する剤を含む。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトは、本出願のI型MSCバイオブロック、又はII型MSCバイオブロックの三次元バイオプリントにより調製される。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトは、本出願のI型MSCバイオブロック又はII型MSCバイオブロックを沈着させるための何れか他の既知の方法(例えば、手動沈着)を用いて調製される。
【
図19B】
図19Bは、2つの層、すなわちI型MSCバイオブロックを含む骨芽細胞前駆体層、及びII型MSCバイオブロックを含む軟骨細胞前駆体層を含む典型的な複合コンストラクトの断面を示す。
【
図20】
図20は、バイオブロックを用いて、血管をバイオプリントするための典型的な工程の概要図でを示す。
【
図21】
図21は、バイオブロックを用いてバイオプリントにより調製される典型的な心筋組織前駆体の概略的な断面レイアウトを示す。
【
図22A】
図22Aは、2つのタイプのMSCバイオブロックを含む典型的組織の概略的な断面レイアウトを示す。
【
図22B】
図22Bは、2つのタイプのMSCバイオブロックをバイオプリントすることにより調製された典型的な人工組織の免疫組織化学的染色結果を示す。
【
図23】
図23は、脂肪由来のMSCを含むバイオブロックを用いてバイオプリントされた典型的な人工肝組織のHE染色結果(上部パネル)及びアルブミンに対する免疫組織化学的染色結果(下部パネル)を示す。
【
図24】
図24は、多数の毛細血管を有する典型的な人工組織のスライスの抗-CD31免疫染色結果を示す。
【
図25A】
図25A-25Fは、種々のタイプ及び比率の細胞を含むバイオブロックを用いてバイオプリントされた人工組織における毛細血管の形成を示す。黒の矢印は、人工組織における毛細血管の例を示す。
図25Aは、20:1の比でのBMSC:HUVECの混合物を含むバイオブロックを用いてバイオプリントされた人工組織における少数の毛細血管の形成を示す。
【
図25B】
図25Bは、10:1の比でのBMSC:HUVECの混合物を含むバイオブロックを用いてバイオプリントされた人工組織における多数の毛細血管の形成を示す。
【
図25C】
図25Cは、3:1の比でのBMSC:HUVECの混合物を含むバイオブロックを用いてバイオプリントされた人工組織における少数の毛細血管の形成を示す。
【
図25D】
図25Dは、3:2の比でのBMSC:HUVECの混合物を含むバイオブロックを用いてバイオプリントされた人工組織における少数の毛細血管の形成を示す。
【
図25E】
図25Eは、10:1:1の比でのBMSC:肝細胞:HUVECの混合物を含むバイオブロックを用いてバイオプリントされた人工組織における多数の毛細血管の形成を示す。
【
図25F】
図25Fは、16:3:1の比でのBMSC:平滑筋細胞:HUVECの混合物を含むバイオブロックを用いてバイオプリントされた人工組織における少数の毛細血管の形成を示す。
【
図25G】
図25Gは、3:1の比でのヒトMSC:HUVECの混合物を含むバイオブロックを用いてバイオプリントされた人工組織における少数の毛細血管の形成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
本出願は、新規細胞ベースの構築ブロック(本明細書においては、「バイオブロック」として言及される)及び前記バイオブロックを含むバイオインク組成物を開示し、それらは、正確な細胞分布パターンを有する多次元の生物学的構造の構成のために特に有用である。初めて、本質的にユニークな基本的構築ブロック(すなわち、バイオブロック)が、人工組織又は組織前駆体を調製するための現在の3Dバイオプリント法の多くの課題に技術的解決法を提供するために、本発明により提案されている。本出願のバイオブロックは、生分解性ポリマーシェル材料をそれぞれ含む1又は2以上のシェル、並びに生分解性ポリマーコア材料及び1又は2以上の細胞をそれぞれ含む1又は2以上のコアを含む。各バイオブロックは、予定された数の細胞及び細胞タイプを有する。また、バイオブロックの構造及び寸法は制御され得る。バイオブロックのポリマーシェル材料及びポリマーコア材料はさらに、細胞活性及び機能(例えば、増殖、分化、移動、代謝、分泌、等)を促進するために、好都合で且つ制御可能な機能的性質及び微小環境(例えば、細胞因子、栄養素、細胞外マトリックス、医薬的活性剤、等)をさらに提供することができる。本出願のバイオブロックは、人工組織又は器官をバイオプリントするために使用される場合、細胞の正確な分布を可能にする、多くのバイオプリントシステムに適合する標準化され、且つ制御可能なバイオインクを調製するために使用され得る。
【0061】
本出願のバイオブロックは、それらの異なった用途に対応するよう設計された技術的特徴のために、現在知られているカプセル化された細胞とは著しく異なる。カプセル化された細胞は典型的には、宿主の免疫細胞及び抗体から細胞を保護するポリマー半透膜内に又は内部に固定された細胞を有し、そうでなければ、カプセル化された細胞を攻撃し、そして破壊する。カプセル化された細胞は、必要とする対象における損傷組織(例えば、皮膚、膵臓又は脳)の部位に、直接的に、又は足場の上部に埋め込まれるか又は置かれた、カプセル化された細胞を含むミニ組織として適用され得る。移殖されたカプセル化細胞の半透膜は長期間(例えば、数ヶ月から数年)、それらの完全性を維持する。半透膜が分解されると、カプセル化細胞は、免疫攻撃のために機能しなくなる。対照的に、本出願のバイオブロックは、バイオプリントの間、細胞の高い生存率(例えば、90%又はそれ以上)を確保するために、細胞に対する効果的な機械的保護を提供する。バイオブロックのポリマーコア材料及びポリマーシェル材料は、足場を必要としないで、多次元生物学的構造(例えば、組織又は組織前駆体)の構築を可能にするのに十分な機能的強度を提供することができる。バイオブロックのシェルは、細胞活性及び機能を促進するために種々の高分子の交換を可能にするマイクロチャネル又は微細孔を有する。さらに、特定の実施形態によれば、バイオブロックのシェルは、隣接するバイオブロックの融合を可能にするために、比較的早い分解速度(例えば、約2日~約28日内での完全な分解)を有することが所望される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックを含む、バイオプリントされた多次元構造体が、必要な対象中への移殖の前に、シェルの分解、及び統合され且つ機能的な組織又は組織前駆体の形成を促進するために、インビトロで培養される。
【0062】
バイオブロックを含むバイオインク組成物、及びバイオインク組成物を用いての人工組織又は組織前駆体のバイオプリントを包含する、バイオブロック及びバイオインク組成物の使用法がさらに本発明に提供される。現在のバイオプリント技法に比較して、本明細書に記載される方法は、多次元コンストラクトにおける個々の細胞又は細胞群の配置における、より高度でカスタマイズ可能な精度を提供する。バイオプリントされたコンストラクトの精度は、適切な寸法、構造及び細胞組成を有するバイオブロックを用いることにより制御され得る。さらに、各バイオブロック内の細胞は、バイオブロックに含まれる細胞因子及びバイオポリマーに依存して、高度に調整された様式で調節され得、これが、複雑な組織又は器官内の異なった機能単位及び領域間の細かな制御を可能にする。バイオブロックの機械的に堅牢なポリマーシェル及びコア材料は、しばしばストレスの高いバイオプリント工程の間、高い細胞生存性を確保する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの機械的強度は、バイオプリントされた人工組織又は器官における足場(例えば、ヒドロゲルシート)又は基質の必要性を排除する。いくつかの実施形態によれば、バイオプリントされた多次元コンストラクトは、使用の前、インビトロで培養され得る。培養工程は、細胞を増殖させ、そしてバイオブロック内で及びそれを越えて細胞活性を受け、意図された細胞分布パターンを破壊することなく、多次元コンストラクトの細胞密度を有意に高めることができる。
【0063】
さらに、いくつかの実施形態によれば、本出願は、ポリマーシェル材料中の酸化アルギン酸塩の酸化レベルを制御することにより、シェルの分解速度の制御を可能にする、酸化されたアルギン酸塩を含むシェルを含むバイオブロックを提供する。ポリマーコア及び/又はポリマーシェル材料への酸化されたアルギン酸塩を用いることの技術的効果は、有意であり、且つ有益である。特に、アルギン酸ナトリウムは、天然の多糖類であり、これは、冷又は温水に溶解し、粘性の均質な溶液を形成することができる。カルシウム溶液と接触する場合、アルギン酸ナトリウム溶液は、構造体を形成するために沈着され得るアルギン酸カルシウムを形成することができる。従って、アルギン酸ナトリウムは、種々の細胞カプセル化研究に使用されて来た。しかしながら、アルギン酸カルシウムの分解速度は比較的遅いので、アルギン酸カルシウムを含むシェルにカプセル化された細胞は、アルギン酸カルシウムの分解速度とミスマッチする増殖速度を有し、これが、増殖された細胞のシェルへの浸透、及びシェルの外部の細胞との密接な相互作用の不良をもたらし、それにより、統合された組織の形成を阻害する。本出願の発明者は驚くべきことには、バイオブロックにおけるシェルの分解速度が、例えばポリマーシェル材料中に、適切な酸化レベルを有する酸化されたアルギン酸塩を含むことにより、調節され得、それにより、バイオブロック内の細胞の増殖速度と、シェルの分解速度とを一致させることができることを発見した。
【0064】
バイオブロック、並びにバイオブロックを含むか、又は本明細書に開示されるバイオブロック及びバイオインク組成物のバイオプリントにより調製された人工組織及び組織前駆体は、組織工学、インビトロ研究、幹細胞分化、インビボ研究、薬物スクリーニング、創薬、組織再生及び再生医療を包含する研究及び医学における種々の用途のために有用である。
【0065】
従って、いくつかの実施形態によれば、a)生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びにb)生分解性ポリマーシェル材料(例えば、酸化アルギン酸塩)を含むシェルをそれぞれ含む複数のバイオブロックを含むバイオインク組成物が提供される。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物はさらに、担体を含む。
【0066】
いくつかの実施形態によれば、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、バイオインク組成物をバイオプリントすることを含む、人工組織又は組織前駆体を調製するための方法が提供され、ここで前記バイオインク組成物は、a)生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びにb)生分解性ポリマーシェル材料(例えば、酸化アルギン酸塩)を含むシェルをそれぞれ含む複数のバイオブロックを含む。
【0067】
いくつかの実施形態によれば、a)生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びにb)生分解性ポリマーシェル材料(例えば、酸化アルギン酸塩)を含むシェルを含むバイオブロックが提供される。
【0068】
定義:
用語は、以下のように他に定義されない限り、当該技術分野において一般的に使用されるよう本明細書において使用される。
【0069】
本明細書において使用される場合、「バイオブロック(bio-block)」とは、多くの分野、例えばバイオプリント(例えば、3Dバイオプリント)、組織工学及び再生医学において使用され得る細胞ベースの基本的構築ブロックを言及する。特に、本出願のバイオブロックは、1又は2以上の細胞をそれぞれ含む1又は2以上のコア、及び少なくとも1つのコアをそれぞれ被覆する1又は2以上のシェルを含み、ここで1又は2以上のコア及び1又は2以上のシェルは、生分解性材料をそれぞれ(例えば、独立して)含む。バイオブロックの典型的なコア-シェル構造を示す概略図は、
図1B-1Fに示されている。
【0070】
本明細書において使用される場合、「MSCバイオブロック(MSC bio-block)」とは、1又は2以上の間葉系幹細胞(MSC)を含む少なくとも1つのコアを含むバイオブロックを言及する。「I型MSCバイオブロック(Type I MSC bio-block)」とは、1又は2以上のMSCの骨芽細胞又は骨組織への分化のために適切である微小環境(例えば、剤を含む)を有するMSCバイオブロックを言及する。「II型MSCバイオブロック(Type II MSC bio-block)」とは、1又は2以上のMSCの軟骨細胞又は軟骨組織への分化のために適切である微小環境(例えば、剤を含む)を有するMSCバイオブロックを言及する。「III型MSCバイオブロック(Type IIIMSC bio-block)」とは、1又は2以上のMSCの内皮細胞への分化のために適切である微小環境(例えば、剤を含む)を有するMSCバイオブロックを言及する。「IV型MSCバイオブロック(Type IVMSC bio-block)」とは、1又は2以上のMSCの平滑筋細胞への分化のために適切である微小環境(例えば、剤を含む)を有するMSCバイオブロックを言及する。
【0071】
本明細書において使用される場合、「バイオインク(bio-ink)」とは、バイオプリントのために適切な液体又はペースト組成物を言及し、ここで前記組成物は、1又は2以上のタイプのバイオブロックを含む。例えば、バイオインクは、バイオブロックを含む溶液、懸濁液、ゲル又は濃縮物であり得る。いくつかの実施形態によれば、バイオインクは、複数のバイオブロック及び担体、例えば細胞接着性担体を含む。バイオインクは、予定された寸法を有する平面及び/又はシート様構造を得るためにバイオプリントのために使用され得る。前記平面及び/又はシート様構造は、さらに、予定された形状及び構造を有する三次元コンストラクトを形成するために堆積される。バイオインク組成物中のバイオブロックにおける細胞は、バイオプリントの前、その間、及びその後、予想される生命活動に関与することができる。
【0072】
本明細書において使用される場合、「バイオプリント(bioprint)」とは、生物学的供給源(例えば、タンパク質、脂質、炭水化物、核酸、代謝物及び/又は小分子)由来の生物学的分子、細胞、亜細胞構造(例えば、オルガネラ、膜、等)、細胞群、亜細胞構造群、又は生物学的分子に関連する分子(例えば、合成生物学的分子、又は生物学的分子の合成類似体)を包含する、生物学的物質を含む材料を用いてのプリンティングを言及する。「プリンティング(printing)」とは、所定のパターン、設計又はスキームに従って材料を堆積する工程を言及する。本明細書に記載される「プリンティング」(例えば、バイオプリント)は、種々の方法、例えば、これらに限定されるものではないが、プリンター(例えば、3Dプリンター又はバイオプリンター)を用いるプリント、プリンターではなく自動又は非自動機械的工程を用いてのプリント、及び自動堆積(例えば、ピペットを用いての)によるプリントにより実施され得る。
【0073】
本明細書において使用される場合、「組織(tissue)とは、同じか又は類似する形態及び機能をそれぞれ有する1又は2以上の細胞群のアンサンブルを言及する。組織は典型的には、さらに、細胞間物質として知られている非細胞物質、例えば細胞外マトリクス及び繊維を含む。組織は、単一タイプの細胞又は複数タイプの細胞を含む。本明細書において使用される場合、「器官(organ)」とは、1又は2以上の特定の身体機能に役立つ1又は2以上の組織を含む構造単位を言及する。いくつかの実施形態によれば、器官は単一の組織から成る。いくつかの実施形態によれば、器官は複数の組織を含む。「人工組織(artificial tissue)」とは、生物内の天然の組織発生又は発育工程を通して形成されない組織を言及する。いくつかの実施形態によれば、人工組織は、人が作り出した組織、例えばバイオプリントされた組織である。「人工組織」及び「組織コンストラクト」は、本明細書においては、交換可能的に使用される。「組織前駆体(Tissue progenitor)」とは、培養、誘導又は他の操作に基づいて、特定の機能を実施できる組織を形成できる細胞のアンサンブルを言及する。いくつかの実施形態によれば、組織前駆体は、人が作り出した(すなわち、人工的な)組織前駆体である。いくつかの実施形態によれば、組織前駆体中の細胞は、お互い連結されていない。いくつかの実施形態によれば、組織前駆体中の細胞は、お互い部分的に連結されている。
【0074】
本明細書において使用される場合、「多次元コンストラクト(multi-dimensional construct)」とは、少なくとも一次元、及び典型的には、三次元以下の構造を言及する。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトは二次元構造である。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトは、三次元構造である。
【0075】
本明細書において使用される場合、「複合コンストラクト(composite construct)」とは、少なくとも2種のタイプの細胞、又はその前駆体を有する多次元コンストラクトを言及する。例えば、複合コンストラクトは、特定の分布パターンで配置され得る、複数細胞タイプの混合物を有することができる。他方では、複合コンストラクトは、分化のための複数タイプの微小環境下で単一タイプの前駆体細胞(例えば、幹細胞、例えばMSC)を有することができ、それにより、複合コンストラクトの培養が前駆体細胞由来の複数タイプの分化された細胞タイプを有する成熟複合コンストラクトを生成することができる。
【0076】
本明細書において使用される場合、「生分解性(biodegradable)」材料とは、細胞又は生物により分解され、そして/又は吸収され得る材料を言及し、そしてその分解材料は生体適合性である。生分解性材料は、天然源(例えば、動物又は植物)から得られ、天然に存在する材料から変性されるか、又は合成され得る。「生体適合性(Biocompatible)」材料は、非細胞毒性材料(その分解生成物を包含する)を言及する。生体適合性材料は、重大な又は重度の副作用を引き起こすことなく、宿主(例えば、ヒト)に移殖され得る。例えば、生体適合性材料は、宿主(例えば、ヒト組織)に細胞毒性効果を引き起こさず、又は免疫拒絶、アレルギー又は炎症を宿主に誘導しない。
【0077】
本明細書において使用される場合、「機械的保護(mechanical protection)」とは、例えばバイオブロックにおいて適切な硬度及び弾性率を有するシェルにより提供されるように、細胞に対する外部の機械的又は物理的損傷(例えば、3Dバイオプリント工程において発生する剪断力又は圧力による損傷)の低減又は回避を言及する。
【0078】
本明細書において使用される場合、「剤(agent)」とは、化学物質、分子、生化学物質又は薬物、例えば小分子化合物、ホルモン、ペプチド(例えば、オリゴペプチド又はタンパク質)、核酸(例えば、オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、又は化学的に修飾された核酸)、又は同様のもの(但し、それらだけには限定されない)を言及し、それらは細胞活性、機能、及び/又は挙動性に影響を及ぼし得る。剤は、天然源から誘導され、組換え法を用いて生成されるか、又は化学的に合成され得る。剤は、バイオブロックにおける細胞により分泌されるか、又は生成される因子又は分子と同じ分子同一性を有することができるが、しかし本明細書に記載される剤は、バイオブロックにおける細胞以外の外因性供給源から得られる。
【0079】
本明細書において使用される場合、「細胞因子(cell factor)」とは細胞内の又は細胞間のシグナル伝達を媒介する剤を言及する。細胞因子は、細胞の増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を維持し、促進し、改善し又は調節することができる。
【0080】
本明細書において使用される場合、「刺激(stimulus)」とは、細胞活性、機能及び/又は挙動性に対して効果を有することができる、化学因子(例えば、剤、酸、塩基、酸素濃度、等)、又は物理的因子(例えば、温度、光、機械力、等)を言及する。
【0081】
本明細書において使用される場合、「対象(subject)」とは、動物、例えば脊椎動物を言及する。いくつかの実施形態によれば、対象は哺乳類、例えばヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、齧歯類又は霊長類を包含するが、但しそれらだけには限定されない。いくつかの実施形態によれば、対象はヒトである。「患者(patient)」、「対象」及び「個人(individual)」とは、本明細書においては、交換可能的に使用される。
【0082】
本明細書において使用される場合、三次元構築物(例えば、バイオブロック、三次元コンストラクト、人工組織又は組織前駆体)の「長さ」は、構築物の本体内の最も長い線として定義される。三次元構築物の「幅(width)」とは、長さに直交する構築物の本体の最長線として定義される。三次元構築物の「厚さ(thickness)」とは、長さ及び幅の両者に対して直交する構築物の本体の最長線として定義され、ここで厚さは幅より短いか又は同等である。球体の構築物の場合、構築物の長さ、幅及び厚さは、直径に等しい。構築物の長さの方向は、「X軸」として定義され、構築物の幅の方向は、「Y軸」として定義され、そして構築物の厚さの方向は、「Z軸」として定義される。
【0083】
特にことわらない限り、本明細書で使用される「%」は、重量/重量(すなわち、w/w)を言及する。
【0084】
特にことわらない限り、本明細書で使用される「比率」は、重量/重量(すなわち、w/w)比率を言及する。
【0085】
本明細書に記載される本発明の側面及び実施形態は、側面及び実施形態から「成り」、そして/又は「実質的に成る」ことを包含することは理解されている。
【0086】
本明細書における値又はパラメーターの「約」への言及は、その値又はパラメーター自体に向けられる変動を包含し(そして記載する)。例えば、「約X」に関する記載は、「X」の記載を包含する。
【0087】
本明細書において使用される場合、値又はパラメーターの「ない(not)」への言及は、一般的に、値又はパラメーター「以外(other than)」を意味し、そして記載する。例えば、この方法は、タイプXの癌を治療するために使用されないことは、この方法がX以外のタイプの癌を治療するために使用されることを意味する。
【0088】
本明細書において使用される用語「約X-Y」は、「約X~約Y」と同じ意味を有する。
【0089】
本明細書及び付随する請求項に使用される場合、単数形「a」、「or」及び「the」は、特に断らない限り、複数の支持対象を含む。
【0090】
バイオブロック:
本発明は、所定のパターンの多次元コンストラクト、組織前駆体、及び究極的には人工組織を製造するために有用なバイオブロックを提供する。
【0091】
1つの側面によれば、本出願は、生分解性コア材料(例えば、ポリマー材料)及び細胞を含むコア、並びに生分解性シェル材料(例えば、ポリマー材料)を含むシェルを含む、バイオブロックを提供する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み;(2)シェルは約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞~約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞~約50個の細胞、又は約100個の細胞~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0092】
いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)コアはゲル状態にあり;(2)シェルはコアに対して機械的保護を提供し;(3)コアはさらに、細胞増殖、分化、移動、代謝又は分泌を調節する(例えば、促進する)剤を含み;(4)生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲン及びアルギン酸塩の混合物を含み;(5)シェルは1又は2以上の微細孔を含み;そして(6)生分解性ポリマーシェル材料はアルギン酸塩を含む(例えば、アルギン酸塩、ゼラチン及びエラスチンを含む)。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックのサイズは、約30μm~約800μmである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、天然に存在するポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、コアは約1個の細胞~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、シェルは、約0.1μm~約50μm、例えば約1μm~約20μmの厚さを有する。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、天然に存在するポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、カルシウムを含む。
【0093】
本明細書に記載されるバイオブロックの実施形態は、以下の1又は2以上の技術的利点(但し、それらだけには限定されない)を有することができる:
【0094】
(1)コアは、標準化された、制御可能なバイオプリント材料として適切である、制御能な数、タイプ及び比率の細胞を含み;
【0095】
(2)コア及び/又はシェルにおける、生分解性ポリマー材料及び剤(例えば、細胞因子)は、細胞の活性及び機能を調節するために特定の微小環境(例えば、細胞増殖及び分化のための増殖因子及び栄養素、細胞増殖及び分化のための空間、細胞の生物学的機能を促進するための物理的因子及び機械的刺激、幹細胞分化に協力するか又は調節するためのフィーダー細胞等)を提供し;
【0096】
(3)バイオブロックのコア-シェル構造は、バイオブロックにおける細胞生存及び増殖のための機械的保護及び安定した物理的空間を提供するために、バイオブロックの適切な硬度、機械的強度及び弾性率の所有を可能にし;
【0097】
(4)バイオブロックは、(例えばバイオプリントにより)その構築された多次元構造における正確な細胞分布を可能にする。特に、異なった構造、異なったタイプの細胞、異なったタイプの細胞因子、及び/又は異なった生分解性ポリマー材料を有することができる異なったタイプのバイオブロックは、必要に応じて調製され得る。次に、異なったタイプのバイオブロックが、バイオプリントに使用され、そして任意には、正確な細胞分布パターンを有する人工組織を得るために、予定された細胞分布パターンを乱すことなく、増殖のために培養され;
【0098】
(5)細胞は、増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進するためにバイオブロックにおいて補充される1又は2以上の細胞因子又は医薬的活性剤を用いて調節され得;
【0099】
(6)シェルは、生分解性ポリマーシェル材料に酸化されたアルギン酸塩を含むことにより、分解性であり、そしてシェルの分解速度は、バイオブロック中の細胞の増殖速度に一致させるために、制御され得る(例えば、酸化されたアルギン酸塩の適切な酸化レベルを選択することによる)。
【0100】
従って、いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0101】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0102】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0103】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0104】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0105】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0106】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0107】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、そして前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば約1μm~約20μm)の厚さを有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0108】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、そして前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有する。いくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーコア材料は、天然に存在するポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、前記コアは、約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料は、天然に存在するポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料は、架橋される(例えば、二価イオン、例えばCa2+による)。いくつかの実施形態によれば、前記バイオブロックは、1又は2以上の微細孔を含む。前記生分解性ポリマーシェル材料は、前記バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。
【0109】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、そして前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0110】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、そして前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0111】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0112】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、そして前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0113】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、そして前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0114】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、そして前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0115】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0116】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、そして前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0117】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、そして前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0118】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0119】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、そして前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0120】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0121】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含み、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0122】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、そして前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0123】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、そして前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0124】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、そして前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0125】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0126】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、そして前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0127】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、そして前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0128】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0129】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、そして前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0130】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0131】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含み、そして前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0132】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、そして前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0133】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、そして前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0134】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0135】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、そして前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0136】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0137】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含み、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0138】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、そして前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0139】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0140】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含み、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0141】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含み、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0142】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含み、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0143】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含み、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0144】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0145】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、そして前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0146】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含み、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0147】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含み、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0148】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0149】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、そして前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0150】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含み、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0151】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0152】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、そして前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0153】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0154】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、そして前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0155】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、そして前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0156】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、そして前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0157】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0158】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含み、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0159】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含み、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0160】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含み、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0161】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含み、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0162】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含み、そして前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア、及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0163】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びに生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%~約40%の酸化レベル、及び/又は少なくとも約5重量%を有する)を含み、前記シェルは、約0.1μm~約50μm(例えば、約1μm~約20μm)の厚さを有し、前記シェルは、約0.01MPa~約100MPaの弾性率を有し、前記シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含み、前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含み、バイオブロックの長さは約30μm~約2mmであり、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1以下の何れか)であり、コアは約1~約5000個の細胞(例えば、約2~約50個の細胞、又は約100~約5000個の細胞)を含み、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含み、バイオブロックは、約0.01GPa~約0.4GPaの硬度を有する。
【0164】
バイオブロックの多くの性質は、異なった多次元コンストラクト及び細胞分布パターンを有する人工組織を構築する場合、異なったニーズを満たすようにカスタマイズされ得る。本明細書に記載されるようなバイオブロックの1つの成分(例えば、細胞、生分解性材料、剤、コア、シェル、等)の性質(例えば、組成、比率、物理的及び化学的性質、等)の何れかが、個々の及びあらゆる組合せが個々に記載されているかのように、本明細書に記載されるようなバイオブロックの別の成分の性質の何れかと組合され得ることが意図される。下記性質及び成分の記載は、バイオブロックの各コア及びシェル、又はそのサブコンポーネント(例えば、細胞)に適用される。
【0165】
構造:
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、及び生分解性シェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供される。いくつかの実施形態によれば、コアは、生分解性ポリマーコア材料に埋包された細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、コアは、生分解性ポリマーコア材料により閉じ込められた細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、細胞はコア内に均等に分布されている。いくつかの実施形態によれば、細胞は、コア内の中心又は別の位置で凝集されている。いくつかの実施形態によれば、細胞はコアに固定されている。いくつかの実施形態によれば、細胞は、コア内を自由に拡散できる。いくつかの実施形態によれば、シェルはコアに対して機械的保護を提供する。
図1Aは、バイオブロックの典型的な実施形態の模範図を示し、ここでバイオブロックのシェルは、少なくとも1つの細胞を含む、内部コアを取り囲み、そして機械的に保護する、バイオブロックの外層である。
【0166】
いくつかの実施形態によれば、コア及びシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記コアは細胞を含み、そしてシェルはコアを被覆する。「被覆(coat)」又は「被覆する(coating)」とは、2つの隣接する構造層の構造的関係を言及し、ここで、外側の構造層は、内部構造層を、覆い、包囲し、包み込むか、又は埋め込む(すなわち、被覆する)。いくつかの実施形態によれば、シェルは細胞を含まない。いくつかの実施形態によれば、コアは、生分解性コア材料を含む。いくつかの実施形態によれば、シェルは、生分解性シェル材料を含む。いくつかの実施形態によれば、生物分解コア材料、及び生分解性シェル材料は同一である。いくつかの実施形態によれば、生分解性コア材料及び生分解性シェル材料は異なる。
【0167】
バイオブロックは、任意の数のコア(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の何れか1つ)、及び任意の数のシェル(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の何れか1つ)の組合せを有することができる。本発明のバイオブロックは、種々の構造、例えば
図1B-1Fに示される構造(但し、それらだけには限定されない)を採用することができる。典型的には、バイオブロックの最も内部の構造層はコアであり、そしてバイオブロックの最も外部の構造層はシェルである。各コアは、シェル又は第2コアにより被覆され得る(例えば、囲まれ、取り込まれるか、又は埋め込まれる)。シェルは、第2シェル又はコアにより被覆され得(例えば、囲まれ、取り込まれるか、又は埋め込まれる)、又はシェルはバイオブロックの最も外部の構造層であり得る。バイオブロックは、すべてがコアであるか、又はすべてがシェルである、連続構造層を含み得る。バイオブロックはまた、交互の構造層を含むこともでき、ここでコア及びシェルは、少なくとも3つの連続構造層、例えばコア-シェル-コア又はシェル-コア-シェルの順序で交互になる。バイオブロックはまた、連続構造層及び交互の構造層の組合せも含むことができる。いくつかの実施形態によれば、シェルは複数のコアを被覆する。
【0168】
いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、単一のコア及び単一のシェルから成る(例えば、実質的に成る)。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、単一のコアを被覆する単一のシェルから成る(例えば、実質的に成る)。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、
図1Bに示されるような構造を有する。
【0169】
いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つ(例えば、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の何れか)コアを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、単一のコア及び少なくとも2つ(例えば、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の何れか)シェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは単一のコア及び少なくとも2つ(例えば、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の何れか)のシェルを含み、ここで前記単一のコアはバイオブロックの最も内部の構造層である。いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つのシェルは、お互いに連続している。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、第1シェル、第2シェル及び単一のコアを含み、ここで前記第1シェルは単一のコアを被覆し、そして第2シェルは第1シェルを被覆する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、
図1Cに示されるような構造を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つ(例えば、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の何れか)のコア及び単一のシェルを含み、ここで前記単一のシェルはバイオブロックの最も外部の構造層である。いくつかの実施形態によれば、前記少なくとも2つのコアは、お互い連続している。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、第1コア、第2コア及び単一のシェルを含み、ここで前記第2コアは、第1コアを被覆し、そして前記単一のシェルは第2コアを被覆する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、
図1Dに示されるような構造を有する。
【0170】
いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つ(例えば、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の何れか)のコア及び少なくとも2つの(例えば、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の何れか)シェルを含む。いくつかの実施形態によれば、前記少なくとも2つのコアは、少なくとも2つのシェルに対してバイオブロックの内側に存在する。いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つのコアは、お互いに対して連続的であり、そして前記少なくとも2つのシェルは、お互いに対して連続的である。例えば、いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、第1コア、第2コア、第1シェル及び第2シェルを含み、ここで前記第2コアは第1コアを被覆し、前記第1シェルは第2コアを被覆し、そして第2シェルは第1シェルを被覆する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは
図1Eに示されるような構造を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは交互のコア-シェル構造を有する。例えば、いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、第1コア、第2コア、第1シェル及び第2シェルを含み、ここで前記第1シェルは第1コアを被覆し、第2コアは第1シェルを被覆し、そして第2シェルは第2コアを被覆する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは
図1Fに示されるような構造を有する。
【0171】
いくつかの実施形態によれば、各コアは独立して、細胞又は複数の細胞を閉じ込めるか、又は埋め込む。例えば、バイオブロックが2つのコアを有する場合、両コアは同じ細胞又は複数の細胞を閉じ込めるか又は埋め込めるか、あるいは各コアは異なった細胞又は細胞組成物を含み得る。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックが3個のコアを有する場合、すべての3個のコアは、同じ細胞又は複数の細胞を含むか;又は3個のコアの個々は、異なった細胞又は複数の細胞を含むか;又は3個のコアの2つは同じ細胞又は複数の細胞を含み;そして第3コアは異なった細胞又は複数の細胞を含むことができる。
【0172】
バイオブロックは、任意の適切な形状のものであり得る。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、球形、立体、長方形プリズム、六角形プリズム、円柱形、又は不規則な形状である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは球形である。所定の組織の特定の必要性に合わせて異なった形状を選択することができる。例えば、いくつかの形状(例えば、球形、立体又は六角形プリズム)が、組織コンストラクトにおけるバイオブロックの緊密な充填を可能にすることができる。いくつかの形状(例えば、不規則形状)が、組織又は組織前駆体における特定の構造特徴の構成を可能にすることができる。
【0173】
バイオブロックの寸法は、人工組織内の細胞分布における所望する精度に従って前もって決定され得る。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、少なくとも約20、30、50、100、120、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1500、又は2000μmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約20-30、30-50、50-100、100-150、150-200、200-250、250-300、300-350、350-400、400-450、450-500、500-600、600-700、700-800、800-900、900-1000、1000-1500、1500-2000、20-50、20-100、100-200、200-400、500-600、600-800、800-1000、1000-2000、20-100、100-500、100-800、500-1000、300-800、30-50、30-200、30-500、30-800、30-1000、30-2000、又は20-2000μmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの幅は、少なくとも約20、30、50、100、120、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1500、又は2000μmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの幅は、約20-30、30-50、50-100、100-150、150-200、200-250、250-300、300-350、350-400、400-450、450-500、500-600、600-700、700-800、800-900、900-1000、1000-1500、1500-2000、20-50、20-100、100-200、200-400、500-600、600-800、800-1000、1000-2000、20-100、100-500、100-800、500-1000、300-800、30-50、30-200、30-500、30-800、30-1000、30-2000、又は20-2000μmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの厚さは、少なくとも約20、30、50、100、120、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1500、又は2000μmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの厚さは、約20-30、30-50、50-100、100-150、150-200、200-250、250-300、300-350、350-400、400-450、450-500、500-600、600-700、700-800、800-900、900-1000、1000-1500、1500-2000、20-50、20-100、100-200、200-400、500-600、600-800、800-1000、1000-2000、20-100、100-500、100-800、500-1000、300-800、30-50、30-200、30-500、30-800、30-1000、30-2000、又は20-2000μmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:幅の比は、約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1.5:1又は1:1以下の何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:幅の比は、約1:1-約1.5:1、約 1:1-約2:1、約 1:1-約3:1、約 1:1 -約 4:1、約 1:1-約 5:1、約 1:1-約 6:1、約 1:1- 約 7:1、約 1:1-約 8:1、約 1:1 -約 9:1、又は約 1:1 -約 10:1の何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約100:1、90:1、 80:1、 70:1、 60:1、 50:1、 40:1、 30:1、 20:1、 10:1、 9:1、 8:1、 7:1、 6:1、 5:1、 4:1、 3:1、 2:1又は1:1以下の何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約 1:1 - 約 2:1、約 1:1 - 約 3:1、約 1:1 - 約 4:1、約 1:1 - 約 5:1、約 1:1 - 約 10:1、約 1:1 - 約 20:1、約 - 約 50:1又は約 1:1 - 約 100:1の何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、バイオブロックの幅に等しい。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの幅は、バイオブロックの厚さに等しい。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは繊維ではない。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、シートではない。
【0174】
本明細書において使用される場合、球状バイオブロックの「サイズ(size)」は、球状バイオブロックの直径である。厳密な幾何学的定義での用語「直径(diameter)」とは、非球状バイオブロックには適用されない。しかしながら、体積ベースの粒径は、非球状バイオブロックのサイズを定量的に定義するために使用され得る、所定の非球状バイオブロックと同じ体積を有する球体の直径として定義され得る。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックのサイズ(球体バイオブロックの直径又は非球状バイオブロックの体積ベースの粒径)は、少なくとも約20、30、50、100、120、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1500、又は2000μmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックのサイズ(すなわち、球状バイオブロックの直径、又は非球状バイオブロックの体積ベースの粒径)は、20-30、30-50、50-100、100-150、150-200、200-250、250-300、300-350、350-400、400-450、450-500、500-600、600-700、700-800、800-900、900-1000、1000-1500、1500-2000、20-50、20-100、100-200、200-400、500-600、600-800、800-1000、1000-2000、20-100、100-500、100-800、500-1000、300-800、30-50、30-200、30-500、30-800、30-1000、30-2000、又は20-2000μmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックのサイズ(すなわち、球状バイオブロックの直径、又は非球状バイオブロックの体積ベースの粒径)は、例えば20-100、100-500、500-1000又は1000-2000μmの何れかを包含する、約20μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックのサイズ(すなわち、球状バイオブロックの直径、又は非球状バイオブロックの体積ベースの粒径)は、例えば30-100、100-200又は200-800μmの何れを包含する、約30μm-約800μmである。
【0175】
本明細書に記載されるバイオブロックは、マイクロ球体及びマイクロカプセルを製造するために当該技術分野において知られているそれらの方法を包含する種々の方法を用いて、例えば実施例1に記載されるようなカプセル化装置を用いて調製され得る。バイオブロックの形状、直径及びサイズは、カプセル化装置を用いての調製工程の間、正確に制御され得る。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、滅菌条件下で調製される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、GMPワークショップにおいて調製される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、使用の前、新しく調製される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、使用の前、少なくとも約3時間、6時間、12時間、1日、2日又は3日の何れかの間、冷蔵条件(例えば、約4℃)下で貯蔵され得る。
【0176】
生分解性ポリマー材料:
いくつかの実施形態によれば、シェルは、単一材料層から成る。いくつかの実施形態によれば、シェルは、2つ以上の材料層を含む。いくつかの実施形態によれば、コアは、単一材料層に閉じ込められた又は埋め込まれた少なくとも1つ細胞から成る。いくつかの実施形態によれば、コアは、2つ以上の材料層を含む。いくつかの実施形態によれば、
図1Aに示されるバイオブロックにおいては、コアは、生分解性ポリマーコア材料を含む細胞封入又は細胞包埋材料層を含む。いくつかの実施形態によれば、コアは、コアの細胞封入又は細胞包埋材料層とシェルとの間に配置される少なくとも1つの追加の材料層を含む。いくつかの実施形態によれば、コアの少なくとも1つの追加の材料層がコアを封入し、そしてコアにさらなる機械的保護を提供する。いくつかの実施形態によれば、シェル及びコア中の材料層は、細胞が拡散し、成長し、増殖し、結合し(又は付着し)、分化し、代謝し、分泌し、そして/又は移動するために予定の体積及び構造を有する空間を維持する。
【0177】
バイオブロック中のシェル及びコア、例えば何れかの材料層又はその材料層の組合せ、並びに、複数のシェルを含むバイオブロック中の各シェル、及び複数のコアを含むバイオブロック中の各コアは、生分解性材料(例えば、生分解性ポリマー)又は組成物を、独立して含む。例えば、バイオブロックが2つのコアを有する場合、両コアは、同じ生分解性材料及び組成物を含むことができ、又は各コアは異なった生分解性材料又は組成物を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックが3つのコアを有する場合、すべての3つのコアは、同じ生分解性材料又は組成物を含むことができるか;又は3つのコアの個々は、異なった生分解性材料又は組成物を含むか;又は3つのコアの2つは同じ生分解性材料又は組成物を含み、そして第3コアは異なった生分解性材料又は組成物を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中の各コアは、異なった組成物を含む。
【0178】
生分解性コア材料は、コア中の細胞から独立して選択され得る。従って、バイオブロック中の異なったコアは、(1)同じ生分解性材料又は組成物、及び同じ細胞又は細胞組成物を含み;(2)同じ生分解性材料又は組成物、但し異なった細胞又は細胞組成物を含み;(3)異なった生分解性材料又は組成物、及び異なった細胞又は細胞組成物を含み得る。好ましい実施形態によれば、適切な生分解性コア材料は、細胞の成長、増殖、分化、移動及び/又は分泌のための最適条件を提供するコアを調製するために選択される。
【0179】
生分解性ポリマー(例えば、生分解性ポリマーシェル材料、又は生分解性ポリマーコア材料)及びそれらの分解生成物は、非毒性であり、且つバイオブロックにおける細胞と適合性である。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマー(例えば、生分解性ポリマーシェル材料又は生分解性ポリマーコア材料)及びそれらの分解生成物は、非免疫原性である。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマー(例えば、生分解性ポリマーシェル材料又は生分解性ポリマーコア材料)は、酵素、例えば細胞から分泌される酵素(例えば、トリプシン)により分解できる。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーは、約28日以下で完全に分解される。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーは、約21、14、12、10、9、8、7、6、5、4、3、又は2日以下以内に完全に分解される。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーは、約2-5、2-6、2-8、2-10、2-12、又は2-14日以下以内に完全に分解される。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマー(例えば、生分解性ポリマーシェル材料又は生分解性ポリマーコア材料)の分解生成物は、細胞に栄養素を提供する。
【0180】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア及び/又はシェル材料の分解速度は、バイオブロックの実際の適用に従って、種々の方法の何れか1つ又は何れかの組合せを用いて、前もって決定される。例えば、異なったバイオポリマーは、異なった分解速度を有する。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア及び/又はシェル材料の所望する全体的分解速度を達成するために、既知分解速度の特定の生分解性ポリマー、又は予定された重量比で混合された特定の生分解性ポリマーを含む組成物が使用される。いくつかの実施形態によれば、遅い分解速度を有する(例えば、約1日、3日、1週、2週、3週、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月又は1年よりも長い分解半減期を有する)生分解性ポリマーの低い%(例えば、約0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、20又は25%未満)が、早い全体的分解速度(例えば、約1時間、5時間、10時間、1日、3日、1週、2週、3週、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、又は1年よりも短い半減期を有する)を達成するために、生分解性ポリマーコア及び/又はシェル材料に使用される。いくつかの実施形態によれば、遅い分解速度を有する(例えば、約1日、3日、1週、2週、3週、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月又は1年よりも長い分解半減期を有する)生分解性ポリマーの高い%(例えば、約0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、20又は25%超)が、遅い全体的分解速度(例えば、約1時間、5時間、10時間、1日、3日、1週、2週、3週、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、又は1年よりも長い半減期を有する)を達成するために、生分解性ポリマーコア及び/又はシェル材料に使用される。生分解性ポリマーの分解速度は典型的には、その(平均)分子量に依存する。いくつかの実施形態によれば、早い分解速度を達成するために、生分解性ポリマーの低分子量(例えば、500Da、1KDa、2kDa、5kDa又は10kDa未満の何れか)種が、生分解性ポリマーコア及び/又はシェル材料に使用される。いくつかの実施形態によれば、遅い分解速度を達成するために、生分解性ポリマーの高分子量(例えば、5kDa、10kDa、20kDa、50kDa、100kDa、200kDa、500kDa、1000kDaの何れか超又はそれ以上)種が、生分解性ポリマーコア及び/又はシェル材料に使用される。生分解性ポリマーコア及び/又はシェル材料の分解速度を制御する追加の典型的な方法は、バイオブロックのための特定のパラメーター(例えば、細胞封入又は細胞包埋層の数、シェル上の微細孔の数、空間及び密度、シェルの表面積、等)の採用、及び生分解性ポリマーの調製工程(例えば、重合法、コポリマーの比率、ポリマーの架橋、等)の操作を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0181】
多くの生分解性材料は、公知であり、そしてそれらの分解性質が研究されて来た。例えば、Alexander D. Augst, Hyun Joon Kong, David J. Mooney, “Alginate Hydrogels as biomaterial,” Macromol. Biosci. 2006, 623-633を参照のこと。適切な生分解性材料は、実際のニーズに基づいてシェルを調製するために選択され得る。
【0182】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマー(例えば、生分解性ポリマーシェル材料又は生分解性ポリマーコア材料)は、生体適合性であり、そして天然に存在するポリマー、合成ポリマー、組換えポリマー、及びそれらの組合せから成る選択される。
【0183】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマー(例えば、生分解性ポリマーシェル材料又は生分解性ポリマーコア材料)は、天然に存在するポリマー、例えば動物(例えば、ヒト)及び/又は植物由来のバイオポリマー、又はそれらの誘導体を含む。天然に存在するポリマーは、すべてのタイプの細胞と卓越した適合性プロフィールを有し、生物学的に合理的なタイムスケールに基づいてほとんど常に生分解性であり、そしてそれらの分解生成物は非毒性である。天然に存在するポリマーの誘導体は、その天然に存在するポリマーの化学的及び/又は物理的性質を変更するために化学的及び/又は物理的方法を用いて、天然に存在するポリマーの修飾により得られる、修飾された天然に存在するポリマーを包含する。いくつかの実施形態によれば、天然に存在するポリマーの主鎖又は側鎖における原子、官能基又は相互作用は、修飾された天然に存在する生分解性ポリマー材料を得るために化学的に修飾され得る。例えば、アルギン酸ナトリウムは、修飾されたアルギン酸ナトリウム、すなわち酸化されたアルギン酸ナトリウムを得るために酸化され得る。
【0184】
本明細書において意図される天然に存在するポリマー及び誘導体は、コラーゲン(例えば、I型コラーゲン、II型コラーゲン又はIII型コラーゲン)、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩、酸化アルギン酸塩、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、エラスチン及びそれらの組み合わせを包含するが、但しそれらだけには限定されない。天然に存在するポリマーはまた、それらだけには限定されないが、上記天然に存在するポリマーの何れかの塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、及びバリウム塩を包含する。
【0185】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマー(例えば、生分解性ポリマーシェル材料又は生分解性ポリマーコア材料)は、合成生分解性ポリマーを含む。本明細書において意図される合成ポリマーは、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:ポリホスファゼン(polypohosphazene)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリレートコポリマー(例えば、アクリル酸とポリメタクリル酸とのコポリマー)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ -(ラクチド-コグリコリド酸)(PLGA)、ポリオルトエステル(POE)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシレート(PHB)、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、分解性ポリウレタン、それらのコポリマー、及びそれらの組み合わせ。合成ポリマーはまた、上記何れかの合成ポリマーの塩も包含する。
【0186】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマー(例えば、生分解性ポリマーシェル材料又は生分解性ポリマーコア材料)は、天然に存在するポリマー及び合成ポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、天然に存在するポリマー及び合成ポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、天然に存在するポリマー及び合成ポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、天然に存在するポリマー及び合成ポリマーを含む。
【0187】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料及び生分解性ポリマーコア材料は、異なった生分解性ポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料及び生分解性ポリマーコア材料は、異なった重量割合での同じ生分解性ポリマーを含む。例えば、いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、約2%以下(例えば、約1.5%)のアルギン酸ナトリウムを含み、そして生分解性ポリマーシェル材料は、約4%超(例えば、約5%)のアルギン酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態によれば、シェル内の異なった材料層は、異なった生分解性ポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、コア内の異なった材料層は、異なった生分解性ポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、シェル内の異なった材料層は、異なった比率で同じ生分解性ポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、コア内の異なった材料層は、異なった比率で同じ生分解性ポリマーを含む。
【0188】
生分解性ポリマーの化学的及び物理的性質に依存して、コア、シェル及び/又はバイオブロックは、固体又は半固体状態下にあることができる。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、ゲル状態下にある。いくつかの実施形態によれば、コアはゲル状態下にある。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、ヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態によれば、ヒドロゲルは、アルギン酸塩、酸化アルギン酸塩、アガロース、ゼラチン、キトサン、又は水溶性又は親水性ポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、ヒドロゲルは、合成親水性ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリアクリル酸又はそれらの誘導体(例えば、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、又はポリ-N-置換-アクリルアミド)を含む。
【0189】
酸化されたアルギン酸塩
アルギン酸塩は、コア及び/又はシェルへの使用のための適切な生分解性ポリマー材料である。アルギン酸は、天然に存在する多糖類であり、β-1,4-D-マンヌロン酸(Mユニット)及びα-1,4-L-グルロン酸(Gユニット)のランダムブロックコポリマーを含む。典型的には、アルギン酸のMユニット及びGユニットは、ブロックコポリマーを形成するために、M-M、G-G又はM-Gの組合せにおける1,4-グルコシド結合を介して結合される。天然に存在するアルギン酸は、約4kDa-1500kDaの典型的な分子量を有する実験式(C6H8O6)nを有する。アルギン酸は褐藻から抽出することができる。アルギン酸塩は、アルギン酸由来の塩、例えばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ストロチウム及びアルギン酸バリウムであるが、但しそれらだけには限定されない。本明細書において使用される場合、用語「G/M値」とは、アルギン酸塩又は酸化されたアルギン酸塩内のα-1,4-L-グルロン酸(G2ユニット)及びβ-1,4-D-マンヌロン酸(Mユニット)のモル比を言及する。
【0190】
酸化されたアルギン酸塩は、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)の酸化反応の生成物である。典型的には、酸化反応は、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)におけるウロン酸ユニットの一部のヒドロキシル基を、アルデヒド基に転換する。本出願の発明者らは、驚くべきことには、酸化されたアルギン酸塩(例えば、酸化されたアルギン酸ナトリウム及び/又は酸化されたアルギン酸カルシウム)がコア及び/又はシェルに使用され得、そしてコア及び/又はシェルの分解速度が、コア及び/又はシェルにおける適切な酸化レベルの酸化されたアルギン酸塩を含むことにより調節され得ることを発見した。本明細書において使用される場合、「酸化レベル(oxidation level)」とは、アルギン酸又はアルギン酸塩における全ウロン酸ユニット間の酸化されたウロン酸ユニットのモル%を言及する。アルギン酸塩又は酸化されたアルギン酸塩を含むコア又はシェルの分解速度はさらに、アルギン酸塩又は酸化されたアルギン酸塩の分子量及び相対的量、並びにバイオブロック中の細胞数に依存する。
【0191】
いくつかの実施形態によれば、約1%-約40%の酸化レベルを有する酸化されたアルギン酸塩を含むシェルを、それぞれ含む複数のバイオブロックの分解速度を評価し、そして所望する分解速度を生む酸化レベルを有する酸化されたアルギン酸塩を含むシェルを含むバイオブロックを調製することを包含する、バイオブロックの分解速度を制御する方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、前記方法はさらに、約1%-約25%の複数のバイオブロックにおける生分解性ポリマーシェル材料における酸化されたアルギン酸塩の相対量を変えることを包含する。いくつかの実施形態によれば、前記方法はさらに、約4kDa-約1500kDaの複数のバイオブロックにおける酸化されたアルギン酸塩の分子量を変えることを包含する。いくつかの実施形態によれば、前記方法はさらに、複数のバイオブロックにおける細胞の数を変えることを包含する。
【0192】
バイオブロックへの使用のために適切なアルギン酸塩及び酸化されたアルギン酸塩は、約4kDa-約1500kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックにおけるアルギン酸塩又は酸化されたアルギン酸塩の分子量は、約4-10kDa、10-20kDa、20-30kDa、30-40kDa、40-50kDa、50-60kDa、60-70kDa、70-80kDa、80-90kDa、90-100kDa、100-200kDa、200-300kDa、300-400kDa、400-500kDa、500-600kDa、700-800kDa、800-900kDa、900-1000kDa、1100-1200kDa、1200-1300kDa、1300-1400kDa、又は1400-1500kDaの何れかである。いくつかの実施形態によれば、アルギン酸塩又は酸化されたアルギン酸塩の分子量は、約32kDa-約250kDaである。いくつかの実施形態によれば、アルギン酸塩又は酸化されたアルギン酸塩は、水溶性である。
【0193】
バイオブロックへの使用のために適切なアルギン酸塩及び酸化されたアルギン酸塩は、約0.2-約5のG/M値を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックにおけるアルギン酸塩又は酸化されたアルギン酸塩のG/M値は、約0.2-0.3、 0.3-0.4、 0.4-0.5、 0.5-0.6、 0.6-0.7、 0.7-0.8、 0.8-0.9、 0.9-1.0、 1.0-1.5、 1.5-2.0、 2.0-2.5、 2.5-3.0、 3.0-3.5、 3.5-4.0、 4.0-4.5又は4.5-5.0の何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中のアルギン酸塩又は酸化されたアルギン酸塩のG/M値は、約0.2-2.5である。
【0194】
いくつかの実施形態によれば、アルギン酸塩又は酸化されたアルギン酸塩は、約100-3000mPa・sの粘度を有する。いくつかの実施形態によれば、アルギン酸塩又は酸化されたアルギン酸塩は、約100-200、 200-300、 300-400、 400-500、 500-600、 600-700、 700-800、 800-900、 900-1000、 1000-1100、 1100-1200、 1200-1300、 1300-1400、 1400-1500、 1500-1600、 1600-1700、 1700-1800、 1800-1900、 1900-2000、 2000-2100、 2100-2200、 2200-2300、 2300-2400、 2400-2500、 2500-2600、 2600-2700、 2700-2800、 2800-2900、又は2900-3000 mPa・sの何れかの粘度を有する。いくつかの実施形態によればアルギン酸塩又は酸化されたアルギン酸塩は、約200-2000mPa・sの粘度を有する。
【0195】
バイオブロックへの使用のための酸化されたアルギン酸塩の適切な酸化レベルは、約1%-約40%である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックにおける酸化されたアルギン酸塩の酸化レベルは、約1-2%、 2-3%、 3-4%、 4-5%、 5-6%、 6-7%、 7-8%、 8-9%、 9-10%、 11-12%、 12-13%、 13-14%、 14-15%、 15-16%、 16-17%、 17-18%、 18-19%、 19-20%、 20-25%、 25-30%、 30-35%、 又は35-40%の何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中の酸化されたアルギン酸塩の酸化レベルは、約2.5%-4.4%、4.4%-8.8%、8.8-17.6%又は17.6%-22%の何れか1つである。
【0196】
酸化されたアルギン酸塩は、アルギン酸塩の酸化反応から、例えば過ヨウ素酸ナトリウム又は当該技術分野において知られている他の酸化剤とアルギン酸塩とを反応せしめることにより得られる。いくつかの実施形態によれば、酸化されたアルギン酸塩は、藻類、例えば褐藻類、例えばケルプ及びサルガッセム(Sargassum)から得られたアルギン酸塩の酸化反応から得られる。
【0197】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマー材料(例えば、生分解性ポリマーシェル材料又は生分解性ポリマーコア材料)は、アルギン酸塩及び酸化されたアルギン酸塩の混合物を含む。いくつかの実施形態によれば、アルギン酸塩及び酸化されたアルギン酸塩の混合物における酸化されたアルギン酸塩の重量%は、少なくとも約5%、 10%、 15%、 20%、 25%、 30%、 35%、 40%、 45%、 50%、 55%、 60%、 65%、 70%、 75%、 80%、 85%、 90%、 95%、 98%、又はそれ以上の何れかである。いくつかの実施形態によれば、アルギン酸塩及び酸化されたアルギン酸塩の混合物における酸化されたアルギン酸塩の%は、約 1% - 約 5%、 約 5% - 約 10%、 約 10% - 約 20%、 約 20% - 約 30%、 約 30% - 約 40%、 約 40% - 約 50%、 約 50% - 約 60%、 約 60% - 約 70%、 約 70% - 約 80%、 約 80% - 約 90%、 約 90% - 約 100%、 約 1% - 約 10%、 約 20% - 約 40%、 約 40% - 約 60%、 約 1% - 約 50%、 約 25% - 約 50%、 約 50% - 約 75%、 約 75% - 約 100%、 約 40% - 約 60%、 約 60% - 約 80%、 約 80% - 約 100%、 又は 約 50% - 約 100%の何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、酸化されたアルギン酸塩:アルギン酸塩の比は、少なくとも約1:10、 1:9、 1:8、 1:7、 1:6、 1:5、 1:4、 1:3、 1:2、 1:1、 2:1、 3:1、 4:1、 5:1、 6:1、 7:1、 8:1、 9:1、 10:1、又はそれ以上の何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、酸化されたアルギン酸塩:アルギン酸塩の比は、約 1:10 - 約 1:9、 約 1:9 - 約 1:8、 約 1:8 - 約 1:7、 約 1:7 - 約 1:6、 約 1:6 - 約 1:5、 約 1:5 - 約 1:4 、約 1:4 - 約 1:3、 約 1:3 - 約 1:2、 約 1:2 - 約 1:1、 約 1:1 - 約 2:1、 約 2:1 - 約 3:1、 約 3:1 - 約 4:1、 約 4:1、 - 約 5:1、 約 5:1 - 約 6:1、 約 6:1 - 約 7:1、 約7:1 - 約 8:1、 約 8:1 - 約 9:1、 約 9:1 - 約 10:1、 約 1:10 - 約 10:1、 約 1:8 - 約 8:1、 約 1:7 - 約 7:1、 約 1:6 - 約 6:1、 約 1:5 - 約 5:1、 約 1:4 - 約 4:1、 約 1:3 - 約 3:1、 約 1:2 - 約 2:1、 約 1:9 - 約 1:1、 約 1:1 - 約 1:9、 約 1:9 - 約 1:4、 約 1:4 - 約 1:2、 約 2:1 - 約 4:1、又は 約 4:1 - 約 9:1の何れか1つである。
【0198】
シェル
いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、ポリマーシェル材料(例えば、生分解性ポリマーシェル材料)を含む単一シェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、ポリマーシェル材料(例えば、生分解性ポリマーシェル材料)を、それぞれ独立して含む少なくとも2つのシェルを含む。いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つのシェルは、同じポリマーシェル材料(例えば、生分解性ポリマーシェル材料)を含む。いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つのシェルの個々は、異なるポリマーシェル材料(例えば、生分解性ポリマーシェル材料)を含む。いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つのシェルの個々は、異なった機能を提供する。シェルにより提供される機能は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:機械的支持の提供、細胞への栄養素の供給、細胞のための微小環境の提供、細胞のための物理的空間の提供、及びそれらの組み合わせ。
【0199】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、天然に存在するポリマー又はその誘導体を含む。いくつかの実施形態によれば、天然に存在するポリマーは、コラーゲン(例えば、I型、II型又はIII型コラーゲン)、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム又はアルギン酸カルシウム)、酸化されたアルギン酸塩、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、エラスチン及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0200】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、合成ポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、合成ポリマーは、ポリホスファゼン(polypohosphazene)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリレートコポリマー(例えば、アクリル酸とポリメタクリル酸とのコポリマー)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ-(ラクチド-コグリコリド酸)(PLGA)、ポリオルトエステル(POE)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシレート(PHB)、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、分解性ポリウレタン、それらのコポリマー、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0201】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、アルギン酸塩、酸化されたアルギン酸塩、又はそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩、酸化されたアルギン酸塩、又はその組合せの%は、少なくとも約1%、1.25%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、5%、7.5%、10%、15%、20%、又は25%の何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のアルギン酸塩、酸化されたアルギン酸塩又はその組合せの%は、約1%-1.25%、1.25%-1.5%、 1.5%-2%、 2%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 5%-6%、 6%-7%、 7%-8%、 8%-9%、 9%-10%、 1%-1.5%、 1%-2%、 1-2.5%、 1%-5%、 5-10%、 10%-15%、 15%-20%、 20%-25%、又は1%-25%の何れか1つである。
【0202】
いくつかの実施形態によれば、シェルは、酸化されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態によれば、シェルは、約1-25%、例えば、約1-2%、 2-3%、 3%-4%、 4%-5%、 5%-6%、 6%-7%、 7%-8%、 8%-9%、 9%-10%、 10%-15%、 15%-20%、又は20%-25%の何れかの酸化されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態によれば、シェルは、少なくとも4%(例えば、少なくとも約5%、 6%、 7%、 8%、 9%、 10%、 15%、 20%、又は25%の何れか)の酸化されたアルギン酸塩を含む。
【0203】
いくつかの実施形態によれば、シェルは、アルギン酸塩及び酸化されたアルギン酸塩の混合物を含む。いくつかの実施形態によれば、アルギン酸塩:酸化されたアルギン酸塩の重量比は、約 1:9 - 約 9:1、 例えば1:9、 2:8、 3:7、 4:6、 5:5、 6:4、 7:3、 8:2 及び9:1である。いくつかの実施形態によれば、アルギン酸塩:酸化されたアルギン酸塩の重量比は、約 1:10 - 約 1:9、 約 1:9 - 約 1:8、 約 1:8 - 約 1:7、 約 1:7 - 約 1:6、 約 1:6 - 約 1:5、 約 1:5 - 約 1:4、 約 1:4 - 約 1:3、 約 1:3 - 約 1:2、 約 1:2 - 約 1:1、 約 1:1 - 約 2:1、 約 2:1 - 約 3:1、 約 3:1 - 約 4:1、 約 4:1- 約 5:1、 約 5:1 - 約 6:1、 約 6:1 - 約 7:1、 約7:1 - 約 8:1、 約 8:1 - 約 9:1、 約 9:1 - 約 10:1、 約 1:10 - 約 10:1、 約 1:8 - 約 8:1、 約 1:7 - 約 7:1、 約 1:6 - 約 6:1、 約 1:5 - 約 5:1、 約 1:4 - 約 4:1、 約 1:3 - 約 3:1、 約 1:2 - 約 2:1、 約 1:9 - 約 1:1、 約 1:1 - 約 1:9、 約 1:9 - 約 1:4、 約 1:4 - 約 1:2、 約 2:1 - 約 4:1、又は約 4:1 - 約 9:1の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中の酸化されたアルギン酸塩の%は、少なくとも約1%、1.25%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、5%、7.5%、10%、15%、20%、又は 25%の何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中の酸化されたアルギン酸塩の%は、約1%-1.25%、1.25%-1.5%、 1.5%-2%、 2%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 5%-6%、 6%-7%、 7%-8%、 8%-9%、 9%-10%、 1%-1.5%、 1%-2%、 1-2.5%、 1%-5%、 5-10%、 10%-15%、 15%-20%、 20%-25%、又は1%-25%の何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩の%は、少なくとも約1%、1.25%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、5%、7.5%、10%、15%、20%、又は 25%の何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料龍のアルギン酸塩の%は、約1%-1.25%、1.25%-1.5%、 1.5%-2%、 2%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 5%-6%、 6%-7%、 7%-8%、 8%-9%、 9%-10%、 1%-1.5%、 1%-2%、 1-2.5%、 1%-5%、 5-10%、 10%-15%、 15%-20%、 20%-25%、又は1%-25%の何れか1つである。
【0204】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、架橋される。生分解性ポリマーシェル材料の架橋は、生分解性ポリマーを含むコア及び/又はシェルの弾性特性、機械的強度及び安定性を増強することができる。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、共有的に架橋される。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、非共有的に(例えば、イオン結合の形成により)、架橋される。いくつかの実施形態によれば、架橋は可逆的である。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、酸化、例えばジスルフィド結合の酸化により架橋される。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、化学反応により架橋される。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、物理的工程、例えば加熱又は冷却により架橋される。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、架橋される。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料(例えば、アルギン酸塩又は酸化されたアルギン酸塩)は、二価イオン、例えばCa2+、Sr2+及びBa2+により架橋される。いくつかの実施形態によれば、シェルは、架橋により固化される。
【0205】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのシェルは、例えば架橋により固化される。いくつかの実施形態によれば、各シェルは、例えば架橋により固化される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックが2つ以上のシェルを含む場合、最も外側のシェル(例えば、最も外側のシェルのみ)が固化される。固化された(例えば、架橋された)シェルは、改善された機械的性質を有することができる。
【0206】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料はさらに、+2電荷を有するカチオン、例えばCa2+、Ba2+及びSr2+(但し、それらだけには限定されない)を含む。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料はさらに、カルシウム(例えば、Ca2+)を含む。いくつかの実施形態によれば、シェルはアルギン酸カルシウムを含む。いくつかの実施形態によれば、カチオン(例えば、Ca2+)は、生分解性ポリマーシェル材料におけるポリマーの架橋を提供する。いくつかの実施形態によれば、架橋されたポリマーは、ヒドロゲルを形成する。いくつかの実施形態によれば、カチオン(例えば、Ca2+)を用いてのポリマーの架橋は、シェルの好ましい機械的性質、例えばシェルの上昇する弾性及び硬度を提供する。
【0207】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、例えばポリリジンを含む(から成るか、又は実質的に成る)。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のポリリジンの%は、少なくとも約0.1%、0.2%、 0.5%、 0.6%、 0.7%、 0.8%、 0.9%、 1%、 1.2%、 1.5%、 2%、 3%、 4%、 5%、又はそれ以上の何れかであるい。くつかの実施形態によれば生分解性ポリマーコア材料中のアルギン酸塩の%は、約0.1%-0.2%、 0.2%-0.5%、 0.5%-0.6%、 0.6%-0.7%、 0.7%-0.8%、 0.8%-0.9%、 0.9%-1%、 1%-1.2%、 1.2%-1.5%、 1.5%-2%、 2%-3%、 3%-5%、 0.1%-1%、 1%-2%、 又は 0.1%-5%の何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のポリリジンの%は、約5%以下である。
【0208】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、アルギン酸塩及びアガロースの混合物を含む。アルギン酸塩:アガロースの重量比は、バイオブロックの実際の適用に依存する。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアガロース:アルギン酸塩の重量比は、少なくとも約1:10、 1:9、 1:8、 1:7、 1:6、 1:5、 1:4、 1:3、 1:2、 1:1、 2:1、 3:1、 4:1、 5:1、 6:1、 7:1、 8:1、 9:1、又は 10:1の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアガロース:アルギン酸塩の重量比は、約 1:10 - 約 1:9、 約 1:9 - 約 1:8、 約 1:8 - 約 1:7、 約 1:7 - 約 1:6、 約 1:6 - 約 1:5、 約 1:5 - 約 1:4、 約 1:4 - 約 1:3、 約 1:3 - 約 1:2、 約 1:2 - 約 1:1、 約 1:1 - 約 2:1、 約 2:1 - 約 3:1、 約 3:1 - 約 4:1、 約 4:1 - 約 5:1、 約 5:1 - 約 6:1、 約 6:1 - 約 7:1、 約 7:1 - 約 8:1、 約 8:1 - 約 9:1、 約 9:1-約 10:1、 約 1:10 - 約 1:5、 約 1:5 - 約 1:1、 約 1:1 - 約 5:1、 約 5:1 - 約 10:1、 約 1:5 - 約 5:1、 又は 約 1:10 - 約 10:1の何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアガロース:アルギン酸塩の重量比は、約1:4である。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩の%は、少なくとも約0.5%、 1%、 1.5%、 2%、 2.5%、 3%、 4%、 5%、 7.5%、 又は 10%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩の%は、約0.5%-1%、 1%-1.5%、 1.5%-2%、 2%-2.5%、 2.5%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 5%-7.5%、 7.5%-10%、 0.5%-2%、 2%-3%、 1.5%-3%、 0.5-4%、 1%-5%、 5-10% 又は 0.5%-10%の何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のアルギン酸塩の%は、少なくとも約4%(例えば、少なくとも約5%、少なくとも約7.5%又は少なくとも約10%)である。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアガロースの%は、少なくとも約0.5%、 1%、 1.5%、 2%、 2.5%、 3%、 4%、 5%、 7.5%、 又は 10%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアガロースの材料は、約0.5%-1%、 1%-1.5%、 1.5%-2%、 2%-2.5%、 2.5%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 5%-7.5%、 7.5%-10%、 0.5%-2%、 2%-3%、 1.5%-3%、 0.5-4%、 1%-5%、 5-10% 又は 0.5%-10%のいずれか1つである。
【0209】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)及びエラスチンの混合物を含む。アルギン酸塩:エラスチンの重量比は、バイオブロックの実際の適用に依存する。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩:エラスチンの重量比は、少なくとも約50:1、100:1、 200:1、 300:1、 400:1、 500:1、 600:1、 700:1、 800:1、 900:1、 1000:1、 2000:1、 又は 5000:1の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩:エラスチンの重量比は、約 50:1 - 約 100:1、 約 100:1 - 約 200:1、 約 200:1 - 約 300:1、 約300:1 - 約 400:1、 約 400:1 - 約 500:1、 約 500:1 - 約 600:1、 約 600:1 - 約 700:1、 約 700:1 - 約 800:1、 約 800:1 - 約 900:1、 約 900:1 - 約 1000:1、 約 1000:1 - 約 2000:1、 約 2000:1 - 約 5000:1、 約 50:1 - 約 300:1、 約 300:1 - 約 500:1、 約 500:1 - 約 1000:1、 約 800:1 - 約 5000:1、 約 400:1 - 約 600:1、 又は 約 200:1 - 約 800:1の何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩:エラスチンの重量比は、約500:1である。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩の%は、少なくとも0.5%、 1%、 1.5%、 2%、 2.5%、 3%、 4%、 5%、 7.5%、 又は 10%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩の%は、約0.5%-1%、 1%-1.5%、 1.5%-2%、 2%-2.5%、 2.5%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 5%-7.5%、 7.5%-10%、 0.5%-2%、 2%-3%、 1.5%-3%、 0.5-4%、 1%-5%、 5-10% 又は 0.5%-10%の何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のアルギン酸塩の%は、少なくとも約4%(例えば、少なくとも約5%、少なくとも約7.5%又は少なくとも約10%)である。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のエラスチンの%は、少なくとも約0.01%、 0.02%、 0.03%、 0.04%、 0.05%、 0.06%、 0.07%、 0.08%、 0.1%、 0.15%、 0.2%、 又は 0.5%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のエラスチンの%は、約0.01%-0.02%、 0.02%-0.03%、 0.03%-0.04%、 0.04%-0.05%、 0.05%-0.06%、 0.06%-0.07%、 0.07%-0.08%、 0.08%-0.1%、 0.1%-0.15%、 0.15%-0.2%、 0.2%、 0.2%-0.5%、 0.01%-0.03%、 0.03%-0.05%、 0.05%-0.08%、 0.08%-0.15%、 0.01%-0.05%、 0.05%-0.1%、 0.03%-0.07%、 0.04%-0.06%、 0.01%-0.1%、 0.1%-0.5%、 又は 0.01%-0.5%のいずれか1つである。
【0210】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム又はアルギン酸カルシウム)及びゼラチンを含む。アルギン酸塩:ゼラチンの重量比は、バイオブロックの実際の適用に依存する。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩:ゼラチンの重量比は、少なくとも約10:1、 9:1、 8:1、 7:1、 6:1、 5:1、 4:1、 3:1、 2:1、 1:1、 1:2、 1:3、 1:4、 1:5、 1:6、 1:7、 1:8、 1:9、 又は 1:10の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩:ゼラチンの重量比は、約10:1 - 約 9:1、 約 9:1 - 約 8:1、 約 8:1 - 約 7:1、 約 7:1 - 約 6:1、 約 6:1 - 約 5:1、 約 5:1 - 約 4:1、 約 4:1 - 約 3:1、 約 3:1 - 約 2:1、 約 2:1 - 約 1:1、 約 1:1 - 約 1:2、 約 1:2 - 約 1:3、 約 1:3 - 約 1:4、 約 1:4 - 約 1:5、 約 1:5 - 約 1:6、 約 1:6 - 約 1:7、 約 1:7 - 約 1:8、 約 1:8 - 約 1:9、 約 1:9 - 約 1:10、 約 10:1 - 約 5:1、 約 5:1 - 約 1:1、 約 1:1 - 約 1:5、 約 1:5 - 約 1:10、 約 2:1 - 約 1:2、 約 4:1 - 約 1:4、 又は 約 10:1 - 約 1:10の何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のゼラチン:アルギン酸塩の重量比は、約15:85である。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩の%は、少なくとも約0.1%、 0.5%、 1%、 1.25%、 1.5%、 2%、 3%、 4%、 5%、 7.5%、 又は 10%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩の%は、約0.1%-0.5%、 0.5%-1%、 1%-1.25%、 1.25%-1.5%、 1.5%-2%、 2%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 5%-7.5%、 7.5%-10%、 0.1%-1%、 1%-1.5%、 1%-2%、 0.5-2.5%、 1%-3%、 5-10% 又は 0.5%-5%の何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のアルギン酸塩の%は、少なくとも約4%(例えば、少なくとも約5%、少なくとも約7.5%又は少なくとも約10%)である。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のゼラチンの%は、少なくとも約0.1%、 0.5%、 1%、 1.25%、 1.5%、 2%、 3%、 4%、 5%、 7.5%、 又は 10%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のゼラチンの%は、約0.1%-0.5%、 0.5%-1%、 1%-1.25%、 1.25%-1.5%、 1.5%-2%、 2%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 5%-7.5%、 7.5%-10%、 0.1%-1%、 1%-1.5%、 1%-2%、 0.5-2.5%、 1%-3%、 5-10% 又は 0.5%-5%のいずれか1つである。
【0211】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)、ゼラチン及びエラスチンを含む。アルギン酸塩、ゼラチン及びエラスチンの重量比は、バイオブロックの実際の適用に依存する。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩:ゼラチンの重量比は、約10:1、 9:1、 8:1、 7:1、 6:1、 5:1、 4:1、 3:1、 2:1、 1:1、 1:2、 1:3、 1:4、 1:5、 1:6、 1:7、 1:8、 1:9、 又は 1:10の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩:ゼラチンの重量比は、約10:1 - 約 9:1、 約 9:1 - 約 8:1、 約 8:1 - 約 7:1、 約 7:1 - 約 6:1、 約 6:1 - 約 5:1、 約 5:1 - 約 4:1、 約 4:1 - 約 3:1、 約 3:1 - 約 2:1、 約 2:1 - 約 1:1、 約 1:1 - 約 1:2、 約 1:2 - 約 1:3、 約 1:3 - 約 1:4、 約 1:4 - 約 1:5、 約 1:5 - 約 1:6、 約 1:6 - 約 1:7、 約 1:7 - 約 1:8、 約 1:8 - 約 1:9、 約 1:9 - 約 1:10、 約 10:1 - 約 5:1、 約 5:1 - 約 1:1、 約 1:1 - 約 1:5、 約 1:5 - 約 1:10、 約 2:1 - 約 1:2、 約 4:1 - 約 1:4、 又は 約 10:1 - 約 1:10の何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩:エラスチンの重量比は、少なくとも約1000:1、500:1、 400:1、 300:1、 250:1、 200:1、 100:1、 50:1、又は 10:1の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩:エラスチンの重量比は、約10:1 - 約 50:1、 約 50:1 - 約 100:1、 約 100:1 - 約 200:1、 約 200:1 - 約 250:1、 約 250:1 - 約 300:1、 約 300:1 - 約 400:1、 約 400:1 - 約 500:1、 約 500:1 - 約 1000:1、 約 10:1 - 約 100:1、 約 100:1 - 約 200:1、 約 200:1 - 約 300:1、 約 300:1 - 約 400:1、 約 400:1 - 約 1000:1、 又は 約 100:1 - 約 500:1の何れかである。生分解性ポリマーシェル材料中のゼラチン:エラスチンの重量比は、約1000:1、 500:1、 400:1、 300:1、 250:1、 200:1、 100:1、 50:1、又は 10:1の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のゼラチン:エラスチンの重量比は、約10:1 - 約 50:1、 約 50:1 - 約 100:1、 約 100:1 - 約 200:1、 約 200:1 - 約 250:1、 約 250:1 - 約 300:1、 約 300:1 - 約 400:1、 約 400:1 - 約 500:1、 約 500:1 - 約 1000:1、 約 10:1 - 約 100:1、 約 100:1 - 約 200:1、 約 200:1 - 約 300:1、 約 300:1 - 約 400:1、 約 400:1 - 約 1000:1、 又は 約 100:1 - 約 500:1の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のゼラチン:アルギン酸塩:エラスチンの重量比は、約250:250:1である。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩の%は、少なくとも約0.1%、 0.5%、 1%、 1.25%、 1.5%、 2%、 3%、 4%、 5%、 7.5%、 又は 10%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のアルギン酸塩の%は、約0.1%-0.5%、 0.5%-1%、 1%-1.25%、 1.25%-1.5%、 1.5%-2%、 2%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 5%-7.5%、 7.5%-10%、 0.1%-1%、 1%-1.5%、 1%-2%、 0.5-2.5%、 1%-3%、 5-10% 又は 0.5%-5%の何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のアルギン酸塩の%は、少なくとも約4%(例えば、少なくとも約5%、少なくとも約7.5%又は少なくとも約10%)である。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のゼラチンの%は、少なくとも約0.1%、 0.5%、 1%、 1.25%、 1.5%、 2%、 3%、 4%、 5%、 7.5%、 又は 10%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のゼラチンの%は、約0.1%-0.5%、 0.5%-1%、 1%-1.25%、 1.25%-1.5%、 1.5%-2%、 2%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 5%-7.5%、 7.5%-10%、 0.1%-1%、 1%-1.5%、 1%-2%、 0.5-2.5%、 1%-3%、 5-10% 又は 0.5%-5%のいずれか1つである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のエラスチンの%は、少なくとも約0.01%、 0.02%、 0.03%、 0.04%、 0.05%、 0.06%、 0.07%、 0.08%、 0.1%、 0.15%、 0.2%、 又は 0.5%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料中のエラチンの%は、約0.01%-0.02%、 0.02%-0.03%、 0.03%-0.04%、 0.04%-0.05%、 0.05%-0.06%、 0.06%-0.07%、 0.07%-0.08%、 0.08%-0.1%、 0.1%-0.15%、 0.15%-0.2%、 0.2%、 0.2%-0.5%、 0.01%-0.03%、 0.03%-0.05%、 0.05%-0.08%、 0.08%-0.15%、 0.01%-0.05%、 0.05%-0.1%、 0.03%-0.07%、 0.04%-0.06%、 0.01%-0.1%、 0.1%-0.5%、 又は 0.01%-0.5%の何れかである。
【0212】
シェルの多くの物理的性質は、シェルにより提供される機械的支持及び保護のレベルに影響を及ぼす。生分解性ポリマーシェル材料の組成は、シェルの物理的性質に寄与し、そして当業者は、実際のニーズに応じて組成を選択できる。いくつかの実施形態によれば、シェルは、細胞を包含するコアに機械的支持及び/又は保護を提供する。
【0213】
いくつかの実施形態によれば、シェルは約28日以内に完全に分解する。いくつかの実施形態によれば、シェルは約21 日、14 日、 12 日、 10 日、 9 日、 8 日、 7 日、 6 日、 5 日、 4 日、 3日、 又は 2 日の何れか以下内で完全に分解する。いくつかの実施形態によれば、シェルは、約2-5 日、 2-6 日、 2-8 日、 2-10 日、 2-12 日、 2-14 日、 14-21 日、 21-28 日、 7-14 日、 5-10 日、 又は 2-28 日の何れか以内に完全に分解する。
【0214】
いくつかの実施形態によれば、シェルは、約100-3000mPa・sの粘度を有する。いくつかの実施形態によれば、シェルは、約100-200、 200-300、 300-400、 400-500、 500-600、 600-700、 700-800、 800-900、 900-1000、 1000-1100、 1100-1200、 1200-1300、 1300-1400、 1400-1500、 1500-1600、 1600-1700、 1700-1800、 1800-1900、 1900-2000、 2000-2100、 2100-2200、 2200-2300、 2300-2400、 2400-2500、 2500-2600、 2600-2700、 2700-2800、 2800-2900、 又は 2900-3000mPa・sの何れか1つの粘度を有する。いくつかの好ましい実施形態によれば、シェルは、約200-2000mPa・sの粘度を有する。
【0215】
いくつかの実施形態によれば、シェルは約0.1、0.5、 1、 2、 5、 10、 15、 20、 25、 30、 50、 100、 又は 200 μm何れかの厚さを有する。いくつかの実施形態によれば、シェルは、約0.1-0.5、 0.5-1、 1-2、 2-5、 5-10、 10-15、 15-20、 20-25、 25-30、 30-50、 0.1-1、 1-5、 1-10、 5-10、 10-20、 10-30、 5-20、 1-20、 0.1-50、 1-20、 1-100、 又は 1-200μmの何れかの厚さを有する。いくつかの実施形態によれば、シェルは、約0.1-約50μm、例えば約1μm-約20μmの厚さを有する。
【0216】
バイオブロックの硬度及び弾性は典型的には、バイオブロックのシェルの硬度及び弾性を映している。シェルにより提供される機械的保護の能力は、バイオブロックのシェルの硬度及び弾性に依存し、これは、シェルの組成(例えば、成分及び各成分の相対量を包含する、生分解性ポリマーシェル材料)を調整することにより制御され得る。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック又はシェルは、少なくとも約0.01、 0.05、 0.1、 0.15、 0.18、 0.2、 0.22、 0.25、 0.3、 又は 0.4 GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック又はシェルは、約0.01-0.05、0.05-0.1、0.1-0.15、0.14-0.16、0.16-0.18、0.18-0.2、0.2-0.22、 0.2-0.3、0.3-0.4、0.01-0.4、0.01-1、0.1-0.2、0.2-0.4、0.15-0.25、 0.04-0.22、0.01-0.02、0.02-0.03、0.03-0.04、0.04-0.05、0.05-0.06、 0.06-0.07、0.07-0.08、0.08-0.09、0.09-0.1、 0.15-0.2、0.05-0.15、又は 0.06-0.1 GPaの何れかの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック又はシェルは、少なくとも約0.01、0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、2.8、 3、3.2、3.4、3.6、4、 10、 20、 50、 75、 又は 100 MPaの弾性率を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック又はシェルは、少なくとも約0.01-0.05、0.05-0.1、0.1-0.5、0.5-0.8、 0.8-1、0.5-1、1-1.2、1.2-1.4、1.4-1.6、1.6-1.8、1.8-2、1-1.5、1.5-2、2-2.4、2.4-2.8、2.8-3、3-3.2、3.2-3.4、3.4-3.6、3.6-4、4-10、 10-20、20-30、30-40、40-50、20-50、50-75、75-100、50-80、80-100、0.5-4、1-1.5、1.5-2、2-3、0.8-1.6、1.4-2.4、0.8-3.2、1-100、10-100、0.5-6、1.5-2.5、2.5-3、2.8-3.2、3.2-3.6、 2.9-3.6、0.01-1、1-5、5-10、10-50、50-100、0.01-10、0.01-25 、0.01-50、0.01-75、1-25、 1-50、10-50、10-75、又は 0.01-100 MPaの何れか1つの弾性率を有する。
【0217】
いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、三次元沈着の間、弾性変形に耐える機械的強度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、取り扱い及び組織製造(例えば、バイオプリント)工程の間、弾性変形を耐えることができる。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、同じプリンターを用いて、及び類似する条件下で、同じタイプの細胞のプリントと比較して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、70%、 80%、又は90%、バイオプリントの間、バイオブロックにおける細胞の機械的損傷を低める。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、同じバイオプリントを用いて、及び類似する条件下で同じタイプのバイオプリントと比較して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、70%、 80%、又は90%の何れか、バイオプリントの間、バイオブロックにおける細胞の加熱を低める。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、バイオプリントの間、バイオブロックにおける細胞の活性(例えば、代謝、増殖、分化、移動及び/又は分泌)を保有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックにおける複数の細胞の約80%、85%、87.5%、90%、92.5%、95%又は98%超が、バイオプリントの後、約24時間、生存する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックにおける複数の細胞の約90%超が、バイオプリントの後、少なくとも約3 時間、6 時間、12 時間、24 時間、2 日、4 日、又は 1週の何れか生存する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中の複数の細胞の約80%、85%、87.5%、90%、92.5%、95%又は98%超が、バイオプリントの後、24時間、増殖できる。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中の複数の細胞の約80%、85%、87.5%、90%、92.5%、95%又は98%超が、バイオプリントの後、24時間、分化できる。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中の複数の細胞の約80%、85%、87.5%、90%、92.5%、95%又は98%超が、バイオプリントの後、24時間、正常の代謝を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中の複数の細胞の約80%、85%、87.5%、90%、92.5%、95%又は98%超が、バイオプリントの後、24時間、移動できる。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中の複数の細胞の約80%、85%、87.5%、90%、92.5%、95%又は98%超が、バイオプリントの後、24時間、分泌できる。
【0218】
コア
いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、ポリマーコア材料(例えば、生分解性ポリマーコア材料)を含む単一コアを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、ポリマーコア材料(例えば、生分解性ポリマーコア材料)を、それぞれ独立して含む少なくとも2つのコアを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコアを含む。いくつかの実施形態によれば、前記少なくとも2つのコアは、同じポリマーコア材料(例えば、生分解性ポリマーコア材料)を含む。いくつかの実施形態によれば、前記少なくとも2つのコアの個々は、異なったポリマーコア材料(例えば、生分解性ポリマーコア材料)を含む。
【0219】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、天然に存在するポリマー又はその誘導体を含む。いくつかの実施形態によれば、天然に存在するポリマーは、コラーゲン(例えば、I型、II型又はIII型コラーゲン)、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム又はアルギン酸カルシウム)、酸化されたアルギン酸塩、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、エラスチン及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0220】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、合成ポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、合成ポリマーは、ポリホスファゼン(polypohosphazene)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリレートコポリマー(例えば、アクリル酸とポリメタクリル酸とのコポリマー)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ-(ラクチド-コグリコリド酸)(PLGA)、ポリオルトエステル(POE)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシレート(PHB)、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、分解性ポリウレタン、それらのコポリマー、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0221】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸塩ナトリウム)を含む(から成るか、又はから実質的に成る)。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む(から成るか、又は実質的に成る)。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、ラミニンを含む(から成るか、又は実質的に成る)。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、デンプンを含む(から成るか、又は実質的に成る)。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、分解性ポリウレタンを含む(から成るか、又は実質的に成る)。
【0222】
いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム、約2%以下)及び細胞を含むコア、及びアルギン酸塩(例えば、アルギン酸カルシウム、少なくとも約4%)を含むシェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、I型コラーゲン(例えば、少なくとも約0.4%)、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム、約2.5%又は2%以下)及び細胞を含むコア、及びアルギン酸塩(例えば、アルギン酸カルシウム、少なくとも約2.5%又は4%)及びエラスチンを含むシェル、を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム、約2%以下)及び細胞を含むコア、及びポリリジン(例えば、少なくとも約1%)を含むシェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、デンプン(例えば、少なくとも約50%)及び細胞を含むコア、及びアルギン酸塩(例えば、アルギン酸カルシウム、少なくとも約4%)を含むシェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、デンプン(例えば、少なくとも約50%)及び細胞を含むコア、及び酸化されたアルギン酸塩(例えば、酸化されたアルギン酸カルシウム、少なくとも約4%)を含むシェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、デンプン(例えば、少なくとも約50%)及び細胞を含むコア、及びアルギン酸塩(例えば、アルギン酸カルシウム)及び酸化されたアルギン酸塩(例えば、酸化されたアルギン酸カルシウム)を含むシェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、I型コラーゲン(例えば、少なくとも0.4%)及び細胞を含むコア、及びポリリジン(例えば、少なくとも約1%)を含むシェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、I型コラーゲン(例えば、少なくとも0.4%)及び細胞を含むコア、及びアルギン酸塩(例えば、アルギン酸カルシウム、少なくとも約4%)を含むシェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、I型コラーゲン(例えば、少なくとも0.4%)及び細胞を含むコア、及び酸化されたアルギン酸塩(例えば、酸化されたアルギン酸カルシウム、例えば少なくとも約0.4%)を含むシェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、I型コラーゲン(例えば、少なくとも0.4%)及び細胞を含むコア、及びアルギン酸塩(例えば、アルギン酸カルシウム)及び酸化されたアルギン酸塩(例えば、酸化されたアルギン酸カルシウム)を含むシェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、ポリウレタン(例えば、少なくとも約40%)及び細胞を含むコア、及びアルギン酸塩(例えば、アルギン酸カルシウム、少なくとも約4%)を含むシェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、ポリウレタン(例えば、少なくとも約40%)及び細胞を含むコア、及び酸化されたアルギン酸塩(例えば、酸化されたアルギン酸カルシウム、少なくとも約4%)を含むシェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、ポリウレタン(例えば、少なくとも約40%)及び細胞を含むコア、及び酸化されたアルギン酸塩(例えば、アルギン酸カルシウム)及び酸化されたアルギン酸塩(例えば、酸化されたアルギン酸カルシウム)を含むシェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、ポリウレタン(例えば、少なくとも約40%)及び細胞を含むコア、及びアルギン酸塩(例えば、アルギン酸カルシウム)及びゼラチンを含むシェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、ラミニン及び細胞を含むコア、及びアルギン酸塩(例えば、アルギン酸カルシウム)及びアガロースを含むシェルを含む。
【0223】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、アルギン酸塩、酸化されたアルギン酸塩、又はその組合せを含む。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料におけるアルギン酸塩、酸化されたアルギン酸塩又はその組合せの%は、少なくとも約0.1%、 0.5%、 1%、 1.25%、 1.5%、 2%、 3%、 4%、 5%、 7.5%、 又は 10%である。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料におけるアルギン酸塩、酸化されたアルギン酸塩又はその組合せの%は、約0.1%-0.5%、 0.5%-1%、 1%-1.25%、 1.25%-1.5%、 1.5%-2%、 2%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 5%-7.5%、 7.5%-10%、 0.1%-1%、 1%-1.5%、 1%-2%、 0.5-2.5%、 1%-3%、 5-10% 又は 0.5%-5%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料におけるアルギン酸塩、酸化されたアルギン酸塩又はその組合せの%は、約2.5%以下(例えば、約2%、1.5%、1%又は0.5%以下の何れか)である。
【0224】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む(例えば、実質的に成る)。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のI型コラーゲンの濃度は、少なくとも約0.1 mg/mL、0.5 mg/mL、1 mg/mL、1.5 mg/mL、2 mg/mL、3 mg/mL、4 mg/mL、5 mg/mL、10 mg/mL、又はそれ以上の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のIコラーゲンの%は、約0.1-0.5、0.5-1、 1-1.5、 1-2、 2-3、 3-4、 4-5、 5-10、 0.1-2、 0.1-5、 又は 1-10 mg/mLの何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のI型コラーゲンの重量%は、少なくとも約0.01%、 0.05%、 0.1%、 0.125%、 0.15%、 0.175%、 0.2%、 0.25%、 0.3%、 0.4%、 0.5%、 0.6%、 0.7%、 0.8%、 0.9%、 1%、 2%、 3%、 4%、 5%、 10%、又はそれ以上の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のI型コラーゲンの%は、約0.01%-0.05%、 0.05%-0.1%、 0.1%-0.125%、 0.125%-0.15%、 0.15%-0.175%、 0.175%-0.2%、 0.2%-0.25%、 0.25%-0.3%、 0.3%-0.4%、 0.4%-0.5%、 0.5%-0.6%、 0.6%-0.7%、 0.7%-0.8%、 0.8%-0.9%、 0.2%-0.8%、 0.5%-1%、 1%-2%、 2%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 0.01%-0.1%、 0.1%-0.2%、 0.2%-0.5%、 0.1%-0.5%、 0.1%-1%、 0.05%-5%、 又は 5%-10%の何れかである。
【0225】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲン及びアルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)の混合物を含む。I型コラーゲン:アルギン酸塩の重量比は、バイオブロックの実際の適用に依存する。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のI型コラーゲン:アルギン酸塩の重量比は、少なくとも約50:1、 30:1、 20:1、 10:1、 9:1、 8:1、 6:1、 4:1、 2:1、 1:1、 1:2、 1:4、 1:6、 1:8、 3:25、 1:9、 1:10、 1:20、 1:30、 又は 1:50の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のI型コラーゲン:アルギン酸塩の重量比は、約 50:1 - 約 30:1、 約 30:1 - 約 20:1、 約 20:1 - 約 10:1、 約 10:1 - 約 9:1、 約 9:1 - 約 8:1、 約 8:1 - 約 6:1、 約 6:1 - 約 4:1、 約 4:1 - 約 2:1、 約 2:1 - 約 1:1、 約 1:1 - 約 1:2、 約 1:2 - 約 1:4、 約 1:4 - 約 1:6、 約 1:6 - 約 1:8、 約 1:8 - 約 1:9、 約 1:9 - 約 1:10、 約 1:10 - 約 1:20、 約 1:20 - 約 1:30、 約 1:30 - 約 1:50、 約 10:1 - 約 5:1、 約 5:1 - 約 1:1、 約 1:1 - 約 1:5、 約 1:5 - 約 1:10、 約 1:7 - 約 1:10、 又は 約 1:8 - 約 1:9の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のI型コラーゲンの%は、少なくとも約0.01%、 0.05%、 0.1%、 0.125%、 0.15%、 0.175%、 0.2%、 0.25%、 0.3%、 0.4%、 0.5%、 0.6%、 0.7%、 0.8%、 0.9%、 1%、 2%、 3%、 4%、 5%、 10%、又はそれ以上の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のI型コラーゲンの%は、約0.01%-0.05%、 0.05%-0.1%、 0.1%-0.125%、 0.125%-0.15%、 0.15%-0.175%、 0.175%-0.2%、 0.2%-0.25%、 0.25%-0.3%、 0.3%-0.4%、 0.4%-0.5%、 0.5%-0.6%、 0.6%-0.7%、 0.7%-0.8%、 0.8%-0.9%、 0.2%-0.8%、 0.5%-1%、 1%-2%、 2%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 0.01%-0.1%、 0.1%-0.2%、 0.2%-0.5%、 0.1%-0.5%、 0.1%-1%、 0.05%-5%、 又は 5%-10%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のアルギン酸塩の%は、少なくとも約0.1%、0.5%、 1%、 1.25%、 1.5%、 2%、 3%、 4%、 5%、 7.5%、 又は 10%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のアルギン酸塩の%は、約0.1%-0.5%、 0.5%-1%、 1%-1.25%、 1.25%-1.5%、 1.5%-2%、 2%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 5%-7.5%、 7.5%-10%、 0.1%-1%、 1%-1.5%、 1%-2%、 0.5-2.5%、 1%-3%、 5-10% 又は0.5%-5%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のアルギン酸塩の%は、2.5%以下(例えば、約2%、1.5%、1%又は0.5%以下の何れか)である。
【0226】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲン及びラミニンを含む。I型コラーゲン:ラミニンの重量比は、バイオブロックの実際の適用に依存する。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のI型コラーゲン:ラミニンの重量比は、少なくとも約50:1、 30:1、 20:1、 10:1、 9:1、 8:1、 6:1、 4:1、 2:1、 1:1、 1:2、 1:4、 1:6、 1:8、 1:9、 1:10、 1:20、 1:30、 又は 1:50の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のI型コラーゲン:ラミニンの重量比は、約 50:1 - 約 30:1、 約 30:1 - 約 20:1、 約 20:1 - 約 10:1、 約 10:1 - 約 9:1、 約 9:1 - 約 8:1、 約 8:1 - 約 6:1、 約 6:1 - 約 4:1、 約 4:1 - 約 2:1、 約 2:1 - 約 1:1、 約 1:1 - 約 1:2、 約 1:2 - 約 1:4、 約 1:4 - 約 1:6、 約 1:6 - 約 1:8、 約 1:8 - 約 1:9、 約 1:9 - 約 1:10、 約 1:10 - 約 1:20、 約 1:20 - 約 1:30、 約 1:30 - 約 1:50、 約 10:1 - 約 5:1、 約 5:1 - 約 1:1、 約 1:1 - 約 1:5、 約 1:5 - 約 1:10、 約 1:7 - 約 1:10、 又は 約 1:8 - 約 1:9の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のI型コラーゲンの%は、少なくとも約0.01%、 0.05%、 0.1%、 0.125%、 0.15%、 0.175%、 0.2%、 0.25%、 0.3%、 0.4%、 0.5%、 0.6%、 0.7%、 0.8%、 0.9%、 1%、 2%、 3%、 4%、 5%、 10%、又はそれ以上の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のI型コラーゲンの%は、約0.01%-0.05%、 0.05%-0.1%、 0.1%-0.125%、 0.125%-0.15%、 0.15%-0.175%、 0.175%-0.2%、 0.2%-0.25%、 0.25%-0.3%、 0.3%-0.4%、 0.4%-0.5%、 0.5%-0.6%、 0.6%-0.7%、 0.7%-0.8%、 0.8%-0.9%、 0.2%-0.8%、 0.5%-1%、 1%-2%、 2%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 0.01%-0.1%、 0.1%-0.2%、 0.2%-0.5%、 0.1%-0.5%、 0.1%-1%、 0.05%-5%、 又は 5%-10%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のラミニンの%は、少なくとも約0.1%、0.5%、 1%、 1.25%、 1.5%、 2%、 3%、 4%、 5%、 7.5%、 又は 10%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のラミニンの%は、約0.1%-0.5%、 0.5%-1%、 1%-1.25%、 1.25%-1.5%、 1.5%-2%、 2%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 5%-7.5%、 7.5%-10%、 0.1%-1%、 1%-1.5%、 1%-2%、 0.5-2.5%、 1%-3%、 5-10% 又は0.5%-5%の何れかである。
【0227】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、デンプンを含む。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のデンプンの%は、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又はそれ以上の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のデンプンの%は、約5%-10%、10%-20%、20%-30%、30%-40%、40%-50%、50%-60%、60%-80%、10%-80%、20%-70%、30%-60%、又は40%-60%の何れかである。
【0228】
いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、ポリウレタンを含む。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のポリウレタンの%は、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又はそれ以上の何れかである。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料中のポリウレタンの%は、約5%-10%、10%-20%、20%-30%、30%-40%、40%-50%、50%-60%、60%-70%、10%-80%、20%-70%、30%-60%、又は40%-80%の何れかである。
【0229】
微小環境
いくつかの実施形態によれば、シェル及び/又はコアを含むバイオブロックは、細胞付着及び広がりのための適切な空間構造、及び細胞のための微小環境を提供する。「微小環境(microenvironment)」とは、細胞がその生命活動を行うための適切な微小環境因子の組合せを含む適切な環境を言及する。「微小環境因子」は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:物理的因子(例えば、物理的空間、機械的強度、機械的要因、温度、湿度、浸透圧など);化学的因子(例えば、pH、イオン濃度など);生物学的因子(例えば、細胞、細胞因子、例えばサイトカイン、増殖因子など)。微小環境は、細胞の1又は2以上の活性、例えば増殖、分化、移動、代謝及び分泌(但しそれらだけには限定されない)を、動的に調節することができる。いくつかの実施形態によれば、コアは細胞に微小環境(例えば、栄養素)を提供する。
【0230】
いくつかの実施形態によれば、シェルは、細胞に1又は2以上の微小環境因子を提供する。いくつかの実施形態によれば、コアは、細胞に1又は2以上の微小環境因子を提供する。いくつかの実施形態によれば、シェル及びコアは、細胞に1又は2以上の微小環境因子を提供する。いくつかの実施形態によれば、1又は2以上の微小環境因子は、細胞が増殖し、そして分化するための成長因子を含む。いくつかの実施形態によれば、1又は2以上の微小環境因子は、細胞が増殖し、そして分化するための構造及び空間を提供する。いくつかの実施形態によれば、1又は2以上の微小環境因子は、細胞がその生物学的機能を実施するための物理的因子(例えば、機械的刺激)を含む。いくつかの実施形態によれば、1又は2以上の微小環境因子は、細胞の分化を促進するか又は制御するフィーダー細胞を含み、ここで細胞は、幹細胞である。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア及び/又はシェル材料は、細胞のための1又は2以上の微小環境因子(例えば、空間、栄養素、ECM、等)を提供する。いくつかの実施形態によれば、I型コラーゲンから実質的に成る(例えば、少なくとも約0.4%)コアを有するバイオブロックは、細胞のための適切な微小環境を提供する。
【0231】
いくつかの実施形態によれば、コアは、栄養素、細胞外マトリックス、細胞因子、医薬的活性剤及びその組合せから成る群から選択された剤を含む。いくつかの実施形態によれば、コアは、細胞増殖、分化、移動、代謝、分泌、又はその何れかの組合わせを制御する(例えば、促進する)剤を含む。いくつかの実施形態によれば、細胞因子は、細胞増殖、分化、移動、代謝、分泌又はその何れかの組合せを制御する(例えば、促進する)。
【0232】
いくつかの実施形態によれば、シェルは、栄養素、細胞外マトリックス、細胞因子、医薬的活性剤及びその組合せから成る群から選択された剤を含む。いくつかの実施形態によれば、シェルは、細胞増殖、分化、移動、代謝、分泌、又はその何れかの組合わせを制御する(例えば、促進する)剤を含む。いくつかの実施形態によれば、細胞因子は、細胞増殖、分化、移動、代謝、分泌又はその何れかの組合せを制御する(例えば、促進する)。
【0233】
いくつかの実施形態によれば、剤はタンパク質である。いくつかの実施形態によれば、剤は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施形態によれば、剤は小分子である。いくつかの実施形態によれば、剤は、天然においてヒト組織に存在する小分子である。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は剤を含む。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は剤に結合し、細胞への剤の制御された放出を可能にする。いくつかの実施形態によれば、栄養素は、スクレオチド、アミノ酸、ペプチド、炭水化物(例えば、単糖類、オリゴ糖又は多糖類)、脂質又はビタミンを含む。いくつかの実施形態によれば、細胞外マトリックス分子は、多糖類、グリコサミノグリカン、糖タンパク質、構造タンパク質(例えば、コラーゲン又はエラスチン)、又は接着タンパク質(例えば、フィグロネクチン、又はラミニン)を含む。細胞増殖を促進する剤(例えば、細胞因子)は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:インスリン、インスリン成長因子(IGF、例えばIGF-I又はIGF-II)、トランスフォーミング成長因子(TGFα、TGFβなどのTGF)、血管上皮成長因子(VEGF)、上皮成長因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、骨肉腫供給源成長因子(osteosarcoma source growth factor)(ODGF)、ソマトスタチン(SRIH)、神経成長因子(NGF)、インターロイキン(IL、例えばIL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-10、IL-12)、エリスロポエチン(EPO)、コロニー刺激因子(CSF)、コルチゾール、甲状腺ホルモン(例えば、T3又はT4)、ケモカイン(例えば、CCL、CXC、XCL、又はMCP)、腫瘍壊死因子(TNF)、及びそれらの組み合わせ。細胞分化を促進する剤(例えば、細胞因子)は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:Oct3/4、Sox2、 Klf4、 c-Myc、 GATA4、 TSP1、β-グリセロリン酸、デキサメタゾン、ビタミンC、インスリン、 IBMX、インドメタシン、PDGF-BB、 5-アザシチジン及びそれらの組み合わせ。細胞移動を促進する剤(例えば、細胞因子)は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:cAMP、PIP3、SDF-1、N-カドヘリン、NF-κB、オステオネクチン、トロンボキサンA2、Ras、及びそれらの組み合わせ。細胞代謝を促進する剤(例えば、細胞因子)は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:IGF-I、TRIP-Br2、 DKK-1、 sRANKL、 OPG、 TRACP-5b、 ALP、 SIRT1(2-7)、 PGC-1α、 PGC-1β、 IL-3、 IL-4、 IL6、 TGF-β、 PGE2、 G-CSF、 TNFα、 及びそれらの組み合わせ。細胞分泌を促進する剤(例えば、細胞因子)は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:P600、P110、TCGF III、BSF-2、グルカゴン、β-アドレナリンアゴニスト、アルギニン、Ca2+、アセチルコリン (ACH)、 ソマトスタチン、及びそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態によれば、医薬活性剤は、細胞増殖、分化、移動、分泌及び/又は代謝を制御する(例えば、促進する)。いくつかの実施形態によれば、医薬活性剤は、rhIL-2、rhIL-11、rhEPO、 IFN-α、IFN-β、 IFN-γ、 G-CSF、 GM-CSF、 rHuEPO、sTNF-R1、 rhTNF-α及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0234】
コアは、任意の数の剤、例えば少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の何れかの数の剤を含む。いくつかの実施形態によれば、コアは約1-3、3-5、1-5、1-8、1-10、2-5、 5-10、又は 10-20個の何れかの数の剤を含む。いくつかの実施形態によれば、コアは、以下の上記群の個々からの少なくとも1つの(少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8又はそれ以上の何れか)の剤を含む:(1)細胞増殖を促進する剤、(2)分化を促進する剤、(3)移動を促進する剤、(4)代謝を促進する剤、及び(5)分泌を促進する剤。いくつかの実施形態によれば、コアは、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を制御する(例えば、促進する)、以下から成る群から選択された、少なくとも1つ(少なくとも約1、2、3、4、5、10、15又は20の何れか)の剤を含む:インスリン、IGF-I、 IGF-II、 TGFα、 TGFβ、 VEGF、 PDGF、 ODGF、 SRIH、 NGF、 IL-1、 IL-2、 IL-3、 IL-4、 IL-5、 IL6、 IL-7、 EPO、 CSF、 コルチゾール、 T3、 T4、 Oct3/4、 Sox2、 Klf4、 c-Myc、 GATA4、 TSP1、 β-グリセロリン酸、デキサメタゾン、ビタミン C、 インスリン、 IBMX、 インドメタシン、 PDGF-BB、 5-アザシチジン、 cAMP、 PIP3、 SDF-1、 N-カドヘリン、 NF-κB、 オステオネクチン、トロンボキサンA2、 Ras、 TRIP-Br2、 DKK-1、 sRANKL、 OPG、 TRACP-5b、 ALP、 SIRT1、 PGC-1α、 PGC-1β、 PGE2、 G-CSF。
【0235】
コアにおける剤の適切な濃度は、コア及び/又はシェルの剤及び組成の効力、安定性及び機能に依存する。いくつかの実施形態によれば、剤は、約0.01ng/ml-約100mg/mlの濃度でバイオブロックに存在する。
【0236】
いくつかの実施形態によれば、コア及び/又はシェルは、細胞のための少なくとも1つの栄養素を含む。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及び/又は生分解性ポリマーシェル材料はさらに、細胞のための少なくとも1つの栄養素を含む。コア及び/又はシェルにおける生分解性ポリマーは、少なくとも1つの栄養素に結合し、細胞への栄養素の制御された放出を可能にする。いくつかの実施形態によれば、コア及び/又はシェルにおける生分解性ポリマーの分解生成物は、細胞のための少なくとも1つの栄養素を提供する。本明細書において企画される栄養素は、次のものを含むが、但しそれらだけには限定されない:ヌクレオチド、アミノ酸、ペプチド(タンパク質を含む)、 核酸(DNA、RNA、及びオリゴヌクレオチドを含む)、 炭水化物(単糖、オリゴ糖および多糖類を含む)、脂質、ビタミン、塩、及び酸素。バイオブロックにおける栄養素の%は、バイオブロックの実際の適用に依存する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中の栄養素の重量%は、少なくとも約5%、10%、 20%、 30%、 40%、 50%、 60%、 70%、 80%、 90%、又は95%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中の栄養素の重量%は、約0-5%、 5%-10%、 10%-20%、 20%-30%、 30%-40%、 40%-50%、 50%-60%、 60%-70%、 70%-80%、 80%-90%、 90%-95%、 95%-100%、 0-10%、 10%-50%、 5%-25%、 0-50%、 25%-75%、又は 50%-100%の何れかである。
【0237】
いくつかの実施形態によれば、コア及び/又はシェルは、細胞外マトリックス(ECM)分子を含む。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料又は生分解性ポリマーシェル材料は、ECM分子を含む。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、ECM分子に結合し、細胞へのECM分子の放出の制御を可能にする。本明細書において企画されるECM分子は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:多糖類、タンパク質、及び糖タンパク質、例えばグリコサミノグリカン、プロテオグリカン、構造タンパク質(例えば、コラーゲン及びエラスチン)、及び接着タンパク質 (例えば フィブロネクチン及びラミニン)。いくつかの実施形態によれば、コア及び/又はシェル中のバイオポリマーの分解生成物は、細胞のための細胞外マトリックス(ECM)材料の少なくとも1つの前駆体を提供する。本明細書において企画されるECM分子の前駆体は、アミノ酸、炭水化物(単糖類及び多糖類を包含する)、及び脂質を包含する。バイオブロック中のECM分子の量は、バイオブロックの実際の適用に依存する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中のECM分子の重量%は、少なくとも約0.1%、1%、 5%、 10%、 15%、 20%、 25%、 30%、 40%、 50%、 60%、 70%、 又は80%の何れかである。
【0238】
いくつかの実施形態によれば、シェルは、栄養素、例えば培地におけるバイオブロックに、又はバイオブロックを取り囲む生体適合性材料に提供される栄養素に対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、栄養素は、水、酸素、炭水化物、脂質、タンパク質、アミノ酸、ペプチド、ミネラル、 ビタミン、細胞因子、核酸、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア及び/又はシェル材料は、バイオブロックの内部と外部との間での栄養素又は廃棄物の交換を可能にする複数のマイクロチャネルを有する。いくつかの実施形態によれば、栄養素(例えば、アミノ酸、ヌクレオチド、酸素、炭水化物、脂質、 ビタミン、無機塩及び他の小分子)は、生分解性ポリマーシェル材料中の複数のマイクロチャネルを通して拡散する。
【0239】
いくつかの実施形態によれば、シェルは1又は2以上の微細孔を含む。いくつかの実施形態によれば、シェルは複数のマイクロチャネル及び微細孔を含む。
図1Aに示される典型的なバイオブロックが、シェルにおける微細孔を示している。特定の生分解性ポリマーの固有の構造成分であるマイクロチャネルとは異なって、微細孔は、バイオブロックの設計及び調製方法に従って、シェル中に分散される、処理された孔である。微細孔は、マイクロチャネルよりも大きなサイズを有し、そして大きな栄養素又は高分子、例えばタンパク質及び核酸の交換を可能にする。いくつかの実施形態によれば、シェル内のマイクロチャネルの平均直径(又はサイズ)は、少なくとも約10、20、 50、 100、 150、 200、 250、 300、 350、 400、又は500 nmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、シェル内のマイクロチャネルの平均直径(又はサイズ)は、約10-20、 20-50、 50-100、 100-150、 150-200、 200-250、 250-300、 300-400、 400-500、 10-50、 50-100、 100-500、 10-100、 又は 10-500 nmの何れか1つである。いくつかの実施形態によれば、シェル内の微細孔の平均直径(又はサイズ)は、少なくとも約50、 75、 100、 200、 400、 600、 800、 1000、 1500、 2000、 4000、 又は 5000 nmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、シェル内の微細孔の平均直径(又はサイズ)は、約50-100、 100-200、 200-400、 400-600、 600-1000、 1000-5000、 50-200、 50-500、 又は 50-5000 nmの何れか1つである。
【0240】
いくつかの実施形態によれば、シェルは、約100kDa、110kDa、120kDa、130kDa、150kDa、200kDa、250kDa、300kDa、500kDa、1 MDa、 2 MDa、 5 MDa、又はそれ以上の何れかよりも大きな分子量の高分子に対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、シェルは、約100 kDa - 150kDa、110 kDa - 200kDa、200 kDa - 300kDa、300 kDa - 500kDa、500 kDa - 1 MDa、 100 kDa - 200kDa、100 kDa - 250kDa、100 kDa - 300kDa、100 kDa - 500kDa、100 kDa - 1 Mda、 100 kDa - 5 MDa、 150 kDa - 300kDa、200 kDa - 500kDa、200 kDa - 1MDa、 又は 200 kDa - 5 MDa、又はそれ以上の何れか1つよりも大きな分子量の高分子に対して透過性である。
【0241】
いくつかの実施形態によれば、シェルは免疫関連分子に対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、シェルはサイトカインに対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、シェルはケモカインに対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、シェルは免疫グロブリン、例えばIgG、IgM、IgA、IgD、IgEに対して透過性である。
【0242】
本明細書に記載されるバイオブロックの何れかが混合物中に存在し、ここでバイオブロックは、混合物中の別のバイオブロックと接触するか、又は融合する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックが単離され、すなわちバイオブロックは別のバイオブロックと直接的に接触する。いくつかの実施形態によれば、単離されたバイオブロックが、容器に提供される。
【0243】
細胞
バイオブロックにおけるコア中の細胞は、各バイオブロックにおける細胞数及び細胞タイプの点でカスタマイズ可能である。いくつかの実施形態によれば、コアは1つの細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、コアは複数の細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、コアは少なくとも約1、2、 4、 6、 8、 10、 15、 20、 25、 30、 40、 50、 60、 70、 80、 90、 100、 150、 200、 300、 400、 500、 600、 700、 800、 900、 1000、 2000、 3000、 4000、 5000、 10000、 20000、 30000、 40000、 50000、 100000、 200000、 500000、 又は 1000000個の何れかの細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、コアは、約2、 5、 10、 20、 30、 40、 50、 100、 200、 300、 500、 600、 700、 800、 900、 1000、 2000、 3000、 4000、 5000、 10000、 20000、 30000、 40000、 50000、 100000、 200000、 500000、 又は 1000000個の何れか以下の細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1-2、 2-4、 4-6、 6-8、 8-10、 10-15、 15-20、 20-25、 25-30、 30-40、 40-50、 50-60、 60-70、 70-80、 80-90、 90-100、 100-150、 150-200、 200-300、 300-400、 400-500、 500-1000、 1000-2000、 1-10、 2-10、 2-5、 5-10、 10-20、 20-30、 30-50、 2-25、 25-50、 2-50、 50-100、 100-200、 50-250、 250-500、 500-2000、 2-100、 2-500、 2-2000、 2000-3000、 3000-4000、 4000-5000、 5000-10000、 10000-20000、 20000-30000、 30000-40000、 40000-50000、 50000-100000、 2-5000、 100-5000、 100-1500、 100-1000、 500-5000、 500-10000、 1000-5000、 1-2000、 10-900、 20-800、 30-700、 40-600、 50-500、 60-400、 70-300、 80-200、 10-100、 1-50000、 1-100000、 100000-200000、 200000-500000、 500000-1000000、 又は 1-1000000何れかの細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、コアは約1個の細胞-約1000000個の細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、コアは少なくとも50個の細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、コアは約1個-約5000個の細胞、例えば約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞を含む。
【0244】
いくつかの実施形態によれば、複数の細胞は、約1、 2、 3、 4、 5、 6、 7、 8、 9、 10、 15、 20、又はそれ以上のタイプの何れかのものである。いくつかの実施形態によれば、複数の細胞は、同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、複数の細胞は、少なくとも2種の異なったタイプのものである。細胞は、それらの起源、起源の組織、形態、機能、組織学的マーカー、発現プロフィール又は同様のものに基づいて、異なったタイプに分類され得る。
【0245】
いくつかの実施形態によれば、細胞は、細菌、酵母細胞、植物細胞、又は動物細胞である。いくつかの実施形態によれば、細胞は哺乳類細胞である。いくつかの実施形態によれば、細胞はヒト細胞である。いくつかの実施形態によれば、細胞は、天然源、例えば組織生検から単離される。いくつかの実施形態によれば、細胞は、インビトロ培養された細胞株から単離される。いくつかの実施形態によれば、細胞は遺伝子操作された細胞である。いくつかの実施形態によれば、細胞は、コア内で増殖、分化又は両者を受ける種細胞(seed cells)である。
【0246】
いくつかの実施形態によれば、細胞は一次細胞に由来する。いくつかの実施形態によれば、細胞は細胞株に由来する。いくつかの実施形態によれば、細胞は付着細胞である。いくつかの実施形態によれば、細胞は分化された付着細胞である。いくつかの実施形態によれば、細胞は未分化付着細胞である。いくつかの実施形態によれば、細胞は多能性幹細胞である。いくつかの実施形態によれば、細胞は非付着細胞である。
【0247】
いくつかの実施形態によれば、細胞は上皮組織、筋肉組織、神経組織、又は結合組織、又はそれらの任意の組み合わせに由来する。いくつかの実施形態によれば、細胞は、肝臓、胃腸管、膵臓、腎臓、肺、気管、血管、骨格筋、心臓、皮膚、平滑筋、結合組織、角膜、泌尿生殖器、乳房、生殖器、内皮、上皮、線維芽細胞、神経、シュワン(Schwann)、脂肪、骨、骨髄、軟骨、周皮細胞、中皮細胞、内分泌腺、間質、リンパ、血液、内胚葉、外胚葉、中胚葉及びそれらの組み合わせから成る群から選択された組織に由来する。いくつかの実施形態によれば、細胞は、腫瘍に由来する。いくつかの実施形態によれば、細胞は、骨組織、軟骨組織及び/又は関節組織に由来する。いくつかの実施形態によれば、細胞は平滑筋細胞に由来する。いくつかの実施形態によれば、細胞は内皮細胞である。いくつかの実施形態によれば、細胞は幹細胞である。
【0248】
いくつかの実施形態によれば、細胞は、肝臓細胞、胃腸細胞、膵臓細胞、腎臓細胞、肺細胞、気管細胞、血管細胞、骨格筋細胞、心臓細胞、皮膚細胞、平滑筋細胞、結合組織細胞、角膜細胞、尿生殖細胞、乳房細胞、生殖細胞、内皮細胞、上皮細胞、線維芽細胞、神経細胞、シュワン細胞、脂肪細胞、骨細胞、骨髄細胞、軟骨細胞、周皮細胞、中胚葉細胞、内分泌組織由来細胞、間質細胞、幹細胞、前駆細胞、リンパ細胞、血球、内胚葉由来細胞、外胚葉由来細胞、中胚葉由来細胞、未分化細胞(例えば、幹細胞又は前駆細胞)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0249】
いくつかの実施形態によれば、細胞は幹細胞である。いくつかの実施形態によれば、コアは、幹細胞を含む複数の細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、幹細胞は単能性である。いくつかの実施形態によれば、幹細胞は多分化能である。いくつかの実施形態によれば、幹細胞は、多能性である。いくつかの実施形態によれば、幹細胞は全能性である。いくつかの実施形態によれば、幹細胞は誘導された多能性幹細胞(iPS)である。いくつかの実施形態によれば、幹細胞は、胚幹細胞である。いくつかの実施形態によれば、幹細胞は成人幹細胞である。いくつかの実施形態によれば、幹細胞は一次細胞に由来する。いくつかの実施形態によれば、幹細胞は細胞株に由来する。いくつかの実施形態によれば、幹細胞は前駆体細胞である。いくつかの実施形態によれば、コアは2以上(例えば、2、3、4、5、6、又はそれ以上の何れか)のタイプの幹細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、幹細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態によれば、幹細胞は間葉系幹細胞(MSC)である。いくつかの実施形態によれば、幹細胞は、骨髄に由来する。いくつかの実施形態によれば、幹細胞は非骨髄源、例えば臍帯、胎盤組織、末梢血、脂肪組織、歯、又は皮膚に由来する。
【0250】
適切なタイプの細胞は、バイオブロックが、所定の人工組織の特定の組成に適合するよう選択され得る。例えば、いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、心筋細胞を含み、ここでバイオブロックは心組織の調製のために有用である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、内皮細胞、平滑筋細胞及び線維芽細胞から成る群から選択された細胞を含み、ここでバイオブロックは、血管の調製のために有用である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは内皮細胞を含み、ここでバイオブロックは皮膚組織の調製のために有用である。
【0251】
MSCバイオブロック
本出願の1つの側面は、1又は2以上の間葉系幹細胞(MSC;この後、そのようなバイオブロックは、「MSCバイオブロック」として言及される)を含むバイオブロックを提供する。
【0252】
従って、いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料及びMSCを含むコア、及び生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0253】
MSCバイオブロックは、MSCバイオブロックのコアが少なくとも1つのMSCを含む場合、上記バイオブロックの成分及び/又は性質の何れかを有することができる。いくつかの実施形態によれば、MSCは骨髄間質細胞又は骨髄由来の間葉系幹細胞(BMSC)である。いくつかの実施形態によれば、MSCは、臍帯組織、例えばWhartonゼリー又は臍帯血に由来する。いくつかの実施形態によれば、MSCは羊水由来である。いくつかの実施形態によれば、MSCは、脂肪組織由来である。いくつかの実施形態によれば、MSCは、歯髄組織由来である。いくつかの実施形態によれば、MSCは、皮膚又は毛包由来である。いくつかの実施形態によれば、MSCは、成人筋肉由来である。いくつかの実施形態によれば、MSCは、角膜間質由来である。いくつかの実施形態によれば、MSCは、滑膜由来である。いくつかの実施形態によれば、MSCは、関節関連組織、例えばメニスカス、関節内靭帯、及び膝蓋下脂肪体(infrapatellar fat pad)由来である。
【0254】
コアは、何れかの数のMSC、例えば少なくとも約1、2、4、 6、 8、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、 300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、 3000、4000、5000、10000、20000、30000、40000、50000、100000、200000、500000、又は1000000個の何れかのMSCを含む。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1-10、 10-900、 20-800、 30-700、 40-600、 50-500、 60-400、 70-300、 80-200、 10-100、 10-1000、 10-10000、 10-100000、 又は1-1000000個の何れかのMSCを含む。MSCは、コア中の細胞の総数の適切な%で存在し得る。いくつかの実施形態によれば、MSCの数は、コア中の細胞の総数の少なくとも約10%、20%、 30%、40%、50%、60%、 70%、80%、90%、95%、又はそれ以上の何れかである。いくつかの実施形態によれば、MSCの数は、コア中の細胞の総数の約10%-20%、20%-30%、30%-40%、40%-50%、50%-60%、60%-70%、70%-80%、 80%-90%、90%-100%、10%-40%、40%-80%、10%-50%、 50%-100%、又は20%-100%の何れか1つである。
【0255】
本明細書に記載されるMSCバイオブロック中のMSCは、種々の細胞運命に分化するよう誘導され得る。本明細書に記載される以下の4種のタイプの典型的なMSCバイオブロックは、骨芽細胞又は骨組織(この後、「I型MSCバイオブロック」と称する)、軟骨細胞又は軟骨細胞(この後、「II型MSCバイオブロック」と称する)、内皮細胞(この後、「III型MSCバイオブロック」と称する)、又は平滑筋細胞(この後、「IV型MSCバイオブロック」と称する)へのMSCの分化のための微小環境を提供する。微小環境は、MSC分化のための適切な物理的(例えば、空間、機械的保護及び刺激、等)、化学的(例えば、pH、栄養素、等)及び生物学的(例えば、細胞因子及びECM、等)微小環境を包含し、それらは、MSCバイオブロック全体の構成要素により提供される。いくつかの実施形態によれば、微小環境は、MSCの増殖及び分化のための成長因子及び/又は栄養素を含む。いくつかの実施形態によれば、微小環境は、MSCの増殖及び分化のための空間を含む。いくつかの実施形態によれば、微小環境は、MSCの生物学的機能を維持するか、又は促進するための物理的刺激(例えば、機械的刺激又は低酸素)を含む。いくつかの実施形態によれば、微小環境は、MSC分化と協調するか、又は制御するフィーダー細胞を含む。異なった微小環境を提供することにより、MSCバイオブロック中のMSCは異なった細胞型に分化され得る。いくつかの実施形態によれば、コア及び/又はシェルは、骨芽細胞へのMSCの分化を誘導する、1又は2以上の剤を含む。いくつかの実施形態によれば、コア及び/又はシェルは、軟骨細胞へのMSCの分化を誘導する、1又は2以上の剤を含む。いくつかの実施形態によれば、コア及び/又はシェルは、内皮細胞へのMSCの分化を誘導する、1又は2以上の剤を含む。いくつかの実施形態によれば、コア及び/又はシェルは、平滑筋細胞へのMSCの分化を誘導する、1又は2以上の剤を含む。
【0256】
従って、いくつかの実施形態によれば、以下を含むバイオブロック(すなわち、I型MSCバイオブロック)が提供される:(a)生分解性ポリマーコア材料、MSC、及び骨芽細胞へのMSCの分化を誘導する剤を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、さらに栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0257】
いくつかの実施形態によれば、以下を含むバイオブロック(すなわち、I型MSCバイオブロック)が提供される:(a)生分解性ポリマーコア材料、MSC、デキサメタゾン、アスコルビン酸、及びグリセロホスフェートを含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、さらに栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0258】
いくつかの実施形態によれば、以下を含むバイオブロック(すなわち、II型MSCバイオブロック)が提供される:(a)生分解性ポリマーコア材料、MSC、及び軟骨細胞へのMSCの分化を誘導する剤を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、さらに栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0259】
いくつかの実施形態によれば、以下を含むバイオブロック(すなわち、II型MSCバイオブロック)が提供される:(a)生分解性ポリマーコア材料、MSC、TGF-β3、デキサメタゾン、アスコルビン酸2-リン酸、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、インスリン、トランスフェリン、及び亜セレン酸を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、さらに栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0260】
いくつかの実施形態によれば、微小環境は、骨芽細胞へのMSCの分化を誘導し、促進し、又は制御する剤(この後、本明細書においては、「骨芽細胞分化剤」と称する)を含む。当該技術分野において知られている骨芽細胞分化剤の何れか1つ又は組合せが、I型MSCバイオブロックに使用され得る。典型的な骨芽細胞分化剤は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:ビタミンD3、アスコルビン酸、β-グリセロリン酸、デキサメタゾン、I型コラーゲン、Wnt(Wnt3a、Wnt4、Wnt5a、Wnt10bなど)、BMP(例えば、BMP-2、BMP-4、BMP-7); 転写因子β-カテニンの刺激因子、Runx2、SATB2、TAZ、オステリクス、Smads, C/EBPs、及び ATF4;及び転写因子PPARγ阻害剤、及びTwist1。例えば、Fakhry M. et al. “Molecular mechanisms of mesenchymal stem cell differentiation towards osteoblasts” World J. Stem Cells. 2013, 5(4): 136-148(参照により本明細書に組込まれる)参照。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロックのコアは、ビタミンD3、アスコルビン酸、及びβ-グリセロリン酸を含む。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロックのコアは、デキサメタゾン、アスコルビン酸、及びβ-グリセロホスフェートを含む。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロックの生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む(実質的に成る)。
【0261】
骨芽細胞分化剤の適切な濃度は、剤の性質に依存し、そして約1nM-約100mM、又は約1ng/mL-10mg/mLの範囲にある。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロック中のコアにおけるデキサメタゾンの濃度は、少なくとも約0.01 μM、0.02 μM、 0.05 μM、 0.1 μM、 0.2 μM、 0.5 μM、 又は 1 mMの何れかである。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロック中のコアにおけるデキサメタゾンの濃度は、約0.01 μM-0.05 μM、 0.05 μM-0.1 μM、 0.1 μM-0.2 μM、 0.2 μM-0.5 μM、 0.05 μM-0.2 μM、 0.01 μM-0.2 μM、 又は 0.1 μM-1 mMの何れかである。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロック中のコアにおけるアスコルビン酸の濃度は、少なくとも約0.005 mM、 0.01 mM、 0.02 mM、 0.05 mM、 0.1 mM、 0.2 mM、 又は 0.5 mMの何れかである。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロック中のコアにおけるアスコルビン酸の濃度は、約0.005 mM-0.01 mM、 0.01 mM-0.02 mM、 0.02 mM-0.05 mM、 0.05 mM-0.1 mM、 0.1 mM-0.5 mM、 0.01 mM-0.1 mM、 又は 0.01 mM-0.5 mMの何れかである。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロック中のコアにおけるβ-グリセロホスフェートの濃度は、少なくとも約0.1 mM、 1 mM、 2 mM、 5 mM、 10 mM、 15 mM、 20 mM、 50 mM、 又は それ以上の何れかである。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロック中のコアにおけるβ-グリセロホスフェートの濃度は、約1 mM-1 mM、 1 mM-5 mM、 5mM-10 mM、 5 mM-15 mM、 1mM-20 mM、 又は 1mM-50 mMの何れかである。
【0262】
いくつかの実施形態によれば、微小環境は、軟骨細胞へのMSCの分化を誘導し、促進し、又は制御する剤(この後、本明細書においては、「軟骨細胞胞分化剤」と称する)を含む。当該技術分野において知られている軟骨細胞細胞分化剤の何れか1つ又は組合せが、II型MSCバイオブロックに使用され得る。典型的な軟骨細胞細胞分化剤は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:N-カドヘリン、デキサメタゾン、アスコルビン酸塩、インスリン、トランスフェリン、及び亜セレン酸、TGF-b(例えば、TGF-b1、TGF-b2、及び/又はTGF-b3)、BMP(例えば、BMP2、BMP4、BMP6)、及びIGF1。例えば、Boeuf S. and Richter W. “Chondrogenesis of mesenchymal stem cells: role of tissue source and inducing factors.” Stem Cell Research & Therapy 2010, 1:31(参照により本明細書に組込まれる)参照。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロックのコアは、デキサメタゾン、アスコルビン酸塩、インスリン、トランスフェリン、及び亜セレン酸を含む。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロックのコアは、TFG-βを含む。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロックの生分解性ポリマーコア材料は、TFG-β3、デキサメタゾン、アスコルビン酸2-リン酸、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、インスリン、トランスフェリン、及び亜セレン酸を含む。いくつかの実施形態によれば、インスリン、トランスフェリン及び亜セレン酸を含むITS+組織培養補液が、II型MSCバイオブロックのコアに含まれる。ITS+Premix Tissue Cultureサプリメントは、種々の供給源、例えばCorning、 Collaborative Biomedical、Thermo Fisher Scientific又はSigma-Aldrichから市販されている。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロック中の生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンを含む(例えば、実質的に成る)。
【0263】
骨芽細胞分化剤の適切な濃度は、剤の性質に依存し、そして約1nM-約100mM、又は約1ng/mL-10mg/mLの範囲にある。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロック中のコアにおけるデキサメタゾンの濃度は、少なくとも約0.01 μM、0.02 μM、 0.05 μM、 0.1 μM、 0.2 μM、 0.5 μM、 又は 1 mMの何れかである。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロック中のコアにおけるデキサメタゾンの濃度は、約0.01 μM-0.05 μM、 0.05 μM-0.1 μM、 0.1 μM-0.2 μM、 0.2 μM-0.5 μM、 0.05 μM-0.2 μM、 0.01 μM-0.2 μM、 又は 0.1 μM-1 mMの何れかである。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロック中のコアにおけるアスコルビン酸2-リン酸の濃度は、少なくとも約5、10、20、50、100、200 又は 500μg/mLの何れかである。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロック中のコアにおけるアスコルビン酸2-リン酸の濃度は、約5-10、10-50、5-50、20-100、10-200、20-200、100-500、又は 10-200μg/mLの何れかである。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロック中のコアにおけるピルビン酸ナトリウムの濃度は、少なくとも約10、20、50、100、200、500、又は 1000 μg/mLの何れかである。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロック中のコアにおけるピルビン酸ナトリウムの濃度は、約10-20、20-50、20-100、10-200、20-200、50-500、又は 50-1000 μg/mLの何れかである。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロック中のコアにおけるプロリンの濃度は、少なくとも約4、10、20、40、100、200 又は 400 μg/mLの何れかである。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロック中のコアにおけるプロリンの濃度は、約4-10、10-40、5-50、20-100、10-200、20-200、100-400、又は 10-200μg/mLの何れかである。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロック中のコアにおけるTGF-β(例えば、TGF-β3)の濃度は、少なくとも約1、2、5、10、20、50、又は 100 ng/mLの何れかである。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロック中のコアにおけるプロリンの濃度は、約1-5、2-10、5-20、5-50、50-100、又は 1-100 ng/mLの何れかである。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロック中のコアにおけるITS+組織培養補液の%(v/v)は、少なくとも約1%、2%、5%、10%、20%、30%、又はそれ以上の何れかである。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロック中のコアにおけるITS+組織培養補液の%(v/v)は、約1%-5%、5%-10%、5%-15%、10%-20%、5%-25%、又は 1%-30%の何れかである。
【0264】
いくつかの実施形態によれば、MSCバイオブロックはさらに、分化された細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、分化された細胞は、分化された細胞へのMSCの分化のための微小環境を提供する。いくつかの実施形態によれば、MSCバイオブロック中のコアは、MSC及び分化された細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、MSCバイオブロックは、MSCを含む第1コア、及び分化細胞を含む第2コアを含む。いくつかの実施形態によれば、分化された細胞は、内皮細胞、例えばHUVECである。いくつかの実施形態によれば、分化された細胞は、平滑筋細胞である。いくつかの実施形態によれば、MSC及び分化された細胞は、同じ生物、例えば哺乳類、例えばヒト、ラット、マウス又は非ヒト霊長類に由来する。いくつかの実施形態によれば、MSC及び分化された細胞は、同じ源、例えば同じ対象に由来する。いくつかの実施形態によれば、MSC及び分化された細胞は、異なった生物に由来する。例えば、いくつかの実施形態によれば、MSCはラットに由来し、そして分化された細胞はラットに由来する。
【0265】
従って、いくつかの実施形態によれば、以下を含むバイオブロック(すなわち、III型MSCバイオブロック)が提供される:(a)生分解性ポリマーコア材料、MSC、及び内皮細胞を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、さらに栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約2個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、例えば約115-5dyn/cm2で液体剪断力にゆだねられる。
【0266】
いくつかの実施形態によれば、以下を含むバイオブロック(すなわち、III型MSCバイオブロック)が提供される:(a)生分解性ポリマーコア材料、MSC、及び内皮細胞へのMSCの分化を誘導する剤(例えばVEGF 及びECGS、又は VEGF 及びbFGF)を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、コアは少なくとも50ng/mLのVEGF/及び少なくとも約30ng/mLのECGSを含む。いくつかの実施形態によれば、コアは少なくとも約10ng/mLのVEGF及び少なくとも約2ng/mLのbFGFを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、さらに栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約2個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、例えば約115-5dyn/cm2で液体剪断力にゆだねられる。
【0267】
いくつかの実施形態によれば、以下を含むバイオブロック(すなわち、IV型MSCバイオブロック)が提供される:(a)生分解性ポリマーコア材料、MSC、及び平滑筋細胞を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、さらに栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約2個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0268】
いくつかの実施形態によれば、以下を含むバイオブロック(すなわち、IV型MSCバイオブロック)が提供される:(a)生分解性ポリマーコア材料、MSC、及び平滑筋細胞へのMSCの分化を誘導する剤(例えば、アンジオテンシンII)を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、以下を含むバイオブロック(すなわち、IV型MSCバイオブロック)が提供される:(a)ポリ(ラクチド/ε-カプロラクトン)(すなわち、PLCL)を含有する生分解性ポリマーコア材料、及び脂肪由来MSCを含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、以下を含むバイオブロック(すなわち、IV型MSCバイオブロック)が提供される:(a)IV型コラーゲンを含む生分解性ポリマーコア材料、及び胚性幹細胞を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、さらに栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約2個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0269】
III型又はIV型MSCバイオブロックにおける分化された細胞(例えば、内皮細胞又は平滑筋細胞)の数:MSCの数の比率は、MSCの分化のための適切な微小環境を提供するために最適化され得る。いくつかの実施形態によれば、分化された細胞(例えば、内皮細胞又は平滑筋細胞)の数:MSCの数の比率は、少なくとも約1:20、1:19、 1:18、 1:17、 1:16、 1:15、 1:14、 1:13、 1:12、 1:11、 1:10.5、 1:10、 1:9.5、 1:9、 1:8.5、 1:8、 1:7、 1:6、 1:5、 1:4、 1:3、 1:2、 2:3、 又は 1:1の何れかである。いくつかの実施形態によれば、分化された細胞(例えば、内皮細胞又は平滑筋細胞)の数:MSCの数の比率は、約、1:20-約1:1、例えば約1:20 - 1:15、 1:15 - 1:10、 1:10 - 1:5、 1:5 - 1:1、 1:20 - 1:18、 1:18 - 1:16、 1:16 - 1:14、 1:14 - 1:12、 1:12 - 1:10、 1:10 - 1:8、 1:8 - 1:6、 1:6 - 1:4、 1:4 - 1:2、 1:10.5 - 1:9.5、 1:11 - 1:9、 1:12 - 1:8、 1:13 - 1:7、 1:14 - 1:6、 1:15 - 1:5、 又は 1:20 - 2:3いずれかである。いくつかの実施形態によれば、内皮細胞の数:MSCの数の比率は、約1:10である。いくつかの実施形態によれば、平滑筋細胞の数:MSCの数の比率は、約1:3である。
【0270】
いくつかの実施形態によれば、以下を含むバイオブロック(すなわち、I型MSCバイオブロック)が提供される:MSC細胞、MSC細胞を閉じ込めるコア、及びコアを被覆するシェル、ここで前記コア及びシェルはそれぞれ独立して、生分解性材料を含み、そして前記コアは、骨芽細胞又は骨組織へのMSCの分化を誘導する微小環境を提供する(例えば、コアは骨芽細胞又は骨組織へのMSCの分化を誘導する細胞因子を含む)。いくつかの実施形態によれば、シェルは骨芽細胞又は骨組織へのMSCの分化を誘導する微小環境を提供する(例えば、コアは、骨芽細胞又は骨組織へのMSCの分化を誘導する細胞因子を含む)。いくつかの実施形態によれば、細胞因子は、デキサメタゾン、アスコルビン酸、及びグリセロホスフェートを含む。いくつかの実施形態によれば、シェルは細胞を含まない。
【0271】
いくつかの実施形態によれば、以下を含むバイオブロック(すなわち、II型MSCバイオブロック)が提供される:MSC細胞、MSC細胞を閉じ込めるコア、及びコアを被覆するシェル、ここで前記コア及びシェルはそれぞれ独立して、生分解性材料を含み、そして前記コアは、軟骨細胞または軟骨組織へのMSCの分化を誘導する微小環境を提供する(例えば、コアは軟骨細胞または軟骨組織へのMSCの分化を誘導する細胞因子を含む)。いくつかの実施形態によれば、シェルは軟骨細胞または軟骨組織へのMSCの分化を誘導する微小環境を提供する(例えば、コアは、軟骨細胞または軟骨組織へのMSCの分化を誘導する細胞因子を含む)。いくつかの実施形態によれば、細胞因子は、TFG-β3、デキサメタゾン、アスコルビン酸2-リン酸、ピルビン酸ナトリウム、 プロリン、およびインスリン - トランスフェリン - 亜セレン酸溶液を含む。いくつかの実施形態によれば、シェルは細胞を含まない。
【0272】
いくつかの実施形態によれば、以下を含むバイオブロック(すなわち、III型MSCバイオブロック)が提供される:MSC細胞、MSC細胞を閉じ込めるコア、及びコアを被覆するシェル、ここで前記コア及びシェルはそれぞれ独立して、生分解性材料を含み、そして前記コアは、内皮細胞へのMSCの分化を誘導する微小環境を提供する。いくつかの実施形態によれば、コアは内皮細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、コアはVEGF及びELGSを含む。いくつかの実施形態によれば、コアはVEGF及びbFGFを含む。
【0273】
いくつかの実施形態によれば、以下を含むバイオブロック(すなわち、III型MSCバイオブロック)が提供される:MSC細胞、MSC細胞を閉じ込めるコア、及びコアを被覆するシェル、ここで前記コア及びシェルはそれぞれ独立して、生分解性材料を含み、そして前記コアは、平滑筋細胞へのMSCの分化を誘導する微小環境を提供する。いくつかの実施形態によれば、コアはアンジオテンシンIIを含む。いくつかの実施形態によれば、MSCは、脂肪組織に由来し、コアはポリ(ラクチド/ε-カプロラクトン)(すなわち、PLCL)を含む。いくつかの実施形態によれば、コアはIV型コラーゲンを含む。
【0274】
上記I型、II型、III型又はIV型MSCバイオブロックの何れか1つのいくつかの実施形態によれば、コアは、MSCの細胞活性のための微小環境(例えば、栄養素)を提供する。いくつかの実施形態によれば、各コアは、独立して生分解性材料を含み、ここで前記生分解性材料は生体適合性である。いくつかの実施形態によれば、コア中の生分解性材料は、天然に存在する(例えば、植物又は動物からの天然に存在する生分解性材料)、合成、組換え、修飾されるか、又はそれらの何れかの組合せである。いくつかの実施形態によれば、コアの生分解性材料は、以下のものを含む:天然に存在する生分解性ポリマー、例えばコラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、エラスチン、またはそれらの組み合わせ;修飾された生分解性ポリマー、例えば、修飾アルギン酸塩、例えば、酸化アルギン酸塩(例えば、酸化アルギン酸ナトリウム);及び/又は合成生分解性ポリマー、例えばポリホスファゼン(polypohosphazene)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリレートコポリマー(例えば、アクリル酸とポリメタクリル酸とのコポリマー)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ-(ラクチド-コグリコリド酸)(PLGA)、ポリオルトエステル(POE)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシレート(PHB)、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、分解性ポリウレタン、それらのコポリマー、及びそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態によれば、コアの生分解性ポリマーは、酵素(例えば、MSCにより分泌される酵素)により分解され得る。いくつかの実施形態によれば、コアの分解生成物は、MSCの細胞活性を維持するか、又は促進する栄養素を提供する。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーは、コラーゲン(例えば、I型、II型、又はIII型コラーゲン)、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)、酸化アルギン酸塩(例えば、酸化アルギン酸ナトリウム)、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、エラスチン、ゼラチン、グルカン、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、アガロース、生分解性ポリウレタン、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、コアは、I型コラーゲン及び/又はアルギン酸塩、例えばI型コラーゲン及びアルギン酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態によれば、コアはラミニンを含む。いくつかの実施形態によれば、コアはデンプンを含む。いくつかの実施形態によれば、コアは生分解性ポリウレタンを含む。いくつかの実施形態によれば、コアはアルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム又はアルギン酸カルシウム)、及び酸化されたアルギン酸塩(例えば、酸化されたアルギン酸ナトリウム)を含む。いくつかの実施形態によれば、コアはゲル状態で存在する。
【0275】
上記I型、II型、III型又はIV型MSCバイオブロックの何れか1つのいくつかの実施形態によれば、シェルは、MSC細胞のための機械的保護を提供する。いくつかの実施形態によれば、各シェルは独立して、約0.01-0.4GPa、例えば約0.01-0.02、 0.02-0.03、 0.03-0.04、 0.04-0.05、 0.05-0.06、 0.06-0.07、 0.07-0.08、 0.08-0.09、 0.09-0.1、 0.1-0.15、 0.15-0.2、 0.2-0.3、 0.3-0.4、 0.01-0.4、 0.01-0.05、 0.05-0.1、 0.1-0.2、 0.2-0.4、 0.05-0.15、 又は 0.06-0.1 GPaの何れかの硬度;及び/又は約0.01-100MPa、例えば約0.01-0.05、 0.05-0.1、 0.1-0.5、 0.5-0.8、 0.8-1、 1-1.2、 1.2-1.4、 1.4-1.6、 1.6-1.8、 1.8-2、 2-2.4、 2.4-2.8、 2.8-3.2、 3.2-4、 4-10、 10-20、 20-30、 30-40、 40-50、 50-80、 80-100、 0.5-4、 0.5-1、 1-1.5、 1.5-2、 2-3、 0.8-1.6、 1.4-2.4、 0.8-3.2、 0.01-100、 1-100、 10-100、 又は 0.5-50 MPaの何れかの弾性率を有する。いくつかの実施形態によれば、シェルは、MSCの細胞活性のための微小環境(例えば、栄養素)を提供する。いくつかの実施形態によれば、各シェルは、独立して生分解性材料を含み、ここで前記生分解性材料は生体適合性である。いくつかの実施形態によれば、シェル中の生分解性材料は、天然に存在する(例えば、植物又は動物からの天然に存在する生分解性材料)、合成、組換え、修飾されるか、又はそれらの何れかの組合せである。いくつかの実施形態によれば、シェル中の生分解性材料は、以下のものを含む:天然に存在する生分解性ポリマー、例えばコラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、エラスチン、またはそれらの組み合わせ;修飾された生分解性ポリマー、例えば、修飾アルギン酸塩、例えば、酸化アルギン酸塩(例えば、酸化アルギン酸ナトリウム);及び/又は合成生分解性ポリマー、例えばポリホスファゼン(polypohosphazene)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリレートコポリマー(例えば、アクリル酸とポリメタクリル酸とのコポリマー)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ-(ラクチド-コグリコリド酸)(PLGA)、ポリオルトエステル(POE)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシレート(PHB)、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、分解性ポリウレタン、それらのコポリマー、及びそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態によれば、シェルの生分解性ポリマーは、酵素(例えば、MSCにより分泌される酵素)により分解され得る。いくつかの実施形態によれば、シェルの分解生成物は、MSCの細胞活性を維持するか、又は促進する栄養素を提供する。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーは、コラーゲン(例えば、I型、II型、又はIII型コラーゲン)、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)、酸化アルギン酸塩(例えば、酸化アルギン酸ナトリウム)、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、エラスチン、ゼラチン、グルカン、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、アガロース、生分解性ポリウレタン、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、シェルはアルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム又はアルギン酸カルシウム)、例えばアルギン酸カルシウム及びゼラチン、及び任意には、エラスチンを含む。いくつかの実施形態によれば、シェルは酸化されたアルギン酸塩(例えば、酸化されたアルギン酸ナトリウム)を含む。いくつかの実施形態によれば、シェルは、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム又はアルギン酸カルシウム)、及び酸化されたアルギン酸塩(例えば、酸化されたアルギン酸ナトリウム)を含む。いくつかの実施形態によれば、シェルはアルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム又はアルギン酸カルシウム)、及びアガロースを含む。
【0276】
上記I型、II型、III型又はIV型MSCバイオブロックの何れか1つのいくつかの実施形態によれば、各シェルは独立して処理される(例えば、シェルの機械的性質を改善するために、固化又は架橋溶液を用いて)。いくつかの実施形態によれば、各コアはそれぞれ、透過性である。例えば、シェルは、水、酸素及び栄養素、例えば糖、例えばグルコース、脂質、タンパク質、アミノ酸、ペプチド、ミネラル、ビタミン、細胞因子、及び核酸に対して透過性である。いくつかの実施形態によれば、各シェルは独立して、バイオブロックの内部及び外部の物質を交換するための1又は2以上のマイクロチャネル又は微細孔を有する。いくつかの実施形態によれば、1又は2以上のマイクロチャネルの直径は、少なくとも約10、 20、 50、 100、 150、 200、 250、 300、 350、 400、 又は 500 nmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、1又は2以上の微細孔の直径は、少なくとも約100、 200、 400、 600、 800、 1000、 1500、 2000、 4000、 又は 5000 nmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、各シェルは独立して、約0.1-50μm、例えば約0.1-0.5、 0.5-1、 1-2、 2-5、 5-10、 10-15、 15-20、 20-25、 25-30、 30-50、 50-100、 100-200、 200-300、 300-400、 400-500、 0.1-1、 1-5、 1-10、 5-10、 10-20、 10-30、 5-20、 又は 1-20 μmの何れか1つの厚さを有する。
【0277】
上記I型、II型、III型又はIV型MSCバイオブロックの何れか1つのいくつかの実施形態によれば、各コア及び/又はシェルは独立して、さらに追加の剤、例えば栄養素、ECM分子、細胞因子、及び/又は医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、追加の剤は、MSCの増殖、移動、分泌及び/又は代謝を制御できる(例えば、促進できる)。いくつかの実施形態によれば、栄養素は、核酸、アミノ酸、ポリペプチド、炭水化物(例えば、単糖、オリゴ糖、多糖類)、脂質、およびビタミンから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、ECM分子は、多糖類(例えば、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン)、構造タンパク質(例えば、コラーゲン及びエラスチン)、接着タンパク質(例えば、フィブロネクチンおよびラミニン)から成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、細胞因子は、細胞の増殖、移動、分泌及び/又は代謝を制御できる。適切な細胞因子は、以下を含むが、但しそれらだけには限定されない:細胞増殖に関連する細胞因子、例えばインスリン、インスリン成長因子(IGF、例えばIGF-I 又はIGF-II)、トランスフォーミング成長因子(TGF、例えば TGFα 及び TGFβ)、 血管上皮成長因子(VEGF)、表皮成長因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF) 骨肉腫供給源成長因子(ODGF)、ソマトスタチン(SRIH)、神経成長因子(NGF)、インターロイキン (IL、例えばIL-1、 IL-2、 IL-3、 IL-4、 IL-5、 IL-6、 IL-7、 IL-8、 IL-10、 IL-12)、 エリスロポエチン(EPO)、コロニー刺激因子(CSF)、コルチゾール、甲状腺ホルモン (例えば、T3又はT4)、 ケモカイン (例えば、CCL、 CXC、 XCL、 又はMCP)、 腫瘍壊死因子(TNF)、及びそれらの組み合わせ;細胞移動に関連する細胞因子、例えばcAMP、 PIP3、 SDF-1、 N-カドヘリン、 NF-κB、オステオネクチン、トロンボキサンA2、 Ras、及びそれらの組み合わせ;細胞代謝に関連する細胞因子、例えばIGF-I、 TRIP-Br2、 DKK-1、 sRANKL、 OPG、 TRACP-5b、 ALP、 SIRT1(2-7)、 PGC-1α、 PGC-1β、 IL-3、 IL-4、 IL6、 TGF-β、 PGE2、 G-CSF、 TNFα、及びそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態によれば、医薬活性剤は、細胞増殖、分化、移動、分泌及び/又は代謝を制御する(例えば、促進する)。いくつかの実施形態によれば、前記医薬活性剤は、rhIL-2、 rhIL-11、 rhEPO、 IFN-α、 IFN-β、 IFN-γ、 G-CSF、 GM-CSF、 rHuEPO、 sTNF-R1、 rhTNF-α、 及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0278】
上記I型、II型、III型又はIV型MSCバイオブロックの何れか1つのいくつかの実施形態によれば、各コアは独立して、1又は2以上のMSC、例えば約1-106MSC、例えば約10-900、 20-800、 30-700、 40-600、 50-500、 60-400、 70-300、 80-200、 10-100、 10-103、 10-104、 10-105、 10-106個の細胞の何れか1つを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックのサイズは、約20-2000μm、例えば約30-1900 μm、 40-1800μm、 50-1700μm、 60-1600μm、 70-1500μm、 80-1400μm、 90-1300μm、 100-1200μm、 200-1000μm、 300-800μm、 400-600μm、 又は100-500μmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、球形であるか、又は何れか他の適切な形状(立方体、長方形プリズム、円筒形、又は不規則な形状)のものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、固体又は半固体、例えばゲル状態である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、組成物に存在する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは単離される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、容器に提供される。
【0279】
バイオインク組成物及び医薬組成物
本出願はさらに、本明細書に記載される複数のバイオブロック(例えば、MSCバイオブロック、例えば、I、II、III又はIV型MSCバイオブロック)の何れか、又は複数の単離されたバイオブロックを含む組成物(例えば、バイオインク組成物、医薬組成物)を提供する。本明細書に記載されるようなバイオブロック(例えば、MSCバイオブロック、例えば、I、II、III又はIV型MSCバイオブロック)の性質(例えば、組成、比率、物理的及び化学的性質、等)の何れかが、各及びあらゆる組合せが個別に記載されているかのように、本明細書に記載されるようなバイオインク組成物の性質(例えば、担体性質、等)の何れかと組合されることが意図される。
【0280】
バイオインク組成物は、典型的には担体に懸濁された細胞を含む、3Dバイオプリントのために現在使用される他のインク組成物とは有意に異なる。バイオブロックのコア及び/又はシェルは適切な機械的及び物理的性質を有するので、本明細書に記載されるバイオインク組成物は、少なくとも以下の利点を有する:(1)細胞のための機械的保護の提供;(2)細胞生存の促進;及び(3)足場の不要。
【0281】
バイオブロックの多くのユニーク特性の他に、バイオインク組成物はまた、カプセル化された細胞を含む組成物とは有意に異なる。例えば、バイオインク組成物は、インクジェット又はマイクロ押し出しバイオプリントによる押し出しのために適切である。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、本質的に液体を含まない。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は液体又はペーストである。いくつかの実施形態によれば、バイオインクの組成物は、押出しのために適切である担体を含む。従って、バイオインク組成物中の担体は、押出しのための適切な粘度を有する材料を含むべきである。さらに、バイオインク組成物は、担体内に均等に懸濁され得る、任意の数のバイオブロックを含むことができる。対照的に、カプセル化された細胞は典型的には、溶液において調製されるか、又は固体又は半固体足場に埋め込まれるか、又はその上に堆積される。本出願のバイオインク組成物におけるバイオブロックの重量%及び細胞密度はまた、カプセル化された細胞を含む組成物におけるそれらとは異なる。
【0282】
従って、本出願の1つの側面は、それぞれ以下を含む複数のバイオブロックを含むバイオインク組成物を提供する:(a)生分解性ポリマーコア材料、及び細胞(例えば、MSC)を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0283】
いくつかの実施形態によれば、それぞれ以下を含む複数のバイオブロックを含むバイオインク組成物を提供される:(a)生分解性ポリマーコア材料、及び細胞を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル、ここで前記バイオインク組成物は少なくとも約50%のバイオブロック(w/w)を含む。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0284】
いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック及び担体(例えば、液体又はペースト)を含むバイオインク組成物が提供され、ここで前記複数のバイオブロックはそれぞれ以下を含む:(a)生分解性ポリマーコア材料、及び細胞を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0285】
いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック及び担体(例えば、液体又はペースト)を含むバイオインク組成物が提供され、ここで前記複数のバイオブロックはそれぞれ以下を含む:(a)生分解性ポリマーコア材料、及び細胞を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル、ここで前記バイオインク組成物は少なくとも約50%のバイオブロック(w/w)を含む。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0286】
いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック及び担体(例えば、液体又はペースト)を含むバイオインク組成物が提供され、ここで前記複数のバイオブロックはそれぞれ以下を含む:(a)生分解性ポリマーコア材料、及び細胞を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル、ここで前記複数のバイオブロックは、担体内に均質に懸濁される。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0287】
いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック及び担体(例えば、液体又はペースト)を含むバイオインク組成物が提供され、ここで前記複数のバイオブロックはそれぞれ以下を含む:(a)生分解性ポリマーコア材料、及び細胞を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル、ここで前記複数のバイオブロックは、担体内に均質に懸濁され、そして前記バイオインク組成物は少なくとも約50%のバイオブロック(w/w)を含む。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0288】
いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック及び担体(例えば、液体又はペースト)を含むバイオインク組成物が提供され、ここで前記複数のバイオブロックはそれぞれ以下を含む:(a)生分解性ポリマーコア材料、及び細胞を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル、ここで前記担体は約1Pa・s-約1000Pa・sの粘度を有する。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0289】
いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック及び担体(例えば、液体又はペースト)を含むバイオインク組成物が提供され、ここで前記複数のバイオブロックはそれぞれ以下を含む:(a)生分解性ポリマーコア材料、及び細胞を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル、ここで前記担体は約1Pa・s-約1000Pa・sの粘度を有し、そして前記バイオインク組成物は少なくとも約50%のバイオブロック(w/w)を含む。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0290】
いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック及び担体(例えば、液体又はペースト)を含むバイオインク組成物が提供され、ここで前記複数のバイオブロックはそれぞれ以下を含む:(a)生分解性ポリマーコア材料、及び細胞を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル、ここで前記複数のバイオブロックは、担体内に均質に懸濁され、そして前記担体は約1Pa・s-約1000Pa・sの粘度を有する。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0291】
いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック及び担体(例えば、液体又はペースト)を含むバイオインク組成物が提供され、ここで前記複数のバイオブロックはそれぞれ以下を含む:(a)生分解性ポリマーコア材料、及び細胞を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル、ここで前記複数のバイオブロックは、担体内に均質に懸濁され、前記担体は約1Pa・s-約1000Pa・sの粘度を有し、そして前記バイオインク組成物は少なくとも約50%のバイオブロック(w/w)を含む。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0292】
いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック及び担体(例えば、液体又はペースト)を含むバイオインク組成物が提供され、ここで前記複数のバイオブロックはそれぞれ以下を含む:(a)生分解性ポリマーコア材料、MSC、及び骨芽細胞へのMSCの分化を誘導する剤を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0293】
いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック及び担体(例えば、液体又はペースト)を含むバイオインク組成物が提供され、ここで前記複数のバイオブロックはそれぞれ以下を含む:(a)生分解性ポリマーコア材料、MSC、及び軟骨細胞へのMSCの分化を誘導する剤を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0294】
いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック及び担体(例えば、液体又はペースト)を含むバイオインク組成物が提供され、ここで前記複数のバイオブロックはそれぞれ以下を含む:(a)生分解性ポリマーコア材料、MSC、デキサメタゾン、アスコルビン酸、及びグリセロホスフェートを含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0295】
いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック及び担体(例えば、液体又はペースト)を含むバイオインク組成物が提供され、ここで前記複数のバイオブロックはそれぞれ以下を含む:(a)生分解性ポリマーコア材料、MSC、TGF-β3、デキサメタゾン、アスコルビン酸2-リン酸、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、インスリン、トランスフェリン、及び亜セレン酸を含むコア;並びに(b)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0296】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載される複数のI型及び/又はII型MSCバイオブロックの何れか1つを含む組成物(例えば、バイオインク組成物)が提供される。いくつかの実施形態によれば、組成物は担体を含む。いくつかの実施形態によれば、担体は生体接着性材料を含む。いくつかの実施形態によれば、担体(例えば、生体接着性材料)及びその分解生成物は、非細胞毒性であり、そして/又は宿主に対して非免疫原性である。いくつかの実施形態によれば、担体(例えば、生体接着性材料)は、生分解性材料である。いくつかの実施形態によれば、担体(例えば生体接着性材料)は、生体適合性である。いくつかの実施形態によれば、担体の生分解性材料の分解生成物は、MSCの細胞活性を維持するか、又は促進することができる栄養素を提供する。いくつかの実施形態によれば、担体(例えば、生体接着性材料)の生分解性材料は、天然に存在し(例えば、植物又は動物からの天然に存在する生分解性材料)、合成、組換え、修飾されるか、又はそれらの何れかの組合せである。いくつかの実施形態によれば、担体(例えば、生体接着性材料)中の生分解性材料は、以下のものを含む:天然に存在する生分解性ポリマー、例えばコラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、エラスチン、またはそれらの組み合わせ;修飾された生分解性ポリマー、例えば、修飾アルギン酸塩、例えば、酸化アルギン酸塩(例えば、酸化アルギン酸ナトリウム);及び/又は合成生分解性ポリマー、例えばポリホスファゼン(polypohosphazene)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリレートコポリマー(例えば、アクリル酸とポリメタクリル酸とのコポリマー)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ-(ラクチド-コグリコリド酸)(PLGA)、ポリオルトエステル(POE)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシレート(PHB)、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、分解性ポリウレタン、それらのコポリマー、及びそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態によれば、担体(例えば、生体接着性材料)の生分解性ポリマーは、コラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム又はアルギン酸カルシウム)、酸化されたアルギン酸塩(例えば、酸化されたアルギン酸ナトリウム)、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、エラスチン、ゼラチン、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、アガロース、グルカン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸及びその誘導体(例えば、ポリアクリル酸又はそのエステル、ポリメタクリル酸又はそのエステル)、ポリアクリルアミド、N-置換アクリルアミド、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、担体(例えば、生体接着性材料)は、アルギン酸ナトリウム及び/又は酸化されたアルギン酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態によれば、担体(例えば、生体接着性材料)は、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム又はアルギン酸カルシウム)及び酸化されたアルギン酸塩(例えば、酸化されたアルギン酸ナトリウム)を含む。いくつかの実施形態によれば、担体はさらに、水、無機塩、pH緩衝液、安定剤、保存剤、又はそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態によれば、担体(例えば、生体接着性材料)は、液体又は半液体(例えば、ゲル)である。いくつかの実施形態によれば、担体(例えば、生体接着性材料)の粘度は、約1-1000Pa・s、例えば約1-2、2-3、 3-4、 4-5、 5-6、 6-7、 7-8、 8-9、 9-10、 10-12、 12-14、 14-16、 16-18、 18-20、 20-25、 25-30、 30-50、 50-80、 80-100、 100-200、 200-300、 300-400、 400-500、 500-800、 800-1000、 1-3、 3-8、 8-16、 3-10、 10-20、 20-50、 50-160、 又は 30-160 Pa・sの何れかである。いくつかの実施形態によれば、担体(例えば、生体接着性材料)はさらに、追加の剤、例えば栄養素、ECM分子、抗アポトーシス剤、抗酸化剤、細胞因子、医薬的に活性な薬剤、又はそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態によれば、追加の剤は、MSCの増殖、移動、分泌及び/又は代謝を制御できる(例えば、促進できる)。いくつかの実施形態によれば、栄養素は、核酸、アミノ酸、ポリペプチド、炭水化物(例えば、単糖、オリゴ糖、多糖類)、脂質、およびビタミンから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、ECM分子は、多糖類(例えば、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン)、構造タンパク質(例えば、コラーゲン及びエラスチン)、接着タンパク質(例えば、フィブロネクチンおよびラミニン)から成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、細胞因子は、細胞の増殖、移動、分泌及び/又は代謝を制御できる。適切な細胞因子は、以下を含むが、但しそれらだけには限定されない:細胞増殖に関連する細胞因子、例えばインスリン、インスリン成長因子(IGF、例えばIGF-I 又はIGF-II)、トランスフォーミング成長因子(TGF、例えば TGFα 及び TGFβ)、 血管上皮成長因子(VEGF)、表皮成長因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF) 骨肉腫供給源成長因子(ODGF)、ソマトスタチン(SRIH)、神経成長因子(NGF)、インターロイキン (IL、例えばIL-1、 IL-2、 IL-3、 IL-4、 IL-5、 IL-6、 IL-7、 IL-8、 IL-10、 IL-12)、 エリスロポエチン(EPO)、コロニー刺激因子(CSF)、コルチゾール、甲状腺ホルモン 例えば、T3又はT4)、 ケモカイン (例えば、CCL、 CXC、 XCL、 又はMCP)、 腫瘍壊死因子(TNF)、及びそれらの組み合わせ;細胞分化に関連する細胞因子、例えばOct3 / 4、Sox2、Klf4、c-Myc、GATA4、TSP1、β-グリセロリン酸、デキサメタゾン、ビタミンC、インスリン、IBMX、インドメタシン、PDGF-BB、5-アザシチジン、及びそれらの組み合わせ;細胞移動に関連する細胞因子、例えばcAMP、 PIP3、 SDF-1、 N-カドヘリン、 NF-κB、オステオネクチン、トロンボキサンA2、 Ras、及びそれらの組み合わせ;細胞代謝に関連する細胞因子、例えばIGF-I、 TRIP-Br2、 DKK-1、 sRANKL、 OPG、 TRACP-5b、 ALP、 SIRT1(2-7)、 PGC-1α、 PGC-1β、 IL-3、 IL-4、 IL6、 TGF-β、 PGE2、 G-CSF、 TNFα、及びそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態によれば、医薬活性剤は、細胞増殖、分化、移動、分泌及び/又は代謝を制御する(例えば、促進する)。いくつかの実施形態によれば、前記医薬活性剤は、rhIL-2、 rhIL-11、 rhEPO、 IFN-α、 IFN-β、 IFN-γ、 G-CSF、 GM-CSF、 rHuEPO、 sTNF-R1、 rhTNF-α、 及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物)は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、80%、又は90%(w/w)の何れかのI型及び/又はII型MSCバイオブロックを含む。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物)は、液体、半液体(例えば、ゲル)、又は固体、例えば懸濁液、ゲル又は濃縮物である。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物)は、押出し可能である。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物)は、バイオプリント、及び/又はコンストラクト(例えば、三次元コンストラクト、組織前駆体、組織又は器官)の構築のために使用される。
【0297】
バイオインク組成物の成分及び性質
いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、担体を含む。その分解生成物を含む担体は典型的には、細胞に対して非毒性である。いくつかの実施形態によれば、担体は非免疫原性である。いくつかの実施形態によれば、担体は生体適合性材料である。いくつかの実施形態によれば、担体は生体接着性材料である。本明細書において使用される場合、「生体接着性材料(bioadhesive material)」とは、凝集するのに役立つことができる生分解性及び生体適合性材料を言及する。「凝集する(Agglutinate)」とは、細胞、細胞凝集体、多細胞凝集体、多細胞体及び/又は多細胞層の融合又は接着を言及する。用語「凝集する(agglutinate)」、「融合する(fuse)」及び「接着する(adhere)」とは、本明細書において交換可能的に使用される。適切な生体接着性材料は、以下のものを包含するが、但しそれらだけには制限されない:コラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、エラスチン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリレートコポリマー(例えば、アクリル酸とポリメタクリル酸のコポリマー)、及びそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態によれば、生体適合材料は、他のバイオブロックに接着するタンパク質又は炭水化物を含む。いくつかの実施形態によれば、生体適合材料は、多次元コンストラクト、人工組織又は組織前駆体内のバイオブロックを結合する。いくつかの実施形態によれば、担体は、生分解性ポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーの分解生成物は、バイオブロック中の細胞に少なくとも1つの栄養素又はECM前駆体を提供するいくつかの実施形態によれば、担体はさらに、ECM分子又は少なくとも1つの栄養素を含む。
【0298】
いくつかの実施形態によれば、担体は、天然に存在するポリマー又はその誘導体を含む。いくつかの実施形態によれば、担体は、コラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩、酸化アルギン酸塩、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、及びそれらの組み合わせから成る群から選択されたポリマーを含む。
【0299】
いくつかの実施形態によれば、担体は、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)を含む。いくつかの実施形態によれば、担体は酸化されたアルギン酸塩を含む。セクション「酸化されたアルギン酸塩」に記載されるアルギン酸塩及び酸化されたアルギン酸塩の何れかが、担体に使用され得る。担体中のアルギン酸塩、酸化されたアルギン酸塩、又はその組合せの適切な%は、少なくとも約0.1%、0.5%、 1%、 1.25%、 1.5%、 2%、 3%、 4%、 5%、 7.5%、又は10%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、担体中のアルギン酸塩、酸化されたアルギン酸塩、又はその組合せの適切な%は、約0.1%-0.5%、 0.5%-1%、 1%-1.25%、 1.25%-1.5%、 1.5%-2%、 2%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 5%-7.5%、 7.5%-10%、 0.1%-1%、 1%-1.5%、 1%-2%、 0.5-2.5%、 1%-3%、 5-10% 又は 0.5%-5%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、担体中のアルギン酸塩、酸化されたアルギン酸塩、又はその組合せの適切な%は、約5%以下(例えば、約4%、2.5%、1.5%又は1%以下の何れかを包含する)である。
【0300】
いくつかの実施形態によれば、担体はゼラチンを含む。いくつかの実施形態によれば、担体におけるゼラチンの%は、少なくとも約0.1%、0.5%、1%、1.25%、1.5%、2%、3%、4%、 5%、7.5%、又は 10%の何れかである。いくつかの実施形態によれば、担体中のゼラチンの%は、約0.1%-0.5%、 0.5%-1%、 1%-1.25%、 1.25%-1.5%、 1.5%-2%、 2%-3%、 3%-4%、 4%-5%、 5%-7.5%、 7.5%-10%、 0.1%-1%、 1%-1.5%、 1%-2%、 0.5-2.5%、 1%-3%、 5-10% 又は 0.5%-5%の何れかである。
【0301】
いくつかの実施形態によれば、担体は、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)及びゼラチンを含む。いくつかの実施形態によれば、担体におけるアルギン酸塩:ゼラチンの重量比は、少なくとも約10:1、 9:1、 8:1、 7:1、 6:1、 5:1、 4:1、 3:1、 2:1、 1:1、 1:2、 1:3、 1:4、 1:5、 1:6、 1:7、 1:8、 1:9、 又は 1:10の何れかである。いくつかの実施形態によれば、担体におけるアルギン酸塩:ゼラチンの重量比は、約10:1 - 約 9:1、 約 9:1 - 約 8:1、 約 8:1 - 約 7:1、 約 7:1 - 約 6:1、 約 6:1 - 約 5:1、 約 5:1 - 約 4:1、 約 4:1 - 約 3:1、 約 3:1 - 約 2:1、 約 2:1 - 約 1:1、 約 1:1 - 約 1:2、 約 1:2 - 約 1:3、 約 1:3 - 約 1:4、 約 1:4 - 約 1:5、 約 1:5 - 約 1:6、 約 1:6 - 約 1:7、 約 1:7 - 約 1:8、 約 1:8 - 約 1:9、 約 1:9 - 約 1:10、 約 10:1 - 約 5:1、 約 5:1 - 約 1:1、 約 1:1 - 約 1:5、 約 1:5 - 約 1:10、 約 2:1 - 約 1:2、 約 4:1 - 約 1:4、 又は 約 10:1 - 約 1:10の何れかである。いくつかの実施形態によれば、担体におけるアルギン酸塩:ゼラチンの重量比は、約15:85である。
【0302】
いくつかの実施形態によれば、担体は合成ポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、担体は、ポリポホスファゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリレートコポリマー(例えば、アクリル酸とポリメタクリル酸とのコポリマー)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ - ラクチド - コグリコリド酸(PLGA)、ポリオルトエステル(POE)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシレート(PHB)、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、分解性ポリウレタン、それらのコポリマー、及びそれらの組み合わせから成る群から選択されたポリマーを含む。
【0303】
いくつかの実施形態によれば、担体は、バイオブロック中のシェル及び/又はコアとは、異なった濃度で同じポリマー、又は異なった重量比を有するポリマーの同じ組成物を含む。いくつかの実施形態によれば、担体は、バイオブロック中のシェル及び/又はコアとは異なったポリマーを含む。いくつかの実施形態によれば、担体はさらに、水、無機塩、pH緩衝液、安定剤、又は保存剤を含む。
【0304】
いくつかの実施形態によれば、担体は、約28日以下以内で完全に分解する。いくつかの実施形態によれば、担体は、約21日、14日、12日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、又は 2日の何れか以下内で完全に分解する。いくつかの実施形態によれば、担体は、約2-5日、2-6日、2-8日、2-10日、2-12日、2-14日、14-21日、21-28日、7-14日、5-10日、又は 2-28日のいずれか以内に完全に分解する。
【0305】
いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物中の担体は、ペーストである。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物中の担体は、半固体(例えば、ヒドロゲル)である。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物中の担体は、液体である。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は実質的に水を含まない。
【0306】
いくつかの実施形態によれば、担体は粘性である。いくつかの実施形態によれば、担体は、少なくとも約0.01、0.1、0.5、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、 300、400、500、600、700、800、900、1000 Pa・sの何れかの粘度を有する。いくつかの実施形態によれば、担体は、約0.01-0.1、0.1-0.5、0.5-1、 1-5、 5-10、 10-20、 20-25、 25-30、 30-40、 40-50、 50-60、 60-70、 70-80、 80-90、 90-100、 100-200、 200-300、 300-400、 400-500、 500-600、 600-700、 700-800、 800-900、 900-1000、 0.01-1、 1-10、 25-50、 10-30、 30-50、 50-100、 30-160、 1-50、 1-100、 1-200、 25-200、 50-150、 100-500、 500-1000、 1-250、 250-750、 1-500、 又は 1-1000 Pa・sの何れかの粘度を有する。いくつかの実施形態によれば、担体は、約1Pa・s-約1000Pa・sの粘度を有する。いくつかの実施形態によれば、担体は、約30Pa・s-約160Pa・sの粘度を有する。
【0307】
いくつかの実施形態によれば、担体又はバイオインク組成物(担体を含むか又は含まない)は押出し可能である。「押出し可能(extudable)」とは、構造体を形成するために、強制的に(圧力下で)、ノズル又はオリフィスを通過できる組成物の状態を言及する。いくつかの実施形態によれば、担体又はバイオインク組成物(担体を含むか又は含まない)は、インクジェットノズルを通して噴射するために適切である。いくつかの実施形態によれば、担体又はバイオインク組成物(担体を含むか又は含まない)は、インクジェットにより微小液滴又は流れを形成するために適切である。いくつかの実施形態によれば、担体又はバイオインク組成物(担体を含むか又は含まない)は、マイクロ押出し分配システムによる押出しに適切である。
【0308】
いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物はさらに、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬的活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、剤はタンパク質である。いくつかの実施形態によれば、剤は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施形態によれば、剤は小分子である。いくつかの実施形態によれば、剤は、天然においてヒト組織に存在する小分子である。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、剤を含む。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は剤に結合し、細胞への剤の制御された放出を可能にする。いくつかの実施形態によれば、栄養素は、ヌクレオチド、アミノ酸、ペプチド、炭水化物(例えば、単糖類、オリゴ糖又は多糖類)、脂質又はビタミンを含む。いくつかの実施形態によれば、細胞外マトリックス分子は、多糖類、グリコサミノグリカン、糖タンパク質、構造タンパク質(例えば、コラーゲン又はエラスチン)、又は接着タンパク質(例えば、フィグロネクチン、又はラミニン)を含む。細胞増殖を促進する剤(例えば、細胞因子)は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:インスリン、インスリン成長因子(IGF、例えばIGF-I又はIGF-II)、トランスフォーミング成長因子(TGFα、TGFβなどのTGF)、血管上皮成長因子(VEGF)、上皮成長因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、骨肉腫供給源成長因子(ODGF)、ソマトスタチン(SRIH)、神経成長因子(NGF)、インターロイキン(IL、例えばIL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-10、IL-12)、エリスロポエチン(EPO)、コロニー刺激因子(CSF)、コルチゾール、甲状腺ホルモン(例えば、T3又はT4)、ケモカイン(例えば、CCL、CXC、XCL、又はMCP)、腫瘍壊死因子(TNF)、及びそれらの組み合わせ。細胞分化を促進する剤(例えば、細胞因子)は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:Oct3/4、Sox2、 Klf4、 c-Myc、 GATA4、 TSP1、β-グリセロリン酸、デキサメタゾン、ビタミンC、インスリン、 IBMX、インドメタシン、PDGF-BB、 5-アザシチジン及びそれらの組み合わせ。細胞移動を促進する剤(例えば、細胞因子)は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:cAMP、PIP3、SDF-1、N-カドヘリン、NF-κB、オステオネクチン、トロンボキサンA2、Ras、及びそれらの組み合わせ。細胞代謝を促進する剤(例えば、細胞因子)は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:IGF-I、TRIP-Br2、 DKK-1、 sRANKL、 OPG、 TRACP-5b、 ALP、 SIRT1(2-7)、 PGC-1α、 PGC-1β、 IL-3、 IL-4、 IL6、 TGF-β、 PGE2、 G-CSF、 TNFα、 及びそれらの組み合わせ。細胞分泌を促進する剤(例えば、細胞因子)は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:P600、P110、TCGF3、BSF-2、グルカゴン、β-アドレナリンアゴニスト、アルギニン、Ca2+、アセチルコリン (ACH)、 ソマトスタチン、及びそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態によれば、医薬活性剤は、細胞増殖、分化、移動、分泌及び/又は代謝を制御する(例えば、促進する)。いくつかの実施形態によれば、医薬活性剤は、rhIL-2、rhIL-11、rhEPO、 IFN-α、IFN-β、 IFN-γ、 G-CSF、 GM-CSF、 rHuEPO、sTNF-R1、 rhTNF-α及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0309】
いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、多次元コンストラクト、人工組織又は組織前駆体のバイオプリントのために使用される。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、バイオプリントにおいて、他の生体適合性材料、インク又は組成物と共に使用される。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、インクジェットプリントに使用される。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、マイクロ押出しのために使用される。
【0310】
医薬組成物及び単離されたバイオブロック
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載される1又は2以上のバイオブロック(MSCバイオブロックを包含する)、及び医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態によれば、前記1又は2以上のバイオブロックはさらに、治療剤、例えば治療タンパク質又は標的化剤を含む。いくつかの実施形態によれば、医薬組成物はさらに、対象(ヒト対象)への医薬組成物の投与のための好ましい性質を提供するために、当該技術分野において知られている、医薬的に許容できる担体、賦形剤、安定化剤、及び/又は他の剤を含む。適切な医薬担体は、滅菌水;生理食塩水、デキストロース; 水または生理食塩水中のデキストロース;マシ油1モル当たり約30~約35モルの酸化エチレンを組み合わせる、マシ油及び酸化エチレンの縮合生成物;液体酸; 低級アルカノール;乳化剤、例えば脂肪酸のモノ-又はジグリセリド、又はホスファチド、例えばレシチン及び同様のものと共にする、油、例えばトウモロコシ油; ピーナッツ油、ゴマ油及び同様のもの;グリコール;ポリアルキレングリコール; 懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムの存在下での水性媒体;アルギン酸ナトリウム;ポリ(ビニルピロリドン);及び同様のものを含み、ここで前記担体は、適切な分散剤、例えばレシチン;ステアリン酸ポリオキシエチレン;及び同様のものを含んでも又は含まなくても良い。担体はまた、浸透促進剤と共に、アジュバント、例えば保存安定化剤、湿潤剤、乳化剤、及び同様のものも含むことができる。最終型は滅菌されていても良く、そしてインクジェット装置、例えば、中空針を容易に通過することもできる。適切な粘度は、溶媒又は賦形剤の適切な選択により達成され得、そして維持される。
【0311】
本明細書に記載される医薬組成物は、組成物の性質を改善するために、他の剤、賦形剤、又は安定剤を含むことができる。適切な賦形剤及び希釈剤の例は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、ガムアカシア、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、生理食塩水、シロップ、メチルセルロース、メチル及びプロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウム及び鉱油。いくつかの実施形態によれば、医薬組成物は、約4.5-約9.0の範囲のpH、例えば約5.0-約8.0、約6.5-約7.5又は約6.5-約7.0の何れかの範囲のpHを有するよう調製される。いくつかの実施形態によれば、医薬組成物はまた、適切な張度調整剤、例えばグリセロールの添加により、血液と等張性にすることができる。
【0312】
いくつかの実施形態によれば、医薬組成物は、細胞療法に使用される。いくつかの実施形態によれば、医薬組成物は、再生医療に使用される。
【0313】
いくつかの実施形態によれば、上記バイオブロック(MSCバイオブロックを含む)の何れか1つに従った複数の単離されたバイオブロックが提供され、そしてここで前記バイオブロックは、互いに単離されている。いくつかの実施形態によれば、複数の単離されたバイオブロックにおける各単離されたバイオブロックが別々の容器に提供される。いくつかの実施形態によれば、前記複数の単離されたバイオブロックが、単一の容器に提供される。適切な容器は、皿(例えば、組織培養又は細胞培養皿)、フラスコ、バイアル、管(例えば、試験管、マイクロ遠心分離管、遠心分離管等)、マルチウェルプレート(例えば、6、12、24、96、384、1536又はそれ以上のウェルの何れかを有するマイクロタイタープレート)のウエル、又は同様のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない。いくつかの実施形態によれば、前記複数の単離されたバイオブロックは、平行して(例えば、同時に)、及び/又はハイスループットスクリーニングの状況下で分析される。
【0314】
いくつかの実施形態によれば、上記バイオブロック(MSCバイオブロックを包含する)の何れかに従った複数の単離されたバイオブロックを含む容器が提供される。いくつかの実施形態によれば、容器はさらに、前記複数のバイオブロックを培養し、又はそれに対する実験を実施するために有用な剤、無機塩、培養培地、緩衝液、又は他の成分を含む、液体又は半液体組成物を含む。いくつかの実施形態によれば、前記液体又は半液体組成物はさらに、細胞増殖、分化、移動、代謝、分泌又はシグナル伝達を包含する細胞活性を制御する(例えば、促進する)剤又は剤の組合せを含む。いくつかの実施形態によれば、前記液体又は半液体組成物はさらに、単離されたバイオブロックを助けるか又は保持する化合物(例えば、界面活性剤)を含む。いくつかの実施形態によれば、前記液体又は半液体組成物はさらに、安定剤又は保存剤を含む。いくつかの実施形態によれば、前記複数の単離されたバイオブロックは、液体又は半液体組成物に分散される。
【0315】
複数の単離されたバイオブロック又は容器のいくつかの実施形態によれば、少なくとも2つの単離されたバイオブロックは異なる。異なるバイオブロックは、バイオブロックのサイズ及び/又は形状、バイオブロックのコアにおける細胞数及び/又は細胞型、生分解性ポリマーコア材料の組成、生分解性ポリマーシェル材料の組成、細胞の活性(例えば、増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌)を促進し、そしてバイオブロックのコアに組込まれる剤、バイオブロックに組み込まれる栄養素及び/又はECM分子、及び/又は前述のセクションに記載される他のパラメーターの何れかにおいて異なることができる。いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つの単離されたバイオブロックの個々は、細胞増殖、分化、移動、代謝、分泌、又はそれらの組合せを制御する(例えば、促進する)異なった剤又は剤の組合せを含む。
【0316】
いくつかの実施形態によれば、複数の単離されたバイオブロック、又は複数の単離されたバイオブロックを含む容器が提供され、ここで各単離されたバイオブロックは、少なくとも1つの幹細胞(例えば、MSC)を含む。いくつかの実施形態によれば、複数の単離されたバイオブロック又は容器中の少なくとも2つの単離されたバイオブロックは、異なる。いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つの単離されたバイオブロックの個々は、異なったタイプの幹細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、単離されたバイオブロックは、同じタイプの幹細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つの単離されたバイオブロックの個々は、細胞増殖、分化、移動、代謝、分泌、シグナル伝達又はそれらの組合せを制御する(例えば、促進する)異なった剤又は剤の組合せを含む。
【0317】
いくつかの実施形態によれば、複数の単離されたバイオブロック、又は容器は、組織工学のために使用される。いくつかの実施形態によれば、複数の単離されたバイオブロック、又は容器は、インビトロ調査又はインビボ調査における調査ツールとして使用される。いくつかの実施形態によれば、複数の単離されたバイオブロック又は容器は、細胞シグナル伝達を研究するために使用される。いくつかの実施形態によれば、複数の単離されたバイオブロック又は容器は、幹細胞分化の研究のために使用される。
【0318】
いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)は、バイオブロックから成るか、又は実質的に成る。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロックは、少なくとも約50重量%のバイオブロックを含む。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロックは、少なくとも約10%、20%、 30%、 40%、 50%、 55%、 60%、 65%、 70%、 75%、 80%、 85%、 90%、 95%、 98%、 又は 99%(重量による)の何れかのバイオブロックを含む。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロックは、約10%-20% 20%-30%、 30%-40%、 40%-50%、 50%-55%、 55%-60%、 60%-65%、 65%-70%、 70%-75%、 75%-80%、 80%-85%、 85%-90%、 90%-95%、 95%-100%、 10%-50%、 50%-60%、 60%-70%、 70%-80%、 80%-90%、 90%-100%、 50%-75%、 75%-100%、 10%-75%、 又は 50%-100%(重量による)の何れかのバイオブロックを含む。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロックは、実質的に液体を含まず、例えば約1%、2.5%、5%、7.5%又は10%のいずれか未満の液体を有するが、但しバイオブロックに含まれる液体を除く。
【0319】
いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロックは、前述のセクションに記載されるように、複数のバイオブロックの何れかを含む。いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロックは、同じタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロックは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のタイプの何れかのものである。異なったタイプのバイオブロックは、以下の点で異なる:バイオブロックのサイズ及び/又は形状、バイオブロックのコア中の細胞の数及び/又は細胞のタイプ、生分解性ポリマーコア材料の組成、生分解性ポリマーシェル材料の組成、細胞の活性(例えば、増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌)を促進し、そしてバイオブロックのコアに組込まれる剤、バイオブロックに組み込まれる栄養素及び/又はECM分子、及び/又は前述のセクションに記載される他のパラメーターの何れか。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロックにおけるバイオブロックの平均サイズは、少なくとも約10、 20、 30、 50、 100、 120、 150、 200、 250、 300、 350、 400、 450、 500、 600、 700、 800、 900、 1000、 1500、 又は 2000 μmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロックにおけるバイオブロックの平均サイズは、約10-20、 20-30、 30-50、 50-100、 100-150、 150-200、 200-250、 250-300、 300-350、 350-400、 400-450、 450-500、 500-600、 600-700、 700-800、 800-900、 900-1000、 1000-1500、 1500-2000、 10-50、 20-100、 100-200、 200-400、 500-600、 600-800、 800-1000、 1000-2000、 10-100、 100-500、 100-800、 500-1000、 300-800、 30-50、 30-200、 30-500、 30-800、 30-1000、 30-2000、 又は 20-2000 μmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロックにおけるバイオブロックの平均サイズは、約30μm-約800μmである。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロックにおけるバイオブロックの平均サイズは、約100-約500μmである。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロックにおける同じタイプのバイオブロックのサイズの変動は、同じタイプのバイオブロックの平均サイズの約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%又は35%未満の何れかである。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロックにおけるバイオブロックの平均の長さは、少なくとも約10、 20、 30、 50、 100、 120、 150、 200、 250、 300、 350、 400、 450、 500、 600、 700、 800、 900、 1000、 1500、 又は 2000 μmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロック中のバイオブロックの平均の長さは、約10-20、20-30、 30-50、 50-100、 100-150、 150-200、 200-250、 250-300、 300-350、 350-400、 400-450、 450-500、 500-600、 600-700、 700-800、 800-900、 900-1000、 1000-1500、 1500-2000、 10-50、 20-100、 100-200、 200-400、 500-600、 600-800、 800-1000、 1000-2000、 10-100、 100-500、 100-800、 500-1000、 300-800、 30-50、 30-200、 30-500、 30-800、 30-1000、 30-2000、又は20-2000 μmの何れかである。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロック中のバイオブロックの平均の長さは、約30μm-約800μmである。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロック中のバイオブロックの平均の長さは、約100μm-約500μmである。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロック中の同じタイプのバイオブロックの寸法(例えば、長さ、幅及び/又は厚さ)の変動は、同じタイプのバイオブロックの平均サイズの約1%、5%、10%、15%、25%、30%又は35%未満の何れかである。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロック中の各バイオブロックは、単一の細胞を有する。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロック中のバイオブロックにおける細胞の平均数は、少なくとも約2、 5、 10、 20、 30、 40、 50、 100、 200、 300、 500、 1000、 2000、 3000、 4000、 5000、 10000、 20000、 30000、 40000、 50000、 100000、 200000、 500000、 又は 1000000個である。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロック中のバイオブロックにおける細胞数は、約1-2、 2-4、 4-6、 6-8、 8-10、 10-15、 15-20、 20-25、 25-30、 30-40、 40-50、 50-60、 60-70、 70-80、 80-90、 90-100、 100-150、 150-200、 200-300、 300-400、 400-500、 500-1000、 1000-2000、 1-10、 2-10、 2-5、 5-10、 10-20、 20-30、 30-50、 2-25、 25-50、 2-50、 50-100、 100-200、 50-250、 250-500、 500-2000、 2-100、 2-500、 2-2000、 2000-3000、 3000-4000、4000-5000、 5000-10000、 10000-20000、 20000-30000、 30000-40000、 40000-50000、 50000-100000、 2-5000、 100-5000、 100-1500、 100-1000、 500-5000、 500-10000、 1000-5000、 1-50000、 1-100000、 100000-200000、 200000-500000、 500000-1000000、 又は 1-1000000個である。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロック中のバイオブロックにおける細胞の平均数は、約1個-約1000000個である。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロック中のバイオブロックにおける細胞の平均数は、少なくとも50個である。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロック中のバイオブロックにおける細胞の平均数は、約1個-約5000個、例えば約2-約50個、又は約100個-約5000個である。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロック中の同じタイプのバイオブロック間でのバイオブロック当たりの細胞数の変動は、同じタイプのバイオブロック間の細胞の平均数の約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%又は35%未満の何れかである。
【0320】
いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)は、複数のバイオブロック(MSCバイオブロック、例えばI型、II型、III型又はIV型MSCバイオブロックを包含する)を混合することにより調製される。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数のバイオブロック(MSCバイオブロック、例えばI型、II型、III型又はIV型MSCバイオブロックを包含する)を、担体と共に混合することにより調製される。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロックは、滅菌条件下で調製される。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロックは、GMPワークショップで調製される。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロックは、使用の直前、調製される。いくつかの実施形態によれば、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、又は複数の単離されたバイオブロックは、使用の前、少なくとも約3時間、6時間、12時間、1日、2日、又は3日の何れかの間、冷蔵条件(例えば、約4℃)で貯蔵される。
【0321】
多次元コンストラクト、組織前駆体、及び組織の調製方法。
本出願はさらに、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、本明細書に記載されるバイオインク組成物の何れかをバイオプリントすることを含む、人工組織又は組織前駆体の調製方法を提供する。本明細書に記載されるようなバイオインク組成物の特性(例えば、組成、比率、物理的及び化学的性質、等)の何れかが、各及びあらゆる組合せが個々に記載されているかのように、本明細書に記載されるような人工組織又は組織前駆体の調製方法の特性(例えば、工程、条件、等)の何れかと組合され得ることが意図される。
【0322】
バイオブロックは本明細書に記載される方法において基本的構築ユニットとして使用されるので、本明細書に記載される人工組織又は組織前駆体の調製方法は、現在知られているバイオプリント方法よりも、以下のような多くの利点(但し、それらだけには限定されない)を有する:(1)細胞分布における高い精度(タイプ及び位置を包含する);(2)細胞の微小環境における高い精度;(3)高い細胞生存率;(4)足場又は基質の不要性;(5)任意の培養工程の間、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌の促進;(6)任意の培養工程の間、シェルの分解、及び隣接するバイオブロックにおける細胞間の少なくとも部分的連結(partial connection);及び(7)調製された組織又は前駆体の寸法及び/又は複雑性。
【0323】
人工組織又は組織前駆体の調製方法
従って、いくつかの実施形態によれば、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、バイオインク組成物をバイオプリントする(例えば、インクジェット又はマイクロ押出しによる)ことを含む、人工組織又は組織前駆体の調製方法が提供され、ここで前記バイオインク組成物は、以下のものをそれぞれ含む複数のバイオブロックを含む:a)生分解性ポリマーコア材料、及び細胞を含むコア、並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック中の細胞の少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、90%、95%又はそれ以上)が、バイオプリントの後、生存する。いくつかの実施形態によれば、人工組織又は組織前駆体の長さは、少なくとも約500μm(例えば、少なくとも約200μm、500μm、1mm又はそれ以上の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、人工組織又は組織前駆体の厚さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm、500μm、1mm又はそれ以上)である。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、1又は2以上(例えば、1、2、3、4又は5の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)バイオインク組成物は担体(例えば、液体又はペースト)を含み;(2)複数のバイオブロックが担体内に均質に懸濁され;(3)担体は、約1Pa・s-約1000Pa・sの粘度を有し;(4)バイオインク組成物は、少なくとも約50%のバイオブロック(w/w)を含み;そして(5)複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約800μmである。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個-約5000個の細胞(例えば、約2個-約50個の細胞、又は約100個-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。
【0324】
いくつかの実施形態によれば、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、バイオインク組成物をバイオプリントする(例えば、インクジェット又はマイクロ押出しによる)ことを含む、人工組織又は組織前駆体の調製方法が提供され、ここで前記バイオインク組成物は、以下のものをそれぞれ含む複数のバイオブロックを含む:a)生分解性ポリマーコア材料、及び細胞を含むコア、並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル;そして、ここでバイオインク組成物は、足場上にバイオプリントされない。いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック中の細胞の少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、90%、95%又はそれ以上)が、バイオプリントの後、生存する。いくつかの実施形態によれば、人工組織又は組織前駆体の長さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm500μm、1mm又はそれ以上の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、人工組織又は組織前駆体の厚さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm、500μm、1mm又はそれ以上)である。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、1又は2以上(例えば、1、2、3、4又は5の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)バイオインク組成物は担体(例えば、液体又はペースト)を含み;(2)複数のバイオブロックが担体内に均質に懸濁され;(3)担体は、約1Pa・s-約1000Pa・sの粘度を有し;(4)バイオインク組成物は、少なくとも約50%のバイオブロック(w/w)を含み;そして(5)複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0325】
従って、いくつかの実施形態によれば、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、バイオインク組成物をバイオプリントし(例えば、インクジェット又はマイクロ押出しによる)、そして複数のバイオブロックにおける細胞の増殖、分化、代謝、移動、分泌又はそれらの組み合わせを可能にする条件下で多次元コンストラクトをインビトロで培養することを含む、人工組織又は組織前駆体の調製方法が提供され、ここで前記バイオインク組成物は、以下のものをそれぞれ含む複数のバイオブロックを含む:a)生分解性ポリマーコア材料、及び細胞を含むコア、並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック中の細胞の少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、90%、95%又はそれ以上)が、バイオプリントの後、生存する。いくつかの実施形態によれば、シェルは、培養の間、少なくとも一部、分解される(例えば、少なくとも約20%、50%、又は80%、又は完全に分解される)。いくつかの実施形態によれば、人工組織又は組織前駆体の長さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm500μm、1mm又はそれ以上の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、人工組織又は組織前駆体の厚さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm、500μm、1mm又はそれ以上)である。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、1又は2以上(例えば、1、2、3、4又は5の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)バイオインク組成物は担体(例えば、液体又はペースト)を含み;(2)複数のバイオブロックが担体内に均質に懸濁され;(3)担体は、約1Pa・s-約1000Pa・sの粘度を有し;(4)バイオインク組成物は、少なくとも約50%のバイオブロック(w/w)を含み;そして(5)複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0326】
従って、いくつかの実施形態によれば、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、バイオインク組成物をバイオプリントし(例えば、インクジェット又はマイクロ押出しによる)、そして複数のバイオブロックにおける細胞の増殖、分化、代謝、移動、分泌又はそれらの組み合わせを可能にする条件下で多次元コンストラクトをインビトロで培養することを含む、人工組織又は組織前駆体の調製方法が提供され、ここで前記バイオインク組成物は、以下のものをそれぞれ含む複数のバイオブロックを含む:a)生分解性ポリマーコア材料、及び細胞を含むコア、並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル;そしてここで前記バイオインク組成物は、足場上にバイオプリントされない。いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック中の細胞の少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、90%、95%又はそれ以上)が、バイオプリントの後、生存する。いくつかの実施形態によれば、シェルは、培養の間、少なくとも一部、分解される(例えば、少なくとも約20%、50%、又は80%、又は完全に分解される)。いくつかの実施形態によれば、人工組織又は組織前駆体の長さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm500μm、1mm又はそれ以上の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、人工組織又は組織前駆体の厚さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm、500μm、1mm又はそれ以上)である。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、1又は2以上(例えば、1、2、3、4又は5の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)バイオインク組成物は担体(例えば、液体又はペースト)を含み;(2)複数のバイオブロックが担体内に均質に懸濁され;(3)担体は、約1Pa・s-約1000Pa・sの粘度を有し;(4)バイオインク組成物は、少なくとも約50%のバイオブロック(w/w)を含み;そして(5)複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0327】
いくつかの実施形態によれば、前記方法は単一のバイオインク組成物を用いる。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、少なくとも2つ(少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9又は10を包含する)のバイオインク組成物を用いる。異なったバイオインク組成物は、異なった担体、異なったタイプのバイオブロック、及び/又は異なった比率のタイプのバイオブロックを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、バイオプリントは、連続的であるか、又は実質的に連続である。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、複数の層を含む所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、複数の層を連続的にバイオプリントすることを包含し、ここで各層が、層の所定のパターンに従って、バイオインク組成物によりバイオプリントされる。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、複数のセグメントを含む所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、複数のセグメントを連続的にバイオプリントすることを包含し、ここで各セグメントが、セグメントの所定のパターンに従って、バイオインク組成物によりバイオプリントされる。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物の担体は、層、セグメント、及び/又は多次元コンストラクトにおけるバイオブロックを結合するために生体適合性(任意には、生体接着性)材料を提供する。
図2は、3層を有する典型的な人工血管前駆体の模範図であり、ここで各層は、異なったタイプのバイオブロックを有する異なったバイオインク組成物を用いてバイオプリントされており、そしてバイオインク組成物の担体は、層内のバイオブロックの位置を固定するために生体適合性(任意には、生体接着性)材料を含む。例えば、人工血管前駆体は、内皮層、平滑筋層、及び線維芽細胞層を含み;人工血管前駆体の最も内部の層は、内皮細胞バイオブロックを用いてバイオプリントされ、そのコンストラクトの中間層は平滑筋細胞バイオブロック用いてバイオプリントされ、そしてそのコンストラクトの最も外側の層は、線維芽細胞バイオブロックを用いてバイオプリントされる。バイオインク組成物の担体はさらに、バイオブロック中の細胞の細胞活性を維持し、促進し、改善し、又は制御する1又は2以上の剤を含むことができる。例えば、内皮層をバイオプリントするためのバイオインク中の担体はさらに、内皮細胞の増殖又は分化を促進する細胞因子を含み;平滑筋層をバイオプリントするためのバイオインク中の担体はさらに、平滑筋細胞の増殖又は分化を促進する細胞因子を含み;線維芽細胞層をバイオプリントするためのバイオインク中の担体は、線維芽細胞の増殖又は分化を促進する細胞因子を含むことができる。
図13は、単一タイプのバイオブロックを含む典型的な心筋組織前駆体の模範図を示し、ここで、各バイオブロックは2つの異なるタイプの細胞を含む。
【0328】
いくつかの実施形態によれば、前記方法は、液体を実質的に含まないバイオインク組成物を用いる。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、生体適合性(任意には、生体接着性)材料を含む表面上に液体を含まないバイオインク組成物をバイオプリントすることを包含する。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、液体を含まないバイオインク組成物をバイオプリントし、そして生体適合性(任意には、生体接着性)材料をバイオプリントすることを包含する。
【0329】
いくつかの実施形態によれば、前記方法はさらに、複数のバイオブロック及び任意には担体からバイオインク組成物を調製することを含む。いくつかの実施形態によれば前記方法はさらに、他の生体適合性材料、インク、又は組成物をバイオプリントすることを包含する。
【0330】
バイオプリントは、当該技術分野において知られている何れかの方法を用いて、例えばバイオプリンター、及び手動堆積法(例えば、ピペットを用いる)(但し、それらだけには限定されない)を用いて実施され得る。いくつかの実施形態によれば、バイオプリントは、ラピッドプロトタイピング法により実施される。いくつかの実施形態によれば、前記ラピッドプロトタイピング法は、三次元、自動化、コンピューター助力態様で、生体適合性表面(例えば、ヒドロゲル及び/又は多孔性膜)上にバイオブロック又はバイオインク組成物を堆積するために、三次元送達装置(例えば、バイオプリンター)を用いる。いくつかの実施形態によれば、バイオプリントは、操作された工程により実施される。用語「操作された工程(engineered process)」とは、コンピューター助力装置を用いて、コンピュータースクリプトに従って三次元構造で、細胞、細胞溶液、細胞懸濁液、ゲル又は細胞含有スラリー、細胞濃縮物、多細胞凝集物、及び/又はバイオブロック等を堆積させる工程を言及する。いくつかの実施形態によれば、コンピュータースクリプトは、1又は2以上のコンピュータープログラム、コンピューターアプリケーション、又はコンピューターモジュールである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、三次元コンストラクトを形成するために、バイオプリントした後、融合する。自動化コンピューター助力装置(例えば、バイオプリンター)を用いてのバイオプリントは、本明細書に記載される方法の特定の実施形態において好ましいかもしれない。そのような装置を用いる方法の利点は、例えば、バイオブロックの迅速で、正確で且つ再現性可能な配置、及び異なったタイプの細胞、バイオブロック及び/又はそれらの層を有する多次元コンストラクトを構築するための所定の計画及び/又はパターンの使用を包含する。
【0331】
既知のバイオプリンター、例えばCyfuse、Organovo EnvisioinTEC、及びRevotekにより開発されたバイオプリンターの何れでも、バイオプリンター工程に使用され得る。参照により本明細書に組み込まれるMurph SV and Atala A. (2014) Nature Biotechnology, 32 (8): 773-785に記載されるように、現在、以下の3種の主要タイプのバイオプリンターが存在する:インクジェットバイオプリンター、マイクロ押出しバイオプリンター、及びレーザー助力のバイオプリンター。本発明は、本明細書に記載されるバイオインク組成物を用いて、組織コンストラクト、又は組織前駆体を調製する方法において、既知のバイオプリンター、又は本発明者らにより特別に開発されたバイオプリンターの何れかの使用を企画する。
【0332】
いくつかの実施形態によれば、バイオプリントは、インクジェットにより行われる。いくつかの実施形態によれば、インクジェットバイオプリンターは、Drop-On-Demandインクジェットバイオプリンターである。いくつかの実施形態によれば、インクジェットバイオプリンターは、連続的インクジェットバイオプリンターである。いくつかの実施形態によれば、インクジェットバイオプリンターは、プリンターヘッドを加熱して空気圧を発生し、バイオインクをインクジェットノズルから押出す、熱インクジェットバイオプリンターである。いくつかの実施形態によれば、ノズルは、バイオインク中のバイオブロックを、少なくとも約0.1℃、0.2℃、0.5℃、0.75℃、1℃、1.5℃、で2℃又はそれ以上の何れかまで、加熱する。いくつかの実施形態によれば、インクジェットバイオプリンターは、圧電性又は超音波の圧力により形成されたパルスを用いて、バイオインクを、インクジェットノズルから押出す、音響バイオプリンターである。いくつかの実施形態によれば、インクジェットノズルから押し出されたバイオインクの各液滴は、単一のバイオブロックを有する。いくつかの実施形態によれば、インクジェットノズルから押し出されたバイオインクの各液滴は、約2、3、4、5、10、15、20、25、50、100又はそれ以上のバイオブロックを含む。
【0333】
いくつかの実施形態によれば、バイオプリントは、マイクロ押出しにより実施される。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、空気式分配システムにより押し出される。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、機械式(例えば、ピストン又はスクリュー式)分配システムにより押し出される。
【0334】
いくつかの実施形態によれば、バイオプリントの間、バイオインク組成物に対する圧力は、少なくとも約5 KPa、10 KPa、 20 KPa、 40 KPa、 60 KPa、 80 KPa、 100 KPa、 120 KPa、 150 KPa、 200 KPa 又はそれ以上の何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオプリントの速度は、少なくとも約50 mm/分、 100 mm/分、 150 mm/分、 200 mm/分、 250 mm/分、 300 mm/分、 400 mm/分、 500 mm/分 又はそれ以上の何れかである。いくつかの実施形態によれば、バイオプリンター(例えば、インクジェットノズル、又はマイクロ押出し分配システム)により加えられる圧力及び/又は剪断力は、(本出願のバイオインク組成物よりもむしろ)担体中に懸濁された細胞をバイオプリントするためには適切でない。例えば、約10%、20%、30%、40%、50%の何れか超又はそれ以上の細胞は、バイオプリンターを用いて、(本出願のバイオインク組成物よりもむしろ)担体において懸濁液としてバイオプリントされる場合、損傷されるか、又は殺傷される。
【0335】
インクジェットバイオプリントの他に、本明細書に記載される方法は、低温蒸着技法、又は当該技術分野において知られているUV硬化技法の何れかを用いて、バイオインク組成物を使用して多次元コンストラクトを調製できる。インクジェットバイオプリント、低温蒸着及びUV硬化技法の例は、例えばMalda, Jos, et al. "25th anniversary article: engineering hydrogels for biofabrication." Advanced Materials 25.36 (2013): 5011-5028(参照によりその全体を本明細書に組み込む)に記載されている。
【0336】
いくつかの実施形態によれば、バイオプリントは、複数の構造層を含む人工組織又は組織前駆体のための連続的交互積層(layer-by-layer)の態様で実施される。多層のバイオプリントされた組織又はコンストラクトに関して使用される「層」とは、単一の構築ブロック(例えば、バイオブロック)の厚さを有する平面構造を言及し、ここで2つ以上の平面構造がz軸(すなわち、垂直軸)に沿って積重ねられ、バイオプリントされた組織又はコンストラクトの合計の厚さが達成される。いくつかの実施形態によれば、組織又はコンストラクトにおける各層は、同じ構造及び/又は組成を実質的に有する。いくつかの実施形態によれば、組織又はコンストラクト中の各層は、ユニーク構造及び/又は組成を有する。さらに、各層のx-y軸(すなわち、水平面)においては、複数のバイオブロック(又はそこにおける細胞)及び/又はそれらの間のボイド空間が、所定の空間パターンに従って配置される。本出願のバイオブロックは1又は2以上の細胞(例えば、少なくとも約10、100又は1000個の細胞)を含むので、多層化された組織又はコンストラクトにおける各層は、1又は2以上の細胞の厚さを有することができる。いくつかの実施形態によれば、各層は、単一細胞の厚さを有する。いくつかの実施形態によれば、各層は、複数(例えば、少なくとも約10、100又は1000個の何れか)の細胞の厚さを有する。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、一度に、1つの層を堆積させるためにバイオインク組成物をバイオプリントすることを含む。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、一度に、複数(例えば、約2、3、4、5、10又はそれ以上の何れか)の層を堆積させるためにバイオインク組成物をバイオプリントすることを含む。いくつかの実施形態によれば、各層は、複数(例えば、約2、3、4、5、10又はそれ以上の何れか)の細胞タイプを含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは多次元コンストラクトの所定のパターンに従ってバイオプリントされるので、各層内の細胞は、x-y平面(すなわち、水平面)における所定のパターンで、及び/又はz軸(すなわち、垂直軸)に沿って所定のパターンで分配される。
【0337】
多次元コンストラクトは、何れかの予定された形状を包含する、何れかの所定のパターンのものであり得る。例えば、多次元コンストラクトは、シート (例えば、長方形、正方形、円形、楕円形、又は六角形のシート、又は不規則な形状のシート) 中空管、中空多次元コンストラクト(例えば、中空立方体、中空球体、中空直角プリズム、中空円筒体、または不規則形状の中空多次元コンストラクト)、又は固体の多次元コンストラクト (例えば、固体立方体、固体球体、固体直角プリズム、固体筒体、又は不規則形状の固体多次元コンストラクト)、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトは、組織又は器官の天然の形状を摸倣する形状を有する。
【0338】
いくつかの実施形態によれば、バイオプリントは、連続的であるか、又は実質的に連続的である。いくつかの実施形態によれば、連続的バイオプリントは次の通りに実施される:バイオインク組成物を含むリザーバに連結される分配端(例えば、注射器、毛細管、等)を介してバイオインク組成物を分配する。いくつかの実施形態によれば、連続バイオプリントは、多次元コンストラクトの基本的機能ユニットの反復パターンに従ってバイオインク組成物を分配する。反復機能ユニットは、特定の平面形状を有する1又2以上の層を形成するために、例えば円形、正方形、長方形、三角形、多角形及び不規則形状を含む任意の適切な幾何学的形状を有し、バイオインク組成物のユニーク堆積パターン及び/又はボイド空間を実現する。いくつかの実施形態によれば、反復機能ユニットは、1つの層を有し、そして反復機能ユニットの複数層を連続的にバイオプリントする(例えば、堆積する)ことにより、特定の幾何学的形状を有する多層人工組織又は組織前駆体が提供され得る。いくつかの実施形態によれば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又はそれ以上の層の何れかの連続的バイオプリント(例えば、堆積)は、人工組織又は組織前駆体を提供する。いくつかの実施形態によれば、人工組織又は組織前駆体は、形状のx-y平面が反復機能ユニットの平面幾何学的形状である形状を有する。
【0339】
多次元コンストラクトは、任意の寸法又はサイズを有することができる。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトは、少なくとも約30 μm、50μm、100μm、200μm、500μm、1 mm、2 mm、5 mm、1 cm、2 cm、5 cm、10 cm、20 cm、又は 50 cmの何れかのサイズを有する。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトは、少なくとも約30 μm、50μm、100μm、200μm、500μm、1 mm、2 mm、5 mm、1 cm、2 cm、5 cm、10 cm、20 cm、又は 50 cmの何れかの長さを有する。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトは、少なくとも約30 μm、50μm、100μm、200μm、500μm、1 mm、2 mm、5 mm、1 cm、2 cm、5 cm、10 cm、20 cm、又は 50 cmの何れかの幅を有する。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトは、少なくとも約30 μm、50μm、100μm、200μm、500μm、1 mm、2 mm、5 mm、1 cm、2 cm、5 cm、10 cm、20 cm、又は 50 cmの何れかの厚さを有する。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトは、バイオブロックの少なくとも約2、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、又はそれ以上の層を含む厚さを有する。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトの長さ:幅の比は、約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1.5:1、又は 1:1以下の何れかである。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトの長さ:幅の比は、約約 1:1 - 約 1.5:1、約 1:1 - 約 2:1、約 1:1 - 約 3:1、約 1:1 - 約 4:1、約 1:1 - 約 5:1、約 1:1 - 約 6:1、約 1:1 - 約 7:1、約 1:1 - 約 8:1、約 1:1 - 約 9:1、又は 約 1:1 - 約 10:1の何れかである。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトの長さ:厚さの比は、約100:1、90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、又は 1:1の何れか以下である。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトの長さ:厚さの比は、約約 1:1 - 約 2:1、約 1:1 - 約 3:1、約 1:1 - 約 4:1、約 1:1 - 約 5:1、約 1:1 - 約 10:1、約 1:1 - 約 20:1、約1:1 - 約 50:1、又は 約 1:1 - 約 100:1の何れかである。いくつかの実施形態によれば、前記方法はさらに、組織又は器官の天然の形状及び/又は細胞分布パターンに従っての多次元コンストラクトのモデルの設計を含み、ここで前記組織又は器官は、調製される人工組織又は組織前駆体に由来する。
【0340】
いくつかの実施形態によれば、所定のパターンは、足場により定義される。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、所定のパターンを有する足場上にバイオプリントされる。いくつかの実施形態によれば、足場は、多次元人工組織又は組織前駆体を形成するためにバイオインク中のバイオブロックを支持することができる生分解性ポリマーを含む人工構造体である。いくつかの実施形態によれば、人工組織又は組織前駆体の調製方法は、足場を使用しない。
【0341】
いくつかの実施形態によれば、前記方法は、バイオインク組成物中の細胞に対して機械的に損傷を与えない。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物中の細胞の約80%、85%、87.5%、90%、92.5%、95%、又は 98%の何れか超が、バイオプリントの後、生存する。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物中の細胞の約90%超が、バイオプリントの後、少なくとも約3時間、6時間、12時間、24時間、2日、4日又は1週間、生存する。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物中の細胞の約80%、85%、87.5%、90%、92.5%、95%、又は 98%の何れか超が、バイオプリントの後、増殖することができる。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物中の細胞の約80%、85%、87.5%、90%、92.5%、95%、又は 98%の何れか超が、バイオプリントの後、分化することができる。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物中の細胞の約80%、85%、87.5%、90%、92.5%、95%、又は 98%の何れか超が、バイオプリントの後、正常代謝を有することができる。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物中の細胞の約80%、85%、87.5%、90%、92.5%、95%、又は 98%の何れか超が、バイオプリントの後、移動することができる。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物中の細胞の約80%、85%、87.5%、90%、92.5%、95%、又は 98%の何れか超が、バイオプリントの後、分泌することができる。
【0342】
いくつかの実施形態によれば、バイオプリントは、インビトロで行われる。いくつかの実施形態によれば、バイオプリントは、対象に対して直接、実施される。いくつかの実施形態によれば、対象はヒトである。いくつかの実施形態によれば、バイオプリントは、対象の組織の損傷部分で直接的に実施される。いくつかの実施形態によれば、対象の組織は、外傷、感染、疾患により、又は老化プロセスの結果として損傷される。いくつかの実施形態によれば、組織は、皮膚組織である。いくつかの実施形態によれば、対象の組織の損傷部位での直接的バイオプリントは、組織の損傷部位又は組織の細胞分布情報に従う。細胞分布情報は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:損傷部位又は組織における細胞の異なった層、各層の細胞のタイプ、各層における異なった細胞の比率、各層における細胞の多次元分布パターン、又はそれらの何れかの組合わせ。いくつかの実施形態によれば、組織の損傷部位の細胞分布情報は、バイオプリントの前に得られる。いくつかの実施形態によれば、対象へのバイオプリントのためのバイオインク組成物中の細胞は、対象に由来する。いくつかの実施形態によれば、対象へのバイオプリントのためのバイオインク組成物中の細胞は、対象に類似する特徴(例えば、種、年齢、性別、疾患、遺伝子情報、等)を有する対象に由来する。いくつかの実施形態によれば、対象へのバイオプリントのためのバイオインク組成物中の細胞は、既存の細胞株に由来する。
【0343】
いくつかの実施形態によれば、前記方法はさらに、バイオブロック内の細胞の増殖、分化、代謝、移動及び/又は分泌を可能にする条件下で、多次元コンストラクトを培養することを含む。培養条件は、細胞のタイプ、使用されるバイオブロックのタイプ、人工組織又は前駆体の構造及び設計、及び人工組織又は組織前駆体の生理学に依存する。当業者は、適切な培養条件、例えば培地、pH、温度、CO2レベル及び期間を選択することができるべきである。典型的な組織及び細胞培養条件は、当該技術分野において記載されており、例えばDoyle, Alan, and J. Bryan Griffiths, eds. Cell and tissue culture: laboratory procedures in biotechnology. New York: Wiley, 1998を参照のこと。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトは、人工組織又は組織前駆体を得るために、少なくとも約1時間、3 時間、6 時間、12 時間、1 日、2 日、3 日、4 日、5 日、6 日、7 日、8 日、9 日、10 日、11 日、12 日、13 日、14 日、15 日、16 日、17 日、18 日、19 日、20 日、21 日、25 日、又は 30 日の何れかの間、培養される。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトは、人工組織又は組織前駆体を得るために、約1 時間- 3 時間、3 時間 - 6 時間、6 時間 - 12 時間、12 時間 - 1 日、1 日 - 3 日、3 日 - 5 日、5 日 - 7 日、7 日 - 10 日、10 日 - 14 日、14 日 - 21 日、21 日 - 28 日、1時間 - 1 日、1 日 - 7 日、7 日 - 14 日、1 日 - 14 日、14 日 - 28 日、又は 1時間 - 30 日の何れかの間、培養される。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトは、3D-培養インキュベーターにおいて培養される。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトは、バイオリアクターにおいて培養される。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクトは、約5%CO2下で約37℃で培養される。いくつかの実施形態によれば、物理的刺激(例えば、ストレッチ、剪断、光、加熱又は冷却、等)が、培養工程の間、多次元コンストラクトに適用される。いくつかの実施形態によれば、化学的刺激(例えば、ホルモン、化学勾配、等)が、培養工程の間、多次元コンストラクトに適用される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックにおける生分解性ポリマー(例えば、生分解性ポリマーコア材料及び/又は生分解性ポリマーシェル材料)、及び/又は担体は、バイオブロックにおける細胞に栄養素を提供するために、培養工程の間、分解する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックにおける生分解性ポリマー(例えば、生分解性ポリマーコア材料及び/又は生分解性ポリマーシェル材料)、及び/又は担体は、バイオブロックにおける細胞にECM分子を提供するために、培養工程の間、分解する。いくつかの実施形態によれば、培養工程の間、細胞からの分泌は、多次元コンストラクトにおけるECMと統合する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中の細胞は、培養工程の間、互いに連結する。いくつかの実施形態によれば、異なったバイオブロックからの細胞は、培養工程の間、互いに連結する。いくつかの実施形態によれば、高い細胞密度(例えば、少なくとも約100、200、500、1000、2000、5000、10000、20000、50000、又は 100000 個の細胞/mm3の何れか)が、培養工程の後、多次元コンストラクトおいて達成される。いくつかの実施形態によれば、細胞は、培養工程の間、多次元コンストラクト中の細胞数の約2、5、10、20、50、100、200、500、1000、2000、5000、10000、20000、50000、又は 100000倍の何れか超の増加を得るために増殖する。
【0344】
人工組織及び組織前駆体
このセクションに記載される何れかの方法により調製された人工組織、組織前駆体、又は多次元コンストラクトがさらに、本出願により提供される。いくつかの実施形態によれば、人工組織、組織前駆体の多次元コンストラクトは、本明細書に記載される何れかの方法により、部分的に(例えば、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又はそれ以上の何れか)調製される。いくつかの実施形態によれば、人工組織、組織前駆体又は多次元コンストラクトは、複数の層を含む。いくつかの実施形態によれば、人工組織は、バイオブロック中の細胞の融合により形成する。
【0345】
本明細書において企画される人工組織は、次のものを含むが、但しそれらだけには限定されない:結合組織(例えば、疎性結合組織、密性結合組織、弾性組織、網状結合組織及び脂肪組織)、筋肉組織(例えば、骨格筋、平滑筋及び心筋)、泌尿生殖器組織、胃腸組織、肺組織、骨組織、軟骨組織、神経組織及び上皮組織(例えば、上皮層及び重層上皮の単一層)、内胚葉由来組織、中胚葉由来組織および外胚葉由来組織、又はそれらの任意の組み合わせ。いくつかの実施形態によれば、人工組織は、骨組織、軟骨組織又は関節組織である。
【0346】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に提供される複数のバイオブロックの何れか1つを含む、人工組織、組織前駆体又は多次元コンストラクトが提供される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、所定のパターンで配置される。いくつかの実施形態によれば、前記所定のパターンは、組織又は器官の天然の構造及び細胞分布パターンに基づく。いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロックは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の何れかのタイプのバイオブロックを含む。いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロックは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の何れかの異なった細胞タイプを含む。
【0347】
いくつかの実施形態によれば、人工組織、組織前駆体又は多次元コンストラクトは、少なくとも約30μm、50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、800μm、1 mm、2 mm、5 mm、1cm、2cm、 5cm、10cm、20cm、又は50cmの何れかのサイズを有する。いくつかの実施形態によれば、人工組織、組織前駆体又は多次元コンストラクトは、約1μm-約50 cm、約100μm-約50 cm、約10μm-約10 cm、約50μm-約1 cm、約100μm-約800μm、又は約300μm-約600μmの何れかのサイズを有する。いくつかの実施形態によれば、人工組織、組織前駆体又は多次元コンストラクトは、少なくとも約1μm、10μm、30μm、50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、800μm、1 mm、2 mm、5 mm、1cm、2cm、 5cm、10cm、20cm、又は50cmの何れかの長さを有する。いくつかの実施形態によれば、人工組織、組織前駆体又は多次元コンストラクトは、約1μm-約50 cm、約100μm-約50 cm、約10μm-約10 cm、約50μm-約1 cm、約100μm-約800μm、又は約300μm-約600μmの何れかの長さを有する。いくつかの実施形態によれば、人工組織、組織前駆体又は多次元コンストラクトは、少なくとも約1μm、10μm、30μm、50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、800μm、1 mm、2 mm、5 mm、1cm、2cm、 5cm、10cm、20cm、又は50cmの何れかの厚さを有する。いくつかの実施形態によれば、人工組織、組織前駆体又は多次元コンストラクトは、約1μm-約50 cm、約100μm-約50 cm、約10μm-約10 cm、約50μm-約1 cm、約100μm-約800μm、又は約300μm-約600μmの何れかの厚さを有する。いくつかの実施形態によれば、人工組織、組織前駆体又は多次元コンストラクトは、少なくとも約2、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、又はそれ以上の層の厚さのバイオブロックを有する。いくつかの実施形態によれば、人工組織、組織前駆体又は多次元コンストラクトは、約1、1-5、5-10、10-15、15-20、20-30、30-40、40-50、50-100、1-10、1-20、1-50、又は1-100の層の厚さのバイオブロックを有する。いくつかの実施形態によれば、人工組織、組織前駆体又は多次元コンストラクトはさらに、培養され、器官、又は器官の機能ユニット、例えば心臓、肺又は腎臓を生じさせる。
【0348】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載される何れかの方法により調製された組織前駆体が提供される。従って、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るためにバイオインク組成物をバイオプリントし、そして任意には、細胞の増殖、分化、代謝及び/又は分泌を可能にする条件下で多次元コンストラクトを培養することを含む、組織前駆体の調製方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、組織前駆体はさらに、培養に基づいて、ミニ組織(すなわち、組織の機能的構築ブロック)、組織又は器官を生ぜしめるために培養される。いくつかの実施形態によれば、組織前駆体は、インビボ移殖され、組織への成長を可能にされる。いくつかの実施形態によれば、組織前駆体は、組織前駆体の組織への成長を可能にするために、対象に直接的にバイオプリントされる。
【0349】
当該技術分野において知られているバイオプリントされたミニ組織又は組織前駆体とは異なり、本明細書に記載されるバイオブロックベースの組織前駆体における細胞は、バイオプリント工程の直後、お互い、特に異なったバイオブロック中の細胞と直接的に接触していない。バイオブロックの生分解性ポリマー材料(例えば、生分解性ポリマーコア材料及び/又は生分解性ポリマーシェル材料)は培養の間に分解するので、バイオプリントされた多次元コンストラクトの培養は、最初にバイオブロックのシェル内で、そして時にはバイオブロックのシェルを越えて、細胞の活性(例えば、増殖、分化、移動、代謝、分泌、等)をもたらす。その結果、正確な細胞分布及び細胞活性の調節が、バイオブロックベースの組織前駆体において達成され、より複雑な組織又は器官、特に最終組織又は器官内での構造的及び細胞不均一性(heterogeneity)(例えば、細胞タイプ及び/又は組成)を有するそれらの生成を可能にすることができる。
【0350】
いくつかの実施形態によれば、組織前駆体における異なったバイオブロック中の細胞は、増殖し、分化し、移動し、又はそれらの何れかの組合せを実施し、そして任意には、生分解性ポリマーコア材料は少なくとも一部、分解する。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中のシェルは、多次元コンストラクトの約 2 日-約 28 日、例えば約 2-3 日、 約 3-4 日、 約 4-7 日、又は約 8-10 日の何れか間の培養の後、完全に分解される。いくつかの実施形態によれば、組織前駆体の異なったバイオブロック中の細胞は、約1.5、 2、 5、 10、 20、 50、 100、 200、 500、 1000、 2000、 5000、 10000、 20000、 50000、又は100000倍の何れか超に増殖する。いくつかの実施形態によれば、増殖された細胞は、生分解性ポリマーコア及び/又はシェル材料が分解するにつれて、バイオブロックのシェルを浸透する。いくつかの実施形態によれば、組織前駆体は、幹細胞を有するバイオブロックを含み、ここで幹細胞は、組織前駆体において、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の何れかの異なった細胞タイプを生ぜしめるために分化する。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料は、約10%、 20%、 30%、 40%、 50%、 60%、 70%、 80%、又は90%の何れか、分解する。組織前駆体のいくつかの実施形態によれば、異なったバイオブロック中の細胞は、互いに連結され、そして生分解性ポリマーコア材料及び/又は生分解性ポリマーシェル材料は少なくとも一部、分解される。いくつかの実施形態によれば、異なったバイオブロック中の細胞の約10%、 20%、 30%、 40%、 50%、 60%、 70%、 80%、又は90%の何れか超がお互いに連結される。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーシェル材料は、約10%、 20%、 30%、 40%、 50%、 60%、 70%、 80%、又は90%の何れか、少なくとも分解される。いくつかの実施形態によれば、担体、又は生体適合性(任意には、生体接着性)材料は、約10%、 20%、 30%、 40%、 50%、 60%、 70%、 80%、又は90%の何れか、少なくとも分解される。いくつかの実施形態によれば、生分解性ポリマーコア材料、生分解性ポリマーシェル材料、担体、及び/又は生体適合性(任意には、生体接着性)材料の分解生成物は、細胞のための栄養素及び/又はECM分子を提供する。
【0351】
いくつかの実施形態によれば、所定パターンを有する多次元コンストラクトを得るために、バイオインク組成物をバイオプリントし、任意には、組織前駆体を得るために、細胞の増殖、分化、代謝及び/又は分泌を可能にする条件下で、多次元コンストラクトを培養し、そしてミニ組織、人工組織又は人工器官を得るために、異なったバイオブロック中の細胞の連結を可能にし、そして生分解性ポリマーコア材料及び生分解性ポリマーシェル材料の分解を可能にする条件下で組織前駆体を培養することを含む、ミニ組織、人工組織又は人工器官の調製方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、組織前駆体は、ミニ組織、人工組織又は人工器官を得るために、少なくとも約1、 2、 3、 4、 5、 6、 7、 8、 9、 10、 11、 12、 13、 14、 15、 16、 17、 18、 19、 20、 21、 25、又は30日の何れかの間、培養される。いくつかの実施形態によれば、組織前駆体は、3D培養インキュベーター又はバイオリアクターにおいて培養される。いくつかの実施形態によれば、物理的及び/又は化学的刺激が、培養工程の間、組織前駆体に適用される。いくつかの実施形態によれば、人工組織は、血管である。いくつかの実施形態によれば、人工組織は、心筋組織である。
【0352】
複合コンストラクトの調製方法
本明細書に記載されるMSCバイオブロック(例えば、I型MSCバイオブロック及び/又はII型MSCバイオブロック、又はIIIMSCバイオブロック及び/又はIV型MSCバイオブロック)の何れかを含むバイオインク組成物の何れかを用いて、上記方法の何れかが使用され、人工組織、複合コンストラクト、又はその組織前駆体が調製され得る。例えば、I型MSCバイオブロックは、人工骨組織又はその前駆体を調製するために使用され得;II型MSCバイオブロックは、人工軟骨組織又はその前駆体を調製するために使用され得;I型MSCバイオブロック及びII型MSCバイオブロックは、人工骨及び軟骨を含む複合コンストラクト、又はその前駆体を調製するために使用され得;そしてIII型MSCバイオブロック及びIV型MSCバイオブロックは、内皮細胞及び平滑筋細胞を含む複合コンストラクト又はその前駆体を調製するために使用され得る。
【0353】
移殖のための人工骨及び軟骨を含む複合コンストラクトを調製する現在知られている方法と比較して、I型MSCバイオブロック及び/又はII型MSCバイオブロックを用いてのそのような複合コンストラクトの現調製方法の実施形態は、1又は2以上の以下の利点(但し、それらだけには限定されない)を有することができる:
【0354】
(1)足場上に種細胞を成長させる代わりに、本出願の方法は、MSCバイオブロックを直接用いて、人工インプラントを構築し;
【0355】
(2)本出願の方法は、MSCを用いる前、MSCの有意な増殖を必要としない。本出願の複合コンストラクトのバイオブロック中のMSCは、バイオブロックの内部で増殖し、そして結果的に、統合されたインプラントを形成することができ;
【0356】
(3)本出願の方法は、複数の培養システムを必要としない。複合コンストラクト中のMSCは、同じ培養システム下で骨芽細胞及び軟骨細胞に分化することができ;
【0357】
(4)MSCバイオブロックの正確な分布を通して、本出願の方法は、骨芽細胞及び軟骨細胞の正確な分布を達成することができ、それにより、完全な構造及び機能を有する人工インプラント(すなわち、骨及び軟骨を有する複合コンストラクト)を提供する。
【0358】
従って、いくつかの実施形態によれば、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るためにバイオインク組成物をバイオプリントする(例えば、インクジェット又はマイクロ押出し)ことを含む、人工骨組織又は組織前駆体の調製方法が提供され、ここで前記バイオインク組成物は、以下をそれぞれ含む複数のI型MSCバイオブロックを含む:a)生分解性ポリマーコア材料、MSC細胞、及びMSCの骨芽細胞又は骨組織への分化を誘導する剤(例えば、デキサメタゾン、アスコルビン酸、及びグリセロホスフェート)を含むコア;並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、複数のI型MSCバイオブロック中のMSCの少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、90%、95%又はそれ以上)が、バイオプリントの後、生存する。いくつかの実施形態によれば、人工骨又は組織前駆体の長さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm500μm、1mm又はそれ以上の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、人工骨又は組織前駆体の厚さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm、500μm、1mm又はそれ以上)である。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、1又は2以上(例えば、1、2、3、4又は5の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)バイオインク組成物は担体(例えば、液体又はペースト)を含み;(2)複数のバイオブロックが担体内に均質に懸濁され;(3)担体は、約1Pa・s-約1000Pa・sの粘度を有し;(4)バイオインク組成物は、少なくとも約50%のI型MSCバイオブロック(w/w)を含み;そして(5)複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個のMSC-約5000個のMSC(例えば、約2個のMSC-約50個のMSC、又は約100個のMSC-約5000個のMSC)を含む。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0359】
いくつかの実施形態によれば、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るためにバイオインク組成物をバイオプリントする(例えば、インクジェット又はマイクロ押出し)ことを含む、人工軟骨織又は組織前駆体の調製方法が提供され、ここで前記バイオインク組成物は、以下をそれぞれ含む複数のII型MSCバイオブロックを含む:a)生分解性ポリマーコア材料、MSC細胞、及びMSCの軟骨細胞又は軟骨組織への分化を誘導する剤(例えば、TGF-β3、デキサメタゾン、アスコルビン酸2-リン酸、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、インスリン、トランスフェリン、及び亜セレン酸)を含むコア;並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、複数のII型MSCバイオブロック中のMSCの少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、90%、95%又はそれ以上)が、バイオプリントの後、生存する。いくつかの実施形態によれば、人工軟骨又は組織前駆体の長さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm500μm、1mm又はそれ以上の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、人工軟骨又は組織前駆体の厚さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm、500μm、1mm又はそれ以上)である。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、1又は2以上(例えば、1、2、3、4又は5の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)バイオインク組成物は担体(例えば、液体又はペースト)を含み;(2)複数のII型MSCバイオブロックが担体内に均質に懸濁され;(3)担体は、約1Pa・s-約1000Pa・sの粘度を有し;(4)バイオインク組成物は、少なくとも約50%のII型MSCバイオブロック(w/w)を含み;そして(5)複数のII型MSCバイオブロックは、異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個のMSC-約5000個のMSC(例えば、約2個のMSC-約50個のMSC、又は約100個のMSC-約5000個のMSC)を含む。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、II型MSCバイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0360】
いくつかの実施形態によれば、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、第1バイオインク組成物及び第2バイオインク組成物をバイオプリントする(例えば、インクジェット又はマイクロ押出し)ことを含む、第1の分化された細胞及び第2の分化された細胞を含む複合コンストラクトの調製方法が提供され、ここで前記第1バイオインク組成物は、以下をそれぞれ含む複数の第1バイオブロックを含み:a)生分解性ポリマーコア材料、MSC細胞、及びMSCの第1の分化された細胞への分化を誘導する第1剤又は第1細胞を含むコア;並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル;及び前記第2バイオインク組成物は、以下をそれぞれ含む複数の第2バイオブロックを含み:a)生分解性ポリマーコア材料、MSC細胞、及びMSCの第2の分化された細胞への分化を誘導する第2剤又は第2細胞を含むコア;並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、複数の第1バイオブロック及び/又は第2バイオブロック中のMSCの少なくとも80%(例えば、少なくとも約85%、90%、95%、又はそれ以上)が、バイオプリントの後、生存する。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトの長さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm、500μm、1mm又はそれ以上の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトの厚さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm、500μm、1mm又はそれ以上の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、第1バイオインク組成物及び/又は第2バイオインク組成物は、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、又は5の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)第1/第2バイオインク組成物は、担体(例えば、液体又はペースト)を含み;(2)複数の第1/第2バイオブロックは、担体内に均質的に懸濁され;(3)担体は、約1Pa・s-約1000Pa・sの粘度を有し;(4)第1/第2バイオインク組成物は、少なくとも50%の第1/第2バイオブロック(w/w)を含み;そして(5)複数の第1/第2バイオブロックは異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によれば、第1バイオブロック及び/又は第2バイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、第1バイオブロック及び/又は第2バイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、第1バイオブロック及び/又は第2バイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、第1バイオブロック及び/又は第2バイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば第1バイオブロック及び/又は第2バイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、第1バイオブロック及び/又は第2バイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0361】
いくつかの実施形態によれば、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、第1バイオインク組成物及び第2バイオインク組成物をバイオプリントする(例えば、インクジェット又はマイクロ押出し)ことを含む、人工骨及び軟骨(又はその前駆体)を含む複合コンストラクトの調製方法が提供され、ここで前記第1バイオインク組成物は、以下をそれぞれ含む複数のI型MSCバイオブロックを含み:a)生分解性ポリマーコア材料、MSC細胞、及びMSCの骨芽細胞又は骨細胞への分化を誘導する剤(例えば、デキサメタゾン、アスコルビン酸、及びグリセロホスフェート)を含むコア;並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル;及び前記第2バイオインク組成物は、以下をそれぞれ含む複数のII型MSCバイオブロックを含み:a)生分解性ポリマーコア材料、MSC細胞、及びMSCの軟骨細胞又は軟骨組織への分化を誘導する剤(例えば、TGF-β3、デキサメタゾン、アスコルビン酸2-リン酸、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、インスリン、トランスフェリン、及び亜セレン酸)を含むコア;並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、複数のI型MSCバイオブロック及び/又はII型MSCバイオブロッ中のMSCの少なくとも80%(例えば、少なくとも約85%、90%、95%、又はそれ以上)が、バイオプリントの後、生存する。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトの長さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm、500μm、1mm又はそれ以上の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトの厚さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm、500μm、1mm又はそれ以上の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、第1バイオインク組成物及び/又は第2バイオインク組成物は、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、又は5の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)第1/第2バイオインク組成物は、担体(例えば、液体又はペースト)を含み;(2)複数のI型/II型MSCバイオブロックは、担体内に均質的に懸濁され;(3)担体は、約1Pa・s-約1000Pa・sの粘度を有し;(4)第1/第2バイオインク組成物は、少なくとも50%のI型/II型MSCバイオブロック(w/w)を含み;そして(5)複数のI型/II型MSCバイオブロックは異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によればI型MSCバイオブロック及び/又はII型MSCバイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロック及び/又はII型MSCバイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロック及び/又はII型MSCバイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約1個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロック及び/又はII型MSCバイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロック及び/又はII型MSCバイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、I型MSCバイオブロック及び/又はII型MSCバイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0362】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載される複数のI型MSCバイオブロック及び/又はII型MSCバイオブロックの何れか1つを含むバイオインク組成物、あるいは本明細書に記載されるI型MSCバイオブロック及び/又はII型MSCバイオブロックを含むバイオインク組成物の何れかをバイオプリントすることを含む、コンストラクト(例えば、三次元コンストラクト、人工組織、器官、人工骨及び軟骨を含む複合コンストラクト、又はそれらの前駆体)の調製方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、所定のパターン(例えば、何れか所定の形状)を有するコンストラクト、例えば三次元コンストラクト、人工組織、又は組織前駆体、例えば人工骨及び軟骨を含む複合コンストラクトを生成する。いくつかの実施形態によれば、前記方法はさらに、I型MSCバイオブロック及び/又はII型MSCバイオブロックの何れか1つ、及び担体(例えば、生体接着性材料)を含むバイオインク組成物を調製することを含む、いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトは、2つの層、すなわち、骨組織に分化できるMSCを含む第1バイオブロックを含む第1層、及び軟骨組織に分化できるMSCを含む第2バイオブロックを含む第2層を有する。2つの層を有する典型的な複合コンストラクトは、
図19A-19Bに示されている。
【0363】
いくつかの実施形態によれば、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、第1バイオインク組成物及び第2バイオインク組成物をバイオプリントする(例えば、インクジェット又はマイクロ押出し)ことを含む、内皮細胞及び平滑筋細胞(又はその前駆体)を含む複合コンストラクトの調製方法が提供され、ここで前記第1バイオインク組成物は、以下をそれぞれ含む複数のIII型MSCバイオブロックを含み:a)生分解性ポリマーコア材料、MSC細胞、及び内皮細胞を含むコア;並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル;及び前記第2バイオインク組成物は、以下をそれぞれ含む複数のIV型MSCバイオブロックを含み:a)生分解性ポリマーコア材料、MSC細胞、及びMSCの平滑筋細胞を含むコア;並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェル。いくつかの実施形態によれば、複数のIII型MSCバイオブロック及び/又はIV型MSCバイオブロッ中のMSCの少なくとも80%(例えば、少なくとも約85%、90%、95%、又はそれ以上)のMSC、及び/又は内皮細胞又は平滑筋細胞が、バイオプリントの後、生存する。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトの長さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm、500μm、1mm又はそれ以上の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトの厚さは、少なくとも約100μm(例えば、少なくとも約200μm、500μm、1mm又はそれ以上の何れか)である。いくつかの実施形態によれば、第1バイオインク組成物及び/又は第2バイオインク組成物は、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、又は5の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)第1/第2バイオインク組成物は、担体(例えば、液体又はペースト)を含み;(2)複数のIII型/IV型MSCバイオブロックは、担体内に均質的に懸濁され;(3)担体は、約1Pa・s-約1000Pa・sの粘度を有し;(4)第1/第2バイオインク組成物は、少なくとも50%のIII型/IV型MSCバイオブロック(w/w)を含み;そして(5)複数のIII型/IV型MSCバイオブロックは異なったタイプのものである。いくつかの実施形態によればIII型MSCバイオブロック及び/又はIV型MSCバイオブロックは、1又は2以上(例えば、1、2、3、4、5又は6の何れか)の以下の性質又は特性を有する:(1)生分解性ポリマーシェル材料は、酸化されたアルギン酸塩(例えば、約1%-約40%の酸化レベル、少なくとも約5%の重量%)を含み;(2)シェルは、約0.1μm-約50μm(例えば、約1μm-約20μm)の厚さを有し;(3)シェルは、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有し;(4)シェルは、約110kDaよりも大きな分子量を有する高分子に対して透過性であり;(5)生分解性ポリマーコア材料はI型コラーゲン(例えば、I型コラーゲンのみ、又はI型コラーゲン及びアルギン酸塩)を含み;そして(6)コアは、栄養素、細胞外マトリックス分子、細胞因子(例えば、細胞増殖、移動、代謝及び/又は分泌を促進する因子)から選択された剤(例えば、少なくとも3種の異なった剤)、及び医薬活性剤を含む。いくつかの実施形態によれば、III型MSCバイオブロック及び/又はIV型MSCバイオブロックの長さは、約30μm-約2mmである。いくつかの実施形態によれば、III型MSCバイオブロック及び/又はIV型MSCバイオブロックの長さ:厚さの比は、約50:1以下(例えば、約20:1、10:1、5:1又は2:1の何れか以下)である。いくつかの実施形態によれば、コアは、約2個の細胞-約5000個の細胞(例えば、約2個の細胞-約50個の細胞、又は約100個の細胞-約5000個の細胞)を含む。いくつかの実施形態によれば、III型MSCバイオブロック及び/又はIV型MSCバイオブロックは、1又は2以上の微細孔(例えば、約50nm超のサイズを有する)を含む。いくつかの実施形態によれば、III型MSCバイオブロック及び/又はIV型MSCバイオブロックは、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態によれば、III型MSCバイオブロック及び/又はIV型MSCバイオブロックは、少なくとも2つのコア及び/又は少なくとも2つのシェルを含む。
【0364】
いくつかの実施形態によれば、細胞分布パターンで配置されたmタイプの細胞を含む複合コンストラクトの調製方法が提供され、ここでmは、2に等しいか、又は2以上(例えば、2、3、4、5、6、8、10又はそれ以上)の整数であり、そして前記方法は、以下を含む:(1)mタイプのバイオブロックを提供し、ここで各バイオブロックは、mタイプの細胞の1つのタイプを含み、又は各バイオブロック中の細胞は、mタイプの細胞の1つのタイプに分化することができ;(2)前駆体コンストラクトを得るために、複合コンストラクトの細胞分布パターンに従って、mタイプのバイオブロックを配置し;そして(3)複合コンストラクトを得るために前駆体コンストラクトを培養すること。いくつかの実施形態によれば、前記方法はさらに、複合コンストラクトの細胞分布パターンの入手も含む。いくつかの実施形態によれば、mタイプの細胞が、同じタイプの幹細胞から分化され、ここでmタイプのバイオブロックの個々は、幹細胞、及びmタイプの細胞の1つへの幹細胞の分化を誘導する1又は2以上の剤を含む。いくつかの実施形態によれば、幹細胞はMSCである。いくつかの実施形態によれば、mタイプのバイオブロックは、バイオプリント(例えば、三次元バイオプリント)により配置される。
【0365】
いくつかの実施形態によれば、以下を含む、細胞分布パターンを有する人工骨及び軟骨を含む複合コンストラクトの調製方法が提供される:(1)MSC、及びMSCの骨芽細胞又は骨組織への分化を誘導する1又は2以上の剤を含む第1バイオブロック、並びに、MSC、及びMSCの軟骨細胞又は軟骨組織への分化を誘導する1又は2以上の剤を含む第2バイオブロックを調製し;(2)前駆体コンストラクトを得るために、複合コンストラクトの細胞分布パターンに従って、複数の第1バイオブロック及び複数の第2バイオブロックを配置し;そして(3)複合コンストラクトを得るために、前駆体コンストラクトを培養すること。いくつかの実施形態によれば、前記方法はさらに、複合コンストラクトの細胞分布パターンの入手も包含する。いくつかの実施形態によれば、第1バイオブロック中の1又は2以上の剤は、デキサメタゾン、アスコルビン酸、及びグリセロホスフェートを含む。いくつかの実施形態によれば、第2バイオブロック中の1又は2以上の剤は、TGF-β3、デキサメタゾン、アスコルビン酸2-リン酸、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、及びインスリン - トランスフェリン - 亜セレン酸溶液を含む。いくつかの実施形態によれば、細胞分布パターンは、各細胞層の位置及びタイプ、各細胞タイプについての細胞タイプ及び細胞数の比率、各細胞層の細胞分布パターン、又はそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態によれば、第1バイオブロック及び第2バイオブロックは、バイオプリント(例えば、三次元バイオプリント)により配置される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、バイオプリント(例えば、三次元バイオプリント)により配置される。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトは、2つの層、すなわち、骨組織に分化できるMSCを含む第1バイオブロックを含む第1層、及び軟骨組織に分化できるMSCを含む第2バイオブロックを含む第2層を有する。骨組織のための前駆体の層、及び軟骨組織のための前駆体の層を有する典型的な複合コンストラクトは、
図19A-19Bに示されている。
【0366】
いくつかの実施形態によれば、以下を含む、細胞分布パターンを有する内皮細胞及び平滑筋細胞を含む複合コンストラクトの調製方法が提供される:(1)MSC、及び内皮細胞を含む第1バイオブロック、並びに、MSC、及び平滑筋細胞を含む第2バイオブロックを調製し;(2)前駆体コンストラクトを得るために、複合コンストラクトの細胞分布パターンに従って、複数の第1バイオブロック及び複数の第2バイオブロックを配置し;そして(3)複合コンストラクトを得るために、前駆体コンストラクトを培養する。いくつかの実施形態によれば、前記方法はさらに、複合コンストラクトの細胞分布パターンの入手も包含する。いくつかの実施形態によれば、細胞分布パターンは、各細胞層の位置及びタイプ、各細胞タイプについての細胞タイプ及び細胞数の比率、各細胞層の細胞分布パターン、又はそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態によれば、第1バイオブロック及び第2バイオブロックは、バイオプリント(例えば、三次元バイオプリント)により配置される。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトは、2つの層、すなわち、内皮細胞を含む組織に分化できる第1バイオブロックを含む第1層、及び平滑筋細胞を含む組織に成長できる第2バイオブロックを含む第2層を有する。内皮細胞及び前駆体の層、及び平滑筋細胞及び前駆体の層を有する典型的な複合コンストラクトは、
図22Aに示されている。
【0367】
いくつかの実施形態によれば、コンストラクト(例えば、三次元コンストラクト、人工組織、組織前駆体、複合体コンストラクト、又は器官)は、シート構造(例えば、長方形、正方形、円形、楕円形、六角形、又は不規則な形状のシート構造)、又は中空管構造(中空立方体、中空球体、中空直角プリズム、中空円筒体、又は不規則な形状の中空三次元構造)、又は立体立体構造(立体立方体、中実球、中実直方体、固体の円筒、固体の不規則な形状の三次元構造)、又はそれらの任意の組み合わせを有する。いくつかの実施形態によれば、コンストラクトは、天然組織(例えば、骨、軟骨、又は関節組織)又は器官の形状を摸倣する。いくつかの実施形態によれば、コンストラクトは、生存コンストラクトである。いくつかの実施形態によれば、コンストラクトの少なくとも一部がバイオプリントされる。いくつかの実施形態によれば、バイオプリントは連続的であるか、又は実質的に連続的である。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、所定のパターンを有する、多層化された三次元コンストラクトを得るために、複数の層を連続的にバイオプリントすることを含み、ここで各層は、所定のパターンに従って、バイオインク組成物を用いてバイオプリントされる。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、所定のパターンを有する、複数-セグメント化された三次元コンストラクトを得るために、複数のセグメントを連続的にバイオプリントすることを含み、ここで各セグメントは、所定のパターンに従って、バイオインク組成物を用いてバイオプリントされる。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、さらに、天然組織又は器官(例えば、骨、軟骨又は関節組織)の形状及び/又は細胞分布パターンに従って、コンストラクト(例えば、三次元コンストラクト)の構造モデルを構築することを含む。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、バイオインク組成物又はバイオブロックの内部の細胞に機械的に損傷を与えない。いくつかの実施形態によれば、少なくとも約80%、85%、87.5%、90%、92.5%、95%又は98%の何れかの細胞が、バイオプリントの後、生存し、増殖し、分化し、分泌し、移動し、そして/又は正常代謝を受ける。いくつかの実施形態によれば、バイオプリントは、足場を使用しない。
【0368】
いくつかの実施形態によれば、前記方法はさらに、バイオブロック中の細胞の増殖、分化、移動、分泌及び/又は代謝を可能にする条件下でコンストラクトを培養することを含む。いくつかの実施形態によれば、コンストラクトは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、25 又は30日間、培養される。いくつかの実施形態によれば、コンストラクトは、約1-5 日、5-10 日、10-15 日、15-20 日、7-14 日、4-16 日、2-18 日、1-19 日、又は 2-20 日の何れかの間、培養される。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトのインビトロ培養は、約10日以内にカルシウム節(calcium nodes)を有する分化された細胞を提供することが、驚くべきことには見出された。対照的に、典型的な細胞培養システム及び類似する量の骨芽細胞分化剤(例えば、デキサメタゾン、アスコルビン酸、及びグリセロホスフェート)で培養されたMSCは、バイオブロックに存在しない場合、カルシウム節を有する細胞に分化するのに通常約20日を要する。
【0369】
いくつかの実施形態によれば、コンストラクトは、3Dインキュベーター又はバイオアクターにおいて培養される。いくつかの実施形態によれば、コンストラクトは、物理的刺激(例えば、圧力、剪断力、光、加熱、等)及び/又は化学的刺激(例えば、ホルモン、細胞因子、化学試薬、等)に、培養の間、ゆだねられる。いくつかの実施形態によれば、コア及び/又はシェル、及び/又は担体中の生分解性材料は、少なくとも部分的に分解される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの内部及び/又はバイオブロック間の細胞は、培養の間、お互いに連結される。いくつかの実施形態によれば、コンストラクトのサイズは、少なくとも約30 μm、50μm、100μm、200μm、500μm、1 mm、2 mm、5 mm、1cm、2cm、5 cm、10cm、20cm又は50cmの何れかである。
【0370】
MSCバイオブロック(例えば、I型MSCバイオブロック及び/又はII型MSCバイオブロック、あるいはIII型MSCバイオブロック及び/又はIV型MSCバイオブロック)及びそのバイオインク組成物を用いる、本明細書に記載される方法の何れか1つを用いて調製された、人工組織(例えば、骨、軟骨又は関節組織)、複合コンストラクト、又はその組織前駆体がさらに提供される。
【0371】
いくつかの実施形態によれば、骨芽細胞又はその前駆体(例えば、MSC)をそれぞれ含むバイオブロックの第1層、及び軟骨細胞又はその前駆体(例えば、MSC)をそれぞれ含むバイオブロックの第2層を含む複合コンストラクト提供される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの第1層は、MSC、及びMSCの骨芽細胞又は骨組織への分化を誘導する1又は2以上の剤、例えばデキサメタゾン、アスコルビン酸及びグリセロホスフェートを含むコアを、それぞれ含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの第2層は、MSC、及びMSCの軟骨細胞又は軟骨組織への分化を誘導する1又は2以上の剤、例えばTGF-β3、デキサメタゾン、アスコルビン酸2-リン酸、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、インスリン、トランスフェリン、および亜セレン酸を含むコアを、それぞれ含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの第1層及び/又はバイオブロックの第2層は、複数のMSCをそれぞれ含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの第1層及び/又はバイオブロックの第2層は、約2、3、4、5、10、20、50、100、200、500、1000、104、105 又は106以下の何れかのMSCをそれぞれ含む。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、又はそれ以上の何れのバイオブロックの第1層を含む。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、又はそれ以上の何れかのバイオブロックの第2層を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの第1層中の細胞は、バイオブロックの第2層中の細胞に連結される。いくつかの実施形態によれば、第1層のバイオブロック及び/又は第2層のバイオブロックのシェルは、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上、分解される。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトは、足場を含まない。
【0372】
いくつかの実施形態によれば、複数の内皮細胞又はその前駆体(例えば、MSC)それぞれ含むバイオブロックの第1層、及び複数の平滑筋細胞又はその前駆体(例えば、MSC)をそれぞれ含むバイオブロックの第2層を含む複合コンストラクトが提供される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの第1層は、MSC及び内皮細胞を含むコアをそれぞれ含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの第2層は、MSC及び平滑筋細胞を含むコアをそれぞれ含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの第1層及び/又はバイオブロックの第2層は、複数のMSCをそれぞれ含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの第1層及び/又はバイオブロックの第2層は、約2、3、4、5、10、20、50、100、200、500、1000、104、105 又は106以下の何れかのMSCをそれぞれ含む。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、又はそれ以上の何れかのバイオブロックの第1層を含む。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、又はそれ以上の何れかのバイオブロックの第2層を含む。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックの第1層中の細胞は、バイオブロックの第2層中の細胞に連結される。いくつかの実施形態によれば、第1層のバイオブロック及び/又は第2層のバイオブロックのシェルは、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上の何れか、分解される。いくつかの実施形態によれば、複合コンストラクトは、足場を含まない。
【0373】
バイオブロックの調製方法
本発明の1つの側面は、種々の構造のバイオブロック、例えば単一のコア及び単一のシェルを有するバイオブロック、少なくとも2つのコアを有するバイオブロック、少なくとも2つのシェルを有するバイオブロック、並びに少なくとも2つのコア及び少なくとも2つのシェルを有するバイオブロックを含む、上記のようなバイオブロック(MSCバイオブロック、例えばI、II、III又はIV型MSCバイオブロックを含む)の何れかを調製する方法を提供する。
【0374】
従って、いくつかの実施形態によれば、以下の工程:(1)細胞組成物とポリマーコア材料とを、それぞれ独立して混合することにより、少なくとも1つのコアを入手する工程;及び(2)バイオブロックを得るために、ポリマーシェル材料をそれぞれ独立して含む少なくとも1つのシェルにより、前記少なくとも1つのコアを被覆する工程を含む、バイオブロックの調製方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、工程(1)はさらに、最も内側のコアの顆粒化も含む。
【0375】
いくつかの実施形態によれば、以下の工程:(1)細胞組成物とポリマーコア材料とを、それぞれ独立して混合することにより、少なくとも1つのコアを入手する工程;及び(2)バイオブロックを得るために、ポリマーシェル材料をそれぞれ独立して含む少なくとも1つのシェルにより、前記少なくとも1つのコアを被覆する工程;(3)少なくとも1つの追加のコアにより、前記少なくとも1つのシェルを被覆する工程、ここで、前記少なくとも1つの追加のコアのそれぞれは、独立して、ポリマーコア材料及び細胞組成物を含み;及び(4)前記少なくとも1つの追加のコアを、バイオブロックを得るために、ポリマーシェル材料を、それぞれ独立して含む少なくとも1つの追加のシェルにより被覆する工程を含む、バイオブロックの調製方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、工程(1)はさらに、最も内側のコアの顆粒化も含む。
【0376】
いくつかの実施形態によれば、以下の工程:(1)細胞組成物とポリマーコア材料とを、それぞれ独立して混合することにより、少なくとも1つのコアを入手する工程;(2)前記最も内側のコアを、少なくとも1つの異なったコアにより被覆する工程、ここで少なくとも1つの異なったコアの個々は独立して、ポリマーコア材料及び細胞組成物を含み;及び(3)バイオブロックを得るために、前記少なくとも1つの異なったコアを、ポリマーシェル材料をそれぞれ独立して含む少なくとも1つのシェルにより被覆する工程を含む、バイオブロックの調製方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、工程(1)はさらに、最も内側のコアの顆粒化も含む。
【0377】
いくつかの実施形態によれば、以下の工程:(1)細胞組成物とポリマーコア材料とを、それぞれ独立して混合することにより、少なくとも1つのコアを入手する工程;(2)前記最も内側のコアを、少なくとも1つの異なったコアにより被覆する工程、ここで少なくとも1つの異なったコアの個々は独立して、ポリマーコア材料及び細胞組成物を含み;(3)バイオブロックを得るために、前記少なくとも1つの異なったコアを、ポリマーシェル材料をそれぞれ独立して含む少なくとも1つのシェルにより被覆する工程;(4)前記少なくとも1つのシェルを、少なくとも1つの追加のコアにより被覆する工程、ここで少なくとも1つの追加のコアのそれぞれは、ポリマーコア材料及び細胞組成物をそれぞれ含み;及び(5)バイオブロックを得るために、前記少なくとも1つの追加のコアを、ポリマーシェル材料をそれぞれ独立して含む少なくとも1つの追加のシェルにより被覆する工程を含む、バイオブロックの調製方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、工程(4)及び(5)は1又は2以上の回数、反復される。いくつかの実施形態によれば、工程(1)はさらに、最も内側のコアの顆粒化を含む。
【0378】
例えば、いくつかの実施形態によれば、以下の工程:(1)コアを得るために、細胞組成物と、ポリマーコア材料とを混合する工程;及び(2)バイオブロックを得るために、前記コアを、ポリマーシェルを含むシェルにより被覆する工程を含む、バイオブロックの調製方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、工程(1)はさらに、コアの顆粒化を含む。
【0379】
いくつかの実施形態によれば、以下の工程:(1)コアを得るために、細胞組成物と、ポリマーコア材料とを混合する工程;及び(2前記コアを、第1ポリマーシェル材料を含む第1シェルにより被覆する工程;及び(3)バイオブロックを得るために、前記第1シェルを、第2ポリマーシェル材料を含む第2シェルにより被覆する工程を含む、バイオブロックの調製方法が提供される。いくつかの実施形態によれば工程(1)はさらに、コアの顆粒化を含む。
【0380】
いくつかの実施形態によれば、以下の工程:(1)第1コアを得るために、第1細胞組成物と、第1ポリマーコア材料とを混合する工程;(2)第2コアを得るために、第2細胞組成物と、第2ポリマーコア材料とを混合する工程;(3)前記第1コアを、前記第2コアにより被覆する工程;(4)バイオブロックを得るために、前記第2コアを、ポリマーシェル材料を含むシェルにより被覆する工程を含む、バイオブロックの調製方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、工程(1)はさらに、第1コアの顆粒化を含む。
【0381】
いくつかの実施形態によれば、以下の工程:(1)第1コアを得るために、第1細胞組成物と、第1ポリマーコア材料とを混合する工程;(2)第2コアを得るために、第2細胞組成物と、第2ポリマーコア材料とを混合する工程;(3)前記第1コアを、前記第2コアにより被覆する工程;(4)前記第2コアを、第1ポリマーシェル材料を含む第1シェルにより被覆する工程;及び(5)バイオブロックを得るために、前記第1シェルを、第2ポリマー材料を含む第2シェルにより被覆する工程を含む、バイオブロックの調製方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、工程(1)はさらに、第1コアの顆粒化を含む。
【0382】
いくつかの実施形態によれば、以下の工程:(1)第1コアを得るために、第1細胞組成物と、第1ポリマーコア材料とを混合する工程;(2)前記第1コアを、第1ポリマーシェル材料を含む第1シェルにより被覆する工程;(3)第2コアを得るために、第2細胞組成物と、第2ポリマーコア材料とを混合する工程;(4)前記第1シェルを、前記第2コアにより被覆する工程;(5)バイオブロックを得るために、前記第2コアを、第2ポリマーシェル材料を含む第2シェルにより被覆する工程を含む、バイオブロックの調製方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、工程(1)はさらに、第1コアの顆粒化を含む。
【0383】
いくつかの実施形態によれば、(1)細胞を包むコア材料を得るために、細胞及び生分解性コア材料を混合し;そして(2)前記コア材料を顆粒化し、そしてバイオブロックを得るために、コア材料を、生分解性シェル材料により被覆することを含む、バイオブロックの調製方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、工程(1)はさらに、シェル、生分解性コア材料及び適切な追加の剤(例えば、栄養素、ECM分子、細胞因子及び/又は医薬的活性剤)を混合することを含む。いくつかの実施形態によれば、工程(2)においては、マイクロスフェロイド又はマイクロカプセルを調製するための装置、例えばカプセル化装置が、顆粒化及び被覆のために使用される。いくつかの実施形態によれば、前記方法はさらに、工程(2)の後、バイオブロックのシェルを処理することを含む(例えば、シェルの機械的性質を改善するために、シェル固化又は架橋溶液を用いる)。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、滅菌条件下で行われる。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、GMPワークショップで行われる。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、調製の後、冷蔵条件(例えば、約4℃)下で、少なくとも約3時間、6時間、12時間、1日、2日又は3日間、貯蔵され得る。
【0384】
上記方法に使用されるポリマーコア材料及びポリマーシェル材料は、天然に存在するポリマー及び合成ポリマーを包含する、「バイオブロック」セクションに記載されるようなバイオブロックへの使用のために適切な材料の何れか1つ又は組合せを含むことができる。細胞組成物は、「バイオブロック」セクションに記載されるように、何れかのタイプ又はタイプの組合せの何れかの数の細胞(例えば、約1個-約1000000個の細胞)を含むことができる。各コアは、同じか又は異なったポリマーコア材料及び/又は細胞組成物を含むことができる。各シェルは、同じか又は異なったポリマーシェル材料を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、1又は2以上(すべても含む)のコアのポリマーコア材料は、生分解性である。いくつかの実施形態によれば、1又は2以上(すべても含む)のシェルのポリマー材料は、生分解性である。いくつかの実施形態によれば、すべてのコアのポリマーコア材料、及びすべてのシェルのポリマーシェル材料は、生分解性である。
【0385】
何れか1又は2以上(すべても含む)の上記方法で調製されたコアはさらに、栄養素、細胞外マトリックス、細胞因子、医薬活性剤、及びそれらの組合せから選択された追加の剤を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、工程(1)は、細胞組成物、ポリマーコア材料、及び栄養素、細胞外マトリックス、細胞因子又は医薬活性剤を含む追加の剤を、それぞれ独立して混合することにより、少なくとも1つのコアを得ることを含む。「バイオブロック」セクションに記載されるような、何れかの栄養素、細胞外マトリックス、細胞因子、又は医薬活性剤が、バイオブロックの調製方法に使用され得る。
【0386】
何れか1又は2以上(すべても含む)のシェル(又はポリマーシェル材料)は、被覆工程の後、さらに処理される。いくつかの実施形態によれば、最も外側のシェルが処理される。いくつかの実施形態によれば、最も外側のシェルのみが処理される。シェルの処理は、ポリマーシェル材料の性質(例えば、化学的性質及び/又は機械的性質)を変えるか又は改善するために、当該技術分野において知られている何れかの工程を含む。いくつかの実施形態によれば、処理は、シェルの機械的性質(例えば、硬度及び/又は弾性)を改善するためにシェルを固化することを含む。いくつかの実施形態によれば、ポリマーシェル材料がアルギン酸塩を含む場合、処理はアルギン酸塩を架橋するために、カルシウム(例えば、Ca2+)によりポリマーシェル材料を処理することを含む。
【0387】
被覆及び/又は顆粒化工程は、当該技術分野において知られている何れかの方法及び装置を用いて、例えばカプセル化装置、マイクロピペット(例えば、押出し方法を用いる)、又はマイクロインジェクションポンプを用いて、実施され得る。いくつかの実施形態によれば、被覆及び/又は顆粒化工程は、疎水性表面上で行われる。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、滅菌条件下で実施される。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、GMPワークショップで行われる。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、約4℃で行われる。
【0388】
本明細書に記載される何れかの方法により調製されるバイオブロックはさらに、使用の前、適切な条件下で貯蔵され得る。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、冷蔵条件(例えば、約4℃)下で、約3時間-約3日間、貯蔵され得る。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、冷蔵条件(例えば、約4℃)下で、少なくとも約3時間、6時間、12時間、1日、2日、又は3日の何れかの間、貯蔵され得る。
【0389】
本明細書に記載される方法の何れか1つにより調製されたバイオブロックが、さらに提供される。
【0390】
MSCバイオブロックの調製方法
いくつかの実施形態によれば、以下工程を含む、MSCバイオブロック、例えばI型MSCバイオブロックの調製方法が提供される:(1)MSCを包むコア材料を得るために、MSC、MSCの骨芽細胞又は骨組織への分化を誘導する1又は2以上の剤、及び生分解性コア材料を混合する工程;(2)MSCバイオブロックを得るために、前記コア材料を顆粒化し、そして前記コア材料を、生分解性シェル材料により被覆する工程。いくつかの実施形態によれば、工程(1)はさらに、MSC、生分解性コア材料、MSCの骨芽細胞又は骨組織への分化を誘導する1又は2以上の剤、及び追加の剤(例えば、栄養素、ECM分子、細胞因子及び/又は医薬活性剤)を混合することを含む。
【0391】
いくつかの実施形態によれば、以下工程を含む、MSCバイオブロック、例えばII型MSCバイオブロックの調製方法が提供される:(1)MSCを包むコア材料を得るために、MSC、MSCの軟骨細胞又は軟骨組織への分化を誘導する1又は2以上の剤、及び生分解性コア材料を混合する工程;(2)MSCバイオブロックを得るために、前記コア材料を顆粒化し、そして前記コア材料を、生分解性シェル材料により被覆する工程。いくつかの実施形態によれば、工程(1)はさらに、MSC、生分解性コア材料、MSCの軟骨細胞又は軟骨組織への分化を誘導する1又は2以上の剤、及び追加の剤(例えば、栄養素、ECM分子、細胞因子及び/又は医薬活性剤)を混合することを含む。
【0392】
いくつかの実施形態によれば、以下工程を含む、MSCバイオブロック、例えばIII型MSCバイオブロックの調製方法が提供される:(1)MSCを包むコア材料を得るために、MSC、内皮細胞、及び生分解性コア材料を混合する工程;(2)MSCバイオブロックを得るために、前記コア材料を顆粒化し、そして前記コア材料を、生分解性シェル材料により被覆する工程。いくつかの実施形態によれば、工程(1)はさらに、MSC、内皮細胞、及び追加の剤(例えば、栄養素、ECM分子、細胞因子及び/又は医薬活性剤)を混合することを含む。
【0393】
いくつかの実施形態によれば、以下工程を含む、MSCバイオブロック、例えばIV型MSCバイオブロックの調製方法が提供される:(1)MSCを包むコア材料を得るために、MSC、平滑筋細胞、及び生分解性コア材料を混合する工程;(2)MSCバイオブロックを得るために、前記コア材料を顆粒化し、そして前記コア材料を、生分解性シェル材料により被覆する工程。いくつかの実施形態によれば、工程(1)はさらに、MSC、平滑筋細胞、及び追加の剤(例えば、栄養素、ECM分子、細胞因子及び/又は医薬活性剤)を混合することを含む。
【0394】
上記MSCバイオブロックの調製方法の何れかに従ってのいくつかの実施形態によれば、工程(2)においては、マイクロスフェロイド又はマイクロカプセルの調製装置、例えばカプセル化装置が、顆粒化及び被覆のために使用される。いくつかの実施形態によれば、前記方法はさらに、工程(2)の後、バイオブロックのシェルを処理することを含み(例えば、シェルの機械的性質を改善するために、シェル固化又は架橋溶液を用いる)。いくつかの実施形態によれば、前記方法、滅菌条件下で実施される。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、GMPワークショップで実施される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、調製の後、冷蔵条件(例えば、約4℃)で、少なくとも約3時間、6時間、12時間、1日、2日又は3日の何れかの間、貯蔵される。
【0395】
本明細書に記載される方法の何れか1つにより調製されるMSCバイオブロック(I、II、III又はIV型バイオブロック)がさらに提供される。
【0396】
バイオブロック、複数のバイオブロック、組成物、組織前駆体及び人工組織の使用
本出願に記載される、バイオブロック(MSCバイオブロック、例えば、I、II、III又はIV型MSCバイオブロックを包含する)、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、複数の単離されたバイオブロック、組織前駆体、人工組織、人工器官又は多次元コンストラクトの何れかが、種々の用途、例えば組織工学、インビトロ調査、幹細胞分化、インビボ調査、薬物スクリーニング、創薬、組織再生及び再生医学のために有用である。
【0397】
従って、いくつかの実施形態によれば、以下のためへの、本明細書に記載される、バイオブロック(MSCバイオブロック、例えば、I、II、III又はIV型MSCバイオブロックを包含する)、多次元コンストラクト、組織前駆体、又は人工組織の何れかの使用が提供される:幹細胞分化研究;創薬; 薬物スクリーニング;インビボ又はインビトロアッセイ;宿主への移植; 組織工学; 組織再生;刺激又は薬剤に応答する細胞機能の分析;微小環境のインビボ効果に関する研究;それを必要とする個体を治療;組織中の組織又は細胞に対する組成物の有効性の評価;3次元組織培養;又は個体の損傷した組織の修復。
【0398】
いくつかの実施形態によれば、バイオブロック(MSCバイオブロック、例えば、I、II、III又はIV型MSCバイオブロックを包含する)は、組織工学のために有用である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、細胞活性化、例えば、増殖、分化、代謝、移動、分泌、シグナル伝達、組織成長及び器官形成(但し、それらだけには限定されない)を可能にする培養(例えば、三次元培養)条件の研究を可能にするために、バイオブロックの内部の細胞のためのユニーク微小環境を提供する。
【0399】
当該技術分野において知られているように、組織工学は、工学及び生命科学の原理を適用し、そして組合わせる学際的分野である。いくつかの実施形態によれば、組織工学とは、組織機能を回復し、維持し、又は改善するための生物学的代替物(例えば、本出願のバイオブロック)の使用を言及する。いかなる理論又は仮説にも縛れるものではないが、従来の組織工学の基本的原理は、個人から少量の生存組織を入手し、特定の酵素又は他の方法を用いて、生存組織から細胞(また、種細胞としても知られている)を単離し、単離された細胞を増殖するために、その単離された細胞をインビトロで培養し、そして細胞が生体材料(すなわち、足場)に接着し、細胞足場組成物を提供するような所定の比率で、前記増殖された細胞を、生体適合性、分解性及び吸収性生体材料(すなわち、足場)と共に混合し、そして個々の組織又は器官の損傷部位に組成物を移殖することを包含する。生体材料は徐々に分解し、そしてインビボで吸収されるようになるので、移殖された細胞は連続して増殖し、そして細胞外マトリックス分子を分泌し、そして結果的に、その対応する組織又は器官を形成し、それにより、組織修復及び再構成の目的を達成する。本出願のバイオブロックは、1又は2以上の以下の利点を有する:バイオブロックにおける細胞のタイプ及び数が調節され得;バイオブロックの寸法が調節され得;バイオブロックのコア及びシェルはそれぞれ(例えば、独立して)、生分解性材料を含み;そしてバイオブロックのシェルの分解速度が調節され得る。従って、本出願のバイオブロックは特に、組織工学のために適切である。
【0400】
いくつかの実施形態によれば、細胞及び複数の微小環境因子を含むバイオブロックを提供し、そしてそのバイオブロックを、適切な条件下で培養することを含む、複数の微小環境因子を含む微小環境を細胞に提供する方法が提供される。典型的な微小環境因子は以下のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:物理的要因(例えば、機械的要因、温度、湿度、浸透圧、等);化学的因子(例えば、pH、イオン濃度、等);生物学的因子(例えば、細胞、サイトカイン、等)。微小環境因子は、1又は2以上の細胞活性、例えば増殖、分化、移動、代謝及び分泌(但し、それらだけには限定されない)を、動的に調節することができる。いくつかの実施形態によれば、微小環境因子は、細胞の増殖及び分化のための成長因子を含む。いくつかの実施形態によれば、複数の微小環境因子は、細胞の増殖及び分化のための構造及び空間を含む。いくつかの実施形態によれば、複数の微小環境因子は、その生物学的機能を実施する細胞のための物理的因子(例えば、機械的刺激)を含む。いくつかの実施形態によれば、複数の微小環境因子は、細胞(幹細胞である)の分化を促進又は調節するためのフィーダー細胞を含む。
【0401】
細胞を含むバイオブロック、又は培養されることになる複数のバイオブロック、剤、又は組織培養のために有用な他の成分を提供し、そして前記バイオブロックを、適切な条件下で培養することを含む、三次元組織培養方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中の細胞は、組織において天然で見出される細胞を生じ得る。いくつかの実施形態によれば、細胞は幹細胞である。いくつかの実施形態によれば、複数の単離されたバイオブロック、例えば、上記単離された複数のバイオブロックの何れかは、三次元組織培養条件の調査に使用される。いくつかの実施形態によれば、複数の単離されたバイオブロックは、平行して(例えば、同時に)、及び/又は高スループットスクリーニング状況で分析される。いくつかの実施形態によれば、複数の単離されたバイオブロック中の単離されたバイオブロックの少なくとも2つは異なっており、少なくとも2つの組織培養条件の同時調査を可能にする。いくつかの実施形態によれば、複数の単離されたバイオブロックは、容器に提供される。いくつかの実施形態によれば、複数のバイオブロック(例えば、上記のような単離されたバイオブロック)を含む容器の何れかが、三次元培養方法のために使用される。
【0402】
いくつかの実施形態によれば、バイオブロック(例えば、MSCバイオブロック、例えばI、II、III又はIV型MSCバイオブロック)、複数の単離されたバイオブロック、多次元コンストラクト(例えば、複合コンストラクト)、組織前駆体又は人工組織は、種々のインビトロアッセイを包含するインビトロ調査のために有用である。いくつかの実施形態によれば、インビトロアッセイは、有機又は生物学的サンプル(例えば、細胞凝集体、組織、器官、生物、等)における物質(例えば、化学物質、分子、生化学物質、薬物、等)の存在又は活性を試験するか、又は測定するための手順である。いくつかの実施形態によれば、インビトロアッセイは、定性的である。いくつかの実施形態によれば、インビトロアッセイは、定量的である。いくつかの実施形態によれば、定量的インビトロアッセイは、サンプル中の物質の量を測定する。本出願により企画される典型的なインビトロアッセイは、画像ベースのアッセイ、分泌タンパク質の測定、マーカーの発現、及びタンパク質の産生を包含するが、但しそれらだけには限定されない。いくつかの実施形態によれば、インビトロアッセイは、1又は2以上の以下を検出するか、又は測定するために使用される:分子結合(放射性リガンド結合を含む)、分子摂取、活性(例えば、酵素活性及び受容体活性、等)、遺伝子発現、タンパク質発現、受容体アゴニズム、受容体拮抗作用、細胞シグナル伝達、アポトーシス、化学感受性、トランスフェクション、細胞移動、走化性、細胞生存率、細胞増殖、安全性、有効性、代謝、毒性、及び乱用傾向。いくつかの実施形態によれば、インビトロアッセイは、イムノアッセイ、例えば競争イムノアッセイ又は非競争イムノアッセイである。いくつかの実施形態によれば、インビトロアッセイは、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック、多次元コンストラクト、人工組織、又は組織前駆体は、インビトロアッセイにおいて測定されるか、又は検出される、分子、細胞、細胞群、又は組織を提供する。
【0403】
いくつかの実施形態によれば、上記バイオブロックの何れか1つに従ってのバイオブロック(MSCバイオブロック、例えばI、II、III又はIV型MSCバイオブロックを含む)における細胞を、刺激又は剤に暴露し、そしてバイオブロックにおける細胞機能の変化を評価することを含む、刺激又は剤に応答して細胞機能を分析する方法が提供される。本明細書において企画される細胞機能は、細胞活性、細胞挙動性、細胞内オルガネラ動態及び活性、及び細胞内の分子の機能及び活性を包含するが、但しそれらだけには限定されない。細胞機能の例は、以下のことを包含するが、但しそれらだけには限定されない:増殖、分化、代謝、移動、分泌、シグナル伝達、アポトーシス、壊死、死、走化性、分子の局在化、分子の結合、及び同様のもの。いくつかの実施形態によれば、刺激又は剤は、バイオブロックのコアに提供される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、単離されたバイオブロックである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、容器に提供される。いくつかの実施形態によれば、刺激又は剤は、容器に提供される。いくつかの実施形態によれば、上記のような複数の単離されたバイオブロック、又は容器の何れか1つが、細胞機能の分析方法に使用される。いくつかの実施形態によれば、刺激又は剤は、薬物である。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、薬物の有効性の決定のために使用される。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、薬物のスクリーニングのために使用される。
【0404】
いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、幹細胞分化の研究のために有用である。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載されるMSCバイオブロック(例えば、I、II、III又はIV型MSCバイオブロック)の何れか1つを用いてのMSC分化の研究方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、複数の単離されたバイオブロック、又は前述のセクションに記載されるような複数の単離されたバイオブロックを含む容器の何れか1つが、幹細胞分化を研究するために使用され、ここで単離されたバイオブロックの個々は少なくとも1つの幹細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、複数の単離されたバイオブロック又は容器中の少なくとも2つの単離されたバイオブロックは、異なっており、幹細胞分化に対する少なくとも2つの異なった条件の効果の同時調査を可能にする。いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つの単離されたバイオブロックの個々は、異なったタイプの幹細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、単離されたバイオブロックは、同じタイプの幹細胞を含む。いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つの単離されたバイオブロックの個々は、異なった剤、又は細胞増殖、分化、移動、代謝、分泌、シグナル伝達、又はそれらの何れかの組合わせを制御する(例えば、促進する)剤の組合せを含む。いくつかの実施形態によれば、複数の単離されたバイオブロックは、平行して(例えば、同時に)、及び/又は高スループットスクリーニング状況で、分析される。
【0405】
いくつかの実施形態によれば、バイオブロック(例えば、MSCバイオブロック、例えばI、II、III又はIV型MSCバイオブロック)、バイオインク組成物、多次元コンストラクト(例えば、複合コンストラクト)、人工組織又は組織前駆体は、インビボ調査のために有用である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック、多次元コンストラクト、組織前駆体、又は人工組織は、対象における異種移植片として使用される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中の細胞を暴露し、そして対象の内部の位置にあるバイオブロック中の細胞機能の変化を評価することを含む、刺激又は剤に応答して細胞機能を分析する方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクト、組織前駆体、又は人工組織は、対象におけるインビボ移殖のために使用される。インビボ調査のいくつかの実施形態によれば、バイオブロック又はバイオインク組成物は、対象において直接的にバイオプリントされる。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、組織の細胞分布パターンに従ってバイオプリントされる。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、対象における足場上にバイオプリントされる。いくつかの実施形態によれば、対象は、動物モデルである。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックのインビボ微小環境の効果は、バイオブロック中の細胞が、対象において増殖し、分化し、移動し、代謝し、分泌し、又は成長するにつれて、研究される。いくつかの実施形態によれば、インビボ研究が、バイオブロック、組織前駆体又は人工組織における細胞に対する化合物(例えば、薬物)のインビボ効果を評価するために使用される。
【0406】
いくつかの実施形態によれば、インビトロ及び/又はインビボ研究は、任意の分子、細胞又は生物学的構造、及び任意の領域におけるそれらの機構、例えば分子生物学、細胞生物学、発達生物学、移殖生物学、医学生物学又は組織工学(但し、それらだけには限定されない)を発見し、開発し、又は研究するために有用である。インビトロ及びインビボ研究の典型的な用途は、以下を包含するが、但しそれらだけには限定されない:多次元培養システムの開発、シグナル伝達経路、幹細胞誘導及び分化、胚発生及び発生、免疫学、細胞と材料との間の相互作用、細胞治療、組織再生、及び再生医療。
【0407】
いくつかの実施形態によれば、バイオブロック、複数の単離されたバイオブロック、多次元コンストラクト、組織前駆体、又は人工組織は、薬物スクリーニング又は創薬のために有用である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中の細胞を薬物に暴露し、そして細胞機能(例えば、増殖、生存、シグナル伝達、遺伝子発現、解毒、毒性、等)の変化を評価することを含む、薬物に応答して細胞機能を分析する方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、薬物の効能を決定するために使用される。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、薬物についてスクリーニングするために使用される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中の細胞は、薬物の必要な対象に由来する。
【0408】
いくつかの実施形態によれば、人工組織又は組織前駆体を、因子に暴露し、そして前記因子に応答して人工組織又は組織前駆体における細胞の活性を評価することを含む、組織に対する因子(例えば、化学試薬、例えば、化合物;又は物理的刺激、例えば放射線又は加熱)の効果を評価する方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、人工組織又は組織前駆体を、化合物に暴露し、そして前記化合物に応答して人工組織又は組織前駆体における細胞の活性を評価することを含む、組織に対する化合物の効果を評価する方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、前記化合物は薬物である。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、薬物の効能を決定するために使用される。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、薬物についてスクリーニングするために使用される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック中の細胞は、薬物の必要な対象に由来する。
【0409】
いくつかの実施形態によれば、バイオブロック、複数の単離されたバイオブロック、多次元コンストラクト、人工組織又は組織前駆体は、薬物スクリーニング又は創薬のための細胞、多細胞凝集体又は組織のアレイ、マイクロアレイ又はチップを調製するために使用される。いくつかの実施形態によれば、組織のアレイ、マイクロアレイ又はチップは、創薬の薬物スクリーニングのためのキットの一部として使用される。いくつかの実施形態によれば、各バイオブロック、複数の単離されたバイオブロック、多次元コンストラクト、組織前駆体又は人工組織は、生体適合性マルチウェル容器のウェル内に存在し、ここで前記容器は、1又は2以上の自動薬物スクリーニング方法及び/又は装置と適合できる。いくつかの実施形態によれば、自動スクリーニング方法及び/又は装置は、コンピューター又はロボット助力の何れか適切な方法又は装置を包含する。
【0410】
いくつかの実施形態によれば、バイオブロック、複数の単離されたバイオブロック、多次元コンストラクト、組織前駆体、人工組織又は本明細書に記載される何れかの方法は、任意の治療領域において実質的に有用な薬物を研究するか、又は開発するために、薬物スクリーニング又は創薬に有用である。いくつかの実施形態によれば、適切な治療領域は、非制限的な例によれば、以下を包含する:感染症、血液学、腫瘍学、小児科、心臓病学、中枢神経系疾患、神経学、胃腸疾患、肝臓病、泌尿器科、不妊症、眼科学、腎臓学、整形外科、疼痛管理、精神医学、肺科学、ワクチン、創傷治癒、生理学、薬理学、皮膚科学、遺伝子治療、毒物学、及び免疫学。いくつかの実施形態によれば、MSCバイオブロック、複数の単離されたMSCバイオブロック、複合コンストラクト、組織前駆体、人工組織、又はMSCバイオブロックを用いる、本明細書に記載される何れかの方法は、整形外科疾患又は状態の治療のために適切である。
【0411】
いくつかの実施形態によれば、バイオブロックは、組織再生のために有用である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロックを含む医薬組成物は、有効量の医薬組成物を対象に投与することにより、組織の保護、修復又は置換の必要な対象の治療のために有用である。いくつかの実施形態によれば、有効量の医薬組成物を、その必要な対象に投与することを含む、組織の保護方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、有効量の医薬組成物を、その必要な対象に投与することを含む、損傷組織の修復方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、有効量の医薬組成物を、その必要な対象に投与することを含む、組織(例えば、欠陥又は欠損組織)置換方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、組織は、皮膚組織である。いくつかの実施形態によれば、組織は、骨、軟骨又は関節組織である。
【0412】
いくつかの実施形態によれば、有効量の医薬組成物を、その必要な対象に投与することを含む細胞治療方法が提供される。投与される有効量の医薬組成物は、実際の必要に依存する。いくつかの実施形態によれば、有効量の医薬組成物は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%、組織状態(例えば、完全性、健康、外観、等)を改善するのに十分である。いくつかの実施形態によれば、有効量の医薬組成物は、約1、5、10、20、50、100、200、500又は1000の何れか超のバイオブロックである。
【0413】
いくつかの実施形態によれば、医薬組成物は、局所的に投与される。いくつかの実施形態によれば、医薬組成物は、外科移殖により投与される。他の典型的な投与経路は、以下を包含するが、但しそれらだけには限定されない:静脈内、動脈内、腹腔内、肺内、膀胱内(intravesicular)、筋肉内、気管内、皮下、眼内、くも膜下腔内、又は経皮。いくつかの実施形態によれば、医薬組成物は、1度で投与される。いくつかの実施形態によれば、医薬組成物は、複数回、投与される。いくつかの実施形態によれば、医薬組成物は、1日当たり3回、1日当たり2回、1日当たり1回、2日当たり1回、3日当たり1回、1週当たり1回、2週当たり1回、3週当たり1回、1カ月当たり1回、2カ月当たり1回、3カ月当たり1回、6カ月当たり1回、又は1年当たり1回の何れかの間隔で投与される。
【0414】
いくつかの実施形態によれば、バイオブロック、バイオインク組成物、多次元コンストラクト、組織前駆体又は人工組織は、組織再生のために有用である。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクト、組織前駆体又は人工組織は、インビボ組織又は器官移植のために有用である。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック、バイオブインク組成物、多次元コンストラクト、人工組織、又は組織前駆体は、対象における損傷された、疾患の又は不全の組織又は器官を置換するために使用される。いくつかの実施形態によれば、MSCバイオブロック、MSCバイオインク組成物、複合コンストラクト、人工骨又は軟骨、又はその前駆体は、対象における損傷された骨、軟骨又は関節を置換するために使用される。いくつかの実施形態によれば、対象はヒト対象である。
【0415】
いくつかの実施形態によれば、対象の組織の損傷された部位で、バイオインク組成物を直接的にバイオプリントすることを含む、対象における組織の損傷部位を修復する方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、組織の損傷部位に配置される足場上にバイオプリントされる。いくつかの実施形態によれば、組織は、皮膚組織である。いくつかの実施形態によれば、前記方法はさらに、組織の損傷部位の細胞分布情報の入手を含み、ここでバイオプリントは、その細胞分布情報に従って行われる。いくつかの実施形態によれば、対象に対してバイオプリントするためのバイオインク組成物中の細胞は、対象と類似する特徴(例えば、種、年齢、性別、疾患、遺伝情報、等)を有する対象に由来する。いくつかの実施形態によれば、対象に対してバイオプリントするためのバイオインク組成物中の細胞は、既存の細胞株に由来する。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、幹細胞を含む、少なくとも1つのバイオブロックを含む。
【0416】
いくつかの実施形態によれば、バイオブロック、複数の単離されたバイオブロック、多次元コンストラクト、組織前駆体、又は人工組織は、細胞治療への使用のための細胞(幹細胞、前駆体細胞、免疫細胞、又は他の細胞を含む)を単離するために使用される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック、多次元コンストラクト、組織前駆体、又は人工組織は、バイオブロック、複数の単離されたバイオブロック、多次元コンストラクト、組織前駆体、又は人工組織、又はその誘導生成物(例えば、生物学的活性分子又は細胞)を受ける対象において、組織再生を誘導するために、生物学的活性分子(例えば、ホルモン、成長因子、サイトカイン、リガンド、等)を提供し、分泌し、又は単離するために使用される。いくつかの実施形態によれば、バイオブロック、医薬組成物、多次元コンストラクト、組織前駆体、又は人工組織は、被膜(例えば、抗凝固被膜)として使用される。
【0417】
キット及び製造品
本明細書に記載されるバイオブロック(例えば、MSCバイオブロック、例えばI、II、III又はIV型MSCバイオブロック)、組成物(例えば、バイオインク組成物又は医薬組成物)、複数の単離されたバイオブロック(複数の単離されたバイオブロックを含む容器を包含する)、多次元コンストラクト、組織前駆体、及び人工組織の何れか1つの製造のためのキット、市販のバッチ及び製品がさらに本明細書に提供される。
【0418】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載される複数のバイオブロックの何れかを含む、多次元コンストラクト、人工組織又は組織前駆体をバイオプリントするのに有用なキットが提供される。いくつかの実施形態によれば、キットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10タイプのバイオブロックを含む。異なったタイプのバイオブロックは、バイオブロックのサイズ及び/又は形状、バイオブロック中のコアにおける細胞数及び/又は細胞タイプ、生分解性ポリマーコア材料の組成、生分解性ポリマーシェル材料の組成、細胞の活性(例えば、増殖、分化、移動、代謝及び/又は分泌)を促進し、そしてバイオブロックのコアに組込まれる剤、バイオブロックに組み込まれる栄養素及び/又はECM分子、及び/又は前述のセクションに記載される何れか他のパラメーターにおいて異なることができる。いくつかの実施形態によれば、キットはさらに、バイオプリントのために複数のバイオブロックと共に混合され得る担体を含む。いくつかの実施形態によれば、キットはさらに、バイオプリントにおいてバイオブロックを結合するための生体適合(任意には、生体接着性)材料を含む。いくつかの実施形態によれば、キットはさらに、バイオプリントのための所定のパターンを規定するモデルを含む。いくつかの実施形態によれば、モデルは、バイオプリントされることになる多次元生物学的構造、組織又は組織前駆体の天然の構造及び細胞分布に基づく。
【0419】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載されるバイオブロック組成物の何れかを含む、多次元コンストラクト、人工組織又は組織前駆体をバイオプリントするのに有用なキットが提供される。いくつかの実施形態によれば、バイオインク組成物は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10タイプのバイオブロックを含む。いくつかの実施形態によれば、キットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10タイプのバイオインク組成物を含む。いくつかの実施形態によれば、キットはさらに、バイオプリントにおいてバイオブロックを結合するための生体適合(任意には、生体接着性)材料を含む。いくつかの実施形態によれば、キットはさらに、バイオプリントのための所定のパターンを規定するモデルを含む。いくつかの実施形態によれば、モデルは、バイオプリントされる多次元コンストラクト、人工組織又は組織前駆体の天然の構造及び細胞分布に基づく。
【0420】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載される複数の単離されたバイオブロック、又は複数の単離されたバイオブロックを含む容器の何れかを含む、組織工学、インビトロ調査又はインビボ調査のためのキットが提供される。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載されるバイオブロック、複数の単離されたバイオブロック、又は複数の単離されたバイオブロックを含む容器の何れかを含む、刺激又は剤に応答して細胞機能を分析するキットが提供される。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載される複数のバイオブロック、バイオインク組成物、複数の単離されたバイオブロック、組織前駆体又は人工組織の何れかを含む、薬物スクリーニング又は創薬のためのキットが提供される。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載される医薬組成物、バイオインク組成物、組織前駆体又は人工組織の何れかを含む、その必要な対象の治療のために有用なキットが提供される。
【0421】
キットは、本明細書に記載されるバイオプリント、治療、又は使用方法の何れか1つにおいて必要である、追加の成分、例えば容器、試薬、培養培地、緩衝液及び同様のものを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、キットはさらに、足場、又は足場を調製するための材料を含む。いくつかの実施形態によれば、キットはさらに、指示マニュアル、例えばバイオプリント及び培養条件のためのパラメーターを含む、本明細書に記載される方法の何れかに従って、多次元コンストラクト、人工組織又は組織前駆体を調製するためのプロトコルを記載するマニュアルを含む。いくつかの実施形態によれば、指示マニュアルは、医薬組成物のプロトコル、投与量、指示、投与スケジュール、等を記載する。
【0422】
キットは、バイオブロック、バイオインク組成物、複数の単離されたバイオブロック、及び医薬組成物のユニットパッケージ、バルクパッケージ(例えば、多ユニットパッケージ)又はサブユニットパッケージを含む。いくつかの実施形態によれば、キットは、少なくとも約1、2、3、4、5、10、20、50、100又はそれ以上の人工組織、組織前駆体又は多次元コンストラクトを調製するために十分なバイオブロック又はバイオインク組成物を含む。いくつかの実施形態によれば、キットは、少なくとも約1、2、3、4、5、10、20、50、100、又はそれ以上のインビトロ、インビボ、幹細胞分化、組織工学、組織再生、薬物スクリーニング、又は創薬実験の何れかを実施するために十分な複数の単離されたバイオブロック又は複数の単離されたバイオブロックを含む容器を含む。キットはまた、複数ユニットのバイオブロック、バイオインク組成物、複数の単離されたバイオブロック、又は医薬組成物及び使用説明書を含むことができ、そして研究室又は薬局、例えば病院の薬局での貯蔵及び使用のために十分な量でパッケージされる。
【0423】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載されるバイオブロック又はバイオインク組成物を用いてのバイオプリント方法の何れかにより調製された、多次元コンストラクト、組織前駆体又は人工組織を含むキットが提供される。いくつかの実施形態によれば、キットはさらに、組織又は器官を得るために多次元コンストラクト、組織前駆体又は人工組織を培養するために有用な、剤、培養培地、緩衝液、又は他の成分を含む。いくつかの実施形態によれば、キットはさらに、培養条件を記載する指示マニュアルを含む。いくつかの実施形態によれば、キットは、再生医薬、例えばインビボ移殖又は細胞療法のために有用である。いくつかの実施形態によれば、キットはインビトロアッセイのために有用である。いくつかの実施形態によれば、キットは、薬物スクリーニング又は創薬のために有用である。いくつかの実施形態によれば、多次元コンストラクト、組織前駆体、又は人工組織は、薬物スクリーニングアッセイ又は創薬アッセイ、例えばコンピューター又はロボット助力の高スループットアッセイのためにマルチウェル容器(例えば、マルチウェルプレート)に配置される。いくつかの実施形態によれば、キットは、アッセイ又は医療処置(例えば、インビボ移殖又は細胞療法)のために有用である試薬又は説明書を含む。
【0424】
本発明のキットは、適切なパッケージングにある。適切なパッケージングは、バイアル、ボトル、ジャー、柔軟パッケージング(例えば、Mylar又はプラスチックバッグ)、及び同様のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない。キットは任意には、追加の構成要素、例えば緩衝液及び解釈情報を提供する。従って、本出願はまた、バイアル(例えば、密封バイアル)、ボトル、ジャー、柔軟パッケージング、及び同様のものを含む製造品を提供する。
【0425】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載されるバイオブロック、バイオインク組成物、複数の単離されたバイオブロック、医薬組成物、人工組織、組織前駆体、又はキットの市販バッチが提供される。本明細書において使用される「市販バッチ(commercial batch)」とは、少なくとも約100のバイオブロックであるバッチサイズを言及する。いくつかの実施形態によれば、バッチサイズは、少なくとも約100、200、500、1000、2000、5000、10000、20000、又は 50000のバイオブロックの何れかである。いくつかの実施形態によれば、市販バッチは、組成物(例えば、バイオブロック、バイオインク組成物、又は組織前駆体)の何れかを含む複数のバイアルを含む。いくつかの実施形態によれば、市販バッチは、少なくとも約5、10、15、20、25、50、75、100、200、300、400、500、1000、2000、5000、 又は10000のバイアルの何れかを含む。例えば、各バイアルは、少なくとも約1、2、5、10又は100のバイオブロックを含む。
【0426】
例示的実施形態
実施形態1.いくつかの実施形態によれば、a)生分解性ポリマーコア材料及び細胞を含むコア、並びにb)生分解性ポリマーシェル材料を含むシェルを含むバイオブロックが提供される。
【0427】
実施形態2.いくつかの実施形態によれば、コア及びシェルを含むバイオブロックが提供され、ここで前記コアは細胞を含み、そして前記シェルはコアを被覆する。
【0428】
実施形態3.実施形態2のいくつかのさらなる実施形態によれば、シェルは細胞を含まない。
【0429】
実施形態4.実施形態2又は3のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記コアは、生分解性ポリマーコア材料を含む。
【0430】
実施形態5.実施形態2~4の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記シェルは、生分解性ポリマーシェル材料を含む。
【0431】
実施形態6.実施形態1~5の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックは、少なくとも2つのコアを含む。
【0432】
実施形態7.実施形態6のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記少なくとも2つのコアの個々は独立して、異なったタイプの細胞を包む。
【0433】
実施形態8.実施形態1~7の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックは、少なくとも2つのシェルを含む。
【0434】
実施形態9.実施形態8のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記少なくとも2つのシェルの個々は、異なった生分解性ポリマーシェル材料を含む。
【0435】
実施形態10.実施形態8又は9のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記少なくとも2つのシェルの個々は、異なった機能を提供する。
【0436】
実施形態11.実施形態1~10の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、少なくとも1つのシェルは固化される。
【0437】
実施形態12.実施形態11のいくつかのさらなる実施形態によれば、最も外側のシェルは固化される。
【0438】
実施形態13.実施形態1~12の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記コアはゲル状態にある。
【0439】
実施形態14.実施形態1~13の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記シェルはコアに機械的支持を提供する。
【0440】
実施形態15.実施形態1~14の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記シェルは細胞に栄養素を提供する。
【0441】
実施形態16.実施形態1~15の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記コアは、生分解性ポリマーコア材料に包埋された細胞を含む。
【0442】
実施形態17.実施形態1~15の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記コアは、前記生分解性ポリマーコア材料により包まれた細胞を含む。
【0443】
実施形態18.実施形態1~17の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記コアは、栄養素、細胞外マトリックス因子、細胞因子、及び医薬的活性剤、及びそれらの組み合わせから成る群から選択された剤を含む。
【0444】
実施形態19.実施形態18のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記栄養素は、ヌクレオチド、アミノ酸、ペプチド、炭水化物、脂質又はビタミンを含む。
【0445】
実施形態20.実施形態18又は19のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記細胞外マトリックスは、多糖、グリコサミノグリカン、糖タンパク質、構造タンパク質又は接着タンパク質を含む。
【0446】
実施形態21.実施形態18~20の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記医薬的活性剤は、rhIL-2、rhIL-11、rhEPO、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、G-CSF、GM-CSF、rHuEPO、sTNF-R1、rhTNF-α及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0447】
実施形態22.実施形態1~21の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記コアは、さらに、細胞増殖、分化、移動、代謝又は分泌を促進する剤を含む。
【0448】
実施形態23.実施形態22のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記コアがが、細胞増殖を促進する剤を含み、そしてインスリン、IGF-I、IGF-II、TGF、VEGF、PDGF、ODGF、SRIH、NGF、EGF、FGF、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL6、IL-7、IL-8、IL-10、IL-12、CCL、CXC、XCL、MCP、TNF、EPO、CSF、コルチゾール、T3、T4及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0449】
実施形態24.実施形態22又は23のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記コアが、細胞分化を促進する剤を含み、そしてOct3 / 4、Sox2、Klf4、c-Myc、GATA4、TSP1、β-グリセロホスフェート、デキサメタゾン、ビタミンC、インスリン、IBMX、インドメタシン、PDGF-BB、5-アザシチジン及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0450】
実施形態25.実施形態22~24の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記コアが細胞移動を促進する剤を含み、そしてcAMP、PIP3、SDF-1、N-カドヘリン、NF-κB、オステオネクチン、トロンボキサンA2、Ras及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0451】
実施形態26.実施形態22~25の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記コアが細胞代謝を促進する剤を含み、そしてIGF-I、TRIP-Br2、DKK-1、sRANKL、OPG、TRACP-5b、ALP、SIRT1、PGC-1α、PGC-1β、IL-3、IL-4、IL6、TGF-β、PGE2、G-CSF、TNFα及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0452】
実施形態27.実施形態22~26の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記コアが細胞分泌を促進する剤を含み、そしてP600、P110、TCGFIII、BSF-2、グルカゴン、β-アドレナリンアゴニスト、アルギニン、Ca2+、アセチルコリン、ソマトスタチン及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0453】
実施形態28.実施形態1~27の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックは、球形、立方体、直角プリズム、円筒形又は不規則形状である。
【0454】
実施形態29.実施形態28のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックは、球形である。
【0455】
実施形態30.実施形態1~29の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックの長さは、約20μm-約2mmである。
【0456】
実施形態31.実施形態30のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックの長さは、約30μm-約800μmである。
【0457】
実施形態32.実施形態1~31の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記生分解性ポリマーコア材料は、天然に存在するポリマーを含む。
【0458】
実施形態33.実施形態32のいくつかのさらなる実施形態によれば、天然に存在するポリマーは、コラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、及びそれらの組み合わせから成る群から酸託される。
【0459】
実施形態34.実施形態33のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記アルギン酸塩が、酸化されていないアルギン酸塩、酸化されたアルギン酸塩、又はそれらの混合物を含む。
【0460】
実施形態35.実施形態33又は34のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記生分解性ポリマーコア材料は、I型コラーゲンとアルギン酸塩との混合物を含む。
【0461】
実施形態36.実施形態1~35の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記生分解性ポリマーコア材料は、合成ポリマーである。
【0462】
実施形態37.実施形態36のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記合成ポリマーが、ポリホスファゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ-(ラクチド-コグリコリド酸)(PLGA)、ポリオルトエステル(POE)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシレート(PHB)、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、分解性ポリウレタン、それらのコポリマー、及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0463】
実施形態38.実施形態1~37の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記生分解性ポリマーコア材料が、酵素により分解可能である。
【0464】
実施形態39.実施形態38のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記酵素は、細胞から分泌される。
【0465】
実施形態40.実施形態38又は39のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記生分解性ポリマーコア材料の分解生成物が、細胞に栄養素を提供する。
【0466】
実施形態41.実施形態1~40の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記コアは、複数の細胞を含む。
【0467】
実施形態42.実施形態41のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記コアは、少なくとも約50の細胞を含む。
【0468】
実施形態43.実施形態42のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記コアは、約1の細胞-約5000の細胞を含む。
【0469】
実施形態44.実施形態41~43の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記複数の細胞は、同じタイプのものである。
【0470】
実施形態45.実施形態44のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記複数の細胞は、少なくとも2つの異なったタイプのものである。
【0471】
実施形態46.実施形態1~45の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記細胞は、幹細胞を含む。
【0472】
実施形態47.実施形態1~46の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記細胞は、細菌、酵母細胞、植物細胞、又は動物細胞を含む。
【0473】
実施形態48.実施形態47のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記細胞は、哺乳類細胞を含む。
【0474】
実施形態49.実施形態48のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記細胞は、ヒト細胞を含む。
【0475】
実施形態50.実施形態1~49の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記細胞は、接着細胞を含む。
【0476】
実施形態51.実施形態1~50の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記細胞は、結合組織、筋組織、泌尿生殖器組織、胃腸組織、肺組織、骨組織、神経組織、上皮組織、内胚葉由来組織、中胚葉由来組織及び外胚葉由来組織から成る群から選択される組織に由来する。
【0477】
実施形態52.実施形態51のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記細胞は、骨格筋細胞、心筋細胞、平滑筋細胞、筋芽細胞、骨細胞、軟骨細胞、線維芽細胞、リンパ系細胞、骨髄細胞、内皮細胞、皮膚細胞、上皮細胞、乳腺細胞、血管細胞、血液細胞、リンパ球、ニューロン、シュワン細胞、胃腸細胞、肝臓細胞、膵臓細胞、肺細胞、気管細胞、角膜細胞、泌尿生殖器細胞、腎臓細胞、脂肪細胞、実質細胞、周皮細胞、中皮細胞、間質細胞、幹細胞、前駆細胞、内胚葉由来細胞、中胚葉由来細胞、外胚葉由来細胞、腫瘍細胞、細胞株、誘導された多能性幹細胞(iPS)、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0478】
実施形態53.実施形態1~52の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記シェルが、栄養素に対して透過性である。
【0479】
実施形態54.実施形態53のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記栄養素が、水、酸素、炭水化物、脂質、タンパク質、アミノ酸、ペプチド、ミネラル、ビタミン、細胞因子、核酸、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0480】
実施形態55.実施形態53又は54のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記シェルが、1又は2以上の微細孔を含む。
【0481】
実施形態56.実施形態55のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記微細孔の直径が少なくとも約10nmである。
【0482】
実施形態57.実施形態1~56の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記シェルが、約0.1μm-約50μmの厚さを有する。
【0483】
実施形態58.実施形態1~57の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記シェルが、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有する。
【0484】
実施形態59.実施形態1~58の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記シェルが、単一層を含む。
【0485】
実施形態60.実施形態1~59の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記シェルが、複数の層を含む。
【0486】
実施形態61.実施形態1~60の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料が、天然に存在するポリマーを含む。
【0487】
実施形態62.実施形態61のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記天然に存在するポリマーが、コラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸塩、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、エラスチン、及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0488】
実施形態63.実施形態62のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記アルギン酸塩が、酸化されていないアルギン酸塩、酸化されたアルギン酸塩、又はそれらの混合物を含む。
【0489】
実施形態64.実施形態62又は63のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料が、アルギン酸塩、及びゼラチンを含む。
【0490】
実施形態65.実施形態64のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記アルギン酸塩:ゼラチンの比が、約10:1-約1:10である。
【0491】
実施形態66.実施形態65のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料がさらにエラスチンを含む。
【0492】
実施形態67.実施形態1~66の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料が、合成ポリマーを含む。
【0493】
実施形態68.実施形態67のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記合成ポリマーが、ポリホスファゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ-(ラクチド-コグリコリド酸)(PLGA)、ポリオルトエステル(POE)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシレート(PHB)、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、分解性ポリウレタン、それらのコポリマー、及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0494】
実施形態69.実施形態1~68の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料が、酵素により分解可能である。
【0495】
実施形態70.実施形態69のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記酵素は、細胞から分泌される。
【0496】
実施形態71.実施形態69又は70のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料の分解生成物が、細胞に栄養素を提供する。
【0497】
実施形態72.実施形態1~71の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記生分解性ポリマーシェル材料が、カルシウムを含む。
【0498】
実施形態73.実施形態1~72の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックが、三次元堆積中に弾性変形に耐えるのに十分な機械的強度を有する。
【0499】
実施形態74.実施形態1~73の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックが、約0.01GPa-約0.4GPaの硬度を有する。
【0500】
実施形態75.実施形態1~74の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックが、約0.01MPa-約100MPaの弾性率を有する。
【0501】
実施形態76.実施形態1~75の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックがゲル状態にある。
【0502】
実施形態77.実施形態1~76の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックが、第1シェル、第2シェル及び単一のコアを含み、第1シェルは単一コアを被覆し、第2シェルは第1シェルを被覆する。
【0503】
実施形態78.実施形態1~76の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックが、第1コア、第2コア及び単一シェルを含み、第2コアは第1コアを被覆し、そして単一シェルは第2コアを被覆する。
【0504】
実施形態79.実施形態1~76の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックが、第1コア、第2コア、第1シェル及び第2シェルを含み、第2コアは第1コアを被覆し、第1シェルは第2コアを被覆、そして第2シェルは第1シェルを被覆する。
【0505】
実施形態80.実施形態1~76の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックが、第1コア、第2コア、第1シェル及び第2シェルを含み、第1シェルは第1コアを被覆し、第2コアは第1シェルを被覆、そして第2シェルは第2コアを被覆する。
【0506】
実施形態81.いくつかの実施形態によれば、以下の工程:(1)細胞組成物とポリマーコア材料とを、それぞれ独立して混合することにより、少なくとも1つのコアを入手する工程;及び(2)バイオブロックを得るために、ポリマーシェル材料をそれぞれ独立して含む少なくとも1つのシェルにより、前記少なくとも1つのコアを被覆する工程を含む、バイオブロックの調製方法が提供される。
【0507】
実施形態82.実施形態81のいくつかのさらなる実施形態によれば、工程(1)は、最も内側のコアの顆粒化をさらに含む。
【0508】
実施形態83.実施形態81又は82のいくつかのさらなる実施形態によれば、工程(1)は、最も内側のコアを、少なくとも1つの異なったコアにより被覆することをさらに含み、ここで少なくとも1つの異なったコアの個々は独立して、ポリマーコア材料及び細胞組成物を含む。
【0509】
実施形態84.実施形態81~83の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記方法がさらに、以下を含む:(3)少なくとも1つのシェルを、少なくとも1つの追加のコアにより被覆し、ここで少なくとも1つの追加のコアの個々は独立して、ポリマーコア材料及び細胞組成物を含み;そして(4)少なくとも1つの追加のポリマーコア材料を、少なくとも1つの追加のポリマーシェル材料により被覆する。
【0510】
実施形態85.実施形態84のいくつかのさらなる実施形態によれば、工程(3)及び(4)が、1又は2以上の回数、反復される。
【0511】
実施形態86.実施形態81~85の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記ポリマーコア材料及びポリマーシェル材料が生分解性である。
【0512】
実施形態87.実施形態81~86の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、工程(1)がそれぞれ独立して、少なくとも1つのコアを得、そして細胞組成物、ポリマーコア材料、及び栄養素、細胞外マトリックス、細胞因子又は医薬的活性剤を含む追加の剤を混合することを含む。
【0513】
実施形態88.実施形態81~87の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、カプセル化装置が、顆粒化及び被覆のために使用される。
【0514】
実施形態89.実施形態81~88の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、工程(2)及び(4)の個々が独立して、さらに、前記被覆の後、シェルを処理することを含む。
【0515】
実施形態90.実施形態89のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記処理が、シェルの機械的性質を改善するために、シェルを固化することを含む。
【0516】
実施形態91.実施形態89又は90のいくつかのさらなる実施形態によれば、最も外側のシェルのみが処理される。
【0517】
実施形態92.実施形態81~91の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記方法が、滅菌条件下で実施される。
【0518】
実施形態93.実施形態92のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記方法が、GMPワークショップで実施される。
【0519】
実施形態94.実施形態81~93の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックが、約3時間~約3日間、冷蔵条件(例えば、約4℃)下で貯蔵され得る。
【0520】
実施形態95.いくつかの実施形態によれば、実施形態81-94の何れか1つに従っての方法により調製されたバイオブロックが提供される。
【0521】
実施形態96.実施形態1~80及び95の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックが単離される。
【0522】
実施形態97.実施形態1~80及び95~96の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックが、容器において提供される。
【0523】
実施形態98.いくつかの実施形態によれば、実施形態96の複数の単離されたバイオブロックが提供される。
【0524】
実施形態99.実施形態98のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記複数の単離されたバイオブロックか、単一容器において提供される。
【0525】
実施形態100.実施形態98又は99のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記単離されたバイオブロックの少なくとも2つが異なる。
【0526】
実施形態101.実施形態100のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記少なくとも2つの単離されたバイオブロックの個々は、細胞増殖、分化、移動、代謝、分泌、又はそれらの任意の組み合わせを促進する異なった剤又は剤の組合せを含む。
【0527】
実施形態102.いくつかの実施形態によれば、実施形態1-80の何れか1つのバイオブロック中の細胞を、刺激又は剤に暴露し、そしてバイオブロック中の細胞機能の変化を評価することを含む、刺激又は剤に応答して細胞機能を分析する方法が提供される。
【0528】
実施形態103.実施形態102のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記刺激又は剤が、バイオブロックのコアに提供される。
【0529】
実施形態104.実施形態102又は103のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックが、単離されたバイオブロックである。
【0530】
実施形態105.実施形態104のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記単離されたバイオブロックが、容器に提供される。
【0531】
実施形態106.実施形態102又は103のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックが、対象の内部に配置される。
【0532】
実施形態107.実施形態102~106の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記刺激又は剤が薬物である。
【0533】
実施形態108.実施形態107のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記方法が、薬物の有効性を決定するために使用される。
【0534】
実施形態109.実施形態108のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記方法が、薬物のスクリーニングのために使用される。
【0535】
実施形態110.いくつかの実施形態によれば、実施形態1-80及び95-96の何れか1つのバイオブロック、及び医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物が提供される。
【0536】
実施形態111.いくつかの実施形態によれば、実施形態1-80及び95-96の何れか1つの複数のバイオブロックを含むバイオインク組成物が提供される。
【0537】
実施形態112.実施形態111のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、同じタイプのものである。
【0538】
実施形態113.実施形態111のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記複数のバイオブロックは、異なったタイプのものである。
【0539】
実施形態114.実施形態111~113の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオインク組成物がさらに、担体を含む。
【0540】
実施形態115.実施形態114のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記担体が液体又は半固体である。
【0541】
実施形態116.実施形態114又は115のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記担体が、コラーゲン、フィブリン、キトサン、アルギン酸、デンプン、ヒアルロン酸、ラミニン、アガロース、ゼラチン、グルカン、エラスチン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)、アクリレートコポリマー、及びそれらの組み合わせから成る群から選択されたポリマーを含む。
【0542】
実施形態117.実施形態114~116の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記担体が、約1Pa・s~約1000Pa・sの粘度を有する。
【0543】
実施形態118.実施形態111~117の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオインクの組成物が、少なくとも約50%のバイオブロック(w/w)を含む。
【0544】
実施形態119.実施形態111~118の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオインク組成物中のバイオブロックの平均サイズは、約30μm~約800μmである。
【0545】
実施形態120.いくつかの実施形態によれば、所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、実施形態111-119の何れか1つのバイオインク組成物をバイオプリントすることを含む、人工組織又は組織前駆体の調製方法が提供される。
【0546】
実施形態121.実施形態120のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオインク組成物が、所定のパターンを有する足場上にバイオプリントされる。
【0547】
実施形態122.実施形態120又は121のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオプリントが、インクジェット、マイクロ押出し、又は手動堆積により実施させる。
【0548】
実施形態123.実施形態120~122の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記多次元コンストラクトが、長方形、正方形、円形、楕円形、六角形のシート、不規則な形状のシート、中空チューブ、中空立方体、中空球体、中空直角プリズム、中空円筒体、不規則な形状の中空多次元コンストラクト、固体キューブ、固体球、直方体プリズム 固体シリンダー、不規則な形状の立体的な多次元コンストラクト、及びそれらの組み合わせから選択された形状を有する。
【0549】
実施形態124.実施形態120~123の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記多次元コンストラクトが、組織又は器官の天然形状を摸倣する形状を有する。
【0550】
実施形態125.実施形態120~124の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、少なくとも2つのバイオインク組成物が、人工組織又は組織前駆体を調製するために使用される。
【0551】
実施形態126.実施形態120~125の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオプリントが、連続的であるか、又は実質的に連続的である。
【0552】
実施形態127.実施形態126のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記所定のパターンが、複数の層を含み、前記方法が、前記複数の層を含む所定のパターンを有する多次元コンストラクトを得るために、複数の層を連続的にバイオプリントすることを含み、ここで各層は、層の所定のパターンに従ってバイオインク組成物によりバイオプリントされる。
【0553】
実施形態128.実施形態120~127の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記方法がさらに、複数のバイオブロックと担体とを混合することを含む、バイオインク組成物の調製を含む。
【0554】
実施形態129.実施形態120~128の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記所定のパターンは、天然の組織又は器官の形状及び細胞分布パターンに基づく。
【0555】
実施形態130.実施形態120~129の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、バイオブロック中の細胞の少なくとも約90%が、バイオプリントの後、生存する。
【0556】
実施形態131.実施形態120~130の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、バイオブロック中の細胞の少なくとも約90%が、バイオプリントの後、増殖し、分化し、代謝し、移動し、分泌するか、又はそれらの何れかの組合わせを伴うことができる。
【0557】
実施形態132.実施形態120~131の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記方法がさらに、バイオブロック中の細胞の増殖、分化、代謝、移動、分泌又はそれらの何れかの組合せを可能にする条件下で、多次元コンストラクトを培養することを含む。
【0558】
実施形態133.実施形態132のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記多次元コンストラクトが、約1時間-約30日間、培養される。
【0559】
実施形態134.実施形態132又は133のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記多次元コンストラクトが、3D培養インキュベーター又はバイオアクターにおいて培養される。
【0560】
実施形態135.実施形態132~134の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記多次元コンストラクトが、培養の間、圧力、剪断、光および熱から選択される物理的刺激、及び/又は、ホルモン、細胞因子及び化学物質から選択される化学的刺激に暴露される。
【0561】
実施形態136.実施形態132~135の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記ポリマーコア材料、ポリマーシェル材料又は担体が、少なくとも部分的に分解される。
【0562】
実施形態137.実施形態132~136の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロック中の細胞が、培養の間、バイオブロック内で及び/又はバイオブロック間で互いに連結される。
【0563】
実施形態138.実施形態132~137の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオプリントが対象に対して直接的に実施される。
【0564】
実施形態139.実施形態138のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記対象は、ヒト対象である。
【0565】
実施形態140.実施形態137又は138のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオプリントが、対象の組織の損傷部位で、直接的に実施される。
【0566】
実施形態141.実施形態140のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記組織が、皮膚組織である。
【0567】
実施形態142.実施形態120~141の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記方法がさらに、組織の損傷部位の細胞分布情報の入手を含み、ここで前記バイオプリントが、細胞分布情報に従って実施される。
【0568】
実施形態143.実施形態138~142の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオインク組成物中の細胞が、対象に由来する。
【0569】
実施形態144.いくつかの実施形態によれば、実施形態120-144の何れか1つの方法により製造された人工組織又は組織前駆体が提供される。
【0570】
実施形態145.いくつかの実施形態によれば、実施形態1-80及び95-96の何れか1つの複数のバイオブロックを含む多次元コンストラクトが提供される。
【0571】
実施形態146.実施形態145のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記バイオブロックが、所定のパターンで配置される。
【0572】
実施形態147.実施形態145又は146のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記多次元コンストラクトのサイズが、約30μm-約50cmである。
【0573】
実施形態148.実施形態145~147の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記多次元コンストラクトの少なくとも一部がバイオプリントされる。
【0574】
実施形態149.実施形態145~148の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記多次元コンストラクトが、少なくとも1つの構造層を含む。
【0575】
実施形態150.実施形態149のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記少なくとも1つの構造層の個々が、バイオブロックの1又は2以上の層を含む。
【0576】
実施形態151.実施形態145~150の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記多次元コンストラクトがさらに、約1時間-約30日間、培養される。
【0577】
実施形態152.実施形態145~151の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記多次元コンストラクトが、長方形、正方形、円形、楕円形、六角形のシート、不規則な形状のシート、中空チューブ、中空立方体、中空球体、中空直角プリズム、中空円筒体、不規則な形状の中空多次元コンストラクト、固体キューブ、固体球、直方体プリズム 固体シリンダー、不規則な形状の立体的な多次元コンストラクト、及びそれらの組み合わせから選択された形状を有する。
【0578】
実施形態153.実施形態145~152の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記多次元コンストラクトが、組織又は器官の天然形状を摸倣する形状を有する。
【0579】
実施形態154.実施形態145~153の何れか1つのいくつかのさらなる実施形態によれば、前記多次元コンストラクトが、内皮層、平滑筋層及び線維芽細胞層を含む。
【0580】
実施形態155.いくつかの実施形態によれば、実施形態145-154の何れか1つの多次元コンストラクト由来の組織前駆体が提供され、ここで異なったバイオブロック中の細胞は、増殖し、分化し、移動し、又はそれらの組合せを行い、そして任意には、生分解性ポリマーコア材料は少なくとも部分的に分解される。
【0581】
実施形態156.いくつかの実施形態によれば、実施形態145-155の何れか1つの多次元コンストラクト由来の組織前駆体が提供され、ここで異なったバイオブロック中の細胞はお互いに連結され、そして生分解性ポリマーコア材料及び/又は生分解性ポリマーシェルが少なくとも部分的に分解される。
【0582】
実施形態157.いくつかの実施形態によれば、実施形態171又は156の多次元コンストラクト由来の人工組織が提供される。
【0583】
実施形態158.実施形態157のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記人工組織のサイズが、約100μm-約50cmである。
【0584】
実施形態159.いくつかの実施形態によれば、実施形態144及び158-158の人工組織又は組織前駆体の何れか1つを、化合物に暴露し、そして前記化合物に応答して人工組織又は組織前駆体中の細胞の活性を評価することを含む、組織に対する化合物の効果の評価方法が提供される。
【0585】
実施形態160.実施形態159のいくつかのさらなる実施形態によれば、前記細胞が、化合物を必要とする対象に由来する。
【0586】
実施形態161.いくつかの実施形態によれば、実施形態1-80及び95-97の何れか1つのバイオブロックを含むキットが提供される。
【0587】
実施形態162.いくつかの実施形態によれば、実施形態111-119の何れか1つのバイオインクを含むキットが提供される。
【0588】
実施形態163.いくつかの実施形態によれば、実施形態145-154の何れか1つの多次元コンストラクトを含むキットが提供される。
【0589】
実施形態164.いくつかの実施形態によれば、実施形態144及び155-158の何れか1つの組織前駆体又は人工組織を含むキットが提供される。
【実施例0590】
本実施例は、本発明の単なる例示を意図するものであって、そのため決して本発明を限定するものとみなされるべきではなく、また、上記で論じた本発明の態様及び実施形態を記載し詳述する。
【0591】
実施例1:バイオブロックの調製
本実施例は、本願に記載された例示的なバイオブロックの調製方法を提供する。バイオブロックを滅菌条件下で調製した。バイオブロックがヒトに使用される場合、そのようなバイオブロックはバイオセーフティーレベルのGMPを有する作業場において調製されるべきである。
【0592】
カプセル化装置(encapsulator)(BUCHI(商標)Encapsulator B-395 Pro)を使用して、バイオブロックのバッチを調製した。同心ノズルは以下の直径を有する:内側ノズル:200μm;外側ノズル:300μm。マイクロインジェクションポンプをカプセル化装置の代わりに使用してもよい。バイオブロックの1つの例示的なバッチでは、各バイオブロックは100個のヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVECs)及び約600μmのサイズを有した。
【0593】
使用された材料は以下の通りである:
(1)コア:
(a)I型コラーゲン:4mg/mL、滅菌1M水酸化ナトリウム(NaOH)溶液で中和した。
【0594】
(b)2.5%(w/v)アルギン酸ナトリウム:滅菌脱イオン水にアルギン酸ナトリウムを溶解することによって、アルギン酸ナトリウムを調製した。バイオブロックの第2のバッチでは、2%アルギン酸ナトリウム溶液を使用した。
【0595】
(c)VEGF
1:1(重量で)のI型コラーゲン溶液とアルギン酸ナトリウム溶液との混合物を調整してコアを調製した。
【0596】
(2)シェル:
(a)2.5%アルギン酸ナトリウム溶液。バイオブロックの第2のバッチでは、4%アルギン酸ナトリウム溶液を使用した。
【0597】
(b)エラスチン
【0598】
(c)0.1M塩化カルシウム(CaCl2)の水溶液を含む凝固(すなわち、架橋)溶液。
【0599】
(3)細胞:ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC、ATCCから購入)。
【0600】
バイオブロックを以下の工程に記載のとおり調製し、これらは全て氷上で行った。
(1)120μLのNaOH溶液と750μLのI型コラーゲンとの混合物に、リン酸緩衝食塩水(PBS)中の血管内皮細胞(密度:1x105細胞/mL)の懸濁液の130μLを加えて、1mLの細胞封入(cell enwrapping)溶液を作製した。細胞封入溶液を、約20ng/mLの最終濃度でVEGFを含む、1mLの2.5%(又は2%)アルギン酸ナトリウムと混合した。コア混合物を得るために、全混合物を完全に混合して、細胞の均一な分布を確保した。
【0601】
(2)2mLの2.5%(又は4%)アルギン酸ナトリウム溶液に、50ng/mLの最終濃度に達するように100ngのエラスチンを添加し、溶液を完全に混合して、シェル混合物を得た。シェル混合物用の凝固(すなわち、架橋)溶液として機能する、300mLの0.1M CaCl2溶液をビーカーに入れた。
【0602】
(3)コア混合物及びシェル混合物をそれぞれ別々に、2つの5mLシリンジに充填した。製造業者の指示に従って、カプセル化装置の圧力、遠心力、及びポンプ速度を設定し、コア混合物及びシェル混合物を造粒及びコーティングに使用した。200μmのサイズを有する内側ノズル及び300μmのサイズを有する外側ノズルを備えた同心ノズルを使用した。調製したバイオブロック微小液滴を300mLの0.1M CaCl2溶液を含むビーカーに集め、約5分間架橋させて、バイオブロックを得た。
【0603】
バイオブロックは4℃で保存することができ、又は3Dバイオプリンティングに直接使用することができる。
【0604】
実施例2.バイオブロックの特徴づけ
本実施例は、バイオブロックのサイズ、シェルの厚さ、シェルによって提供される機械的保護、及びバイオブロック中の細胞の数を含む、実施例1に記載の方法を用いて調製されたバイオブロックの特徴を分析する。
【0605】
異なるサイズを有するバイオブロックを実施例1に記載の方法を用いて調製し、ここで、同心ノズルセットの内側及び外側ノズルを、各調製における最終バイオブロックサイズに従って変更した。バイオブロックを顕微鏡下で観察し、結果を
図3A~3Cに示す。特に、
図3Aにおけるバイオブロックの直径は約120μm(スケールは100μm)であり;
図3Bにおけるバイオブロックの直径は約200μm(スケールは100μm)であり;
図3Cにおけるバイオブロックの直径は約450μm(スケールは200μm)である。これらの結果は、カプセル化装置のパラメータ、例えば、同心ノズルセットの内側ノズル及び外側ノズルの直径を調整することによって、バイオブロックのサイズを制御することが可能であることを実証する。本願のバイオブロックのサイズは制御可能であり、必要に応じて選択することができる。
【0606】
実施例1で調製したバイオブロックのシェルの厚さをさらに顕微鏡下で観察した。その結果を、強調表示された部分がバイオブロックのシェルを表した、
図4Aに示す。バイオブロックのシェルの厚さは約2μm(スケールは50μm)である。この結果は、シェルの厚さが、カプセル化装置のパラメータ、例えば同心ノズルセットの内側ノズル及び外側ノズルの直径、並びにシェル材料のポンプ速度を調整することによって、制御できることを実証する。本願のバイオブロックのシェルの厚さは制御可能であり、必要に応じて選択することができる。
【0607】
異なる数の細胞を含むバイオブロックをまた、実施例1と同様の工程を用いて調製し、当該工程において、コア混合物を作製するために使用される細胞懸濁液の細胞密度を、各調製におけるバイオブロックあたりの細胞の目標数に従って変更した。バイオブロックを顕微鏡下で観察した。その結果を
図3D~3Fに示す。特に、
図3Dにおけるバイオブロックはそれぞれ約50個の細胞を含み(スケールは100μmである);
図3Eにおけるバイオブロックはそれぞれ約8個の細胞を含み(スケールは100μmである);及び
図3Fにおけるバイオブロックはそれぞれ約2個の細胞を含んだ(スケールは100μmである)。これらの結果は、バイオブロックに含まれる細胞の数が、細胞懸濁液の細胞密度を調整することによって制御できることを実証する。バイオブロックに含まれる細胞の数は制御可能であり、必要に応じて選択することができる。
【0608】
さらに、ナノインデンター(Hysitron TI 950、ミネアポリス、MN、USA)を製造業者の指示に従って使用して、実施例1の方法を使用して調製されたバイオブロックの機械的特性を測定した(バイオブロックのサイズは約400μmであった)。バイオブロックの3つの独立したバッチを調べ、各バッチ内の5つの異なるサンプリング位置で測定を行った。バイオブロックは約0.141GPa~約0.218GPaの硬度を有し、平均硬度は0.186GPaであった。バイオブロックは約2.942MPa~約3.562MPaの弾性率を有し、平均弾性率は約3.278MPaであった。バイオブロックの第2のバッチでは、バイオブロックの平均硬度は約0.083GPaであり、平均弾性率は約1.683MPaであった。
【0609】
これらの結果は、本願のバイオブロックが、バイオブロック内部の細胞に対する外力からの物理的傷害又は機械的損傷を効果的に避けることができる、優れた機械的保護機能を有することを実証する。さらに、バイオブロックの機械的保護機能はパラメータ、例えばシェルの厚さ及びバイオブロックのポリマーシェル材料を調整することによって制御できることが発見された(データは示さず)。本願のバイオブロックの機械的保護機能は制御可能であり、必要に応じて選択することができる。
【0610】
実施例3.追加のバイオブロックの調製
さらに例示的なバイオブロック(以下の表1におけるB1~B4)を、実施例1に記載の方法でのカプセル化装置を使用して調製した。
【0611】
【0612】
図5A~5Dは、顕微鏡下でのバイオブロックB1~B4の画像を示す。
図5AはバイオブロックB1を示し、当該バイオブロックは600μmの直径を有する(スケール=500μm);
図5BはバイオブロックB2を示し、当該バイオブロックは500μmの直径を有する(スケール=500μm);
図5CはバイオブロックB3を示し、当該バイオブロックは500μmの直径を有する(スケール=500μm);
図5DはバイオブロックB4を示し、当該バイオブロックは500μmの直径を有する(スケール=500μm)。これらの結果は、様々な好適な生分解性材料を本願のバイオブロックの調製に使用することができることを示唆している。
【0613】
さらに、バイオブロックの構造を明瞭に視覚化するために、バイオブロックB2の生分解性ポリマーコア材料をトラッカーCM-Dil(赤色蛍光)を用いて染色し、そしてポリリジンにコンジュゲートしたFITC(緑色蛍光)を生分解性ポリマーシェル材料として使用した。共焦点顕微鏡法を用いて、それぞれ蛍光標識を有する生分解性ポリマーコア及びシェル材料を用いて調製されたバイオブロックB2を観察した。
図5Eに示されるように、緑色蛍光はB2のシェルを表し、赤色蛍光はB2のコアを表す。
【0614】
実施例4.酸化アルギン酸塩を含有するシェルを含むバイオブロックの調製
本実施例は、酸化アルギン酸塩を含有するシェルを含む例示的なバイオブロックの調製方法を提供する。バイオブロックを滅菌条件下で調製した。バイオブロックがヒトに使用される場合、そのようなバイオブロックはバイオセーフティーレベルのGMPを有する作業場において調製されるべきである。
【0615】
カプセル化装置(BUCHI(商標)Encapsulator B-395 Pro)を使用して、バイオブロックのバッチを調製した。同心ノズルは以下の直径を有する:内側ノズル:200μm;外側ノズル:300μm。マイクロインジェクションポンプをカプセル化装置の代わりに使用してもよい。
【0616】
使用された材料は以下の通りである:
(1)コア:I型コラーゲン:4mg/mL、滅菌1M水酸化ナトリウム(NaOH)溶液で中和した。
【0617】
(2)シェル:予め決められた濃度での酸化アルギン酸ナトリウム溶液、又は、酸化アルギン酸ナトリウム及び他のポリマーシェル分子を含む混合物。凝固(すなわち、架橋)溶液は、0.1M塩化カルシウム(CaCl2)の溶液を含む。
【0618】
(3)細胞:ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC、ATCCから購入)、肝細胞癌細胞(HepG2、ATCCから購入)、ヒト線維芽細胞(ATCCから購入)、マウス間葉系幹細胞(MSC、初代(primary))。
【0619】
例示的なバイオブロックを以下の工程に記載のとおり調製し、これらは全て氷上で行った。
(1)120μLのNaOH溶液と750μLのI型コラーゲンとの混合物に、リン酸緩衝食塩水(PBS)中の細胞(密度:1x105細胞/mL)の懸濁液の130μLを加えて、1mLのコア混合物を作製した。
【0620】
(2)50mLの5%(w/w)酸化アルギン酸ナトリウムを調製して、ポリマーシェル材料として機能させた。
【0621】
(3)ポリマーシェル材料のための凝固(すなわち、架橋)溶液として機能する、300mLの0.1M CaCl2溶液をビーカーに入れた。
【0622】
(4)コア混合物を2mLシリンジに入れた。50mLのポリマーシェル材料をカプセル化装置の封入溶液ボトルに入れた。次に、コア混合物及びポリマーシェル材料を造粒及びコーティングに使用した。
【0623】
(5)工程(4)の生成物を300mLの0.1M CaCl2溶液を含むビーカーに集め、5分間架橋させて、バイオブロックを得た。バイオブロックは4℃で保存することができ、又は3Dバイオプリンティングに直接使用することができる。
【0624】
実施例5.酸化アルギン酸塩を含有するシェルを含むバイオブロックの特徴づけ
本実施例は、バイオブロックのサイズ、シェルの厚さ、シェルによって提供される機械的保護、及びバイオブロック中の細胞の数を含む、実施例4に記載の方法を用いて調製されたバイオブロックの特徴を分析する。
【0625】
異なるサイズを有するバイオブロックを実施例4に記載の方法で調製し、ここで、同心ノズルセットの内側及び外側ノズルのサイズを、各調製における最終バイオブロックサイズに従って変更した。これらの結果は、カプセル化装置のパラメータ、例えば、同心ノズルセットの内側ノズル及び外側ノズルの直径を調整することによって、バイオブロックのサイズを制御することが可能であることを実証する。本願のバイオブロックのサイズは制御可能であり、必要に応じて選択することができる。
【0626】
実施例4で調製したバイオブロックのシェルの厚さをさらに顕微鏡下で観察した。この結果は、シェルの厚さが、カプセル化装置のパラメータ、例えば同心ノズルセットの内側ノズル及び外側ノズルの直径、並びにシェル材料のポンプ速度を調整することによって、制御することができることを実証する。本願のバイオブロックのシェルの厚さは制御可能であり、必要に応じて選択することができる。
【0627】
異なる数の細胞を含むバイオブロックをまた、実施例4と同様の工程を用いて調製し、ここで、コア混合物を作製するために使用される細胞懸濁液の細胞密度を、各調製におけるバイオブロックあたりの細胞の目的数に従って変更した。この結果は、バイオブロックに含まれる細胞の数が、細胞懸濁液の細胞密度を調整することによって制御できることを実証する。バイオブロックに含まれる細胞の数は制御可能であり、必要に応じて選択することができる。
【0628】
さらに、ナノインデンター(Hysitron TI 950、ミネアポリス、MN、USA)を製造業者の指示に従って使用して、実施例4の方法を使用して調製されたバイオブロックの機械的特性を測定した。この結果は、本願のバイオブロックが、バイオブロック内部の細胞に対する外力からの物理的傷害又は機械的損傷を効果的に避けることができる、優れた機械的保護機能を有することを実証する。さらに、バイオブロックの機械的保護機能はパラメータ、例えばシェルの厚さ及びバイオブロックのポリマーシェル材料を調整することによって制御できることが発見された(データは示さず)。本願のバイオブロック機械的保護機能は制御可能であり、必要に応じて選択することができる。
【0629】
実施例6.バイオブロックのシェル分解速度の制御
本願に記載されたバイオブロックのシェルの分解速度(以後、シェル分解速度という)を、本実施例で研究した。バイオブロックを、実施例4に記載の方法を用いて調製した。カプセル化装置のパラメータ(例えば、同心ノズルセットの内側ノズル及び外側ノズルの直径)、細胞(タイプ及び数)、ポリマーコア材料、及びポリマーシェル材料)を、実験設計に従って調整した。調製したバイオブロックのシェル分解速度を以下の通り測定した:バイオブロックをインキュベーター中で37℃で培養した。バイオブロックの重量を決められた特定の時点で決定して、バイオブロックの重量減少率を測定した。さらに、バイオブロックのシェルの分解曲線を、時間に対する重量減少率をプロットすることによって作成することができる。
【0630】
本発明者らは最初に、バイオブロックのシェル分解速度に対する、細胞のタイプ及び数、並びに酸化アルギン酸ナトリウムの酸化レベルの影響を調べた。
【0631】
バイオブロックを実施例4に従って調製し、ここで、4×106/mL、6×106/mL、又は12×106/mLの細胞密度で、HUVEC、HepG2及びMSC細胞を使用した。ポリマーコア材料はI型コラーゲンであった。ポリマーシェル材料は、2.5%、4.4%、8.8%、17.6%、又は22%の酸化レベルを有する、5%(w/w)酸化アルギン酸ナトリウムであった。調製したバイオブロックのシェルの分解速度を上述の方法に従って測定した。結果を以下の表2に示す。
【0632】
【0633】
上記結果は、細胞のタイプ、細胞数、及び酸化アルギン酸ナトリウムの酸化レベルの全てが、バイオブロックのシェル分解速度に影響を与えることを実証した。特に、(1)より速い成長及び増殖速度を有する細胞を有するバイオブロックは、より速いシェル分解速度を有する。例えば、HUVEC/HepG2細胞はMSCよりも早く成長及び増殖したので、同一条件下で、HUVEC/HepG2細胞を含むバイオブロックのシェル分解速度はMSCを含むバイオブロックのシェル分解速度よりも速かった(バイオブロック4及び9参照)。(2)より多くの細胞を有するバイオブロックはより速いシェル分解速度を有した。例えば、バイオブロック5及び7参照。(3)酸化アルギン酸ナトリウムのより高い酸化レベルを有するバイオブロックは、より速いシェル分解速度を有した。例えば、バイオブロック4~6、又はバイオブロック9及び11参照。
【0634】
次に本発明者らは、シェル分解速度に対する、バイオブロックのシェル中の酸化アルギン酸ナトリウムの相対量の影響を調べた。バイオブロックを実施例4に従って調製し、ここで、ポリマーコア材料はI型コラーゲンであり;かつ、ポリマーシェル材料は予め決められた濃度(5%、6%、7%、8%、9%、又は10%)での酸化アルギン酸ナトリウムであり、かつ、酸化アルギン酸ナトリウムの酸化レベルは8.8%であった。調製したバイオブロックのシェル分解速度を上述の方法に従って測定した。結果を以下の表3に示す。
【0635】
【0636】
この結果は、バイオブロックのシェル中の酸化アルギン酸ナトリウムの濃度がシェル分解速度に影響し得ることを実証した。特に、より高濃度の酸化アルギン酸ナトリウムを有するバイオブロックはより遅いシェル分解速度を有した。
【0637】
さらに、本発明者らは、シェル分解速度に対する、バイオブロックのシェル中の他の生分解性ポリマー(例えばアルギン酸ナトリウム)の影響を調べた。具体的には、本発明者らは、アルギン酸ナトリウム(SA)と酸化アルギン酸ナトリウム(OSA)との異なる比率を有するシェルを含むバイオブロックを調製し、同時にシェル中のアルギン酸ナトリウム及び酸化アルギン酸ナトリウムの総濃度は5%であった。そして、アルギン酸ナトリウムと酸化アルギン酸ナトリウムとの重量比がどのようにバイオブロックのシェル分解速度に影響を与えるかを調査した。
【0638】
バイオブロックを実施例4に従って調製し、ここで、ポリマーコア材料はI型コラーゲンであり;ポリマーシェル材料は予め決定された濃度での酸化アルギン酸ナトリウム、及び予め決定された濃度でのアルギン酸ナトリウムであった。調製したバイオブロックのシェル分解速度を上述の方法に従って測定した。結果を以下の表4に示す。
【0639】
【0640】
この結果は、バイオブロックのシェルの酸化アルギン酸ナトリウム含量の減少が、シェル分解速度の低下をもたらしたことを実証した。特に、シェル中により高いパーセンテージの酸化アルギン酸ナトリウムを有するバイオブロックはより速いシェル分解速度を有し;逆に、シェル中により低いパーセンテージの酸化アルギン酸ナトリウムを有するバイオブロックはより遅いシェル分解速度を有した。
【0641】
さらに、本発明者らは、バイオブロックのシェル分解速度に対する、細胞のタイプの影響を調べた。
【0642】
バイオブロックを実施例4に従って調製し、ここで、使用された細胞はMSC、HUVEC、HepG2又は繊維芽細胞であった。バイオブロックの調製中に、同じ細胞密度(例えば、6×106/mL)、同じポリマーコア材料(例えば、I型コラーゲン)、同じポリマーシェル材料(例えば、8.8%の酸化レベルを有する5%w/w酸化アルギン酸ナトリウム)、及び同じカプセル化装置のパラメータを使用した。調製したバイオブロックのシェル分解速度を上述の方法に従って測定した。
【0643】
結果は、バイオブロック調製に使用された細胞のタイプがシェル分解速度に影響を与えたことを示した。特に、より速い成長及び増殖速度を有する細胞を有するバイオブロックは、より速いシェル分解速度を有した。例えば、HUVEC/HepG2細胞はMSCよりも早く成長及び増殖したので、同一条件下で、HUVEC/HepG2細胞を含むバイオブロックはMSCを含むバイオブロックのシェル分解速度よりも速いシェル分解速度を有した。
【0644】
さらに、本発明者らは、バイオブロックのシェル分解速度に対する、細胞数の影響を調べた。
【0645】
バイオブロックを実施例4に従って調製し、ここで、使用された細胞密度は4×106/mL、6×106/mL、8×106/mL、12×106/mL、16×106/mL、又は24×106/mLであった。バイオブロックの調製中に、同じ細胞のタイプ(例えば、HepG2細胞)、同じポリマーコア材料(例えば、I型コラーゲン)、同じポリマーシェル材料(例えば、8.8%の酸化レベルを有する5%w/w酸化アルギン酸ナトリウム)、及び同じカプセル化装置のパラメータを使用した。調製したバイオブロックのシェル分解速度を上述の方法に従って測定した。
【0646】
結果は、各バイオブロック中の細胞の数がシェル分解速度に影響を与えることを示した。特に、より高い細胞数を有するバイオブロックはより速いシェル分解速度を有した。逆に、より低い細胞数を有するバイオブロックはより遅いシェル分解速度を有した。
【0647】
本発明者らはさらに、シェル分解速度に対する、バイオブロックのシェルの厚さの影響を調べた。
【0648】
バイオブロックを実施例4に従って調製し、ここで、カプセル化装置のパラメータ(例えば、同心ノズルセットの内側ノズル及び外側ノズルの直径)を調整することによって異なる厚さのシェルを得たこと以外は、同じ細胞のタイプ(例えば、HepG2細胞)、同じ細胞密度(例えば、6×106/mL)、同じポリマーコア材料(例えば、I型コラーゲン)、及び同じポリマーシェル材料(例えば、8.8%の酸化レベルを有する5%w/w酸化アルギン酸ナトリウム)を、バイオブロックの調製中に使用した。調製したバイオブロックのシェル分解速度を上述の方法に従って測定した。
【0649】
結果は、バイオブロック中のシェルの厚さが、シェルの完全な分解の時間に影響を与えたことを示した。特に、バイオブロック中のより厚いシェルを完全に分解するには、より長く時間がかかった。
【0650】
実施例7:バイオインク組成物の調製及び特徴づけ
実施例1に記載の方法を用いて調製されたバイオブロックを、生体接着性材料を含む担体と完全に混合して、バイオプリンティングのための例示的なバイオインク組成物を調製した。当該担体はアルギン酸塩及びゼラチンを含む。当該担体はアルギン酸塩及びゼラチンを含む。バイオブロックは、HUVEC、並びにアルギン酸ナトリウム及びI型コラーゲンを含有するポリマーコア材料を含むコア;並びにアルギン酸カルシウムを含有するシェル、を含む。バイオブロックと担体とは特定の共通の材料を共有するので、視覚化を容易にするために、調製工程中にメチルバイオレットをいくつかのバイオブロックのコアにさらに加えた。
【0651】
バイオインク組成物を調製した直後に、バイオインク組成物を位相差顕微鏡法を使用して可視化した。コア中にメチルバイオレットを有するバイオブロックを、
図6Aに示すように紫色に染色した(図中では濃い灰色として示される)。さらに
図6Aは、紫色がバイオブロックの内側に存在するが、バイオインクの担体(すなわち、生体接着性材料)中には存在しないことを示しており、これは、シェルがバイオインク組成物内のバイオブロックの内容の完全性を維持したことを示す。
【0652】
バイオインク組成物をさらに、約250μmの幅を有する単一細胞層にバイオプリントし、位相差顕微鏡下で可視化した(
図6B)。
図6Bに示されたバイオブロックを紫色に染色した(図では濃い灰色として示される)。さらに
図6Bは、紫色がバイオブロックの内側に存在するが、担体(すなわち、生体接着性材料)中には存在しないことを示しており、これはシェルがバイオプリンティングプロセス中にバイオブロックの内容の完全性を維持したことを示す。
【0653】
バイオインク組成物をさらに特徴づけるために、バイオインク組成物の粘度を、25℃~40℃の周囲温度の関数として測定した。
図7に示されるように、担体(アルギン酸塩及びゼラチン)の粘度(η)は、25℃~40℃の温度下で30~160Pa・sの粘度を有した。温度が上昇するにつれて、担体の粘度は着実に減少した。さらに、バイオブロック及び担体の混合(すなわちバイオインク組成物を生成すること)は、組成物の粘度を有意に変化させなかったことを発見した(データは示さず)。したがって、バイオインク組成物の粘度は主に、担体(例えば生体接着性材料)の粘度によって決定される。
【0654】
担体(例えば生体接着性材料)又はバイオインク組成物の粘度は、各成分の含量及び重量パーセントを含む、担体(例えば生体接着性材料)の組成を調整することによって、制御することが可能である。典型的には、1~1000Pa・sの範囲の粘度を有するバイオインク組成物がバイオプリンターに適合する。それゆえ、本明細書に記載された例示的なバイオインク組成物は、約4℃~40℃の範囲の温度で当該技術分野において既知のシステムでバイオプリンティングに容易に使用するこができる。
【0655】
実施例8.バイオブロック及びバイオインク組成物の特徴づけ
細胞生存率
バイオブロック内部の細胞の生存率を染色によって調べた。使用した試薬は以下の通りである:
【0656】
CaAM(Invitrogenから購入)を使用して、細胞質を染色することによって生細胞を染色し、緑色蛍光として可視化した。具体的には、50μgのCaAMを10μLのDMSOに溶解し、次いでそれを10mLのPBSと混合した。溶液中のCaAMの最終濃度は5mmol/Lであった。
【0657】
ヨウ化プロピジウム(Invitrogenから購入)を使用して、核を染色することによって死細胞を染色し、赤色蛍光として可視化した。具体的には、ヨウ化プロピジウム核酸染色液を脱イオン水で1mg/mLに希釈して、ストック溶液として使用し、さらに当該溶液を500nMの最終濃度に1:3000比で希釈して、標準希釈溶液として使用した。
【0658】
染色方法は以下の通りである:
実施例1の方法を使用して調製したバイオブロックを1mLのCalcein AM溶液中で約37℃で約1時間インキュベートし、次いで約15分間1mLのヨウ化プロピジウム核酸染色液に移し、レーザー走査型共焦点顕微鏡法を用いて撮像した。バイオブロックはそれぞれ約100個のヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を含んだ。ポリマーシェル材料は主にアルギン酸カルシウムを含み、ポリマーコア材料は主にアルギン酸ナトリウム及びI型コラーゲンを含んだ。結果を
図8A~8Dに示す。
【0659】
様々な条件下でCalcein AM及びヨウ化プロピジウム染色したバイオブロックの画像、例えば調製直後(
図8A)、4℃で約3時間の保存後(
図8B)、バイオプリンティング後(
図8C)、及び約37℃で約72時間のインキュベーション後(
図8D)を集め、Image-Pro Plusソフトウェア(Media Cybernetics)を使用して解析した。
図8A及び8Bにおいて、それぞれの白丸はバイオブロックを表した。
図8A~8Dにおいて、高い飽和レベルを有する白いスポット(例えば白矢印で指し示したスポット)は赤色蛍光(すなわち死細胞)を表し、低い飽和レベルを有する白いスポットは緑色蛍光(すなわち生細胞)を表す。画像中の赤色及び緑色画素をクラスター化し(clustered)、様々なパラメータ、例えば赤色又は緑色スポットの数、面積、平均光学密度、直径、及び蓄積光学密度(accumulated optical density)、を統計的に分析して、赤色及び緑色画素の数を得た。細胞生存率を、赤色及び緑色画素の数に基づいて以下の通り計算した:
細胞生存率=生細胞数/(生細胞数+死細胞数)
【0660】
図8Aに示されるように、バイオブロック中の約98%超の細胞が調製直後のバイオブロック中で生存していた。
図8Bは、4℃で3時間保存後に、バイオブロック中の細胞が依然として高い生存率を維持したことを示す(生存率は98%であった)。
図8Cは、バイオブロックを含有するバイオインク組成物のバイオプリンティング後に、バイオブロック中の細胞が依然として高い生存率を維持したことを示す(生存率は97%であった)。
図8Dは、H-DMEM培地中で37℃で約72時間インキュベーション後に、バイオブロック中の細胞が依然として高い生存率を維持したことを示す(生存率は95%であった)。
【0661】
接着及び拡散
実施例1の方法を用いて調製したHepG2細胞を有するバイオブロックを約37℃、約5%のCO
2で、約10%のFBS(ウシ胎児血清)を含有するH-DMEM培地中で培養して、細胞を拡散、増殖させ、バイオブロックの内側で互いに連結を確立させた(すなわち接着させた)。バイオブロックを、生存率のセクションに記載したようにCalcein AM及びヨウ化プロピジウムで染色し、レーザー走査型共焦点顕微鏡法によって撮像した。バイオブロックを実施例1の方法を用いて調製した。ポリマーシェル材料は主にアルギン酸カルシウムを含んだ。ポリマーコア材料は主にアルギン酸ナトリウム及びI型コラーゲンを含んだ。結果を
図9A~9Bに示す。
【0662】
図9A(40X倍率)は、インキュベーションの1日後、バイオブロック中の細胞は円形であるが、まだ拡散していなかったことを示している。
図9B(200X倍率)は、インキュベーションの5日後、バイオブロック中の細胞は接着及び拡散したことを示している。
図9A~9Bは、5日間のインキュベーション後に、バイオブロック中の細胞が拡散し、細胞間連結(intercellular connections)を確立したことを実証する。
【0663】
増殖
調製後に、約100個のヒトHepG2細胞をそれぞれ有するバイオブロックを約37℃、約5%のCO2で、約10%のFBS(ウシ胎児血清)を含有するH-DMEM培地中で約5日間培養して、バイオブロックの内側で細胞を増殖させた。培養したバイオブロックをDAPI(青色蛍光)及び5-エチニル-2’デオキシウリジン(EdU、赤色蛍光)で染色し、レーザー走査型共焦点顕微鏡法を用いて撮像した。当該バイオブロックはHepG2細胞を含む。ポリマーシェル材料は主にアルギン酸カルシウムを含み、ポリマーコア材料は主にアルギン酸ナトリウム及びI型コラーゲンを含んだ。
【0664】
図10(200X倍率)に示されるように、バイオブロック中の細胞は5日間のインキュベーション中に増殖を経た。細胞は、DAPI染色された細胞核と共局在(co-localized)した同じ細胞の染色で明らかなように、活発に増殖していた(
図10)。
【0665】
バイオブロックと細胞カプセルとの比較
本実験では、バイオブロックと従来の細胞カプセルとを、増殖及び細胞間連結について比較した。
【0666】
従来の細胞カプセルを、アルギン酸ナトリウム溶液(例えば2.5%(重量/体積)アルギン酸ナトリウム溶液)及び細胞の混合物を使用して調製した。混合物をカプセル化装置又はマイクロインジェクションポンプに充填して、微小液滴を形成し、次いでそれをCaCl2溶液に曝露して(例えば0.1MのCaCl2溶液)、アルギン酸カルシウムを形成することによってアルギン酸ナトリウムの架橋を可能にし、従来の細胞カプセルを得た。従来の細胞カプセルは、バイオブロックと比較してコア-シェル構造を欠いている。
【0667】
HepG2細胞を含むバイオブロックを実施例に記載の方法を用いて調製した。ポリマーシェル材料は主にアルギン酸カルシウムを含み、ポリマーコア材料は主にアルギン酸ナトリウム及びI型コラーゲンを含んだ。
【0668】
細胞カプセル及びバイオブロックを約37℃、約5%のCO2で、約7日間培養して、バイオブロック又は従来の細胞カプセルの内側で細胞を増殖させた。7日間の培養前後で、バイオブロック及び細胞カプセルを、Calceinを用いて染色し、レーザー走査型共焦点顕微鏡を用いて撮像した。
【0669】
図11Aは、調製直後の細胞カプセルを示す。
図11Bは、7日間の培養後の細胞カプセルを示す。
図11Aと
図11Bとの比較は、培養過程にわたってスフェロイド(spheroids)の内側で細胞の有意な増殖が無かったことを明らかにしている。細胞は平坦かつ円形のクラスター(clusters)として存在しており、それらは培養後にスフェロイド中にまばらに分布していた。
【0670】
対照的に、
図11Cは調製直後のバイオブロックを示し、
図11Dは7日間の培養後のバイオブロックを示している。
図11Cと
図11Dとの比較は、培養過程にわたってバイオブロックの内側での細胞の有意な増殖を明らかにしている。さらに、
図11Dにおいて培養の7日目までに、細胞拡散、接着及び相互の連結の明らかな証拠があった。
【0671】
図11A~11Dにおける結果は、従来の細胞カプセルと比較して、本願のバイオブロックが細胞増殖の促進及び細胞間連結の確立に優れていることを実証している。このような特性は、その後の組織の発達及び形成のために重要である。
【0672】
隣接バイオブロックにおける細胞間連結
本実験では、HepG2細胞を含むバイオブロックとHUVECを含むバイオブロックとを実施例1の方法を用いて調製し、約37℃、約5%のCO
2で、約10%のFBS(ウシ胎児血清)を含有するH-DMEM培地中で共培養して、バイオブロックのシェルの分解及び、隣接バイオブロックにおける細胞間の連結の確立を可能にした。
図12Aは、集積構造(integrated structure)を形成する複数のバイオブロックの境界を超えるHepG2細胞とHUVEC細胞との間の連結を示す。白い円は元のバイオブロックのおおよその境界を示す。
図12Bは、2つのバイオブロック間の境界を超えるHepG2細胞とHUVEC細胞との間の連結の拡大図を提供する(矢印によって示された暗い形状)。
図12A~12Bでは、HepG2及びHUVECの両方を細胞トラッカーGreen CMFDA(緑色シグナル)で標識した。
図12Cは、異なるバイオブロックを超える、HepG2細胞間(緑色シグナルの重なり)、HUVEC細胞間(赤色シグナルの重なり)、並びにHepG2細胞とHUVEC細胞との間(黄色のシグナルをもたらす緑色と赤色シグナルとの重なり)での連結を示す。
図12Cでは、HepG2細胞を細胞トラッカーGreen CMFDAで標識し、HUVEC細胞をトラッカーCM-Dilで標識した。
【0673】
本実施例は、本願のバイオブロック中の細胞が高い生存率を有し(生存率は98%以上であった)、通常の細胞培養条件下で成長、増殖、拡散、分化し、そしてバイオブロックの内側で連結を確立することができることを実証した。この結果は、本明細書に記載のバイオブロック及び調製方法が細胞の生存率を効果的に維持することができることを示しており、それは、下流の用途、例えばバイオプリンティングに有益である。
【0674】
実施例9.バイオブロック、バイオインク組成物、及びバイオプリントされたコンストラクトの例。
バイオブロックは、シェル及びコアを含む独立した構造及び機能的単位である。
【0675】
表5に列挙された異なるコア及び/又はシェル組成を含むバイオブロックのバッチを調製し、顕微鏡下で観察した。バイオブロックの例を
図3A、及び
図5A~5Fに示す。酸化アルギン酸ナトリウムを含有するシェルを有するバイオブロックを、細胞増殖を刺激するために使用することができる。ポリリジンを含有するシェルを有するバイオブロックを、精巧な構造を形成するために使用することができる。
【0676】
【0677】
バイオブロックは優れた機械的特性を有する。
異なる生分解性ポリマー材料を用いて調製されたバイオブロックは、異なる機械的特性を有する。本実施例では、3つの一般的に使用される以下の細胞培養材料を使用して、バイオブロックを調製した:(1)ポリマーシェル材料としてのアルギン酸塩、及びポリマーコア材料としてのI型コラーゲン;(2)ポリマーシェル材料としてのポリリジン、及びポリマーコア材料としてのI型コラーゲン;並びに(3)ポリマーシェル材料としてのポリリジン、及びポリマーコア材料としてのアルギン酸塩。調製したバイオブロックを各々アルギン酸ナトリウムと混合して、それぞれバイオインク組成物を形成した。Sichuan Revotek co.,Ltdによって発明されたBシリーズの3Dバイオプリンター(
図13A、13B)を使用して、様々なバイオインク組成物をバイオプリントした。バイオインク組成物中のバイオブロックの機械的耐久性を試験するために、メチルバイオレット色素をさらにコア混合物に含めた。全てのバイオブロックは、プリントプロセス中に完全性を維持した。
【0678】
このことは当該分野における顕著な進歩を表す。なぜなら、バイオブロックを用いることなく、細胞が生存するのに適している2%アルギン酸塩でプリントしても、リング状構造を形成することができなかったためである(
図13C、13D、左パネル)。しかしながら、定義された形状を有する構造をプリントするのに十分な機械的強度を提供する、5%アルギン酸塩(
図13C、13D、中央パネル)は、バイオプリンティングにほとんど使用されない。それは、細胞を埋め込むプロセスにおいて大量の細胞死を引き起こすことになるためである。しかしながら、バイオブロックと混合された2%アルギン酸塩は、バイオブロックを含まない5%アルギン酸塩よりもすぐれた圧縮抵抗(compression resistance)を有した(
図13C、13D、右パネル)。2%アルギン酸塩とバイオブロックとを含むバイオインクの機械的強度は、バイオブロック中の細胞がプリンタージェットノズルによる粉砕を回避できるようにした。
【0679】
バイオブロックは優れた生物学的特性を有する。
バイオブロックは細胞を損傷から保護する。ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)、ポリマーシェル材料としてのポリリジン(Sigma、USA)、及びポリマーコア材料としてのI型コラーゲン(Adranced Biomatrix、US)を含むバイオブロックを調製し、細胞生存率をCalcein AM(Invitrogen、US)及びヨウ化プロピジウム(Invitrogen、US)で染色することによって異なる条件下で試験し、レーザー走査型共焦点顕微鏡法での撮像に続く。結果は、バイオブロック調製直後(
図14A)、バイオプリンティング後(
図14B)、及び約37℃、約5%のCO
2で、10%ウシ胎児血清(FBS)(Gibco、US)を含有するH-DMEM培地中で72時間インキュベーション後(
図14C)を含む、3Dバイオプリンティングプロセスを通じて、細胞生存率は90%超であったことを示した。さらに、4℃での保存後、バイオブロック中の細胞生存率は、3時間後に90%超、24時間後に80%超、及び48時間後に50%超であった(
図14D)。
【0680】
バイオブロックは埋め込まれた細胞に適した微小環境を提供して、細胞の正常な成長及び機能を支持する(
図14E~14I)。ポリマーシェル材料としてのポリリジン、ポリマーコア材料としてのI型コラーゲンを使用して、バイオブロックを調製し、37℃、5%のCO
2で、約10%FBSを含有するH-DMEM培地中で培養し、そしてレーザー走査型共焦点顕微鏡法によって撮像した。異なるタイプの細胞を種細胞(seed cells)として使用して、接着、拡散、増殖、移動、分泌、分化、及び相互の連結の確立を含む、バイオブロックの生物学的特性を試験した。
【0681】
細胞トラッカーGreen CMFDA(Life Technologies、US)で標識されたHUVECを含むバイオブロックを調製し、約24時間培養した。結果は、細胞の70%超が接着及び拡散の証拠を提示したことを示す(
図14E)。
【0682】
HepG2細胞を含むバイオブロックを調製し、約48時間培養した。DAPI染色された細胞核と共局在した陽性5-エチニル-2’デオキシウリジン(EdU)(Life Technologies、US)染色で明らかなように、細胞は活発に増殖していた(
図14F)。
【0683】
初代培養ラット肝細胞を含むバイオブロックを調製し、アルブミン抗体(Life technologies、US)で染色することによってアルブミン分泌を試験した。結果は、バイオブロック中の肝細胞がアルブミンを分泌したことを示す(
図14G)。
【0684】
細胞トラッカーGreen CMFDAで標識したHUVECを含むバイオブロック、及び細胞トラッカーCM-Dil(Life Technologies、US)で標識したHepG2細胞を含むバイオブロックを、1:1の比率で混合した。細胞混合物を含むバイオブロックを調製し、約72時間培養した。バイオブロック中のHUVEC細胞とHepG2細胞との間の連結を観察した(
図14H)。
【0685】
細胞トラッカーCM-Dilで標識した初代培養ラットBMSCを含むバイオブロックを調製し、約4時間培養した。バイオブロック中のBMSCの自由な移動を観察した(
図14I)。
【0686】
バイオブロックベースのバイオインクは3Dバイオプリンティングに適している。
1:1の比率で混合した初代培養BMSC及びHUVEC、ポリマーシェル材料としてFITC(Sigma、US)で標識されたポリリジン、並びにポリマーコア材料としてのI型コラーゲンを含むバイオブロックを調製し、レーザー走査型共焦点顕微鏡法によって撮像した(
図15A)。プリントされる組織の構造及び細胞のタイプに応じて、シェルの分解速度を正確に制御することができる。シェルを、細胞生存率に干渉することなく、10分間(分)0.25%トリプシン(TN、GIBCO、USA)で完全に分解した(
図15B)。シェルはまた、37℃、5%のCO
2で、約10%FBSを含有するH-DMEM培地中で9日間培養後に、バイオブロック中に埋め込まれた細胞によって分解された(
図15C)。加えて、いくつかのバイオブロックは、シェルの分解後に相互に連結した細胞によって一体化した(
図15D)。
【0687】
バイオブロック及びアルギン酸ナトリウムを含むバイオインクを使用して、人工組織をSichuan Revotek co., Ltdによって発明されたBシリーズ3Dバイオプリンターでバイオプリントした。人工組織の構造情報に従って、バイオインクを3Dバイオプリンターのジェットによって押し出して、人工組織を構築した(
図16A、16B)。バイオプリントされた構造は、1タイプのバイオブロックによって形成されたシート(
図16C)、並びに2タイプ以上のバイオブロックによって形成されたブロック状(
図16D)、リング状(
図16E)、及び不規則形状(
図16F)を含んだ。正確な細胞分布は、バイオブロックをバイオプリントすることによって達成され得る(
図16G~I)。
【0688】
HepG2細胞、生分解性ポリマーコア材料としてのI型コラーゲン、及び生分解性ポリマーシェル材料としてのポリリジンを含む、第1のタイプのバイオブロック(
図17A)を調製した。BMSC、生分解性ポリマーコア材料としてのI型コラーゲン、及び生分解性ポリマーシェル材料としてのポリリジンを含む、第2のタイプのバイオブロック(
図17B)を調製した。それぞれのタイプのバイオブロックを含むバイオインク組成物を調製し、
図17C、17E、17G、17Iの左パネルにおける構造モデルに従って様々な人工組織をバイオプリントするために使用した。人工組織を37℃、約5%のCO
2で培養した。HepG2細胞を細胞トラッカーGreen CMFDA(緑色蛍光)で染色し、BMSCを細胞トラッカーCM Dil(赤色蛍光)で染色した。
図17D、並びに
図17C、17E、17G、及び17Iの右パネルでは、人工組織をレーザー走査型共焦点顕微鏡法を用いて撮像した。人工組織の組織学的染色結果を
図17F、17H、及び17Jに示す。撮像結果は、細胞が、融合した異なるバイオブロックを横切ることを明らかにした(
図17E~17J)。特に、
図17Bは、培養の2日目のBMSCを含む単一のバイオブロックを示す(スケール=100μm)。
図17C右パネルは、培養7日目のバイオプリントされた人工組織中のバイオブロック(スケール=500μm)を示し、隣接バイオブロックの融合の明らかな証拠を示した。培養の9日目までに、
図17D(スケール=500μm)に示されるように、バイオブロックの境界がこの段階ではもはや見えず、かつコンストラクトの表面が非常になめらかになるにつれて、バイオブロックは単一体(single entity)へと完全に統合された。
【0689】
考察
本実施例において、本発明者らは、バイオブロックベースのバイオインクが、バイオプリンティングによって生体組織を操作するためのユニークかつ効率的な媒体を提供することを実証した。バイオブロックのシェルが機械的支持を提供し、かつ、コアが細胞の成長、増殖及び分化を可能にするという特定の特徴により、バイオブロックは複合人工組織の構築に適している。
【0690】
本発明者らは、細胞株(HUVEC)、成体細胞(ラット肝細胞)の初代培養、及び間葉系幹細胞(MSC)の初代培養は全てバイオブロックシステムに適合したことを示した。3タイプ全ての細胞が、高レベルの細胞生存率及び適切な生物学的活性を示し(
図14A~14I)、バイオブロックが異なる起源由来の細胞に適用できることを示唆した。
【0691】
コアは細胞が生存する場所である。したがって、コアを操作することは、カプセル化された細胞の微小環境を制御することである。本発明者らは、コアの主要な成分として生分解性材料を使用した。関連する因子により、複数の態様の微小環境(例えば、細胞の特定のタイプについての成長又は分化のための生物学的因子、空間的構造、機械的刺激、PH、温度及び化学因子)が供給され、従って、増殖、分化、さらに細胞間の相互作用が調節される(
図14A~14I)。
【0692】
シェルは、全てのバイオブロックが必要に応じてユニークな微小環境を有するようにバイオブロックを分離し、繊細な調節が個々のバイオブロックの操作によって達成され得ることを示唆する。この意味において、逐次操作を必要とする多能性幹細胞、又は異なる微小環境を必要とする複数の細胞種は、バイオプリントされた製品の一部分で同時に配置及び誘導され得る。
【0693】
基本的な構築単位として、バイオブロックは精密に配置することができる。シェルによって提供される機械的支持は、バイオプリンティングのプロセス中に細胞を保護するだけでなく、複合構造の構築を可能にする(
図13C~13D)。異なる機械的強度は、3Dバイオプリント製品中に追加の足場を必要とすることなく、ポリマーシェル材料を操作することによって達成され得る。さらに、バイオプリンターには制限がより少ない。バイオプリンティングの主要な障壁を表す、バイオプリンティング中にバイオインクとプリンタージェットノズルとの間の相互作用によって引き起こされるせん断力は(例えば、Khalil, S., Sun, W.Biopolymer deposition for freeform fabrication of hydrogel tissue constructs. Mater. Sci. Eng. C. 27(3), 469-478(2007)参照)、もはや細胞を脅かすものではない。このことは、装置を更新することなくより多くのプリント試験が試みられ、かつ、様々なバイオプリンティングプロトコルが細胞損傷を気にすることなく探索され得ることを意味する。
【0694】
機能的組織の基礎はよく配置された(well-arranged)構造である。適切な細胞のタイプ及び精密な配置は基礎組織にとって不可欠である。しかしながら、特定の部位で人工コンストラクト内部に細胞を移植することの不十分な精度及び不可能性のために、そのような精密な細胞分布は以前は達成不可能であった。しかしながら、バイオブロックでの3Dバイオプリンティングは、バイオブロックのシェル-コア構造によって、組織バイオプリンティングにおける既存の課題の多くを解決することを約束する。例えば、各バイオブロックの容量及び細胞数は制御可能である。本発明者らは人工組織の特定の位置で1個の細胞を有するバイオブロックをプリントすることもできるであろう。バイオブロックシェルの制御可能な分解は、細胞が特定の空間で生存し、相互に連結することを確実にした。シェルによって提供される保護及び機械的支持は、バイオプリンティングプロセス中の3Dバイオプリンタージェットによる各バイオインク微小液滴の位置の正確な制御を可能にする。これら全ての特徴は、バイオブロックを、必要に応じて設計及び配置することができる理想的なツールにする(
図16G~16I)。
【0695】
バイオインク中のビルディングブロックとして機能することに加えて、バイオブロックは強力な研究ツールとして使用することができる。3D培養システムとして、バイオブロックは、コア及びシェルの内容が細胞のための特定の微小環境を与え得るように制御することができるであろう。この場合、細胞に対する様々なタイプの(物理的、化学的及び生物学的)影響が研究され得る。また、複数のバイオブロックは、自然環境を模倣する、より複雑な微小環境を確立するために組み立てることができるであろう(おそらくは妊娠子宮と同じくらい複雑であっても)。(ほぼ)全ての要素が制御可能であるので、幹細胞の増殖及び分化をさらに研究され得る。組織工学において、バイオブロックは、足場上に種細胞がある当該技術分野において既知の方法では達成することができない、足場内部での種細胞の成長を可能にする。さらに、標的治療タンパク質をバイオブロックのシェル中に組み込むことができ、したがってバイオブロックが標的治療のための送達ビヒクルとして機能し得る。
【0696】
方法
細胞培養
HFF-1及びHepG2をChinese Academy of Sciences cell bankから購入し、HUVECをChina Center for Type Culture Collection(CCTCC)から購入した。BMSC:ラット骨髄由来間質細胞(BMSC)の初代培養を以前に公開された手順に従って実施した。簡潔には、7日齢のSprague-Dawleyラットをエーテルで麻酔し、次いで屠殺し、75%エタノールに浸して、10分間分解させた。大腿骨を除去し、軟部組織をきれいに削いだ。骨の両側を骨鉗子で開き、2本の大腿骨を10%FBSを含有する10mlのL-DMEM培地に入れた。骨髄腔を、5-ml滅菌シリンジ中の培地を使用して骨が白くなるまで繰り返し洗い流した。得られた細胞懸濁液を繰り返しピペッティングし、混合し、次いで細胞懸濁液をT-75培養フラスコに播種し、37℃、5%のCO2で、10%FBSを含有するL-DMEM(GIBCO、US)培地中で培養した。培地を3~4日毎に交換した。細胞がフラスコの90%をカバーしたら、その後細胞を0.1%EDTAを含有する0.25%トリプシンで消化し、L-DMEMで継代培養した。第3世代の細胞を実験に使用した。肝細胞:ラット肝細胞の初代培養を以前に公開された手順に従って実施した。簡潔には、1~3日齢のSprague-Dawleyラットから切除した肝臓を1.0mmに切断し、15時間4℃で0.125%トリプシンで消化し、次いで混合物を15分間振とうし、4回繰り返した。動物の手順は四川大学(Sichuan University)の動物実験委員会によって承認された。肝組織消化物を、抗生物質(GIBCO、US)及び10%FBS(Hyclone、US)を補充したH-DMEM(GIBCO、US)に懸濁した。
【0697】
酸化アルギン酸ナトリウム調製
アルギン酸塩の酸化反応を、24時間室温で水溶液中で行った。暗色の瓶中で、10.00gのアルギン酸ナトリウムを750mLの蒸留水に溶解させた。この混合物に、10mLの0.25M過ヨウ素酸ナトリウムの水溶液を加え、蒸留水で1Lの最終容量を達した。反応物を撹拌により完全に混合した。24時間後、反応を40mLエチレングリコールの添加によりクエンチし、0.5時間撹拌した。酸化アルギン酸塩を、25gのNaCl及び2Lのエタノールの添加での沈殿によって、クエンチした反応混合物から精製した。次いで単離されたポリマーを1Lの水に溶解し、NaCl(10g)の存在下で2Lのエタノールの添加によって再沈澱させた。最後に、沈殿物を真空下の室温で乾燥させて、酸化アルギン酸ナトリウムを得た。
【0698】
バイオブロック調製
(1)コア及びシェルの単純な材料を有するバイオブロックを、培養皿及びマイクロピペットで調製した。例えば、コア材料としてのI型コラーゲン、及びシェル材料としての0.05%ポリリジン溶液を有するバイオブロックのために、I型コラーゲンを上述のように調製した。ポリリジン(Sigma、Mn150,000~300,000)をpH7.2でのH-DMEMに溶解することによって、0.05%ポリリジン溶液を調製し、そしてバイオブロックコアの微小液滴をマイクロピペットを使用して調製して、培養皿上にI型コラーゲンを押し出し(例えば、微小液滴あたり8μl)、37℃で30分間固化させた。次いで、固化したコアを0.05%ポリリジン溶液に入れ、ポリリジンがコア上に吸収され、自己集合によりシェルが形成されるまで、10分間振とうした。負電荷を有する材料、例えば0.03%アルギン酸ナトリウムを追加し、0.05%ポリリジン溶液中で10分間繰り返し振とうすることによって、シェルの追加の層を調製した。
【0699】
(1)コア及びシェルの複合材料を有するバイオブロックを、BUCHI(商標)Encapsulator B-395 Proで調製した。例として、コア材料としてのI型コラーゲン、及びシェル材料としての2.5%酸化アルギン酸ナトリウムを有するバイオブロックを取り上げる。約4mg/mLの濃度を有するpH7.2のI型コラーゲン溶液を、1Mの水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を氷上で加えることによって調製した。酸化アルギン酸ナトリウムを滅菌脱イオン水に溶解することによって、2.5%酸化アルギン酸ナトリウムを調製した。コア材料を種細胞と混合した後に5mlの注入器に充填し、シェル材料を100mlの培養ボトルに充填した。内側150μmノズル及び外側200μmノズルを有する同心ノズルセットをカプセル化装置に取り付けた。微小液滴を、400μmの直径でカプセル化装置を用いて調製し、0.1M塩化カルシウム(CaCl2)溶液中で37℃で10分間固化させた。
【0700】
バイオインク調製及びバイオプリンティング
3つのバイオインク組成物をバイオプリンティングのために調製した。当該バイオインク組成物には、(1)1x10
6個のHUVECを含む5mlの2%アルギン酸塩(Sigma、USA);(2)5mlの5%アルギン酸塩;及び(3)HUVECバイオブロックと混合した5mlの2%アルギン酸塩、が含まれる。Sichuan Revotek co.,Ltdによって発明されたBシリーズ3Dバイオプリンター(
図13A,13B)を使用してバイオインクを噴出した。3Dバイオプリンタージェットの圧力は、5%アルギン酸塩について120KPa、2%アルギン酸塩について5KPa、及びバイオブロックと混合した2%アルギン酸塩について40KPaであった。全ての種類のバイオインクについてプリントするインクジェットノズルの温度は37℃であり、プリントする速度は300mm/分であった。全てのプロセスを室温のクリーンベンチで操作した。
【0701】
細胞生存率アッセイ
生細胞を37℃で1時間Calcein AMによって標識し、死細胞を37℃で15分間ヨウ化プロピジウムによって標識した。結果をレーザー走査型共焦点顕微鏡法によって撮像した。
【0702】
生物学的特性についてのアッセイ
(1)接着及び拡散:細胞を緑色蛍光を示す細胞トラッカーGreen CMFDAで標識し、細胞形態をレーザー走査型共焦点顕微鏡法によって撮像した。(2)増殖:増殖細胞をEdU(赤色チャネル)を用いて染色し、細胞核をDAPI(青色チャネル)によって染色した。画像をレーザー走査型共焦点顕微鏡法を用いて200倍の倍率で収集した。(3)移動:細胞をCD31によって染色し、24時間レーザー走査型共焦点顕微鏡法によって撮像した。(4)分泌:バイオブロック中の肝細胞によって分泌されたアルブミンを、アルブミン試験キットによって試験した。バイオブロックによって形成したプリントされた人工組織を4%パラホルムアルデヒドで固定した。30分間37℃で1%BSA中でインキュベーション後、ウサギ抗ラットアルブミンのポリクローナル抗体(1:100)を37℃で2時間及び4℃で12時間のインキュベーションに使用し、二次抗体のヤギ抗ウサギIgG(1:200)のインキュベーションに続く。画像をレーザー走査型共焦点顕微鏡法によって取得した。(5)細胞連結:2タイプの細胞を、細胞トラッカーGreen CMFDA及び細胞トラッカーCM-Dilでそれぞれ標識した。重なった蛍光である黄色蛍光は、細胞が相互に連結していることを示す。画像をレーザー走査型共焦点顕微鏡法によって取得した。
【0703】
組織学的及び組織化学的染色
バイオブロックによって形成したバイオプリントされた人工組織を9日間37℃、5%のCO2で、10%FBSを含有するH-DMEM中で培養し、次いでPBSで洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで固定し、従来の方法に従ってパラフィンで包埋した。それを4-μm切片に切断し、H&E染色を従来の方法に従って実施した。結果を倒立光学顕微鏡下で観察した。
【0704】
免疫組織化学
バイオブロックを用いてバイオプリントされた人工組織中のHUVEC及び肝細胞を、免疫組織化学によって決定した。バイオプリントされた人工組織を9日間37℃、5%のCO2で、10%FBSを含有するH-DMEM中で培養し、次いでPBSで洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで固定し、従来の方法に従ってパラフィンに包埋した。それを4-μm切片に切断した。CD31免疫染色(RD、US)を使用してHUVECを検出し、HNF4α免疫染色(Santa Cruz、US)を使用して肝細胞を検出した。CD31の一次抗体は、ヤギ抗ラットCD31ポリクローナル抗体(1:50)であり、二次抗体はウサギ抗ヤギIgG(1:500)(Sigma、US)であった。HNF4αの一次抗体はウサギ抗ラットCD31ポリクローナル抗体(1:200)であり、二次抗体はヤギ抗ウサギIgG(CST、US)であった。プロトコルは製造業者の指示に基づき、結果を観察し、倒立光学顕微鏡下で試験し、撮影した。
【0705】
実施例10.骨芽細胞又は軟骨細胞分化因子を有するMSCバイオブロックの調製
本実施例は、骨芽細胞又は軟骨細胞分化のための微小環境を有する2つの例示的な型のMSCバイオブロック、すなわち、骨芽細胞分化剤を含むI型MSCバイオブロック、及び軟骨細胞分化剤を含むII型MSCバイオブロック、の調製方法を提供する。バイオブロックを滅菌条件下で調製した。バイオブロックがヒトに使用される場合、そのようなバイオブロックはバイオセーフティーレベルのGMPを有する作業場において調製されるべきである。
【0706】
カプセル化装置(BUCHI(商標)Encapsulator B-395 Pro)を使用して、I型及びII型MSCバイオブロックを調製した。同心ノズルは以下の直径を有する:内側ノズル:200μm;外側ノズル:300μm。
【0707】
使用された材料は以下の通りである:
(1)コア:
(a)アルギン酸ナトリウム:滅菌脱イオン水にアルギン酸ナトリウムを溶解することによって、アルギン酸ナトリウムを調製した。
【0708】
(b)I型コラーゲン:4mg/mL、滅菌1M水酸化ナトリウム(NaOH)溶液で中和した。I型コラーゲンに、以下の細胞因子の群をそれぞれ加えた:
【0709】
(i)骨芽細胞へのMSCの分化を誘導する細胞因子(すなわち、骨芽細胞分化剤):0.1μMのデキサメタゾン、0.05mMのアスコルビン酸、及び10mMのグリセロホスフェート、I型MSCバイオブロックの調製用。
【0710】
(ii)軟骨細胞へのMSCの分化を誘導する細胞因子(すなわち、軟骨細胞分化剤):10ng/mlのTGF-β3、100nMのデキサメタゾン、50μg/mlのアスコルビン酸2-リン酸、100μg/mlのピルビン酸ナトリウム、40μg/mlのプロリン及びインスリン-トランスフェリン-亜セレン酸溶液(ITS+、Collaborative Biomedical、ベッドフォード、MA、USA)、II型MSCバイオブロックの調製用。
【0711】
I型コラーゲン溶液と2%(重量/体積)アルギン酸ナトリウム溶液との1:1(重量で)の混合物を調製して、コアを調製した。
【0712】
(2)シェル:
(a)4%アルギン酸ナトリウム溶液
(b)エラスチン
(c)0.1M塩化カルシウム(CaCl2)の水溶液を含む凝固(すなわち、架橋)溶液。
【0713】
(3)細胞:ラット骨髄由来間質細胞(bone marrow derived stroma cells)(BMSCs)を、実施例9に記載の通り調製した。
【0714】
バイオブロックを以下の工程に記載のとおり調製し、これらは全て氷上で行った。
(1)120μLのNaOH溶液と750μLのI型コラーゲンとの混合物に、リン酸緩衝食塩水(PBS)中のBMSC(細胞密度:1x105細胞/mL)の懸濁液の130μLを加えて、1mLの細胞封入溶液を作製した。細胞封入溶液を1mLの2%アルギン酸ナトリウムと完全に混合して、コア混合物を得るために細胞の均一な分布を確保した。
【0715】
(2)2mLの4%アルギン酸ナトリウム溶液に、50ng/mLの最終濃度に達するように100ngのエラスチンを添加し、溶液を完全に混合して、シェル混合物を得た。シェル混合物用の凝固(すなわち、架橋)溶液として機能する、300mLの0.1M CaCl2溶液をビーカーに入れた。
【0716】
(3)コア混合物及びシェル混合物をそれぞれ別々に、2つの5mLシリンジに充填した。製造業者の指示に従って、カプセル化装置の圧力、遠心力、及びポンプ速度を設定し、コア混合物及びシェル混合物を造粒及びコーティングに使用した。200μmのサイズを有する内側ノズル及び300μmのサイズを有する外側ノズルを備えた同心ノズルを使用した。調製したバイオブロック微小液滴を300mLの0.1M CaCl2溶液を含むビーカーに集め、約5分間架橋させて、I型MSCバイオブロック及びII型MSCバイオブロックを得た。バイオブロックは4℃で保存することができ、又は3Dバイオプリンティングに直接使用することができる。
【0717】
実施例11.骨芽細胞又は軟骨細胞分化因子を有するMSCバイオブロックの特徴づけ
実施例10に記載の方法を用いて調製したI型MSCバイオブロックを顕微鏡下で観察した。その結果を
図18A及び18Bに示す。
図18Aは、37℃、5%のCO
2で約1日間のインキュベーション後のI型MSCバイオブロックの画像を示す。結果は、細胞が正常に成長し、かつ分化は観察されなかったことを示唆している。
図18Bは、37℃、5%のCO
2で約10日間のインキュベーション後にアリザリンレッドで染色したI型MSCバイオブロックを示す。特に、太い矢印はインタクトなバイオブロックを指し示す。細い矢印はカルシウムノード(calcium nodes)を指し示す。結果は、バイオブロック中に多数のカルシウムノードを示し、これはバイオブロックの内側での骨芽細胞に向けたMSC細胞の分化を示唆する。本実施例は、コアの内容を操作することによって、細胞の分化を調節することができるであろうことを実証する。骨形成分化は本実施例のMSCにおいて誘導に成功した。重要なことに、本発明者らは、刺激後10日以内にカルシウム結節(calcium nodules)を観察し、これは、通常の2D培養における刺激の典型的な20日のわずか半分である。
【0718】
さらに、MSCバイオブロックのサイズ、MSCバイオブロック内の細胞の数、シェルの厚さ、及び機械的特性は、全て実施例2に記載したものと同じ方法で制御され得る。本実施例で調製したMSCバイオブロックの機械的特性(例えば硬度及び弾性率)は、内側の細胞に優れた機械的保護を提供し得る。
【0719】
MSCバイオブロックは担体(例えば生体接着性材料)と混合して、バイオインク組成物を調製することができる。MSCバイオブロックのシェルは、バイオプリンティングの過程でその完全性を維持することができるであろう。MSCバイオインク組成物の粘度は担体の組成を調整することによって制御できるであろう。
【0720】
バイオブロック及びバイオインク組成物中のMSCは、バイオプリンティング前後、及びバイオプリンティング後のインキュベーションの5日後に高い生存率を有した。バイオブロック内部のMSCは、インキュベーションの5日後に増殖、拡散及び接着することができた。これらの特性は下流の用途、例えばバイオプリンティングに有益である。
【0721】
実施例12.複合コンストラクトの調製
本実施例は、実施例11で調製したバイオブロックを用いる、例示的な三次元コンストラクト、例えば人工骨及び軟骨を含む複合コンストラクトの調製方法を記載する。簡潔には、当該方法は以下の工程を含む:
【0722】
(1)ラットの関節(例えば膝)に関するバイオインフォマティクス情報を収集し、当該関節の構造のデジタルモデルを構築する。
【0723】
(2)実施例11記載のI型MSCバイオブロック及びII型MSCバイオブロックを調製する。
【0724】
(3)各々の型のバイオブロックについて、バイオブロックと生体接着性材料とを混合して、バイオインク組成物を得る。生体接着性材料はアルギン酸ナトリウム及びゼラチンである。生体接着性材料とバイオブロックとの重量比は1:4である。
【0725】
工程(1)は、工程(2)又は工程(3)の間に、工程(2)及び(3)と同時又はそれらの後に、行うことができることに留意されたい。
【0726】
(4)バイオプリンターを用いて、回転印刷モード(rotational printing mode)を使用して血管前駆体をバイオプリントする。バイオプリンティングプロセスにおいて、対応するバイオインク組成物を使用して、関節のデジタルモデルに従って各層をバイオプリントする。例えば、
図22A及び22Bは、骨芽細胞への分化のための第1の層(すなわち、骨芽細胞前駆体層)、及び軟骨細胞への分化のための第2の層(すなわち、軟骨細胞前駆体層)を有する複合コンストラクトの例示的なモデルの側面図及び断面図を示す。当該モデルは、チューブの外側に骨芽細胞前駆体層、及びチューブの内側に軟骨細胞前駆体層を有する、チューブ様構造を有する。I型MSCバイオブロックを含有するバイオインク組成物を使用して骨芽細胞前駆体層をバイオプリントし、II型MSCバイオブロックを含有するバイオインク組成物を使用して軟骨細胞前駆体層をバイオプリントする。バイオインク組成物の担体中の生体接着性材料は、関節前駆体を得るために、バイオプリントされた複合コンストラクト中のバイオブロックの位置を固定するのに役立つ。
【0727】
(5)関節前駆体を3D-培養インキュベーターに入れ、37℃及び5%のCO2で、通常の細胞培養培地(例えば、10%ウシ胎児血清を含有するH-DMEM培地)上で、関節前駆体に典型的な培養条件を使用してインキュベートする。インキュベーションプロセス中に、機械的刺激、例えばせん断及び延伸、を関節前駆体に適用する。前駆体を約7~10日間連続で培養して、関節組織を得る。
【0728】
考察
関節軟骨の生存率は、関節の正常な構造及び機能を維持するためのカギである。関節軟骨の喪失は関節炎につながり、関節の機能を重度に制限する。関節軟骨に血管系が存在しないこと、軟骨細胞が自律的に移動できないこと、及び成熟軟骨細胞が増殖できないことなどのために、関節軟骨は軽度の損傷後であっても治癒することは困難である。
【0729】
臨床的には、軟骨血管はしばしば、軟骨下骨組織における欠陥を伴う。近年、研究者らは、損傷した軟骨を人工軟骨で修復または交換することを試みている。しかしながら、長期の研究は、人工軟骨の体内への単純移植後に、軟骨-骨接触面における急速な融合の困難性のために、移植された人工軟骨は通常、周辺の骨組織と完全に一体化することができず、さらに、修復の失敗につながるずれ(shifts)又は脱臼を患うことを見出した。骨-骨融合は、軟骨-骨融合よりも迅速かつ強固であり;したがって、軟骨の欠陥を修復する際に、軟骨下骨組織の修復を検討すること、すなわち軟骨組織及び骨組織の両方を含む人工移植片を構築することが望ましいことが研究によって示された。
【0730】
間葉系幹細胞細胞(MSC)は、骨組織又は軟骨組織の組織工学において一般的に使用される種細胞である。研究者らは、0.1μMのデキサメタゾン、0.05mMのアスコルビン酸(AA)、及び10mMのグリセロホスフェートを培地に添加することによって、MSCの骨芽細胞への分化を誘導することができ;10ng/mlのTGF-β3、100nMのデキサメタゾン、50μg/mlのアスコルビン酸2-リン酸、100μg/mlのピルビン酸ナトリウム、40μg/mlのプロリン及びインスリン-トランスフェリン-亜セレン酸溶液(ITS +、Collaborative Biomedical、ベッドフォード、MA、USA)を培地に添加することによって、MSCの軟骨細胞への分化が誘導され得る。足場上でのMSC分化を誘導するための典型的な選択肢としては以下のものが挙げられる:1.足場上で種細胞を用いて骨組織を構築し、同時に、骨組織足場のトップに直接、軟骨組織のための種細胞を成長させて軟骨組織を形成する;2.足場及び種細胞を別々に使用して、骨組織及び軟骨組織を形成し、2タイプの組織を統合して、複合移植片を形成する;3.単一又は複合足場上で骨組織及び軟骨組織のための種細胞を同時に成長させ、イン・ビトロで足場-種細胞組成物を培養して、骨組織及び軟骨組織を含む複合移植片を形成する;4.異なる分化誘導因子を有する二重層足場上で共通の前駆体細胞を堆積させ、シングル又はデュアルチャンバーバイオリアクター中で足場-前駆体細胞組成物を共培養する。
【0731】
当該分野における長年の開発にもかかわらず、現在の人工軟骨の調製方法は未だに多くの欠陥に苦しんでおり、そのような欠陥には、これらに限定されるものではないが、以下のものが挙げられる:1.分化誘導のためのMSCのインキュベーションが非常に複雑である。したがって、異なるインキュベーションシステムが、MSCの異なるタイプの細胞への分化を誘導するために必要である。2.人工移植片を得るために、MSCを増殖させ、それらの分化を誘導し、足場材料上に分化した細胞を含む組成物を調製し、そして当該組成物をイン・ビボ又はイン・ビトロで培養することが必要である。その結果、全体のプロセスが長期間にわたり、コンタミネーションのリスクが大幅に増加する。3.足場のトップで種細胞を堆積させることによって構築された人工移植片を使用すると、足場材料のトップで成長する細胞を精密に分布させることは困難であり、それによって不規則構造及び機能障害を有する人工移植片を生じる。改善された人工軟骨組織の調製方法が明らかに必要とされている。
【0732】
上記の技術的問題を克服するために、本願の発明者らは、2タイプのMSCバイオブロックを使用する、骨及び軟骨を含む複合人工組織を構築するための本明細書に記載の方法を開発した。現在知られている技術と比較して、本願の方法は、足場上での種細胞の成長を必要としない。むしろ、MSCを含むバイオブロックを人工組織を構築するために直接使用する。さらに、本願の方法は、人工組織の構築前に、顕著なイン・ビトロでの細胞の増殖を必要としない。逆に、本方法では、MSCバイオブロックを用いる人工組織の構築後に、MSCはバイオブロック内部で顕著に増殖し、それは増殖後に、完全かつ統合された人工組織を最終的に形成する。さらに、本方法は複数の培養システムを必要としない。逆に、本方法は、それぞれ同一の培養システム下で、MSCの骨芽細胞及び軟骨細胞への分化を同時に誘導することができる。最後に、MSCバイオブロックの精密な分布を介して、本方法は骨芽細胞及び軟骨細胞の精密な分布を達成することができ、それによって完全な構造及び機能を有する人工移植片(すなわち、人工骨及び軟骨を含む複合コンストラクト)を提供する。本明細書に記載の複合コンストラクトは関節損傷を修復するために有用であり得る。
【0733】
実施例13:三次元コンストラクトのバイオプリンティング
本実施例は、本明細書に記載のバイオブロック及びバイオインク組成物を用いた三次元コンストラクト(例えば血管及び心筋組織)の例示的なバイオプリンティング方法を記載する。
【0734】
図20は、本願のバイオブロック及びバイオインク組成物を用いて血管をバイオプリントする例示的なワークフローを示す。詳細な工程は以下の通りである:
【0735】
(1)血管の生体情報、例えばそれらの構造及び細胞型分布、を収集して、バイオブロックに基づく血管の構造のデジタルモデルを構築する。特に、ラット血管中の内皮細胞、平滑筋細胞、及び線維芽細胞をDIO(緑色)、Mitotracker(赤色)及びHoechst(青色)で染色し、及び血管のバイオインフォマティクス情報を収集して、血管のデジタルモデルを構築する。当該モデルによれば、血管は、内側に血管内皮細胞の層、中間に血管平滑筋細胞の層、及び外側に線維芽細胞の層を含む、3層構造を有する。
【0736】
(2)実施例1の方法を使用して、血管内皮細胞を含むバイオブロック、血管平滑筋細胞を含むバイオブロック、及び線維芽細胞を含むバイオブロック、を含む3タイプのバイオブロックを調製する。血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、及び繊維芽細胞を、ラットの初代細胞培養から得る。ポリマーコア材料及びポリマーシェル材料は実施例1と同様である。さらに、細胞増殖及び分化を促進するために、VEGFを血管内皮細胞を含むバイオブロックのコアに加え;及びPDGFを血管平滑筋細胞を含むバイオブロックのコアに加え;そしてFGFを繊維芽細胞を含むバイオブロックのコアに加える。
【0737】
血管内皮細胞を含むバイオブロックのサイズは約30μmであり、各バイオブロックは2~3個の血管内皮細胞を含む。血管平滑筋細胞を含むバイオブロックのサイズは約200μmであり、各バイオブロックは約50個の血管平滑筋細胞を含む。繊維芽細胞を含むバイオブロックのサイズは約100μmであり、各バイオブロックは約10個の繊維芽細胞を含む。
【0738】
(2)生体接着性材料を含有する担体を、3タイプのバイオブロックの各々とそれぞれ混合して、3タイプのバイオインク組成物を調製する。生体接着性材料は、アルギン酸ナトリウム及びゼラチンである。生体接着性材料及びバイオブロックの重量比は1:4である。
【0739】
工程(1)は、工程(2)と工程(3)との間に、あるいは工程(2)及び(3)と同時又はそれらの後に、行うことができることに留意されたい。
【0740】
(4)バイオプリンターを用いて、回転印刷モードを使用して血管前駆体をバイオプリントする。バイオプリンティングプロセスにおいて、対応するバイオインク組成物を使用して、血管のデジタルモデルに従って各層をバイオプリントする。特に、
図2に示されるように、血管内皮細胞を含むバイオブロックを含有するバイオインク組成物を使用して、血管の最も内側の層をバイオプリントし;血管平滑筋細胞を含むバイオブロックを含有するバイオインク組成物を使用して、血管の中間層をバイオプリントし;及び繊維芽細胞を含むバイオブロックを含有するバイオインク組成物を使用して、血管の最外層をバイオプリントする。バイオインク組成物の担体中の生体接着性材料は、血管前駆体を得るために、バイオプリントされたコンストラクト中のバイオブロックの位置を固定するのに役立つ。
【0741】
(5)血管前駆体を3D-培養インキュベーターに入れ、37℃及び5%のCO2で、通常の細胞培養培地(例えば、10%ウシ胎児血清を含有するH-DMEM培地)上で、血管前駆体に典型的な培養条件を使用してインキュベートする。インキュベーションプロセス中に、機械的刺激、例えばせん断及び延伸、を血管前駆体に適用する。前駆体を約7~10日間連続で培養して、血管を得る。
【0742】
さらに、幹細胞を含むバイオブロックを使用して、多層コンストラクト(例えば心筋組織)をバイオプリントする。簡潔には、当該方法の工程は、以下のものを含む:
【0743】
心臓の心組織をバイオプリントするためのバイオブロック:バイオブロックを実施例1の方法を用いて調製する。各バイオブロックは、少数の心筋細胞及び多数の幹細胞を含む。ポリマーコア材料及びポリマーシェル材料は実施例1と同様である。さらに、心筋細胞分化因子、例えば5-アザシチジンをバイオブロックのコアに加えて、幹細胞の心筋細胞への分化及び増殖を誘導する。
【0744】
バイオインク調製:バイオブロックを、生体接着性材料を含有する担体と混合して、バイオインク組成物を調製する。生体接着性材料はアルギン酸ナトリウム及びゼラチンであり、例えばI型コラーゲンを含む心筋組織に関連する細胞外マトリックス分子を担体に添加する。さらに、心筋細胞の移動、代謝及び分泌を促進する細胞因子を担体に添加する。
【0745】
バイオプリンティング:バイオプリンターを用いて、バイオインク組成物をバイオプリントして、
図21に示される概略レイアウトのような予め決められたパターンに従って多層心筋組織前駆体を形成する。生体適合性材料(例えば担体中の)は、心筋組織前駆体中でバイオブロックに結合する。
【0746】
イン・ビトロ培養:心筋組織前駆体を3Dインキュベーターに入れ、37℃及び5%のCO2で、心筋組織のための通常の条件下で培養する。バイオプリントされた心筋組織前駆体の培養は、バイオブロックのシェルの内側で及びシェルを超えての、細胞の増殖、分化、及び移動を促進する。細胞はシェルに入り込み、最終的に隣接バイオブロックにおける細胞との連結を形成して、統合された人工心筋組織を形成する。
【0747】
実施例14.内皮細胞又は平滑筋細胞を含むMSCバイオブロックの調製
本実施例は、III型MSCバイオブロック及びIV型MSCバイオブロックを用いる、例示的な複合コンストラクトの調製方法を記載する。
【0748】
バイオブロックの調製
1.内皮細胞を含むMSCバイオブロック(すなわちIII型MSCバイオブロック)の調製
MSC及び内皮細胞を10:1の比率で混合して、バイオブロック中の種細胞としての使用のための4x106/mlの細胞濃度を有する細胞懸濁液を提供した。ポリリジンをポリマーシェル材料として使用した。I型コラーゲンをポリマーコア材料として使用した。バイオブロックを、細胞懸濁液、ポリマーコア材料、及びポリマーシェル材料を用いて調製した。
【0749】
2.平滑筋細胞を含むMSCバイオブロック(すなわち、IV型MSCバイオブロック)の調製
MSC及び平滑筋細胞を3:1の比率で混合して、バイオブロック中の種細胞としての使用のための4x106/mlの細胞濃度を有する細胞懸濁液を提供した。ポリリジンをポリマーシェル材料として使用した。I型コラーゲンをポリマーコア材料として使用した。バイオブロックを、細胞懸濁液、ポリマーコア材料、及びポリマーシェル材料を用いて調製した。
【0750】
バイオプリンティング方法
図22Aに従って、平滑筋細胞を含むMSCバイオブロックをバイオプリントして、組織-前駆体の外側の層を形成し、そして内皮細胞を含むMSCバイオブロックをバイオプリントして、組織前駆体の内側の層を形成した。平滑筋細胞を含むMSCバイオブロックは、MSCの平滑筋細胞への分化のための微小環境を提供した。内皮細胞を含むMSCバイオブロックは、MSCの内皮細胞への分化のための微小環境を提供した。
【0751】
バイオプリントされた組織前駆体を、10%胎児ウシアルブミンを含有するH-DMEM培地中で、37℃及び5%のCO
2で7日間培養して、約3mmの直径を有する組織を得た。
図22Bに示されるように、組織のHE染色は2タイプのバイオブロックが融合して統合組織を形成したことを実証した。免疫組織化学染色の結果は、細胞が組織における予め決められたパターンに従って規則的に配置されたことを示した。
【0752】
実施例15.内皮細胞を含むMSCバイオブロックの調製
本実施例は、超疎水性U底プレートを使用する、例示的なMSCバイオブロックの調製方法を記載する。使用した材料及び細胞は以下の通りである:
【0753】
ポリマーコア材料:4mg/mLのI型コラーゲン、滅菌した1MのNaOH溶液で中和した。
【0754】
ポリマーシェル材料:1%(w/w)ポリリジン。
【0755】
細胞:3.7×106細胞/mLの全細胞濃度を有する、1:10の比率で混合したHUVEC及びMSC。
【0756】
バイオブロックを以下の工程を用いて調製した:
(1)超疎水性U底プレートの調製:クリーンルームで、U底プレートをアルコールで洗浄し、水酸化処理のために80℃で1時間、水素/過酸化物/濃硫酸溶液(30%v/v、H2O2:H2SO4=1:3)に置いた。水酸化されたU底プレートを1%の1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリエトキシシラン(Sigma)溶液に12時間置き、次いでシラン化処理のために100℃のオーブン中で4時間加熱した。最後に、U底プレートを洗浄し及び風乾した。
【0757】
(2)コア混合物の調製:120μLのNaOH溶液と750μLのI型コラーゲン(4mg/mL)との混合物に、リン酸緩衝食塩水(PBS)中のTracker CM-Dilで染色したHUVECとラットMSCとの混合物の懸濁液(全細胞密度:3.7x105細胞/mL)の130μLを加えて、1mLのコア混合物を作製した。
【0758】
代替細胞混合物(例えばMSC及び肝細胞の混合物、ヒトMSC及びHUVECの混合物、MSC、内皮細胞、及び平滑筋細胞の混合物、MSC、内皮細胞、及び肝細胞の混合物等)を、この工程におけるHUVECとラットMSCとの混合物の代わりに使用して、コア混合物を調製することができる。そのコア混合物を以下の工程で使用して、代替細胞混合物中の対応する細胞のタイプを含むバイオブロックを調製することができる。
【0759】
(3)ポリリジン-FITC溶液の調製:FITC(緑色蛍光)標識ポリリジン(Sigma、平均分子量は150,000~300,000であった)を、DMEM高グルコース培地に溶解して、1%(w/w)ポリリジン溶液を得た。
【0760】
(4)コアの調製:ナノリットル量の液体を吸い込み、分配することができるデジタルピペット装置を使用して、工程(2)で調製したコア混合物の0.1μLを吸い込み、超疎水性U底プレートのウェル中に微小液滴として分配した。37℃で30分間、プレート中でのインキュベーション後に、微小液滴が形成した。例えば、Eppendorf Xplorer 0.5-10μL又はTransferpette Electronic 0.5-10μLシステムを使用して、0.1μLと同程度の低い体積を有するように微小液滴を分配することができる。あるいは、SGEオートサンプラーを1μL又は0.5μL設定で使用して、一度に10又は5微小液滴を調製することができ、各微小液滴は0.1μLの体積を有する。円錐形の針を、分配の精度向上のために使用することができる。
【0761】
(5)シェルの調製:デジタルピペット装置のピペットチップを交換した後、工程(3)で調製したポリリジン-FITC溶液の0.5μLを精密に吸い込み、コア微小液滴を含む超疎水性プレートのウェルの中央に分配し、10分間インキュベートして、HUVEC及びMSCを含むバイオブロックを得た。
【0762】
実施例16.人工肝組織のバイオプリンティング
実施例15に記載の方法を用いて調製したバイオブロックを使用して、人工肝組織をバイオプリントした。各バイオブロックは、種細胞として脂肪組織由来のMSCと初代肝細胞との混合物、ポリマーコア材料としてI型コラーゲン、並びにポリマーシェル材料としてポリリジンを含む。
【0763】
バイオプリンターを使用してバイオブロックをバイオプリントし、組織前駆体を得た。組織前駆体を、37℃及び5%のCO2で、10%ウシ胎児血清で補充したH-DMEM培地中で、7日間培養して、人工肝組織を得た。
【0764】
人工肝組織をHE染色し、並びにアルブミンに対して免疫組織化学的に染色した。
図23に示されるように、HE染色結果(上部パネル)は、細胞が人工肝組織において索状に配置され、人工組織が正常な肝組織に見られる構造と同様の小葉構造を作成したことを実証する。さらに、免疫組織化学染色の結果は、人工肝組織の内側の肝細胞が、正常な肝臓のように、肝臓特異的タンパク質であるアルブミンを分泌し得ることを明らかにした。また、人工肝組織の境界上の非肝細胞はアルブミンを発現しなかった。これらの結果は、本願のバイオブロックを人工肝組織のバイオプリントに使用することができることを実証する。
【0765】
実施例17.毛細血管を含むコンストラクトのバイオプリンティング
実施例15に記載の方法を用いて調製したバイオブロックをバイオプリンターを使用してバイオプリントして、コンストラクトを得た。当該コンストラクトを37℃、5%のCO
2で、約10%FBSを含有するH-DMEM培地中で9日間培養して、人工組織を得た。バイオプリントした人工組織をスライスし、抗CD31免疫染色で染色した。
図24に示されるように、多数の毛細血管を、バイオプリントした人工組織中に観察した。
【0766】
これらの結果は、本願のバイオブロックを、毛細血管を有するコンストラクトのバイオプリントに使用することができることを実証する。重要なことに、毛細血管は、栄養を得て、代謝物を排出するための深部組織における細胞にとって唯一の経路である。したがって、細胞の生存を確保するために主要な血管に連結するため、バイオプリントされた人工組織が毛細血管を有することは重要である。
【0767】
実施例18.毛細血管の形成に対する細胞のタイプ及び比率の影響
表6に示した様々な細胞組成を含むバイオブロックを、実施例15に記載の方法を用いて調製した。次いで、バイオブロックを実施例17に記載の方法を用いてバイオプリントし、培養して、人工組織を得た。当該人工組織をスライスし染色して毛細血管の形成を観察した。結果を
図25A~25Gに示す。
【0768】
【0769】
これらの結果は、HUVEC及びBMSCを種細胞として1:1.5~1:20の様々な比率で使用してバイオブロックを調製した場合(
図25A~25D)、毛細血管が、そのようなバイオブロックを使用して調製した全ての人工組織中に観察されたことを示す。特に、1:10(HUVEC:BMSC)の比率で、そのようなバイオブロックを使用して調製した人工組織は、多数の毛細血管を有した(
図25B)。HUVEC及びBMSCに加えてラット肝細胞をバイオブロック中に含んだ場合、毛細血管はまた、そのようなバイオブロックを使用してバイオプリントした人工組織中に観察された。特に、1:1:10(HUVEC:ラット肝細胞:BMSC)の比率で、そのようなバイオブロックを使用して調製した人工組織は多数の毛細血管(
図25E)を有した。さらに、HUVEC及びBMSCに加えてバイオブロック中に平滑筋細胞を含んだ場合、毛細血管は、そのようなバイオブロックを使用してバイオプリントされた人工組織中に観察された(
図25F)。HUVEC及びヒトMSCを種細胞として3:1の比率で使用してバイオブロックを調製した場合(
図25G)、毛細血管はまた、そのようなバイオブロックを使用してバイオプリントされた人工組織中に観察された。
【0770】
実施例19.バイオブロックの様々な用途
幹細胞分化研究
骨髄由来の間葉系幹細胞をそれぞれ含む、複数の単離されたバイオブロックを調製する。単離されたバイオブロックの各々に対して、以下の4タイプの細胞:骨芽細胞、脂肪細胞、軟骨細胞、及び筋細胞、の内の1つへの、又はそれらに向けた、幹細胞の分化を誘導する1つの薬剤又は薬剤の組み合わせを添加する。複数の単離されたバイオブロックを同じ培養システムで、例えば同じ容器(例えば培養皿又は培養フラスコ)中で培養する。それぞれ単離されたバイオブロック中の細胞を観察して、幹細胞分化に対する異なる微小環境の影響を評価する。
【0771】
組織再生
皮膚の大きな創傷の自然治癒プロセスは大きな傷跡をもたらし得るので、本実施例に記載の例示的な組織再生方法は、皮膚の大きな創傷を修復するために特に有用である。
【0772】
まず、医療用撮像方法を使用して、創傷をスキャンし、構造情報、例えば上皮細胞、内皮細胞、及び筋肉層を含む、創傷によって損傷した皮膚組織の層を決定する。
【0773】
次に、医療用撮像データに基づき、創傷の構造情報及び皮膚組織の細胞分布情報に基づいて、デジタル修復モデルを構築する。デジタル修復モデルに基づいて、適切なタイプのバイオブロック(例えば、上皮細胞のための線維芽含有バイオブロック、及び内皮細胞のための内皮細胞含有バイオブロック)を、選択し、創傷を修復するために得る。適切なバイオブロックを、デジタル修復モデルに従って創傷上に直接バイオプリントする。
【0774】
いくつかのシナリオでは、バイオブロック中の細胞は、創傷を有する対象からの自己由来の幹細胞である。
【0775】
バイオプリントしたバイオブロック中の細胞は、創傷の異なる層及び微小環境内で増殖及び分化し、対応する組織層及び部分構造を形成し、皮膚の創傷を修復する。
【0776】
実施例20:コンストラクトの様々な用途
組織発達に関するイン・ビトロ研究
異なるタイプの幹細胞をそれぞれ含む、バイオブロックの異なるバッチを調製する。本研究の組織の細胞分布パターンに基づいて、対応する組織前駆体を、バイオブロックの適切なバッチを用いてバイオプリントする。バイオプリントした組織前駆体を、所望の組織への発達に適した条件下でイン・ビトロで培養する。バイオブロック中の細胞を、細胞の発達に影響を与えるために選択した薬剤又は薬剤の組み合わせに曝露する。バイオブロック中の細胞及び組織を発達プロセスを通して観察する。
【0777】
移植免疫学に関するイン・ビトロ研究
組織移植を受ける対象(例えば研究動物)に由来する細胞を含むバイオブロックを調製する。バイオブロックを用いてバイオプリントした組織前駆体又は人工組織を対象に移植して、組織前駆体又は人工組織に対する免疫応答、例えば生体適合性及び免疫拒絶を観察する。
【0778】
薬物スクリーニング
好適なバイオブロックを調製し、薬物スクリーニングに関連する人工組織をバイオプリントするために使用する。調製プロセスで使用したバイオブロックの細胞は、薬物(異なる投与量、製剤等を含む)を受ける対象(例えばヒト対象)に由来してもよい。人工組織を予め決められた投与量での薬物パネルに曝露して、各薬物の有効性を評価する。人工組織を異なる投与量での薬物に曝露して、薬物投与量の有効性を決定する。最も高い有効性及び/又は最も低い副作用を有する薬物及び投与量が、組織に影響を及ぼす疾患又は状態を治療するために対象に推奨される。
【0779】
創薬
薬物の機能に関連する人工組織を、適切なバイオブロックを用いてバイオプリントする。調製プロセス中の操作、例えば、バイオブロック中の細胞の起源、バイオブロック中に含まれる薬剤(複数)又は刺激剤、あるいは培養条件に応じて、人工組織は健常組織、又は疾患組織であってもよい。組織に関連する特定の疾患又は状態の治療に対する各化合物の有効性を決定するために、人工組織を化合物のパネルに曝露し、各化合物の疾患人工組織に対する影響を、同一化合物の対応する健常人工組織に対する影響と任意に比較する。各化合物の毒性も、人工組織(例えば健常人工組織)に対する化合物の影響に基づいて評価する。最も高い有効性及び/又は最も低い毒性、あるいは有効性と毒性との最良のトレードオフを有する化合物を、さらなる創薬及び開発プロセスのためのリード化合物として選択する。