(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022023286
(43)【公開日】2022-02-08
(54)【発明の名称】寄付者ユーザとNPOユーザとのマッチング方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220201BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220201BHJP
【FI】
G06Q30/06 312
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020126110
(22)【出願日】2020-07-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】520276718
【氏名又は名称】株式会社ハートネーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】中俣 博之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB53
5L049CC17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】NPOに対する寄付を最大化する仕組みを実現する寄付者ユーザとNPOユーザとのマッチング方法を提供する。
【解決手段】マッチングシステム1は、ネットワークで接続される、融資ユーザに関連する融資ユーザ端末200と、寄付者ユーザに関連する寄付者ユーザ端末300と、NPOユーザに関連するNPOユーザ端末400と、を仲介するサーバ端末100と、により提供される寄付者ユーザとNPOユーザとのマッチング方法であって、サーバ端末100は、融資ユーザ端末200から、融資要求を受信し、寄付者ユーザ端末300に対し、NPOユーザに関連する広告を提供し、広告を介して、寄付者ユーザ端末300から、NPOユーザに対する寄付要求を受信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークで接続される、融資ユーザに関連する融資ユーザ端末と、寄付者ユーザに関連する寄付者ユーザ端末と、NPOユーザに関連するNPOユーザ端末と、を仲介するサーバ端末により提供される、寄付者ユーザとNPOユーザとのマッチング方法であって、
前記サーバ端末は、
前記融資ユーザ端末から、融資要求を受信し、
前記寄付者ユーザ端末に対し、NPOユーザに関連する広告を提供し、
前記広告を介して、前記寄付者ユーザ端末から、NPOユーザに対する寄付要求を受信する、マッチング方法。
【請求項2】
前記広告は、マス広告またはインターネット広告である、請求項1に記載のマッチング方法。
【請求項3】
前記NPOユーザは、複数のジャンルのいずれかに属し、前記寄付要求は、前記ジャンルに対する寄付要求である、請求項1に記載のマッチング方法。
【請求項4】
前記融資要求に含まれる融資額に基づいて前記広告の制作費を決定する、請求項1に記載のマッチング方法。
【請求項5】
前記寄付要求に含まれる寄付金額に基づいて、前記融資ユーザに対する利益額を決定する、請求項1に記載のマッチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NPOユーザへ寄付を希望する寄付者ユーザと、NPOとのマッチングを行う、寄付者ユーザとNPOユーザとのマッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、持続可能な開発目標(SDGs)の活動の拡がりも相俟って、貧困、動物保護、教育、人権保護、自然環境保護等の活動に取り組む、非営利団体法人(以下、「NPO」)の活動が活発化している。NPOの活動は、支援者からの寄付金を基に行われ、寄付金を集める仕組み作りがNPOの活動に際する課題の一つとして挙げられている。
【0003】
例えば、特許文献1において、広告プラットフォームを利用した、NPOの活動に賛同する、地元の商店等のアフィリエイト広告によってNPOの寄付を収集する仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、高額な準備金を伴わず、簡易なホームページを作成し、賛同団体の広告をホームページに掲載することで、アフィリエイト広告を通じた広告料を活動資金として得る仕組みを開示するものの、広告業において、広告を通じて効果的な収益を得るためには、その広告主に適した広告手段及び広告コンテンツを選択することが非常に重要であり、効果的で質の高い広告制作を行うためには多額の原資や広告ノウハウを必要とする。
【0006】
そこで、本発明は、NPOに対する寄付を最大化する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様における、ネットワークで接続される、融資ユーザに関連する融資ユーザ端末と、寄付者ユーザに関連する寄付者ユーザ端末と、NPOユーザに関連するNPOユーザ端末と、を仲介するサーバ端末により提供される、寄付者ユーザとNPOユーザとのマッチング方法であって、前記サーバ端末は、前記融資ユーザ端末から、融資要求を受信し、前記寄付者ユーザ端末に対し、NPOユーザに関連する広告を提供し、前記広告を介して、前記寄付者ユーザ端末から、NPOユーザに対する寄付要求を受信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、NPOに対する寄付を最大化する仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る、マッチングシステムを示すブロック構成図である。
【
図2】
図1のサーバ端末100を示す機能ブロック構成図である。
【
図3】
図1の融資ユーザ端末200を示す機能ブロック構成図である。
【
図4】サーバ端末100に格納される融資ユーザデータの一例を示す図である。
【
図5】サーバ端末100に格納される寄付ユーザデータの一例を示す図である。
【
図6】サーバ端末100に格納されるNPOユーザデータの一例を示す図である。
【
図7】本発明の第一実施形態に係る、マッチング方法に係るフローチャートの一例である。
【
図8】本発明の第一実施形態に係る、マッチング方法における、融資ユーザに係るデータ管理の一例である。
【
図9】本発明の第一実施形態に係る、マッチング方法における、NPOユーザの広告に係るデータ管理の一例である。
【
図10】本発明の第一実施形態に係る、マッチング方法における、寄付ユーザに係るデータ管理の一例である。
【
図11】本発明の第一実施形態に係る、マッチング方法における、複数の当事者を含む寄付エコシステムの概要を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0011】
(実施形態1)
<構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係るマッチングシステムを示すブロック構成図である。本システム1は、融資を行い、NPOを間接的に支援する融資者の融資者ユーザ端末200と、NPOに寄付を希望する支援者の寄付者ユーザ端末300と、NPO活動を行うNPOユーザ端末400と、寄付を希望する支援者と、NPOとを仲介するサーバ端末100と、により構成される。サーバ端末100は、マッチングシステム及び広告プラットフォームを運営するサービス提供者によって管理される。
【0012】
サーバ端末100と、融資者ユーザ端末200、寄付者ユーザ端末300及びNPOユーザ端末400は、ネットワークNWを介して接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)等により構成される。
【0013】
サーバ端末100は、融資者から、融資者ユーザ端末200を通じて融資要求を受け付け、融資を原資として、広告プラットフォームを介してNPOの広告活動を行い、寄付を希望する支援者からの寄付を受付けることで、寄付を希望する支援者とNPOとのマッチング処理を行う装置であり、例えば、ワークステーション又はパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。本実施形態においては、説明の便宜上サーバ端末として1台を例示しているが、これに限定されず、複数台であってもよい。また、サーバ端末100と関連して、融資を受け付ける機能を有するサーバと、広告プラットフォームを運営するサーバとを別に設けてもよいし、支援者からの寄付を決済する決済機能を有するサーバ(例えば、第三者の決済代行事業者が運営するサーバ)を別に設けてもよい。
【0014】
融資者ユーザ端末200は、融資を行い、NPOを間接的に支援する融資者が所有する、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等の情報処理装置であるが、スマートフォン、携帯電話、PDA等により構成しても良い。
【0015】
寄付者ユーザ端末300は、NPOに寄付を希望する支援者が所有する、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等の情報処理装置であるが、スマートフォン、携帯電話、PDA等により構成しても良い。
【0016】
NPOユーザ端末400は、NPOが所有する、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等の情報処理装置であるが、スマートフォン、携帯電話、PDA等により構成しても良い。
【0017】
本実施形態では、システム1は、サーバ端末100と、融資者ユーザ端末200、寄付者ユーザ端末300及びNPOユーザ端末を有し、融資者、支援者またはNPOが各々、融資者ユーザ端末200、寄付者ユーザ端末300、NPOユーザ端末400を利用して、サーバ端末100に対する操作を行う構成として説明するが、サーバ端末100がスタンドアローンで構成され、サーバ端末自身に、融資者、支援者またはNPOが各々操作を行う機能を備えても良い。
【0018】
図2は、
図1のサーバ端末100の機能ブロック構成図である。サーバ端末100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0019】
通信部110は、ネットワークNWを介して融資者ユーザ端末200、寄付者ユーザ端末300及びNPOユーザ端末400と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。
【0020】
記憶部120は、各種制御処理又は制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。また、記憶部120は、融資者に関連する各種データを格納する、融資ユーザデータ格納部121、支援者に関連する各種データを格納する、寄付ユーザ格納部122、NPOに関連する各種データを格納する、NPOユーザ格納部等を有する。さらに、記憶部120は、融資者ユーザ端末200、寄付者ユーザ端末300及びNPOユーザ端末400と通信を行ったデータを一時的に記憶することもできる。なお、各種データを格納したデータベース(図示せず)が記憶部120またはサーバ端末100外に構築されていてもよい。
【0021】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ端末100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130の機能としては、融資者ユーザ端末200、寄付者ユーザ端末300及びNPOユーザ端末400からの指示を受け付ける指示受付部131と、融資者に関連する各種データを参照し、処理する、融資データ管理部132と、支援者に関連する各種データを参照し、処理する、寄付ユーザデータ管理部133と、NPOに関連する各種データを参照し、処理する、NPOユーザデータ処理部134と、NPOの広告を提供する広告処理部135と、支援者からNPOへの寄付の決済や収益分配の処理を行う、取引処理部136等を有する。この指示受付部131、融資データ管理部132、寄付ユーザデータ管理部133、NPOユーザデータ処理部134、広告処理部135、取引処理部135は、記憶部120に記憶されているプログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)であるサーバ端末100により実行される。
【0022】
指示受付部131は、サーバ端末100が提供し、融資者ユーザ端末200、寄付者ユーザ端末300及びNPOユーザ端末400において、ウェブブラウザまたはアプリケーションを介して表示される画面等のユーザインターフェースを介して、融資者、支援者またはNPOであるユーザが、(キーワードを入力したり、アイコンを押下する等して)所定の要求を行ったとき、融資者ユーザ端末200、寄付者ユーザ端末300またはNPOユーザ端末400から通信部110を介して指示を受付ける。
【0023】
融資ユーザデータ管理部132は、融資者に関連する各種データ(例えば、融資者ユーザID、融資者の基本情報、融資情報等)を管理し、処理を行う。上述の通り、融資受付や融資の管理等融資者に関連する処理を、外部のサーバ等の装置に設けることもできる。
【0024】
寄付者ユーザデータ管理部133は、支援者に関連する各種データ(例えば、寄付ユーザID、支援者の基本情報、寄付情報等)を管理し、処理を行う。
【0025】
NPOユーザデータ管理部134は、NPOに関連する各種データ(例えば、NPOユーザID、NPOの基本情報、NPOの広告情報、NPOへの寄付情報等)を管理し、処理を行う。
【0026】
広告処理管理部135は、NPOに関連する広告を提供する処理を行う。ここで、提供する広告の形態として、サービス提供が自ら運営するオウンドメディア(テキスト及び動画配信によるコンテンツの提供も含む)、ウェブ広告事業者を介したウェブ広告、放送事業者を介したテレビ、ラジオ等のマス広告、または、放送事業者を介した広告番組提供を含む。上述の通り、広告処理機能を外部のサーバ等の装置に設けることもできる。
【0027】
取引処理部136は、支援者からNPOへの寄付の決済や収益分配の処理を行う。上述の通り、取引処理機能を外部のサーバ等の装置に設けることもできる。
【0028】
図3は、
図1の融資者ユーザ端末200を示す機能ブロック構成図である。融資者ユーザ端末200は、通信部210と、表示操作部220と、記憶部230と、制御部240とを備える。
【0029】
通信部210は、ネットワークNWを介してサーバ端末100と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。
【0030】
表示操作部220は、融資者が指示を入力し、制御部240からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示するために用いられるユーザインターフェースであり、融資者ユーザ端末200がパーソナルコンピュータで構成されている場合はディスプレイ、キーボード及びマウスにより構成され、融資者ユーザ端末200がスマートフォンまたはタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等から構成される。この表示操作部220は、記憶部230に記憶されている制御プログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)である融資者ユーザ端末200により実行される。
【0031】
記憶部230は、各種制御処理又は制御部240内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM又はROM等から構成される。また、記憶部230は、サーバ端末100との通信内容を一時的に記憶している。
【0032】
制御部240は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより、融資者ユーザ端末200の全体の動作を制御するものであり、CPU又はGPU等から構成される。
【0033】
なお、サーバ端末100が表示操作部の機能を備える構成としても良く、この場合、融資者ユーザ端末200を備えない構成としても良い。
【0034】
なお、寄付者ユーザ端末300及びNPOユーザ端末400の機能構成についても、融資者ユーザ端末200と実質同一であるので、説明を省略する。
【0035】
図4は、サーバ端末100に格納される融資者ユーザデータの一例を示す図である。
【0036】
図4に示す、融資者ユーザデータ1000は、融資者に関連する各種データを格納する。
図4において、説明の便宜上、一融資者(融資者ユーザID「10001」で識別される融資者)の例を示すが、複数の融資者の情報を格納することができる。融資者に関連する各種データとしては、例えば、融資者に関連する基本情報(融資者の氏名(法人の場合は法人名)、生年月日(法人の場合は設立年月日)、住所(または居所)、メールアドレス等の連絡先、決済に必要な決済情報(銀行口座、クレジットカード情報等)、法人の場合、資本金等その他法人情報等)及び融資に関連する融資情報(融資額、分配される利益額、返済期限、返済日等)が格納される。
【0037】
図5は、サーバ端末100に格納される寄付ユーザデータの一例を示す図である。
【0038】
図5に示す寄付ユーザデータ2000は、寄付を希望する支援者に関連する各種データを格納する。
図5において、説明の便宜上、一支援者(寄付ユーザID「20001」で識別される支援者)の例を示すが、複数の支援者の情報を格納することができる。支援者に関連する各種データとしては、例えば、支援者の基本情報(氏名、生年月日、住所、メールアドレス等の連絡先、SNS情報、決済に必要な決済情報(銀行口座、クレジットカード情報等)、属性、関心等)及び支援者による寄付に関する情報(寄付先のNPOユーザID、寄付プラン、寄付期間)等の情報が格納される。ここで、寄付ユーザの属性情報として、性別、年収等の情報、また、関心情報として、NPOのジャンル(貧困、動物保護、教育、人権保護、自然環境保護等)のうち、関心のあるジャンルに関する情報が含まれる。
【0039】
図6は、サーバ端末100に格納されるNPOユーザデータの一例を示す図である。
【0040】
図6に示すNPOユーザデータ3000は、NPOに関連する各種データを格納する。
図6において、説明の便宜上、一NPO(NPOユーザID「30001」で識別されるNPO)の例を示すが、複数のNPOの情報を格納することができる。NPOに関連する各種データとしては、例えば、NPOの基本情報(法人名、住所(または居所)、メールアドレス等の連絡先、SNS情報、決済に必要な決済情報(銀行口座、クレジットカード情報等)、ジャンル((貧困、動物保護、教育、人権保護、自然環境保護等)等)及びNPOの広告に関する情報(NPOの紹介情報(紹介文)、コンテンツ(テキスト、画像、動画、音声等のデータ)、募集金額、広告タイプ(オウンドメディア、Web広告、マス広告、広告番組等)、及びNPOへの寄付に関する情報(寄付ユーザID、寄付額(寄付ユーザ別、総額)、NPOが提供する商品またはコンテンツ(記念品、感謝を表する画像、動画、音声等のデータ)、寄付の用途を報告するレポート(コンテンツ)等)等の情報が格納される。
【0041】
<処理の流れ>
図7を参照しながら、本実施形態のシステム1が実行する、寄付を希望する支援者とNPOとのマッチング方法の処理の流れについて説明する。
図7は、本発明の第一実施形態に係る、マッチング方法に係るフローチャートの一例である。
【0042】
ここで、本システム1を利用するために、融資者、支援者及び/またはNPOは、融資者ユーザ端末200、寄付者ユーザ端末300、NPOユーザ端末400各々のウェブブラウザまたはアプリケーション等を利用してサーバ端末100にアクセスし、必要に応じて、前述の各々のユーザの基本情報等を入力し、ユーザアカウントを取得する手続を行うか、アカウントを取得済の場合は、例えばIDとパスワードを入力する等の所定の認証を受けてログインすることで、サービスが利用可能となる。この認証後、ウェブサイト、アプリケーション等を介して所定のユーザインターフェースが提供され、
図7に示すステップS101へ進む。
【0043】
まず、ステップS101の処理として、サーバ端末100の指示受付部131は、融資者ユーザ端末200から、融資者による融資の申し込みを受け付ける。例えば、サーバ端末100は、融資の申し込みとして、融資者の基本情報、融資に係る融資情報(融資額等)を受付けることができ、本処理は、サーバ端末100を運営するサービス事業者が、融資者に代わって入力を行うことができる。ここで、融資は、ビジネススキーム上、融資者が、NPOに代わる集客のための営業代行として、広告プラットフォームを運営するサービス事業者に対して、NPOに関する広告を発注し、その際の広告費用の原資として扱われる。融資者からの融資に際しては、融資者が希望する、支援対象とするNPOまたはNPOのジャンルの指定を受付けてもよい。例えば、融資者は、融資に際し、特定にNPO(NPOユーザID「30001」で識別されるNPO)も指定できるし、及び/または特定のNPOのジャンル(動物保護等)を指定することもできる。
【0044】
次に、ステップS102の処理として、サーバ端末100の融資ユーザデータ管理部132は、融資者ユーザ端末200から受け付けた融資申し込みに基づいて、融資ユーザデータを更新する処理を行う。融資に際しては、サービス事業者側で、融資者の審査を行うこともできる。例えば、
図8に示すように、サーバ端末100は、融資ユーザデータ1000に含まれる融資情報のうち、融資ユーザID毎に融資金額、返済期限に関する情報を更新する。
図8の例においては、融資ユーザID「10001」で識別される融資者が、1000千円の融資をおこない、最終返済期限が、2020年7月1日であることが示されている。融資に対しては、サービス事業者がNPOからシェアとして取得する利益額を利息として融資額に上乗せし、一括または分割により返済が行われる。分割による返済の場合、返済期限については、次回の返済期限に関する情報を含んでもよい。また、
図8に図示しないが、融資ユーザデータの更新に際しては、融資者が支援を希望する、特定のNPOユーザID及び/またはNPOのジャンルに関する情報を更新することもできる。
【0045】
次に、ステップS103の処理として、サーバ端末100の広告処理部135は、融資者から融資された金額を原資として、NPOの広告提供に係り処理を行う。例えば、広告処理部135は、NPOユーザデータ管理部134を介して、NPOユーザデータ3000の広告情報を参照し、広告を提供する処理を行う。例えば、
図9に示すように、NPOユーザデータ3000に含まれる広告情報は、NPOユーザ毎の広告ID、広告提供する場媒体の種別(オウンドメディア、Web広告、マス広告及び広告番組のいずれか)及び広告タイプ(広告の質の等級及び/または広告に投下する費用に応じた、ベーシック、プロ、プレミアム等のプラン)が含まれる。広告処理部135は、NPOの規模、募集金額ジャンル及び/または寄付を希望する支援者のターゲット層に基づいて、適正な提供媒体及び/または広告タイプを決定し、広告情報に含まれる、紹介情報、コンテンツ等の素材を利用して広告を生成し、決定された媒体に対して広告を提供する処理を行う。例えば、動物愛護を推進するNPOについて、広告処理部135は、寄付の募集金額の規模及び動物愛護というジャンルの性格に基づいて、所定の年齢層の支援候補ユーザにターゲティングし、所定の予算で、動物に関するテキスト、音楽を伴った動画コンテンツに基づいて、オウンドメディアとしての動画配信サービスを通じて動画広告を提供することができる。また、広告処理部135は、NPOのジャンル別に、寄付の募集金額の規模及び動物愛護というジャンルの性格に基づいて、動画広告等のコンテンツを提供することもできる。広告提供については、上述のように、サーバ端末100が広告提供することもできるし、サーバ端末100外の広告プラットフォーム機能を提供する端末により提供することもでき、また、特にWeb広告やマス広告、広告番組の提供に際しては、第三者のWebサーバや放送局を通じて広告提供を行うこともできる。
【0046】
次に、ステップS104の処理として、サーバ端末100の指示受付部131は、広告を介して、寄付者ユーザ端末300から、NPOへの寄付を受け付ける。例えば、寄付ユーザ端末300は、広告処理部135によって提供された、NPOの広告(例えば、動画配信サイトにより配信された動画広告)上に表示されるバナーやリンクを介して、当該NPOに対する寄付を実行するためのWebページにアクセスし、寄付を実行するための手続を行う。手続としては、NPOに対する寄付額に応じた寄付プランの選択(例えば、月額5000円、10000円、100000円等のプラン)、決済手段の選択、決済の実行等の処理が含まれる。決済については、サーバ端末100の取引処理部136が処理を行うこともできるし、決済代行業者等が運営する外部のサーバが実行することもできる。ここで、支援者は、特定のNPOでなく、特定のNPOのジャンル(例えば、動物愛護)に対して、寄付を行うこともできる。
【0047】
続いて、ステップS105の処理として、サーバ端末100の寄付ユーザデータ管理部133は、支援者の寄付に基づいて、寄付ユーザデータを更新するとともに、NPOユーザデータ管理部134は、NPOユーザデータを更新する処理を行う。例えば、寄付ユーザデータ管理部133は、寄付ユーザデータ管理部2000に含まれる寄付情報を更新する。具体的には、寄付ユーザID毎に寄付を実行したNPOユーザID、寄付プラン、期間等に関する情報を更新する。また、NPOユーザデータ管理部135は、NPOユーザデータ3000に含まれる寄付情報を更新する。例えば、
図10に示すように、支援者、すなわち、寄付ユーザID毎に、寄付を行ったNPOユーザID、寄付金額に関する情報更新される。ここで、NPOユーザは各々、所定のジャンル/テーマに属しており、支援者が、特定のユーザでなく、特定のNPOのジャンル(例えば、動物愛護)に対する寄付を希望した場合は、そのジャンル内で寄付金の分配が行われる。分配に際しては、そのジャンルを構成するNPOの数に応じて均等に分配することを基本とするが、NPOに対する寄付総額に応じて割合を決めて分配することもできる。
【0048】
続いて、ステップS106の処理として、サーバ端末100の取引処理部136は、支援者から実行された寄付に基づいて利益分配処理を実行する。ここで、取引処理部136は、NPOユーザデータ管理部134を介して、NPOユーザデータ3000に含まれる寄付情報を更新する。例えば、
図10に示すように、支援者からNPOに対して実行された寄付金額のうち、所定割合を、広告プラットフォームを運営するサービス事業者に分配し、残りの金額の半額をNPOに、他の半額をサービス事業者に対して分配することができる。例えば、取引処理部136は、寄付ユーザ「20001」がNPOユーザ「30001」に対して実行した寄付金額5000円のうち、広告プラットフォームに対し、20%に当たる1000円を分配するよう金額を算出し、また、残りの4000円のうち、50%に当たる2000円をNPOユーザに対する寄付として分配し、他の50%サービス事業者の営業代行費用(営業シェア)として分配するよう算出し、NPOユーザデータ管理部134を介してNPOユーザデータを更新することができる。さらに、サービス事業者に営業代行費用として計上される営業シェアは、
図8に示されるように、その所定割合を、融資者による営業代行費用という名目で、当該融資者の融資に対する返済金に含まれる利益額として分配することができ、その場合に、融資ユーザデータ管理部132は、融資ユーザデータ1000に含まれる利益額を含む融資情報を更新する。なお、利益分配の処理は、支援者によって寄付が行われる都度実行することもできるし、所定期間の間隔または所定に寄付の実行回数に到達する度に纏めて処理を実行することもできる。また、取引処理部136によって実行される処理は、第三者の決済代行業者が管理するサーバにより実行することもできる。ここで、融資者に対してなされる利益分配の対価の額または割合は、融資者が広告原資を提供する、特定のNPOまたは複数のNPOで構成されるグループに対する寄付額及び/または広告原資の額(融資額)に基づいて決定されてもよい。
【0049】
また、支援者に対する寄付に対する謝意として、NPOより、記念品及び/または感謝を表する画像、動画、音声等のデータを、支援者及び/または寄付ユーザ端末300に対して提供することができる。また、NPOは、支援者に対して、寄付金の用途、詳細等について、所定のフォーマットまたは任意のフォーマットで報告を行うことができる。例えば、支援者による寄付が、月額で所定期間行われる場合、NPOは、月毎に報告を行うことができる。これにより、支援者が寄付を実行後も、継続して支援者とNPOとの信頼関係を構築することができ、支援者の寄付の継続や増額等につなげることもできる。
【0050】
図11は、本実施形態における、複数の当事者を含む、寄付のエコシステムの概要を説明する説明図である。ここで、各々の当事者は、各々対応し、管理する端末と紐づけられるものとして説明する。なお、本図のサービス事業者1及びサービス事業者2は、別のサービス事業者であってもよいし、同一のサービス事業者であってもよい。
【0051】
図11に示すように、寄付金を募りたいNPOは、サービス事業者1に対して寄付を希望する支援者を募るための集客営業の依頼を行う。依頼を受けたサービス事業者1は、集客営業を行う、一または複数の融資者(個人または企業)に対し、NPOに支援を希望する支援者を集客するための広告発注という形の融資を依頼する。融資者による融資額(広告制作/運営費)は、サービス事業者1のサーバで管理されるデータベースに格納される。
【0052】
続いて、融資者は、広告代理店であるサービス事業者2に対して、広告発注を行う。広告発注を受けたサービス事業者2は、発注額及び/または広告対象となるNPOの属性、規模等に基づいて、広告制作費を決定し、また、自社または他社の広告メディア(動画配信、Web広告、マス広告、広告番組提供等)を選択し、メディアに対して広告発注を行い、寄付を希望する支援者にターゲティングした広告提供を行う。提供された広告に対して、支援者は、メディア経由または他の手段を通じて寄付の申し込みを行う。寄付は、月額固定額のサブスクリプションにより実施されるか、または、一回のみ支払うことで実施されてもよいが、寄付の継続性の観点から、サブスクリプションによる方法が好ましい。支援者による寄付額は、サービス事業者2のサーバで管理されるデータベースに格納される。なお、寄付の決済に際して、決済代行業者が提供する決済方法を適用する場合は、当該決済代行業者が管理するサーバによって決済処理が実行され、寄付に関する情報を当該サーバで管理されるデータベースに格納されることもできる。
【0053】
寄付の申し込みに対し、サービス事業者2は、寄付金の一部を、広告プラットフォームの運営費として、データベース上の入力/更新処理を行い、残りの寄付金を、NPOに対する寄付金及びサービス事業者1の営業代行費用として分配するよう、データベース上の入力/更新処理を行う。サービス事業者1に分配された寄付金の一部は、サービス事業者1のサーバで管理されるデータベース上でも入力/更新処理がなされ、最終的に、サービス事業者1が融資者に対して依頼した営業代行(融資)依頼に対する対価として、融資者に対しても分配される。ここで、融資者に対してなされる利益分配の対価の額または割合は、融資者が広告原資を提供する、特定のNPOまたは複数のNPOで構成されるグループに対する寄付額及び/または広告原資の額(融資額)に基づいて決定されてもよい。また、ここで、上記NPOからサービス事業者1及び/または融資者に対して依頼する集客営業や営業代行について、コンサルティング等の名目であってもよい。
【0054】
このように、本実施形態によるマッチング方法により、融資者から広告費用の原資を効果的に集め、さらに広告手段により、寄付を希望する支援者を効果的に集客し、NPOに対する寄付を最大化することができる。そして、本実施形態による、寄付に基づく利益分配により、融資、広告提供、寄付の実行へつながる寄付エコシステムを好循環化させることができる。
【0055】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。この実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
1 マッチングシステム、 100 サーバ端末、 110 通信部、120 記憶部、130 制御部、200 融資者ユーザ端末、300 寄付者ユーザ端末、400 NPOユーザ端末、NW ネットワーク
【手続補正書】
【提出日】2020-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークで接続される、融資ユーザに関連する融資ユーザ端末と、寄付者ユーザに関連する寄付者ユーザ端末と、NPOユーザに関連するNPOユーザ端末と、を仲介する
サーバ端末により提供される、寄付者ユーザとNPOユーザとのマッチング方法であって、
前記サーバ端末の制御部は、
前記融資ユーザ端末から、融資金額を含む融資要求を受信し、
前記融資ユーザに関連する情報と、前記融資金額とを関連づけて前記サーバ端末の記憶部に格納し、
前記NPOユーザに関連する情報と、前記融資金額に応じて決定された広告の種別を示す広告タイプ、コンテンツ及び寄付の募集金額を含む、前記NPOユーザに関連する広告に関連する広告情報とを関連づけて前記記憶部に格納し、
前記広告情報を参照し、前記寄付者ユーザ端末に対し、前記広告を、インターネットを介して提供し、
前記広告を介して寄付を実行するための手続可能なWEBページにアクセスした前記寄付者ユーザ端末から、前記NPOユーザに対する寄付金額を含む寄付要求を受信し、
前記NPOユーザ及び前記寄付者ユーザと、前記寄付金額とを関連づけて前記記憶部に格納する、
マッチング方法。
【請求項2】
前記広告タイプは、WEB広告である、請求項1に記載のマッチング方法。
【請求項3】
前記NPOユーザは、複数のジャンルのいずれかに属し、前記寄付要求は、前記ジャンルに対する寄付要求である、請求項1に記載のマッチング方法。
【請求項4】
前記寄付金額及び前記融資金額に基づいて、前記融資ユーザに対する利益額を決定する、請求項1に記載のマッチング方法。